研究開発費(時系列)
年度 R&D費用(億円) 設備投資(億円)
2025-03
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35
2024-03
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10
2023-03
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2
2022-03
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6
2021-03
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研究開発活動(本文)
FY2025
FY2024
FY2023
FY2022
FY2021
FY2020
FY2019
FY2018
FY2017
FY2016
FY2025|3,072 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、土木・建築・環境分野を柱に、更なる品質の安定と十分な顧客満足を確保するべく積極的に技術・研究開発活動を推進し、その成果の展開に取り組んでいます。当連結会計年度における研究開発への投資総額は約45億円です。 セグメントごとの内訳は、土木事業約13億円、建築事業約30億円及びその他社外からの受託研究約70百万円であり、主な研究成果等は次のとおりです。 (1) 土木事業① 山岳トンネルICTにより山岳トンネル工事の生産性を大幅に高める取組として「山岳トンネル統合型掘削管理システム(i-NATM®)」の開発を推進しています。当連結会計年度には、山岳トンネルにおけるズリ出しの生産性向上を目指して、機械掘削工法において自動掘削・遠隔掘削を実現する「積込み機能付きAI-ロードヘッダ」、連続ベルトコンベヤ工法において延伸時の蛇行を抑制する「新型テールピース台車」及び建設機械の離隔が変化することを補う「遠隔操作移動式コンベヤ」を開発し、その有効性を確認しました。また、「吹付けコンクリートの自動施工技術」を開発し、施工中の現場に適用することで山岳トンネル工事における吹付けコンクリートの施工が無人化可能であることを確認しました。今後も自動化・無人化技術の開発を推進し、山岳トンネル工事の安全性、生産性向上を目指して取り組んでいきます。② 建機の自動運転建設現場での施工は、複数種の建設機械を使用する必要があります。これまでの振動ローラとブルドーザの自動運転システムの開発に加え、施工中のシールド工事現場において自動運転ショベルの実用性を検証して機能面、安全面、運用面で実用化の目途がつきました。2024年6月に国土交通省から安全ルールVer.1.0が公表され、同時に当社を含む4件の工事が試行現場に指定されました。今後はシールド工事以外の工種にも適用を進めていきます。③ 生産性向上地質評価AIとCIMを実装したデジタルツイン・アプリケーション「GeOrchestra®(ジオケストラ)」を開発しました。削孔に応じて排出されるスライムからAIが地質を解析評価し、解析評価した削孔位置の地質区分を現場全体のCIMモデル内に3次元データとして反映することにより、地中の不可視地質構造を関係者間で共有することが可能になります。国土交通省近畿地方整備局発注の「高原トンネル上部斜面対策工事」において適用し、孔曲がりのリスク回避及び現場判断の効率化を確認しました。また、関係者間の精度の高いコミュニケーションを醸成できました。今後も現場の生産性向上技術の開発を進めます。 (2) 建築事業① BIM(設計技術)BIM環境の整備・活用促進は喫緊の課題であり、BIM環境の基盤整備やその運用体制の構築を進めています。その一環として、設計者とBIMオペレータ間でブラウザを通じたBIMの設計指示や効率的なビジュアルチェックを可能にするシステムを開発しました。これにより、設計者はBIMの煩雑な操作を習得しなくても、ブラウザ上でBIMの3Dビジュアルチェックが可能になり、さらにBIMオペレータへの指示も行うことができます。また、BIMオペレータも設計者からの指示事項の確認と、BIMモデルへの反映を効率的に実施できます。本システムは、設計者がBIMによるコミュニケーションを円滑に進めていくための中長期的なBIMシステム環境整備計画の一部となります。② 生産性向上AIによる配筋検査システム「CONSAIT(コンサイト)」を共同で開発しました。本システムは、AI搭載の3眼カメラで配筋を立体検知し、撮影した画像から、鉄筋径、本数、ピッチを計測し、鉄筋の配置を登録した設計データと自動照合し、その結果を帳票フォーマットに自動的に反映します。施工中の建築現場に本システムを適用した結果、従来手法で管理した場合に比べ、現場管理業の時間を約60%短縮することができました。今後、RC造の建築現場を中心に本システムの適用を拡大し、さらなる生産性向上を目指していきます。 ③ 安全性向上高所作業車の安全設備として距離センサを用いた「挟まれ警報装置」を開発しました。本装置は、高所作業者の作業かご周囲にある手すりに取り付けることで、手すり上部にある物体を距離センサが検知し、作業員に障害物の接近を知らせるものです。従来から接触式センサや赤外線センサを用いた警報装置がありましたが、これらのセンサで検知できない障害物があることや、警報装置自体が作業の支障になるなどの課題がありました。本装置では、計測精度に優れたLiDARをセンサに使用することで、これらの課題を解消しました。また、高所作業車のメーカーや機種を問わず幅広く使用することが可能です。全国の現場へ展開することで、建設現場の安全性と作業性の向上を目指していきます。 (3) グループ事業当連結会計年度は、研究開発活動は特段行われていません。 (4) その他当社が保有する高度技術並びに研究所施設を活用し、社外からの受託研究業務を行っています。① カーボンニュートラル国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構による、グリーンイノベーション基金事業である「CO2を高度利用したCARBON POOLコンクリートの開発と舗装及び構造物への実装(以下、「本プロジェクト」という。)」をCPコンクリートコンソーシアム(CPCC)の幹事会社として実施しています。本プロジェクトにより、主要建設資材であるコンクリートをカーボンネガティブ材料に転換させることを目指しています。これらの取組により、お客さまと当社の双方のサプライチェーン排出量の脱炭素化に貢献するとともに、当社のSBTとRE100の目標達成に繋げます。CPコンクリート用の材料を製造する国内初の専用工場「CPセンター栗東」を開設し、これまで産業廃棄物とされてきた戻りコンクリートやスラッジケーキ等の材料を粒状化骨材として再資源化することができる製造設備、ミキサー及び分級設備を設置しました。また、「いぶきグリーンエナジーバイオマス発電所」の排ガスを資源として再利用し、排ガスに含まれるCO2を吸収・固定させたプレキャストコンクリート床版ブロックの製造試験を実施しました。本試験で製造した床版ブロックは、CPCCが協賛する日本国際博覧会(大阪・関西万博)未来社会ショーケース事業「フューチャーライフ万博・未来の都市」のパビリオン内の通路の一部区間に設置し、今後の実装を見据えた各種耐久性能の測定を行います。② エネルギーマネジメント離れた敷地にある複数の遠隔建物(事業所)全体のエネルギーを統合・最適化することで、新たな広域的省CO2化を図る次世代エネルギープロジェクトを行っています。その一環として、遠隔地の太陽光発電設備からグリーン電力を自己託送するシステム(太陽光自己託送システム)を開発しました。そして、静岡県牧之原市に建設した営農にも適した太陽光発電所に本システムを適用し、2024年4月から当社静岡支店ビルへ電力供給を開始しました。今後は再エネ自己託送で得られたデータを基に、運用課題の検証やシステム制御の精度改善を行っていきます。次期も引き続き、土木・建築・環境・エネルギー・宇宙といった多岐にわたる分野の技術開発成果を関連学会や全国の展示会を通じて積極的に社外へアピールするとともに、顧客満足度の向上に貢献します。
FY2024|2,719 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、土木・建築・環境分野を柱に、更なる品質の安定と十分な顧客満足を確保するべく積極的に技術・研究開発活動を推進し、その成果の展開に取り組んでいます。当連結会計年度における研究開発への投資総額は約33億円です。 セグメントごとの内訳は、土木事業約11億円、建築事業約21億円及びその他社外からの受託研究約95百万円であり、主な研究成果等は次のとおりです。 (1) 土木事業① 山岳トンネルICTにより山岳トンネル工事の生産性を大幅に高める取組として「山岳トンネル統合型掘削管理システム(i-NATM®)」の開発を推進しています。当連結会計年度には、トンネル現場の重機機械・プラントの稼働状況を把握し、作業工種を判別することで省エネルギー化と施工効率改善の支援を行う施工管理システム「Hi-Res」を開発しました。複数の山岳トンネル現場への展開を行い、当社実績にて最大68%削減、平均61%削減の省電力効果を確認しました。今後もHi-Resを通じ山岳トンネル工事の環境負荷低減と職員・作業員の業務省力化・効率化を促進していきます。② 建機の自動運転建設現場での施工は、複数種の建設機械を使用する必要があり、これまで振動ローラとブルドーザの自動運転システムを開発してきました。当連結会計年度には、施工中のシールド工事現場において、自動運転ショベルでダンプトラックに土砂積込みを行い、実用性を検証しました。本検証により、機能面と安全面に加え、運用面でも現場における自動運転ショベルの実用化について一定の目途がつきました。今後、自動運転の適用工種の拡大と現場展開に向けた取組を加速させていきます。③ IoT/AI(生産性の向上)AIカメラによる画像・文字認識技術を用いて、コンクリートの練混ぜ開始、受入れの各時刻、及び納入数量を人の手を介さずに自動で取得し、コンクリートの運搬時間、打設時間及び打設数量を管理できるコンクリート打設監視システムを開発しました。本技術は、データとデジタル技術を活用したインフラ分野のDXにおける優れた取組として、国土交通省中部地方整備局から第3回中部DX大賞を受賞しました。今後も現場の生産性向上技術の開発を進めます。 (2) 建築事業① 免震建物南海トラフ地震などの巨大地震では、安全とされる免震構造であっても、応答が過大となり、上部構造の擁壁衝突や免震装置の損傷が懸念されます。2017年4月以降、国土交通省では免震建物の設計において巨大地震を考慮するように指導しています。そこで、免震建物の過大変位に対しブレーキをかけて高い安全性を実現するフェイルセーフ制動装置を開発しました。本装置は、低降伏点鋼の高い塑性変形能力を利用することで、初めて具現化された革新的な装置であり、想定した性能が実現できていることを性能実証実験にて確認しました。今後は新築および既設の免震建築物に本装置の幅広い適用を図り、免震建築物の巨大地震に対する安心、安全の向上に取り組んでいきます。② 建築物LCA新設した東北支店ビルにおいて、これまで確立してきた建築物のLCA(ライフサイクルアセスメント)手法をさらに発展させ、評価範囲を拡張させることにより、エコリーフ環境ラベルとCFP(カーボンフットプリント)環境ラベルを同時に取得しました。建築建屋だけでなく設備や運用も含めて公的なルールでLCAを実施し、さらにはエコリーフ環境ラベルを建築物で取得するのは国内初となります。今後もより一層、お客様の脱炭素化及び環境配慮の取組をサポートしていきます。 ③ 生産性及び安全性向上建築工事における物流倉庫の間仕切り壁などに使用する重量長尺資材(角パイプ)建て起こし装置を開発しました。従来作業は、肉体的負担が大きいだけではなく、高所作業車の転倒や角パイプの脱落・落下の危険を伴います。この「建て起こし装置」では、固縛装置に固縛した角パイプは、高所作業車を上昇させることで建て起こされる仕組みとなっているため、装置の導入によって作業時間の短縮、作業員の削減による生産性向上と危険作業の低減による安全性の向上を図ることができます。今後も装置・治具の改良を重ね、作業効率及び安全性の更なる向上を目指して取り組んでいきます。 (3) グループ事業当連結会計年度は、研究開発活動は特段行われていません。 (4) その他当社が保有する高度技術並びに研究所施設を活用し、社外からの受託研究業務を行っています。① カーボンニュートラル国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構による、グリーンイノベーション基金事業である「CO2を高度利用したカーボンプールコンクリートの開発と舗装及び構造物への実装(以下、「本プロジェクト」という。)」を幹事会社として実施しています。本プロジェクトにより、主要建設資材であるコンクリートをカーボンネガティブ材料に転換させることを目指しています。これらの取組により、お客さまと当社の双方のサプライチェーン排出量の脱炭素化に貢献するとともに、当社のSBTとRE100の目標達成に繋げます。また、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)における未来社会ショーケース事業「フューチャーライフ万博・未来の都市」に協賛しました。「フューチャーライフ万博・未来の都市」では、Society 5.0 をコンセプトに、都市を構成し支えるテーマ領域ごとに、様々なイノベーションの展示をし、実際に来場者に体感・体験いただき、その一環として、脱炭素社会の基盤を構成する新しい素材であるCPコンクリートについても直接触れていただく機会としたいと考えています。② エネルギーマネジメント離れた敷地にある複数の遠隔建物(事業所)全体のエネルギーを統合・最適化することで、新たな広域的省CO2化を図る次世代エネルギープロジェクトを行っています。当連結会計年度には、CO2フリー水素の活用に向けた第2フェーズ(以下、「本プロジェクト」という。)に着手しました。本プロジェクトは、国土交通省の「令和5年度第1回サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」に採択されています。第2フェーズではCO2フリー水素の製造と活用という確実な一歩を社会に示すことで、来るべき水素社会における分散型エネルギーシステムの在り方を先導することを目指します。次期も引き続き、土木・建築・環境・エネルギーといった多岐にわたる分野の技術開発成果を関連学会や全国の展示会を通じて積極的に社外へアピールするとともに、顧客満足度の向上に貢献します。
FY2023|2,622 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、土木・建築・環境分野を柱に、さらなる品質の安定と十分な顧客満足を確保するべく積極的に技術・研究開発活動を推進し、その成果の展開に取り組んでいます。当連結会計年度における研究開発への投資総額は約31億円です。 セグメントごとの内訳は、土木事業約11億円、建築事業約17億円及びその他社外からの受託研究約2億円であり、主な研究成果等は次のとおりです。 (1) 土木事業① 山岳トンネルICTにより山岳トンネル工事の生産性を大幅に高める取組として「山岳トンネル統合型掘削管理システム(i-NATM®)」の開発を推進しています。当連結会計年度には、全自動ジャンボと発破パターン作成プログラムの連携手法を確立して自動化し、約40%の余掘り量低減と省力化を実現しました。また、i-NATMを適用した六条院トンネル工事での取組は、令和3年度土木学会賞において、「国内初となる山岳トンネルにおける遠隔技術を活用したICT施工」として、技術賞Ⅰグループを受賞しました。② 建機の自動運転建設現場での施工は、複数種類の建設機械を使用します。これまでに開発した振動ローラとブルドーザの自動運転システムに加え、当連結会計年度には、複数の自動運転油圧ショベルを同時稼働・管理するシステムを開発し、実証実験を実施しました。今後も建機の自動運転の高度化と実用化を進めます。③ 高速道路RN工事橋梁周囲に交差道路や架空線が存在している等、移動式クレーンを用いた施工が困難な条件下においても適用できる移動式天井クレーン、並びに床版に任意の傾斜を発生させることができる床版吊装置を実用化しました。今後も効率的かつ独創的な高速道路床版取替工事技術の開発を進めます。 (2) 建築事業① BIM(設計技術/施工連携)国土交通省が2025年度にBIM成熟度Level2達成を打ち出す等、BIM環境の整備・活用促進は喫緊の課題であり、BIM環境の基盤整備やその運用体制の構築を進めています。各種設計(意匠、躯体構造、設備等)プロセスに適したBIM環境の開発・整備、並びに、設計・施工・維持管理のワークフロー作成や課題抽出等を行いました。さらに、これらと並行して、実案件での部分的なBIM試行を実施しました。今後もBIM環境整備・展開を強く進めます。② ZEB社会的なZEBニーズの高まりに対応していくため、ZEB設計ノウハウの確立及びツールの開発・整備・展開を進めています。当連結会計年度では、既存建物のZEB改修を視野に入れ、コミッショニング(建築設備の“本来の性能”を実現するためのプロセス)のノウハウ構築・展開に注力しました。顧客建物でのデータ取得や様々な試験の他、顧客とのやりとりを通じて、ZEB化の費用対効果を定量的に評価し、その改善策提案のノウハウ獲得やマニュアル整備・標準化を行いました。また、当社が設計施工に携わり、ZEB Ready認証を取得した「新電元工業株式会社 朝霞事業所」がグッドデザイン賞等の外部表彰を多数授賞する等、当社の環境配慮への取組が高く評価されています。これらの成果を今後のZEB案件に積極的に活用していきます。③ IoT/ロボット(生産性の向上)これまで多大な労力を要していた作業の自動化による生産性の向上を強く進めており、床面コンクリートの自立走行式ひび割れ検査ロボットや垂直運搬装置等を実用化し、数多くの実現場への展開を図っています。これらの技術は当社も参画している「建設RXコンソーシアム」主催の展示会への出展やプレス発表を通じて大きな反響を得ています。また、建築向けとして業界唯一の配筋検査システムを共同開発により実用化し、実現場への展開を進めています。今後も更なる生産性の向上に努めていきます。 ④ 文化財・歴史的建造物文化財等の貴重な建物の長寿命化の他、設計・施工上の効率化・省力化を図ることを目的に、種々の条件に応じた保有技術の適用性の検証、BIM活用による案件に応じた最適技術の事前検討方法の確立を行っています。当連結会計年度は、伝統木造建築物分野での案件適用を見据え、伝統構法による木造耐力壁の補強技術について、構造性能に関する解析的検証方法の整備・適切な解析モデルの構築と共にその有効性を確認しました。また、木造復元天守へのBIM適用の有効性確認とその課題把握を行いました。将来の案件受注に向けて、これらの技術の確立を進め展開していきます。 (3) グループ事業当連結会計年度は、研究開発活動は特段行われていません。 (4) その他当社が保有する高度技術並びに研究所施設を活用し、社外からの受託研究業務を行っています。① カーボンニュートラル国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構による、グリーンイノベーション基金事業である「CO2を高度利用したカーボンプールコンクリートの開発と舗装及び構造物への実装(以下、本プロジェクト)」を幹事会社として実施しています。本プロジェクトにより、主要建設資材であるコンクリートをカーボンネガティブ材料に転換させることを目指しています。これらの取組により、お客さまと当社の双方のサプライチェーン排出量の脱炭素化に貢献するとともに、当社のSBTとRE100の目標達成に繋げます。② エネルギーマネジメント離れた敷地にある複数の遠隔建物(事業所)全体のエネルギーを統合・最適化することで、新たな広域的省CO2化を図る次世代エネルギープロジェクト(以下、次世代エネルギープロジェクト)を行っています。当連結会計年度には、水素混合可能な燃料電池とガスエンジン発電設備及び大容量ナトリウム硫黄電池を組み合わせた発電プラントの運用実証実験を行いました。発電機の排熱を有効に活用することで省CO2化した電力を連結子会社の安藤ハザマ興業株式会社のPCa工場と大型土木現場へ自己託送し3拠点のCO2排出量を削減しました。また、次世代エネルギープロジェクトが「コージェネ大賞2022」(一般財団法人 コージェネレーション・エネルギー高度利用センター)の民生用部門で優秀賞を受賞しました。今後も引き続き、土木・建築・環境・エネルギーといった多岐にわたる分野の技術開発成果を関連学会や全国の展示会を通じて積極的に社外へアピールするとともに、顧客満足度の向上に貢献します。
FY2022|1,418 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、土木・建築・環境分野を柱に、さらなる品質の安定と十分な顧客満足を確保するべく積極的に技術・研究開発活動を推進し、その成果の展開に取り組んでいます。当連結会計年度における研究開発への投資総額は約27億円です。 セグメントごとの内訳は、土木事業約10億円、建築事業約14億円及びその他社外からの受託研究約2億円であり、主な研究成果等は次のとおりです。 (1) 土木事業① 山岳トンネルICTにより山岳トンネル工事の生産性を大幅に高める取り組みとして「山岳トンネル統合型掘削管理システム(i-NATM®)」の開発を推進しています。当連結会計年度には、移動式クラッシャーの遠隔操作システム、発破における穿孔作業の完全自動化や、発破により破砕した掘削ずりの搬出作業の省力化を実現しました。また、山岳トンネル坑内及び切羽における受発注者双方の施工管理業務の省力化を目的として開発した遠隔臨場支援システムは、国交省のPRISMに採択され高い評価を得ています。② 建機の自動運転建設現場での施工は、複数種類の建設機械を使用します。これまでに開発した振動ローラとブルドーザの自動運転システムに加え、当連結会計年度には、油圧ショベルの自動運転システムを開発し、実証実験を実施しました。今後も建機の自動運転の高度化と実用化を進めてまいります。③ コンクリート工事コンクリートの締固めの良否判定は熟練工が行ってきましたが、今後、その担い手不足が懸念されます。そこで、深層学習により熟練工と同等の良否判定を実現する「コンクリートの締固めAI判定システム」の開発を進めており、自社のコンクリート製品工場への展開を目指しています。 (2) 建築事業① 設計技術基本計画前段階の業務である企画段階のボリューム設計を、AI・データ解析を用いて自動化する構想をまとめ、現在システムを開発中です。経験の浅い設計者が4~5日程度要していたボリューム設計を、概算コストを含め1日で自動作成することを目指しています。また、設計者の経験によらず、短期間で精度の良い構造計算結果が得られる自動計算システムと、構造計算モデルの部材を自動的にグルーピングするAIグルーピングシステムを開発したことで、従来の構造計算の半分程度の時間で結果が得られるようになりました。これらの設計技術により、設計者がより創造的な設計を思考する時間を確保し、付加価値生産性を高めてまいります。② 杭基礎工事従来工法に比べて、現場での人工を約20%削減、パイルキャップ1か所あたりコンクリートの使用量を約30%削減できる「安藤ハザマPCaパイルキャップ工法」を開発しました。需要が顕著な大規模物流倉庫などを中心に、本工法を積極的に展開してまいります。③ ロボット/IoT床面コンクリートの自立走行式ひび割れ検査ロボット、鉄筋の立体配置を認識する配筋検査システムなど、これまで多大な労力を要していた作業の自動化を進めています。また、建設業界全体の生産性及び魅力向上をより一層強力に推進するために、「建設RXコンソーシアム」に参画し、同業他社との建設施工ロボットやIoT分野での技術連携を進めています。 (3) グループ事業当連結会計年度は、研究開発活動は特段行われていません。 (4) その他当社が保有する高度技術並びに研究所施設を活用し、社外からの受託研究業務を行っています。
FY2021|1,324 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、土木・建築・環境分野を柱に、さらなる品質の安定と十分な顧客満足を確保するべく積極的に技術・研究開発活動を推進し、その成果の展開に取り組んでいます。当連結会計年度における研究開発への投資総額は約28億円(消費税等抜き)です。 セグメントごとの内訳は、土木事業約10億円、建築事業約14億円及びその他社外からの受託研究約3億円であり、主な研究成果等は次のとおりです。 (土木事業)幅広い地質性状に対応した無水削孔ボーリング技術の開発現在、高速道路の山岳トンネルで大規模なリニューアル工事が進められています。山岳トンネルでのボーリング作業では、従来、削孔するために水を用いた削孔方法が一般的に用いられています。しかし、膨張性地山などでは、削孔するための水が地山を乱すため、無水での削孔が有効と考えられます。また、削孔対象となる地山は、地質状況や地下水位が異なることが想定されます。そこで、当社は基礎工事専門会社と共同で、幅広い地質性状に対して、無水で削孔できるボーリング技術を開発しました。供用中の高速道路リニューアル工事等への適用を視野に入れ、一般車両への影響に配慮した機動性に優れた超小型削孔機と、コンパクトに車載した設備を使用して、限られた空間内での効率的な作業を実現しました。本技術は、エアーとボーリングロッドに取り付けたスクリューによる無水削孔と、削孔機がさまざまな姿勢でボーリング作業できることが大きな特長です。今後、供用中の高速道路トンネル内の盤ぶくれ対策を中心に、高速道路リニューアル工事等へ本技術の適用を目指していきます。 (建築事業)ZEB Ready認証およびCASBEEスマートウェルネスオフィス認証最高ランクを取得-新電元工業 朝霞事業所プロジェクト-当社は2021年2月に完成の「新電元工業 朝霞事業所プロジェクト」において、エネルギー削減率52%でZEB Readyの認証を取得、また、 CASBEEスマートウェルネスオフィス認証で最高のSランクを取得しました。CASBEEスマートウェルネスオフィス認証とは、建物内で働く人たちの健康性、快適性の維持・増進を支援する建物の仕様、性能、取り組みと、知的生産性の向上に資する要因や、安全・安心に関する性能の評価に加え、総合環境性能評価(CASBEE-建築)による評価も確認し、認証されるものです。当建物の基本性能として外周(外壁・窓等)の断熱性能を強化するとともに、アトリウムを中心に自然エネルギーを活用した省エネ技術の採用とコミュニケーション・健康行動を誘発する計画としています。また設備面では、二重床に高効率空調機からの空気を送風して吹出口から吹き出すことでエネルギー消費を抑制しながら快適・クリーンな居住環境を維持する空調システム、視覚効果を解析することで照度を抑えて最適な明るさを提供する照明システム等により、省エネと知的生産性の向上を実現する計画としています。 (グループ事業)当連結会計年度は、研究開発活動は特段行われていません。 (その他)当社が保有する高度技術ならびに研究所施設を活用し、社外からの受託研究業務を行っています。
FY2020|1,432 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、土木・建築・環境分野を柱に、さらなる品質の安定と十分な顧客満足を確保するべく積極的に技術・研究開発活動を推進し、その成果の展開に取り組んでいます。当連結会計年度における研究開発への投資総額は約26億円(消費税等抜き)です。 セグメントごとの内訳は、土木事業約8億円、建築事業約14億円及びその他社外からの受託研究約2億円であり、主な研究成果等は次のとおりです。 (土木事業)4K定点カメラ映像による工事進捗管理システム-映像の3D化と建機検出AIにより工事進捗を見える化し、生産性向上を実現- 当社を代表者とする「映像進捗管理システム開発コンソーシアム」は、建設現場の進捗管理を効率的に行うための「4K定点カメラ映像による工事進捗管理システム」を開発しました。本システムのコアとなる「映像進捗管理システム」は、主に次の4つの機能を統合したものです。①映像にCIMモデル等の3Dデータを重畳表示、②映像上から任意地点の距離や面積を瞬時に算出、③建機検出AIにより稼働中のダンプ等を識別し進捗レポートを作成、④映像からオルソ画像(俯瞰画像)を作成。統合された情報はブラウザを介してどこからでも利用できます。本システムは防潮堤の盛土工事で試行され、建設現場の進捗管理が効率的に行えることを確認しました。なお、本システムの開発・試行は、国土交通省の2019年度「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」(PRISM)で実施したものです。 (建築事業)広域建物全体の省CO₂化プロジェクト「安藤ハザマ 次世代エネルギープロジェクト」実証開始当社は、日本が抱えるエネルギー問題の解決に向けた取り組みの一つとして2018年9月に「安藤ハザマ 次世代エネルギープロジェクト」に着手し、2020年4月から実証試験を開始しています。本実証では、当社技術研究所をはじめ遠隔敷地にある複数の需要拠点(広域建物)において3つの実証試験を進めます。①CO₂フリー水素(注)を燃料として利用可能な燃料電池、ガスエンジン発電設備によるコージェネレーションシステム等を組み合わせた発電プラントを設置し、発生する熱は、同敷地の宿泊施設等へ供給します。②同技術研究所の本館棟で、既往の省エネルギー技術の活用によりエネルギー需要を縮減し、この縮減分を広域へエネルギー融通します。③上記プラントによって発電される省CO₂電力を、自己託送制度により複数の広域需要拠点に送電します。こうして、3施設で利用される「電気」、「熱」を総合管理し、異なる建物用途(研究所、工場、工事現場)の需要予測を行うとともに、コージェネレーションプラントを精度良く供給調整します。これらのデータを取得・検証・改善していくことで、最適な省CO₂エネルギーマネジメントの確立を目指します。当社は、本プロジェクトを通じて、低炭素社会およびサステナブルな社会の実現に貢献していきます。(注)CO₂フリー水素:・ 製造時における温室効果ガス排出量の少ない水素 ・ CO₂の排出量を大幅に低減された方法で製造された水素 ・ 製造段階でのCO₂排出量に着目し、より環境性が高いと認められる水素 (グループ事業)当連結会計年度は、研究開発活動は特段行われていません。 (その他)当社が保有する高度技術ならびに研究所施設を活用し、社外からの受託研究業務を行っています。
FY2019|1,644 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、土木・建築・環境分野を柱に、さらなる品質の安定と十分な顧客満足を確保するべく積極的に技術・研究開発活動を推進し、その成果の展開に取り組んでいます。 当連結会計年度における研究開発への投資総額は約25億円(消費税等抜き)です。 セグメントごとの内訳は、土木事業約8億円、建築事業約14億円及びその他社外からの受託研究約2億円であり、主な研究成果等は次のとおりです。(土木事業)遠方にある構造物を対象にした3D計測の新しい精度管理技術~モービル・マッピング・システム~ 当社と朝日航洋株式会社は、MMS(モービル・マッピング・システム)をはじめとするレーザスキャナ装置による3D計測技術において、3D点群データなどの補正・検証方法を刷新することにより、計測データの精度を確保しながら、MMSによる遠方にある対象の出来形測量を効率化する精度管理技術を共同で開発しました。 本技術は、MMSだけではなく地上移動体搭載型レーザスキャナにも適用できるため、i-Constructionにおいて多様な計測エリアへの対応を可能にします。さらに近年多発する土砂災害に対して、精度管理手法が明確で、スピーディな3D計測を実現する本技術を活用することによって、人の立ち入りが困難な崩壊地の状況把握が可能になるなど、迅速な復旧・復興に寄与できるものと考えています。給水養生工法「アクアカーテン®」の適用実績が200万m2を突破 型枠を取り外したコンクリートの鉛直面やアーチ面に対して湿潤養生ができる、給水養生工法「アクアカーテン®」は、2010年8月の現場適用開始以来、その優れた効果と施工性、経済性が高く評価され、適用現場数は153に増加しました。また、適用面積は、2017年に100万m2に達した後、2019年1月には200万m2を超えました。これは、一般的な道路トンネルに換算すると100km程度の長さになります。 アクアカーテンは、水中養生と同等の湿潤養生環境を実現できることで、特にトンネルの覆工コンクリートの養生工法として、発注者や同業他社からの認知度が年々向上しています。さらに、「脱塩工法」ならびに「再アルカリ化工法」などの電気化学的工法への適用を可能とするなど、これからのインフラ維持更新事業に寄与する新工法としての開発も進めています。(建築事業)建築物へのカーボンフットプリントとカーボン・オフセットの適用 脱炭素社会の実現を見据え、建設事業に関連する温室効果ガスの削減を推進するには、建築物の運用段階のCO2排出量の大幅な減少とともに、新築・改修段階でのさらなる削減が重要となります。 CO2排出量の削減策の立案には、建設各段階のCO2排出量の把握が必要です。そのためには、当社が国内で実建築物に初めて適用したカーボンフットプリント(CFP)※1によるCO2排出量の「見える化」(定量化)と、その排出量分をカーボン・オフセット※2によりゼロとする手法が有効です。「見える化」により、削減効果の観点から資材、工法などの条件やオフセットの手法等の検討が可能となります。この「見える化」した情報を活用し、今後も積極的に建設事業のCO2排出量削減に貢献していきます。(※1)CFPとは「Carbon Footprint of Products」の略称で「製品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体(製品の一生)を通じて排出される温室効果ガスの総排出量をCO2に換算した数値」で同排出量を表示する仕組み。(※2)自らの努力では削減しきれないCO2などの温室効果ガス排出量を、他の場所での削減・吸収により埋め合わせ、社会全体として温室効果ガスを減らす取り組み。(グループ事業) 当連結会計年度は、研究開発活動は特段行われていません。(その他) 当社が保有する高度技術ならびに研究所施設を活用し、社外からの受託研究業務を行っています。
FY2018|1,220 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、土木・建築・環境分野を柱に、さらなる品質の安定と十分な顧客満足を確保するべく積極的に技術・研究開発活動を推進し、その成果の展開に取り組んでいる。 当連結会計年度における研究開発への投資総額は約36億円(消費税等抜き)である。 セグメントごとの内訳は、土木事業約10億円、建築事業約14億円及びその他社外からの受託研究約11億円であり、主な研究成果等は次のとおりである。(土木事業)スマートシールド® ~ICTの活用による洗練したシールド工法~ 「スマートシールド®」は、シールドの掘進情報や機械設備の稼働状況とともに、シールド現在位置、地盤や近接構造物の情報をコンピュータに一元集約、可視化する。これにより、状況判断の迅速化、管理の省力化を実現した。さらに、大断面、長距離シールド工事で、半同時掘進組立、MSV(多目的運搬車両)などの新技術の導入とともに、シールド掘進・セグメント組立のサイクルタイムを最適化し、従来の2倍の速度でのシールド施工を実現、生産性向上を図っている。急峻な地形に対応した高品質で大容量の堤体材料運搬設備の開発 ダム工事などで、急勾配地で製造設備から打設箇所まで材料を運搬する場合は、傾斜による材料の品質低下を生じさせないことが重要となる。さらに、台形CSGダム(注)の建設では、打設速度が速いため、それに対応できる高速かつ大容量の運搬設備が必要となる。急傾斜ベルトコンベヤ「ハコブノサウルス」は、運搬能力の増大、運搬材料の落下および品質低下の防止を目的として、ベルト上に横桟および波桟でバケット(箱状の運搬部)を設ける構造であり、箱詰めされた材料を、一定の速度で滑らかに運搬することで、材料分離を起こさずに流動性の高い材料を運搬することができる。また、動力が一方向だけであるため省エネルギーで大きな運搬能力を発揮する。(注)台形CSGダム:砂礫などの原材料に水とセメントを混合したCSG(Cemented Sand and Gravel、セメントで固めた砂礫)を堤体材料として、表面に耐久性の確保を目的とした保護コンクリートを配置した台形状のダム(建築事業)先端医療施設における放射化対策材料の開発 先端医療施設の中でも中性子が発生する施設では、コンクリート等の放射化が問題となる。放射化とは、元々放射性のない物質が中性子を受けることで放射性となる物理現象である。コンクリートが放射化し、そこから発生するガンマ線により医療従事者や患者が無用な放射線を浴びる等の問題が生じる。当社では建物躯体の放射化量を下げる対策として中性子吸収機能を持つ放射化抑制樹脂板を開発し、これを内装材とする施工法の特許を取得している。(グループ事業) 当連結会計年度は、研究開発活動は特段行われていない。(その他) 当社が保有する高度技術ならびに研究所施設を活用し、社外からの受託研究業務を行っている。
FY2017|1,019 文字
6【研究開発活動】 当社グループは、土木・建築・環境分野を柱に、さらなる品質の安定と十分な顧客満足を確保するべく積極的に技術・研究開発活動を推進し、その成果の展開に取り組んでいる。 当連結会計年度における研究開発への投資総額は約27億円(消費税等抜き)である。 セグメントごとの内訳は、土木事業約8億円、建築事業約12億円及びその他社外からの受託研究約5億円であり、主な研究成果等は次のとおりである。(土木事業)地盤中の見えない施工情報を正確かつリアルタイムに管理-杭・地盤改良施工情報可視化システム「3Dパイルビューアー」- 当社は、地盤改良や杭工事で施工中に得られるさまざまな情報を三次元で可視化、蓄積、活用することが可能な「3Dパイルビューアー」を開発し、現場適用を開始した。本システムは、地盤改良などの地盤中の出来形や支持層の変化をリアルタイムにわかりやすく確認でき、施工時の評価や判断を正確かつ迅速に行うことができる。これにより、出来形・品質管理の確実性や信頼性の向上、施工管理のさらなる効率化を目指す。ICTを活用した盛土の締固め管理技術の開発-土の締固め状態をリアルタイムにモニタリングするシステム- 盛土の施工に用いる振動ローラにGPSと加速度計を取り付けて、土の締固め状態(密度や飽和度)をリアルタイムにモニタリングできる品質管理システムを開発した。本システムにより、従来は施工完了後に評価していた土の締固め状態をリアルタイムに評価できるため、締固め不足を未然に防ぎ、高品質な盛土の構築が可能である。今後は、本技術を盛土の施工に展開し、自然災害に負けない強い社会資本の整備に貢献していく。(建築事業)AIで再エネ・蓄エネの最適運用を実現-人工知能を活用したスマートエネルギーシステム- 1棟の建物からひとつの地域までを対象とするエネルギーマネジメントシステム「AHSES(Adjusting to Human Smart Energy System)」を開発した。このシステムは、人工知能(AI)により電力需要を予測し、再生可能エネルギー・蓄電池を組み合わせることで、エネルギーの運用を最適化するとともに、大規模災害時等には、非常用電源として機能する。(グループ事業) 当連結会計年度は、研究開発活動は特段行われていない。(その他) 当社が保有する高度技術ならびに研究所施設を活用し、社外からの受託研究業務を行っている。
FY2016|1,693 文字
6【研究開発活動】 当社グループは、土木・建築・環境分野を柱に、さらなる品質の安定と十分な顧客満足を確保するべく積極的に技術・研究開発活動を推進し、その成果の展開に取り組んでいる。 当連結会計年度における研究開発への投資総額は約21億円(消費税等抜き)である。 セグメントごとの内訳は、土木事業約6億円、建築事業約8億円及びその他社外からの受託研究約6億円であり、主な研究成果等は次のとおりである。(土木事業)「地質情報CIM管理システム」を開発し、運用を開始-地質情報・計測データを3次元モデル上で一元管理- 山岳トンネルやダムなど、山岳土木の施工に際しては、地質に関する様々な検討を調査・設計段階で実施するとともに、施工時には実際の地質状況を詳細に確認・評価し、所要の施工品質を確保する。これらの業務を高度化・自動化・省力化するために開発したのが、「地質情報CIM管理システム」である。本システムについては、実際の現場(トンネル13現場、ダム1現場、造成3現場)に適用し、運用時に現場のニーズに基づく改良を加えた上で、国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)への登録を完了した(登録番号:KK-110010-A)。 具体的な開発内容は、次のとおりである。〔山岳トンネルの場合〕 ・切羽写真の3次元配置や覆工コンクリート打設記録など、施工情報の一元管理を可能とした。 ・地表面変位や地下水位などの計測データの3次元表示を実現した。〔ダムの場合〕 ・堤体基礎掘削のり面を対象にしてCIMを適用し、地質ごとの掘削数量などの自動算定を可能とした。 ・地表面変位や地下水位などの計測データの3次元表示を実現した。 今後は、施工現場と遠隔に離れた本社・支店技術部門との連携強化をICTの活用により本格化する。CIMを用いてリアルタイムに多様な施工状況の情報を共有し、現場の課題に即時に対応できる仕組みの構築を進める。(建築事業)APRSS(エープラス)構法の適用範囲を拡大し、コストダウンを実現-建築技術性能証明を再取得- 混合柱梁接合構法「APRSS(エープラス)構法」は、柱部材を鉄筋コンクリート(RC)造としながら、鉄骨(S)造または鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造の梁を組み合わせるハイブリッド構法である。本構法のいっそうの合理化のために適用範囲拡大の改定を行い、一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明(GBRC 性能証明 第07-04号 改定2)を再取得した。 従来の鉄筋コンクリート造は、圧縮耐力や剛性が高いという特徴があるが、部材重量が重くなるため適用建物は比較的スパンの短い建物に制限される。一方、鉄骨造は軽量で耐力が高いことから大スパンの建物に適しているが、鋼材はRCに比べると高価であり、また柱鉄骨の納期に時間が掛かるという課題がある。APRSS構法は、物流倉庫や生産・商業・病院施設など広い空間を必要とする建築物を対象とした構法であり、S造よりも経済的で構造性能の優れる構造形式を実現できる。 今回の開発では鉄骨ブレースの併用を可能とした。建築物のスパンや積載荷重などに応じて鉄骨ブレースを適所に配置することで、柱・梁の断面寸法や鉄筋の使用量を適切に抑え、コスト削減を図ることができる。また、軽量な屋根を支持する最上階などでは、RC造と比べて経済性に優れる小断面のS造柱が採用できるようになった。さらに、梁を柱幅方向に偏芯させて接合することを可能とし、外壁を取り付けるための金物や外周に跳ね出したスラブを受けるための補強材の大幅な削減を図れる。 当社はAPRSS構法をはじめとするハイブリッド構法について、1997年以来、12件の適用実績がある。今後、さまざまな大スパン建築物の建設において、ハイブリッド構法を積極的に提案してさらなる普及展開を図るとともに、いっそうの技術改良を目指す。(グループ事業) 当連結会計年度は、研究開発活動は特段行われていない。(その他) 当社が保有する高度技術ならびに研究所施設を活用し、社外からの受託研究業務を行っている。