研究開発活動(本文)
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FY2026|4,695 文字
6 【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)では、グローバルビジョン“「わが家」を世界一幸せな場所にする”の実現に向け、ハード・ソフト・サービスを融合させた住まいの研究開発が使命と考えています。創業以来積み上げてきた安全・安心・快適の技術を土台として、住まい手の「幸せ」につながる「健康・つながり・学び」という2030年に提供すべき価値を見据え、デザイン研究開発・環境技術開発・オリジナル技術開発を推進するとともに、新たな研究開発領域の拡大も図っていきます。住宅は個人資産であると同時に、社会資本であり、住まいが次世代に引き継がれるために、持続可能性、環境への配慮、美しさの追究は必須です。そのために、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」や「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」の推進をはじめとする2050年の脱炭素社会を目指した研究、自然と共生するまちなみ等、住む人の感性や価値観に合わせたデザイン研究に積極的に取り組んでいます。そして、これらの研究開発成果を国内事業とともに海外事業にも展開し、幸せなわが家づくりを通して積水ハウステクノロジーが世界のデファクトスタンダードとなるように推進していきます。また、研究開発における当社の強みは、「総合住宅研究所」の徹底した技術検証によるエビデンス構築とともに、「しあわせ住まい研究所」の時間軸を意識した「幸せ住まい」の提案力です。「最高の技術と品質」を技術開発の根本に据え、業界のトップランナーとして、経営戦略にベクトルを合わせた研究開発を行っています。ハードとソフトの融合により、家族の「幸せ」を実現する「ファミリー スイート」は、当社の研究開発の成果の一つです。柱をなくし、最大スパン7mの大空間リビングを支えるオリジナル構法「ダイナミックフレーム・システム」は、当社独自の技術であり、「ファミリー スイート」の新築戸建住宅での採用率は60%を超えています。また、ウイルスや花粉等の汚染物質に配慮した、次世代室内環境システム「スマート イクス」の採用率は60%を超えています。当社グループでは、R&D本部において、「総合住宅研究所」や「しあわせ住まい研究所」による建築新技術、住生活の研究開発に加え、住を基軸としたデザイン、商品開発並びに技術戦略の推進に関する事項を掌握し、技術開発の更なる推進を図っています。今後もR&D領域をさらに拡大し、「住」を基軸としたあらゆる分野の情報を収集・分析するとともに、一つの事象をより深掘りし多くのエビデンスを取得しながら研究開発を進める体制を強化していきます。そのために、社内だけでなく社外のリソースを有効的に活用することが必要であり、オープンイノベーションやM&A等による同業種・異業種との交流・連携の強化を推進していきます。また、2025年8月5日には「エデュケーション(学び)」と「エンターテインメント(楽しさ)」を融合させた「住育エデュテイメント施設」である大型体験型施設「JUNOPARK(ジュノパーク)」を開業しました。施設のメインとなる体験エリアには、「暮らしの中で育まれる6つの感性」をテーマにしたオリジナルプログラムや展示を設けています。当連結会計年度の研究開発活動の概況と成果は以下のとおりであり、研究開発費総額は10,520百万円です。なお、当社グループの行っている研究開発活動は、各事業に共通するものであり、セグメントに分類することができません。そのため、研究開発活動の概要は、以下のとおり研究開発の項目別に記載します。 (1)商品開発・重量鉄骨の強さと設計自由度を両立する「フレキシブルβシステム」において、2025年4月より当社オリジナル外壁材「ダインコンクリート」を採用しました。これにより、重厚感のある意匠と多様な表現を可能とし、都市景観に調和する外観を提供しています。・デザイン提案システム「life knit design」は、人生100年時代、良質な住まいに“愛着”を持って、より長く住み続ける循環型社会を目指し、流行り廃りではないお客様の“感性”を大切にした住まいづくりを提供しています。2025年8月より、リフォーム事業でも「life knit design」の思想での提案を展開しています。・ミナ ペルホネンのファウンダー/デザイナー皆川 明氏とコラボレーションした平屋のモデルハウス「HUE(ヒュー)」(住まいの体験型ミュージアム「Tomorrow's Life Museum 山口」に設置)をオープンし、2025年10月に「2025年度グッドデザイン賞」を受賞しました。また、「HUE」は、「life knit design」の思想を基に子どもの五感や想像力を刺激し、豊かな心と生きる力を育む住まいの提案として、2025年8月に「第19回キッズデザイン賞(子供たちの創造性と未来を拓くデザイン部門〈建築・空間〉」を受賞しました。・2025年10月に開催された国内最大級のデジタルイノベーション総合展「CEATEC 2025」において、わが家の図面と機能を結び付けたアプリサービス「PLATFORM HOUSE touch(プラットフォームハウスタッチ)」を体験できるリビング空間を設置し、アプリを使った玄関の施解錠、照明やエアコンなどの遠隔操作といった暮らし方の体験とともに、独自の技術を活用した住まいの未来像を体験できる空間を提供しました。 ・兼松サステック株式会社と共同開発した、環境負荷の低減を実現する新たな地盤補強工法「SH-KPパイル工法」を2025年12月より販売開始しました。同工法は、間伐材等の国産木材を有効活用することで、環境負荷低減を実現しながら、高品質な防腐・防蟻処理により高耐久性を確保する地盤補強工法である「環境パイル工法」の地盤の適用範囲を拡大した工法で、一般財団法人日本建築総合試験所にて2025年7月24日に性能証明を取得しました。・当社の2025年度の新築戸建住宅ZEH比率は高い水準となりました。また、集合住宅においても、「賃貸ZEH」をシャーメゾンブランドで展開し、2025年度の住戸ZEH比率は第6次中期経営計画の2025年度目標である75%を上回りました。2025年度の実績値は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ共通の取組み ④指標及び目標」に記載しています。・積水ハウステクノロジーの海外移植を推進すべく、米国では、2024年1月よりカリフォルニア州南部のシャーウッドの分譲地「Sommers Bend」につき、優れた快適性やエネルギー効率に加え、シャーウッド構法による高い施工精度、品質が支持され、2025年2月には全米住宅建設業者協会(NAHB)主催の「The Nationals 2025」において4部門で1位「Gold Award」を受賞しました。また、同月、ラスベガスにシャーウッドの分譲地「Arcadia」をオープンし、好評を博しています。・オーストラリアでは、現地の気候・風土・ニーズに合わせた独自のシャーウッド構法で日本品質の快適な住宅を提供し、シドニー近郊で展開エリアを拡大するなど、ブランド認知を進めています。 (2)技術開発・リフォーム事業において増改築の提案力を一層強化すべく、構造に関わる公的認定(建築基準法施行規則第1条の3)の認定範囲を拡大し、2025年9月より運用を開始しています。・健康を意識しなくても健康的な生活環境が実行できるような環境づくり、いわゆる「ゼロ次予防住環境」の創造を目指した千葉大学との共同研究を基に、住まいの広さやリビングルームの天井の高さが居住者の Well-being に寄与している可能性が高いとの研究結果を2025年2月に公表しました。・2025年3月14日に締結した株式会社土屋ホールディングスとの資本業務提携により、当社の全国展開力や技術革新力と、株式会社土屋ホールディングスの住宅における業界最高水準の高断熱・高気密の技術や品質へのこだわりを組み合わせることで、よりお客様のニーズに適した高付加価値の住宅を目指します。・2025年11月より、旭化成株式会社、旭化成ホームズ株式会社、積水化学工業株式会社及び株式会社CFPと共同で、住宅建築現場で発生する給水・給湯管(架橋ポリエチレン管「エスロペックス」)の施工端材を回収し、再生原料として再び配管材へ循環させる資源循環スキームの構築に取り組んでいます。・当社の寄付によって東京大学総括プロジェクト機構内に設立した「国際建築教育拠点(SEKISUI HOUSE - KUMA LAB)」は、研究施設「T-BOX(2021年10月運用開始)」を活用し、次世代の人財育成及び住宅イノベーションの実現に向けた研究を継続しています。その取組みの柱の一つである、「デジタルファブリケーションセンター」の活動として、2025年3月13日から開催されたクリエイティブの祭典「Tokyo Creative Salon 2025」に出展しました。また、「SEKISUI HOUSE - KUMA LAB」、東京大学とともに産学協働で大阪・関西万博 日本政府館の解体材(CLT:直交集成板)の再利用に取り組む「旅するCLT」を2025年12月に発表し、2027年以降の全国展開を見据えてCLTパネルの残存強度評価・設計指針・生産物流までの仕組み化の検証を開始しました。・東京大学大学院情報学環との共同研究に基づき、人生100年時代における「ソーシャルライフ」(個人の幸せを起点に人や社会のつながりを再構築する新たなライフスタイル)に関する共同研究報告会を2025年11月に実施しました。新たなライフスタイル提案の社会実装を目指し、最終成果の取りまとめに向けた研究を加速しています。・京都大学との「子どもの感性発達に有効な住提案に関する知見の拡大・創出」を目的とする包括連携に基づき、「住まいにおける子どもと家族との会話によるつながりに関する研究」と題し、家族の会話スタイルが子供の幸福感や非認知能力に与える影響の分析を共同で実施しています。・「しあわせ住まい研究所」はオープンイノベーション施設「イノコム・スクエア」を拠点とし、今後迎える人生100年時代には暮らしにおける「幸せ」のさらなる追求が重要と考え、時間軸を意識した「住めば住むほど幸せ住まい」研究に取り組んでいます。「アートのある暮らし」のサービス化に向けた価値検証プロジェクトを慶應義塾大学の川畑 秀明教授と共同研究するなど、複数の研究テーマを推進しています。・庭などに生態系に配慮した地域の在来樹種を中心とした植栽を行う「5本の樹」計画による累計植栽本数は2,143万本となりました(2026年1月末時点)。・2030年のネイチャー・ポジティブ実現に向け、琉球大学の久保田 康裕教授が立ち上げたスタートアップ企業の株式会社シンク・ネイチャーと生物多様性ネットゲインを共同推進し、建築地における生物多様性保全に効果の高い樹種を提案可能なツールの試験運用を開始しています。試験運用で明らかになった課題を精査し、実務レベルで活用できるよう「5本の樹」計画向けにカスタマイズを実施しました。2025年10月よりスモールスタートを行い、2026年度の本格運用開始を目指しています。
FY2025|3,741 文字
6 【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)では、グローバルビジョン“「わが家」を世界一幸せな場所にする”の実現に向け、ハード・ソフト・サービスを融合させた住まいの研究開発が使命と考えています。創業以来積み上げてきた安全・安心・快適の技術を土台として、住まい手の「幸せ」につながる「健康・つながり・学び」という2030年に提供すべき価値を見据え、デザイン研究開発・環境技術開発・オリジナル技術開発を推進するとともに、新たな研究開発領域の拡大も図っていきます。住宅は個人資産であると同時に、社会資本であり、住まいが次世代に引き継がれるために、持続可能性、環境への配慮、美しさの追究は必須です。そのために、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」や「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」の推進をはじめとする2050年の脱炭素社会を目指した研究、自然と共生するまちなみ等、住む人の感性や価値観に合わせたデザイン研究に積極的に取り組んでいます。そして、これらの研究開発成果を国内事業とともに海外事業にも展開し、幸せなわが家づくりを通して積水ハウステクノロジーが世界のデファクトスタンダードとなるように推進していきます。また、研究開発における当社の強みは、「総合住宅研究所」の徹底した技術検証によるエビデンス構築とともに、「しあわせ住まい研究所」の時間軸を意識した「幸せ住まい」の提案力です。「最高の技術と品質」を技術開発の根本に据え、業界のトップランナーとして、経営戦略にベクトルを合わせた研究開発を行っています。ハードとソフトの融合により、家族の「幸せ」を実現する「ファミリー スイート」は、当社の研究開発の成果の一つです。柱をなくし、最大スパン7mの大空間リビングを支えるオリジナル構法「ダイナミックフレーム・システム」は、当社独自の技術であり、「ファミリー スイート」の新築戸建住宅での採用率は60%を超えています。また、ウイルスや花粉等の汚染物質に配慮した、次世代室内環境システム「スマート イクス」の採用率は70%を超えています。当社グループでは、R&D本部において、「総合住宅研究所」や「しあわせ住まい研究所」による建築新技術、住生活の研究開発に加え、住を基軸としたデザイン、商品開発並びに知的財産戦略の立案に関する事項を掌握し、技術開発の更なる推進を図っています。今後もR&D領域をさらに拡大し、「住」を基軸としたあらゆる分野の情報を収集・分析するとともに、一つの事象をより深掘りし多くのエビデンスを取得しながら研究開発を進める体制を強化していきます。そのために、社内だけでなく社外のリソースを有効的に活用することが必要であり、オープンイノベーションやM&A等による同業種・異業種との交流・連携の強化を推進していきます。当連結会計年度の研究開発活動の概況と成果は以下のとおりであり、研究開発費総額は10,581百万円です。なお、当社グループの行っている研究開発活動は、各事業に共通するものであり、セグメントに分類することができません。そのため、研究開発活動の概要は、以下のとおり研究開発の項目別に記載します。 (1)商品開発・2023年6月にスタートした新デザイン提案システム「life knit design」は、人生100年時代、良質な住まいに“愛着”を持って、より長く住み続ける循環型社会を目指し、流行り廃りではないお客様の“感性”を大切にした住まいづくりを提供しています。「life knit design」のインテリアの考え方である「6つの感性フィールド」をお客様が実際に体感し、ご自身の感性を見つける「場」として、リアルサイズで同じ間取りの6棟のインテリアデザインハウス「6 HOUSES」を、2024年8月から10月の期間限定で「コモンステージみどりのⅡ」(茨城県つくば市)にオープンしました。・2024年9月には、西日本初となるミナ ペルホネンのファウンダー/デザイナー皆川 明氏とのコラボレーションモデルハウス「HUE(ヒュー)」を、当社の住まいの体験型ミュージアム「Tomorrow's Life Museum 山口」にライフスタイル提案モデルハウスとしてオープンしました。なお、ミナ ペルホネンとのコラボレーションモデルハウスの第一弾となる、2023年4月オープンの「駒沢シャーウッド展示場 HUE(ヒュー)」は、iF International Forum Design GmbHが主催する国際的なデザインアワード「iFデザインアワード2024」の「Architecture(建築)」部門において、「iFデザイン賞」を受賞しました。・当社の2024年度の新築戸建住宅ZEH比率は96%(北海道を除く)となり、供給を開始した2013年以降の累積棟数も89,352棟(2025年3月末現在)となりました。また、集合住宅においても、「賃貸ZEH」をシャーメゾンブランドで展開し、2024年度の受注戸数は14,722戸、住戸ZEH比率は77%と、第6次中期経営計画の2024年度目標である73%を上回り、累計戸数も57,284戸となりました。また、賃貸ZEHでは、住戸毎に専用接続するEV充電スタンドの設置を推進し、モビリティにおけるCO2排出量削減にも貢献します。・「住生活研究所」から改称した「しあわせ住まい研究所」は、2024年9月に開設したオープンイノベーション施設「イノコム・スクエア」を拠点とし、今後迎える「人生100年時代」には、暮らしにおける「幸せ」のさらなる追求が重要と考え、時間軸を意識した「住めば住むほど幸せ住まい」研究に取り組んでいます。・2023年6月に発売した“たべる”だけでなく“つくる”もコミュニケーションの時間とする、テーブルとコンロが一体になった、座って囲める「キッチンテーブル」が2024年9月発表の「第18回キッズデザイン賞」において、男女共同参画担当大臣賞を受賞しました。 (2)技術開発・国内の良質な住宅ストックの形成に貢献すべく、2023年9月に性能規定に基づく「基礎ダイレクトジョイント構法」を開発し、業界初の共同建築事業「SI事業」に導入。2025年1月にはバージョンアップを行い、耐力壁や屋根、床の強度を向上させて、耐震性の確保と間取りの自由度を実現しました。・重量鉄骨の強さと設計自由度を両立した「フレキシブルβシステム」においては、耐震性能を更に高めるβⅢ基礎仕様(ダブル配筋、基礎立ち上がり幅300)を2024年11月に発売しました。・2022年4月に開始した千葉大学予防医学センターとの共同研究を基に、健康を意識しなくても健康的な生活習慣が実行できるような環境づくり、いわゆる「ゼロ次予防住環境」の創造を目指し、住環境と健康の因果を疫学の観点から研究しています。・2023年6月より総合住宅研究所内実験検証棟にて進めてきた検証により、太陽光の余剰電力と水から水素製造、合金への貯蔵、必要な時に水素を使って発電するシステムの有用性を確認し、電力のオフラインに向けた可能性をつかむことができました。・2024年5月に、株式会社ブリヂストンと住宅で使用する給水給湯樹脂配管について、新築施工時に排出される端材の同製品部材への水平リサイクルを開始しました。・2020年6月にスタートした、東京大学×積水ハウス「国際建築教育拠点(SEKISUI HOUSE - KUMA LAB)」は、研究施設「T-BOX(2021年10月運用開始)」を活用し、次世代の人財育成及び住宅イノベーションの実現に向けた研究を継続しています。・庭などに生態系に配慮した地域の在来樹種を中心とした植栽を行う「5本の樹」計画による累計植栽数は2,069万本となりました(2025年1月末時点)。・当社の植栽実績データと居住者へのアンケート調査を活用した、東京大学大学院農学生命科学研究科の曽我 昌史准教授との「生物多様性と健康に関する共同研究」(2022年12月に開始)の成果として、2024年7月、「5本の樹」計画を取り入れた在来種を中心とした植栽は、身近な生き物とのふれあいの頻度の高まりにより、居住者のウェルビーイングの向上や自然の価値の認識、環境配慮意識の高まりに寄与するという分析結果を発表しました。・琉球大学の久保田 康裕教授が立ち上げたスタートアップ企業の株式会社シンク・ネイチャーと生物多様性ネットゲインの共同推進に関する協定を2023年7月に締結し、2030年ネイチャー・ポジティブ実現に向けて「5本の樹」計画の新たな価値創造に取り組んでいます。・積水ハウステクノロジーの海外移植を推進すべく、米国では、2024年1月よりカリフォルニア州南部の「Sommers Bend」におけるシャーウッドの販売を開始しました。また、オーストラリアでは、現地の気候・風土・ニーズに合わせた独自のシャーウッド構法で日本品質の快適な住宅を提供し、シドニー近郊で展開エリアを拡大するなど、ブランド認知を進めています。
FY2024|3,286 文字
6 【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)では、グローバルビジョン“「わが家」を世界一幸せな場所にする”の実現に向け、ハード・ソフト・サービスを融合させた住まいの研究開発が使命と考えています。創業以来積み上げてきた安全・安心・快適の技術を土台として、住まい手の「幸せ」につながる「健康・つながり・学び」という2030年に提供すべき価値を見据え、デザイン研究開発・環境技術開発・オリジナル技術開発を推進するとともに、新たな研究開発領域の拡大も図っていきます。住宅は個人資産であると同時に、社会資本であり、住まいが次世代に引き継がれるために、持続可能性、環境への配慮、美しさの追究は必須です。そのために、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」や「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」の推進をはじめとする2050年カーボンニュートラルを見据えた研究、まちなみとの調和、住む人の感性や価値観に合わせたデザイン研究に積極的に取り組み、研究開発成果を国内事業とともに海外事業にも展開し、幸せなわが家づくりを通して積水ハウステクノロジーが世界のデファクトスタンダードとなるように推進していきます。また、研究開発における当社の強みは、「総合住宅研究所」の徹底した技術検証によるエビデンス構築とともに、「住生活研究所」の調査・分析に基づいた「幸せ住まい」の提案力です。「最高の技術と品質」を技術開発の根本に据え、業界のトップランナーとして、経営戦略にベクトルを合わせた研究開発を行っています。ハードとソフトの融合により、家族の「幸せ」を実現する「ファミリー スイート」は、当社の研究開発の成果の一つです。柱をなくし、最大スパン7mの大空間リビングを支えるオリジナル構法「ダイナミックフレーム・システム」は、当社独自の技術であり、「ファミリー スイート」の新築戸建住宅での採用率は60%を超えています。また、ウイルスや花粉等の汚染物質に配慮した、次世代室内環境システム「スマート イクス」の採用率は80%を超えています。当社グループでは、R&D本部において、「総合住宅研究所」や「住生活研究所」による建築新技術、住生活の研究開発に加え、住を基軸としたデザイン、商品開発並びに知的財産戦略の立案に関する事項を掌握し、技術開発の更なる推進を図っています。今後もR&D領域をさらに拡大し、「住」を基軸としたあらゆる分野の情報を収集・分析するとともに、1つの事象をより深掘りし多くのエビデンスを取得しながら研究開発を進める体制を強化していきます。そのために、社内だけでなく社外のリソースを有効的に活用することが必要であり、オープンイノベーションやM&A等による同業種・異業種との交流・連携の強化を推進していきます。当連結会計年度の研究開発活動の概況と成果は以下のとおりであり、研究開発費総額は9,050百万円です。なお、当社グループの行っている研究開発活動は、各事業に共通するものであり、セグメントに分類することができません。そのため、研究開発活動の概要は、以下のとおり研究開発の項目別に記載します。 (1)商品開発・2023年6月にスタートした新デザイン提案システム「life knit design」は、人生100年時代、良質な住まいに“愛着”を持って、より長く住み続ける循環型社会を目指し、流行り廃りではないお客様の“感性”を大切にした住まいづくりを提供します。「life knit design」という名称には時間と共に愛着を編み込むように住んでいただきたいという願いが込められており、2023年4月オープンの「駒沢シャーウッド展示場 HUE(ヒュー)」は、「life knit design」を体現した第一号モデルとして、その思想に共感頂いたミナ ペルホネンのファウンダー/デザイナーの皆川 明氏とのコラボレーションにより実現しました。・2022年度の住宅性能表示制度改正への戸建住宅、共同住宅の標準仕様等での対応に加えて、2023年4月には重量鉄骨などの「3階建て住宅」において、断熱等性能等級「6」に対応できる仕様を追加しました。さらに共同住宅においても同年5月に断熱等性能等級「6」に対応できる仕様を追加し、戸建住宅、共同住宅ともに快適な住まいづくりへの技術開発を進めています。・80%以上の採用を頂いている次世代室内環境システム「スマート イクス」に室内のCO2濃度を検知し、一般的にCO2濃度の目安とされる1000ppm以下となるように自動制御するデマンド換気機能を組み込みました。・当社の2023年度の新築戸建住宅ZEH比率は95%となり、供給を開始した2013年以降の累積棟数も83,541棟(2024年3月末現在)となりました。また、集合住宅においても、「賃貸ZEH」をシャーメゾンブランドで展開し、2023年度の受注戸数は15,191戸、住戸ZEH比率は76%と、第6次中期経営計画の2023年度目標である70%を上回り、累計戸数も42,562戸となりました。また、賃貸ZEHでは、住戸毎に専用接続するEV充電スタンドの設置を推進し、モビリティにおけるCO2排出量削減にも貢献します。・住生活関連では、2022年5月から毎月、生活ソフト系調査「リサーチ」の発信を継続中です。日々変化し続けるライフスタイルについてさまざまな角度からリサーチし、幸せのヒントになる発信をする取組みで、積水ハウスの「住」分野における研究機関としての認知を向上させ、営業・設計の業務にも活用されています。・2023年10月には、Tomorrow’s Life Museum(茨城県古河市)において、「一緒に“つくる・たべる”で家族の幸せなつながりを。」をコンセプトにした新食空間の提案として開発した戸建用オリジナルキッチン「キッチンテーブル」を新設しました。 (2)技術開発・国内の良質な住宅ストックの形成に貢献すべく、性能規定に基づく「基礎ダイレクトジョイント構法」を開発し、2023年8月に積水ハウス ノイエに導入、同年9月にはSI事業へも採用し、積水ハウスの技術をオープン化しました。・2022年4月に開始した千葉大学予防医学センターとの5年間にわたる共同研究は2年目に入り、「0次予防」に寄与する要因確認及びエビデンス獲得を目指した当社オーナー様5,000人規模のコホート調査を実施し、分析を進めています。・2023年6月より、総合住宅研究所内実験検証棟にて、太陽光の余剰電力と水から、水素を「つくる・ためる・つかう」ことを目指す、水素活用による発電住宅の検証を開始しました。・2023年9月には、複合素材のため廃棄となった時の処理が困難とされる「塩ビクロス」に新たな価値を与えて再生した日本初のアップサイクル内装壁面建材をフクビ化学工業株式会社、エスエスピー株式会社と共同開発しました。・2020年6月にスタートした、東京大学×積水ハウス「国際建築教育拠点(SEKISUI HOUSE - KUMA LAB)」は、研究施設「T-BOX(2021年10月運用開始)」を活用し、次世代の人財育成及び住宅イノベーションの実現に向けた研究を継続しています。・庭などに生態系に配慮した地域の在来樹種を中心とした植栽を行う「5本の樹」計画による累計植栽数は1,984万本となりました(2024年1月末時点)。また、琉球大学と2021年度に共同検証した、この活動による広域エリアにおける生物多様性保全効果の定量評価の仕組みを用いて、都市緑化機構や自治体などと連携し、都市のネイチャー・ポジティブにつながる活動を行いました。・積水ハウステクノロジーの海外移植を推進すべく、アメリカではラスベガスにおいてパイロットプロジェクト等を経てシャーウッド構法の本格展開に向け着実に歩みを進めています。また、オーストラリアではシャーウッド構法の品質再現性をさらに高める検証を行っています。
FY2023|2,942 文字
5 【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)では、グローバルビジョン“「わが家」を世界一幸せな場所にする”の実現に向け、ハード・ソフト・サービスを融合させた住まいの研究開発が使命と考えています。創業以来積み上げてきた安全・安心・快適の技術を土台として、「健康」「つながり」「学び」をキーワードにした研究開発を推進しています。住宅は個人資産であると同時に、社会資本であり、住まいが次世代に引き継がれるために、持続可能性、環境への配慮、美しさの追究は必須です。そのために、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」や「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」の推進をはじめとする2050年カーボンニュートラルを見据えた研究、まちなみとの調和、住む人の感性や価値観に合わせたデザイン研究に積極的に取り組み、研究開発成果を国内事業とともに海外事業にも展開し、幸せなわが家づくりを通して積水ハウステクノロジーが世界のデファクトスタンダードとなるように推進していきます。また、研究開発における当社の強みは、「総合住宅研究所」の徹底した技術検証によるエビデンス構築とともに、「住生活研究所」の調査・分析に基づいた「幸せ住まい」の提案力です。「最高の技術と品質」を技術開発の根本に据え、業界のトップランナーとして、経営戦略にベクトルを合わせた研究開発を行っています。ハードとソフトの融合により、家族の「幸せ」を実現する「ファミリー スイート」は、当社の研究開発の成果の一つです。柱をなくし、最大スパン7mの大空間リビングを支えるオリジナル構法「ダイナミックフレーム・システム」は、業界随一の技術であり、「ファミリー スイート」の新築戸建住宅での採用率は60%を超えています。また、ウイルスや花粉等の汚染物質に配慮した、次世代室内環境システム「スマート イクス」の採用率は80%を超えました。このほか、住宅内の温湿度環境、玄関、窓の施錠状態がスマートフォンで確認できるサービス「PLATFORM HOUSE touch」を発売する等、ハード・ソフト・サービスを融合した研究開発成果が続々と新たな生活提案として実現しています。当社グループでは、R&D本部において、「総合住宅研究所」や「住生活研究所」による建築新技術、住生活の研究開発に加え、住を基軸としたデザイン、商品開発並びに知的財産戦略の立案に関する事項を掌握し、技術開発の更なる推進を図っています。今後はR&D領域をさらに拡大し、「住」を基軸としたあらゆる分野の情報を収集・分析するとともに、1つの事象をより深掘りし多くのエビデンスを取得しながら研究開発を進める体制を強化していきます。そのために、社内だけでなく社外のリソースを有効的に活用することが必要であり、オープンイノベーションやM&A等による同業種・異業種との交流・連携の強化を推進していきます。当連結会計年度の研究開発活動の概況と成果は以下のとおりであり、研究開発費総額は9,562百万円です。なお、当社グループの行っている研究開発活動は、各事業に共通するものであり、セグメントに分類することができません。そのため、研究開発活動の概要は、以下のとおり研究開発の項目別に記載します。 (1)商品開発・2022年4月に住宅性能表示制度が改正され、断熱等性能等級及び一次エネルギー消費量等級にZEH基準相当の上位等級が新設されました。当社の戸建住宅、共同住宅においては断熱等性能等級「5」、一次エネルギー消費量等級「6」を標準仕様としました。さらに、同年10月には、戸建住宅の「断熱等性能等級」に上位等級が新設されたことに伴い、軽量鉄骨及び木造の戸建住宅において、断熱等性能等級「6」に対応できる仕様を追加しました。・2022年4月、ZEH対応仕様である「グリーンファースト ゼロ」に、防災機能を充実させました。従来からの地震対策に加え、強風対策として、飛来物の衝突でも割れにくい窓ガラスを採用しました。さらに、近年頻繁に発生している豪雨への対策として、床下浸水配慮仕様を開発しました。・2022年4月、オーナー様向けのサービス紹介サイト「スイート コンシェル」をオープンしました。幸せ体験価値の高いサービスを提供することで、住まい手価値を高めることを目指します。・2022年10月、夫婦それぞれの幸せな時間に着目したリフォーム提案「パーソナル スイート リノベーション」を発売しました。ライフステージや社会環境の変化により、おうち時間や夫婦二人の時間が増えている中、使わなくなった子ども室や収納などを主寝室に取り込んで「大人夫婦のほどよい距離感」「自分らしい時間と空間」「心地よい眠りと目覚め」等を実現するための、新たな暮らし方を提案しています。・2020年発売の次世代室内環境システム「スマート イクス」について、戸建住宅だけでなく、より良質な空気環境が要求されるクリニック物件にも展開しました。・当社の2022年度の新築戸建住宅ZEH比率は93%となり、第5次中期経営計画目標の90%を上回り、供給を開始した2013年以降の累積棟数も76,509棟(2023年3月末現在)となりました。また、集合住宅においても、「賃貸ZEH」をシャーメゾンブランドで展開し、2022年度の受注戸数は15,064戸、住戸ZEH比率は65%と前年の8,501戸、35%を大きく上回り、累計戸数も27,301戸となりました。 (2)技術開発・既存木造住宅の耐震リフォームに向けたオリジナルの「形状記憶耐力壁」を開発し、2022年3月より販売開始しました。これにより、耐震性能の向上に加え、繰り返しの地震にも強い家にすることができます。・2022年4月に、人々の健康的な暮らしを支える住まいの在り方に関する検討を進めるため、『ゼロ次予防』住環境創造を目指し、千葉大学予防医学センターと共同研究を開始しました。・2020年6月にスタートした、東京大学×積水ハウス「国際建築教育拠点(SEKISUI HOUSE - KUMA LAB)」は、研究施設「T-BOX(2021年10月運用開始)」を活用し、次世代の人財育成及び住宅イノベーションの実現に向けた研究を継続しています。・庭などに地域の在来樹種を中心とした植栽を行う「5本の樹」計画による累計植栽数は1,900万本となりました(2023年1月末時点)。また、琉球大学と2021年度に共同検証した、この活動による広域エリアにおける生物多様性保全効果の定量評価の仕組みを用いて、都市緑化機構や自治体などと連携し、都市のネイチャー・ポジティブにつながる活動を行いました。・2023年1月、空気環境配慮仕様「エアキス」の10年間の実績を基にした分析・評価で得られたエビデンスをオーナー様向けウェブサイトで公開しました。・積水ハウステクノロジーの海外移植を推進すべく、アメリカではラスベガスにおいてパイロットプロジェクト等を経て本格展開に向け着実に歩みを進めています。また、オーストラリアではシャーウッド構法の品質再現性をさらに高める検証を行っています。
FY2022|2,416 文字
5 【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)では、住宅総合企業として、多様化・高度化する市場の要請に応え、持続可能な社会を構築するべく、顧客ニーズ・社会ニーズを的確に捉えるとともに、新たな住まいの在り方を提案する商品開発や住まいの長寿命化を実現する技術、その他工場及び建設現場の生産性向上、施工省力化、廃棄物リサイクル等に関する技術開発を推進しています。また、住宅の高断熱化と省エネ設備の採用による徹底した省エネと太陽光発電などによる創エネで、1年間の一次エネルギー収支を概ねゼロとできる住宅「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」の普及に注力しています。加えて、2019年に「人生100年時代の幸せをアシストする家」として「健康」「つながり」「学び」といったサービスを次々とインストールができ、住まい手の生活サービスを長期に渡りアシストする当社独自の家づくり「プラットフォームハウス構想」を発表し、2020年には、グローバルビジョン“「わが家」を世界一幸せな場所にする”を掲げ、住を基軸に、ハード・ソフト・サービスを融合し、幸せを提案するグローバル企業への進化を目指しています。2021年10月には、技術部門について攻めと守りの役割を組織体制上明確にする観点から、新たにR&D本部と技術管理本部に分割し、R&D本部において、建築新技術、住生活の研究開発、住を基軸としたデザイン、商品開発並びに知的財産戦略の立案に関する事項を掌握し、技術開発の更なる推進を図ることとしました。連結子会社である㈱鴻池組では、「安全・安心」「品質確保」「生産性向上」「地球環境問題」といった課題や「ICT技術」の活用などに対応するための応用研究開発を進めており、2021年11月には、土木・環境関連技術の研究・開発拠点となる新研究施設として、「大阪テクノセンター」(大阪市住之江区)を開設しました。当連結会計年度の研究活動の概況と成果は以下のとおりであり、研究開発費総額は9,478百万円です。なお、当社グループの行っている研究開発活動は、各事業に共通するものであり、セグメントに分類することができません。そのため、研究開発活動の概要は、以下のとおり研究開発の項目別に記載します。 (イ)商品開発・生活環境の変化やライフスタイルの多様なニーズに応えるため、ライフスタイル型モデルハウスとして、全国5か所に「Tomorrow’s Life Museum」を展開しました。これまで蓄積してきたライフスタイル研究をベースに建築地に合わせて、そこに暮らすであろう家族像を設定し、リアリティーのある暮らしのシーンを表現しています。・賃貸住宅「シャーメゾン」での新しい在宅ワークスタイル提案として、可動書斎収納「ノマド収納」を発売しました。場所を固定しない自由な働き方を住まいの中でも実現することを提案しています。・2020年発売の次世代室内環境システム「SMART-ECS」について、さらに進化を続け、邸別換気・空気清浄シミュレーションの提供を開始しました。計画段階での室内空気洗浄の見える化により、住宅ごとに最適な空気環境の提供が可能となりました。さらに、既存住宅のリフォーム工事で設置を可能とした「SMART-ECSリノベーション」も発売しました。・先端技術と住まい手のデータを活用し、幸せという無形資産を生み出し続ける家「プラットフォームハウス構想」の第一弾として「PLATFORM HOUSE touch」を発売しました。家の状況確認や住宅機器の操作を、どこからでもスマホひとつで可能とし、住まいとつながる、家族がつながる、新しい暮らし方を提案します。・木造住宅「シャーウッド」のオリジナル小屋組技術を搭載した「KOKAGE LOUNGE」のバージョンアップを行い、大きな勾配屋根空間がもたらす豊かな暮らしの提案力を向上しました。・当社の2021年度の新築戸建住宅ZEH比率が92%となり、第5次中期経営計画目標の90%を上回り、供給を開始した2013年以降の累積棟数も69,163棟(2022年3月末現在)となりました。また、集合住宅においても、「賃貸ZEH」をシャーメゾンブランドで展開し、受注は、2021年度(単年度)で8,501戸と2020年度の2,976戸を大きく上回り、累計も12,307戸となりました。 (ロ)技術開発・文部科学省科学技術人材育成費補助事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(牽引型)」において、大阪市立大学(現 大阪公立大学)との共同研究プロジェクト「住まいにおける子どものオンライン学習スペースの研究」を開始しました。・東京大学×積水ハウス「国際建築教育拠点(SEKISUI HOUSE - KUMA LAB)」内に、世界最高峰の「デジタル×建築」研究施設「T-BOX」を新設し、隈研吾・特別教授を中心に、次世代の人財育成および住宅イノベーションの実現に向け、2021年10月より運用開始しました。・庭などに地域の在来樹種を中心とした植栽を行う「5本の樹」計画により累計植栽数は1,810万本となりました(2022年1月末時点)。また、この取り組みによる生物多様性保全効果を琉球大学と共同検証し、世界初の都市の生物多様性の定量評価の仕組みを構築しました。・千葉大学「積水ハウス健やか住環境創造のためのシックハウス症候群対策研究部門」において、室内化学物質低減による健康効果に関する研究を継続しています。・住宅インスペクション技術の一つとして、京都大学と木材の蟻害探知システムの共同研究を継続しています。・積水ハウステクノロジーの海外移植を推進すべく、アメリカではラスベガスにおいてパイロットハウスの建設を進めており、オーストラリアではシャーウッド構法の品質再現性をさらに高める検証を行っています。
FY2021|2,221 文字
5 【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)では、住宅総合企業として、イノベーションを通じて多様化・高度化する市場の要請に応え、持続可能な社会を構築するべく、顧客ニーズ・社会ニーズを的確に捉えるとともに、新たな住まいの在り方を提案する商品開発や住まいの長寿命化を実現する技術、その他工場及び建設現場の生産性向上、施工省力化、廃棄物リサイクル等に関する技術開発を推進しています。また、住宅の高断熱化と省エネ設備の採用による徹底した省エネと太陽光発電などによる創エネで、1年間の一次エネルギー収支を概ねゼロとできる住宅「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」の普及に注力しています。加えて、2019年に「人生100年時代の幸せをアシストする家」として「健康」「つながり」「学び」といったサービスを次々とインストールができ、住まい手の生活サービスを長期に渡りアシストする当社独自の家づくり「プラットフォーム構想」を発表し、2020年には、グローバルビジョン「『わが家』を世界一 幸せな場所にする」を掲げ、住を基軸に、ハード・ソフト・サービスを融合し、幸せを提案するグローバル企業への進化を目指しています。その他、連結子会社である㈱鴻池組では、「安全・安心」「品質確保」「生産性向上」「地球環境問題」といった課題や「ICT技術」の活用などに対応するための応用研究開発を進め、事業への展開を図っています。当連結会計年度の研究活動の概況と成果は以下のとおりであり、研究開発費総額は9,665百万円です。なお、当社グループの行っている研究開発活動は、各事業に共通するものであり、セグメントに分類することができません。そのため、研究開発活動の概要は、以下のとおり研究開発の項目別に記載します。 (イ)商品開発・「住めば住むほど幸せ住まい」研究の成果と先進技術から生まれた大空間リビング「ファミリー スイート」を、建物の1階に加え2階でも展開し、アフターコロナのライフスタイルに対応した新コンセプトモデル「ファミリー スイート おうちプレミアム」を発売しました。・積水ハウスオリジナル小屋組技術(従来屋根の3.7倍の剛性)と、新たに開発した業界最大級の大断面棟木梁や大断面持ち柱という構造技術を組み合わせ、最大8m×10mの広大な「勾配大空間」を実現し、豊かな空間でのゆったりとした暮らしを提案する「KOKAGE LOUNGE」を発売しました。・窓開け換気だけに頼ることなく、温度変化を抑えながら、換気・空気清浄し、健やかで、きれいな空気環境を実現する次世代室内環境システム「SMART-ECS」を発売しました。「SMART-ECS」は、黄砂や花粉、PM2.5などの外気中の汚染物質を除去してきれいな空気を取り込みながらも省メンテナンスという換気機能や、室内に持ち込まれた汚染物質もすばやく除去する空気清浄機能をもち、家の中の空気をきれいにしたいというお客様のニーズにマッチし、12月の発売後、わずか3.5ヵ月で1,000棟を超える受注を達成しました。・当社の2020年度の新築戸建住宅ZEH比率が91%となり、2020年度当社目標の80%を大幅に上回りました(目標・実績ともに北海道を除く)。2013年から供給を開始した当社のZEH「グリーンファースト ゼロ」の累積普及棟数は60,843棟(2021年3月末現在)となりました。また、ZEH対応が難しいとされてきた集合住宅においても、脱炭素社会の実現に向けた「住」における新しいエシカルな選択肢として「賃貸ZEH」をシャーメゾンブランドで本格展開し、2020年度に97棟のZEH-M、844戸のZEH住宅を竣工し、累計200棟1,535戸となりました。 (ロ)技術開発・「プラットフォームハウス構想」の先駆けとして急性疾患早期対応ネットワーク「HED-Net」の生活者参加型パイロットプロジェクトを12月より開始しました。「HED-Net」とは、住宅内で住まい手のバイタルデータを非接触で検知・解析し、急性疾患発症の可能性がある異常を検知した場合に緊急通報センターに通知、オペレーターが呼びかけにより安否確認し、救急への出動要請、そして救急隊の到着を確認し、玄関ドアの遠隔解錠・施錠まで一貫して行う世界初の仕組みです。・30社を超える企業間情報連携コンソーシアムの成果として、ブロックチェーン技術の活用により、賃貸住宅入居時に発生する賃貸物件の内覧、契約手続き、生活インフラの契約等の煩雑なプロセスをワンストップ化する業界初のサービスを1月より開始しました。・国立大学法人東京大学と共に、建築学の各領域における国際的な研究・教育拠点の確立を目指しながら「未来の住まいのあり方」を探究する「国際建築教育拠点(SEKISUI HOUSE- KUMA LAB)」総括寄付講座を、東京大学総長室総括プロジェクト機構内に設置し、活動を開始しました。・健康面・快適な居住性能の更なる追究のため、より高断熱な仕様の研究開発を推し進め、研究所施設の人工気象室での実験や、検証棟(北海道岩見沢市)での、実生活を想定した室内温湿度環境の評価・検証を継続しています。・千葉大学「積水ハウス健やか住環境創造のためのシックハウス症候群対策研究部門」において、室内化学物質低減による健康効果に関する研究を継続しています。
FY2020|1,833 文字
5【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)では、住宅総合企業として、イノベーションを通じて多様化・高度化する市場の要請に応え、持続可能な社会を構築するべく、顧客ニーズ・社会ニーズを的確に捉えるとともに、新たな住まいの在り方を提案する商品開発や住まいの長寿命化を実現する技術、工場及び建設現場の生産性向上、施工省力化、廃棄物リサイクルをはじめとする技術開発等を推進しています。また、住宅の高断熱化と省エネ設備の採用による徹底した省エネと太陽光発電などによる創エネで、1年間の一次エネルギー収支を概ねゼロとできる住宅「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」の普及に注力しています。加えて、創業60周年を迎えるにあたり、次の30年「NEXT SEKISUI HOUSE」を見据えたグローバルビジョン『わが家を世界一幸せな場所にする 』を掲げ、住を基軸に、ハード・ソフト・サービスを融合し幸せを提案するグローバル企業への進化を目指します。具体的には、「健康」「つながり」「学び」といったサービスを次々とインストールすることで、住まい手の生活サービスを長期に渡りアシストする当社独自の家づくり「プラットフォームハウス構想」に基づき、当連結会計年度においては、「健康」、特に家で発症する可能性が高い「急性疾患」に早期対応するサービスの開発に重点的に取り組み、世界初の在宅時急性疾患早期対応ネットワーク「HED-Net」を構築しました。その他、連結子会社化した鳳ホールディングス㈱の子会社である㈱鴻池組では、「安全・安心」「品質確保」「生産性向上」「地球環境問題」「ICT技術」などに対応するための応用研究開発を進め、事業への展開を図っています。当連結会計年度の研究活動の概況と成果は以下のとおりであり、研究開発費総額は7,313百万円です。なお、当社グループの行っている研究開発活動は、各事業に共通するものであり、セグメントに分類することができません。そのため、研究開発活動の概要は、以下のとおり研究開発の項目別に記載します。 (イ)商品開発・「幸せ」研究と先進技術により新しいリビングのあり方を提案し、家族の幸せを実現する大空間リビング「ファミリー スイート」に、新たに広い軒下空間を中間領域として取り込むことでより「くつろぎ」のある家族の暮らし方を提案するバリエーションを加えました。・敷地条件に応じて閉じる「壁」と開く「壁」を巧みにデザインする設計と、通し柱が要らず各階の設計自由度が高い「フレキシブルβシステム」の先進技術によって、都会での暮らしに求められるプライバシーと、日常に自然を感じる生活を実現する鉄骨3・4階建て、都市型戸建住宅「REGNUM COURT(レグヌム コート)」を発売しました。・当社の2019年度の新築戸建住宅ZEH比率が87%となり、2020年度当社目標の80%を前倒しで達成しました(目標・実績ともに北海道を除く)。2013年から供給を開始した当社のZEH「グリーンファースト ゼロ」の累積普及棟数は51,793棟(2020年3月末現在)となりました。また、ZEH対応が難しいとされてきた集合住宅においても、2019年度に58棟のZEH-M(ネット・ゼロ・エネルギー・マンション)、447戸のZEH住戸を供給し、累計103棟、691戸となりました。(ロ)技術開発・当社独自の防犯コンセプト「快適防犯(便利で使い易く守る)」を反映した、人感センサーによる自動閉鎖機構を搭載した、採光・通風時でも安心して使える「ブラインドシャッターⅡ(見張り)」を開発し発売しました。・外部からの視線を遮りながらも光と風を最大限に取り込む「木調横ルーバー手摺」を開発しました。ヴァーチャルリアリティ技術を用いた快適性の検証やシミュレーションによる通風確認を行い、子どもがよじ登れない工夫をこらしたことなどが評価され、「キッズデザイン賞」を受賞しました。・健康面・快適な居住性能の更なる追及のため、より高断熱な仕様の研究開発を推し進め、研究所施設の人工気象室での実験や、北海道岩見沢に検証棟を建設し、実生活を想定した室内温湿度環境の評価・検証を継続しています。・千葉大学「積水ハウス健やか住環境創造のためのシックハウス症候群対策研究部門」において、室内化学物質低減による健康効果に関して、実大実験住宅を用いた被験者実験などの検証を継続しています。
FY2019|1,942 文字
5【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)では、住宅総合企業として多様化・高度化する市場の要請に応えるべく、顧客ニーズ・社会ニーズを的確に捉えるとともに、新たな住まいの在り方を提案する商品開発や住生活基本法に則した住まいの長寿命化を実現する技術、工場及び建設現場の生産性向上、施工省力化、廃棄物削減をはじめとする技術開発等を推進しています。加えて、ブランドビジョン『ゆっくり生きてゆく、住まいの先進技術「SLOW & SMART 」』を掲げ、新しい住まい価値提案及び住まいの基本性能に関して先進技術を追求し、お客様の「いつもいまが快適」な暮らしを実現しながら、環境負荷の少ない住まいを提供していくことを目指しています。住宅の高断熱化と省エネ設備の採用による徹底した省エネと太陽光発電などによる創エネで、1年間の一次エネルギー収支を概ねゼロとできる住宅「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」の普及に注力している中、当連結会計年度においては、非住宅建築物の「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」の基準を満たす事務所ビルを東北で初めて建設し、50棟を超える「ネット・ゼロ・エネルギー・マンション(ZEH-M)」の基準を満たす賃貸住宅シャーメゾンの建設にも着手しました。その他、安全・安心・快適といった長年こだわり続けてきた研究テーマに加え、健康や家族のつながり等の「幸福感」を追求するテーマにも取り組み、8月に「住めば住むほど幸せ住まい」を研究、提案する「住生活研究所」を設立しました。また、米国ラスべガスにて開催された世界最大級の家電見本市「CES2019」において、「家」を幸せのプラットフォームにする新プロジェクト「プラットフォームハウス構想」を発表しました。「プラットフォームハウス」は、住まい手のデータを基にしたサービス開発・提案を通じて、「健康」「つながり」「学び」という無形資産を生み出し続ける家であり、堅牢・耐久性と可変・柔軟性を併せ持つ家です。第一弾として「健康」をテーマにした取り組みを進めており、様々な実証実験や臨床研究を重ねています。当連結会計年度の研究活動の概況と成果は以下のとおりであり、研究開発費総額は6,041百万円です。なお、当社グループの行っている研究開発活動は、各事業に共通するものであり、セグメントに分類することができません。そのため、以下に記載する研究開発活動の概要は、研究開発の項目別に記載します。 (イ)商品開発・鉄骨2階建て住宅の「イズシリーズ」に、住生活研究所の「住めば住むほど幸せ住まい」研究の成果と先進技術を掛け合わせたコンセプトモデル「IS ROY+E Family Suite(イズ・ロイエ ファミリースイート)」を導入しました。研究成果から導き出した新しいリビングの在り方として、従来の「LDK」から脱却し、家族の心地よい距離感を保つ大空間の「わが家だけのファミリースイート」を、先進技術と設計提案力で、コンパクトな住宅でも実現を可能にしました。・化学物質や空間濃度の評価、さらには実物件による濃度検証を実施する等し、当社独自の厳しい基準をクリアした建材や換気システム等を利用することで、住まいの健康的な空気環境を目指す空気環境配慮仕様「エアキス」を木造住宅シャーウッドに導入しました。今回の導入により、当社全ての戸建住宅商品で「エアキス」の提案が可能となりました。(ロ)技術開発・「経年居住価値向上に関する研究」をテーマに、幸福学研究の日本第一人者でもある慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 前野隆司教授と共同研究を行いました。・千葉大学「積水ハウス健やか住環境創造のためのシックハウス症候群対策研究部門」において、室内化学物質低減による健康効果に関して、実大実験住宅を用いた被験者実験などの検証を開始しました。・健康面での訴求も踏まえたより高断熱な仕様の研究開発を推し進め、研究所施設の人工気象室や寒冷地域において、実大建物による実生活を想定した室内温湿度環境の評価・検証を継続しています。・住宅におけるIoTの活用研究として、健康面、防犯面などでの研究開発を進めています。「住ムフムラボ」では「これからの健康なくらしとIoT」についてのワークショップやニーズ調査を行い、また、様々なセンサー技術の評価検証やAIデバイスなどの活用研究にも取り組みました。・平成29年度文部科学省科学技術人材育成費補助事業 「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(牽引型)」の産学連携ウィメンズユニットにおいて、大阪市立大学と共同して多世帯居住に関する研究の一環として、近居調査を実施しました。
FY2018|2,252 文字
6【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)では、住宅総合企業として多様化・高度化する市場の要請に応えるべく、顧客ニーズ・社会ニーズを的確にとらえるとともに、新たな住まいの在り方を提案する商品開発や住生活基本法に則した住まいの長寿命化を実現する技術、工場及び建設現場の生産性向上、施工省力化、廃棄物削減をはじめとする技術開発等を推進しています。加えて、ブランドビジョン『ゆっくり生きてゆく、住まいの先進技術「SLOW & SMART 」』を掲げ、新しい住まい価値提案及び住まいの基本性能に関して先進技術を追求し、お客様の「いつもいまが快適」な暮らしを実現しながら、環境負荷の少ない住まいを提供していくことを目指しています。住宅の高断熱化と省エネ設備の採用による徹底した省エネと太陽光発電などによる創エネで、1年間の一次エネルギー収支を概ねゼロとできる住宅「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」の普及に注力している中、当連結会計年度においては、ZEHの基準を全住戸が満たす3階建て賃貸住宅シャーメゾンを全国初、業界初の賃貸住宅として金沢市内に建設し、戸建住宅・分譲マンションに続き、賃貸住宅でもZEHを推進しました。また、前連結会計年度と同様に、大学・公共研究機関等との共同研究にも積極的に取り組んでいます。当連結会計年度の研究活動の概況と成果は以下のとおりであり、研究開発費総額は5,181百万円です。なお、当社グループの行っている研究開発活動は、各事業に共通するものであり、セグメントに分類することができません。そのため、以下に記載する研究開発活動の概要は、研究開発の項目別に記載します。 (イ)商品開発・鉄骨住宅の高級ライン「イズ・シリーズ」を刷新し、天井高2.74mや最大7mの無柱大空間や連続する大開口サッシのコーナー配置が可能な新構法「ダイナミックフレーム・システム」を導入しました。また、業界最高水準の「超高断熱アルミ樹脂複合サッシ」の採用などにより断熱性能を強化し、大空間・大開口でもZEHを実現しました。さらに、「ダインコンクリート」の深い陰影感を際立たせるデザイン「オーナメントピラー」を新たに開発しました。・戸建・賃貸・店舗併用住宅や高齢者住宅・保育園・病院・ホテルなど多用途の建築ニーズへの対応力を高めた新構法「フレキシブルβシステム」を導入しました。従来比2.5倍の高強度柱「WHコラム」や最大スパン9mが実現可能な高強度梁「WHビーム」を採用することで、大きく広がる開口や明るく開放的な大空間を実現し、柱の無い大空間の店舗計画や3台並列駐車のビルトインガレージ計画など、これまで以上に多彩な空間提案を可能にしました。(ロ)技術開発・2020年以降の本格的な普及が予想されるIoT(インターネット・オブ・シングス)製品の安全・安心を確保する堅牢なセキュリティを実現する仕組みを提唱・推進することを目的に、2017年3月1日、「セキュアIoTアライアンス」を他社と共同で発足しました。・経済産業省採択事業である「スマートホームに関するデータ活用環境整備推進事業」において、住まい手に対して新しい価値を提供するため、住宅内に設置された機器間の連携・接続ルールやセキュリティ・認証、製品安全、プライバシー等の課題に対する実証実験を賃貸住宅シャーメゾンにて行いました。・業界に先駆けて取り組んできたゼロエミッション(施工現場における廃棄物の削減と回収、再資源化)を強化するため、設計・生産・施工・アフターサービスにおいて必要な「邸情報データベース」と緊密に連携する新システムを構築しました。これにより、資源回収に関する確実性・信頼性の向上やコストの削減を実現するほか、施工現場での作業の低減による働き方改革や、資源回収に係る配車の効率化による省力化・CO2排出量削減が可能となりました。・国立大学法人千葉大学予防医学センター内に、「積水ハウス 健やか住環境創造のためのシックハウス症候群対策研究部門」を設立し、空気環境配慮仕様「エアキス」のさらなる健康効果を医学的観点から検証、シックハウス症候群発生機序の解明、心地よさなど心理的な健康増進要素の探索、シックハウス症候群対策住宅のコンサルティングシステム構築等の検討を行っています。・グランフロント大阪にある「住ムフムラボ」において、住まい・暮らしに関する情報受発信と、今後の研究開発に活かすための情報収集を兼ねて、企業、団体及び研究メンバー(一般生活者の会員)と共に、在宅介護を支援するロボットを住まいの中で活用するためのワークショップ等を行いました。・住宅におけるIoT活用として、「住ムフムラボ」でのニーズ調査や様々なセンサー技術、AIデバイスなどの活用研究を推進しました。・大阪ガス株式会社と共同で、既存住宅をリノベーションした住宅において、CO2排出量ゼロやゼロエネルギーの検証に加え、より健康・快適な暮らしに関する評価を実施しました。・健康面での訴求も踏まえたより高断熱な仕様の研究開発を推し進め、研究所施設の人工気象室や寒冷地域において、実大建物による評価・検証に取り組みました。・平成29年度文部科学省科学技術人材育成費補助事業 「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(牽引型)」における取組みの一つである産学連携ウィメンズユニットにおいて、大阪市立大学と共同して多世帯居住に関する研究を開始しました。
FY2017|1,819 文字
6【研究開発活動】 当社グループ(当社及び連結子会社)では、住宅総合企業として多様化・高度化する市場の要請に応えるべく、顧客ニーズ・社会ニーズを的確にとらえるとともに、新たな住まいの在り方を提案する商品開発や住生活基本法に則した住まいの長寿命化を推進する技術、工場及び建設現場の生産性向上、施工省力化、廃棄物削減をはじめとする技術開発等を推進しています。 加えて、ブランドビジョン『ゆっくり生きてゆく、住まいの先進技術「SLOW & SMART」』を掲げ、新しい住まい価値提案及び住まいの基本性能に関して先進技術を追求し、お客様の「いつもいまが快適」な暮らしを実現しながら、環境負荷の少ない住まいを提供していくことを目指しています。 当連結会計年度においては、宮城県東松島市と共同で開発した「東松島市スマート防災エコタウン」において、災害公営住宅と周辺の病院や公共施設に日本初のマイクログリッドにより電力を供給する電力マネジメントシステムが竣工、稼働を開始しました。 また、前連結会計年度と同様に、大学・公共研究機関等との共同研究にも積極的に取り組んでいます。 当連結会計年度の研究活動の概況と成果は以下のとおりであり、研究開発費総額は4,991百万円です。なお、当社グループが行っている研究開発活動は、各事業に共通するものであり、セグメントに分類することができません。そのため、以下に記載する研究開発活動の概要は、研究開発の項目別に記載します。 (イ)商品開発・木造住宅シャーウッドにおいて、柱と梁に国産ブランド材を使用した「シャーウッド純国産材プレミアムモデル」が、「第一回ウッドデザイン賞」優秀賞 林野庁長官賞を受賞した記念商品として、モダンで日本的な外観や暮らしを提案する「グラヴィス リアン(凛庵)」を発売しました。日本の伝統的な装飾技法の一つである「櫛引き」を外壁のデザインに採用し、「和」の意匠を感じさせる新柄「クシビキボーダー」を新たに開発しました。・「新しい日本の邸宅」をテーマとしたシャーウッドの最高級商品「グラヴィス ステージ」を発売しました。バルコニーやデッキと室内の床、軒裏と室内天井のレベルを揃え、天井高と同じ高さのサッシを設置することで光や風、視線が透き通る、邸宅らしい空間デザイン「クリアビューデザイン」を新たに開発しました。これにより緩やかに屋内外をつなぎ、開放的でありながらも、落ち着き、やすらぎ、木質感あふれる空間を演出します。また、「横格子ルーバーバルコニー」が、視線を遮りながら風や光を取り込み、心地よく快適な空間を創造します。 (ロ)技術開発・グランフロント大阪にある「住ムフムラボ」において、住まい・暮らしに関する情報受発信と、企業、団体及び研究メンバー(一般生活者の会員)と共に、自宅で行う健康維持のための運動、IoT(インターネット・オブ・シングス)による暮らしの利便性評価、VR(バーチャルリアリティ)技術を利用したバルコニーの空間検証などの共創研究を行いました。・大阪ガス株式会社と共同で、既存住宅をリノベーションし、CO2排出量ゼロかつゼロエネルギーの達成と、より健康・快適な暮らしを両立することができる住宅の実現を目指して長期居住実験を開始しました。・介護ロボットを手がけるマッスル株式会社と、在宅介護を支援するロボットの共同研究・開発を継続し、プロトタイプの試作や総合住宅研究所内に設置した実大検証空間での一般生活者による使用体験評価などを実施しました。・健康・医療分野におけるイノベーションの実現に向けた多様な連携、人材交流、研究成果の事業化、社会活用の推進を目指して、国立大学法人大阪大学大学院及び附属病院と包括的な連携推進協定を締結しました。・ベビーデザインやシニア住生活調査を実施し、ライフスタイル・ステージ研究開発を推進しました。・乗り物と住まいの関係を見直すため、車の出し入れや乗り降りのしやすさや、出かけやすさ、集まりやすさについての研究開発を行い、「モビリティライフ」カタログを発刊しました。・一般社団法人「スーパーセンシングフォーラム」に参画し、今後の住宅におけるセンサー活用等の研究開発を開始しました。・健康面に対するニーズも踏まえた、より高断熱な仕様の研究開発を推進しました。・住宅の防水、遮音、耐火など基本性能を向上させる技術の研究開発に取り組みました。