2124

ジェイエイシーリクルートメント(2124)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

サービス業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 人材紹介事業
    企業が無期雇用する人材を探す際、最適な候補者を紹介し、採用が決定した時点で企業から成功報酬を受け取るビジネスです。高額案件では、紹介前に一部手数料を受け取る前金方式も併用しています。登録者データベースや人的ネットワークを駆使して、企業と求職者をマッチングさせます。
  • 求人広告事業
    バイリンガル人材を求める企業向けに、求人広告サイト「キャリアクロス」を運営しています。企業は広告掲載料を支払うことで求人を掲載でき、掲載時に前払いする方式と、サイト経由で採用が決まった場合に手数料を支払う成功報酬方式があります。
  • 海外展開と専門性
    シンガポールを拠点とするJAC Overseas Operations(JOO)を通じて、アジア諸国と欧米の10ヶ国で人材紹介事業を展開しています。また、連結子会社である株式会社JAC Internationalは、英語での交渉が必要な国内外資系企業の中高額案件に特化し、事業領域を明確に区分しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 国内人材紹介事業
    日本国内での人材紹介を主な事業としており、売上高は416.6億円と、グループ全体の収益の大部分を占める稼ぎ頭です。東京本社をはじめ、北海道から福岡まで全国に支店を展開し、幅広い地域の人材ニーズに対応しています。
  • 国内求人広告事業
    主にバイリンガル人材をターゲットとした求人情報サイト「キャリアクロス」の運営による求人広告事業です。売上高は3.97億円と、人材紹介事業に比べると規模は小さいですが、特定のニッチ市場で収益を上げています。
  • 海外事業
    アジア諸国と欧米の10ヶ国で展開する人材紹介事業が中心です。売上高は40.31億円で、国内人材紹介事業に次ぐ規模を持ち、国際的な人材ニーズに応える重要な事業セグメントです。各国の政治・経済情勢や法規制の影響を受けやすい特性があります。
2025-12 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
LocalRecruitmentBusinessReportableSegment 地域 417
LocalRecruitmentAdvertisingBusinessReportableSegment 地域 4
OverseasBusinessReportableSegment 地域 40
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,465 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社及び当社の連結子会社である株式会社 JAC International、株式会社キャリアクロス、株式会社バンテージポイント、JAC Recruitment International Ltd(本社:シンガポール、以下「JOO(JAC Overseas Operations)」といいます)、及びJOOの連結子会社等で構成されております(なお、株式会社バンテージポイントは、2025年11月末日をもって事業活動を終了いたしました)。当社(東京本社、北海道支店、東北支店、北関東支店、横浜支店、静岡支店、浜松支店、名古屋支店、京都支店、大阪支店、神戸支店、中国支店、福岡支店)及び株式会社 JAC Internationalは、国内外にわたる人材紹介事業に取り組んでおります。当社グループにおいては、株式会社 JAC Internationalを主に英語での交渉を要する国内外資系企業の中高額案件に特化した戦略子会社と位置付け、事業領域を区分しております。株式会社キャリアクロスは、主にバイリンガル人材をターゲットとした求人情報サイト「キャリアクロス」の運営を中心として、求人広告事業に取り組んでおります。JOOは、当期においてはアジア諸国と欧米の10ヶ国において、その傘下の連結子会社が主に人材紹介事業に取り組んでおります。 [人材紹介事業]人材紹介事業は、求人企業に対して主として無期社員の候補者をご紹介し、その候補者が企業にご入社された時点でコンサルティングフィーを当該求人企業に請求する成功報酬方式と、高額求人案件の一部では、求人受付段階で一定の手数料を請求する前金(リテーナー)方式を併用しております。人材紹介事業の具体的運営は、おおよそ次のように行っております。当社グループ各社のコンサルタントが、求人企業より求人の詳細を獲得し、その求人条件に合致する人材を、各社それぞれのご登録者データベースより選定します。ご登録者は、各コンサルタントの人的ネットワークを通じて、また、各社並びに各社が広告掲載するインターネットサイト等の各種媒体を通じて広範に募集しております。ご登録者にはコンサルタントが面談し、キャリア相談と意思確認の上で、ご紹介する求人を選定します。また、面談後も求人を継続してご紹介し、ご登録者の許可を得た求人企業には、履歴書、職務経歴書等の情報を送付し、採用面接に進めます。求人企業が採用決定し、ご登録者が入社されるまで担当コンサルタントが定期的にフォローを実施するほか、入社後のご登録者の企業定着を目的として、一定期間のアフターフォローを実施しております。また、入社後一定期間内にご紹介人材が自己都合退職された場合には、コンサルティングフィーを一定割合で返金(リファンド)しております。また、当社は当社グループ海外各社を国際人材紹介の取次機関として、国内外の多様な人材ニーズにお応えしております。[求人広告事業]求人広告事業においては、求人企業から募った主として無期社員の求人案件を株式会社キャリアクロスが運営する求人広告サイト「キャリアクロス」に掲載する契約を獲得した時点で広告掲載料を当該求人企業に請求する前課金方式と、求人企業が「キャリアクロス」経由で獲得した求職者が当該求人企業に入社した時点で手数料を請求する成功報酬方式を併用しております。同社は、主にバイリンガル人材を必要とする外資系企業と日系企業を対象として求人広告の獲得を進めております。 [事業系統図]

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
中高額年収領域に注力することで、請求金額変動のリスクを受けにくくしている。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
有料職業紹介事業を行うには厚生労働大臣の許可が必要であり、5年毎の更新も必要。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:個人情報の漏洩 / 特定人物への依存 / 海外展開における政治・経済・法規制の変化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 12 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

JAC Recruitmentは、長年にわたる人材紹介事業で培ったブランド力と、求職者・求人企業双方からの信頼を築いている。特に専門性の高い分野での実績が、無形資産として機能していると考えられる。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

求職者にとっては、キャリアの選択肢を広げるために、複数のエージェントを利用することが一般的であり、乗り換えコストは限定的。企業側も、採用成功の度合いでエージェントを変更する可能性がある。

ネットワーク効果★★★☆☆
根拠:中程度利用者増が価値を生む

求職者と求人企業の双方にネットワークを持つことが強み。多くの求職者を集めることで、より多くの企業からの求人情報を獲得し、それがさらに求職者を引きつけるというネットワーク効果が期待できる。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

人材紹介事業において、他社との明確なコスト優位性を築くことは難しい。サービス内容や質が差別化の要因となりやすく、価格競争に陥りにくいものの、コスト面での参入障壁は低い。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

売上高の増加傾向と、国内外に拠点を展開していることから、一定の事業規模を有している。規模の経済により、より多くの求職者と企業を効率的にマッチングできる可能性がある。

  • 専門特化型人材紹介
    JAC Internationalが国内外資系企業の中高額案件に特化している点や、キャリアクロスがバイリンガル人材に特化している点は、特定の市場で深い専門知識とネットワークを築き、他社との差別化を図る強みとなります。これにより、質の高いマッチングを実現しています。
  • グローバルな事業展開
    JOOを通じてアジア諸国と欧米の10ヶ国で事業を展開していることは、多様な国・地域の人材ニーズに対応できる広範なネットワークと知見を有していることを示します。これにより、国際的な人材紹介において優位性を発揮できる可能性があります。
  • 成功報酬型ビジネスモデル
    人材紹介事業の主要な収益源である成功報酬方式は、企業が実際に人材を採用するまで費用が発生しないため、企業にとってリスクが低く、利用しやすいというメリットがあります。これにより、顧客獲得と信頼構築に繋がりやすいと考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが入手し得る情報に基づいて判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループの主な事業は、「人材紹介業」(Recruitment Consultancy)であります。 当社グループ は、世界の各国で企業の発展を担う人材を数多くつなぐ(紹介する)ことで、人と企業と経済と社会をつなぎ、その成長に貢献し続けていきます。それらの人材の活躍によって、企業が躍進し、それが経済の発展につながる。経済が発展し、それが社会の発展につながる。また、それらが地球環境の保全に貢献する。そのサイクルを継続して推進していくことが当社のミッションであると考えています。当社グループはこの基本的な考え(Our Mission)に基づき、常に以下の企業目標を持って会社経営に取り組んでいます。1.ハイクオリティを重視し、意識の高い仕事をすること 2.企業、求職者両者の満足度が最高水準である仕事をすること 3.常に改善、改革をスピーディーに行う会社であること 4.常にプロフェッショナルを志し、利益率と利益成長率において優良会社として 成長し続け、 株主・顧客・従業員が満足できる「魅力的」な企業を目指すこと (2) 経営環境当社グループの各報告セグメントの経営環境についての認識は次のとおりであります。 (国内人材紹介事業)わが国における中間管理職やスペシャリストの流動化は、欧米諸国に比較すると低い水準にあるとされてきました。しかし近年では、日系企業の海外進出などのグローバル化、さらには政府による人材流動化の推進、及び人的資本経営の促進等により即戦力となる人材の中途採用が進み、人材紹介業が果たすべき役割も急速に拡大してまいりました。当社グループでは、「専門性が高いポジション」「ミドルマネージメントからエグゼクティブポジション」「グローバル人材のポジション」を中心として、市場シェア拡大に引き続き努めてまいります。 (国内求人広告事業)当社グループの株式会社キャリアクロスと当社は、人材関連事業においてグローバル領域に注力している点を共通とし、求人広告と人材紹介という異なる事業モデルを展開していることから、相互補完によるビジネスシナジーを発揮できる関係にあります。当社は今後も、同社との事業連携を深めながらグローバル領域における人材集客力の強化を図ってまいります。 (海外事業)アジア各国の人材紹介市場は、欧米企業を中心とした採用抑制などの影響を受け、厳しい状況が続いております。このため、当社グループでは、求人意欲の高い日系企業の採用マーケットに注力していくことを基本として、特に年収水準が高く日系企業の進出も目覚ましい米国等での事業拡大を推進していくことで売上総利益の増加を図ります。 (3) 中長期的な経営戦略と目標当社は、長期的な経営ビジョン「JAC as No.1」の中で、人材紹介のプロフェッショナル集団としてサービス品質と収益性の両面で世界一になることを掲げています。その実現に向け、当社はサービス品質の向上に不可欠な人的資本の充実を中心とした成長投資を積極的に実施しています。収益性と成長性を併せ持つ日本国内のホワイトカラー人材紹介市場におけるシェア拡大を軸としつつ、グローバルでも「No.1」を目指し、海外各地においても人材紹介事業を展開してきています。また、当社は、資本コストを上回る資本収益性を上げることは経営として必須の要件であると認識し、高い資本収益性を維持、向上させることによって市場評価を獲得することを目指しています。当社は、加重平均資本コスト(WACC)により算出される7.6%を資本コストとして認識しております。これに対し、2025年度末における自己資本利益率(ROE)は41.5%と、資本コストを大きく上回っています。また、2025年度末における株価純資産倍率(PBR)は7.55倍と、高い水準を維持しています。設備投資の資金需要が少ない人材紹介事業を中核ビジネスとし、有利子負債がほぼなく、資本コストがもっぱら株主資本コストで構成されている当社が今後も高水準のROE、さらにはPBRを維持・向上させていくためには、営業利益率と当期純利益の成長率が最も重要な財務指標になると認識しております。当社は、高い配当性向を維持し次なる成長に向けた事業投資のための内部留保は一定確保しつつ、それによる自己資本の拡大を上回る利益成長に取り組んでいます。また、当社は人材系ビジネス全体を一つの事業ポートフォリオとして捉えており、事業投資にあたっては資本コストを上回る投資利益率(ROI)を実現できることを最低限のハードルレートとし、現状の資本効率を維持できる水準を判断基準の一つにおいて検討しています。今後についても、非財務資本の充実に向けた取り組みがもたらす社会的インパクトの開示をさらに進め、株主価値の拡大(エクイティスプレッドの拡大)に努めてまいります。また、各報告セグメントの目標を次のように定めております。 (国内人材紹介事業)国内人材紹介事業につきましては、コンサルタントとマネージメントの増員と教育に取り組み、戦略子会社である株式会社JAC Internationalとのシナジーを活かしつつ、継続的な拡大成長を目指してまいります。 (国内求人広告事業)株式会社キャリアクロスが取り組む国内求人広告事業につきましては、前課金型から成功報酬型のビジネスモデルへの転換をはじめとする事業構造の見直しを進めることで、売上の拡大を目指してまいります。 (海外事業)JOOを軸とする海外事業につきましては、現地日系企業を軸に据えた注力マーケットの再構築と経営体制の強化を進めることで、収益性の改善に取り組んでまいります。 中期経営計画の数値目標 2025年実績2026年見通し2027年目指す姿2028年目指す姿連結売上高460億円532億円612億円704億円連結営業利益116億円126億円145億円173億円連結当期純利益84億円86億円99億円119億円 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題2026年度の当社グループは、引き続き中長期的な事業拡大を目指して人的資本の充実に取り組みます。特に、優秀なコンサルタントの増員及びその教育、そしてマネジメント体制の整備には組織としての成長に相応しいリソースを投下して、従業員エンゲージメントの高い企業風土の醸成を進めてまいります。当社グループの人材紹介事業は、「Face to Face」の直接的なコミュニケーションを重視したコンサルティングを全社的に徹底して成約率を向上させるとともに、さらなる競合他社との差別化を進めます。国内においては、注力領域である高額年収帯を中心に、エグゼクティブ領域、金融、コンサルティングのプロフェッショナル職などを担当する部署の強化を継続する一方、地方マーケットにおいても高額年収帯比率を高めていくことで、収益性向上と事業規模拡大の両立を目指します。海外事業と国内求人広告事業は、ともに国内人材紹介事業との連携強化「Integration」を軸に、事業の再構築を進めます。海外事業は、国内人材紹介事業と各国の連携によるグローバル・アカウントマネージメントを拡大して求人意欲の高い日系企業の採用マーケットに注力していくことを基本に、事業成長の加速を図ります。国内求人広告事業は、国内人材紹介事業との連携強化によって求人・求職者の登録拡大を進めるとともに、顧客企業によるダイレクト・リクルーティングにも注力することで、売上の拡大を図ってまいります。また、当社グループ全体でミドル・バックオフィスの業務効率化を進めるとともに先行投資に対するROI管理を強化し、売上総利益に対する各コストの割合を低減することで、2026年度も引き続き利益率の向上に取り組みます。 (5) 次期の見通し国内人材紹介事業では、当社の注力領域である高額年収帯において旺盛な求人需要が続いています。特に高額年収帯や海外関連、外資系企業等の領域での強みに、海外事業、国内求人広告事業を連携させる形で、グループ全体の事業シナジー強化「Integration」に取り組んでまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが入手し得る情報に基づいて判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループの主な事業は、「人材紹介業」(Recruitment Consultancy)であります。 当社グループ は、世界の各国で企業の発展を担う人材を数多くつなぐ(紹介する)ことで、人と企業と経済と社会をつなぎ、その成長に貢献し続けていきます。それらの人材の活躍によって、企業が躍進し、それが経済の発展につながる。経済が発展し、それが社会の発展につながる。また、それらが地球環境の保全に貢献する。そのサイクルを継続して推進していくことが当社のミッションであると考えています。当社グループはこの基本的な考え(Our Mission)に基づき、常に以下の企業目標を持って会社経営に取り組んでいます。1.ハイクオリティを重視し、意識の高い仕事をすること 2.企業、求職者両者の満足度が最高水準である仕事をすること 3.常に改善、改革をスピーディーに行う会社であること 4.常にプロフェッショナルを志し、利益率と利益成長率において優良会社として 成長し続け、 株主・顧客・従業員が満足できる「魅力的」な企業を目指すこと (2) 経営環境当社グループの各報告セグメントの経営環境についての認識は次のとおりであります。 (国内人材紹介事業)わが国における中間管理職やスペシャリストの流動化は、欧米諸国に比較すると低い水準にあるとされてきました。しかし近年では、日系企業の海外進出などのグローバル化、さらには政府による人材流動化の推進、及び人的資本経営の促進等により即戦力となる人材の中途採用が進み、人材紹介業が果たすべき役割も急速に拡大してまいりました。当社グループでは、「専門性が高いポジション」「ミドルマネージメントからエグゼクティブポジション」「グローバル人材のポジション」を中心として、市場シェア拡大に引き続き努めてまいります。 (国内求人広告事業)当社グループの株式会社キャリアクロスと当社は、人材関連事業においてグローバル領域に注力している点を共通とし、求人広告と人材紹介という異なる事業モデルを展開していることから、相互補完によるビジネスシナジーを発揮できる関係にあります。当社は今後も、同社との事業連携を深めながらグローバル領域における人材集客力の強化を図ってまいります。 (海外事業)アジア各国の人材紹介市場は、欧米企業を中心とした採用抑制などの影響を受け、厳しい状況が続いております。このため、当社グループでは、求人意欲の高い日系企業の採用マーケットに注力していくことを基本として、特に年収水準が高く日系企業の進出も目覚ましい米国等での事業拡大を推進していくことで売上総利益の増加を図ります。 (3) 中長期的な経営戦略と目標当社は、長期的な経営ビジョン「JAC as No.1」の中で、人材紹介のプロフェッショナル集団としてサービス品質と収益性の両面で世界一になることを掲げています。その実現に向け、当社はサービス品質の向上に不可欠な人的資本の充実を中心とした成長投資を積極的に実施しています。収益性と成長性を併せ持つ日本国内のホワイトカラー人材紹介市場におけるシェア拡大を軸としつつ、グローバルでも「No.1」を目指し、海外各地においても人材紹介事業を展開してきています。また、当社は、資本コストを上回る資本収益性を上げることは経営として必須の要件であると認識し、高い資本収益性を維持、向上させることによって市場評価を獲得することを目指しています。当社は、加重平均資本コスト(WACC)により算出される7.6%を資本コストとして認識しております。これに対し、2025年度末における自己資本利益率(ROE)は41.5%と、資本コストを大きく上回っています。また、2025年度末における株価純資産倍率(PBR)は7.55倍と、高い水準を維持しています。設備投資の資金需要が少ない人材紹介事業を中核ビジネスとし、有利子負債がほぼなく、資本コストがもっぱら株主資本コストで構成されている当社が今後も高水準のROE、さらにはPBRを維持・向上させていくためには、営業利益率と当期純利益の成長率が最も重要な財務指標になると認識しております。当社は、高い配当性向を維持し次なる成長に向けた事業投資のための内部留保は一定確保しつつ、それによる自己資本の拡大を上回る利益成長に取り組んでいます。また、当社は人材系ビジネス全体を一つの事業ポートフォリオとして捉えており、事業投資にあたっては資本コストを上回る投資利益率(ROI)を実現できることを最低限のハードルレートとし、現状の資本効率を維持できる水準を判断基準の一つにおいて検討しています。今後についても、非財務資本の充実に向けた取り組みがもたらす社会的インパクトの開示をさらに進め、株主価値の拡大(エクイティスプレッドの拡大)に努めてまいります。また、各報告セグメントの目標を次のように定めております。 (国内人材紹介事業)国内人材紹介事業につきましては、コンサルタントとマネージメントの増員と教育に取り組み、戦略子会社である株式会社JAC Internationalとのシナジーを活かしつつ、継続的な拡大成長を目指してまいります。 (国内求人広告事業)株式会社キャリアクロスが取り組む国内求人広告事業につきましては、前課金型から成功報酬型のビジネスモデルへの転換をはじめとする事業構造の見直しを進めることで、売上の拡大を目指してまいります。 (海外事業)JOOを軸とする海外事業につきましては、現地日系企業を軸に据えた注力マーケットの再構築と経営体制の強化を進めることで、収益性の改善に取り組んでまいります。 中期経営計画の数値目標 2025年実績2026年見通し2027年目指す姿2028年目指す姿連結売上高460億円532億円612億円704億円連結営業利益116億円126億円145億円173億円連結当期純利益84億円86億円99億円119億円 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題2026年度の当社グループは、引き続き中長期的な事業拡大を目指して人的資本の充実に取り組みます。特に、優秀なコンサルタントの増員及びその教育、そしてマネジメント体制の整備には組織としての成長に相応しいリソースを投下して、従業員エンゲージメントの高い企業風土の醸成を進めてまいります。当社グループの人材紹介事業は、「Face to Face」の直接的なコミュニケーションを重視したコンサルティングを全社的に徹底して成約率を向上させるとともに、さらなる競合他社との差別化を進めます。国内においては、注力領域である高額年収帯を中心に、エグゼクティブ領域、金融、コンサルティングのプロフェッショナル職などを担当する部署の強化を継続する一方、地方マーケットにおいても高額年収帯比率を高めていくことで、収益性向上と事業規模拡大の両立を目指します。海外事業と国内求人広告事業は、ともに国内人材紹介事業との連携強化「Integration」を軸に、事業の再構築を進めます。海外事業は、国内人材紹介事業と各国の連携によるグローバル・アカウントマネージメントを拡大して求人意欲の高い日系企業の採用マーケットに注力していくことを基本に、事業成長の加速を図ります。国内求人広告事業は、国内人材紹介事業との連携強化によって求人・求職者の登録拡大を進めるとともに、顧客企業によるダイレクト・リクルーティングにも注力することで、売上の拡大を図ってまいります。また、当社グループ全体でミドル・バックオフィスの業務効率化を進めるとともに先行投資に対するROI管理を強化し、売上総利益に対する各コストの割合を低減することで、2026年度も引き続き利益率の向上に取り組みます。 (5) 次期の見通し国内人材紹介事業では、当社の注力領域である高額年収帯において旺盛な求人需要が続いています。特に高額年収帯や海外関連、外資系企業等の領域での強みに、海外事業、国内求人広告事業を連携させる形で、グループ全体の事業シナジー強化「Integration」に取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における売上高は46,089百万円(前年同期比17.7%増)となりました。セグメント別売上高は、国内人材紹介事業が41,660百万円(同19.0%増)、国内求人広告事業が397百万円(同1.0%減)、海外事業が4,031百万円(同7.6%増)となっております。利益面では、営業利益は11,683百万円(前年同期比28.5%増)、経常利益は11,709百万円(同28.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,400百万円(同49.7%増)となりました。セグメント別損益は、国内人材紹介事業が11,122百万円(同27.3%増)、国内求人広告事業が92百万円(同56.9%増)、海外事業が287百万円(前年同期は△447百万円)となっております。当連結会計年度末における総資産は、のれんの減損損失の計上による減少113百万円等がありましたが、一方で現金及び預金4,261百万円の増加等があり、前連結会計年度末に比べて4,882百万円増加の30,895百万円となりました。負債につきましては、未払消費税等259百万円の増加、未払費用179百万円の増加、未払金112百万円の増加等により、前連結会計年度末に比べて632百万円増加の8,549百万円となりました。純資産につきましては、剰余金の配当4,151百万円等がありましたが、一方で親会社株主に帰属する当期純利益8,400百万円の計上により、前連結会計年度末に比べ4,249百万円増加の22,345百万円となり、自己資本比率は72.3%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて3,738百万円減少の15,312百万円となりました。各活動におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、9,566百万円の収入(前連結会計年度は8,119百万円の収入)となりました。主な要因といたしましては、税金等調整前当期純利益の計上11,502百万円、法人税等の支払額3,397百万円等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、8,777百万円の支出(前連結会計年度は607百万円の支出)となりました。主な要因といたしましては、定期預金の預入による支出8,000百万円、敷金及び保証金の差入による支出350百万円等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、4,609百万円の支出(前連結会計年度は5,313百万円の支出)となりました。主な要因といたしましては、配当金の支払額4,146百万円、自己株式の取得による支出592百万円等によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当社グループは、国内人材紹介事業、国内求人広告事業、海外事業を行っているため、該当事項はありません。 b. 受注実績当社グループは、国内人材紹介事業、国内求人広告事業、海外事業を行っているため、該当事項はありません。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。セグメントの名称売上高(百万円)前年同期比(%)国内人材紹介事業41,660119.0国内求人広告事業39799.0海外事業4,031107.6合 計46,089117.7 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。 なお、事業別・業界部門別に示すと、以下のとおりであります。事業・業界部門売上高(百万円)前年同期比(%)1.国内人材紹介事業 電気・機械・化学業界14,927115.8消費財・サービス業界9,377118.7メディカル・医療業界6,657123.3IT・通信業界5,799125.8金融業界2,727138.0コンサルティング業界2,13097.5その他4079.8国内人材紹介事業  計41,660119.02.国内求人広告事業 国内求人広告事業  計39799.03.海外事業 海外事業  計4,031107.6合 計46,089117.7 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。 当連結会計年度のわが国経済は、米関税政策の不透明感から輸出分野を中心に前半弱含みましたが、その後、日銀短観調査における大企業製造業の業況判断DIは、6月以降3期連続で改善しました。一方、大企業非製造業の同DIは同3期連続の横ばいで、訪日消費の減少や物価高継続などへの懸念から、先行きについては慎重な見方が強まりました。また、企業の人手不足は一段と進み、12月の同調査では、中堅企業(全産業)における雇用人員の不足感は34年ぶりの高水準になりました。(国内人材紹介事業)上記の状況の下、当社連結売上高の約9割を占める国内人材紹介事業では、米国関税問題による採用抑制の影響は一部にとどまり、一方で、当社が注力する金融、IT、ヘルスケアなどの分野では、その影響を上回る需要がありました。また、前年のような賃上げ期待による求職者の流動性鈍化も見られず、当社事業の中核をなすミドル・ハイクラス人材の動きは引き続き堅調でした。このため、当社の通期連結売上高は、8月に上方修正した業績予想にほぼ沿う形で過去最高を更新しました。(国内求人広告事業)国内求人広告事業は、国内人材紹介事業との連携強化、さらに顧客企業のダイレクト・リクルーティングに向けたサービス拡充などに努め、登録者数・成約数の拡大を図りました。 (海外事業)海外事業は、アジア地域を中心に厳しい市況が続きましたが、執行役員の現地派遣による日系企業の高額年収帯開拓、当社グループ各社が一体となったグローバル・アカウントマネージメントの推進などにより、収益性の改善と再成長に向けた取り組みを継続しました。 ① 重要な会計方針及び見積り当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要となる見積りについては、過去の実績等を勘案し、合理的と判断される基準に基づいて行っておりますが、当該見積り及び予測については不確実性が存在するため、将来生じる実際の結果はこれらの見積り及び予測と異なる場合があります。また、重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容国内人材紹介事業の売上高は、業績拡大に伴うコンサルタントの増員により、前年同期比19.0%増の41,660百万円となりました。国内求人広告事業の売上高は、顧客企業のダイレクト・リクルーティングに向けたサービス拡充などに努めましたが成功報酬型広告の売上が伸びず、同1.0%減の397百万円となりました。海外事業の売上高は、アジア地域を中心に厳しい状況が続きましたが、欧米などを中心に業績の回復が進み、同7.6%増の4,031百万円となりました。以上の結果、当連結会計年度の売上高は同17.7%増の46,089百万円となりました。当連結会計年度の売上総利益は、国内人材紹介事業等の売上高増加により前年同期比17.9%増の42,720百万円となり、売上高総利益率は92.7%となりました。販売費及び一般管理費は、業績拡大による人員増員に伴う人件費の増加を中心に同14.3%増の31,037百万円となりました。以上の結果、当連結会計年度の営業利益は同28.5%増の11,683百万円となり、売上高営業利益率は、同2.1%増の25.3%となりました。当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、のれんを含む固定資産の減損損失112百万円及び関係会社清算損91百万円を計上しましたが、営業利益の増加を背景に前年同期比37.8%増の11,502百万円となりました。また、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額の合計は、同13.4%増の3,102百万円となり、税引前当期純利益に対する税負担割合は、27.0%と当社の法定実効税率である30.6%を下回りました。以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は同49.7%増の8,400百万円となりました。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。当社グループの所要資金は大きく分けると、経常運転資金と設備投資資金となっております。これらについては、自己資金による調達を基本としております。当連結会計年度の設備投資資金の主なものは、人材紹介等システムへの支出65百万円によるものであります。

事業リスク

  • 個人情報漏洩リスク
    人材紹介事業では多数の個人情報を扱うため、情報漏洩が発生した場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜により、事業運営や業績に深刻な影響が出る可能性があります。同社はプライバシーマーク取得や定期的な教育で対策を講じています。
  • 特定人物への依存
    創業者である田崎忠良氏と代表取締役会長兼社長の田崎ひろみ氏が、経営方針や事業戦略において重要な役割を担い、かつ総議決権の33.57%を保有しています。もし両氏が業務を遂行できなくなった場合、事業運営に大きな支障をきたす可能性があります。
  • 海外事業の不確実性
    海外12ヶ国で事業を展開していますが、各国の政治・経済情勢、法規制、外資規制、税制の変化、為替変動などが、計画通りの事業運営を困難にし、業績に大きな影響を与える可能性があります。同社は事業規模の縮小・撤退体制を整えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|7,708 文字
3 【事業等のリスク】以下において、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、当社グループとして必ずしも重要な事業上のリスクに該当しない事項についても、投資者の判断上、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要であると考えられるものについては、投資者に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。なお、当社グループは、これらの事項が発生する可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があります。また、以下の記載は当社グループの事業もしくは当社株式への投資に関するリスクの全てを網羅するものではありませんのでご留意ください。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、本項における将来に関する事項については、本書提出日現在において判断したものであります。 (1) 個人情報の管理について当社グループは、人材紹介事業及び求人広告事業を行っているため、多数のご登録者(職業紹介希望者、求人案件応募者等)の個人情報を有しております。各規程等の遵守違反、不測の事態等により個人情報が外部に漏洩した場合、損害賠償請求や、社会的信用の失墜等により、当社グループの事業運営に大きな支障をきたすとともに、業績及び財務状況に大きな影響を与える可能性があります。このリスクに対応するため、当社グループでは、人材関連事業に関わる企業の果たすべき責任として「個人情報保護に関する法令、規範」に基づき個人情報保護方針(プライバシーステートメント)を策定し、役員及び社員への徹底、技術面及び組織面における合理的な予防・是正措置を講じております。また、当社は2006年度に「個人情報保護マネジメントシステム-要求事項JIS Q15001」に基づくプライバシーマークを取得し、以後、2年毎に審査を受けて更新を実施しております。また、当社コンプライアンス担当部署が中心となって、会社関係者全員に対して定期的な教育・指導及び必要な対策を実施し、当社内部監査担当部署が随時管理状況をチェックしております。 (2) 公益財団法人Tazaki財団及び公益財団法人JAC環境動物保護財団との関係について当社取締役最高顧問田崎忠良が理事長に就任している公益財団法人Tazaki財団、及び当社代表取締役会長兼社長田崎ひろみが理事長に就任している公益財団法人JAC環境動物保護財団と当社の取引は、以下のとおりであります。 ・連結財務諸表提出会社と公益財団法人Tazaki財団との取引 当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)種類会社等の名称又は氏名所在地資本金又は出資金事業の内容又は職業議決権等の所有(被所有)割合(%)関連当事者との関係取引の内容取引金額(百万円)科目期末残高(百万円)役員及びその近親者が代表理事を務める財団法人公益財団法人Tazaki財団東京都千代田区―国際的人材育成の学習支援――施設利用料収入3――経費立替0―― ・連結財務諸表提出会社と公益財団法人JAC環境動物保護財団との取引 当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)種類会社等の名称又は氏名所在地資本金又は出資金事業の内容又は職業議決権等の所有(被所有)割合(%)関連当事者との関係取引の内容取引金額(百万円)科目期末残高(百万円)役員及びその近親者が代表理事を務める財団法人公益財団法人JAC環境動物保護財団 東京都千代田区―動物・自然保護団体への助成及び動物・自然環境保護促進のための啓蒙活動――寄附金の支出10――施設利用料収入3――出向者給与の立替17立替金1経費立替3立替金0 (3) 特定人物への依存、及び株主、取締役としての影響力について当社の取締役最高顧問である田崎忠良は当社グループの創業者であり、また、代表取締役会長兼社長である田崎ひろみは当社グループの中核事業である人材紹介事業の事業責任者を長年に渡って務めてまいりました。両氏は現在においても経営方針と事業戦略の決定、その実行等において重要な役割を果たしております。また当連結会計年度末現在、合計で当社株式の総議決権の33.57%を保有しており、当社の取締役の選任・解任、配当決定等の株主総会の承認を要する事項に大きな影響力を有しています。このため、何らかの理由により両氏が当社グループの業務を遂行することができなくなった場合には、当社グループの事業運営に大きな支障をきたす可能性があります。このリスクに対応するため、当社は幹部社員の育成と情報共有、権限委譲を進め、2022年3月24日開催の第35期定時株主総会決議をもって監査役設置会社・監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行いたしました。当事業年度における経営上の意思決定については、東京証券取引所所定の独立役員4名を含む監査等委員でない取締役8名と、全員が同独立役員の監査等委員である取締役3名で構成される取締役会により、取締役会の意思決定等に関して恣意的な判断がされていないかどうか等を監視しております。 (4) 当社の海外展開についてJOOは有料職業紹介事業を主として、本報告書提出日現在においてはアジア諸国を中心に12ヶ国に連結子会社を展開しておりますが、今後、各国・地域の政治・経済情勢、及び法規制、外資規制、税制の変化等様々な要因により、計画した事業運営ができず、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。また、当社グループの収益は、主として外国為替相場における日本円と当社グループ各社が進出している国々の通貨の価格変動によって影響を受けます。当社グループの連結財務諸表は日本円で表示されるため、換算リスクという形で為替変動の影響を受けることになります。このリスクに対応するため、当社は安全性と採算性の観点から各国における事業規模の縮小及び撤退について速やかに検討及び実行ができる体制を整えております。なお、在外連結子会社の主要な事業内容等は以下のとおりであります。2025年12月31日現在 名称所在地設立年月主要事業内容代表取締役JAC Recruitment GroupAgensi Pekerjaan JACSdn Bhdマレーシアクアラルンプール1986年5月人材紹介事業StephenBlundellJAC Recruitment PteLtdシンガポール1987年3月人材紹介事業Fahad FarookJAC Recruitment(Malaysia) Sdn Bhdマレーシアクアラルンプール1994年3月持株会社StephenBlundellPT JAC Indonesiaインドネシアジャカルタ2002年6月人材紹介事業Asmarawaty ZainiJAC Recruitment (UK)LtdUKロンドン2002年9月人材紹介事業渥美賢吾JAC PersonnelRecruitment Ltdタイバンコク2004年5月人材紹介事業Waykin HemmawannagoonJAC PersonnelEastern Seaboard Ltdタイチョンブリ2011年1月人材紹介事業StephenBlundellJAC RecruitmentKorea Co., Ltd大韓民国ソウル2011年6月人材紹介事業加藤将司JAC Recruitment HongKong Co., Ltd中華人民共和国香港特別行政区2011年7月人材紹介事業StephenBlundellJAC RecruitmentChina (HK) Ltd中華人民共和国香港特別行政区2011年11月持株会社StephenBlundellJAC RecruitmentInternational Ltdシンガポール2012年3月持株会社Gan Hui BianPT JAC ConsultingIndonesiaインドネシアジャカルタ2012年4月コンサルティング事業佐原賢治JAC International Ltdタイバンコク2012年12月人材紹介事業StephenBlundellJAC RecruitmentVietnam Co., Ltdベトナムホーチミンシティ2013年5月人材紹介事業廣大輝JAC RecruitmentIndia Private Ltdインドグルグラム2014年3月人材紹介事業小牧一雄JAC Recruitment (Germany) GmbH i.Grドイツデュッセルドルフ2018年11月人材紹介事業草間明子JAC Recruitment (US), Incアメリカ合衆国ロサンゼルス2022年10月人材紹介事業南健司JAC Recruitment (Netherlands) B.V.オランダアムステルダム2024年4月人材紹介事業渥美賢吾その他PT JAC BusinessCentreインドネシアジャカルタ2008年5月アウトソーシング事業CynOlivia Hussy (注)JAC Recruitment Hong Kong Co., Ltd、JAC Recruitment China (HK) Ltdについては清算手続き中であります。また、上海杰爱士人力资源有限公司については2025年5月に清算手続きを完了しております。 (5) 法的規制について①事業運営に必要な許可について当社グループは、国内における有料職業紹介事業者としての許可を、株式会社 ジェイ エイ シー リクルートメント、株式会社 JAC International、並びに株式会社キャリアクロスの各社がそれぞれに厚生労働大臣から受けております。当該許可の期限は、株式会社 ジェイ エイ シー リクルートメントが2030年9月30日、株式会社 JAC Internationalが2029年7月31日、株式会社キャリアクロスが2026年6月30日となっており、それ以降につきましては各社とも5年毎の許可更新が必要となります。また、当社グループの有している国内における有料職業紹介事業者の許可の取消については、職業安定法第32条の9に欠格事項が定められております。現時点において認識している限りでは、当社グループは法令に定める欠格事由(法人であって、その役員のうちに禁錮以上の刑に処せられている、成年被後見人もしくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの等に該当する者があるもの)に該当する事実を有しておりません。しかしながら将来、何らかの理由により許可の取消等が発生した場合には、当社グループの事業運営に大きな支障をきたすとともに、業績及び財務状況に大きな影響を与える可能性があります。このリスクに対応するため、当社ではコンプライアンス担当部署と社員教育担当部署が中心となり企画・運営している各種コンプライアンス教育によって役職員の意識向上に努めております。また、当社では監査等委員会及び内部監査担当部署が中心となり、役職員の職務上の法令違反を常時監視する体制を整えております。 ②法的規制の変化等について当社グループは、国内においては職業安定法を遵守し有料職業紹介事業を行っております。当該法規の改正等により将来法的規制が強化された場合には、当社グループの事業に制限が加わる可能性があります。このリスクに対応するため、当社では業界団体である一般社団法人日本人材紹介事業協会、一般社団法人人材サービス産業協議会、並びに当社の法律顧問である弁護士事務所等を通じて最新の情報収集に努めております。 (6)登録者数の確保について人材紹介事業及び求人広告事業においては、その事業の性格上、ご登録者の確保が非常に重要であることから、当社グループでは、ご登録者をインターネット等による広告や、既登録者からの紹介等により募集しております。しかしながら、このような施策によりましても、国内における少子高齢化による将来の労働人口の減少、または労働市場の変化等によって、企業からの求人を満足させる人材が確保できない場合には、成約数の減少により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。このリスクに対応するため、当社はご登録者募集に関する専任部署を設置し、募集効率の改善をはじめ可能な限りの対策を講じております。 (7)紹介手数料について人材紹介事業においては、当社グループから求人先企業にご登録者を紹介し、就業開始をもって手数料を請求・売上計上しております。求人先企業とはご登録者を紹介する前に契約書もしくは申込書により手数料率、自己都合退職による返金の取り決めを行っております。人材紹介事業における企業間競争の激化により、この手数料率、自己都合退職による返金の取り決めに関して大きな変更があった場合には、請求金額が変動し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。このリスクに対応するため、当社グループが展開する国内人材紹介事業においては、請求金額変動のリスクをより受けにくい中高額年収領域を注力分野としております。 (8)ご登録者の自己都合退職について人材紹介事業においては、ご登録者が自己都合により入社後早期に退職した場合、コンサルティングフィーの一部を返金しております。将来的な雇用状況の変化等により早期自己都合退職の比率が増加した場合には、返金額の増加により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。このリスクに対応するため、当社グループの人材紹介事業においては、ご登録者の意向をもとに就業先を紹介し、求人内容、就業先の状況等を十分に説明した上で納得して就業していただけるよう心がけております。 (9)景気変動について転職市場は景気変動に伴う採用動向の変化により影響を受けます。景気が想定を超えて下降した場合には、企業の人材採用意欲の低下による成約数の減少で当社グループの業績に負の影響を与える可能性があります。このリスクに対応するため、当社グループが展開する国内人材紹介事業においては、景気変動のリスクをより受けにくい中高額年収領域を注力分野としております。 (10)退職者の同業他社への転職、同業の開始による影響人材紹介事業においては、退職者が内密に当社グループ取引先企業及びご登録者と接触することで、当社グループの人材紹介事業を妨げる可能性があります。このリスクに対応するため、当社グループでは、取引企業及びご登録者の当社グループ担当者を複数化すること及び退職時の業務引き継ぎ徹底により、営業上の損害が発生しない体制を取っております。 (11)労働時間・環境の管理について労働時間・環境の管理についての労働基準監督署等の調査の結果、当社グループに違反等が認められ、当社グループが行政指導を受けた場合には、当社グループの事業運営に大きな支障をきたすとともに、業績及び財務状況に大きな影響を与える可能性があります。このリスクに対応するため、当社では労務担当部署と毎月各拠点で開催される衛生委員会を中心に、また国内当社グループ全体においても内部監査担当部署による業務監査を通じて、過重労働、サービス残業の撲滅に取り組んでおります。 (12)情報システムについて当社グループは、国内外の事業運営において情報システムと通信ネットワークを多用しているため、災害やハードウエア・ソフトウエアのシステム障害、悪意ある第三者による不正アクセス等が生じた場合には、当社グループの事業運営に大きな支障をきたすとともに、業績にも大きな影響を与える可能性があります。また、当社グループは情報システムと通信ネットワークのメンテナンスを社外に一部委託しているため、これらに不具合が発生した際は自身で対処できない可能性があります。このリスクに対応するため、当社グループでは情報システムと通信ネットワークの冗長化構成と地理的分散に努めているほか、当社グループの情報システム全体を統括する当社情報システム担当部署の体制強化を推進しております。 (13)国内人口の減少について当社グループは現状、収益の大半を国内関連事業で計上しておりますが、国内人口は今後継続的に減少していくことが見込まれ、これに伴い当社グループが事業を展開している国内市場も縮小していくことが予想されます。このリスクに対応するため、当社は海外事業の拡大、国内関連事業の市場シェア向上及び収益性の改善等を通じて、さらなる成長に努めております。 (14)自然災害、有事及び未知の感染症等について地震、台風、津波等の自然災害、または火災、停電、テロリズム、戦争、未知の感染症等が発生した場合には、外出制限による事業活動の停滞、従業員の全面的な在宅勤務への移行等で当社グループの事業運営に大きな支障をきたすとともに、業績にも大きな影響を与える可能性があります。これらのリスクに対応するため、当社グループでは大規模災害に備えた防災マニュアルを整備し事業資産の地理的分散管理に努めているほか、在宅勤務移行時に必要となる情報システムの構築を完了し、維持しております。また、このような事態が発生した場合には、当社グループ社員とその家族並びに顧客各位の健康と安全の確保を第一優先として対応することを当社取締役会において確認しております。 (15)気候変動について将来的な気候変動で気温の上昇、甚大な自然災害の発生が深刻化した場合には、顧客企業の求人需要や当社グループのコスト構造なども変化して、当社グループの事業運営に大きな支障をきたすとともに、業績にも大きな影響を与える可能性があります。このリスクに対応するため、当社では気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に基づき、(1)ガバナンス体制の構築(2)リスクと機会の特定と評価による戦略立案(3)リスクの管理(4)指標と目標の策定、を実施しております。この詳細につきましては、本書「第2事業の状況、2サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 (16)生成AIについて生成AIがもたらす急速な技術革新は人材関連業界においても活用が進められており、人材紹介事業においても、将来的にはビッグデータを集積できる大量採用求人などの分野で、求職者の希望に対して精度の高い紹介を実現していく可能性があります。このリスクに対応するため、当社では一職種あたりの募集人数が少なく生成AIの直接的な活用が難しい中高額年収帯の人材紹介に注力しております。

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