研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 30 |
| 2024-03 | - | 40 |
| 2023-03 | - | 30 |
| 2022-03 | - | 28 |
| 2021-03 | - | 19 |
研究開発活動(本文)
FY2025|2,383 文字
6 【研究開発活動】当社は技術力の充実を企業戦略上の重要施策の一つと認識し、SDGs及びESGの視点から、道路舗装の耐久性向上、コスト縮減、安全性向上、環境負荷低減、並びに社会的要請に応える技術の研究開発に努めています。研究開発テーマは、道路舗装の新材料・新工法や舗装の総合的な調査・評価システムなど、道路分野が中心ですが、他業種への活用についても検討しています。また、大学、官公庁、民間企業の研究機関との共同研究も行っており、その成果は新材料・新工法の普及や特許取得に反映され、さらに国内外の学術会議で発表するなど、情報発信に努めています。当連結会計年度中の研究開発費の総額は275百万円ですが、当社の研究開発は、建設事業と建設材料等の製造販売事業の両部門に密接に関連させて実施しているため、その内容をセグメント別に分類することは困難です。研究開発活動の主な内容及び取り組み状況は以下のとおりです。 (1)開発技術の普及・改良①道路舗装の路盤を高耐久化するアスファルト乳剤「プライムファイン」近年の舗装維持管理におけるライフサイクルコスト(LCC)低減と耐久性向上のニーズを背景に、より高付加価値な材料として「プライムファイン」を開発しました。プライムファインは、アスファルト舗装の路盤上に散布して使用する高浸透性改質アスファルト乳剤であり、従来のプライムコート用アスファルト乳剤(PK-3)に比べて浸透性と被膜形成力が高く、強固な含浸層を形成します。これにより、養生砂の使用量を軽減しつつ、重交通路線や薄層舗装でも長寿命な舗装構造の実現に寄与します。②道路橋床版を延命化する床版防水技術近年、全国の道路橋の老朽化が懸念される中、当社では各種の床版防水技術を開発してきました。その一つである樹脂防水一体型アスファルト舗装「タフシャットRA工法」は、環境に配慮した植物系樹脂を原料とした防水材を用いて、床版・防水層・アスファルト混合物を強固に一体化する工法であり、従来のグースアスファルト舗装の課題を克服した“床版防水性能を有する舗装”です。また、従来のグースアスファルトの性能を向上させた改質グースアスファルトも開発しております。今後、これらの技術の普及に努め、老朽化した橋梁床版の延命化に貢献してまいります。③道路舗装の構造的強度(たわみ量)を迅速かつ安価に計測する技術近年、道路舗装マネジメントの効率化・合理化が求められる中、当社は国立研究開発法人土木研究所を中心とした大学・企業と共同で「移動式たわみ測定装置(MWD)」を研究開発し、さらに路面性状測定機能を付与した新型車両(MWD plus)を開発・運用しています。MWDは、走行中の車両荷重によって発生する舗装表面のたわみを連続的に計測する装置で、交通規制なしで広範囲の調査が可能です。この技術は、舗装の健全度を面的に把握し、維持管理の効率化と高度化を図るための有力な手段として期待されています。今後、地方自治体等に対して積極的に提案し、舗装点検の迅速化、道路舗装マネジメントの効率化・合理化に寄与してまいります。 (2)新材料・新技術の開発アスファルト混合物を製造する合材プラントの統廃合が想定されることを背景とし、運搬に約5時間要しても品質を確保可能な中温化アスファルト混合物を開発しています。これまでに実道等で試験的に施工しており、今後、その耐久性等の確認を進めてまいります。脱炭素の機運が高まる中、加熱することなく常温で製造するアスファルト混合物(常温混合物)、石油を原料としない植物由来の「Bioバインダー」、電気自動車の普及を見据えた電気供給システムなど、カーボンニュートラルやESGを意識しながら、他分野も含めた新たな舗装材料・技術について研究開発に取り組んでいます。常温混合物の開発においては、茨城県つくば市に建設した常温混合物用のプラントを用いて、実路での検証作業を行っています。 (3)既存材料・既存技術の改良アスファルト乳剤および改質アスフアルトをはじめとする既存製品について、更なる「品質・耐久性の向上」、「省人化」、「コスト低減」、「新たな機能の付与」を目指して改良研究を継続しています。 (4)施工技術の開発①情報化施工技術の活用およびICT舗装への取り組み当社では、舗装工事にTLS(地上型レーザースキャナ)やUAV(無人航空機)を導入し、3次元データを起工、施工、出来形管理の各段階で活用するICT舗装工として全国の施工現場で実施してきました。今後も最新技術を取り込みながら、ICT舗装による効率化、施工精度の更なる向上に取り組みます。②DXへの取組み当社ではDX推進部を設置し、ICTや人工知能(AI)などのデジタル技術を舗装工事現場や製品・合材工場における各種作業の自動化、品質管理・出来形管理などへの活用を強力に推進し、「生産性向上」「就業者不足」「事故抑制」といった課題の解決に取り組んでまいります。 (5)その他SDGs達成に向けフランスのColas社は太陽光発電パネルを道路の路面に敷設する「路面太陽光発電技術 Wattway(ワットウエイ)」の実用化に向け、全世界で実証実験を行っています。一方、日本への導入にあたり厳しい気象条件や交通条件などの課題も顕在化しています。当社はこの取り組みの趣旨に賛同し、Colas社と共同して様々な課題に取り組み、持続可能な成長を目指します。Wattwayは、自然環境を損なうことなく設置でき、従来の太陽光発電に比べ台風などの災害にも強く、被災時には非常用電源として機能し、住み続けられるまちづくりの実現に貢献します。また、当社が培った技術は、将来的に東南アジアをはじめWattwayの世界展開に寄与するものと考えています。
FY2024|2,036 文字
6 【研究開発活動】当社は技術力の充実を企業戦略上の重要施策の一つと認識し、SDGs及びESGの視点から、道路舗装の耐久性向上、コスト縮減、安全性向上および、環境負荷低減並びに社会的要請に応える技術の研究開発に努めています。研究開発テーマは、道路舗装の新材料・新工法や舗装の総合的な調査・評価システムなど、道路分野が中心ですが、他業種への活用についても検討しています。また、大学、官公庁、民間企業の研究機関との共同研究も行っており、その成果は新材料・新工法の普及や特許取得に反映するとともに国内外の学術会議で発表するなど情報発信に努めています。当連結会計年度中の研究開発費の総額は337百万円ですが、当社の研究開発は、建設事業と建設材料等の製造販売事業の両部門に密接に関連させて研究開発を行っているため、その内容をセグメント別に分類することは困難です。研究開発活動の主な内容及び取り組み状況は以下の通りです。 (1)開発技術の普及・改良①道路橋床版を延命化する床版防水技術近年、全国の道路橋の老朽化が懸念される中、当社では各種の床版防水技術を開発してきました。その中の一つ、樹脂防水一体型アスファルト舗装「タフシャットRA工法」は、環境に配慮した植物系樹脂を原料とした防水材を用いて、床版・防水層・アスファルト混合物を強固に一体化する工法であり、従来のグースアスファルト舗装の課題を克服した“床版防水性能を有する舗装”です。また、従来のグースアスファルトの性能を向上させた改質グースアスファルトも開発しております。今後、これら技術の普及に努め、老朽化した橋梁床版の延命化に寄与してまいります。②道路舗装の構造的強度(たわみ量)を迅速かつ安価に計測する技術当社は国立研究開発法人土木研究所を中心とした大学・企業との共同研究に参画し「移動式たわみ測定装置(MWD)を開発しました。MWDによって迅速かつ安価に舗装のたわみ量が計測できるようになります。昨年度、MWDに路面性状測定機能を付与した新型車両(MWD plus)を開発し運用を開始しました。今後、地方自治体等に対して積極的に提案し、舗装点検の迅速化、道路舗装マネジメントの効率化・合理化に寄与してまいります。 (2)新材料・新技術の開発アスファルト混合物を製造する合材プラントの統廃合が想定されることを背景とし、運搬に約5時間要しても品質を確保可能な中温化アスファルト混合物を開発しています。これまでに実道等で試験的に施工しており、今後、その耐久性等の確認を進めてまいります。脱炭素の機運が高まる中、加熱することなく常温で製造するアスファルト混合物(常温混合物)、石油を原料としない植物由来の「Bioバインダー」、電気自動車の普及を見据えた電気供給システムなど、カーボンニュートラルやESGを意識しながら、他分野も含めた新たな舗装材料・技術について研究開発に取り組んでいます。常温混合物の開発においては、茨城県つくば市に常温混合物用のプラントを建設し、実路での検証作業を行っています。 (3)既存材料・既存技術の改良アスファルト乳剤および改質アスフアルトをはじめとする既存製品について、更なる「品質・耐久性の向上」、「省人化」、「コスト低減」、「新たな機能の付与」を目指して改良研究を継続しています。 (4)施工技術の開発①情報化施工技術の活用およびICT舗装への取り組み当社では、舗装工事にTLS(地上型レーザースキャナ)やUAV(無人航空機)を導入し、3次元データを起工、施工、出来形管理の各段階で活用するICT舗装工として全国の施工現場で実施してきました。今後も最新技術を取り込みながら、ICT舗装による効率化、施工精度の更なる向上に取り組みます。②DXへの取組み今年度、当社では建設事業本部内にDX推進部を設置し、当業界の大きな課題である「生産性向上」「就業者不足」「事故抑制」の解決策として有効である、ICTや人工知能(AI)などのデジタル技術を舗装の工事現場や製品・合材工場における各種作業の自動化、品質管理・出来形管理などへ活用を推進してまいります。 (5)その他SDGs達成に向けフランスのColas社は太陽光発電パネルを道路の路面に敷設する「路面太陽光発電技術 Wattway(ワットウエイ)」の実用化に向け、全世界で実証実験を行っています。一方、日本への導入にあたり厳しい気象条件や交通条件などの課題も顕在化しています。当社はこの趣旨に賛同し、Colas社と共同して様々な課題に取り組み、持続可能な成長を目指します。Wattwayは、自然環境を損なうことなく設置でき、従来の太陽光発電に比べ台風などの災害にも強く、被災時には非常用電源として機能し、住み続けられるまちづくりの実現に貢献します。また、当社が培った技術は、将来的に東南アジアをはじめWattwayの世界展開に寄与するものと考えています。
FY2023|2,043 文字
6 【研究開発活動】当社は、技術力の充実を企業戦略上の重要施策の一つと認識し、道路舗装の耐久性向上、コスト縮減、安全性向上およびSDGs等に配慮した環境負荷低減など、社会的要請に応える技術の研究開発に努めています。研究開発テーマは、道路舗装の新材料・新工法や舗装の総合的な調査・評価システムなど、道路分野が中心ですが他業種への活用についても検討しています。また、大学、官公庁、民間企業の研究機関との共同研究も行っており、その成果は新材料・新工法の普及や特許取得に反映するとともに国内外の学術会議で発表するなど情報発信に努めています。当連結会計年度中の研究開発費の総額は294百万円ですが、当社の研究開発は、建設事業と建設材料等の製造販売事業の両部門に密接に関連させて研究開発を行っているため、その内容をセグメント別に分類することは困難です。研究開発活動の主な内容及び取り組み状況は以下の通りです。 (1)開発技術の普及・改良①道路橋床版を延命化する床版防水技術近年、全国の道路橋の老朽化が懸念される中、当社では各種の床版防水技術を開発してきました。その中の一つ、樹脂防水一体型アスファルト舗装「タフシャットRA工法」は、環境に配慮した植物系樹脂を原料とした防水材を用いて、床版・防水層・アスファルト混合物を強固に一体化する工法であり、従来のグースアスファルト舗装の課題を克服した“床版防水性能を有する舗装”です。また、従来のグースアスファルトの性能を向上させた改質グースアスファルトも開発しております。今後、これら技術の普及に努め、老朽化した橋梁床版の延命化に寄与してまいります。②道路舗装の構造的強度(たわみ量)を迅速かつ安価に計測する技術当社は国立研究開発法人土木研究所を中心とした大学・企業との共同研究に参画し「移動式たわみ測定装置(MWD)を開発しました。MWDにより、迅速かつ安価に舗装のたわみ量が計測できるようになります。昨年度、MWDに路面性状測定機能を付与した新型車両を開発し運用を開始しました。今後、地方自治体等に対して積極的に提案し、舗装点検の迅速化、道路舗装マネジメントの効率化・合理化に寄与してまいります。 (2)新材料・新技術の開発アスファルト混合物を製造する合材プラントの統廃合が想定されること背景とし、運搬に約5時間要しても品質を確保可能な中温化アスファルト混合物を開発しています。これまでに実道等での試験的に施工しており、今後、その耐久性等の確認を進めてまいります。脱炭素の機運が高まる中、加熱することなく常温で製造するアスファルト混合物(常温混合物)、石油を原料としない植物由来の「Bioバインダー」、電気自動車の普及を見据えた電気供給システムなど、カーボンニュートラルやESGを意識しながら、他分野も含めた新たな舗装材料・技術について研究開発に取り組んでいます。常温混合物の開発においては、茨城県つくば市に常温混合物用のプラントを建設しており、実路での検証作業を開始する計画をしています。 (3)既存材料・既存技術の改良改質アスフアルト、アスファルト乳剤をはじめとする既存製品について、更なる「品質・耐久性の向上」、「省人化」、「コスト低減」、「新たな機能の付与」を目指して研究改良を継続しています。 (4)施工技術の開発①情報化施工技術の活用およびICT舗装への取り組み当社では2018年度に工事部に「ICT推進室」を設け、舗装工事にTLS(地上型レーザースキャナ)やUAV(無人航空機)を導入し、3次元データを起工、施工、出来形管理の各段階で活用するICT舗装工として全国の施工現場で実施してきました。今後も最新技術を取り込みながら、ICT舗装による効率化、施工精度の向上を図ります。 ②DXへの取組み本業界の大きな課題である「生産性向上」「就業者不足」「事故抑制」の解決策として、ICTや人工知能(AI)などの技術が有効であることは周知のとおりですが、これらデジタル技術を舗装の工事現場や工場における各種作業の自動化や品質管理・出来形管理など、全工程におけるDXの活用についても推進しています。 (5)その他SDGs達成に向けフランスのColas社は太陽光発電パネルを道路の路面に敷設する「路面太陽光発電技術 Wattway(ワットウエイ)」の実用化に向け、全世界で実証実験を行っています。一方、日本への導入にあたり厳しい気象条件や交通条件など課題も顕在化しています。当社はこの趣旨に賛同し、Colas社と共同して様々な課題に取り組み持続可能な成長を目指します。Wattwayは、自然環境を損なうことなく設置でき、従来の太陽光発電に比べ台風などの災害にも強く、被災時には非常用電源として機能し、住み続けられるまちづくりの実現に貢献します。また、当社が培った技術は、将来的に東南アジアをはじめWattwayの世界展開に寄与するものと考えています。
FY2022|1,901 文字
5 【研究開発活動】当社は、技術力の充実を企業戦略上の重要施策の一つと認識し、耐久性の向上、コスト低減、安全性の向上、およびSDGs等に配慮した環境負荷低減など社会的要請に応える技術の研究開発に努めています。研究開発テーマは道路舗装の新材料・新工法や、舗装の総合的な調査・評価システムなど、道路分野が中心ですが他業種への活用についても検討しています。また、大学、官公庁、民間企業の研究機関との共同研究も行っており、その成果は新材料・新工法の普及や特許取得に反映するとともに国内外の学術会議で発表するなど情報発信に努めています。当連結会計年度中の研究開発費の総額は264百万円ですが、当社の研究開発は、建設事業と建設材料等の製造販売事業の両部門に密接に関連させて研究開発を行っているため、その内容をセグメント別に分類することは困難です。 [主な研究開発](1)開発技術普及、新材料の開発および既存材料の改良①開発技術の普及・改良 橋梁床版の損傷に着目して開発した樹脂防水一体型アスファルト舗装「タフシャットRA工法」は従来のグースアスファルト舗装の課題を克服した“床版防水性能を有する舗装”です。本工法は、国内で初めて環境に配慮した植物系樹脂を防水材として用い、床版・防水層・アスファルト混合物を強固に一体化させ、道路橋床版の長寿命化を実現するものです。「タフシャットRA工法」は新たな発想の確実な防水工法であり、社会的ニーズも高いことから広範な普及を図ります。②新材料・新技術の開発 アスファルト混合物を製造する合材プラントの統廃合が想定されることを背景とし、運搬に約5時間要しても品質の確保が可能な中温化アスファルト混合物や、約3~6ヶ月備蓄可能な常温混合物を開発しました。これらの技術については、国土交通省の「広域安定供給可能なアスファルト舗装技術」の公募技術に選定されたことから、今年度以降施工性・耐久性の検証を行う予定です。 脱炭素の機運が高まる中、石油を原料としない100パーセント植物由来の「Bioバインダー」、電気自動車の普及を見据えた電気供給システムなど、カーボンニュートラルやESGを意識しながら他分野も含めた新たな舗装材料・技術について研究開発に取り組んでいます。③既存材料の改良 改質アスフアルト、アスファルト乳剤をはじめとする既存製品については、さらなる「品質・耐久性の向上」、「省人化」、「コスト低減」、「新たな機能の付与」を目指した研究改良を継続しています。 (2)施工技術の開発①情報化施工技術の活用およびICT舗装への取り組み 当社では2018年度に工事部に「ICT推進室」を設け、舗装工事にTLS(地上型レーザースキャナ)やUAV(無人航空機)を導入し、3次元データを起工、施工、出来形管理の各段階で活用するICT舗装工として全国の施工現場で実施してきました。今後も最新技術を取り込みながら、ICT舗装による効率化、施工精度の向上を図ります。②DXへの取組み 本業界の大きな課題である「生産性向上」「就業者不足」「事故抑制」の解決策として、ICTや人工知能(AI)などの技術が有効であることは周知のとおりですが、これらデジタル技術を舗装の工事現場や工場における各種作業の自動化や品質管理・出来形管理など、全工程におけるDXの活用についても推進しています。 (3)その他①太陽光発電舗装システム(Wattway)SDGs達成のためフランスのColas社は太陽光発電パネルを道路の路面に敷設したWattwayの実用化に向け、全世界で実証実験を行っています。しかしながら、日本への導入にあたり厳しい気象条件や交通条件など課題も顕在化しています。当社はこの趣旨に賛同し、Colas社と共同で様々な課題に取り組み持続可能な成長を目指します。Wattwayは、自然環境を損なうことなく設置でき、従来の太陽光発電に比べ台風などの災害にも強く、被災時には非常用電源として機能し、住み続けられるまちづくりの実現に貢献します。また、当社が培った技術は、将来的に東南アジアをはじめWattwayの世界展開に寄与するものと考えています。②移動式たわみ測定装置(MWD)を用いた舗装の構造評価システム 当社は国立研究開発法人土木研究所を中心とした大学・企業との共同研究に参画しMWDを開発しました。MWDにより、これまで困難だったネットワークレベルでの舗装の構造評価が可能になると期待されます。膨大な道路網の効率的な維持管理を実現するため、MWDによる構造評価システムの開発に取り組んでいます。
FY2021|1,472 文字
5 【研究開発活動】当社は、技術力の充実を企業戦略上の重要施策の一つとして認識し、環境負荷低減、耐久性の向上、コスト低減、安全性の向上など社会的要請に応える技術の研究開発に努めています。研究開発テーマは道路舗装の新材料・新工法や、舗装の総合的な調査・評価システムなど、道路分野が中心ですが他業種への活用についても検討しています。また、大学、官公庁、民間企業の研究機関との共同研究も行っており、その成果は新材料・新工法の普及や特許取得に反映するとともに国内外の学術会議で発表するなど情報発信に努めています。当連結会計年度中の研究開発費の総額は249百万円ですが、当社の研究開発は、建設事業と建設材料等の製造販売事業の両部門に密接に関連させて研究開発を行っているため、その内容をセグメント別に分類することは困難です。 [主な研究開発](1)舗装材料の改良・開発①既存材料の改良・開発技術の普及 改質アスフアルト、アスファルト乳剤をはじめとする既存製品については、さらなる「品質・耐久性の向上」、「コスト低減」を目指した改良に絶えず取り組んでいます。 近年、損傷の進行した橋梁の維持管理が問題となっていますが、そのシーズとして株式会社高速道路総合技術研究所と共同開発した鋼床版の疲労対策技術である「高剛性アスファルト舗装」や、国立研究開発法人土木研究所と共同開発した防水性能に優れた橋面舗装である「特殊樹脂充填アスファルト混合物」が期待されることから、これら開発技術の普及を図ります。②新材料・新技術の開発 脱炭素の機運が高まる中、石油を原料としない100パーセント植物由来の「Bioバインダー」、電気自動車の普及を見据えた電気供給システムなど、SDGsを意識しながら他分野も含めた新たな舗装材料・技術について研究開発に取り組んでいます。 (2)舗装工法の開発①情報化施工技術の活用およびICT舗装への取り組み 当社では2018年度に工事部に「ICT推進室」を設け、舗装工事にTLS(地上型レーザースキャナ)やUAV(無人航空機)を導入し、3次元データを起工、施工、出来形管理の各段階で活用するICT舗装工として国土交通省発注工事を中心に全国の施工現場で実施してきました。今後も最新技術を取り込みながら、より多くの施工現場に展開していきます。②DXへの取組み 本業界の大きな課題である「生産性向上」「就業者不足」「事故抑制」の解決策として、ICTや人工知能(AI)などの技術が有効であることは周知のとおりですが、これらデジタル技術を舗装の工事現場や工場における各種作業の自動化や品質管理・出来形管理など、全工程に活用するDXについても検討を始めたところです。 (3)その他①橋面リフレッシュ工法の開発・普及 都市高速道路で採用されている複合防水の浸透プライマーと舗装表面の不陸を改善するアスファルト乳剤系表面処理材を組み合わせた「CAMシールNEOプラス」は、既設舗装面を切削することなく防水性能と舗装機能を向上することが可能であるため、地方道の老朽化したコンクリート橋面を安価にリフレッシュする工法として期待されます。②舗装点検システムの効率化 2016年度国土交通省道路局で定められた「舗装点検要領」により、舗装の点検の重要性が再認識されました。当社では、2019年度,2020年度の委託業務を通じて自動路面性状測定装置「CHASPA」を用いた点検業務の効率化、優位性を発注者に確認頂いてるところですが、さらなるシステムの効率化を図っていきます。
FY2020|1,334 文字
5 【研究開発活動】当社は、技術力の充実を企業戦略上の重要施策の一つとして認識し、環境負荷低減、耐久性の向上、コスト縮減、安全性の向上など社会的要請に応える技術の研究開発に努めています。道路舗装を中心とした新材料・新工法の開発に注力しているほか、舗装の総合的な調査・評価システムの開発や、大学、官公庁、民間企業の研究機関との共同研究を行い、その成果は新材料・新工法の開発や特許の取得などに反映するとともに国内外の学術会議で発表するなど情報発信に努めています。当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は259百万円でありますが、当社での研究開発は、建設事業と、建設材料等の製造販売事業の両部門に密接に関連させて研究開発を行っているため、その内容をセグメント別に分類することは困難です。[主な研究開発](1)舗装材料の改良・開発①既存材料の改良・開発および普及改質アスファルト、アスファルト乳剤をはじめとする既存製品については、「耐久性の向上」「コスト縮減」「施工の効率化」を目指した材料開発を継続的に実施しています。また、株式会社高速道路総合技術研究所と共同開発した、橋梁の鋼床版の疲労対策技術である「高剛性舗装」の普及を推進していきます。②新材料の開発石油を原料としない100パーセント植物由来の「Bioバインダー」、多機能を有する複合防水材料、およびリサイクル可能なリフレクションクラック抑制シートなど、SDGsを意識しながら他分野も含めた新たな素材の舗装材料への適用についても研究開発に取り組んでいます。(2)舗装工法の開発①情報化施工技術の開発およびICT舗装への取り組み当社では2018年度に工務本部に「ICT推進室」を設け、舗装工事にUAV(無人航空機)やTLS(地上型レーザースキャナ)を導入し、建設工事の測量、施工、出来形管理の各段階で活用するICT舗装工として国土交通省発注工事を中心に全国の施工現場で実施してきました。今後もより多くの施工現場に展開していきます。②AIを活用した自動化施工技術の開発本業界の大きな課題である「働き方改革」「労働人口の減少」「事故抑制」への対応策となるICTや人工知能(AI)の舗装工事への活用に取り組んでいます。とくに施工機械の自動化は多方面の企業との協力により、早急な開発・確立を目指しているところです。(3)その他①舗装点検の効率化システムの開発2016年度国土交通省道路局で定められた「舗装点検要領」により、舗装の点検の重要性が再認識されました。当社では、2019年度委託業務を通じて自動路面性状測定装置CHASPAを用いた点検業務の効率化、優位性を確認いただいており、さらなる効率化の研究開発を行います。②橋梁点検技術の開発橋梁の更新が社会問題となっているなか、橋梁のコンクリート床版の健全度を非開削で正しく評価する手法が求められています。当社ではFWD(Falling Weight Deflectometer)を用いたコンクリート床版の評価手法の開発を近畿大学と行っており、一定の成果が得られました。今年度は供用中の橋梁で測定を行い、多数のデータを収集することにより精度の高い評価手法の確立を目指します。
FY2019|4,007 文字
5 【研究開発活動】当社は、技術力の充実を企業戦略上の重要施策の一つとして認識し、社会に貢献する技術・社会のニーズに応じた技術の研究開発に努めています。道路舗装を中心とした新材料・新工法の開発に注力するほか、舗装の総合的な調査・評価システムを開発し、官公庁や民間企業などの顧客に対する技術の提案を行っています。また、大学、官公庁、民間企業の研究機関との共同研究を行い、その成果は新材料・新工法の開発や特許の取得などに反映するとともに国内外の学術会議で発表するなど情報発信に努めています。これら研究開発テーマの設定・推進にあたっては、技術部・技術推進部、技術営業部及び技術研究所からなる技術本部が中心になり、工務本部、製品事業本部、営業本部など他部署と連携をとりながら、環境負荷低減、耐久性の向上、コスト縮減、安全性の向上など社会的要請に応え、顧客の信頼を得ることを目標に取り組んでいます。2018年度からはイントラネット上に"技術的課題の提案"と題した意見箱を構築し、現場で困っていることや小さなアイデアを広く全社員から募集し、開発テーマの参考としています。当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は293百万円でありますが、当社での研究開発は、建設事業と、建設材料等の製造販売事業の両部門に密接に関連させて研究開発を行っているため、その内容をセグメント別に分類することは困難です。[主な研究開発](1)舗装材料の開発①鋼床版の疲労対策を目的とした「高剛性アスファルト舗装」の開発社会資本の老朽化による補修・更新に関する問題はわが国の大きな社会問題であり、そのうち橋梁の疲労損傷は、早急な対策が必要となっています。橋梁は床版の種類により鋼床版とコンクリート床版に大別され、鋼床版の一般的な補修方法としては鋼繊維補強コンクリート(SFRC)舗装がありますが、本補修には大形の施工機械と長時間を要することから交通量の多い供用中の道路橋の補修としては多くの課題がありました。そこで当社では特殊な施工機械を必要とせず、施工が簡易で所要時間の短い「高剛性アスファルト舗装」を株式会社高速道路総合技術研究所と共同で開発しました。高剛性アスファルト舗装を実橋で試験施工を行い各種データの収集により、SFRC舗装と比較すると補強効果は小さいものの、従来工法であるグースアスファルト混合物と比較すると3.1倍の延命効果を確認しました。本技術は鋼床版のみならず、コンクリート床版の補修工法としても有効であると考えれれることから、県市町村で管理するような小規模な橋梁への適用にも期待されます。また、「高剛性アスファルト舗装」について記述した論文が、2018年度一般社団法人日本道路建設業協会の「第21回舗装技術に関する懸賞論文」において1等を受賞したことからも、本技術の期待度の高さが伺えます。②ポットホール用緊急補修材料「TOKE・パック」の開発高速道路上で発生するポットホールは車両の走行安全性を損なうことから迅速な対応が求められるため、高速走行車両の合間に交通規制をすることなく応急処置を行わなければならず、非常に危険な作業とならざるを得ません。補修に要する時間は事故発生のリスクに比例するため、作業時間の短縮が切望されていました。当社では中日本ハイウェイメンテナンス北陸株式会社と共同で、高耐久性の常温アスファルト混合物を水溶性フィルムに梱包することにより、雨天時や路面湿潤時においても投込み(敷き並べ)足で踏み固めるだけで施工が完了するポットホール用緊急補修材「TOKE・パック」を開発し、補修時間をこれまでの約1/3に短縮しました。「TOKE・パック」は2018年度に一般販売を開始し、新聞・雑誌などに紹介されたことから、道路管理者や施工業者はもちろん、ホームセンターや個人のお客様などからの問い合わせも多く、今後の需要増大が期待されています。 ③路面温度の上昇を抑制する水性塗料「EGカラー(遮熱タイプ)」の開発路面温度の上昇を抑制する遮熱性舗装は、地球温暖化現象やヒートアイランド現象といった社会問題から我が国では2000年頃より普及してきた技術ですが、2020年東京オリンピックのマラソンコースへの採用により社会の関心が改めて高まっています。これまでの遮熱性舗装は塗料を路面に吹き付ける工法であり、特殊な施工機械と熟練工が必要であること、材料中にMMA(メタクリル酸メチル)などの樹脂が含まれるため施工時の臭気による周辺への影響、などの課題がありました。当社ではこれまでの「ヒートシールド」、「ニューカラーコート」に加え、ローラーバケなどで誰でも簡単に施工できる水性舗装材料「EGカラー(遮熱タイプ)」を開発しました。「EGカラー(遮熱タイプ)」は無臭で施工方法が簡便であり、路面温度を10℃以上低減できるため利用者の環境を大きく改善できることから、歩道をはじめテニスコートや3×3コートなど広範な普及が期待されます。④タイヤ付着抑制機能と急速分解性機能を併せ持つタックコートの開発アスファルト舗装工事では表層と基層などのアスファルト混合物の層間にはタックコートと呼ばれるアスファルト乳剤を散布します。下層に散布したタックコートの水が蒸発するまで上層の舗設はできないため、夜間や寒冷期には養生に長時間を要し、養生中突然の降雨によりタックコートが流出するなどの問題がありました。そこで、特殊ディストリビュータによりアスファルト乳剤と分解材を同時に散布し、アスファルト乳剤中のアスファルトと水を強制的に分離(分解)させ、早期に上層の施工を可能とするタックコート「タックコートSQ」を開発しました(NETIS: KT-180007-A)。タイヤ付着抑制機能を有するタックファインSQは従来のタックコートの分解時間を最大1/10程度に短縮するため、舗装工事の効率化を図る生産性向上に寄与するものです。2018年度には時間制限の厳しい空港の舗装工事の基準書である「空港舗装補修要領及び設計例」に本乳剤の有効性が記載され、今後の拡販が期待されています。 (2)舗装工法の開発①情報化施工技術の開発およびICT舗装への取り組み舗装の施工においても情報化技術(IT)の活用が推進されています。当社においては、GNSS(全地球測位システム)やトータルステーションなどを利用した3次元マシンコントロール(3D-MC)を活用して施工および管理の精度向上に努め、技術の普及に取り組んでいます。2018年度には工務本部に「ICT推進室」を設け、舗装工事にUAV(無人航空機)やTLS(地上型レーザースキャナ)を導入し、建設工事の測量、施工、出来形管理の各段階で活用するICT舗装工として国土交通省発注工事を中心に全国の施工現場で実施してきました。今後もより多くの施工現場に展開していきます。②AIを活用した自動化施工技術の開発本業界の大きな課題である「働き方改革」「労働人口の減少」への一対応策として、ICTや人口知能(AI)の活用が有望と考えられ、研究開発を進めています。当社においても近年急速に進展しているAIや、多様なセンサー、通信技術などを用いて舗装工事で用いる建設機械の自動化について研究しています。本技術を確立することにより、舗装工事の省力化に寄与するのみでなく、これまで職人的な技量が必要であった施工技術の伝承といった課題の解決も図ります。本研究は多方面の企業との協力により、早急な開発・確立を目指しているところです。 (3)その他の研究開発①簡易な路面性状調査技術「CHASPA」の開発2016年度国土交通省道路局で定められた「舗装点検要領」により、舗装の点検の重要性が再認識されました。当社は約20年前から舗装維持管理システム「TОA-PMMS」の開発に取り組み、舗装を「いつ・どこを・どのように」直すのかを提案してきました。「TОA-PMMS」の中の一技術として、自動路面性状測定装置CHASPA(NETIS登録番号 : KT-170103-VR)があり、早く・安く・正確な路面性状測定の方法について研究開発を行ってきました。CHASPAは車両に様々な計測ユニットを備え、「ひび割れ率」、「わだち掘れ量」、「平たん性(σ)」のほか、前方3方向の「路面画像」、乗り心地指標「IRI」、路面テクスチャ指標「MPD」などを同時に取得でき、全てのデータはGPS位置情報とリンクしているため、結果を地図上に表示することができます。また、ひび割れ状況のCAD図への展開もできることから、損傷の状態を視覚的に認識可能であり、補修計画にも有用です。2017年度国土交通省四国地方整備局で実施した「路面性状を簡易に把握可能な技術」の共通試験では、当社のCHASPAの測定精度が非常に優れていることを確認していただきました。②AIを用いたFWD解析技術の開発CHASPAと同じく「TОA-PMMS」の中の一技術としてFWD(Falling Weight Deflectometer)があります。当社はFWDを国内で最も多く保有しており全国に配置しています。FWDはアスファルト舗装の各層の健全性や、コンクリート舗装の目地部などを構造的に評価するものであり、舗装の補修計画には欠かせない重要な評価技術でありながら、その解析方法において技術者の能力に大きく依存することが課題でした。この課題の解決策として当社は国内の大手IT企業と共同でAIによる解析技術を開発しています。本技術が確立すると、技術者によるばらつきが無くなり一意的な結果が得られること、および安価に解析を行えることから、FWDをこれまで以上に現場で活用していただけるものと考えます。
FY2018|3,796 文字
5 【研究開発活動】当社は、技術力の充実を企業戦略上の重要施策の一つとして認識し、社会に貢献する技術・社会のニーズに資する技術の研究開発に努めています。道路舗装を中心とした新材料・新工法の開発に注力するほか、舗装の総合的な調査・評価システムを開発し、官公庁や民間会社などの顧客に対する技術提案を行っています。また、大学、官公庁、民間企業の研究機関との共同研究を行い、その成果は新材料・新工法の開発や特許の取得などに反映するとともに内外の学術会議で発表するなど情報発信に努めています。これら研究開発にあたっては、技術部・技術推進部と技術研究所からなる技術本部が中心になり、他の事業部や施工現場と連携をとりながら、環境負荷低減、耐久性の向上、コスト縮減、安全性の向上など社会的要請に応え、顧客に信頼を得ることを目標に取り組んでいます。当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は288百万円でありますが、当社での研究開発は、建設事業と、建設材料等の製造販売事業の両部門に密接に関連させて研究開発を行っているため、その内容をセグメント別に分類することは困難です。[主な研究開発](1)舗装材料の開発①高耐久性・高安定性アスファルト混合物「HSアスコン」の開発当社は、半たわみ性混合物に匹敵する耐久性に優れたアスファルト混合物「HSアスコン」を開発し、さらなる普及に努めています。HS(High Stability)アスコンは、荷重に対する抵抗性が極めて高いため、重交通路線や交差点付近に適用することで長寿命舗装となるほか、コンテナヤードや物流拠点の舗装にも適しています。また耐油性にも優れるためオイル漏れによる舗装の破損を抑制します。使用している特殊添加剤は、植物油を主原料としており、舗装資材としては初めてのバイオマスマーク商品として一般社団法人日本有機資源協会(http://www.jora.jp/txt/katsudo/bm/)から認定を受けています。②ポリマー改質アスファルトの開発ポリマー改質アスファルトのメーカーでもある当社は、ポリマー改質アスファルトⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型の高性能化、低廉化の検討に努め、競争力の向上を図っています。新たな改質アスファルトとして、既設舗装のひび割れによるリフレクションクラックを抑制する薄層舗装「高耐久クイックコート」用特殊アスファルトを開発し、試験施工による検証を進めています。このほかにも、舗装材料の多様な要求に対応し、高耐久で低コストの材料の開発、予防的維持や補修工法に適用できる材料の開発を進めています。③タイヤ付着抑制機能と急速分解性機能を併せ持つタックコートの開発表層と基層などのアスファルト混合物の層間にはタックコートと呼ばれるアスファルト乳剤を散布します。下層に散布したタックコートの水が蒸発するまで上層の舗設は出来ないため、夜間や寒冷期には養生に長時間を要したり、養生中突然の降雨によりタックコートが流出するなどの問題がありました。そこで、特殊ディストリビュータによりアスファルト乳剤と分解材を同時に散布し、アスファルト乳剤中のアスファルトと水を強制的に分離(分解)させ、早期に上層の施工を可能とするタックコート「タックファインSQ」を開発しました(NETIS: KT-180007-A)。タイヤ付着抑制機能を有するタックファインSQは従来のタックコートの分解時間を最大1/10程度に短縮するため、舗装工事の効率化を図る生産性向上に寄与するものです。 ④常温混合物の開発当社で開発してVOC(揮発性有機物質)の少ない溶剤タイプの袋詰め常温混合物「コールド・パーミックス」は舗装に空いた小穴の補修や小規模復旧工事など、少量のアスファルト混合物が必要な箇所に使用されており、その性能の良さからホームセンター店頭での販売実績を伸ばしています。さらに、平成27年度には容易に施工可能で耐久性の高い常温硬化型の路面補修材「ファスト・アス」の販売を開始しました。ファスト・アスは特殊骨材とアスファルト乳剤が一つのビニール袋にパッケージされ、使用時には骨材と乳剤を袋の中で混合した材料を開封後流し込むだけで施工を可能とし、そのユニークな特性が評価され平成28年度に「グッドデザイン賞2016」を受賞しました。ファスト・アスは小さな段差やくぼみの修正に適した補修材料であり、使用方法が非常に簡単であることから、道路材料に不慣れな方々にも容易に扱える製品です。⑤景観・体育施設用舗装の開発当社では自転車競技上のアスファルト舗装の路面をなめらかに仕上げ、紫外線劣化を抑制する表面材料「ウォークトップ」を1964年に青森競輪場で施工して以来50年以上に亘り製造・販売・施工してきました。ウォークトップは米国シェブロン社の舗装用技術を応用し国内用に開発したものですが、50年以上の間には一部海外産の素材が供給中止となったことなどもあり、絶えず我が国の時代に即した材料へと改良を続けてきました。特に発色性に優れた「明色ウォークトップ」は当社オリジナルのものであり、ニーズも広まっているところです。このような緩まぬ研究開発により、全国44の競技場における表層材のシェア100%を長期間持続しています。(2)舗装工法の開発①遮水型排水性舗装(POSMAC:ポスマック)の開発排水性舗装は、浸透した雨水の影響で下地となる基層面から舗装が早期に破壊することが問題となっています。その対応として、分解剤併用型のアスファルト乳剤散布装置付きアスファルトフィニッシャを用い、アスファルト混合物を敷きならしながら自社開発した高濃度改質アスファルト乳剤と分解剤を同時に散布し、厚みのあるゴムアスファルト層を排水性舗装の下部に形成することにより、排水機能を確保しつつ遮水機能を向上させた表層を低コストで構築する工法「POSMAC工法」を独自開発しました。本工法は、国道や高速道路をはじめ全国の道路の補修に採用され、平成28年度末で210万㎡に達しております。②情報化施工技術の開発およびICTへの取り組み近年、舗装の施工においても情報化技術(IT)が活用されるようになってきました。当社においては、GNSS(全地球測位システム)や通信技術を利用したトータルステーションなどを利用した3次元マシンコントロール(3D-MC)を導入して管理精度の向上に努めるとともに、顧客への技術提案を行っています。さらに、平成30年度には工務本部に「ICT推進室」を設け、舗装工事にUAV(無人航空機)やTLS(地上型レーザスキャナ)を用いた測量、施工、出来形管理を行うICT舗装工についても技術の習得や普及を推進していきます。 (3)その他の研究開発①鉄道軌道材料の開発セメント・アスファルトモルタル(CAモルタル)は鉄道スラブ軌道の緩衝材料として新幹線の建設にも使用されており、現在建設中の北陸、九州及び北海道新幹線の新設軌道工事においても採用されています。この技術は、台湾新幹線や一部の中国新幹線で適用されたほかアメリカ、ブラジル、インド、ベトナムなど海外の高速鉄道で採用も期待されており、性能の高度化を目指しています。②舗装管理システムの開発公共工事の予算が減少するなかで、平成28年10月に「舗装点検要領」が施行され、より効率的な舗装路面の管理が求められています。当社では、路面の機能的破損状態を走行しながら自動測定し、これまで解析に最も時間と労力を要したひび割れの判定を自動化した「ひび割れ自動検出システムを備えた路面性状自動測定装置」(NETIS: KT-170103-A)を開発し、路面性状測定業務の省力化を図りました。また、舗装の構造的耐久力を非破壊で測定する舗装たわみ測定装置(FWD)は、得られたデータから求まる舗装各層の弾力係数が解析者により異なることが普及の課題となっていました。当社では「弾性係数推定システム」をIT企業と共同で開発を進め、精度の高い舗装の構造評価システムの確立を目指しています。これら舗装のデータをデータベースやマッピングシステムと組合わせることにより総合的な舗装の維持管理をインターネット上で運用するシステム(TOA-PMMS.web)の開発を行っています。さらに、平成29年度には当社で受注している全国7箇所の直轄国道の維持工事において、スマートフォンを用いた簡易な路面調査システムを活用し、効率的な道路維持管理手法について取り組んでいます。本手法は、前述の「舗装点検要領」や近年注目されている道路維持工事における「性能規定発注方式」や「包括管理契約方式」への応用にも期待されるものです。③走行中非接触給電舗装の開発環境に優しい電気自動車は、現状1回の充電で最大400km程度しか走行出来ないため、電気自動車の普及促進には充電スタンドの充実のほか、走行中に非接触で給電可能なインフラ整備が大きな鍵になると考えられます。当社は過去日産自動車との共同開発の中で、車両へ効率的に給電する舗装構造及び材料を開発し走行実験により、その可能性を確認しました。現在も走行中非接触給電舗装の実用化を目指し、高効率で給電可能な舗装材料の開発を大学と共同研究を行っています。
FY2017|4,785 文字
6 【研究開発活動】当社は、技術力の充実を企業戦略上の重要施策の一つとして認識し、社会に貢献する技術・社会のニーズに資する技術の研究開発に努めています。道路舗装を中心とした新材料・新工法の開発に注力するほか、舗装の総合的な調査・評価システムを開発し、官公庁や民間会社などの顧客に対する技術提案を行っています。また、大学、官公庁、民間企業の研究機関との共同研究を行い、その成果は新材料・新工法の開発や特許の取得などに反映するとともに内外の学術会議で発表するなど情報発信に努めています。これら研究開発にあたっては、本社技術部・技術推進部と技術研究所からなる技術本部が中心になり、他の事業部や施工現場と連携をとりながら、環境負荷低減、耐久性の向上、コスト縮減、安全性の向上など社会の要請に応え、顧客に信頼を得ることを目標に取り組んでいます。当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は304百万円でありますが、当社での研究開発は、建設事業と、建設材料等の製造販売事業の両部門に密接に関連させて研究開発を行っているため、その内容をセグメント別に分類することは困難であります。[主な研究開発](1)舗装材料の開発①高耐久性・高安定性アスファルト混合物「HSアスコン」の開発当社は、半たわみ性混合物やエポキシアスファルト混合物にも匹敵する高耐久性を有するアスファルト混合物「HSアスコン」を開発し、さらなる用途拡大に努めています。HS(High Stability)アスコンは、特殊熱可塑性樹脂(HS添加剤)とポリマーによるハイブリッド改質アスファルトをバインダーとする加熱アスファルト混合物で、通常の加熱アスファルト混合物と同様に舗設できます。荷重に対する抵抗性が極めて高いため、重交通路線や交差点付近に適用することで長寿命舗装となるほか、コンテナヤード舗装にも適しております。また耐油性にも優れるためオイル漏れによる舗装の破損を抑制できます。使用している特殊添加剤は、植物油を主原料としており、舗装資材としては初めてのバイオマスマーク商品として一般社団法人日本有機資源協会(http://www.jora.jp/txt/katsudo/bm/)から認定を受けています。②中温化改質アスファルト「ECOバインダー」の開発当社は、わが国で初めてプレミックス中温化改質アスファルト「ECOバインダー」を開発しております。ECOバインダーは、アスファルト混合物の製造温度を30℃程度低減することで燃料消費量を十数%削減を可能にし、低炭素社会の実現に貢献しております。③ポリマー改質アスファルトの開発アスファルトの耐久性を格段に向上させ、多くの重交通道路に使用されているポリマー改質アスファルトのメーカーである当社は、ポーラスアスファルトの多様な選択を可能とするポリマー改質アスファルト「パーミバインダーシリーズ」の拡充に力を注いでおり、今後も、新たな用途に適用可能なバインダーの開発を進めてまいります。このほか、舗装材料の多様な要求に対応して高耐久で低コストの材料の開発、予防的維持や補修工法に適用できる材料の開発を進めています。④タイヤ付着抑制機能と急速分解性機能を併せ持つタックコートの開発表層と基層などのアスファルト混合物の層間にはタックコートと呼ばれるアスファルト乳剤を散布します。上層の舗設は下層に散布したタックコートの水が蒸発するまで出来ないため、寒冷期などは養生に長時間を要すことや、養生中の降雨によりタックコートが流出するなどの問題がありました。そこで、特殊ディストリビュータによりアスファルト乳剤と分解材を同時に散布し、アスファルト乳剤中のアスファルトと水を強制的に分離(分解)させ、早期に上層の施工を可能とするタックコート「タックファインSQ」を開発しました。タックファインSQは従来のタックコートの分解時間を1/10程度に短縮するとともに、タイヤ付着抑制機能を併せ持つことから、舗装工事の効率化に寄与します。 ⑤常温混合物の開発創業当初より生産販売しているアスファルト乳剤の蓄積した技術を生かして常温混合物の研究開発に取り組んでいます。この常温混合物は、アスファルトの代わりにアスファルト乳剤を使用するため加熱を必要としないので、燃料消費によるCO2の排出量が少なく、環境にやさしい舗装材料です。離島など加熱混合物の使用が困難な箇所や長期保存性から震災時の緊急補修にも有用であり、普及が期待されます。この他、VOC(揮発性有機物質)の少ない溶剤タイプの袋詰め常温混合物「コールド・パーミックス」は舗装に空いた小穴の補修や小規模復旧工事など、少量のアスファルト混合物が必要な箇所に使用されており、その性能の良さからホームセンター店頭での販売実績を伸ばしています。さらに、平成27年度には容易に施工可能で耐久性の高い常温硬化型の路面補修材「ファスト・アス」の販売を開始しました。ファスト・アスは特殊骨材とアスファルト乳剤が一つのビニール袋にパッケージされ、使用時には骨材と乳剤を袋の中で混合した材料を開封後流し込むだけで施工を可能とし、そのユニークな特性が評価され平成28年度に「グッドデザイン賞2016」を受賞しました。ファスト・アスは小さな段差やくぼみの修正に適した補修材料であり、使用方法が非常に簡単であることから、道路材料に不慣れな方々にも容易に扱える製品です。⑥高耐久性道路橋床版防水工法の開発道路橋には、雨水の浸透による床版の劣化や腐食を防止する目的で、一般的に橋面と舗装の間に防水層が施されます。当社はアスファルト防水システム「タフシャット工法」を有しており、材料の製造から防水層の施工まで一括した実施体制を整えています。近年、従来のアスファルト防水に比べ飛躍的に耐久性に優れた高機能防水工法「タフシャットS型工法」を開発し、第二東名高速道路のコンクリート橋などに適用されています。⑦景観・体育施設用舗装の開発歩道や自転車道のカラー舗装材として、耐摩耗性・耐久性と施工性に優れた薄層舗装材料「ニューカラーコート」を開発し、路面温度低減機能を付加した材料を開発するなどシリーズの拡充を行っています。また、車道に設置される自転車通行帯に用いる舗装材として、自動車のライトをドライバーに回帰反射し自転車の安全性を向上する「CSコート」を新たに開発しました。平成28年度には、すべり止め効果を有する水性アクリル塗料「EGカラー」を開発し、販売を開始しました。(2)舗装工法の開発①遮水型排水性舗装(POSMAC:ポスマック)の開発排水性舗装では、浸透した雨水の影響で下地となる基層面から舗装が早期に破壊することが指摘されています。その対応として、分解剤併用型のアスファルト乳剤散布装置付きアスファルトフィニッシャを用い、特別に自社開発した高濃度改質アスファルト乳剤を舗設と同時に分解し、厚みのあるゴムアスファルト層を排水性舗装の下部に形成することにより、排水機能を確保しつつ遮水機能を向上させた表層を低コストで構築する工法「POSMAC工法」を独自開発しました。本工法は、国道や高速道路をはじめ全国の道路の補修に採用され、平成28年度末で210万㎡に達しております。②情報化施工技術の開発およびICTへの取り組み近年、情報化技術(IT)が進展し、舗装の施工管理にも生かされるようになってきました。当社では、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)や通信技術を利用したトータルステーションなどを利用した3次元マシンコントロール(3D-MC)を導入して管理精度の向上に努めるとともに、顧客への技術提案を行っています。IT施工技術で、オートステアリング技術を活用し、曲率半径40m程度の陸上競技場施設の舗設で精度の高い仕上がりを確保しました。さらに、情報通信技術を活用し生産性の向上を図るため、UAVやレーザスキャナによる3次元測量やICT建機といったi-constructionについても技術の習得・システムの開発を行い、舗装への適用を推進していきます。 (3)その他の研究開発①鉄道軌道材料の開発セメント・アスファルトモルタル(CAモルタル)は鉄道スラブ軌道の緩衝材料として新幹線の建設にも使用されており、現在建設中の北陸及び北海道新幹線の新設軌道工事においても採用されています。この技術は、台湾新幹線や一部の中国新幹線で適用されたほかアメリカ、ブラジル、インド、ベトナムなどでの高速鉄道での採用が期待されています。②舗装管理システムの開発公共工事の予算が減少するなかで、舗装を適切に維持管理することが重要な課題となっており、ライフサイクルコスト縮減など、経済的な管理手法が求められています。そのため、当社では路面の機能的破損状態を走行しながら自動測定できる路面性状測定車「CHASPA:キャスパ」と舗装の構造的耐久力を非破壊で測定する舗装たわみ測定装置(FWD)などで測定した舗装のデータをデータベースやマッピングシステムと組合わせることにより総合的な舗装の維持管理システム(TOA-PMMS:トーア-ピーエムエムエス)の開発を行っています。平成24年度には、インターネットからクラウドによってTOA-PMMSの機能を利用できる「TOA-PMMS.web」をリリースしました。平成25年度には、ライフサイクルの算定システムを組み込み、長期の維持管理計画算定が可能なシステムとしました。平成26年度には、スマートフォンを活用した簡易な路面調査システムを開発し、「TOA-PMMS.web」との連動も確立しました。これらのソフトウエアは、舗装資産の効率的な維持管理に貢献するものと期待されます。③走行中非接触給電舗装の開発CO2ガスの発生がなく環境に優しい電気自動車は、車両に搭載したバッテリーの容量により1回の充電で最大200km程度しか走行出来ない現状にあります。このため、電気自動車の普及促進には充電スタンドの充実の他に、走行中に非接触で給電可能なインフラ整備が大きな鍵となります。当社は過去日産自動車との共同開発の中で、電磁波を効率的に車載コイルに給電する舗装構造及び材料を開発し、試験舗装を構築して非接触給電走行の実験を行い、その可能性を確認しました。今後も、走行中非接触給電舗装の実用化を目指し、舗装材料の開発を進めてまいります。④3次元地中探査レーダー(GeoScope)の開発地下埋設管の老朽化を要因とする空洞陥没事故が社会問題化しています。地中探査レーダーは道路下にある地中の情報を非破壊で効率的に調査する技術です。電磁波の透過、反射、屈折現象を利用して、材質(誘電率)の異なる境界面を可視画像化します。GNSSによる位置情報と組み合わせることで、路面下の空洞、埋設管・ケーブルの位置、舗装構成などを画的に捉えることができます。また、当社の保有するFWDやボーリングマシンと併用することで、最適な舗装補修断面・補修工法を提案いたします。地中探査レーダーを橋梁調査に用いることにより異常箇所を非破壊で発見することも可能です。さらに、当社の所有するFWDによる調査を併用することで評価の精度を向上します。わが国では大規模更新・補修の必要な橋梁が激増すると予測されており、本技術の広範な普及が期待されます。橋梁やトンネル、道路などの社会資本の老朽化が顕在化してきている中、当社はわが国におけるFWD調査のパイオニアとして、今後も、舗装材料・工法・調査における技術開発を推進し、効率的な社会資本の維持管理に貢献できる技術を、迅速に提供してまいります。
FY2016|4,369 文字
6 【研究開発活動】当社は、技術力の充実を企業戦略上の重要施策の一つとして認識し、社会に貢献する技術・社会のニーズに資する技術の研究開発に努めています。道路舗装を中心とした新材料・新工法の開発に注力するほか、舗装の総合的な調査・評価システムを開発し、官公庁や民間会社などの顧客に対する技術提案を行っています。また、大学、官公庁、民間企業の研究機関との共同研究を行い、その成果は新材料・新工法の開発や特許の取得などに反映するとともに内外の学術会議で発表するなど情報発信に努めています。これら研究開発にあたっては、本社技術部と技術研究所からなる技術本部が中心になり、他の事業部や施工現場と連携をとりながら、環境負荷低減、耐久性の向上、コスト縮減、安全性の向上など社会の要請に応え、顧客に信頼を得ることを目標に取り組んでいます。当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は295百万円でありますが、当社での研究開発は、建設事業と、建設材料等の製造販売事業の両部門に密接に関連させて研究開発を行っているため、その内容をセグメント別に分類することは困難であります。[主な研究開発](1)舗装材料の開発①高耐久性・高安定性アスファルト混合物「HSアスコン」の開発当社は、半たわみ性混合物やエポキシアスファルト混合物にも匹敵する高耐久性を有するアスファルト混合物「HSアスコン」を開発し、さらなる用途拡大に努めています。HS(High Stability)アスコンは、特殊熱可塑性樹脂とポリマーによるハイブリッド改質アスファルトをバインダーとする加熱アスファルト混合物で、通常の加熱アスファルト混合物と同様に舗設できます。荷重に対する抵抗性が極めて高いため、重交通路線や交差点付近に適用することで長寿命舗装となるほか、コンテナヤード舗装にも適しております。また耐油性にも優れるためオイル漏れによる舗装の破損を抑制できます。使用している特殊添加剤(HS添加剤)は、植物油を主原料としており、舗装資材としては初めてのバイオマスマーク商品として(一般社団法人)日本有機資源協会(http://www.jora.jp/txt/katsudo/bm/)から認定を受けています。②中温化改質アスファルト「ECOバインダー」の開発当社は、わが国初めてとなるプレミックス中温化改質アスファルト「ECOバインダー」を開発しております。ECOバインダーは、アスファルト混合物の製造温度を30℃程度低減することで燃料消費量を十数%削減することを可能にし、低炭素社会の実現に貢献しております。③ポリマー改質アスファルトの開発アスファルトの耐久性を格段に向上させ、数多くの重交通道路に使用されているポリマー改質アスファルトのメーカーである当社は、ポーラスアスファルトの多様な選択を可能とするポリマー改質アスファルト「パーミバインダーシリーズ」の拡充に力を注いでいますが、今後も、新たな用途に適用可能なバインダーの開発を進めてまいります。このほか、補修用材料の要求に対応して高耐久で低コストの材料の開発、予防的維持や補修工法に適用できる材料の開発を進めています。 ④常温混合物の開発創業当初より生産販売しているアスファルト乳剤の蓄積した技術を生かして常温混合物の研究開発に取り組んでいます。この常温混合物は、アスファルトの代わりにアスファルト乳剤を使用するため加熱を必要としないので、燃料消費によるCO2の排出量が少なく、環境にやさしい舗装材料です。離島など加熱混合物の使用が困難な箇所や長期保存性から震災時の緊急補修にも有用であり、普及が期待されます。この他、VOC(揮発性有機物質)の少ない溶剤タイプの袋詰め常温混合物「コールド・パーミックス」も販売を開始しました。舗装に空いた小穴の補修や小規模復旧工事など、少量のアスファルト混合物が必要な箇所に使用されており、その性能の良さからホームセンター店頭での販売実績を伸ばしています。さらに、平成27年度には容易に施工可能で耐久性の高い常温硬化型の路面補修材「ファスト・アス」の販売を開始しました。ファスト・アスは特殊骨材とアスファルト乳剤が一つのビニール袋にパッケージされ、使用時には袋の中で揉むように骨材と乳剤を混合し、袋を開封して混合材料を流し込むだけで施工が可能です。ファスト・アスは小さな段差やくぼみの修正に適した補修材料であり、使用方法が非常に簡単であることから、道路材料に不慣れな方々にも容易に扱える製品です。⑤高耐久性道路橋床版防水工法の開発道路橋には、雨水の浸透による床版の劣化や腐食を防止する目的で、一般的に橋面と舗装の間に防水層が施されます。当社はアスファルト防水システム「タフシャット工法」を有しており、材料の製造から防水層の施工まで一括した実施体制を整えています。近年、従来のアスファルト防水に比べ飛躍的に耐久性に優れた高機能防水工法「タフシャットS型工法」を開発し、第二東名高速道路のコンクリート橋などに適用されています。⑥景観・体育施設用舗装の開発歩道や自転車道のカラー舗装材として、耐摩耗性・耐久性と施工性に優れた薄層舗装材料「ニューカラーコート」を開発したほか、路面温度低減機能を付加した材料を開発するなどシリーズの拡充を行っています。また、車道に設置される自転車通行帯に用いる新しい機能を有する舗装材「CSコート」を新たに開発し、販売を開始しました。「CSコート」を施工した路面では自動車のライトをドライバーに回帰反射するので、夜間でも自転車通行帯の視認性を確保でき、自転車の安全走行に寄与できます。(2)舗装工法の開発①遮水型排水性舗装(POSMAC:ポスマック)の開発排水性舗装では、浸透した雨水の影響で下地となる基層面から舗装が早期に破壊することが指摘されています。その対応として、分解剤併用型のアスファルト乳剤散布装置付きアスファルトフィニッシャを用い、特別に自社開発した高濃度改質アスファルト乳剤を舗設と同時に分解し、厚みのあるゴムアスファルト層を排水性舗装の下部に形成することにより、排水機能を確保しつつ遮水機能を向上させた表層を低コストで構築する工法「POSMAC工法」を独自開発しました。本工法は、国道や高速道路をはじめ全国の道路の補修に採用され、平成27年度末で200万㎡に達しております。②情報化施工技術の開発近年、情報化技術(IT)が進展し、舗装の施工管理にも生かされるようになってきました。当社では、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)や通信技術を利用したトータルステーションなどを利用した3次元マシンコントロール(3D-MC)を導入して管理精度の向上に努めるとともに、顧客への技術提案を行っています。IT施工技術で、オートステアリング技術を活用し、曲率半径40m程度の陸上競技場施設の舗設の仕上がり精度の確保が可能となっています。 (3)その他の研究開発①鉄道軌道材料の開発セメント・アスファルトモルタル(CAモルタル)は鉄道スラブ軌道の緩衝材料として新幹線の建設にも使用されており、現在建設中の北陸及び北海道新幹線の新設軌道工事においても採用されています。この技術は、台湾新幹線や一部の中国新幹線で適用されたほかアメリカ、ブラジル、インド、ベトナムなどでの高速鉄道での採用が期待されています。②舗装管理システムの開発公共工事の予算が減少するなかで、舗装を適切に維持管理することが重要な課題となっており、ライフサイクルコスト縮減など、経済的な管理手法が求められています。そのため、当社では路面の機能的破損状態を走行しながら自動測定できる路面性状測定車「CHASPA:キャスパ」と舗装の構造的耐久力を非破壊で測定する舗装たわみ測定装置(FWD)などで測定した舗装のデータをデータベースやマッピングシステムと組合わせることにより総合的な舗装の維持管理システム(TOA-PMMS:トーア-ピーエムエムエス)の開発を行っています。平成23年度には、自治体道路の状況や工事履歴、苦情情報などをパソコンに登録し、舗装の効率的な維持管理に活用できるソフトウェア「TOA-PMMS-Basic」をリリースしました。また、平成24年度には、インターネットからクラウドによってTOA-PMMSの機能を利用できる「TOA-PMMS.web」をリリースしました。平成25年度には、ライフサイクルの算定システムを組み込み、長期の維持管理計画算定が可能なシステムとしました。平成26年度には、スマートフォンを活用した簡易な路面調査システムを開発し、「TOA-PMMS.web」との連動も確立しました。これらのソフトウエアは、舗装資産の効率的な維持管理に貢献するものと期待されます。③走行中非接触給電舗装の開発CO2ガスの発生がなく、環境に優しい電気自動車は、車両に搭載したバッテリーの容量の関係で、1回の充電で最大100km程度の走行しか出来ません。このため、電気自動車を普及促進するには充電スタンドの充実の他に、非接触で走行中に給電可能なインフラ整備が大きな鍵となります。そこで、当社は日産自動車と共同開発の中で、電磁波を効率的に車載コイルに給電する舗装構造及び材料を開発し、試験舗装を構築して非接触給電走行の実験を実施しました。今後、実道に敷設するための技術の向上を進めてまいります。④3次元地中探査レーダー(GeoScope)の開発地下埋設管の老朽化を要因とする空洞陥没事故が社会問題化しています。地中探査レーダーは道路下にある地中の情報を非破壊で効率的に調査する技術です。電磁波の透過、反射、屈折現象を利用して、材質(誘電率)の異なる境界面を可視画像化します。GNSSによる位置情報と組み合わせることで、路面下の空洞、埋設管・ケーブルの位置、舗装構成などを画的に捉えることができます。また、当社の保有するFWDやボーリングマシンと併用することで、最適な舗装補修断面・補修工法を提案いたします。さらに、橋梁においては異常箇所を非破壊で発見することも可能です。さらに、当社の所有するFWDによる調査を併用することで評価の精度を向上します。わが国では大規模更新・補修の必要な橋梁が激増すると予測されており、本技術の広範な普及が期待されます。橋梁やトンネル、道路などの社会資本の老朽化が顕在化してきている中、日本におけるFWD調査技術のパイオニアとして当社は、今後も、舗装材料・工法・調査における技術開発を推進し、効率的な社会資本の維持管理に貢献できる技術を、迅速に提供してまいります。