研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 3 |
| 2024-03 | - | 5 |
| 2023-03 | - | 133 |
| 2022-03 | - | 4 |
| 2021-03 | - | 5 |
研究開発活動(本文)
FY2025|4,128 文字
6【研究開発活動】(建設事業) 当社グループは、多様化する顧客のニーズ、生産性の向上、品質の向上、安全で環境にやさしい工事施工に対応すべく建築・土木・環境の分野において技術研究所を中心にソフト・ハードの研究開発を幅広く実施しております。 当連結会計年度における研究開発費は194百万円でありました。また、当社グループの研究開発体制及び主な研究開発成果は以下のとおりであります。[建築・土木共通技術](1) コンクリート構造物の調査・品質向上技術コンクリート構造物にやさしい調査技術として、構造体を傷めることのない調査方法である小径コア(直径20mm~25mm程度)による簡便で精度の良いコンクリート強度の調査法「ソフトコアリングⓇ」(建築用)、「ソフトコアリングC+」(土木用)を開発し、一般財団法人日本建築センターと一般財団法人土木研究センターの技術審査証明を取得し定期的に更新しております。また、毎年ソフトコアリング協会員(115社)の技術向上を目的に技術講習会を開催しております。調査対象となる小径コアの2024年度末の累計施工本数は建築用・土木用あわせて約7.0万本となっています。(2) ICTを活用した工事の生産性向上・品質向上への取組み工事の生産性向上、品質向上に対応すべく、2024年度も引き続きICTを活用する作業所での試行や研究開発に取り組んでおります。生産性向上としては、現場巡回ドローンや四足歩行ロボットによる施工管理の省力化や墨出し作業のロボットによる代替、作業の安全確認の技術指導、CFT(コンクリート充填鋼管構造)圧入施工管理に対して技術研究所からの遠隔支援の実施、ドローンによるPC橋梁の出来形計測の省力化、施工支援ロボットとの協業による生産性向上に関する研究等に取り組みました。また、建設RXコンソーシアム(建設施工に活用するロボット及びIoTアプリ等の開発と利用に係るロボティクストランスフォーメーションの推進を実施する建設会社、協力会社及び支援企業で形成する共同事業体)に参加し、建設施工ロボット・IoT分野での技術連携を通して建設業界全体の生産性向上を推進しています。品質向上としては、コンクリート品質の向上を目的にMR(複合現実)を用いたコンクリート締固め管理システムを現場適用しました。(3) 脱炭素への取組み建築物の脱炭素化に向けて、運用時だけでなく建設時のCO2(二酸化炭素)排出量を削減する動きが加速しています。脱炭素設計のために、CO2排出量算定ソフトを用いて建設時のCO2排出量を算出しています。また、カーボンストックの観点から、中高層木造ハイブリッド建物に関して技術情報の収集と解析を行い設計・施工技術を確立しました。商標登録「ZS WoodⓇ」を行い、錢高組のブランドとして展開していきます。工事施工中のCO2排出量を削減する技術として、大気中に含まれるCO2を直接回収し、回収したCO2を現場内で炭素源として再利用することでCO2を地産地消する「CO2オンサイトDACS(Direct Air Capture & Storage)」の実用化に向けて開発を進めています。 [建築関連技術](1) 柱RC梁S造混合構造物流倉庫や商業施設を対象に、鉄筋コンクリートの高剛性と鉄骨造の軽量大スパン化の特長を活かしコストダウンにつながる柱RC梁S造混合構法について、RC柱とS梁の接合形式を2形式5パターン開発しています。これらの技術を用いてこれまでに15件の物流倉庫に適用しました。(2) YZ補剛工法Ⓡ鋼構造、柱RC梁S造混合構造などの梁が鉄骨造である物流倉庫や商業施設等で、床スラブと梁の合成効果を考慮して補剛材を削減する「YZ補剛工法Ⓡ」を開発し、2019年度に一般財団法人日本建築総合試験所から建築技術性能証明を取得しました。取得後から積極的な展開を行い、2023年度にはそれまでの施工実績を踏まえて施工性と経済性を向上させて適用範囲を拡大するブラッシュアップを行い、建築技術性能証明を改定取得しました。当社の標準仕様として、2024年度末で累計19件の工事に適用しています。 (3) 基礎梁の開孔補強工法設備配管用開孔と人通孔の間隔を従来の開孔直径平均の3倍以上から2倍以上に緩和して設備設計を簡素化する「近接開孔基礎梁工法」を2015年度に開発しました。また、基礎梁の開孔を梁せいの現行基準1/3以下を1/2.5以下に緩和して基礎梁掘削土量削減や既製の補強金物の使用でコストダウンする「大開孔基礎梁工法」を2017年度に開発し、2022年度には高強度補強金物を用いた「EXダイヤレン工法」に改良しました。いずれも一般財団法人日本建築総合試験所より建築技術性能証明を取得しております。引き続き、設備設計の自由度拡大や大型物流倉庫での基礎のコストダウンに有効な技術として展開していきます。(4) 物流1階床コンクリートの品質向上物流施設等の1階床コンクリートは、上層階の施工前の露天状態で施工される場合、特に暑中期でひび割れの抑制が難しい状況にあります。そこで、膨張材と混和剤の添加量を調整することで暑中期においても十分な膨張量を確保し、ひび割れを抑制する方法を確立しました。今後、現場への普及に努めます。 [土木関連技術](1) SEWを用いたシールド直接発進到達工法SEWを用いたシールド直接発進到達工法は、シールド発進到達用立坑のシールド機通過部分に硬質ウレタン樹脂をガラス長繊維で補強した新素材(FFU部材)を組込み、シールド機を直接発進到達させることで工期短縮、コストダウンを可能にする技術であります。RC地中連続壁、柱列式連続壁、ライナープレート、ケーソンなど多様な立坑形式への対応、大断面や大深度を可能とするなど改良を加えて建設技術審査証明を更新取得してきました。2021年度には工場製作時に実施する品質確認試験方法を改定して審査証明を更新し顧客のニーズに対応しています。今後も技術提案や施工のコストダウンに活用していきます。(2) FFUセグメント新素材FFUで製作されたシールド用セグメント「FFUセグメント」は、シールド機のカッターで容易に切削できることから上下水道等の分岐・合流を非開削で行う場合に有効なセグメントで、2023年度末までに累計16件の実績が有ります。2019年度からは、接合部の大口径化に伴ってFFUセグメントに継手を用いて分割施工に対応できるよう研究開発を進めました。また、近年はシールド発進・到達用にアーバンリング工法の円形立坑で多く採用されています。2024年度末までに累計50件の工事で活用されました。セグメント構造の合理化及び大深度への対応に向け、更に改良を加えた開発を実施しております。(3) シールド泥水管理システム泥水シールド工法における切羽前方地盤の土質の変化をリアルタイムで捉え、掘削泥水の品質(比重、粘性等)を適正管理するアシストシステムを開発し、2022年度に岡山県のシールド工事で試行を完了しその有効性を確認しました。このシステムにより泥水シールド工法において重要な施工管理項目である泥水品質の土質の変化への迅速な対応が可能となり、掘進停止や地盤隆起・陥没等のトラブル防止、更には施工効率の向上に繋がります。2024年度末までに累計3件の工事で活用されました。今後は、施工実績を蓄積するとともにAIによるアシスト能力の向上などシステムの改善を図り、安全なシールド工事の施工に積極的に活用します。(4) PC橋梁の施工管理システム(橋面自動測量システム、PC緊張管理システム)PC橋梁の張出し施工における現場測量や上げ越し管理の省人・省力化を図る「橋面自動測量システム」及びPC鋼材の緊張力をセンサで自動計測して安全・適切に施工管理する「PC緊張管理システム」を2020年度に開発し、2018年に開発した「PCグラウト一元管理システム」と併せて「PC橋梁施工管理システム」が完成しました。長野県のPC橋梁工事に導入しその効果を実証しました。今後は、ICTを活用した施工管理省力化手法の一環として、PC橋梁における施工管理の省力化、品質向上に繋げる管理システムとして全現場に活用していきます。(5) TUNNEL EYE山岳トンネル工事において、坑内で稼働する換気設備を自動制御することで省電力化を図るエネルギーマネジメントシステム「TUNNEL EYE」を開発し、積極的に現場で活用することで、消費電力量の削減に努めています。2022年から2023年にかけて施工した愛知県のトンネル工事では、導入効果として工事全体で約24%、換気設備では約44%の消費電力量削減が図れました。今後も積極的に現場で活用し、環境負荷低減を図っていきます。 [環境関連技術](1) 環境配慮型コンクリート製造技術製造時にCO2排出量の少ない高炉スラグ微粉末をセメントに混合した環境配慮型コンクリートCELBICを開発(2021年性能証明取得)し、そのノウハウを土木コンクリート構造物の脱炭素化にも活用(1件)しています。今後、性能証明を改定取得し、脱炭素化を推進します。(2) 室内環境(温熱・換気)解析システム室内環境解析システムは、事務所や体育館など大空間や、自然エネルギー利用など快適な室内環境の提案に活用しています。2024年度も引き続き、BIMと連携した建物の環境性能の見える化に取り組み、温熱・湿度、換気など建物の環境性能を動画で確認できる機能を活用し、物流倉庫、工場、事務所ビルなどの設備設計や室内環境を向上させました。また、このシステムを活用し、最適な省エネ技術を組み合わせて、室内温熱環境の快適性についても評価できるよう充実を図りました。今後も、快適な室内環境の解り易い提案にこれら室内環境解析システムを活用します。 なお、連結子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。 (不動産事業)研究開発活動は特段行われておりません。
FY2024|3,715 文字
6【研究開発活動】(建設事業) 当社グループは、多様化する顧客のニーズ、生産性の向上、品質の向上、安全で環境にやさしい工事施工に対応すべく建築・土木・環境の分野において技術研究所を中心にソフト・ハードの研究開発を幅広く実施しております。 当連結会計年度における研究開発費は169百万円でありました。また、当社グループの研究開発体制及び主な研究開発成果は以下のとおりであります。[建築・土木共通技術](1) コンクリート構造物の調査・品質向上技術コンクリート構造物にやさしい調査技術として、構造体を傷めることのない調査方法である小径コア(直径20mm~25mm程度)による簡便で精度の良いコンクリート強度の調査法「ソフトコアリングⓇ」(建築用)、「ソフトコアリングC+」(土木用)を開発し、一般財団法人日本建築センターと一般財団法人土木研究センターの技術審査証明を取得し定期的に更新しております。また、毎年ソフトコアリング協会員(約110社)の技術向上を目的に技術講習会を開催しております。調査対象となる小径コアの2023年度末の累計施工本数は建築用・土木用あわせて6.7万本となっています。(2) ICTを活用した工事の生産性向上・品質向上への取組み工事の生産性向上、品質向上に対応すべく、2023年度も引き続きICTを活用する作業所での試行や研究開発に取り組んでおります。生産性向上としては、現場巡回ドローンや四足歩行ロボットによる施工管理の省力化や作業の安全確認の技術指導、CFT(コンクリート充填鋼管構造)圧入施工管理に対して技術研究所からの遠隔支援の実施、ドローンによるPC橋梁の出来形計測の省力化、施工支援ロボットとの協業による生産性向上に関する研究等に取り組みました。品質向上技術としては、コンクリート品質の向上を目的にMR(複合現実)を用いたコンクリート締固め管理技術の共同開発により平面位置毎の締固め時間管理を実証しました。また、建設RXコンソーシアム(建設施工に活用するロボット及びIoTアプリ等の開発と利用に係るロボティクストランスフォーメーションの推進を実施する建設会社、協力会社及び支援企業で形成する共同事業体)に参加し、建設施工ロボット・IoT分野での技術連携を通して建設業界全体の生産性向上を推進しています。(3) 脱炭素への取組み建築物の脱炭素化に向けて、運用時だけでなく建設時のCO2(二酸化炭素)排出量を削減する動きが加速しています。脱炭素設計のために、CO2排出量算定アプリを用いて建設時のCO2排出量を算出しています。また、カーボンストックの観点から、中高層木造ハイブリッド建物に関して技術情報の収集と解析を行い設計・施工技術を確立しました。商標登録「ZSWoodⓇ」を行い、錢高組のブランドとして展開していきます。[建築関連技術](1) 柱RC梁S造混合構造物流倉庫や商業施設を対象に、鉄筋コンクリートの高剛性と鉄骨造の軽量大スパン化の特長を活かしコストダウンにつながる柱RC梁S造混合構法について、RC柱とS梁の接合形式を2形式5パターン開発しています。これらの技術を用いてこれまでに15件の物流倉庫に適用しました。(2) YZ補剛工法Ⓡ鋼構造、柱RC梁S造混合構造などの梁が鉄骨造である物流倉庫や商業施設等で、床スラブと梁の合成効果を考慮して補剛材を削減する「YZ補剛工法Ⓡ」を開発し、2019年度に一般財団法人日本建築総合試験所から建築技術性能証明を取得しました。2023年度末で累計11件の工事に適用しています。また、これらの現場での施工実績を踏まえて、施工性と経済性を更に向上させたブラッシュアップ技術についても新たに建築技術性能証明を取得しました。鉄骨梁を使用した建物のコストダウン技術として標準仕様化を図ります。(3) 基礎梁の開孔補強工法設備配管用開孔と人通孔の間隔を従来の開孔直径平均の3倍以上から2倍以上に緩和して設備設計を簡素化する「近接開孔基礎梁工法」を2015年度に開発、また、基礎梁の開孔を梁せいの現行基準1/3以下を1/2.5以下に緩和して基礎梁掘削土量削減や既成の補強金物の使用でコストダウンする「大開孔基礎梁工法」を2017年度に開発して、いずれも一般財団法人日本建築総合試験所より建築技術性能証明を取得しました。この「大開孔基礎梁工法」について、大型物流倉庫などにおける施工性や設計自由度を向上させるブラッシュアップを実施し新たに建築技術性能証明を取得しております。設備設計の自由度拡大や大型物流倉庫での基礎のコストダウンに有効な技術として展開しています。[土木関連技術](1) SEWを用いたシールド直接発進到達工法SEWを用いたシールド直接発進到達工法は、シールド発進到達用立坑のシールド機通過部分に硬質ウレタン樹脂をガラス長繊維で補強した新素材(FFU部材)を組込み、シールド機を直接発進到達させることで工期短縮、コストダウンを可能にする技術であります。RC地中連続壁、柱列式連続壁、ライナープレート、ケーソンなど多様な立坑形式への対応、大断面や大深度を可能とするなど改良を加えて建設技術審査証明を更新取得してきました。2021年度には工場製作時に実施する品質確認試験方法を改定して審査証明を更新し顧客のニーズに対応しています。今後も技術提案や施工のコストダウンに活用していきます。(2) FFUセグメント新素材FFUで製作されたシールド用セグメント「FFUセグメント」は、シールド機のカッターで容易に切削できることから上下水道等の分岐・合流を非開削で行う場合に有効なセグメントで、2023年度末までに累計16件の実績が有ります。2019年度からは、接合部の大口径化に伴ってFFUセグメントに継手を用いて分割施工に対応できるよう研究開発を進めました。また、近年はシールド発進・到達用にアーバンリング工法の円形立坑で多く採用されています。2023年度末までに累計48件の工事で活用されました。(3) シールド泥水管理システム泥水シールド工法における切羽前方地盤の土質の変化をリアルタイムで捉え、掘削泥水の品質(比重、粘性等)を適正管理するアシストシステムを開発し、2022年度に岡山県のシールド工事で試行を完了しその有効性を確認しました。このシステムにより泥水シールド工法において重要な施工管理項目である泥水品質の土質の変化への迅速な対応が可能となり、掘進停止や地盤隆起・陥没等のトラブル防止、更には施工効率の向上に繋がります。今後は、施工実績を蓄積するとともにAIによるアシスト能力の向上などシステムの改善を図り、安全なシールド工事の施工に積極的に活用します。(4) PC橋梁の施工管理システム(橋面自動測量システム、PC緊張管理システム)PC橋梁の張出し施工における現場測量や上げ越し管理の省人・省力化を図る「橋面自動測量システム」及びPC鋼材の緊張力をセンサーで自動計測して安全・適切に施工管理する「PC緊張管理システム」を2020年度に開発し、2018年に開発した「PCグラウト一元管理システム」と併せて「PC橋梁施工管理システム」が完成しました。長野県のPC橋梁工事に導入しその効果を実証しました。今後は、ICTを活用した施工管理省力化手法の一環として、PC橋梁における施工管理の省力化、品質向上に繋げる管理システムとして全現場に活用していきます。[環境関連技術](1) 環境配慮型コンクリート製造技術環境配慮型コンクリート製造技術は、レディミクストコンクリートの混和材料として製造時に排出されるCO2がポルトランドセメントの1/20以下である高炉スラグ微粉末を使用することにより、建築のコンクリート構造物に求められる所要の品質を確保しつつ、コンクリート材料に由来するCO2の排出量を削減する技術として2020年度に開発し、一般財団法人日本建築総合試験所より建設材料技術性能証明を取得しました。2023年より、適用範囲を広げるため、高強度・高流動化等の開発を行っています。これらの研究成果をもとに現場への適用を通じてCO2の排出量の削減を検討していきます。(2) 室内環境(温熱・換気)解析システム室内環境解析システムは、事務所や体育館など大空間や、自然エネルギー利用など快適な室内環境の提案に活用しています。2023年度も引き続き、BIMと連携した建物の環境性能の見える化に取り組み、温熱・湿度、換気など建物の環境性能を動画で確認できる機能を活用し、物流倉庫、工場、事務所ビルなどの設備設計や室内環境を向上させました。また、このシステムを活用し、最適な省エネ技術を組み合わせて、室内温熱環境の快適性についても評価できるよう充実を図りました。今後も、快適な室内環境の解り易い提案にこれら室内環境解析システムを活用します。なお、連結子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。(不動産事業) 研究開発活動は特段行われておりません。
FY2023|3,773 文字
6【研究開発活動】(建設事業) 当社は、多様化する顧客のニーズ、生産性の向上、品質の向上、安全で環境にやさしい工事施工に対応すべく建築・土木・環境の分野において技術研究所を中心にソフト・ハードの研究開発を幅広く実施しております。 当連結会計年度における研究開発費は169百万円でありました。また、当社の研究開発体制及び主な研究開発成果は以下のとおりであります。[建築・土木共通技術](1) コンクリート構造物の調査・品質向上技術コンクリート構造物にやさしい調査技術として、構造体を傷めることのない調査方法である小径コア(直径20mm~25mm程度)による簡便で精度の良いコンクリート強度の調査法「ソフトコアリングⓇ」(建築用)、「ソフトコアリングC+」(土木用)を開発し、一般財団法人日本建築センターと一般財団法人土木研究センターの技術審査証明を取得し定期的に更新しております。また、毎年ソフトコアリング協会員(約100社)の技術向上を目的に技術講習会を開催しております。調査対象となる小径コアの2022年度末の累計施工本数は建築用・土木用あわせて6.4万本となっています。(2) ICTを活用した工事の生産性向上・品質向上への取組み工事の生産性向上、品質向上に対応すべく、2022年度も引き続きICTを活用する作業所での試行や研究開発に取り組んでおります。生産性向上としては、現場巡回ドローンによる施工管理の省力化や作業の安全確認の技術指導、CFT(コンクリート充填鋼管構造)圧入施工管理に対して技術研究所からの遠隔支援の実施、ドローンによるPC橋梁の出来形計測の省力化、施工支援ロボットとの協業による生産性向上に関する研究等に取り組みました。品質向上技術としては、コンクリート品質の向上を目的にMR(複合現実)を用いたコンクリート締固め管理技術の共同開発により平面位置毎の締固め時間管理を実証しました。また、建設RXコンソーシアム(建設施工に活用するロボット及びIoTアプリ等の開発と利用に係るロボティクストランスフォーメーションの推進を実施する建設会社、協力企業及び支援企業で形成する共同事業体)に参加し、建設施工ロボット・IoT分野での技術連携を通して建設業界全体の生産性向上を推進しています。(3) 脱炭素への取組み建築物の脱炭素化に向けて、運用時だけでなく建設時のCO2(二酸化炭素)排出量を削減する動きが加速しています。CO2削減の最適資機材選定等のために、CO2排出量算定技術の調査研究を開始し、各種アプリの実用性を検討しています。また、カーボンストックの観点から、中高層木造ハイブリッド建物に関して技術情報の収集と解析を行い、設計・施工技術の確立にむけて研究開発を継続して実施しています。[建築関連技術](1) 柱RC梁S造混合構造物流倉庫や商業施設を対象に、鉄筋コンクリートの高剛性と鉄骨造の軽量大スパン化の特長を活かしコストダウンにつながる柱RC梁S造混合構法について、RC柱とS梁の接合形式を2形式5パターン開発しています。これらの技術を用いてこれまでに15件の物流倉庫に適用しました。(2) YZ補剛工法Ⓡ鋼構造、柱RC梁S造混合構造などの梁が鉄骨造である物流倉庫や商業施設等で、床スラブと梁の合成効果を考慮して補剛材を削減する「YZ補剛工法Ⓡ」を開発し、2019年度に一般財団法人日本建築総合試験所から建築技術性能証明を取得しました。2022年度末で累計5件の工事に適用しています。また、これらの現場での施工実績を踏まえて、施工性と経済性を更に向上させたブラッシュアップ技術についても新たに建築技術性能証明を取得しました。鉄骨梁を使用した建物のコストダウン技術として標準仕様化を図ります。(3) 基礎梁の開孔補強工法設備配管用開孔と人通孔の間隔を従来の開孔直径平均の3倍以上から2倍以上に緩和して設備設計を簡素化する「近接開孔基礎梁工法」を2015年度に開発、また、基礎梁の開孔を梁せいの現行基準1/3以下を1/2.5以下に緩和して基礎梁掘削土量削減や既成の補強金物の使用でコストダウンする「大開孔基礎梁工法」を2017年度に開発して、いずれも一般財団法人日本建築総合試験所より建築技術性能証明を取得しました。この「大開孔基礎梁工法」について、2022年度は大型物流倉庫などの施工性や設計自由度を向上させる新たなブラッシュアップを実施し建築技術性能証明を取得しております。設備設計の自由度拡大や大型物流倉庫での基礎のコストダウンに有効な技術として展開していきます。[土木関連技術](1) SEWを用いたシールド直接発進到達工法SEWを用いたシールド直接発進到達工法は、シールド発進到達用立坑のシールド機通過部分に硬質ウレタン樹脂をガラス長繊維で補強した新素材(FFU部材)を組込み、シールド機を直接発進到達させることで工期短縮、コストダウンを可能にする技術であります。RC地中連続壁、柱列式連続壁、ライナープレート、ケーソンなど多様な立坑形式への対応、大断面や大深度を可能とするなど改良を加えて建設技術審査証明を更新取得してきました。2021年度には工場製作時に実施する品質確認試験方法を改定して審査証明を更新し顧客のニーズに対応しました。2022年度の実績としては、道路や上下水道トンネルなど7件に採用されました。今後も技術提案や施工のコストダウンに活用します。(2) FFUセグメント新素材FFUで製作されたシールド用セグメント「FFUセグメント」はシールド機のカッターで容易に切削できることから上下水道等の分岐・合流を非開削で行う場合に有効なセグメントです。近年はシールド発進・到達用にアーバンリング工法の円形立坑で多く採用されています。2022年度は、6件のシールド工事用のアーバンリング立坑工事で活用されました。(3) シールド泥水管理システム泥水シールド工法における切羽前方地盤の土質の変化をリアルタイムで捉え、掘削泥水の品質(比重、粘性等)を適正管理するアシストシステムを開発し、2022年度に岡山県のシールド工事で試行を完了しその有効性を確認しました。このシステムにより泥水シールド工法において重要な施工管理項目である泥水品質の土質の変化への迅速な対応が可能となり、掘進停止や地盤隆起・陥没等のトラブル防止、更には施工効率の向上に繋がります。今後は、AIによるアシスト能力の向上などシステムの改善を図るとともに、安全なシールド工事の施工に積極的に活用します。(4) PC橋梁の施工管理システム(橋面自動測量システム、PC緊張管理システム)PC橋梁の張出し施工における現場測量や上げ越し管理の省人・省力化を図る「橋面自動測量システム」及びPC鋼材の緊張力をセンサーで自動計測して安全・適切に施工管理する「PC緊張管理システム」を2020年度に開発し、2018年に開発した「PCグラウト一元管理システム」と併せて「PC橋梁施工管理システム」が完成しました。長野県のPC橋梁工事に導入しその効果を実証しました。今後は、PC橋梁における施工管理の省力化、品質向上に繋げる管理システムとして全現場に活用していきます。(5) リアルタイム路面計測システムリアルタイム路面計測システムは、シールド工事や高速道路の下を非開削で通過させる函体推進工事などの施工に伴う路面沈下を、道路の交通を妨げることなく常時計測・監視して安全に施工を行うための計測システムです。シールド工事など地下工事に伴う地表面沈下が大きな問題となっており迅速で詳細な路面計測管理が求められています。このような中2022年度は、4件の工事で活用されました。[環境関連技術](1) 環境配慮型コンクリート製造技術環境配慮型コンクリート製造技術は、レディミクストコンクリートの混和材料として製造時に排出されるCO2がポルトランドセメントの1/20以下である高炉スラグ微粉末を使用することにより、建築のコンクリート構造物に求められる所要の品質を確保しつつ、コンクリート材料に由来するCO2の排出量を削減する技術として2020年度に開発し、一般財団法人日本建築総合試験所より建設材料技術性能証明を取得しました。2022年度は建築建物の床への適用にむけて耐久性を確認しました。(2) 室内環境(温熱・換気)解析システム室内環境解析システムは、事務所や体育館など大空間や、自然エネルギー利用など快適な室内環境の提案に活用しています。2022年度も引き続き、BIMと連携した建物の環境性能の見える化に取り組み、温熱・湿度、換気など建物の環境性能を動画で確認できる機能を活用し、物流倉庫、工場、事務所ビルなどの設備設計や室内環境を向上させました。また、このシステムを活用し、最適な省エネ技術を組み合わせて、室内温熱環境の快適性についても評価できるよう充実を図りました。今後も、快適な室内環境の解り易い提案にこれら室内環境解析システムを活用します。なお、連結子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。(不動産事業) 研究開発活動は特段行われておりません。
FY2022|3,727 文字
5【研究開発活動】(建設事業) 当社は、多様化する顧客のニーズ、生産性の向上、品質の向上、安全で環境にやさしい工事施工に対応すべく建築・土木・環境の分野において技術研究所を中心にソフト・ハードの研究開発を幅広く実施しております。 当連結会計年度における研究開発費は159百万円でありました。また、当社の研究開発体制及び主な研究開発成果は以下のとおりであります。[建築・土木共通技術](1) コンクリート構造物の調査・品質向上技術コンクリート構造物にやさしい調査技術として、構造体を傷めず、小径コア(直径20mm~25mm程度)による簡便で精度の良いコンクリート強度の調査法「ソフトコアリングⓇ」(建築用)、「ソフトコアリングC+」(土木用)を開発し、一般財団法人日本建築センターと一般財団法人土木研究センターの技術審査証明を取得しております。毎年ソフトコアリング協会員の技術向上を目的に技術講習会を開催し、2020年度に、「ソフトコアリングⓇ」の審査証明を更新し技術の普及を図っています。2021年度末の累計施工本数は建築用・土木用あわせて6.1万本の施工実績となっています。また、物流倉庫スラブ等のひび割れ防止対策として、施工に関する新たな知見を加えたひび割れ防止対策指針の改定に取り組んでいます。(2) ICTを活用した工事の生産性向上・品質向上への取組み工事の生産性向上、品質向上に対応すべく、2021年度も引き続きICTを活用する作業所での試行や研究開発に取り組んでおります。生産性向上としては、現場巡回ドローンによる施工管理の省力化や作業の安全確認、CFT(コンクリート充填鋼管構造)圧入施工管理の技術研究所からの遠隔支援の実施や配筋の遠隔検査の試行、ドローンによるPC橋梁の出来形計測の省力化、施工支援ロボットとの協業による生産性向上に関する研究等に取り組みました。品質向上技術としては、コンクリート品質の向上を目的にMR(複合現実)を用いたコンクリート締固め管理技術の共同開発に着手しました。また、建設RXコンソーシアム(建設施工に活用するロボット及びIoTアプリ等の開発と利用に係るRX(ロボティクストランスフォーメーション)の推進を実施する建設会社、協力会社及び支援企業で形成する共同事業体)に参加しました。建設施工ロボット・IoT分野での技術連携を通して、建設業界全体の生産性向上を推進していきます。(3) 脱炭素への取組み建築物の脱炭素化に向けて、運用時だけでなく、建設時のCO2(二酸化炭素)排出量を削減する動きが加速しています。CO2削減の最適資機材選定等のために、CO2排出量算定技術の調査研究を開始しました。また、カーボンストックの観点から、中高層木造ハイブリット建物に関して技術情報の収集と解析を行い、設計・施工技術の確立にむけて、研究開発を開始しました。[建築関連技術](1) 柱RC梁S造混合構造物流倉庫、商業施設を対象に、鉄筋コンクリートの高剛性と鉄骨造の軽量大スパン化の特長を活かしコストダウンにつながる柱RC梁S造混合構法を開発して、これまでに12件の物流倉庫に適用しました。2021年度には、本構造を採用した大型物流倉庫1件が竣工しています。(2) YZ補剛工法Ⓡ鋼構造、柱RC梁S造混合構造など、梁が鉄骨造である物流倉庫や商業施設等で、床スラブと梁の合成効果を考慮して補剛材を削減する「YZ補剛工法Ⓡ」を開発し、2019年度に一般財団法人日本建築総合試験所から建築技術性能証明を取得しました。2020年度までに物流倉庫や商業施設に3件採用しコストダウンを図っており、2021年度には新たに2件の工事に適用しています。また、施工性と経済性を更に向上すべくブラッシュアップを予定しております。今後も、鉄骨梁を使用した建物のコストダウン技術として活用します。(3) 基礎梁の開孔補強工法設備配管用開孔と人通孔の間隔を従来の開孔直径平均の3倍以上から2倍以上に緩和して設備設計を簡素化する「近接開孔基礎梁工法」を2015年度に開発、また、基礎梁の開孔を梁せいの現行基準1/3以下を1/2.5以下に緩和して基礎梁掘削土量削減や既成の補強金物の使用でコストダウンする「大開孔基礎梁工法」を2017年度に開発して、いずれも一般財団法人日本建築総合試験所より建築技術性能証明を取得しました。2021年度も引き続き、「大開孔基礎梁工法」について大型物流倉庫などの施工性や設計自由度を向上させる新たな開発を実施しております。今後も設備設計の自由度拡大や大型物流倉庫での基礎のコストダウンに有効な技術として活用します。[土木関連技術](1) SEWを用いたシールド直接発進到達工法SEWは、シールド発進到達用立坑のシールド機通過部分に硬質ウレタン樹脂をガラス長繊維で補強した新素材(FFU部材)を組込み、シールド機を直接発進到達させることで工期短縮、コストダウンを可能にする技術であります。RC地中連続壁、柱列式連続壁、ライナープレート、ケーソンなど多様な立坑形式への対応、大断面や大深度を可能とするなど改良を加えて建設技術審査証明を更新取得してきました。2021年度には工場製作時に実施する品質確認試験方法を改定して審査証明を更新し顧客のニーズに対応しました。2021年度の実績としては、道路や上下水道トンネルなど8件に採用されました。今後も技術提案や施工のコストダウンに活用します。(2) FFUセグメント新素材FFUで製作されたシールド用セグメント「FFUセグメント」はシールド機のカッターで容易に切削できることから上下水道等の分岐・合流を非開削で行う場合に有効なセグメントです。近年はシールド発進・到達用にアーバンリング工法の円形立坑で多く採用されています。2021年度は、5件のシールド工事用のアーバンリング立坑工事で活用されました。(3) シールド泥水管理システム泥水シールド工法における切羽前方地盤の土質の変化をリアルタイムで捉え、掘削泥水の品質(比重、粘性等)を適正管理するアシストシステムを開発し、2021年度も引き続き岡山県のシールド工事で試行し、その有効性を確認しました。このシステムにより、泥水シールド工法において重要な施工管理項目である泥水品質の土質の変化への迅速な対応が可能となり、掘進停止や地盤隆起・陥没等のトラブル防止、更には施工効率の向上に繋がります。今後は、AIによるアシスト能力の向上などシステムの改善を図ると共に、安全なシールド工事の施工に積極的に活用します。(4) PC橋梁の施工管理システム(橋面自動測量システム、PC緊張管理システム)PC橋梁の張出し施工における現場測量や上げ越し管理の省人・省力化を図る「橋面自動測量システム」及びPC鋼材の緊張力をセンサーで自動計測して安全・適切に施工管理する「PC緊張管理システム」を2020年度に開発し、長野県のPC橋梁工事に本格導入しました。今後は、PC橋梁における施工管理の省力化、品質向上に繋げる管理システムとして活用・改善していきます。(5) リアルタイム路面計測システムリアルタイム路面計測システムは、シールド工事や高速道路の下を非開削で通過させる函体推進工事などの施工に伴う路面沈下を、道路の交通を妨げることなく常時計測・監視して安全に施工を行うための計測システムです。シールド工事など地下工事に伴う地表面沈下が大きな問題となっており詳細な路面計測管理が求められています。このような中2021年度は、5件の工事で活用されました。[環境関連技術](1) 環境配慮型コンクリート製造技術環境配慮型コンクリート製造技術は、レディミクストコンクリートの混和材料として製造時に排出されるCO2(二酸化炭素)がポルトランドセメントの1/20以下である高炉スラグ微粉末を使用することにより、建築のコンクリート構造物に求められる所要の品質を確保しつつ、コンクリート材料に由来するCO2の排出量を削減する技術として2020年度に開発し、一般財団法人日本建築総合試験所より建設材料技術性能証明を取得しました。2021年度は建築建物の床への適用にむけて検討を行いました。(2) 室内環境(温熱・換気)解析システム室内環境解析システムは、事務所や体育館など大空間や、自然エネルギー利用など快適な室内環境の提案に活用しています。2021年度も引き続き、BIMと連携した建物の環境性能の見える化に取り組み、温熱・湿度、換気など建物の環境性能を動画で確認できる機能を活用し、物流倉庫、工場、事務所ビルなどの設備設計や室内環境を向上させました。また、このシステムを活用し、最適な省エネ技術を組み合わせて、室内温熱環境の快適性についても評価できるよう充実を図りました。今後も、快適な室内環境の解り易い提案にこれら室内環境解析システムを活用します。なお、連結子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。(不動産事業) 研究開発活動は特段行われておりません。
FY2021|3,190 文字
5【研究開発活動】(建設事業) 当社は、多様化する顧客のニーズ、生産性の向上、品質の向上、安全で環境にやさしい工事施工に対応すべく建築・土木・環境の分野において技術研究所を中心にソフト・ハードの研究開発を幅広く実施しております。 当連結会計年度における研究開発費は153百万円でありました。また、当社の研究開発体制及び主な研究開発成果は以下のとおりであります。[建築・土木共通技術](1) コンクリート構造物の調査・品質向上技術コンクリート構造物にやさしい調査技術として、構造体を傷めず、小径コア(直径20mm~25mm程度)による簡便で精度の良いコンクリート強度の調査法「ソフトコアリングⓇ」(建築用)、「ソフトコアリングC+」(土木用)を開発し、一般財団法人日本建築センターと一般財団法人土木研究センターの技術審査証明を取得しております。2020年度に、「ソフトコアリングⓇ」の審査証明を更新するとともに、建築用・土木用あわせて5.8万本の施工実績があり、広く活用されております。その他にも2020年度に、物流倉庫スラブのひび割れ防止対策の研究、生コン車搭載センサーによる品質管理技術の現場適用など、コンクリート構造物の施工品質を向上させる研究開発を進め、技術提案、施工管理に活用しました。(2) ICTを活用した工事の生産性向上・安全管理の効率化への取組み工事の生産性向上、安全管理の効率化に対応すべく、2020年度はICTを活用する作業所での試行や研究開発に取り組んでおります。生産性向上としては、現場巡回ドローンによる施工管理の省力化、CFT(コンクリート充填鋼管構造)圧入施工管理の遠隔支援の実施や配筋の遠隔検査の試行、ドローンによるPC橋梁の出来形計測の省力化、施工支援ロボットとの協業による生産性向上に関する研究等に取り組みました。安全管理の効率化としては、安全帯使用状況を検知する研究等に取り組みました。[建築関連技術](1) 柱RC梁S造混合構造物流倉庫、商業施設を対象に、鉄筋コンクリートの高剛性と鉄骨造の軽量大スパン化の特長を活かしコストダウンにつながる柱RC梁S造混合構法を開発して、これまでに12件の物流倉庫に適用しました。2020年には、本構造を採用した大型物流倉庫2件が竣工しています。(2) YZ補剛工法Ⓡ鋼構造、柱RC梁S造混合構造など、梁が鉄骨造である物流倉庫や商業施設等で、床スラブと梁の合成効果を考慮して補剛材を削減する「YZ補剛工法Ⓡ」を開発し、2019年度に一般財団法人日本建築総合試験所から建築技術性能証明を取得しました。2020年度には物流倉庫や商業施設に3件採用しコストダウンを図りました。今後も、鉄骨梁を使用した建物のコストダウン技術として活用します。(3) 基礎梁の開孔補強工法設備配管用開孔と人通孔の間隔を従来の開孔直径平均の3倍以上から2倍以上に緩和して設備設計を簡素化する「近接開孔基礎梁工法」を2015年度に開発、また、基礎梁の開孔を梁せいの現行基準1/3以下を1/2.5以下に緩和して基礎梁掘削土量削減や既成の補強金物の使用でコストダウンする「大開孔基礎梁工法」を2017年度に開発して、いずれも一般財団法人日本建築総合試験所より建築技術性能証明を取得しました。2020年度は、「大開孔基礎梁工法」について大型物流倉庫などの施工性や設計自由度を向上させるブラッシュアップを実施しております。今後も設備設計の自由度拡大や大型物流倉庫での基礎のコストダウンに有効な技術として活用します。[土木関連技術](1) SEWを用いたシールド直接発進到達工法SEWは、シールド発進到達用立坑のシールド機通過部分に硬質ウレタン樹脂をガラス長繊維で補強した新素材(FFU部材)を組込み、シールド機を直接発進到達させることで工期短縮、コストダウンを可能にする技術であります。RC地中連続壁、柱列式連続壁、ライナープレート、ケーソンなど多様な立坑形式への対応、大断面や大深度を可能とするなど改良を加えて建設技術審査証明を更新取得してきました。2020年度は、道路や上下水道トンネルなど7件に採用されました。今後も技術提案や施工のコストダウンに活用します。(2) FFUセグメント新素材FFUで製作されたシールド用セグメント「FFUセグメント」はシールド機のカッターで容易に切削できることから上下水道等の分岐・合流を非開削で行う場合に有効なセグメントで、多くの施工実績があります。2020年度は、10件のシールド工事で活用されました。(3) シールド泥水管理システム泥水シールド工法における切羽前方地盤の土質の変化をリアルタイムで捉え、掘削泥水の品質(比重、粘性等)を適正管理するアシストシステムを開発し、2020年度に岡山県のシールド工事で試行し、その有効性を確認しました。このシステムにより、泥水シールド工法において重要な施工管理項目である泥水品質の土質の変化への迅速な対応が可能となり、掘進停止や地盤隆起・陥没等のトラブル防止、更には施工効率の向上に繋がります。今後は、AIによるアシスト能力の向上などシステムの改善を図ると共に、安全なシールド工事の施工に積極的に活用します。(4) PC橋梁の施工管理システム(橋面自動測量システム、PC緊張管理システム)PC橋梁の張出し施工における現場測量や上げ越し管理の省人・省力化を図る「橋面自動測量システム」及びPC鋼材の緊張力をセンサーで自動計測して安全・適切に施工管理する「PC緊張管理システム」を2020年度に開発し、長野県のPC橋梁工事に本格導入を進めています。今後は、PC橋梁における施工管理の省力化、品質向上に繋げる管理システムとして活用・改善していきます。(5) リアルタイム路面計測システムリアルタイム路面計測システムは、シールド工事や高速道路の下を非開削で通過させる函体推進工事などの施工に伴う路面沈下を、道路の交通を妨げることなく常時計測・監視して安全に施工を行うための計測システムです。シールド工事など地下工事に伴う地表面沈下が問題となっており、2020年度は、福岡県のシールド工事で施工の安全性確保に活用する等、4件の工事で活用されました。[環境関連技術](1) 環境配慮型コンクリート製造技術環境配慮型コンクリート製造技術は、レディミクストコンクリートの混和材料として製造時に排出される二酸化炭素がポルトランドセメントの1/20以下である高炉スラグ微粉末を使用することにより、建築のコンクリート構造物に求められる所要の品質を確保しつつ、コンクリート材料に由来する二酸化炭素の排出量を削減する技術として2020年度に開発し、一般財団法人日本建築総合試験所より建設材料技術性能証明を取得しました。(2) 室内環境(温熱・換気)解析システム室内環境解析システムは、事務所や体育館など大空間や、自然エネルギー利用など快適な室内環境の提案に活用しています。2020年度は、BIMと連携した建物の環境性能の見える化に取り組み、温熱・湿度、換気など建物の環境性能を動画で確認できる機能を活用し、物流倉庫、工場、事務所ビルなどの設備設計や室内環境を向上させました。今後も、快適な室内環境の解り易い提案にこれら室内環境解析システムを活用します。(3) 環境騒音・振動の評価技術2020年度も、工事に伴うコンクリートポンプ車や室外機などの騒音を低減する騒音解析・対策技術を技術提案に活用しました。今後も環境に配慮した工事対策、環境にやさしい技術の向上を進めます。 なお、連結子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。(不動産事業) 研究開発活動は特段行われておりません。
FY2020|3,591 文字
5【研究開発活動】(建設事業) 当社は、多様化する顧客のニーズ、生産性の向上、品質の向上、安全で環境にやさしい工事施工に対応すべく建築・土木・環境の分野において技術研究所を中心にソフト・ハードの研究開発を幅広く実施しております。 当連結会計年度における研究開発費は156百万円でありました。また、当社の研究開発体制及び主な研究開発成果は以下のとおりであります。[建築・土木共通技術](1) コンクリート構造物の調査・品質向上技術コンクリート構造物にやさしい調査技術として、構造体を傷めず、小径コア(直径20mm~25mm程度)による簡便で精度の良いコンクリート強度の調査法「ソフトコアリングⓇ」(建築用)、「ソフトコアリングC+」(土木用)を開発し、一般財団法人日本建築センターと一般財団法人土木研究センターの技術審査証明を取得しております。2019年度に、「ソフトコアリングⓇ」の審査証明を更新するとともに、建築用37物件636本、土木用115件1,838本の調査に活用されました。これまでに累計で建築用、土木用あわせて約3,400物件、5.6万本の施工実績があり、広く活用されております。その他にも2019年度に、環境配慮型コンクリート製造技術の確立及び性能証明の取得推進、CFT(コンクリート充填鋼管構造)圧入施工管理システムでは普及教育を実施、物流倉庫スラブのひび割れ防止対策の研究、生コン車搭載センサーによる品質管理技術の現場適用など、コンクリート構造物の施工品質を向上させる研究開発や技術提案、施工管理に活用しました。(2) ICTを活用した施工管理・品質向上技術への取組み工事の生産性の向上、品質の向上、安全な施工に対応すべく、2019年度は、無線LAN屋内測位システムを用いて高所作業車位置を素早く把握して施工を効率化する研究に取り組みました。また、橋梁のマスコンクリートひび割れを抑制するリアルタイムパイプクーリング制御システムを構築して施工管理を省力化しました。さらに、5G通信技術の他業種WGに参画して安全帯使用状況を検知する研究に取り組むなど、生産性の向上、品質を向上させる施工管理、安全管理の効率化を図る様々なICTを活用する研究開発に取り組んでおります。[建築関連技術](1) 柱RC梁S造混合構造物流倉庫、商業施設を対象に、鉄筋コンクリートの高剛性と鉄骨造の軽量大スパン化の特長を活かしコストダウンにつながる柱RC梁S造混合構法を開発し、2011年度に愛知県の物流倉庫に採用後、更なる工期短縮・コストダウン、施工方法の改良など技術のブラッシュアップ、及び建築技術性能証明の更新取得を重ねてきました。2019年度も、これら保有技術を活用して5件の大型物流倉庫が竣工または現在施工中で、これまでに12件の物流倉庫に適用しました。(2) 鉄骨梁横座屈補剛工法(YZ補剛工法Ⓡ)鉄骨造(S造)の物流倉庫や商業施設等で、床スラブと梁の合成効果を考慮して補剛材を削減する「YZ補剛工法Ⓡ」を2018年度に開発しました。2019年度は、一般財団法人日本建築総合試験所から建築技術性能証明を取得し、名古屋市で施工中のS造商業施設に適用しました。今後も、大規模S造建物でのコストダウン技術として活用します。(3) 基礎梁の開孔補強工法設備配管用開孔と人通孔の間隔を従来の開孔直径平均の3倍以上から2倍以上にして設備設計を簡素化する「近接開孔基礎梁工法」を2015年度に開発、また、基礎梁の開孔を梁せいの現行基準1/3以下を1/2.5以下に緩和して基礎梁掘削土量削減や既成の補強金物の使用でコストダウンする「大開孔基礎梁工法」を2017年度に開発しました。2019年度は、「大開孔基礎梁工法」について大型物流倉庫などの施工性や設計自由度を向上させるブラッシュアップ開発に着手するとともに、愛知県の設計施工の工場に適用し施工しております。今後も設備設計の自由度拡大やコストダウン技術として活用します。[土木関連技術](1) シールド直接発進到達工法「SEW工法」「SEW工法」は、シールド発進到達用立坑のシールド機通過部分に硬質ウレタン樹脂をガラス長繊維で補強した新素材(FFU部材)を組込み、シールド機を直接発進到達させることで工期短縮、コストダウンを可能にする技術であります。RC地中連続壁、柱列式連続壁、ライナープレート、ケーソンなど多様な立坑形式への対応、大断面や大深度を可能とするなど改良を加えて建設技術審査証明を更新取得してきました。2019年度は、道路や上下水道トンネルなど16件に採用されました。今後も技術提案や施工のコストダウンに活用します。(2) 「Eバッグ工法Ⓡ」「Eバッグ工法Ⓡ」は、シールドトンネル工事においてセグメントを地山に固定し推進力を地山に伝え、またテールパッキンからの裏込注入材や地下水の流入を防止して特に急曲線部分を安全に施工する技術であります。2019年度は、岡山市のシールド工事に適用し、安定したシールド掘進に活用しております。また、下水道や豪雨対策などで他社でも24件のシールド工事に採用されました。今後も、増加している急曲線施工に有効な工法として技術提案、安全・確実なシールド工事の施工に活用します。(3) 耐摩耗カッタービット技術耐摩耗カッタービットは、シールドトンネル工事の長距離施工においてビット交換が不要で工期短縮とコスト削減をする耐摩耗ビット技術であります。近年のシールド工事の立坑用地不足による長距離化や岩盤や礫層など厳しい土質条件への対応が求められており、2019年度も、2件の自社工事で活用しております。今後も、シールド工事の長距離施工において工期短縮、掘進トラブル防止に繋がる技術として活用します。(4) トンネル発破の低周波音低減技術「サイレンスチューブⓇ」山岳トンネル工事における発破掘削にともなう低周波音の低減装置「サイレンスチューブⓇ」は、開管(両端が開放された管)の共鳴現象による消音効果を利用した設置が容易な消音装置で、防音扉の二重化などコスト高となる対策が必要な特定の低周波音を大幅に低減できる技術であります。2019年度は、本技術の消音効果をケーソン工事の騒音低減へ応用して、神奈川県の橋梁下部工事の騒音対策に適用し、その低減効果を確認しました。今後も工事に伴う環境負荷を低減する技術として積極的に技術提案、工事に活用します。。(5) 山岳トンネル発破振動の影響解析技術山岳トンネル工事で多用される発破掘削は、低周波騒音や振動など周辺環境への影響が懸念されています。2019年度は、この発破振動についての影響解析技術を開発し、施工の安全や周辺環境への対策に活用しました。(6) 光ファイバーによるコンクリート充填検知システムコンクリート構造物の施工において、コンクリート打設やPC(プレストレスコンクリート)ケーブル周りを保護するグラウト注入の充填性の確保は構造物の品質向上に関わる重要な課題であり、安価なプラスチック製光ファイバー(POF:Plastic Optical Fiber)を用いたコンクリートやグラウトの充填検知システム、および、グラウト充填検知システムと連係してPCグラウト注入時の流量や、圧力、温度も含め施工管理を省力化する「PCグラウト一元管理システム」も開発しました。2019年度は、岩手県の橋梁工事におけるPCグラウト充填管理への適用に加え、この充填検知システムをシールド工事のモルタル充填にも対応させるため光ファイバー検知を長距離化するブラッシュアップ開発を実施し、愛知県のシールド工事に適用しました。今後も、これら充填検知システムや施工管理システムを橋梁や山岳トンネル、シールド工事などの品質向上、省力化に活用します。[環境関連技術](1) 室内温熱環境解析システム室内温熱環境解析技術は、事務所や体育館など大空間や、自然エネルギー利用など快適な室内住環境の提案に活用しています。これらに加え、2019年度は、物流倉庫で温湿度解析による結露やカビの発生を予測し、換気やヒータなどの対策を解析評価する研究に取り組み、常温倉庫の結露対策の提案に活用しました。今後も、快適な室内空間の提案にこれら環境解析技術を活用します。(2) 環境騒音・振動の評価技術2019年度も、工事に伴うコンクリートポンプ車やクレーンなどの騒音を低減する騒音解析・対策技術を総合評価の技術提案に活用しました。今後も環境に配慮した工事対策、環境にやさしい技術の向上を進めます。 なお、連結子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。(不動産事業) 研究開発活動は特段行われておりません。
FY2019|3,912 文字
5【研究開発活動】(建設事業) 当社は、多様化する顧客のニーズに対応すべく建築・土木・環境の分野において技術研究所を中心にソフト・ハードの研究開発活動を幅広く実施しております。 当連結会計年度における研究開発費は170百万円でありました。また、当社の研究開発体制及び主な研究開発成果は以下のとおりであります。[建築・土木共通技術](1) コンクリート構造物の調査・品質向上技術コンクリート構造物にやさしい調査技術として、構造体を傷めず、小径コア(直径20mm~25mm程度)による簡便で精度の良いコンクリート強度の調査法「ソフトコアリング」(建築用)、「ソフトコアリングC+」(土木用)を開発し、一般財団法人日本建築センターと一般財団法人土木研究センターの技術審査証明を取得しております。2018年度に、「ソフトコアリングC+」の審査証明を更新するとともに技術講習会の開催など普及活動を進め、これまでに建築、土木あわせて、約5.3万本の施工実績があり、広く活用されております。また、2018年度に、環境配慮型コンクリートの製造技術の共同開発、CFT(コンクリート充填鋼管構造)圧入施工管理システムをオフィスビル等の高品質な施工管理に活用すべくシステム改良するなど、コンクリート構造物の施工品質を向上させる研究開発や技術提案、施工管理に活用しました。[建築関連技術](1) 柱RC梁S造混合構造物流倉庫、商業施設を対象に、鉄筋コンクリートの高剛性と鉄骨造の軽量大スパン化の特長を活かしコストダウンにつながる柱RC梁S造混合構法を開発し、2011年度に愛知県の物流倉庫に採用後、更なる工期短縮・コストダウン、施工方法の改良など技術のブラッシュアップ、及び建築技術性能証明の更新取得を重ねてきました。2018年度も、5件の大型物流倉庫を施工中で、これまでに11件の物流倉庫に適用しました。(2) 合成梁横補剛材省略工法鉄骨造(S造)の物流倉庫や商業施設等で、床スラブと梁の合成効果を考慮して補剛材を削減する「合成梁横補剛材省略工法」を開発し、建築技術性能証明の取得申請を進めています。取得後は、大規模S造建物でのコストダウン技術として活用します。(3) 基礎梁の開孔補強工法設備配管用開孔と人通孔の間隔を従来の開孔直径平均の3倍以上から2倍以上にして設備設計を簡素化する「近接開孔基礎梁工法」を2015年度に開発、また、基礎梁の開孔を梁せいの現行基準1/3以下を1/2.5以下に緩和して基礎梁掘削土量削減や既成の補強金物の使用でコストダウンする「大開孔基礎梁工法」を2017年度に開発しました。2018年度は、「大開孔基礎梁工法」を設計施工のオフィスビルの設計に採用しました。今後も設備設計の自由度拡大やコストダウン技術として活用します。[土木関連技術](1) シールド直接発進到達工法「SEW工法」「SEW工法」は、シールド発進到達用立坑のシールド機通過部分に硬質ウレタン樹脂をガラス長繊維で補強した新素材(FFU部材)を組込み、シールド機を直接発進到達させることで工期短縮、コストダウンを可能にする技術であります。RC地中連続壁、柱列式連続壁、ライナープレート、ケーソンなど多様な立坑形式への対応、大断面や大深度を可能とするなど改良を加えて建設技術審査証明を更新取得してきました。2018年度は、道路や上下水道トンネルなど17件に採用されました。今後も技術提案や施工のコストダウンに活用します。(2) FFUセグメントを用いたシールド分岐合流「FAST工法」「FAST工法」は、分岐・合流部にシールド機で切削可能なFFUセグメントを配置して、既設トンネル内からの分岐直接発進や外部から合流させる工法であります。2018年度は、大口径シールド対応やFFUセグメントの坑内運搬を容易にするFFUセグメントの継手構造を開発しました。今後は、「FAST工法」を大口径シールドなど適用範囲拡大や施工性向上に活用します。(3) 「Eバッグ工法」「Eバッグ工法」は、セグメントを地山に固定し推進力を地山に伝え、またテールパッキンからの裏込注入材や地下水の流入を防止して特に急曲線部分を安全に施工する技術であります。2018年度は、岡山市のシールド工事に技術提案し採用されるなど、下水道や豪雨対策など他社利用も含め18件のシールドトンネル工事に採用されました。今後も、増加している急曲線施工に有効な工法として技術提案、安全・確実なシールド工事の施工に活用します。(4) 耐摩耗カッタービット技術耐摩耗カッタービットは、シールドトンネル工事の長距離施工においてビット交換が不要で工期短縮とコスト削減をする耐摩耗ビット技術であります。近年のシールド工事の立坑用地不足による長距離化や岩盤や礫層など厳しい土質条件への対応が求められており、2018年度も、3件の自社工事で施工中、技術提案1件で採用されました。今後も、シールド工事の長距離施工において工期短縮、掘進トラブル防止に繋がる技術として活用します。(5) トンネル発破の低周波音低減技術「サイレンスチューブ」山岳トンネル工事における発破掘削にともなう低周波音の低減装置「サイレンスチューブ」は、開管(両端が開放された管)の共鳴現象による消音効果を利用した設置が容易な消音装置で、防音扉の二重化などコスト高となる対策が必要な特定の低周波音を大幅に低減できる技術であります。2018年度には、本技術の消音効果をケーソン工事の騒音低減へ応用した消音装置を開発し、神奈川県の橋梁下部工事の騒音対策に適用を進めています。(6) 山岳トンネル工事の安全対策・省エネ制御システム「TUNNEL EYE」「TUNNEL EYE」は、トンネル現場に配置した複数の制御端末で入坑者の位置、ガス濃度、作業工程の監視等の安全管理、工事照明や換気ファン、換気伸縮ダクトの省エネ自動制御等の主要な機器を最適制御する、トンネル工事の省エネ施工・安全管理を支援する技術であります。安全面では、狭いトンネル坑内での重機と作業者の接近を警報するとともに安全管理者が状況把握する「重機災害防止支援システム」も有しております。2018年度も、長野県のトンネル工事で施工管理・安全管理に活用しました。今後も、山岳トンネル工事の安全性向上や省エネ施工へ活用します。(7) 山岳トンネル次世代吹付ロボットの開発コンクリート吹付け作業の安全性向上・効率化を目的に次世代吹付ロボットの共同開発に着手し、2018年度は、吹付け面の3次元リアルタイム計測技術の現場実験や制御技術検討などに取り組みました。(8) 光ファイバーによるコンクリート充填検知システムコンクリート構造物の施工において、コンクリート打設やPC(プレストレスコンクリート)ケーブル周りを保護するグラウト注入の充填性の確保は構造物の品質向上に関わる重要な課題であり、安価なプラスチック製光ファイバー(POF:Plastic Optical Fiber)を用いたコンクリートやグラウトの充填検知システム、更に、グラウト充填検知システムと連係してPCグラウト注入時の流量や、圧力、温度も含め施工管理を省力化する「PCグラウト一元管理システム」も開発しました。2018年度は、PCグラウト充填管理、コンクリート充填管理の技術を九州新幹線の橋梁工事2件や岩手県の橋梁工事に適用し施工中であります。今後も、これら充填検知システムや施工管理システムを橋梁やトンネル工事などの品質向上、省力化に活用します。 [環境関連技術](1) 自然由来汚染土のヒ素・フッ素の吸着技術日本列島はヒ素や鉛・フッ素などの重金属等を多く含む岩石や土壌が広く分布し、トンネル工事などで自然由来重金属汚染土の大量発生が課題となっております。その対策として2017~2018年度に従来の現地で吸着剤と土を混ぜ合わせて作る吸着層工法に比べて、安価で施工性に優れ信頼性が高く、フッ素にも対応する「重金属吸着マット」を共同開発しました。トンネル現場で搬出土砂の仮置き場に約1年間設置し、その有効性を確認しました。当面は、フッ素含有ずりやフッ素汚染土壌の仮置き時の敷設シートとして活用し、今後は、二重遮水工法に代わる安価な封じ込め工法として検証します。(2) ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)評価ツール建築物の年間の一次エネルギー消費量が正味(ネット)ゼロまたは、概ねゼロとなるZEBに関して国は、『2020年までに新築の公共建築物で、2030年までに全新築建築物の平均で、ZEBを実現する。』としており、当社も2015~2017年度に「ZEB評価ツール」を開発し、省エネ設計やZEB技術提案に取り組んでおります。2018年度も、ZEB技術を用いて庁舎建設の技術提案に活用しました。(3) その他環境への取り組み2018年度も、音環境、振動、風環境、室内温熱環境などの解析技術を用いて、庁舎、体育館、美術館などの工事騒音総合評価提案、工場の風環境の技術提案、室内温熱環境の研究など工事の環境配慮や顧客施設の住環境向上への活用、また、風洞実験による外装材の耐風設計技術の開発など、環境の保全や環境負荷低減に取り組みました。今後も環境に配慮した工事対策や施設提案、環境にやさしい技術の向上を進めます。 なお、連結子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。(不動産事業) 研究開発活動は特段行われておりません。
FY2018|3,674 文字
5【研究開発活動】(建設事業) 当社は、多様化する顧客のニーズに対応すべく建築・土木・環境の分野において技術研究所を中心にソフト・ハードの研究開発活動を幅広く実施している。 当連結会計年度における研究開発費は177百万円であった。また、当社の研究開発体制及び主な研究開発成果は以下のとおりである。[建築・土木共通技術](1) コンクリート構造物の調査・品質向上技術コンクリート構造物の調査に関する技術では、構造体を傷めず、小径コア(直径20mm~25mm程度)による簡便で精度の良いコンクリート強度の調査法「ソフトコアリング」(建築用)、「ソフトコアリングC+」(土木用)を開発し、一般財団法人日本建築センターと一般財団法人土木研究センターの技術審査証明を平成25年度に更新取得している。平成29年度も技術講習会の開催など普及活動を進め、広く活用され、これまでに建築、土木あわせて、約5.1万本の施工実績がある。コンクリート構造物の品質向上に関する技術では、平成29年度に、環境配慮型コンクリートの製造技術の開発、合成スラブのひび割れ抑制技術の研究、CFT(コンクリート充填鋼管構造)コンクリート圧入施工管理システムの開発、また、平成28年度に研究した生コン車搭載センサーで生コンの時間管理や圧送性評価等の品質管理を技術提案し実工事に採用された。[建築関連技術](1) 柱RC梁S造混合構造物流倉庫、大型ショッピングセンターを対象に、鉄筋コンクリートの高剛性と鉄骨造の軽量大スパン化の特長を活かしコストダウンする柱RC梁S造混合構法を開発し、平成23年度に愛知県の物流倉庫に採用後、更なる工期短縮・コストダウン、施工方法改良など技術のブラッシュアップ、及び建築技術性能証明の更新取得を重ねてきた。平成29年度も、2件の大型物流倉庫を施工中で、これまでに7件の物流倉庫に適用した。また、物流倉庫等のコストダウンへ対応する梁鋼材を削減する技術開発にも取り組んだ。(2) 基礎梁の開孔補強工法設備配管用開孔と人通孔の間隔を従来の開孔直径平均の3倍以上から2倍以上にして設備設計を簡素化する「近接開孔基礎梁工法」を平成27年に開発し、建築技術性能証明を取得した。これに引き続き、平成29年度には、既成の補強金物の使用や基礎梁の掘削土量削減でコストダウンする「大開孔基礎梁工法」を開発し、建築技術性能証明を取得したことにより、基礎梁の開孔を梁せいの1/3以下とする現行基準が緩和され1/2.5以下が可能となった。今後もこれら基礎梁の開孔補強技術を病院やオフィスなどの中低層建物の設備設計の自由度拡大やコストダウン技術として活用する。[土木関連技術](1) シールド直接発進到達工法「SEW工法」SEW工法は、シールド発進到達用立坑のシールド機通過部分に硬質ウレタン樹脂をガラス長繊維で補強した新素材(FFU部材)を組込み、シールド機の直接発進到達で工期短縮、コストダウンを可能にする技術である。RC地中連続壁、柱列式連続壁、ライナープレート、ケーソンなど多様な立坑形式への対応、大断面や大深度を可能とするなど改良を加えて建設技術審査証明を更新取得してきた。平成29年度には、現場継手の耐力試験等のブラッシュアップを図るとともに、道路や上下水道トンネルなど29件に採用された。今後も技術提案や施工のコストダウンに積極的に活用する。(2) 「Eバッグ工法」セグメントを地山に固定し推進力を地山に伝え、またテールパッキンからの裏込注入材や地下水の流入を防止する「Eバッグ工法」は、平成24年度に、国際ジオシンセティックス学会日本支部の「2012年度JC-IGS技術賞」を受賞した。平成29年度には、更なる普及へNETIS登録を進めるとともに、豪雨対策などのシールドトンネル工事17件に採用された。今後も、増加している急曲線施工に有効な工法として積極的に技術提案、安全なシールド工事の施工に活用する。(3) 耐摩耗カッタービット技術シールドトンネル工事の長距離施工においてビット交換が不要で工期短縮とコスト削減をする耐摩耗ビット技術である。近年のシールド工事の立坑用地不足による長距離化や岩盤や礫層など厳しい土質条件への対応が求められており、平成29年度も、3件の自社工事で採用した。今後も、シールド工事の長距離施工において工期短縮、掘進トラブル防止に繋がる技術として積極的に活用する。(4) トンネル内空変位監視システム「A-Flash計測」山岳トンネル施工の安全管理に有効な内空変位(壁の変位)を光の色でリアルタイムに可視化して現場関係者がその場で分かるNETIS登録(KT-150056-A)技術である。平成29年度には、山梨県と大分県のトンネル工事に採用し施工の安全管理に活用した。今後も、山岳トンネルの坑口や軟弱地盤など地山の監視に適用して、トンネル工事の安全管理に活用する。(5) トンネル発破の低周波音低減技術「サイレンスチューブ」山岳トンネル工事における発破掘削にともなう低周波音の低減装置「サイレンスチューブ」は、開管(両端が開放された管)の共鳴現象による消音効果を利用した設置が容易な消音装置で、防音扉の二重化などコスト高となる対策が必要な特定の低周波音を大幅に低減することができる。平成29年度には、日本騒音制御工学会の「環境デザイン賞」を受賞した。また、本技術の消音効果をケーソン工事の騒音低減へ応用する研究開発を行った。(6) 山岳トンネル工事の安全対策・省エネ制御システム「TUNNEL EYE」トンネル現場に配置した複数の制御端末で入坑者の位置、ガス濃度、作業工程の監視等の安全管理データ及び使用電力量を収集し、工事照明や換気ファン等の主要な機器を最適制御する技術として開発した。平成27年度からトンネル工事に適用し、安全管理の向上、無駄な電気を削減する省エネ効果を実証した。平成29年度には、近年普及が進む伸縮ダクトによる吸引捕集方式の集塵機・換気ダクトの全自動化システムを開発し省エネ性能を向上させた。また、安全面では、狭いトンネル坑内での重機と作業者の接近を警報するとともに安全管理者が状況を把握できる「重機災害防止支援システム」を開発した。現在、適用3例目となる大分県のトンネル工事で活用している。今後も、山岳トンネル工事の安全性向上や省エネ施工へ活用する。(7) 光ファイバーによるコンクリート充填検知システムコンクリート構造物の施工において、コンクリート打設やPC(プレストレスコンクリート)ケーブル周りのグラウト注入の充填性の確保は構造物の品質向上に関わる重要な課題であり、平成26年度に既存の充填検知センサーより安価なプラスチック製光ファイバー(POF:Plastic Optical Fiber)を用いたコンクリートやグラウトの充填検知システムを開発した。平成29年度には、PCグラウト充填検知センサーとしてこれまでに4件のPC橋梁工事に適用、コンクリート充填検知センサーとして2件のトンネル工事に適用し施工中である。また、グラウト充填検知システムと連係してPCグラウト注入時の流量や、圧力、温度も含め施工管理を省力化する「PCグラウト一元管理システム」を開発した。今後も、このセンサーや施工管理システムを橋梁やトンネル工事などの品質向上、省力化へ活用する。 [環境関連技術](1) 環境騒音・振動の評価技術工事や住環境の騒音・振動解析シミュレーション技術で、平成29年度においても、総合評価技術提案での工事騒音低減やマンション竣工後の立体駐車場機械騒音対策、重機作業の振動対策など工事に伴う騒音・振動負荷の低減、顧客の住環境向上へ活用した。(2) ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)評価ツール建築物の年間の一次エネルギー消費量が正味(ネット)ゼロまたは、概ねゼロとなるZEBに関して国は、『2020年までに新築の公共建築物で、2030年までに全新築建築物の平均で、ZEBを実現する。』としており、当社でもZEB実現へ向けて、平成27~28年度に「ZEB評価ツール」を開発し、平成29年度には、設計部門への利用教育を実施するとともに、電子工場の省エネ向上など技術提案に活用した。今後も、これらを利用して顧客施設の省エネ向上、ZEB化への技術提案に活用する。(3) その他環境への取り組み平成29年度に、トンネル工事掘削土など自然由来のヒ素・フッ素の吸着技術の開発、風洞実験による外装材の耐風設計技術の開発、また、生物多様性簡易評価ツール「いきものプラス(TM)」を用いた研究施設の植栽技術提案など環境の保全や負荷低減に取り組んだ。今後も環境に配慮した施設提案、環境にやさしい技術の向上を進めていく。 なお、連結子会社においては、研究開発活動は特段行われていない。(不動産事業) 研究開発活動は特段行われていない。
FY2017|3,461 文字
6【研究開発活動】(建設事業) 当社は、多様化する顧客のニーズに対応すべく建築・土木・環境の分野において技術研究所を中心にソフト・ハードの研究開発活動を幅広く実施している。 当連結会計年度における研究開発費は163百万円であった。また、当社の研究開発体制及び主な研究開発成果は以下のとおりである。[建築・土木共通技術](1) コンクリート構造物の調査・品質向上技術構造物の維持・保全に関する技術の社会的なニーズが高まるなか、構造体を傷めず、簡便で精度の良いコンクリート強度の調査法として直径20mm~25mm程度の小径コアによる試験方法「ソフトコアリングシステム」を開発し、現在、広く普及・活用されている。本システムには、既設建築構造物で適用する「ソフトコアリング」と、土木構造物で適用する「ソフトコアリングC+」の技術があり、一般財団法人日本建築センターと一般財団法人土木研究センターの技術審査証明を平成25年度に更新取得し、これまでに建築、土木あわせて、約4.9万本の施工実績がある。この他、平成28年度には、生コン車搭載センサーで生コンの時間管理や圧送性の評価等品質管理する技術の研究等、コンクリートの品質向上研究にも取り組んだ。[建築関連技術](1) 柱RC梁S造混合構造物流倉庫、大型ショッピングセンターの用途に用いる建物を対象に、鉄筋コンクリートの高剛性と鉄骨造の軽量大スパン化の双方の特長を活かせる柱梁混合構造の開発を完了し、平成20年11月に一般財団法人日本建築総合試験所より建築技術性能証明を取得した。平成23年度に愛知県の物流倉庫に採用した。平成24年度には梁段差や梁の偏心など適用範囲拡大、平成26年度には更なる工期短縮・コストダウンとなる接合部のプレキャスト化などの追加、平成27年度には接合部外周のふさぎ板の施工方法の改良で、それぞれ建築技術性能証明を更新取得した。同構法は、平成28年度に大型物流施設に適用し施工中である。(2) 基礎梁の開孔補強工法設備配管用開孔と人通孔の間隔を従来は開孔直径平均の3倍以上としなければならなかったものを2倍にして設備設計を簡素化できる「近接開孔基礎梁工法」を開発し、平成27年6月に一般財団法人日本建築総合試験所より建築技術性能証明を取得した。平成28年度には、基礎梁の開孔が梁せいの1/3以下とする現行基準を緩和してコストダウンを図る「大開孔基礎梁工法」を開発し、建築技術性能証明の取得を進めている。今後もこれら基礎梁の開孔補強技術を設備設計の自由度拡大やコストダウンに活用する。[土木関連技術](1) シールド直接発進到達工法「SEW工法」RC地中連続壁、柱列式連続壁、ライナープレート、ケーソン工法で構築された立坑のシールド機通過部分に硬質ウレタン樹脂をガラス長繊維で補強した新素材(FFU部材)を組込み、シールド機の直接発進到達の合理化、工期短縮、コストダウンを可能にする技術である。平成15年の「第5回国土技術開発賞」を受賞し、平成24年には大断面や大深度を可能とするなど改良を加えて、建設技術審査証明を更新取得した。平成28年度には、福岡市の地下鉄シールド工事への適用他、道路トンネルの大口径シールド立坑工事など22件に採用された。今後も技術提案や施工のコストダウンに積極的に活用する。(2) 「Eバッグ工法」セグメントを地山に固定し推進力を地山に伝え、またテールパッキンからの裏込注入材や地下水の流入を防止する「Eバッグ工法」は、平成24年度には、国際ジオシンセティックス学会日本支部の「2012年度JC-IGS技術賞」を受賞した。平成28年度には、東京のシールド工事など23件に採用された。今後も、増加している急曲線施工に有効な工法として積極的に技術提案、安全なシールド施工に活用する。(3) トンネル内空変位監視システム「A-Flash計測」山岳トンネル施工の安全管理に有効な内空変位(壁の変位)を光の色でリアルタイムに可視化して現場関係者がその場で分かるシステムで、平成27年度に、国土交通省の公共工事における新技術活用システムNETIS登録(KT-150056-A)を行った。平成28年度には、山梨県のトンネル工事に採用し施工の安全管理に活用した。今後も、山岳トンネルの坑口や軟弱地盤など地山の監視に適用して、トンネル工事の安全管理に活用する。(4) トンネル発破の低周波音低減技術「サイレンスチューブ」山岳トンネル工事における発破掘削にともなう低周波音の低減装置「サイレンスチューブ」を開発し、平成27年度に岩手県のトンネル工事で実用化した。「サイレンスチューブ」は、開管(両端が開放された管)の共鳴現象による消音効果を利用した設置が容易な消音装置で、防音扉の二重化などコスト高となる対策が必要な特定の低周波音を大幅に低減することができる。平成28年度には、四国のトンネル工事に適用し、発破に伴う低周波音低減に活用した。また、「サイレンスチューブ」が日本騒音制御工学会の環境デザイン賞に選ばれた。(5) 山岳トンネル工事の安全対策・省エネ制御システム「TUNNEL EYE」トンネル現場に配置した複数の組込型制御端末を使用し、入坑者の位置、ガス濃度、作業工程の監視等の安全管理データ及び使用電力量を収集し、その情報を遠隔地のサーバーで保存・分析することで、工事照明や換気ファン等の主要な電気機器を適した状態に自動制御できる技術を平成27年度に開発し、四国のトンネル工事に適用した。これによって、安全管理の向上に加え、使用電力量を可視化することで、無駄な電気使用を把握・削減し、省エネルギー化につなげることができる。平成28年度には、前年から適用した工事での同システムの省エネや見える化による安全管理の効果を確認するとともに、国土交通省の公共工事における新技術活用システムNETIS登録(KT-160070-A)を行った。現在、2例目となる長野県でのトンネル工事への適用やシステムの機能追加など改良を進めており、今後も、山岳トンネル工事の安全性向上や省エネ施工へ活用する。(6) 光ファイバーによる安価なコンクリート充填検知システムコンクリート構造物の施工において、コンクリート打設やPCケーブル周りのグラウト注入時の充填性の確保は構造物の品質向上に関わる重要な課題であり、各種の充填検知センサーによる管理が行われてきたが、既存の技術はセンサー価格や測定器などコスト面に課題があった。そこで、安価なプラスチック製光ファイバー(POF:Plastic Optical Fiber)を用いたセンシング技術をコンクリートやグラウトの充填検知に応用し、センサーを多数配置することで品質向上が図れる充填検知システムを開発した。平成26年度には、プレストレスコンクリート(PC)橋梁工事でのPCグラウト充填検知センサーを開発し、平成28年度には、沖縄県のPC橋梁工事に適用した。また、コンクリート構造物に適用する光ファイバーを用いた充填検知センサーを開発し、山岳トンネルの覆工コンクリートの充填検知センサーとして適用を進めている。今後も、この安価なセンサーで橋梁・トンネル工事などの品質向上へ活用する。[環境関連技術](1) 環境騒音・振動の評価技術周辺環境への負荷低減対策について、発生源、伝搬経路、受信側の対策を実測結果から検証した解析シミュレーションで評価する技術で、平成28年度においても、総合評価技術提案や建設工事での騒音振動の低減に活用した。(2) ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)評価ツールの開発建築物の年間の一次エネルギー消費量が正味(ネット)ゼロまたは、概ねゼロとなるZEBに関して国は、『2020年までに新築の公共建築物で、2030年までに全新築建築物の平均で、ZEBを実現する。』としており、当社でもZEB実現へ向けて、平成27年度には、必要な要素技術のデータベース化及びその評価ツールを共同開発した。平成28年度には、同ツールを試行するとともに設計者からの要望による省エネ技術や機器性能データの拡充など評価ツールのブラッシュアップ開発を行った。今後は、これらを利用して顧客への省エネ技術提案に活用する。 なお、連結子会社においては、研究開発活動は特段行われていない。(不動産事業) 研究開発活動は特段行われていない。
FY2016|3,139 文字
6【研究開発活動】(建設事業) 当社は、多様化する顧客のニーズに対応すべく建築・土木・環境の分野において技術研究所を中心にソフト・ハードの研究開発活動を幅広く実施している。 当連結会計年度における研究開発費は183百万円であった。また、当社の研究開発体制及び主な研究開発成果は以下のとおりである。[建築・土木共通技術](1) 構造物のコンクリート強度・品質調査技術構造物の維持・保全に関する技術の社会的なニーズが高まるなか、構造体を傷めず、簡便で精度の良いコンクリート強度の調査法として直径20mm~25mm程度の小径コアによる試験方法「ソフトコアリングシステム」を開発し、現在、広く普及・活用されている。本システムには、既設建築構造物で適用する「ソフトコアリング」と、土木構造物で適用する「ソフトコアリングC+」の技術があり、一般財団法人日本建築センターと一般財団法人土木研究センターの技術審査証明を平成25年度に更新取得し、これまでに建築、土木あわせて、約4.5万本の施工実績がある。[建築関連技術](1) 柱RC梁S造混合構造物流倉庫、大型ショッピングセンターの用途に用いる建物を対象に、鉄筋コンクリートの高剛性と鉄骨造の軽量大スパン化の双方の特長を活かせる柱梁混合構造の開発を完了し、平成20年11月に一般財団法人日本建築総合試験所より建築技術性能証明を取得した。平成23年度に愛知県の物流倉庫に採用した。平成24年度には梁段差や梁の偏心など適用範囲拡大、平成26年度には更なる工期短縮・コストダウンとなる接合部のプレキャスト化などの追加、平成27年度には接合部外周のふさぎ板の施工方法の改良で、それぞれ建築技術性能証明を更新取得した。また、同構法を大型物流施設へ適用し、現在施工中である。(2) 近接開孔基礎梁工法設備配管用開孔、及び人通孔を多数設ける必要がある基礎梁について、その開孔中心間隔は、従来は双方の開孔直径平均の3倍以上としなければならなかった。これを2倍としても開孔周囲に大きな損傷を起こさない工法を実験的に実証し、平成27年6月に一般財団法人日本建築総合試験所より建築技術性能証明を取得した。これにより、設備設計の簡素化、自由度の増大が期待できる。[土木関連技術](1) シールド直接発進到達工法「SEW工法」RC地中連続壁、柱列式連続壁、ライナープレート、ケーソン工法で構築された立坑のシールド機通過部分に硬質ウレタン樹脂をガラス長繊維で補強した新素材(FFU部材)を組込み、シールド機の直接発進到達の合理化、工期短縮、コストダウンを可能にする技術である。平成15年の「第5回国土技術開発賞」を受賞し、平成24年には大断面や大深度を可能とするなど改良を加え、建設技術審査証明を更新取得した。平成27年度には、地下鉄トンネルの大口径シールド立坑工事など15件に採用された。今後も技術提案や施工のコストダウンに積極的に活用する。(2) 「Eバッグ工法」セグメントを地山に固定し推進力を地山に伝え、またテールパッキンからの裏込注入材や地下水の流入を防止する「Eバッグ工法」は、平成24年度には、国際ジオシンセティックス学会日本支部の「2012年度JC-IGS技術賞」を受賞した。平成27年度には、東京のシールド工事など18件に採用された。今後も、増加している急曲線施工に有効な工法として積極的に技術提案、安全なシールド施工に活用する。(3) 耐摩耗カッタービット技術シールドトンネル工事の長距離施工においてビット交換が不要で工期とコストを削減する耐摩耗ビット技術で、平成27年度には、広島の岩盤層を含む長距離シールド工事に採用した。今後も、長距離かつ工期短縮に対応するシールド技術として積極的に活用する。(4) トンネル内空変位監視システム「A-Flash計測」山岳トンネル施工の安全管理に有効な内空変位(壁の変位)を光の色でリアルタイムに可視化して現場関係者がその場で分かるシステムを開発し、平成26年度には、岩手県のトンネル工事で試験適用して有効性を確認した。また、平成27年度には、国土交通省の公共工事における新技術活用システムNETIS登録(KT-150056-A)を行った。今後も、山岳トンネルの坑口や軟弱地盤など地山の監視に適用して、トンネル工事の安全管理に活用する。(5) トンネル発破の低周波音低減技術「サイレンスチューブ」山岳トンネル工事における発破掘削にともなう低周波音の低減装置「サイレンスチューブ」を開発し、平成27年度に岩手県のトンネル工事で実用化した。サイレンスチューブは、開管(両端が開放された管)の共鳴現象による消音効果を利用した設置が容易な消音装置で、防音扉の二重化などコスト高となる対策が必要な特定の低周波音を大幅に低減することができる。(6) 橋梁PCグラウト充填検知センサー技術プレストレスコンクリート(PC)橋梁工事でのPCケーブルの周りに充填するグラウトの充填性は橋梁の品質向上に関わる重要な課題であり、光ファイバーを用いた安価な充填検知センサーを平成26年度に実用化し、平成27年度に九州の2橋梁工事で本格適用した。今後も、安価な充填検知センサーを多数配置してPC橋梁の品質向上へ活用する。(7) 山岳トンネル工事の安全対策・省エネ制御システム「TUNNEL EYE」トンネル現場に配置した複数の組込型制御端末を使用し、入坑者の位置、ガス濃度、作業工程の監視等の安全管理データ及び使用電力量を収集し、その情報を遠隔地のサーバーで保存・分析することで、工事照明や換気ファン等の主要な電気機器を適した状態に自動制御できる技術を平成27年度に開発し、四国のトンネル工事に適用した。これによって、安全管理の向上に加え、使用電力量を可視化することで、無駄な電気使用を把握・削減し、省エネルギー化につなげることができる。[環境関連技術](1) 環境騒音・振動の評価技術周辺環境への負荷低減対策について、発生源、伝搬経路、受信側の対策を実測結果から検証した解析シミュレーションで評価する技術で、平成27年度においても、建設工事中における教育施設等の騒音振動を低減する周辺環境への影響を配慮した技術提案や施工に活用した。(2) 室内温熱環境評価技術快適な室内空間とするための評価技術である温熱環境シミュレーションを建築設計でのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデル)データを用いて、シミュレーションに迅速に連動させ、平成27年度には、教育施設等で技術提案に活用した。(3) ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)評価ツールの開発建築物の年間の一次エネルギー消費量が正味(ネット)ゼロまたは、概ねゼロとなるZEBに関して、国は『2020年までに新築の公共建築物で、2030年までに全新築建築物の平均で、ZEBを実現する。』としており、当社でもZEB実現へ向けて、平成27年度には、必要な要素技術のデータベース化及びその評価ツールを共同開発した。今後はこれらを利用して顧客への省エネ技術提案に活用する。(4) 生物多様性簡易評価ツール「いきものプラス(TM)」建築物の設計に活用できる建築環境総合評価システム「CASBEE」に準じた生物多様性の取り組みを評価する簡易ツール「いきものプラス(TM)」を共同開発し、平成27年度には適用地域を拡大した。今後も都市の環境保全を図る環境提案ツールとして活用する。 なお、連結子会社においては、研究開発活動は特段行われていない。(不動産事業) 研究開発活動は特段行われていない。