経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは、変化が激しく先行き不透明な今の時代において持続的な成長を実現していくため、長期ビジョン「安藤ハザマVISION2030」に掲げる4つの価値(お客様価値・株主価値・環境価値・従業員価値)の創造に向け、「企業価値向上」と「会社の魅力向上」を基本方針に掲げた「中期経営計画2025」を2023年5月に策定し、経営課題(事業強化・人的資本の価値向上・ESG経営の推進)に対して各種施策を推進しています。 計画2年目となる当連結会計年度においては、本業である建設事業のさらなる強化のために、ICTやAIに関する技術開発による施工の自動化・省人化の推進や、BIM・CIMの活用による生産プロセスの改革等を引き続き進めています。また、建設外事業としては、再生可能エネルギー事業の一環として系統用蓄電池事業に参入したほか、グループ事業として、中規模複合ビルの開発事業への取り組みや、低炭素型セグメントの製造方法確立、CARBON POOLコンクリートを用いたプレキャスト製品の製造試験開始等、施策を確実に推進しています。 人的資本の価値向上については、従業員のWell-beingを施策の中心に据え、報酬水準の見直しをはじめとする人事制度の改定や資格取得に向けた研修の拡充等人財への積極的な投資を継続しており、会社への貢献意欲や満足度等を測る従業員エンゲージメントスコアも前年度に引き続き向上しています。ESG経営の推進については、脱炭素社会の実現に向け、温室効果ガス排出削減目標を「1.5℃水準」に更新しSBT認証を再取得したほか、人権尊重への取り組みとして、当社人権方針に関する全従業員への教育研修や、外国人技能実習生を雇用する国内の主要協力会社に対して人権デュー・ディリジェンスを実施するなど、各種施策を進めています。なお、「安藤ハザマVISION2030」、「中期経営計画2025」の概要は以下のとおりです。 <「安藤ハザマVISION2030」の概要> (1)長期ビジョン ~イノベーションの加速とたゆまぬチャレンジで新たな価値を創造、社会課題の解決に貢献~ 「お客様価値の創造」/「株主価値の創造」/「環境価値の創造」/「従業員価値の創造」 (2)取組内容 ・建設事業:受注力×現場力×収益力の更なる強化 ・建設外事業:エネルギー関連事業を核とした収益源の確立 (3)長期目標数値 連結経常利益400億円、同利益に占める建設外事業収益比率25% <中期経営計画2025の概要> (1)計画期間 2024年3月期~2026年3月期 (2)基本方針 4つの価値創造に向けて ~ 企業価値向上+会社の魅力向上 ~ (3)取り組むべき課題と対応の方向性①事業強化外部環境変化に即応した事業運営、適切な資本施策の実現・安全、品質の向上と利益の確保・強みのあるセグメントの拡充など、建設事業の営業力、現場力、設計能力、及び技術力の強化・成長投資の着実な実行による環境変化への耐性が高い事業ポートフォリオの構築・グループ会社の専門性を生かしたコスト競争力の強化・ノウハウの伝承などの人財育成と協力会社との関係強化による施工体制の強化・DXへの取組強化によるデータに基づく戦略立案・実施と生産性向上 ②人的資本の価値向上積極的な人的資本投資による従業員価値の最大化・人的資本投資の拡充・多様な人財確保と従業員価値の最大化による経営基盤強化③ESG経営の推進環境・社会への貢献、ガバナンスの継続的な強化・ESGへの取組強化等により環境変化への感度を高め、社会やお客様のニーズへの対応力強化・ガバナンス強化による資本効率の高い経営推進と適切な成長投資の実行 (4)目標数値 2026年3月期(計画最終期)連結経常利益265億円連結R O E12%以上連結総還元性向70%以上従業員エンゲージメントスコア80%以上GHG排出削減率Scope1+2 34%以上Scope3 21%以上 今後の事業環境につきましては、引き続き回復が期待されますが、米国の通商政策による世界経済への影響や、物価上昇の継続による個人消費への影響が、わが国の景気を下押しするリスクとなっています。また、金融資本市場の変動等の影響に一層注意する必要があります。建設業界では、長期的な人口減少等を背景にした建設投資の縮小や、建設技能労働者の減少と高齢化による担い手不足等が継続的な課題になっており、働き方改革や技術革新による生産性向上、並びに人的資本の向上に資する人財育成や処遇改善等への対応が必要になっています。加えて、気候変動や脱炭素への対応等、サステナブルな社会の実現への貢献が求められるとともに、足元では労務費の上昇、資材価格の高騰等に対して注視が必要な状況が継続しています。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは、変化が激しく先行き不透明な今の時代において持続的な成長を実現していくため、長期ビジョン「安藤ハザマVISION2030」に掲げる4つの価値(お客様価値・株主価値・環境価値・従業員価値)の創造に向け、「企業価値向上」と「会社の魅力向上」を基本方針に掲げた「中期経営計画2025」を2023年5月に策定し、経営課題(事業強化・人的資本の価値向上・ESG経営の推進)に対して各種施策を推進しています。 計画2年目となる当連結会計年度においては、本業である建設事業のさらなる強化のために、ICTやAIに関する技術開発による施工の自動化・省人化の推進や、BIM・CIMの活用による生産プロセスの改革等を引き続き進めています。また、建設外事業としては、再生可能エネルギー事業の一環として系統用蓄電池事業に参入したほか、グループ事業として、中規模複合ビルの開発事業への取り組みや、低炭素型セグメントの製造方法確立、CARBON POOLコンクリートを用いたプレキャスト製品の製造試験開始等、施策を確実に推進しています。 人的資本の価値向上については、従業員のWell-beingを施策の中心に据え、報酬水準の見直しをはじめとする人事制度の改定や資格取得に向けた研修の拡充等人財への積極的な投資を継続しており、会社への貢献意欲や満足度等を測る従業員エンゲージメントスコアも前年度に引き続き向上しています。ESG経営の推進については、脱炭素社会の実現に向け、温室効果ガス排出削減目標を「1.5℃水準」に更新しSBT認証を再取得したほか、人権尊重への取り組みとして、当社人権方針に関する全従業員への教育研修や、外国人技能実習生を雇用する国内の主要協力会社に対して人権デュー・ディリジェンスを実施するなど、各種施策を進めています。なお、「安藤ハザマVISION2030」、「中期経営計画2025」の概要は以下のとおりです。 <「安藤ハザマVISION2030」の概要> (1)長期ビジョン ~イノベーションの加速とたゆまぬチャレンジで新たな価値を創造、社会課題の解決に貢献~ 「お客様価値の創造」/「株主価値の創造」/「環境価値の創造」/「従業員価値の創造」 (2)取組内容 ・建設事業:受注力×現場力×収益力の更なる強化 ・建設外事業:エネルギー関連事業を核とした収益源の確立 (3)長期目標数値 連結経常利益400億円、同利益に占める建設外事業収益比率25% <中期経営計画2025の概要> (1)計画期間 2024年3月期~2026年3月期 (2)基本方針 4つの価値創造に向けて ~ 企業価値向上+会社の魅力向上 ~ (3)取り組むべき課題と対応の方向性①事業強化外部環境変化に即応した事業運営、適切な資本施策の実現・安全、品質の向上と利益の確保・強みのあるセグメントの拡充など、建設事業の営業力、現場力、設計能力、及び技術力の強化・成長投資の着実な実行による環境変化への耐性が高い事業ポートフォリオの構築・グループ会社の専門性を生かしたコスト競争力の強化・ノウハウの伝承などの人財育成と協力会社との関係強化による施工体制の強化・DXへの取組強化によるデータに基づく戦略立案・実施と生産性向上 ②人的資本の価値向上積極的な人的資本投資による従業員価値の最大化・人的資本投資の拡充・多様な人財確保と従業員価値の最大化による経営基盤強化③ESG経営の推進環境・社会への貢献、ガバナンスの継続的な強化・ESGへの取組強化等により環境変化への感度を高め、社会やお客様のニーズへの対応力強化・ガバナンス強化による資本効率の高い経営推進と適切な成長投資の実行 (4)目標数値 2026年3月期(計画最終期)連結経常利益265億円連結R O E12%以上連結総還元性向70%以上従業員エンゲージメントスコア80%以上GHG排出削減率Scope1+2 34%以上Scope3 21%以上 今後の事業環境につきましては、引き続き回復が期待されますが、米国の通商政策による世界経済への影響や、物価上昇の継続による個人消費への影響が、わが国の景気を下押しするリスクとなっています。また、金融資本市場の変動等の影響に一層注意する必要があります。建設業界では、長期的な人口減少等を背景にした建設投資の縮小や、建設技能労働者の減少と高齢化による担い手不足等が継続的な課題になっており、働き方改革や技術革新による生産性向上、並びに人的資本の向上に資する人財育成や処遇改善等への対応が必要になっています。加えて、気候変動や脱炭素への対応等、サステナブルな社会の実現への貢献が求められるとともに、足元では労務費の上昇、資材価格の高騰等に対して注視が必要な状況が継続しています。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善が進む中で、緩やかな回復が続きました。今後についても、引き続き回復が期待されますが、米国の通商政策による世界経済への影響や、物価上昇の継続による個人消費への影響が、わが国の景気を下押しするリスクとなっています。また、金融資本市場の変動等の影響に一層注意する必要があります。建設業界におきましては、政府建設投資、民間建設投資ともに堅調に推移しました。一方で、資材価格や労務費等の動向に今後も注視が必要な状況となっています。このような状況のもと、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高4,251億円(前連結会計年度比7.9%増加)、営業利益352億円(前連結会計年度比89.6%増加)、経常利益340億円(前連結会計年度比83.6%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は264億円(前連結会計年度比90.5%増加)となりました。 セグメントの業績は、次のとおりです。(土木事業)受注高は1,299億円(前連結会計年度比12.4%増加)、売上高は1,327億円(前連結会計年度比0.3%減少)、営業利益は151億円(前連結会計年度比7.6%増加)となりました。(建築事業)受注高は2,976億円(前連結会計年度比26.4%増加)、売上高は2,613億円(前連結会計年度比16.6%増加)、営業利益は269億円(前連結会計年度比199.8%増加)となりました。(グループ事業)売上高は237億円(前連結会計年度比24.8%減少)、営業利益は10億円(前連結会計年度比40.2%減少)となりました。(その他)売上高は72億円(前連結会計年度比41.3%増加)、営業利益は6億円(前連結会計年度比306.7%増加)となりました。当連結会計年度末における財政状態は次のとおりです。資産は、前連結会計年度末より378億円増加し、3,719億円となりました。これは受取手形・完成工事未収入金等326億円の増加が、未成工事支出金14億円の減少を上回ったことによります。負債は、前連結会計年度末より201億円増加し、1,997億円となりました。これは短期借入金46億円の増加が、退職給付に係る負債3億円の減少を上回ったことによります。純資産は、前連結会計年度末より177億円増加し、1,721億円となりました。これは利益剰余金168億円の増加や、繰延ヘッジ損益10億円の増加などによります。 ② キャッシュ・フローの状況現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、期首残高と比較して69億円増加し、557億円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及び要因は次のとおりです。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益382億円の計上などの資金増加要因が、売上債権の増加326億円などの資金減少要因を上回ったことにより、111億円の資金増加(前連結会計年度は111億円の資金減少)となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券及び投資有価証券の売却による収入48億円などの資金増加要因が、有形固定資産の取得による支出41億円などの資金減少要因を上回ったことにより、16億円の資金増加(前連結会計年度は60億円の資金減少)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額96億円、長期借入金の返済による支出45億円などの資金減少要因が、長期借入れによる収入39億円などの資金増加要因を上回ったことにより、57億円の資金減少(前連結会計年度は90億円の資金減少)となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績当社グループが営んでいる事業の大部分を占める土木事業、建築事業及びグループ事業の一部では生産実績を定義することが困難であり、これらの事業においては請負形態をとっているため、販売実績という定義は実態にそぐいません。よって、受注及び販売の実績については、可能な限り「(1)経営成績等の状況の概要」において報告セグメントの種類に関連付けて記載しています。 なお、参考のため個別の事業の実績は次のとおりです。建設事業における受注工事高及び完成工事高の実績a.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高 期別区分前期繰越工事高(百万円)当期受注工事高(百万円)計(百万円)当期完成工事高(百万円)次期繰越工事高(百万円)前事業年度自 2023年4月1日至 2024年3月31日土木工事(290,138)290,418115,624406,043133,223272,819建築工事(237,931)238,836235,579474,415224,249250,166合計(528,070)529,255351,204880,459357,473522,985当事業年度自 2024年4月1日至 2025年3月31日土木工事(272,819)272,800129,941402,741131,261271,480建築工事(250,166)250,329297,672548,001261,419286,582合計(522,985)523,129427,614950,743392,680558,062 (注) 1.前期繰越工事高の上段( )内表示額は、期首における前期末の次期繰越工事高を表し、下段表示額は為替の影響を受ける海外工事について換算修正したものです。2.前期繰越工事で、契約の更改により請負金額に変更があるものについては、当期受注工事高にその増減額を含みます。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。3.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)です。 b.受注工事高の受注方法別比率工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。 期別区分特命(%)競争(%)計(%)前事業年度自 2023年4月1日至 2024年3月31日土木工事15.584.5100.0建築工事49.450.6100.0当事業年度自 2024年4月1日至 2025年3月31日土木工事14.685.4100.0建築工事47.452.6100.0 (注) 百分比は請負金額比です。 c.完成工事高期別区分国内海外計(B)(百万円)官公庁(百万円)民間(百万円)(A)(百万円)(A)/(B)(%)前事業年度自 2023年4月1日至 2024年3月31日土木工事80,88044,9967,3465.5133,223建築工事40,847160,63522,76610.2224,249合計121,728205,63230,1128.4357,473当事業年度自 2024年4月1日至 2025年3月31日土木工事81,60643,7605,8944.5131,261建築工事52,028183,56525,8249.9261,419合計133,635227,32631,7198.1392,680 (注) 1.海外工事の地域別割合は、次のとおりです。地域前事業年度(%)当事業年度(%)北米59.368.9東南アジア19.412.3中近東・アフリカ0.00.0中南米4.53.4南アジア16.815.4計100.0100.0 2.完成工事のうち主なものは、次のとおりです。前事業年度の主なもの西日本高速道路株式会社佐世保道路 天神山トンネル工事国土交通省近畿地方整備局高原トンネル上部斜面対策工事農林水産省関東農政局印旛沼二期農業水利事業 埜原機場建設工事本田技研工業株式会社HG-TS C棟新築工事(建築工事)横浜戸塚特定目的会社(仮称)横浜戸塚物流施設計画岐阜県立多治見病院多病新中第1-1号 岐阜県立多治見病院新中央診療棟 建築工事 当事業年度の主なもの西日本鉄道株式会社福岡広域都市計画都市高速鉄道事業5号西日本鉄道天神大牟田線新線工事3工区国土交通省関東地方整備局R3霞ヶ浦導水石岡トンネル(第1工区)新設工事国土交通省北陸地方整備局R1-4朝日温海道路4号トンネル工事RIMOND JAPAN 株式会社EXPO2025 大阪・関西万博サウジアラビア館建設工事国立研究開発法人産業技術総合研究所量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル拠点(仮称)整備事業株式会社クボタ株式会社クボタ 枚方製造所 T棟新築工事(1~9) 3.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりです。前事業年度該当する相手先はありません。当事業年度該当する相手先はありません。 d.手持工事高(2025年3月31日現在)区分官公庁(百万円)民間(百万円)計(百万円)土木工事126,735144,744271,480建築工事53,079233,502286,582合計179,815378,247558,062 (注) 手持工事のうち主なもの東日本高速道路株式会社東京外かく環状道路 東名ジャンクションランプシールドトンネル・地中拡幅(南行)工事青森県東青地域県民局駒込ダム本体建設工事国土交通省近畿地方整備局水海川導水トンネル3期工事日本中央競馬会美浦トレーニング・センター厩舎改築(第3期)工事葛飾特定目的会社葛飾区奥戸物流施設計画 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において判断したものです。 ① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債並びに収益・費用の数値に影響を与える見積り、判断が一定の会計基準の範囲内で行われています。これらの見積り等については、継続して評価し、事象の変化等により必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性を伴うため、実際の結果はこれらとは異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載していますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えています。 完成工事高、完成工事原価及び工事損失引当金の計上完成工事高及び完成工事原価の計上は、財又はサービスに対する支配が顧客に一定の期間にわたり移転する場合には、財又はサービスを顧客に移転する履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識する方法を適用しています。履行義務の充足に係る進捗度の測定は、各報告期間の期末日までに発生した工事原価が、予想される工事原価総額に占める割合に基づいて行っています。また、工事原価総額の見積りが工事収益総額を上回る可能性が高く、かつ、その損失見込額を合理的に算定できる場合、当該損失見込額を損失が見込まれた期に工事損失引当金として計上しています。なお、工事原価総額には、過去の工事の施工実績を基礎として、個々の案件に特有の状況を織り込んでおり、決算日ごとに見直していますが、外注価格及び資機材価格の高騰、手直し等による施工中の追加原価の発生など想定外の事象により工事原価総額が増加した場合は、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等(ⅰ) 財政状態当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末より378億円増加し、3,719億円となりました。これは受取手形・完成工事未収入金等326億円の増加が、未成工事支出金14億円の減少を上回ったことによります。負債は、前連結会計年度末より201億円増加し、1,997億円となりました。これは短期借入金46億円の増加が、退職給付に係る負債3億円の減少を上回ったことによります。純資産は、前連結会計年度末より177億円増加し、1,721億円となりました。これは利益剰余金168億円の増加や、繰延ヘッジ損益10億円の増加などによります。(ⅱ) 経営成績売上高は、完成工事高が前連結会計年度比9.4%増加したこと等により、前連結会計年度比7.9%増加の4,251億円となり、売上総利益は前連結会計年度比40.7%増加し609億円となりました。営業利益は主に建築工事の採算性向上を主因とし、前連結会計年度比89.6%増加の352億円となりました。営業外収支は、前連結会計年度に比べ損害賠償金の増加等により11億円悪化したものの、営業利益の増加により、経常利益は340億円と前連結会計年度比83.6%の増加となりました。特別損益は、前連結会計年度に比べ投資有価証券売却益の増加等により38億円増加しました。以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は264億円(前連結会計年度比90.5%の増加)となり、前連結会計年度に比べ125億円の増益という結果となりました。(ⅲ) キャッシュ・フローの状況現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、期首残高と比較して69億円増加し、557億円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及び要因は次のとおりです。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益382億円の計上などの資金増加要因が売上債権の増加326億円などの資金減少要因を上回ったことにより、111億円の資金増加(前連結会計年度は111億円の資金減少)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券及び投資有価証券の売却による収入48億円などの資金増加要因が有形固定資産の取得による支出41億円などの資金減少要因を上回ったことにより、16億円の資金増加(前連結会計年度は60億円の資金減少)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額96億円、長期借入金の返済による支出45億円などの資金減少要因が、長期借入れによる収入39億円などの資金増加要因を上回ったことにより、57億円の資金減少(前連結会計年度は90億円の資金減少)となりました。 b.経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの本業である建設産業は、景気動向の影響を受けやすい傾向にあります。今後の事業環境につきましては、引き続き回復が期待されますが、米国の通商政策による世界経済への影響や、物価上昇の継続による個人消費への影響が、わが国の景気を下押しするリスクとなっています。また、金融資本市場の変動等の影響に一層注意する必要があります。建設業界では、政府建設投資、民間建設投資ともに堅調に推移しました。一方で、資材価格や労務費等の動向に今後も注視が必要な状況となっています。 c.資本の財源及び資金の流動性(ⅰ) 資金需要当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、本業である建設事業の生産活動に必要な運転資金、販売費及び一般管理費、事業用資産の取得、維持・更新にかかる設備投資資金、研究開発投資等です。(ⅱ) 財務政策当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入と社債の発行により資金調達を行っています。長期借入金、社債等の長期資金の調達については、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の返済時期等を考慮の上、調達規模、調達手段を適宜判断して実施しています。当社においては、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行とコミットメントライン(特定融資枠)契約(500億円)を締結しています。なお、当連結会計年度末において、コミットメントライン契約による借入残高はありません。また、長期借入金の一部については、金利変動リスクを回避するため、金利スワップ取引を利用しています。 d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等中期経営計画2025目標数値と計画期間中の実績 2026年3月期(計画最終期)2025年3月期実績連結経常利益265億円340億円連結R O E12%以上16.3%連結総還元性向70%以上42.4%従業員エンゲージメントスコア80%以上77% (注)上記のほか、GHG排出削減率を目標数値としています(実績値は2025年7月に確定予定)。 (参考)2025年3月期の年度事業計画と実績の差異 2025年3月期計画2025年3月期実績連結売上高4,222億円4,251億円連結経常利益230億円340億円連結R O E11%以上16.3% 売上高につきましては、土木事業、建築事業ともに工事が概ね順調に進捗したことにより、計画数値を上回りました。 主に建築の完成工事において採算性が向上し完成工事総利益が計画数値を上回ったため、経常利益は計画数値を上回りました。 e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(土木事業)受注高は、前連結会計年度比12.4%増加の1,299億円となりました。完成工事高は、前連結会計年度比0.3%減少の1,327億円となりました。営業利益は、前連結会計年度に一部工事の採算性が悪化したことの反動等により前連結会計年度比7.6%増加の151億円となりました。当社個別の完成工事総利益率は、前期実績から0.2ポイント減少し、15.0%となりました。(建築事業)受注高は、前連結会計年度比26.4%増加の2,976億円となりました。完成工事高は、工事が概ね順調に進捗したことなどから、前連結会計年度比16.6%増加の2,613億円となりました。営業利益は、完成工事において採算性が向上したことなどにより、前連結会計年度比199.8%増加の269億円となりました。当社個別の完成工事総利益率は、前期実績から5.7ポイント増加し、14.3%となりました。土木事業及び建築事業に係るセグメント資産は、受取手形・完成工事未収入金等の増加などにより、前連結会計年度末から289億円増加の2,484億円となりました。(グループ事業)売上高は237億円(前連結会計年度比24.8%減少)、営業利益は10億円(前連結会計年度比40.2%減少)となりました。セグメント資産は、前連結会計年度末から17億円増加の386億円となりました。(その他)売上高は72億円(前連結会計年度比41.3%増加)、営業利益は6億円(前連結会計年度比306.7%増加)となりました。セグメント資産は、前連結会計年度末から13億円増加の113億円となりました。