研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
| 2025-03 |
- |
69 |
| 2024-03 |
- |
35 |
| 2023-03 |
- |
21 |
| 2022-03 |
- |
22 |
| 2021-03 |
- |
22 |
研究開発活動(本文)
FY2025|3,267 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、各事業における独自の技術とノウハウを有する分野を中心に、研究開発活動を行っている。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は882百万円である。セグメントごとの内訳は、土木事業126百万円、地盤改良事業408百万円、ブロック事業35百万円、共通313百万円である。 (1) 総合技術研究所総合技術研究所は,当期に事業本部から独立した組織として再編された。各事業に直結した研究・開発を効率的かつ効果的に実施する研究開発室(第一,第二,第三研究開発グループ)並びに新たな事業の探索を担う技術戦略室(技術戦略グループ,知的財産戦略グループ)が設けられた。研究開発室においては,主に各事業本部より委託された研究テーマを遂行し,技術戦略室においては,研究開発全体の戦略立案および新規事業に係る企画・開発を行っている。当連結会計年度は,事業本部から委託された計24テーマの研究開発を進めるとともに,対外論文を20編執筆し,特許出願を10件行った。地域連携を深める一環として,研究所が位置する土浦市の小学校に出前事業に赴いた。また,土浦市と災害協定を結び,災害時に被災者をペット同伴で受け入れることとした。 (2) 土木事業当分野では、環境修復技術及び土木施工技術について研究開発活動を行っている。 ①環境修復技術ふっ素汚染土壌の原位置対策として、反応性を高めた不溶化剤の開発に取り組んでいる。あわせて、当社の独自技術である土壌還元法の改善に向けて、対象となるVOCs(揮発性有機化合物)の分解が長期間にわたって有効に働く徐放性栄養剤(一部に食品廃棄物を含む)の開発も進めている。また、今後の大規模な市場展開が見込まれる自然由来の重金属(砒素、ふっ素、鉛)を含む汚染土壌に対する処理技術の開発を継続的に進めている。さらに、全国的に問題となっている有機フッ素化合物PFAS(PFOS、PFOA)についても、汚染地下水および土壌の浄化技術の開発に取り組んでいる。②土木施工技術国土交通省が推進するi-Constructionとデジタルトランスフォーメーションに対応し、ICT施工の研究開発とデジタルデータの活用を推進している。海上施工分野においては、浚渫工、基礎工、消波工に対応するICT施工支援システムを開発し、新たに建造した浚渫兼起重機船(押航式)「FT400」に搭載した。さらに、同船にはAI航行支援システムと接舷支援システムを開発・搭載し、安全性と生産性の向上を図っている。陸上施工分野では、盛土の締固め機械に関する自律制御・協調制御、並びに自動操縦等のプロジェクトに参画し、施工における生産性や品質の向上、そしてデータ連携の自動化に取り組んでいる。また、3Dレーザー測量やフォトグラメトリにより取得した3次元点群データを出来形管理や水中構造物の点検に活用する手法の開発を進めるとともに、LiDARによる3Dレーザー測量の効率化にも注力している。 (3) 地盤改良事業当分野では、砂杭系や固化処理系等の地盤改良工法について、ICTを活用した生産性向上や環境対策などの付加価値向上、コスト削減による競争力強化、さらにカーボンニュートラルといった時代のニーズに応じた視点から研究開発活動を行っている。具体的には、総合技術研究所内に整備した多目的試験フィールドや材料化学実験棟などを活用し、種々の工法開発を進めている。①ICTを活用した地盤改良技術の実用化と施工管理の効率化に向けた取り組みを継続している。自動打設システム「GeoPilot-AutoPile®(ジオパイロット・オートパイル)」については、これまでの開発成果が評価され、第26回国土技術開発賞を受賞したほか、国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)にも登録された。今後は、現場でのさらなる活用に向けて、機能や運用面の改善を進めていく。また、小型地盤改良機の遠隔操作技術については、4月のプレス発表後に実際の施工現場での運用を行い、関係機関を招いた見学会も実施するなど、導入に向けた取り組みを進めている。さらに、リアルタイム施工管理システム「Visios®(ビジオス)-3D」では、画面構成の見直しや操作性の向上に加え、機能の拡充を図ることで、現場での活用の幅を広げている。これらの取り組みを通じて、施工現場における作業の省力化や品質の安定化を目指し、今後も現場ニーズに応じた技術開発を進めていく。②液状化対策として実績の多いサンドコンパクションパイル(SCP)工法を進化させた、バイオマス混合材料をSCP工法の中詰め材料に適用するバイオマスCP®工法を開発した。この工法は、空気中のCO2を吸収した竹をチップ化して中詰め材料に適用することで、砂地盤の液状化対策と炭素貯留、さらに放置竹林の問題を同時に解決できることが期待される。本工法は、地盤改良と同時に地中に炭素を貯蔵する「ネガティブエミッション技術」として第32回地球環境大賞「奨励賞」を受賞した。今後は、本工法の事業化に向けた取組みを進めていく。③脱炭素社会の実現に向けた新たな地盤改良工法の開発を進めている。砂杭系の工法では②で紹介したバイオマスCP®工法に加え、建設現場で発生する土(建設発生土)を地盤改良工事に活用する技術「リソイルPro®工法」を開発し全国展開を進めている。この工法は、新たな材料供給システムを装備することで、建設発生土を改質せずに地盤改良材として利用できる範囲を拡大した。従来の機械と比較してCO2排出量を最大約50%削減し、トータルコストを最大約30%低減できるほか、材料や発生土の運搬・処分に関わる環境負荷や自然材料の採掘による環境負荷も低減できる。また固化処理系の工法においては、製造時のCO2排出量が多いセメントについて、現場での使用量を削減する技術開発にも着手している。 (4) ブロック事業当分野では、全国的に既設ブロックの老朽化が進んでいること、および最近の激甚災害への新たな対応として、ドローン等で撮影したデータを用いた消波ブロックの効率的な維持管理方法の検討を行ってきたが、79期は、デジタル技術の活用により消波工の維持管理における一連のプロセスを効率的に実施することを目指し、「消波工維持管理デジタルシステム」の構築および高度化を推し進めた。また、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みとして、環境配慮型コンクリート技術の開発およびブルーカーボン生態系の創出へ向けた技術開発を行っている。 ①ICT技術を活用した消波工維持管理デジタルシステムの構築・高度化 VRなどを用いたブロック据付シミュレーションの機能を拡張し、現実に近いワイヤーによる据付を再現可能とするとともに、要素技術の深化、統合を行った。据付シミュレーションは、当社ブロックの技術提案に活用しており、最近ではこのシミュレーションにより定めた個々の据付ブロックの重心の座標を発注図書に記載した据付工事が発注されるようになってきている。②カーボンニュートラルの実現に向けた取り組み 脱炭素社会の実現に向けて、地域で発生する副産物を有効利用した低炭素材料やCCU材料を用いたコンクリートのブロックへの適用開発を実施している。また、CO2の削減方策として「ブルーカーボン」に注目し、藻類の生長に必要な栄養塩を供給する素材の改良・開発、魚類等による食害から海藻を護る食害防御材の開発、製品化、当社ブロック製品に着生した海藻類を調査し、ブロック単体または群体としてのCO2固定量を明らかにする取り組みを行っている。更に、「資源あふれる豊かで持続可能な瀬戸内海創生拠点」、「大阪・関西万博会場周辺海域におけるブルーカーボン生態系の創出」、「カルシア浅場における藻場造成促進方法の実証研究」などのブルーカーボンに関わるプロジェクトに参画した。第80期以降も継続して調査研究を行う。
FY2024|3,250 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、各事業における独自の技術とノウハウを有する分野を中心に、研究開発活動を行っている。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は850百万円である。セグメントごとの内訳は、土木事業135百万円、地盤改良事業515百万円、ブロック事業200百万円である。 (1) 総合技術研究所総合技術研究所は、海洋・水理、環境修復、地盤、材料・構造、基盤技術の5つのグループで研究開発活動を実施している。海洋・水理グループは海域、河川域の各種構造物の水理安定性や水理機能を、環境修復グループは地下水・土壌の汚染浄化技術を、地盤グループは地盤改良技術を、材料・構造グループはブロックの構造強度を、基盤技術グループは中長期に利用可能な汎用技術を主な研究対象としているが、様々な経歴を有するメンバーの持てる力の結集と連携と協働により、社会のニーズに沿った新しい技術の研究開発を進めている。当連結会計年度は、深海底でのコンクリートの耐久性、地球温暖化に伴う海面上昇や波浪の増大により懸念される砂浜の消失対策工法、自然の力により固化させた砂やグリーンインフラを用いた海岸保全技術、繊維補強コンクリートを再利用可能とするための環境に配慮した材料等に関する研究や地中に炭素を貯留する技術の開発を前期に引き続き実施した。 (2) 土木事業当分野では、環境修復技術及び土木施工技術について研究開発活動を行っている。①環境修復技術ふっ素汚染土壌の原位置対策として反応性を高めた不溶化剤の開発、当社の独自技術である土壌還元法の改善として、対象となるVOCs(揮発性有機化合物)の分解が長期間有効に働く徐放性栄養剤(一部食品廃棄物含む)の開発を進めている。また、今後大規模な市場になると見込んでいる自然由来重金属含有土壌(砒素、ふっ素、鉛)を対象とした汚染土処理についての対策工法の開発を継続的に進めている。さらに、環境省の実証事業である福島県内で発生し中間貯蔵施設で保管中の除去土壌の減容化技術の開発に取組んでいる。②土木施工技術当社では国土交通省の施策であるi-Constructionやデジタルトランスフォーメーションの推進に対応して、ICT施工の研究開発やデジタルデータの活用に取り組んでいる。このうちICT施工の開発ではブロック環境事業部と協働で「ICTを活用した消波工のメンテナンスの設計・施工手法の確立に向けた取り組み」として「第7回インフラメンテナンス大賞」に応募した結果、国土交通省技術開発部門、港湾・海岸分野で優秀賞を受賞した。また、デジタルデータの活用ではICT建機より取得されるlogデータを属性情報として盛土のBIM/CIMモデルへ自動付与するシステムを開発し施工管理の省力化を図るなどの取り組みを行っている。 (3) 地盤改良事業当分野では、砂杭系や固化処理系等の地盤改良工法について、生産性向上や環境対策などの付加価値向上、コスト削減による競争力強化、さらにカーボンニュートラルといった時代のニーズに応じた視点から研究開発活動を行っている。具体的には、総合技術研究所内に整備した多目的試験フィールドを活用し、材料実験室や実験棟の施設と併せて、種々の工法開発を進めている。①液状化対策として実績の多いサンドコンパクションパイル工法を進化させ、建設現場で発生する土(建設発生土)を地盤改良工事に活用する技術「リソイルPro(プロ)工法」を開発し、昨年11月に発表した。この工法は、新たな材料供給システムを装備することで、建設発生土を改質せずに地盤改良材として利用できる範囲を拡大した。従来の機械と比較してCO2排出量を最大約50%削減し、トータルコストを最大約30%低減できるほか、材料や発生土の運搬・処分に関わる環境負荷や自然材料の採掘による環境負荷も低減できる。この技術より、サンドコンパクションパイル工法のさらなる市場拡大を目指していく。 ②地盤改良のICT施工からBIM/CIM成果物の作成まで一貫して行えるシステム「FUTEOS-CIM(フテオス-シム)」を開発し、昨年6月に発表した。このシステムは従来のICT地盤改良システム(GNSS位置誘導システム「Tarpos(ターポス)3D」、施工管理システム「CONOS(コノス)®」、リアルタイム施工管理システム「Visios(ビジオス)®-3D」)の連携機能を強化して、各システムから出力される施工データ(属性情報)を自動で統合する事と、新たに開発した「ToolPileX(ツールパイルエックス)」により、CIMモデル(属性情報の付与された3Dモデル)の瞬時作成を可能とした。これにより、属性情報の付与に掛かる作業時間が従来比で90%短縮され、大幅な業務効率化の実現に成功した。今後は国土交通省のBIM/CIM対応に応じた地盤改良工事システムとして有効活用し、さらなる生産性向上を目指す。③脱炭素社会の実現に向けた新たな地盤改良技術の開発も進めている。①で紹介した現地発生土を有効活用する地盤改良工法「リソイルPro工法」に加えて、一昨年からはバイオマス混合材料をサンドコンパクションパイル(SCP)工法の中詰め材料として適用する技術を研究開発している。この工法はCO2を吸収した竹をチップ化して中詰め材料に適用することで、砂地盤の液状化対策と炭素貯留技術、さらに放置竹林の問題を同時に解決できることが期待され、現在、他の研究機関と共同で開発に取り組んでいる。 (4) ブロック事業当分野では、全国的に既設ブロックの老朽化が進んでいること、および最近の激甚災害への新たな対応として、ドローン等で撮影したデータを用いた消波ブロックの効率的な維持管理方法の検討、嵩上げに伴い撤去されたブロックの利用技術の開発を行っている。また、ブロック施工の担い手不足が懸念されるなか、機械化、省人化、高効率化として、3Dプリンタの活用を検討している。さらに、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みとして、環境配慮型コンクリート技術の活用、ブルーカーボン生態系の増殖へ向けた技術開発を行っている。 ①ICT技術を活用した消波工の維持管理 既設ブロックの変状をドローン等にて調査し、「港湾の施設の点検診断ガイドライン」に従って消波ブロックの点検診断を実施するとともに、消波ブロックの効率的な維持管理手法を確立するためのデータ蓄積を行っている。また、消波ブロックの据付をパソコン上で再現する据付システムを開発し、当社ブロックの技術提案に活用している。②3Dプリンタの活用 建設用3Dプリンタによる様々な用途や新たな製品への展開を計画しているPolyuse社との共同研究を開始し、最初の取り組みとして3Dプリンタによるテトラポッド0.5t型造形物を製作した。3Dプリンタを用いた複雑な形状のブロックや環境商品などへの適用を進めていく。③カーボンニュートラルの実現に向けた取り組み 脱炭素社会の実現に向けて、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のグリーンイノベーション基金事業「CO2を用いたコンクリート等製造技術開発プロジェクト」を実施するコンソーシアムに参画し、消波・根固めブロックの現場打設に適した環境配慮型コンクリート技術の開発に取り組んでいる。今般、鹿島建設と共同で、カーボンネガティブコンクリートを用いた「CUCO®-SUICOMテトラッポッド」を製造し、一般的なコンクリートを用いた場合と比較してCO2を112%削減することができた。また、CO2の削減方策として「ブルーカーボン」に注目し、藻類の生長に必要な栄養塩を供給する素材の改良・開発、魚類等による食害から海藻を護る食害防御材の開発、当社製品に着生した海藻類を調査しブロック1個または群体としてのCO2固定量を明らかにする取り組みを行っている。
FY2023|2,887 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、各事業における独自の技術とノウハウを有する分野を中心に、研究開発活動を行っている。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は738百万円である。セグメントごとの内訳は、土木事業79百万円、地盤改良事業477百万円、ブロック事業182百万円である。 (1) 総合技術研究所総合技術研究所は、海洋・水理、環境修復、地盤、材料・構造、基盤技術の5つのグループで研究開発活動を実施している。海洋・水理グループは海域、河川域の各種構造物の水理安定性や水理機能を、環境修復グループは地下水・土壌の汚染浄化技術を、地盤グループは地盤改良技術を、材料・構造グループはブロックの構造強度を、基盤技術グループは中長期に利用可能な汎用技術を主な研究対象としており、様々な経歴を有するメンバーや各事業の技術者との連携や協働により、社会のニーズに沿った新しい技術の研究開発を進めている。当連結会計年度は、「海洋資源の有効利用を目指した海洋鉱物を効率よく回収するための技術」、「深海底でのコンクリートの耐久性」、「地球温暖化に伴う海面上昇や波浪の増大により懸念される砂浜の消失対策工法」、「自然の力により固化させた砂やグリーンインフラを用いた海岸保全技術」、「繊維補強コンクリートを再利用可能とするための環境に配慮した材料等に関する研究」、「地盤改良施工機を用いた地中熱交換システムや地中に炭素を貯留する技術」等について実施した。 (2) 土木事業当分野では、環境修復技術及び陸海の土木施工技術について研究開発活動を行っている。①環境修復技術ふっ素汚染土壌の原位置対策として反応性を高めた不溶化剤の開発、当社の独自技術である土壌還元法の改善として、対象となるVOCs(揮発性有機化合物)の分解が長期間有効に働く徐放性栄養剤(一部食品廃棄物含む)の開発を進めている。また、今後大規模な市場になると見込んでいる自然由来重金属含有土壌(砒素、ふっ素、鉛)を対象とした汚染土処理についての対策工法の開発を継続的に進めている。さらに、環境省の実証事業である、福島県内で発生し中間貯蔵施設で保管中の除去土壌の減容化技術開発に取り組んでいる。②土木施工技術当社では国土交通省の施策であるi-ConstructionやDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に対応して、ICT施工の研究開発やデジタルデータの活用に取り組んでいる。ICT施工の開発では、消波ブロックやケーソン据付作業における安全性や施工精度向上を目指したシステムを開発し、そのシステムを実際の工事で使用することで有効性を確認した。また、コンクリートの品質向上を目的とした施工管理システムの開発にも取り組んでいる。デジタルデータの活用では、BIM/CIMによる施工管理業務を効率化するために属性情報の入力を自動化するプログラムを開発し、入力作業時間の大幅な短縮を実現した。また、3次元データを現実空間に再現するAR技術や測量点群データを用いた施工管理技術の採用に取り組んだ。 (3) 地盤改良事業当分野では、砂杭系や固化処理系等の地盤改良工法について、生産性向上・環境対策等の付加価値向上や、コスト削減による競争力強化等の視点から研究開発活動を行っている。具体的には、総合技術研究所内に整備した多目的試験フィールドを利用すると共に、材料実験室や実験棟において種々の工法開発を進めている。①既存杭引抜き跡埋戻し固化砂杭工法を長谷工コーポレーションと共同で開発し、昨年8月に発表した。工法名「HiFill-CP(ハイフィル-シーピー)」は、High-quality filling-compaction pile in remains after pile removal(杭引抜き跡への高品質な埋戻し締固め砂杭)の略称である。本工法は、液状化対策として使用される静的締固め砂杭工法を利用し、既存杭を撤去した箇所に均質かつ強度制御された固化砂杭を造成することで、後に行う新設杭の施工性と品質向上への寄与を実現した。これより、本工法を活用した建替計画・再開発計画へのさらなる参画を目指していく。②ICTを活用した地盤改良のさらなる効率化を図るために、2020年度に開発した自動打設システム「GeoPilot®- AutoPile」(ジオパイロット・オートパイル)を、汎用性の高い小型施工機に適用することに成功し、昨年10月に発表した。この「GeoPilot®-AutoPile」小型機タイプは機械撹拌式深層混合処理工法(CI-CMC工法)に加えて、業界で初めて高圧噴射攪拌工法(FTJ-NA工法)の自動化施工を実現した。これにより、狭隘地施工や地中構造物への密着施工など難易度の高い工事においても自動化施工による省力化が可能になることから、より安全な施工でより確実な品質が期待できる。③地球温暖化の抑制に向けて、カーボンニュートラル技術の開発を加速させている。昨年5月には、砂地盤の液状化対策を応用した炭素貯留技術の開発に着手したことを発表し、バイオマス混合材料をサンドコンパクションパイル(SCP)工法の中詰め材料として地盤打ち込むことで、多くの炭素を地中に貯蔵できる「ネガティブエミッション技術」の研究に、他の研究機関と取り組んでいる。 (4) ブロック事業当分野では、全国的に既設ブロックの老朽化が進んでいること、および最近の激甚災害への対応から、防波堤・護岸に使用されているブロックの維持管理に関わる技術開発の一環として、波浪と構造物の相互作用に関する数値解析手法の開発を実施している。また、ブロック施工の担い手不足が懸念されるなか、施工効率を向上させ、生産性アップを目指すために、ICTを活用した技術開発を実施している。さらに、ブロックのみならず、環境商品に関しても既存商品の改良に加えて、次期商品の開発調査を継続して実施している。 ①ICTを活用した生コンクリート打設機の開発 ブロックの生産性向上(省力化、省人化)を目的に、ICTを活用した生コンクリート打設機を開発している。打設機は、ブロック製作工以外の工種へも適用可能とし、当社ブロックおよび土木工事の受注拡大を目指す。②数値解析手法 近年の数値解析手法の発展には目覚ましいものがあり、様々な現象の数値解析による解明が図られつつある。波に対するブロックの安定性などはこれまでは実験で検討せざるを得なかったが、海外の専門家との連携により、粒子法を用いたブロック挙動の数値解析手法の開発・高精度化を行っている。また、消波ブロックの据付検討をPC上で実施できる手法を開発した。それらの数値解析ツールの技術サービスへの適用を目指す。③環境商品の改良・開発 環境商品分野では、フィルターユニットS型やリーフマット等を主力商品として販売実績を上げている。また、藻類栄養分供給素材のラインナップを増やすべく、イオンカルチャーの改良、新素材の開発を進めている。
FY2022|2,477 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、各事業における独自の技術とノウハウを有する分野を中心に、研究開発活動を行っている。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は657百万円である。セグメントごとの内訳は、土木事業52百万円、地盤改良事業436百万円、ブロック事業168百万円である。 (1) 総合技術研究所総合技術研究所は、海洋・水理、環境修復、地盤、材料・構造、基盤技術の5つのグループで研究開発活動を実施している。海洋・水理グループは海域・河川域の各種構造物の水理安定性や水理機能を、環境修復グループは地下水・土壌の汚染浄化技術を、地盤グループは地盤改良技術を、材料・構造グループはブロックの構造強度を、基盤技術グループは中長期的に利用可能な汎用技術を主な研究対象としているが、様々な経歴を有するメンバーの持てる力の結集と連携と協働により、社会のニーズに沿った新しい技術の研究開発を進めている。当連結会計年度は、海洋資源の有効利用を目指した海底鉱物を効率良く回収するための技術、深海底でのコンクリートの耐久性、地球温暖化に伴う海面上昇や波浪の増大により懸念される砂浜の消失対策工法、自然の力により固化させた砂やグリーンインフラを用いた海岸保全技術、繊維補強コンクリートを再利用可能とするための環境に配慮した材料等に関する研究を前期に引き続き実施した。また、地盤改良施工機を用いた地中熱交換システムや地中に炭素を貯留する技術の開発に着手した。 (2) 土木事業当分野では、環境修復技術及び陸海の土木施工技術について研究開発活動を行っている。①環境修復技術ふっ素汚染土壌の対策として反応性を高めた不溶化剤の開発、特許を保有する土壌還元法の改善としてVOCs(揮発性有機化合物)汚染土壌・地下水の浄化技術のための徐放性栄養剤(一部食品廃棄物含む)の開発を進めている。また、今後大規模な市場になると見込んでいる自然由来重金属含有土壌(砒素、ふっ素、鉛)を対象とした汚染土処理についての対策工法の開発を継続的に進めている。さらに、環境省の事業として中間貯蔵施設で保管中の除去土壌の減容化の技術開発を進めている。②土木施工技術当社では国土交通省の施策であるi-Constructionやデジタルトランスフォーメーションの推進に応じてICT施工の研究開発やデジタルデータの活用に取り組んでいる。例えば、消波ブロックの調査、設計、施工、維持管理といった一連の管理に3次元モデルを活用したシステムとすることで生産性向上を図る開発を継続的に進めている。また、AIや各種センサーを活用し、施工の安全性や効率性の向上を図る新技術の研究開発を進めている。「BIM/CIM」への対応としては点群データを出来形管理に利用する手法に取り組み、施工管理プロセスの改善を検討するなど取り組んでいる。 (3) 地盤改良事業当分野では、砂杭系や固化処理系等の地盤改良工法について、生産性向上・環境対策等の付加価値向上や、コスト削減による競争力強化等の視点から研究開発活動を行っている。具体的には、総合技術研究所内に整備した多目的試験フィールドを利用すると共に、材料実験室や実験棟において種々の工法開発を進めている。①稼働中の工場など、建屋直下や狭隘な施工条件における地盤改良のニーズに対応するため、作業範囲が狭くても施工が 可能な「Mole-Eco Jet工法」を開発し昨年12月に発表した。新発想の回転機構を備えた本工法は、施工機の圧倒的な小型化に成功し、人力で施工位置まで運搬が可能となった。②ICTを活用した地盤改良の効率化を、引き続き推し進めている。開発した技術の認知度を高めるため、コロナ禍で一般化したWeb会議システムを活用し、リモート見学会を積極的に実施している。従来の見学会と比べて参加者の負担が減るため、多数の方にご参加いただき好評を博している。③地球温暖化の抑制に向けて、カーボンニュートラル技術の開発を加速させている。①の「Mole-Eco Jet工法」は大型重機を使用しないため、施工中のCO2排出量の削減にも効果的である。その他にも、従来工法に用いる材料や燃料、施工オペレーションの見直しによるCO2削減量を定量化し、環境負荷の少ない持続可能な技術の開発に取り組んでいる。 (4) ブロック事業当分野では、全国的に既設ブロックの老朽化が進んでいること、および最近の激甚災害への対応から、防波堤・護岸に使用されているブロックの維持管理に関わる技術開発の一環として、波浪と構造物の相互作用に関する数値解析手法の開発を実施している。また、ブロック施工の担い手不足が懸念されるなか、施工効率を向上させ、生産性アップを目指すために、ICTを活用した技術開発を実施している。さらに、ブロックのみならず、環境商品に関しても既存商品の改良に加えて、次期商品の開発調査を継続して実施している。 ①ICTを活用した生コンクリート打設機の開発 ブロックの生産性向上(省力化、省人化)を目的に、ICTを活用した生コンクリート打設機を開発している。打設機は、ブロック製作工以外の工種へも適用可能とし、当社ブロックおよび土木工事の受注拡大を目指す。②数値解析手法 近年の数値解析手法の発展には目覚ましいものがあり、様々な現象の数値解析による解明が図られつつある。波に対するブロックの安定性などはこれまでは実験で検討せざるを得なかったが、海外の専門家との連携により、粒子法を用いたブロック挙動の数値解析手法の開発・高精度化を行っている。また、消波ブロックの据付検討をPC上で実施できる手法を開発した。③環境商品の改良・開発 環境商品分野では、フィルターユニットS型やリーフマット等を主力商品として販売実績を上げている。フィルターユニットS型は、競争力を高めるための改良型の諸元を定め、リーフマットについては、設計の対象とされる機会を増やすため、水理模型実験により安定性の評価を行っている。
FY2021|2,769 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、各事業における独自の技術とノウハウを有する分野を中心に、研究開発活動を行っている。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は723百万円である。セグメントごとの内訳は、土木事業55百万円、地盤改良事業488百万円、ブロック事業180百万円である。 (1) 総合技術研究所総合技術研究所は、海洋・水理、環境修復、地盤、材料・構造、基盤技術の5つの研究グループと知的財産戦略を担当する知的財産グループの6つのグループで構成されている。海洋・水理グループは海域・河川域の各種構造物の水理安定性や水理機能を、環境修復グループは地下水・土壌の汚染浄化技術を、地盤グループは地盤改良技術を、材料・構造グループはブロックの構造強度を、基盤技術グループは中長期的に利用可能な汎用技術を主な研究対象としているが、各グループメンバーの持てる力の結集と連携と協働により、顧客のニーズに沿った社会に貢献する新しい技術の研究を進めている。75期は、海洋資源の有効利用を目指した海底鉱物を効率良く回収するための技術の研究、深海底でのコンクリートの耐久性や経年変化の研究、地球温暖化に伴う海面上昇や波浪の増大により懸念される砂浜の消失対策工法の研究を前期に引き続き実施した。また、自然の力により固化させた砂やグリーンインフラを用いた海岸保全技術の研究、構造物に使用されている繊維補強コンクリートを再利用可能とするための環境に配慮した材料の研究に着手した。 (2) 土木事業当分野では、環境修復技術及び陸海の土木施工技術について研究開発活動を行っている。①環境修復技術ふっ素汚染土壌の対策として反応性を高めた不溶化剤の開発、特許を保有する土壌還元法の改善としてVOCs(揮発性有機化合物)汚染土壌及び地下水の浄化技術のための徐放性栄養剤(一部食品廃棄物含む)の開発を進めている。また、今後大規模な市場になると見込んでいる自然由来重金属含有土壌(砒素、ふっ素、鉛)を対象とした汚染土処理についての対策工法の開発を継続的に進めている。②土木施工技術国土交通省が推進する「BIM/CIM」への対応として、道路分野においては昨年度に引き続き複雑な地形を有する箇所に橋梁下部工等の多くの構造物を建設する高速道路工事1件、港湾分野での橋梁下部工1件、実務以外では、現場においてCIM試行を実施し、橋脚下部工のCIMモデルへの属性情報付与を行い、現場施工要員へのCIMのスキル取得を試みた。また、直轄工事でのICT土工の導入のほか、生産性向上技術への対応としてAIを活用した新技術の研究開発を継続して進めている。海洋関係技術としては、消波ブロックの調査、設計、施工、維持管理といった一連のサイクルの管理に三次元モデルを活用するためのシステム開発を継続的に進めている。また、水産庁のフロンティア漁場整備事業への参加を目指して、大水深における湧昇流マウンド築造システムを開発した。 (3) 地盤改良事業当分野では、砂杭系や固化処理系等の地盤改良工法について、生産性向上・環境対策等の付加価値向上や、コスト削減による競争力強化等の視点から研究開発活動を行っている。具体的には、総合技術研究所内に整備した多目的試験フィールドを利用すると共に、材料実験室や、新たに整備した実験棟において種々の工法開発を進めている。①硬質地盤を改良する市場の拡大高品質な大径深層混合処理工法であるCI-CMC工法の貫入能力を向上させた技術である「CI-CMC-HG工法」の現場実績が増加している。背景として、年々激甚化する自然災害に備えるために、従来よりも硬質な地盤を改良する必要性が増えていることが挙げられる。②ICTを活用したシステムの開発ICTを活用した地盤改良工法の新技術として、CI-CMC工法の自動打設システム「GeoPilot®-AutoPile」を発表したが、さらにその技術を応用して、動作状況をクラウドに転送して施工機の整備に役立てる予防保全システム「Visios-TC」を開発した。部材の補強や交換のタイミングを正確に見極めることで、現場での故障などによる生産性の低下を防ぐ効果が期待できる。また、地盤内の作業の見える化と共有化ができる「Visios-3D」を、海上深層混合処理船のCMC7号に対応させた。今後はBIM/CIM機能の強化を行う予定である。③空洞化充填の取組み液状化対策の「SAVE-SP工法」に用いる流動化砂の技術を応用して、地中の空洞を充填する工事の2例目を実施した。現在は様々な条件の空洞に対応させるために、充填材料のバリエーションを増やす技術開発に取り組んでおり、市場での適用拡大を図っていく。 (4) ブロック事業当分野では、全国的に既設ブロックの老朽化が進んでいること、及び最近の激甚災害への対応から、防波堤・護岸に使用されているブロックの維持管理に関わる手法の開発を進めるとともに、技術の高度化を目的に、波浪と構造物の相互作用に関する数値解析手法の開発を実施している。また、ブロックのみならず、環境商品に関しても既存商品の改良に加えて、次期商品の開発調査を継続して実施している。①ブロック維持管理手法既設の防波堤や護岸のブロックについては、長年の風浪で沈下や飛散が起こり本来の消波機能を十分果たせない箇所が増加していることから、嵩上げ等の維持補修を合理的に実施する技術についての研究を実施している。当年度は、これまでに開発した消波工劣化判定技術の現地適用を行うと共に、消波工の3次元データからブロック嵩上げ数量を直接算出する方法を提案した。現在、最近の激甚災害への対応として設計条件の見直しが各地で図られており、今後の嵩上げ事業への適用により、事業化が加速されることが期待される。②数値解析手法近年の数値解析手法の発展には目覚ましいものがあり、様々な現象の数値解析による解明が図られつつある。波に対するブロックの安定性などはこれまでは実験で検討せざるを得なかったが、海外の専門家との連携により、波とブロックの挙動を連成させた解析手法を開発している。③環境商品の改良・開発環境商品分野では、フィルターユニットS型やリーフマット等を主力商品として販売実績を上げているが、当年度は、これらに改良を施してラインナップを拡充する検討を行った。競争力の高い商品として、今後の売上への寄与が期待される。また、洋上風力発電施設の計画が本格化する中、基礎の洗掘対策へのフィルターユニットS型の適用を推し進めるべく、技術課題の解決を目的とした研究に着手した(一般財団法人沿岸技術研究センター、国立研究開発法人港湾空港技術研究所との共同研究)。
FY2020|2,605 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、各事業における独自の技術とノウハウを有する分野を中心に、研究開発活動を行っている。 なお、当社グループの研究開発費は特定の事業に区分することが困難なため、土木事業、地盤改良事業及びブロック事業ごとの研究開発費を記載していない。当連結会計年度における研究開発費の総額は659百万円であり、活動の主な成果は次のとおりである。 (1) 総合技術研究所総合技術研究所は、海洋・水理、環境修復、地盤、材料・構造、基盤技術の5つの研究グループと知的財産戦略を担当する知的財産グループの6つのグループで構成されている。海洋・水理グループは海域・河川域の各種構造物の水理安定性や水理機能を 、環境修復グループは地下水・土壌の汚染浄化技術を、地盤グループは地盤改良技術を、材料・構造グループはブロックの構造強度を、基盤技術グループは中長期的に利用可能な汎用技術を主な研究対象としているが、各グループメンバーの持てる力の結集と連携と協働により、社会の顧客ニーズに沿った社会に貢献する新しい技術の研究を進めている。74期は海洋資源の有効利用を目指して、海底鉱物を効率良く回収するための技術の開発と、深海底でのコンクリートの耐久性や経年変化の研究を実施した。また、地球温暖化に伴う海面上昇や波浪の増大により懸念される砂浜の消失対策工法の提案を目指した研究を開始した。 (2) 土木事業当分野では、環境修復技術及び陸海の土木施工技術について研究開発活動を行っている。 ①環境修復技術フッ素含有土壌浄化工法に加えて、特許を保有する土壌還元法を改善し、VOCs(揮発性有機化合物)汚染土壌及び地下水の浄化技術について、また、今後大規模な市場になると見ている自然由来重金属含有土壌(砒素、フッ素、鉛)を対象とした汚染土処理について、対策工法の開発を継続的に進めている。②土木施工技術国土交通省が推進する「CIM」への対応として、陸上分野においては昨年度に引き続き複雑な地形を有する箇所に橋梁下部工等の多くの構造物を建設する高速道路工事1件、それに加えて護岸築造工事において3Dモデルを活用した対応を継続することで施工管理業務の効率化を図った。また、直轄工事でのICT土工の導入のほか、生産性向上技術への対応としてAIを活用した新技術の研究開発を進めている。 港湾分野においては、消波ブロックの調査、設計、施工、維持管理といった一連のサイクルの管理に三次元モデルを活用するためのシステム開発を継続的に進めている。また、水産庁のフロンティア漁場整備事業への参加を目指して、大水深における湧昇流マウンド構造システムの開発を進めている。 (3) 地盤改良事業当分野では、砂杭系や固化処理系等の地盤改良工法について、生産性向上・環境対策等の付加価値向上や、コスト削減による競争力強化等の視点から研究開発活動を行っている。具体的には、総合技術研究所内に整備した多目的試験フィールドを利用すると共に、材料実験室や、新たに整備した実験棟において種々の工法開発を進めている。①砂杭系工法SAVEコンポーザーに代表される砂杭系の工法では、施工に伴う周辺地盤の変位が問題となることがあることから、変位低減手法のデータ蓄積を図り、多様な対策手法の整備を進めた。また、盛り上がり土等の利用を可能とし環境影響を低減できるトータルリソイルシステムを現場に適用した。②固化処理系工法信頼性の高い高品質な大径深層混合処理工法であるCI-CMC工法の貫入能力を向上させたCI-CMC-HG工法を幾つかの現場に投入し、その効果を確認している。また、高圧噴射攪拌工法であるFTJ工法においても硬質地盤対応技術を開発している。③生産性向上技術ICTを活用した地盤改良工法の新技術として、CI-CMC工法の自動打設システム「GeoPilot®-AutoPile」を開発した。従来と比べて施工操作が簡素化され、オペレーターの負担が軽減するとともに、技能の習熟期間が短縮される。また、敷鉄板の敷設などを行うバックホウ、ショベルに取り付ける「Visios-AR」も開発した。最新の拡張現実技術(AR)を用いて、カメラで取り込んだ現場の画像に、作業位置をリアルタイムに表示するガイダンスシステムであり、測量作業の省力化を可能とした。 (4) ブロック事業当分野では、東日本大震災を踏まえた「津波に対する防災・減災」に係るブロックの適用技術の開発を継続することに加えて、全国的に既設ブロックの老朽化が進んでいること、および最近の激甚災害への対応から、防波堤・護岸に使用されているブロックの維持管理に関わる手法の開発を進めている。また、技術の高度化を目的に、波浪と構造物の相互作用に関する数値解析手法の開発を実施している。①津波に対する防災・減災津波の越流があっても倒壊しにくい「粘り強い構造」の防波堤に関する当社の研究成果は、国土交通省や水産庁の設計指針に織り込まれており、当社製品が全国の港湾、漁港で採用されている。当年度は、津波の流れに対する設計法を確立するとともに、設計に用いる当社ブロックの特性値を取得した。このことにより、津波の越流から流れといった幅広い条件に対して、当社ブロックの設計が可能となった。②ブロック維持管理手法既設の防波堤や護岸のブロックについては、長年の風浪で沈下や飛散が起こり本来の消波機能を十分果たせない箇所が増加していることから、嵩上げ等の維持補修を合理的に実施する技術についての研究を実施している。当年度は、これまでに開発した消波工劣化判定技術の現地適用を行うと共に、3次元データを用いたブロック数量計算の効率化を検討した。現在、最近の激甚災害への対応として設計条件の見直しが各地で図られており、今後の嵩上げ事業への適用が期待される。③数値解析手法近年の数値解析手法の発展には目覚ましいものがあり、再現できなかった現象の数値解析による解明が図られつつある。波に対するブロックの安定性などはこれまでは実験で検討せざるを得なかったが、技術の高度化を目指し、波とブロックの挙動を連成させた解析手法を開発している。また、海外の数値解析の専門家との技術交流を行い、当年度は専門家を弊社総合技術研究所へ招いてワークショップなどを開催した。
FY2019|2,364 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、各事業における独自の技術とノウハウを有する分野を中心に、研究開発活動を行っている。 なお、当社グループの研究開発費は特定の事業に区分することが困難なため、土木事業、地盤改良事業及びブロック事業ごとの研究開発費を記載していない。当連結会計年度における研究開発費の総額は545百万円であり、活動の主な成果は次のとおりである。 (1) 総合技術研究所総合技術研究所の組織を見直し、研究グループを海洋・水理、環境修復、地盤、材料・構造、基盤技術の5つのグループに再整備した。海洋・水理グループは海域・河川域の各種構造物の水理安定性や水理機能を、環境修復グループは地下水・土壌の汚染浄化技術を、地盤グループは地盤改良技術を、材料・構造グループはブロックの構造強度を、基盤技術グループは中長期的に利用可能な汎用技術を主な研究対象とする。これに全社的な知的財産戦略と管理を行う知的財産グループを加え、これらの持てる力の結集と連携と協働により、社会や顧客のニーズに沿った社会に貢献する新しい技術を提供していく。 (2) 土木事業当分野では、環境修復技術及び陸海の土木施工技術について研究開発活動を行っている。 ①環境修復技術フッ素含有土壌浄化工法に加えて、特許を保有する土壌還元法を改善し、VOCs(揮発性有機化合物)汚染土壌及び地下水の浄化技術について、また、今後大規模な市場になると見ている自然由来重金属含有土壌(砒素、フッ素、鉛)を対象とした汚染土処理について、対策工法の開発を継続的に進めている。②土木施工技術国土交通省が推進する「CIM」への対応として、陸上分野においては複雑な地形を有する箇所に橋梁下部工等の多くの構造物を建設する高速道路工事1件において、「CIM」を継続的に導入し、施工管理業務の効率化を図った。また、生産性向上技術への対応として、AIやVR等を活用した新技術の研究開発に着手した。 港湾分野においては、消波工の据付におけるICT施工の高度化と効率化を図るため、消波ブロックの測量点群データに消波ブロックのソリッドモデル(立体モデル)を自動配置させるソフトを開発した。また、水産庁のフロンティア漁場整備事業への参加を目指して、大水深における湧昇流マウンド築造システムの開発を継続している。 (3) 地盤改良事業当分野では、砂杭系や固化処理系等の地盤改良工法について、生産性向上・環境対策等の付加価値向上や、コスト削減による競争力強化等の視点から研究開発活動を行っている。また、総合技術研究所内に整備した多目的試験フィールドにおいて、種々の工法開発を進めると共に、新たに材料実験室を新設し、材料関係の要素試験体制も強化した。①砂杭系工法SAVEコンポーザーに代表される砂杭系の工法では、施工に伴う周辺地盤の変位が問題となることがあることから、多目的試験フィールドでは変位低減手法について研究を重ね、多様な対策手法の整備を進めている。また、材料実験室ではSAVE-SP工法で使用する流動化砂の性能向上を図るための実験を進めている。②固化処理系工法信頼性の高い高品質な大径深層混合処理工法であるCI-CMC工法の貫入能力を向上させたCI-CMC-HG工法を開発した。同工法は、現状オーガーの約2倍のトルクを有する高トルクインバータモータを採用するとともに、貫入補助として撹拌軸の先端からエアー・スラリーを噴射する先端吐出機構の併用も可能とし、N値50を超える硬質の砂礫地盤等への適用も可能とした。③生産性向上技術ICTを活用した地盤改良工法の施工管理システムとして、施工状況を随時アニメーションで確認できる「リアルタイム施工管理システム」と施工情報を3次元で表示できる「3次元モデル化システム」とを組み合わせた「Visios®-3D」を開発し、既にCI-CMC工法の施工機に搭載しているが、新たにSAVEコンポーザーやグラベルドレーン工法の砂杭系工法への適用を可能とし、国土交通省新技術情報提供システム「NETIS」へ登録された。 (4) ブロック事業当分野では、東日本大震災を踏まえた「津波に対する防災・減災」に係るブロックの適用技術の開発を継続することに加えて、全国的に既設ブロックの老朽化が進んでいることから、防波堤・護岸に使用されているブロックの維持管理に関わる手法の開発を進めている。また、新規分野への参入を目的に、砂防堰堤用のブロックを開発した。①津波に対する防災・減災津波の越流があっても倒壊しにくい「粘り強い構造」の防波堤に関する当社の研究成果は、国土交通省や水産庁の設計指針に織り込まれており、当社製品が全国の港湾、漁港で採用されている。継続して従来明確にされていなかった津波の流れに対する設計手法の確立に向け、(一社)漁港漁場新技術研究会の取り組みの一環として実験方法の提案を行っており、設計に用いる当社ブロックの特性値を取得すべく実験を実施している。②ブロック維持管理手法既設の防波堤や護岸のブロックについては、長年の風浪で沈下や飛散が起こり本来の消波機能を十分果たせない箇所が増加していることから、嵩上げ等の維持補修を合理的に実施する技術についての研究を実施している。当年度は、ドローンを利用した消波工の沈下形状の3次元データ化の検討を行うとともに、国土交通省の「港湾の施設の点検診断ガイドライン」に則った消波工の点検診断方法への適用や必要な嵩上数量の自動計算手法を検討した。③砂防堰堤用ブロック工事を遠隔地より安全かつ円滑に行う無人化施工は、災害復旧や火山地帯における砂防堰堤などの工事で採用されているため、これらに対応する無人化施工用のブロックを開発した。
FY2018|2,359 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、各事業における独自の技術とノウハウを有する分野を中心に、研究開発活動を行っている。 なお、当社グループの研究開発費は特定の事業に区分することが困難なため、土木事業、地盤改良事業及びブロック事業ごとの研究開発費を記載していない。当連結会計年度における研究開発費の総額は4億47百万円であり、活動の主な成果は次のとおりである。(1) 土木事業当分野では、環境修復技術及び陸海の土木施工技術について研究開発活動をおこなっている。①環境修復技術 シアン汚染土壌浄化工法、フッ素含有土壌浄化工法に加えて、当社が特許を保有する土壌還元法を利用したVOCs(揮発性有機化合物)汚染土壌の浄化工法の改良を継続的に行っている。また、大規模な市場と見ている自然由来汚染土処理について、対策工法の開発に着手している。②土木施工技術 国土交通省が推進する「CIM」に対応するため、陸上分野においては3次元モデルに施工管理情報を一元化することで情報共有することを目的とする「CIM」をトンネル工事2件、高速道路工事1件において導入し有効性の検証を実施した。 港湾分野においては、ドローンやナローマルチビームを使用して水上や水中の消波工全体形状を3次元で捉える試みを行った。施工時には取得した3次元データをもとに消波ブロック据付システムを使用したICT施工を行うことで施工の効率化を図った。今後は高感度水中ソナーを利用するなど、水中部の誘導据付けが可能となるシステム開発を進めていく。(2) 地盤改良事業当分野では、砂杭系及び固化処理系等の地盤改良工法について、付加価値向上やコスト削減及び環境対策等の多様な視点から研究開発活動を行っている。ここでは、当年度のトピックスを示す。①多目的試験フィールドの整備研究開発において実物大のスケールで実験を行う場合、通常は土地を借りて実施するが、適切な地盤条件や施工条件の土地を確保することが開発のネックの一つとなっていた。そこで、総合技術研究所内に深さ8mの地盤を造成できる多目的試験フィールドを整備した。これにより、適切な地盤条件での実験や改良体深部からの掘り起こしが可能となり、開発のスピードアップを目指して、鋭意実験を行っている。②砂杭系工法「SAVEコンポーザーHA」を前年度にNETIS登録し、硬質地盤への適用拡大と支持層への着底管理の確実性を向上させた。将来的にAIを利用した施工システムを目指して、現場での各種データ収集を行っている。また、盛り上り土の有効活用を図るトータルリソイルシステムの現場試験を継続し、データを蓄積することにより、ほぼ実用化の段階に入った。③固化処理系工法前年度NETIS登録した「CI-CMC-HA工法」を多くの現場で適用している。さらに貫入能力を向上させた新型オーガーモーターを開発し、硬質地盤への適用拡大を図っている。 高圧噴射(ジェット)系の固化処理工法である「FTJ工法」においては、撹拌翼の性能向上を図り、砂質地盤において直径3m以上の固化改良体の造成を可能としている。④ICTや生産性向上に関わる技術 施工状況を随時アニメーションで確認できる「リアルタイム施工管理システム」と施工情報を3次元で表示できる「3次元モデル化システム」とを組み合わせた「Visios-3D」を開発し、前年度に「CI-CMC工法」の施工機に搭載した。当年度は14件の現場に適用され、「施工状況の見える化」を進めている。 また、所定深度にセンサーを取り付けたプラスチックボードを地盤中に打設することで、「FTJ工法」の噴射距離を計測する技術を開発し、「見える化」とともに品質の向上を図っている。 さらに、AR技術を利用して、GNSS等を装備したログローダーを用いて、敷鉄板を目印なしに所定位置に設置する技術を開発し、生産性(能率)及び安全性の向上を進めている。 (3) ブロック事業当分野では、東日本大震災を踏まえた「津波に対する防災・減災」及び、大型港湾等で課題となっている「港内長周期波対策」に係るブロックの適用技術の開発を継続することに加えて、全国的に既設ブロックの老朽化が進んでいることから、防波堤・護岸に使用されているブロックの維持補修に関わる手法の開発に着手した。①津波に対する防災・減災津波の越流があっても倒壊しにくい「粘り強い構造」の防波堤に関する当社の研究成果は、国土交通省や水産庁の設計指針に織り込まれており、当社製品が全国の港湾、漁港で採用されている。当年度は、従来明確にされていなかった津波の流れに対する設計手法の確立に向け、(一社)漁港漁場新技術研究会の取り組みの一環として実験方法の検討を行った。今後この方法を当社製品に適用し、設計に用いるブロックの特性値を明確にすることにより、津波が越流しないが流れが厳しい場所等での当社ブロックの採用拡大が期待される。②港内長周期波対策港湾内の船舶の航行・係留に支障を及ぼす長周期波への対策として考案した、当社ブロックを用いた「没水型長周期波対策工」が前々年度以降継続して採用されている。当年度には、潮位変化に対する設計手法を提案した。③ブロック維持管理手法既設の防波堤や護岸のブロックについては、長年の風浪で沈下や飛散が起こり本来の消波機能を十分果たせない箇所が増加していることから、嵩上げ等の維持補修を合理的に実施する技術についての研究を開始した。当年度には、ドローンを利用した消波工の沈下形状の把握並びに、3Dプリンターを活用した嵩上数量の自動計算、嵩上げブロックの据付検討を行った。今後のブロックを用いた構造物の長寿命化事業において当社ブロックの採用拡大が期待される。
FY2017|1,781 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、各事業における独自の技術とノウハウを有する分野を中心に、研究開発活動を行っている。 なお、当社グループの研究開発費は特定の事業に区分することが困難なため、土木事業、地盤改良事業及びブロック事業ごとの研究開発費を記載していない。当連結会計年度における研究開発費の総額は3億85百万円であり、活動の主な成果は次のとおりである。(1) 土木事業当分野では、環境修復技術及び陸海の土木施工技術について研究開発活動を行っている。①環境修復技術 シアン汚染土壌浄化工法、フッ素含有土壌浄化工法に加えて、当社が特許を保有する土壌還元法を利用したVOCs(揮発性有機化合物)汚染土壌の浄化工法の改良を継続的に行っており、今後、工期短縮・低コスト化を目指した技術開発を推し進めていく。②施工管理システム 国土交通省が推進する、3次元モデルを活用した調査・設計、施工、維持管理の各段階を一元的に管理する「CIM」に対応するため、当社が70期に受注したトンネル工事を対象に、3次元モデルを利用した施工管理を試行中である。また、港湾工事における水中可視化システム開発の一環として、グラブ式異形ブロック撤去装置に超高感度の水中監視カメラを設置し、ブロックの状態を画像解析することにより、効率的かつ安全に撤去作業ができるシステムを開発し、更に、高感度水中ソナーを利用したシステムの開発を進めていく。(2) 地盤改良事業当分野では、砂杭系及び固化処理系等の地盤改良工法について、多様な視点から研究開発活動を行っている。①砂杭系工法砂杭系工法では、SAVEコンポーザー工法における使用材料の適用拡大等を目的としたトータルリソイルシステムの開発を進め、環境負荷低減やコスト縮減に取り組んでいる。東京湾岸の埋立地での液状化対策工事において試験施工を行い、盛り上り土の有効利用技術を構築した。②固化処理系工法固化処理系では、当社の代表的な機械撹拌工法であるCI-CMC工法において、特殊な混和剤を用いて、施工性を落とすことなくセメントミルクの総量を減らし盛り上り土の低減を図る試みを進めている。静岡県内の工事において実験を行い、有効性を確認した。③施工管理システム近年、基礎工事の施工にあたって、「施工状況の見える化」や「情報化施工」が求められており、地盤改良工事においても、地盤内に貫入する施工装置の状況や支持層への到達等を判断するための「可視化技術」が求められている。これらのニーズに対応するために、施工状況を随時アニメーションで確認できる「リアルタイム施工管理システム」と施工情報を3次元で表示できる「3次元モデル化システム」とを組み合わせた「Visios-3D」を開発し、CI-CMC工法の施工機に搭載した。これによりタブレット端末等を使ってリアルタイムに施工状況を確認できると共に、3次元モデルで視覚的に施工情報を報告することが可能となった。④新技術NETIS登録 既存工法のSAVEコンポーザー工法及びCI-CMC工法において、軟弱地盤中に硬質地盤が一部存在する場合でも効率を落とさず施工できるように、貫入能力の向上を実現した「SAVEコンポーザーHA」及び「CI-CMC-HA工法」を新たに開発し登録した。(3) ブロック事業当分野では、東日本大震災を踏まえた「津波に対する防災・減災」及び、大型港湾等で課題となっている「港内長周期波対策」を中心とした研究開発活動を継続して行っている。①津波に対する防災・減災 津波の越流があっても倒壊しにくい「粘り強い構造」の防波堤に関する当社の研究成果は、前期に国土交通省や水産庁の設計指針に織り込まれており、当社製品が全国の港湾、漁港で採用された。当期は、ケーソンの上部工形状の影響をも考慮した設計法を確立し、土木学会海岸工学論文賞を受賞したこともあり、今後の更なる採用拡大が期待される。②港内長周期波対策 港湾内の船舶の航行・係留に支障を及ぼす長周期波への対策として考案した、当社ブロックを用いた「没水型長周期波対策工」が前期初採用された。当期には、本工法の適用性の拡大を目差して、風波に対する適用性を検討し、長周期波と同様に、干出型よりも反射率を低減できることが確認されており、今後の採用拡大が期待される。
FY2016|1,673 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、各事業における独自の技術とノウハウを有する分野を中心に、研究開発活動を行っている。 なお、当社グループの研究開発費は特定の事業に区分することが困難なため、土木事業、地盤改良事業及びブロック事業ごとの研究開発費を記載していない。当連結会計年度における研究開発費の総額は3億58百万円であり、活動の主な成果は次のとおりである。(1) 土木事業当分野では、環境修復技術及び陸海の土木施工技術について研究開発活動を行っている。①環境修復技術 シアン汚染土壌浄化工法、フッ素含有土壌浄化工法に加えて、当社が特許を保有する土壌還元法を利用したVOCs(揮発性有機化合物)汚染土壌の浄化工法の改良を継続的に行っており、今後、工期短縮・低コスト化を目指した技術開発を推し進めていく。②土木施工技術 地盤改良の品質向上を目指した、改良体の施工順序管理システムや、港湾工事において工事船舶の位置や進行方向等をリアルタイムに管理するための一般航行船舶安全管理システムを開発した。また子会社が展開する、下水処理場やマンホールの改修工事に汚水のバイパスシステムとして使われているSCプラグ工法について、管更生工法との組み合わせにより、その適用範囲を下水道管路の補修に拡大するための研究に着手した。(2) 地盤改良事業当分野では、砂杭系及び固化処理系の地盤改良工法について、既設構造物直下の地盤改良を可能とする工法を中心に研究開発活動を行っている。①砂杭系工法 流動化させた砂をポンプ圧送することで、狭隘地や既設構造物直下の地盤改良を可能とするSAVE-SP工法は、既設の河川堤防や護岸の耐震対策に加え、エネルギー施設や既設建築物の建て替えに伴う液状化対策工事にも採用範囲を拡大してきたが、種々の材料の適用性の把握や小型施工機の施工性の向上などにより、更に適用範囲を拡大すべく研究開発を継続している。 また、狭隘地や構造物の近傍で施工することのできる低変位型締固め工法や、SAVEコンポーザー工法における使用材料の適用拡大等を目的としたトータルリソイルシステムの開発を進め、環境負荷低減やコスト縮減に取り組んでいる。②固化処理系工法 大径かつ高品質な改良体を造成できる機械撹拌工法のCI-CMC工法においては、施工性を落とすことなく、セメントミルクの総量を減らし盛り上り土の低減を図る試みを進めている。また、高圧噴射撹拌工法であるFTJ工法は、セメントスラリーと高圧エアーを用いて地盤を切削し固化改良を行うため、水中で汚濁を生ずる問題があり大径の改良が困難であったが、特殊な汚濁防止装置を開発することで、大径の改良体を水中にて造成可能とし、2件の工事に適用された。(3) ブロック事業当分野では、東日本大震災を踏まえた「津波に対する防災・減災」及び、大型港湾等で課題となっている「港内長周期波対策」を中心とした研究開発活動を行っている。①津波に対する防災・減災 防波堤ケーソン背後のマウンドに被覆ブロックを用い、津波の越流があっても倒壊しにくい「粘り強い構造」の防波堤について研究を進めてきたことで、当社ブロックが全国の港湾、漁港で採用されている。当期、これらの成果が国土交通省から公表された「防波堤の耐津波設計ガイドライン(平成27年12月 一部改訂)」や、水産庁から公表された「漁港・漁場の施設の設計参考図書」に織り込まれたこともあり、経済性と安定性を兼ね備えたブロックであるペルメックスを中心に、更なるブロックの採用拡大が期待される。②港内長周期波対策 港湾内の船舶の航行・係留に支障を及ぼす長周期波への対策として、当社ブロックを用いた「没水型長周期波対策工」を考案し、消波特性や越波に対する安定性に基づく断面設計法として確立したことから、当期、本工法が実案件において初採用された。 当期の研究開発では、様々な設計条件に対応するために、潮位変化や越波による断面変形の影響について検討しており、今後当社ブロックの採用拡大が期待される。