1723

日本電技(1723)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

建設業 建設・資材

事業の概要

  • 空調計装事業
    オフィスビルや工場などの空調自動制御システムの設計、施工、保守、機器販売で収益を得ています。
  • 産業システム事業
    工場や搬送ライン向けの自動制御システム工事、生産管理システムの販売・保守、機器販売が収益源です。
  • 建設業許可
    国土交通大臣の許可を受け、特定・一般建設業者として事業を展開しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • ビルディングオートメーション事業
    売上高393.67億円、営業利益135.4億円と、グループの主要な稼ぎ頭です。
  • ファクトリー・プロセスオートメーション事業
    売上高36.94億円、営業利益4.28億円で、工場や搬送ライン向けの自動制御を手掛けます。
  • 事業内容の区分
    空調計装関連と産業システム関連の2つの事業区分で構成されています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
BuildingAutomation 事業 394 135 34.4%
FactoryAutomationProcessAutomation 事業 37 4 11.6%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|767 文字
3【事業の内容】当社グループは、当社、連結子会社1社、非連結子会社3社で構成され、当社は建設業法により、特定及び一般建設業者として国土交通大臣許可を受け、ビルディングオートメーション及びファクトリーオートメーション等自動制御システムの設計・施工等及び自動制御機器類の販売並びにこれらに関連する事業を行っております。 当社グループの事業は、空調計装関連事業と産業システム関連事業とに区分され、その内容は次のとおりであります。なお、次の事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。(空調計装関連事業)空調計装関連事業は、オフィスビル、工場、病院、研究所、学校、商業施設等の非居住用建築物に対する空調計装分野を対象とした事業で、「空調計装工事」としてその建築物の新設、増設又は改修に伴う空調自動制御システムの設計、施工並びに施工後の保守、点検等を行うほか、「制御機器類販売」として自動制御盤、センサー、サーモスタット等、空調を自動制御するための機器類を販売しております。なお、空調計装関連事業は、新設建築物を対象とする新設部門と、既設建築物の維持、補修、更新を対象とする既設部門とに区分して事業展開をしております。 (産業システム関連事業)産業システム関連事業は、主に工場、各種搬送ライン向けの計装工事や各種自動制御工事を手掛け、中でも食品工場の生産、搬送ライン向けには、各種FA機械の据付、保守及び連結子会社であるジュピターアドバンスシステムズ株式会社を通じた生産管理システムの販売、保守等を事業展開しております。そのほか「制御機器類販売」として調節計、流量計、工業用バルブ等の制御機器類を販売しております。事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
建設資材価格の高騰を請負金額に反映させることが困難な場合があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
空調計装分野や産業システム分野における自動制御システムの設計・施工、メンテナンス技術。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:建設工事の安全衛生・品質管理 / メンテナンスの品質管理 / 特定の仕入先への依存度が高いこと
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

特許やブランド力は限定的。建設業という性質上、技術力やノウハウは存在するが、それが直接的な無形資産として収益に結びつく度合いは低い。独自の技術やブランドによる価格決定力は小さい。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

顧客はインフラ整備や建築物建設において、実績と信頼性を重視する。一度取引が始まると、仕様変更や再度の業者選定の手間、コストを考慮すると、乗り換えには一定のハードルがある。特に公共事業などでは、入札実績が重要となる。

ネットワーク効果★☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

建設業において、特定のプラットフォームやサービスを通じたネットワーク効果は限定的。取引先との関係性は重要だが、それが直接的な競争優位性となるネットワーク効果とは異なる。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

規模の経済によるコスト削減効果はある程度期待できるが、建設資材の価格変動や人件費の高騰など、外部要因の影響を受けやすい。独自のコスト優位性を築くのは難しい。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

売上高の増加に伴い、調達力や施工能力の向上が期待できる。大規模プロジェクトの受注能力は、中小規模の競合他社に対する優位性となりうる。しかし、建設業全体が成熟産業であるため、爆発的な規模拡大は限定的。

  • 長年の実績
    創業以来、アズビル株式会社との特約店契約に基づく安定した仕入れ関係を維持しています。
  • 技術力と経験
    非居住用建築物の空調計装や工場向け自動制御システムにおいて、設計から施工、保守まで一貫した技術力があります。
  • 幅広い顧客基盤
    オフィスビル、工場、病院、商業施設など多岐にわたる非居住用建築物を対象に事業を展開しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針当社グループは、「高い目標に挑戦する」「お客様に満足を提供する」「広く社会に貢献する」を経営理念とし、1959年の創業以来、オフィスビル、工場、病院、研究所、学校、商業施設等の空調自動制御の設計から施工、メンテナンスに至るまで、一貫したサービスを提供する「空調計装エンジニアリング会社」のパイオニアとして、当分野において確固たる技術力、そして顧客基盤を築いてまいりました。また空調計装で培った技術をファクトリーオートメーションの分野にも展開し、一社単独であらゆる計装分野への対応が可能な他社にない特徴を持つ「総合計装エンジニアリング企業」として、お客様の様々なニーズにお応えしてまいりました。さらに2020年2月にはグループ会社ジュピターアドバンスシステムズ株式会社を設立し、食品工場の生産管理システム分野に進出するなど、事業領域の拡大を進めております。当社グループは、長い歴史で培ってきた計装の総合力を以って、省エネ化、省力化、快適化された社会の実現に貢献し、ステークホルダーの皆様と共に栄え、成長することを目指し、株主や投資家の皆様のご期待に応えてまいる所存でございます。(2) 経営戦略等当社グループは、長期的な経営指針として経営ビジョン「New Design For The Next 「計装」の総合力で、未来を拓く」を制定しております。当経営ビジョンの骨子は「『New Design(新しい構想、新しい企画、新しい設計)』でお客様にバリュー(価値)を提供し(for the Customer)、企業として成長し(for the Success)、永続的な企業を目指す(for the Future)」というものであります。具体的には、以下の3つのパートに分解されます。①New Design for the Customer・「計装」の総合力でお客様のニーズを拓く②New Design for the Success・「計装」の総合力で事業を拓く③New Design for the Future・「計装」の総合力で新たな領域を拓くそしてその結果として、「The Next(よりよい社会の到来、よりよい企業グループの構築)」を目指そうというものです。さらに、当社グループは2021年4月を起点とする中期経営計画を策定するとともに、10年後の当社グループのありたい姿を定めた長期経営指針「ND For The Next 2030 「計装」の総合力で未来を拓く」を策定し、当社のミッションとして「確かな計装力で、想いをカタチに」を掲げ、取り組みを開始しております。この長期経営指針は、当社がこれまでに取り組んできた技術と資産をベースに、3つの成長戦略課題として「既存事業の強化」「拡大戦略の実行」「ND企業文化の成長」を掲げ、「総合計装エンジニアリングを追求し、社会、顧客、社員の期待に応える企業」として成長を目指すものです。この中で2022年3月期から2024年3月期までの中期経営計画期間は、その第1フェーズとして「成長基盤の構築」期と位置づけ、事業基盤を強化し、高い収益性を確保できうる事業体制の構築等に取り組んでまいりました。また2025年3月期から2028年3月期までの中期経営計画期間は、第2フェーズとして「成長基盤の拡大と生産性の向上」期と位置づけております。その具体的な内容については、「(5)事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載のとおりであります。(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、中長期的な企業価値向上と長期経営指針実現のため、「総合計装エンジニアリング企業」として、空調計装関連事業、産業システム関連事業においてバランスのとれた成長と資本効率性への取り組みが重要であると認識しております。連結ROE(自己資本利益率)を全社の目標経営指標と定め、CAPMベースの株主資本コスト6%程度に対し、推定する投資家の期待収益率8~9%程度と認識しており、これを上回る12.5%を目標としております。なお、事業における2026年3月期の業績目標は、売上高43,500百万円、営業利益9,200百万円、当期純利益6,450百万円、連結ROE15.5%としております。(4) 経営環境2026年3月期において想定される経営環境につきましては、空調計装関連事業においては、資材価格や外注費の高騰は懸念されるものの、引き続き首都圏を中心とした再開発案件や工場など、新設を中心とした大規模案件が完成及び出件される見通しとなっております。既設工事においては、ビルの環境負荷低減のための省エネニーズなど事業領域拡大も期待できるため、基本的には旺盛な受注環境が見込まれます。一方で繰越高が高い水準で推移しており、2024年度より建設業の残業上限規制が適用になる中、施工余力を勘案した受注活動を続けなければならない状況となっております。また、米国の関税政策による金融市場の混乱が実体経済に影響を及ぼす場合、受注環境が悪化するリスクも否定できません。 産業システム関連事業においては、売上高・営業利益ともに増加傾向となることを想定しておりますが、空調計装関連事業の新設工事市場の引き合いが想定以上に強く、全社の施工余力が逼迫する可能性を考慮し、施工要員の一部を空調計装関連事業の支援に充てる必要性があるため、受注高の伸びが想定より鈍化する可能性があるものと認識しております。 また、残業上限規制への対応、少子高齢化に伴う人手不足の問題、DX推進、資本コストや株価を意識した経営、非財務的価値の追求等についても、継続的に取り組まなければならない課題と認識しております。(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題こうした経営環境に鑑み、当社グループは、事業別戦略としては、事業基盤である空調計装関連事業においては、特に新設工事において「中長期的な全社最適」をキーワードに、短期的ではなく数年先まで見据えた中長期的な経営資源の有効活用並びに各エリアでの戦略をさらに明確にして事業の強化に取り組んでまいります。既設工事においては、新設工事部門との連携を強化し、継続して収益を確保できるよう事業基盤の更なる強化を目指すと同時に、サステナビリティの流れを受けた環境ソリューションビジネスの推進を図ってまいります。また、第2フェーズより当社グループの事業強化に向けて関係会社及び協力会社との体制強化を図り、将来に向けて当社とより強固なパートナーシップを築けるように取り組んでまいります。さらに、重点施策の一つとしてDXの推進を計画しており、各種データ活用やAIによる制御性評価など生産性向上やお客様へ向けた新たな価値創出を目指してまいります。産業システム関連事業においては、プラントエンジニアリング会社向けの営業力を高め、システム・工事一括受注の推進により事業基盤の強化を行いつつ、エンドユーザー向けに生産管理システムと制御システムのデータ連携等によるスマート工場領域の確立・拡大を目指してまいります。また、当社のエンジニアリング部門やグループ会社のジュピターアドバンスシステムズ株式会社と連携して食品工場を中心として各種生産設備の生産性・品質向上を目指したソリューション技術開発を行ってまいります。さらに、業務面では設計・積算業務の集約化により業務効率向上を目指してまいります。こうした戦略を通じて、空調計装関連事業に次ぐ事業として収益基盤の強化・確立を図ってまいります。総じて、当社グループの対処すべき課題を事業別にまとめますと、次のとおりとなります。①空調計装関連事業(既存事業強化戦略)・施工余力を勘案した受注と安定収益確保の両立・中長期的な視点での全社最適及び既設工事に繋がる物件の受注(新設工事)・新規メンテナンスの増進及び環境ソリューションビジネスの推進(既設工事)・将来へ向けた関係会社・協力会社との体制強化・DX推進による生産性向上と新たな価値創出②産業システム関連事業(事業領域拡大戦略)・システム・工事一括受注の推進・生産管理システムと制御システムのデータ連携等によるスマート工場領域の確立・拡大・設計・積算業務の集約化による業務効率向上③経営全般(企業文化成長戦略)・人的資本経営・ウェルビーイング経営の推進・資本コストや株価を意識した経営・DXへの投資、M&Aなどの成長投資の推進・サステナビリティ経営の推進・ガバナンスの徹底・広報・ブランディングへの取り組みこれらの事業別戦略をもとに、成長基盤の拡大と生産性の向上を図りつつ、2024年度より適用となった残業上限規制にも対処していく所存です。具体的には、人員については「2030年度単体1,100名体制」を目標とした新卒・中途人材の大幅な採用強化を図り、人材教育については、2024年度に新設した「電技アカデミー」で本社一括・通年の集合技術研修を行い、人材の早期育成と資格取得を図ります。また人材活用の面でも、新人事制度の導入や社員の健康施策・エンゲージメント向上施策を通じ、活力ある組織づくりを実現すべく、ウェルビーイング経営を引き続き推進してまいります。さらに資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応として、次のとおり取り組みを開始しております。①資本コスト 当社は、連結ROE(自己資本利益率)を全社の目標経営指標、ROICを事業別の目標経営指標として設定しております。 イ.ROE(自己資本利益率)を全社の目標経営指標として設定   CAPMベースの株主資本コスト6%程度に対し、推定する投資家の期待収益率を8~9%程度と認識してお   り、これを上回る12.5%を連結ROE目標とする ロ.ROICを事業別の目標経営指標として設定   ・事業別のWACCとROICを定期的にモニタリング   ・ROICに基づく経営管理の浸透(事業別の経営資源分配、投資の可否判断等)を図る②株価 当社は、持続的な企業価値向上と市場での適正な評価を経営課題として認識しており、成長戦略の実践や資本収益性の向上などにより株価やPBR向上を目指しております。 イ.実施した施策   ・資本コストの把握とROE目標の設定(上記)   ・株主還元の強化    累進配当DOE目標4%から5%に見直し   ・インセンティブ型の報酬改定    役員報酬の改定:業績報酬指標にROEを追加、株式報酬比率を全体の5%から10%に引き上げ    従業員報酬の改定:管理職に対する中長期インセンティブとして株式給付信託(J-ESOP)を導入 ロ.今後の方向性   ・事業成長を通じた収益性向上   ・サステナビリティへの一層の取り組み   ・開示、IRの充実(資本コスト低減)   等について中期経営計画(2024~2027年度)の中で取り組んでまいります。③開示について 上記①、②の取り組みにつきましては、決算説明会等で公表しております。 なお、決算説明会の動画ならびに資料(英訳版を含む)については、当社ウェブサイト-投資家の皆様へ-IR資料室-決算説明会資料(URL:https://www.nihondengi.co.jp/ir/data/presentation.html)に掲載しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針当社グループは、「高い目標に挑戦する」「お客様に満足を提供する」「広く社会に貢献する」を経営理念とし、1959年の創業以来、オフィスビル、工場、病院、研究所、学校、商業施設等の空調自動制御の設計から施工、メンテナンスに至るまで、一貫したサービスを提供する「空調計装エンジニアリング会社」のパイオニアとして、当分野において確固たる技術力、そして顧客基盤を築いてまいりました。また空調計装で培った技術をファクトリーオートメーションの分野にも展開し、一社単独であらゆる計装分野への対応が可能な他社にない特徴を持つ「総合計装エンジニアリング企業」として、お客様の様々なニーズにお応えしてまいりました。さらに2020年2月にはグループ会社ジュピターアドバンスシステムズ株式会社を設立し、食品工場の生産管理システム分野に進出するなど、事業領域の拡大を進めております。当社グループは、長い歴史で培ってきた計装の総合力を以って、省エネ化、省力化、快適化された社会の実現に貢献し、ステークホルダーの皆様と共に栄え、成長することを目指し、株主や投資家の皆様のご期待に応えてまいる所存でございます。(2) 経営戦略等当社グループは、長期的な経営指針として経営ビジョン「New Design For The Next 「計装」の総合力で、未来を拓く」を制定しております。当経営ビジョンの骨子は「『New Design(新しい構想、新しい企画、新しい設計)』でお客様にバリュー(価値)を提供し(for the Customer)、企業として成長し(for the Success)、永続的な企業を目指す(for the Future)」というものであります。具体的には、以下の3つのパートに分解されます。①New Design for the Customer・「計装」の総合力でお客様のニーズを拓く②New Design for the Success・「計装」の総合力で事業を拓く③New Design for the Future・「計装」の総合力で新たな領域を拓くそしてその結果として、「The Next(よりよい社会の到来、よりよい企業グループの構築)」を目指そうというものです。さらに、当社グループは2021年4月を起点とする中期経営計画を策定するとともに、10年後の当社グループのありたい姿を定めた長期経営指針「ND For The Next 2030 「計装」の総合力で未来を拓く」を策定し、当社のミッションとして「確かな計装力で、想いをカタチに」を掲げ、取り組みを開始しております。この長期経営指針は、当社がこれまでに取り組んできた技術と資産をベースに、3つの成長戦略課題として「既存事業の強化」「拡大戦略の実行」「ND企業文化の成長」を掲げ、「総合計装エンジニアリングを追求し、社会、顧客、社員の期待に応える企業」として成長を目指すものです。この中で2022年3月期から2024年3月期までの中期経営計画期間は、その第1フェーズとして「成長基盤の構築」期と位置づけ、事業基盤を強化し、高い収益性を確保できうる事業体制の構築等に取り組んでまいりました。また2025年3月期から2028年3月期までの中期経営計画期間は、第2フェーズとして「成長基盤の拡大と生産性の向上」期と位置づけております。その具体的な内容については、「(5)事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載のとおりであります。(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、中長期的な企業価値向上と長期経営指針実現のため、「総合計装エンジニアリング企業」として、空調計装関連事業、産業システム関連事業においてバランスのとれた成長と資本効率性への取り組みが重要であると認識しております。連結ROE(自己資本利益率)を全社の目標経営指標と定め、CAPMベースの株主資本コスト6%程度に対し、推定する投資家の期待収益率8~9%程度と認識しており、これを上回る12.5%を目標としております。なお、事業における2026年3月期の業績目標は、売上高43,500百万円、営業利益9,200百万円、当期純利益6,450百万円、連結ROE15.5%としております。(4) 経営環境2026年3月期において想定される経営環境につきましては、空調計装関連事業においては、資材価格や外注費の高騰は懸念されるものの、引き続き首都圏を中心とした再開発案件や工場など、新設を中心とした大規模案件が完成及び出件される見通しとなっております。既設工事においては、ビルの環境負荷低減のための省エネニーズなど事業領域拡大も期待できるため、基本的には旺盛な受注環境が見込まれます。一方で繰越高が高い水準で推移しており、2024年度より建設業の残業上限規制が適用になる中、施工余力を勘案した受注活動を続けなければならない状況となっております。また、米国の関税政策による金融市場の混乱が実体経済に影響を及ぼす場合、受注環境が悪化するリスクも否定できません。 産業システム関連事業においては、売上高・営業利益ともに増加傾向となることを想定しておりますが、空調計装関連事業の新設工事市場の引き合いが想定以上に強く、全社の施工余力が逼迫する可能性を考慮し、施工要員の一部を空調計装関連事業の支援に充てる必要性があるため、受注高の伸びが想定より鈍化する可能性があるものと認識しております。 また、残業上限規制への対応、少子高齢化に伴う人手不足の問題、DX推進、資本コストや株価を意識した経営、非財務的価値の追求等についても、継続的に取り組まなければならない課題と認識しております。(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題こうした経営環境に鑑み、当社グループは、事業別戦略としては、事業基盤である空調計装関連事業においては、特に新設工事において「中長期的な全社最適」をキーワードに、短期的ではなく数年先まで見据えた中長期的な経営資源の有効活用並びに各エリアでの戦略をさらに明確にして事業の強化に取り組んでまいります。既設工事においては、新設工事部門との連携を強化し、継続して収益を確保できるよう事業基盤の更なる強化を目指すと同時に、サステナビリティの流れを受けた環境ソリューションビジネスの推進を図ってまいります。また、第2フェーズより当社グループの事業強化に向けて関係会社及び協力会社との体制強化を図り、将来に向けて当社とより強固なパートナーシップを築けるように取り組んでまいります。さらに、重点施策の一つとしてDXの推進を計画しており、各種データ活用やAIによる制御性評価など生産性向上やお客様へ向けた新たな価値創出を目指してまいります。産業システム関連事業においては、プラントエンジニアリング会社向けの営業力を高め、システム・工事一括受注の推進により事業基盤の強化を行いつつ、エンドユーザー向けに生産管理システムと制御システムのデータ連携等によるスマート工場領域の確立・拡大を目指してまいります。また、当社のエンジニアリング部門やグループ会社のジュピターアドバンスシステムズ株式会社と連携して食品工場を中心として各種生産設備の生産性・品質向上を目指したソリューション技術開発を行ってまいります。さらに、業務面では設計・積算業務の集約化により業務効率向上を目指してまいります。こうした戦略を通じて、空調計装関連事業に次ぐ事業として収益基盤の強化・確立を図ってまいります。総じて、当社グループの対処すべき課題を事業別にまとめますと、次のとおりとなります。①空調計装関連事業(既存事業強化戦略)・施工余力を勘案した受注と安定収益確保の両立・中長期的な視点での全社最適及び既設工事に繋がる物件の受注(新設工事)・新規メンテナンスの増進及び環境ソリューションビジネスの推進(既設工事)・将来へ向けた関係会社・協力会社との体制強化・DX推進による生産性向上と新たな価値創出②産業システム関連事業(事業領域拡大戦略)・システム・工事一括受注の推進・生産管理システムと制御システムのデータ連携等によるスマート工場領域の確立・拡大・設計・積算業務の集約化による業務効率向上③経営全般(企業文化成長戦略)・人的資本経営・ウェルビーイング経営の推進・資本コストや株価を意識した経営・DXへの投資、M&Aなどの成長投資の推進・サステナビリティ経営の推進・ガバナンスの徹底・広報・ブランディングへの取り組みこれらの事業別戦略をもとに、成長基盤の拡大と生産性の向上を図りつつ、2024年度より適用となった残業上限規制にも対処していく所存です。具体的には、人員については「2030年度単体1,100名体制」を目標とした新卒・中途人材の大幅な採用強化を図り、人材教育については、2024年度に新設した「電技アカデミー」で本社一括・通年の集合技術研修を行い、人材の早期育成と資格取得を図ります。また人材活用の面でも、新人事制度の導入や社員の健康施策・エンゲージメント向上施策を通じ、活力ある組織づくりを実現すべく、ウェルビーイング経営を引き続き推進してまいります。さらに資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応として、次のとおり取り組みを開始しております。①資本コスト 当社は、連結ROE(自己資本利益率)を全社の目標経営指標、ROICを事業別の目標経営指標として設定しております。 イ.ROE(自己資本利益率)を全社の目標経営指標として設定   CAPMベースの株主資本コスト6%程度に対し、推定する投資家の期待収益率を8~9%程度と認識してお   り、これを上回る12.5%を連結ROE目標とする ロ.ROICを事業別の目標経営指標として設定   ・事業別のWACCとROICを定期的にモニタリング   ・ROICに基づく経営管理の浸透(事業別の経営資源分配、投資の可否判断等)を図る②株価 当社は、持続的な企業価値向上と市場での適正な評価を経営課題として認識しており、成長戦略の実践や資本収益性の向上などにより株価やPBR向上を目指しております。 イ.実施した施策   ・資本コストの把握とROE目標の設定(上記)   ・株主還元の強化    累進配当DOE目標4%から5%に見直し   ・インセンティブ型の報酬改定    役員報酬の改定:業績報酬指標にROEを追加、株式報酬比率を全体の5%から10%に引き上げ    従業員報酬の改定:管理職に対する中長期インセンティブとして株式給付信託(J-ESOP)を導入 ロ.今後の方向性   ・事業成長を通じた収益性向上   ・サステナビリティへの一層の取り組み   ・開示、IRの充実(資本コスト低減)   等について中期経営計画(2024~2027年度)の中で取り組んでまいります。③開示について 上記①、②の取り組みにつきましては、決算説明会等で公表しております。 なお、決算説明会の動画ならびに資料(英訳版を含む)については、当社ウェブサイト-投資家の皆様へ-IR資料室-決算説明会資料(URL:https://www.nihondengi.co.jp/ir/data/presentation.html)に掲載しております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、物価上昇や米国の政策動向の影響など不透明な状況が続いているものの、雇用・所得環境が改善するなか、各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調で推移しました。建設業界におきましては、公共投資は関連予算の執行もあり底堅い推移が続き、民間設備投資は、堅調な企業収益等を背景に持ち直しの動きがみられました。このような状況の下、当連結会計年度における当社グループ業績は、受注高は43,777百万円(前年同期比6.6%増)となりました。売上高につきましては、空調計装関連事業における工場関連や首都圏再開発の大型新設物件の計上を主因に、43,061百万円(同10.7%増)となりました。利益面につきましては、空調計装関連事業の売上高増加と選別受注の効果による収益性向上等により、営業利益は9,120百万円(同46.0%増)、経常利益は9,307百万円(同47.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,414百万円(同37.3%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。〔空調計装関連事業〕空調計装関連事業につきましては、受注高は38,883百万円(前年同期比4.3%増)、売上高は39,367百万円(同12.9%増)、セグメント利益は13,540百万円(同40.2%増)となりました。受注高につきましては、新設において、工場及び医療施設向け物件等の新設工事が減少したものの、既設においては、研究施設及び工場向け物件等の既設工事が増加しました。内訳は、新設が14,003百万円(同10.7%減)、既設が24,880百万円(同15.2%増)でした。売上高につきましては、新設において、工場及び教育施設向け物件等の新設工事が増加し、既設においては、研究施設及び工場向け物件等の既設工事が増加しました。内訳は、新設が16,606百万円(同23.3%増)、既設が22,761百万円(同6.4%増)でした。次期繰越工事高は、新設は減少し、既設は増加したものの、22,887百万円(同2.1%減)となりました。〔産業システム関連事業〕主に工場や各種搬送ライン向けの計装工事、各種自動制御工事及び食品工場向けの生産管理システムの構築等を行う産業システム関連事業につきましては、受注高は4,893百万円(前年同期比28.9%増)、売上高は3,694百万円(同8.3%減)、セグメント利益は428百万円(同67.0%増)となりました。受注高につきましては、電気工事及び生産設備附帯工事等が増加しました。売上高につきましては、電気工事及び産業用ロボット関連工事等が減少しました。次期繰越工事高は、電気工事等が増加し、2,967百万円(同67.8%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,215百万円増加し10,746百万円(前期比26.0%増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は8,135百万円(同90.4%増)となりました。これは、主に法人税等の支払額1,889百万円に対して、税金等調整前当期純利益の計上9,139百万円があったことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は4,280百万円(同102.1%増)となりました。これは、主に投資有価証券の償還による収入1,500百万円に対して、投資有価証券の取得による支出3,463百万円及び有価証券の取得による支出2,547百万円があったことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は1,640百万円(同22.3%減)となりました。これは、主に配当金の支払額1,529百万円によるものであります。 ③生産、受注及び販売の状況イ.受注実績区分前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前連結会計年度比(%)空調計装関連事業(百万円)37,27638,883(4.3%増)産業システム関連事業(百万円)3,7954,893(28.9%増)合計(百万円)41,07143,777(6.6%増) ロ.売上実績区分前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前連結会計年度比(%)空調計装関連事業(百万円)34,86439,367(12.9%増)産業システム関連事業(百万円)4,0293,694(8.3%減)合計(百万円)38,89443,061(10.7%増)(注)1.当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。2.最近2連結会計年度の売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は次のとおりであります。(前連結会計年度)該当する相手先はありません。(当連結会計年度)該当する相手先はありません。 なお、参考のため提出会社個別の事業の実績は次のとおりであります。 当社が営んでおります空調計装関連事業及び産業システム関連事業では、生産実績を定義することが困難であります。また、請負形態をとっているため販売実績という定義は実態に即しておりません。よって、「受注工事高及び完成工事高等の状況」として次に記載しております。 受注工事高及び完成工事高等の状況イ.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高期別セグメントの名称前期繰越工事高(百万円)当期受注工事高(百万円)計(百万円)当期完成工事高(百万円)次期繰越工事高(百万円)前事業年度(自2023年4月1日至2024年3月31日)空調計装関連事業20,95936,89757,85634,48523,370産業システム関連事業1,9383,1365,0753,3681,706合計22,89840,03362,93237,85425,077当事業年度(自2024年4月1日至2025年3月31日)空調計装関連事業23,37038,45061,82138,93322,887産業システム関連事業1,7064,0915,7982,9122,885合計25,07742,54167,61941,84625,773(注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事高にその増減高が含まれております。したがって、当期完成工事高にも同様の増減高が含まれております。2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致しております。3.当期受注高及び当期売上高としては、上記当期受注工事高及び当期完成工事高のほかに、制御機器類の販売に係る当期受注高及び当期売上高が以下のとおりであります。(前事業年度)空調計装関連事業379百万円、産業システム関連事業293百万円(当事業年度)空調計装関連事業433百万円、産業システム関連事業457百万円ロ.受注の方法当社の工事の受注方法は、そのほとんどが特命によっております。ハ.販売実績(a)完成工事高期別セグメントの名称官公庁(百万円)民間(百万円)合計(百万円)前事業年度(自2023年4月1日至2024年3月31日)空調計装関連事業8,01526,47034,485産業システム関連事業733,2953,368合計8,08929,76537,854当事業年度(自2024年4月1日至2025年3月31日)空調計装関連事業9,62829,30538,933産業システム関連事業942,8182,912合計9,72232,12341,846 (注)1.完成工事高のうち、請負金額が1億円以上の主なものは次のとおりであります。(前事業年度)三建設備工業㈱・虎ノ門ステーションタワー(1・2丁目再開発A-1街区) 計装工事ダイダン㈱・プライムアースEVエナジー㈱新居第2工場新築工事 自動制御工事新菱冷熱工業㈱・みなとみらい21地区53街区開発(WEST棟) 自動制御工事高砂熱学工業㈱・虎ノ門・麻布台地区再開発(B-2街区西・東) 自動制御工事第一工業㈱・田辺市新庁舎新築に伴う機械設備工事 自動制御工事(当事業年度)高砂熱学工業㈱・東京理科大学葛飾キャンパス新校舎整備計画 計装工事オーク設備工業㈱・うめきた2期南街区西棟オフィス(6F~28F) 自動制御工事㈱テクノ菱和・日本ガイシ㈱熱田新研究開発棟(CR工事) 自動制御工事ダイダン㈱・プライムアースEVエナジー㈱新居第3工場新築工事 自動制御工事㈱中電工・美作市新庁舎整備工事 自動制御工事 2.最近2事業年度の完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。(前事業年度)該当する相手先はありません。(当事業年度)該当する相手先はありません。 (b)商品売上高期別セグメントの名称金額(百万円)前事業年度(自2023年4月1日至2024年3月31日)空調計装関連事業379産業システム関連事業293合計672当事業年度(自2024年4月1日至2025年3月31日)空調計装関連事業433産業システム関連事業457合計890 ニ.繰越工事高(2025年3月31日現在)セグメントの名称官公庁(百万円)民間(百万円)合計(百万円)空調計装関連事業5,84617,04022,887産業システム関連事業532,8322,885合計5,90019,87225,773(注)繰越工事高のうち、請負金額が1億円以上の主なものは次のとおりであります。東洋熱工業㈱・名城大学天白キャンパス全学共用棟新築他工事 自動制御設備工事2025年11月完成予定新菱冷熱工業㈱・㈱コーセー 南アルプス工場 新築工事 自動制御工事2026年2月完成予定㈱大気社・㈱出雲村田製作所 N2棟他建設設備工事 計装工事2026年3月完成予定ダイダン㈱・名古屋第4地方合同庁舎(PFI) 自動制御工事2026年3月完成予定高砂熱学工業㈱・信越化学工業㈱ 伊勢崎工場S棟(1期) 自動制御工事2026年3月完成予定 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容イ.受注高当連結会計年度の受注高は、前連結会計年度に比べ2,705百万円増加し、43,777百万円となりました。空調計装関連事業における新設工事の受注高は、工場及び医療施設向け物件等が減少したことにより1,718百万円減少しました。既設工事の受注高は、研究施設及び工場向け物件等が増加したことにより3,271百万円増加しました。産業システム関連事業における産業計装工事等の受注高は、電気工事及び生産設備附帯工事等が増加したことにより951百万円増加しました。また、当社グループは受注高を重要な経営指標の一つとしておりますが、当連結会計年度の達成状況は以下のとおりであります。報告セグメント区分2024年度計画(百万円)2024年度実績(百万円)計画比(百万円)空調計装関連事業空調計装工事新設工事14,10013,813△286(2.0%減)既設工事20,70024,6363,936(19.0%増)計34,80038,4503,650(10.5%増)制御機器類販売300433133(44.4%増)計35,10038,8833,783(10.8%増)産業システム関連事業産業計装工事等4,1004,419319(7.8%増)制御機器類販売300474174(58.2%増)計4,4004,893493(11.2%増)合計39,50043,7774,277(10.8%増)空調計装関連事業の新設工事においては、「中長期的な視点での全社最適および既設工事に繋がる物件の受注」を対処すべき課題として掲げておりましたが、実績は計画値を下回ったものの、各地の大型案件に対応した施工体制を構築したこと等により、将来的に既設工事に繋がる物件を相当数確保できたものと認識しております。既設工事においては、「新規メンテナンスの増進および環境ソリューションビジネスの推進」を対処すべき課題として掲げておりましたが、実績は計画値を上回っており新規メンテナンスの増進および環境ソリューションビジネスの推進に着実に取り組んだ結果であると認識しております。産業システム関連事業においては、「既存事業の営業力強化および新たな事業領域の確立」等を対処すべき課題として取り組んでおりましたが、既存事業の営業力強化の成果により電気工事等の受注増に繋がり、実績は計画値を上回る結果となりました。なお、空調計装関連事業における新設工事の次期繰越工事高は、13,088百万円となり、既設工事の次期繰越工事高は、9,798百万円となりました。産業システム関連事業における産業計装工事等の次期繰越工事高は、2,967百万円となりました。ロ.売上高当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ4,167百万円増加し、43,061百万円となりました。空調計装関連事業における新設工事の完成工事高は、工場及び教育施設向け物件等が増加したことにより3,098百万円増加しました。既設工事の完成工事高は、研究施設及び工場向け物件等が増加したことにより1,350百万円増加しました。産業システム関連事業における完成工事高は、電気工事及び産業用ロボット関連工事等が減少したことにより482百万円減少しました。なお、計画比較に関しましては計画値41,500百万円に対し1,561百万円増加しました。 ハ.売上総利益当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ4,119百万円増加し、18,656百万円となりました。売上総利益率については、主に新設工事における工事採算の改善により全体で5.9ポイント上昇し43.3%となりました。ニ.販売費及び一般管理費当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、主に従業員給料手当及び広告宣伝費の増加により前連結会計年度に比べ1,247百万円増加し、9,536百万円となりました。ホ.営業利益当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ2,871百万円増加し、9,120百万円となりました。売上高営業利益率については、5.1ポイント上昇し21.2%となりました。セグメント別では空調計装関連事業においては、6.7ポイント上昇し34.4%、産業システム関連事業においては、5.2ポイント上昇し11.6%となりました。なお、計画比較に関しましては計画値6,200百万円に対し2,920百万円増加しました。ヘ.営業外収益及び営業外費用、特別利益及び特別損失営業外収益及び営業外費用は、主に保険解約損の減少により前連結会計年度の76百万円の収益(純額)に対し、187百万円の収益(純額)となりました。特別利益及び特別損失は、投資有価証券評価損の増加により前連結会計年度の13百万円の損失(純額)に対し、167百万円の損失(純額)となりました。ト.税金等調整前当期純利益当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ2,828百万円増加し、9,139百万円となりました。チ.法人税等法人税等は、税金等調整前当期純利益の増加に伴う課税所得の増加等により、前連結会計年度に比べ1,086百万円増加し、2,725百万円となりました。税効果会計適用後の法人税等の負担率は、法人税額の特別控除の減少により、前連結会計年度の26.0%から29.8%に上昇しました。リ.親会社株主に帰属する当期純利益当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ1,741百万円増加し、6,414百万円となりました。これにより1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の292.91円から402.83円になりました。なお、計画比較に関しましては計画値4,300百万円に対し2,114百万円増加しました。(注)2025年1月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり当期純利益を算定しております。ヌ.自己資本当期純利益率(ROE)当社グループは、自己資本当期純利益率(ROE)を重要な指標として位置づけております。当連結会計年度の自己資本当期純利益率(ROE)は、前連結会計年度に比べ3.0ポイント上昇し17.3%となりました。今後も、引き続き資本効率の向上及び株主資本の有効利用等の施策を検討し、12.5%以上の達成の継続に取り組んでまいります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報イ.キャッシュ・フロー「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。ロ.資金調達当社グループは、転リース取引等個別の条件によるもの以外については、内部資金により資金調達しております。ハ.資金需要当社グループの資金需要のうち主なものは運転資金であります。その主たる内容は各種工事のための原材料購入及び外注工事費の支払、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、営業費用の主なものは人件費であります。また、その他の資金需要として、成長投資や株主還元があります。運転資金については、営業活動より得られるキャッシュ・フローを基本とした流動性資金(預金及び取得日から3か月以内に償還期限が到来する短期投資)にて十分に補完できているものと考えております。また、急激な環境変化にも備え流動性を維持するための流動性補完資金については、流通市場が形成されている公社債等の中期投資で確保しております。成長投資については、原則的に流動性資金を充当しており、研究開発や近年のデジタル化促進による設備投資及び採用・研修等の人的投資を行っております。また、成長投資の一環として業務上関係を有する企業の株式や社債等の金融商品に投資することで、投資先企業との円滑かつ良好な関係維持、取引及び事業領域拡大を図っております。株主還元については、業績に多大な影響を及ぼす事象が無い限り、DOE(連結株主資本配当率)5%を基準に累進的な配当を基本とするとともに、機動的な自己株式取得を実施してまいります。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に当たりまして、期末時点の資産・負債及び期中の収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや仮定が必要とされます。当社グループは、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の計上についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループは、次の重要な会計方針の適用における見積りや仮定は連結財務諸表に重要な影響を与えると考えております。 イ.収益の認識収益の認識に用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。ロ.完成工事補償引当金当社グループは完成工事に係る瑕疵担保、アフターサービス等の費用の支出に備え、完成工事補償引当金を計上しております。完成工事補償引当金の計上にあたっては、過去の補修費支出の実績を基準にした金額及び特定の物件については補償工事費用の個別見積額を計上しております。そのため、実際の結果が、見積りの前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合において、完成工事補償引当金が増減し業績に影響を及ぼす可能性があります。ハ.投資の減損当社グループは、特定のお客様や金融機関等の取引先に対する株式を所有しております。これら株式には価格変動性が高い上場株式と、株価の決定が困難である非上場株式が含まれております。上場株式については、期末時点で市場価格が取得価額に対して著しく下落している場合、非上場株式及び関係会社株式については、投資先の純資産価額の当社グループ持分が当社の帳簿価額に対して著しく下落している場合につき、将来の回復の可能性を検討し、評価損を計上することとしております。ニ.固定資産の減損当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準(企業会計審議会 平成14年8月9日)」及び企業会計基準適用指針第6号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針(企業会計基準委員会 平成15年10月31日)」を適用しております。経済環境の著しい悪化等により営業収益が大幅に低下する場合等には、減損損失が発生する可能性があります。ホ.繰延税金資産当社グループは、連結財務諸表と税務上の資産・負債との間に生じる一時的な差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して、繰延税金資産・負債を計上しております。繰延税金資産の計上にあたっては、将来の課税所得と実現可能なタックス・プランニングを考慮して一時差異の解消に係るスケジューリングを行い、回収可能と判断される繰延税金資産を計上しております。回収可能性の判断には、実績情報とともに将来に関するあらゆる入手可能な情報が考慮されており、合理的なものと考えております。

事業リスク

  • 特定の仕入先依存
    アズビル株式会社への仕入れ依存度が高く、滞ると業績に大きな影響が出る可能性があります。
  • 工事の品質問題
    建設工事やメンテナンス作業での事故や品質問題が発生すると、多額の費用や顧客からの評価低下につながります。
  • 人材確保の課題
    技術者や協力会社の確保・育成が困難な場合、受注機会の減少など業績に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,237 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。当社グループは、リスク管理の基本方針及び管理体制を「リスク管理規程」において定め、その基本方針及び管理体制に基づき、代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会で、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止を図っております。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 建設工事の安全衛生・品質管理について当社グループは、主にオフィスビル、商業ビル等の建築現場で計装工事の設計、監理及び施工を行っておりますが、事業の特性から人的、物的事故や労働災害、竣工後のクレームに伴う多額の補修費の負担請求が発生する可能性があり、また、これに伴う相応の損害賠償義務を負う可能性があります。この場合、直接的には多額のコストが発生し、間接的には当社に対するお客様の品質評価に重大な影響を与えることとなります。これに対応するため、施工作業に関しましては「施工業務標準」等に則って行うよう工事管理部(2025年4月1日付で品質管理部に組織変更)が指導を徹底しており、また安全パトロールを実施する等工事の安全衛生や品質の管理の充実を図るとともに賠償責任保険に加入する等、万全を期しております。 (2) メンテナンスの品質管理について当社グループは、主に既設市場において空調設備等のメンテナンスを行っており、作業現場は工場、病院、ショッピングセンター、研究所等多岐に亘ることで、作業現場に応じた広範な保守・点検技術を必要としますが、サービスの瑕疵等により不測の事故等が発生した場合は多額の補修費の負担請求が発生し、またこれ以外にも相応の損害賠償義務を負う可能性があります。この場合、直接的には多額のコストが発生し、間接的には当社に対するお客様の品質評価に重大な影響を与えることとなります。これに対応するため、メンテナンス作業に関しましては「メンテナンス業務標準」に則って行うよう工事管理部(2025年4月1日付で品質管理部に組織変更)が指導を徹底しており、また賠償責任保険に加入する等十分に配慮しております。 (3) 特定の仕入先への依存度が高いことについて当社は、アズビル㈱と空調自動制御機器等の仕入れに関する特約店契約を結んでおります。この契約に基づく取引は、当社創業時(1959年)以来、長年に亘り継続して行われてまいりましたことから高い依存度となっており、この仕入れが滞る事態となった場合は、当社業績に多大な影響を及ぼすこととなります。アズビル㈱に対する仕入高が当社総仕入高に占める割合は次のとおりであります。項目前事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)アズビル㈱4,57562.74,78861.4総仕入高7,299100.07,801100.0 これに対応するため、今後もアズビル㈱と安定的な営業取引を含めて良好な関係維持に努めるとともに、事業領域拡大により事業全体での影響度の軽減を図っております。 (4) 不採算工事等の発生工事等の各種プロジェクトは、内容の打ち合わせ及び見積りに基づき取り交わした請負契約に従って作業し、完了後にお客様による検査等を受けて引渡しが完了しますが、途中での設計変更や手直しによる予測が困難な追加原価等が生じた場合、不採算工事等が発生する可能性があり、これにより業績に影響を及ぼす可能性があります。これに対応するため、「施工業務標準」等に則って関連部門による着手前の採算検討を実施するとともに、工程管理表に基づいて計画の精度を検証することで、不採算工事等の発生を未然に防ぐように努めております。 (5) 建設資材価格の変動リスク当社グループが取り扱う電設資材等の価格が素材の相場の変動等により高騰し、それを請負金額に反映させることが困難な場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループにおいては、各種資材の特性に応じて在庫管理や代替品を含めた調達力の強化を図っており、リスクの軽減に努めております。 (6) 取引先に関するリスク当社グループのお客様の信用状況に悪化が生じた場合、売上債権の貸倒れが生じることとなり、業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。これに対応するため、「売上債権管理規程」に従い、取引先別の与信枠を設定する等与信管理・債権管理を徹底するとともに、可能な限り請負代金を先行して受領する等回収遅延が発生しないように対処しております。 (7) 業績の季節的変動について当社グループの売上高は、通常の営業の形態として、工事の完成引渡しが第4四半期連結会計期間に集中し、これに伴う稼働率が高まるため、第1四半期連結会計期間から第3四半期連結会計期間における売上高及び利益に比べ、第4四半期連結会計期間に売上高及び利益が偏重する季節的変動があります。 (8) 技術者や協力会社の確保及び育成について当社グループでは、主にエンジニアリング等の技術を実践的に適用できる技術者や協力会社の確保及び育成が極めて重要でありますが、必要とする人材の確保及び育成ができなかった場合、受注機会の減少等当社グループの業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。そのため、新卒・中途人材の大幅な採用強化を図るとともに教育制度を見直し、新入社員の早期育成と資格取得を目的に設立した「電技アカデミー」で本社一括・通年の集合技術研修を2024年度より開始しております。また、現場における業務の実務能力育成を目的として、協力会社社員の受入出向を実施する等高い技術を持った技術者や協力会社の確保及び育成に努めております。 (9) 自然災害等について当社グループが事業を展開する地域において、地震等の大規模自然災害の発生に伴い、工事等の各種プロジェクトの中断・大幅な遅延等の事態が生じた場合や事業所において営業の継続に支障をきたす重大な損害が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループにおいては、災害等発生時に危機管理チームまたは対策本部を設置し迅速に対応する体制をとるほかに「災害対策マニュアル」の整備、安否確認システムの導入、定期的な訓練などの対策を実施しております。また、当社グループでは、気候変動が当社グループの企業価値や業績に及ぼすリスクの重要性を認識しております。詳細については、「2サステナビリティに関する考え方及び取組(3)重要なサステナビリティ項目に関する取組①気候変動に対する取組」に記載しております。 (10) 情報セキュリティについて当社グループは、情報システムに様々なセキュリティ対策を講じていますが、外部からのサイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルスの侵入等により、情報システム等に障害が生じた場合や、企業情報及び個人情報等が社外に流失した場合は、事業活動の停滞や社会的信用の低下等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、年々多様化、巧妙化するサイバーセキュリティ上の脅威への対策として、情報システム部門が中心となり、情報セキュリティレベル向上の取り組みを進めております。サイバーセキュリティの脅威に対する技術的な対策に加え、定期的な教育・訓練を通じ、従業員の情報セキュリティに対する意識レベルの向上に努めております。

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