研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-12 | - | 13 |
| 2024-12 | - | 16 |
| 2023-12 | - | 18 |
| 2022-12 | - | 15 |
| 2021-12 | - | 12 |
研究開発活動(本文)
FY2025|9,413 文字
6 【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、「価値創造」の経営理念のもと、生産性向上・品質向上・自然環境の保全に加え、新たな分野への市場参入を目的とした新工法の実証実験等を中心に取り組んでおります。また、現場に密着した研究開発ニーズと独創的なアイディアの発掘を目的として、広く社員から意見を募り研究開発活動に反映させております。なお、当連結会計年度は研究開発費として、162百万円を投入しております。当連結会計年度の主な研究テーマは次のとおりであります。 (建設事業)(1) 当社① BIMに対する取り組みBIMについては、昨年まで継続して取り組んできた部分納まり検討や施工ステップの可視化に加え、他社作成データとの連携や施工段階での活用範囲の拡大により、活用レベルの向上を進めてまいりました。協力業者とのモデルデータ統合を実施し、干渉チェックや統合モデルを用いた打合せを行うことで、設計・施工間の情報共有を一層強化してまいります。また、BIMから現場で活用できるレベルの施工図出力に取り組むとともに、現場担当者を対象としたBIM操作講習を実施するなど、現場側での活用浸透と技能向上にも注力しております。これらの取り組みにより、全国の現場における施工段階でのBIM活用がさらに広がり、モデル品質の向上と業務効率化の両立につながる体制が強化されました。当社は今後も、モデル作成の標準化やルール整備を進めるとともに、現場ニーズに即した施工BIMの高度化を推進し、業務支援の幅をさらに拡大してまいります。 ② 生成AIに対する取り組み生成AIについては、建設業向け生成AIや画像生成AIを導入し、設計部門において活用を開始いたしました。従来、設計の基本計画には多くの時間と経験が必要でしたが、生成AIの活用により、必要な書類検索・法令調査・イメージパースの作成を短時間で実施できるようになりました。これにより、事業主様への提案力の強化、イメージのすり合わせの迅速化、複数の内外装イメージの検討・提案が可能となり、業務効率化と品質向上が期待されています。 ③ 建設RXコンソーシアムについて建設RXコンソーシアムは、作業所におけるさらなる高効率化や省人化を目指し、建設業界全体の生産性及び魅力向上を推進するため、施工段階で必要となるロボット技術やIoT関連アプリケーション等について、公平な立場で技術連携を進めることを目的として設立された団体です。各種分科会において、建設関連の生産性向上に向けた取り組みが行われております。弊社は2023年より継続して参加し、施工現場における生産性向上やロボット技術等の情報収集に努めております。 ④ 建物解体工事での解体物落下振動・騒音低減技術当社は建物解体工事を行っていますが、高層階からの解体破砕物の落下における振動・騒音の低減方策が必要と考えております。当期は、数値シミュレーションで確認した解体破砕物落下振動の低減方法・防振材による振動レベル抑制効果について、実証実験により効果を確認いたしました。今後、同種工事における技術提案に活用いたします。 ⑤ 生成AI活用による環境技術課業務改善業務の省人化・効率化のため生成AIの活用は不可欠と考えております。当期は、難解な土壌汚染対策業務に関する生成AIの開発に取り組みました。土壌汚染対策に関する質疑に柔軟に対応するChatbot、及び土壌汚染調査計画と概査見積書作成の自動化の来期実用化を目指しております。 ⑥ 給排水設備・濁水処理設備モニタリングシステムの開発工事現場の機械設備の状態や稼働状況を事務所や本社で可視化する技術開発を進めております。現場職員の省力化と設備トラブルの防止・早期発見・早期対応を目的としております。外注せずに社内で設計・制作・設置まで取り組むことにより、開発費削減とシステムの修正や改善を迅速に行うことを可能とします。当期は「給排水設備・濁水処理設備モニタリングシステム」の開発に取り組んでおります。室内での試運転を終えましたので、順次必要な機器の現場実装を行っております。現場実証を通して職員の声をフィードバックし、実用化を目指してまいります。今後は機械設備を使用する工事現場が増加すると考えられますので、幅広い工種で利用できるように発展させてまいります。 ⑦ 建設DXへの取り組みこれまで当社では、i-Constructionへの取り組みとして、各種機器・ソフトの運用検証や三次元設計データの活用等、デジタル技術の積極的な活用を図ってまいりました。また、今後必要となるi-Construction 2.0への対応を見据え、建設DXの観点から社内体制の整備、優先課題の抽出と対応準備を段階的に進めてまいりました。当期は、i-Construction 2.0への本格対応と建設DXの実装加速を図るべく、ドローンによる施工管理の内製化・水平展開・用途拡大、施工管理書類電子化の全社展開、生成AIの活用と学術機関との共同研究等、より多方面の展開を進めることにより、さらなる受注競争力と生産性の向上を図ってまいります。 ⑧ デュアルシールド工法の自動測量システム「Dual-Shot」の実用「Dual-Shot」は、当社の保有技術「デュアルシールド工法」用の自動測量システムとして、測量作業の省力化、効率化、精度向上の目的で開発いたしました。開発は2024年に完了し、その後は実際の工事で運用しております。これまで2工事が無事完成し、システムの精度の証明に寄与いたしました。現在1工事で運用中です。機械の操作を覚えれば、経験の浅い若手職員でもベテラン職員と同等の測量精度と作業効率を発揮することができ、今やデュアルシールドの工事には欠かせないものとなっております。また、工事を経験して運用のノウハウも積み重なっており、現場から一部改善の要望も上がってきていることから、次年度ではフィードバックを反映したシステムの改良に着手したいと計画しております。 (2) 福田道路㈱1.技術開発① 「マルチファインアイ(路面損傷診断システム)」のバージョンアップマルチファインアイは従来技術の課題であった、わだち掘れ量の精度向上とIRIの計測機能を付加するバージョンアップに取り組み、システムが完成したことから国土交通省が公募する舗装点検支援技術に応募いたしました。その結果、わだち掘れ量、IRIの両指標とも高い精度が確認され、従来技術で精度が確認されているひび割れ率も併せて路面性状3要素でカタログに掲載されました。さらに、国土交通省新潟国道事務所管内の路面点検業務を地元大手コンサルタントに協力することで参画し、長距離(延長約300km)での調査実績をあげることができました。実績を積むことで更なる課題も見えてきており、今後も精度や利便性の向上を目指した改良を進めていく予定です。 ② 「SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)」の取り組みSIPとは、省庁横断的な戦略的イノベーション創造プログラムであり、金沢工業大学を中心とした北陸SIPの一員として活動いたしました。本年は5年計画の3年目で、桜川市と連携して舗装点検を実施し、路面損傷状況の把握と修繕区間の抽出を行いました。また、路面性状とは別に修繕箇所の優先順位を決定するパラメータとしてパトロール結果や苦情要望箇所に着目し、それらの効率的で実用的な記録システムの試作を行いました。本年は、これらのシステムを路面性状結果と統合して効率的な補修計画支援システムの試作を行い、システム実装の準備を行います。 ③ 「ファインテープクリア」の開発白線の上からでも貼れる透明の止水用テープ「ファインテープクリア」は、視認性・滑り抵抗性・接着性等の素材としての検証が終わり、実用化に向けた試作品を作成いたしました。本年は、実道での試し張りを実施して機能性、耐久性の検証を行い、製品販売に向けたデータ取りを実施いたします。 ④ 景観舗装への取り組みウッドチップ舗装のバインダーの入手が困難となり、新たに接着剤メーカーと共同で汎用性のあるウッドチップ舗装を開発、公共の公園で試験施工を実施いたしました。また、派生品としてもみ殻舗装も開発し、良好な結果を得ていることから2026年に製品化する予定です。今後は、砂・砂利やクルミ殻などの検討も行い、ラインナップを広げる予定です。 ⑤ 開発技術の広報活動開発した技術のアピールと新たな技術開発の促進を行うために、報文発表や技術フェアーに参加して成果を普及しております。 2025年6月 EE東北出展2025年10月 けんせつフェア北陸2025年10月 建設技術展近畿出展2025年11月 建設技術展関東出展2025年11月 ハイウェイテクノ出展2025年12月 建設技術フェアーIN中部出展 <報文発表等>日本道路会議 報文発表5篇、ポスターセッション1篇北陸道路舗装会議 報文発表4編 ポスターセッション2篇土木学会 舗装工学講演会 1編土木学会 年次学術講演会 1編博士学位論文 1編 (3) ㈱興和① ICT施工、BIM/CIMへの取り組み2016年に国土交通省でi-Constructionが提唱されました。従前からドローン写真測量等、最新技術の習得に取り組み、ICT工種拡大、3Dデータを活用するBIM/CIMに備えてまいりました。2019年には、国土交通省の「建設現場の生産性を向上する革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト(PRISM)」に採択された「小出維持管内防災工事施工現場における労働生産性の向上を図る技術の試行業務」において、3D計測が非常に困難な自然斜面現場でのICT法面工の試行に取り組みました。2020年に制定されたICT法面工(吹付法枠工)の基準に従い、同年、国土交通省発注法面工事において八木山現場でICT施工を実施し、北陸地方整備局主催の現場見学会を開催するなど、技術力をPRしてまいりました。その後、国土交通省及び新潟県の法枠工を中心にICT施工及び簡易型ICT施工に取り組んでおり、2025年は5件実施いたしました。BIM/CIM関連では、国土交通省北陸地方整備局発注業務で3Dモデルを活用した取り組みが評価され、地質調査業務では初めてとなる「2020年度i-Construction大賞優秀賞」を受賞しました。2023年には国土交通省に対し、効率的な法枠の出来形管理手法としてiPhoneを活用した3次元計測手法を提案し、翌年の基準改定を実現するなど、3D計測の効率化を進めております。2025年のBIM/CIM活用業務として、国土交通省発注の2業務(地質調査、地すべり調査)を行いました。 ② 集水井点検カメラ集水井工は、地すべり深層の地下水排除を目的とした重要施設です。従来の点検ではクレーンによる上蓋の取外しや昇降施設の設置、有毒ガスの排除や酸素の供給が必要であり、コストが過大となる課題がありました。そこで、経済的かつ安全・正確に立坑内の状況や機能の確認が可能な「立坑(集水井工)内の点検装置(集水井点検カメラ)」を開発し、2件の特許を取得いたしました。この技術により、国土交通省の直轄地すべり防止区域及び新潟県所管の地すべり防止区域を中心に、900基超の集水井で点検を実施しております。また、県外においても岩手、山形、福島、群馬、高知、宮崎で実績を積んでおります。この功績が認められ、2021年に砂防分野では初の快挙となる「第4回インフラメンテナンス大賞特別賞」を受賞いたしました。また受賞をきっかけに、弊社を中心としたコンサルタント業者4社で「集水井点検カメラ研究会」を立ち上げました。2023年度には、当技術がNETISに登録されたことを受け、九州(熊本)でも当技術が採用され実施されています。2024年には、集水井点検カメラの映像から3次元点群データを取得する改良を行い、2025年は、集水井の変形などの変状の検出を3次元で行うことを目的に計測精度の検証を進めております。 ③ 廃材活用による緑化技術の開発農林水産省・国土交通省が下水汚泥や伐採木等の廃材を加工することで資材として有効活用しようとする動きが活発化してきていることから、2023年に緑化試験棟を完成させ、緑化工における廃材利用技術の開発を進めております。伐採木等の活用については、2024年より伐採竹をパウダーにした土壌改良資材の緑化促進効果の研究をしております。吹付工法に使用する植生基材の補完資材としての利用と法面工事で発生する現場発生廃材の処分量減を想定し、竹パウダーの混合割合を変えた場合の植物育成状況の調査を開始いたしました。2025年の試験結果では、緑化促進効果は見られなかったものの、斜面緑化を満足する育成ができることが確認されました。下水汚泥は、鉱物資源を原料とする化学肥料に代わる肥料として、2024年より緑化試験棟で緑化促進効果の調査を開始いたしました。2025年の試験結果では、下水汚泥肥料のみでは一般化成肥料と同等の育成状況であること、カリウム肥料と混合することで緑化促進効果がみられることがわかりました。伐採木は基盤材として、下水汚泥は肥料として有効活用できれば運搬等にかかるCO2削減に寄与するものと考えられるため、今後も技術開発を通じて、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進してまいります。 ④ 裁断芝保存法芝による緑化工には、種子からの育成や張芝がありますが、種子からの育成では種子の流亡リスクや大量の種子が必要であること、張芝は施工に時間がかかることと潅水が必要という弱点がありました。これらに対し、ほぐした芝をまいて芝生に育成する「芝生の直播被覆工法」(有限会社アイ・ピー・エムグリーンステージ)は、少ない資材で施工が可能で潅水不要であるという利点があります。この工法について、斜面に適用できる独自性を持った新工法として確立させるべく、裁断した芝の育成方法と長期保存方法の開発を進めております。長期保存については、袋の遮光性やもみ殻の使用による工夫を行い、18週間でも保存できる手法を確立し、2025年に有限会社アイ・ピー・エムグリーンステージと共同で特許を出願いたしました。裁断した芝の育成においては、雑木チップと竹チップ、及び下水汚泥肥料による育成促進効果も調べております。また、素早く発芽する種子と遅れて成長する裁断芝を混合することで、雑草侵入防止と芝による確実な緑化を行えるように手法の改良を行っております。法面の緑化だけでなく、公園や河川敷の緑化での使用も検討しており、今後も開発を継続していく計画です。 ⑤ 消雪パイプノズル調整作業時の誘導ロボット雪国の冬期道路交通確保に必要な消雪パイプは、降雪シーズン前にノズル調整作業を実施して消雪機能の維持を行っております。ノズル調整作業は数名の作業員が隊列を組み、消雪パイプに沿って移動しながら行います。車両の流れを止めずに行うために、隊列の前後に交通誘導員を配置し、矢印版や手旗で通行車両への注意喚起を行っております。ノズル調整作業は、降雪前は繁忙期であることに加え、昨今の人手不足も相まって、交通誘導員の確保が課題となっております。そこで、誘導員の代わりとなる台車型の誘導ロボットを開発し、2024年に試験走行を実施いたしました。誘導ロボットは隊列を先導する先導車と、隊列についていく後続車で構成されます。先導車は事前に機械学習されたデータをもとに、搭載されたカメラにより消雪ノズルをAIにより検知して、消雪パイプに沿って自律走行を行います。後続車は、最後尾の作業員をカメラで検知し追従します。先導車・後続車共に矢印版や電光板を搭載し、通行車両に注意喚起を促します。衝突回避のためのソフト・ハード的な安全対策も装備しております。誘導ロボットは、労働力不足と作業員の安全確保を目的として開発を進めていますが、片側1車線の道路中央での安定走行にはまだまだ課題がある状況です。一方で、ノズルを検知できる搭載カメラの映像を利用することで、ノズル劣化度をAI判定することに活用できる可能性もあります。消雪パイプの維持管理の将来を見据えた有効な技術になり得ると考え、開発に取り組んでおります。 ⑥ ノズル洗浄機の開発消雪パイプのノズル洗浄・調整作業に、ノズルに手持ハンマー等で振動を与えて詰まった砂などを排出させる工程があります。ノズルが路面にあることから、中腰やしゃがみ姿勢をとる必要があり、作業員の体への負担が大きいという課題がありました。そこで、立ったままノズル洗浄を行えるノズル洗浄機の開発を進めました。ノズル洗浄機は、ノズルを損傷させず適切な衝撃を与える振動子を電動ハンマーの先端部に取り付けたもので、人力よりも短時間でノズル洗浄できるものです。電動ハンマーには台車を取り付け、移動と施工を効率よく行えるように工夫しております。2024年度に特許を出願、2025年度は電動ハンマーを載せる台車を改良し、消雪パイプの点検作業を4現場で試行いたしました。今後は作業時間の短縮及び作業姿勢の改善について数値化し、Made in Niigata等への登録を進めてまいります。 ⑦ AI積雪深制御積雪地域に広く普及している消雪パイプは、雪国の生活に無くてはならないインフラで、長年にわたり興和では開発・施工・維持管理に取り組んでおります。消雪パイプの水源の多くは地下水に頼っており、地域によっては地下水位低下による散水不能、地盤沈下の進行がみられており、持続可能な地下水開発のためには、地下水節水が必須な状況です。現在、広く普及している消雪パイプの制御方法は、降雪を検知して、降雪時に稼働する降雪検知制御です。雪が降っているときに散水されることから、雪が積もる前から稼働し、道路ユーザーの安心感が高い方法となっております。しかしながら、道路に積もる前に止むような短時間降雪でも散水してしまうことや、設計よりも弱い降雪でも散水してしまうことがあり、節水の余地が大きい制御方法です。これまで、降雪強度や気温を検知し、必要以上に散水しないように間欠運転や少量散水運転を行う制御を開発し、地下水の節水と節電に努めてまいりました。降雪検知制御の一方で、道路の積雪を検知して散水制御する積雪検知制御は、降雪検知制御よりも節水・節電効果が高いことを研究しておりましたが、道路上の積雪を安価に確実に検知するには技術的なハードルが降雪検知よりも高く、普及が進んでおりませんでした。このような背景から、道路画像から積雪をAIで判定して制御するAI積雪深制御の開発に取り組んでおります。道路上に積雪がない状態の画像を正常画像とし、それに対して残雪がある状況を異常な状態として認識するAIを使い、散水が必要な「異常な」状況を判定する制御方法とする技術として開発することを2024年に整理し、特許出願の準備を進めております。2025年には長岡技術科学大学の技術開発センタープロジェクトの中で、長岡技術科学大学及び長岡高等専門学校との共同研究を開始し、AI以外の積雪深制御とともに研究開発を進めております。 ⑧ 節水ノズルの開発現行のノズルでは、道路へ均一に散水できないことによる雪の溶かし残しを抑えるため、降雪量以上の消雪能力分の散水が必要であり、熱量的には無駄な散水を行っている場合があります。特に幅員が狭い道路、交通量が少ない道路では無駄となる散水量が多くなります。そこで、必要な消雪能力分の散水量でなるべく均一に散水することで、地下水節水を目指すノズルの開発を進めています。2023年度冬期に試作品による消雪効果確認を実施し、節水効果が見込まれたことから2024年に特許出願しました。2025年度冬期は、現道設置に向けた改良を加えたノズルで消雪効果確認試験を実施する計画です。節水ノズルは、地下水節水に加えて、ポンプ容量減少による節電効果が見込まれます。また、ノズル孔数が、現行の4孔に対して1~2孔になることから、ノズル洗浄作業の短縮効果も見込まれます。SDGsにマッチした開発であると考えています。 (4) ㈱レックス社会インフラのメンテナンス・老朽化対策や現場生産性向上、サステナビリティなど、建設業界が抱える課題や社会のニーズに対応した新技術や新工法等の開発を進めております。 1.インフラメンテナンス技術の開発① ハイブリッド・塩害補強工法本工法は、塩害を受けた鉄筋コンクリート構造物に対し、シラン系含浸材による鉄筋腐食抑制と、炭素繊維シートによる補強を同時に実現する技術です。材料メーカー2社との共同研究により2018年に開発され、Made in 新潟 新技術普及制度(2019D102)、国土交通省NETIS(HR-220007-A)に登録され、特許(特許第6861190号)も取得しております。現在、全国の橋梁補修・補強工事で活用されております。 ② デュアル防食プロテクト工法本工法は、塩害や中性化により劣化した鉄筋コンクリート構造物に対し、内部鉄筋の防食と外部からの塩分侵入抑制を同時に実現する補修技術です。靭性モルタルNAの高い遮塩性と犠牲陽極材の即効的な防食効果が相互に干渉せず、相乗的に長期の防食性能を確保できる点に新規性があります。共同研究により2025年に開発し、技術登録と現場適用を進めております。 2.レンタル保安用品の開発① 高輝度・LED矢印板「TWIN・VISION」LED矢印板に高輝度反射シートを付加し、夜間を含むあらゆる条件下で視認性・安全性を向上させた製品です。バッテリー切れや故障等によるLED消灯時でも視認性低下を防ぎます。2021年にMade in 新潟新技術普及制度に登録(2021D105)、及びレンタル事業・販売を通じて提供し、高い評価を頂いております。 ② 蓄光コーンバーコーンバー端部のリング部材に蓄光材料を混入し、薄暮時の視認性・安全性を向上させた製品です。パイプ部材にポリカーボネートを採用することで、軽量化と耐久性を両立し、現場での安全性と作業性向上が期待できます。2024年にMade in 新潟新技術普及制度に登録(2023D202)、及びレンタル事業・販売を通じて提供され、類のない製品として活用されております。 3.その他、経営目標に沿った技術開発① DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した生産性向上技術現場作業の効率化・省力化に資するデジタル技術の導入検討 ② GX(グリーントランスフォーメーション)、脱炭素を含むサステナビリティ関連技術の検討環境負荷低減や資源循環に寄与する工法・製品の研究 ③ 新規事業領域への参入に向けた技術検討既存事業の枠を超えた新たな価値創出に向けた技術探索 (不動産事業及びその他)研究開発活動は、特段行われておりません。
FY2024|8,850 文字
6【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、「価値創造」の経営理念のもと、生産性向上・品質向上・自然環境の保全に加え、新たな分野への市場参入を目的とした新工法の実証実験等を中心に取り組んでおります。 また、現場に密着した研究開発ニーズと独創的なアイディアの発掘を目的として、広く社員から意見を募り研究開発活動に反映させております。 なお、当連結会計年度は研究開発費として、176百万円を投入しております。 当連結会計年度の主な研究テーマは次のとおりであります。 ( 建設事業 )(1) 当社① BIMに対する取り組み BIMについては、継続して取り組んでいる部分納まりの検討、施工ステップの可視化などの実績から、全国の拠点でBIMの活用が拡大しております。高度化する現場からの依頼を実現するため、作成するモデルの質を向上させるとともに、効率化のための社内ルール・標準化の見直しにも継続して取り組んでおります。また、昨年導入した新ソフトウェアを活用し、現場が必要としている施工BIMモデルを目指し、早期段階からの施工検討を進めることで業務支援の幅を広げております。 ② 建設RXコンソーシアムへの参画 建設RXコンソーシアムは、作業所におけるさらなる高効率化や省人化を目指し、建設業界全体の生産性及び魅力向上を推進するために、施工段階で必要となるロボット技術やIoT関連アプリケーションにおける技術連携を、相互に公平な立場で進めることを目的として設立された団体で、様々な分科会にて建設関連の生産性の向上を図るための取り組みが行われております。当社も2023年にこのコンソーシアムに入会し、分科会への参加を計画しております。 ③ トンネル施工技術の展開 トンネル施工の生産性向上に繋げるため、ICTを活用した技術開発を進めております。開発技術として、トンネル掘削時の動画を用いて地山の安定性を判定する「掘削動画AI」、LPWA技術を用いて掘削作業を見える化し業務改善を図る「サイクルタイム算出技術」、トンネル資材の受発注管理とともに在庫数量やロス率等をクラウド上で一元管理する「受発注管理システム」などがあります。 当期は、トンネル現場における電力消費量の見える化と主要設備の最適運転により電力消費量を削減する「エネルギーマネジメントシステム」の実用検証と、「山岳トンネル用出来形見える化技術の開発」に関する方法比較検証を実現場で行い、成果を得ました。 これらの開発技術は、実現場での運用を継続してフィードバックを行い、さらなる業務効率の向上を図ってまいります。 ④ 橋梁維持更新(吊足場)の取組 橋梁の点検管理及び補修工事においての作業床敷設作業の安全性の向上、円滑化による作業効率の向上を目的とした「フライングステージを用いたつり棚足場」を開発してまいりました。仮設工業会のシステム承認を取得し、公共工事等における新技術活用システムNETISに登録されております(SK-230007-A)。水平状態を保持して昇降する機構を具備した吊足場システムの特許も取得し、多様な使い方に対応できるものです。展示会への出展・受注現場での実用を進め、安全・効率的な橋梁維持更新工事となるよう取り組んでまいります。 ⑤ コンクリート構造物の延命化工法の研究終了 社会経済活動の基盤である土木コンクリート構造物は、高度経済成長期以降に集中的に整備されており、今後、建設から50年以上経過して劣化が進む割合が加速度的に増加することが予想されています。これらの土木コンクリート構造物を計画的に維持管理することを目的にした、劣化構造物の延命化工法の開発に取組みました。長岡工業高等専門学校と他2社との共同研究で、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の官民による若手研究者発掘支援事業共同研究フェーズからの助成を得た「交換可能な塩分吸着パネル接合によるRC構造物の持続的塩害抑制工法の開発」です。 当期で終了し、NEDOに一定の効果を確認できたことを報告し、この具体実用先の紹介や検討を進めました。 ⑥ デュアルシールド工法の自動測量システム「Dual-Shot」の試用 当社はデュアルシールド工法で下水道トンネル工事を行っておりますが、施工精度を確保するために毎日測量を行って精度確認をしていく必要があります。これまでは、2人で測量を行っておりました。加えて昼夜交代で工事を行う場合には、交代のために1現場で4人の測量人員を確保する必要があります。これからも多くの受注が見込まれることから、複数の工事を同時に行える体制を整えることが急務となっておりました。そこで、1人の技術者で1つの工事を進められるようにすることを主目的に、この測量を自動で行えるシステム「Dual-Shot」を開発いたしました。 当期は現場工事での試用を行い、操作の習熟と開発技術の検証改善を行いました。開発の目標であった省人化の他、より短時間で必要な時期に実用に叶う精度の測量ができることを確認しました。シールド掘進機の適切な操作判断が行え、施工精度の向上に資するよう実用を行ってまいります。 ⑦ 建物解体工事での解体物落下振動・騒音低減技術 当社は建物解体工事を行っておりますが、高層階からの解体破砕物の落下における振動・騒音の低減方策が必要と考えております。当期は、動的粘弾性モデルを用いた、解体破砕物落下における振動の改善効果の数値シミュレーションを実施し、検討している低減方法・防振材による振動レベル抑制効果を確認できました。今後、この数値シミュレーション結果を踏まえた方法の現場検証を行い、実用化を進めてまいります。 ⑧ i-Construction、CIMへの取組 i-Constructionへの取組は受注・契約条件として必須です。取組むための機器・ソフトの運用と検証を進め、一般効率的な業務ツールとなるよう全社への展開を進め、より効率的な運用となる改善を進めております。 当期も三次元設計データの作成と活用、VR技術による現場確認、DX技術の活用、マシンコントロールによる土砂掘削・構造物構築を行ってまいります。 (2) 福田道路㈱1.技術開発① アスファルト舗装の長寿命化についての研究(NEXCO総研との共同研究) 過年度より、NEXCO総研と共同で検討している長寿命に資する路盤からの打換え工法は、終日規制内で試験施工を実施し、一定の成果が得られました。次の段階として、日々規制での試験施工を検討するにあたり、本年は当社機械センターの敷地内にて、小型機械での削孔能力の確認や、セメントパイル形成の効率化と仮復旧方法に関する検討を行いました。 ② カーボンニュートラルに向けた取り組み 廃白土とは、精油処理の際発生する副産物で、油を含んでいる白土です。廃白土を廃棄物由来の燃料として、重油の代替活用ができないか検討を行いました。本年は、テストバーナーで実証実験を実施しました。今後の課題として、粉体燃料としての有効性・安全性の検討や焼却灰のリサイクルに関する検討を進める予定です。 ③ 「マルチファインアイ(画像損傷診断システム)」のシステム改良 マルチファインアイのわだち掘れ量の精度向上と、IRIの計測機能を付加したシステム改良に取り組みました。システムの試作版は完成しており、本年は、国土交通省が公募する舗装点検支援技術に応募して性能の評価を受けており、結果待ちの段階になっております。 ④ 「SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)」の取り組み SIPとは、省庁横断的な戦略的イノベーション創造プログラムであり、金沢工業大学を中心とした北陸SIPの一員として活動しました。5年計画で、舗装点検結果に加え、パトロール結果、苦情要望、工事記録などから効率的な補修計画支援システム構築を目指しており、本年は、桜川市と連携して路面性状を計測しており、プログラム構築に向けて課題を抽出しております。 ⑤ 「ファインテープクリア」の開発 ファインテープは、アスファルト舗装の継目に貼り付ける止水用テープであり、アスファルト舗装に馴染むように黒色となっております。一方、センタージョイントでは白線が設置されており、ファインテープを施工すると隠れてしまう課題がありました。ファインテープクリアは透明な止水用テープであり、施工後でも白線が識別できることを目的としております。本年は、視認性・滑り抵抗性・接着性の検証を行っており、試作品の作成を目指しております。 ⑥ 開発技術の広報活動 開発した技術のアピールと新たな技術開発の促進を行うために、報文発表や技術フェアーに参加して成果を普及しております。2024年5月 インフラメンテナンス国民会議出展2024年6月 EE東北出展2024年11月 建設技術展関東出展2024年11月 建設技術展近畿出展2024年11月 ハイウェイテクノ出展2024年12月 建設技術フェアーIN中部出展(報文発表)土木学会 舗装工学講演会 1編土木学会 年次学術講演会 1編 (3) ㈱興和① ICT施工、BIM/CIMへの取組み 2016年に国土交通省でi-Constructionが提唱されました。従前からドローン写真測量等、最新技術の習得に取り組み、ICT工種拡大、3Dデータを活用するBIM/CIMに備えてまいりました。2019年には、国土交通省の「建設現場の生産性を向上する革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト(PRISM)」に採択された「小出維持管内防災工事施工現場における労働生産性の向上を図る技術の試行業務」において、3D計測が非常に困難な自然斜面現場でのICT法面工の試行に取り組みました。2020年に制定されたICT法面工(吹付法枠工)の基準に従い、同年、国土交通省発注法面工事において八木山現場でICT施工を実施し、北陸地方整備局主催の現場見学会を開催するなど、技術力をPRしてまいりました。 BIM/CIM関連では、国土交通省北陸地方整備局発注業務で3Dモデルを活用した取り組みが評価され、地質調査業務では初めてとなる「令和2年度i-Construction大賞優秀賞」を受賞しました。2023年は国土交通省に対し、効率的な法枠の出来形管理手法としてiPhoneを活用した3次元計測手法を提案し、翌年の基準改定を実現するなど、3D計測の効率化を進めてまいりました。 ② 集水井点検カメラ 砂防関係施設のうち集水井工は、地すべり深層の地下水排除を目的とした重要施設ですが、従来の点検ではクレーンによる上蓋の取外しや昇降施設の設置、有毒ガスの排除や酸素の供給が必要であり、コストが過大となっておりました。そのため、経済的かつ安全・正確に立坑内の状況や機能の確認が可能な「立坑(集水井工)内の点検装置(集水井点検カメラ)」を開発し、2件の特許を取得いたしました。この技術により、これまで国土交通省の直轄地すべり防止区域及び新潟県所管の地すべり防止区域を中心に、900基超の集水井で、また県外においても岩手、山形、福島、群馬、高知、宮崎で点検を行ってまいりました。この功績が認められ、2021年に砂防分野では初の快挙となる「第4回インフラメンテナンス大賞特別賞」を受賞しました。また受賞をきっかけに、弊社を中心としたコンサルタント業者4社で「集水井点検カメラ研究会」を立ち上げました。2023年度には、当技術がNETISに登録されたことを受け、九州(熊本)でも当技術が採用され実施されております。 ③ 廃材活用による緑化技術の開発 農林水産省・国土交通省が下水汚泥や伐採木等の廃材を加工することで、資材として有効活用しようとする動きが活発化してきていることから、2023年に緑化試験棟を完成させ、緑化工における廃材利用技術の開発を進めております。伐採木等の活用については、2024年より伐採竹をチップにした土壌改良資材の緑化促進効果の研究をしております。吹付工法に使用する厚層基材の代替資材としての利用を想定し、竹チップの混合割合を変えながら植物の育成状況の違いの調査を開始しました。下水汚泥は鉱物資源を原料とする化学肥料に代わる肥料として、同年に緑化試験棟で緑化促進効果の調査を開始しました。伐採木は基盤材として、下水汚泥は肥料として有効活用できれば、運搬等にかかるCO2削減に寄与するものと考えられるため、今後も技術開発を通じて、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進してまいります。 ④ 裁断芝保存法 芝による緑化工には、種子からの育成や張芝がありますが、種子からの育成では種子の流亡リスクや大量の種子が必要であること、張芝は施工に時間がかかることと潅水が必要という弱点がありました。これらに対し、ほぐした芝をまいて芝生に育成する「芝生の直播被覆工法」(有限会社アイ・ピー・エムグリーンステージ)は、少ない資材で施工が可能で潅水不要であるという利点があります。この工法について、斜面に適用できる独自性を持った新工法として確立させるべく、裁断した芝の育成方法と長期保存方法の開発を進めております。長期保存については、袋の遮光性やもみ殻の使用による工夫を行い、18週間でも保存できる手法を確立し、2025年に有限会社アイ・ピー・エムグリーンステージと共同での特許出願を予定しております。裁断した芝の育成においては、雑木チップと竹チップ、及び下水汚泥肥料による育成促進効果も調べております。法面の緑化だけでなく、公園や河川敷の緑化での使用も検討しており、開発を継続していく計画です。 ⑤ 消雪パイプノズル調整作業時の誘導ロボット 雪国の冬期道路交通確保に必要な消雪パイプは、降雪シーズン前にノズル調整作業を実施して消雪機能の維持を行っております。ノズル調整作業は数名の作業員が隊列を組み、消雪パイプに沿って移動しながら行います。車両の流れを止めずに行うために、隊列の前後に交通誘導員を配置し、矢印版や手旗で通行車両への注意喚起を行っております。ノズル調整作業は、降雪前は繁忙期であることに加え、昨今の人手不足も相まって、交通誘導員の確保が課題となっております。そこで、誘導員の代わりとなる台車型の誘導ロボットの開発を行っております。誘導ロボットは隊列を先導する先導車と、隊列に付いていく後続車で構成されます。先導車は事前に機械学習されたデータをもとに、搭載されたカメラにより消雪ノズルをAIにより検知して、消雪パイプに沿って自律走行を行います。後続車は、最後尾の作業員をカメラで検知し追従します。先導車・後続車共に矢印版や電光板を搭載し、通行車両に注意喚起を促します。衝突回避のためのソフト・ハード的な安全対策も装備しております。誘導ロボットは、労働力不足と作業員の安全確保を目的として開発を進めておりますが、搭載カメラ画像を利用することで、ノズル劣化度をAI判定することにも活用できる可能性もあり、消雪パイプの維持管理の将来を見据えた有効な技術になり得ると考えております。 ⑥ ノズル洗浄機の開発 消雪パイプのノズル洗浄・調整作業に、ノズルに手持ハンマー等で振動を与えて詰まった砂などを排出させる工程があります。ノズルが路面にあることから、中腰やしゃがみ姿勢を取る必要があり、作業員の体への負担が大きいという課題がありました。そこで、立ったままノズル洗浄を行えるノズル洗浄機の開発を進めました。ノズル洗浄機は、ノズルを損傷させず適切な衝撃を与える振動子を電動ハンマーの先端部に取り付けたもので、人力よりも短時間でノズル洗浄できるものです。電動ハンマーには台車を取り付け、移動と施工を効率よく行えるように工夫しております。今後は現場投入に向けて、ノズル洗浄効果と作業時間の短縮効果の調査を計画しております。 ⑦ AI積雪深制御 積雪地域に広く普及している消雪パイプは、雪国の生活に無くてはならないインフラで、長年にわたり興和では、開発・施工・維持管理に取り組んでおります。消雪パイプの水源の多くは地下水に頼っており、地域によっては地下水位低下による散水不能、地盤沈下の進行が見られており、持続可能な地下水開発のためには、地下水の節水が必須な状況です。現在、広く普及している消雪パイプの制御方法は、降雪を検知して、降雪時に稼働する降雪検知制御です。雪が降っているときに散水されることから、雪が積もる前から稼働し、道路ユーザーの安心感が高い方法となっております。しかしながら、道路に積もる前に止むような短時間降雪でも散水してしまうことや、設計よりも弱い降雪でも散水してしまうことがあり、節水の余地が大きい制御方法です。これまで、降雪強度や気温を検知し、必要以上に散水しないように間欠運転や少量散水運転を行う制御を開発し、地下水の節水と節電に努めてまいりました。 降雪検知制御の一方で、道路の積雪を検知して散水制御する積雪検知制御は、降雪検知制御よりも節水・節電効果が高いことが研究されてきましたが、道路上の積雪を安価に確実に検知するには技術的なハードルが降雪検知よりも高く、普及が進んでおりませんでした。そこで、道路画像から積雪をAIで判定して制御するAI積雪深制御の開発に取り組んでおります。道路上に積雪がない状態の画像を正常画像とし、それに対して残雪がある状況を異常な状態として認識するAIを使い、散水が必要な「異常な」状況を判定する制御方法です。2024年は、道路上に人や車両が写っていても、残雪がある状況を判定できるところまで開発が進みました。2025年には試作機を完成させ、試験運転をする計画です。 ⑧ 節水ノズルの開発 現行のノズルでは、道路へ均一に散水できないことによる雪の溶かし残しを減じるために、降雪量以上の消雪能力分の散水が必要で、熱量的には無駄な散水を行っている場合があります。特に幅員が狭い道路、交通量が少ない道路でこの傾向が強くなります。そこで、少ない散水量でなるべく均一に散水ができるノズルを開発し、必要な消雪能力分の散水量で済ませることで、地下水の節水を目指すノズルの開発を進めております。2023年度冬期に試作品による消雪効果確認を実施し、節水効果が見込まれたことから2024年7月に特許出願をいたしました。同年度冬期も改良を加えた上で消雪効果確認試験を実施する計画です。 節水ノズルは、地下水の節水に加えて、ポンプ容量減少による節電効果が見込まれます。また、ノズル孔数が、現行の4孔に対して1~2孔になることから、ノズル洗浄作業の短縮効果も見込まれます。SDGsにマッチした開発であると考えております。 (4) ㈱レックス 社会インフラのメンテナンス・老朽化対策や現場生産性向上など、建設業界が抱える課題や社会のニーズに対応した新技術や新工法等の開発を進めております。 ① 「ハイブリッド・塩害補強工法」の開発 本工法は、塩害を受けた鉄筋コンクリート構造物の補修・補強工法です。鉄筋腐食抑制効果を有するシラン系含浸材の塗布と補強用の炭素繊維シートの接着により、鉄筋腐食抑制と補強を同時に実現する技術です。従来工法では、含浸材と炭素繊維シートの付着性等の問題から組み合わせ施工は不可能でした。そこで、材料メーカーとの共同研究により、「付着性能及び施工性」の問題解決を目指した専用プライマーを開発し、2018年に新工法として上市しました。 本技術は、2019年にMade in新潟 新技術普及制度に登録(2019D102)、2021年3月には、特許(特許第6861190号)に登録されました。加えて、2022年11月には国土交通省のNETISにも登録(HR-220007-A)され、塩害が著しい北陸地方などでの活用が期待されております。 ② 高輝度・LED矢印板「TWIN・VISION」の開発 夜間道路工事用のLED矢印板に高輝度反射シートを付加し、従来品と比較し、あらゆる条件下において視認性・安全性の向上を図った新製品を開発しました。矢印板全体の視認性が向上する他、バッテリー切れや故障等によるLED消灯時でも視認性低下を防ぎます。 本製品は、2021年9月にMade in 新潟新技術普及制度に登録(2021D105)され、当社のレンタル事業・販売部門を通じてユーザーに提供され、その高機能な面について好評を頂いております。 ③ 蓄光コーンバーの開発 工事現場等で使用するカラーコーンと併せて用いるコーンバーに、新素材を使用した製品を開発しました。コーンバー端部のリング部材に蓄光材料を混入することで、薄暮時にリング部が発光し、視認性・安全性が向上します。また、パイプ部材にポリカーボネートを採用することで、耐久性を確保しながら従来品よりも軽量化を図り、作業性向上が期待できます。 本製品は、2024年2月にMade in 新潟新技術普及制度に登録(2023D202)され、当社のレンタル事業・販売部門を通じてユーザーに提供され、類のない製品ということで活用されております。 ④ 現場の生産性向上技術の開発 現場の生産性向上を目指し、DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した技術開発を行っております。コンクリート構造物補修工事において、断面修復工の出来形(体積)測定の効率化や区画線作業の自動化施工等の技術開発に向けて検討を行っております。 ( 不動産事業及びその他 ) 研究開発活動は、特段行われておりません。
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6【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、「価値創造」の経営理念のもと、生産性向上・品質向上・自然環境の保全に加え、新たな分野への市場参入を目的とした新工法の実証実験等を中心に取り組んでおります。 また、現場に密着した研究開発ニーズと独創的なアイディアの発掘を目的として、広く社員から意見を募り研究開発活動に反映させております。 なお、当連結会計年度は研究開発費として、175百万円を投入しております。 当連結会計年度の主な研究テーマは次のとおりであります。 ( 建設事業 )(1) 当社① RCS構造に対する取り組み 鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁混合構造(RCS構造)は、剛性が高く、高い軸方向支持力を持つRC柱と軽量で曲げ耐力が高く、大スパンが可能な鉄骨梁とのハイブリッド構造であり、近年、大スパンかつ積載荷重の大きな倉庫等の用途でニーズが高まっております。本構造については、試設計やコスト検証などを行い、設計施工での採用に向けて、継続的な取り組みを行っております。 ② BIMに対する取り組み BIMについては、従来からの複雑な形状の建物の取り合いや配筋の納まりの確認、施工ステップの3D化などの施工補助としての活用の他に、モデル現場を設定し、設計段階での活用にも着手いたしました。躯体モデル、意匠モデル、設備モデルをそれぞれ作成し、データを統合することで、干渉箇所や配管ルートの確認、位置変更の可否などを可視化、共有化して作業効率の向上を目指すとともに、BIMの活用のための社内ルールの見直しにも取り組んでおります。また、新たなソフトウェアの導入により、自動配筋や数量拾い、仮設オブジェクトによるより実用性の高い活用も開始いたしました。 ③ 既存建築物の改修技術の研究 既存建築物の耐震性向上や、耐久性改善等の長寿命化及びコンバート対応できるリニューアル技術を研究し、ストック価値を高める構・工法の開発を目指しております。 ④ 建設RXコンソーシアムへの参画建設RXコンソーシアムは、作業所における更なる高効率化や省人化を目指し、建設業界全体の生産性及び魅力の向上を推進するために、施工段階で必要となる、ロボット技術やIoT関連アプリケーションにおける技術連携を相互に公平な立場で進めることを目的として設立された団体で、現在、総合建設会社、レンタル会社、ロボット製造業者、ITベンダー、専門工事会社等の約240社以上の企業が参画しております。当社も作業所における生産性の効率化を図るべく、2023年にこの団体に参画いたしました。 ⑤ トンネル施工技術 トンネル施工の生産性向上に繋げるため、ICTを活用した技術開発を進めております。以前より開発してきたトンネル掘削時の動画を用いて地山の安定性を判定する「掘削動画AI」は、展示会出展を通じて社外へのアピールを継続しております。LPWA技術を用いて掘削作業を見える化し、業務改善を図る「サイクルタイム算出技術」は特許出願を果たしました。実現場での運用を継続し、実効性を向上させてまいります。トンネル資材の受発注管理とともに、在庫数量やロス率等をクラウド上で一元管理する「受発注管理システム」は、実現場での本格運用を開始いたしました。運用結果のフィードバックにより、さらなる業務効率の向上を図ってまいります。また、トンネル現場における電力消費量の見える化と、主要設備の最適運転により電力消費量を削減する「エネルギーマネジメントシステム」を開発し、実現場での本格運用を開始いたしました。カーボンニュートラルにも寄与することから、SDGsの実現に向けた第一歩としても取り組んでまいります。 ⑥ 橋梁維持更新(吊足場) 橋梁における維持管理及び補修においての作業床の敷設施工における作業員の安全性の向上、敷設の円滑化による作業効率の向上を目的とした吊足場を開発してまいりました。「フライングステージを用いたつり棚足場」の名称で、仮設工業会のシステム承認を取得いたしました。当期は、公共工事等における新技術活用システムNETISに登録いたしました(登録番号 SK-230007-A)。加えて、水平状態を保持して昇降する、降機構を具備した吊足場システムの特許を取得いたしました。展示会への出展・受注現場での実用を進め、橋梁維持更新工事に活用してまいります。 ⑦ コンクリート構造物の延命化工法 社会経済活動の基盤である土木コンクリート構造物は、高度経済成長期以降に集中的に整備されており、今後、建設から50年以上経過して劣化が進む割合が加速度的に増加することが予想されています。そこで、これらの土木コンクリート構造物を計画的に維持管理することを目的にした、劣化構造物の延命化工法の開発に取組んでおります。長岡工業高等専門学校と他2社との共同研究として取り組んでおり、助成を活用した実験計測が進み、一定の効果を確認できました。 ⑧ デュアルシールド工法の自動測量システム 当社はデュアルシールド工法で下水道トンネル工事を行っておりますが、施工精度を確保するために、毎日測量を行って精度確認をしていく必要があります。現状では、2人作業で測量を行っております。加えて、昼夜交代で工事を行う場合には、交代のために1現場で4人の測量人員を確保する必要があります。今後も多くの受注が見込まれることから、複数の工事を同時に行える体制を整えることが急務となっております。そこで、1人の技術者でひとつの工事を進められるようにすることを主目的に、この測量を自動で行えるシステムを開発しました。当期は開発2年目で、実稼働現場で試用検証を行い、実用可能であることを確認いたしました。この自動化システムの完成により、省人化の他、より短時間で必要な時期に測量確認ができることによって、シールド掘進機の適切な操作判断が行え、施工精度の向上に資することができます。 ⑨ 地球温暖化防止技術・環境保全技術 工事では多種多様な製品を調達し、燃料や電力を使用しております。再生可能エネルギーの活用に資する取り組みや、環境保全技術として工事における換気粉塵対策技術と騒音対策技術の向上への取り組みを継続しております。 ⑩ i-Construction、CIMへの取組 i-Constructionへの取り組みは、受注・契約条件としても必須となります。取り組むための機器・ソフトの運用と検証を進め、一般効率的な業務ツールとなるよう全社への展開を進め、より効率的な運用となる改善を進めております。当期は、VR技術による現場確認、三次元設計データ作成と、マシンコントロールによる土砂掘削・構造物構築を行っております。 (2) 福田道路㈱1.技術開発① アスファルト舗装の長寿命化についての研究(NEXCO総研との共同研究) 一昨年より、長寿命に資する路盤からの打換え工法をNEXCO総研と共同で検討し、本年は実路での試験施工を実施いたしました。今後、経過観察を行う予定であり、今後の評価の目安となる施工直後のたわみ量等のデータ取りを行いました。長寿命化に資する修繕工法の一つとして、引続き検討を進めて行く予定です。 ② 寒冷地に適応したひびわれ抑制舗装の検討 北海道開発局より「積雪寒冷地に対応した舗装技術」に関する技術募集があり、低温下でも曲げ性状が優れている舗装技術を提案いたしました。本年は、北海道にて試験施工を実施しており、今後5年間追跡調査を行う予定です。また、本技術はひび割れ抵抗性が優れていることから、寒冷地のみならず、一般地域でも舗装の長寿命化が期待できる技術であり、適用箇所の拡大に向けて検討を進めていく予定です。 ③ CO2削減に向けた取り組み アスファルト合材製造時に発生するCO2を吸着する技術開発に取り組みました。本年は、実験用プラントを用いた予備実験を実施しており、各種のデータ取りを行っております。結果を確認の上、今後は実機での検証を行い、CO2削減効果を確認する予定です。 ④ 「ファインPETシリーズ」の開発 廃PETボトルを舗装用添加材として活用するファインPETシリーズは、昨年高耐久舗装として「ファインPET-S」をリリースしましたが、適用箇所が重交通箇所と限定されることから、本年は、汎用商品として適度な強度と耐水性に優れた「ファインPET-Eco」をリリースいたしました。環境に優しい工法として、南魚沼市道で採用されており、今後も普及が期待されております。 ⑤ 「マルチファインアイ(画像損傷診断システム)」のシステム改良 マルチファインアイは、AIを用いた舗装診断システムとして実績を積んでおりますが、わだち掘れ量における精度向上のため、深度カメラを用いたシステム改良に取り組みました。本年は、予備実験を行っており、今後テスト走行によるデータ取りと結果の評価を行います。また、ひび割れ、IRIも利便性や精度向上を目的に改良を計画しており、総合的なシステム改良に取り組む予定です。 ⑥ 「SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)」の取り組み SIPとは、省庁横断的な戦略的イノベーション創造プログラムであり、金沢工業大学を中心とした北陸SIPの一員として活動いたしました。開発目標は、地方自治体のインフラメンテナンスに資する日常点検と定期点検を融合した総合システムの構築であり、本年は複数の自治体を対象に、舗装の維持管理についての実情をヒアリングしております。今後は、ヒアリング結果を踏まえたシステムの試作版を構築する予定で、点検技術の精査・システムの構築と検証を5年計画で進めてまいります。 ⑦ 開発技術の広報活動 開発した技術のアピールと、新たな技術開発の促進を行うために、報文発表や技術フェアに参加して成果を広報しております。 令和5年5月 インフラメンテナンス国民会議出展 令和5年6月 EE東北出展 令和5年9月 土木学会 全国大会参加 報文発表2編 令和5年10月 世界道路会議 プラハ大会出展 令和5年10月 けんせつフェア北陸出展 令和5年11月 建設技術展関東出展 令和5年11月 建設技術展近畿出展 令和5年11月 ハイウェイテクノ出展 令和5年12月 建設技術フェアIN中部出展 (3) ㈱興和① ICT施工、BIM/CIMへの取組み 2016年に国土交通省でi-Constructionが提唱されました。従前からドローン写真測量等、最新技術の習得に取り組み、ICT工種拡大、3Dデータを活用するBIM/CIMに備えてまいりました。2019年には、国土交通省の「建設現場の生産性を向上する革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト(PRISM)」に採択され、3D計測が非常に困難な自然斜面現場でのICT法面工の試行に取り組み、さらに2020年のICT法面工(吹付法枠工)の基準類制定を受け、国土交通省発注法面工事において全国に先駆けてICT施工を実施し、北陸地方整備局主催の現場見学会を開催するなど、技術力をPRしてまいりました。BIM/CIM関連では、国土交通省北陸地方整備局発注業務で3Dモデルを活用した取組みが評価され、地質調査業務では初めてとなる「令和2年度i-Construction大賞優秀賞」を受賞いたしました。2023年はLidar(光を用いたリモートセンシング技術)に着目し、更なる生産性向上・業務効率化を目指し、基準類の改定を提案いたしました。 ② 集水井点検カメラ 砂防関係施設のうち集水井工は、地すべり深層の地下水排除を目的とした重要施設ですが、従来の点検ではクレーンによる上蓋の取外しや昇降施設の設置、有毒ガスの排除や酸素の供給が必要であり、コストが過大となっておりました。そのため、経済的かつ安全・正確に立坑内の状況や機能の確認が可能な「立坑(集水井工)内の点検装置(集水井点検カメラ)」を開発し、2件の特許を取得いたしました。この技術により、これまで国土交通省の直轄地すべり防止区域及び新潟県所管の地すべり防止区域を中心に、800基超の集水井で、また県外においても岩手、山形、福島、群馬、宮崎で点検を行ってまいりました。この功績が認められ、2021年に砂防分野では初の快挙となる「第4回インフラメンテナンス大賞特別賞」を受賞しました。また受賞をきっかけに、弊社を中心としたコンサルタント業者4社で「集水井点検カメラ研究会」を立ち上げました。2023年度には、当技術がNETISに登録されたことを受け、今後全国的に認知が広まる事が期待されます。今後も現場からの意見を集約しながら改善・改良を進めるとともに、BIM/CIMの活用を念頭に置いた取組を進めることで、効率的且つ効果的な砂防関係施設点検の維持管理を目指してまいります。 ③ 下水熱利用への取り組み 下水熱は外気に比べて季節間の温度変化が少ない特長があり、都市部における未利用エネルギーとして注目されております。下水道管の底部に採熱管を設置して、熱を取り出す下水熱利用システムの開発に取り組んでおります。特に融雪分野では、融雪温度(循環水温度)が低くても融雪能力を発揮できることから、循環水温を昇温するヒートポンプ等を用いない融雪システムを開発し、2015年には新潟市のバスターミナルの歩道に融雪設備の施工を行いました。さらに2018年には国土交通省の「平成30年度下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)」に採択され、車道部に融雪システムを設置し実証研究を行いました。この成果は、国土技術政策総合研究所資料第1158号に導入ガイドライン(案)としてまとめられています。今後も融雪分野のトップランナーとして新潟県内外を問わず、また融雪分野にとどまらず下水熱利用システムの普及に貢献してまいります。 ④ 長距離配管気水洗浄工法 上・下水道、工業用水道、温泉送湯管等のパイプラインにおいて、管内面にスケール等が付着し、本来の通水能力が低下した場合、一般には洗浄治具を挿入したり、薬品や研磨剤などを用いたりして管内の洗浄を行いますが、特殊機械の使用や薬品等の大量使用と、廃棄によるコスト増大や洗浄後の薬品等の残留の懸念等の課題がありました。そこで従前より、水と圧縮空気しか使わず1.5km程度までの長距離配管を洗浄可能な本工法を開発し現場実証を続け、2015年にMade in 新潟新技術登録を行いました。本格的なインフラ維持管理の時代に突入し、安価で安全な本工法による洗浄工事の依頼も増えていく中、さらに国内の管更生工事業者等8社で「日本気水洗浄工法研究会」を2021年に立ち上げました。安全・安心な社会インフラを守るため、さらなる普及を目指してまいります。 ⑤ 遠隔監視制御機器(ネットワークロガー) 従前より、フィールドでの計測・監視技術で得た省電力の特長を生かした融雪施設の遠隔制御装置を販売しており、さらに下水道流域のマンホールポンプの運転状況や故障、マンホール内水位を管理事務所で監視できる遠隔監視制御装置を開発し、販売を行っております。最近では、光ファイバーや無線通信でのネットワークの構築のノウハウも生かしながら、北陸地整管内の一級河川等の樋門・水門監視にこれら機器の活用が広がっております。これら機器は、2005年からの累計で約1,400台の販売実績があり、今後も融雪や下水道、河川管理関係の他に、農場関係の揚水ポンプや道路排水ポンプ等に販売が見込まれております。 ⑥ 消雪パイプノズル調整作業時の誘導ロボット 雪国の冬期道路交通確保に必要な消雪パイプは、降雪シーズンを前に一斉にノズル調整作業を実施してその機能の維持を図っております。調整作業は数名の作業員が隊列を組み、消雪パイプに沿って移動しながら行いますが、車両の流れを止めずに行うため、隊列の前後に交通誘導員を配置し、矢印版や手旗で通行車両への注意喚起を行っております。しかしながら降雪前は繁忙期であることと、昨今の人手不足も相まって、交通誘導員の確保が課題となっております。現在開発中である台車型のロボットは隊列の前後に配置され、先導車は事前に機械学習されたデータをもとに、搭載されたカメラにより消雪ノズルをAIにより検知して、それに沿って自律走行を行います。また、後続車は最後尾の作業員をカメラで検知し追従します。先導・後続車共に矢印版や電光板を搭載し通行車両に注意喚起を促しつつ、衝突回避のためのソフト・ハード的な安全対策も装備しております。この開発は、労働力不足と作業員の安全確保に寄与でき、またAIカメラによる自動ノズル点検・台帳作成等にも発展できる可能性もあり、消雪パイプの維持管理の将来を見据えた有効な技術になり得ると考えております。 (4) ㈱レックス 社会インフラのメンテナンス・老朽化対策や現場生産性向上をはじめとして、当社や建設業界が抱える課題や社会的ニーズを踏まえ、それらに資する新技術や新工法等の開発を進めております。 ① 「ハイブリッド・塩害補強工法」の開発 本工法は、塩害を受けた鉄筋コンクリート構造物の補修・補強工法であり、鉄筋腐食抑制効果を有するシラン系含浸材の塗布面に、炭素繊維シート補強材を接着可能とすることで、鉄筋腐食抑制と補強を両立させる技術です。従来技術においては、含浸材施工面への炭素繊維シートの施工は、付着性等の問題から不可能でした。そこで、材料メーカーとの共同研究により、付着性能及び施工性の問題をクリアする専用プライマーを開発し、2018年に新工法として上市致しました。 本技術は、2019年にMade in新潟 新技術普及制度に登録(2019D102)、2021年3月には、特許(特許第6861190号)に登録されました。加えて、2022年11月には国土交通省のNETISにも登録(HR-220007-A)され、塩害が著しい北陸地域にマッチした新技術として今後の活用が見込まれます。② 高輝度・LED矢印板「TWIN・VISION」の開発 夜間道路工事用のLED矢印板の板面に高輝度反射シートを付加することで、従来品と比較し、あらゆる条件下において視認性・安全性の向上を図った新製品を開発致しました。矢印板全体の視認性が向上する他、故障やバッテリー切れ等によるLED消灯時でも視認性を保持することができます。また、高輝度反射シート面が損傷した際などには、容易に交換が可能となっております。 本製品は、2021年9月にMade in 新潟新技術普及制度に登録(2021D105)され、当社のレンタル事業・販売部門を通じてユーザーに提供され、その高機能な面について好評を頂いております。 ③ 蓄光コーンバーの開発 工事現場等の規制材として、カラーコーンと併せて用いられるコーンバーの新製品を開発致しました。コーンバー端部のリング部材に蓄光材料を混入することで、薄暮時にリング部が発光し、視認性・安全性が向上します。また、パイプ部材にポリカーボーネイトを採用することで、耐久性を確保しながら従来品よりも軽量化が図られ、作業性向上が期待できます。 本製品は、2024年2月にMade in 新潟新技術普及制度に登録(2023D202)され、当社のレンタル事業・販売部門を通じてユーザーに提供され、類のない製品として採用されております。 ④ 現場の生産性向上技術の開発 現場の生産性向上や課題解決のため、DX等を活用した技術開発に取り組み始めております。コンクリート構造物補修工事における断面修復工の出来形(体積)測定の効率化や、区画線作業の自動化施工等の技術開発に向けて検討を行っております。 ( 不動産事業及びその他 ) 研究開発活動は、特段行われておりません。
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5【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、「価値創造」の経営理念のもと、生産性向上・品質向上・自然環境の保全に加え、新たな分野への市場参入を目的とした新工法の実証実験等を中心に取り組んでおります。 また、現場に密着した研究開発ニーズと独創的なアイディアの発掘を目的として、広く社員から意見を募り研究開発活動に反映させております。 なお、当連結会計年度は研究開発費として、179百万円を投入しております。 当連結会計年度の主な研究テーマは次のとおりであります。 ( 建設事業 )(1) 当社① RCS構造に対する取り組み 鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁混合構造(RCS構造)は、剛性が高く、高い軸方向支持力を持つRC柱と軽量で曲げ耐力が高く、大スパンが可能な鉄骨梁とのハイブリッド構造であり、以前より存在した構造でありますが、RC造や鉄骨造に比べると普及しているとは言い難い状況でした。しかし、近年、大スパンかつ積載荷重の大きな倉庫等の用途でニーズが高まっており、設計施工での採用に向けて、継続的に調査、研究、試設計などに取り組んでおります。 ② 施工(現場)でのBIMモデル活用 鉄骨アンカーボルトと鉄筋、免振装置と鉄筋など基礎部分の配筋検討、又はSRCや形状が複雑な地上階の配筋納まり検討などを継続的にしております。形状が複雑な建物をBIMモデル化し、そこへ協力会社からの3Dデータをインポートした「統合モデル」を使用して、各部材の納まり検討・打合せ・調整をしたり、足場組立の計画をするなど幅広く活用しております。また、3Dモデルからの2D図面化、コンクリートや面積などの数量算出など、現場が必要としている部分についての対応などもしております。ハード面での取り組みとしては、全国どこの作業所でもインターネットに繋げることで、仮想デスクトップ環境を使用してBIMソフトを操作できるよう整備しております。 ③ 既存建築物の改修技術の研究 既存建築物の耐震性向上や、耐久性改善等の長寿命化及びコンバート対応できるリニューアル技術を研究し、ストック価値を高める構・工法の開発を目指しております。 ④ 橋梁維持更新(吊足場) 橋梁における維持管理及び補修においての作業床の敷設施工における作業員の安全性の向上、敷設の円滑化による作業効率の向上を目的とした吊足場の実証実験を進めてまいりました。今期、「フライングステージを用いたつり棚足場」の名称で、仮設工業会のシステム承認を得ました。展示会への出展、受注現場での実用改善、機能を付加する開発を進めてまいりました。橋梁維持更新工事に活用してまいります。 ⑤ コンクリート構造物の延命化工法 社会経済活動の基盤である土木コンクリート構造物は、高度経済成長期以降に集中的に整備されており、今後、建設から50年以上経過して劣化が進む割合が加速度的に増加することが予想されています。そこで、これらの土木コンクリート構造物を計画的に維持管理することを目的とした、劣化構造物の延命化工法の開発に取組んでおります。長岡工業高等専門学校と他2社との共同研究として取り組んでおり、国立研究開発法人からの助成研究に採択されました。助成を活用した実験計測を行っております。 ⑥ デュアルシールド工法の自動測量システム 当社はデュアルシールド工法で下水道トンネル工事を行っておりますが、施工精度を確保するために毎日測量を行って精度確認をしていく必要があります。現状では、2人で測量を行っております。加えて昼夜交代で工事を行う場合には、交代のために1現場で4人の測量人員を確保する必要があります。これからも多くの受注が見込まれることから、複数の工事を同時に行える体制を整えることが急務となっています。そこで、1人の技術者で、1つの工事を進めていくことを主目的に、測量を自動で行えるシステムの開発を行ってまいりました。この自動化システムの完成で、省人化の他、より短時間で必要な時期に測量確認ができることによって、シールド掘進機の適切な操作判断が行え、施工精度の向上に資すると考えております。 ⑦ 動画とAIを活用した山岳トンネル掘削時の地山状況判定 山岳トンネル工事では、日々の切羽観察によって岩盤の良し悪しを判定し、適切な支保パターンの決定や補助工法の要否を判断しております。この際、トンネル技術者は標準的に行う切羽観察に加えて、掘削時の地山の崩れ方、音、既施工区間との変化等も同時に観察しております。特に崩落岩塊の動的な挙動(崩落の仕方、規模等)は、地山の土砂化の程度や補助工法の要否に関連すると考えられ、この説明資料として動画が活用され始めていますが、現状では主観的な活用にとどまっています。このような動的挙動を客観的に評価するためAI(人工知能)の導入に取り組んでおります。昨年、実現場での試験運用を実施し、技術の有効性について確認致しました。今後も精度や実用性の改善のために検証を継続して行う予定でおります。https://www.fkd.co.jp/wp-content/uploads/2022/10/359085e52270f215cd2195c430f3cc2b.pdf※リンク先:福田組ホームページ内 ⑧ 初期変位を用いた逆解析システム トンネル工事をはじめとする地下構造物を建設する際、適切なトンネルの支保構造や、工法等を検討することが重要です。しかしながら、施工前及び施工時に得られる地質調査データは、必ずしも十分ではないため、掘削時において坑内変位等の計測データを用いた逆解析により、地山物性値を推定し、以降の施工に活用することが行われております。この逆解析は、時間がかかり実用に問題がございます。そこで、掘削直後の初期変位から、パラメータの逆解析を行い、当該位置の最終変位を推測することで、対策検討の実用に資するシステム開発を行っております。 ⑨ 地球温暖化防止技術・環境保全技術 工事では多種多様な製品を調達し、燃料や電力を使用しております。カーボンニュートラルの実現に向けた第一歩として、工事現場における電力消費量の見える化と、主要設備の最適運転により電力消費量を削減しようとするエネルギーマネジメントシステムの開発を進めております。また、再生可能エネルギーの活用に資する取り組みを強化しました。さらに、環境保全技術として、工事における換気粉塵対策技術と、騒音対策技術の向上が必要と判断して、取り組んでおります。 ⑩ i-Construction、CIMへの取組i-Constructionへの取り組みは、受注・契約条件として必須です。取組むための機器・ソフトの運用と検証を進め、一般効率的な業務ツールとなるよう全社への展開を進め、より効率的な運用となる改善を進めております。 (2) 福田道路㈱1.技術開発① アスファルト舗装の長寿命化についての研究(NEXCO総研との共同研究) 高速道路の老朽化が進み、更新期に差し掛かるにあたり、舗装全層を改良し、長寿命舗装を構築する新しい技術開発を行いました。次期も引続き取り組む予定でおります。 ② 橋面舗装の遮水性能向上についての研究(土木研究所との共同研究) 道路構造令が改定される前に建設された橋梁の老朽化による、コンクリート床版の「砂利化」が深刻な問題となっております。土木研究所との共同研究により、端部防水工を提案し、検証を行っております。 ③ カーボンニュートラルに向けたフォームドアスファルトへの取り組み 地球温暖化が進む中、2050年カーボンニュートラルに向けて、As混合物を低温で製造するためのフォームド装置を令和3年12月に千葉共同アスコンに導入しました。今期は、施工性改善を目的とした、混合物の性状の把握に努め、実施工まで実施致しました。また、低温製造に関しても、試験練を実施し、室内試験により所定の性能を発揮することを確認するとともに、機械設備面でのデータ収集も行いました。 ④ DXの推進 精度の問題から、ICT技術の普及に難がある舗装修繕工事にMMS(モービルマッピングシステム)と、GNSSマシンコントロール切削機の連携による現場計測ゼロへの取り組みを検討致しました。3工事にて試行的に取り組んでおり、精度的にも実用上問題ないことが確認できました。 ⑤ 「ファインPET-S(高耐久合材)」のリリース 舗装インフラの長寿命化が強く要求されるなか、耐流動性・耐油性に優れたアスファルト合材「ファインPET-S」をリリースしました。今期は3例の施工実績を積み上げ、更にデータを収集して完成度を高める予定です。廃PETボトルを有効活用しており、環境に優しい工法でもあり、今後も需要が見込まれることから、用途開発にも取り組んでまいります。 ⑥ 「マルチファインアイ(画像損傷診断システム)」のシステム改良 AIを用いた路面診断技術である「マルチファインアイ」は、開発から5年が経過し調査実績も着実に増加しておりますが、一方で計測機器の陳腐化に伴う改良や精度のさらなる向上など、バージョンアップが必要です。今期は画像取得や路面プロファイルの取得システムの改良に取り組みました。 ⑦ 「メジテープ(成型目地材)」の形状改良 成型目地材のメジテープは舗装端部止水で実績を伸ばしてきましたが、地方自治体様よりL型形状の要望がありました。所用の性能を満足した製品を供給すべく、形状改良の検討を行っております。 ⑧ 開発技術の広報活動 開発した技術のアピールと、新たな技術開発の促進を行うために、報文発表や技術フェアーに参加して成果を広報しております。 令和4年5月 北陸道路舗装会議 5編発表 令和4年6月 EE東北出展 令和4年10月 建設技術フェアーIN中部出展 令和4年11月 建設技術展近畿出展 令和4年11月 ハイウェイテクノ出展 (3) ㈱興和① ICT施工、BIM/CIMへの取組み 2016年に国土交通省でi-Constructionが提唱されました。従前からドローン写真測量等、最新技術の習得に取り組み、ICT工種拡大、3Dデータを活用するBIM/CIMに備えてまいりました。2019年には、国土交通省の「建設現場の生産性を向上する革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト(PRISM)」に採択され、3D計測が非常に困難な自然斜面現場でのICT法面工の試行に取り組み、さらに2020年のICT法面工(吹付法枠工)の基準類制定を受け、国土交通省発注法面工事において全国に先駆けてICT施工を実施し、北陸地方整備局主催の現場見学会を開催するなど、技術力をPRしてまいりました。BIM/CIM関連では、国土交通省北陸地方整備局発注業務で3Dモデルを活用した取組みが評価され、地質調査業務では初めてとなる「令和2年度i-Construction大賞優秀賞」を受賞しました。2023年はLidar(光を用いたリモートセンシング技術)に着目し更なる生産性向上・業務効率化を目指し、ICT施工、BIM/CIMに積極的に取り組んでまいります。 ② 集水井点検カメラ 砂防関係施設のうち集水井工は、地すべり深層の地下水排除を目的とした重要施設ですが、従来の点検ではクレーンによる上蓋の取外しや昇降施設の設置、有毒ガスの排除や酸素の供給が必要であり、コストが過大となっておりました。そのため、経済的かつ安全・正確に立坑内の状況や機能の確認が可能な「立坑(集水井工)内の点検装置(集水井点検カメラ)」を開発し、2件の特許を取得しました。この技術により、これまで国土交通省の直轄地すべり防止区域及び新潟県所管の地すべり防止区域を中心に、800基超の集水井で、また県外においても岩手、山形、福島、群馬、宮崎で点検を行ってまいりました。この功績が認められ、2021年に砂防分野では初の快挙となる「第4回インフラメンテナンス大賞特別賞」を受賞しました。また受賞をきっかけに、弊社を中心としたコンサルタント業者4社で「集水井点検カメラ研究会」を立ち上げました。今後も砂防関係施設点検の効率化を実現するため、BIM/CIMの活用により維持更新の省力化を目指します。 ③ 裏山雨量計プロジェクト 裏山雨量計プロジェクトは、土砂災害の危険性が高い地域の裏山に雨量計を設置するとともに、地域住民が理解しやすいデータの見せ方として「がけ崩れおっかない指数」を算出し、そのデータをweb提供することで、地域住民の早めの避難と防災力の強化を図ることを目的としております。本プロジェクトは2015年に新潟県から寺泊山田地区のフィールドを提供いただき、地域住民の方々の意見を取り入れながらシステムの運用、改良を行っております。これらの取り組みについてまとめた報文は、「2019年(公社)日本地すべり学会賞(技術報告賞)」を受賞致しました。2022年8月には、国土交通省の道路土工構造物点検及び防災点検の効率化技術として選定され、2023年は宮崎県にて実証実験を行う予定です。今後もシステムの改良や機能追加を行い、土砂災害が懸念される地域の安全・安心に向けた取り組みを行ってまいります。④ 下水熱利用への取組み 下水熱は外気に比べて季節間の温度変化が少ない特長があり、都市部における未利用エネルギーとして注目されております。下水道管の底部に採熱管を設置して、熱を取り出す下水熱利用システムの開発に取り組んでおります。特に融雪分野では、融雪温度(循環水温度)が低くても融雪能力を発揮できることから、循環水温を昇温するヒートポンプ等を用いない融雪システムを開発し、2015年には新潟市のバスターミナルの歩道に融雪設備の施工を行いました。さらに2018年には、国土交通省の「平成30年度下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)」に採択され、車道部に融雪システムを設置し実証研究を行いました。この成果は、国土技術政策総合研究所資料第1158号に導入ガイドライン(案)としてまとめられております。今後も融雪分野のトップランナーとして新潟県内外を問わず、また融雪分野にとどまらず下水熱利用システムの普及に貢献してまいります。 ⑤ 長距離配管気水洗浄工法 上・下水道、工業用水道、温泉送湯管等のパイプラインにおいて、管内面にスケール等が付着し、本来の通水能力が低下した場合、一般には洗浄治具を挿入したり、薬品や研磨剤などを用いて管内の洗浄を行いますが、特殊機械の使用や薬品等の大量使用と、廃棄によるコスト増大や洗浄後の薬品等の残留の懸念等の課題がありました。そこで従前より、水と圧縮空気しか使わず1.5km程度までの長距離配管を洗浄可能な本工法を開発し現場実証を続け、2015年にMade in 新潟新技術登録を行いました。本格的なインフラ維持管理の時代に突入し、安価で安全な本工法による洗浄工事の依頼も増えていく中、さらに国内の管更生工事業者等8社で「日本気水洗浄工法研究会」を2021年に立ち上げました。安全・安心な社会インフラを守るため、さらなる普及を目指してまいります。 ➅ 遠隔監視制御機器(ネットワークロガー) 従前より、フィールドでの計測・監視技術で得た省電力の特長を生かした融雪施設の遠隔制御装置を販売しており、さらに下水道流域のマンホールポンプの運転状況や故障、マンホール内水位を管理事務所で監視できる遠隔監視制御装置を開発し、販売を行っております。最近では、光ファイバーや無線通信でのネットワークの構築のノウハウも生かしながら、北陸地整管内の一級河川等の樋門・水門監視にこれら機器の活用が広がってきております。これら機器は、2005年からの累計で約1,300台の販売実績があり、今後も融雪や下水道、河川管理関係の他に、農場関係の揚水ポンプや道路排水ポンプ等に販売が見込まれております。 ⑦ 老朽化したモルタル斜面の維持修繕技術 モルタル斜面は、昭和30年代後半より施工されてきており、施工後50年以上経過し老朽化したモルタル斜面の施設数は膨大な数となっています。更新にあたり、法面作業員の不足、産業廃棄物処理問題、鉄さびによる構造物の劣化進行 と抱える課題は多い現状です。これらの課題を解決するため、環境負荷の少ない天然鉱物補強繊維の導入や軽くて錆びない繊維ボルトによる作業軽減、鉄材からの脱却を目指し開発を行っております。この技術は、2022年に新潟県補助金制度を利用し試験施工を実施しました。今後、ゲリラ豪雨や地震等の外的要因が発生した場合においても、斜面の安定を確認することができれば、斜面防災の維持修繕において大きな改善、効果が期待できます。 (4) ㈱レックス 社会インフラの長寿命化対策や現場の生産性向上(建設DX)等をはじめとして、当社や建設業が抱える課題や社会的ニーズを踏まえ、それらに資する新技術や新工法等の開発を進めております。 ① 「ハイブリッド・塩害補強工法」の開発 本工法は、塩害を受けた鉄筋コンクリート構造物の補修・補強工法であり、鉄筋腐食抑制効果を有するシラン系含浸材の塗布面に、炭素繊維シート補強材を接着可能とすることで、鉄筋腐食抑制と補強を両立させる技術です。従来技術においては、含浸材施工面への炭素繊維シートの施工は、付着性等の問題から不可能でした。そこで、材料メーカーとの共同研究により、付着性能及び施工性の問題をクリアする専用プライマーを開発し、2018年に新工法として上市致しました。本技術は、2019年にMade in新潟 新技術普及制度に登録、2021年3月には、特許(特許第6861190号)に登録されました。加えて、2022年11月には国土交通省のNETISにも登録(HR-220007-A)され、新技術として今後の活用が見込まれます。 ② 高輝度・LED矢印板「TWIN・VISION」の開発 夜間道路工事用のLED矢印板の板面に、高輝度反射シートを付加することで、従来品と比較し、あらゆる条件下において、視認性・安全性の向上を図った新製品を開発しました。矢印板全体の視認性が向上する他、故障やバッテリー切れ等によるLED消灯時でも視認性を保持することができます。また、高輝度反射シート面が損傷した際などには、容易に交換が可能となっております。 本製品は、2021年9月にMade in 新潟新技術普及制度に登録され、当社のレンタル事業・販売部門からユーザーに提供され、好評を頂いております。 ③ 「吹付け・コテ塗り併用型靱性モルタル(靱性モルタルNA)」の開発 コンクリート構造物の断面修復や表面被覆に使用される靱性モルタルは、一般的なポリマーセメントモルタルと比較し、ひび割れ防止や耐久性等の性能に優れる一方で、専用施工機械が必要であり、コテ塗り施工ができない等、施工上の制約がありました。従来製品の材料や配合の見直しを行い、コテ塗りや汎用機械施工が可能な新製品「靱性モルタルNA」を開発致しました。 本技術は、2016年にMade in新潟 新技術普及制度に登録され、農業用水路の表面被覆工事等、農業水利施設補修工事において50,000m2以上の実績があります。現在はその優れた材料特性を活かし、土木コンクリート構造物メンテナンス(補修・補強)分野への適用について、検討を進めております。 ④ 現場の生産性向上に資する技術の開発 施工現場の生産性向上や課題解決のため、ICTやAI技術等の活用により、現場のDX化や生産性向上に寄与する技術の開発に取り組み始めております。昨年より、断面修復工の出来形測定の効率化及び補修図面の自動データ化等の技術開発に向けた検討を行っております。 ( 不動産事業及びその他 ) 研究開発活動は、特段行われておりません。
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5【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、「価値創造」の経営理念のもと、生産性向上・品質向上・自然環境の保全に加え、新たな分野への市場参入を目的とした新工法の実証実験等を中心に取り組んでおります。 また、現場に密着した研究開発ニーズと独創的なアイディアの発掘を目的として、広く社員から意見を募り研究開発活動に反映させております。 なお、当連結会計年度は研究開発費として、164百万円を投入しております。 当連結会計年度の主な研究テーマは次のとおりであります。 ( 建設事業 )(1) 当社① RCS構造に対する取り組み 鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁混合構造(RCS構造)は、剛性が高く、高い軸方向支持力を持つRC柱と軽量で曲げ耐力が高く、大スパンが可能な鉄骨梁とのハイブリッド構造であり、以前より存在した構造でありますが、RC造や鉄骨造に比べると普及しているとは言い難い状況でした。しかし、近年、大スパンかつ積載荷重の大きな倉庫等の用途でニーズが高まっており、設計施工での採用に向けて、調査、研究に取り組んでおります。 ② 既存建築物の改修技術の研究 既存建築物の耐震性向上や耐久性改善等の長寿命化及びコンバート対応できるリニューアル技術を研究し、ストック価値を高める構・工法の開発を目指しております。特に、リニューアル工事につきましては、設計・施工による実績も増加しており、耐震補強に関する提案力の向上及びその受注に向けた取り組みを行っております。 ③ コンクリートの長さ変化、ひび割れに関する調査・研究 コンクリート強度、骨材、混和材などをパラメータとして、コンクリートの長さ変化やひび割れの観察などの調査・研究を継続して行っております。また、得られた知見につきましては、コンクリートの温度応力解析などへの活用を考えております。 ④ BIMの活用への取り組み BIM(ビルディングインフォメーションモデリング)については、複雑な形状の建物の納まりや配筋の納まりの確認、施工ステップの3D化など、現場での活用に向けた取り組みを継続的に行っております。改修工事などにおいても、既存建物の天井内を3Dスキャナーで読み取り、既存鉄骨・天井下地等をモデル化したものと新設する補強鉄骨・ダクト部材をモデル化したものを統合し、干渉チェックや加工寸法の確定に使用するなど活用範囲も広がっております。今後も現場支援を中心として、活用を継続して行く予定です。 ⑤ 高耐久コンクリートの開発 新潟県を含む日本海沿岸部の鉄筋コンクリート構造物は、厳しい塩害環境にあり、また、沿岸部以外においても積雪寒冷地であることから、凍結防止剤による塩害劣化を受けるため、高耐久化が求められております。そこで、セメントに各種混和材を混合した、高耐久(耐塩害)コンクリートの開発を目的とした実験研究を進めております。当期は、その成果を新潟大学との連名で論文に纏めました。 ⑥ 橋梁維持更新(吊足場) 橋梁における維持管理及び補修において、作業床の敷設施工における作業員の安全性の向上、敷設の円滑化による作業効率の向上を目的とした、吊足場の実証実験を進めて参りました。当期、「フライングステージを用いたつり棚足場」の名称で、仮設工業会のシステム承認を得ました。展示会への出展、受注現場での実用改善、機能を付加する開発を行い、橋梁維持更新工事に取り組んでおります。 ⑦ コンクリート構造物の延命化工法 社会経済活動の基盤である土木コンクリート構造物は、高度経済成長期以降に集中的に整備されており、今後、建設から50年以上経過して、劣化が進む割合が加速度的に増加することが予想されます。そこで、これらの土木コンクリート構造物を、計画的に維持管理することを目的にした、劣化構造物の延命化工法の開発に取組んでおります。長岡工業高等専門学校と他2社との共同研究として取り組んでおり、国立研究開発法人からの助成研究に採択されました。助成を活用して、早期に効果の高い工法となるよう取り組んでまいります。⑧ デュアルシールド工法の自動測量システム 当社は、デュアルシールド工法で下水道トンネル工事を行っておりますが、施工精度を確保するために、毎日測量を行って精度確認をしていく必要があります。現状では、2人で測量を行っております。加えて昼夜交代で工事を行う場合には、交代のために1現場で4人の測量人員を確保する必要があります。これからも多くの受注が見込まれることから、複数の工事を同時に行える体制を整えることが急務となっております。そこで、1人の技術者で一つの工事を進められるようにすることを主目的に、この測量を自動で行えるシステムの開発を始めました。この自動化システムの完成によって、省人化の他、より短時間で必要な時期に測量確認ができることによって、シールド掘進機の適切な操作判断が行え、施工精度の向上に資すると考えております。 ⑨ 写真測量技術を用いたトンネル掘削出来形管理システム「Te-Sアシスタント」 山岳トンネル工事では、掘削の過不足が過大になると、作業手間や材料のロスに繋がります。一般に、掘削形状の確認は、作業員が切羽に接近して目視で行うため、切羽崩落災害に巻き込まれるリスクも付きまといます。このため、効率的かつ手軽に掘削形状を確認する手段として、画像から点群データを生成するSfM(Structure from Motion)を活用した写真測量技術により、トンネル掘削時の仕上がり状況を可視化しガイダンスするシステム「Te-Sアシスタント」を開発し、生産性及び安全性の向上に取り組んでおります。当期は、精度検証実験を行っております。 ⑩ 動画とAIを活用した山岳トンネル掘削時の地山状況判定 山岳トンネル工事では、日々の切羽観察によって岩盤の良し悪しを判定し、適切な支保パターンの決定や補助工法の要否を判断しております。この際、トンネル技術者は標準的に行う切羽観察に加えて、掘削時の地山の崩れ方、音、既施工区間との変化等も同時に観察しております。特に、崩落岩塊の動的な挙動(崩落の仕方、規模等)は、地山の土砂化の程度や補助工法の要否に関連すると考えられ、この説明資料として動画が活用され始めていますが、現状では主観的な活用にとどまっております。そこで、このような動的挙動を客観的に評価するため、AI(人工知能)の導入に取り組んでおります。今後、実現場での試験運用を行う予定です。 ⑪ 初期変位を用いた逆解析システム トンネル工事をはじめとする地下構造物を建設する際、適切なトンネルの支保構造や工法等を検討することが重要です。しかしながら、施工前及び施工時に得られる地質調査データは必ずしも十分ではないため、掘削時において、坑内変位等の計測データを用いた逆解析により地山物性値を推定し、以降の施工に活用することが行われております。この逆解析は時間がかかり、実用に問題があります。そこで、掘削直後の初期変位からパラメータの逆解析を行い、当該位置の最終変位を推測することで、対策検討の実用に資するシステム開発を行っております。 ⑫ 地球温暖化防止技術・環境保全技術 工事では、多種多様な製品の調達や、燃料や電力を消費しております。そこで、カーボンニュートラルの実現や、再生可能エネルギーの活用に資する調達への取り組みを強化しました。環境保全技術としては、工事における換気粉塵対策技術や、騒音対策技術の向上などに、現在取り組んでおります。 ⑬ i-Construction、CIMへの取り組み i-Constructionへの取り組みは、受注・契約条件として必須とされています。取り組むための機器・ソフトの運用と検証を進め、効率的な業務ツールとなるよう全社への展開を進め、より効率的となるよう改善を進めております。 (2) 福田道路㈱1. 技術開発① 「マルチファインアイ(画像損傷診断システム)」を利用した包括契約への取り組み 2017年12月14日にサービス提供を開始し、2022年2月現在、新潟市・藤崎町・三条市・弥彦村・近畿地整・北陸地整・北海道開発局・札幌市・東京都等20件以上の業務を実施いたしました。 ② 「マルチファインアイ(画像損傷診断システム)」のバージョンアップ 舗装のアセットマネジメントに向けた取り組みの一環として、診断システムのバージョンアップを行いました。また、帳簿作成におけるGISシステムを改修し、作業効率の向上に努めております。 ③ 「ヒートドレッシングJr」(加熱式クラック補修工法)施工機械改造による広域展開 路上表層再生工法であるヒートドレッシング工法の維持工事への適用として、ヒートドレッシングJr(加熱式クラック補修工法)の施工機械を開発し、実証実験を行ってきました。2021年度は札幌市の維持工事において試験施工を実施、2022年度より札幌市清田区の維持工事で使用して、2023年度には他の工区に広めていきたいと考えております。また、今年度から2号機を投入して、新潟・東北地区(2号機)と北海道地区(1号機)の施工実績を積み上げていきたいと考えております。 ④ カーボンニュートラルに向けたフォームドアスファルトへの取り組み 地球温暖化が進む中、2050年カーボンニュートラルに向けて、As混合物を低温で製造するためのフォームド装置を2021年12月に千葉共同アスコンに導入いたしました。全社的な水平展開の可能性を検討しつつ、効果の検証を行っております。低温でも施工が可能な施工性改善から始め、低温製造に向けた取り組みに移行させて参ります。 ⑤ アスファルト舗装の長寿命化について(NEXCO総研との共同研究) 従来の舗装構造設計の考え方(Ta法 目標10~20年)を見直し、目標50~100年の耐久性を備えたアスファルト舗装の長寿命化に取り組んでおります。今後は、東名高速道路での本線試験施工を予定しております。 ⑥ オレフィンを利用した次世代改質アスファルト混合物の適用 ポリプロピレンやポリエチレンなどのオレフィンを利用した、改質アスファルト混合物の適用を検討しております。従来の改質アスファルトと比較して、同等以上の耐流動性に加え、耐水性や耐油性を付与することが出来ます。たわみ追従性とのバランスが課題となっております。 ⑦ ICTの推進 建設ICTから建設DXへ。DXの取り組みに関して、様々な業種と連携することで業界をリードしていきたいと考えております。ICTが進んでいない舗装修繕工事に、MMS(モービルマッピングシステム)とGNSSマシンコントロール切削機の連携による、現場計測ゼロへの取り組みを始めました。2022年3月に試験施工を実施し、ルール改正を含め、業界や発注者への働きかけを進めて参ります。また、昨年に引き続き、GIS(地理情報システム)・BIM/CIM・全天球動画及び画像への取り組みなど、ICTの積極的な活用を進め、DX推進室・技術研究所とファインロードコンサルタントの女性社員によるICT推進チームのレベルアップに向けて、体制を整備して参ります。 ⑧ 新製品(ポストファインテープ・高性能As合材保温シート等)の開発 右肩上がりで販売増を続けるファインテープにおいて、新たな価値を持った新製品の開発を進めております。目地テープの改良型は、土木研究所との共同研究で進めております。 また、繊維会社と共同で、高性能As合材保温シートの実証実験を続けております。 2.各種登録について特許申請等 ・登録:マルチファインアイ 3.その他追跡調査の実施 今年度、追跡調査を行ったのは以下の5技術となります。 ・アイスインパクト (弾性型凍結抑制舗装) ・ファインシート (多機能性凍結抑制舗装技術) ・ヒートドレッシング工法 (加熱式表面処理工法) ・ヒートドレッシング・Jr (加熱式クラック補修工法) ・メジテープ (成形目地材) (3) ㈱興和① 下水熱利用への取組み 下水熱は外気に比べて季節間の温度変化が少ない特長があり、都市部における未利用エネルギーとして注目されております。弊社では、下水道管の底部に採熱管を設置して熱を取り出す、下水熱利用システムの開発に取り組んでおります。特に融雪分野では、融雪温度(循環水温度)が低くても、融雪能力を発揮できることから、循環水温を昇温するヒートポンプ等を用いない融雪システムを開発し、2015年には新潟市のバスターミナルの歩道に、融雪設備の施工を行いました。さらに2018年には、国土交通省の「2018年度下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)」に採択され、車道部に融雪システムを設置し、実証研究を行いました。この成果は、国土技術政策総合研究所資料第1158号に導入ガイドライン(案)としてまとめられております。今後も融雪分野のトップランナーとして、新潟県内外を問わず、また融雪分野にとどまらず、下水熱利用システムの普及に貢献して参ります。 ② ICT施工、BIM/CIMへの取組み 2016年に国土交通省でi-Constructionが提唱されました。弊社では、従前からドローン写真測量等、最新技術の習得に取り組み、ICT工種拡大、3Dデータを活用するBIM/CIMに備えて参りました。2019年には、国土交通省の「建設現場の生産性を向上する革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト(PRISM)」に採択され、3D計測が非常に困難な自然斜面現場でのICT法面工の試行に取り組み、さらに2020年のICT法面工(吹付法枠工)の基準類制定を受け、国土交通省発注工事において、全国に先駆けてICT施工を実施し、北陸地方整備局主催の現場見学会を開催するなど、技術力をPRして参りました。BIM/CIM関連では、国土交通省北陸地方整備局発注業務で、3Dモデルを活用した取組みが評価され、地質調査業務では初めてとなる「2020年度i-Construction大賞優秀賞」を受賞いたしました。今後もさらなる生産性向上を目指し、ICT施工、BIM/CIMに積極的に取り組んで参ります。 ③ 集水井点検カメラ 砂防関係施設のうち集水井工は、地すべり深層の地下水排除を目的とした重要施設ですが、従来の点検では、クレーンによる上蓋の取外しや昇降施設の設置、有毒ガスの排除や酸素の供給が必要であり、コストが過大となっておりました。そのため、経済的かつ安全・正確に、立坑内の状況や機能の確認が可能な“立坑(集水井工)内の点検装置(集水井点検カメラ)”を開発し、2件の特許を取得いたしました。この技術により、これまで国土交通省の直轄地すべり防止区域及び新潟県所管の地すべり防止区域を中心に、800基超の集水井で点検を行って参りました。この功績が認められ、2021年に砂防分野では初の快挙となる「第4回インフラメンテナンス大賞特別賞」を受賞いたしました。また、受賞をきっかけに、弊社を中心としたコンサルタント業者4社で「集水井点検カメラ研究会」を立ち上げました。今後も砂防関係施設点検への活用が期待されております。 ④ 長距離配管気水洗浄工法 上・下水道、工業用水道、温泉送湯管等のパイプラインにおいて、管内面にスケール等が付着し本来の通水能力が低下した場合、一般には洗浄治具を挿入したり、薬品や研磨剤などを用いたりして管内の洗浄を行いますが、特殊機械の使用や薬品等の大量使用と廃棄によるコスト増大や、洗浄後の薬品等の残留の懸念等の課題がありました。弊社では、従前より水と圧縮空気しか使わず1.5km程度までの長距離配管を洗浄可能な本工法を開発して現場実証を続け、2015年にMade in 新潟新技術登録を行いました。本格的なインフラ維持管理の時代に突入し、安価で安全な本工法による洗浄工事の依頼も増えていく中、さらに国内の管更生工事業者等8社で「日本気水洗浄工法研究会」を2021年に立ち上げました。安全・安心な社会インフラを守るため、さらなる普及を目指して参ります。 ⑤ 裏山雨量計プロジェクト 裏山雨量計プロジェクトは、土砂災害の危険性が高い地域の裏山に雨量計を設置するとともに、地域住民が理解しやすいデータの見せ方として「がけ崩れおっかない指数」を算出し、そのデータをweb提供することで、地域住民の早めの非難と、防災力の強化を図ることを目的としています。本プロジェクトは、2015年に新潟県から寺泊山田地区のフィールドを提供いただき、地域住民の方々の意見を取り入れながらシステムの運用、改良を行っております。これらの取り組みについてまとめた報文は、「2019年(公社)日本地すべり学会賞(技術報告賞)」を受賞いたしました。今後もシステムの改良や機能追加を行い、土砂災害が懸念される地域の安全・安心に向けた取り組みを行って参ります。 ⑥ 遠隔監視制御機器(ネットワークロガー) 建設業界でもIT/IoT、DXが叫ばれていますが、従前よりフィールドでの計測・監視技術で得た省電力の特長を生かした融雪施設の遠隔制御装置を販売しており、さらに下水道流域のマンホールポンプの運転状況や故障、マンホール内水位を管理事務所で監視できる遠隔監視制御装置を開発し、販売を行っております。これら機器は、2005年からの累計で約1,200台の販売実績があり、今後も融雪や下水道関係の他に、農場関係の揚水ポンプや道路排水ポンプ等に販売が見込まれております。 (4) ㈱レックス 社会インフラの長寿命化対策や現場の生産性向上(建設DX)等をはじめとして、当社や建設業が抱える課題や社会的ニーズを踏まえ、それらに資する新技術や新工法等の開発を進めております。 ① 「ハイブリッド・塩害補強工法」の開発 本工法は、塩害を受けた鉄筋コンクリート構造物の補修・補強工法であり、鉄筋腐食抑制効果を有するシラン系含浸材の塗布面に、炭素繊維シート補強材を接着可能とすることで、鉄筋腐食抑制と補強を両立させる技術です。従来技術においては、含浸材施工面への炭素繊維シートの施工は、付着性等の問題から不可能でした。そこで、材料メーカー等との共同研究により、付着性能及び施工性の問題をクリアする専用プライマーを開発し、2018年に新工法として上市いたしました。 本技術は、2019年にMade in新潟 新技術普及制度に登録され、2021年3月には、特許(特許第6861190号)に登録されました。国土交通省のNETIS登録も予定しております。 ② 高輝度・LED矢印板「TWIN・VISION」の開発 夜間道路工事用のLED矢印板の板面に高輝度反射シートを付加することで、従来品と比較し、あらゆる条件下において視認性・安全性の向上を図った新製品を開発いたしました。矢印板全体の視認性が向上する他、故障やバッテリー切れ等によるLED消灯時でも視認性を保持することができます。また、高輝度反射シート面が損傷した際などには、容易に交換が可能となっております。 本製品は、2021年9月にMade in新潟 新技術普及制度に登録され、当社のレンタル事業・販売部門からユーザーに提供されております。 ③ 「吹付け・コテ塗り併用型靱性モルタル(靱性モルタルNA)」の開発 コンクリート構造物の断面修復や表面被覆に使用される靱性モルタルは、一般的なポリマーセメントモルタルと比較し、ひび割れ防止や耐久性等の性能に優れる一方で、専用施工機械が必要であり、コテ塗り施工ができない等、施工上の制約がありました。従来製品の材料や配合の見直しを行い、コテ塗りや汎用機械施工が可能な新製品「靱性モルタルNA」を開発いたしました。 本技術は、2016年にMade in新潟 新技術普及制度に登録され、農業用水路の表面被覆工事等、公共工事において50,000㎡以上の実績があります。 ④ 「自在ブーム式構造物清掃車」の開発 クレーン装置付トラックのブーム先端に、アタッチメント式回転ブラシを装着し、クレーン装置の油圧装置を用いて回転ブラシを駆動させる、特殊洗浄車を開発いたしました。従来車両と比較し安価であり、回転ブラシの可動範囲が広く、自在に操作可能なため、1台の車両でトンネル壁面、防護柵、標識・看板等、多様な構造物の洗浄を行うことができます。2017年にMade in新潟 新技術普及制度に登録され、新潟県管理トンネルの清掃作業等で定期的に採用されております。 ⑤ 生産性向上に関する技術開発計画 施工現場の生産性向上や課題解決のため、ICTやAI技術等の活用により、現場のDX化や生産性向上に寄与する技術開発について計画しております。 ( 不動産事業及びその他 ) 研究開発活動は、特段行われておりません。
FY2020|8,197 文字
5【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、「価値創造」の経営理念のもと、生産性向上・品質向上・自然環境の保全に加え、新たな分野への市場参入を目的とした新工法の実証実験等を中心に取り組んでおります。 また、現場に密着した研究開発ニーズと独創的なアイディアの発掘を目的として、広く社員から意見を募り研究開発活動に反映させております。 なお、当連結会計年度は研究開発費として、183百万円を投入しております。 当連結会計年度の主な研究テーマは次のとおりであります。 ( 建設事業 )(1) 当社① 免震技術、免震ゴム交換方法の研究 免震建築物については、マンション、倉庫などを対象として、設計、施工実績が増えております。また、建物に既に設置されている免震ゴムの交換方法について研究を進めており、2020年に実際の建物において免震ゴムの交換工事を完了しました。 ② 既存建築物の改修技術の研究 既存建築物の耐震性向上や耐久性改善等の長寿命化及びコンバート対応できるリニューアル技術を研究し、ストック価値を高める構・工法の開発を目指しております。特に、リニューアル工事につきましては、設計・施工による実績も増加しており、耐震補強に関する提案力の向上及びその受注に向けた取り組みを行っております。 ③ コンクリートの長さ変化、ひび割れに関する調査・研究 コンクリート強度、骨材、混和材などをパラメータとして、コンクリートの長さ変化やひび割れの観察などの調査・研究を継続して行っております。また、得られた知見につきましては、コンクリートの温度応力解析などへの活用を考えております。 ④ BIMの活用への取り組み BIM(ビルディングインフォメーションモデリング)については、配筋の納まりの確認や施工ステップの3D化など、現場での活用に向けた取り組みを行っており、実績も増えてきております。今後も現場支援を中心として、活用を継続して行く予定です。 ⑤ シールド工事等で発生する自然由来ヒ素汚染汚泥の浄化技術の開発 自然由来のヒ素を含有する地質は全国的に分布しており、建設工事において基準値を超過するヒ素を含有する発生土や汚泥の処理技術が課題となっております。特に、シールド工事等においては、多量の余剰汚泥が発生するため、自然由来ヒ素汚染汚泥の低コストかつ効率的な浄化技術として、超音波照射による浄化技術を開発し、実用化に向けて取り組んでおります。 ⑥ 高耐久コンクリートの開発 新潟県を含む日本海沿岸部の鉄筋コンクリート構造物は、厳しい塩害環境にあり、また、沿岸部以外においても、積雪寒冷地であることから凍結防止剤による塩害劣化を受けるため、高耐久化が求められております。そこで、セメントに各種混和材を混合した高耐久(耐塩害)コンクリートの開発を目的とした実験研究を行っております。 ⑦ 橋梁維持更新(吊足場) 橋梁における維持管理及び補修においての作業床の敷設施工における作業員の安全性の向上、敷設の円滑化による作業効率の向上を目的とした吊足場の実証実験を進め、仮設機材メーカーと共同で吊足場機材を「フライングステージ」の名称で製品化致しました。今後も改良を行い、橋梁維持更新工事に取り組んでまいります。⑧ 中・高層建築物の階上解体工法の改善 解体する建物が高く、周囲に解体重機の稼動空間が無い場合に、床・梁を多数の強力パイプサポートで鉛直・複数階にわたって補強支持し、解体用重機を吊り上げて上層から解体する工法が採用されます。1本の強力パイプサポートは60kgと重く、運搬設置作業が重労働です。効率的で補強効果が高まるサポート支持方法を考案し、実際の工事で確認を行うなど、安全で効率的な建物解体に取り組んでおります。 ⑨ コンクリート構造物の延命化工法 社会経済活動の基盤である土木コンクリート構造物は、高度経済成長期以降に集中的に整備されており、今後、建設から50年以上経過し、劣化の割合が加速度的に増加することが予想されます。そこで、これらの土木コンクリート構造物を計画的に維持管理することを目的とした、劣化構造物の延命化工法の開発に取組んでおります。 ⑩ デュアルシールド工法のマシンコントロール デュアルシールド工法で下水道トンネル工事を行っておりますが、今後は高齢化によって熟練オペレーターの不足が懸念されます。熟練オペレーターは、これまでの経験に基づいた状況判断によって、トンネルが設計どおりの位置となるようにシールド掘進機を操作しております。この判断プロセス・操作のノウハウをAI(人工知能)を用いて形式知化することで、オペレーターの技量にかかわらず、適切なマシンのコントロールが可能となるよう取り組んでおります。 ⑪ 写真測量技術を用いたトンネル掘削出来形管理システム「Te-Sアシスタント」 山岳トンネル工事では、掘削の過不足が過大になると作業手間や材料のロスに繋がります。一般に、掘削形状の確認は作業員が切羽に接近して目視で行うため、切羽崩落災害に巻き込まれるリスクも付きまといます。このため、効率的かつ手軽に掘削形状を確認する手段として、画像から点群データを生成するSfM(Structure from Motion)を活用した写真測量技術により、トンネル掘削時の仕上がり状況を可視化しガイダンスするシステム「Te-Sアシスタント」を開発し、生産性及び安全性の向上に取り組んでおります。 ⑫ 動画とAIを活用した山岳トンネル掘削時の地山状況判定 山岳トンネル工事では、日々の切羽観察によって岩盤の良し悪しを判定し、適切な支保パターンの決定や補助工法の要否を判断しております。この際、トンネル技術者は標準的に行う切羽観察に加えて、掘削時の地山の崩れ方、音、既施工区間との変化等も同時に観察しております。特に、崩落岩塊の動的な挙動(崩落の仕方、規模等)は、地山の土砂化の程度や補助工法の要否に関連すると考えられ、この説明資料として動画が活用され始めていますが、現状では主観的な活用にとどまっております。このような動的挙動を客観的に評価するためAI(人工知能)の導入に取り組んでおります。 (2) 福田道路㈱1. 技術開発① 「マルチファインアイ(画像損傷診断システム)」を利用した包括契約への取り組み 2017年12月14日にサービス提供を開始し、2021年2月現在、新潟市・藤崎町・三条市・弥彦村・近畿地整・北陸地整・北海道開発局・札幌市等13件の業務を実施致しました。特に、札幌市は延長700kmという最初の大型案件となり、包括契約に向けた取り組みを進めてまいります。 ② 「マルチファインアイ(画像損傷診断システム)」の帳票作成システムの構築 舗装のアセットマネジメントに向けた取り組みの一環として、自治体の要望に応えるため、帳票作成システムを構築致しました。社内では、通称"MFA2.0"と呼んでおります。 ③ 「マルチファインアイ(画像損傷診断システム)」の国土技術開発賞 入賞 前年度のインフラメンテナンス大賞に続き、第22回国土技術開発賞(国土技術研究センター・沿岸技術研究センター・国土交通省後援)に入賞致しました。「国土技術開発賞」は、技術開発者に対する研究開発意欲の高揚、並びに建設技術水準の向上を図ることを目的として、建設産業に関わる優れた新技術を表彰するものです。 ④ 「ヒートドレッシングJr(加熱式クラック補修工法)」施工機械改造による広域展開 路上表層再生工法であるヒートドレッシング工法の維持工事への適用として、ヒートドレッシングJr(加熱式クラック補修工法)の施工機械を開発し、実証実験を行ってまいりました。2019年度は、実証実験で得られた課題に取り組んだ結果(施工幅の改造150mm⇒300mm)、新潟県内だけではなく、北海道・東北地区といったクラック幅が広がりやすい寒冷地をターゲットにすることが可能となりました。また、縦断クラックのみ対応しておりましたが、新たに横断クラック対応型の施工機械を開発致しました。現在は新潟県十日町市において実績を積んでおり、2021年度は札幌市で試験施工を実施致します。 ⑤ 再生型の粗面系凍結抑制舗装工法の開発 これまで化学系、物理系で凍結抑制舗装に取り組んでまいりましたが、新たに粗面系の凍結抑制舗装工法の開発に取り組んでおります。路面を粗面にすることで、凍結抑制剤の定着を高める効果を狙ったものとなっております。凍結抑制剤については、アスファルト混合物に含めるものと散布定着型の製品について検討を行っております。飛散抵抗性や耐流動性などの検証についても、今後の試験施工で確認してまいります。 ⑥ カーボンニュートラルに向けたフォームドアスファルトへの取り組み 地球温暖化が進む中、2050年カーボンニュートラルに向けて、As混合物を低温で製造するための取り組み、フォームド技術の導入を始めました。現在は、低温でも施工が可能な施工性改善を目的としておりますが、今後は、低温製造に向けた取り組みを進めてまいります。 ⑦ アスファルト舗装の長寿命化について(NEXCO総研との共同研究) 従来の舗装構造設計の考え方(Ta法 目標10~20年)を見直し、目標50~100年の耐久性を備えたアスファルト舗装の長寿命化に取り組み始めました。共同研究期間は3年間となっております。 ⑧ ICTの推進 i-Constructionの取り組みに関して、様々な業種と連携することで業界をリードしていきたいと考えております。今年度は、舗装修繕工事にMMS(モービルマッピングシステム)を導入致しました。まだ課題が山積しておりますが、改善に向けて今後も取り組んでまいります。また、昨年に引き続き、GIS(地理情報システム)・BIM/CIM・全天球動画及び画像への取り組みなど、ICTの積極的な活用を進めております。また、技術研究所とファインロードコンサルタントの女性(パート等)によるICT推進チームのレベルアップに向け、体制を整備してまいります。 ⑨ 新製品(ポストファインテープ・高性能As合材保温シート等)の開発 右肩上がりで販売増を続けるファインテープ、新たな価値を持った新製品の開発を進めております。目地テープの改良型は、土木研究所との共同研究で進めております。また、繊維会社と共同で、高性能As合材保温シートの開発・実証実験を進めております。 2. 各種登録について 特許申請等・申請中:おとなしくん 3.その他追跡調査の実施今年度、追跡調査を行ったのは以下の5技術となります。・アイスインパクト (弾性型凍結抑制舗装)・ファインシート (多機能性凍結抑制舗装技術)・ヒートドレッシング工法 (加熱式表面処理工法)・ヒートドレッシング・Jr (加熱式クラック補修工法)・メジテープ (成形目地材) (3) ㈱興和① 集水井点検カメラ 砂防関係施設のうち集水井工は、地すべり深層の地下水排除を目的とした重要施設ですが、従来の点検手法ではクレーンによる上蓋の取り外しや昇降施設の設置、有毒ガスの排除、酸素の供給等大規模な施設が必要であり、コストが過大となっていました。そのため、経済的かつ安全・正確に立坑内の状況や機能の確認が可能な“立坑(集水井工)内の点検装置(集水井点検カメラ)”を開発致しました。本点検装置及び点検手法は2つの特許(特許6089069号、特許6596042号)を取得致しました。集水井点検カメラによる点検は、これまでに国土交通省の直轄地すべり防止区域及び新潟県所管の地すべり防止区域を中心に、154箇所の地すべり防止区域内にある約750基の集水井で行ってまいりました。この功績が認められ、2021年1月に第4回インフラメンテナンス大賞特別賞を受賞致しました。今後も砂防関係施設点検への活用が期待されております。 ② ICT法面工への取組み 国土交通省でi-Constructionが提唱されてICT工種拡大が進んできており、従前からドローン写真測量などに取り組み、法面工への拡大に備えてまいりました。2019年には、国土交通省の「建設現場の生産性を向上する革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」に採択され、3D計測が非常に困難な自然斜面現場での試行に取り組み、さらに2020年4月のICT法面工(吹付法枠工)の基準類制定を受け、国土交通省工事において全国に先駆けてICT施工を実施し、北陸地整主催の現場見学会を開催するなど、技術力をPRしてまいりました。また、これら取組みの中から派生した技術開発により、施工方法を含めた3件の特許出願をしております。今後も法面工に限らず、ICT施工に積極的に取り組んでまいります。 ③ 地下水取水用構造材「KVSストレーナ」・「W.KVNストレーナ」 水質が悪く、井戸の耐久性の低下が懸念される地域に対する井戸構造材料として、耐食材料である塩化ビニル管(VP)、ステンレス巻線(SUS)を組み合わせた、「KVSストレーナ」を開発し、販売しております。本製品は2009年にNETISに、2010年にMade in 新潟に登録され、2017年には、Made in 新潟ゴールド技術登録、県知事表彰を受賞致しました。2020年は、自社施工、他社販売も含め約570本、累計で約4,900本の販売を行っております。また、老朽化した既存井戸ケーシングの内側に小径のケーシングを行う、“二重ケーシング”という修繕工法に使用可能な「W.KVNストレーナ」も開発・販売しております。これについては、2020年では約160本、累計で約690本を販売しております。 ④ 地すべり監視用「フレキシブル伸縮計」 地すべり地の地盤変状の監視には、従来インバー線を用いた伸縮計が一般的に用いられてきました。しかし、インバー線は細く、動物や木の枝などが触れると簡単に破断するため、厳重に保護する必要があり、設置費や設置労務が掛かるといった問題があります。また、積雪地域では、通常の保護方法の他に、必ず雪囲いが必要となります。これに比べフレキシブル伸縮計は、インバー線の代わりにφ5mm程度の炭素繊維ケーブルを用いて、簡易な保護で地盤形状に合わせて設置可能であり、設置費や設置労力が少なくて済みます。 フレキシブル伸縮計の炭素繊維ケーブルは、2010年にNETIS及びMade in 新潟に登録されており、2006年からの累計で約4,770m(20m/箇所)の実績があり、今後も販売拡大が見込まれます。 ⑤ 遠隔監視制御機器(ネットワークロガー) 建設業界でもIT/IoT、DXが叫ばれておりますが、従前より下水道流域のマンホールポンプの運転状況や故障、マンホール内の水位を管理事務所で監視できる遠隔監視制御装置を開発し、販売を行っております。この機器は、2005~2020年の累計で約1,150台の販売実績があり、今後も下水道関係の他に、農場関係の揚水ポンプや道路排水ポンプ、消雪用ポンプの遠隔監視用に販売が見込まれております。 ⑥ 地中熱調査用「TRT(熱応答試験)装置」 地中熱利用設備の設計に必要な、地中採熱量等の調査に使用するTRT(熱応答試験)装置を開発致しました。そして、2017年4月から始まった、建築物の省エネ基準適合性判定に対応するため、特定非営利活動法人地中熱利用促進協会が創設した、TRT装置認定制度における全国第1号認定を2017年3月に受けております。地下100mにわたる深度別温度計測機能、WEBを通じた遠隔監視制御機能など、他社には見られない優位な機能を有しております。自社で使用する他、システムの販売も開始しており、新潟県柏崎市の地中熱関連事業を中心に、TRTの実績は20件以上に上っております。 ⑦ 裏山雨量計プロジェクト 裏山雨量計プロジェクトは、土砂災害の危険性が高い地域の裏山に雨量計を設置するとともに、地域住民が理解しやすいデータの見せ方として「がけ崩れおっかない指数」を算出し、そのデータをWEB提供することで、地域住民の早めの非難と防災力の強化を図ることを目的としております。本プロジェクトは2015年に新潟県から寺泊山田地区のフィールドを提供いただき、地域住民の方々の意見を取り入れながらシステムの運用、改良を行っております。これらの取り組みについてまとめた報文は、「2019年(公社)日本地すべり学会賞(技術報告賞)」を受賞致しました。今後もシステムの改良や機能追加を行い、国民の安全・安心に向けた取り組みを行ってまいります。 ⑧ 下水熱利用への取組み 下水熱は外気に比べて季節間の温度変化が少ない特長があり、都市部における未利用エネルギーとして注目されています。下水道管の底部に採熱管を設置して、熱を取り出す下水熱利用システムの開発に取り組んでおります。特に融雪分野では、循環水温度が低いことに着目し、エネルギー効率が非常に高いヒートポンプレス融雪システムを開発し、2015年には新潟市のバスターミナルの歩道に融雪設備の施工を行い、2018年には国土交通省の「2018年度下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)」に採択され、車道部に融雪システムを設置し実証研究を行いました。今後ともトップランナーとして新潟県内外を問わず、また融雪分野にとどまらず、下水熱利用システムの普及に取り組んでまいります。 (4) ㈱レックス 社会インフラの長寿命化対策や現場の生産性向上(i-Construction)等をはじめとして、建設業が抱える課題や社会的ニーズを踏まえ、それらに資する新技術や新工法等の開発を進めております。 ① 「ハイブリッド・塩害補強工法」の開発 本工法は、塩害を受けた鉄筋コンクリート構造物において、鉄筋腐食抑制効果を有するシラン系含浸材の塗布面に、炭素繊維シート補強材を接着可能とすることで、鉄筋腐食抑制と補強を両立させる技術です。従来の炭素繊維シート補強用プライマーでは、含浸材施工面への炭素繊維シートの付着性能を確保できないため、両者の組み合わせ施工は不可能でした。そこで、材料メーカーとの共同研究により、両者の付着性能を確保する専用プライマーを開発し、2018年に工法として上市されました。現在、特許出願中であり、2019年にはMade in 新潟に登録され、国土交通省のNETIS登録も予定しております。 ② 「吹付け・コテ塗り併用型靱性モルタル(靱性モルタルNA)」の開発 コンクリート構造物の断面修復や表面被覆に使用される靱性モルタルは、一般的なポリマーセメントモルタルと比較し、ひび割れ防止や耐久性等の性能に優れる一方で、専用施工機械が必要であり、コテ塗り施工ができない等、施工上の制約がありました。従来製品の材料や配合の見直しを行い、コテ塗りや汎用機械施工が可能な新製品「靱性モルタルNA」を開発致しました。本技術は、2016年にMade in 新潟に登録され、農業用水路の表面被覆工事等、数多くの実績があります。 ③ 「自在ブーム式構造物清掃車」の開発 クレーン装置付トラックのブーム先端にアタッチメント式回転ブラシを装着し、クレーン装置の油圧装置を用いて回転ブラシを駆動させる特殊洗浄車を開発致しました。従来の車両と比較し安価であり、回転ブラシの可動範囲が広く、自在に操作可能なため、1台の車両でトンネル壁面、防護柵、標識・看板等、多様な構造物の洗浄を行うことができます。2017年にMade in 新潟に登録されました。 ④ 工事現場用 保工安用品の開発 工事現場における、道路利用者及び作業員の安全対策として用いる各種保安用品について、オリジナル製品をレンタル・販売することを目的として、その開発に取り組んでおります。 ( 不動産事業及びその他 ) 研究開発活動は、特段行われておりません。
FY2019|8,669 文字
5【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、「価値創造」の経営理念のもと、生産性向上・品質向上・自然環境の保全に加え、新たな分野への市場参入を目的とした新工法の実証実験等を中心に取り組んでおります。 また、現場に密着した研究開発ニーズと独創的なアイディアの発掘を目的として、広く社員から意見を募り研究開発活動に反映させております。 なお、当連結会計年度は研究開発費として、195百万円を投入しております。 当連結会計年度の主な研究テーマは次のとおりであります。 ( 建設事業 )(1) 当社① 免震技術、免震ゴム交換方法の研究 免震建築物については、マンション、倉庫などを対象として設計、施工実績が増えております。また、建物に既に設置されている免震ゴムの交換方法について研究を進めており、2019年から実際の建物において免震ゴムの交換工事を行っております。 ② 既存建築物の改修技術の研究 既存建築物の耐震性向上や耐久性改善等の長寿命化及びコンバート対応できるリニューアル技術を研究し、ストック価値を高める構・工法の開発を目指しております。特に、リニューアル工事につきましては、設計・施工による実績も増加しており、耐震補強に関する提案力の向上及びその受注に向けた取り組みを行っております。 ③ コンクリートの長さ変化、ひび割れに関する調査・研究 コンクリート強度、骨材、混和材などをパラメータとして、コンクリートの長さ変化やひび割れの観察などの調査・研究を行っており、今後、そのデータを現場へ展開して行く予定です。また、得られた知見をコンクリートの温度応力解析などへも活用して行く予定です。 ④ BIMの活用への取り組み BIM(ビルディングインフォメーションモデリング)についてはいくつかのモデル現場を選定し、配筋の納まりの確認や施工ステップの3D化など、現場での活用に向けた取り組みを行っており、今後も継続して行く予定です。 ⑤ シールド工事等で発生する自然由来ひ素汚染汚泥の浄化技術の開発 自然由来のひ素を含有し環境基準値を超過する地域は全国的に分布しているため、建設工事において発生土や汚泥がひ素に汚染されている事例は多く見られます。一方、環境関連法の強化、土壌汚染に対する認識の高まりから、汚染土壌の処理コストが高騰しており、それらの効率的かつ経済的に処理する技術の開発が求められております。特に都市部におけるシールド工事等においては多量の余剰汚泥が発生し、それらの処理技術の開発は喫緊の課題であるため、自然由来ひ素汚染汚泥を低コストかつ効率的に浄化する技術の開発に取り組んでおります。 ⑥ トンネル切羽前方探査システム トンネル切羽前方の地質や地下水の状態を精度よく調査するために、トンネル切羽より前方にボーリングして、そのボーリング孔を利用した電気探査トモグラフィーの探査方法と解析方法を開発し、トンネル現場での活用を目指しております。 ⑦ 自由面発破における自由面形成パターンの合理的検討手法に関する研究 山岳トンネル工事で、発破振動を大幅に低減することが求められる場合において、掘削面に自由面を形成させることで大幅に振動を低減させる自由面発破が有効であります。しかしながら、コストや工程に与える影響も少なくないことから、合理的な自由面発破パターンの検討手法を確立するための研究を行っております。 ⑧ 高耐久コンクリートの開発 新潟県を含む日本海側の沿岸部は厳しい塩害環境にあり、また、沿岸部以外でも積雪寒冷地であることから凍結防止剤による塩害を受けております。他方、社会インフラの維持更新時代を迎え、鉄筋コンクリート構造物の長寿命・高耐久化が求められております。そこで、セメントに各種混和材を混合した高耐久コンクリート(耐塩害)の開発を目的として研究開発を進めております。 ⑨ 橋梁維持更新(吊足場) 橋梁における維持管理及び補修においての作業床の敷設施工における作業員の安全性の向上、敷設の円滑化による作業効率の向上を目的とした吊足場の実証実験を進め、実用化に向けた開発を進めております。 ⑩ 中・高層建築物の階上解体工法の改善 解体する建物が高く、周囲に解体重機の稼動空間がない場合に、スラブ・梁を多数の強力パイプサポートで鉛直・複数階にわたって補強支持し、解体重機を吊り上げて上層から解体する工法が採用されます。1本の強力パイプサポートは60kgと重く運搬設置作業が重労働でありますが、スラブへの鉛直設置では補強効果が小さいため、工事費低減と安全性向上を図る検討を行っております。 ⑪ コンクリート構造物の補強工法 高度経済成長期に建設した社会インフラが今後一斉に老朽化し、建設後50年以上経過する施設の割合が加速度的に増加することが予想されています。これらのインフラを効果的に維持管理・延命化することを目的に複合パネルを用いた補強工法の開発に取り組んでおります。 ⑫ デュアルシールドマシンコントロール 都市土木の地下トンネル工事ではシールド掘進機を使用して施工を行っておりますが、現場作業員の高齢化に伴い、掘進機の熟練オペレーター不足が今後懸念され、新規にオペレーターを育成し技術を習得させるにも年単位の時間が掛かってまいります。熟練オペレーターの判断内容を現場の実施工操作データとして解析し、思考のプロセス・ノウハウを習得することで、オペレーターの技量を問わず掘進機操作が可能となるシステムの開発に取り組んでおります。 ⑬ 写真測量技術を用いたトンネル掘削出来形管理システム「Te-Sアシスタント」 山岳トンネル工事では、掘削の過不足が過大になると作業手間や材料のロスに繋がります。一般に、掘削形状の確認は作業員が切羽に接近して目視で行うため、切羽崩落災害に巻き込まれるリスクも付きまといます。このため、効率的かつ手軽に掘削形状を確認する手段として、画像から点群データを生成するSfM(Structure from Motion)を活用した写真測量技術により、トンネル掘削時の仕上がり状況を可視化しガイダンスするシステム「Te-Sアシスタント」を開発し、生産性及び安全性の向上に取り組んでいます。 ⑭ 山岳トンネルの切羽評価に対するAI導入 山岳トンネル工事では、日々の切羽観察によって岩盤の良し悪しを判定し、適切な支保パターンの決定や補助工法の要否を判断しています。しかしながら、切羽観察には定性的な部分が多く、経験豊富なトンネル技術者とそうでない技術者とでは結果に差が生じることもあります。また、今後は経験豊富なトンネル技術者が減少することも懸念されています。このような山岳トンネルの工事現場が抱える潜在的な課題を解決するため、切羽評価へのAI(人工知能)導入に取り組んでいます。 (2) 福田道路㈱1. 技術開発① 「マルチファインアイ(画像損傷診断システム)」を利用した包括契約への取り組み 2017年12月14日にサービス提供を開始し、2020年2月現在、新潟市等地方自治体から9件の業務を実施いたしました。地方自治体との実証実験の他、包括契約に向けた取り組みを進めています。 ② 「マルチファインアイ(画像損傷診断システム)」の帳票作成システムの構築 舗装のアセットマネジメントに向けた取り組みの一環として、自治体の要望に応えるため、帳票作成システムの構築を進めています。(2020年5月システム構築の完成) ③ 「マルチファインアイ(画像損傷診断システム)」のインフラメンテナンス大賞特別賞受賞 インフラメンテナンス大賞は、国土交通省・総務省・文部科学省・厚生労働省・農林水産省・防衛省の6省が主催するインフラメンテナンスに関する表彰制度です。第3回を迎える今回、全国255件の応募の中で特別賞を受賞いたしました。 ④ 「ヒートドレッシングJr」(加熱式クラック補修工法)施工機械改造による広域展開 路上表層再生工法であるヒートドレッシング工法の維持工事への適用として、ヒートドレッシングJr(加熱式クラック補修工法)の施工機械を開発し実証実験を行ってきました。2019年は実証実験で得られた課題に取り組んだ結果(施工幅の改造150mm⇒300mm)、新潟県内だけでなく北海道・東北地区といったクラック幅が広がりやすい寒冷地をターゲットにすることが可能になりました。また、縦断クラックのみ対応していたのですが、新たに横断クラック対応型の施工機械を開発しました。 ⑤ 再生型の粗面系凍結抑制舗装工法の開発 これまで化学系、物理系で凍結抑制舗装に取り組んできましたが、新たに粗面系の凍結抑制舗装工法の開発に取り組んでいます。路面を粗面にすることで凍結抑制剤の定着を高める効果を狙ったものとなっています。凍結抑制剤についてはアスファルト混合物に含めるものと散布定着型の製品について検討を行っています。飛散抵抗性や耐流動性などの検証についても今後の試験施工で確認していきます。 ⑥ 地球温暖化適応型アスファルト混合物の開発 地球温暖化が進む中、夏期におけるアスファルト舗装の表面温度の上昇について考えていかなければならない時期に来ていると言えます。現在、舗装の評価はすべて60℃で実施されていることから、耐流動性等をこれまでと違った方法で評価する地球温暖化適応型アスファルト混合物の開発に取り組み始めました。 ⑦ アスファルト舗装の長寿命化について 従来の舗装構造設計の考え方(Ta法 目標10~20年)を見直し、目標50~100年の耐久性を備えたアスファルト舗装の長寿命化に取り組み始めました。 ⑧ ICTの推進 i-Constructionの取り組みに関して、様々な業種と連携することで業界をリードしていきたいと考えています。例として舗装修繕工事にMMS(モービルマッピングシステム)の導入・舗装台帳にGIS(地理情報システム)を導入・BIM/CIM・全天球動画及び画像への取り組みなど、ICTの積極的な活用を進めています。また、技術研究所とファインロードコンサルタントの女性(パート等)によるICT推進チームの構築を進めています。2020年度中に福田グループ他社との連携を深め、福田グループとして何らかのICTに関する組織をつくれないかと考えています。 ⑨ 新製品(ポストファインテープ・高性能As合材保温シート等)の開発 右肩上がりで販売増を続けるファインテープ、新たな価値を持った新製品の開発を進めています。また、繊維会社と共同で高性能As合材保温シートの開発・実証実験を進め今年度販売予定。 2. 各種登録について① NETIS(新技術情報提供システム)登録・登録:おとなしくん② 特許申請等・申請中:おとなしくん 3.その他追跡調査の実施今年度、追跡調査を行ったのは以下の5技術となります。・アイスインパクト (弾性型凍結抑制舗装)・ファインシート (多機能性凍結抑制舗装技術)・ヒートドレッシング工法 (加熱式表面処理工法)・ヒートドレッシング・Jr (加熱式クラック補修工法)・メジテープ (成形目地材)ME新潟の会 等ME(メンテナンスエキスパート)新潟の会に入会し今後協力していく予定。 (3) ㈱興和① 地下水取水用構造材「KVSストレーナ」・「W.KVNストレーナ」 水質が悪く、井戸の耐久性の低下が懸念される地域に対する井戸構造材料として、耐食材料である塩化ビニル管(VP)、ステンレス巻線(SUS)を組み合わせた、「KVSストレーナ」を開発し、販売しております。亜鉛メッキ巻線を使用しておらず、地下への亜鉛溶出がなく環境性能が高いこともPR材料となっております。本製品は2009年にNETIS に、2010年にMade in 新潟に登録され、2017年には、Made in 新潟ゴールド技術登録、県知事表彰を受賞いたしました。2019年は、自社施工、他社販売も含め約620本、累計で約4,300本の販売を行っております。また、老朽化した既存井戸ケーシングの内側に小径のケーシングを行う“二重ケーシング”という修繕工法に使用可能な「W.KVNストレーナ」も開発・販売しております。これについては、2019年約60本、累計で約520本を販売しております。 ② 法面作業用保護具「アシストロリップ」 法面作業の“命綱”と安全帯を接続する“ロリップ”で発生するヒューマンエラーによる事故防止を目的に、ロリップの下に追加設置する補助装置「アシストロリップ」を開発し、販売しております。2009年にMade in 新潟に、2011年にNETIS に登録されています。2019年は約80個、累計で約800個の販売実績があります。 ③ 地すべり監視用「フレキシブル伸縮計」 地すべり地の地盤変状の監視には、従来インバー線を用いた伸縮計が一般的に用いられてきました。しかし、インバー線は細く動物や木の枝などが触れると簡単に破断するため、厳重に保護する必要があり、設置費や設置労務が掛かるといった問題があります。また、積雪地域では、通常の保護方法の他に、必ず雪囲いが必要となります。 これに比べフレキシブル伸縮計は、インバー線の代わりにφ5mm程度の炭素繊維ケーブルを用いて、簡易な保護で地盤形状に合わせて設置可能であり、設置費や設置労力が少なくてすみます。フレキシブル伸縮計の炭素繊維ケーブルは、2010年にNETIS 及びMade in 新潟に登録されており、2006年からの累計で約4,740m(20m/箇所)の実績があり、今後も販売拡大が見込まれます。 ④ 遠隔監視制御機器(ネットワークロガー) 下水道流域のマンホールポンプの運転状況や故障、マンホール内の水位を管理事務所で監視できる遠隔監視制御装置を開発し、販売を行っております。この機器は、2005年から2019年の累計で約1,100台の販売実績があり、今後も下水道関係の他に、農場関係の揚水ポンプや道路排水ポンプ、消雪用ポンプの遠隔監視用に販売が見込まれております。 ⑤ 集水井点検カメラ 砂防関係施設は、現存施設を点検し状況を把握するとともに、必要に応じ修繕、改修を行っていくことが重要です。砂防関係施設のうち集水井工は、地すべり深層の地下水排除を目的とした重要施設ですが、従来の点検手法ではクレーンによる上蓋の取り外しや昇降施設の設置、有毒ガスの排除、酸素の供給等大規模な施設が必要であり、コストが過大となっていました。これより、経済的かつ安全・正確に立坑内の状況や機能の確認が可能な“立坑(集水井工)内の点検装置(集水井点検カメラ)”を開発しました。本点検装置及び点検手法は2つの特許(特許6089069号、特許6596042号)を取得しました。集水井点検カメラによる点検は、これまでに国土交通省の直轄地すべり防止区域及び新潟県所管の地すべり防止区域を中心に、154箇所の地すべり防止区域内にある約700基の集水井で行ってきました。今後も砂防関係施設点検への活用が期待されています。 ⑥ MR(複合現実)技術の活用 現実世界と仮想モデルを相互に融合するMR(複合現実)に着目し、建設業界での利活用方法を模索してきました。2017年から新潟県内のゲーム・アニメ等のコンテンツ開発会社とMR出力システムの共同開発を行っております。 現在は、地中熱ヒートパイプ融雪、下水熱利用融雪システムのMRモデルを制作し、客先とのイメージ共有やPRに利用しております。将来的には、公共的な構造物などの3D台帳化による維持管理などが見込まれております。 ⑦ 地中熱調査用「TRT(熱応答試験)装置」 地中熱利用設備の設計に必要な地中採熱量等の調査に使用するTRT(熱応答試験)装置を開発しました。そして、2017年4月から始まった建築物の省エネ基準適合性判定に対応するため特定非営利活動法人地中熱利用促進協会が創設したTRT装置認定制度における全国第1号認定を2017年3月に受けております。地下100mにわたる深度別温度計測機能、WEBを通じた遠隔監視制御機能など、他社には見られない優位な機能を有しております。自社で使用するほかシステムの販売も開始しており、新潟県柏崎市の地中熱関連事業を中心に、TRTの実績は20件以上に上っております。 ⑧ 場所打ち杭工事等における「無溶接鉄筋篭組立工法」 場所打ち杭工事等においては、通常の鉄筋コンクリート工事と異なり、組み立てた鉄筋を吊上げて建込みをするため堅固な鉄筋篭の現場製造が求められております。しかし、2012年の道路橋示方書改訂以降、現場溶接が禁止されたことから、鉄筋篭崩壊事例が散見されております。示方書改訂前から無溶接による鉄筋篭組立に着目し、開発グループの一員となって組立工法開発に取り組み、2011年にNETIS登録をして、資材販売を始めております。2017年からは新潟県内でも採用され、徐々に当工法の優位性が浸透しつつあります。また、2018年8月には、工法を構成する技術のひとつである、アプセットバット溶接で環状型帯鉄筋を製作する「ピタットフープ」が建築技術性能証明を受けております。 ⑨ ドローンを利用した新たなソリューション ドローンは農業分野での農薬散布や空中写真撮影で主に利用されていましたが、近年では物流や防犯、測量など多方面での利用が行われています。近年は技術革新により高性能化や低価格化、安全性の向上などが図られており、空の産業革命の主役を担っています。興和では2014年にドローンを導入し、主に施工現場や災害現場の写真撮影を行ってきましたが、近年では人の立ち入りが困難な急傾斜地や地形図がない現場での写真測量などの利用が多くなっています。さらに面積計測や出来形管理などの施工管理での利用や、熱赤外線カメラやマルチスペクトルカメラを用いた急傾斜地の点検手法などの技術開発に取り組んでおります。 ⑩ 裏山雨量計プロジェクト 裏山雨量計プロジェクトは、土砂災害の危険性が高い地域の裏山に雨量計を設置するとともに、地域住民が理解しやすいデータの見せ方として「がけ崩れおっかない指数」を算出し、そのデータをweb提供することで、地域住民の早めの非難と防災力の強化を図ることを目的としています。本プロジェクトは2015年に新潟県から寺泊山田地区のフィールドを提供いただき、地域住民の方々の意見を取り入れながらシステムの運用、改良を行っています。これらの取り組みについてまとめた報文は、「2019年(公社)日本地すべり学会賞(技術報告賞)」を受賞しました。今後もシステムの改良や機能追加を行い、国民の安全・安心に向けた取り組みを行っていきます。 (4) ㈱レックス① 「ハイブリッド・塩害補強工法」の開発 本工法は、塩害を受けた鉄筋コンクリート構造物において、鉄筋腐食抑制効果を有するシラン系含浸材の塗布面に、炭素繊維シート補強材を接着可能とすることで、鉄筋腐食抑制と補強を両立させる技術です。従来の炭素繊維シート補強用プライマーでは、含浸材施工面への炭素繊維シートの付着性能を確保できないため、両者の組み合わせ施工は不可能でした。そこで、材料メーカーとの共同研究により両者の付着性能を確保する専用プライマーを開発し、2018年に本工法を確立しました。現在、特許出願中であり、令和元年にはMade in 新潟に登録され、国土交通省のNETIS登録も予定しています。 ② 「吹付け・コテ塗り併用型靱性モルタル(靱性モルタルNA)」の開発 コンクリート構造物の断面修復や表面被覆に使用される靱性モルタルは、一般的なポリマーセメントモルタルと比較し、ひび割れ防止や耐久性等の性能に優れる一方で、専用施工機械が必要でありコテ塗り施工ができない等、施工上の制約がありました。従来製品の材料や配合の見直しを行い、コテ塗りや汎用機械施工が可能な新製品「靱性モルタルNA」を開発しました。本技術は、2016年にMade in 新潟に登録され、農業用水路の表面被覆工事等、数多くの実績があります。 ③ 「自在ブーム式構造物清掃車」の開発 クレーン装置付トラックのブーム先端にアタッチメント式回転ブラシを装着し、クレーン装置の油圧装置を用いて回転ブラシを駆動させる特殊洗浄車を開発しました。従来車両と比較し安価であり、回転ブラシの可動範囲が広く、自在に操作可能なため、1台の車両でトンネル壁面、防護柵、標識・看板等、多様な構造物の洗浄を行うことができます。2017年にMade in 新潟に登録されました。 ④ その他維持管理技術の開発 各地方自治体では、道路関連インフラの長寿命化対策の取り組みを進めており、補修費用の平準化や管理の効率化等に向けた仕組み作りを行っているところである。当社においても、道路管理者のニーズを踏まえ、インフラの長寿命化に関する維持管理技術や対策工法の開発について検討を進めております。 ( 不動産事業及びその他 ) 研究開発活動は、特段行われておりません。
FY2018|7,425 文字
5【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、「価値創造」の経営理念のもと、生産性向上・品質向上・自然環境の保全に加え、新たな分野への市場参入を目的とした新工法の実証実験等を中心に取り組んでおります。 また、現場に密着した研究開発ニーズと独創的なアイディアの発掘を目的として、広く社員から意見を募り研究開発活動に反映させております。 なお、当連結会計年度は研究開発費として、168百万円を投入しております。 当連結会計年度の主な研究テーマは次のとおりであります。 ( 建設事業 )(1) 当社① 免震技術、免震ゴム交換方法の研究 免震建築物については9棟の施工実績を有しております(内6棟は設計・施工)。 また、建物に既に設置されている免震ゴムの交換方法について研究を進めており、2019年から2020年には、実際の建物において免震ゴムの交換工事を行う予定です。② 既存建築物の改修技術の研究 既存建築物の耐震性向上や耐久性改善等の長寿命化及びコンバート対応できるリニューアル技術を研究し、ストック価値を高める構・工法の開発を目指しております。特に、リニューアル工事につきましては、設計・施工による実績も増加しており、耐震補強に関する提案力の向上及びその受注に向けた取り組みを行っております。③ 荷取り構台の開発 新築や改修などで使用できる、従来よりコンパクトで軽量な荷取ステージの開発を行い、新築の現場で2件、改修の現場で1件、試作品による施工実験を実施しました。その結果、特に改修の現場で、高い有用性が確認できました。今後、それら施工実験結果を基に改良を行い、水平展開を図って行く予定です。④ コンクリートの長さ変化、ひび割れに関する調査・研究 コンクリート強度、骨材、混和材などをパラメータとして、コンクリートの長さ変化やひび割れの観察などの調査・研究を行っており、今後、そのデータを現場で活用して行く予定です。⑤ BIMの活用への取り組み BIMについてはいくつかのモデル現場を選定し、配筋の納まりの確認や施工ステップの3D化など、現場での活用に向けた取り組みを行っており、今後も継続して行く予定です。⑥ ICT技術の活用への取り組み 測量機器関連のメーカーなどと協力して、現場での3Dスキャナーの活用や鉄骨建て方の効率化の検証実験などを行いました。ICT技術の検証実験などは今後も継続して行い、有効性が確認出来たものは、現場へ水平展開して行く予定です。⑦ シールド工事等で発生する自然由来ひ素汚染汚泥の浄化技術の開発 自然由来のひ素を含有し環境基準値を超過する地域は全国的に分布しているため、建設工事において発生土や汚泥がひ素に汚染されている事例は多く見られます。一方、環境関連法の強化、土壌汚染に対する認識の高まりから、汚染土壌の処理コストが高騰しており、それらの効率的かつ経済的に処理する技術の開発が求められております。特に都市部におけるシールド工事等においては多量の余剰汚泥が発生し、それらの処理技術の開発は喫緊の課題であるため、自然由来ひ素汚染汚泥を低コストかつ効率的に浄化する技術の開発に取り組んでおります。⑧ トンネル切羽前方探査システム トンネル切羽前方の地質や地下水の状態を精度よく調査するために、トンネル切羽より前方にボーリングして、そのボーリング孔を利用した電気探査トモグラフィーの探査方法と解析方法を開発し、トンネル現場での活用を目指しております。⑨ 自由面発破における自由面形成パターンの合理的検討手法に関する研究 山岳トンネル工事で、発破振動を大幅に低減することが求められる場合において、掘削面に自由面を形成させることで大幅に振動を低減させる自由面発破が有効であります。しかしながら、コストや工程に与える影響も少なくないことから、合理的な自由面発破パターンの検討手法を確立するための研究を行っております。⑩ 高耐久コンクリートの開発 新潟県を含む日本海側の沿岸部は厳しい塩害環境にあり、また、沿岸部以外でも積雪寒冷地であることから凍結防止剤による塩害を受けております。他方、社会インフラの維持更新時代を迎え、鉄筋コンクリート構造物の長寿命・高耐久化が求められております。そこで、セメントに各種混和材を混合した高耐久コンクリート(耐塩害)の開発を目的として研究開発を進めております。⑪ 橋梁維持更新(吊足場) 橋梁における維持管理及び補修においての作業床の敷設施工における作業員の安全性の向上、敷設の円滑化による作業効率の向上を目的とした吊足場の実証実験を進め、実用化に向けた開発を進めております。⑫ 中・高層建築物の階上解体工法の改善 解体する建物が高く、周囲に解体重機の稼動空間が無い場合に、スラブ・梁を多数の強力パイプサポートで鉛直・複数階にわたって補強支持し、解体重機を吊り上げて上層から解体する工法が採用されます。1本の強力パイプサポートは60kgと重く運搬設置作業が重労働でありますが、スラブへの鉛直設置では補強効果が小さいため、工事費低減と安全性向上を図る検討を行っております。⑬ コンクリート構造物の補強工法 高度経済成長期に建設した社会インフラが今後一斉に老朽化し、建設後50年以上経過する施設の割合が加速度的に増加することが予想されています。これらのインフラを効果的に維持管理・延命化することを目的に複合パネルを用いた補強工法の開発に取り組んでおります。⑭ デュアルシールドマシンコントロール 都市土木の地下トンネル工事ではシールド掘進機を使用して施工を行っておりますが、現場作業員の高齢化に伴い、掘進機の熟練オペレーター不足が今後懸念され、新規にオペレーターを育成し技術を習得させるにも年単位の時間が掛かってまいります。熟練オペレーターの判断内容を現場の実施工操作データとして解析し、思考のプロセス・ノウハウを習得することで、オペレーターの技量を問わず掘進機操作が可能となるシステムの開発に取り組んでおります。 (2) 福田道路㈱1. 技術開発① 「マルチファインアイ(画像損傷診断システム)」について 2017年12月14日にサービス提供を開始し、自治体等から6件の計測を行いました。その中で、地方自治体との実証実験も進めています。実証実験は、今までの管理手法との整合性と新たな帳票の作成、既存データの整理に取り組んでいます。② 「再生添加剤」の評価について アスファルトプラントから出荷される再生混合物に必要な「再生添加剤」については、評価すべき「扱いやすさ」を数値化できていない現状です。アスファルト混合物の品質向上のため、各種「再生添加剤」の「扱いやすさ」を数値化すべく、室内試験でも評価できる新しい試験機を設計・作成中です。この試験機を使用して各種混合物の評価を行い、「扱いやすさ」を数値化すべく取り組んでいきます。③ 「骨材の大きいハイブリッド舗装」の開発 今後、到来する維持補修時代に対応すべく、1層5cm厚で「耐流動」、「クラック抑制」、「凍結抑制効果」、「車両騒音の低減」(ハイブリッド舗装)が図れる混合物を骨材の大きい材料を使用した配合で検討しました。特徴である骨材の大きい材料を使用し、舗装表面が凸凹となり、かつ凸凹が深くなるようにアスファルトプラントで試験練りを行いました。その結果から配合を絞り、転圧方法を代えた水準で検討を進めていきます。④ 「半たわみ性舗装」の耐久性向上による高耐久性舗装 決められた路線を港湾から出入りするコンテナ車などで運搬するルートが今後特定される予定です。この路線では、耐流動性や耐久性が求められます。また、駐車場についても、このような車両が停止するため、同様な対策が必要となります。耐流動性の高い「半たわみ性舗装」を更に高耐久性とすべく、セメントミルクの配合を樹脂の多い配合とし、曲げ試験で評価しました。今後は、セメントミルクの施工性も含めて開発を行います。⑤ 舗装工事の省人化が可能なアスファルト混合物 アスファルト舗装については、長らく機械編成も含め省人化(施工人数の削減)が図られていません。省人化を図るためには、施工するアスファルト混合物が締固め効率の良い、アスファルト混合物であることが望ましいです。アスファルト混合物の配合を検討し、アスファルトプラントで試験練りを実施しました。試験練り結果から施工体制を確認し、試験施工を行う予定です。目的は、転圧する機械の省力化や敷均し作業員の削減を図ることによってアスファルト舗装の施工体制を省力化へと変えることです。⑥ 舗設における熱中症予防対策 夏期におけるアスファルト舗装については、毎年熱中症が懸念されます。特に高温で敷均するアスファルトフィニッシャの周辺は、ぶり返しの熱もあるため、特に注意が必要となります。熱中症対策として、夏期、施工中のアスファルトフィニッシャに直接ミストファンを2台取り付け、ミストにより周辺の雰囲気温度を下げることができました。(温度測定した結果、ミストのため舗設温度は低下しませんでした。)これらから得られたデータを基に熱中症対策として進めていきます。⑦ コンクリート舗装の養生対策(休日取得のため) コンクリート舗装は、硬化するプロセスで水和反応のため水分が必要不可欠となります。コンクリートの養生については、打設後、一定期間養生・散水が必要となります。平日、コンクリートを打設した場合、養生(散水)には休日も必要となる場合があります。休日取得のため、保水量のある養生マットを比較試験しました。その中の保水量のある養生マットを更なる利便性を向上させるため、マットの上から散水することができるスリット入りマットに取り組んでいます。 2. 各種登録について① NETIS登録・申請中:おとなしくん② 特許申請等・申請中:おとなしくん3. その他追跡調査今年度、追跡調査を行ったのは以下の5技術となります。・アイスインパクト (弾性型凍結抑制舗装)・ファインシート (多機能性凍結抑制舗装技術)・ヒートドレッシング工法 (加熱式表面処理工法)・ヒートドレッシング・Jr (加熱式クラック補修工法)・メジテープ (成形目地材) また、明石高専との共同研究(溶融スラグ入りアスファルト舗装の実証実験)については、今年度も追跡調査を実施しました。また、その縁から明石高専の学生を数名、当社のアスファルトプラントで工場見学会を開催することができました。(3) ㈱興和① KVSストレーナ 水質が悪く、井戸の耐久性の低下が懸念される地域に対する井戸構造材料として、耐食材料『塩化ビニル管(VP)、ステンレス巻線(SUS)』を組み合わせ、長さ5.5mの“KVSストレーナ”を開発し、販売を開始いたしました。亜鉛メッキ巻線を使用しておらず、地下への亜鉛溶出がなく環境性能が高いこともPR材料となっております。本製品は2009年にNETISに、2010年度にMade in 新潟に登録されており、2018年度は、自社施工、他社販売も含め約464本、累計で3,673本の販売を行っております(2017年度には、Made in 新潟ゴールド技術登録、県知事表彰受賞)。 ② 法面作業用アシストロリップ 法面作業を行う際は、立木やアンカーに結んだ「命綱」と作業員の腰部につけた「安全帯」、それと命綱と安全帯を接続する『ロリップ』を用いて身体を支持しています。しかし、ロリップは『握ると動き』『離すと止まる』という仕組みを持っているものの、落ちそうになった時、咄嗟にロリップを握ってしまう事例もあり、逆に墜落してしまう重大事故も発生しておりました。こうした人間の本能(反射)に反する面もあり、改善が望まれていました。 そこで、ヒューマンエラーによる事故防止を目的に、ロリップの下に追加設置する補助装置(アシストロリップ)を開発いたしました。本製品は2009年度にMade in 新潟に、2011年度にNETISに登録されており、2011~2018年度の累計で727個の販売実績があり、労働安全衛生規則第593条の2の改正に対応する改良(補助ロープ対応)を検討・現場検証中であります。 ③ フレキシブル伸縮計 地すべり地の地盤変状の監視には、従来インバー線を用いた伸縮計が一般的に用いられてきました。しかし、インバー線は細く動物や木の枝などが触れると簡単に破断するため、厳重に保護する必要があり、設置費や設置労務が掛かるといった問題があります。また、積雪地域では、通常の保護方法の他に、必ず雪囲いが必要となります。 これに比べフレキシブル伸縮計は、インバー線の代わりにφ5mm程度の炭素繊維ケーブルを用いて、簡易な保護で地盤形状に合わせて設置可能であり、設置費や設置労力が少なくてすみます。 フレキシブル伸縮計の炭素繊維ケーブルは、2010年度にNETIS及びMade in 新潟に登録されており、2006年~2018年度の累計で約4,620m(20m/箇所)の実績があり、今後も販売拡大が見込まれます。 ④ 遠隔監視制御機器(ネットワークロガー) 下水道流域のマンホールポンプの運転状況や故障、マンホール内の水位を管理事務所で監視できる遠隔監視制御装置を開発いたしました。この機器は、2005年~2018年度の累計で1,062台の販売実績があり、今後も下水道関係の他に、農場関係の揚水ポンプや道路排水ポンプ、消雪用ポンプの遠隔監視用に販売が見込まれております。 ⑤ 集水井点検カメラ 砂防関係施設の点検において、現存施設の機能及び性能を的確に把握しておくことが重要とされています。砂防関係施設のうち、集水井工は地すべり対策工として地下水排除を目的とする重要施設となりますが、現行の点検方法では集水井工の構造や形状、立坑内の環境による問題点が多く、困難な作業となっておりました。 このため、経済的かつ簡易で正確に立坑内の状況や機能の確認が確認出来る“立坑(集水井工)内の点検装置(集水井点検カメラ)”を開発しました。本点検装置は2017年2月に特許(特許6089069号)を取得しており、全周撮影型を新たに開発し特許出願中であります。これまでに国土交通省及び新潟県等発注の砂防施設点検業務を中心に使用し、107箇所の防止区域602基の集水井工において点検を行っております。今後も砂防関係施設点検への活用が期待されております。 ⑥ MR(複合現実)技術の活用 現実世界と仮想モデルを相互に融合するMR(複合現実)に着目し、建設業界での利活用方法を模索してきました。2017年から新潟県内のゲーム・アニメ等のコンテンツ開発会社とMR出力システムの共同開発を行っております。 現在は、地中熱ヒートパイプ融雪、下水熱利用融雪システムのMRモデルを制作し、客先とのイメージ共有やPRに利用しております。将来的には、公共的な構造物などの3D台帳化による維持管理などが見込まれております。⑦ TRT(熱応答試験)装置 地中熱利用設備の設計に必要な地中採熱量等の調査に使用するTRT(熱応答試験)装置を開発しました。そして、2017年4月から始まった建築物の省エネ基準適合性判定に対応するため特定非営利活動法人地中熱利用促進協会が創設したTRT装置認定制度における全国第1号認定を2017年3月に受けております。 地下100mにわたる深度別温度計測機能、WEBを通じた遠隔監視制御機能など、他社には見られない優位な機能を有しており、自社で使用するほかシステムの販売も開始しており、新潟県柏崎市の地中熱関連事業を中心に、TRTの実績は20件以上に上っております。 ⑧ 場所打ち杭工事等における無溶接鉄筋篭組立工法 場所打ち杭工事等においては、通常の鉄筋コンクリート工事と異なり、組み立てた鉄筋を吊上げて建込みをするため堅固な鉄筋篭の現場製造が求められております。しかし、2012年の道路橋示方書改訂以降、現場溶接が禁止されたことから、鉄筋篭崩壊事例が散見されております。 改訂前から無溶接による鉄筋篭組立に着目し、開発グループの一員となって組立工法開発に取り組み、2011年度にNETIS登録をして、資材販売を始めております。2017年度からは、新潟県内でも国道バイパス工事に採用されはじめ、徐々に当工法の優位性が浸透しつつあります。また、2018年8月には、工法を構成する技術のひとつである、アプセットバット溶接で環状型帯鉄筋を製作する「ピタットフープ」が建築技術性能証明を受けております。 (4) ㈱レックス① 表面含浸材塗布装置の開発 近年増えている表面含浸材の塗布によるコンクリート構造物補修工事では、人力施工が主体であり、施工管理手法が確立されておりません。そこで、機械化施工による施工や管理の効率化及び施工品質の向上を図るため、「表面含浸材塗布装置」の開発を行い、2009年にMade in 新潟登録を行っております。2011年度には、作業性や信頼性を向上させた改良型の装置を開発しております。 これまでに、国土交通省、新潟県等の発注工事において活用されております。② 防護柵清掃工法(GRクリーン工法)の開発 消雪パイプ設置区間において防護柵類に付着した錆汚れは、視線誘導機能や美観を損なうものであり、汚れの除去が困難であるため問題となっておりました。 そこで、洗剤メーカーと共同で防護柵清掃専用洗剤による「GRクリーン工法」を開発し、洗浄後の排水処理手法も含めた防護柵清掃工法を開発し、2010年にはMade in 新潟登録を行っております。③ 社会インフラ維持管理上の課題を解決するため技術・工法の開発 橋梁の長寿命化に寄与する補修工法や維持管理技術、トンネルの清掃機械、農業水利施設の補修材料等、道路構造物をはじめとした社会インフラの維持管理上の課題を解決するための技術や工法の開発に取り組んでおります。 ( 不動産事業及びその他 ) 研究開発活動は、特段行われておりません。
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6【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、「価値創造」の経営理念のもと、生産性向上・品質向上・自然環境の保全に加え、新たな分野への市場参入を目的とした新工法の実証実験等を中心に取り組んでおります。 また、現場に密着した研究開発ニーズと独創的なアイディアの発掘を目的として、広く社員から意見を募り研究開発活動に反映させております。 なお、当連結会計年度は研究開発費として、199百万円を投入しております。 当連結会計年度の主な研究テーマは次のとおりであります。 ( 建設事業 )(1) 当社① 免震技術、免震ゴム交換方法の研究 免震建築物については9棟の施工実績を有しております(内6棟は設計・施工)。 また、建物に既に設置されている免震ゴムの交換方法について研究を進めており、免震ゴム交換のためのPC鋼棒による基礎補強方法について縮小試験体を用いた加力実験を行い、PC鋼棒による打増し補強部と既存部の境界面の摩擦係数、補強方法の妥当性などの検証を行っております。② CFT構造の設計・施工技術の研究 高層建築物など、高軸力かつ高曲げ耐力を求められる柱を有する構造物への対応を目的に、CFT構造に関する設計・施工技術の研究を進めております。また、実大3層柱による施工試験を行い(社)新都市ハウジング協会による技術指導を終了しております。③ 既存建築物の改修技術の研究 既存建築物の耐震性向上や耐久性改善等の長寿命化及びコンバート対応できるリニューアル技術を研究し、ストック価値を高める構・工法の開発を目指しております。特に、居ながら補強を目的とした外付耐震改修構法については需要が高く、設計・施工による実績も増加しており、耐震補強に関する提案力の向上及びその受注に向けた取り組みを行っております。④ 荷取り構台の開発 新築や改修などで使用できる、従来よりコンパクトで軽量な荷取ステージの開発を行っており、いくつかの現場で試作品による施工実験などを実施しました。今後、それら施工実験結果をもとに改良を行い、水平展開を図って行く予定でおります。⑤ コンクリートの長さ変化、ひび割れに関する調査・研究 コンクリート強度、骨材、混和材などをパラメータとして、コンクリートの長さ変化やひび割れの観察などの調査・研究を行っており、今後、そのデータを現場で活用して行く予定でおります。⑥ BIM・3Dプリンター活用への取り組み BIMについてはいくつかのモデル現場を選定し、配筋の納まりの確認や施工ステップの3D化など、現場での活用に向けた取り組みを行っており、今後も継続して行く予定でおります。⑦ シールド工事等で発生する自然由来ひ素汚染汚泥の浄化技術の開発 自然由来のひ素を含有し環境基準値を超過する地域は全国的に分布しているため、建設工事において発生土や汚泥がひ素に汚染されている事例は多く見られます。一方、環境関連法の強化、土壌汚染に対する認識の高まりから、汚染土壌の処理コストが高騰しており、それらの効率的かつ経済的に処理する技術の開発が求められております。特に都市部におけるシールド工事等においては多量の余剰汚泥が発生し、それらの処理技術の開発は喫緊の課題であるため、自然由来ひ素汚染汚泥を低コストかつ効率的に浄化する技術の開発に取り組んでおります。⑧ トンネル切羽前方探査システム トンネル切羽前方の地質や地下水の状態を精度よく調査するために、トンネル切羽より前方にボーリングして、そのボーリング孔を利用した電気探査トモグラフィーの探査方法と解析方法を開発し、トンネル現場での活用を目指しております。⑨ 自由面発破における自由面形成パターンの合理的検討手法に関する研究 山岳トンネル工事で、発破振動を大幅に低減することが求められる場合において、掘削面に自由面を形成させることで大幅に振動を低減させる自由面発破が有効であります。しかしながら、コストや工程に与える影響も少なくないことから、合理的な自由面発破パターンの検討手法を確立するための研究を行っております。⑩ 高耐久コンクリートの開発 新潟県を含む日本海側の沿岸部は厳しい塩害環境にあり、また、沿岸部以外でも積雪寒冷地であることから凍結防止剤による塩害を受けております。他方、社会インフラの維持更新時代を迎え、鉄筋コンクリート構造物の長寿命・高耐久化が求められております。そこで、セメントに各種混和材を混合した高耐久コンクリート(耐塩害)の開発を目的として研究開発を進めております。⑪ 橋梁維持更新(吊足場) 橋梁における維持管理及び補修においての作業床の敷設施工における作業員の安全性の向上、敷設の円滑化による作業効率の向上を目的とした吊足場の実証実験を進め、実用化に向けた開発を進めております。⑫ 中・高層建築物の階上解体工法の改善 解体する建物が高く、周囲に解体重機の稼動空間がない場合に、スラブ・梁を多数の強力パイプサポートで鉛直・複数階にわたって補強支持し、解体重機を吊り上げて上層から解体する工法が採用されます。1本の強力パイプサポートは60kgと重く運搬設置作業が重労働でありますが、スラブへの鉛直設置では補強効果が小さいため、工事費低減と安全性向上を図る検討を行っております。⑬ コンクリート構造物の補強工法 高度経済成長期に建設した社会インフラが今後一斉に老朽化し、建設後50年以上経過する施設の割合が加速度的に増加することが予想されています。これらのインフラを効果的に維持管理・延命化することを目的に複合パネルを用いた補強工法の開発に取り組んでおります。⑭ デュアルシールドマシンコントロール 都市土木の地下トンネル工事ではシールド掘進機を使用して施工を行っておりますが、現場作業員の高齢化に伴い、掘進機の熟練オペレーター不足が今後懸念され、新規にオペレーターを育成し技術を習得させるにも年単位の時間が掛かってまいります。熟練オペレーターの判断内容を現場の実施工操作データとして解析し、思考のプロセス・ノウハウを習得することで、オペレーターの技量を問わず掘進機操作が可能となるシステムの開発に取り組んでおります。 (2) 福田道路㈱1. 技術開発① 「マルチファインアイ(画像損傷診断システム)」について 平成27年1月より、NECと共同で、AI(人口知能)技術を活用し、路面の映像から「わだち掘れ」と「ひび割れ」、「パッチング」を同時に検出することが可能なシステム「マルチファインアイ(画像損傷診断システム)」を開発し、本年度では、当システムを立ち上げるべく ・ 平成29年1月31日/開発プレスリリース ・ 平成29年10月/精度向上のための追加学習終了 ・ 平成29年12月13日/記者発表(東京都内) ・ 平成29年12月14日/サービス提供を実施し、サービス提供に伴う「閲覧アプリ」の共同開発や公道での精度向上を図りました。 また、公的な評価を得るため、国土交通省/四国地方整備局が公募した「路面性状を簡単に把握可能な技術」(道路のメンテナンス時代に対し簡易な路面性状調査が求められ、同一路面で公募18技術が測定しました。公表は平成30年3月末予定)に参加し、測定(平成29年11月21日)、データの提出を行いました。 ※参考:「マルチファインアイ(画像損傷診断システム)」とは 「NEC」の先端技術AI(人工知能)技術の一つである「ディープラーニング技術」を搭載した「RAPID機械学習」を活用し、一般的なビデオカメラを取り付けた自動車から撮影した路面の映像を分析することで、路面の「ひび割れ」と「わだち掘れ」、「パッチング」を検出し、路面状況の劣化レベルの判定を可能としました。また、路面の撮影と同時に記録したGPSによる位置情報の活用により、地図データ上で路面状況の確認(閲覧アプリ)できるシステムです。 従来の目視点検技術や専用機器調査に比べ、安価で効率的に「路面の健全度」の見える化を実現しました。② 「ヒートドレッシング工法」の改良と試験施工 昨年度から、経済的で環境に優しい工法である「ヒートドレッシング工法」の改良を行っており、本年度は改良した施工機械の完成(「ヒータ車」平成29年1月、「リミキサ」平成29年3月に納車)による調整、キャリブレーションを実施し技術研究所内で試験施工(平成29年4月27日)を行いました。(改良点:①ヒータ車の加熱能力アップによる台数削減、②特殊添加剤の改良とタンクの加熱装置新設等)※参考:「ヒートドレッシング工法」とは この工法は、「ひび割れ」の発生している既設路面を複数の特殊ヒータ車で加熱し、その路面を掻きほぐした後、添加剤を散布し、新しい舗装材料と混合させることで路面の平坦性向上を図り、舗装表面をリフレッシュさせる原位置リサイクル工法です。③ 「おとなしくん(車両誘導システム)」について 現場作業で発生する各種車両誘導を周辺環境に考慮して無音で行うシステム「おとなしくん」を㈱ソーキと共同開発しました。このシステムは、「LEDディスプレイ」に解りやすい各種インフォメーションを表示し誘導を行うとともに、FMトランスミッターにより誘導車両(車載しているFMラジオ)への音声ガイダンスを同時に行います。 誘導される車両のドライバーは、バックミラーや窓から顔を出してのディスプレイ表示の確認と車載しているFMラジオから流れる音声ガイダンスを聞くことによって安全に行動することができるシステムです。現在、2件の新設高速道路建設に使用しています。④ 中温化材(施工性改善材)について 昨年から検討していた中温化材については、各種類、比較検討を行った結果、伊藤製油㈱(四日市)の協力で、「安価」・「取り扱いが容易」・「品質低下しない」材料を選定することができ、混合物の製造工場であるプラントでの試験練り、民間工事での試験施工を2プラント(相模原合材工場/アステック庄内)で実施しました。現在、当社プラントで冬期などの施工性改善材として使用しています。 ※参考:中温化材とは アスファルト混合物は、温度依存性が高く、温度低下による品質異常(密度不足、仕上がり面のできばえ)が顕在します。中温化材は、通常の温度域よりも30℃低下しても規定の締固め度を確保することができます。また、今では気温の低い冬期などの施工性の改善材として使用することが多くなっています。⑤ 明石高専との共同研究 関西エリアで数少ない舗装関係の教育/研究機関である明石高専の鍋島教授と、当社/協和道路㈱の三者で「溶融スラグ入りアスファルト舗装の実証実験」を行っています。溶接スラグの将来的なリサイクル方法の一つとして、アスファルト混合物への利用を考慮した予備試験を「二見浄化センター構内(兵庫県明石市/自治体の施設内)」で実施しました。いままで、経年変化や溶融スラグ自身の変化など検証していない事例があり、学生の参加も視野に入れた活動(プラント見学会、各種試験の体験、研究)を予定しています。現在の進捗としては、平成29年1月に構内で予備試験のための施工を実施し、経過観測中です。⑥ 再生添加剤の検討 アスファルトプラントで再生混合物に必要不可欠な材料である「再生用添加剤」の素材検討をしています。既設舗装から発生する再生材は、現在数回再生されていることから、今後再生材の品質劣化が想定されます。その対策として優れた性能を持つ素材を求めるべく、各種比較試験を実施しています。 2. 各種登録について① NETIS登録 開発した技術を新規に1件登録しました。また、申請中の技術は1件となります。今後とも積極的に登録を行います。 ・登録済:マルチファインアイ(HR-170003-A) ・申請中:おとなしくん② 特許申請等 開発した技術の特許申請を1件(おとなしくん)しています。3. その他追跡調査実施している追跡調査は3技術あります。・ファインシート(多機能性凍結抑制舗装技術)・RCCP(ローラ転圧式コンクリート舗装)・ヒートドレッシング・Jr(加熱式クラック補修工法)(3) ㈱興和① KVSストレーナ 水質が悪く、井戸の耐久性の低下が懸念される地域に対する井戸構造材料として、耐食材料『塩化ビニル管(VP)、ステンレス巻線(SUS)』を組み合わせ、長さ5.5mの“KVSストレーナ”を開発し、販売を開始いたしました。亜鉛メッキ巻線を使用しておらず、地下への亜鉛溶出がなく環境性能が高いこともPR材料となっております。本製品は平成22年にNETIS 及びMade in 新潟に登録されており、平成29年度は、自社施工、他社販売も含め約527本の販売を行っております。加えて、平成29年度には、Made in 新潟のゴールド技術登録にあたり、県知事表彰を受けております。② 法面作業用アシストロリップ 法面作業を行う際は、立木やアンカーに結んだ「命綱」と作業員の腰部につけた「安全帯」、それと命綱と安全帯を接続する『ロリップ』を用いて身体を支持してます。しかし、ロリップは『握ると動き』『離すと止まる』という仕組みを持っているものの、落ちそうになった時、咄嗟にロリップを握ってしまう事例もあり、逆に墜落してしまう重大事故も発生しておりました。こうした人間の本能(反射)に反する面もあり、改善が望まれていました。 そこで、ヒューマンエラーによる事故防止を目的に、ロリップの下に追加設置する補助装置(アシストロリップ)を開発いたしました。本製品は平成23年にNETIS 及びMade in 新潟に登録されており、平成23~29年度で727個の販売実績があり、労働安全衛生規則第593条の2に対応する改良を検討中であります。③ フレキシブル伸縮計 地すべり地の地盤変状の監視には、従来インバー線を用いた伸縮計が一般的に用いられてきました。しかし、インバー線は細く、動物や木の枝などが触れると簡単に破断するため、厳重に保護する必要があり、設置費や設置労務が掛かるといった問題があります。また、積雪地域では、通常の保護方法の他に、必ず雪囲いが必要となります。 これに比べフレキシブル伸縮計は、インバー線の代わりにφ5mm程度の炭素繊維ケーブルを用いて、簡易な保護で地盤形状に合わせて設置可能であり、設置費や設置労力が少なくてすみます。 フレキシブル伸縮計の炭素繊維ケーブルは、平成22年にNETIS 及びMade in 新潟に登録されており、平成18~平成29年で約4,460m(20m/箇所)の実績があり、今後も販売拡大が見込まれます。④ 遠隔監視制御機器(ネットワークロガー) 下水道流域のマンホールポンプの運転状況や故障、マンホール内の水位を管理事務所で監視できる遠隔監視制御装置を開発いたしました。この機器は、平成17~29年度まで1,019台の販売実績があり、今後も下水道関係の他に、農場関係の揚水ポンプや道路排水ポンプ、消雪用ポンプの遠隔監視用に販売が見込まれております。⑤ 集水井カメラ 砂防関係施設の点検において、現存施設の機能及び性能を的確に把握しておくことが重要とされています。砂防関係施設のうち、集水井工は地すべり対策工として地下水排除を目的とする重要施設となりますが、現行の点検方法では集水井工の構造や形状、立坑内の環境による問題点が多く、困難な作業となっております。 このため、経済的かつ簡易で正確に立坑内の状況や機能の確認が確認出来る“立坑(集水井工)内の点検装置(集水井カメラ)”を開発しました。本点検装置は平成28年に特許(特許6089069号)を取得しております。これまでに国土交通省及び新潟県等発注の砂防施設点検業務を中心に使用し、57箇所の防止区域427基の集水井工において点検を行っております。今後も砂防関係施設点検への活用が期待されております。⑥ MR(複合現実)技術の活用 現実世界と仮想モデルを相互に融合するMR(複合現実)に着目し、建設業界での利活用方法を模索してきました。平成29年度から新潟県内のゲーム・アニメ等のコンテンツ開発会社とMR出力システムの共同開発を行っております。 現在は、地中熱ヒートパイプ融雪、下水熱利用融雪システムのMRモデルを制作し、客先とのイメージ共有やPRに利用しております。また、現場測量に応用可能な三次元座標出力システムを開発し、現場において精度検証などを進めており、将来的には、公共的な構造物などの3D台帳化による維持管理などが見込まれております。⑦ TRT(熱応答試験)装置 地中熱利用設備の設計に必要な地中採熱量等の調査に使用するTRT(熱応答試験)装置を開発しました。そして、平成29年4月から始まった建築物の省エネ基準適合性判定に対応するため特定非営利活動法人地中熱利用促進協会が創設したTRT装置認定制度における全国第1号認定を平成29年3月に受けております。 地下100mにわたる深度別温度計測機能、WEBを通じた遠隔監視制御機能など、他社には見られない優位な機能を有しており、自社で使用するほかシステムの販売も開始しております。⑧ 場所打ち杭工事等における無溶接鉄筋篭組立工法 場所打ち杭工事等においては、通常の鉄筋コンクリート工事と異なり、組み立てた鉄筋を吊上げて建込みをするため堅固な鉄筋篭の現場製造が求められております。しかし、平成24年の道路橋示方書改訂以降、現場溶接が禁止されたことから、鉄筋篭崩壊事例が散見されております。 改訂前から無溶接による鉄筋篭組立に着目し、開発グループの一員となって組立工法開発に取り組み、平成23年度にNETIS登録をして、資材販売を始めております。平成29年度は、新潟県内でも国道バイパス工事に採用されはじめ、徐々に当工法の優位性が浸透しつつあります。 (4) ㈱レックス① 表面含浸材塗布装置の開発 近年増えている表面含浸材の塗布によるコンクリート構造物補修工事では、人力施工が主体であり、施工管理手法が確立されておりません。そこで、機械化施工による施工や管理の効率化及び施工品質の向上を図るため、「表面含浸材塗布装置」の開発を行い、平成21年にMade in 新潟登録を行っております。平成23年度には、作業性や信頼性を向上させた改良型の装置を開発しております。 これまでに、国土交通省、新潟県等の発注工事において活用されております。② 防護柵清掃工法(GRクリーン工法)の開発 消雪パイプ設置区間において防護柵類に付着した錆汚れは、視線誘導機能や美観を損なうものであり、汚れの除去が困難であるため問題となっておりました。 そこで、洗剤メーカーと共同で防護柵清掃専用洗剤による「GRクリーン工法」を開発し、洗浄後の排水処理手法も含めた防護柵清掃工法を開発し、平成22年にはMade in 新潟登録を行っております。③ 社会インフラ維持管理上の課題を解決するため技術・工法の開発 橋梁の長寿命化に寄与する補修工法や維持管理技術、トンネルの清掃機械、農業水利施設の補修材料等、道路構造物をはじめとした社会インフラの維持管理上の課題を解決するための技術や工法の開発に取り組んでおります。 ( 不動産事業及びその他 ) 研究開発活動は、特段行われておりません。
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6【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、「価値創造」の経営理念のもと、生産性向上・品質向上・自然環境の保全に加え、新たな分野への市場参入を目的とした新工法の実証実験等を中心に取り組んでおります。 また、現場に密着した研究開発ニーズと独創的なアイディアの発掘を目的として、広く社員から意見を募り研究開発活動に反映させております。 なお、当連結会計年度は研究開発費として、152百万円を投入しております。 当連結会計年度の主な研究テーマは次のとおりであります。 ( 建設事業 )(1) 当社① 高層RC、免震・制震技術の研究 鉄筋コンクリート構造での高層建築物の設計・施工技術について、実施工物件2棟(27階建て、29階建て、ともにプレキャスト・コンクリート構造)の成果を踏まえ、その適用範囲の拡大及び効率的施工法の確立を目指し、構造解析、高強度材料及び構・工法の研究を進めております。 なお、東京及び新潟地区において、Fc60N/㎜2 までの高強度コンクリートの大臣認定を取得しております。 免震建築物については9棟の施工実績を有しており(内6棟は設計・施工)、また建物に既に設置されている免震部材の交換方法についても研究活動を行います。② CFT構造の設計・施工技術の研究 高層建築物など、高軸力かつ高曲げ耐力を求められる柱を有する構造物への対応を目的に、CFT構造に関する設計・施工技術の研究を進めております。実大3層柱による施工試験を行い(社)新都市ハウジング協会による技術指導を終了しております。設計・施工で受注した同構造による物件が、平成22年度のCFT構造賞((社)新都市ハウジング協会主催)を受賞しております。引き続き受注に向けた取組みを行うとともに、同構造に関する研究活動を行います。③ プレキャスト構・工法の研究 鉄筋コンクリート造建築物において、梁・柱等のプレキャスト化及びWR-PC構造の適用拡大を進めるとともに、高層RC実施工物件のプレキャスト部材建方における施工効率化のためのデータを収集・分析中であります。薄肉中空プレキャスト・コンクリート柱に関しては、共同研究各社とともに一般評定を取得済みとなっております。④ 既存建築物の改修技術の研究 既存建築物の耐震性向上や耐久性改善等の長寿命化及びコンバート対応できるリニューアル技術を研究し、ストック価値を高める構・工法の開発を目指しております。特に、居ながら補強を目的とした外付耐震改修構法については需要が高く、設計・施工による実績も増加しており、耐震補強に関する提案力の向上及びその受注に向けた取り組みを行います。⑤ 床衝撃音に関する調査・予測手法の研究 既存建物を利用した床衝撃音の予測計算及び計測により、床衝撃音の予測計算精度の確認及びその実用性の検証を行いました。今後、調査・測定事例を蓄積し、その予測精度の向上を図る予定でおります。⑥ 結露対策のための実証実験 設計・施工の建築物において実際に使用した外壁仕様でモックアップを作成し、壁内の温度分布や温・湿度を計測することにより、外壁性能を把握する実証実験を行いました。今後、継続的に実験・計測を行い、その結果を設計などに活用していく予定でおります。⑦ 床コンクリートの直均し仕上げに関する調査・研究 床コンクリート直均し仕上げについて、仕上げを行う機器やその仕上げタイミング、回数などをパラメータとして実験を行い、仕上げ表面の硬化状況や硬化後の性状などの検証を行いました。実験結果については、床コンクリートの直均し仕上げの標準作業書としてまとめております。今後、その成果を施工に活用してまいります。⑧ デュアルシールド長距離化 推進工法とシールド工法を融合させたデュアルシールド工法を長距離化することにより、立坑の数を削減、工事コスト縮減に加え、工事に伴う周辺環境負荷低減を目的に、真空吸引方式による掘削土の坑内長距離搬送メカニズムの解析と長距離搬送システムの開発に向けた取り組みを進めております。⑨ シールド工事等で発生する自然由来ひ素汚染汚泥の浄化技術の開発 自然由来のひ素を含有し環境基準値を超過する地域は全国的に分布しているため、建設工事において発生土や汚泥がひ素に汚染されている事例は多く見られます。一方、環境関連法の強化、土壌汚染に対する認識の高まりから、汚染土壌の処理コストが高騰しており、それらの効率的かつ経済的に処理する技術の開発が求められております。特に都市部におけるシールド工事等においては多量の余剰汚泥が発生し、それらの処理技術の開発は喫緊の課題であるため、自然由来ひ素汚染汚泥を低コストかつ効率的に浄化する技術の開発に取り組んでおります。⑩ 土壌中の放射性物質測定技術の開発 飛来した放射性物質の地中への浸透状況を原位置で簡便に測定する技術を開発し、実証実験を行っております。⑪ トンネル切羽前方探査システム トンネル切羽前方の地質や地下水の状態を精度よく調査するために、トンネル切羽より前方にボーリングして、そのボーリング孔を利用した電気探査トモグラフィーの探査方法と解析方法を開発し、トンネル現場での活用を目指しております。⑫ 自由面発破における自由面形成パターンの合理的検討手法に関する研究 山岳トンネル工事で、発破振動を大幅に低減することが求められる場合において、掘削面に自由面を形成させることで大幅に振動を低減させる自由面発破が有効であります。しかしながら、コストや工程に与える影響も少なくないことから、合理的な自由面発破パターンの検討手法を確立するための研究を行っております。⑬ 高強度吹付けコンクリートの開発 山岳トンネル掘削施工の主要支保工部材である吹付けコンクリートにおいて、掘削切羽の早期地山安定の確保、長期耐力の向上を目的とした低コスト・高強度吹付けコンクリートの実用化のための研究開発を進めております。⑭ 高耐久コンクリートの開発 インフラの維持更新時代を迎え、鉄筋コンクリート構造物の長寿命化を図るため、各種混和材を混合した高耐久コンクリート材料の開発を目的として研究開発を進めております。⑮ 橋梁維持更新(吊足場) 橋梁における維持管理及び補修においての作業床の敷設施工における作業員の安全性の向上、敷設の円滑化による作業効率の向上を目的とした吊足場の実証実験を進め、実用化に向けた開発を進めております。⑯ 中・高層建築物の階上解体工法の改善 解体する建物が高く、周囲に解体重機の稼動空間がない場合に、スラブ・梁を多数の強力パイプサポートで鉛直・複数階にわたって補強支持し、解体重機を吊り上げて上層から解体する工法が採用されます。1本の強力パイプサポートは60kgと重く運搬設置作業が重労働でありますが、スラブへの鉛直設置では補強効果が小さいため、工事費低減と安全性向上を図る検討を行っております。⑰ コンクリート構造物の補強工法 高度経済成長期に建設した社会インフラが今後一斉に老朽化し、建設後50年以上経過する施設の割合が加速度的に増加することが予想されています。これらのインフラを効果的に維持管理・延命化することを目的に、複合パネルを用いた補強工法の開発に取り組んでおります。 (2) 福田道路㈱① 画像損傷診断システムの開発 本年度に「NEC」と共同で、AI(人工知能)技術を活用し路面の映像から「わだち掘れ」と「ひび割れ」、「パッチング」を同時に検出する「画像損傷診断システム」を開発しております。 このシステムは、「NEC」の最先端AI技術群の一つである「ディープラーニング(深層学習)技術」を搭載した「RAPID機械学習」を活用し、一般的なビデオカメラを取り付けた自動車から撮影した路面の映像を分析することで、路面の「ひび割れ」と「わだち掘れ」、「パッチング」を同時に検出し、路面状況の劣化レベルの判定を可能としております。また、路面の撮影と同時に記録したGPSによる位置情報の活用により、地図データ上で路面状況の確認が可能となっております。 これらにより、従来の目視点検技術や専用機器調査に比べ、安価で効率的に「路面の健全度」の見える化を実現いたしました。② 簡易路面維持工法の改良 これからの維持補修時代を見据え、アスファルト舗装廃材を出さない原位置リサイクル技術「ヒートドレッシング工法」の改良を行っております。この工法は、「ひび割れ」の発生している既設路面を複数の特殊ヒータ-車で加熱し、その路面を掻きほぐした後、添加剤を散布し、新しい舗装材料と混合させることで路面の平坦性向上を図り、舗装表面をリフレッシュする舗装再生技術であります。この工法を更に発展させるため、コスト面での低減(特殊ヒーター車の能力アップによる台数削減、添加剤の改良等)と施工延長の短縮を図るべく室内試験や各種検討を行い、改良しております。③ 中温化材(施工性改善)の改良 アスファルト混合物は、温度依存性が高く温度低下による品質異常(密度不足、仕上がり面のできばえ)が顕在しております。中温化材は、通常の温度域よりも30℃低下しても規定の締固め度を確保することが可能であります。しかしながら、コストの高い材料であることから、限定された使用状況であります。材料のコストを抑え、少量でもアスファルトプラントで出荷できるように改良を行っております。④ 開発技術の広報活動 今まで開発した新技術の普及を図るべく、全国を対象としたフェアや会議への参加を行い、技術開発の成果を随時発表しております。・平成28年6月 「EE東北‘16」(夢メッセみやぎ:仙台市)・平成28年10月 「建設技術報告会」(金沢市文化ホール:金沢市)・平成28年11月 「ハイウェイテクノフェア2016」(東京ビッグサイト:東京都)・平成28年11月 「Made In 新潟 展示会/発表会」(朱鷺メッセ:新潟市)⑤ 新規登録 開発した技術や建設機械を2件、新規に登録しております。県発注の物件では、加点要素となるものであります。今後とも積極的に登録を行ってまいります。・「Made In 新潟」28D1003:車両系建設機械用非常停止装置 (すぐとま~る)・「Made In 新潟」28D1004:加熱式ジョイントクラック処理工法(ヒートドレッシング工法Jr)⑥ 追跡調査 雪道や凍結路面の走行安全をサポートする凍結抑制舗装技術である「アイスインパクト」、「ファインシート」の追跡調査を行っております。どちらとも当社独自技術であります。イ.アイスインパクト :凍結抑制舗装技術(幹線道路に適用 特許第516060号)低温でも柔軟性を持った弾性モルタルを舗装の中に形成し、走行車両の荷重たわみによって氷版を割る機能性舗装。ロ.ファインシート工法 :凍結抑制舗装技術(坂道、山間部道路などへの適用)柔らかく粘着性のある、シート状の薄層弾性舗装材料を既設舗装に「貼るだけ」で、走行車両の荷重によって氷版を割る工法であります。滑り止め効果も併せもった機能性舗装であります。 (3) ㈱興和① メンテナンス対応型消雪パイプブロック プレキャスト消雪パイプブロックは、約20年近くの実績を持ち、交通規制の期間確保が困難な国道を中心に広く普及してきました。また、弊社仕様は、国土交通省北陸地方整備局の標準設計にも組み込まれており、冬期道路交通確保に貢献してきました。しかし一方で、その維持修繕作業においては、構造上交換が容易にできないものとなっておりました。 建設予算が新設から維持管理へシフトしていく中、撤去・再設置・再利用が可能となるよう、ブロック端面の接続部を改良した“メンテナンス対応型消雪パイプブロック”を開発いたしました。本製品は平成21年にNETIS及びMade in 新潟に登録されており、平成28年度は、約1,584mの施工実績でありました。② KVSストレーナ 水質が悪く、井戸の耐久性の低下が懸念される地域に対する井戸構造材料として、耐食材料『塩化ビニル管(VP)、ステンレス巻線(SUS)』を組み合わせ、長さ5.5mの“KVSストレーナ”を開発し、販売を開始いたしました。亜鉛メッキ巻線を使用しておらず、地下への亜鉛溶出がなく環境性能が高いこともPR材料となっております。本製品は平成22年にNETIS及びMade in 新潟に登録されており、平成28年度は、自社施工及び他社販売も含めて約616本の販売を行っております。③ 法面作業用アシストロリップ 法面作業を行う際は、立木やアンカーに結んだ「命綱」と作業員の腰部につけた「安全帯」、それと命綱と安全帯を接続する『ロリップ』を用いて身体を支持しております。しかし、ロリップは『握ると動き』『離すと止まる』という仕組みを持っているものの、落ちそうになった時、咄嗟にロリップを握ってしまう事例もあり、逆に墜落してしまう重大事故も発生しておりました。こうした人間の本能(反射)に反する面もあり、改善が望まれておりました。そこで、ヒューマンエラーによる事故防止を目的に、ロリップの下に追加設置する補助装置(アシストロリップ)を開発いたしました。本製品は平成23年にNETIS及びMade in 新潟に登録されており、平成28年度の販売実績は6個でありました。④ フレキシブル伸縮計 地すべり地の地盤変状の監視には、従来インバー線を用いた伸縮計が一般的に用いられてきました。しかし、インバー線は細く、動物や木の枝などが触れると簡単に破断するため、厳重に保護する必要があり、設置費や設置労務が掛かるといった問題があります。また、積雪地域では、通常の保護方法の他に、必ず雪囲いが必要となります。 これに比べフレキシブル伸縮計は、インバー線の代わりにφ5mm程度の炭素繊維ケーブル(東京製綱(株)と共同開発)を用いて、簡易な保護で地盤形状に合わせて設置可能であり、設置費や設置労力が少なくてすみます。また、雪囲いも不要であり、積雪地域に適した伸縮計であります。 フレキシブル伸縮計の炭素繊維ケーブルは、平成22年にNETIS及びMade in 新潟に登録されており、平成18~28年で約3,255m(20m/箇所)の実績があり、今後も販売拡大が見込まれております。⑤ 遠隔監視制御機器(ネットワークロガー) 下水道流域のマンホールポンプの運転状況や故障、マンホール内の水位を管理事務所で監視できる遠隔監視制御装置を開発いたしました。この機器は、平成17~28年度まで991台の販売実績があり、今後も下水道関係の他に、農場関係の揚水ポンプや道路排水ポンプ、消雪用ポンプの遠隔監視用に販売が見込まれております。⑥ 集水井カメラ 砂防関係施設の点検において、現存施設の機能及び性能を的確に把握しておくことが重要とされております。砂防関係施設のうち、集水井工は地すべり対策工として地下水排除を目的とする重要施設となりますが、現行の点検方法では集水井工の構造や形状、立坑内の環境による問題点が多く、困難な作業となっております。 このため、経済的かつ簡易で正確に立坑内の状況や機能の確認が確認出来る“立坑(集水井工)内の点検装置(集水井カメラ)”を開発いたしました。本点検装置は平成28年12月28日に特許を取得しており(特開2016-223162)、今後砂防関係施設点検への活用が期待されております。 (4) ㈱レックス① 表面含浸材塗布装置の開発 近年増えている表面含浸材の塗布によるコンクリート構造物補修工事では、人力施工が主体であり、施工管理手法が確立されておりません。そこで、機械化施工による施工や管理の効率化及び施工品質の向上を図るため、「表面含浸材塗布装置」の開発を行い、平成21年にMade in 新潟登録を行っております。平成23年度には、作業性や信頼性を向上させた改良型の装置を開発しております。これまでに、国土交通省、新潟県等の発注工事において活用されております。② 防護柵清掃工法(GRクリーン工法)の開発 消雪パイプ設置区間において防護柵類に付着した錆汚れは、視線誘導機能や美観を損なうものであり、汚れの除去が困難であるため問題となっておりました。 そこで、洗剤メーカーと共同で防護柵清掃専用洗剤による「GRクリーン工法」を開発し、洗浄後の排水処理手法も含めた防護柵清掃工法を開発し、平成22年にはMade in 新潟登録を行っております。③ 社会インフラ維持管理上の課題を解決するため技術・工法の開発 橋梁の長寿命化に寄与する補修工法や維持管理技術、トンネルの清掃機械、農業水利施設の補修材料等、道路構造物をはじめとした社会インフラの維持管理上の課題を解決するための技術や工法の開発に取り組んでおります。 ( 不動産事業及びその他 ) 研究開発活動は、特段行われておりません。