研究開発活動(本文)
FY2025|1,320 文字
6【研究開発活動】 当社グループにおいては、社会並びに顧客の複雑化、多様化するニーズに対応するとともに、安全、高品質、効率的施工の実現のために、工法・工具の改善から新技術の研究まで幅広い技術・技能の研究開発活動を行っている。 当連結会計年度における研究開発費は705百万円であった。また、当社は京都研究所をはじめ、技術企画室、技術本部、環境設備本部、情報通信本部及び電力本部に研究開発の部署を置き、研究開発活動に取り組んでいる。また、電力関係については関西電力㈱及び関西電力送配電㈱の支援・協力のもと研究開発活動に取り組んでいる。 当連結会計年度における当社グループの研究開発活動の主な結果は、次のとおりである。 (設備工事業) (1)プラントサイン照明システム 従来、危険物などを製造するプラント現場においては、点検が必要な場所は図面と現地の機器番号を頼りに確認しており、直感的にわかりにくいものであった。 そこで、保守員がより確認しやすいよう、デジタル技術を用いて照明器具により視覚的にアピールする「プラントサイン照明システム」を開発した。 このシステムでは、白色LEDによる照明をベースに、赤色LED・橙色LEDを点滅させて、危険な場所が視覚的にわかる他、災害時には照明を避難方向へ流れるように順次点灯させて、人を誘導することができる。 さらに、当社の監視制御システム(フェイシャス)と連動することで、設備や装置の異常への早期対応、タブレット等のモバイル端末からの照明操作、遠隔監視を実現した。 (2)77kV CVケーブル外導削り器電動回転ユニット 従来、77kVのCVケーブル終端接続箱(※1)の組立工程では、CVケーブルを外部半導電層(※2)まで削り取った状態で切削工具を挿入し、刃体の深さを調整しつつ回転させながら、ミリ単位の規定寸法に外部半導電層や絶縁層を手動で切削していた。環境条件に応じて切削する長さが異なるが、約1.2~1.7mの切削作業は最短でも30分程度は必要であった。高所である送電鉄塔上で長時間行う精緻な作業は、精神的かつ身体的負担が大きく、作業の電動化が強く望まれていた。 そこで、「77kV CVケーブル外導削り器電動回転ユニット」を開発した。長年現場で使われ、作業性および施工品質共に実績がある切削工具に、今回開発した回転ユニットを組み合わせ、市販の充電式ドライバドリルを活用することで、切削作業の電動化を実現した。 結果、開発した工具は施工品質を担保したまま、作業時間の30%程度を削減することができ、身体的負担の軽減を実現した。※1 架空送電線や変電所の母線(主回路となる導体)などをケーブルと接続するケーブル端末装置の総称※2 ケーブル内部の絶縁体を覆う層で、電界の方向を均一にして耐電圧特性を高める役割を果たす (特 徴)・充電式ドライバドリルで回転速度の調整が可能で、操作が容易・手動と電動を使い分け規定の寸法通りに削り取りが可能・電動回転ユニットを碍管設置架台の下部に通して規定の削り取りが可能 (仕 様)・サイズ:[W]214mm×[D]325mm×[H]157mm・重 量:約3,205g
FY2024|1,501 文字
6【研究開発活動】 当社グループにおいては、社会並びに顧客の複雑化、多様化するニーズに対応するとともに、安全、高品質、効率的施工の実現のために、工法・工具の改善から新技術の研究まで幅広い技術・技能の研究開発活動を行っている。 当連結会計年度における研究開発費は649百万円であった。また、当社は京都研究所をはじめ、技術企画室、技術本部、環境設備本部、情報通信本部及び電力本部に研究開発の部署を置き、研究開発活動に取り組んでいる。また、電力関係については関西電力㈱及び関西電力送配電㈱の支援・協力のもと研究開発活動に取り組んでいる。 当連結会計年度における当社グループの研究開発活動の主な結果は、次のとおりである。 (設備工事業) (1)EMS-AI向けKindenergy Box(K-BOX) AIを活用したエネルギー・マネジメント・サービスであるEMS-AI事業において、従来は案件ごとにAIコントローラ盤を設計製作していた。しかし、小規模店舗への導入では経済合理性確保のためのコスト削減が必要であり、低コストでコンパクトな標準インターフェースを開発する必要があった。 そこで、コンピュータ機能や通信機能などをオールインワンとしたEMS-AIのキーデバイスであるKindenergy Box(以下、K-BOX)を開発した。 今回、K-BOXに搭載されたコントローラPCの動作が止まった場合や不安定となった場合を検知して自動復旧させる機能を主に提供するサブ基板の開発を行った。この開発において、「管理システム及びサブ基板」(特許第7402371)で特許登録を行い、K-BOXを安定的に運用する仕組みを完成させた。 また、コントローラPCの発熱を効率的に処理できるK-BOX筐体の開発を行った。この開発において、CPU処理能力に制限がかからない温度範囲で運用が行える筐体を完成させた。 以上の開発成果から、当事業年度末において量産試作品を完成させており、完成品の出荷に向けてさらなる調整を進めている。 (2)単相/三相配線チェッカー 電気工事において、幹線及びコンセントで送電後に誤結線が見つかると、停電したうえで手直しをする必要があり、工期遅延などのリスクがある。このリスクを軽減するために、行先確認や結線確認などの送電前チェックを行うが、回路種別や試験内容に応じて複数の試験器(テスター、コンセント試験器など)を使い分ける必要があり、多くの作業時間を要していた。また、動力コンセント用の送電前試験器は市販されていなかった。 そこで、小型かつ軽量で持ち運びしやすく、送電前に1つの試験器で回路種別を問わず幹線及びコンセントのチェックが可能な「単相/三相配線チェッカー」を株式会社昭和電業社と共同開発した。 この試験器は、単相3線、3相3線、3相4線に適応可能であり、最大で同時に4本のケーブルの対応関係を確認できる。本製品を用いることで、送電前の安全な状態で行先確認、導通確認、結線確認ができ、送電を待たずに効率的にチェックを行えるため、生産性向上を実現できる。 (特 徴)・送電前に幹線及び電灯・動力コンセントの安全なチェックが可能・行先確認、導通確認、結線確認が可能・誤って活線に接続した場合に光と音で警告 (仕 様)○送信器・サイズ:[W]101mm×[D]40mm×[H]162mm・重 量:約470g・電源:単3乾電池×4本・連続使用可能時間:48時間○受信器・サイズ:[W]81mm×[D]40mm×[H]152mm・重 量:約330g・電源:単3乾電池×2本・連続使用可能時間:12時間
FY2023|1,323 文字
6【研究開発活動】 当社グループにおいては、社会並びに顧客の複雑化、多様化するニーズに対応するとともに、安全、高品質、効率的施工の実現のために、工法・工具の改善から新技術の研究まで幅広い技術・技能の研究開発活動を行っている。 当連結会計年度における研究開発費は671百万円であった。また、当社は京都研究所をはじめ、技術企画室、技術本部、環境設備本部、情報通信本部及び電力本部に研究開発の部署を置き、研究開発活動に取り組んでいる。また、電力関係については関西電力㈱及び関西電力送配電㈱の支援・協力のもと研究開発活動に取り組んでいる。 当連結会計年度における当社グループの研究開発活動の主な結果は、次のとおりである。 (設備工事業) (1)蓄電池併設型太陽光発電(ソーラーストレージ)システムの出力制御 物流倉庫など大きな屋根を持つ施設は、大規模な太陽光発電設備を設置できるスペースがあるにもかかわらず、施設の消費電力が少なく発電電力を使いきれないため、小規模な太陽光発電設備の設置にとどまっていた。大規模発電設備とし、その発電電力を最大限に使用するには、蓄電池を併設し、DC/DCコンバータ・双方向パワーコンディショナ(PCS)を用いる必要がある。しかしこの方法はコスト増で採用されないだけでなく、所内負荷が減少し逆潮流が発生すると発電が停止する恐れがある。これを防止するためには、PCSの出力を調整し逆潮流させない運転方法が必要となっていた。 そこで今回、コスト面を重視しDC/DCコンバータ・双方向PCSを使用せず、片方向PCSに蓄電池を併設し、太陽光の発電電力を充放電制御する経済的なシステムを開発した。このシステムは従来型に比べ、構成がシンプルでコストダウンにつながるため、蓄電池併設型太陽光発電システムの導入拡大が期待される。 また、負荷減少による逆潮流の防止対策として、不足電力継電器(UPR)を用いて、PCSのインピーダンスを調整し出力調整するシステムを開発した。この制御方法は、逆潮流が発生する前に負荷減少を検出し、PCSの出力を抑制するため、発電を停止することなく運転継続できる。 (2)端子締付け管理システム 電気設備として重要な管理が求められる幹線締付けに焦点を当て、経験の浅い作業員でも確実に締付け・マーキングができる「端子締付け管理システム」を開発した。充電インパクトドライバーとインパクト用マーキングで構成されたシステムとなる。 従来の手動トルクレンチを用いた手法と、開発した端子締付け管理システムによる締付けおよびマーキングを比較した場合、30%~40%の作業時間が短縮でき、作業効率が向上した。 (特 徴)・トルク設定が簡単で、作業員の技量に関わらないトルク管理が可能・過度な締付けや二度締めを防止・締付け後のスピーディーなマーキングが可能・バッテリーの低下によるトルク不足を防止・せんき(ボルトにうまくねじ込めずに新たなねじを切る現象)対策が可能 (仕 様)・サイズ:[W]153mm×[D]59mm×[H]231mm・重 量:約1.15kg(電池パック含む)・締付け及びマーキング対応サイズ:M8、M10、M12
FY2022|1,566 文字
5【研究開発活動】 当社グループにおいては、社会並びに顧客の複雑化、多様化するニーズに対応するとともに、安全、高品質、効率的施工の実現のために、工法・工具の改善から新技術の研究まで幅広い技術・技能の研究開発活動を行っている。 当連結会計年度における研究開発費は651百万円であった。また、当社は京都研究所をはじめ、技術企画室、技術本部、環境設備本部、情報通信本部及び電力本部に研究開発の部署を置き、研究開発活動に取り組んでいる。また、電力関係については関西電力㈱及び関西電力送配電㈱の支援・協力のもと研究開発活動に取り組んでいる。 当連結会計年度における当社グループの研究開発活動の主な結果は、次のとおりである。 (設備工事業) (1)「SPIDERPLUS」電力量計確認機能のパワーアップ 電気設備工事における電力量計確認作業は、テナントビルなどの入居者の電気料金請求に関わる重要な作業で、電力量計が設計通りに設置されていることや正しく配線されていることなどを実際の電力量計で確認する。当社は2019年に「SPIDERPLUS」の電力量計確認機能をスパイダープラス株式会社と共同で開発し、目視で確認した内容をタブレットPCに入力すれば確認作業ができるだけでなく、自動で報告帳票や電力量計写真帳を作成できるようにした。しかし、電力量計は薄暗い場所に設置される場合が多いことに加え、表示される文字が小さいため、目視による確認作業において見逃し、見間違いなどのヒューマンエラーにより、誤計量が発生する可能性があった。 そこで今回、電力量計を写真撮影して、その写真からOCR技術を用いて各種情報を機械的に読み取る支援機能を開発。作業員の目視での確認と機械的な照合によるダブルチェックを行い、ヒューマンエラーの防止を可能とした。 また、OCR技術の認識精度は、電力量計の写真の品質に大きく影響されるため、当社は設置環境に影響されずに電力量計を撮影可能な電力量計撮影用補助具(意匠登録済)も開発した。同補助具を利用することで、写真撮影時の反射によるカメラ本体や背景の映り込み、劣悪な照明環境における光量不足の問題を解決し、OCR認識精度の向上だけでなく、電力量計写真帳の品質も向上する。「SPIDERPLUS」電力量計確認機能は、同補助具による撮影を効率的に行う機能も併せて搭載している。 (OCR技術による支援機能利用のメリット)・電力計の設定値が設計値と異なる場合、警告表示を行い、見間違いや見逃しを防止・電力計に誤結線などのエラーが表示されている場合、警告表示を行い、見逃しを防止・電力量計の情報収集のみに利用する場合でも、OCR技術により入力の省力化が可能 (2)照度測定ロボット3号機の開発 現場の労働環境改善や時間外労働を削減するために、建設業ではロボット活用が進みつつある。当社は、夜間作業となる照度測定を自動化できる「照度測定ロボット」の1号機を2018年に開発し、改良を重ね、2021年度には3号機の開発を行った。 今回の開発で、ロボットが搭載する測域センサの測定距離が従来機の30mから150mと5倍になり、大型物流施設など大空間の現場でも利用可能となった。 さらに、オンラインストレージサービスBoxとロボットの連携機能を開発した。これにより、Boxに保存した「走行設定ファイル」など必要なファイルをロボットが自動的に読み込むことができ、測定後は自動的にロボットからBoxへ測定結果が保存されるなど、ファイルコピー操作が減り、作業者の利便性が向上した。 (仕 様)照度測定ロボット・サイズ:[W]374mm×[D]542mm×[H]218mm・重 量:約12kg・走行速度:1.26km/時・測域センサ計測距離:150m
FY2021|1,578 文字
5【研究開発活動】 当社グループにおいては、社会並びに顧客の複雑化、多様化するニーズに対応するとともに、安全、高品質、効率的施工の実現のために、工法・工具の改善から新技術の研究まで幅広い技術・技能の研究開発活動を行っている。 当連結会計年度における研究開発費は575百万円であった。また、当社は京都研究所をはじめ、技術企画室、技術本部、環境設備本部、情報通信本部及び電力本部に研究開発の部署を置き、研究開発活動に取り組んでいる。また、電力関係については関西電力㈱及び関西電力送配電㈱の支援・協力のもと研究開発活動に取り組んでいる。 当連結会計年度における当社グループの研究開発活動の主な結果は、次のとおりである。 (設備工事業) (1)「架空送電線撮像検査システム」の開発 架空送電線は、落雷などにより損傷を受けることがあるため、送電線をビデオ撮影して点検を行う。不鮮明な撮影画像を人がモニター画面を目視して点検していたため、身体的疲労が大きく、点検漏れの懸念があった。 そこで、当社が開発した送電線上を自動走行し高精細なビデオ撮影をする自走式撮像装置と、株式会社明電舎の技術である撮影画像から異常箇所を自動で高精度に抽出する検査アプリケーションを組み合わせ、「架空送電線撮像検査システム」を共同開発した。 自走式撮像装置は、送電線全周の高精細画像が得られる撮像BOXを搭載することで、撮像BOX内に架空送電線を通過させて高精細な画像を撮影し、検査アプリケーションは、深層学習による画像解析で異常箇所を自動検出する。 同システムを使用することで、身体的疲労を軽減し、点検漏れを防止することができる。 (仕 様)自走式撮像装置・総重量:46kg(分割組立式)・寸法(全長×全幅×全高):600mm×350mm×745mm・走行速度:高速12m/分、低速3m/分 (2)「VR教育ツール ナイフの使い方 切創災害コンテンツ」の開発 当社は、株式会社クリーク・アンド・リバー社と共同で「VR教育ツール ナイフの使い方 切創災害コンテンツ」を開発した。両社はこれまでに「VR電力量計アーク災害体感教育ツール」「VR高所作業車逸走災害体感教育ツール」を共同開発し、VR技術を用いた安全教育の実績を積み重ねてきており、今回が3つ目のコンテンツとなる。今回開発したコンテンツでは過去のコンテンツとは異なり、素手でVR空間にあるものを操作できるハンドトラッキング機能を用い、自身が手先を動かすことによりVR空間内で手先の細やかな動きまで再現可能な仕様となっている。また利用者が見ている映像をディスプレイ等に映し出すことが可能であり、随時の指導を行うことができる。当社事業所内教育において活用することで、労働災害の防止並びに高品質な工事施工への貢献が期待できる。 当社は一昨年より、経験の浅い施工系社員の危険感受性を向上させることを目的として、受講者が容易に利用可能な可搬型のVR技術を用いた教育ツールの開発に注力してきた。これまでのVR教育ツールにおける教育効果を確認できたことから、新たなコンテンツについて検討を行い、特に若年層において災害が多く発生している、ナイフの使い方及び切創災害に着目した。ナイフ使用時の危険性・誤った使い方による災害リスクを体感し、危険感受性を高める上で有効なツールとして安全教育での活用が期待できる。 (特 徴)・利き腕並びにナイフの持ち方が選択可能・利用者が見ている映像をディスプレイなどで写すことが可能・機器の設置・設定作業が容易・運搬が容易・新規コンテンツの追加が容易 (仕 様)VRゴーグル・ディスプレイ:縦 1,440×横 1,600 ドット、有機ELディスプレイ・メモリ容量:64GB・6自由度空間位置決め機能・本体重量:571g
FY2020|1,442 文字
5【研究開発活動】 当社グループにおいては、社会並びに顧客の複雑化、多様化するニーズに対応するとともに、安全、高品質、効率的施工の実現のために、工法・工具の改善から新技術の研究まで幅広い技術・技能の研究開発活動を行っている。 当連結会計年度における研究開発費は571百万円であった。また、当社は京都研究所をはじめ、技術企画室、技術本部、環境設備本部、情報通信本部及び電力本部に研究開発の部署を置き、研究開発活動に取り組んでいる。また、電力関係については関西電力株式会社の支援・協力のもと研究開発活動に取り組んでいる。 当連結会計年度における当社グループの研究開発活動の主な結果は、次のとおりである。 (設備工事業) (1)「デッキ開口用治具」の開発 建設現場においては、床スラブを貫通してケーブルなどを上下階に配線する。コンクリートとデッキプレートで構成される床スラブ(デッキスラブ)の従来の開口方法は、コンクリート打設前に開口予定部のデッキプレートに貫通枠を取り付け、コンクリート打設後にデッキプレートをセーバーソーで切断している。その際、前かがみの低い姿勢でセーバーソーの重量と切断時の振動を支えながら切り込む必要があるため、作業者の身体的負担が大きくなっていた。 この作業者に対する負担の軽減を図るため、当社は「デッキ開口用治具」を開発した。同治具を使用する際は、貫通枠の内側にセーバーソーの荷重を受ける「受けパイプ」を固定し、その「受けパイプ」に沿ってセーバーソーを移動させることで、貫通枠に沿った切断が容易となる。また、従来の作業方法と比較して作業時間を約25%短縮することができる。 (仕 様) ・セーバーソー型式:XS150S(レッキス工業製) ・セーバーソー重量:2,900g ・開口可能サイズ:200mm〜1,500mm (2)「VR高所作業車逸走災害体感教育ツール」の開発 当社は、株式会社クリーク・アンド・リバー社と共同で「VR(仮想現実)高所作業車逸走災害体感教育ツール」を開発した。これは受講者3人がVRゴーグルやコントローラーといったハードウェアを着用し、同時にVR空間内で工事車両の操作ミスによって生じる逸走災害を体験できるツールである。配電工事は複数人が連携して作業を行うが、この教育ツールを用いることで、自分自身の危険感受性を向上させるとともに、仲間を守るために安全上配慮すべき点は何かについてグループ討議を促し、労働災害の防止並びに高品質な工事施工に努めていきたいと考えている。 実際の配電工事では通常複数人で連携して作業を行うため、全員が高い安全意識を持っていなければ労働災害を発生させるおそれがある。そこで、安全意識の向上・共有を図るため、今回の教育ツールは作業指揮者、高所作業車操作者、被災者の役割で、3人がそれぞれの視点で同時に災害を体験できるものとした。3人の受講者はVR空間内で他の受講者の動きを確認しながらスティックの操作により模擬作業を行うことができる。 (特 徴) ・3人同時に仮想現実上での災害体験が可能 ・設置作業が容易 ・運搬が容易 ・新規コンテンツの追加が容易 (仕 様) VRゴーグル ・ディスプレイ 縦 1,440×横 1,600 ドット、有機ELディスプレイ ・メモリ容量 64GB ・6自由度空間位置決め機能 ・本体重量571g コントローラー ・ハンドル(6自由度空間位置決め機能、振動機能) ・位置情報検出装置
FY2019|1,291 文字
5【研究開発活動】 当社グループにおいては、社会並びに顧客の複雑化、多様化するニーズに対応するとともに、安全、高品質、効率的施工の実現のために、工法・工具の改善から新技術の研究まで幅広い技術・技能の研究開発活動を行っている。 当連結会計年度における研究開発費は498百万円であった。また、当社は京都研究所をはじめ、技術企画室、技術本部、環境設備本部、情報通信本部及び電力本部に研究開発の部署を置き、研究開発活動に取り組んでいる。特に、電力関係については関西電力株式会社の支援・協力のもと研究開発活動に取り組んでいる。 当連結会計年度における当社グループの研究開発活動の主な結果は、次のとおりである。 (設備工事業) (1)「照度測定ロボット」の開発 照明設備の照度測定作業は、従来、太陽光の影響を受けない夜間に、照度計の数値を読み上げる測定者とその数値を図面等に記録する記録者の2名1組で行っていた。当社は、労働環境改善のため、タブレット端末を用いて照度測定点等を容易に設定でき、自律走行により自動的に照度測定点に移動して計測及び記録を行う「照度測定ロボット」を開発した。外装デザインは、首都大学東京との共同研究により、近未来をイメージしたデザインとした。 このロボットを活用することで、同作業に1名で対応できるようになり省力化が図れる。さらに、ロボットの自律走行中は一切の操作が不要なため、作業者は照度測定中に別の作業に従事することも可能で、照度測定に関わる実質的な作業時間を大幅に削減することができる。 (仕 様) ・外形寸法:[W]380mm×[D]605mm×[H]260mm (照度計及び照度計取付治具を除く) ・本体重量:約12kg ・走行速度:1.125km/時(0.31m/秒) ・搭載センサ:2次元測域センサ(測域範囲:30m)、バンパセンサ、落下防止センサ ・連続走行時間:約2時間(バッテリ2個装着時) ・充電時間:約3時間(バッテリ1個あたり) ・照度計取付高さ:700~1,100mm(机上面照度測定時) 130mm(床面照度測定時) (2)「階段用VCT揚重運搬車」の開発 VCT(高圧モールド形計器用変圧変流器)を需要家の高圧受電室やキュービクル内に設置及び交換する工事では、階段昇降時に3名程度の作業員がVCTを人力で運搬しており、作業員の身体的負担が大きくなっている。 そこで当社は、労働環境改善のため、「階段用VCT揚重運搬車」を開発した。この運搬車の荷台は階段走行中でも水平を保つよう自動的に調整する機能を備えている。さらに、キャスター付アウトリガーを装備しているため、階段の踊り場等の狭い場所でも旋回させることができるなど、VCTの階段での運搬作業を機械化することにより、作業員の身体的負担を軽減するとともに、運搬作業を安全に進めることができる。 (仕 様) ・最大積載量:100kg ・本体重量:約79kg ・昇降可能最大角度:38度 ・電 池:リチウム電池 ・連続使用時間:約2時間 ・階段走行速度:上昇時 26段/分 下降時 32段/分
FY2018|1,127 文字
5【研究開発活動】 当社グループにおいては、社会並びに顧客の複雑化、多様化するニーズに対応するとともに、安全、高品質、効率的施工の実現のために、工法・工具の改善から新技術の研究まで幅広い技術・技能の研究開発活動を行っている。 当連結会計年度における研究開発費は5億4千8百万円であった。また、当社は京都研究所をはじめ、技術企画室、技術本部、環境設備本部、情報通信本部及び電力本部に研究開発の部署を置き、研究開発活動に取り組んでいる。特に、電力関係については関西電力株式会社の支援・協力のもと研究開発活動に取り組んでいる。 当連結会計年度における当社グループの研究開発活動の主な結果は、次のとおりである。 (設備工事業) (1)「自走式難着雪リング取り外し装置」の開発 降雪地帯の送電線に雪害防止のために30cm間隔で取り付けられている難着雪リング(プラスチック製)を取り外す「自走式難着雪リング取り外し装置」を開発した。経年による送電線の張替工事を行う際、劣化した難着雪リングが地上に脱落する恐れがあるため、事前に送電線に宙乗りして人力で1個ずつ取り外す作業を必要としていたことから、作業者の身体的疲労の軽減、危機要因の削減、作業効率の向上を目的に、送電線を自走して難着雪リングを取り外すことができる装置を開発した。(特 長) ・小型コンパクト ・設置作業が容易 ・リモコンで遠隔操作が可能 ・マイコン搭載で走行を制御 (取り外しできなかった場合、後方のセンサーで停止→後退→再取り外しを制御) ・吊り金車を同時延線し作業時間を短縮(仕 様) ・総 重 量:33kg ・寸 法:[W]550㎜×[H]633㎜×[D]400㎜ ・走行速度:7m/分 ・連続使用時間:約80分(距離約500m) ・牽 引 力:約100 N(約10kgf) ・登坂能力:約40度 ・適用電線:38㎟~100㎟ (2)「FACIAS-3D」の開発 工場の生産設備監視制御システム「FACIAS-3D」を開発した。① 複数台の監視パソコンの管理 複数の既存生産設備監視制御パソコンより必要な情報を収集し、統合することにより1か所で生産工程の進捗や設備の異常が把握できるなど、オペレーター業務の省力化のツールとして活用できる。また、これまで導入してきたFACIASの統合に加え、異なるメーカーの監視制御システムが存在する場合にも統合化が可能である。② 監視画面の3D対応 生産設備を立体的(3D)に表現することにより、複雑な設備の詳細などが直感的に把握できるようになり、若手オペレーターの設備への理解がしやすく、異常時の早期対応やメンテナンス時の機器の場所の確認などにも活用できる。
FY2017|1,627 文字
6【研究開発活動】 当社グループにおいては、社会並びに顧客の複雑化、多様化するニーズに対応するとともに、安全、高品質、効率的施工の実現のために、工法・工具の改善から新技術の研究まで幅広い技術・技能の研究開発活動を行っている。 当連結会計年度における研究開発費は4億6千4百万円であった。また、当社は京都研究所をはじめ、技術企画室、技術本部、環境設備本部、情報通信本部及び電力本部に研究開発の部署を置き、研究開発活動に取り組んでいる。特に、電力関係については関西電力株式会社の支援・協力のもと研究開発活動に取り組んでいる。 当連結会計年度における当社グループの研究開発活動の主な結果は、次のとおりである。 (設備工事業) (1)「ケーブル配線用延線ロープ布設装置」の開発 ケーブルラック上への強電・弱電のケーブル配線作業を実施する場合、従来の延線ロープ布設方法では、作業者が約5m間隔で高所作業車などを使用し、昇降を繰り返しながら布設していく。このため高所での作業回数が多く転落・墜落の危険性を伴い、作業時間がかかるという問題があった。 そこで当社は、ケーブル配線時に使用する延線ロープを安全かつ効率的に布設できる「ケーブル配線用延線ロープ布設装置」を開発した。(特 長) ・延線ロープ布設装置本体はモータとバッテリーを搭載 ・遠隔操作で布設装置本体がケーブルラック(親桁)に沿って走行し延線ロープを布設 ・従来方法と比較して高所作業車使用回数の削減と作業時間を短縮(仕 様) <本体> ・対象ケーブルラック:親桁高さ70mmまたは100mm(注1) ・外形寸法:[W]205mm×[L]235mm×[H]116mm、重量:約3.0kg ・走行速度:20m/分程度(注2) ・駆動時間:連続50分程度 (水平走行時)(注2) ・牽引重量:2.5kg~6.0kg程度(注3) ・LEDランプによる走行位置確認機能(常時点滅) <リモコン> ・装置本体の前進・後進操作が可能、速度調整が可能 ・電源:単三乾電池4本 (注1):布設可能部分(直線や分岐など)はケーブルラックのメーカーや種類により異なる。 (注2):数値は装置単体で使用した場合の値である。 (注3):ケーブルラック上の埃や勾配により変動する。 この装置を用いることで従来の延線ロープ布設方法に比べて、高所作業車使用回数が10分の1に、また作業時間が4分の1になり、延線ロープ布設作業時の安全性と作業効率が向上した。 (2)「ブレーキ改良型4導体宙乗機」の開発 超高圧架空送電線の多導体線路では、電線同士の接触を避け、各電線間隔を一定に保持する目的でスペーサーを径間内に取り付ける。スペーサー取り付け作業は、電線にセットした宙乗機に作業員が搭乗し、径間内に乗り出して行う。 従来の宙乗機のブレーキ機能は、踏み込むとゴム板が電線を挟み込み、その摩擦力で制動を得るフットブレーキしかなく、電線傾斜角の大きな径間においては、ブレーキ操作を誤り一旦滑走し始めるとフットブレーキのみでは止まり難いという問題があった。 そこで当社は、安全にスペーサー取り付け作業が行えるよう、作業員の技能に依存しない複数のブレーキ機能を有する「ブレーキ改良型4導体宙乗機」を開発した。 滑走防止機能の改善として、フットブレーキとは別系統の補助ブレーキ並びに速度抑制する逸走防止機を考案・設計・製作し、制動力・操作性・耐久性の実証試験を行い良好な結果を得た。① 補助ブレーキの開発 主ブレーキのフットブレーキとは別に、ゴム板で電線を挟み込み、手動で操作する補助ブレーキを開発し た。② 逸走防止機の開発 宙乗機が滑走した場合でも、自動で速度を抑制できる遠心ブレーキを開発した。試験の結果、滑走速度を 10km/h以下に抑制でき、滑走してもフットブレーキ・補助ブレーキを慌てることなく操作し、宙乗機を制動す ることを可能とした。
FY2016|1,477 文字
6【研究開発活動】 当社グループにおいては、社会並びに顧客の複雑化、多様化するニーズに対応するとともに、安全、高品質、効率的施工の実現のために、工法・工具の改善から新技術の研究まで幅広い技術・技能の研究開発活動を行っている。 当連結会計年度における研究開発費は4億5千万円であった。また、当社は京都研究所をはじめ、技術企画室、技術本部、環境設備本部、情報通信本部及び電力本部に研究開発の部署を置き、研究開発活動に取り組んでいる。特に、電力関係については関西電力株式会社の支援・協力のもと研究開発活動に取り組んでいる。 当連結会計年度における当社グループの研究開発活動の主な結果は、次のとおりである。 (設備工事業) (1)「電力量計確認用ツール」の開発 電気の使用量を計る電力量計の誤結線や配線間違いなどによる誤計量トラブルを防止するには、電力量計1台ごとに確実な確認作業が必要不可欠である。例えば、電力量計の計量値の良否を確認するには、メーカーによる工場検査に加え、建物内で設置された回路においても一定の負荷を印加し、計量値の増加分を確認する必要がある。 従来は、対象回路に負荷が無い場合や、負荷容量が小さく確認作業時間が長くなる場合があった。また、手書きによる確認作業は非効率であり、入力データ管理が不十分となる課題があった。そこで当社は、下記の「電力量計確認用ツール」を開発した。(構 成)1.模擬負荷装置 ・単相3線/三相3線回路が対象(線間電圧100V/200Vの両方に自動対応)2.電力量計確認ソフト ・タブレット型パソコンを用い、電力量計の情報や動作及び計量値を効率的にデータ管理3.パルス確認器 ・電力量計から発信されるパルス出力を現地で確認する機器 現場で電力量計の動作を確認するには、一定の電力負荷を加える必要があるが、今まで現場で使用していた1kW程度の小容量負荷であれば、電力量計1台につき60分以上かかっていた。今回開発した6kW模擬負荷装置を使用すれば10分以内での作業が可能となり、計量値確認などの作業が、従来よりも短時間で確実に行えることを確認できた。 今後は、多くの現場で活用して、電力量計の各種確認作業の効率向上と誤計量防止に役立てる。 (2)「設備診断システム」のバージョンアップ 従来の「設備診断システム」は、電気分野における設備診断業務の合理化を図るために開発したものであるが、今回、新たに機械分野(空調・衛生)における設備診断システムを開発した。 電気分野と同様、タブレット型パソコンで使用するアプリケーションは、設備機器の入力情報をプルダウンリストから選択し、また、劣化状況の入力情報をチェックリストから選択できるようにするなど入力補助機能を充実させ、現地調査作業の省力化を図るとともに、調査情報の欠落を防止するなど、高い水準で設備診断業務を行うための機能を備えている。 また、設備診断業務で最も時間を要する報告書の作成については、タブレット型パソコンのデータを活用して、「報告書作成ソフトウェア」により設備診断報告書を作成する。これによって、設備診断業務にかかる時間を大幅に短縮することができた。 なお、タブレット型パソコンへの入力画面は、機械分野(空調・衛生)も電気分野と統一した。しかし、システムを管理するマスターデータは、将来のメンテナンス性を考慮して分野別としている。 今後は、当システムを用いることにより、機械分野においても高い設備診断品質を確保するとともに、設備診断業務の時間短縮を図っていく。