1961

三機工業(1961)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

建設業 建設・資材

事業の概要

三機工業は、ビルや工場向けの空調・衛生・電気設備などを手掛ける「建築設備事業」を主軸に、搬送システムや機器の製造販売を行う「機械システム事業」、上下水道・廃棄物処理施設を扱う「環境システム事業」、そして保有不動産の賃貸・管理を行う「不動産事業」を展開しています。これらの事業を通じて、社会インフラの整備や快適な空間づくりに貢献し、多角的な収益構造を築いています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

三機工業の事業セグメントは、「建築設備事業」が売上2082.62億円と最も大きく、ビルや工場向けの空調・衛生・電気設備などを手掛ける主力事業です。「環境システム事業」は売上312.44億円で、上下水道施設や廃棄物処理施設に関する事業を展開しています。「機械システム事業」は売上109.35億円で、搬送システムや搬送機器の製造販売を行っています。また、「不動産事業」は売上25.36億円で、保有不動産の賃貸・管理を担っています。建築設備事業が圧倒的な稼ぎ頭であり、事業全体の収益を牽引しています。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
BuildingEquipment 事業 2,083
MachinerySystem 事業 109
EnvironmentalSystem 事業 312
RealEstate 事業 25
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|675 文字
3 【事業の内容】当社及び当社の関係会社(連結子会社8社(2025年3月31日現在)により構成)においては、建築設備事業、機械システム事業、環境システム事業、不動産事業を主な事業として取り組んでおります。当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。 <建築設備事業>ビル空調衛生、主に工場向けの空調設備を中心とする産業空調、電気設備及びファシリティシステムなどの建築設備全般に関する事業を行っております。(主な関係会社)三機テクノサポート㈱、THAI SANKI ENGINEERING & CONSTRUCTION CO.,LTD.、 三机建筑工程(上海)有限公司 <機械システム事業>搬送システム及び搬送機器に関する製造販売事業を行っております。(主な関係会社)三機産業設備㈱ <環境システム事業>上下水道施設及び廃棄物処理施設に関する事業を行っております。(主な関係会社)三機グリーンテック㈱、三機アクアテック㈱、AQUACONSULT Anlagenbau GmbH <不動産事業>保有不動産の賃貸・管理事業を行っております。 <その他>主に保険代理事業、リース事業及び人材派遣事業等を行っております。(主な関係会社)三機パートナーズ㈱(関係会社の異動) 当連結会計年度において、非連結子会社であった苫小牧熱サービス㈱につきましては、清算を結了したため、非連結子会社から除外しております。 以上に述べた事項の事業系統図は次のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
資機材価格及び労務費の高騰を請負金額に反映させることが困難な場合があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
クリーンルーム向け空調システムや極低湿度環境試験室などの技術開発を行っている。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:人財確保に関するリスク / 資機材の調達・納期及び労務費に関するリスク / 不採算工事に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

三機工業は、特定のブランド力や特許による強力な無形資産は限定的。長年の実績と信頼は存在するが、定量化しにくい。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

ビル設備のメンテナンスや改修においては、既存の設備との互換性や業者の実績が重視されるため、一定のスイッチングコストが発生する可能性がある。

ネットワーク効果★☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

建設業全体として、ゼネコンやサブコンとの関係性は重要だが、三機工業独自の強力なネットワーク効果は限定的。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

大規模プロジェクトにおける調達力や、長年の経験に基づく効率的な施工ノウハウはコスト面での優位性につながる可能性があるが、競合との差は大きくない。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

売上高2,500億円超、営業利益200億円超の規模は、設備投資や人材確保において有利に働く。特に大型案件の受注力に影響。

競争優位性(モート)の要約は、有報の事業内容・経営戦略から順次生成中です。

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。  (1) 経営の基本方針①三機工業グループ経営理念当社グループは、「三機工業グループ経営理念」を掲げ、社会における当社グループの存在意義と役員・従業員のあるべき姿を総合的に表現しております。当社グループではこれを「三機スタンダード」と呼んで社内外への浸透を図っております。三機工業グループ経営理念(三機スタンダード) エンジニアリングをつうじて快適環境を創造し広く社会の発展に貢献する 技術と英知を磨き、顧客満足の向上に努めるコミュニケーションを重視し、相互に尊重する社会の一員であることを意識し、行動する ②超長期ビジョン当社グループは、超長期ビジョンとして2050年の姿「選ばれ続ける三機へ!」を掲げています。5つのマテリアリティ(重要課題)に注力したサステナビリティ経営の推進により、環境・社会価値の向上と企業価値(経済価値)の向上を両立させるCSV(Creating Shared Values:共有価値の創造)を実現します。 ③経営ビジョン及び中期経営計画当社グループは、創立100周年を迎えた2025年度を新たな出発点と位置づけ、2030年度までの期間を対象とする経営ビジョン“MIRAI 2030”及び2027年度までの3ヵ年を対象とする中期経営計画2027を策定いたしました。新たな経営ビジョン“MIRAI 2030”では、「人に快適を。地球に最適を。」をテーマに環境・社会価値の向上と企業価値(経済価値)の向上の両立を目指し、2050年の超長期ビジョン「選ばれ続ける三機へ!」の実現に繋げていきます。中期経営計画2027は、経営ビジョン“MIRAI 2030”に向けた飛躍のための土台作り期間と位置付けており、「深化と共創」を重点テーマに掲げ、以下のとおり重点戦略を定めております。 また、中期経営計画2027における経営目標値は以下のとおりです。・2027年度経営目標 2027年度売上高3,000億円営業利益300億円営業利益率10.0%1株当たり当期純利益(EPS)(※1)430円以上 ・2025年度から2027年度の期間経営目標 2025年度~2027年度自己資本当期純利益率(ROE)(※1)16.0%以上成長投資(※2)500億円程度配当方針純資産配当率(DOE)5.0%以上自己株式取得(※2)400万株程度 (※1)EPS、ROEは政策保有株式の売却益を除く(※2)計画期間中の累計 エンジニアリング企業である当社が保有する様々な技術を磨き続け、施工の効率化・省人化・省力化を進めるなど、既存事業を「深化」させていきます。また、協力会社からスタートアップ企業にいたるまでの多様なパートナーと「共創」し、『選ばれ続ける三機へ!』としてステークホルダーの皆様との共存共栄を目指していきます。 (2) 経営環境及び対処すべき課題等経営環境については、脱炭素化の動き、少子高齢化、働き方改革、AI技術の急速な進展等、大きく環境が変化していると認識しております。これらの環境変化に対応すべく、「省エネルギー・創エネルギー事業」、「自動化・省人化事業」、長時間労働の解消など働きやすい環境づくりを目的とした当社独自の働き方改革である「スマイル・プロジェクト」を推進してまいります。当連結会計年度の主な取り組みと今後の課題は次のとおりであります。 ①グループ全体(E)事業活動を通じた地球環境課題解決・脱炭素社会実現に向けた技術開発や省エネルギーに貢献する製品の拡販・当社独自の寄付制度「SANKI YOUエコ貢献ポイント」強化・環境省「生物多様性のための30by30アライアンス」の継続参加・CDP「気候変動Aリスト(最高評価)」に3年連続で選定・SBT(※)認定の取得※国際イニシアチブ「SBTi」が認定する「パリ協定の水準(世界の気温上昇を産業革命前比1.5℃に抑える水準)を満たす温室効果ガス削減目標」・タイ王国の工業団地における省エネ型排水処理施設(DHSシステム)導入調査事業が経済産業省の令和5年度補正「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」に採択・COP29ジャパン・パビリオン内セミナーにおいて当社技術を紹介(S)働き方改革、コミュニケーション向上、文化・スポーツ支援の積極実施・当社独自の働き方改革「スマイル・プロジェクト」の継続・2024年度に入社した社員の初任給並びに従業員の給与水準引き上げ・「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に3年連続認定・次世代育成と地域社会貢献として、小学生向けに身近な化学や環境保全に関する出前授業の実施・6言語版安全衛生手帳で多様な人材に対応した安全衛生教育を推進・優秀な人材の確保・定着に向けた取り組みとして「アルムナイネットワーク」の運用及び「奨学金代理返還制度」を導入・社会貢献活動として「こころの劇場」に特別協賛及び運営ボランティアに参加(G)三機工業コーポレートガバナンス・ガイドラインに基づく取り組み継続・東証プライム市場に求められる一段高いガバナンス水準に到達・維持・国内子会社5社でBCMS(※)の運用継続 ※BCMS:事業継続マネジメントシステム ②事業別・建築設備事業大都市圏での大型再開発事業及び半導体、EV電池、バイオ医薬関連などの産業空調分野の民間投資が活発で、市場は堅調に推移したことから、前年を上回る繰越受注を確保しました。その一方で、機器類納期の長期化は改善傾向にあるものの、依然として資機材価格と労務費の上昇、技術者不足は継続しております。また、案件の大型化が進んでおりますが、工程が長期間にわたる大型工事に関しては、計画工期の変更や施工中物件の工程遅れも見られ、労務費・資機材価格高騰等のリスクと併せて、影響を軽減することが課題となります。・機械システム事業2024年問題などの人手不足を背景とした自動化・省人化ニーズは製造業・非製造業ともに底堅く、これを取り込むべく将来の成長が見込める二次電池、医療・医薬、物流分野に注力しました。電池の検査装置の輸出案件が出件するなど、明るい兆しが見えてきております。 ・環境システム事業社会インフラとしての上下水処理施設、廃棄物処理施設への公共投資は前年並みの水準で推移していますが、脱炭素社会に向けた省エネルギーニーズが高いことから、省エネルギー性能の高い製品の拡販、並びにDBO(※)方式による温室効果ガス排出量削減を主体とした事業提案を行っております。また、海外市場においても、エアロウイング(省エネ型散気装置)の販売が好調なことを受け、国内外で設備投資を積極的に進め、事業拡大を図ってまいります。※DBO(Design Build Operate):設計・建設と運営・維持管理を民間事業者に一括発注する手法 また、東京証券取引所からの「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請につきましては、当社取締役会における資本収益性や市場評価についての現状分析をもとに、2025年度から始める中期経営計画2027において、企業価値向上に資する経営資源の適切な配分の方針を策定いたしました。2024年度のROEは16.3%となり、2024年度の属する前中期経営計画である“Century 2025”Phase3に掲げたROE目標値の8%以上を大幅に上回る結果となりました。また、PBR(株価純資産倍率)も安定して1倍超の水準となっております。一方、昨今の金利上昇により、当社が認識している株主資本コストは、従来の6~7%から現時点では7~8%に上昇しております。中期経営計画2027では、エクイティスプレッドを意識し、ROE・EPSの持続的な向上により企業価値の更なる増大を目指してまいります。 当社グループは、超長期ビジョンで掲げる「選ばれ続ける三機へ!」を実現するため、新たに「人に快適を。地球に最適を。」をスローガンに掲げ、2つの課題を同時に解決することでサステナビリティ社会へ貢献するために、新技術の開発、コーポレートガバナンスの一層の強化に取り組み、コンプライアンスの徹底を土台として、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向け鋭意努力を重ねてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。  (1) 経営の基本方針①三機工業グループ経営理念当社グループは、「三機工業グループ経営理念」を掲げ、社会における当社グループの存在意義と役員・従業員のあるべき姿を総合的に表現しております。当社グループではこれを「三機スタンダード」と呼んで社内外への浸透を図っております。三機工業グループ経営理念(三機スタンダード) エンジニアリングをつうじて快適環境を創造し広く社会の発展に貢献する 技術と英知を磨き、顧客満足の向上に努めるコミュニケーションを重視し、相互に尊重する社会の一員であることを意識し、行動する ②超長期ビジョン当社グループは、超長期ビジョンとして2050年の姿「選ばれ続ける三機へ!」を掲げています。5つのマテリアリティ(重要課題)に注力したサステナビリティ経営の推進により、環境・社会価値の向上と企業価値(経済価値)の向上を両立させるCSV(Creating Shared Values:共有価値の創造)を実現します。 ③経営ビジョン及び中期経営計画当社グループは、創立100周年を迎えた2025年度を新たな出発点と位置づけ、2030年度までの期間を対象とする経営ビジョン“MIRAI 2030”及び2027年度までの3ヵ年を対象とする中期経営計画2027を策定いたしました。新たな経営ビジョン“MIRAI 2030”では、「人に快適を。地球に最適を。」をテーマに環境・社会価値の向上と企業価値(経済価値)の向上の両立を目指し、2050年の超長期ビジョン「選ばれ続ける三機へ!」の実現に繋げていきます。中期経営計画2027は、経営ビジョン“MIRAI 2030”に向けた飛躍のための土台作り期間と位置付けており、「深化と共創」を重点テーマに掲げ、以下のとおり重点戦略を定めております。 また、中期経営計画2027における経営目標値は以下のとおりです。・2027年度経営目標 2027年度売上高3,000億円営業利益300億円営業利益率10.0%1株当たり当期純利益(EPS)(※1)430円以上 ・2025年度から2027年度の期間経営目標 2025年度~2027年度自己資本当期純利益率(ROE)(※1)16.0%以上成長投資(※2)500億円程度配当方針純資産配当率(DOE)5.0%以上自己株式取得(※2)400万株程度 (※1)EPS、ROEは政策保有株式の売却益を除く(※2)計画期間中の累計 エンジニアリング企業である当社が保有する様々な技術を磨き続け、施工の効率化・省人化・省力化を進めるなど、既存事業を「深化」させていきます。また、協力会社からスタートアップ企業にいたるまでの多様なパートナーと「共創」し、『選ばれ続ける三機へ!』としてステークホルダーの皆様との共存共栄を目指していきます。 (2) 経営環境及び対処すべき課題等経営環境については、脱炭素化の動き、少子高齢化、働き方改革、AI技術の急速な進展等、大きく環境が変化していると認識しております。これらの環境変化に対応すべく、「省エネルギー・創エネルギー事業」、「自動化・省人化事業」、長時間労働の解消など働きやすい環境づくりを目的とした当社独自の働き方改革である「スマイル・プロジェクト」を推進してまいります。当連結会計年度の主な取り組みと今後の課題は次のとおりであります。 ①グループ全体(E)事業活動を通じた地球環境課題解決・脱炭素社会実現に向けた技術開発や省エネルギーに貢献する製品の拡販・当社独自の寄付制度「SANKI YOUエコ貢献ポイント」強化・環境省「生物多様性のための30by30アライアンス」の継続参加・CDP「気候変動Aリスト(最高評価)」に3年連続で選定・SBT(※)認定の取得※国際イニシアチブ「SBTi」が認定する「パリ協定の水準(世界の気温上昇を産業革命前比1.5℃に抑える水準)を満たす温室効果ガス削減目標」・タイ王国の工業団地における省エネ型排水処理施設(DHSシステム)導入調査事業が経済産業省の令和5年度補正「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」に採択・COP29ジャパン・パビリオン内セミナーにおいて当社技術を紹介(S)働き方改革、コミュニケーション向上、文化・スポーツ支援の積極実施・当社独自の働き方改革「スマイル・プロジェクト」の継続・2024年度に入社した社員の初任給並びに従業員の給与水準引き上げ・「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に3年連続認定・次世代育成と地域社会貢献として、小学生向けに身近な化学や環境保全に関する出前授業の実施・6言語版安全衛生手帳で多様な人材に対応した安全衛生教育を推進・優秀な人材の確保・定着に向けた取り組みとして「アルムナイネットワーク」の運用及び「奨学金代理返還制度」を導入・社会貢献活動として「こころの劇場」に特別協賛及び運営ボランティアに参加(G)三機工業コーポレートガバナンス・ガイドラインに基づく取り組み継続・東証プライム市場に求められる一段高いガバナンス水準に到達・維持・国内子会社5社でBCMS(※)の運用継続 ※BCMS:事業継続マネジメントシステム ②事業別・建築設備事業大都市圏での大型再開発事業及び半導体、EV電池、バイオ医薬関連などの産業空調分野の民間投資が活発で、市場は堅調に推移したことから、前年を上回る繰越受注を確保しました。その一方で、機器類納期の長期化は改善傾向にあるものの、依然として資機材価格と労務費の上昇、技術者不足は継続しております。また、案件の大型化が進んでおりますが、工程が長期間にわたる大型工事に関しては、計画工期の変更や施工中物件の工程遅れも見られ、労務費・資機材価格高騰等のリスクと併せて、影響を軽減することが課題となります。・機械システム事業2024年問題などの人手不足を背景とした自動化・省人化ニーズは製造業・非製造業ともに底堅く、これを取り込むべく将来の成長が見込める二次電池、医療・医薬、物流分野に注力しました。電池の検査装置の輸出案件が出件するなど、明るい兆しが見えてきております。 ・環境システム事業社会インフラとしての上下水処理施設、廃棄物処理施設への公共投資は前年並みの水準で推移していますが、脱炭素社会に向けた省エネルギーニーズが高いことから、省エネルギー性能の高い製品の拡販、並びにDBO(※)方式による温室効果ガス排出量削減を主体とした事業提案を行っております。また、海外市場においても、エアロウイング(省エネ型散気装置)の販売が好調なことを受け、国内外で設備投資を積極的に進め、事業拡大を図ってまいります。※DBO(Design Build Operate):設計・建設と運営・維持管理を民間事業者に一括発注する手法 また、東京証券取引所からの「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請につきましては、当社取締役会における資本収益性や市場評価についての現状分析をもとに、2025年度から始める中期経営計画2027において、企業価値向上に資する経営資源の適切な配分の方針を策定いたしました。2024年度のROEは16.3%となり、2024年度の属する前中期経営計画である“Century 2025”Phase3に掲げたROE目標値の8%以上を大幅に上回る結果となりました。また、PBR(株価純資産倍率)も安定して1倍超の水準となっております。一方、昨今の金利上昇により、当社が認識している株主資本コストは、従来の6~7%から現時点では7~8%に上昇しております。中期経営計画2027では、エクイティスプレッドを意識し、ROE・EPSの持続的な向上により企業価値の更なる増大を目指してまいります。 当社グループは、超長期ビジョンで掲げる「選ばれ続ける三機へ!」を実現するため、新たに「人に快適を。地球に最適を。」をスローガンに掲げ、2つの課題を同時に解決することでサステナビリティ社会へ貢献するために、新技術の開発、コーポレートガバナンスの一層の強化に取り組み、コンプライアンスの徹底を土台として、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向け鋭意努力を重ねてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度は、2025年4月に創立100周年を迎えるにあたり、長期ビジョン“Centur2025”の最終フェーズである4カ年の中期経営計画“Century 2025”Phase3の3年目において、前期に引き続きPhase1の「質」を高める取り組み及びPhase2の「信頼」を高める取り組みを継続しつつ、社会のサステナビリティへの貢献や働き方改革、次世代に向けた投資など新たな施策を実施し、「選ばれ続ける企業」を目指してまいりました。さらに、SBT(Science Based Targets)認定の取得等、脱炭素社会への貢献に取り組むと共に、当社独自の働き方改革である「スマイル・プロジェクト」の推進により、当社グループが掲げる重要課題の一つである「働く仲間の幸福の追求」を実現してまいりました。その結果、当連結会計年度における当社グループの財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。(財政状態)(単位:百万円) 2023年度末(前連結会計年度末)2024年度末(当連結会計年度末)増減増減率主な増減要因流動資産131,564138,8347,2695.5%売上債権の回収により現金預金が増加した一方で、時価の下落及び政策保有株式の売却により投資有価証券が減少固定資産70,59662,005△8,591△12.2%総資産202,161200,839△1,321△0.7%流動負債81,59782,2836850.8%投資有価証券の減少に伴い繰延税金負債が減少固定負債15,94112,175△3,766△23.6%負債計97,53994,458△3,080△3.2%純資産104,621106,3801,7591.7%親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加した一方で、時価の下落及び政策保有株式の売却によりその他有価証券評価差額金が減少 (経営成績)(単位:百万円) 2023年度2024年度増減増減率主な増減要因受注高232,396264,96532,56814.0%次項<主要セグメント別経営成績>に記載のとおりであります。次期繰越受注高198,902210,73111,8285.9%売上高221,920253,13631,21514.1%売上総利益34,64247,49512,85237.1%(率)(15.6%)(18.8%)(3.2%) 営業利益11,58621,89310,30688.9%(率)(5.2%)(8.6%)(3.4%) 経常利益12,75023,07110,32080.9%(率)(5.7%)(9.1%)(3.4%) 親会社株主に帰属する当期純利益8,95117,2038,25292.2%(率)(4.0%)(6.8%)(2.8%) (注)各利益項目の率は、売上高に対する利益率を表しております。 <主要セグメント別経営成績> 〇建築設備事業(単位:百万円)ビル空調衛生、主に工場向けの空調設備を中心とする産業空調、電気設備及びファシリティシステムに関する事業等で構成されております。受注高は、ビル空調衛生、電気設備の大型工事を受注したこと等により増加いたしました。売上高及びセグメント利益は、前期から繰り越した大型工事の工事進捗及び利益率改善等により増収増益となりました。 2023年度2024年度増減増減率受注高183,606218,59034,98319.1%売上高182,545208,98126,43614.5%セグメント利益11,87620,5488,67273.0% 〇機械システム事業(単位:百万円)主に搬送システム及び搬送機器に関する製造販売事業で構成されております。売上高は前年同期と比較して増加し、セグメント損失は改善しました。 2023年度2024年度増減増減率受注高11,24210,933△309△2.8%売上高10,59110,9343423.2%セグメント利益(△は損失)△946△614332- 〇環境システム事業(単位:百万円)主に官公庁発注の上下水道施設及び廃棄物処理施設に関する事業で構成されております。受注高は、前年同期に大型の廃棄物処理施設を受注したことによる反動等で減少いたしました。売上高及びセグメント利益は、前期から繰り越した大型工事の工事進捗及び利益率改善等により増収増益となりました。 2023年度2024年度増減増減率受注高35,38333,396△1,987△5.6%売上高26,41531,3004,88518.5%セグメント利益9791,78780882.5% 〇不動産事業(単位:百万円)主に保有不動産の賃貸業務と建物管理にかかわる事業を行っております。テナント賃貸収入が増加し、増収増益となりました。 2023年度2024年度増減増減率受注高2,4822,5921094.4%売上高2,4822,5921094.4%セグメント利益866905384.4% ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末におけるキャッシュ・フロー(C/F)の状況は次のとおりであります。(単位:百万円) 2023年度2024年度当期C/Fの増減要因現金及び現金同等物期首残高24,94923,500 営業活動C/F1,28529,725税金等調整前当期純利益の計上及び売上債権の回収が進んだこと等により増加投資活動C/F3,1741,897主に有価証券の償還及び投資有価証券の売却により増加財務活動C/F△6,069△11,398主に財務・資本政策に基づく配当金の支払い及び自己株式の取得により減少現金及び現金同等物に係る換算差額など159123 現金及び現金同等物期末残高23,50043,848 ③ 生産、受注及び販売の実績当社グループが営んでいる事業の大部分を占める設備工事事業では生産実績を定義することが困難であり、また請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐいません。また、当社グループにおいては設備工事事業以外では受注生産形態をとっておりません。よって受注及び販売の状況については、可能な限り「① 財政状態及び経営成績の状況」において報告セグメントの種類に関連付けて記載しております。なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。受注高及び売上高の状況a.受注高、売上高及び繰越高期別部門別前期繰越高(百万円)当期受注高(百万円)計(百万円)当期売上高(百万円)次期繰越高(百万円)前事業年度(自2023年4月1日至2024年3月31日)設備工事事業建築設備ビ  ル空調衛生64,86846,624111,49255,19556,296産業空調50,59487,605138,20076,26461,936電  気20,84925,36946,21827,31418,904ファシリティシステム4,40613,66818,07413,9114,163計140,718173,267313,986172,685141,301プラント設備機  械システム6,65710,24416,9029,8037,098環  境システム23,37717,59140,96912,11528,854計30,03527,83657,87121,91835,952計170,754201,104371,858194,604177,253不動産事業-2,4792,4792,479-合計170,754203,583374,338197,084177,253当事業年度(自2024年4月1日至2025年3月31日)設備工事事業建築設備ビ  ル空調衛生56,29660,009116,30665,54550,760産業空調61,93690,658152,59587,66364,931電  気18,90439,80458,70930,18328,526ファシリティシステム4,16313,65017,81312,6145,199計141,301204,122345,424196,006149,417プラント設備機  械システム7,09810,28117,38010,2457,134環  境システム28,85419,82448,67815,95932,718計35,95230,10666,05826,20539,853計177,253234,229411,483222,211189,271不動産事業-2,5392,5392,539-合計177,253236,768414,022224,750189,271 (注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注高にその増減額を含んでおります。したがって、当期売上高にもかかる増減額が含まれております。2 次期繰越高は(前期繰越高+当期受注高-当期売上高)に一致しております。 b.受注工事高期別区分官公庁(百万円)民間(百万円)計(百万円)前事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)建築設備5,526167,741173,267プラント設備10,96716,86927,836計16,493184,611201,104当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)建築設備11,873192,249204,122プラント設備19,57310,53330,106計31,446202,783234,229     受注方法は、特命と競争に大別されます。これを受注金額比で示すと次のとおりであります。 期別区分特命(%)競争(%)計(%)前事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)建築設備58.441.6100プラント設備16.183.9100当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)建築設備66.833.2100プラント設備9.990.1100  c.完成工事高期別区分官公庁(百万円)民間(百万円)計(百万円)前事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)建築設備11,687160,998172,685プラント設備11,77910,13921,918計23,466171,138194,604当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)建築設備7,567188,439196,006プラント設備14,16712,03826,205計21,734200,477222,211 (注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。 前事業年度完成工事のうち請負金額10億円以上の主なもの㈱竹中工務店 下山Ⅳ期施設建設工事 3号館埼玉県企業局 大久保浄水場西部系3B掻寄機更新工事国立研究開発法人 理化学研究所 国立研究開発法人理化学研究所脳科学中央研究棟改修3期機械設備工事㈱大林組 株式会社豊田自動織機石浜工場E02工場新築工事㈱竹中工務店 茨木市民会館跡地エリア整備事業  当事業年度完成工事のうち請負金額10億円以上の主なもの㈱大林組 共同企業体 トヨタ自動車株式会社 明知1C 電池工場建設工事双葉地方広域市町村圏組合 双葉地方広域市町村圏組合 南部衛生センター焼却施設整備工事キオクシア㈱ キオクシア岩手株式会社新管理棟第1期機械設備工事㈱フジタ 北里新M号館新築及びインフラ改修工事鹿島建設㈱ アーバンネット御堂筋ビル 2 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。 d.次期繰越工事高(2025年3月31日現在)区分官公庁(百万円)民間(百万円)計(百万円)建築設備10,730138,687149,417プラント設備23,86315,99039,853計34,593154,678189,271   次期繰越工事のうち請負金額10億円以上の主なものは、次のとおりであります。㈱大林組 共同企業体 トヨタ自動車株式会社 明知次世代電池工場 <2026年8月完成予定>㈱大林組 (仮称)GSユアサ横江工場建設工事 <2027年9月完成予定>清水建設㈱ 日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発 <2026年9月完成予定>名寄地区衛生施設事務組合 (仮称)名寄地区一般廃棄物中間処理施設建設工事 <2027年3月完成予定>鹿島建設㈱ トヨタスポーツセンター第一体育館改築 <2028年7月完成予定> (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(財政状態)(単位:億円) 2022年度末2023年度末(前連結会計年度末)2024年度末(当連結会計年度末)増減総資産1,7232,0212,008△13純資産9091,0461,06317自己資本9071,0441,06217自己資本比率52.6%51.7%52.9%1.2% 前連結会計年度との主な増減要因については「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。なお、当社グループは次項「(経営成績)」に記載のとおり、中期経営計画“Century2025” Phase3で策定、開示した財務・資本政策に則り、資本効率の向上に取り組んでまいりました。当連結会計年度においては、自己株式の取得や、積極的な株主還元(増配)など資本効率の向上に努めてまいりました。 (経営成績)前連結会計年度との主な増減要因については「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。(単位:億円) 2022年度2023年度2024年度増減売上高1,9082,2192,531312売上総利益270346474128(率)(14.2%)(15.6%)(18.8%)(3.2%)経常利益62127230103(率)(3.3%)(5.7%)(9.1%)(3.4%) (注)各利益項目の率は、売上高に対する利益率を表しております。 当期は次の施策を実施してまいりました。○セグメント別の施策<建築設備事業>・半導体やEV電池、バイオ医薬等の将来性の高い分野へ注力・テナント工事や改修工事等で長期的な業績貢献が見込める都市再開発案件に参画・エンジニアリング推進本部を設置し、物件の大型化と特殊物件に対応する全社横断的な体制を構築・建築設備専用CAD「Rebro(レブロ)」の自動作図機能の共同開発に着手・自動風量計測ロボット技術の多用途展開・マイナス80℃露点クラスの極低湿度環境試験室を三機テクノセンター内に構築・オフィスデザイン業務を効率化するアプリケーションの開発に着手<機械システム事業>・2024年度グッドデザイン賞を受賞した自動仕分けシステム「メリス・ビアンカ®」を積極展開・「ブランチボール」(3方向分岐装置)を発展させた「BBソータ™」(仕分装置)を開発し、展示会へ出展<環境システム事業>・エアロウイング(省エネ型散気装置)の生産拡大のため、海外工場の機能アップに加えて、生産設備増強を国内で推進・廃棄物処理施設の更新需要を見据えた、M&Aによる事業拡大の推進(2025年5月1日 株式譲渡契約締結) 上記施策のほか、次の全社的な施策を実施いたしました。 ・原価管理の徹底(内部統制プロセスの徹底)・協力会社との関係強化  三機スーパーマイスター制度の実施 三機ベストパートナー制度の実施 また、“Century2025”Phase3の目標及び当連結会計年度の実績は以下のとおりであります。Phase3最終年度(2025年度)の目標と2024年度の結果(単位:億円) Phase3最終年度 (目標) 2024年度 (実績)売上高2,2002,531売上総利益360474(率)(16.5%)(18.8%)経常利益120230(率)(5.5%)(9.1%) (注)各利益項目の率は、売上高に対する利益率を表しております。 Phase3期間中の目標と結果 期間中の目標実績2022年度2023年度2024年度経常利益率5.0%以上3.3%5.7%9.1%配当性向50%以上87.4%51.3%50.6%配当年70円以上/株年75円/株年85円/株年165円/株自己株式取得500万株程度(※2)計画期間累計 433万株取得ROE(※1)8.0%以上5.1%9.2%16.3%成長投資200億円程度(※2)計画期間累計 107億円 ※1 ROE=自己資本当期純利益率※2 計画期間中の累計  2024年度の成果・Phase3最終年度の目標である売上高2,200億円、売上総利益360億円、経常利益120億円を上回り、1年前倒しで 目標値を達成 また、ROEも増益により16.3%となり、目標値を達成 ・年間配当金は、中期経営計画目標値70円以上に対して165円に増配 ・自己株式は、計画値の87%を取得(Phase3期間中の累計) ・成長投資は、人的投資、IT投資、省エネ設備投資等に107億円を実施 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、資金需要のうち主なものは、工事費や人件費等の販売費及び一般管理費等の支払によるものであります。運転資金等の必要資金については、内部資金又は借入により資金調達することとしております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行わなければなりません。すなわち、貸倒引当金、完成工事補償引当金等各種引当金及び法人税等、並びに履行義務を充足するにつれて一定期間にわたり収益を認識する方法を適用した工事の予定利益率等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。当社グループは建設業を営んでおり、収益計上の殆どを履行義務を充足するにつれて一定期間にわたり収益を認識する方法により計上しております。そのため、同方法に基づき適正に計上することは当社グループにとって重要なプロセスであると認識しております。当社グループでは、同方法に基づき個々の工事契約について契約の締結状況、予定原価の見直し、工事進捗に応じた原価計上がされているかを精査のうえ、会計処理を行っております。これら手続きは標準的なプロセスとして整備・運用し、当連結会計年度においても適正な手続きを経て連結財務諸表に反映しております。なお、見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

事業リスク

三機工業は、人材確保の困難さや労働時間規制の強化、資機材価格の高騰、不採算工事の発生といったリスクを抱えています。特に、建設業界全体での人材不足や、物価上昇による原価増加は業績に大きな影響を与える可能性があります。また、技術開発の遅れや海外事業における地政学的リスク、データセキュリティに関する脅威も事業運営上の重要なリスクとして認識されています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,688 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの事業運営に影響を与える可能性のあるリスクを統合的に把握し、リスクの顕在化を未然に防止するとともに、顕在化した場合の損失を極小化することを目的に、「リスク管理委員会」を中心としたリスクマネジメント体制を構築しています。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項につき、重大な影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、以下のようなものがあります。リスク項目及びカテゴリーの記載にあたっては、影響度及び顕在化の可能性から判断し、優先順位が高いものから、その具体的な内容と対策を記載しています。なお、記載内容には、将来の予想に関する事項も含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 設備工事事業共通(建築設備事業、機械システム事業、環境システム事業)リスク項目カテゴリー内容対策人財確保に関するリスク人財・労務大幅な採用計画の未達や離職率の増加があった場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある・新卒社員の初任給ならびに従業員の給与水準引き上げ・認知度向上・働き甲斐のある職場環境構築による従業員エンゲージメントの向上 協力会社の技術者が減少し、施工に必要な人数の確保ができない場合、業績に影響を及ぼす可能性がある・協力会社との信頼関係強化・三機テクノセンターを活用した協力会社教育・新規協力会社の探索・施工の自動化、省力化労働関連法令に関するリスク人財・労務建設業における労働時間上限規制適用開始に伴い、延べ労働時間が低下することで、対応可能工事量が低減し、業績に影響を及ぼす可能性があるBIMなどのICTの活用による設計及び施工の効率化資機材の調達・納期及び労務費に関するリスク経済・市場・為替変動やエネルギー価格の上昇等により、資機材価格及び労務費が急激に高騰しそれを請負金額に反映させることが困難な場合には業績に影響を及ぼす可能性がある・資機材納入遅延により全体工期が遅れ、客先業務に支障を来し、信用・信頼を失うことにより、業績に影響を及ぼす可能性がある・受注前:物価上昇に対する請負金額の見直しを契約に取り入れる交渉・受注後:早期発注と原価圧縮の工夫・納期情報を常に更新し、水平展開を図る施工中の事故及び災害に関するリスク技術・競争工事施工中の事故や災害の発生に伴い、業績に影響を及ぼす可能性がある・工事の安全衛生管理の徹底・品質リスクアセスメントを活用したトラブル未然防止・不測の事態に備えて工事賠償責任保険に加入不採算工事に関するリスク技術・競争工事途中での設計変更や、工程遅れなどによる設備工程の圧迫や作業員の増員、手直し工事等による想定外の追加原価により不採算工事が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある定期的に工事進捗管理を行うことによるリスクの早期把握及び対策の徹底米国関税政策に関するリスク経済・市場米国政府による関税政策の変更により、顧客の設備投資動向の変化や資機材価格が上昇した場合は、業績に影響を及ぼす可能性がある・顧客の設備投資動向及び資機材価格のモニタリング強化・資機材の多様な供給源確保技術開発に関するリスク技術・競争主に脱炭素化のための省エネに関する最新技術の導入需要が高まっているため、新技術の開発・導入や体制の構築遅れ等が発生し、既存の技術が陳腐化した場合は、業績に影響を及ぼす可能性がある・省エネに関する積極的な技術開発投資の実施・技術開発要員の増強や開発体制の連携強化 海外事業に関するリスク法令現地法令・規制及び当局による監督・規制の内容の認識不足により、行政指導や罰金の対象になる可能性がある・現地スタッフへの教育推進・現地情報の的確な収集分析・「海外危機管理マニュアル」の検証/更新の検討 地政学・海外戦争・テロの発生やその国の政情悪化、経済状況の変動、予期しない法律・規制の変更等があった場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある (2) 建築設備事業リスク項目カテゴリー内容対策計画案件の過多及び物件の大型化に伴う要員計画に関するリスク人財・労務・半導体や自動車、データセンター関連の計画が続出、大都市圏の再開発が増加。施工要員の配置や、協力会社の確保が困難になり事業遂行に影響を及ぼす可能性がある・物件の大型化に伴い、工期が長期化し、物価上昇、施工対象地域での要員確保や投資計画の変更による要員計画への影響が高まり、業績に影響を及ぼす可能性がある・施工管理計画のフロントローディングによる施工の合理化・施工要員と協力会社工事量を踏まえた事業活動・大型物件と特殊物件に対応するためエンジニアリング推進本部及び設計本部を設置し、全社横断的な体制を構築・工期及び物価上昇リスクを含めた契約内容の検討 (3) 機械システム事業リスク項目カテゴリー内容対策競争力低下に関するリスク技術・競争同業他社との競争が激しく、価格競争に陥る等により業績に影響を及ぼす可能性がある・大和プロダクトセンターの生産工程を見直し、合理化・新製品の投入 (4) 環境システム事業リスク項目カテゴリー内容対策市場環境変化に関するリスク技術・競争地方自治体の財政悪化を背景として、価格競争が激化する可能性がある・LCE事業の展開(※)・価格優位性のある商品を核とした受注長期事業に伴う価格変動に関するリスク経済・市場DBO案件は、長期にわたる運営維持管理を伴うため、著しい物価上昇等予期しない事象が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある物価スライド条項等を契約に取り入れる交渉及び事業運営のモニタリング徹底 ※ライフサイクルエンジニアリング(Life Cycle Engineering)事業の略称。新築、保守・メンテナンス、リニューアル、建替えといった建築物のライフサイクル全体を通じてサービスを提供する当社グループの事業コンセプト (5) 不動産事業リスク項目カテゴリー内容対策保有物件及び景気動向等外部環境に関するリスク経済・市場建物や設備の老朽化・陳腐化による、テナント入居率の低下や景気動向等に伴う賃貸料相場の急激な下落が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性がある・テナントの入居状況のモニタリング・テナントニーズの早期把握・テナント与信に係わるモニタリング精度の向上・環境や災害対応他、テナントニーズに対応した設備導入等、物件の付加価値向上のための投資 (6) 当社グループ共通リスクリスク項目カテゴリー内容対策法令違反に関するリスク法令建設業法、独占禁止法、労働基準法等の法令違反に対する行政処分等により事業活動に制限を受ける可能性がある・行動規範、行動指針の浸透・企業倫理研修の継続実施過重労働に関するリスク人財・労務長時間労働等により、従業員の健康被害が発生した場合、人的資本が毀損されることで、事業遂行に影響を及ぼす可能性がある・適正な人員配置の実施・業務効率化の推進・緻密な労務管理の実施人権に関するリスク人財・労務当社グループ及びサプライチェーンにおける人権侵害が起きた場合に、取引停止や株価の下落、罰金の支払、訴訟の提起が発生し、業績に影響を及ぼす可能性がある人権方針に基づく人権デューデリジェンスの実施および教育データセキュリティに関するリスクITサイバー攻撃等により個人情報、顧客名簿、施工図面(顧客機密情報)等の流出により損害を被る可能性がある・不正アクセス対策の強化・情報セキュリティに関するeラーニングの実施・不審メールなどへの啓蒙教育・協力会社への情報セキュリティ対策状況確認の継続実施訴訟等に関するリスク法令事業活動において契約不適合責任、製造物責任、特許、契約上の債権債務等に関する訴訟提起及びその他の法的な請求をされる可能性がある・契約締結前の法務部門によるチェックの徹底・品質リスクの抽出とプロセスごとの品質管理の徹底・トラブル関係情報の早期把握及び対策の徹底株式相場の変動に関するリスク財務・保有する株式の時価が下落し、資産が減少するとともに損失が発生する可能性がある・株価の下落により退職給付年金資産・信託資産が減少し、積立不足が発生する可能性がある・2028年3月末までに政策保有株式を連結純資産の20%未満とすることを目標に、2024年3月末時点から上場株式の銘柄数、金額ともに50%以上削減・退職給付年金資産・信託資産の運用状況のモニタリング及び体制の強化戦争・テロ・自然災害に関するリスク地政学・海外戦争・テロ・地震や台風等の大規模な自然災害が発生した場合には、事業の継続が困難となり、業績に影響を及ぼす可能性があるBCP体制の強化及びBCPを計画的に見直し有効に機能させる「事業継続マネジメントシステム(BCMS)」の継続運用気候変動に関するリスク経済・市場気候変動リスクの内容及びその対策については、「2. サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)重要なサステナビリティ項目 ①気候変動関連」に記載のとおりであります 顧客の信用に関するリスク財務顧客の倒産等によって債権が回収不能となり、損失が発生し、業績に影響を及ぼす可能性がある・顧客の与信・回収状況に係わるモニタリング精度の向上・与信リスクの高い特定の顧客に対する綿密な債権管理金利の変動に関するリスク財務・金利変動等により退職給付年金資産・信託資産が減少し、積立不足が発生する可能性がある・金利上昇により、資金調達コストが増加する可能性がある・年金資産・信託資産の運用状況のモニタリング及び体制の強化・退職給付債務増加の抑制・割引率及び期待運用収益率の定期的な見直し・代金回収の早期化促進による借入金増大抑制感染症流行に関するリスク人財・労務感染症の大規模流行に伴い、当社グループ及び協力会社従業員等関係者に多数の罹患者が発生した場合や、移動・外出他、種々の制限が継続した場合、事業遂行に影響を及ぼす可能性がある・感染症拡大に対応できる社内体制の整備・平常時からテレワーク等の行動制限対応を習熟・感染防止対策に必要となる衛生用品の常時備蓄 リスク項目カテゴリー内容対策業績の季節変動に関するリスク財務年度末にかけて工事の完成が集中することや工事進捗が急進する傾向にあるため、それに伴い、資金需要が大きく変動する可能性がある・資金繰り予想精度の向上・業績の進捗管理の徹底システム障害に関するリスクITコンピュータウイルス感染、不正アクセス等により、社内システムが停止し、業務が継続できない可能性があるセキュリティ対策ソフト(EDRソフト)を導入し、専門業者による常時監視を実施デジタル競争に関するリスクIT生成AIを始めとした、デジタル技術の導入遅れが原因で、業務プロセスの最適化が遂行されないことにより、競争力が失われ、業績に影響を及ぼす可能性がある・生成AIサービスの導入及び利用方法の教育を実施・経済産業省「DX認定事業者」に認定・デジタル改革推進部を設置・デジタル人財の育成、強化を目的とし、独自の「三機ITパスポート」の受検を実施AI利用に関するリスクIT生成AIの不適切な利用により、情報漏洩、著作権侵害、不正なデータ収集等が行われ、ステークホルダーからの信頼を損ない、業績に影響を及ぼす可能性がある「情報セキュリティ対策ガイドライン」に生成AI利用時の注意点を追加し、全社員にeラーニングによる教育を実施

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