事業等のリスク
主なリスクは、原油・天然ガス価格の変動と為替レートの変動です。商品市況の変動は売上や利益に大きな影響を与え、減損損失につながる可能性もあります。為替変動も、原油・LNGの円建て販売価格や輸入コストに影響します。また、E&P事業では探鉱・開発投資の不成功、廃鉱費用の増加、投資回収期間の長期化、埋蔵量・生産量の減少リスクがあります。海外事業においては、カントリーリスク(政情不安、法制度変更など)も事業遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。
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FY2025|8,737 文字
3【事業等のリスク】 以下には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある主な事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針であります。 当社では、経営リスク委員会をはじめとした各種社内委員会を用いてリスクの管理を行っていますが、詳細については前記「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ全般 <リスク管理>」及び後記「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項(リスク管理体制の整備の状況)」をご参照ください。 以下のリスクは、影響度と蓋然性の観点から抽出・分析し、管理しております。なお、各リスクは、経営リスク委員会及び取締役会での議論を経て、当社が主要なリスクとして判断したリスクであり、以下に記載していないリスクにより、当社グループの経営成績及び財政状態等が影響を受ける可能性があります。また、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は提出日現在において当社が判断したものであります。 1 商品市況及び為替に関するリスク (1) 原油・天然ガス価格の変動リスク 当社グループは、国内外でE&P事業と国内においてインフラ・ユーティリティ事業を行っており、その売上高や営業利益は、原油価格や天然ガス価格の変動により大きな影響を受けます。原油価格や天然ガス価格の変動リスクを低減するため、商品スワップ取引等により対策を一部講じておりますが、当該リスクを完全に回避するものではありません。 当社の2026年3月期の営業利益は、油価が1米ドル/バレル上昇(下落)すると370百万円増加(減少)すると試算しております。この増減額には、原油価格にリンクしているLNGの調達コストの増減及びそれによる国内天然ガスと電力の販売価格の増減による影響等を含みます。ただし、実際の営業利益は上記以外の様々な要因によっても影響を受けます。 さらに、原油、天然ガス等の中長期的な想定販売価格の引き下げ等を理由としてその時点における事業用資産の帳簿価額を将来の収益から回収できない見込みとなった場合には、当該資産について減損損失を計上することとなるため、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 為替の変動リスク 当社グループが国内で生産する原油や天然ガスは、原油やLNGの通関価格(CIF価格)を参照した円建てで販売するため、米ドル・円のレートの変動は、売上高や営業利益等に影響を与えます。また、輸入LNGを原料とした天然ガス及び輸入LNGを燃料とした電力の国内販売価格にも影響を与えますが、仕入れ価格も同様の影響を受けます。為替予約等により為替変動リスクを低減する対策を一部講じておりますが、当該リスクを完全に回避するものではありません。 当社の2026年3月期の営業利益は、為替が1円/米ドル円安(円高)に変動すると450百万円増加(減少)すると試算しております。 2 事業に関するリスク 1.E&P事業 (1) E&P事業投資(探鉱投資、開発投資等)に関するリスク 当社グループによるE&P事業の一般的な特徴として、以下のような投資に関するリスクがあります。 ① 探鉱投資に関するリスク 探鉱活動においては、まずは対象地域の地質状況や地層の分析、物理探査などで地質構造を把握し、有望と評価された場合に試掘を行い油ガス層の広がりや資源量を確認します。しかし、近年の発達した探査技術によっても地質的な不確実性を排除することはできず、期待した規模の原油、天然ガスを必ずしも発見できるとは限らないため、探鉱活動の不成功によりそれまでに投じた支出の回収ができず、投資損失が発生する可能性があります。 ② 開発投資に関するリスク 油・ガス田の開発移行にあたっては、探鉱活動により得られた資源量の見込みや、それを経済的に生産するための坑井、生産・輸送設備等の建設費及び操業費、生産物の販売価格等の見込みといったその時点で得られる様々な情報、想定に基づき合理的に最終投資決定を行うよう努めています。しかし、その後に行う詳細な技術検討による設備仕様の変更や、開発に必要な資機材やサービスの価格高騰、政府等による許認可手続きや掘削等の作業の遅延、生産段階における新たな地質的問題の発生や原油価格・天然ガス価格の下落といった様々な要因により、最終投資決定時の想定と比べて事業の収益性が低下することで、それまでに投じた支出の回収ができず、投資損失が発生する可能性があります。 ③ 将来の廃鉱に関するリスク 当社グループが現在生産を行っている坑井及び鉱山等については、生産終了後に廃鉱作業を実施する必要があります。当社グループは、現在の見積りに基づく廃鉱に関連して発生する費用の現在価値を資産除去債務として計上しております。将来的に、廃鉱作業計画の変更や法令等の規制強化、又は資機材の高騰等により、当該見積り額が不足すると見込まれる場合には、資産除去債務額の積み増しが必要になり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、資産除去債務の詳細は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(資産除去債務関係)」をご参照ください。 ④ 投資回収期間の長さによるリスク E&P事業では、初期の基礎的な調査から掘さく作業を経て資源の発見に至るまでの探鉱段階及び資源の発見に至った後に開発井の掘さく、生産設備や輸送設備の建設等を伴う開発段階において、長い期間と多額の投資が必要となります。従って、事業に着手してから投資額を回収し、利益に寄与するまでに長いリードタイムを要するのが通例であり、この間、事業環境の変化により、投資額の増大(開発スケジュールの遅延に起因するものを含みます。)、需要の減少、販売単価の下落、操業費の増加、為替の変動等が発生し、事業の収益性が低下し、それまでに投じた支出の回収ができず、投資損失が発生する可能性があります。 ⑤ 埋蔵量・生産量に関するリスク E&P事業の維持発展には、継続的な鉱区権益の取得、探鉱、開発の取組みによって生産活動に伴い減少する埋蔵量・生産量を中長期的に補填・拡大していく必要がありますが、前記「① 探鉱投資に関するリスク」から「④ 投資回収期間の長さによるリスク」に掲げるリスクや後記の海外E&P事業に係るリスク及び気候変動に関するリスク等が存在するため、これらが成功しない場合には、将来的に埋蔵量・生産量が減少し、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 埋蔵量は、評価時点において既知の油・ガス層から地質的、工学的データに基づき経済的にも操業面からも今後確実に採取可能であろうと予測された油・ガスの地上状態での数量であり、今後新たに取得されるデータ等に基づく見直しや経済条件の変動及び国際的に認知された埋蔵量定義の変更等によって、上方にも下方にも修正される可能性があります。詳細は後記「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ④当社グループの埋蔵量」をご参照ください。 (2) 海外E&P事業投資に特有のリスク 海外E&P事業には、前記「(1) E&P事業投資(探鉱投資、開発投資等)に関するリスク」に加えて、一般的な傾向としてカントリーリスクがあります。海外E&P事業の一部はカントリーリスクの相対的に高い地域で実施されることがあり、これらの国々の政治・経済・社会的な混乱(治安の著しい悪化を含みます。)、法制や税制もしくは政策等の変更が、当社グループの海外事業の円滑な遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。主要な海外プロジェクトに関しては、経営リスク委員会において各所在国において懸念される当該リスクについて評価、管理しております。 (3) 海外E&P事業の主な個別プロジェクトに係るリスク ① イラク ガラフ油田開発プロジェクト 当社は、連結子会社㈱ジャペックスガラフへの出資を通じて(2025年3月期末の出資比率 55.00%)、イラク共和国南部におけるガラフ油田開発生産プロジェクトに参画し(同社参加比率30%、資金負担比率40%)、オペレーターであるPETRONAS Carigali Iraq Holding B.V.(ペトロナス社の子会社)と共同で開発事業を推進しております。 2013年8月に生産を開始し、現在、原油増産に向けて最終開発計画に基づき、引き取り原油の販売収入を設備投資に充当しながら追加開発作業を進めております。 同プロジェクトにおいては、同国の政治・社会・治安状況等の悪化や石油輸出国機構(OPEC)による協調減産の合意等により、生産量・販売量や売上高・営業利益が減少する可能性があります。また、コストの増加や開発スケジュールの遅延又は生産量の減少が生じた場合等には、設備投資に充当する原油販売収入が不足し、同社に対する当社資金負担額が増加する可能性があります。 ② ロシア サハリン1プロジェクト 当社は、サハリン石油ガス開発㈱への出資を通じて(2025年3月期末の出資比率 15.29%)、ロシア・サハリン島沖合における原油・天然ガス開発事業(サハリン1プロジェクト)に参画しております。 サハリン1プロジェクトにおける原油・ガスの生産販売にあたっては、上記「1 商品市況及び為替に関するリスク(1)原油・天然ガス価格の変動リスク」に記載のとおり、その営業利益は、原油価格や天然ガス価格の変動により大きな影響を受けます。サハリン石油ガス開発㈱は当社の重要な関連会社であり、当該要因により同社の利益が大きく減少した場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、2022年にウクライナ情勢が緊迫化して以降、ロシア連邦政府により新会社が設立され、生産物分与契約に基づく全ての権利義務は新会社に承継されました。サハリン石油ガス開発㈱は、ロシア連邦政府から権益比率に応じた新会社の持分引き受けの許可を得ております。ロシアに対する経済制裁の影響により長期にわたる事業活動への制約が生じた場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 2.インフラ・ユーティリティ事業 (1) 天然ガス販売等に関するリスク 当社は、E&P事業における諸リスクの影響を緩和する観点からインフラ・ユーティリティ事業の一部として天然ガス取扱量の拡大に取り組んでおります。既存の天然ガスパイプライン等を活用した需要開拓やパイプライン沿線外でのタンクローリー等を利用したLNGサテライト供給による需要開拓等に積極的に取り組んでいるものの、少子高齢化に伴う人口減や、需要家の設備稼働率の低下、他社との競合関係激化等を要因として、既存の天然ガス取扱数量(第三者からの託送供給量を含む)の減少、新規需要開拓の不調、又は販売単価の下落等により、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社は、将来の販売量見込みに基づき必要となるLNGについて、長期契約及びスポット契約を組み合わせること等により、調達の安定性と需要変動への柔軟性を両立する調達に努めておりますが、想定外の需要減少等が発生した場合には、スポットによる調達量の調整のみで対応できず、長期契約に基づくLNG数量に係る未達補償料の支払いや安値での転売等が必要となる可能性があります。 当社は、LNGの調達価格の変動を販売価格に適切に転嫁する等の対策を講じていますが、LNGの調達価格が短期的に上昇した場合には十分な転嫁が行えず、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 天然ガス火力発電事業に関するリスク 当社は、福島県・相馬港における天然ガス火力発電事業の推進主体である福島ガス発電㈱に出資しており(2025年3月期末の出資比率33.30%)、出資比率相当の同社発電能力を利用した電力事業を行っております。 当社は、自社で引き取る電力の相当部分について小売電気事業者を中心とする複数の顧客と長期の販売契約を締結しておりますが、発電所設備トラブルによる代替電力の調達や、電源間の競合激化等により電力販売量の減少や販売単価の下落等が将来発生した場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 3.事業全体 (1) 事故・災害等に関するリスク 当社グループでは、坑井の掘さく、原油や天然ガスの生産・輸送、LNGの貯蔵・気化・輸送等の操業に関して、設備(天然ガスパイプライン等)の健全性維持や、保安体制及びBCP(事業継続計画)を含む緊急時対応策の整備等に努めておりますが、操業上の事故や災害(異常気象・地震等の自然災害を含む)、疫病の蔓延(パンデミック)、犯罪やテロリズム(サイバーセキュリティに関するものを含む)の発生によって、人的・物的損害が発生したり油・ガス田等の操業ができなくなったりするリスクを完全に防止することはできません。損害保険契約を締結する等の対策を一部講じておりますが、こうした事態が発生した場合、その損害の全てが保険によりカバーされるわけではなく、また、直接的な損害だけでなく、販売の中断による収入の減少、当社が供給義務を負う販売先に対する損害賠償、土壌・大気・水質・海洋等の環境汚染による損害賠償、行政処分、社会的信用の低下といった副次的な損害をもたらす可能性があります。 (2) 気候変動に関するリスク パリ協定の採択を受け、気候変動や地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの削減を目的とした取組みが世界的に進められており、低炭素社会実現に向けた動きが加速しております。 当社は、気候変動対応の重要性を認識し、TCFD提言に基づいてガバナンス、事業戦略、リスク管理、排出量管理等の分野で必要な取組みを進めております。気候変動に関するリスクのうち、社会の低炭素化・脱炭素化への移行に伴うリスク(政策・法規制リスク、技術リスク、市場リスク等)及び災害発生による物理的リスク(台風等の突発的な気象事象に伴う急性リスク及び海面上昇等の長期的な気候変化に伴う慢性リスク)が中長期的に顕在化することに伴い、各国において気候変動政策が強化され、炭素税を始めとする環境関連法規等が変更・新規導入された場合、国内外の石油・天然ガス需要の減少、販売価格の長期低迷及び追加的な費用負担等により事業価値が毀損される可能性があります。また、国際機関や国家間の取り決め等により、金融機関等からのE&P事業投資に係る資金調達や損害保険契約締結が難しくなる可能性があります。 (3) 新規案件獲得ならびに新規事業成立に関するリスク 当社では、「第2 事業の概況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、2021年5月にカーボンニュートラル社会実現に向けて当社が果たすべき責務と取り組むべき課題、今後の自社対応及び事業展開の方向性を整理した「JAPEX2050」を公表し、2022年3月には、「JAPEX2050」で示した事業構造への移行を目指す中長期の経営計画として「JAPEX経営計画2022-2030」を公表しました。「JAPEX2050」及び「JAPEX経営計画2022-2030」では、事業基盤として、E&P分野、再生可能エネルギーの供給を中心としたインフラ・ユーティリティ分野、その他CCS/CCUSに係るカーボンニュートラル分野に取組むことを掲げ、新規案件の獲得ならびに新規事業の組成を図っておりますが、かかる取組みにおいて新規案件獲得ならびに新規事業成立が進まない場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) パートナーリスク 事業の遂行に多額の投資が必要となる、又は技術面等においてリスクが高い場合などには、資金・リスクの分散を目的に、当社単独ではなく他の企業をパートナーとした上で共同事業化しています。 共同事業にかかわる意思決定にあたっては、パートナーごとにその保有権益の多寡に応じた議決権が認められるのが一般的であり、当社としてマイナーシェアを保有するに留まる共同事業においては、当社は支配的権限を有しません。そのため、事業上の意思決定等の場合において当社の意向が必ずしも反映されるとは限らず、これらが当社利益に沿わない形で実施された場合には、期待した収益を得られない可能性があります。また、一部パートナーが事業から撤退した場合等には、事業の円滑な実施に支障を来す可能性があります。 また、共同事業のパートナーが資金不足に陥った場合、当社は契約等に基づいて一時的に資金を肩代わりすることがあります。この場合、当社の資金負担が増加するほか、事業の進捗次第では当社の損失が拡大する可能性があります。 3 固有の法規について (1) ガス事業、電気事業に係る法規 我が国のガス事業及び電気事業においては、競争原理の導入を目指した小売自由化の一環として、累次の事業法改正が行われてきた経緯があり、今後も新たな制度改正が行われる可能性があります。こうした法制度の改正が行われた場合には、市場の活性化等による当社グループの事業拡大の機会となり得る一方で、追加的な義務の発生や競争の激化等により経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) その他当社グループ事業に係る固有法規 当社グループの事業は、その特性上、操業の過程で環境に対して様々な負荷を与える可能性があります。このため当社グループでは、鉱山保安法、高圧ガス保安法等の関連法令に基づいて、監督官庁からの許認可取得、届出、販売先への製品情報の提供等、必要な手続きについて適法かつ適正な処理を行っており、これまで重大な問題が発生したことはありません。ただし、世界的な環境意識の高まりにより現行の法規制が強化された場合には、追加の設備・操業対策に係る費用の増加等により、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 4 ㈱INPEXの株価・業績変動に伴うリスクについて 当社は、2025年3月期末において㈱INPEX株式を2.23%保有しており、当社グループの当連結会計年度末の投資有価証券の残高180,280百万円のうち同社株式は54,983百万円となっております。同社株価・業績が変動した場合、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 5 国の保有する当社株式について 当社は、2003年12月、石油公団(当時)が保有していた当社株式の一部の売出しにより、東京証券取引所市場第一部に株式を上場しましたが、この結果、同公団の保有株式数の割合は、65.74%から49.94%に低下しました。 さらに、同公団が保有していた当社株式は、同公団の廃止に伴い、2005年4月1日付で国(経済産業大臣)に承継されるとともに、2007年6月15日を受渡期日とする株式売出しにより、当該保有株式のうち15.94%相当分が売却された結果、同大臣の保有株式数の割合は34.00%まで低下しました。その後、当社において、自己株式の取得等を行ったことにより、2025年3月期末における同大臣の保有株式数の割合は37.84%となっております。 同大臣が保有する株式は今後も売却される可能性があり、その時期、方法、数量等によっては、当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。 6 コンプライアンス等について 当社グループが国内外で事業を行う上では、以下のような社会的責任を果たす必要があります。① 法令遵守 会社法、税法、金融商品取引法、独占禁止法、労働基準法、環境関連諸法、情報セキュリティ関連諸法、贈賄防止関連諸法や、鉱業法、ガス事業法等の各種業法を含む法令を遵守すること。 ② 情報セキュリティ対策の実施 業務を遂行する上で収集される個人情報を含む秘密情報が漏洩したり目的外に利用されたりすることのないよう適切に管理すること。 ③ 不公正取引の遮断 贈賄や反社会的勢力への利益供与といった不公正な取引を行わないこと。 ④ 人権の尊重 サプライチェーン全体において、差別やハラスメント、強制労働や児童労働、先住民の権利への不当な干渉といった人権侵害を行わない、またはこれらに加担しないこと。 当社グループは、これらの社会的責任を果たすために、社内研修等を通して役職員のコンプライアンス意識・人権意識の向上に努めるほか、社内規程、委員会(後記「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」参照)を整備するとともに、社内監査、財務報告に係る内部統制システム等の必要な制度を構築しているものの、当社役職員による違法または不正な行為があった場合には、油・ガス田の生産操業の停止や訴訟費用の発生といった有形の損害に加え、社会的信用の失墜といった無形の損害が発生し、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
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3【事業等のリスク】 以下には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある主な事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針であります。 当社では、経営リスク委員会をはじめとした各種社内委員会を用いてリスクの管理を行っていますが、詳細については前記「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ全般 <リスク管理>」及び後記「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項(リスク管理体制の整備の状況)」をご参照ください。 以下のリスクは、影響度と蓋然性の観点から抽出・分析し、管理しております。なお、各リスクは、経営リスク委員会及び取締役会での議論を経て、当社が主要なリスクとして判断したリスクであり、以下に記載していないリスクにより、当社グループの経営成績及び財政状態等が影響を受ける可能性があります。また、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は提出日現在において当社が判断したものであります。 1 商品市況及び為替に関するリスク (1) 原油・天然ガス価格の変動リスク 当社グループは、国内外でE&P事業と国内においてインフラ・ユーティリティ事業を行っており、その売上高や営業利益は、原油価格や天然ガス価格の変動により大きな影響を受けます。例えば、原油価格や天然ガス価格の変動リスクを低減するため、商品スワップ取引等により対策を一部講じておりますが、当該リスクを完全に回避するものではありません。 例えば、当社の2025年3月期の営業利益は、油価が1米ドル/バレル増減すると620百万円増減すると試算しております。この増減額には、原油価格にリンクしているLNGの調達コストの増減及びそれによる国内天然ガスと電力の販売価格の増減による影響等を含みます。但し、実際の営業利益は上記以外の様々な要因によっても影響を受けます。 さらに、原油、天然ガス等の中長期的な想定販売価格の引き下げ等を理由としてその時点における事業用資産の帳簿価額を将来の収益から回収できない見込みとなった場合には、当該資産について減損損失を計上することとなるため、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 為替の変動リスク 当社グループが国内で生産する原油や天然ガスは、原油やLNGの通関価格(CIF価格)を参照した円建てで販売するため、米ドル・円のレートの変動は、売上高や営業利益等に影響を与えます。また、輸入LNGを原料とした天然ガス及び輸入LNGを燃料とした電力の国内販売価格にも影響を与えますが、仕入れ価格も同様の影響を受けます。為替予約等により為替変動リスクを低減する対策を一部講じておりますが、当該リスクを完全に回避するものではありません。 当社の2025年3月期の営業利益は、為替が1円/米ドル増減すると580百万円増減すると見込んでおります。 2 事業に関するリスク 1.E&P事業 (1) E&P事業投資(探鉱投資、開発投資等)に関するリスク 当社によるE&P事業の一般的な特徴として、以下のような投資に関するリスクがあります。 ① 探鉱投資に関するリスク 探鉱活動においては、まずは対象地域の地質状況や地層の分析、物理探査などで地質構造を把握し、有望と評価された場合に試掘を行い油ガス層の広がりや資源量を確認します。しかし、近年の発達した探査技術によっても地質的な不確実性を排除することはできず、期待した規模の原油、天然ガスを必ずしも発見できるとは限らないため、探鉱活動の不成功によりそれまでに投じた支出の回収ができず、投資損失が発生する可能性があります。 ② 開発投資に関するリスク 油・ガス田の開発移行にあたっては、探鉱活動により得られた資源量の見込みや、それを経済的に生産するための坑井、生産・輸送設備等の建設費及び操業費、生産物の販売価格等の見込みといったその時点で得られる様々な情報、想定に基づき合理的に最終投資決定を行うよう努めています。しかし、その後に行う詳細な技術検討による設備仕様の変更や、開発に必要な資機材やサービスの価格高騰、政府等による許認可手続きや掘削等の作業の遅延、生産段階における新たな地質的問題の発生や原油価格・天然ガス価格の下落といった様々な要因により、最終投資決定ができない、又は最終投資決定時の想定と比べて事業の収益性が低下することで、それまでに投じた支出の回収ができず、投資損失が発生する可能性があります。 ③ 将来の廃鉱に関するリスク 当社グループが現在生産を行っている坑井及び鉱山等については、生産終了後に廃鉱作業を実施する必要があります。当社グループは、現在の見積りに基づく廃鉱に関連して発生する費用の現在価値を資産除去債務として計上しております。将来的に、廃鉱作業計画の変更や法令等の規制強化、又は資機材の高騰等により、当該見積り額が不足すると見込まれる場合には、資産除去債務額の積み増しが必要になり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、資産除去債務の詳細は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(資産除去債務関係)」をご参照ください。 ④ 投資回収期間の長さによるリスク E&P事業では、初期の基礎的な調査から掘さく作業を経て資源の発見に至るまでの探鉱段階及び資源の発見に至った後に開発井の掘さく、生産設備や輸送設備の建設等を伴う開発段階において、長い期間と多額の投資が必要となります。従って、事業に着手してから投資額を回収し、利益に寄与するまでに長いリードタイムを要するのが通例であり、この間、事業環境の変化により、投資額の増大(開発スケジュールの遅延に起因するものを含みます。)、需要の減少、販売単価の下落、操業費の増加、為替の変動等が発生し、事業の収益性が低下し、それまでに投じた支出の回収ができず、投資損失が発生する可能性があります。 ⑤ 埋蔵量・生産量に関するリスク E&P事業の維持発展には、継続的な鉱区権益の取得、探鉱、開発の取組みによって生産活動に伴い減少する埋蔵量・生産量を中長期的に補填・拡大していく必要がありますが、前記「① 探鉱投資に関するリスク」から「④ 投資回収期間の長さによるリスク」に掲げるリスクや後記の海外E&P事業に係るリスク及び気候変動に関するリスク等が存在するため、これらが成功しない場合には、将来的に埋蔵量・生産量が減少し、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 埋蔵量は、評価時点において既知の油・ガス層から地質的、工学的データに基づき経済的にも操業面からも今後確実に採取可能であろうと予測された油・ガスの地上状態での数量であり、今後新たに取得されるデータ等に基づく見直しや経済条件の変動及び国際的に認知された埋蔵量定義の変更等によって、上方にも下方にも修正される可能性があります。詳細は後記「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ④当社グループの埋蔵量」をご参照ください。 (2) 海外E&P事業投資に特有のリスク 海外E&P事業には、前記「(1) E&P事業投資(探鉱投資、開発投資等)に関するリスク」に加えて、一般的な傾向としてカントリーリスクがあります。海外E&P事業の一部はカントリーリスクの相対的に高い地域で実施されることがあり、これらの国々の政治・経済・社会的な混乱(治安の著しい悪化を含みます。)、法制や税制もしくは政策等の変更が、当社グループの海外事業の円滑な遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。主要な海外プロジェクトに関しては、経営リスク委員会において各所在国において懸念される当該リスクについて評価、管理しております。 (3) 海外E&P事業の主な個別プロジェクトに係るリスク ① イラク ガラフ油田開発プロジェクト 当社は、連結子会社㈱ジャペックスガラフへの出資を通じて(2024年3月期末の出資比率 55.00%)、イラク共和国南部におけるガラフ油田開発生産プロジェクトに参画し(同社参加比率30%、資金負担比率40%)、オペレーターであるPETRONAS Carigali Iraq Holding B.V.(ペトロナス社の子会社)と共同で開発事業を推進しております。 2013年8月に生産を開始し、現在、原油増産に向けて最終開発計画に基づき、引き取り原油の販売収入を設備投資に充当しながら追加開発作業を進めております。 同プロジェクトにおいては、同国の政治・社会・治安状況等の悪化や石油輸出国機構(OPEC)による協調減産の合意等により、生産量・販売量や売上高・営業利益が減少する可能性があります。また、コストの増加や開発スケジュールの遅延又は生産量の減少が生じた場合等には、設備投資に充当する原油販売収入が不足し、同社に対する当社資金負担額が増加する可能性があります。 ② ロシア サハリン1プロジェクト 当社は、サハリン石油ガス開発㈱への出資を通じて(2024年3月期末の出資比率 15.29%)、ロシア・サハリン島沖合における原油・天然ガス開発事業(サハリン1プロジェクト)に参画しております。 サハリン1プロジェクトにおける原油・ガスの生産販売にあたっては、上記「1 商品市況及び為替に関するリスク(1)原油・天然ガス価格の変動リスク」に記載のとおり、その営業利益は、原油価格や天然ガス価格の変動により大きな影響を受けます。サハリン石油ガス開発㈱は当社の重要な関連会社であり、当該要因により同社の利益が大きく減少した場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、ウクライナ情勢が緊迫化する中、ロシア連邦政府により新会社が設立され、生産物分与契約に基づく全ての権利義務は新会社に承継されました。サハリン石油ガス開発㈱は、ロシア連邦政府から権益比率に応じた新会社の持分引き受けの許可を得ております。ロシアに対する経済制裁の影響により長期にわたる事業活動への制約が生じた場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 2.インフラ・ユーティリティ事業 (1) 天然ガス販売等に関するリスク 当社は、E&P事業における諸リスクの影響を緩和する観点からインフラ・ユーティリティ事業の一部として天然ガス取扱量の拡大に取り組んでおります。既存の天然ガスパイプライン等を活用した需要開拓やパイプライン沿線外でのタンクローリー等を利用したLNGサテライト供給による需要開拓等に積極的に取り組んでいるものの、少子高齢化に伴う人口減や、需要家の設備稼働率の低下、他社との競合関係激化等を要因として、既存の天然ガス取扱数量(第三者からの託送供給量を含む)の減少、新規需要開拓の不調、又は販売単価の下落等により、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社は、将来の販売量見込みに基づき必要となるLNGについて、長期契約及びスポット契約を組み合わせること等により、調達の安定性と需要変動への柔軟性を両立する調達に努めておりますが、想定外の需要減少等が発生した場合には、スポットによる調達量の調整のみで対応できず、長期契約に基づくLNG数量に係る未達補償料の支払いや安値での転売等が必要となる可能性があります。 当社は、LNGの調達価格の変動を販売価格に適切に転嫁する等の対策を講じていますが、LNGの調達価格が短期的に上昇した場合には十分な転嫁が行えず、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 天然ガス火力発電事業に関するリスク 当社は、福島県・相馬港における天然ガス火力発電事業の推進主体である福島ガス発電㈱に出資しており(2024年3月期末の出資比率33.30%)、出資比率相当の同社発電能力を利用した電力事業を行っております。 当社は、自社で引き取る電力の相当部分について小売電気事業者を中心とする複数の顧客と長期の販売契約を締結しておりますが、発電所設備トラブルによる代替電力の調達や、電源間の競合激化等により電力販売量の減少や販売単価の下落等が将来発生した場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 3.事業全体 (1) 事故・災害等に関するリスク 当社グループでは、坑井の掘さく、原油や天然ガスの生産・輸送、LNGの貯蔵・気化・輸送等の操業に関して、設備(天然ガスパイプライン等)の健全性維持や、保安体制及びBCP(事業継続計画)を含む緊急時対応策の整備等に努めておりますが、操業上の事故や災害(異常気象・地震等の自然災害を含む)、疫病の蔓延(パンデミック)、犯罪やテロリズム(サイバーセキュリティに関するものを含む)の発生によって、人的・物的損害が発生したり油・ガス田等の操業ができなくなったりするリスクを完全に防止することはできません。損害保険契約を締結する等の対策を一部講じておりますが、こうした事態が発生した場合、その損害の全てが保険によりカバーされるわけではなく、また、直接的な損害だけでなく、販売の中断による収入の減少、当社が供給義務を負う販売先に対する損害賠償、土壌・大気・水質・海洋等の環境汚染による損害賠償、行政処分、社会的信用の低下といった副次的な損害をもたらす可能性があります。 (2) 新型コロナウイルス(COVID-19)等の感染症に関するリスク 新型コロナウイルス(COVID-19)感染症による国内外の経済活動に対する影響は改善しつつあると捉えているものの、類似の又は新たな感染症の拡大に伴う対応(都市閉鎖、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置等)が生じた場合には、石油・天然ガス・電力の需要が減少し、さらには、原油価格・天然ガス価格・電力価格が下落する可能性があります。 (3) 気候変動に関するリスク パリ協定の採択を受け、気候変動や地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの削減を目的とした取組みが世界的に進められており、低炭素社会実現に向けた動きが加速しております。 当社は、気候変動対応の重要性を認識し、TCFD提言に基づいてガバナンス、事業戦略、リスク管理、排出量管理等の分野で必要な取組みを進めております。気候変動に関するリスクのうち、社会の低炭素化・脱炭素化への移行に伴うリスク(政策・法規制リスク、技術リスク、市場リスク等)及び災害発生による物理的リスク(台風等の突発的な気象事象に伴う急性リスク及び海面上昇等の長期的な気候変化に伴う慢性リスク)が中長期的に顕在化することに伴い、各国において気候変動政策が強化され、炭素税を始めとする環境関連法規等が変更・新規導入された場合、国内外の石油・天然ガス需要の減少、販売価格の長期低迷及び追加的な費用負担等により事業価値が毀損される可能性があります。また、国際機関や国家間の取り決め等により、金融機関等からのE&P事業投資に係る資金調達や損害保険契約締結が難しくなる可能性があります。 (4) 新規案件獲得ならびに新規事業成立に関するリスク 当社では、「第2 事業の概況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、2021年5月にカーボンニュートラル社会実現に向けて当社が果たすべき責務と取り組むべき課題、今後の自社対応及び事業展開の方向性を整理した「JAPEX2050」を公表し、2022年3月には、「JAPEX2050」で示した事業構造への移行を目指す中長期の経営計画として「JAPEX経営計画2022-2030」を公表しました。「JAPEX2050」及び「JAPEX経営計画2022-2030」では、事業基盤として、E&P分野、再生可能エネルギーの供給を中心としたインフラ・ユーティリティ分野、その他CCS(CO2の回収・貯留)/CCUS(CO2の回収・有効活用・貯留)に係るカーボンニュートラル分野に取組むことを掲げ、新規案件の獲得ならびに新規事業の組成を図っておりますが、かかる取組みにおいて新規案件獲得ならびに新規事業成立が進まない場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) パートナーリスク 事業の遂行に多額の投資が必要となる、又は技術面等においてリスクが高い場合などには、資金・リスクの分散を目的に、当社単独ではなく他の企業をパートナーとした上で共同事業化しています。 共同事業にかかわる意思決定にあたっては、パートナーごとにその保有権益の多寡に応じた議決権が認められるのが一般的であり、当社としてマイナーシェアを保有するに留まる共同事業において、当社は支配的権限を有しません。そのため、事業上の決定等の場合において当社の意向が必ずしも反映されるとは限らず、これらが当社利益に沿わない形で実施された場合には、期待した収益を得られない可能性があります。また、一部パートナーが事業から撤退した場合等には、事業の円滑な実施に支障を来す可能性があります。 また、共同事業のパートナーが資金不足に陥った場合、当社は契約等に基づいて一時的に資金を肩代わりすることがあります。この場合、当社の資金負担が増加するほか、事業の進捗次第では当社の損失が拡大する可能性があります。 3 固有の法規について (1) ガス事業、電気事業に係る法規 我が国のガス事業および電気事業においては、競争原理の導入を目指した小売自由化の一環として、累次の事業法改正が行われてきた経緯があり、今後も新たな制度改正が行われる可能性があります。こうした法制度の改正が行われた場合には、市場の活性化等による当社グループの事業拡大の機会となり得る一方で、追加的な義務の発生や競争の激化等により経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) その他当社グループ事業に係る固有法規 当社グループの事業は、その特性上、操業の過程で環境に対して様々な負荷を与え、また与える可能性があります。このため当社グループでは、鉱山保安法、高圧ガス保安法等の関連法令に基づいて、監督官庁からの許認可取得、届出、販売先への製品情報の提供等、必要な手続きについて適法かつ適正な処理を行っており、これまで重大な問題が発生したことはありません。但し、世界的な環境意識の高まりにより現行の法規制が強化された場合には、追加の設備・操業対策に係る費用の増加等により、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 4 ㈱INPEXの株価・業績変動に伴うリスクについて 当社は、2024年3月期末現在、㈱INPEX株式を4.24%保有しており、当社グループの当連結会計年度末の投資有価証券の残高180,415百万円のうち同社株式は125,091百万円となっております。同社株価・業績が変動した場合、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 5 国の保有する当社株式について 当社は、2003年12月、石油公団(当時)が保有していた当社株式の一部の売出しにより、東京証券取引所市場第一部に株式を上場しましたが、この結果、同公団の所有株式数の割合は、65.74%から49.94%に低下しました。 さらに、同公団が保有していた当社株式は、同公団の廃止に伴い、2005年4月1日付で国(経済産業大臣)に承継されるとともに、2007年6月15日を受渡期日とする株式売出しにより、当該保有株式のうち15.94%相当分が売却された結果、同大臣の所有株式数の割合は34.00%まで低下しました。その後、当社において、2021年11月から2022年8月までに自己株式を取得し、2022年9月に当該自己株式を消却した結果、同大臣の所有株式数の割合は35.79%に上昇しております。また、当社は、2023年11月10日開催の取締役会の決議に基づき、2023年11月13日から2024年8月30日までを取得期間として自己株式を取得中であり、その全数を2024年9月30日付で消却する予定です。当該消却により、同大臣の所有株式数の割合は、35.79%から上昇する見込みです。 同大臣が所有する株式は今後も売却される可能性があり、その時期、方法、数量等によっては、当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。 6 コンプライアンス等について 当社グループが国内外で事業を行う上では、以下のような社会的責任を果たす必要があります。① 法令遵守 会社法、税法、金融商品取引法、独占禁止法、労働基準法、環境関連諸法、情報セキュリティ関連諸法、贈賄防止関連諸法や、鉱業法、ガス事業法等の各種業法を含む法令を遵守すること。 ② 情報セキュリティ対策の実施 業務を遂行する上で収集される個人情報を含む秘密情報が漏洩したり目的外に利用されたりすることのないよう適切に管理すること。 ③ 不公正取引の遮断 贈賄や反社会的勢力への利益供与といった不公正な取引を行わないこと。 ④ 人権の尊重 サプライチェーン全体において、差別やハラスメント、強制労働や児童労働、先住民の権利への不当な干渉といった人権侵害を行わない、またはこれらに加担しないこと。 当社グループは、これらの社会的責任を果たすために、社内研修等を通して役職員のコンプライアンス意識・人権意識の向上に努めるほか、社内規程、委員会(後記「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」参照)を整備するとともに、社内監査、財務報告に係る内部統制システム等の必要な制度を構築しているものの、当社役職員による違法または不正な行為があった場合には、油・ガス田の生産操業の停止や訴訟費用の発生といった有形の損害に加え、社会的信用の失墜といった無形の損害が発生し、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2023|8,795 文字
3【事業等のリスク】 以下には、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある主な事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針であります。 当社では、経営リスク委員会をはじめとした各種社内委員会を用いてリスクの管理を行っていますが、詳細については後記「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項(リスク管理体制の整備の状況)」をご参照ください。 なお、以下のリスクは、経営リスク委員会及び取締役会での議論を経て、当社が主要なリスクとして判断したリスクであり、以下に記載していないリスクにより、当社グループの経営成績及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。また、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は提出日現在において当社が判断したものであります。 1 商品市況及び為替に関するリスク (1) 原油・天然ガス価格の変動リスク 当社グループは、国内外でE&P事業と国内においてインフラ・ユーティリティ事業を行っており、その売上高や営業利益は、原油価格や天然ガス価格の変動により大きな影響を受けます。 例えば、当社の2024年3月期の営業利益は、油価が1米ドル/バレル増減すると470百万円増減すると試算しております。この増減額には、原油価格にリンクしているLNGの調達コストの増減及びそれによる国内天然ガスと電力の販売価格の増減による影響等を含みます。但し、実際の営業利益は上記以外の様々な要因によっても影響を受けます。 さらに、原油、天然ガス等の中長期的な想定販売価格の引き下げ等を理由としてその時点における事業用資産の帳簿価額を将来の収益から回収できない見込みとなった場合には、当該資産について減損損失を計上することとなるため、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 為替の変動リスク 当社グループが国内で生産する原油や天然ガスは、原油やLNGの通関価格(CIF価格)を参照した円建てで販売するため、米ドル・円のレートの変動は、売上高や営業利益等に影響を与えます。また、輸入LNGを原料とした天然ガス及び輸入LNGを燃料とした電力の国内販売価格にも影響を与えますが、仕入れ価格も同様の影響を受けます。 当社の2024年3月期の営業利益は、為替が1円/米ドル増減すると570百万円増減すると見込んでおります。 2 事業に関するリスク 1.E&P事業 (1) E&P事業投資(探鉱投資、開発投資等)に関するリスク 当社によるE&P事業の一般的な特徴として、以下のような投資に関するリスクがあります。 ① 探鉱投資に関するリスク 探鉱活動においては、まずは対象地域の地質状況や地層の分析、物理探査などで地質構造を把握し、有望と評価された場合に試掘を行い油ガス層の広がりや資源量を確認します。しかし、近年の発達した探査技術によっても地質的な不確実性を排除することはできず、期待した規模の原油、天然ガスを必ずしも発見できるとは限らないため、探鉱活動の不成功によりそれまでに投じた支出の回収ができず、投資損失が発生する可能性があります。 ② 開発投資に関するリスク 油・ガス田の開発移行にあたっては、探鉱活動により得られた資源量の見込みや、それを経済的に生産するための坑井、生産・輸送設備等の建設費及び操業費、生産物の販売価格等の見込みといったその時点で得られる様々な情報、想定に基づき合理的に最終投資決定を行うよう努めています。しかし、その後に行う詳細な技術検討による設備仕様の変更や、開発に必要な資機材やサービスの価格高騰、政府等による許認可手続きや掘削等の作業の遅延、生産段階における新たな地質的問題の発生や原油価格・天然ガス価格の下落といった様々な要因により、最終投資決定ができない、又は最終投資決定時の想定と比べて事業の収益性が低下することで、それまでに投じた支出の回収ができず、投資損失が発生する可能性があります。 ③ 将来の廃鉱に関するリスク 当社グループが現在生産を行っている坑井及び鉱山等については、生産終了後に廃鉱作業を実施する必要があります。当社グループは、現在の見積りに基づく廃鉱に関連して発生する費用の現在価値を資産除去債務として計上しております。将来的に、廃鉱作業計画の変更や法令等の規制強化、又は資機材の高騰等により、当該見積り額が不足すると見込まれる場合には、資産除去債務額の積み増しが必要になり、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、資産除去債務の詳細は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(資産除去債務関係)」をご参照ください。 ④ 投資回収期間の長さによるリスク E&P事業では、初期の基礎的な調査から掘さく作業を経て資源の発見に至るまでの探鉱段階及び資源の発見に至った後に開発井の掘さく、生産設備や輸送設備の建設等を伴う開発段階において、長い期間と多額の投資が必要となります。従って、事業に着手してから投資額を回収し、利益に寄与するまでに長いリードタイムを要するのが通例であり、この間、事業環境の変化により、投資額の増大(開発スケジュールの遅延に起因するものを含みます。)、需要の減少、販売単価の下落、操業費の増加、為替の変動等が発生し、事業の収益性が低下し、それまでに投じた支出の回収ができず、投資損失が発生する可能性があります。 ⑤ 埋蔵量・生産量に関するリスク E&P事業の維持発展には、継続的な鉱区権益の取得、探鉱、開発の取組みによって生産活動に伴い減少する埋蔵量・生産量を中長期的に補填・拡大していく必要がありますが、前記「① 探鉱投資に関するリスク」から「④ 投資回収期間の長さによるリスク」に掲げるリスクや後記の海外E&P事業に係るリスク及び気候変動に関するリスク等が存在するため、これらが成功しない場合には、将来的に埋蔵量・生産量が減少し、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 埋蔵量は、評価時点において既知の油・ガス層から地質的、工学的データに基づき経済的にも操業面からも今後確実に採取可能であろうと予測された油・ガスの地上状態での数量であり、今後新たに取得されるデータ等に基づく見直しや経済条件の変動及び国際的に認知された埋蔵量定義の変更等によって、上方にも下方にも修正される可能性があります。詳細は後記「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ④当社グループの埋蔵量」をご参照ください。 (2) 海外E&P事業投資に特有のリスク 海外E&P事業には、前記「(1) E&P事業投資(探鉱投資、開発投資等)に関するリスク」に加えて、一般的な傾向として以下のようなリスクがあります。 ① カントリーリスク 海外E&P事業の一部はカントリーリスクの相対的に高い地域で実施されることがあり、これらの国々の政治・経済・社会的な混乱(治安の著しい悪化を含みます。)、法制や税制もしくは政策等の変更が、当社グループの海外事業の円滑な遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② パートナーリスク 事業の遂行に多額の投資が必要となる、又は技術面等においてリスクが高い場合などには、資金・リスクの分散を目的に、当社単独ではなく他の企業をパートナーとした上で共同事業化しています。 共同事業にかかわる意思決定にあたっては、パートナーごとにその保有権益の多寡に応じた議決権が認められるのが一般的であり、当社としてマイナーシェアを保有するに留まる共同事業において、当社は支配的権限を有しません。そのため、探鉱・開発計画の決定等の場合において当社の意向が必ずしも反映されるとは限らず、これらが当社利益に沿わない形で実施された場合には、期待した収益を得られない可能性があります。また、一部パートナーが事業から撤退した場合等には、事業の円滑な実施に支障を来す可能性があります。 なお、相当規模の資金を要する主な生産中の海外E&P事業については、後記「(3)海外E&P事業の主な個別プロジェクトに係るリスク」のとおりです。 (3) 海外E&P事業の主な個別プロジェクトに係るリスク ① イラク ガラフ油田開発プロジェクト 当社は、連結子会社㈱ジャペックスガラフへの出資を通じて(2023年3月期末の出資比率 55.00%)、イラク共和国南部におけるガラフ油田開発生産プロジェクトに参画し(同社参加比率30%、資金負担比率40%)、オペレーターであるPETRONAS Carigali Iraq Holding B.V.(ペトロナス社の子会社)と共同で開発事業を推進しております。 2013年8月に生産を開始し、現在、原油増産に向けて最終開発計画に基づき、引き取り原油の販売収入を設備投資に充当しながら追加開発作業を進めております。 同プロジェクトにおいては、同国の政治・社会・治安状況等の悪化や石油輸出国機構(OPEC)による協調減産の合意等により、生産量・販売量や売上高・営業利益が減少する可能性があります。また、コストの増加や開発スケジュールの遅延又は生産量の減少が生じた場合等には、設備投資に充当する原油販売収入が不足し、同社に対する当社資金負担額が増加する可能性があります。 ② ロシア サハリン1プロジェクト 当社は、サハリン石油ガス開発㈱への出資を通じて(2023年3月期末の出資比率 15.29%)、ロシア・サハリン島沖合における原油・天然ガス開発事業(サハリン1プロジェクト)に参画しております。 サハリン1プロジェクトにおける原油・ガスの生産販売にあたっては、上記「1 商品市況及び為替に関するリスク(1)原油・天然ガス価格の変動リスク」に記載のとおり、その営業利益は、原油価格や天然ガス価格の変動により大きな影響を受けます。サハリン石油ガス開発㈱は当社の重要な関連会社であり、当該要因により同社の利益が大きく減少した場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、ウクライナ情勢が緊迫化する中、ロシア連邦政府により新会社が設立され、生産物分与契約に基づく全ての権利義務は新会社に承継されました。サハリン石油ガス開発㈱は、ロシア連邦政府から権益比率に応じた新会社の持分引き受けの許可を得ております。ロシアに対する経済制裁の影響により長期にわたる事業活動への制約が生じた場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 2.インフラ・ユーティリティ事業 (1) 天然ガス販売等に関するリスク 当社は、E&P事業における諸リスクの影響を緩和する観点からインフラ・ユーティリティ事業の一部として天然ガス取扱量の拡大に取り組んでおります。既存の天然ガスパイプライン等を活用した需要開拓やパイプライン沿線外でのタンクローリー等を利用したLNGサテライト供給による需要開拓等に積極的に取り組んでいるものの、少子高齢化に伴う人口減や、需要家の設備稼働率の低下、他社との競合関係激化等を要因として、既存の天然ガス取扱数量(第三者からの託送供給量を含む)の減少、新規需要開拓の不調、又は販売単価の下落等により、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社は、将来の販売量見込みに基づき必要となるLNGについて、長期契約及びスポット契約を組み合わせること等により、調達の安定性と需要変動への柔軟性を両立する調達に努めておりますが、想定外の需要減少等が発生した場合には、スポットによる調達量の調整のみで対応できず、長期契約に基づくLNG数量に係る未達補償料の支払いや安値での転売等が必要となる可能性があります。 当社は、LNGの調達価格の変動を販売価格に適切に転嫁する等の対策を講じていますが、LNGの調達価格が短期的に上昇した場合には十分な転嫁が行えず、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 天然ガス火力発電事業に関するリスク 当社は、福島県・相馬港における天然ガス火力発電事業の推進主体である福島ガス発電㈱に出資しており(2023年3月期末の出資比率33.30%)、出資比率相当の同社発電能力を利用した電力事業を行っております。 当社は、自社で引き取る電力の相当部分について小売電気事業者を中心とする複数の顧客と長期の販売契約を締結しておりますが、発電所設備トラブルによる代替電力の調達や、電源間の競合激化等により電力販売量の減少や販売単価の下落等が将来発生した場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 3.事業全体 (1) 事故・災害等に関するリスク 当社グループでは、坑井の掘さく、原油や天然ガスの生産・輸送、LNGの貯蔵・気化・輸送等の操業に関して、設備(天然ガスパイプライン等)の健全性維持や、保安体制及びBCP(事業継続計画)を含む緊急時対応策の整備等に努めておりますが、操業上の事故や災害(異常気象・地震等の自然災害を含みます。)、疫病の蔓延(パンデミック)、犯罪やテロリズム(サイバーセキュリティに関するものを含む)の発生によって、人的・物的損害が発生したり油・ガス田等の操業ができなくなったりするリスクを完全に防止することはできません。こうした事態が発生した場合、その損害の全てが保険によりカバーされるわけではなく、また、直接的な損害だけでなく、販売の中断による収入の減少、当社が供給義務を負う販売先に対する損害賠償、土壌・大気・水質・海洋等の環境汚染による損害賠償、行政処分、社会的信用の低下といった副次的な損害をもたらす可能性があります。 (2) 新型コロナウイルス(COVID-19)等の感染症に関するリスク 新型コロナウイルス(COVID-19)感染症による国内外の経済活動に対する影響は改善しつつあると捉えているものの、類似の又は新たな感染症の拡大に伴う対応(都市閉鎖、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置等)が生じた場合には、石油・天然ガス・電力の需要が減少し、さらには、原油価格・天然ガス価格・電力価格が下落する可能性があります。 (3) 気候変動に関するリスク パリ協定の採択を受け、気候変動や地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの削減を目的とした取組みが世界的に進められており、低炭素社会実現に向けた動きが加速しております。 当社は、気候変動対応の重要性を認識し、TCFD提言に基づいてガバナンス、事業戦略、リスク管理、排出量管理等の分野で必要な取組みを進めております。気候変動に関するリスクのうち、社会の低炭素化・脱炭素化への移行に伴うリスク(政策・法規制リスク、技術リスク、市場リスク等)及び災害発生による物理的リスク(台風等の突発的な気象事象に伴う急性リスク及び海面上昇等の長期的な気候変化に伴う慢性リスク)が中長期的に顕在化することに伴い、各国において気候変動政策が強化され、炭素税を始めとする環境関連法規等が変更・新規導入された場合、国内外の石油・天然ガス需要の減少、販売価格の長期低迷及び追加的な費用負担等により事業価値が毀損される可能性があります。 (4) 新規案件獲得ならびに新規事業成立に関するリスク 当社では、「第2 事業の概況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、2021年5月にカーボンニュートラル社会実現に向けて当社が果たすべき責務と取り組むべき課題、今後の自社対応及び事業展開の方向性を整理した「JAPEX2050」を公表し、2022年3月には、「JAPEX2050」で示した事業構造への移行を目指す中長期の経営計画として「JAPEX経営計画2022-2030」を公表しました。「JAPEX2050」及び「JAPEX経営計画2022-2030」では、事業基盤として、E&P分野、再生可能エネルギーの供給を中心としたインフラ・ユーティリティ分野、その他CCS(CO2の回収・貯留)/CCUS(CO2の回収・有効活用・貯留)に係るカーボンニュートラル分野に取組むことを掲げていますが、かかる取組みにおいて新規案件獲得ならびに新規事業成立が進まない場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。3 固有の法規について (1) ガス事業、電気事業に係る法規 我が国のガス事業および電気事業においては、競争原理の導入を目指した小売自由化の一環として、累次の事業法改正が行われてきた経緯があり、今後も新たな制度改正が行われる可能性があります。こうした法制度の改正が行われた場合には、市場の活性化等による当社グループの事業拡大の機会となり得る一方で、追加的な義務の発生や競争の激化等により業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) その他当社グループ事業に係る固有法規 当社グループの事業は、その特性上、操業の過程で環境に対して様々な負荷を与え、また与える可能性があります。このため当社グループでは、鉱山保安法、高圧ガス保安法等の関連法令に基づいて、監督官庁からの許認可取得、届出、販売先への製品情報の提供等、必要な手続きについて適法かつ適正な処理を行っており、これまで重大な問題が発生したことはありません。但し、世界的な環境意識の高まりにより現行の法規制が強化された場合には、追加の設備・操業対策に係る費用の増加等により、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 4 ㈱INPEXの株価変動に伴うリスクについて 当社は、2023年3月期末現在、㈱INPEX株式を4.09%保有しており、当社グループの当連結会計年度末の投資有価証券の残高115,940百万円のうち同社株式は74,664百万円となっております。同社株価が変動した場合、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 5 国の保有する当社株式について 当社は、2003年12月、石油公団(当時)が保有していた当社株式の一部の売出しにより、東京証券取引所市場第一部に株式を上場しましたが、この結果、同公団の所有株式数の割合は、65.74%から49.94%に低下しました。 さらに、同公団が保有していた当社株式は、同公団の廃止に伴い、2005年4月1日付で国(経済産業大臣)に承継されるとともに、2007年6月15日を受渡期日とする株式売出しにより、当該保有株式のうち15.94%相当分が売却された結果、同大臣の所有株式数の割合は34.00%まで低下しました。その後、当社において、2021年11月から2022年8月までに自己株式を取得し、2022年9月に当該自己株式を消却した結果、2023年3月31日現在で、同大臣の所有株式数の割合は35.79%に上昇しております。 同大臣が所有する株式は今後も売却される可能性があり、その時期、方法、数量等によっては、当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当該株式の保有に関して、国と当社との間には、「定款の変更」「資本金の増減、または社債の発行」「決算および利益金の処分」「営業の一部もしくは全部の譲り渡し、または譲り受け」「役員候補者の決定」「資産または事業経営に重要な影響のある事項」に関して、国との間で協議を行う旨を定めた覚書が存在しております。当該覚書の運用は当社の経営の独立性を尊重する形で行われており、当該覚書の存在が、当社の事業の妨げとなったり、事業内容の制約となったりしたことはありません。 6 コンプライアンス等について 当社グループが国内外で事業を行う上では、以下のような社会的責任を果たす必要があります。① 法令遵守 会社法、税法、金融商品取引法、独占禁止法、労働基準法、環境関連諸法、情報セキュリティ関連諸法、贈賄防止関連諸法や、鉱業法、ガス事業法等の各種業法を含む法令を遵守すること。 ② 情報セキュリティ対策の実施 業務を遂行する上で収集される個人情報を含む秘密情報が漏洩したり目的外に利用したりすることのないよう適切に管理すること。 ③ 不公正取引の遮断 贈賄や反社会的勢力への利益供与といった不公正な取引を行わないこと。 ④ 人権の尊重 サプライチェーン全体において、差別やハラスメント、強制労働や児童労働、先住民の権利への不当な干渉といった人権侵害を行わない、またはこれらに加担しないこと。 当社グループは、これらの社会的責任を果たすために、社内研修等を通して役職員のコンプライアンス意識・人権意識の向上に努める他、社内規程、委員会(後記「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」参照)を整備するとともに、社内監査、財務報告に係る内部統制システム等の必要な制度を構築しているものの、当社役職員による違法または不正な行為があった場合には、油・ガス田の生産操業の停止や訴訟費用の発生といった有形の損害に加え、社会的信用の失墜といった無形の損害が発生し、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
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2【事業等のリスク】 以下には、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある主な事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針であります。 当社では、経営リスク委員会をはじめとした各種社内委員会を用いてリスクの管理を行っていますが、詳細については後記「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項(リスク管理体制の整備の状況)」をご参照ください。 なお、以下のリスクは、経営リスク委員会及び取締役会での議論を経て、当社が主要なリスクとして判断したリスクであり、以下に記載していないリスクにより、当社グループの経営成績及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。また、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は提出日現在において当社が判断したものであります。 1 商品市況及び為替に関するリスク (1) 原油・天然ガス価格の変動リスク 当社グループは、国内外でE&P事業と国内においてインフラ・ユーティリティ事業を行っており、その売上高や営業利益は、原油価格や天然ガス価格の変動により大きな影響を受けます。 例えば、当社の2023年3月期の営業利益は、油価が1米ドル/バレル増減すると240百万円増減すると試算しております。この増減額には、原油価格にリンクしているLNGの調達コストの増減及びそれによる国内天然ガスと電力の販売価格の増減による影響等を含みます。但し、実際の営業利益は上記以外の様々な要因によっても影響を受けます。 さらに、原油、天然ガス等の中長期的な想定販売価格の引き下げ等を理由としてその時点における事業用資産の帳簿価額を将来の収益から回収できない見込みとなった場合には、当該資産について減損損失を計上することとなるため、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 為替の変動リスク 当社グループが国内で生産する原油や天然ガスは、原油やLNGの通関価格(CIF価格)を参照した円建てで販売するため、米ドル・円のレートの変動は、売上高や営業利益等に影響を与えます。また、輸入LNGを原料とした天然ガス及び輸入LNGを燃料とした電力の国内販売価格にも影響を与えますが、仕入れ価格も同様の影響を受けます。 当社の2023年3月期の営業利益は、為替が1円/米ドル増減すると410百万円増減すると見込んでおります。 2 事業に関するリスク 1.E&P事業 (1) E&P事業投資(探鉱投資、開発投資等)に関するリスク 当社によるE&P事業の一般的な特徴として、以下のような投資に関するリスクがあります。 ① 探鉱投資に関するリスク 探鉱活動においては、まずは対象地域の地質状況や地層の分析、物理探査などで地質構造を把握し、有望と評価された場合に試掘を行い油ガス層の広がりや資源量を確認します。しかし、近年の発達した探査技術によっても地質的な不確実性を排除することはできず、期待した規模の原油、天然ガスを必ずしも発見できるとは限らないため、探鉱活動の不成功によりそれまでに投じた支出の回収ができず、投資損失が発生する可能性があります。 ② 開発投資に関するリスク 油・ガス田の開発移行にあたっては、探鉱活動により得られた資源量の見込みや、それを経済的に生産するための坑井、生産・輸送設備等の建設費及び操業費、生産物の販売価格等の見込みといったその時点で得られる様々な情報、想定に基づき合理的に最終投資決定を行うよう努めています。しかし、その後に行う詳細な技術検討による設備仕様の変更や、開発に必要な資機材やサービスの価格高騰、政府等による許認可手続きや掘削等の作業の遅延、生産段階における新たな地質的問題の発生や原油価格・天然ガス価格の下落といった様々な要因により、最終投資決定ができない、又は最終投資決定時の想定と比べて事業の収益性が低下することで、それまでに投じた支出の回収ができず、投資損失が発生する可能性があります。 ③ 将来の廃鉱に関するリスク 当社グループが現在生産を行っている坑井及び鉱山等については、生産終了後に廃鉱作業を実施する必要があります。当社グループは、現在の見積りに基づく廃鉱に関連して発生する費用の現在価値を資産除去債務として計上しております。将来的に、廃鉱作業計画の変更や法令等の規制強化、又は資機材の高騰等により、当該見積り額が不足すると見込まれる場合には、資産除去債務額の積み増しが必要になり、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、資産除去債務の詳細は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(資産除去債務関係)」をご参照ください。 ④ 投資回収期間の長さによるリスク E&P事業では、初期の基礎的な調査から掘さく作業を経て資源の発見に至るまでの探鉱段階及び資源の発見に至った後に開発井の掘さく、生産設備や輸送設備の建設等を伴う開発段階において、長い期間と多額の投資が必要となります。従って、事業に着手してから投資額を回収し、利益に寄与するまでに長いリードタイムを要するのが通例であり、この間、事業環境の変化により、投資額の増大(開発スケジュールの遅延に起因するものを含みます。)、需要の減少、販売単価の下落、操業費の増加、為替の変動等が発生し、事業の収益性が低下し、それまでに投じた支出の回収ができず、投資損失が発生する可能性があります。 ⑤ 埋蔵量・生産量に関するリスク E&P事業の維持発展には、継続的な鉱区権益の取得、探鉱、開発の取組みによって生産活動に伴い減少する埋蔵量・生産量を中長期的に補填・拡大していく必要がありますが、前記「① 探鉱投資に関するリスク」から「④ 投資回収期間の長さによるリスク」に掲げるリスクや後記の海外E&P事業に係るリスク及び気候変動に関するリスク等が存在するため、これらが成功しない場合には、将来的に埋蔵量・生産量が減少し、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 埋蔵量は、評価時点において既知の油・ガス層から地質的、工学的データに基づき経済的にも操業面からも今後確実に採取可能であろうと予測された油・ガスの地上状態での数量であり、今後新たに取得されるデータ等に基づく見直しや経済条件の変動及び国際的に認知された埋蔵量定義の変更等によって、上方にも下方にも修正される可能性があります。詳細は後記「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ④当社グループの埋蔵量」をご参照ください。 (2) 海外E&P事業投資に特有のリスク 海外E&P事業には、前記「(1) E&P事業投資(探鉱投資、開発投資等)に関するリスク」に加えて、一般的な傾向として以下のようなリスクがあります。 ① カントリーリスク 海外E&P事業の一部はカントリーリスクの相対的に高い地域で実施されることがあり、これらの国々の政治・経済・社会的な混乱(治安の著しい悪化を含みます。)、法制や税制もしくは政策等の変更が、当社グループの海外事業の円滑な遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② マーケットリスク 海外E&P事業で生産された原油・天然ガスは、事業収益を最大化すべく、パイプライン等による輸送能力や生産販売コスト等を総合的に考慮した上でプロジェクトごとに最も有利なマーケットを選択し販売しますが、製品の性状や需給環境等の要因により、代表的な原油・天然ガス価格指標(WTIやHenry Hubなど)と比べて大幅なディスカウント販売を余儀なくされ、事業の収益性が悪化する可能性があります。 ③ パートナーリスク 事業の遂行に多額の投資が必要となる、又は技術面等においてリスクが高い場合などには、資金・リスクの分散を目的に、当社単独ではなく他の企業をパートナーとした上で共同事業化しています。 共同事業にかかわる意思決定にあたっては、パートナーごとにその保有権益の多寡に応じた議決権が認められるのが一般的であり、当社としてマイナーシェアを保有するに留まる共同事業において、当社は支配的権限を有しません。そのため、探鉱・開発計画の決定等の場面において当社の意向が必ずしも反映されるとは限らず、これらが当社利益に沿わない形で実施された場合には、期待した収益を得られない可能性があります。 なお、相当規模の資金を要する主な生産中の海外E&P事業については、後記「(3)海外E&P事業の主な個別プロジェクトに係るリスク」のとおりです。 (3) 海外E&P事業の主な個別プロジェクトに係るリスク ① イラク ガラフ油田開発プロジェクト 当社は、連結子会社㈱ジャペックスガラフへの出資を通じて(2022年3月期末の出資比率 55.00%)、イラク共和国南部におけるガラフ油田開発生産プロジェクトに参画し(同社参加比率30%、資金負担比率40%)、オペレーターであるPETRONAS Carigali Iraq Holding B.V.(ペトロナス社の子会社)と共同で開発事業を推進しております。 2013年8月に生産を開始し、現在、原油増産に向けて最終開発計画に基づき、引き取り原油の販売収入を設備投資に充当しながら追加開発作業を進めております。 同プロジェクトにおいては、同国の政治・社会・治安状況等の悪化や石油輸出国機構(OPEC)による協調減産の合意等により、生産量や販売量及び売上高や営業利益が減少する可能性があります。また、コストの増加や開発スケジュールの遅延又は生産量の減少が生じた場合等には、設備投資に充当する原油販売収入が不足し、同社に対する当社資金負担額が増加する可能性があります。 ② ロシア サハリン1プロジェクト 当社は、サハリン石油ガス開発㈱への出資を通じて(2022年3月期末の出資比率 15.29%)、ロシア・サハリン島沖合における原油・天然ガス開発事業(サハリン1プロジェクト)に参画しております。 サハリン1プロジェクトにおける原油・ガスの生産販売にあたっては、上記「1 商品市況及び為替に関するリスク(1)原油・天然ガス価格の変動リスク」に記載のとおり、その営業利益は、原油価格や天然ガス価格の変動により大きな影響を受けます。サハリン石油ガス開発㈱は当社の重要な関連会社であり、当該要因により同社の営業利益が大きく減少した場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、ウクライナ情勢の緊迫化を受け、同事業のオペレーターである米ExxonMobilが、2022年3月1日、同事業から撤退する方針を表明しております。また、ロシアに対する経済制裁の影響により長期にわたる事業活動への制約が生じた場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 2.インフラ・ユーティリティ事業 (1) 天然ガス販売等に関するリスク 当社は、E&P事業における諸リスクの影響を緩和する観点からインフラ・ユーティリティ事業の一部として天然ガス取扱量の拡大に取り組んでおります。既存の天然ガスパイプライン等を活用した需要開拓やパイプライン沿線外でのタンクローリー等を利用したLNGサテライト供給による需要開拓等に積極的に取り組んでいるものの、少子高齢化に伴う人口減や、需要家の設備稼働率の低下、他社との競合関係激化等を要因として、既存の天然ガス取扱数量(第三者からの託送供給量を含む)の減少、新規需要開拓の不調、又は販売単価の下落等により、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社は、将来の販売量見込みに基づき必要となるLNGについて、長期契約及びスポット契約を組み合わせること等により、調達の安定性と需要変動への柔軟性を両立する調達に努めておりますが、想定外の需要減少等が発生した場合には、スポットによる調達量の調整のみで対応できず、長期契約に基づくLNG数量に係る未達補償料の支払いや安値での転売等が必要となる可能性があります。 当社は、LNGの調達価格の変動を販売価格に適切に転嫁する等の対策を講じていますが、LNGの調達価格が短期的に上昇した場合には十分な転嫁が行えず、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 天然ガス火力発電事業に関するリスク 当社は、福島県・相馬港における天然ガス火力発電事業の推進主体である福島ガス発電㈱に出資しており(2022年3月期末の出資比率33.30%)、出資比率相当の同社発電能力を利用した電力事業を行っております。 当社は、自社で引き取る電力の相当部分について小売電気事業者を中心とする複数の顧客と長期の販売契約を締結しておりますが、発電所設備トラブルによる代替電力の調達や、電源間の競合激化等により電力販売量の減少や販売単価の下落等が将来発生した場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 3.事業全体 (1) 事故・災害等に関するリスク 当社グループでは、坑井の掘さく、原油や天然ガスの生産・輸送、LNGの貯蔵・気化・輸送等の操業に関して、設備(天然ガスパイプライン等)の健全性維持や、保安体制及びBCP(事業継続計画)を含む緊急時対応策の整備等に努めておりますが、操業上の事故や災害(異常気象・地震等の自然災害を含みます。)、疫病の蔓延(パンデミック)、犯罪やテロリズム(サイバーセキュリティに関するものを含む)の発生によって、人的・物的損害が発生したり油・ガス田等の操業ができなくなったりするリスクを完全に防止することはできません。こうした事態が発生した場合、その損害の全てが保険によりカバーされるわけではなく、また、直接的な損害だけでなく、販売の中断による収入の減少、当社が供給義務を負う販売先に対する損害賠償、土壌・大気・水質・海洋等の環境汚染による損害賠償、行政処分、社会的信用の低下といった副次的な損害をもたらす可能性があります。 (2) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するリスク 依然として、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が収束する見通しは不透明な状況にあり、同感染症の拡大及びそれに伴う各国での対応(都市封鎖、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置等)により、石油・天然ガス・電力の需要が減少し、さらには、原油価格・天然ガス価格・電力価格が下落する可能性があります。また、当社従業員への感染や当社従業員又は事業活動に必要な資機材等の移動が制限されることにより、当社の事業活動が停滞し、遅延する可能性があります。 なお、当社では、感染予防・拡大防止策を継続しており、社内に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応に係る緊急対策本部を設置し、フレックスタイム制の拡大、在宅勤務の実施、不急の国内外の出張の規制、ワクチンの職域接種のほか、国内操業現場においては、中央監視制御室への入室制限等を実施しています。 (3) 気候変動に関するリスク パリ協定の採択を受け、気候変動や地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの削減を目的とした取組みが世界的に進められており、低炭素社会実現に向けた動きが加速しております。 当社は、気候変動対応の重要性を認識し、TCFD提言に基づいてガバナンス、事業戦略、リスク管理、排出量管理等の分野で必要な取組みを進めております。気候変動に関するリスクのうち、社会の低炭素化・脱炭素化への移行に伴うリスク(政策・法規制リスク、技術リスク、市場リスク等)及び災害発生による物理的リスク(台風等の突発的な気象事象に伴う急性リスク及び海面上昇等の長期的な気候変化に伴う慢性リスク)が中長期的に顕在化することに伴い、各国において気候変動政策が強化され、炭素税を始めとする環境関連法規等が変更・新規導入された場合、国内外の石油・天然ガス需要の減少、販売価格の長期低迷及び追加的な費用負担等により事業価値が毀損される可能性があります。 (4) 新規案件獲得ならびに新規事業成立に関するリスク 当社では、「第2 事業の概況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、2021年5月にカーボンニュートラル社会実現に向けて当社が果たすべき責務と取り組むべき課題、今後の自社対応及び事業展開の方向性を整理した「JAPEX2050」を公表し、2022年3月には、「JAPEX2050」で示した事業構造への移行を目指す中長期の経営計画として「JAPEX経営計画2022-2030」を公表しました。「JAPEX2050」及び「JAPEX経営計画2022-2030」では、事業基盤として、E&P分野、再生可能エネルギーの供給を中心としたインフラ・ユーティリティ分野、その他CCS(CO2の回収・貯留)/CCUS(CO2の回収・有効活用・貯留)に係るカーボンニュートラル分野に取組むことを掲げていますが、かかる取組みにおいて新規案件獲得ならびに新規事業成立が進まない場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。3 固有の法規について (1) ガス事業、電気事業に係る法規 我が国のガス事業においては、競争原理の導入を目指した様々な規制緩和の一環として、2017年4月1日に改正ガス事業法が施行され、従来第三者託送義務が課されている天然ガスパイプラインに加え、一定規模以上のLNG基地に対し、ガス事業法の規制下で新たに第三者開放が義務付けられることになりました。当社では、こうした規制緩和の流れが、我が国のガス市場全体の活性化と天然ガスの需要拡大をもたらすとともに、当社グループのマーケティングの自由度を高め、事業領域や顧客基盤の拡大につながるものと考えております。一方で、このような構造改革の進展は厳しい価格競争をもたらし、当社グループの天然ガス販売にも悪影響を及ぼす可能性があります。 また、電力事業についても、安定供給の確保、電気料金の最大限の抑制、家庭をはじめとする需要家の選択肢や企業の事業機会の拡大を目指す電力システム改革が政府により進められており、電気事業に係る政策の見直しやこれに伴う市況の変化等により、将来における当社の電力販売に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) その他当社グループ事業に係る固有法規 当社グループの事業は、その特性上、操業の過程で環境に対して様々な負荷を与え、また与える可能性があります。このため当社グループでは、鉱山保安法、高圧ガス保安法等の関連法令に基づいて、監督官庁からの許認可取得、届出、販売先への製品情報の提供等、必要な手続きについて適法かつ適正な処理を行っており、これまで重大な問題が発生したことはありません。但し、世界的な環境意識の高まりにより現行の法規制が強化された場合には、追加の設備・操業対策に係る費用の増加等により、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 4 ㈱INPEXの株価変動に伴うリスクについて 当社は、2022年3月期末現在、㈱INPEX株式を3.85%保有しており、当社グループの当連結会計年度末の投資有価証券の残高108,910百万円のうち同社株式は76,963百万円となっております。同社株価が変動した場合、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 5 国の保有する当社株式について 当社は、2003年12月、石油公団(当時)が保有していた当社株式の一部の売出しにより、東京証券取引所市場第一部に株式を上場しましたが、この結果、同公団の所有株式数の割合は、65.74%から49.94%に低下しました。 さらに、同公団が保有していた当社株式は、同公団の廃止に伴い、2005年4月1日付で国(経済産業大臣)に承継されるとともに、2007年6月15日を受渡期日とする株式売出しにより、当該保有株式のうち15.94%相当分が売却された結果、2022年3月31日現在で、自己株式を控除して算出した同大臣の所有株式数の割合は34.88%であります。残る株式についても引き続き売却される可能性があり、その時期、方法、数量等によっては、当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当該株式の保有に関して、国と当社との間には、「定款の変更」「資本金の増減、または社債の発行」「決算および利益金の処分」「営業の一部もしくは全部の譲り渡し、または譲り受け」「役員候補者の決定」「資産または事業経営に重要な影響のある事項」に関して、国との間で協議を行う旨を定めた覚書が存在しております。当該覚書の運用は当社の経営の独立性を尊重する形で行われており、当該覚書の存在が、当社の事業の妨げとなったり、事業内容の制約となったりしたことはありません。 6 コンプライアンス等について 当社グループが国内外で事業を行う上では、以下のような社会的責任を果たす必要があります。① 法令遵守 会社法、税法、金融商品取引法、独占禁止法、労働基準法、環境関連諸法、情報セキュリティ関連諸法、贈賄防止関連諸法や、鉱業法、ガス事業法等の各種業法を含む法令を遵守すること。 ② 情報セキュリティ対策の実施 業務を遂行する上で収集される個人情報を含む秘密情報が漏洩したり目的外に利用したりすることのないよう適切に管理すること。 ③ 不公正取引の遮断 贈賄や反社会的勢力への利益供与といった不公正な取引を行わないこと。 ④ 人権の尊重 サプライチェーン全体において、差別やハラスメント、強制労働や児童労働、先住民の権利への不当な干渉といった人権侵害を行わない、またはこれらに加担しないこと。 当社グループは、これらの社会的責任を果たすために、社内研修等を通して役職員のコンプライアンス意識・人権意識の向上に努める他、社内規程、委員会(後記「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」参照)を整備するとともに、社内監査、財務報告に係る内部統制システム等の必要な制度を構築しているものの、当社役職員による違法または不正な行為があった場合には、油・ガス田の生産操業の停止や訴訟費用の発生といった有形の損害に加え、社会的信用の失墜といった無形の損害が発生し、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2021|9,961 文字
2【事業等のリスク】 以下には、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある主な事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針であります。 当社では、経営リスク委員会をはじめとした各種社内委員会を用いてリスクの管理を行っていますが、詳細については後記「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項(リスク管理体制の整備の状況)」をご参照ください。 なお、以下のリスクは、経営リスク委員会及び取締役会での議論を経て、当社が主要なリスクとして判断したリスクであり、以下に記載していないリスクにより、当社グループの経営成績及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。また、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は提出日現在において当社が判断したものであります。 1 商品市況及び為替に関するリスク (1) 原油・天然ガス価格の変動リスク 当社グループは、国内外でE&P事業と国内においてインフラ・ユーティリティ事業を行っており、その売上高や営業利益は、原油価格や天然ガス価格の変動により大きな影響を受けます。 例えば、当社の2022年3月期の営業利益は、油価が1米ドル/バレル増減すると560百万円増減すると試算しております。この増減額には、原油価格にリンクしているLNGの調達コストの増減及びそれによる国内天然ガスと電力の販売価格の増減による影響等を含みます。但し、実際の営業利益は上記以外の様々な要因によっても影響を受けます。 さらに、原油、天然ガス等の中長期的な想定販売価格の引き下げ等を理由としてその時点における事業用資産の帳簿価額を将来の収益から回収できない見込みとなった場合には、当該資産について減損損失を計上することとなるため、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 為替の変動リスク 当社グループが国内で生産する原油や天然ガスは、原油やLNGの通関価格(CIF価格)を参照した円建てで販売するため、米ドル・円のレートの変動は、売上高や営業利益等に影響を与えます。また、輸入LNGを原料とした天然ガス及び輸入LNGを燃料とした電力の国内販売価格にも影響を与えますが、仕入れ価格も同様の影響を受けます。 当社の2022年3月期の営業利益は、為替が1円/米ドル増減すると220百万円増減すると見込んでおります。 2 事業に関するリスク 1.E&P事業 (1) E&P事業投資(探鉱投資、開発投資等)に関するリスク 当社によるE&P事業の一般的な特徴として、以下のような投資に関するリスクがあります。 ① 探鉱投資に関するリスク 探鉱活動においては、まずは対象地域の地質状況や地層の分析、物理探査などで地質構造を把握し、有望と評価された場合に試掘を行い油ガス層の広がりや資源量を確認します。しかし、近年の発達した探査技術によっても地質的な不確実性を排除することはできず、期待した規模の原油、天然ガスを必ずしも発見できるとは限らないため、探鉱活動の不成功によりそれまでに投じた支出の回収ができず、投資損失が発生する可能性があります。 ② 開発投資に関するリスク 油ガス田の開発移行にあたっては、探鉱活動により得られた資源量の見込みや、それを経済的に生産するための坑井、生産・輸送設備等の建設費及び操業費、生産物の販売価格等の見込みといったその時点で得られる様々な情報、想定に基づき合理的に最終投資決定を行うよう努めています。しかし、その後に行う詳細な技術検討による設備仕様の変更や、開発に必要な資機材やサービスの価格高騰、政府等による許認可手続きや掘削等の作業の遅延、生産段階における新たな地質的問題の発生や原油価格・天然ガス価格の下落といった様々な要因により、最終投資決定ができない、又は最終投資決定時の想定と比べて事業の収益性が低下することで、それまでに投じた支出の回収ができず、投資損失が発生する可能性があります。 ③ 将来の廃鉱に関するリスク 当社グループが現在生産を行っている坑井及び鉱山等については、生産終了後に廃鉱作業を実施する必要があります。当社グループは、現在の見積りに基づく廃鉱に関連して発生する費用の現在価値を資産除去債務として計上しております。将来的に、廃鉱作業計画の変更や法令等の規制強化、又は資機材の高騰等により、当該見積り額が不足と見込まれる場合には、資産除去債務額の積み増しが必要になり、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、注記事項として後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(資産除去債務関係)」があります。 ④ 投資回収期間の長さによるリスク E&P事業では、初期の基礎的な調査から掘さく作業を経て資源の発見に至るまでの探鉱段階及び資源の発見に至った後に開発井の掘さく、生産設備や輸送設備の建設等を伴う開発段階において、長い期間と多額の投資が必要となります。従って、事業に着手してから投資額を回収し、利益に寄与するまでに長いリードタイムを要するのが通例であり、この間、事業環境の変化により、投資額の増大(開発スケジュールの遅延に起因するものを含みます。)、需要の減少、販売単価の下落、操業費の増加、為替の変動等が発生し、事業の収益性が低下し、それまでに投じた支出の回収ができず、投資損失が発生する可能性があります。 ⑤ 埋蔵量・生産量に関するリスク E&P事業の維持発展には、継続的な鉱区権益の取得、探鉱、開発の取組みによって生産活動に伴い減少する埋蔵量・生産量を中長期的に補填・拡大していく必要がありますが、前記「① 探鉱投資に関するリスク」から「④ 投資回収期間の長さによるリスク」に掲げるリスクや後記の海外E&P事業に係るリスク及び気候変動に関するリスク等が存在するため、これらが成功しない場合には、将来的に埋蔵量・生産量が減少し、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 埋蔵量は、評価時点において既知の油・ガス層から地質的、工学的データに基づき経済的にも操業面からも今後確実に採取可能であろうと予測された油・ガスの地上状態での数量であり、今後新たに取得されるデータ等に基づく見直しや経済条件の変動及び国際的に認知された埋蔵量定義の変更等によって、上方にも下方にも修正される可能性があります。詳細は後記「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ④当社グループの埋蔵量」 をご参照ください。 (2) 海外E&P事業投資に特有のリスク 海外E&P事業には、前記「(1) E&P事業投資(探鉱投資、開発投資等)に関するリスク」に加えて、一般的な傾向として以下のようなリスクがあります。 ① カントリーリスク 海外E&P事業の一部はカントリーリスクの相対的に高い地域で実施されることがあり、これらの国々の政治・経済・社会的な混乱(治安の著しい悪化を含みます。)、法制や税制もしくは政策等の変更が、当社グループの海外事業の円滑な遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② マーケットリスク 海外E&P事業で生産された原油・天然ガスは、事業収益を最大化すべく、パイプライン等による輸送能力や生産販売コスト等を総合的に考慮した上でプロジェクトごとに最も有利なマーケットを選択し販売しますが、製品の性状や需給環境等の要因により、代表的な原油・天然ガス価格指標(WTIやHenry Hubなど)と比べて大幅なディスカウント販売を余儀なくされ、事業の収益性が悪化する可能性があります。 ③ パートナーリスク 事業の遂行に多額の投資が必要となる、又は技術面等においてリスクが高い場合などには、資金・リスクの分散を目的に、当社単独ではなく他の企業をパートナーとした上で共同事業化しています。 共同事業にかかわる意思決定にあたっては、パートナーごとにその保有権益の多寡に応じた議決権が認められるのが一般的であり、当社としてマイナーシェアを保有するに留まる共同事業において、当社は支配的権限を有しません。そのため、探鉱・開発計画の決定等の場面において当社の意向が必ずしも反映されるとは限らず、これらが当社利益に沿わない形で実施された場合には、期待した収益を得られない可能性があります。 なお、相当規模の資金を要する主な生産中の海外E&P事業については、後記「(3)海外E&P事業の主な個別プロジェクトに係るリスク」のとおりです。 (3) 海外E&P事業の主な個別プロジェクトに係るリスク ①カナダ アルバータ州におけるHangingstone鉱区オイルサンド開発事業 当社は、連結子会社カナダオイルサンド㈱への出資(2021年3月期末の出資比率 93.60%。間接出資を含む場合の出資比率 94.58%)を通じて、カナダ アルバータ州におけるオイルサンド開発事業を推進しており、同社完全子会社であるJapan Canada Oil Sands Limited(JACOS)により生産操業を行っております。なお、本事業は、75%の権益を保有するJACOSと25%の権益を保有するCNOOC Petroleum North America ULCとの共同事業です。当社は、オペレーターであるJACOSを通じ同プロジェクトの収益性向上に努めておりますが、アルバータ州における希釈ビチューメン価格の長期低迷等によりJACOSの業績が悪化した場合には、同社借入金を対象に当社が差し入れている債務保証の履行等により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社の債務保証額については、後記「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(貸借対照表関係)3.偶発債務」をご参照ください。 ② カナダ ブリティッシュ・コロンビア州におけるシェールガス開発プロジェクト 当社は、連結子会社JAPEX Montney Ltd.(JML)への出資(2021年3月期末の出資比率55%)を通じて、マレーシア国営石油会社 ペトロナス社の推進するシェールガス開発・生産プロジェクトに参画しておりましたが(JML参画比率10%)、JMLが保有する鉱区権益全てと関連する資産を、同鉱区のオペレーターであるPetronas Energy Canada Ltd.へ譲渡する売買契約を締結しました。詳しくは、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。 ③ イラク ガラフ油田開発プロジェクト 当社は、連結子会社㈱ジャペックスガラフへの出資を通じて(2021年3月期末の出資比率 55.00%)、イラク共和国南部におけるガラフ油田開発生産プロジェクトに参画し(同社参加比率30%、資金負担比率40%)、オペレーターであるPETRONAS Carigali Iraq Holding B.V.(ペトロナス社の子会社)と共同で開発事業を推進しております。 2013年8月に生産を開始し、現在、原油増産に向けて最終開発計画に基づき、引き取り原油の販売収入を設備投資に充当しながら追加開発作業を進めております。 同プロジェクトにおいては、同国の政治・社会・治安状況等の悪化や石油輸出国機構(OPEC)による協調減産の合意等により、生産量や販売量及び売上高や営業利益が減少する可能性があります。また、コストの増加や開発スケジュールの遅延又は生産量の減少が生じた場合等には、設備投資に充当する原油販売収入が不足し、同社に対する当社資金負担額が増加する可能性があります。 なお、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響により開発生産操業を一時休止した後、2020年7月より生産操業を再開しましたが、移動の制限等により追加開発作業に遅れが生じたため、2020年度に計画されていた日量23万バレル規模への増産は2021年度以降にずれ込むこととなりました。 ④ ロシア サハリン1プロジェクト 当社は、サハリン石油ガス開発㈱への出資を通じて(2021年3月期末の出資比率 15.29%)、ロシア・サハリン島沖合における原油・天然ガス開発事業(サハリン1プロジェクト)に参画しております。 サハリン1プロジェクトにおける原油・ガスの生産販売にあたっては、上記「1 商品市況及び為替に関するリスク(1)原油・天然ガス価格の変動リスク」に記載のとおり、その営業利益は、原油価格や天然ガス価格の変動により大きな影響を受けます。サハリン石油ガス開発㈱は当社の重要な関連会社であり、当該要因により同社の営業利益が大きく減少した場合には、当社グループの持分法による投資利益も大きく減少する可能性があります。また、生産中油ガス田で追加開発作業を進めており、これらの作業やさらなる追加開発計画の進展次第では、当社グループの持分法による投資利益が短期的に減少する、又は当社において債務保証が発生する可能性があります。 2.インフラ・ユーティリティ事業 (1) 天然ガス販売等に関するリスク 当社は、E&P事業における諸リスクの影響を緩和する観点からインフラ・ユーティリティ事業の一部として天然ガス取扱量の拡大に取り組んでおります。既存の天然ガスパイプライン等を活用した需要開拓やパイプライン沿線外でのタンクローリー等を利用したLNGサテライト供給による需要開拓等に積極的に取り組んでいるものの、少子高齢化に伴う人口減や、需要家の設備稼働率の低下、ガス事業制度改革を背景とした他社との競合関係激化等を要因として、既存の天然ガス取扱数量(第三者からの託送供給量を含む)の減少、新規需要開拓の不調、又は販売単価の下落等により、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社は、将来の販売量見込みに基づき必要となるLNGについて、長期契約及びスポット契約を組み合わせること等により、調達の安定性と需要変動への柔軟性を両立する調達に努めておりますが、想定外の需要減少等が発生した場合には、スポットによる調達量の調整のみで対応できず、長期契約に基づくLNG数量に係る未達補償料の支払いや安値での転売等が必要となる可能性があります。 当社は、LNGの調達価格の変動を販売価格に適切に転嫁する等の対策を講じていますが、十分な転嫁が行えず、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 天然ガス火力発電事業に関するリスク 当社は、福島県・相馬港における天然ガス火力発電事業の推進主体である福島ガス発電㈱に出資(2021年3月期末の出資比率33%)しており、出資比率相当の同社発電能力を利用した電力事業を行っております。 当社は、自社で引き取る電力の相当部分について小売電気事業者を中心とする複数の顧客と長期の販売契約を締結しておりますが、発電所設備トラブルによる代替電力の調達や、電源間の競合激化等により電力販売量の減少や販売単価の下落等が将来発生した場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 3.事業全体 (1) 事故・災害等に関するリスク 当社グループでは、坑井の掘さく、原油や天然ガスの生産・輸送、LNGの貯蔵・気化・輸送等の操業に関して、設備(天然ガスパイプライン等)の健全性維持や、保安体制及びBCP(事業継続計画)を含む緊急時対応策の整備等に努めておりますが、操業上の事故や災害(異常気象・地震等の自然災害を含みます。)、疫病の蔓延(パンデミック)、犯罪やテロリズムの発生によって、人的・物的損害が発生したり油ガス田等の操業ができなくなったりするリスクを完全に防止することはできません。こうした事態が発生した場合、その損害の全てが保険によりカバーされるわけではなく、また、直接的な損害だけでなく、販売の中断による収入の減少、当社が供給義務を負う販売先に対する損害賠償、土壌・大気・水質・海洋等の環境汚染による損害賠償、行政処分、社会的信用の低下といった副次的な損害をもたらす可能性があります。 (2) 新型コロナウィルス感染症(COVID-19)に関するリスク 新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡大及びそれに伴う各国での対応(都市封鎖、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置等)により、石油・天然ガス・電力の需要が減少し、さらには、原油価格・天然ガス価格・電力価格が下落する可能性があります。また、当社従業員への感染や当社従業員又は事業活動に必要な資機材等の移動が制限されることにより、当社の事業活動が停滞し、遅延する可能性があります。 なお、当社では、感染予防・拡大防止策として、社内に新型コロナウィルス感染症(COVID-19)対応に係る緊急対策本部を設置し、フレックスタイム制の拡大、在宅勤務の実施、不急の国内外の出張の規制のほか、国内操業現場においても、中央監視制御室への入室制限等を実施しています。 (3) 気候変動に関するリスク パリ協定の採択を受け、気候変動や地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの削減を目的とした取組みが世界的に進められており、低炭素社会実現に向けた動きが加速しております。 当社は、気候変動対応の重要性を認識し、TCFD提言に基づいてガバナンス、事業戦略、リスク管理、排出量管理等の分野で必要な取組みを進めております。気候変動に関するリスクのうち、社会の低炭素化・脱炭素化への移行に伴うリスク(政策・法規制リスク、技術リスク、市場リスク等)が中長期的に顕在化することに伴い、各国において気候変動政策が強化され、炭素税を始めとする環境関連法規等が変更・新規導入された場合、国内外の石油・天然ガス需要の減少、販売価格の長期低迷及び追加的な費用負担等により事業価値が毀損される可能性があります。 (4) 新規案件獲得ならびに新規事業成立に関するリスク 当社では、「第2 事業の概況 1. 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、2021年5月にカーボンニュートラル社会実現に向けて当社が果たすべき責務と取り組むべき課題、今後の自社対応及び事業展開の方向性を整理した「JAPEX2050」を公表しました。「JAPEX2050」では、E&P事業、再生可能エネルギーの供給、その他CCS(CO2の回収・貯留)/CCUS(CO2の回収・有効活用・貯留)の事業等に取組むことを掲げていますが、かかる取組みにおいて新規案件獲得ならびに新規事業成立が進まない場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。3 固有の法規について (1) ガス事業、電気事業に係る法規 我が国のガス事業においては、競争原理の導入を目指した様々な規制緩和の一環として、2017年4月1日に改正ガス事業法が施行され、従来第三者託送義務が課されている天然ガスパイプラインに加え、一定規模以上のLNG基地に対し、ガス事業法の規制下で新たに第三者開放が義務付けられることになりました。当社では、こうした規制緩和の流れが、我が国のガス市場全体の活性化と天然ガスの需要拡大をもたらすとともに、当社グループのマーケティングの自由度を高め、事業領域や顧客基盤の拡大につながるものと考えております。一方で、このような構造改革の進展は厳しい価格競争をもたらし、当社グループの天然ガス販売にも悪影響を及ぼす可能性があります。 また、電力事業についても、安定供給の確保、電気料金の最大限の抑制、家庭をはじめとする需要家の選択肢や企業の事業機会の拡大を目指す電力システム改革が政府により進められており、電気事業に係る政策の見直しやこれに伴う市況の変化等により、将来における当社の電力販売に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) その他当社グループ事業に係る固有法規 当社グループの事業は、その特性上、操業の過程で環境に対して様々な負荷を与え、また与える可能性があります。このため当社グループでは、鉱山保安法、高圧ガス保安法等の関連法令に基づいて、監督官庁からの許認可取得、届出、販売先への製品情報の提供等、必要な手続きについて適法かつ適正な処理を行っており、これまで重大な問題が発生したことはありません。但し、世界的な環境意識の高まりに連れて現行の法規制が強化された場合には、追加の設備・操業対策に係る費用の増加等により、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 4 ㈱INPEXの株価変動に伴うリスクについて 当社は、2021年3月期末現在、㈱INPEX株式を7.32%保有しており、当社グループの2021年3月期連結会計年度末の投資有価証券の残高は105,070百万円のうち同社株式は80,811百万円となっております。同社株価が変動した場合、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 5 国の保有する当社株式について 当社は、2003年12月、石油公団(当時)が保有していた当社株式の一部の売出しにより、東京証券取引所市場第一部に株式を上場しましたが、この結果、同公団の所有株式数の割合は、65.74%から49.94%に低下しました。 さらに、同公団が保有していた当社株式は、同公団の廃止に伴い、2005年4月1日付で国(経済産業大臣)に承継されるとともに、2007年6月15日を受渡期日とする株式売出しにより、当該保有株式のうち15.94%相当分が売却された結果、同大臣の所有株式数の割合は34.00%となり、現在に至っております。残る株式についても引き続き売却される可能性があり、その時期、方法、数量等によっては、当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当該株式の保有に関して、国と当社との間には、「定款の変更」「資本金の増減、または社債の発行」「決算および利益金の処分」「営業の一部もしくは全部の譲り渡し、または譲り受け」「役員候補者の決定」「資産または事業経営に重要な影響のある事項」に関して、国との間で協議を行う旨を定めた覚書が存在しております。当該覚書の運用は当社の経営の独立性を尊重する形で行われており、当該覚書の存在が、当社の事業の妨げとなったり、事業内容の制約となったことはありません。 6 コンプライアンス等について 当社グループが国内外で事業を行う上では、以下のような社会的責任を果たす必要があります。① 法令遵守 会社法、税法、金融商品取引法、独占禁止法、労働基準法、環境関連諸法、情報セキュリティ関連諸法、贈賄防止関連諸法や、鉱業法、ガス事業法等の各種業法を含む法令を遵守すること。 ② 情報セキュリティ対策の実施 業務を遂行する上で収集される個人情報を含む秘密情報が漏洩したり目的外に利用したりすることのないよう適切に管理すること。 ③ 不公正取引の遮断 贈賄や反社会的勢力への利益供与といった不公正な取引を行わないこと。 ④ 人権の尊重 サプライチェーン全体において、差別やハラスメント、強制労働や児童労働、先住民の権利への不当な干渉といった人権侵害を行わない、またはこれらに加担しないこと。 当社グループは、これらの社会的責任を果たすために、社内研修等を通して役職員のコンプライアンス意識・人権意識の向上に努める他、社内規程、委員会(後記「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」参照)を整備するとともに、社内監査、財務報告に係る内部統制システム等の必要な制度を構築しておりますが、役職員による違法または不正な行為を完全に防止できる保証はなく、これらの行為があった場合には、油ガス田の生産操業の停止や訴訟費用の発生といった有形の損害に加え、社会的信用の失墜といった無形の損害が発生し、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
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2【事業等のリスク】 以下には、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある主な事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針であります。 特に後記「1 商品市況及び為替に関するリスク」及び「2 事業に関するリスク 2.インフラ・ユーティリティ事業」への対応として、当社は、社長を委員長とする「投資評価委員会」及び「プロジェクト総合管理委員会」を設け、一定規模以上の財務負担を伴う事業の実施判断に際してのリスクの抽出及び当該リスクの発生蓋然性や回避策、対応策等に関する検討を事前に行うとともに、実施段階に移行した事業についてその状況を定期的にモニタリングすることにより、定性的・定量的にリスクを把握・管理するよう努めております。 なお、以下は当社が認識している主要なリスクであって、以下に記載していないリスクにより、当社グループの経営成績及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。また、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は提出日現在において当社が判断したものであります。 1 商品市況及び為替に関するリスク (1) 原油・天然ガス価格の変動リスク 当社グループは、日本、北米、欧州、中東等においてE&P事業を行っており、その売上高や営業利益は、原油価格や天然ガス価格の変動により大きな影響を受けます。 例えば、当社の2021年3月期の営業利益は、試算によると、原油CIF価格1バレル当たり40米ドル等一定の想定条件下においては、油価が1米ドル/バレル増減すると520百万円増減し(原油価格にリンクしているLNGの調達コストの増減による影響等を含みます。)、また、カナダ産ガス価格が1加ドル/千立方フィート増減すると640百万円増減すると見込んでおります。但し、実際の営業利益は上記以外の様々な要因によっても影響を受けます。 さらに、原油、天然ガス等の中長期的な想定販売価格の引き下げ等を理由としてその時点における事業資産の帳簿価額を将来の利益から回収できない見込みとなった場合には、当該資産について減損損失を計上することとなるため、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 為替の変動リスク 当社グループが国内で生産する原油や天然ガスは、原油やLNGの通関価格(CIF価格)を参照した円建てで販売するため、米ドル・円のレートの変動は、売上高や営業利益等に影響を与えます。また、輸入LNGを原料とした天然ガスの国内販売価格も同様ですが、仕入れ値(原価)にも影響します。なお、借入金に係る為替の変動リスクとして、後記「2 事業に関するリスク 1.E&P事業 (3) 海外E&P事業の主な個別プロジェクトに係るリスク ②カナダ ブリティッシュ・コロンビア州におけるシェールガス開発プロジェクト」をご覧ください。 2 事業に関するリスク 1.E&P事業 (1) E&P事業投資(探鉱投資、開発投資)に関するリスク 当社によるE&P事業の一般的な特徴として、以下のような投資に関するリスクがあります。 ①探鉱投資に関するリスク 探鉱活動においては、まずは対象地域の地質状況や地層の分析、物理探査などで地質構造を把握し、有望と評価された場合に試掘を行い油ガス層の広がりや資源量を確認します。しかし、近年の発達した探査技術によっても地質的な不確実性を排除することはできず、期待した規模の原油、天然ガスを必ずしも発見できるとは限らないため、探鉱活動の不成功によりそれまでに投じた支出の回収ができず、投資損失が発生する可能性があります。 ② 開発投資に関するリスク 油ガス田の開発移行にあたっては、探鉱活動により得られた資源量の見込みや、それを経済的に生産するための坑井、生産・輸送設備等の建設費及び操業費、生産物の販売価格等の見込みといったその時点で得られる様々な情報、想定に基づき合理的に最終投資決定を行うよう努めています。しかし、その後に行う詳細な技術検討による設備仕様の変更や、開発に必要な資機材やサービスの価格高騰、政府等による許認可手続きや掘削等の作業の遅延、生産段階における新たな地質的問題の発生や原油価格・天然ガス価格の下落といった様々な要因により、最終投資決定ができない、又は最終投資決定時の想定と比べて事業の収益性が低下することで、それまでに投じた支出の回収ができず、投資損失が発生する可能性があります。 ③ 将来の廃鉱に関するリスク 当社グループが現在生産を行っている坑井及び鉱山等については、生産終了後に廃鉱作業を実施する必要があります。当社グループは、現在の見積りに基づく廃鉱に関連して発生する費用の現在価値を資産除去債務として計上しております。将来的に、廃鉱作業計画の変更や法令等の規制強化、又は資機材の高騰等により、当該見積り額が不足と見込まれる場合には、資産除去債務額の積み増しが必要になり、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、注記事項として後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(資産除去債務関係)」があります。 ④ 投資回収期間の長さによるリスク E&P事業では、初期の基礎的な調査から掘さく作業を経て資源の発見に至るまでの探鉱段階及び資源の発見に至った後に開発井の掘さく、生産設備や輸送設備の建設等を伴う開発段階において、長い期間と多額の投資が必要となります。従って、事業に着手してから投資額を回収し、利益に寄与するまでに長いリードタイムを要するのが通例であり、この間、事業環境の変化により、投資額の増大(開発スケジュールの遅延に起因するものを含みます。)、需要の減少、販売単価の下落、操業費の増加、為替の変動等が発生し、事業の収益性が低下し、それまでに投じた支出の回収ができず、投資損失が発生する可能性があります。 ⑤ 埋蔵量・生産量に関するリスク E&P事業の維持発展には、継続的な鉱区権益の取得、探鉱、開発の取り組みによって生産活動に伴い減少する埋蔵量・生産量を中長期的に補填・拡大していく必要がありますが、前記「① 探鉱投資に関するリスク」から「④ 投資回収期間の長さによるリスク」に掲げるリスクや後記の海外E&P事業に係るリスク及び気候変動に関するリスク等が存在するため、これらが成功しない場合には、将来的に埋蔵量・生産量が減少し、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。埋蔵量の評価は、評価時点において既知の油・ガス層から地質的、工学的データに基づき経済的にも操業面からも今後確実に採取可能であろうと予測された油・ガスの地上状態での数量であり、今後新たに取得されるデータ等に基づく見直しや経済条件の変動及び国際的に認知された埋蔵量定義の変更等によって、上方にも下方にも修正される可能性があります。詳細は後記「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ④当社グループの埋蔵量」をご参照ください。 (2) 海外E&P事業投資に特有のリスク 海外E&P事業には、前記「(1) E&P事業投資(探鉱投資、開発投資)に関するリスク」に加えて、一般的な傾向として以下のようなリスクがあります。 ① カントリーリスク 海外E&P事業の一部はカントリーリスクの相対的に高い地域で実施されることがあり、これらの国々の政治・経済・社会的な混乱(治安の著しい悪化を含みます。)、法制や税制もしくは政策等の変更が、当社グループの海外事業の円滑な遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② マーケットリスク 海外E&P事業で生産された原油・天然ガスは、事業収益を最大化すべく、パイプライン等による輸送能力や生産販売コスト等を総合的に考慮した上でプロジェクトごとに最も有利なマーケットを選択し販売しますが、製品の性状や需給環境等の要因により、代表的な原油・天然ガス価格指標(WTIやHenry Hubなど)と比べて大幅なディスカウント販売を余儀なくされ、事業の収益性が悪化する可能性があります。 ③ パートナーリスク 事業の遂行に多額の投資が必要となる、又は技術面等においてリスクが高い場合などには、資金・リスクの分散を目的に、当社単独ではなく他の企業をパートナーとした上で共同事業化しています。 共同事業にかかわる意思決定にあたっては、パートナーごとにその保有権益の多寡に応じた議決権が認められるのが一般的であり、当社としてマイナーシェアを保有するに留まる共同事業において、当社は支配的権限を有しません。そのため、探鉱・開発計画の決定等の場面において当社の意向が必ずしも反映されるとは限らず、これらが当社利益に沿わない形で実施された場合には、期待した収益を得られない可能性があります。 なお、相当規模の資金を要する主な生産中の海外E&P事業については、後記「(3) 海外E&P事業の主な個別プロジェクトに係るリスク」のとおりです。 (3) 海外E&P事業の主な個別プロジェクトに係るリスク ① カナダ アルバータ州におけるHangingstone鉱区オイルサンド開発事業 当社は、連結子会社カナダオイルサンド㈱への出資(2020年3月期末の出資比率 93.60%。間接出資を含む場合の出資比率 94.58%)を通じて、カナダ アルバータ州におけるオイルサンド開発事業を推進しており、同社完全子会社であるJapan Canada Oil Sands Limited(JACOS)により生産操業を行っております。なお、本事業は、75%の権益を保有するJACOSと25%の権益を保有するCNOOC Petroleum North America ULCとの共同事業です。 当社は、オペレーターであるJACOSを通じ同プロジェクトの収益性向上に努めておりますが、アルバータ州における希釈ビチューメン価格の長期低迷等によりJACOSの業績が悪化した場合には、同社借入金を対象に当社が差し入れている債務保証の履行等により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社の債務保証額については、後記「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(貸借対照表関係)3.偶発債務」をご参照ください。 ② カナダ ブリティッシュ・コロンビア州におけるシェールガス開発プロジェクト 当社は、連結子会社JAPEX Montney Ltd.(JML)への出資(2020年3月期末の出資比率55%)を通じて、マレーシア国営石油会社 ペトロナス社の推進するシェールガス開発・生産プロジェクトに参画しております(JML参画比率10%)。 当社は、オペレーターであるペトロナス社と連携しながら同プロジェクトの収益性向上に努めておりますが、ガス価格の長期低迷、開発スケジュールの遅延による生産量減少や予期せぬコストの増加等が生じた場合には、JMLの業績が悪化し、同社借入金を対象に当社が差し入れている債務保証の履行等により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社の債務保証額については、後記「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(貸借対照表関係)3.偶発債務」をご参照ください。 なお、同社の機能通貨が加ドルである一方、借入金は米ドル建てであるため、加ドル・米ドルレートの変動によって、当該借入金の為替換算差額による為替差損益が発生します。 ③ イラク ガラフ油田開発プロジェクト 当社は、連結子会社㈱ジャペックスガラフへの出資を通じて(2020年3月期末の出資比率 55.00%)、イラク共和国南部におけるガラフ油田開発生産プロジェクトに参画し(同社参加比率30%、資金負担比率40%)、オペレーターであるPETRONAS Carigali Iraq Holding B.V.(ペトロナス社の子会社)と共同で開発事業を推進しております。 2013年8月に生産を開始し、現在、原油増産に向けて最終開発計画に基づき、引き取り原油の販売収入を設備投資に充当しながら追加開発作業を進めております。 当社は、同国の政治・社会・治安状況等には十分留意しつつ事業を進めておりますが、これらの状況が著しく悪化した場合には、追加開発作業の遅延や原油生産の停止により生産量や収入が減少するリスクがあります。また、コストの増加や開発スケジュールの遅延又は生産量の減少が生じた場合等には、設備投資に充当する原油販売収入が不足し、同社に対する当社資金負担額が増加する可能性があります。 なお、同事業は新型コロナウイルス感染拡大の影響により開発生産作業を一時休止中ですが、2020年7月以降の操業再開に向けて準備中です。今後、流行の収束等が確認され次第作業を再開する予定ですが、速やかに状況が改善しない場合には中断が長期化し、収入が減少又は投資回収の遅れ若しくは困難等により当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、本件については、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」にも記載しております。 ④ ロシア サハリン1プロジェクト 当社は、サハリン石油ガス開発㈱への出資を通じて(2020年3月期末の出資比率 15.29%)、ロシア・サハリン島沖合における原油・天然ガス開発事業(サハリン1プロジェクト)に参画しております。 サハリン1プロジェクトでは、生産中油ガス田で追加開発作業を進めており、これらの作業やさらなる追加開発計画の進展次第では、当社グループの持分法による投資利益が短期的に減少する、又は当社において債務保証が発生する可能性があります。 2.インフラ・ユーティリティ事業 (1) 天然ガス販売等に関するリスク 当社は、E&P事業における諸リスクの影響を緩和する観点からインフラ・ユーティリティ事業の一部として天然ガス取扱量の拡大に取り組んでおります。既存の天然ガスパイプライン等を活用した需要開拓やパイプライン沿線外でのタンクローリー等を利用したLNGサテライト供給による需要開拓等に積極的に取り組んでいるものの、少子高齢化に伴う人口減や、需要家の設備稼働率の低下、ガス事業制度改革を背景とした他社との競合関係激化等を要因として、既存の天然ガス取扱数量(第三者からの託送供給量を含む)の減少、新規需要開拓の不調、又は販売単価の下落等により、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社は、将来の販売量見込みに基づき必要となるLNGについて、長期契約及びスポット契約を組み合わせること等により、調達の安定性と需要変動への柔軟性を両立する調達に努めておりますが、想定外の需要減少等が発生した場合には、スポットによる調達量の調整のみで対応できず、長期契約に基づくLNG数量に係る未達補償料の支払いや安値での転売等が必要となる可能性があります。 当社は、LNGの調達価格の変動を販売価格に適切に転嫁する等の対策を講じていますが、十分な転嫁が行えず、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 相馬電力事業に関するリスク 当社は、福島県・相馬港における天然ガス火力発電事業の推進主体である福島ガス発電㈱に出資(2020年3月期末の出資比率33%)しており、出資比率相当の同社発電能力を利用した電力事業を行っております。 当社は、自社で引き取る電力の相当部分について小売電気事業者を中心とする複数の顧客と長期の販売契約を締結しておりますが、発電所設備トラブルによる代替電力の調達や、電源間の競合激化等により電力販売量の減少や販売単価の下落等が将来発生した場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 3.事業全体 (1) 事故・災害等に関するリスク 当社グループでは、坑井の掘さく、原油や天然ガスの生産・輸送、LNGの貯蔵・気化・輸送等の操業に関して、設備(天然ガスパイプライン等)の健全性維持や、保安体制及びBCP(事業継続計画)を含む緊急時対応策の整備等に努めておりますが、操業上の事故や災害(異常気象・自然災害を含みます。)、疫病の蔓延(パンデミック)、犯罪やテロリズムの発生によって、人的・物的損害が発生したり油ガス田等の操業ができなくなったりするリスクを完全に防止することはできません。こうした事態が発生した場合、その損害の全てが保険によりカバーされるわけではなく、また、直接的な損害だけでなく、販売の中断による収入の減少、当社が供給義務を負う販売先に対する損害賠償、土壌・大気・水質・海洋等の環境汚染による損害賠償、行政処分、社会的信用の低下といった副次的な損害をもたらす可能性があります。 (2) 気候変動に関するリスク パリ協定の採択を受け、気候変動や地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの削減を目的とした取組みが世界的に進められており、低炭素社会実現に向けた動きが加速しております。 当社は、気候変動対応の重要性を認識し、ガバナンス、事業戦略、リスク管理、排出量管理等の分野で必要な取組みを進めておりますが、今後各国において気候変動政策が強化され、炭素税を始めとする環境関連法規等が変更・新規導入された場合、国内外の石油・天然ガス需要の減少や追加的な費用負担等により事業価値が毀損される可能性があります。 3 固有の法規について (1) ガス事業、電気事業に係る法規 我が国のガス事業においては、競争原理の導入を目指した様々な規制緩和の一環として、2017年4月1日に改正ガス事業法が施行され、従来第三者託送義務が課されている天然ガスパイプラインに加え、一定規模以上のLNG基地に対し、ガス事業法の規制下で新たに第三者開放が義務付けられることになりました。当社では、こうした規制緩和の流れが、我が国のガス市場全体の活性化と天然ガスの需要拡大をもたらすとともに、当社グループのマーケティングの自由度を高め、事業領域や顧客基盤の拡大につながるものと考えております。一方で、このような構造改革の進展は厳しい価格競争をもたらし、当社グループの天然ガス販売にも悪影響を及ぼす可能性があります。 また、電力事業についても、安定供給の確保、電気料金の最大限の抑制、家庭をはじめとする需要家の選択肢や企業の事業機会の拡大を目指す電力システム改革が政府により進められており、電気事業に係る政策の見直しやこれに伴う市況の変化等により、将来における当社の電力販売に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) その他当社グループ事業に係る固有法規 当社グループの事業は、その特性上、操業の過程で環境に対して様々な負荷を与え、また与える可能性があります。このため当社グループでは、鉱山保安法、高圧ガス保安法等の関連法令に基づいて、監督官庁からの許認可取得、届出、販売先への製品情報の提供等、必要な手続きについて適法かつ適正な処理を行っており、これまで重大な問題が発生したことはありません。但し、世界的な環境意識の高まりに連れて現行の法規制が強化された場合には、追加の設備・操業対策に係る費用の増加等により、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 4 国際石油開発帝石株式会社の株価変動に伴うリスクについて 当社は、2020年3月期末現在、国際石油開発帝石㈱株式を7.32%保有しており、当社グループの2020年3月期連結会計年度末の投資有価証券の残高は88,922百万円のうち同社株式は65,076百万円となっております。同社株価が変動した場合、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 5 国の保有する当社株式について 当社は、2003年12月、石油公団(当時)が保有していた当社株式の一部の売出しにより、東京証券取引所市場第一部に株式を上場しましたが、この結果、同公団の所有株式数の割合は、65.74%から49.94%に低下しました。 さらに、同公団が保有していた当社株式は、同公団の廃止に伴い、2005年4月1日付で国(経済産業大臣)に承継されるとともに、2007年6月15日を受渡期日とする株式売出しにより、当該保有株式のうち15.94%相当分が売却された結果、同大臣の所有株式数の割合は34.00%となり、現在に至っております。残る株式についても引き続き売却される可能性があり、その時期、方法、数量等によっては、当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当該株式の保有に関して、国と当社との間には、「定款の変更」「資本金の増減、または社債の発行」「決算および利益金の処分」「営業の一部もしくは全部の譲り渡し、または譲り受け」「役員候補者の決定」「資産または事業経営に重要な影響のある事項」に関して、国との間で協議を行う旨を定めた覚書が存在しております。当該覚書の運用は当社の経営の独立性を尊重する形で行われており、当該覚書の存在が、当社の事業の妨げとなったり、事業内容の制約となったことはありません。 6 コンプライアンス等について 当社グループが国内外で事業を行う上では、以下のような社会的責任を果たす必要があります。① 法令遵守 会社法、税法、金融商品取引法、独占禁止法、労働基準法、環境関連諸法、情報セキュリティ関連諸法、贈賄防止関連諸法や、鉱業法、ガス事業法等の各種業法を含む法令を遵守すること。② 情報セキュリティ対策の実施 業務を遂行する上で収集される個人情報を含む秘密情報が漏洩したり目的外に利用したりすることのないよう適切に管理すること。③ 不公正取引の遮断 贈賄や反社会的勢力への利益供与といった不公正な取引を行わないこと。④ 人権の尊重 サプライチェーン全体において、差別やハラスメント、強制労働や児童労働、先住民の権利への不当な干渉といった人権侵害を行わない、又はこれらに加担しないこと。 当社グループは、これらの社会的責任を果たすために、社内研修等を通して役職員のコンプライアンス意識・人権意識の向上に努める他、社内規程、委員会(後記「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」参照)を整備するとともに、社内監査、財務報告に係る内部統制システム等の必要な制度を構築しておりますが、役職員による違法又は不正な行為を完全に防止できる保証はなく、これらの行為があった場合には、油ガス田の生産操業の停止や訴訟費用の発生といった有形の損害に加え、社会的信用の失墜といった無形の損害が発生し、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ※新型コロナウイルス感染症の事業活動等への影響につきましては、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に、販売量や販売価格等に関する当社グループの見積りとともにその前提となる仮定及び想定される不確実性を記載しております。また、現在、当社は、上記「2事業に関するリスク 3. 事業全体 (1) 事故・災害等に関するリスク」に記載の疫病の蔓延(パンデミック)に係るBCPの観点から、感染予防・拡大防止策として、社内に新型コロナウイルス感染症対応に係る緊急対策本部を設置し、フレックスタイム制の拡大、在宅勤務の実施、不急の国内外の出張の規制のほか、国内操業現場において、対面を避けた非接触型の業務引継ぎ、中央監視制御室への入室制限等を行っております。
FY2019|7,310 文字
2【事業等のリスク】 以下には、当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある主な事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針であります。 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は提出日現在において当社が判断したものであります。 1 法的規制について (1) 原油・天然ガス事業に関する法的規制 当社の事業は、鉱業法、ガス事業法をはじめ、鉱山保安法、高圧ガス保安法、消防法等の規制を受けております。現時点においてこのような法的規制が存在することが、当社事業の妨げとなり、もしくは著しい費用の増加につながっている事実はありませんが、将来的にこれらの法令が改正され、もしくは新たな規制法令が制定されて当社の事業に適用された場合、当社はその制約を受けることになります。 (2) 当社グループ事業の環境に対する負荷と法的規制 当社グループのE&P事業は、鉱業という事業の特性上、その操業の過程で環境に対して様々な負荷を与え、また与える可能性があります。このため当社グループでは、関連法令に基づいて、監督官庁からの許認可取得、届出、販売先への製品情報の提供等、必要な手続きについて適法かつ適正な処理を行っており、従来、重大な問題が発生したことはありません。但し、世界的な環境意識の高まりに連れて現行の法規制が強化された場合には、対策費用の増加等により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 2 経営成績の変動要因について (1) 原油売上高の変動要因 当社が日本国内で販売する原油の販売価格は国際原油価格に連動して決定されるため、石油輸出国機構(OPEC)の生産動向や国際的な需給動向によって市況が変動し、また為替レートが変動した場合、当社の原油販売価格はその影響を受けます。当社はかかるリスクを軽減する目的で原油スワップ取引等を行うことがありますが、こうした取引によって全てのリスクが回避されるわけではありません。 (2) 天然ガス売上高の変動要因 当社が日本国内で販売する天然ガスの販売単価は、従来、販売先との契約に基づいて事業年度を通じて円建てで固定されているものが多数を占めていましたが、LNGの市場価格に基づき価格を決定する契約への移行をほぼ果たしており、国際市況や為替の変動によって売上高が影響を受ける可能性が高まっています。また、都市ガス会社向けのガス販売数量については、夏季に需要が減少し、冬季に増加するという季節変動があるほか、暖冬時には販売量が低下する傾向が見られます。また長期的に見た場合、我が国エネルギー市場の規制緩和等が、天然ガスの販売単価や販売数量に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) 探鉱投資水準による損益の変動 生産・販売により減少する埋蔵量を維持・拡大し長期にわたり安定的な石油・天然ガスの供給体制の整備を図ることは、探鉱・開発・販売を事業の骨格とする当社グループにおいて重要な課題であり、当社グループでは国の内外における探鉱投資を継続的に行っております。探鉱投資額については、探鉱費用としてもしくは引当金の計上を通じて費用化しております。このため各事業年度における探鉱投資額の増減が、当社グループの利益に直接的な影響を及ぼすことになります。 3 事業に関するリスクについて (1) 事業の特徴 当社グループのE&P事業は、初期の基礎的な調査から、掘さく作業を経て資源の発見に至るまでの探鉱段階において、多額の投資と長い期間を要する一方、資源の発見が保証されているわけではなく、元来リスクの高い事業です。また、資源の発見に至った後も、開発井の掘さく、生産設備や輸送設備の建設等に多額の投資が必要となります。従って、事業に着手してから投資額を回収し、利益に寄与するまでに長いリードタイムを要するのが通例であり、この間、事業環境の変化により、投資額の増大(開発スケジュールの遅延に起因するものを含みます。)、需要の減少、販売単価の下落、操業費の増加、為替変動などが発生し、所期の投資目的を達成できないリスクがあります。加えて、これらの投資には、埋蔵量や生産量の予期せぬ減少等の地質的な不確実性、不純物の混入など鉱業に特有の様々な技術的なリスクがあり、こうしたリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) エネルギー市場自由化の影響 我が国のガス事業においては、競争原理の導入を目指した様々な規制緩和の一環として、2017年4月1日に改正ガス事業法が施行され、従来より第三者託送義務が課されている天然ガスパイプラインに加え、一定規模以上のLNG基地に対し、ガス事業法の規制下で新たに第三者開放が義務付けられることになりました。当社では、こうした規制緩和の流れが、我が国のガス市場全体の活性化と天然ガスの需要拡大をもたらすとともに、当社グループのマーケティングの自由度を高め、事業領域や顧客基盤の拡大につながるものと考えています。一方で、このような構造改革の進展は厳しい価格競争をもたらし、当社グループの天然ガス販売にも悪影響を及ぼす可能性があります。 また、電気事業についても、安定供給の確保、電気料金の最大限の抑制、家庭をはじめとする需要家の選択肢や企業の事業機会の拡大を目指す電力システム改革が政府により進められており、電気事業に係る政策の見直しやこれに伴う市況の変化等により、将来における当社の電力販売に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) 販売に関するリスク 当社では、多くの販売先と長期にわたる取引関係を築いていますが、天然ガスの販売数量については年度ごとの取り決めも多く、販売先における需要減少や仕入先の変更等に伴う当社の販売数量の減少等により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、2020年度より本格的に事業を開始する電力販売につきましても、販売量や販売価格が想定を下回る場合等には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 仕入に関するリスク 当社は2003年3月より輸入を開始したマレーシア産LNGに関して、テイク・オア・ペイ条項に基づく長期引取義務を負っており、契約で規定された年間最低引取数量について当社が何らかの事情により引取不能となった場合でも、未達数量について支払義務が発生します。このため、将来的に当社の天然ガス販売数量が減少した場合でも、LNG引取数量が固定化されるというリスクがあります。また、LNGの仕入価格は原油価格や為替レートの影響を受ける変動価格であり、仕入価格が高騰した場合、当社が販売価格に転嫁できなければ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) 操業に関するリスク 当社グループでは、坑井の掘さく、原油や天然ガスの生産・輸送、LNGの貯蔵・気化・輸送等の操業に関して、保安体制や緊急時対応策の整備に努めておりますが、操業上の事故や災害(自然災害を含みます。)の発生によって人的・物的損害が発生するリスクは常に存在しています。こうした事故や災害が発生した場合、その損害の全てが保険によりカバーされるわけではありません。また、直接的な損害だけでなく、販売の中断による収入の減少、販売先に対する損害賠償、環境汚染による損害賠償、行政処分、社会的信用の低下といった副次的な損害をもたらす可能性があります。 (6) 将来の廃鉱に関するリスク 当社グループが現在生産を行っている坑井及び鉱山等については、生産終了後に廃鉱作業を実施する必要があり、当社グループは当該有形固定資産の除去に関して資産除去債務を計上しております。新たな法令や契約、市場変動等の外的環境の変化により、当社グループの資産除去債務の妥当性に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 将来の税制等の変更に関するリスク 鉱業に特有の税制優遇措置として、探鉱準備金制度、海外投資等損失準備金制度及び新鉱床探鉱費の特別控除制度(所得控除)があり、当社グループもその制度を利用しておりますが、将来、こうした優遇措置が変更された場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8) 海外E&P事業に関するリスク 海外E&P事業が探鉱、開発と段階を経ていく過程で、多額の投資(出資又は資金貸付)を行うこととなる場合、当社の財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社が出資する海外プロジェクト会社が銀行融資等によって事業資金を調達する場合、当社は当該借入金の全部又は一部について債務保証を行うことがあります。この場合において、当該プロジェクト会社の財務状況が悪化して債務不履行となったとき、当社に当該保証額について債務を履行する義務が生じます。 さらに、石油開発の全般的な傾向として、海外事業の一部はカントリーリスクの相対的に高い地域で実施されることがあり、これらの国々の政治的もしくは経済的混乱、法制や税制もしくは政策等の変更が、当社グループの海外事業の円滑な遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、相当規模の資金を要する生産段階にある主要な海外E&P事業は、次のとおりであります。 ① サハリンプロジェクトの進捗状況 当社は、サハリン石油ガス開発㈱への出資を通じて(2019年3月期末の出資比率 15.29%)、ロシア・サハリン島沖合における原油・天然ガス開発事業(サハリン1プロジェクト)に参画しております。同プロジェクトは2001年10月に商業化宣言を行い、ロシア政府の承認を経て開発段階に移行した後、2006年10月、チャイウォ油ガス田からの本格的な原油生産の開始に伴って本邦への輸出を開始し、現在も順調に生産販売を続けているほか、2010年9月にはオドプト油ガス田から、2015年1月にはアルクトン・ダギ油ガス田からも原油生産を開始しております。 当社は、同社が開発資金を調達するに際し、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構並びに他の民間株主とともに債務保証を行っております。2018年3月期末時点で、当社の債務保証残高は4,871百万円ありましたが、2018年5月22日に全額解除されています。 また、サハリン1プロジェクトでは、上記の生産中油ガス田で追加開発作業を進めており、また、現時点では具体的な計画は策定されていないものの、天然ガス生産を目的とした開発を行う可能性があり、将来、これらの作業や計画の進展次第では、当社において追加的な債務保証が発生する可能性があります。 ② インドネシアカンゲアンプロジェクトの進捗状況 当社は、2007年5月より、Energi Mega Pratama Inc.(EMPI)への出資(2019年3月期末の出資比率25%)を通じて、インドネシア・ジャワ島東方沖合のカンゲアン鉱区における原油・天然ガス開発事業に参入しております。同鉱区は、複数の油・ガス田及び構造を有し、参入時点で既に生産中であった一部油・ガス田において生産を続ける一方、2012年5月にテランガス田の、2019年3月にシラスン・バトゥールガス田の商業生産をそれぞれ開始するとともに、他の有望地域でも探鉱・開発作業を進めております。 当社は、同鉱区に直接権益を持つEMPIの100%子会社Kangean Energy Indonesia Ltd.(KEI)及びEMP Exploration (Kangean)Ltd.に対し、他のEMPIの株主と共同で開発資金の貸付を行っており、2019年3月期末の当社の貸付残高は両社合わせて4,276百万円となっております。また、生産設備に関連する債務に対する保証を行っており、2019年3月期末の当社の保証残高は2,382百万円となっております。 同鉱区においては、探鉱・開発ポテンシャルを持つ構造が存在することから、これら構造の探鉱、開発が実施される場合、投資が必要となる可能性があります。 ③ イラク共和国ガラフ油田開発生産プロジェクトの進捗状況 当社は、連結子会社㈱ジャペックスガラフへの出資を通じて(2019年3月期末の出資比率 55.00%)、イラク共和国南部におけるガラフ油田開発生産プロジェクトに参画し(同社参加比率30%、資金負担比率40%)、オペレーターであるPETRONAS Carigali Iraq Holding B.V.(マレーシア国営石油会社ペトロナス社の子会社)と共同で開発事業を推進しております。 2013年8月に生産を開始し、受取原油の販売収入を設備投資に充当しています。現在、原油増産に向けた最終開発計画に基づく追加開発作業を進めています。 当社は、同国の政治状況、治安状況等には十分留意しつつ事業を進める所存ですが、これらの状況の悪化がプロジェクトに悪影響を及ぼす可能性があるほか、予期せぬコストの増加や開発スケジュールの遅延または生産量の減少が生じた場合等には、資金負担額が増加する可能性があります。 ④ カナダ アルバータ州Hangingstone鉱区オイルサンド開発事業の進捗状況 当社は、連結子会社カナダオイルサンド㈱への出資(2019年3月期末の出資比率 93.60%。間接出資を含む場合の出資比率 94.58%)を通じて、カナダ アルバータ州におけるオイルサンド開発事業を推進しております。 同社完全子会社である現地操業会社 Japan Canada Oil Sands Limited(JACOS)が、同州Hangingstone鉱区の一部地域において日量約5,000バレルにてビチューメンの生産を行っておりましたが、当時の油価の著しい下落に対応するため、2016年5月より一時的に生産を休止し、その後の事業環境の厳しさや休止に伴う生産操業再開の技術リスクを踏まえ、2017年8月に生産を終了しました。当該地域の鉱区権益については、2018年4月にJACOSを通じてカナダ企業のGreenfire Hangingstone Operating Corp.と当該権益を譲り渡す契約を締結し、2018年8月に譲渡手続きを完了しました。また、2012年12月、当社は、更なる生産量・埋蔵量の拡大を図るべく、同鉱区の拡張開発事業についての最終投資決定を行い、2017年2月に中央処理施設の建設作業を完了し、2017年8月より生産を開始しました。2018年6月には日量2万バレル規模での安定生産操業へ移行し、その後も生産操業を継続中です。 なお、本拡張開発事業は、75%の権益を保有するJACOSと25%の権益を保有するCNOOC Petroleum North America ULCとの共同事業であります。 当社は、オペレーターであるJACOSを通じ、プロジェクト管理に万全を期す所存ですが、原油価格の下落等により当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ カナダ ブリティッシュ・コロンビア州におけるシェールガス開発・生産プロジェクトの進捗状況 当社は、連結子会社JAPEX Montney Ltd.(JML)への出資(2019年3月期末の出資比率45%)を通じて、マレーシア国営石油会社 ペトロナス社の推進するシェールガス開発・生産プロジェクト(上流事業)に参画しております。 上流事業に関しては、経済性の高いエリアを中心に、投資効率を重視、事業環境等を考慮しながら、競争力向上、並びに収益確保のための取り組みを継続してまいりますが、ガス価の長期低迷、予期せぬコストの増加、開発スケジュール遅延又は生産量の減少が生じた場合には、資金負担額が増加する可能性があります。 4 国際石油開発帝石株式会社の株価変動に伴うリスクについて 当社は、2019年3月期末現在、国際石油開発帝石㈱株式を7.32%保有しており、当社グループの2019年3月期連結会計年度末の投資有価証券の残高は137,794百万円であり、このうち国際石油開発帝石㈱株式は112,825百万円となっております。同社の連結業績や株価は、当社グループと同様に、原油価格の動向等により変動する傾向があるほか、同社株価が変動した場合、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 5 国の保有する当社株式について 当社は、2003年12月、石油公団(当時)が保有していた当社株式の一部の売出しにより、東京証券取引所市場第一部に株式を上場しましたが、この結果、同公団の所有株式数の割合は、65.74%から49.94%に低下しました。 さらに、同公団が保有していた当社株式は、同公団の廃止に伴い、2005年4月1日付で国(経済産業大臣)に承継されるとともに、2007年6月15日を受渡期日とする株式売出しにより、当該保有株式のうち15.94%相当分が売却された結果、同大臣の所有株式数の割合は34.00%まで低下し、現在に至っています。残る株式についても引き続き売却される可能性があり、その時期、方法、数量等によっては、当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当該株式の保有に関して、国と当社との間には、「定款の変更」「資本金の増減、または社債の発行」「決算および利益金の処分」「営業の一部もしくは全部の譲り渡し、または譲り受け」「役員候補者の決定」「資産または事業経営に重要な影響のある事項」に関して、国との間で協議を行う旨を定めた覚書が存在しております。当該覚書の運用は当社の経営の独立性を尊重する形で行われており、当該覚書の存在が、当社の事業の妨げとなったり、事業内容の制約となったことはありません。
FY2018|7,357 文字
2【事業等のリスク】 以下には、当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある主な事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針であります。 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は提出日現在において当社が判断したものであります。 1 法的規制について (1) 原油・天然ガス事業に関する法的規制 当社の事業は、鉱業法、ガス事業法をはじめ、鉱山保安法、高圧ガス保安法、消防法等の規制を受けております。現時点においてこのような法的規制が存在することが、当社事業の妨げとなり、もしくは著しい費用の増加につながっている事実はありませんが、将来的にこれらの法令が改正され、もしくは新たな規制法令が制定されて当社の事業に適用された場合、当社はその制約を受けることになります。 (2) 当社グループ事業の環境に対する負荷と法的規制 当社グループの事業は、鉱業という事業の特性上、その操業の過程で環境に対して様々な負荷を与え、また与える可能性があります。このため当社グループでは、関連法令に基づいて、監督官庁からの許認可取得、届出、販売先への製品情報の提供等、必要な手続きについて適法かつ適正な処理を行っており、従来、重大な問題が発生したことはありません。但し、世界的な環境意識の高まりに連れて現行の法規制が強化された場合には、対策費用の増加等により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 2 経営成績の変動要因について (1) 原油売上高の変動要因 当社が日本国内で販売する原油の販売価格は国際原油価格に連動して決定されるため、石油輸出国機構(OPEC)の生産動向や国際的な需給動向によって市況が変動し、また為替レートが変動した場合、当社の原油販売価格はその影響を受けます。当社はかかるリスクを軽減する目的で原油スワップ取引等を行うことがありますが、こうした取引によって全てのリスクが回避されるわけではありません。 (2) 天然ガス売上高の変動要因 当社が日本国内で販売する天然ガスの販売単価は、従来、販売先との契約に基づいて事業年度を通じて円建てで固定されているものが多数を占めていましたが、LNGの市場価格に基づき価格を決定する契約への移行をほぼ果たしており、国際市況や為替の変動によって売上高が影響を受ける可能性が高まっています。また、都市ガス会社向けのガス販売数量については、夏季に需要が減少し、冬季に増加するという季節変動があるほか、暖冬時には販売量が低下する傾向が見られます。また長期的に見た場合、我が国エネルギー市場の規制緩和等が、天然ガスの販売単価や販売数量に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) 探鉱投資水準による損益の変動 生産・販売により減少する埋蔵量を維持・拡大し長期にわたり安定的な石油・天然ガスの供給体制の整備を図ることは、探鉱・開発・販売を事業の骨格とする当社グループにおいて重要な課題であり、当社グループでは国の内外における探鉱投資を継続的に行っております。探鉱投資額については、探鉱費用としてもしくは引当金の計上を通じて費用化しております。このため各事業年度における探鉱投資額の増減が、当社グループの利益に直接的な影響を及ぼすことになります。 3 事業に関するリスクについて (1) 事業の特徴 当社グループの事業は、初期の基礎的な調査から、掘さく作業を経て資源の発見に至るまでの探鉱段階において、多額の投資と長い期間を要する一方、資源の発見が保証されているわけではなく、元来リスクの高い事業です。また、資源の発見に至った後も、開発井の掘さく、生産設備や輸送設備の建設等に多額の投資が必要となります。従って、事業に着手してから投資額を回収し、利益に寄与するまでに長いリードタイムを要するのが通例であり、この間、事業環境の変化により、投資額の増大(開発スケジュールの遅延に起因するものを含みます。)、需要の減少、販売単価の下落、操業費の増加、為替変動などが発生し、所期の投資目的を達成できないリスクがあります。加えて、これらの投資には、埋蔵量や生産量の予期せぬ減少等の地質的な不確実性、不純物の混入など鉱業に特有の様々な技術的なリスクがあり、こうしたリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) エネルギー市場自由化の影響 我が国のガス事業においては、競争原理の導入を目指した様々な規制緩和の一環として、平成29年4月1日に改正ガス事業法が施行され、従来より第三者託送義務が課されている天然ガスパイプラインに加え、一定規模以上のLNG基地に対し、ガス事業法の規制下で新たに第三者開放が義務付けられることになりました。当社では、こうした規制緩和の流れが、我が国のガス市場全体の活性化と天然ガスの需要拡大をもたらすとともに、当社グループのマーケティングの自由度を高め、事業領域や顧客基盤の拡大につながるものと考えています。一方で、このような構造改革の進展は厳しい価格競争をもたらし、当社グループの天然ガス販売にも悪影響を及ぼす可能性があります。 また、電気事業についても、安定供給の確保、電気料金の最大限の抑制、家庭をはじめとする需要家の選択肢や企業の事業機会の拡大を目指す電力システム改革が政府により進められており、電気事業に係る政策の見直しやこれに伴う市況の変化等により、将来における当社の電力販売に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) 販売に関するリスク 当社では、多くの販売先と長期にわたる取引関係を築いていますが、天然ガスの販売数量については年度ごとの取り決めも多く、販売先における需要減少、仕入先の変更等に伴う当社の販売数量の減少等により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 仕入に関するリスク 当社は平成15年3月より輸入を開始したマレーシア産LNGに関して、テイク・オア・ペイ条項に基づく長期引取義務を負っており、契約で規定された年間最低引取数量について当社が何らかの事情により引取不能となった場合でも、未達数量について支払義務が発生します。このため、将来的に当社の天然ガス販売数量が減少した場合でも、LNG引取数量が固定化されるというリスクがあります。また、LNGの仕入価格は原油価格や為替レートの影響を受ける変動価格であり、仕入価格が高騰した場合、当社が販売価格に転嫁できなければ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) 操業に関するリスク 当社グループでは、坑井の掘さく、原油や天然ガスの生産・輸送等の操業に関して、保安体制や緊急時対応策の整備に努めておりますが、操業上の事故や災害(自然災害を含みます。)の発生によって人的・物的損害が発生するリスクは常に存在しています。こうした事故や災害が発生した場合、その損害の全てが保険によりカバーされるわけではありません。また、直接的な損害だけでなく、販売の中断による収入の減少、販売先に対する損害賠償、環境汚染による損害賠償、行政処分、社会的信用の低下といった副次的な損害をもたらす可能性があります。 (6) 将来の廃鉱に関するリスク 当社グループが現在生産を行っている坑井及び鉱山等については、生産終了後に廃鉱作業を実施する必要があり、当社グループは当該有形固定資産の除去に関して資産除去債務を計上しております。新たな法令や契約、市場変動等の外的環境の変化により、当社グループの資産除去債務の妥当性に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 将来の税制等の変更に関するリスク 鉱業に特有の税制優遇措置として、探鉱準備金制度、海外投資等損失準備金制度及び新鉱床探鉱費の特別控除制度(所得控除)があり、当社グループもその制度を利用しておりますが、将来、こうした優遇措置が変更された場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8) 海外事業に関するリスク 海外事業が探鉱、開発と段階を経ていく過程で、多額の投資(出資又は資金貸付)を行うこととなる場合、当社の財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社が出資する海外プロジェクト会社が銀行融資等によって事業資金を調達する場合、当社は当該借入金の全部又は一部について債務保証を行うことがあります。この場合において、当該プロジェクト会社の財務状況が悪化して債務不履行となったとき、当社に当該保証額について債務を履行する義務が生じます。 さらに、石油開発の全般的な傾向として、海外事業の一部はカントリーリスクの相対的に高い地域で実施されることがあり、これらの国々の政治的もしくは経済的混乱、法制や税制もしくは政策等の変更が、当社グループの海外事業の円滑な遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、相当規模の資金を要する生産段階にある主要な海外事業は、次のとおりであります。 ① サハリンプロジェクトの進捗状況 当社は、サハリン石油ガス開発㈱への出資を通じて(平成30年3月期末の出資比率 15.29%)、ロシア・サハリン島沖合における原油・天然ガス開発事業(サハリン1プロジェクト)に参画しております。同プロジェクトは平成13年10月に商業化宣言を行い、ロシア政府の承認を経て開発段階に移行した後、平成18年10月、チャイウォ油ガス田からの本格的な原油生産の開始に伴って本邦への輸出を開始し、現在も順調に生産販売を続けているほか、平成22年9月にはオドプト油ガス田から、平成27年1月にはアルクトン・ダギ油ガス田からも原油生産を開始しております。 当社は、同社が開発資金を調達するに際し、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構並びに他の民間株主とともに債務保証を行っております。平成30年3月期末時点で、当社の債務保証残高は4,871百万円ありましたが、平成30年5月22日に全額解除されています。 また、サハリン1プロジェクトでは、上記の生産中油ガス田で追加開発作業を進めており、また、現時点では具体的な計画は策定されていないものの、天然ガス生産を目的とした開発を行う可能性があり、将来、これらの作業や計画の進展次第では、当社において追加的な債務保証が発生する可能性があります。 ② インドネシアカンゲアンプロジェクトの進捗状況 当社は、平成19年5月より、Energi Mega Pratama Inc.(EMPI)への出資(平成30年3月期末の出資比率 25%)を通じて、インドネシア・ジャワ島東方沖合のカンゲアン鉱区における原油・天然ガス開発事業に参入しております。同鉱区は、複数の油・ガス田及び構造を有し、参入時点で既に生産中であった一部油・ガス田において生産を続ける一方、平成24年5月、テランガス田の商業生産を開始するとともに、他の有望地域でも探鉱・開発作業を進めております。 当社は、同鉱区に直接権益を持つEMPIの100%子会社Kangean Energy Indonesia Ltd.(KEI)及びEMP Exploration (Kangean)Ltd.に対し、他のEMPIの株主と共同で開発資金の貸付を行っており、平成30年3月期末の当社の貸付残高は両社合わせて10,523百万円となっております。また、生産設備に関連する債務に対する保証を行っており、平成30年3月期末の当社の保証残高は3,429百万円となっております。 同鉱区においては、現在開発作業を進めている油・ガス田のほかにも探鉱ポテンシャルを持つ構造が複数存在することから、開発の進捗に応じて発生が見込まれる資金貸付、債務保証等に加えて、これら大規模構造の探鉱、開発が実施される場合、更なる多額の投資が必要となる可能性があります。 ③ イラク共和国ガラフ油田開発生産プロジェクトの進捗状況 当社は、連結子会社㈱ジャペックスガラフへの出資を通じて(平成30年3月期末の出資比率 55.00%)、イラク共和国南部におけるガラフ油田開発生産プロジェクトに参画し(同社参加比率30%、資金負担比率40%)、オペレーターであるPETRONAS Carigali Iraq Holding B.V.(マレーシア国営石油会社ペトロナス社の子会社)と共同で開発事業を推進しております。 平成25年8月に生産を開始したことにより、今後は受取原油の販売収入を設備投資に充当していきます。現在、原油生産に向けた最終開発計画に基づく追加開発作業に向けて準備を進めています。 当社は、同国の政治状況、治安状況等には十分留意しつつ事業を進める所存ですが、これらの状況の悪化がプロジェクトに悪影響を及ぼす可能性があるほか、予期せぬコストの増加や開発スケジュールの遅延または生産量の減少が生じた場合等には、資金負担額が増加する可能性があります。 ④ カナダ アルバータ州Hangingstone鉱区オイルサンド開発事業の進捗状況 当社は、連結子会社カナダオイルサンド㈱への出資(平成30年3月期末の出資比率 93.60%。間接出資を含む場合の出資比率 94.58%)を通じて、カナダ アルバータ州におけるオイルサンド開発事業を推進しております。 同社完全子会社である現地操業会社 Japan Canada Oil Sands Limited(JACOS)が、同州Hangingstone鉱区の一部地域において日量約5,000バレルにてビチューメンの生産を行っておりましたが、昨今の油価の著しい下落に対応するため、平成28年5月より一時的に生産を休止し、その後の事業環境の厳しさや休止に伴う生産操業再開の技術リスクを踏まえ、平成29年8月に生産を終了しております。当該地域の鉱区権益については、平成30年4月にJACOSを通じてカナダ企業のGreenfire Hangingstone Operating Corp.と当該鉱区権益を譲り渡す契約を締結しました。平成24年12月、当社は、更なる生産量・埋蔵量の拡大を図るべく、同鉱区の拡張開発事業についての最終投資決定を行い、日量20,000バレル規模の開発作業を進めておりましたが、平成29年2月に中央処理施設の建設作業を完了し、平成29年8月より生産を開始しています。 なお、本拡張開発事業は、75%の権益を保有するJACOSと25%の権益を保有するNexen Energy ULCとの共同事業であります。 当社は、オペレーターであるJACOSを通じ、プロジェクト管理に万全を期す所存ですが、原油価格の下落等により当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ カナダ ブリティッシュ・コロンビア州におけるシェールガス開発・生産プロジェクト及びLNGプロジェクトの進捗状況 当社は、連結子会社JAPEX Montney Ltd.(JML)への出資(平成30年3月期末の出資比率45%)を通じて、マレーシア国営石油会社 ペトロナス社の推進するシェールガス開発・生産プロジェクト(上流事業)に加え、同州西海岸で検討中のLNGプロジェクト(PNW事業、量約1,200万t/年)に参画しておりましたが(参加比率10%)、LNGを取り巻く環境の変化から、平成29年7月25日(カナダ バンクーバー現地時間)に事業会社であるPacific Northwest LNGが事業化取りやめを決定いたしました。 上流事業に関しては、経済性の高いエリアを中心に、投資効率を重視、事業環境等を考慮しながら、競争力向上、並びに収益確保のための取り組みを継続してまいりますが、ガス価の長期低迷、予期せぬコストの増加、開発スケジュールの遅延又は生産量の減少が生じた場合には、資金負担額が増加する可能性があります。 4 国際石油開発帝石株式会社の株価変動に伴うリスクについて 当社は、平成30年3月期末現在、国際石油開発帝石㈱株式を7.31%保有しており、当社グループの平成30年3月期連結会計年度末の投資有価証券の残高は167,342百万円であり、このうち国際石油開発帝石㈱株式は140,671百万円となっております。同社の連結業績や株価は、当社グループと同様に、原油価格の動向等により変動する傾向があるほか、同社株価が変動した場合、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 5 国の保有する当社株式について 当社は、平成15年12月、石油公団(当時)が保有していた当社株式の一部の売出しにより、東京証券取引所市場第一部に株式を上場しましたが、この結果、同公団の所有株式数の割合は、65.74%から49.94%に低下しました。 さらに、同公団が保有していた当社株式は、同公団の廃止に伴い、平成17年4月1日付で国(経済産業大臣)に承継されるとともに、平成19年6月15日を受渡期日とする株式売出しにより、当該保有株式のうち15.94%相当分が売却された結果、同大臣の所有株式数の割合は34.00%まで低下し、現在に至っています。残る株式についても引き続き売却される可能性があり、その時期、方法、数量等によっては、当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当該株式の保有に関して、国と当社との間には、「定款の変更」「資本金の増減、または社債の発行」「決算および利益金の処分」「営業の一部もしくは全部の譲り渡し、または譲り受け」「役員候補者の決定」「資産または事業経営に重要な影響のある事項」に関して、国との間で協議を行う旨を定めた覚書が存在しております。当該覚書の運用は当社の経営の独立性を尊重する形で行われており、当該覚書の存在が、当社の事業の妨げとなったり、事業内容の制約となったことはありません。
FY2017|7,486 文字
4【事業等のリスク】 以下には、当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある主な事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針であります。 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は提出日現在において当社が判断したものであります。 1 法的規制について (1) 原油・天然ガス事業に関する法的規制 当社の事業は、鉱業法、ガス事業法をはじめ、鉱山保安法、高圧ガス保安法、消防法等の規制を受けております。現時点においてこのような法的規制が存在することが、当社事業の妨げとなり、もしくは著しい費用の増加につながっている事実はありませんが、将来的にこれらの法令が改正され、もしくは新たな規制法令が制定されて当社の事業に適用された場合、当社はその制約を受けることになります。 (2) 当社グループ事業の環境に対する負荷と法的規制 当社グループの事業は、鉱業という事業の特性上、その操業の過程で環境に対して様々な負荷を与え、また与える可能性があります。このため当社グループでは、関連法令に基づいて、監督官庁からの許認可取得、届出、販売先への製品情報の提供等、必要な手続きについて適法かつ適正な処理を行っており、従来、重大な問題が発生したことはありません。但し、世界的な環境意識の高まりに連れて現行の法規制が強化された場合には、対策費用の増加等により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 2 経営成績の変動要因について (1) 原油売上高の変動要因 当社が日本国内で販売する原油の販売価格は国際原油価格に連動して決定されるため、石油輸出国機構(OPEC)の生産動向や国際的な需給動向によって市況が変動し、また為替レートが変動した場合、当社の原油販売価格はその影響を受けます。当社はかかるリスクを軽減する目的で原油スワップ取引等を行うことがありますが、こうした取引によって全てのリスクが回避されるわけではありません。 (2) 天然ガス売上高の変動要因 当社が日本国内で販売する天然ガスの販売単価は、従来、販売先との契約に基づいて事業年度を通じて円建てで固定されているものが多数を占めていましたが、LNGの市場価格に基づき価格を決定する契約への移行を遂げつつあり、国際市況や為替の変動によって売上高が影響を受ける可能性が高まっています。また、都市ガス会社向けのガス販売数量については、夏季に需要が減少し、冬季に増加するという季節変動があるほか、暖冬時には販売量が低下する傾向が見られます。また長期的に見た場合、我が国エネルギー市場の規制緩和等が、天然ガスの販売単価や販売数量に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) 探鉱投資水準による損益の変動 生産・販売により減少する埋蔵量を維持・拡大し長期にわたり安定的な石油・天然ガスの供給体制の整備を図ることは、探鉱・開発・販売を事業の骨格とする当社グループにおいて重要な課題であり、当社グループでは国の内外における探鉱投資を継続的に行っております。探鉱投資額については、探鉱費用としてもしくは引当金の計上を通じて費用化しております。このため各事業年度における探鉱投資額の増減が、当社グループの利益に直接的な影響を及ぼすことになります。 3 事業に関するリスクについて (1) 事業の特徴 当社グループの事業は、初期の基礎的な調査から、掘さく作業を経て資源の発見に至るまでの探鉱段階において、多額の投資と長い期間を要する一方、資源の発見が保証されているわけではなく、元来リスクの高い事業です。また、資源の発見に至った後も、開発井の掘さく、生産設備や輸送設備の建設等に多額の投資が必要となります。従って、事業に着手してから投資額を回収し、利益に寄与するまでに長いリードタイムを要するのが通例であり、この間、事業環境の変化により、投資額の増大(開発スケジュールの遅延に起因するものを含みます。)、需要の減少、販売単価の下落、操業費の増加、為替変動などが発生し、所期の投資目的を達成できないリスクがあります。加えて、これらの投資には、埋蔵量や生産量の予期せぬ減少等の地質的な不確実性、不純物の混入など鉱業に特有の様々な技術的なリスクがあり、こうしたリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) エネルギー市場自由化の影響 我が国のガス事業においては、競争原理の導入を目指した様々な規制緩和の一環として、平成29年4月1日に改正ガス事業法が施行され、従来より第三者託送義務が課されている天然ガスパイプラインに加え、一定規模以上のLNG基地に対し、ガス事業法の規制下で新たに第三者開放が義務付けられることになりました。当社では、こうした規制緩和の流れが、我が国のガス市場全体の活性化と天然ガスの需要拡大をもたらすとともに、当社グループのマーケティングの自由度を高め、事業領域や顧客基盤の拡大につながるものと考えています。一方で、このような構造改革の進展は厳しい価格競争をもたらし、当社グループの天然ガス販売にも悪影響を及ぼす可能性があります。 また、電気事業についても、安定供給の確保、電気料金の最大限の抑制、家庭をはじめとする需要家の選択肢や企業の事業機会の拡大を目指す電力システム改革が政府により進められており、電気事業に係る政策の見直しやこれに伴う市況の変化等により、将来における当社の電力販売に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) 販売に関するリスク 当社では、多くの販売先と長期にわたる取引関係を築いていますが、単年度での販売契約が多く、複数年以上にわたる長期販売契約の締結は一部の取引に留まっております。このため、多くの販売先には契約上の長期的な引取義務はなく、販売先における需要減少、仕入先の変更等に伴う当社の販売数量の減少等により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 仕入に関するリスク 当社は平成15年3月より輸入を開始したマレーシア産LNGに関して、テイク・オア・ペイ条項に基づく長期引取義務を負っており、契約で規定された年間最低引取数量について当社が何らかの事情により引取不能となった場合でも、未達数量について支払義務が発生します。このため、将来的に当社の天然ガス販売数量が減少した場合でも、LNG引取数量が固定化されるというリスクがあります。また、LNGの仕入価格は原油価格や為替レートの影響を受ける変動価格であり、仕入価格が高騰した場合、当社が販売価格に転嫁できなければ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) 操業に関するリスク 当社グループでは、坑井の掘さく、原油や天然ガスの生産・輸送等の操業に関して、保安体制や緊急時対応策の整備に努めておりますが、操業上の事故や災害(自然災害を含みます。)の発生によって人的・物的損害が発生するリスクは常に存在しています。こうした事故や災害が発生した場合、その損害の全てが保険によりカバーされるわけではありません。また、直接的な損害だけでなく、販売の中断による収入の減少、販売先に対する損害賠償、環境汚染による損害賠償、行政処分、社会的信用の低下といった副次的な損害をもたらす可能性があります。 (6) 将来の廃鉱に関するリスク 当社グループが現在生産を行っている坑井及び鉱山等については、生産終了後に廃鉱作業を実施する必要があり、当社グループは当該有形固定資産の除去に関して資産除去債務を計上しております。新たな法令や契約、市場変動等の外的環境の変化により、当社グループの資産除去債務の妥当性に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 将来の税制等の変更に関するリスク 鉱業に特有の税制優遇措置として、探鉱準備金制度、海外投資等損失準備金制度及び新鉱床探鉱費の特別控除制度(所得控除)があり、当社グループもその制度を利用しておりますが、将来、こうした優遇措置が変更された場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8) 海外事業に関するリスク 海外事業が探鉱、開発と段階を経ていく過程で、多額の投資(出資又は資金貸付)を行うこととなる場合、当社の財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社が出資する海外プロジェクト会社が銀行融資等によって事業資金を調達する場合、当社は当該借入金の全部又は一部について債務保証を行うことがあります。この場合において、当該プロジェクト会社の財務状況が悪化して債務不履行となったとき、当社に当該保証額について債務を履行する義務が生じます。 さらに、石油開発の全般的な傾向として、海外事業の一部はカントリーリスクの相対的に高い地域で実施されることがあり、これらの国々の政治的もしくは経済的混乱、法制や税制もしくは政策等の変更が、当社グループの海外事業の円滑な遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、相当規模の資金を要する生産段階にある主要な海外事業は、次のとおりであります。 ① サハリンプロジェクトの進捗状況 当社は、サハリン石油ガス開発㈱への出資を通じて(平成29年3月期末の出資比率 15.29%)、ロシア・サハリン島沖合における原油・天然ガス開発事業(サハリン1プロジェクト)に参画しております。同プロジェクトは平成13年10月に商業化宣言を行い、ロシア政府の承認を経て開発段階に移行した後、平成18年10月、チャイウォ油ガス田からの本格的な原油生産の開始に伴って本邦への輸出を開始し、現在も順調に生産販売を続けているほか、平成22年9月にはオドプト油ガス田から、平成27年1月にはアルクトン・ダギ油ガス田からも原油生産を開始しております。 当社は、同社が開発資金を調達するに際し、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構並びに他の民間株主とともに債務保証を行っております。平成29年3月期末時点で、当社の債務保証残高は5,144百万円です。 また、サハリン1プロジェクトでは、上記の生産中油ガス田で追加開発作業を進めており、また、現時点では具体的な計画は策定されていないものの、天然ガス生産を目的とした開発を行う可能性があり、将来、これらの作業や計画の進展次第では、当社において追加的な債務保証が発生する可能性があります。 ② インドネシアカンゲアンプロジェクトの進捗状況 当社は、平成19年5月より、Energi Mega Pratama Inc.(EMPI)への出資(平成29年3月期末の出資比率25%)を通じて、インドネシア・ジャワ島東方沖合のカンゲアン鉱区における原油・天然ガス開発事業に参入しております。同鉱区は、複数の油・ガス田及び構造を有し、参入時点で既に生産中であった一部油・ガス田において生産を続ける一方、平成24年5月、テランガス田の商業生産を開始するとともに、他の有望地域でも探鉱・開発作業を進めております。 当社は、同鉱区に直接権益を持つEMPIの100%子会社Kangean Energy Indonesia Ltd.(KEI)及びEMP Exploration (Kangean)Ltd.に対し、他のEMPIの株主と共同で開発資金の貸付を行っており、平成29年3月期末の当社の貸付残高は両社合わせて15,434百万円となっております。また、生産設備に関連する債務に対する保証を行っており、平成29年3月期末の当社の保証残高は6,272百万円となっております。 同鉱区においては、現在開発作業を進めている油・ガス田のほかにも探鉱ポテンシャルを持つ構造が複数存在することから、開発の進捗に応じて発生が見込まれる資金貸付、債務保証等に加えて、これら大規模構造の探鉱、開発が実施される場合、更なる多額の投資が必要となる可能性があります。 ③ イラク共和国ガラフ油田開発生産プロジェクトの進捗状況 当社は、連結子会社㈱ジャペックスガラフへの出資を通じて(平成29年3月期末の出資比率 55.00%)、イラク共和国南部におけるガラフ油田開発生産プロジェクトに参画し(同社参加比率30%、資金負担比率40%)、オペレーターであるPETRONAS Carigali Iraq Holding B.V.(マレーシア国営石油会社ペトロナス社の子会社)と共同で開発事業を推進しております。 現時点の計画では、本油田の開発生産に係る総設備投資額(20年間)は、概算で50~60億米ドル(㈱ジャペックスガラフ負担額:概算20~24億米ドル)と想定しています。平成25年8月に生産を開始したことにより、今後は受取原油の販売収入を設備投資に充当していきます。 当社は、同国の政治状況、治安状況等には十分留意しつつ事業を進める所存ですが、これらの状況の悪化がプロジェクトに悪影響を及ぼす可能性があるほか、予期せぬコストの増加や開発スケジュールの遅延または生産量の減少が生じた場合等には、資金負担額が増加する可能性があります。 ④ カナダ アルバータ州Hangingstone鉱区オイルサンド開発事業の進捗状況 当社は、連結子会社カナダオイルサンド㈱への出資(平成29年3月期末の出資比率 93.60%。間接出資を含む場合の出資比率 94.58%)を通じて、カナダ アルバータ州におけるオイルサンド開発事業を推進しております。 同社完全子会社である現地操業会社 Japan Canada Oil Sands Limited(JACOS)が、同州Hangingstone鉱区の一部地域において日量約5,000バレルにてビチューメンの生産を行っておりましたが、昨今の油価の著しい下落に対応するため、平成28年5月より一時的に生産を休止しております。平成24年12月、当社は、更なる生産量・埋蔵量の拡大を図るべく、同鉱区の拡張開発事業についての最終投資決定を行い、開発作業を進めておりましたが、平成29年2月に中央処理施設の建設作業を完了し、現在生産操業開始の準備中です。 なお、本拡張開発事業は、75%の権益を保有するJACOSと25%の権益を保有するNexen Energy ULCとの共同事業であります。 現時点の計画では段階的開発を行うこととし、初期開発に係る総投資額として約20億カナダドル(JACOS権益分として約15億カナダドル)を見込んでおりますが、所要資金については自己資金と借入金にて賄っております。 当社は、オペレーターであるJACOSを通じ、プロジェクト管理に万全を期す所存ですが、工事費の精算に起因する予期せぬコストの増加や生産操業開始準備作業の開発スケジュールの遅延が生じた場合等には、資金負担額が増加する可能性があります。 ⑤ カナダ ブリティッシュ・コロンビア州におけるシェールガス開発・生産プロジェクト及びLNGプロジェクトの進捗状況 当社は、連結子会社JAPEX Montney Ltd.(JML)への出資(平成29年3月期末の出資比率45%)を通じて、マレーシア国営石油会社 ペトロナス社の推進するシェールガス開発・生産プロジェクト及び同州西海岸で検討中のLNGプロジェクトに参画しております(参加比率10%)。これにより、当社は同参加比率相当のLNG(約120万t/年)を引き取る権利を取得しております。 シェールガス開発・生産プロジェクトに関しては、上記LNGプロジェクトに20年間供給するに充分な埋蔵量を既に確認しております。現在は投資効率の高いエリアに集中した開発を実施しておりますが、LNGプロジェクトの開発に合わせて、今後とも生産量の拡大を図っていく計画です。 また、LNGプロジェクト(Pacific Northwest LNGプロジェクト、生産量約1,200万t/年)に関しては、カナダ連邦政府による環境影響評価の承認が平成28年9月に得られました。その後、事業環境を見定めながら、競争力向上のため、コスト削減を始め、あらゆる選択肢を検討中です。 なお、本事業に係る投資予定額は、今後算定する予定となっております。 4 国際石油開発帝石株式会社の株価変動に伴うリスクについて 当社は、平成29年3月期末現在、国際石油開発帝石㈱株式を7.31%保有しており、当社グループの平成29年3月期連結会計年度末の投資有価証券の残高は148,237百万円であり、このうち国際石油開発帝石㈱株式は116,994百万円となっております。同社の連結業績や株価は、当社グループと同様に、原油価格の動向等により変動する傾向があるほか、同社株価が変動した場合、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 5 国の保有する当社株式について 当社は、平成15年12月、石油公団(当時)が保有していた当社株式の一部の売出しにより、東京証券取引所市場第一部に株式を上場しましたが、この結果、同公団の所有株式数の割合は、65.74%から49.94%に低下しました。 さらに、同公団が保有していた当社株式は、同公団の廃止に伴い、平成17年4月1日付で国(経済産業大臣)に承継されるとともに、平成19年6月15日を受渡期日とする株式売出しにより、当該保有株式のうち15.94%相当分が売却された結果、同大臣の所有株式数の割合は34.00%まで低下し、現在に至っています。残る株式についても引き続き売却される可能性があり、その時期、方法、数量等によっては、当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当該株式の保有に関して、国と当社との間には、「定款の変更」「資本金の増減、または社債の発行」「決算および利益金の処分」「営業の一部もしくは全部の譲り渡し、または譲り受け」「役員候補者の決定」「資産または事業経営に重要な影響のある事項」に関して、国との間で協議を行う旨を定めた覚書が存在しております。当該覚書の運用は当社の経営の独立性を尊重する形で行われており、当該覚書の存在が、当社の事業の妨げとなったり、事業内容の制約となったことはありません。
FY2016|7,348 文字
4【事業等のリスク】 以下には、当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある主な事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針であります。 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は提出日現在において当社が判断したものであります。 1 法的規制について (1) 原油・天然ガス事業に関する法的規制 当社の事業は、鉱業法、ガス事業法をはじめ、鉱山保安法、高圧ガス保安法、消防法等の規制を受けております。現時点においてこのような法的規制が存在することが、当社事業の妨げとなり、もしくは著しい費用の増加につながっている事実はありませんが、将来的にこれらの法令が改正され、もしくは新たな規制法令が制定されて当社の事業に適用された場合、当社はその制約を受けることになります。 (2) 当社グループ事業の環境に対する負荷と法的規制 当社グループの事業は、鉱業という事業の特性上、その操業の過程で環境に対して様々な負荷を与え、また与える可能性があります。このため当社グループでは、関連法令に基づいて、監督官庁からの許認可取得、届出、販売先への製品情報の提供等、必要な手続きについて適法かつ適正な処理を行っており、従来、重大な問題が発生したことはありません。但し、世界的な環境意識の高まりに連れて現行の法規制が強化された場合には、対策費用の増加等により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 2 経営成績の変動要因について (1) 原油売上高の変動要因 当社が日本国内で販売する原油の販売価格は国際原油価格に連動して決定されるため、石油輸出国機構(OPEC)の生産動向や国際的な需給動向によって市況が変動し、また為替レートが変動した場合、当社の原油販売価格はその影響を受けます。当社はかかるリスクを軽減する目的で原油スワップ取引等を行うことがありますが、こうした取引によって全てのリスクが回避されるわけではありません。 (2) 天然ガス売上高の変動要因 当社が日本国内で販売する天然ガスの販売単価は、従来、販売先との契約に基づいて事業年度を通じて円建てで固定されているものが多数を占めていましたが、LNGの市場価格に基づき価格を決定する契約が増加傾向にあり、国際市況や為替の変動によって売上高が影響を受ける可能性が高まっています。また、都市ガス会社向けのガス販売数量については、夏季に需要が減少し、冬季に増加するという季節変動があるほか、暖冬時には販売量が低下する傾向が見られます。また長期的に見た場合、我が国エネルギー市場の規制緩和等が、天然ガスの販売単価や販売数量に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) 探鉱投資水準による損益の変動 生産・販売により減少する埋蔵量を維持・拡大し長期にわたり安定的な石油・天然ガスの供給体制の整備を図ることは、探鉱・開発・販売を事業の骨格とする当社グループにおいて重要な課題であり、当社グループでは原油・天然ガス販売から得られた利益の相当部分を、国の内外における探鉱投資に充当しています。探鉱投資額については、探鉱費用としてもしくは引当金の計上を通じて費用化しております。このため各事業年度における探鉱投資額の増減が、当社グループの利益に直接的な影響を及ぼすことになります。 3 事業に関するリスクについて (1) 事業の特徴 当社グループの事業は、初期の基礎的な調査から、掘さく作業を経て資源の発見に至るまでの探鉱段階において、多額の投資と長い期間を要する一方、資源の発見が保証されているわけではなく、元来リスクの高い事業です。また、資源の発見に至った後も、開発井の掘さく、生産設備や輸送設備の建設等に多額の投資が必要となります。従って、事業に着手してから投資額を回収し、利益に寄与するまでに長いリードタイムを要するのが通例であり、この間、事業環境の変化により、投資額の増大(開発スケジュールの遅延に起因するものを含みます。)、需要の減少、販売単価の下落、操業費の増加、為替変動などが発生し、所期の投資目的を達成できないリスクがあります。加えて、これらの投資には、埋蔵量や生産量の予期せぬ減少等の地質的な不確実性、不純物の混入など鉱業に特有の様々な技術的なリスクがあり、こうしたリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) エネルギー市場自由化の影響 我が国の電力・ガス事業分野においては、競争原理の導入を目指した様々な規制緩和の一環として、平成29年4月1日に改正ガス事業法が施行される見通しであり、従来より第三者託送義務が課されている天然ガスパイプラインに加え、一定規模以上のLNG基地が、ガス事業法の規制下で新たに第三者開放義務を負うことになります。当社では、こうした規制緩和の流れが、我が国のガス市場全体の活性化と天然ガスの需要拡大をもたらすとともに、当社グループのマーケティングの自由度を高め、事業領域や顧客基盤の拡大につながるものと考えています。一方で、エネルギー市場の構造改革の進展は厳しい価格競争をもたらし、当社グループの天然ガス販売にも悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) 販売に関するリスク 当社では、多くの販売先と長期にわたる取引関係を築いていますが、通常、単年度での販売契約を締結しているため、複数年以上にわたる長期販売契約の締結は一部の取引に留まっております。このため、大多数の販売先には契約上の長期的な引取義務はなく、販売先における需要減少、仕入先の変更等に伴う当社の販売数量の減少等により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 仕入に関するリスク 当社は平成15年3月より輸入を開始したマレーシア産LNGに関して、テイク・オア・ペイ条項に基づく長期引取義務を負っており、当社が何らかの事情により規定された年間最低引取数量について引取不能となった場合でも、未達数量について支払義務が発生します。このため、将来的に当社の天然ガス販売数量が減少した場合でも、LNG引取数量が固定化されるというリスクがあります。また、LNGの仕入価格は原油価格や為替レートの影響を受ける変動価格であり、仕入価格が高騰した場合、当社が販売価格に転嫁できなければ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) 操業に関するリスク 当社グループでは、坑井の掘さく、原油や天然ガスの生産・輸送等の操業に関して、保安体制や緊急時対応策の整備に努めておりますが、操業上の事故や災害(自然災害を含みます。)の発生によって人的・物的損害が発生するリスクは常に存在しています。こうした事故や災害が発生した場合、その損害の全てが保険によりカバーされるわけではありません。また、直接的な損害だけでなく、販売の中断による収入の減少、販売先に対する損害賠償、環境汚染による損害賠償、行政処分、社会的信用の低下といった副次的な損害をもたらす可能性があります。 (6) 将来の廃鉱に関するリスク 当社グループが現在生産を行っている坑井及び鉱山等については、生産終了後に廃鉱作業を実施する必要があり、当社グループは当該有形固定資産の除去に関して資産除去債務を計上しております。新たな法令や契約、市場変動等の外的環境の変化により、当社グループの資産除去債務の妥当性に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 将来の税制等の変更に関するリスク 鉱業に特有の税制優遇措置として、探鉱準備金制度、海外投資等損失準備金制度及び新鉱床探鉱費の特別控除制度(所得控除)があり、当社グループもその制度を利用しておりますが、将来、こうした優遇措置が変更された場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8) 海外事業に関するリスク 海外事業が探鉱、開発と段階を経ていく過程で、多額の投資(出資又は資金貸付)を行うこととなる場合、当社の財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社が出資する海外プロジェクト会社が銀行融資等によって事業資金を調達する場合、当社は当該借入金の全部又は一部について債務保証を行うことがあります。この場合において、当該プロジェクト会社の財務状況が悪化して債務不履行となったとき、当社に当該保証額について債務を履行する義務が生じます。 さらに、石油開発の全般的な傾向として、海外事業の一部はカントリーリスクの相対的に高い地域で実施されることがあり、これらの国々の政治的もしくは経済的混乱、法制や税制もしくは政策等の変更が、当社グループの海外事業の円滑な遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、相当規模の資金を要する生産段階にある主要な海外事業は、次のとおりであります。 ① サハリンプロジェクトの進捗状況 当社は、サハリン石油ガス開発㈱への出資を通じて(平成28年3月期末の出資比率 15.29%)、ロシア・サハリン島沖合における原油・天然ガス開発事業(サハリン1プロジェクト)に参画しております。同プロジェクトは平成13年10月に商業化宣言を行い、ロシア政府の承認を経て開発段階に移行した後、平成18年10月、チャイウォ油ガス田からの本格的な原油生産の開始に伴って本邦への輸出を開始し、現在も順調に生産販売を続けているほか、平成22年9月にはオドプト油ガス田から、平成27年1月にはアルクトン・ダギ油ガス田からも原油生産を開始しております。 当社は、同社が開発資金を調達するに際し、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構並びに他の民間株主とともに債務保証を行っております。平成28年3月期末時点で、当社の債務保証残高の総額は4,837百万円であり、平成19年5月より同社による借入金の返済が開始されております。 また、サハリン1プロジェクトでは、上記の生産中油ガス田で追加開発作業を進めており、また、現時点では具体的な計画は策定されていないものの、天然ガス生産を目的とした開発を行う可能性があり、将来、これらの作業や計画の進展次第では、当社において追加的な債務保証が発生する可能性があります。 ② インドネシアカンゲアンプロジェクトの進捗状況 当社は、平成19年5月より、Energi Mega Pratama Inc.(EMPI)への出資(平成28年3月期末の出資比率25%)を通じて、インドネシア・ジャワ島東方沖合のカンゲアン鉱区における原油・天然ガス開発事業に参入しております。同鉱区は、複数の油・ガス田及び構造を有し、参入時点で既に生産中であった一部油・ガス田において生産を続ける一方、平成24年5月、テランガス田の商業生産を開始するとともに、他の有望地域でも探鉱・開発作業を進めております。 当社は、同鉱区に直接権益を持つEMPIの100%子会社Kangean Energy Indonesia Ltd.(KEI)及びEMP Exploration (Kangean)Ltd.に対し、他のEMPIの株主と共同で開発資金の貸付を行っており、平成28年3月期末の当社の貸付残高は両社合わせて15,415百万円となっております。また、生産設備に関連する債務に対する保証を行っており、平成28年3月期末の当社の保証残高は8,961百万円となっております。 同鉱区においては、現在開発作業を進めている油・ガス田のほかにも探鉱ポテンシャルを持つ構造が複数存在することから、開発の進捗に応じて発生が見込まれる資金貸付、債務保証等に加えて、これら大規模構造の探鉱、開発が実施される場合、更なる多額の投資が必要となる可能性があります。 ③ イラク共和国ガラフ油田開発生産プロジェクトの進捗状況 当社は、連結子会社㈱ジャペックスガラフへの出資を通じて(平成28年3月期末の出資比率 55.00%)、イラク共和国南部におけるガラフ油田開発生産プロジェクトに参画し(同社参加比率30%、資金負担比率40%)、オペレーターであるPETRONAS Carigali Iraq Holding B.V.(マレーシア国営石油会社ペトロナス社の子会社)と共同で開発事業を推進しております。 現時点の計画では、本油田の開発生産に係る総設備投資額(20年間)は、概算で50~60億米ドル(㈱ジャペックスガラフ負担額:概算20~24億米ドル)と想定しています。平成25年8月に生産を開始したことにより、今後は受取原油の販売収入を設備投資に充当していきます。 当社は、同国の政治状況、治安状況等には十分留意しつつ事業を進める所存ですが、これらの状況の悪化がプロジェクトに悪影響を及ぼす可能性があるほか、予期せぬコストの増加や開発スケジュールの遅延または生産量の減少が生じた場合等には、資金負担額が増加する可能性があります。 ④ カナダ アルバータ州Hangingstone鉱区オイルサンド開発事業の進捗状況 当社は、連結子会社カナダオイルサンド㈱への出資(平成28年3月期末の出資総額 49,480百万円、出資比率 93.24%。間接出資を含む場合の出資総額 50,492百万円、出資比率 94.58%)を通じて、カナダ アルバータ州におけるオイルサンド開発事業を推進しております。 同社完全子会社である現地操業会社 Japan Canada Oil Sands Limited(JACOS)が、同州Hangingstone鉱区の一部地域において日量約5,000バレルにてビチューメンの生産を行っておりますが(注 昨今の油価の著しい下落に対応するため、平成28年5月より一時的に休止しております)、平成24年12月、当社は、更なる生産量・埋蔵量の拡大を図るべく、同鉱区の拡張開発事業についての最終投資決定を行い、現在開発作業を鋭意進めているところです。 なお、本拡張開発事業は、75%の権益を保有するJACOSと25%の権益を保有するNexen Energy ULCとの共同事業であります。 現時点の計画では段階的開発を行うこととし、初期開発に係る総投資額として約16.7億カナダドル(JACOS権益分として約12.5億カナダドル)を見込んでおりますが、所要資金については自己資金と借入金にて賄う予定であります。 当社は、オペレーターであるJACOSを通じ、プロジェクト管理に万全を期す所存ですが、予期せぬコストの増加や開発スケジュールの遅延が生じた場合等には、資金負担額が増加する可能性があります。 ⑤ カナダ ブリティッシュ・コロンビア州におけるシェールガス開発・生産プロジェクト及びLNGプロジェクトの進捗状況 当社は、連結子会社JAPEX Montney Ltd.(JML)への出資(平成28年3月期末の出資総額918百万カナダドル、出資比率45%)を通じて、マレーシア国営石油会社 ペトロナス社の推進するシェールガス開発・生産プロジェクト及び同州西海岸で検討中のLNGプロジェクトに参画しております(参加比率10%)。これにより、当社は同参加比率相当のLNG(約120万t/年)を引き取る権利を取得しております。 シェールガス開発・生産プロジェクトに関しては、上記LNGプロジェクトに20年間供給するに充分な埋蔵量を既に確認しております。LNGの生産に合わせて、今後とも生産量の拡大を図っていく計画です。 また、LNGプロジェクト(Pacific Northwest LNGプロジェクト、生産量約1,200万t/年)に関しては、カナダ連邦政府による環境影響評価の承認が得られた時点で、プロジェクトパートナー間において最終投資決定につき審議される予定です。 なお、本事業に係る投資予定額は、最終投資決定時に算定されることとなります。 4 国際石油開発帝石株式会社の株価変動に伴うリスクについて 当社は、平成28年3月期末現在、国際石油開発帝石㈱株式を7.31%保有しており、当社グループの平成28年3月期連結会計年度末の投資有価証券の残高は135,261百万円であり、このうち国際石油開発帝石㈱株式は91,233百万円となっております。同社の連結業績や株価は、当社グループと同様に、原油価格の動向等により変動する傾向があるほか、同社株価が変動した場合、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 5 国の保有する当社株式について 当社は、平成15年12月、石油公団(当時)が保有していた当社株式の一部の売出しにより、東京証券取引所市場第一部に株式を上場しましたが、この結果、同公団の所有株式数の割合は、65.74%から49.94%に低下しました。 さらに、同公団が保有していた当社株式は、同公団の廃止に伴い、平成17年4月1日付で国(経済産業大臣)に承継されるとともに、平成19年6月15日を受渡期日とする株式売出しにより、当該保有株式のうち15.94%相当分が売却された結果、同大臣の所有株式数の割合は34.00%まで低下し、現在に至っています。残る株式についても引き続き売却される可能性があり、その時期、方法、数量等によっては、当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当該株式の保有に関して、国と当社との間には、「定款の変更」「資本金の増減、または社債の発行」「決算および利益金の処分」「営業の一部もしくは全部の譲り渡し、または譲り受け」「役員候補者の決定」「資産または事業経営に重要な影響のある事項」に関して、国との間で協議を行う旨を定めた覚書が存在しております。当該覚書の運用は当社の経営の独立性を尊重する形で行われており、当該覚書の存在が、当社の事業の妨げとなったり、事業内容の制約となったことはありません。