2154

オープンアップグループ(2154)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

サービス業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 人材サービスと業務請負
    オープンアップグループは、主に技術者派遣と業務請負を通じて収益を得ています。具体的には、機械・電気・IT分野の技術者や建設業界の施工管理技士などを企業に派遣したり、特定の業務を請け負ったりすることで、企業の多様な人材ニーズに応えています。これにより、企業は必要な時に専門スキルを持つ人材を確保でき、グループは対価を得るビジネスモデルです。
  • 多岐にわたる専門領域
    事業は「機電・IT領域」「建設領域」「海外領域」の3つの主要な領域に分かれています。機電・IT領域では開発・設計・製造技術者やITエンジニアを、建設領域では施工管理技術者などを提供しています。これにより、特定の産業に偏らず、幅広い分野の企業を顧客として収益源を分散させています。
  • 持株会社体制
    株式会社オープンアップグループは持株会社として、傘下の各事業会社がそれぞれの専門領域で事業を展開しています。これにより、グループ全体として効率的な経営を行いながら、各事業会社が専門性を高め、市場の変化に柔軟に対応できる体制を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 機械・電気・IT領域
    この領域は、グループの主要な稼ぎ頭であり、売上高490.61億円、営業利益50.5億円を計上しています。国内メーカーやIT企業に対し、開発・設計・製造技術者やITエンジニアの派遣・請負を行っており、高い専門性を持つ人材を提供することで安定した収益を上げています。
  • 建設領域
    建設領域は、売上高87.2億円を計上していますが、営業利益は-5.17億円と赤字を報告しています。国内建設業界向けに施工管理技術者やCAD技術者の派遣を主に行っており、市場環境や事業再編(アイアール株式会社の連結子会社化など)が今後の収益性に影響を与える可能性があります。
  • 海外領域
    海外領域は、売上高282.99億円、営業利益0.28億円を計上しています。かつては英国を中心に事業を展開していましたが、現在はポートフォリオの見直しを進め、中国、インドネシア、ベトナムなどのアジア地域で人材紹介・コンサルティング事業を継続しています。これにより、グローバルな事業展開を図り、成長市場での収益拡大を目指しています。
2021-06 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
MachineryAndElectronicsITField 事業 491 51 10.3%
ConstructionFieldReportanle 事業 87 -5 -5.9%
ManufacturingField 事業 87 6 6.3%
OverseasField 事業 283 0 0.1%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,140 文字
3【事業の内容】当社グループは、株式会社オープンアップグループ(当社)を持株会社として、グループ各社において技術者等の派遣を主とした人材サービス及び業務請負を行っており、事業内容は次の3つの領域に区分されます。3つの領域は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一であります。なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することになります。 (1)機電・IT領域株式会社ビーネックステクノロジーズ、株式会社オープンアップITエンジニア、株式会社ビーネックスソリューションズ等において、機電・IT領域の事業を展開しております。国内メーカーにおける開発、設計、製造技術等の機械・電気・電子系技術者や、IT企業等におけるネットワーク、サーバー、ソフトウエア等の構築、開発、運用系のIT技術者の派遣及び業務請負を行っております。 (2)建設領域株式会社夢真、株式会社オープンアップコンストラクション等に加え、2024年10月1日付で新たに連結子会社となったアイアール株式会社にて、建設領域の事業を展開しております。国内建設業界の企業に対し、施工管理技術者やCAD技術者の派遣を主として行っております。 (3)海外領域当社グループは国外での事業も展開しており、海外における技術・製造分野に対する派遣・請負や、有料職業紹介などの人材サービス事業を海外領域としております。海外領域は従来、英国を中心に事業を展開しておりましたが、2025年2月27日開催の取締役会において、当社連結子会社であるBeNEXT UK Holdings Limited(現会社名 GAP PERSONNEL INVESTMENTS LIMITED)の全株式をMADDOX 2023 LIMITEDへ譲渡することを決議し、同日株式譲渡契約を締結、2025年3月4日付で譲渡を実行いたしました。これにより海外事業のポートフォリオの見直しを進めております。一方で、中国、インドネシア、ベトナムの現地法人においては、派遣事業に加え、人材紹介・人材コンサルティング事業を継続して行っております。 また、以上の3つの領域に含まれない区分を「その他」としており、包含する事業内容には、株式会社オープンアップウィズでの障がい者雇用促進事業、株式会社SAMURAIでのオンラインプログラミング教育事業等があります。 「事業系統図」当社グループの各企業と事業セグメントとの関係は以下のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
労働者派遣法や職業安定法等の法的規制下にあるため、許可取消や事業停止の処分を受ける恐れがある
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:経済安全保障等の国際社会状況 / 法的規制 / 企業買収、業務あるいは資本提携等
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ブランド力や特許などの無形資産は限定的。人材派遣・紹介事業が中心であり、特定の技術やブランドに依存する度合いは低い。ただし、長年の実績による信頼性は一定の評価が可能。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

求職者側からのスイッチングコストは低い。企業側にとっては、人材紹介会社を変更する手間やコストは存在するが、代替となるサービスも多く、限定的。ただし、長年の取引実績や担当者との関係性はスイッチングを抑制する要因となりうる。

ネットワーク効果★☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

求職者と企業のマッチングプラットフォームは持つが、強力なネットワーク効果は限定的。新規参入企業も多く、既存プラットフォームへの依存度は高くない。規模の拡大によるネットワーク効果の強化は期待できる。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

人材紹介手数料が主な収益源であり、規模の経済によるコスト優位性は限定的。オペレーションの効率化は進んでいるが、競合他社とのコスト差を大きく生み出すほどの優位性は見られない。人材獲得コストが変動要因。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

売上高、営業利益ともに直近5期で着実に成長しており、一定の事業規模を有している。特にFY2025では売上1879億円、営業利益162億円と伸長。規模の拡大による採用力強化やサービス提供能力の向上が期待できる。

  • 専門技術者派遣の強み
    機械・電気・IT分野の技術者や建設業界の施工管理技術者など、専門性の高い人材を企業に派遣できる点が強みです。これらの分野は専門知識やスキルが不可欠であり、企業が自社で常に確保するのが難しい場合が多いため、グループの提供する人材は高い価値を持ちます。これにより、安定した需要が見込めます。
  • 多様な事業領域と顧客基盤
    機電・IT、建設、海外といった複数の事業領域を持つことで、特定の産業の景気変動リスクを分散しています。国内大手メーカーやIT企業、建設会社など幅広い顧客基盤を持つことで、安定的な収益を確保しやすくなっています。これにより、市場の変化に強い事業構造を築いています。
  • 海外展開とポートフォリオ見直し
    海外領域では、かつて英国を中心に事業を展開していましたが、現在はポートフォリオの見直しを進め、中国、インドネシア、ベトナムなどのアジア地域で人材紹介・コンサルティング事業を継続しています。これにより、成長が見込まれるアジア市場での事業拡大を図り、新たな収益源の確立を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 当連結会計年度においては、個人消費に足踏みがみられるものの、雇用・所得も改善され国内経済は緩やかに回復しております。一方で、金融資本市場の変動影響や米国経済の景気懸念の高まりなどもあり国内外における経済的な見通しは不透明な状況が続いております。その中で、当社グループの事業である派遣や請負、とりわけ国内の技術系領域においては顧客企業のニーズが強い状況にあります。市場環境の変化に応じた事業戦略と適正な財務戦略によって、当社グループの持続的な成長が可能と展望しております。 (1)会社の経営の基本方針当社グループの事業の存在意義として、また事業遂行における判断基準や価値基準となるものとしてパーパスを設定しております。事業子会社ではこのパーパスの示す方向のもと、各々の事業特性に沿う経営理念やビジョンをもって経営を行っております。 ( パーパスのビジュアルイメージ ) (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、財務的な目標の達成状況を判断するため、各事業区分や事業会社ごとの成長性・収益性を示す指標を重視しております。具体的には、売上収益および営業利益、その増加率を主要な評価指標として設定し、連結決算においても継続的に開示しております。また、稼働社員数の増加や稼働率を非財務的な客観指標として位置付け、併せて開示しております。2021年8月に策定した中期経営計画「BY25」(計画期間:2025年6月期まで)については、製造領域および英国事業の見直しを通じた事業ポートフォリオの最適化(集中)と、オーガニック成長・インオーガニック成長の両軸によるエンジニア領域の強化(成長)により、売上高1,879億円(前期比8.5%増)、営業利益162億円(同13.6%増)を計上し、当初目標として掲げた営業利益160億円の水準に到達いたしました。これにより、「BY25」のコミットメントを実現したものと判断しております。前連結会計年度に掲げた中期経営方針のもとで、以下の3つの指標を掲げ、持続的な成長を目指してまいります。「収益指標」:売上高・営業利益の年率10%以上成長、営業利益率10%以上の達成「成長指標」:国内エンジニア数の年率10%以上の拡大、社員育成投資およびM&Aの推進「還元指標」:配当性向50%以上、累進配当の実施、自己株式取得さらに、次期の成長ステージとして、新たに2028年6月期を目標年度に設定し、売上高2,000億円、営業利益200億円の達成を掲げております。 (3)経営戦略等当社グループは、主に国内の技術者派遣の売上収益の伸長と収益性の向上が展望できる領域に対して、当社グループの強みである中途及び新卒の継続的な採用や未経験者からの育成プログラムやスキルアップに寄与する研修等のフォローアップにより、技術者の定着率を上げ、LTV(ライフタイムバリュー)を重視する新たな事業経営方針と成長手段を構築しております。また、事業セグメントを多様化し増やす方針ではなく、現事業セグメントにおける稼働社員数の増加と収益性の向上による自立成長と同セグメント内で成長に寄与するシナジーや補完が見込まれるM&Aや事業子会社の経営統合等を積極的に行う成長戦略としております。 (4)経営環境並びに会社の対処すべき課題当社グループの主力事業である国内の機電・IT領域と建設領域の技術者派遣市場は、従前より人材不足の状況にあり、世界情勢の不安定さはあるものの顧客企業の活動回復と共に人材ニーズは回復しております。一方で、硬直的な雇用制度や成長技術分野への人材流動性の低さなど構造的社会課題は引き続き続くものと考えております。特に、国内の労働人口の低下に加え学生の理系離れ等により、長期的には採用マーケットの環境は競合による厳しさを増す傾向にあります。このような状況において当社グループの対処すべき課題として以下の項目を認知し、持続的な取組みで対処を行ってまいります。 ① 社員の採用当社グループの持続的な業容拡大のためには、稼働社員数の増加が重要な要素であり、特にエンジニアの採用は重要な課題と考えております。雇用を取り巻く社会環境が変化している中でエンジニアの採用マーケットは非常に競争が激しく、採用力が同業他社との優劣を決めるものとなります。当社グループでは新卒中途を問わず積極的に採用を行っており、技術の領域や事業会社の特徴に適した多様なチャネルで採用を推進しております。若者の就労観の変化など採用マーケットの状況を敏感に捉えながら、自社サイトでの集客、様々な求人媒体、紹介会社、リファラル採用等の活用、WEB面談や採用拠点の統廃合等のインフラの機動的な対応により、採用コストの適正な運営と採用戦略のアップデートを常時行っております。また、採用に関するデータを蓄積・解析し、確保した募集母集団においてスキルやキャリア志向を的確に把握したうえで、統計やAIを活用しながら更なる採用の効率化と採用数の増強に取り組んでおります。 ② 社員の育成当社グループの持続的な業容拡大のためには、社員一人ひとりが顧客企業から信頼される技術や知識、協働などの能力の発揮や向上が重要な要素であり、そのようなスキルを支える仕組みは重要な課題であると考えております。顧客企業では引き続き経験や知識のあるエンジニアの要望が高まっております。これに対し当社グループでは、エンジニアを育成するためのトレーニングセンターの設置や、資格取得のための研修、支援制度を通じて、新卒等の未経験からエンジニアとして就業できる社員を育成しております。また、社員のスキル、就業先での評価や社員の意欲を的確に把握できるよう専任部署等による人的なフォロー体制とタレントマネジメント等のシステムを柔軟に活用した対応を行っております。これによりキャリアの転機や働き方の希望を把握したうえで、社員のリスキリングを推進し、またスキルアップの支援に取り組んでおります。 ③ 社員の定着当社グループの持続的な業容拡大のためには、社員の定着が重要な要素であり、安心安全を基本に社員がやりがいをもって就業できることが重要な課題であると考えております。当社グループで長期にわたり働いて頂くためには、社員の満足度が最重要と考えております。そのためには「人」を起点に、社員一人ひとりのライフイベントに配慮したきめ細やかなフォローを通じて、適正なマッチングの実現、リスキリング、キャリア支援などたくさんの扉を創り続ける必要があります。当社グループはその件数及びスピードを重視しDXの更なる活用と全社でのノウハウ共有による向上に取り組んでおります。これらにより、当社グループでの満足感を高め定着率の向上に努めております。 ④ 営業力の強化当社グループの持続的な業容拡大のためには、顧客企業との信頼関係が重要な要素であり、市場や顧客企業の要望の変化を踏まえながら、質の高い営業活動を継続的に行う仕組みを構築することが重要な課題と考えております。これまで、受注のスピードや量を求め過ぎることにより捉えきれていない顧客企業のニーズを、営業トレーニングや顧客接点の拡大などの施策を実施することでしっかり捉え、顧客が満足し、真に顧客との信頼関係を築くことができるよう営業力の再構築に取り組んでまいります。 ⑤ M&A当社グループの持続的な業容拡大のためには、自立成長に加え、M&Aによる成長が重要な課題であると考えております。このため、国内のエンジニア派遣に関連するM&Aにおいて、的確な投資基準の設定と運営方針の策定が重要であると認識しております。当社のM&Aは既存の事業ポートフォリオの領域内を原則と考えており、当社グループの経営管理手法、営業・採用とのシナジー、エンジニアのスキルアップやキャリアアップの可能性の拡大等を都度検証しております。また資本コストを上回る収益性となるか慎重にシナリオを検討したうえで、事業、財務、法務、人事等の項目を業務執行取締役及び執行役員を構成員とする投資検討会において十分審議のうえ、取締役会での最終決定を行うことにしております。また、過去のM&Aに関しても全て定期的にパフォーマンスを検証しており、新たなM&Aの検討やPMI(いわゆるM&A後の統合行為)において比較や参考としております。これらにより当社グループに適したM&Aを行い着実に成果に結びつくよう取り組んでおります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題優先的に対処すべき課題は、パーパスである「幸せな仕事を通じてひとりひとりの可能性をひらく社会に」を実現するために、社員満足度を上げ、定着率を上げることで、LTV(ライフタイムバリュー)を向上していくことです。そのために、マッチングがメインのエージェント型のサービスにとどまらず、働く人のキャリア形成をサポートする伴走型のサービスを、ひとりひとりの個性に合わせて提供していくことに当社グループは注力しています。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 当連結会計年度においては、個人消費に足踏みがみられるものの、雇用・所得も改善され国内経済は緩やかに回復しております。一方で、金融資本市場の変動影響や米国経済の景気懸念の高まりなどもあり国内外における経済的な見通しは不透明な状況が続いております。その中で、当社グループの事業である派遣や請負、とりわけ国内の技術系領域においては顧客企業のニーズが強い状況にあります。市場環境の変化に応じた事業戦略と適正な財務戦略によって、当社グループの持続的な成長が可能と展望しております。 (1)会社の経営の基本方針当社グループの事業の存在意義として、また事業遂行における判断基準や価値基準となるものとしてパーパスを設定しております。事業子会社ではこのパーパスの示す方向のもと、各々の事業特性に沿う経営理念やビジョンをもって経営を行っております。 ( パーパスのビジュアルイメージ ) (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、財務的な目標の達成状況を判断するため、各事業区分や事業会社ごとの成長性・収益性を示す指標を重視しております。具体的には、売上収益および営業利益、その増加率を主要な評価指標として設定し、連結決算においても継続的に開示しております。また、稼働社員数の増加や稼働率を非財務的な客観指標として位置付け、併せて開示しております。2021年8月に策定した中期経営計画「BY25」(計画期間:2025年6月期まで)については、製造領域および英国事業の見直しを通じた事業ポートフォリオの最適化(集中)と、オーガニック成長・インオーガニック成長の両軸によるエンジニア領域の強化(成長)により、売上高1,879億円(前期比8.5%増)、営業利益162億円(同13.6%増)を計上し、当初目標として掲げた営業利益160億円の水準に到達いたしました。これにより、「BY25」のコミットメントを実現したものと判断しております。前連結会計年度に掲げた中期経営方針のもとで、以下の3つの指標を掲げ、持続的な成長を目指してまいります。「収益指標」:売上高・営業利益の年率10%以上成長、営業利益率10%以上の達成「成長指標」:国内エンジニア数の年率10%以上の拡大、社員育成投資およびM&Aの推進「還元指標」:配当性向50%以上、累進配当の実施、自己株式取得さらに、次期の成長ステージとして、新たに2028年6月期を目標年度に設定し、売上高2,000億円、営業利益200億円の達成を掲げております。 (3)経営戦略等当社グループは、主に国内の技術者派遣の売上収益の伸長と収益性の向上が展望できる領域に対して、当社グループの強みである中途及び新卒の継続的な採用や未経験者からの育成プログラムやスキルアップに寄与する研修等のフォローアップにより、技術者の定着率を上げ、LTV(ライフタイムバリュー)を重視する新たな事業経営方針と成長手段を構築しております。また、事業セグメントを多様化し増やす方針ではなく、現事業セグメントにおける稼働社員数の増加と収益性の向上による自立成長と同セグメント内で成長に寄与するシナジーや補完が見込まれるM&Aや事業子会社の経営統合等を積極的に行う成長戦略としております。 (4)経営環境並びに会社の対処すべき課題当社グループの主力事業である国内の機電・IT領域と建設領域の技術者派遣市場は、従前より人材不足の状況にあり、世界情勢の不安定さはあるものの顧客企業の活動回復と共に人材ニーズは回復しております。一方で、硬直的な雇用制度や成長技術分野への人材流動性の低さなど構造的社会課題は引き続き続くものと考えております。特に、国内の労働人口の低下に加え学生の理系離れ等により、長期的には採用マーケットの環境は競合による厳しさを増す傾向にあります。このような状況において当社グループの対処すべき課題として以下の項目を認知し、持続的な取組みで対処を行ってまいります。 ① 社員の採用当社グループの持続的な業容拡大のためには、稼働社員数の増加が重要な要素であり、特にエンジニアの採用は重要な課題と考えております。雇用を取り巻く社会環境が変化している中でエンジニアの採用マーケットは非常に競争が激しく、採用力が同業他社との優劣を決めるものとなります。当社グループでは新卒中途を問わず積極的に採用を行っており、技術の領域や事業会社の特徴に適した多様なチャネルで採用を推進しております。若者の就労観の変化など採用マーケットの状況を敏感に捉えながら、自社サイトでの集客、様々な求人媒体、紹介会社、リファラル採用等の活用、WEB面談や採用拠点の統廃合等のインフラの機動的な対応により、採用コストの適正な運営と採用戦略のアップデートを常時行っております。また、採用に関するデータを蓄積・解析し、確保した募集母集団においてスキルやキャリア志向を的確に把握したうえで、統計やAIを活用しながら更なる採用の効率化と採用数の増強に取り組んでおります。 ② 社員の育成当社グループの持続的な業容拡大のためには、社員一人ひとりが顧客企業から信頼される技術や知識、協働などの能力の発揮や向上が重要な要素であり、そのようなスキルを支える仕組みは重要な課題であると考えております。顧客企業では引き続き経験や知識のあるエンジニアの要望が高まっております。これに対し当社グループでは、エンジニアを育成するためのトレーニングセンターの設置や、資格取得のための研修、支援制度を通じて、新卒等の未経験からエンジニアとして就業できる社員を育成しております。また、社員のスキル、就業先での評価や社員の意欲を的確に把握できるよう専任部署等による人的なフォロー体制とタレントマネジメント等のシステムを柔軟に活用した対応を行っております。これによりキャリアの転機や働き方の希望を把握したうえで、社員のリスキリングを推進し、またスキルアップの支援に取り組んでおります。 ③ 社員の定着当社グループの持続的な業容拡大のためには、社員の定着が重要な要素であり、安心安全を基本に社員がやりがいをもって就業できることが重要な課題であると考えております。当社グループで長期にわたり働いて頂くためには、社員の満足度が最重要と考えております。そのためには「人」を起点に、社員一人ひとりのライフイベントに配慮したきめ細やかなフォローを通じて、適正なマッチングの実現、リスキリング、キャリア支援などたくさんの扉を創り続ける必要があります。当社グループはその件数及びスピードを重視しDXの更なる活用と全社でのノウハウ共有による向上に取り組んでおります。これらにより、当社グループでの満足感を高め定着率の向上に努めております。 ④ 営業力の強化当社グループの持続的な業容拡大のためには、顧客企業との信頼関係が重要な要素であり、市場や顧客企業の要望の変化を踏まえながら、質の高い営業活動を継続的に行う仕組みを構築することが重要な課題と考えております。これまで、受注のスピードや量を求め過ぎることにより捉えきれていない顧客企業のニーズを、営業トレーニングや顧客接点の拡大などの施策を実施することでしっかり捉え、顧客が満足し、真に顧客との信頼関係を築くことができるよう営業力の再構築に取り組んでまいります。 ⑤ M&A当社グループの持続的な業容拡大のためには、自立成長に加え、M&Aによる成長が重要な課題であると考えております。このため、国内のエンジニア派遣に関連するM&Aにおいて、的確な投資基準の設定と運営方針の策定が重要であると認識しております。当社のM&Aは既存の事業ポートフォリオの領域内を原則と考えており、当社グループの経営管理手法、営業・採用とのシナジー、エンジニアのスキルアップやキャリアアップの可能性の拡大等を都度検証しております。また資本コストを上回る収益性となるか慎重にシナリオを検討したうえで、事業、財務、法務、人事等の項目を業務執行取締役及び執行役員を構成員とする投資検討会において十分審議のうえ、取締役会での最終決定を行うことにしております。また、過去のM&Aに関しても全て定期的にパフォーマンスを検証しており、新たなM&Aの検討やPMI(いわゆるM&A後の統合行為)において比較や参考としております。これらにより当社グループに適したM&Aを行い着実に成果に結びつくよう取り組んでおります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題優先的に対処すべき課題は、パーパスである「幸せな仕事を通じてひとりひとりの可能性をひらく社会に」を実現するために、社員満足度を上げ、定着率を上げることで、LTV(ライフタイムバリュー)を向上していくことです。そのために、マッチングがメインのエージェント型のサービスにとどまらず、働く人のキャリア形成をサポートする伴走型のサービスを、ひとりひとりの個性に合わせて提供していくことに当社グループは注力しています。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況 当連結会計年度における売上収益は187,954百万円(前期比8.5%増)となりました。この増収は主に、2025年2月27日に公表しました「連結子会社の異動(株式譲渡)に関するお知らせ」のとおり、海外領域の英国子会社を売却し、海外領域の売上が減少したものの、機電・IT領域及び建設領域で稼働人数が伸長し売上が増加したことによるものとなります。利益面では、国内事業の売上総利益及び定常的な販売管理費の売上収益に対する比率は維持された結果、事業利益は15,631百万円(前期比9.3%増)、営業利益は16,244百万円(前期比13.6%増)、当期利益は12,574百万円(前期比6.5%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は12,559百万円(前期比6.7%増)となりました。 セグメント別の業績の概要は、次のとおりです。なお、セグメント別の売上収益は外部顧客への売上収益を適用しております。 [機電・IT領域](ITや機械・電機領域の開発・設計・運用保守分野に対する派遣・請負・委託事業)当連結会計年度においては、前連結会計年度で取得した株式会社オープンアップテクノロジーが寄与して、在籍数が伸長し、稼働率は、全体として安定的に推移しました。利益面では、ミドルレベルエンジニアへのシフトによる単価の改善などにより売上総利益率は上がり、採用費の抑制により販売管理費の売上収益に対する比率は改善され、前連結会計年度のITプロダクト事業の売却益の剥落があったものの、利益額及び利益率において上回りました。この結果、当セグメントの当連結会計年度における売上収益は101,504百万円(前期比11.5%増)、セグメント利益は11,022百万円(前期比23.4%増)となりました。 [建設領域](建設業界への施工管理技術者やCADオペレーターの派遣事業)当連結会計年度においては、前連結会計年度に取得した株式会社オープンアップコンストラクションに加え、2024年10月1日付で連結子会社化したアイアール株式会社の寄与により、在籍人数が増加しました。また、建設業界における人材需給の状況を踏まえ、契約単価の改善も進展しました。稼働率は堅調に推移し、利益は増加したものの、新たに連結子会社になった株式会社オープンアップコンストラクション及びアイアール株式会社の売上総利益が相対的に低いため、セグメント全体としての利益率は低下しました。この結果、当セグメントの当連結会計年度における売上収益は56,904百万円(前期比26.5%増)、セグメント利益は7,537百万円(前期比9.6%増)となりました。 [海外領域](日本国外における技術・製造分野に対する派遣・請負や、有料職業紹介などの人材サービス事業)当連結会計年度においては、海外事業のうち大半を占める英国において2025年2月27日に公表しました「連結子会社の異動(株式譲渡)に関するお知らせ」のとおり、事業ポートフォリオの見直しを進め、英国子会社を売却しました。この結果、当セグメントの当連結会計年度における売上収益は27,696百万円(前期比22.0%減)、セグメント利益は945百万円(前期比65.9%増)となりました。 [その他]報告セグメントに含まれない領域として、株式会社SAMURAI及び株式会社SAMURAI Careerがオンラインプログラミング学習サービスと人材紹介事業を、当社グループの特例子会社である株式会社オープンアップウィズが障がい者雇用によるグループ内各種サービスを行っております。当連結会計年度においては、オンラインプログラミング学習サービスは収益性重視の方針が奏功し、売上利益共に堅調に推移した結果、サービス提供範囲の拡大から大幅な増収が見られました。この結果、当セグメントの当連結会計年度における売上収益は内部取引を含めて3,114百万円(前期比18.2%増)、セグメント利益は231百万円(前期比9.0%減)となりました。 ② 財政状態の状況資産・負債・資本(資産)当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて6,136百万円増加(5.3%増)し、122,702百万円となりました。主たる変動項目は、のれんの増加7,080百万円、繰延税金資産の増加1,603百万円、その他の流動資産の増加1,514百万円、営業債権及びその他の債権の減少4,189百万円並びに現金及び現金同等物の減少1,152百万円等によるものであります。 (負債)当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて615百万円増加(1.4%増)し、43,834百万円となりました。主たる変動項目は、流動負債の借入金の増加3,423百万円、流動負債のその他の金融負債の増加639百万円、その他の流動負債の減少2,486百万円及び未払人件費の減少895百万円等によるものであります。 (資本)当連結会計年度末の資本は、前連結会計年度末に比べて5,520百万円増加(7.5%増)し、78,867百万円となりました。主たる変動項目は、親会社の所有者に帰属する当期利益12,559百万円の計上、配当金の支払6,529百万円及び非支配株主に対する売建プット・オプション負債の取り崩しによる増加359百万円等による利益剰余金の増加6,391百万円並びに英国子会社の売却等に伴う在外営業活動体の換算差額の減少714百万円によるその他の資本の構成要素の減少937百万円等によるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ1,152百万円減少し、20,353百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は、以下のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、14,159百万円の収入(前期は19,177百万円の収入)となりました。主な要因は、税引前当期利益の計上による収入16,172百万円、非資金項目である減価償却費及び償却費2,405百万円の損益の調整額、前払費用の減少額1,213百万円等が、法人所得税の支払額5,736百万円及び未払消費税等の減少額1,573百万円等による支出を上回ったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、5,558百万円の支出(前期は5,029百万円の支出)となりました。支出の主な要因は、株式会社オフューカスインベスコの取得による連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出5,696百万円、有形固定資産の取得による支出769百万円等が、長期貸付金の回収による収入1,573百万円等の収入を上回ったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、9,675百万円の支出(前期は8,889百万円の支出)となりました。支出の主な原因は、配当金の支払額6,526百万円、リース負債の返済による支出5,311百万円、長期借入金の返済による支出2,010百万円等が短期借入金の増加額4,509百万円等を上回ったことによるものであります。 (参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移 2021年6月期2022年6月期2023年6月期2024年6月期2025年6月期親会社所有者帰属持分比率(%)61.465.664.062.864.2時価ベースの親会社所有者帰属持分比率(%)109.3137.3178.8156.4121.1キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)2.10.10.10.10.4インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)59.494.2132.2114.277.0(注)1.親会社所有者帰属持分比率:親会社所有者帰属持分/総資産時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。3.株式時価総額は、期末終値株価×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。4.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。5.有利子負債は連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績及び受注実績当社グループ事業の主体となっている派遣及び請負業務は、生産実績及び受注実績の重要性が乏しいため、記載を省略しております。 b.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称 当連結会計年度(自 2024年7月1日  至 2025年6月30日) 前期比増減(%)販売高(百万円)構成比(%)機電・IT領域101,50454.011.5建設領域56,90430.326.5海外領域27,69614.7△22.0報告セグメント計186,10599.03.6その他1,8481.011.8合計187,954100.08.5(注)1.主な相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合は100分の10未満のため記載を省略しております。2.セグメント間取引については、相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.当連結会計年度の経営成績等「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。 b.経営成績に重要な影響を与える要因当社の事業には、景気変動等による人材ビジネス市場規模への影響や競合他社の状況、法的規制等、経営成績に重要な影響を与えうる様々なリスク要因があります。詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。 c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ1,152百万円減少し、20,353百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 資本の財源及び資金の流動性について当社の運転資金等は原則として営業債権の回収によって賄われておりますが、状況に応じて直接金融並びに間接金融を利用していく方針であります。資金の流動性につきましては、当社及び一部の連結子会社は、キャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入することにより、各社の余剰資金を当社へ集約し、一元管理を行うことで、余剰資金の効率化を図っております。また、手許流動性確保のために、当座貸越枠及びコミットメントライン契約等の調達手段を備えております。 d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、財務的な目標の達成状況を判断するため、各事業区分や事業会社ごとの成長性・収益性を示す指標を重視しております。具体的には、売上収益および営業利益、その増加率を主要な評価指標として設定し、連結決算においても継続的に開示しております。また、稼働社員数の増加や稼働率を非財務的な客観指標として位置付け、併せて開示しております。2021年8月に策定した中期経営計画「BY25」(計画期間:2025年6月期まで)については、製造領域および英国事業の見直しを通じた事業ポートフォリオの最適化(集中)と、オーガニック成長・インオーガニック成長の両軸によるエンジニア領域の強化(成長)により、売上高1,879億円(前期比8.5%増)、営業利益162億円(同13.6%増)を計上し、当初目標として掲げた営業利益160億円の水準に到達いたしました。これにより、「BY25」のコミットメントを実現したものと判断しております。前連結会計年度に掲げた中期経営方針のもとで、以下の3つの指標を掲げ、持続的な成長を目指してまいります。「収益指標」:売上高・営業利益の年率10%以上成長、営業利益率10%以上の達成「成長指標」:国内エンジニア数の年率10%以上の拡大、社員育成投資およびM&Aの推進「還元指標」:配当性向50%以上、累進配当の実施、自己株式取得さらに、次期の成長ステージとして、新たに2028年6月期を目標年度に設定し、売上高2,000億円、営業利益200億円の達成を掲げております。 e.経営者の問題認識と今後の方針について当社グループは、継続した企業成長と更なる業容の拡大のため、コーポレート・ガバナンスに対する継続的な取り組みを行いつつ、技術者派遣を中心とした事業の伸長、社員の採用数及び定着率の向上、社員のスキルアップへの取組み強化等が必要であると考えております。これらに対する問題認識や今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。

事業リスク

  • 国際情勢と顧客ニーズの変化
    グローバルなサプライチェーンや資源調達に直接的な影響は少ないものの、顧客企業の国際情勢への対応(開発・生産拠点の移転など)によって人材ニーズが変化する可能性があります。これにより、グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす恐れがあります。
  • 法的規制の変更とコンプライアンス
    人材派遣や職業紹介事業は、労働者派遣法や職業安定法など国内の法的規制下にあります。将来的な法改正や監督官庁の指導強化により、顧客企業が派遣や請負の活用を見直す事態になれば、需要が低下し、経営成績に影響が出る可能性があります。また、法令違反は事業停止などの処分につながるリスクがあります。
  • 個人情報・顧客情報の管理
    多くの個人情報や顧客企業の機密情報を取り扱うため、情報漏洩や不正使用のリスクがあります。万が一、これらの事態が発生した場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜により、グループの経営成績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,354 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループでは、これらのリスクの存在を認識した上で、当該リスクの発生に伴う影響を極力回避し、また発生した場合に的確な対応を行うための努力を継続してまいります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。 (1)経済安全保障等の国際社会状況当社グループは事業構造にグローバルなサプライチェーンや資源あるいは部品調達等がないため、直接的な影響を受ける要素は少ないものの、顧客企業の国際情勢への対応により人材ニーズの変化が生じることを通じての影響に留意する必要があると考えております。たとえば顧客企業の開発や生産拠点の稼働の変化のみならず移転等の動きが大きくなる場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2)気候変動当社グループは直接的に自然資本の利用や排出が極めて軽微である特性があり、気候変動による事業へのリスクで顕在化しているものはないと考えております。しかしながら、地球温暖化対策を強化する国策として炭素税の導入がなされた場合や、顧客企業が人材サービスの取引先選定基準においてもカーボンニュートラルへの取組みを要請する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお当社グループでは、購買品や販促品の環境性能を選定基準に適用し、社用車の削減、資材の再利用などCO2等の低減に取り組んでおります。また気候変動に関するリスク評価を年度毎に行い、重要なリスクを認知した場合、取締役会と経営会議に報告と対応の検討を行います。 (3)自然災害当社グループの事業拠点は国内外で広く展開をしており、地震、津波、台風などの自然災害により一部地域等での事業活動が停止する、あるいは顧客企業の設備等に被害が及び就業が出来ないという事態が発生する可能性があります。一定の影響が生じても他拠点でバックアップできる電子化を含めた体制整備を随時アップデートしておりますが、大規模の災害が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4)法的規制派遣や職業紹介の事業は、国内において労働基準法はもとより労働者派遣法や職業安定法の規制下にあるため、当社グループではこれらの法令に違反するような行為や事象が発生しないよう、業務フローにおける確認・牽制を行い、コンプライアンス会議を通じた定期的なモニタリングと未然予防に取り組んでおります。しかしながら、督官庁の指導方針の強化や当社グループの取り組みが派遣先にて十分に反映されない場合には、許可取消や事業停止の処分などを受ける恐れがあります。また、将来の関係法令の改正や監督官庁の指導方針の強化等により顧客企業が派遣や請負の活用を見直す事態となり需要が低下する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、海外の事業においても国別の法令や規制の影響下にあり、同様の可能性があります。 (5)顧客情報管理当社グループの社員は、就業先の顧客企業において機密性の高い情報に触れる機会があるため、全社員に対して入社時及び定期的に機密情報の取り扱いに関する指導・教育を行っております。しかしながら顧客企業の機密情報の流出や不正使用等の事態が生じた場合、損害賠償請求や社会的信用失墜等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6)個人情報管理当社グループは多くの個人情報を取り扱っており、その適正な管理を行うため、個人情報保護に関する規程や関連する諸規定を定め、プライバシーマークの取得や社員教育等を行っております。また、個人情報を扱うIT機器のアクセス制御や漏洩対策を行っております。しかしながら個人情報の流出や不正使用等の事態が生じた場合、損害賠償請求や社会的信用失墜等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7)労働災害当社グループの社員は派遣や請負を通じて顧客企業の様々な現場で就業を行っております。このため配属時等に顧客企業との協力のもとで安全衛生教育や研修を行う等、労働災害の未然防止に努めております。しかしながら当社グループの社員が不測の事態に遭遇した場合、損害賠償請求や社会的信用失墜等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8)業務請負(受託等)当社グループでは派遣以外に請負契約に基づく役務提供を行っておりますが、請負においては派遣と異なり当方が業務執行指示を行い、管理監督責任を負うこととなります。このため、請負により発生しうるリスクについて事前検討し準備の上で役務提供を行っておりますが、品質低下、納期遅れ、成果物の瑕疵等により顧客企業との取引停止や損害賠償請求等の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9)企業買収、業務あるいは資本提携等当社グループでは経営戦略としてM&A(提携等を含む)に積極的に取組む方針としております。投資に際しては対象企業の事業内容や契約関係、財務内容等について詳細に検討を行い、投資効果を慎重に見極めております。しかしながら当初期待した成果をあげられない場合には、のれんの減損が生じるなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

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