研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
| 2025-03 |
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13 |
| 2024-03 |
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18 |
| 2023-03 |
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24 |
| 2022-03 |
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16 |
| 2021-03 |
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12 |
研究開発活動(本文)
FY2025|2,499 文字
6【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、社会のニーズを的確に把握し効率的に成果を上げるため、本社に技術開発部門を配置して行っています。プレストレストコンクリートの従来技術の改良に加え、新たなニーズに対応するため、市場調査や最新技術情報の収集を積極的に行っています。また、自社研究やグループ内連携に加え、産・学・官との共同研究にも積極的に取り組んでいます。当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は795百万円であります。このうち、研究開発活動の主な成果並びに主要案件は次のとおりであります。 (1)土木事業及び建築事業共通生産性向上は当社の喫緊の課題であり、迅速な成果が求められています。そのため2019年に「PSMAX推進委員会」を設立し、グループ全体で情報を共有・管理し、ICT技術を活用した独自の建設システム構築に取り組んできました。2024年度は、より進化させたピーエス・コンストラクショングループの建設システム『ピーエス・コンストラクション More Advanced Construction System』の構築を新しい開発ビジョンに掲げ、①建設プロセスのデジタライゼーションと自動化、②デジタル技術を活用した技術の伝承と人財育成の推進など業務プロセス全体の変革に向けたDXロードマップを作成しました。2025年度、人的資源の減少や技術伝承の遅延といった経営課題に対し、DXによる課題解決と全社的展開をより一層推進するために「DX推進委員会」と専門部署として「DX推進室」を新設しました。「DX推進委員会」では、今までのPSMAXの取組に加え、管理部門の業務効率化、共通プラットフォームの構築とデジタル人財の教育など全社的な活動を推進していきます。 (2)土木事業①環境負荷低減コンクリートの開発地球温暖化の抑制策として、プレキャスト部材の製造工場からのCO2排出量を削減する取組と、CO2排出量が少ない材料を用いたコンクリートの開発を行っています。従来、プレキャスト部材の製造時にはコンクリートの初期強度発現を促進させるため蒸気養生を行っており、これには重油を燃料とするボイラーが必要で多くのCO2が排出されます。当社では、蒸気養生なしに必要な初期強度を得られる「スチームレスプレキャストコンクリート」を開発し,2024年度に岡山県発注のプレキャストPC桁において初採用されました。またコンクリート材料においては製造時に多くのCO2を排出するセメントを、CO2排出量が少ない高炉スラグ微粉末に70%以上置換し、材料由来のCO2排出量を大幅に削減可能なコンクリートを開発しています。今後も使用材料及び部材製造時におけるプレキャストコンクリートに関する環境負荷低減技術をグループ内で連携して開発・実用化していきます。 ②高強度コンクリートを用いた低桁高PC桁工法の開発近年、河川改修や都市再開発事業において桁下空間の確保など、建築限界の制限による厳しい架橋条件に対して低桁高橋梁の需要が増えています。このニーズに応えるため、高強度コンクリートを用いた低桁高PC桁工法「ダックスビームHC工法」を開発しました。本工法は設計基準強度100N/mm2の高強度コンクリートを用いることで、設計基準強度が50~60N/mm2の一般的なPC桁に比べ、より低桁高でより大きな支間に適用することができます。本工法の実橋への適用も進んでおり、初適用の橋梁が2024年10月に、2橋目が2025年3月に完成しています。今後、これらの施工実績を基に、低桁高や軽量化(少主桁化)が要求される橋梁工事への適用拡大が期待されます。 ③大規模更新関連技術の開発大規模更新工事に対応する技術として、2023年度に開発した低空頭型床版架設機を床版更新工事において初適用しました。高圧電線などの上空制限があり、大型クレーンでは施工が不可能な環境における施工の高速化など良好な結果を得ることができました。取替え用のプレキャストPC床版については、床版上面の薄層を超緻密高強度繊維補強コンクリートに置換することで,橋面防水を不要として耐久性の向上と現場工程を短縮する技術の開発を行い現場実装に向け計画中です。また、耐震補強では既設の中空床版橋に対し、従来の手法では設置が困難であった落橋防止等の定着用アンカーを容易に設置する工法「UB-WALL工法」を開発し、2025年度の施工に向け更なる技術の改善を実施中です。 ④大規模修繕関連技術の開発脱塩工法は、コンクリート表面に配置した陽極材と内部鉄筋との間に電流を流すことで、コンクリートに浸透した塩化物イオンを抽出する工法です。しかし、塩化物イオンをコンクリート外部へ抽出する一方、アルカリイオンを内部鉄筋周辺に集積させる特徴があり、鋼材周辺のアルカリイオン濃度が極端に大きくなることで、アルカリシリカ反応性骨材を使用したコンクリートでは膨張性を示し、ひび割れや剥落などを誘発する恐れがあります。この反応はアルカリ骨材反応(ASR)と呼ばれています。弊社が開発した「LAC脱塩工法」は、コンクリート部材に応じた電流調節機能、陽極からの電気をコンクリートに伝える電解質溶液の材料変更と循環方法の改良、各部への通電量を詳細管理する遠隔監視技術を使用し、ASRが懸念される構造物にも脱塩工法が適用できるように改良しました。現在、改良した「LAC脱塩工法」の他、グラウト再注入工法「リパッシブ工法」や電気防食工法など各種独自メンテナンス工法を施工中であり、本格化する大規模修繕工事に向け更なるブラッシュアップを進めていきます。 (3)建築事業PCa部材接合構造の開発建築部門におけるプレキャスト化の拡大・推進に向けて、新たなプレキャスト部材接合構造の開発を実施しています。本開発はプレキャストRC部材の接合に関する現場作業の省力化を図るものです。2024年度は鉛直荷重に対する基本性状を確認する載荷実験を実施し、2025年度は地震時水平荷重に対する性状確認の載荷実験を進めます。
FY2024|2,365 文字
6【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、社会のニーズを的確に把握し効率的に成果を上げるため、本社に技術開発部門を配置して行っています。プレストレストコンクリート技術及び在来技術の改良に加え、新しいニーズに応えるため、先進技術の調査、情報の収集を積極的に推進しています。また、自社研究に加え、産・学・官との共同研究にも積極的に取り組んでいます。当連結会計年度における研究開発活動の主な成果並びに主要案件は次のとおりであります。 なお、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は821百万円であります。 (1)土木事業及び建築事業共通生産性向上のための技術開発及びシステム開発は当社にとって喫緊の課題であり、早急に具体的な成果を得ることが求められています。そこで、土木、建築、技術、管理の各本部及びグループ会社で情報を共有し一元的に管理し、研究開発活動を強力に推進する組織「PSMAX推進委員会」を2019年に立ち上げ活動を行っています。ここでは主にICT技術を活用して情報化と機械化を融合進化させ、当社グループ独自の建設システムを構築することを目的としています。また、PSMAXの開発技術を当社及びグループ会社に広く展開するために「PSMAXフォーラム」をWEB開催し、開発技術の適用事例紹介と意見交換を行いました。 (2)土木事業①環境負荷低減コンクリートの開発地球温暖化の抑制策として、プレキャスト部材の製造工場からのCO2排出量を削減する取組みと、CO2排出量が小さい材料を用いたコンクリートの開発を行っています。従来、プレキャスト部材の製造時にはコンクリートの初期強度発現を促進させるため蒸気による加熱養生を行ってきました。蒸気養生は重油を燃料とするボイラーにより稼働するため多くのCO2が排出されます。このため、蒸気養生を不要とすることが可能な常温で高い初期強度を発現するプレキャスト部材用の速硬コンクリートの開発を行い,実用化することができました。コンクリート材料においては製造時に多くのCO2を排出するセメントを、CO2排出量が少ない高炉スラグ微粉末やフライアッシュなどの混和材で大量に置換して使用し、材料由来のCO2排出量を大幅に削減可能なコンクリートを開発しています。また、CO2を吸着させたCCU材料をコンクリートの使用材料とすることによるCO2排出量の削減する研究を進めています。今後も使用材料及び部材製造過程におけるプレキャストコンクリートに関する環境負荷低減技術を開発・提案していきます。 ②高強度コンクリートを用いた低桁高PC桁工法の開発近年、河川改修や都市再開発事業において桁下空間の確保など、建築限界の制限による厳しい架橋条件に対して低桁高橋梁の需要が増えています。このニーズに応えるため、高強度コンクリートを用いた低桁高PC桁工法「ダックスビームHC工法」を開発しました。本工法は設計基準強度100N/mm2の高強度コンクリートを用いることで、設計基準強度が50~60 N/mm2の一般的なPC桁に比べ、より低桁高で大きな支間に適用することができます。本工法は2023年5月、国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録され、次いで同年7月に民間企業発注の橋梁建設工事に初めて採用されました。今後、施工実績を積み重ね、低桁高や軽量化(少主桁化)が要求される橋梁工事への適用増加が期待されます。 ③大規模更新関連技術の開発大規模更新工事に対応する技術として、高速道路などの床版取替工事において、高圧電線と交差して大型クレーンや既存の床版架設機では十分な離隔を確保できない等、施工環境の制約がある場合にも対応でき、さらに施工の高速化を実現する低空頭型床版架設機の開発を行いました。取替え用のプレキャストPC床版については、床版上面の薄層を超緻密高強度繊維補強コンクリートに置換することで,橋面防水を不要として現場工程を短縮する技術の開発を行いました。また、既設の中空床版橋の耐震補強に対し、従来の手法で設置が困難であった落橋防止等の定着用アンカーを容易に設置する工法を開発しました。2024年度の実施工を目指し、営業展開を行っています。 ④効率的なコンクリート脱塩工法「LAC脱塩工法」の開発脱塩工法とは、コンクリート表面に配置した陽極材と内部鉄筋との間に電流を流すことで、コンクリートに浸透した塩化物イオンを抽出する工法です。「LAC脱塩工法」は、カートリッジ化した線状陽極材を適切な間隔で配置することで、詳細な通電管理による脱塩状況の把握が可能となり、従来工法と比較して産業廃棄物の低減、現場施工の省力化が図れるという優れた特長を持っています。この当社独自のLAC脱塩工法が、凍結防止剤(塩化物)が多く散布される寒冷地山間部の橋台で試験採用され、脱塩効果を実証しました。また、海岸部に長年架設されたPC橋梁に対する大規模修繕工事を本工法により受注しており、さらなる効率的な工法へと実証試験を重ねています。 土木事業に係る研究開発費は649百万円であります。 (3)建築事業PCa(プレキャスト)基礎フーチングの開発建築部門におけるプレキャスト化の拡大・推進に向けて、杭基礎フーチングのPCa化を目的として、PCa基礎フーチングの開発を実施しています。本開発では柱梁の鉄筋やアンカーボルトが交錯し、現場施工が煩雑となる基礎フーチング部分をプレキャスト化することで、現場施工の省力化や工期短縮を図るものです。2023年度は、杭と基礎フーチングの接続部の基本性状を確認する載荷実験を実施し、2024年度も継続して開発を進める計画です。 建築事業に係る研究開発費は172百万円であります。
FY2023|1,954 文字
6【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、社会のニーズを的確に把握するために本社に技術開発部門を配備し、プレストレストコンクリート(以下、「PC」という)技術及び在来技術の改良、新規分野への参入を目指し、効率的に成果をあげることを目的とした研究開発活動を積極的に推進しております。また、新しいニーズに応えるため、先進技術の調査、情報の収集をはじめ、産・学・官との共同研究を積極的に推進しております。当連結会計年度における研究開発活動の主な成果並びに主要案件は次のとおりであります。 なお、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は581百万円であります。 (1)土木事業及び建築事業共通生産性向上のための技術開発及びシステム開発は当社にとって喫緊の課題であり、早急に具体的な成果を得ることが求められています。そこで、土木、建築、技術、管理の各本部及びグループ会社で情報を共有し一元的に管理し、研究開発活動を強力に推進する組織「PSMAX推進委員会」を2019年に立ち上げ活動を行っています。ここでは主にICT技術を活用して情報化と機械化を融合進化させ、当社グループ独自の建設システムを構築することを目的としています。現在38件の開発中案件があり、一部現場での運用を開始しています。また、PSMAXの開発案件を当社及びグループ会社に広く展開するために「PSMAXフォーラム」をWEB開催し、開発案件の事例紹介と意見交換を行いました。 (2)土木事業①環境負荷低減コンクリートの開発地球温暖化の抑制策として、プレキャスト部材の製造工場からのCO2排出量を削減する取り組みと、CO2排出量が小さい材料を用いたコンクリートの開発を行っています。従来、プレキャスト部材の製造時にはコンクリートの初期強度発現を促進させるため蒸気による加熱養生を行ってきました。蒸気養生は重油を燃料とするボイラーにより稼働するため多くのCO2が排出されます。このため、常温で高い初期強度を発現するプレキャスト部材用の速硬コンクリートを開発し、蒸気養生を不要とすることが可能となりました。部材製造試験が完了し、実用化の検討を進めています。コンクリート材料においては製造時に多くのCO2を排出するセメントを、CO2排出量が少ない高炉スラグ微粉末やフライアッシュなどの混和材で大量に置換し、材料由来のCO2排出量を大幅に削減可能なコンクリートを検討しています。また、2021年度からGI基金の開発コンソーシアム参画し、カーボンニュートラルコンクリートの開発を行っています。今後も使用材料及び部材製造過程におけるプレキャストコンクリートの環境負荷低減技術を提案していく予定です。 ②PCプレキャスト舗装版関連技術の開発PCプレキャスト舗装版には、PCプレキャスト舗装版相互の接続構造、及びPCプレキャスト舗装版と地盤との空隙部への充填材料に改良の余地が残されており、新たな接続構造や充填材料の開発を行っています。2022年度には舗装版の部分的な取替を容易にした新たな接合構造の開発を完了し、営業展開を開始しました。また、耐久性能をさらに向上させた充填材料を空港舗装の実施工に使用しました。 ③リパッシブ工法(PCグラウト再注入工法)の拡大1980年以前のPC構造物のポストテンション方式PCケーブルにおいて、PCグラウト材のブリージングに起因するPCケーブル腐食対策に初めて乗り出したのがリパッシブ工法でした。工法開発から約10年が経過し、高速道路リニューアルプロジェクトなどPCグラウト再注入工事が拡大し対象構造物も多岐にわたる状況となった現在、注入補修材の改良、シース内空隙量の計測方法の開発、圧入方法及び機材開発を行い迅速に現場への導入を行っています。現在においてもリパッシブ工法の防食効果は秀でており、PCグラウト再注入工法のトップブランドとして今後も工法改良を継続していきます。 土木事業に係る研究開発費は526百万円であります。 (3)建築事業扁平PC梁工法の開発従来の梁よりも梁せいを低く抑えられれば、開放的な天井高さの大空間が実現し、建築計画の自由度が向上します。また、梁下と天井の間に配管用スペースを確保することができ、梁に貫通孔を設ける必要が無くなるために設備配管計画の自由度が向上し、将来の用途変更にも対応できます。このような利用価値を向上した建築物実現のため、通常の梁よりも梁せいを小さくする代わりに梁幅を大きくした「扁平PC梁工法」を開発しました。本工法は2022年度に一般財団法人日本建築総合試験所より建築技術性能証明を取得し、採用に向け営業展開を進めています。 建築事業に係る研究開発費は55百万円であります。
FY2022|1,749 文字
5【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、社会のニーズを的確に把握するために本社に技術開発部門を配備し、プレストレストコンクリート(以下、「PC」という)技術および在来技術の改良、新規分野への参入を目指し、効率的に成果をあげることを目的とした研究開発活動を積極的に推進しております。また、新しいニーズに応えるため、先進技術の調査、情報の収集をはじめ、産・学・官との共同研究を積極的に推進しております。当連結会計年度における研究開発活動の主な成果ならびに主要案件は次のとおりであります。 なお、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は625百万円であります。 (1)土木事業および建築事業共通生産性向上のための技術開発およびシステム開発は当社にとって喫緊の課題であり、早急に具体的な成果を得ることが求められています。そこで、土木、建築、技術、管理の各本部およびグループ会社で情報を共有し一元的に管理し、研究開発活動を強力に推進する組織「PSMAX推進委員会」を2019年に立ち上げ活動を行っています。ここでは主にICT技術を活用して情報化と機械化を融合進化させ、当社グループ独自の建設システムを構築することを目的としています。現在24件の開発中案件があり、一部現場での運用を開始しています。また、PSMAXの開発案件を当社およびグループ会社に広く展開するために「PSMAXフォーラム」をWEB開催し、開発案件の事例紹介と意見交換を行いました。 (2)土木事業①上げ越し管理システムの開発上げ越し管理とは、橋梁完成後の橋面高さが所定の計画高となるように施工中に高さ管理を行うことであり、PC橋の建設において重要な管理項目です。上げ越し管理システムは、ICTの活用により管理の精度向上と生産性の向上を実現するシステムです。過年度に開発済みのシステムを、2021年度では複数橋脚の同時管理や橋梁完成後の最終形状シミュレーションなど、高度な管理が可能なシステムとして大幅にバージョンアップしました。 ②PCプレキャスト舗装版関連技術の開発PCプレキャスト舗装版には、PCプレキャスト舗装版相互の接続構造、およびPCプレキャスト舗装版と地盤との空隙部への充填材料に改良の余地が残されており、新たな接続構造や充填材料の開発を行っています。2021年度には東京湾大井埠頭のコンテナヤードで新たな接合構造を用いたPCプレキャスト舗装版の試験施工を実施しました。また、耐久性能をさらに向上させた充填材料の開発、施工試験も完了し、2022年度には実施工を計画しております。 ③太陽光発電を用いたコンクリート構造物の遠隔監視システムの開発コンクリート内部の鋼材の健全度をリアルタイムで評価することを目的として、商用電源が不要な、太陽光発電を用いた遠隔監視システムを開発しました。本システムとチタンワイヤーセンサー(NETIS登録No.KT-170081-A)を用いることで鋼材の腐食の有無、およびZnカートリッジ工法(NETIS登録No.KT-180150-A)による補修効果をリアルタイムで監視することができます。また、モバイルモニター「イージーMモニター」(NETIS登録No.KT-170043-A)を用いることで、橋梁の維持管理システムとしての実用化を目指した実証実験を進めています。 土木事業に係る研究開発費は518百万円であります。 (3)建築事業扁平PC梁工法の開発従来の梁よりも梁せいを低く抑えられれば、開放的な天井高さの大空間が実現し、建築計画の自由度が向上します。また、梁下と天井の間に配管用スペースを確保することができ、梁に貫通孔を設ける必要が無くなるために設備配管計画の自由度が向上し、将来の用途変更にも対応できます。このような利用価値を向上した建築物実現のため、通常の梁よりも梁せいを小さくする代わりに梁幅を大きくした「扁平PC梁工法」を開発しています。扁平PC梁工法では、柱幅よりも梁幅を大きくしていることによる構造強度の影響を検討する必要があり、2020年度、2021年度に構造実験を実施し、構造性能、設計方法の検討を行っています。 建築事業に係る研究開発費は106百万円であります。
FY2021|1,783 文字
5【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、社会のニーズを的確に把握するために本社に技術開発部門を配備し、プレストレストコンクリート(以下、「PC」という)技術および在来技術の改良、新規分野への参入を目指し、効率的に成果をあげることを目的とした研究開発活動を積極的に推進しております。また、新しいニーズに応えるため、先進技術の調査、情報の収集をはじめ、産・学・官との共同研究を積極的に推進しております。当連結会計年度における研究開発活動の主な成果ならびに主要案件は次のとおりであります。 なお、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は569百万円であります。 (1)土木事業および建築事業共通生産性向上のための技術開発およびシステム開発は当社にとって喫緊の課題であり、早急に具体的な成果を得ることが求められています。そこで、土木、建築、技術、管理の各本部およびグループ会社で情報を共有し一元的に管理し、研究開発活動を強力に推進する組織「PSMAX推進委員会」を立ち上げました。ここでは主にICT技術を活用して情報化と機械化を融合進化させ、当社グループ独自の建設システムを構築することを目的としています。現在約30件の開発案件がありますが、一部現場での運用も開始しています。 (2)土木事業①上げ越し管理システムの開発当社グループのICT推進の一環として開発を進めてきました橋梁上部工の張り出し施工における上げ越し管理システムが完成しました。上げ越し管理とは、橋梁完成後の橋面高さが所定の計画高となるように施工中に高さ管理を行うことであり、PC橋の建設において最も重要な管理項目の1つです。本システムは、施工中の構造変化を考慮した変形計算結果と現場での高さ測量結果を取り込み、張出し架設の最終形状を予測・シミュレーションしながら上げ越し管理を行うシステムです。このシステムにより、上げ越し管理の計画・実施に伴う作業量の削減、管理精度・出来形精度の向上を図ることができ、生産性向上および品質確保に大きく貢献することができます。 ②PCプレキャスト舗装版関連技術の開発空港舗装におけるPCプレキャスト舗装版には、PCプレキャスト舗装版相互の接続構造、およびPCプレキャスト舗装版と地盤との空隙部への充填材料に改良の余地が残されており、新たな接続構造や充填材料の開発を行っています。2020年度には、PCプレキャスト舗装版と地盤との空隙部へ改良した充填材料を充填する試験施工を東京国際空港で実施し、施工性や充填性能の確認を行いました。 ③脱塩工法の開発コンクリート構造物内部に塩化物イオンが侵入することにより内部鋼材が発錆し、構造物の劣化が発生する事例が見られますが、これへの対策の一つとして当社においては脱塩工法の開発を進めています。脱塩工法とは、コンクリート表面に配置した陽極材と内部鉄筋との間に電流を流すことで、コンクリートに浸透した塩化物イオンを抽出する工法です。当社が開発した脱塩工法は、線状陽極材を使用したカートリッジを使用することで、詳細な通電管理による脱塩状況の把握が可能であり、従来工法と比較し産業廃棄物の低減、現場施工の省力化が図れるという優れた特長を持っています。昨年度、実橋梁における試験施工を実施し、確実な脱塩効果があることが実証されました。 土木事業に係る研究開発費は459百万円であります。 (3)建築事業プレストレストコンクリート梁の開孔補強工法(ダイヤレンPC工法)の開発建築物の梁では設備配管・配線のため開孔を設ける場合がありますが、構造検討の段階では開孔径・位置が確定していない場合が多く、開孔補強検討に迅速に対応できる開孔補強工法の開発が望まれていました。「ダイヤレンPC工法」は、従来鉄筋コンクリート梁の開孔補強工法で用いられてきた高強度開孔補強筋ダイヤレンNSをプレストレストコンクリート梁にも適用可能としたもので、構造検討の合理化や配筋設計・施工の簡便化を意図して開発されたものです。ダイヤレンPC工法の開発においては、コンクリート強度や開孔補強量をパラメータとした多数の構造実験を実施し、2020年9月に一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得しました。 建築事業に係る研究開発費は109百万円であります。
FY2020|1,737 文字
5【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、社会のニーズを的確に把握するために本社に技術開発部門を配備し、プレストレストコンクリート(以下、「PC」という。)技術および在来技術の改良、新規分野への参入を目指し、効率的に成果をあげることを目的とした研究開発活動を積極的に推進しております。また、新しいニーズに応えるため、先進技術の調査、情報の収集をはじめ、産・学・官との共同研究を積極的に推進しております。当連結会計年度における研究開発活動の主な成果ならびに主要案件は次のとおりであります。なお、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は539百万円であります。 (1)土木事業および建築事業共通これまで当社における生産性向上のための技術開発、設備、装置の開発、システム開発などは各部署で個別に取り組んできておりました。ところが、生産性向上は当社にとって緊喫の課題である、として早急に具体的な成果を得ることが求められるようになり、これらをグループ会社も含めて一元的に管理し、強力に推進する組織を立ち上げました。ここでは主にICT技術を当社技術に取り込み融合進化させて、当社グループ独自の建設システムを構築することを目的としており、近い将来には当社の生産性向上に大きく寄与できるものと確信しています。 (2)土木事業①連続繊維補強材を用いたプレキャスト壁高欄の開発道路橋のプレキャスト壁高欄は施工速度の大幅な改善に有効な技術ですが、接続部分に雨水が浸入するおそれがあり、耐久性の確保のためには十分な対策が必要です。従来、プレキャスト壁高欄は、鉄筋、ボルトなどの鋼製材料にて接合されていましたが、当社では非腐食性の高強度引張材である連続繊維補強材を接合材として利用する技術を開発し、新たに設定された発注者の基準に適合することを確認いたしました。さらに、プレキャスト壁高欄同士の接合目地についても安全性が確認できましたので、今後の採用に大いに期待できるものとなりました。 ②軌道スラブアンボンド塗料材の開発鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下、「JRTT」という。)は、全国新幹線鉄道整備法に基づき北陸新幹線や北海道新幹線の整備を進めておりますが、これに用いる軌道スラブは当社の得意とする商品です。この軌道スラブではプレストレスを導入するためのPC鋼材を一部アンボンドとしていますが、このために用いられるアンボンド剤を新たに開発いたしました。 ③PCプレキャスト舗装版関連技術の開発空港舗装におけるPCプレキャスト舗装版には、PCプレキャスト舗装版相互の接続構造、およびPCプレキャスト舗装版と地盤との空隙部への充填材料に改良の余地が残されており、新たな接続構造や充填材料の開発を行っており、実用化に向けた実証試験を実施する予定としております。 ④インドネシアにおける当社電気防食工法の適用日本国内における当社の電気防食工法の実績により、インドネシア政府からインドネシア国内における電気防食工法の共同研究開発の提案を受け、既に昨年度より現地にて試験を開始しています。日本とは気候、電気設備等社会インフラ状況の全く異なる条件の中で、当社独自の電気防食技術を普及させるべく、研究開発を進めています。 土木事業に係る研究開発費は475百万円であります。 (3)建築事業柱梁接合部内梁主筋定着型PCa工法の開発建築部門におけるプレキャスト化(PCa化)の拡大・推進に向けて、PCa梁部材の接合における簡便な納まりと施工性向上を可能とするPCa工法の開発を目的として、柱梁接合部内梁主筋定着型PCa工法の開発を実施しております。本工法で対象とするPCa工法は,柱梁接合部内で左右の梁主筋を各々定着し,狭隘部での鉄筋相互の接合工程を省略することによる省力化,工程短縮を狙ったもので、2017~2018年度に、梁主筋の定着長さ、コンクリート強度、PC梁の応用等をパラメーターとした部分梁架構実験を実施しました。2019年度はさらに種々の適用条件を検討して構造安全性を確認しましたので、2020年度は第三者機関による技術評価の取得を目指します。 建築事業に係る研究開発費は63百万円であります。
FY2019|1,605 文字
5【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、当社において、社会のニーズを的確に把握するために、本社に技術開発部門を配備し、プレストレストコンクリート(以下、「PC」という)技術および在来技術の改良、新規分野への参入を目指し、効率的に成果をあげることを目的とした研究開発活動を積極的に推進しております。また、新しいニーズに応えるため、先進技術の調査、情報の収集をはじめ、産・学・官との共同研究を積極的に推進しております。当連結会計年度における研究開発活動の主な成果並びに主要案件は次のとおりであります。なお、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は480百万円であります。 1.土木事業(1)ダックスビーム工法の建設技術審査証明更新とダックスビームHCの開発ダックスビーム工法は2008年9月に財団法人土研センターによる建設技術審査証明を取得し、2013年9月には内容変更・更新を行ってきました。この建設技術審査証明は、ダックスビーム工法の営業展開に大きく寄与してきました。本証明は2018年9月に更新時期を迎えることと、2017年11月に改訂された道路橋示方書に対応するために内容変更・更新を行いました。また、ダックスビーム工法の改良技術であるダックスビームHCの開発も併せて進めており、ダックスビームHCの普及を目的として、市販されている橋梁設計ソフトウェアにて同工法の取り扱いができるよう取り組みを進めております。 (2)フルキャスト壁高欄の開発道路橋の大規模更新事業の一環として高速道路の老朽化したコンクリート床版をプレキャストPC床版に取り替える工事が盛んに行われております。これらの工事は供用中の高速道路を規制して行うため、より早い工事完了と交通解放が求められています。これまでPC床版架設後に現場で施工していた壁高欄を予めPC床版上に構築して架設することで現場での壁高欄コンクリート打設を不要とした工法「フルキャスト壁高欄」を開発しました。 (3)連続繊維補強材を用いたプレキャスト壁高欄の開発道路橋のプレキャスト壁高欄は施工速度の大幅な改善に有効な技術であるが、接続部分に雨水が浸入するおそれがあり、耐久性の確保のためには十分な対策が必要であります。従来、プレキャスト壁高欄は、鉄筋、ボルトなどの鋼製材料にて接合されていたが、当社では非腐食性の高強度引張材である連続繊維補強材を接合材として利用する技術を開発し、新たに設定された発注者の基準に適合することを確認しました。 (4)Znカートリッジ工法の開発塩害劣化した、または予想されるコンクリート構造物に対する流電陽極方式の電気防食工法では、従来、流電陽極材をコンクリート中にモルタル等で固定して埋め込む方式が一般的であったが、当社では陽極材の維持・管理・交換が容易であるZnカートリッジ工法を開発し、NETIS(新技術情報システム:KT-180150-A)へ登録完了しました。 土木事業に係る研究開発費は432百万円であります。 2.建築事業柱梁接合部内梁主筋定着型PCa工法の開発建築事業部門におけるプレキャスト化(PCa化)の拡大・推進に向けて、PCa梁部材の接合における簡便な納まりと施工性向上を可能とするPCa工法の開発を目的として、柱梁接合部内梁主筋定着型PCa工法の開発を実施しております。本工法で対象とするPCa工法は,柱梁接合部内で左右の梁主筋を各々定着し,狭隘部での鉄筋相互の接合工程を省略することによる省力化,工程短縮を狙ったもので、2017~2018年度に、梁主筋の定着長さ、コンクリート強度、PC梁の応用等をパラメーターとした部分梁架構実験を実施しました。2019年度はさらに種々の適用条件を検討して構造安全性を確認し、第三者機関による技術評価の取得を目指します。 建築事業に係る研究開発費は47百万円であります。
FY2018|2,503 文字
5【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、当社において、社会のニーズを的確に把握するために、本社に技術開発部門を配備し、プレストレストコンクリート(以下、「PC」という)技術および在来技術の改良、新規分野への参入を目指し、効率的に成果をあげることを目的とした研究開発活動を積極的に推進しております。また、新しいニーズに応えるため、先進技術の調査、情報の収集をはじめ、産・学・官との共同研究を積極的に推進しております。当連結会計年度における研究開発活動の主な成果ならびに主要案件は次のとおりであります。なお、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は5億69百万円であります。 1.土木設事業(1)MuSSL工法の開発近年、高速道路3社(以下、NEXCO)において大規模更新・修繕事業が始まっています。その中でも鋼橋の鉄筋コンクリート床版(以下、RC床版)の取替えの工事は、延長224km(約1,000橋)にも及び、工期短縮や耐久性向上の観点から、プレキャストPC床版(以下、PCaPC床版)への交換が求められています。これまで、PCaPC床版相互の接合部は施工時に底型枠が不要なあご付き形状とし、ループ継手で接合するのが一般でしたが、RC床版の更新では床版厚が薄くあご付き形状のループ継手が適用できない課題があります。これに対し、他社においては種々の継手工法が開発、実用化されていますが、当社においても同種工事の積極的な受注を目指し、差別化を図るため、他社継手で適用できないあご付き床版に適用可能な継手構造の開発を目的に、「MuSSL工法」として2タイプの継手構造を開発しました。このような構造は“輪荷重走行試験により耐用年数100年相当であることを確認すること”が求められているため、昨年度は同試験を実施し、所要の性能を確認いたしました。試験に際しては、社内および報道関係、NEXCO各社に対する見学会を開催し、工法概要を説明するとともに試験状況の確認をしていただき、おおむね良好な評価をいただいております。また、試験体レベルの製作では確認できなかった工場における製作性および架設時の注意点の確認を行うことを目的に、実製作を反映した床版試験体を工場製作し、その試験体を用いて架設試験も実施いたしました。これらの成果をもとに、本年度は中国自動車道における実施工へ適用中であり、東名高速道においても予定しております。 (2)コンクリート構造物の塩害劣化を経済的に検知できるチタンワイヤーセンサーの開発コンクリート構造物の塩害劣化は、コンクリート表面にひび割れ、剥離等が生じて顕在化しますが、それ以前の早い時期に劣化の兆候を把握できれば補修費用等は大幅に削減され、構造物の長寿命化に有効です。劣化の兆候を把握する方法としては、鉄筋の自然電位を計測することが広く行われており、それには照合電極と電直流電圧を計測するテスターが必要です。この照合電極は市販品が流通していますが、外形寸法が直径20mm程度、長さが130mm程度であり、また、価格も1個あたり数万円であるため、コンクリート構造物の劣化監視として多数配置することは難しい状況にあります。当社が開発したチタンワイヤーセンサーは直径3mm、長さ30mm程度で従来の照合電極と同等の計測性能を有し、価格も従来品の20分の1程度とすることが可能であるため、多数の配置が容易です。既に実構造物における検証も終え、今後は公共構造物の劣化監視システムの一部として採用を目指しております。また、多数点の自然電位の監視には、無線情報伝送システムを開発中であり、既に開発済のモバイルモニターシステムに統合することを予定しております。 (3)橋守プロジェクト「橋守プロジェクト」とは、当社施工の既設PC橋の点検から診断までを技術系職員が一貫して実施する取組で、平成23年より本格的に始動しております。現地調査および評価・判定した結果をデータベースとして登録し、社内技術へフィードバックすることが標準的な手順で、重大な変状があった場合には、道路管理者へ報告やメンテナンス技術を提案しています。このプロジェクトで調査した橋梁は23都道府県430橋となりました(平成30年3月時点)。それ以前より点検した橋梁も含めると、当社では約3,700橋分の点検データを保有していることになります。一昨年度は、これらの点検データを全て当社の地図システム内のデータベースに統合し、昨年度はさらに過去に点検を行った橋梁の情報を追加しデータの充実を進めました。今後は、各支店に点検担当者を配置し、これら点検データや資料をさらに充実するよう取組んでまいります。 土木事業に係る研究開発費は5億27百万円であります。 2.建築事業(1)柱梁接合部内梁主筋定着型PCa工法の開発建築部門におけるプレキャスト化(PCa化)の拡大・推進に向けて、PCa梁部材の接合における簡便な納まりと施工性向上を可能とするPCa工法の開発を目的として、柱梁接合部内梁主筋定着型PCa工法の開発を実施しております。本工法で対象とするPCa工法は,柱梁接合部内で左右の梁主筋を各々定着し,狭隘部での鉄筋相互の接合工程を省略することによる省力化、工程短縮を狙ったもので、平成28年度には定着具を設けた比較的定着長さが短い鉄筋の引き抜き要素実験を実施し、平成29年度には柱・梁の部分架構による構造性能を検討するための実験を実施しました。平成30年度はさらに種々の適用条件を検討して構造安全性を確認し、第3者機関による技術評価の取得を目指します。 (2)ピーエス三菱PCaPC外付けフレーム耐震補強工法の技術評価更新ピーエス三菱PCaPC外付けフレーム耐震補強工法は平成16年に(一財)日本建築防災協会より技術評価を取得して以来87件の耐震補強物件に適用されています(他社への部材供給を含むと105件)。技術評価の有効期限が平成30年4月であり、今般技術評価の更新を行いました。 建築事業に係る研究開発費は42百万円であります。
FY2017|1,871 文字
6【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、社会のニーズを的確に把握するため、本社に技術開発部門を設置し、プレストレストコンクリート(以下、「PC」という)技術及び在来技術の改良、新規分野への参入を目指し、効率的に成果を上げることを目的とした研究開発活動を積極的に推進しております。また、新しいニーズに応えるため、先進技術の調査、情報の収集をはじめ、産・学・官との共同研究を積極的に推進しております。当連結会計年度における研究開発活動の主な成果並びに主要案件は次のとおりであります。なお、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は4億90百万円であります。 1.土木建設事業(1)ダックスビームHC工法の開発近年、河川改修や都市再開発事業に伴い、設置高さの制限が厳しい箇所に橋梁が計画される事例が増え、年間40~60箇所(実績ベース)で低桁高橋の建設が見込まれています。この市場においてPC橋の採用拡大のため、低桁高橋に適用する従来の工法「ダックスビーム」(平成18年から11件の施工実績)より合理的で経済的な工法が必要と考え、新たに「ダックスビームHC工法」を開発中です。平成28年12月に当社技術研究所で行われた公開実験では、支間12mの試験体で曲げ耐力確認試験を実施し、計算値以上の能力を有していることが確認されました。従来に比べ、主桁製作費を30%、工事費を10%削減できるこの新工法が、今後の低桁高橋施工の選択肢の一つとして採用されることが期待されます。(2)PSMの橋守プロジェクト「橋守プロジェクト」とは、当社施工の既設PC橋の点検から診断までを技術職員が一貫して実施する取組で、平成23年より本格的に始動しております。現地調査および評価・判定した結果をデータベースとして登録し、社内技術へフィードバックすることが標準的な手順で、重大な変状があった場合には、道路管理者へ報告やメンテナンス技術を提案しています。このプロジェクトで調査した橋梁は410橋となりました(平成28年10月時点)。それ以前より点検した橋梁も含めると、当社では約5,400橋分の点検データを保有していることになります。更に、この度これらの点検データを全て当社の地図システム内のデータベースに統合し、施工資料、竣工図書などの資料も検索できるように改修しました。これにより、変状が見つかった場合、施工資料や竣工図書を原因推定や補修計画にスムーズに役立てることができるようになります。今後は、これら点検データや資料をさらに充実するよう取組んでまいります。(3)リパッシブ工法の適用範囲の拡大に向けた研究開発当社独自のPCグラウト充填不足部補修工法である「リパッシブ工法(NETIS KT-120108-A)」は、これまで主に橋梁の主桁ウェブ部(鉛直部材)を対象に適用されてきましたが、滋賀県において橋梁の床版(水平部材)横締めケーブルに採用されました。この橋梁では複数のプレキャスト部分と場所打ち部分を貫通する横締めケーブルが対象であり、これまでとは異なる課題解決のための研究開発を行いました。今回得られた知見を踏まえ、施工マニュアルおよび積算マニュアルの改訂を実施し、横締めケーブルへの適用拡大に向けた環境整備に取り組んでおります。また、PC鋼材がケーブルではなく鋼棒である場合も多く、この場合は一般的に鋼棒と鋼棒を配置しているダクトとの空隙がケーブルの場合よりも狭く、亜硝酸リチウム水溶液やグラウト充填補修材を充填した際の充填状況の確認が望まれておりました。これに対しても研究開発を行い、最適な充塡方法を確立しましたので、本工法の適用範囲がさらに広がりました。 土木建設事業に係る研究開発費は4億34百万円であります。 2.建築建設事業(1)PSMIX構法の適用範囲拡大PSMIX構法は、柱を鉄筋コンクリート造、梁を鉄骨造とすることで、大スパン架構が構築でき、工期短縮・コスト削減となる合理的な構法です。従来、ラーメン架構のみで用いられていましたが、適用範囲を拡大すべく、ブレースを併用したラーメン架構にも適用できるよう研究を重ねてまいりました。地震や風などの横からの力に対し、ブレースが構造物の変形を防ぐため、ラーメン架構のみに比べて柱・梁の断面を小さくできることから、今後、倉庫物件等への提案の幅が広がります。研究の成果を取りまとめて,(一財)日本建築総合試験所の建築技術性能証明を改定しました。 建築建設事業に係る研究開発費は55百万円であります。
FY2016|1,943 文字
6【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、社会のニーズを的確に把握するため、本社に技術開発部門を設置し、プレストレストコンクリート(以下、「PC」という)技術および在来技術の改良、新規分野への参入を目指し、効率的に成果を上げることを目的とした研究開発活動を積極的に推進しております。また、新しいニーズに応えるため、先進技術の調査、情報の収集をはじめ、産・学・官との共同研究を積極的に推進しております。当連結会計年度における研究開発活動の主な成果ならびに主要案件は次のとおりであります。なお、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は5億6百万円であります。 1.土木建設事業(1)橋梁床版更新技術の開発(半断面施工)高速道路等の重交通路線において、供用後30年以上経過した橋梁の経年劣化や、厳しい使用環境にさらされていることによる変状の発生などが顕在化してきております。特に鋼橋の鉄筋コンクリート床版においては、大型車両の交通量増加による疲労に加え、冬期に大量散布される凍結防止剤(塩化ナトリウム)の塩害と凍害による複合劣化損傷が顕著であり、早期に大規模更新、大規模修繕に取り組むことが求められております。一般に床版の取替え工事は、通行止めを伴う交通規制が必要となることから、重交通路線の工事においては社会的な損失が大きくなることが懸念されています。このため本研究において、交通規制に伴うリスクを最小限に抑えるために、半断面施工による床版取替え工法の開発を進めた結果、「中国自動車道(特定更新) 道谷第二橋(上り線)床版取替工事」において当工法が採用され、現在当社にて施工中であります。(2)日本初のフライアッシュを用いたPCT桁橋 -宮坂歩道橋(石川県)-近年、PC構造物の耐久性向上、長寿命化および環境負荷の低減などが求められており、これらに対応するため、当社ではフライアッシュを用いたPC橋の開発に取り組んで参りました。フライアッシュは、石炭火力発電所などから年間1,000万t以上排出される産業副産物であり、コンクリートに混合することでコンクリートが緻密化し、塩害やアルカリ骨材反応に対する耐久性が向上します。また、コンクリートのCO2排出量の低減や未利用資源の有効活用など、環境負荷の低減にもつながります。当社は、フライアッシュを用いたPCT桁橋を、石川県の宮坂歩道橋において施工しており、今後もフライアッシュを用いたPC橋の普及を図り、良質な社会資本整備と地球環境の保全に貢献してまいります。(3)平成27年度「情報化月間」情報化促進貢献 国土交通大臣賞 受賞-電気防食用遠隔監視システム「モバイルモニター」-経済産業省をはじめ、内閣府、総務省、財務省、文部科学省及び国土交通省の6府省が連携し、昭和47年から毎年10月を「情報化月間」とし、我が国の情報化を促進し、豊かな国民生活を実現することを目的に情報化促進のための各種行事が実施されております。平成27年度においては、10月27日に記念式典が開催され、国土交通分野における情報化の促進に貢献した企業として当社が国土交通大臣から表彰されました。当社の功績は、「従来のコンクリート構造物に対する電気防食工法の維持管理は、専門技術者による現地計測であったものを、何時でも、何処でも監視できる遠隔監視システム「モバイルモニター」を我が国で初めて開発した。」ことにより、社会資本の維持管理分野における情報化の促進に貢献したと評価いただき、今回の栄えある受賞となりました。 土木建設事業に係る研究開発費は4億58百万円であります。 2.建築建設事業(1)プレキャスト化工法における経済的な接合方法の開発現在、建築現場における生産性の向上および現場労務の省力化に向けて、部材を工場で製作するプレキャスト(以下、「PCa」という)化工法を推進しています。PCa化工法で使用する経済的な接合方法として、柱梁接合部内で機械式継手を使用して梁部材をつなぐ方法がありますが、これは柱と梁の接合部において鉄筋とコンクリートの間に大きな付着力が必要となるため、機械式継手を使用する際には付着力が確保できることを確認する必要があり、当社においては昨年より柱梁接合部内に機械式継手を使用した架構実験を実施し、構造性能を確認しております。さらに本年度より高強度鉄筋と多様な種類の継手を使用した試験体の実験を行い、高い構造性能を有することを確認しました。これにより様々なPCa化工法のニーズに応えることが可能となりました。今後は本工法を含め建築分野でのPCa化工法の普及を益々図ってまいります。 建築建設事業に係る研究開発費は47百万円であります。