事業の概要
- 砂糖事業が主力日本甜菜製糖グループは、売上高の約7割を占める砂糖事業を中核としています。北海道で栽培されるてん菜(ビート)を原料とするビート糖の製造販売が主要な収益源であり、精製糖の製造販売も行っています。砂糖事業に付随する食品、飼料、農業資材などの事業も展開し、グループ全体の事業を構成しています。
- 多角的な事業展開砂糖事業の他にも、イーストやオリゴ糖などの食品素材の製造販売を行う食品事業、配合飼料やビートパルプの製造販売を行う飼料事業があります。さらに、移植栽培用育苗鉢や農業用機械器具を扱う農業資材事業、社有地の賃貸を行う不動産事業も手掛けています。
- グループ会社との連携子会社5社と関連会社1社がそれぞれの役割を担い、事業を支えています。例えば、ニッテン商事株式会社は砂糖や食品の販売、十勝鉄道株式会社は原材料や製品の輸送・保管、スズラン企業株式会社は燃料販売や不動産事業、サークル機工株式会社は農業用機械器具の製造販売を行っており、グループ全体で連携して事業を推進しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 砂糖事業売上高428.97億円、営業利益-15.98億円と、グループ最大の事業ですが、最新年度は営業損失を計上しています。ビート糖、精糖、ビート糖蜜などを製造販売しており、グループ全体の売上の約7割を占める主力事業です。国の農業政策や国際経済協定、てん菜の生産状況、燃料・資材の調達コスト、砂糖の販売価格変動などの影響を大きく受けます。
- 飼料事業売上高128.58億円、営業利益12.21億円と、グループ内で最も高い営業利益を計上している事業です。関連会社に製造を委託した配合飼料や、自社製造のビートパルプを販売しています。輸入穀物の価格変動が調達コストに影響を与えるリスクがあります。
- 食品事業売上高27億円、営業利益2.21億円を計上しています。イースト、オリゴ糖、ベタインなどの食品素材を製造販売しており、子会社であるニッテン商事株式会社が食品の仕入れ販売も行っています。食品の安全に関するリスク管理が重要となります。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Sugar | 事業 | 429 | -16 | -3.7% |
| Grocery | 事業 | 27 | 2 | 8.2% |
| Feed | 事業 | 129 | 12 | 9.5% |
| AgriculturalMaterials | 事業 | 39 | -1 | -1.3% |
| RealEstate | 事業 | 12 | 6 | 48.8% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは、当社、子会社5社及び関連会社1社により構成されており、その事業は、ビート糖、精糖、イースト、オリゴ糖等食品素材、配合飼料、紙筒(移植栽培用育苗鉢)、農業用機械器具等の製造販売、物流を主な内容とし、さらに不動産事業、石炭・石油類及び自動車部品の販売、スポーツ施設の経営を行っております。当社グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分はセグメントと同一の区分であります。 砂糖事業ビート糖、精糖、ビート糖蜜、精糖蜜、ポケットシュガーは当社が製造(精糖及び精糖蜜は関門製糖㈱に製造を委託)し、販売代理店を通じて各得意先に販売しており、うち一部は子会社ニッテン商事㈱を通じて販売しております。なお、ビート糖製造の燃料である石炭・石油類の一部を子会社スズラン企業㈱を介して購入し、また、ビート糖原材料及び製品ビート糖の輸送・保管の一部を子会社十勝鉄道㈱が行っております。 食品事業イースト、オリゴ糖、ベタインなどは、当社が製造し販売しており、うち一部は子会社ニッテン商事㈱を通じて販売しております。子会社ニッテン商事㈱は食品の仕入れ販売を行っております。 飼料事業配合飼料は、関連会社とかち飼料㈱に製造を委託し、当社が販売しております。なお、配合飼料の輸送の一部を、子会社十勝鉄道㈱が行っております。ビートパルプは当社が製造し販売しております。 農業資材事業紙筒(移植栽培用育苗鉢)、種子などは当社が製造し販売しております。農業機材(農業用機械器具及び農業資材)は当社が仕入れ販売しております。子会社サークル機工㈱にて、ビート用移植機を中心とした農業用機械器具の製造販売等の事業を行っております。 不動産事業当社及び子会社スズラン企業㈱は、社有地に商業施設等を建設し賃貸するなどの不動産事業を行っております。 その他の事業子会社十勝鉄道㈱は、貨物輸送事業を行っており、当社のビート糖原材料、製品ビート糖及び配合飼料等の輸送の一部を行っております。また、倉庫業として主に当社製品ビート糖の保管を行っております。子会社スズラン企業㈱は、石炭・石油類及び自動車部品の販売を行っており、その一部を当社へ販売しております。また、保険代理業、スポーツ施設等の営業も行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。 〇印は連結子会社、※印は関連会社で持分法適用会社であります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い ビート糖の販売価格は海外砂糖相場や国の糖価調整制度に影響されるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 砂糖事業は「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」等、国の農業政策に大きく関わる。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:砂糖事業への依存 / 農業政策の影響 / 原料てん菜の生産状況
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
ブランド力や特許などの無形資産は限定的。主要製品であるてんさい糖は、一般的な砂糖に比べてブランドによる差別化が弱く、価格競争に陥りやすい。独自の技術や製法に関する特許も、競合他社が代替技術を開発するリスクがある。
スイッチングコスト★★☆☆☆
顧客のスイッチングコストは中程度。製菓・食品メーカーなどBtoB顧客は、品質や供給安定性を重視するため、安易な切り替えは少ない。しかし、代替甘味料の普及や、自社での原料調達能力向上により、スイッチングコストが低下する可能性はある。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ネットワーク効果はほとんど見られない。製品の消費や利用において、利用者が増えることで価値が高まるような性質はない。プラットフォームビジネスのような特性を持たないため、ネットワーク効果による競争優位性は期待できない。
コスト優位★☆☆☆☆
コスト優位性は限定的。てんさい糖の製造プロセスにおいて、規模の経済や独自の効率化による顕著なコスト削減効果は確認しにくい。原料であるてんさいの調達コストや、砂糖精製におけるエネルギーコストが変動要因となる。
規模の経済★★★☆☆
規模の経済は一定程度存在する。国内有数のてんさい糖メーカーであり、一定の生産規模を持つことで、原料調達や製造プロセスにおいて効率化が図られている。また、製糖以外の事業(飼料、肥料、食品素材など)との多角化によるシナジー効果も期待できる。
- 国内産糖の安定供給日本甜菜製糖は、国の農業政策と密接に関わりながら、北海道の寒地農業振興と砂糖の安定供給という重要な役割を担っています。「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」に基づき、国内産糖交付金を受けながらビート糖を生産しており、国内の砂糖供給体制の一翼を担う存在です。
- 食品安全への取り組み国際的な食品安全マネジメントシステムである「FSSC22000」を製糖工場で取得し、品質保証規程に基づく厳格な管理体制を構築しています。これにより、安心安全な製品提供に努めており、消費者や取引先からの信頼獲得に繋がっていると考えられます。
- 地域に根差した事業基盤北海道を主要な生産拠点とし、てん菜の生産からビート糖の製造、さらには関連する食品、飼料、農業資材の供給までを一貫して行っています。子会社である十勝鉄道が輸送を担うなど、地域に根差したサプライチェーンを構築しており、地域経済への貢献とともに安定的な事業運営を可能にしていると考えられます。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針当社は、「開拓者精神を貫き 社会に貢献しよう」の社是のもと、北海道寒地農業の振興と国内甘味資源自給率確保の社会的使命を企業理念として掲げ、安全で高品質の砂糖の安定的供給を主たる目標に事業を遂行しております。 当社グループでは、2022年に当社グループが目指す道標として「日甜アグリーン戦略」を掲げ、「てん菜糖業」から「てん菜産業」への飛躍を図り、農業を基盤とした成長事業への展開を図ることといたしました。(「アグリーン」は「アグリカルチャー」と「グリーン」を掛け合わせた造語) 「日甜アグリーン戦略」これまで培ってきた製糖副産物を利用する技術や、バイオ技術、てん菜の収量を飛躍的に高めた独自の紙筒技術等を基盤に、「食品、畜産、紙筒、てん菜」の4つの分野で新製品や新技術の開発に取り組んでおります調達作物・各種作物栽培方針並びに新たな製品開発方針・栽培作物中CO2吸収能力の極めて高い“てん菜”を、引き続き当社事業の核とし、『持続可能なてん菜産業』実現のため、従来からの砂糖製造に加えて、てん菜を原料とした新たな製品・用途開発(健康食材・食品以外の素材開発など)を目指す。・原料てん菜及び他作物の栽培方法において、減農薬・減肥料・省人省力化(スマート農業)を目指し、生産者の生産費の低減に資する。・有機農業を視野に入れた製品群・栽培方法を開発・製造し、国内外に普及させる。・大量の炭素を長期間貯蔵する林業事業に当社技術(紙筒移植ほか)を活用し国内外に普及させる。・牛の健康に良い飼料を開発・製造し、牛の長命連産を目指す。・メタン発生量を減少する家畜用飼料の開発を目指す。生産から流通までの全工程における取り組み方針・原料輸送・貯蔵・製造・製品保管・製品輸送・販売において、効率化を目指し、省エネ・省人省力・省資材化を図り、製造費・販売費を低減する。カーボンニュートラル・環境負荷低減の取り組み方針・各工場・各事業所・不動産事業等で使用する電力・燃料の脱炭素化を目指す。・各工場・各事業所から排出される産業副産物の有価物利用を促進(資源の循環利用)。・社用車、社用農業機械などの使用燃料の脱炭素化を目指す。・当社製品に使用される化石燃料由来のプラスチック・ビニールなどの包装・容器資材類について、削減並びに代替資材類の使用を促進する。 「日甜アグリーン戦略」で諸課題にチャレンジし、持続可能な食料システム構築と新たな価値の創造を目指し、多くの方に支持され続ける企業グループに成長してまいります。 (2) 対処すべき課題及び中長期的な経営戦略(対処すべき課題)砂糖業界におきましては、インバウンド需要が引き続き堅調と見込まれるものの、物価高や消費者の低甘味嗜好、人口減少等の影響等により、厳しい状況が依然として続いております。 2025年12月、政府は2027年以降のてん菜・てん菜糖に係る政策支援数量を砂糖量にして55万トンとすることを決定しました。現状のてん菜糖生産規模が保証されることとなりましたが、一方で近年の気候変動に伴う低糖分、肥料価格の高止まり等によりてん菜生産における収益性が悪化しており、作付面積が漸減しております。 当社の主業であるビート糖事業の根幹であるてん菜生産力の維持・向上が喫緊の課題であり、気候変動や病害虫に耐えうる新たなてん菜品種の導入や、農作業の省力化に貢献する適時適切な生産指導により、生産者の収益性向上を図り、作付面積の確保に繋げております。(中長期的な経営戦略)当社グループでは、2024年3月期から5年間の「第2次中期経営計画」を策定し、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、企業価値の一層の向上に取り組んでおります。 成長事業である飼料事業、農業資材事業、食品事業では、海外輸出を含めた新規市場開拓、新商品開発等を進め、収益体質の改善を図ります。 また、自己資本水準の見直しを進め、将来の収益源となる成長投資、非連続成長に対する投資の実施及び株主還元の強化を、バランスを考慮しながら行います。 以上により、第2次中期経営計画最終年での目標であるROE5%の達成を目指してまいります。 第2次中期経営計画 基本方針 「持続可能なてん菜産業の創造にチャレンジし、安全・安心で幸せな社会の実現に貢献していく」事業戦略「成長事業の拡大加速」① 飼料事業 ・独自素材DFAⅢの海外展開 ・ビートパルプの多用途展開② 農業資材事業 ・有機農業用資材の新商品開発・海外展開 ・てん菜由来の有用物質を活用した商品の拡販③ 食品事業 ・BtoC市場での販売強化 ・国産ドライイーストの市場開拓 ・新たな機能を有する製品の開発「基盤事業の収益構造改善」④ 砂糖事業 ・省エネ・省人・省力化、販売強化⑤ 不動産事業 ・安定的な収益確保資本・財務戦略① 政策保有株式の縮減② キャッシュアロケーションの策定③ 株主還元の拡充④ 適切なバランスシートコントロール非財務戦略① 持続可能な農業への貢献② 気候変動への対応③ 資源の有効活用④ 食の安全・安心⑤ 働きやすい環境の実現⑥ 地域社会への貢献 「第2次中期経営計画の見直し」(2026年3月期~2028年3月期)てん菜作付面積の急激な落ち込み、地政学的リスクに起因した燃料価格の高騰及びその他の資材の価格上昇など、ここ数年で外部環境が著しく変化しており、てん菜を取り巻く環境の変化を適切に織り込む必要性が増していること、成長分野への投資を加速し収益体質の改善が一層求められることから、2025年5月に「第2次中期経営計画」を見直し、中期経営計画の3~5年度目標の再設定を行いました。 また、企業価値向上に向けた積極的な取り組みが必要な状況との認識のもと、2026年5月には「資本収益性の向上に向けて」を公表し、自己資本水準の見直しおよび成長事業の拡大・基盤事業の収益構造改善を図り、資本収益性を意識したバランスシートマネジメントを踏まえ株主還元をさらに強化し、計画最終年度(2028年3月期)におけるROE5%の達成ならびに中長期的なROE8%水準への向上を目指してまいります。 目標値 旧2027年度目標新2027年度目標 営業利益24億円30億円 ROE-5%以上※ 中長期的に8%以上を目指す 中期経営計画の3年度目となる2026年3月期は、主にビート糖生産量が回復したことによりビート原料糖の販売量が増加し、増収となりました。またエネルギーコストを始め製造原価は低減したものの、採算の厳しい原料糖の販売増加及び販売増加に伴う製品運送費用の増加等により営業損益は押し下げられ、営業利益は前期比90.2%減の52百万円にとどまる非常に厳しい結果となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、主に投資有価証券売却益の増加により5,032百万円となり、2026年3月期のROEは6.7%となりました。 当社グループは、急速に変化する外部環境に対応するため、経営戦略の再構築を急務と考えています。当社グループが掲げている「日甜アグリーン戦略」のもと、「てん菜糖業」から「てん菜産業」へと事業を発展させていきます。 工場でのさらなるコスト削減に加え、適正価格での販売を含めた事業基盤の強化に取り組みます。また、農業を基盤としつつ、新たな成長事業の展開にも挑戦します。これらを通じて、持続可能な食料システムの構築と新たな価値創造を実現し、より多くの方に支持される企業グループへ成長してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針当社は、「開拓者精神を貫き 社会に貢献しよう」の社是のもと、北海道寒地農業の振興と国内甘味資源自給率確保の社会的使命を企業理念として掲げ、安全で高品質の砂糖の安定的供給を主たる目標に事業を遂行しております。 当社グループでは、2022年に当社グループが目指す道標として「日甜アグリーン戦略」を掲げ、「てん菜糖業」から「てん菜産業」への飛躍を図り、農業を基盤とした成長事業への展開を図ることといたしました。(「アグリーン」は「アグリカルチャー」と「グリーン」を掛け合わせた造語) 「日甜アグリーン戦略」これまで培ってきた製糖副産物を利用する技術や、バイオ技術、てん菜の収量を飛躍的に高めた独自の紙筒技術等を基盤に、「食品、畜産、紙筒、てん菜」の4つの分野で新製品や新技術の開発に取り組んでおります調達作物・各種作物栽培方針並びに新たな製品開発方針・栽培作物中CO2吸収能力の極めて高い“てん菜”を、引き続き当社事業の核とし、『持続可能なてん菜産業』実現のため、従来からの砂糖製造に加えて、てん菜を原料とした新たな製品・用途開発(健康食材・食品以外の素材開発など)を目指す。・原料てん菜及び他作物の栽培方法において、減農薬・減肥料・省人省力化(スマート農業)を目指し、生産者の生産費の低減に資する。・有機農業を視野に入れた製品群・栽培方法を開発・製造し、国内外に普及させる。・大量の炭素を長期間貯蔵する林業事業に当社技術(紙筒移植ほか)を活用し国内外に普及させる。・牛の健康に良い飼料を開発・製造し、牛の長命連産を目指す。・メタン発生量を減少する家畜用飼料の開発を目指す。生産から流通までの全工程における取り組み方針・原料輸送・貯蔵・製造・製品保管・製品輸送・販売において、効率化を目指し、省エネ・省人省力・省資材化を図り、製造費・販売費を低減する。カーボンニュートラル・環境負荷低減の取り組み方針・各工場・各事業所・不動産事業等で使用する電力・燃料の脱炭素化を目指す。・各工場・各事業所から排出される産業副産物の有価物利用を促進(資源の循環利用)。・社用車、社用農業機械などの使用燃料の脱炭素化を目指す。・当社製品に使用される化石燃料由来のプラスチック・ビニールなどの包装・容器資材類について、削減並びに代替資材類の使用を促進する。 「日甜アグリーン戦略」で諸課題にチャレンジし、持続可能な食料システム構築と新たな価値の創造を目指し、多くの方に支持され続ける企業グループに成長してまいります。 (2) 対処すべき課題及び中長期的な経営戦略(対処すべき課題)砂糖業界におきましては、インバウンド需要が引き続き堅調と見込まれるものの、物価高や消費者の低甘味嗜好、人口減少等の影響等により、厳しい状況が依然として続いております。 2025年12月、政府は2027年以降のてん菜・てん菜糖に係る政策支援数量を砂糖量にして55万トンとすることを決定しました。現状のてん菜糖生産規模が保証されることとなりましたが、一方で近年の気候変動に伴う低糖分、肥料価格の高止まり等によりてん菜生産における収益性が悪化しており、作付面積が漸減しております。 当社の主業であるビート糖事業の根幹であるてん菜生産力の維持・向上が喫緊の課題であり、気候変動や病害虫に耐えうる新たなてん菜品種の導入や、農作業の省力化に貢献する適時適切な生産指導により、生産者の収益性向上を図り、作付面積の確保に繋げております。(中長期的な経営戦略)当社グループでは、2024年3月期から5年間の「第2次中期経営計画」を策定し、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、企業価値の一層の向上に取り組んでおります。 成長事業である飼料事業、農業資材事業、食品事業では、海外輸出を含めた新規市場開拓、新商品開発等を進め、収益体質の改善を図ります。 また、自己資本水準の見直しを進め、将来の収益源となる成長投資、非連続成長に対する投資の実施及び株主還元の強化を、バランスを考慮しながら行います。 以上により、第2次中期経営計画最終年での目標であるROE5%の達成を目指してまいります。 第2次中期経営計画 基本方針 「持続可能なてん菜産業の創造にチャレンジし、安全・安心で幸せな社会の実現に貢献していく」事業戦略「成長事業の拡大加速」① 飼料事業 ・独自素材DFAⅢの海外展開 ・ビートパルプの多用途展開② 農業資材事業 ・有機農業用資材の新商品開発・海外展開 ・てん菜由来の有用物質を活用した商品の拡販③ 食品事業 ・BtoC市場での販売強化 ・国産ドライイーストの市場開拓 ・新たな機能を有する製品の開発「基盤事業の収益構造改善」④ 砂糖事業 ・省エネ・省人・省力化、販売強化⑤ 不動産事業 ・安定的な収益確保資本・財務戦略① 政策保有株式の縮減② キャッシュアロケーションの策定③ 株主還元の拡充④ 適切なバランスシートコントロール非財務戦略① 持続可能な農業への貢献② 気候変動への対応③ 資源の有効活用④ 食の安全・安心⑤ 働きやすい環境の実現⑥ 地域社会への貢献 「第2次中期経営計画の見直し」(2026年3月期~2028年3月期)てん菜作付面積の急激な落ち込み、地政学的リスクに起因した燃料価格の高騰及びその他の資材の価格上昇など、ここ数年で外部環境が著しく変化しており、てん菜を取り巻く環境の変化を適切に織り込む必要性が増していること、成長分野への投資を加速し収益体質の改善が一層求められることから、2025年5月に「第2次中期経営計画」を見直し、中期経営計画の3~5年度目標の再設定を行いました。 また、企業価値向上に向けた積極的な取り組みが必要な状況との認識のもと、2026年5月には「資本収益性の向上に向けて」を公表し、自己資本水準の見直しおよび成長事業の拡大・基盤事業の収益構造改善を図り、資本収益性を意識したバランスシートマネジメントを踏まえ株主還元をさらに強化し、計画最終年度(2028年3月期)におけるROE5%の達成ならびに中長期的なROE8%水準への向上を目指してまいります。 目標値 旧2027年度目標新2027年度目標 営業利益24億円30億円 ROE-5%以上※ 中長期的に8%以上を目指す 中期経営計画の3年度目となる2026年3月期は、主にビート糖生産量が回復したことによりビート原料糖の販売量が増加し、増収となりました。またエネルギーコストを始め製造原価は低減したものの、採算の厳しい原料糖の販売増加及び販売増加に伴う製品運送費用の増加等により営業損益は押し下げられ、営業利益は前期比90.2%減の52百万円にとどまる非常に厳しい結果となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、主に投資有価証券売却益の増加により5,032百万円となり、2026年3月期のROEは6.7%となりました。 当社グループは、急速に変化する外部環境に対応するため、経営戦略の再構築を急務と考えています。当社グループが掲げている「日甜アグリーン戦略」のもと、「てん菜糖業」から「てん菜産業」へと事業を発展させていきます。 工場でのさらなるコスト削減に加え、適正価格での販売を含めた事業基盤の強化に取り組みます。また、農業を基盤としつつ、新たな成長事業の展開にも挑戦します。これらを通じて、持続可能な食料システムの構築と新たな価値創造を実現し、より多くの方に支持される企業グループへ成長してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①経営成績の状況当連結会計年度のわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果で景気回復を支えることが期待されているものの、金融資本市場の変動の影響やアメリカの通商政策の動向、中東情勢の影響等、先行きが不透明な状況が続いております。このような状況のもと、当社グループでは、第2次中期経営計画(2024年3月期~2028年3月期)を策定し、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、企業価値の一層の向上に取り組んでおります。当連結会計年度は、主に砂糖事業の売上増加により、売上高は前期比6.0%増の68,696百万円となり、営業利益は飼料事業、農業資材事業及びその他事業で増益となったものの、主に砂糖事業の減益により、前期比90.2%減の52百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益で前年度に計上した固定資産売却益の影響がなくなったものの、投資有価証券売却益の増加と、特別損失での減損損失の減少により、前期比86.1%増の5,032百万円となりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 <砂糖事業> 海外市況につきましては、ニューヨーク市場粗糖先物相場(当限)において1ポンド当たり期初18.89セントで始まり、一時的に2月にはブラジル等主要産地で生産が順調なため13セント台まで下落し、15.51セントで当期を終えました。一方、国内市況につきましては、期初249円~251円(東京精糖上白現物相場、キログラム当たり)で始まりましたが、11月に8円下落し241円~243円となり、そのまま当期を終えました。ビート糖は、海外粗糖相場の下落の影響を受け販売価格は下落したものの、ビート糖生産量が回復したことにより原料糖販売が増加したため、売上高は前期を上回りました。精糖は、ビート糖同様販売価格が下落したため売上高は前期を下回りました。砂糖事業の売上高は、46,694百万円(前期比8.9%増)となりましたが、販売価格の下落の影響により2,557百万円の営業損失(前期は1,598百万円の営業損失)となりました。 <食品事業>イーストは、販売単価増により売上高は前期を上回りましたが、燃料費単価の上昇等により減益となりました。オリゴ糖等食品素材は、販売数量が前期をやや下回り、売上高は減少しましたが、製造コスト削減に努めたことにより、前期並みの利益となりました。食品事業の売上高は、2,801百万円(前期比3.7%増)となり、171百万円の営業利益(前期比22.6%減)となりました。 <飼料事業> 配合飼料は、販売単価は下落したものの、販売数量が増加し、売上高は前期をやや上回りました。ビートパルプは、2025年産原料てん菜の収量減少に伴う減産により、販売数量、売上高ともに前期を下回りました。飼料事業の売上高は、12,744百万円(前期比0.9%減)となり、主に輸入とうもろこし等原料価格の低下により損益は改善し、1,363百万円の営業利益(前期比11.7%増)となりました。 <農業資材事業> 紙筒(移植栽培用育苗鉢)は、販売単価は一部値上げにより上昇したものの、販売数量は減少し、売上高は前期を下回りました。農業機材は、移植機材・播種機材等の売上増加により、売上高は前期を上回りました。農業資材事業の売上高は、3,987百万円(前期比1.5%増)となり、前年度に計上した棚卸資産評価損の影響がなくなったことにより、270百万円の営業利益(前期は50百万円の営業損失)となりました。 <不動産事業> 不動産事業は、一部賃貸物件の稼働率低下により、売上高、営業利益ともに前期を下回りました。不動産事業の売上高は、1,166百万円(前期比5.4%減)となり、営業利益は594百万円(前期比1.3%減)となりました。 <その他の事業> その他の事業は、主に貨物輸送の運賃単価上昇やコスト削減により、売上高、営業利益ともに前期を上回りました。その他の事業の売上高は、1,300百万円(前期比10.4%増)となり、営業利益は293百万円(前期比58.4%増)となりました。 ②財政状態当連結会計年度末の資産の合計は97,696百万円で、前連結会計年度末に比べ3,518百万円の減少となりました。一方、負債の合計は20,178百万円で、前連結会計年度末に比べ7,206百万円の減少となりました。純資産の合計は77,517百万円で、前連結会計年度末に比べ3,688百万円の増加となりました。 ③キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ3,809百万円減少し、4,555百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、4,271百万円の収入(前年同期は3,090百万円の支出)となりました。 これは、営業利益は52百万円にとどまったものの、主に減価償却費2,312百万円、棚卸資産の減少2,803百万円、利息及び配当金の受取額887百万円等による資金の増加があったことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,449百万円の収入(前年同期は2,206百万円の収入)となりました。 これは、投資有価証券の売却による収入8,070百万円による資金の増加があったものの、主に有価証券の取得による支出3,500百万円、有形固定資産の取得による支出3,015百万円等による資金の減少があったことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、9,530百万円の支出(前年同期は3,605百万円の支出)となりました。 これは、短期借入金の借入と返済の収支差が7,500百万円の支出であったことに加え、主に自己株式の取得による支出1,002百万円、配当金の支払額991百万円による資金の減少があったことによるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)砂糖47,9090.4食品2,2070.2飼料12,0170.4農業資材3,52056.2合計65,6552.3 (注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 金額は、期中の平均販売価格に生産数量を乗じて算出しております。3 不動産事業の主な内容は、不動産賃貸等のため、記載しておりません。4 その他の事業の主な内容は、輸送サービス等のため、記載しておりません。 b.受注実績一部受注生産を行っておりますが、受注生産高の売上高に占める割合の重要性が乏しいため、記載を省略しております。 c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)砂糖46,6948.9食品2,8013.7飼料12,744△0.9農業資材3,9871.5不動産1,166△5.4その他1,30010.4合計68,6966.0 (注)セグメント間取引については、相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(経営成績の分析)当連結会計年度の売上高は、主に砂糖事業における売上数量の増加により前期比6.0%増の68,696百万円となりました。売上原価は、売上高の増加に伴い前期を上回りました。販売費及び一般管理費は、ビート糖等の販売数量増加に伴う保管費及び運送費の増加により前期を上回りました。この結果、営業利益は前期比90.2%減の52百万円となりました。営業外収益及び営業外費用は、概ね前期並みで推移したことから、経常利益は前期比32.5%減の758百万円となりました。特別利益は、主に政策保有株式売却に伴う投資有価証券売却益6,978百万円を計上し、特別損失は、主にビート糖関連施設等に関する固定資産の減損損失527百万円を計上しております。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比86.1%増の5,032百万円となりました。 セグメントごとの経営成績は「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであり、セグメントごとの経営成績の分析は以下のとおりであります。なお、各セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、砂糖事業が68.0%、食品事業が4.1%、飼料事業が18.5%、農業資材事業が5.8%、不動産事業が1.7%、その他の事業が1.9%であります。<砂糖事業>砂糖事業の売上高は前期比8.9%増の46,694百万円となりましたが、販売価格の下落の影響により2,557百万円の営業損失(前期は1,598百万円の営業損失)となりました。砂糖事業を取り巻く環境は、消費者の低甘味嗜好や代替甘味料の増加等により砂糖消費量は減少傾向にあり、引き続き厳しい状況にあります。2023年の猛暑等により原料となるてん菜が著しく低糖分となった影響で、前期は砂糖販売量が減少しましたが、今期は海外粗糖相場の下落の影響を受け販売価格は下落したものの、2024年はビート糖生産量が回復したことにより原料糖販売が増加したため、売上高は前期を上回りました。売上高はてん菜の豊凶、海外砂糖相場、国内砂糖消費量の動向等、外部要因の影響が大きく、一定の数量を超えるビート糖は、安価なビート原料糖としての販売となります。ビート原料糖は原価率が高いため、期末在庫量が増えると棚卸資産評価損が拡大する構造となっております。当年度産原料てん菜は前年並みの数量、品質を確保したものの、原価率の高い原料糖生産も増加したことから、原料糖在庫に対する棚卸資産評価損が増加しました。 <食品事業>食品事業の売上高は、前期比3.7%増の2,801百万円となり、前期比22.6%減の171百万円の営業利益となりました。イーストは価格競争の激化により厳しい市場環境が続いております。また、機能性食品は市場拡大が見込まれる一方で競争も激しく、安定的な成長が難しい状況にあります。このような中イースト及びオリゴ糖等食品素材は、販売単価の引き上げ等により、売上高は前期を上回りました。食品事業では、国内唯一の国産ドライイースト(とかち野酵母・旨パン職人)の市場開拓並びにフラクトオリゴ糖等のオリゴ糖含有液状甘味料の拡販により、売上確保に努めております。<飼料事業>飼料事業の売上高は、前期比0.9%減の12,744百万円となり、営業利益は前期比11.7%増の1,363百万円となりました。配合飼料は、前期の値下げの影響により販売単価は下落したものの、販売数量の増加及び原料価格の低下に加え、コスト削減の効果により収益が改善しました。ビートパルプは、2025年産原料てん菜の収量減少に伴う減産により、販売数量、売上高ともに前期を下回りました。飼料事業では、当社が製造している食品素材を配合した製品の開発にも力を入れており、付加価値の高い配合飼料「カウライザー」、「イムノアクセル」等の拡販に努めております。また、海外展開へ向けた取り組みの一環として、当社で製造しているオリゴ糖「DFAⅢ」をサプリメントとして牛だけでなく豚や馬への給与効果を検証して海外へも積極的に展開してまいります。<農業資材事業>農業資材事業の売上高は、前期比1.5%増の3,987百万円となり、前年度に計上した棚卸資産評価損の影響が解消したことにより、270百万円の営業利益(前期は50百万円の営業損失)となりました。紙筒(移植栽培用育苗鉢)売上は、販売単価は一部値上げにより上昇したものの、販売数量は減少し、売上高は前期を下回りました。農業機材は、移植機材・播種機材等の売上増加により、売上高は前期を上回りました。農業用資材は農業人口・戸数の減少に伴い、市場は減少傾向にあります。紙筒(移植栽培用育苗鉢)は、てん菜の栽培方法が移植栽培から直播栽培へ移行している影響により、ビート用の販売は減少傾向にあります。一方で、ネギ用途を中心としたそ菜用は国内外ともに需要が拡大しており、ビート用の売上減少を補完しております。そ菜分野では、育苗資材であるペーパーポットを数珠状に連結した「チェーンポット」を主力とし、これを簡易に移植できる移植機「ひっぱりくん」を一連のシステムとして展開しております。動力を必要としない安価で確実な移植方式として海外展開にも注力しており、欧米などの有機農業に活用されており、更なる拡販に努めております。農業用機械は年により受注台数に変動がありますが、紙筒と同様、ビート用だけでなく、タマネギ等そ菜用の開発・販売に努めております。<不動産事業>不動産事業の売上高は、前期比5.4%減の1,166百万円となり、営業利益は前期比1.3%減の594百万円となりました。一部賃貸物件の稼働率低下により、売上高は前期を下回りました。高度利用可能な遊休地は少なくなってきており、既存テナントとの友好的な関係維持に努めております。<その他の事業>その他の事業の売上高は、前期比10.4%増の1,300百万円となり、営業利益は前期比58.4%増の293百万円となりました。その他の事業は、貨物輸送や石炭等の燃料の販売、ボウリング等のスポーツレジャー施設の営業等で構成されております。当期においては、主に貨物輸送の運賃単価上昇やコスト削減により、増益となりました。 (財政状態の分析)資産の合計は97,696百万円で、前連結会計年度末に比べ3,518百万円の減少となりました。このうち流動資産は47,665百万円となり、主に棚卸資産の減少により、前連結会計年度末に比べ3,653百万円の減少となりました。また、固定資産は50,031百万円となり、投資有価証券が減少したものの、退職給付に係る資産、有形固定資産及び無形固定資産の増加により、前連結会計年度末に比べ134百万円の増加となりました。一方、負債の合計は20,178百万円で、主に短期借入金の減少により、前連結会計年度末に比べ7,206百万円の減少となりました。純資産の合計は77,517百万円で、主に自己株式の取得により減少したものの、当期純利益の増加により、前連結会計年度末に比べ3,688百万円の増加となりました。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(キャッシュ・フローの状況)キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりです。 2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)70.472.979.3時価ベースの自己資本比率(%)25.928.150.7債務償還年数(年)1.0-0.7インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)125.5-37.1 自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い(注)1 各指標は、いずれも連結ベースの財務指標数値により算出しております。2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。3 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。なお、2025年3月期の債務償還年数及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため、記載を省略しています。4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。5 利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。 (資金需要及び財政政策)当社グループが事業を行う上で必要となる運転資金、設備投資、借入金の返済及び利息の支払い、配当金の支払い、自己株式の取得並びに法人税の納付等に資金を充当しております。 運転資金等の資金需要に対しては、営業活動によるキャッシュ・フローと金融機関からの借入により資金を調達しており、金融機関からの借入金額は年間の資金計画に基づき適切な水準とし、資金繰りを考慮し返済方法を決定しております。また当社及び子会社の余剰資金を、当社グループ内で融通し合うことにより資金の効率化を図り、グループ外部への資金流出を抑えております。 設備投資については、過剰な投資とならないよう当社グループの現況に見合った年間の投資計画を策定し、老朽化した設備の更新のほか、製造コストの削減、製造工程の改善、製品の品質向上、環境対策等を目的とした設備投資又は将来の利益獲得のための先行投資を行っております。設備投資計画の詳細については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。なお、設備の新設・更新は主として自己資金によっております。 配当については、株主の皆様への適切な利益還元を経営上の重要な政策と位置づけ、成長事業の拡大と基盤事業の収益構造改善を図りつつ、安定的な配当を継続することを基本方針としております。2025年5月14日に公表した「第2次中期経営計画の見直し」の資本・財務戦略では、1株当たり配当金を50円以上から80円以上へと変更しましたが、2026年5月13日に「資本収益性の向上に向けて」を公表し、収益力の改善を最優先課題として取り組むと同時に、自己資本水準の見直しを行い更なる資本効率の改善を目指すため、株主の皆様への配当方針を「1株当たり配当金80円以上」から「DOE(自己資本配当率)4.0%を目安」へと変更いたしました。また、機動的な自己株式取得は継続して実施していく方針であります。 資金の運用については、比較的安全な譲渡性預金で運用しております。 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,555百万円となり、主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び投資有価証券の売却等により資金が増加した一方、短期借入金の返済、有価証券の取得、配当金の支払い等により資金が減少し、前連結会計年度末に比べ3,809百万円減少いたしました。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は3,020百万円となりました。 将来発生し得る資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び手許資金により充当が可能であると判断しており、資金の不足が見込まれる場合には、金融機関からの借入により対処する方針であります。なお、主要取引金融機関とコミットメントライン契約を締結し、資金の流動性を確保しております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては会計上の見積りを行う必要があり、期末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示及び報告対象期間の収益・費用の金額に影響を与える様々な見積りや仮定を用いており、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ④経営成績に重要な影響を与える要因と今後の方針について(経営成績に重要な影響を与える要因)当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「対処すべき課題」及び「事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループの売上高の約7割を砂糖事業が占めており、他の事業におきましてもほとんどが砂糖の原料となるてん菜(ビート)由来の製品事業、又は砂糖に関連する事業から成り立っていることから、国内の砂糖消費量及び海外砂糖相場の動向、国の農業政策や砂糖業界を取り巻く国際情勢、てん菜の生産状況など砂糖事業に特有のリスクが、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。また昨今のエネルギー価格及び原材料等の高止まりの当社事業への影響は大きく、外部環境の急激な変動を販売価格に転嫁できない場合、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。(今後の方針)砂糖業界におきましては、消費者の低甘味嗜好や代替甘味料の増加等により、国内の砂糖消費量が減少傾向にあるなど大変厳しい状況にあり、また異常気象や2023年度の記録的不作等によりてん菜の作付面積が急激に落ち込むなど、当社グループを取り巻く環境は一層厳しさを増しております。エネルギーコストの高止まりや原材料・製品の輸送コスト上昇等により、砂糖を始めとする各製品の製造コストは高止まりしており、このような外部環境の変化に適応できる経営戦略の再構築が急務と捉えております。当社グループでは「開拓者精神を貫き 社会に貢献しよう」の社是のもと、当社グループが目指す道標として「日甜アグリーン戦略」を策定し、「てん菜糖業」から「てん菜産業」への飛躍を図り、農業を基盤とした成長事業への展開を図ることといたしました。当社グループが抱える諸課題にチャレンジし、持続可能な食料システム構築と新たな価値の創造を目指し、多くの方に支持され続ける企業に成長してまいります。「対処すべき課題及び中長期的な経営戦略」に記載のとおり、2025年12月、政府は2027年以降のてん菜・てん菜糖に係る政策支援数量を砂糖量にして55万トンとすることを決定しました。現状のてん菜糖生産規模が保証されることとなりましたが、一方で近年の気候変動に伴う低糖分、肥料価格の高止まり等によりてん菜生産における収益性が悪化しており、ビート糖事業を主業とする当社グループを取り巻く環境は一層厳しさを増すものと捉えております。このような厳しい経営環境に対処すべく「第2次中期経営計画」を策定し、砂糖事業の更なるコスト低減、及び食品事業、飼料事業、農業資材事業の成長により売上の増加と利益の回復を目指しており、基盤事業として砂糖事業の確固たる構造を維持する一方、成長分野としてフラクトオリゴ糖等の販売強化や農業資材等の海外展開、てん菜の用途拡大を図ることとしております。また新たな資本政策や、環境対策・人材への投資・社会貢献等の非財務目標を掲げるなど、持続可能なてん菜産業の実現を図るべく、当社グループ一丸となり取り組んでまいります。
事業リスク
- 砂糖事業への高い依存度売上高の約7割を砂糖事業が占めており、他の事業も砂糖事業に付随・関連するものが多いため、国内の砂糖消費量減少(低甘味嗜好、代替甘味料増加など)がグループ全体の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。砂糖市場の動向が経営に直結するリスクがあります。
- 農業政策と国際協定の影響主力のビート糖事業は、国の農業政策(食料自給率、寒地農業振興、砂糖安定供給)に大きく依存しています。CPTPPなどの国際経済協定の進展が農業政策に反映され、砂糖事業の業績に影響を与える可能性があります。政策変更や国際情勢が経営に不確実性をもたらすリスクがあります。
- 原材料調達と価格変動ビート糖の原料であるてん菜は天候に左右される農産物であり、生産量や品質が工場の操業度や砂糖事業の業績に影響します。また、燃料などの製糖資材や輸入粗糖、輸入穀物は海外相場や為替変動の影響を受けやすく、調達コストの高騰や販売価格への転嫁の遅れが業績を圧迫するリスクがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループは、リスク管理体制の構築をリスク管理推進委員会で行っており、その内容につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)砂糖事業への依存に関するもの当社グループでは、売上高の約7割を砂糖事業が占めており、他の事業におきましても、ほとんどが砂糖事業に付随、又は関連する事業から成り立っております。このため、消費者の低甘味嗜好や代替甘味料の増加等による国内の砂糖消費量の減少が、当社グループの業績に影響を及ぼすリスクがあります。(2)農業政策の影響に関するもの主力のビート糖事業は、国が策定する食料自給率の達成、北海道寒地農業の振興、砂糖の安定的な供給を使命として遂行されており、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」等、国の農業政策に大きく関わっているとともに、CPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)等の国際経済協定の進展が、農業政策にも大きく反映される可能性が高く、砂糖事業の業績に影響を及ぼすリスクがあります。(3)原料てん菜の生産状況に関するものビート糖の原料であるてん菜は、農産物のため、生産量、糖分、品質は天候に大きく左右され、その結果、工場の操業度等に影響を与え、砂糖事業の業績に影響を及ぼすリスクがあります。(4)燃料等製糖資材の調達に関するものビート糖の製造に必要な燃料などの資材については、多くを海外から調達しております。このため、資材輸出国の地政学事象を要因とした国際的な需給の逼迫や相場の高騰、さらに為替及び物流事情等により、調達コストに大きな影響が生じ、砂糖事業の業績に影響を及ぼすリスクがあります。(5)輸入粗糖及び輸入穀物の価格変動に関するもの精製糖の原料である輸入粗糖、配合飼料の原料である輸入穀物は、海外商品相場や為替相場の影響を受け、調達価格が大きく変動することがあります。また、当該製品の販売価格は、基本的には輸入原料の調達価格の変動に準じた動きをしておりますが、相場の急激な変動を適宜販売価格に反映できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼすリスクがあります。(6)製品の販売価格に関するもの主力のビート糖事業において、ビート糖は国の糖価調整制度のもと国内産糖交付金の交付を受け、一般顧客向けの白糖と国内精製糖企業向けの原料糖に区分し販売されており、原料糖には入札価格に応じて複数の価格帯が存在しております。その製品販売価格は、海外砂糖相場等の影響を受け大きく変動することがあり、相場が急落し製品の販売価格が下落する場合、砂糖事業の業績に影響を及ぼすリスクがあります。(7)食品の安全に関するもの当社グループでは、安心安全な製品を提供するため、「品質保証規程」に基づく管理体制を整えております。加えて、当社の製糖工場は国際的な食品安全マネジメントシステムである「FSSC22000」を取得しており、品質管理体制を継続的に改善し続けていく仕組みを導入しております。しかしながら、万が一、食品安全に影響を及ぼすような事態が起きた場合には、製品回収、再発防止対策等の費用が発生するなど、当社グループの業績に影響を及ぼすリスクがあります。(8)災害、感染症による生産停止等に関するもの当社グループは、北海道の生産拠点を中心に全国へ製品供給を行う事業活動を行っておりますが、台風や地震等の大規模自然災害や火災・停電等の事故災害、北海道の冬期の悪天候等により、製品生産や物流機能に支障が生じるリスクがあります。また、製糖工場等では大規模な装置を保持し稼働させているため、感染症の蔓延、労働災害の発生、重要な設備の故障等による生産停止等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(9)気候変動に関するもの当社グループは、気候変動に伴う深刻な気温上昇により、主要な原料であるてん菜が生育不良となり、製糖工場の生産効率が大きく低下する等の影響を受ける可能性があります。また、脱炭素社会に向けた政府等の規制強化により炭素税等のコストや脱炭素化の進展に伴う省エネ設備導入や燃料調達コストが増加する可能性があります。気候変動により想定されるリスク等の詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取り組み」に記載しております。(10)情報システムに関するもの当社グループでは、生産、販売、管理等の業務にコンピュータシステムを利用しております。これらを適切に管理するため、情報セキュリティ対策を講じておりますが、サイバー攻撃等による大規模なシステム障害や機密情報・個人情報の漏洩が発生した場合、正常な事業運営が困難となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 これらのリスクを踏まえ、当社としては安定した経営基盤を築くため、高品質原料の調達及び製糖工場の製造能力を最大限に発揮できるよう取り組むとともに、環境に配慮し省エネや製糖資材使用の抑制や調達等のリスクマネジメント等を推し進め、製造コストの削減に努めてまいります。 それらに加え、砂糖以外の事業についても、経営の多角化を推進しグループ全体の事業基盤の強化に努めてまいります。