研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
| 2025-03 |
- |
6 |
| 2024-03 |
- |
5 |
| 2023-03 |
- |
2 |
| 2022-03 |
- |
11 |
| 2021-03 |
- |
10 |
研究開発活動(本文)
FY2025|3,380 文字
6 【研究開発活動】 技術研究所では、創業理念である『和の精神』『誠意・熱意・創意』のもと、誠実なモノづくりに専心し、社会の安全・安心・快適の増進に寄与することを基本理念として、変化する社会や顧客ニーズに対応できる満足度の高い技術開発を継続的に推進しております。 研究開発活動として、2024年が初年度となる中期3カ年計画の注力テーマに基づき、リニューアル事業の強化に資する技術開発、コア技術であるコスト競争力強化や合理化につながる技術開発を実施しております。加えて、アップフロントカーボンの低減を意図した改修時のデザイン提案や、素材のリユース・リサイクルなど環境配慮に資する技術開発、ZEB化技術、空間改善効果の定量的な検証に関する研究開発を推進しております。 当連結会計年度における研究開発費の総額は371百万円であり、主要な研究開発活動は以下のとおりであります。なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。(建築及び土木)[リニューアル事業の強化](1) 環境配慮型リニューアルの推進 「人間にも地球にも良い循環をつくる」を掲げて取り組んでいる環境配慮型のリニューアル事業『ReQuality』に関して、当連結会計年度では、新たに開発した立体木摺土壁を民間企業のエントランス改修工事や、当社広島支店、北海道支店のエントランス改修工事の内装材として採用いたしました。また、健康科学に基づく空間改善効果を医学的かつ学術的に評価することで、空間改修による健康改善効果の見える化を実現し対外発表いたしました。 中期経営計画2年目となる次期連結会計年度では、押出し成型による未焼成土ブロックや3Dプリンティングによる土の成型技術の開発、立体木摺土壁の不燃認定による適用部位の拡大、素材リユース技術の開発、省エネに貢献する改修時のZEB化技術とシミュレーション技術の向上などを軸にReQualityを進化させ、GCB(Good Cycle Building)提案力を強化することで、その後のリニューアル事業の更なる受注拡大に繋げます。 (2) 劣化診断システムによるRC構造物の耐久性評価技術 コンクリート構造体に大きな傷をつけずに供用中の建物でも居ながらの調査が可能な当社独自の劣化診断システムは、当連結会計年度に、「透気試験複合法」として(一財)日本建築総合試験所の建設材料技術性能証明を取得し、2024年度には倉庫物件に対して鉄骨部の目視検査も併用し、計5物件の劣化調査を実施いたしました。調査結果に基づき、所有者の意向に応じて、最適かつ合理的な無駄のない維持管理手法を提案しております。次期連結会計年度も引き続き、劣化診断調査の実施と並行して診断技術の高度化研究を推進してまいります。また、当社が受注する改修工事着手時においても、劣化診断システムに基づく調査を実施し、建物の健全性評価と寿命予測により合理的な維持管理手法を提案することで、顧客満足度の高いリニューアル工事の受注に繋げてまいります。 [国内コア事業の強化(コスト競争力強化および合理化技術の開発)](3) 鉄骨造の合理化工法開発 物流倉庫・工場をはじめとした建築物への鉄骨造の採用が拡大しており、その競争力の強化には鋼材量、加工量、特殊材料等の省力化が課題となっている。当連結会計年度では、床スラブの補剛効果を利用する「横座屈補剛工法」について12物件、柱幅の異なる箇所の合理化を行う「シンプルダイア工法(異幅柱接合部工法)」について7物件が採用されました。さらに、シンプルダイア工法については適用範囲の拡大に向け、構造実験および数値解析による検討を行っております。次期連結会計年度では、引き続きシンプルダイア工法の検討を進め、建築技術性能証明の取得を目指します。 (4) 既存不適格鉄骨造建物の耐震診断・改修手法の開発 既存不適格の鉄骨造建物は耐震性能が極めて乏しいために、改修工事まで議論が進まず放置された建物が数多く残されていることが、社会的な課題となっております。当社では、本課題に対してリニューアル事業の一環として取組み、既存不適格の鉄骨造建物を対象として、低コストかつ省スペースの制振技術を利用した耐震改修工法の開発を進めております。当連結会計年度では、実大柱梁フレーム架構を用いた構造実験およびFEM解析による検証を行いました。引き続き次期連結会計年度においても検討を進め、第三者機関による構造性能評価の取得を目指します。 (5) 鉄筋コンクリート造壁・床のひび割れ誘発目地工法「CCB工法」の展開 当社では、鉄筋コンクリート造の壁や床に不可避な乾燥収縮によるひび割れを壁や床に設けた目地内で確実に誘発させ、高品質な壁や床を築造する「CCB工法」を開発してまいりました。当連結会計年度では8物件に採用されました。また、建設材料技術性能証明技術である「PRS目地充填工法」もCCB工法と併せて多数の作業所に採用されております。次期連結会計年度では、床ひび割れの制御技術である「床CCB-NAC工法」についても建築技術性能証明を取得し、実物件への適用をさらに拡大させてまいります。 [人材の獲得・確保・育成(構造設計手法の高度化・組織力強化)](6) エネルギー法を用いた設計の支援ツール整備と高度設計手法の展開 エネルギー法とは制振構造に適した比較的新しい構造設計手法であり、大型物流施設などの制振構造に適用した場合に、設計期間の短縮と鉄骨量の削減効果が期待できます。当連結会計年度では、エネルギー法の設計支援ツールを整備するとともに、主に若手社員を対象とした社内教育を実施し、高度設計手法に関する社内体制の強化を行いました。次期連結会計年度では、引き続き社内教育を推進し、合理的設計手法の確立を通じて大型物流施設などの新規物件の受注に繋げてまいります。 [DX推進(省力化施工技術の展開)](7) ICTを用いた品質・生産性向上のための開発 AI(人工知能)を利用した配筋自主検査システムは、当連結会計年度において配筋自主検査システム実用機の試行を繰り返し、現場での実験検証を行いました。その結果、壁・床に加えて、柱・梁の検知精度の向上が確認できました。次期連結会計年度では本開発をさらに深化させると共に、現場での実用化を目指します。建設現場での生産性・安全性の向上、コスト削減等を実現するため、ロボティクストランスフォーメーション(ロボット変革)の推進を図るべく設立された「建設RXコンソーシアム」に当社も参画しております。当連結会計年度では、建築ロボット活用のための安全指針の制定やガイドラインを改定するなど、生産性向上に向けた取組みを継続しております。また、BIMモデルを活用した若手社員向けの体験型施工管理教育システム「現場トレーナー」は、当連結会計年度においてサブスクリプションによる他社へのサービスを拡大いたしました。次期連結会計年度では当社内での活用をさらに深化させ、アップデートや新しいコンテンツの追加を目指します。 [環境・社会への貢献(環境配慮型施工技術・健康科学技術)](8) 環境配慮型コンクリートの開発と実装 環境配慮型コンクリートには低炭素性と資源循環性の2種類があります。当社では、CO2排出量を最大60%程度まで削減した低炭素性のものと、高炉スラグ微粉末やフライアッシュを使用した資源循環性のものとの両方の環境配慮型コンクリートを開発しており、当連結会計年度では3作業所にて環境配慮型コンクリート(BB+FA:JISマーク品)を約7,000m3を実装し、これにより約1,050(t)の二酸化炭素排出量を削減いたしました。今後も継続して環境経営に資する取組みを積極的に展開してまいります。NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)GI基金事業にも再委託先として参画し、二酸化炭素を吸収・固定するカーボンプールコンクリートの開発を推進しており、大阪・関西万博にカーボンプールコンクリートのベンチを設置するなど脱炭素社会への貢献を目指します。 また、「その他」の事業においては、研究開発活動は特段行われておりません。
FY2024|3,331 文字
6 【研究開発活動】 当社グループは、創業理念である「和の精神」「誠意・熱意・創意」の下、「仕事が仕事を生む」の企業精神に則り、誠実なモノづくりに専心し、社会の安全・安心・快適の増進に寄与することを基本理念として、変化する社会やお客様のニーズに対応できる技術開発を、技術研究所を拠点に推進しております。 研究開発活動としては、免震及び制震技術などの高品質・高性能な構造物を構築する技術、ストック活用のためのReQualityブランド化に資するリニューアル技術、ICTやIoTを活用した施工改善・生産性向上に資する技術などに主として注力しております。 当連結会計年度における研究開発費の総額は380百万円であり、主要な研究開発活動は以下のとおりであります。なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。(建築及び土木)[高品質・高性能な構造物を実現する技術](1) 大型物流施設等を対象としたエネルギー法を用いた制振構造の設計手法 エネルギー法とは、制振構造に適した比較的新しい構造設計手法です。大型物流施設など制振構造において、設計期間の短縮に加え、鉄骨量の削減効果が期待できます。当連結会計年度では、仮想建物を対象とした制振構造の試設計をエネルギー法により実施し、日本ERIによる構造性能評価を取得するとともに、エネルギー法による構造設計の社内体制を確立いたしました。翌連結会計年度では、設計部門と技術研究所が協働して設計技術力を強化し設計フローの合理化を進めるとともに社内体制を強化し、大型物流施設を中心に合理的な設計手法を確立し新規受注に繋げたいと考えております。 (2) 鉄骨造の合理化工法開発 物流施設をはじめとした建築物への鉄骨造の採用が拡大しており、その競争力の強化には鋼材量、加工量、特殊材料等の省力化が課題となっております。当連結会計年度では、床スラブの補剛効果を利用する「横座屈補剛工法」について8物件、柱幅の異なる箇所の合理化を行う「シンプルダイア工法(異幅柱接合部工法)」について5物件が採用されました。さらに、シンプルダイア工法については適用範囲の拡大に向けた検討も行っており、翌連結会計年度においても引き続き、シンプルダイア工法の適用範囲拡大に向けて構造実験及び数値解析による検討を進め、建築技術性能証明の取得を目指してまいります。 (3) 鉄筋コンクリート造壁・床のひび割れ誘発目地工法「CCB工法」の展開 当社では、鉄筋コンクリート造の壁や床に不可避な乾燥収縮によるひび割れを壁や床に設けた目地内で確実に誘発させ、高品質な壁や床を築造する「CCB工法」を開発してまいりました。当連結会計年度では10物件に採用されております。また、前連結会計年度において、一般財団法人 日本建築総合試験所の建設材料技術性能証明を取得した「PRS目地充填工法」についても、当連結会計年度では5物件に採用されました。翌連結会計年度では、実物件への適用をさらに拡大させるとともに、新たな合理化技術「床CCB-NAC工法」の一般財団法人 日本建築総合試験所の建築技術性能証明の取得を目指してまいります。 (4) 環境配慮型コンクリートの開発と適用 環境配慮型コンクリートには低炭素性と資源循環性の2種類があります。当社では、CO2排出量を最大70%程度まで削減した低炭素性のものと、高炉スラグ微粉末やフライアッシュを使用した資源循環性のものとの両方の環境配慮型コンクリートを開発しており、当連結会計年度では3作業所にて、二酸化炭素排出量を約50%削減したJISマーク品の環境配慮型コンクリート(BB+FA)を適用いたしました。今後も環境経営に資する取組みとして積極的に展開を図ってまいります。さらに前連結会計年度からNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)グリーンイノベーション基金事業にも再委託先として参画し、二酸化炭素を吸収・固定するカーボンプールコンクリートの開発を推進し、脱炭素社会への貢献を目指してまいります。 [ストック活用のためのリニューアル技術](5) 環境配慮型リニューアルReQualityの推進 「人間にも地球にも良い循環をつくる」をかかげて取組むリニューアル事業『ReQuality』のフラッグシップのプロジェクトであった淺沼組名古屋支店改修プロジェクト(2021年9月完成)は、グッドデザイン賞・ベスト100 (主催 :公益財団法人日本デザイン振興会)など多くの賞を受賞したことにより、当連結会計年度では10物件に当社独自のADVANCE技術が採用されました。また、新たな土活用技術として立体木摺土壁を開発(特許出願中)し、展示会への出展とともに実店舗施設の内装材としても採用されております。翌連結会計年度では環境配慮型リニューアルReQualityに資する技術、自然素材の活用技術に関する技術開発をさらに進化させ、リニューアル事業の更なる受注拡大に繋げたいと考えております。 (6) 既存不適格鉄骨造建物の耐震診断・改修手法の開発 既存不適格の鉄骨造建物は耐震性能が極めて乏しいために改修工事まで議論が進まず、放置された建物が数多く残されていることが社会的な課題となっています。当社では、本課題に対してリニューアル事業の一環として取り組み、既存不適格の鉄骨造建物を対象として、低コストかつ省スペースの制振技術を利用した耐震改修工法の開発を進めております。当連結会計年度では、制振装置について要素実験を実施し、基本性能の確認と性能改善のための開発を行いました。引き続き、翌連結会計年度では実大柱梁フレーム架構を用いた構造実験による検証、およびFEM解析による検討を進め、第三者機関による構造性能評価の取得を目指してまいります。 (7) 鉄筋コンクリート構造物の劣化診断システムと寿命予測技術 当社独自の劣化診断システムである「透気試験複合法(仕上げをした鉄筋コンクリート構造物においてダブルチャンバー法とドリル削孔法を併用し、仕上げの劣化を加味して構造物の耐久性を定量的に評価する調査診断手法)」を開発しており、当連結会計年度には3物件に適用いたしました。この手法はコンクリート構造体に大きな傷をつけずに供用中の建物でも居ながらの調査が可能となります。調査結果から得られる劣化度や所有者の意向に応じて、最適かつ合理的な無駄のない補修方法の提案が可能となります。翌連結会計年度の早期には、(一財)日本建築総合試験所の建設材料技術性能証明が取得できます。改修工事において劣化診断システムを採用し、建物の寿命予測と共に合理的な改修方法を提案することで、リニューアル工事の受注に繋げたいと考えております。 [施工改善・生産性向上に資する技術](8) ICTを用いた品質・生産性向上のための開発 AI(人工知能)を利用した配筋自主検査システムは、当連結会計年度において配筋自主検査システム実用機の試行を繰り返し、現場での実験検証を行いました。その結果、壁・床に加えて、柱・梁の検知精度の向上が確認できました。翌連結会計年度では本開発をさらに深化させると共に、現場での実用化を目指してまいります。建設現場での生産性・安全性の向上、コスト削減等を実現するため、ロボティクストランスフォーメーション(ロボット変革)の推進を図るべく設立された「建設RXコンソーシアム」に当社も参画しております。当連結会計年度では自動搬送ロボットの現場試行結果の情報共有を行い、建築ロボット活用のためのガイドラインを制定するなど、生産性向上に向けた取組みを継続しております。また、BIMモデルを活用した若手社員向けの体験型施工管理教育システム「現場トレーナー」は、当連結会計年度においてサブスクリプションによる他社へのサービスを開始いたしました。翌連結会計年度では当社内での活用をさらに深化させ、アップデートや新しいコンテンツの追加を目指してまいります。 また、「その他」の事業においては、研究開発活動は特段行われておりません。
FY2023|3,381 文字
6 【研究開発活動】 当社グループは、創業理念である「和の精神」「誠意・熱意・創意」の下、「仕事が仕事を生む」の企業精神に則り、誠実なモノづくりに専心し、社会の安全・安心・快適の増進に寄与することを基本理念として、変化する社会やお客様のニーズに対応できる技術開発を、技術研究所を拠点に推進しております。 研究開発活動としては、免震及び制震技術などの高品質・高性能な構造物を実現する技術、ストック活用のためのリニューアル技術、ICTやIoTを活用した施工改善・生産性向上に資する技術の研究開発と商品化に注力しております。 当連結会計年度における研究開発費の総額は383百万円であります。 当連結会計年度の主要な研究開発活動は以下のとおりであります。なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。(建築及び土木)[高品質・高性能な構造物を実現する技術](1) 柱RC梁Sハイブリッド構法の改良 柱RC梁Sハイブリッド構法は大型物流施設や商業施設に適した構法で、柱をRC(鉄筋コンクリート造)にすることで、柱・梁ともS(鉄骨造)にした一般的な構法に比べ価格が高騰している鉄骨の使用量を低減でき、建築費を抑制できる利点があります。当連結会計年度では、1物件採用されております。さらに当構法を改良すべく、適用する梁の鋼材強度の拡大および溶接仕様の合理化等について第三者機関による構造性能評価を取得いたしました。今後、本構法を広く展開し、物流施設を中心とした受注に繋げたいと考えております。 (2) 大型物流施設等を対象としたエネルギー法を用いた制振構造の設計手法 制振構造の設計に関する合理化手法として、エネルギー法への取り組みを進めております。エネルギー法は制振構造の設計期間を短縮可能な構造設計手法であり、設計期間の短縮によって、大型物流施設等への制振構造の採用が容易となり、制振構造により鉄骨量を削減できる効果が期待できます。当連結会計年度では、エネルギー法の実施に関する社内体制の整備を進め、設計ツールの開発および試設計による検証を行いました。翌連結会計年度では、試設計について任意評価を取得し、実物件への適用に向けての円滑化を図ります。 (3) 鉄骨造の合理化工法開発 物流施設をはじめとした建築物への鉄骨造の採用が拡大しており、その競争力の強化には鋼材量、加工量、特殊材料等の省力化が課題となっております。当連結会計年度では、「横座屈補剛工法」および「異幅柱接合部工法」の合理化工法の開発を行い、第三者機関による構造性能評価を取得いたしました。「横座屈補剛工法」は大梁の横補剛に床スラブの補剛効果を利用する工法で、「異幅柱接合部工法」は上下階で柱幅が異なる箇所の接合部に使用するダイアフラムに関する工法であります。当連結会計年度において、これらの工法が計3件採用されました。 (4) 鉄筋コンクリート造壁・床のひび割れ誘発目地工法「CCB工法」の展開 当社では、鉄筋コンクリート造の壁や床に不可避な乾燥収縮によるひび割れを壁や床に設けた目地内で確実に誘発させ、高品質な壁や床を築造する「CCB工法」を開発してまいりました。当連結会計年度では16物件に採用されております。また、当連結会計年度において、本工法を発展させた「PRS目地充填工法」については、一般財団法人日本建築総合試験所の建設材料技術性能証明を取得いたしました。翌連結会計年度では、実物件への適用をさらに拡大させるとともに、新たな合理化技術の開発に着手いたします。 (5) 環境配慮型コンクリートの開発と適用 環境配慮型コンクリートには、低炭素性と資源循環性の2種類があります。当社では、CO2排出量を最大70%程度まで削減した低炭素性のものと、高炉スラグ微粉末やフライアッシュを使用した資源循環性の両方の環境配慮型コンクリートを開発しており、当連結会計年度では3作業所にて、二酸化炭素排出量を約50%削減したJISマーク品質の環境配慮型コンクリート(BB+FA)を適用いたしました。今後も環境経営に資する取組みとして積極的に展開を図ってまいります。 さらに当連結会計年度から、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)グリーンイノベーション基金事業に当社も再委託先として参画し、二酸化炭素を吸収・固定するカーボンプールコンクリートの開発を進めております。 [ストック活用のためのリニューアル技術](6) 環境配慮型リニューアルReQualityの推進 「人間にも地球にも良い循環をつくる」を掲げ取組むリニューアル事業『ReQuality』のフラッグシップのプロジェクトである淺沼組名古屋支店改修プロジェクト(2021年9月完成)は、2022年度グッドデザイン・ベスト100(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)に選出されました。さらに一般財団法人住宅・建築SDGs推進センターが主催する2022年度の第1回SDGs建築賞(旧サステナブル建築賞)の大規模建築部門において準グランプリとなる「一般財団法人住宅・建築SDGs推進センター理事長賞」を受賞いたしました。翌連結会計年度では環境配慮型リニューアルReQualityに資する技術開発をさらに進化させ、リニューアル事業の受注拡大に繋げたいと考えております。 (7) 既存不適格鉄骨造建物の耐震診断・改修手法の開発 既存不適格の鉄骨造建物は耐震性能が極めて乏しいために、改修工事まで議論が進まず、放置された建物が数多く残されていることが社会的な課題となっております。当社では、本課題に対しリニューアル事業の一環として取組み、既存不適格の鉄骨造建物を対象とした耐震改修工法の開発を進めております。当連結会計年度では、低コストかつ省スペースの耐震改修工法として、制振技術を利用した新たな耐震改修工法を考案し、要素実験による検証を行いました。翌連結会計年度では、構造実験およびFEM解析による検討を進め、今後、第三者機関による構造性能評価の取得を目指してまいります。 (8) 鉄筋コンクリート構造物の劣化診断システムと寿命予測技術 仕上げをした鉄筋コンクリート構造物について、ダブルチャンバー法とドリル削孔法を併用した透気試験により、仕上げの劣化を加味した建物の余寿命・耐用年数を予測する独自の劣化診断システムを開発し、当連結会計年度から本格的に実装いたしました。コンクリート構造体に大きな傷をつけず、供用中でも建物の調査ができ、調査結果から建物の耐用年数を推定し、所有者の意向に応じて建物の寿命を伸ばすための最適な補修方法を提案することが可能です。当連結会計年度において4物件で調査診断を行いました。翌連結会計年度では、本技術について一般財団法人日本建築総合試験所の建設材料技術性能証明の取得を目指してまいります。 [施工改善・生産性向上に資する技術](9) ICTを用いた品質・生産性向上のための開発 開発をすすめているAI(人工知能)を利用した配筋自主検査システムについては、当連結会計年度において配筋自主検査システムの実用機が完成し、現場での実験検証を行いました。その結果、壁・床に関しては概ね検知精度の向上が確認できましたので、翌連結会計年度では本開発をさらに深化させ、柱・梁の検知精度を向上させることで、現場適用を目指してまいります。 また、建設現場での生産性・安全性の向上、コスト削減等を実現するため、ロボティクストランフォーメーション(ロボット変革)の推進を図るべく設立された建設RXコンソーシアムに当社も参画し、活動を進めております。当連結会計年度では自動搬送ロボットの現場試行を行い、生産性向上に向けた検討を開始いたしました。 一方、BIMモデルを活用した若手社員向けの体験型施工管理教育システム「現場トレーナー」を当連結会計年度において開発いたしました。翌連結会計年度では、サブスクリプションによる他社へのサービスを開始するとともに、当社内での活用をさらに深化させ、アップデートや新しいコンテンツの追加を目指す予定です。 また、「その他」の事業においては、研究開発活動は特段行われておりません。
FY2022|2,816 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、創業理念である「和の精神」「誠意・熱意・創意」の下、「仕事が仕事を生む」の企業精神に則り、誠実なモノづくりに専心し、社会の安全・安心・快適の増進に寄与することを基本理念として、変化する社会やお客様のニーズに対応できる技術開発を、技術研究所を拠点に推進しております。研究開発活動としては、免震及び制震技術などの高品質・高性能な構造物を実現する技術、ストック活用のためのリニューアル技術、ICTやIoTを活用した施工改善・生産性向上に資する技術の研究開発と商品化に注力しております。当連結会計年度における研究開発費の総額は574百万円であります。当連結会計年度の主要な研究開発活動は以下のとおりであります。なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。(建築及び土木)[高品質・高性能な構造物を実現する技術](1) 柱RC梁Sハイブリッド構法の改良柱RC梁Sハイブリッド構法は大型物流施設や商業施設に適した構法で、柱をRC(鉄筋コンクリート造)にすることで、特に価格が高騰している鉄骨の使用量を低減でき、柱・梁ともS(鉄骨造)にした場合に比べ建築費を抑制できる利点があります。当社では本構法の競争力を高めるため、さらなる改良を進めております。当連結会計年度では柱梁接合部分の検証実験を実施しており、翌連結会計年度では、第三者機関による技術認証を取得し、適用物件の拡大を目指してまいります。 (2) 免震及び制震技術の高度化建築物の免震及び制震技術について、設計手法の高度化と当該技術による合理化を目指した研究開発を行っております。その一環として地震時における建物の揺れの大きさをリアルタイムに提供するモニタリングサービスのさらなる高度化を進めております。当連結会計年度では、建物挙動を把握するためのセンサーを設置していない階の、地震時における建物応答の推定手法の調査検討を行いました。翌連結会計年度では、振動模型を用いた検証実験を通じて建物応答推定手法を確立し、地震時のより正確な建物挙動の情報提供を目指しております。 (3) 鉄筋コンクリート造壁・床のひび割れ誘発目地工法「CCB工法」の展開当社では、鉄筋コンクリート造の壁や床に不可避な乾燥収縮によるひび割れを壁や床に設けた目地内で確実に誘発させ、高品質な壁や床を築造する「CCB工法」を開発してきました。当連結会計年度では19物件に採用されております。翌連結会計年度には本工法を発展させた「PRS目地充填工法」について、一般財団法人日本建築総合試験所の建設材料技術性能証明の取得を目指しております。 (4) 環境配慮型コンクリートの開発と適用 環境配慮型コンクリートには低炭素性と資源循環性のものとがあり、当社ではCO2排出量を最大70%程度まで削減した低炭素性のものと、高炉スラグ微粉末やフライアッシュを使用した資源循環性の2種類の環境配慮型コンクリートを開発しており、これらを当社の名古屋支店改修プロジェクトに適用いたしました。翌連結会計年度には、土木工事において低炭素性の環境配慮型コンクリートを適用予定であります。今後、環境経営に資する取組として、積極的に適用を推進してまいります。 [ストック活用のためのリニューアル技術](5) 環境配慮型リニューアルReQualityの推進当連結会計年度の2021年4月に、当社の取組むリニューアル事業の目標として「人間にも地球にも良い循環をつくる」をかかげ、当社のリニューアル事業を『ReQuality』と命名いたしました。『ReQuality』の取組では、自然の力と人の創造力を掛け合わせた独自技術で、自然物と人工物のよりよい循環を生み出すことを目指した環境配慮型リニューアルを推進いたします。そのコンセプトを実現するフラッグシップのプロジェクトとして淺沼組名古屋支店改修プロジェクトを2021年9月に竣工させ社内外に公表いたしました。翌連結会計年度では環境配慮型リニューアルReQualityに資する技術開発をさらに進化させ、リニューアル事業の受注拡大に繋げたいと考えております。 (6) 名古屋支店改修プロジェクトにおけるZEBready認証およびWELL認証名古屋支店改修プロジェクトでは運用時のエネルギー消費量を旧支店の50%以下に削減する「ZEB ready」を省エネの目標としましたが、建物居住者の健康・快適性を評価する「WELL認証」も併せて取得を目指したため、省エネと快適性の両立の実現をはかりつつZEBready認証を取得いたしました。WELL認証は、空間のデザインや運用に人間の健康の視点から、より良い居住環境の創造を目指し、アメリカの公益法人IWBI(International WELL Building Institute)が制定し、2014年から運用を開始した評価システムであり、当連結会計年度では、本認証の申請および現地審査の準備を行いました。翌連結会計年度では現地審査を受け、認証取得を目指しております。ZEBready認証およびWELL認証を併せて取得することでリニューアル事業の営業展開に繋げることを目指しております。 (7) 補強組積ブロック増設耐震壁による耐震補強工法の適用範囲拡大の開発補強組積ブロック(RMユニット)を用いた増設耐震壁による耐震補強工法は、在来工法に比べ工期が短く、狭小な場所での施工が容易で、作業騒音が少ないなどの長所があり、これまで着実に施工実績を重ねております。当連結会計年度では、柱に接する開口を設けた増設壁について本工法の適用範囲を拡張し、一般財団法人日本建築総合試験所による建築技術性能証明の改定を行いました。本工法が適用可能な条件を拡大することにより、適用物件のさらなる増大を目指しております。 [施工改善・生産性向上に資する技術] (8) ICTを用いた品質・生産性向上のための開発当社での設計・施工におけるBIM(ビルディング インフォメーション モデリング)活用はBIM推進室を中心に、全店的に進めております。技術研究所ではAI(人工知能)を利用した配筋自主検査システムの開発を進めており、当連結会計年度では配筋自主検査システムの試作機を作製し、現場での試験適用を行いました。翌連結会計年度では、本開発を深化させ、現場適用を目指す予定となります。さらに、当連結会計年度において、建設現場での生産性・安全性の向上、コスト削減等を実現するため、施工ロボットやIoTアプリ等の開発と利用に係るロボティクストランフォーメーション(ロボット変革)の推進を図るべく設立された建設RXコンソーシアムに当社も参画し、活動を開始いたしました。 また、「その他」の事業においては、研究開発活動は特段行われておりません。
FY2021|2,556 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、創業理念である「和の精神」「誠意・熱意・創意」の下、「仕事が仕事を生む」の企業精神に則り、事業活動を通じ誠実なモノづくりに専心し、社会の安全・安心・快適の増進に寄与することを基本理念として、変化する社会やお客様のニーズに対応できる技術開発を、技術研究所を拠点に推進しております。研究開発活動としては、免震及び制震技術などの高品質・高性能な構造物を実現する技術、ストック活用のためのリニューアル技術、ICTやIoTを活用した施工改善・生産性向上に資する技術の研究開発と商品化に注力しております。当連結会計年度における研究開発費の総額は488百万円であります。当連結会計年度の主要な研究開発活動は以下のとおりであります。なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。(建築及び土木)[高品質・高性能な構造物の実現技術](1) 技能伝承システムの開発と運用次世代建設生産性向上の対策として「Ai-MAP SYSTEM(アイマップシステム)」の開発に取り組んでおります。このシステムは、画像解析やセンシング等の新技術によるデータを熟練者の保有する経験値と融合させ、次世代の建設生産における課題解決と技能の継続的な育成を具現化させる技術であります。当該システムを構成する要素技術は、国土交通省の進める「建設現場の生産性を向上する革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」の試行対象技術として採択され、土木作業所における試行で高評価を得ることができました。翌連結会計年度には本システムを建築作業所にも適用し、当社の生産性向上と品質の高度化につなげる取組みを行う予定であります。 (2) 免震及び制震技術の高度化建築物の免震及び制震技術について、設計技術の高度化と当該技術による合理化を目指した研究開発を行っております。当連結会計年度では、地震時における建物の揺れの大きさをリアルタイムに提供するモニタリングサービスのさらなる高度化のため、IoTスマートセンサーの性能検証実験を実施いたしました。翌連結会計年度では、センサーの特性を活用した評価手法の改良を行い、新たなサービスの展開を目指しております。 (3) 鉄筋コンクリート造壁のひび割れ誘発目地工法「CCB-NAC工法」の展開当社では、鉄筋コンクリート造壁に不可避な乾燥収縮によるひび割れを、壁に設けた目地内で確実に誘発させ、高品質な壁を築造する「CCB工法」、この技術を発展させた「CCB-NAC工法」を開発してきました。当連結会計年度では16物件に採用されました。そのうち工場のリニューアル改修において、本工法をコンクリート床にも適用いたしました。翌連結会計年度には本工法を進化させた「PRS目地充填工法」について、一般財団法人日本建築総合試験所の建設材料技術性能証明の取得を目指しております。 (4) 環境配慮型コンクリートの開発環境配慮型コンクリートは、CO2排出量を最大60%まで削減可能な脱炭素型のコンクリートで、2021年3月に「建設材料技術性能証明」を取得いたしました。高炉スラグ微粉末やフライアッシュなどの産業副産物をセメントの一部と置換することにより、高いレベルでのCO2排出抑制を実現します。当社名古屋支店の大規模改修工事において、初めて適用いたしました。今後、脱炭素に向けた取組みとして、設計施工物件などへ環境配慮型コンクリートの適用を推進いたします。 [ストック活用のためのリニューアル技術](5) 補強組積ブロック増設耐震壁による耐震補強工法の適用範囲拡大の開発補強組積ブロック(RMユニット)を用いた増設耐震壁による耐震補強工法は、在来工法に比べ工期が短く、狭小な場所での施工が容易で、作業騒音が少ないなどの長所があり、これまで着実に施工実績を重ねております。当連結会計年度では、本工法の適用範囲の拡大を目指し、一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明改定のための審査を受けております。翌連結会計年度には、同建築技術性能証明を取得し、さらなる営業展開を図ります。 (6) 当社リニューアル物件におけるWELL認証の取得WELL認証は、空間のデザインや運用に人間の健康の視点から、より良い居住環境の創造を目指し、アメリカの公益法人IWBI(International WELL Building Institute)が制定し、2014年から運用を開始した評価システムであります。施工中の当社名古屋支店の改修において設計段階からWELL認証を取得すべく取組み、当連結会計年度の2021年2月に予備認証を取得いたしました。築30年を経過したオフィス全体の改修でのWELL認証の予備認証取得はわが国では初となります。今後は本認証の取得に向け取り組んでまいります。 [施工改善・生産性向上に資する技術](7) 鉄骨造建物を対象とした合理化技術の開発建築現場の人手不足にともない建築着工の比率が増加している鉄骨造を対象に、合理化技術の開発を強化しております。当連結会計年度では、物流倉庫などを対象とした鉄骨造小梁仕口部について大学との共同研究をすすめ、数値シミュレーションと実証実験により、小梁たわみ抑制の合理的設計手法を確立いたしました。翌連結会計年度では、実物件への適用を目指すとともに、新たな合理化技術の開発に着手いたします。 (8) ICTを用いた品質・生産性向上のための開発当社での設計・施工におけるBIM(ビルディング インフォメーション モデリング)活用はBIM推進室を中心に、全店的に進めております。技術研究所ではVR(バーチャルリアリティー)を駆使し、コンピュータ上の仮想空間を利用した技術教育システムの構築およびAI(人工知能)を利用した品質管理システム(配筋自主検査システム)の開発などを進めております。当連結会計年度では3次元モデルを活用した技術教育システムの実効性検討を行い、若手技術者の研修等で利用いたしました。翌連結会計年度では、配筋自主検査システムの開発をさらに進める予定であります。 また、「その他」の事業においては、研究開発活動は特段行われておりません。
FY2020|2,675 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、創業理念である「和の精神」「誠意・熱意・創意」の下、「仕事が仕事を生む」の企業精神に則り、事業活動を通じ誠実なモノづくりに専心し、社会の安全・安心・快適の増進に寄与することを基本理念として、変化する社会やお客様のニーズに対応できる技術開発を、技術研究所を拠点に推進しております。研究開発活動としては、免震及び制震技術などの高品質・高性能な構造物を実現する技術、ストック活用のためのリニューアル技術、ICTやIoTを活用した施工改善・生産性向上に資する技術の研究開発と商品化に注力しております。当連結会計年度における研究開発費の総額は407百万円であります。当連結会計年度の主要な研究開発活動は以下のとおりであります。なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。(建築及び土木)[高品質・高性能な構造物の実現技術](1) 技能伝承システムの開発と運用次世代建設生産の活性化対策として、技能伝承の見える化を生産活動に活用させる「Ai-MAP SYSTEM(アイマップシステム)」の開発に取り組んでおります。このシステムは、生産技術(匠の技)をAIとIoT活用により記録・見える化でき、熟練技能の伝承による高品質・高性能な構造物の実現技術であります。なお本技術は、国土交通省の進める「建設現場の生産性を向上する革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」の試行対象技術として本年度も採択され、当社土木作業所における試行で高評価を得ることができました。このシステムの開発により、当社の生産性向上と品質の高度化の持続的な継承を目指しております。 (2) 免震及び制震技術の高度化建築物の免震及び制震技術について、設計技術の高度化と当該技術による合理化を目指した研究開発を行っております。当連結会計年度では、建物の地震時における安全・安心を即座に分かりやすく提供できる建物モニタリングサービスについて、システム会社と業務提携を行い、営業展開を進めております。次期連結会計年度では技術研究所ANNEX棟にモニタリングシステムを設置し、独自サービス展開のための研究開発を予定しております。 (3) 鉄筋コンクリート造壁のひび割れ誘発目地工法「CCB-NAC工法」の展開当社では、鉄筋コンクリート造壁に不可避な乾燥収縮によるひび割れを、壁に設けた目地内で確実に誘発させ、高品質な壁を築造する「CCB工法」、この技術を発展させた「CCB-NAC工法」を開発してきました。当連結会計年度では13物件に採用されております。さらに、本工法を進化させ、目地部に誘導したひび割れを目立たないように目地内で分散させる「PRS目地充填工法」の実物件への適用も本格化させ、3物件に採用されております。次期連結会計年度には「PRS目地充填工法」について一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明の取得を目指しております。 (4) 低炭素型環境配慮コンクリートの開発コンクリートの主原料であるセメントはその製造時にCO2を大量に排出し、鉄筋コンクリート造建物を施工する際に排出するCO2総量の半分近くを占め、温暖化対策の面で課題となっておりました。当社では、セメントの一部に代えて製鉄所の副産物である高炉スラグ微粉末を混和材料として使用したCO2の排出量を削減した環境配慮型コンクリートを開発しました。次期連結会計年度には一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得し、実施工における利用拡大を目指しております。 [ストック活用のためのリニューアル技術](5) 補強組積ブロック増設耐震壁による耐震補強工法の適用範囲拡大の開発補強組積ブロック(RMユニット)を用いた増設耐震壁による耐震補強工法は、在来工法に比べ工期が短く、狭小な場所での施工が容易で、作業騒音が少ないなどの長所があり、これまで着実に施工実績を重ねております。当連結会計年度では、本工法の適用範囲をさらに拡大するため追加の構造実験を実施しました。次期連結会計年度には、一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明の改定を進め、さらなる営業展開を図ります。 (6) 収縮低減型の中・高流動コンクリート「スムースフィルクリート」の適用拡大耐震補強工事などに用いる低コストで製造方法も簡便な収縮低減型の中・高流動コンクリート「スムースフィルクリート」を開発し、実物件への適用を本格化させております。次期連結会計年度では、施工省力化や生産性向上を目的として、大学や市役所などの耐震改修工事への適用を予定しております。 [施工改善・生産性向上に資する技術](7) 鉄骨造建物を対象とした合理化技術の開発建築現場の人手不足にともない建築着工の比率が増加している鉄骨造を対象に、合理化技術の開発を強化しております。当連結会計年度では、物流倉庫などを対象とした鉄骨造小梁仕口部について大学との共同研究を進め、数値シミュレーションにより合理化手法の検討を行いました。次期連結会計年度には、実証実験を行い、実用化を目指します。 (8) PCa異種強度梁工法の開発超高層マンションにおいてPCa(プレキャスト鉄筋コンクリート)造の梁とスラブのコンクリート強度が異なる場合、コンクリートを打ち分ける必要があるためコスト増の要因となっておりました。当連結会計年度では、梁の上部をスラブと同強度のコンクリートとする合理化工法を開発し、日本ERI株式会社の構造性能評価を取得しました。次期連結会計年度では、設計ツールの開発を行い、さらなる合理化を目指します。 (9) ICTを用いた品質・生産性向上のための開発当社での設計・施工におけるBIM(ビルディング インフォメーション モデリング)活用はBIM推進室を中心に、全店的に進めております。技術研究所ではVR(バーチャルリアリティー)を駆使し、コンピュータ上の仮想空間を利用した技術教育システムの構築及びAI(人工知能)を利用した品質管理システム(配筋自主検査システム)の開発などを進めております。当連結会計年度では、3次元モデルを活用した鉄筋コンクリート造工事の技術教育コンテンツを開発し、若手技術者の研修等で利用を開始しました。次期連結会計年度では、技術教育システムの実効性検討及び品質管理システムの開発を行い、さらなる品質・生産性向上を目指します。 また、「その他」の事業においては、研究開発活動は特段行われておりません。
FY2019|2,728 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、創業理念である「和の精神」「誠意・熱意・創意」の下、「仕事が仕事を生む」の企業精神に則り、事業活動を通じ誠実なモノづくりに専心し、社会の安全・安心・快適の増進に寄与することを基本理念として、変化する社会やお客様のニーズに対応できる技術開発を、技術研究所を拠点に推進している。当社では、社会環境が大きく変化する中で、新たな独自性のある価値創出を加速するため、創業125周年にあたる2017年から、既存本館の施設および設備の全面改修を進め、試験機器を最新鋭のものに入れ替えるとともに、当連結会計年度の4月から新たにANNEX棟の建設を開始し、この3月に一連の増改築を完了させた。特に、強化に取り組むリニューアル分野での競争力を高めるため、試験機器を拡充させ、この分野では関西圏でトップレベルの設備とした。研究開発活動としては、免震および制震技術などの高品質・高性能な構造物を実現する技術、ストック活用のためのリニューアル技術、施工改善・生産性向上に資する技術の研究開発と商品化に注力している。さらに、新たな価値創出を志向する企業・団体とのオープンイノベーションを進めており、当連結会計年度では関西の生コンクリート工業組合および調査診断会社と業務提携を締結した。当連結会計年度における研究開発費の総額は319百万円である。当連結会計年度の主要な研究開発活動は以下のとおりである。なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われていない。(建築及び土木)[高品質・高性能な構造物の実現技術](1) 技能伝承システムの開発と運用次世代建設生産の活性化対策として、技能伝承の見える化を生産活動に活用させる「Ai-MAP SYSTEM(アイマップシステム)」の開発に取り組んでいる。このシステムは、生産技術(匠の技)をAIとIoT活用により記録・見える化でき、熟練技能の伝承による高品質・高性能な構造物の実現技術である。なお本技術は、国土交通省の進める「建設現場の生産性を向上する革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」の試行対象技術として採択され、当社土木作業所における試行で高評価を得ることができた。今後は、建築現場への運用などにより、実用化に向けた展開を予定している。 (2) 免震及び制震技術の高度化建築物の免震及び制震技術について、設計技術の高度化と当該技術による合理化を目指した研究開発を行っている。当連結会計年度では、制震技術の実証のため新設したANNEX棟に制震ダンパーの設置を行った。さらに地震時における建物の挙動を把握するための構造ヘルスモニタリングシステムを合わせて導入し、建物の安全・安心を即座に分かりやすく提供できる建物モニタリングサービスの研究開発を進めている。 (3) 鉄筋コンクリート造壁のひび割れ誘発目地工法「CCB-NAC工法」の展開当社では、鉄筋コンクリート造壁に不可避な乾燥収縮によるひび割れを、壁に設けた目地内で確実に誘発させ、高品質な壁を築造する「CCB工法」、この技術を発展させた「CCB-NAC工法」を開発してきた。当連結会計年度では、実物件への適用を本格化させ、10物件に採用された。さらに、本工法を進化させ、目地部に誘導したひび割れを目立たないように目地内で分散させる「PRS目地充填工法」の研究開発及び試験施工を進め、次期連結会計年度には一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明の取得を目指している。 (4) 低炭素型環境配慮コンクリートの開発コンクリートの主原料であるセメントは、その製造時にCO2を大量に排出し、鉄筋コンクリート造建物を施工する際に排出するCO2総量の半分近くを占め、温暖化対策の面で課題となっていた。当社では、セメントの一部に代えて製鉄所の副産物である高炉スラグ微粉末を混和材料として使用して、CO2の排出量を削減した環境配慮型コンクリートの開発を進めている。次期連結会計年度には、一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得し、利用拡大を図ることを目指している。 [ストック活用のためのリニューアル技術](5) 補強組積ブロック増設耐震壁による耐震補強工法の適用範囲拡大の開発強組積ブロック(RMユニット)を用いた増設耐震壁による耐震補強工法は、在来工法に比べ工期が短く、狭小な場所での施工が容易で、作業騒音が少ないなどの長所があり、これまで着実に施工実績を重ねている。当連結会計年度では、本工法の適用範囲をさらに拡大するための開発に着手し、次期連結会計年度には、一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明の改定を進め、さらなる営業展開を図る。 (6) 収縮低減型の中・高流動コンクリート「スムースフィルクリート」の展開耐震補強工事などに用いる低コストで製造方法も簡便な収縮低減型の中・高流動コンクリート「スムースフィルクリート」を開発し、当連結会計年度では、実物件への適用を本格化させ、温浴施設の改修及び病院の耐震改修工事などに採用された。 [施工改善・生産性向上に資する技術](7) 鉄骨造建物を対象とした合理化技術の開発建築現場の人手不足にともない建築着工の比率が増加している鉄骨造を対象に合理化技術の開発を強化している。当連結会計年度では、間柱埋め込み柱脚省力化工法の実物件への適用を本格化させ、2物件に採用された。さらに、新たに鉄骨造小梁仕口部の合理化について大学との共同研究を開始した。 (8) タイル剥落防止工法の建築技術性能証明の取得外壁タイルの落下は、第三者災害を引き起こす可能性があり、特に、大地震時に建物からのタイルの剥落を防止する工法が求められている。当社では、独自の「繊維植え込みシートを用いたタイル剥落防止工法」を既に開発しているが、当連結会計年度に一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得した。今後は、本工法の適用拡大を目指す。 (9) ICTを用いた品質・生産性向上のための開発当社での設計・施工におけるBIM(ビルディングインフォメーションモデリング)活用はBIM推進室を中心に、全社的に進めている。技術研究所ではVR(バーチャルリアリティー)を駆使し、コンピュータ上の仮想空間を利用した技術教育システムの構築およびMR(複合現実)を利用した品質管理システムの可能性の調査研究などを進めている。当連結会計年度では、3次元モデルを活用した鉄骨造工事の技術教育コンテンツを開発し、若手技術者の研修で利用を開始した。 また、「その他」の事業においては、研究開発活動は特段行われていない。
FY2018|2,384 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、創業理念である「和の精神」「誠意・熱意・創意」の下、「仕事が仕事を生む」の企業精神に則り、事業活動を通じ誠実なモノづくりに専心し、社会の安全・安心・快適の増進に寄与することを基本理念として、変化する社会やお客様のニーズに対応できる技術開発を、技術研究所を拠点に推進している。当社では、高度化する建設技術へのニーズに対応し、新たな価値創出を加速するため、前連結会計年度から3ヵ年をかけて、技術研究所の施設および設備を一新し、研究開発機能を強化している。当連結会計年度では、全社員の教育研修を担う施設として、改修した既存研究棟の活用も開始した。さらに、既設の水平垂直2軸振動台試験機に代えて3軸同時永久磁石振動台システムを導入するとともに、200kN油圧式疲労試験機、卓上電子顕微鏡などを新たに購入し、試験や調査能力の強化をはかった。本年3月から実地型技術研修にも利用できる多目的実験スペースおよび倉庫をもつ増築棟の建設を開始し、次期連結会計年度中の完成を目指している。研究開発活動としては、免震および制震技術などの高品質・高性能な構造物を実現する技術、ストック活用・再生技術、環境技術および施工改善・生産性向上に資する技術の研究開発と商品化に注力している。さらに、研究開発活動の幅を広げ、効率を高めるため、大学、同業他社および異業種企業との共同研究を積極的に行っている。当連結会計年度における研究開発費の総額は2億2千9百万円である。当連結会計年度の主要な研究開発活動は以下のとおりである。なお、子会社においては研究開発活動は特段行われていない。(建築及び土木)[高品質・高性能な構造物の実現技術](1) 免震および制震技術の高度化建築物の免震および制震技術について、設計技術の高度化と当該技術による合理化を目指して大学と共同研究を進めている。当連結会計年度では、物流施設、集合住宅などを対象とした免震構造における設計・施工の合理化方法の研究開発を進めた。その結果、物流施設などの杭頭免震構造を対象とした淺沼式杭頭接合部定着工法を開発し、実物件に適用して合理化をはかることができた。さらに、免震建物において地盤条件に適した杭基礎の選定が可能となる淺沼式免震杭基礎最適化手法を開発した。 (2) 鉄筋コンクリート造壁のひび割れ誘発目地工法「CCB―NAC工法」の展開当社では、鉄筋コンクリート造壁に不可避な乾燥収縮によるひび割れを、壁に設けた目地内で確実に誘発させ、高品質な壁を築造する「CCB工法」、この技術を発展させた「CCB―NAC工法」を開発してきた。前連結会計年度に一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得したことで、当連結会計年度では実物件への適用を本格化させ、16物件に採用された。 (3) 低炭素型環境配慮コンクリートの開発コンクリートの主原料であるセメントはその製造時にCO2を大量に排出し、鉄筋コンクリート造建物を施工する際に排出するCO2総量の半分近くを占め、温暖化対策の面で課題となっていた。当社では、セメントの一部に代えて製鉄所の副産物である高炉スラグ微粉末を混和材料として使用して、CO2の排出量を削減した環境配慮型コンクリートの開発をすすめている。今後、技術性能証明を取得し、利用拡大をはかることを目指している。 [ストック活用・再生に関する技術](4) 収縮低減型の中・高流動コンクリート「スムースフィルクリート」の展開耐震補強工事などに用いる低コストで製造方法も簡便な収縮低減型の中・高流動コンクリート「スムースフィルクリート」を開発し、前連結会計年度に一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得したことで、当連結会計年度では実物件への適用を本格化させ、耐震改修工事など2物件に採用された。 [施工改善・生産性向上に資する技術](5) 鉄骨造建物を対象とした合理化技術の開発近年、建築現場の人手不足にともない、建築着工の比率が増加している鉄骨造を対象とした合理化技術の開発を強化している。当連結会計年度においては、間柱の埋め込み柱脚の省力化工法の実物件への本格的な適用をすすめ、3物件(350箇所)に採用された。 (6)タイル剥落防止工法の開発外壁タイルの落下は、第三者災害を引き起こす可能性があり、特に、大地震時に建物からのタイルの剥落を防止する工法が求められている。当社では、独自の「繊維植え込みシートを用いたタイル剥落防止工法」を既に開発しているが、本工法の適用を拡大するため、前連結会計年度から一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明の取得に向けて実験などの作業をすすめてきた。次期連結会計年度での性能証明取得を目指している。 (7)ICTを用いた品質・生産性向上のための開発当社での設計・施工におけるBIM(ビルディングインフォメーションモデリング)活用はBIM推進室を中心に、全社的にすすめている。技術研究所ではVR(バーチャルリアリティー)を駆使し、コンピュータ上の仮想空間を利用した技術教育システムの構築およびMR(複合現実)を利用した品質管理システムの可能性の調査研究などをすすめている。 (8)熟練技能維持システムの開発土木現場で技能労働者に受信機を付けたセンサーを装着させ、個々の作業員の動線をデータ化し、統計解析や映像分析になどにより、熟練技能労働者と未熟練技能労働者の動き方の違いを「見える化」することで、未熟練技能労働者の作業改善につなげるシステムの開発を行っている。 将来的には次世代建設生産の活性化への対応として、IOTを活用した生産管理システムの構築を目指していく。 また、「その他」の事業においては研究開発活動は特段行われていない。
FY2017|1,576 文字
6 【研究開発活動】提出会社は、創業理念である『和の精神』『誠意・熱意・創意』のもと、「仕事が仕事を生む」の精神に則り、誠実なモノづくりに専心し、社会の安全・安心・快適の増進に寄与することを基本理念として、変化する社会やお客様のニーズに対応できる技術開発を、技術研究所を拠点に推進している。 このたび、創業125周年を迎えるに当たり、高度化する建設技術へのニーズに対応し、新たな価値創出を加速するため、当連結会計年度から3ヵ年をかけて、技術研究所の施設および設備を一新し、研究開発機能を強化する。また新たに実地型技術研修機能の整備も行い、技術研究所を若手現場技術者の教育を担う施設としても活用する。研究開発活動としては、免震および制震技術などの高品質・高性能な構造物を実現する技術、ストック活用・再生技術、環境技術および施工改善・合理化に関する技術の研究開発と商品化に注力している。さらに、研究開発活動の幅を広げ、効率を高めるため、大学、同業他社および異業種企業との共同研究を積極的に行っている。当連結会計年度における研究開発費の総額は2億5千万円である。当連結会計年度の主要な研究開発活動は以下のとおりである。なお、子会社においては研究開発活動は特段行われていない。 (建築及び土木)[高品質・高性能な構造物の実現技術](1) 免震および制震技術の高度化建築物の免震および制震技術について、設計技術の高度化と当該技術による合理化を目指して大学と共同研究を進めている。当連結会計年度では、物流施設、集合住宅などを対象とした免震構造による設計・施工の合理化方法の研究開発を進めた。その結果、物流施設の建設において、杭工事などの合理化をはかることができた。 (2) 鉄筋コンクリート造壁のひび割れ誘発目地工法「CCB―NAC工法」の改良当社では、鉄筋コンクリート造壁に不可避な乾燥収縮によるひび割れを、壁に設けた目地内で確実に誘発させ、高品質な壁を築造する「CCB工法」をすでに開発し、この技術をさらに発展させた「CCB―NAC工法」を大学と共同開発してきた。2016年10月にCCB―NAC工法の適用範囲拡大について一般財団法人 日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得し、実物件への適用を開始した。 [ストック活用・再生に関する技術](3) 収縮低減型の中・高流動コンクリート「スムースフィルクリート」の開発当社では、耐震補強工事などに用いる低コストで製造方法も簡便な収縮低減型の中・高流動コンクリート「スムースフィルクリート」を開発し、2016年2月に一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得した。当連結会計年度においては、本材料の適用範囲を拡大するため圧入施工について実験を行うとともに、実物件への適用を行った。 [施工改善・合理化に関する技術](4) 鉄骨造建物を対象とした合理化技術の開発近年、建築現場の人手不足にともない、建築着工の比率が増加している鉄骨造を対象とした合理化技術の開発を強化している。当連結会計年度から物流倉庫や量販店などの鉄骨造建物における、鉄骨小梁の接合方法の合理化や間柱の埋め込み柱脚の省力化などの研究開発を行っている。 (5)タイル剥離剥落防止工法の開発外壁タイルの落下は、第三者災害を引き起こす可能性があり、特に、大地震時に建物からのタイルの剥離・剥落を防止する工法が求められている。当社では、独自の「繊維植え込みシートを用いたタイル剥離剥落防止工法」を既に開発しているが、本工法の適用を拡大するため、当連結会計年度から一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明の取得に向けて作業をすすめ、次期での性能証明取得を目指している。 また、「その他」の事業においては研究開発活動は特段行われていない。
FY2016|1,793 文字
6 【研究開発活動】提出会社は、「創業理念『和の精神』『誠意、熱意、創意』のもと、人と環境を大切にする創環境企業として、事業活動を通じ社会の安全と幸福の増進に貢献する」を基本理念として、変化する社会やお客様のニーズに対応できる技術開発を、技術研究所を拠点に推進している。 研究開発活動としては、免震および制震技術などの高品質・高性能な構造物を実現する技術、ストック活用・再生技術、および施工改善・合理化に関する技術の研究開発と商品化に注力している。さらに、研究開発活動の幅を広げ、効率を高めるため、大学、同業他社および異業種企業との共同研究を積極的に行っている。当連結会計年度における研究開発費の総額は1億6千8百万円である。当連結会計年度の主要な研究開発活動は以下のとおりである。なお、子会社においては研究開発活動は特段行われていない。 (建築及び土木)[高品質・高性能な構造物の実現技術](1) 免震および制震技術の高度化東日本大震災以後、当社ではニーズの拡大した建築物の免震および制震技術について、設計技術の高度化と当該技術による合理化を目指して大学と共同研究を進めている。当連結会計年度では、物流施設、集合住宅などを対象とした免震構造による設計・施工の合理化方法の研究開発を進めた。その結果、「杭頭免震接合部の合理化工法」の開発や、設計用地震動作成技術の向上などの成果が得られた。 (2) 鉄筋コンクリート造壁のひび割れ誘発目地工法「CCB―NAC工法」の改良当社では、鉄筋コンクリート造壁に不可避な乾燥収縮によるひび割れを、壁に設けた目地内で確実に誘発させ、高品質な壁を築造する「CCB工法」をすでに開発し、この技術をさらに発展させた「CCB―NAC工法」を開発してきた。当連結会計年度では「CCB―NAC工法」を適用できる建物範囲を拡大するための改良を進めた。次期連結会計年度中に、「CCB―NAC工法」の改良について一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得する予定である。 [ストック活用・再生に関する技術](3) 収縮低減タイプの中・高流動コンクリート「スムースフィルクリート」の開発当社では、耐震補強工事に用いる無収縮高流動コンクリート「スーパーフィルクリート」を開発し、これまで多くの適用実績を重ねてきた。この応用技術として、耐震改修に用途を限定した、より低コストで製造方法も簡便な収縮低減型の中・高流動コンクリート「スムースフィルクリート」を開発し、2016年2月に一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得した。本材料を耐震改修工事において、積極的に営業展開する予定である。 [環境に関する技術] (4) 生物多様性簡易評価ツール「いきものプラス」のバージョンアップ当社ではCASBEE(建築環境総合性能評価システム)に準じて生物多様性への取り組みを評価する簡易ツール「いきものプラス」をすでに開発しているが、当連結会計年度では、これまで東京23区に限定されていた利用対象地域を1都3県および大阪府・愛知県に拡大して利便性を高めるなどバージョンアップし、機能を強化した。当社では、本ツールを活用し、より生物多様性に配慮した提案を推進していく。 [施工改善・合理化に関する技術](5) タイル剥離剥落防止工法の開発外壁タイルの落下は、第三者災害を引き起こす可能性があり、特に、大地震時に建物からのタイルの剥離・剥落を防止する工法が求められている。当社では、独自の外壁タイルの剥離剥落防止工法「繊維植え込みシートを用いたタイル剥離剥落防止工法」をすでに開発しているが、本工法の適用を拡大するため、次期連結会計年度から一般財団法人 日本建築総合試験所の建築技術性能証明の取得に向けて準備を進める。 (6)地中梁設備貫通孔の開口距離の近接工法の開発集合住宅などの地中梁には複数の開孔が設けられるが、隣り合う開孔の中心間隔を従来の3倍以上から2倍まで近接できる工法を開発し、2015年6月に一般財団法人 日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得した。設置できる開孔数が増え、設備配管などを迂回させることなく、開孔配置の自由度が向上する。今後、多くの物件に積極的に採用していく。 また、「その他」の事業においては研究開発活動は特段行われていない。