研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 5 |
| 2024-03 | - | 0 |
| 2023-03 | - | 3 |
| 2022-03 | - | 1 |
| 2021-03 | - | 1 |
研究開発活動(本文)
FY2025|3,631 文字
6 【研究開発活動】当社グループの当連結会計年度における研究開発活動は、「新たな技術への果敢な挑戦をし続けていくことでお客様にとって価値のあるITサービスを提供し続けられる」との考えのもと、前年度から取組み始めた生成AIについての研究が、試行を重ねて実用段階に入っております。さらに自社開発基盤や自社ソリューションにつきましてはさらなる競争力強化のための機能強化・刷新に取組んでおり、当社独自技術のマイグレーションではセンター(集約)化のための研究を進めました。また、4年目を迎える社内スタートアップ制度も継続し、新しいビジネスの創出を目指しております。その概要は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費は297,809千円であります。 (1) 生成AIに関する研究生成AIは業務効率化や新規事業創出を目的に、情報リサーチや文書作成、コンテンツ作成など多様な分野で急速に拡大しております。エンターテインメント、金融、製造、教育など幅広い業界で導入が進み、高度な分析やシミュレーション、情報の自動抽出が実現し、新たな価値創造も進んでおります。このような状況のもと、当社では開発効率化や自社ソリューションへの組み込みなどを実施しました。一点目は、当社の本業であるシステム開発において、「設計からプログラミング、テストの各工程における品質・生産性向上に生成AIを活用できないか」という観点での研究を行いました。一昨年から取組んでおりますプログラミング時のAI活用として、生成AIに問い合わせをしながらのソース自動生成を試行してきましたが、実プロジェクトに活用し生産性が向上するという成果が出るところまで確認できました。この成果をもとに、設計やテストの各工程に対しても実プロジェクトでの活用を進めようとしており、設計では要件から設計書を自動生成、テストではテスト実行や結果確認を自動で実行するような研究を進めております。今後の取組としましては、システム開発における製造やテスト工程での活用に加え、プロジェクト管理の強化への活用も試行してまいります。二点目は、当社の既存のソリューションに対し「生成AIを組み込んで付加価値を高められないか」という観点から可視化ソリューション「ReverseNeo(リバースネオ)」に生成AIを組み込むための研究を行いました。同ソリューションに生成AIを組み込むことによる出力結果の精度向上や新たなドキュメント生成の可能性について研究を実施し、最終的に精度の高いドキュメント生成を実現したバージョンをリリースいたしました。可視化に関連する分野において、さらなる精度向上や機能の拡大を目指し、今後も継続して研究してまいります。また、その他既存の自社ソリューションにつきましても積極的に研究を進めており、生成AIを組み込んだ製品の提供をしてまいります。三点目は、社内の文章作成などの業務において生成AIを活用した効率化の研究を行いました。研究の結果、一部の部門で生産性向上や品質向上の成果が出ており、今後もさらなる利用拡大を図ってまいります。なお、生成AI活用の課題として、情報漏洩、知的財産権の侵害、ハルシネーション(生成AIによって事実に基づかない情報が生成されることがある)等があり、技術検証と共にこのような課題への対応方法を検討しながら、今後も継続して生成AIの活用を目指した研究を進めてまいります。生成AIにつきましては、当社の最も重要な研究分野と位置付け、各方面での有効活用に向けた取組に注力してまいります。 (2) クラウドに関する研究 企業の標準的なIT基盤となりつつあるクラウドですが、SaaSの活用やサーバーレスアーキテクチャ、インフラ構築の自動化、DevOps/CICDなど、その使い方や運用の効率化が進んでおります。さらに、生成AIの急速な進化により、クラウド上でのAIサービス提供やクラウドを使ったAIシステムの構築が加速しております。 そのような状況で、当社も当たり前にクラウドを使うようになっており、技術力のレベルアップと技術者の拡大を着実に進めるため、以前からクラウドタスクチームを立ち上げ技術力習得に取組んでまいりました。特にIaaS(Infrastructure as a Service)/PaaS(Platform as a Service)関連技術につきましては、これまでも10,000人以上の利用者を想定した負荷分散や冗長化のクラウド構成のような大規模なものから小規模なものまで数多くの構築を実施し技術力を向上させてまいりました。しかし、クラウドで提供されるサービスは非常に多岐に渡り、その使用方法も複雑で、日々新たなサービスが提供されていく状況であります。そのような中で、お客様にクラウドをより有効に活用していただけるよう、継続してクラウドの研究と実践に注力してまいります。当年度は以前から取組んでおりますIaaS/PaaSの実案件を継続して実践しております。さらに、仮想化技術のコンテナや、クラウド設定要素をコード化し自動的に構築するIaC(Infrastructure as Code) によるクラウド構築効率化などより高いレベルの技術習得を進めるとともに、クラウド上での生成AI環境構築を実践し、それに関連する新たなサービスのノウハウも習得いたしました。次年度は、さらなる技術のレベルアップや新たなサービスの技術習得、技術の標準化、技術者の育成などに取組みますが、特にクラウドを活用した生成AI環境の構築に注力して取組んでまいります。 (3) マイグレーションに関する研究マイグレーションとは、既存のアプリケーションを再利用して新たなプラットフォームへ移行する手法のことであり、既存のビジネスロジックを踏襲できることから、システムの完成度も既存システムと同等に保てることが最大の利点となります。当社のマイグレーションの特長は、独自の可視化技術により解析したリポジトリを用いることで、アプリケーション全てを対象にライン毎の命令やデータ項目から同一構文を機械的に集約できることであります。このマイグレーションに関する研究開発活動の取組として、以前から進めている「マイグレーションにおける品質の均一化、生産性の向上の取組」を継続しております。当年度においては、今までに培ったノウハウをベースにさらなる変換品質向上と生産性向上のためにCOBOLやJCLの変換ツール標準化への取組を進めております。また、新たなオープン系システムの可視化・影響分析機能の研究開発を実施し、メインフレームCOBOLのオープン系への変換についての研究開発にも取組んでおります。次年度以降も「マイグレーションにおける品質の均一化、生産性の向上の取組」に向けて、標準化やツール強化などを継続し、コストの抑制に貢献できるマイグレーションサービスをお客様に提供できるようにするとともに、お客様のニーズに対応できるようなマイグレーションの対象範囲拡大についても研究・開発を進めていく予定であります。 (4) 社内スタートアップ制度4年前から開始しました社内スタートアップ制度とは、社内で広く新たなビジネスの種を募集し、採否を審査して採用された場合は会社としてバックアップを行い、研究開発を進めていくものであります。当年度は1年間で33件の申請があり、2022年度22件、2023年度28件と年々増加しております。当年度については、新たなソリューションサービスや既存のソリューションサービスについての技術調査・研究、市場調査や生成AI活用に向けた研究、開発・テスト支援ツールの研究や新たな技術要素の研究などに取組みました。その中から実際に製品化につなげて販売しているものなど成果はあがっております。具体的には、自社ソリューションのオーダーエントリーシステム「E.M.O(エモ)」では、他社サービス連携などの技術研究を実施し、機能を追加した新バージョンをリリースしました。また、オープンシステムの可視化ツール「ReverseNeo(リバースネオ)」では、生成AIの組み込みを研究し、生成AIによる処理内容の可視化機能を組み込んだ新バージョンをリリースしました。さらに、家賃債務保証基幹システム「Guras(グラス)」やホテル向けインターネット予約システム「i-honex(アイホネックス)」では、市場調査や他社調査を実施し製品強化に繋げております。次年度も、さらに積極的なスタートアップ申請を促し、研究開発から新たなビジネスへと繋げる取組を継続していく予定であります。また、このような取組により社内で新しいことを考え、チャレンジしようとする風土を根付かせ、社員の意識改革・活性化を図り、成長し続ける会社を目指してまいります。
FY2024|3,420 文字
6 【研究開発活動】当社グループの当連結会計年度における研究開発活動は、「新たな技術への果敢な挑戦をし続けていくことでお客様にとって価値のあるITサービスを提供し続けられる」との考えのもと、新たな取り組みとして最近注目を集めている生成AIについての研究を開始いたしました。前年度から継続している取り組みとしては、様々な形で活用され始めたメタバースについての研究、一般的に使用されるようになったクラウド関連技術のレベルアップ、さらに当社独自技術のマイグレーションにおける機能拡大に関する研究を進めました。また、3年前に開始いたしました社内スタートアップ制度も継続し、新しいビジネスの創出を目指しております。その概要は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費は179,296千円であります。 (1) 生成AIに関する研究急速な広がりを見せる生成AIは、今や当たり前に利用でき、様々な場面で活用され始め、利用価値が認められつつあります。そのような中、当社でも活用に向けた取り組みを始めました。一点目は、社内文書を学習させ、その内容に対する質問に答えるようなモデルを構築しております。AWS上の社内情報(ダミーデータ)を検索するChatアプリケーションを開発し、質問を投げかけると、関連する社内情報を効率的に取得できることなどを試行しております。当社が得意なクラウド技術を活用して環境を構築し、学習のさせ方や検索方法による回答内容の違いなど、実活用での実現可能性を研究しております。二点目は、当社の本業でありますシステム開発作業、特にプログラミング時における品質・生産性向上に生成AIを活用できないか、という観点での研究であります。問い合わせをしながらのソース生成や設計書からのソース自動生成を試行しており、実プロジェクトでの使用も進めようとしております。課題として情報漏洩、知的財産権の侵害、ハルシネーション(生成AIによって事実に基づかない情報が生成されることがある)等があり、技術検証とともにどのように対応すべきか検討しながら、今後も継続して社内利用とシステム開発利用などでの活用を目指した研究を進めてまいります。 (2) メタバースに関する研究メタバースは、ゲーム・エンタメ市場が先行してきましたが、今後はメディア・広告やコマースに至るまで現実世界と同じようなビジネス領域がバーチャルへとスライドし、さらにメタバースに特化した業態も生まれると見込まれております。そのような状況を踏まえ、前年度から取り組み始めた「メタバース」について、今年度も研究を進めました、メタバース上での仮想オフィスを構築することでメタバースに対する基本的な技術を会得できた前年度の研究内容を踏まえて、今年度はさらにレベルアップした外部公開を前提とした仮想オフィスの構築により、今後のビジネス活用についても検討してまいりました。外部へ公開できるようなクオリティのメタバース空間とするための具体的な取り組みとして、例えば、デザインや3DCGのレベルアップ、統一感を持たせることにより見栄えを向上させ、一般的な回線速度や端末スペックでもストレスなく動くように工夫し構築した仮想オフィスを使っての社内イベントを実施いたしました。その内容は、自社商品の紹介ブースやセミナールームを開設し、アバターとして参加することで実体験が可能となるようなものであり、利用者からも好評で、当社の技術力もかなり向上できたと考えております。このような取り組みから、メタバース関連の技術力を習得しビジネスへの活用を検討してまいります。次年度以降は、この成果を踏まえて就職活動用の仮想空間を公開し、会社紹介や説明会、内定者イベントなどを開催し、会社のイメージアップに繋がればと考えております。 (3) クラウドに関する研究 お客様がDXを推進するにあたり必須となっているクラウドの活用については、システムを素早く、低コストで導入し、柔軟に拡張できることが必要となります。そのための技術を提供できるように当社では以前からクラウドタスクチームを立ち上げ技術力習得に取り組んでまいりました。特にIaaS(Infrastructure as a Service)/PaaS(Platform as a Service)関連技術につきましては、これまでも10,000人以上の利用者を想定した負荷分散や冗長化のクラウド構成のような大規模なものから小規模なものまで数多くの構築を実施し技術力を向上させてまいりました。しかし、クラウドで提供されるサービスは非常に多岐に渡り、その使用方法も複雑で、日々新たなサービスが提供されていく状況であります。そのような中で、お客様にクラウドをより有効に活用していただけるよう、継続してクラウドの研究と実践に注力してまいります。当年度はIaaS/PaaSの実案件をさらに実践することで、より高いレベルの技術習得を進めております。具体的には、クラウドで構築した自社の新たなソリューションサービスの提供を開始いたしました。また、デジタル庁主導で進められているガバメントクラウドにつきましては、自社の自治体向けソリューションがガバメントクラウドで問題なく利用可能かどうかの検証や、生成AI環境構築におけるクラウドの新たなサービスのノウハウを習得いたしました。さらに、以前から取り組んでおります、仮想化技術のコンテナや、クラウド設定要素をコード化し自動的に構築するInfrastructure as Code(IaC) によるクラウド構築効率化を図る技術のレベルアップにも取り組んでおります。次年度は、さらなる技術のレベルアップや新たなサービスの技術習得、技術の標準化、技術者の育成などに取り組む予定であり、お客様のDX推進に役立つクラウド活用を提供できるように継続してまいります。 (4) マイグレーションに関する研究マイグレーションとは、既存のアプリケーションを再利用して新たなプラットフォームへ移行する手法のことであり、既存のビジネスロジックを踏襲できるためシステムの完成度も既存システムと同等に保てることが最大の利点となります。当社のマイグレーションの特長は、当社独自の可視化技術により解析したリポジトリを用いることで、アプリケーション全てを対象にライン毎の命令やデータ項目から同一構文を機械的に集約できることであります。このマイグレーションに関する研究開発活動の取り組みとして、以前から進めている「マイグレーションにおける品質の均一化、生産性の向上の取り組み」を継続しております。当年度においては新たなオープン系システムの可視化・影響分析機能の研究開発を実施し、新サービスとして開発いたしました。さらに、メインフレームCOBOLからオープン系COBOLへ変換する新機能についても研究開発に取り組み、新サービスとして提供する見込みであります。次年度以降も「マイグレーションにおける品質の均一化、生産性の向上の取り組み」を継続し、コストの抑制に貢献できるマイグレーションサービスをお客様に提供できるようにするとともに、お客様のニーズに対応できるようなマイグレーションの対象範囲拡大についても研究・開発を進めていく予定であります。 (5) 社内スタートアップ制度3年前から開始しました社内スタートアップ制度とは、社内で広く新たなビジネスの種を募集し、採否を審査して採用された場合は会社としてバックアップを行い、研究開発を進めていくものであります。当年度は1年間で28件の申請があり、例えば、新たなソリューションサービスの調査・研究、テスト自動化などの開発・テスト支援ツール、C/SシステムからのWeb化、レガシー言語のJava変換、新たな技術要素の研究などに取り組みました。その中から実際にユーザ先での実証実験を実施したもの、製品化につなげて販売しているものなど成果はあがっております。次年度も、さらに積極的なスタートアップ申請を促し、研究開発から新たなビジネスへと繋げる取り組みを継続していく予定であります。また、このような取り組みにより社内で新しいことを考え、チャレンジしようとする風土を根付かせ、社員の意識改革・活性化を図り、成長し続ける会社を目指してまいります。
FY2023|3,579 文字
6 【研究開発活動】当社グループの当連結会計年度における研究開発活動は、「新たな技術への果敢な挑戦が、価値あるITサービスの提供につながる」との考えのもと、新たな取り組みとして最近注目を集めているメタバースについて研究を開始いたしました。前年度から継続している取り組みとしましては、新たな技術要素が多いクラウドの活用や近年ますます注目されているノーコード/ローコード開発、さらに当社独自技術のレベルアップとなるマイグレーションにおける機能拡大に関する研究を進めました。また、前々年度に開始いたしました社内スタートアップ制度も継続し、新しいビジネスの創出を目指しております。その概要は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費は186,117千円であります。 (1) メタバースに関する研究「メタバース」という言葉を世間でよく聞くようになってまだ日は浅く、普及の黎明期に入ったところと言われ、様々な分野で様々な捉え方をされておりますが、ビジネス活用の模索もいくつかの企業で始まっております。これからどのように発展していくのか不透明ではありますが、この早い段階でメタバースが当社のビジネスにおいて、どのような影響があり、どのように活用できるのかを研究することは有用であると考えました。当年度は、メタバースを実際に作成し実体験することで、メタバースがどのようなものなのかを正しく理解し、必要となる技術やノウハウを習得することを目指しました。その結果に基づいて今後の取り組み方針を検討していきたいと考えております。具体的には、メタバース上での仮想オフィス構築に取り組みました。まず、オフィスを構築するメタバースプラットフォームは、できるだけ自由度が高いものを選択することから開始いたしました。それをベースにデザインの検討やコンテンツの配置などを設計し、実際に3Dコンテンツの作成やメタバース空間の構築などの実装まで、技術的な課題を解決しながら取り組みを進めました。これらの取り組みにより、メタバースに対する基本的な技術を会得することができました。次年度以降はこの経験を活かした継続的な取り組みとして、例えば、メタバース空間を作成して社外へ公開し、そこにアバターとして自由に参加していただけるような形で活用したいと考えております。その空間では、自社商品の紹介やセミナールームを開設し、参加していただくことで実体験が可能となるようなものを想定しております。このような取り組みから、メタバース関連の技術力を習得しビジネスへの活用を検討してまいります。 (2) クラウドに関する研究 お客様がDXを推進するにあたり必須となっているクラウドの活用については、システムを素早く、低コストで導入し、柔軟に拡張できることが必要となります。そのための技術を提供できるように当社では以前からクラウドタスクチームを立ち上げ技術力習得に取り組んでまいりました。特にIaaS(Infrastructure as a Service)/PaaS(Platform as a Service)関連技術につきましては、これまでも10,000人以上の利用者を想定した負荷分散や冗長化のクラウド構成のような大規模なものから小規模なものまで数多くの構築を実施し技術力を向上させてまいりました。しかし、クラウドで提供されるサービスは非常に多岐に渡り、その使用方法も複雑で、日々新たなサービスが提供されていく状況であります。そのような中で、お客様にクラウドをより有効に活用していただけるよう、継続してクラウドの研究と実践に注力してまいります。当年度はIaaS/PaaSの実案件をさらに実践することで、より高いレベルの技術習得を進めております。例えば、仮想化技術として広まっているコンテナについてもクラウド上での活用を実践いたしました。また、クラウド構築の効率化を図るために、Infrastructure as Code(IaC)の考えに基づいて、クラウド設定要素をコード化し自動的に構築することに取り組みました。一般的にクラウドの設定は対話形式で画面から実施する人手による作業のため、作業ミスも発生しやすく、構築・運用負荷が高くなります。そこで、手作業ではなく設定内容をコード化し、それを実行するだけで構築できれば、同じような環境での迅速な構築が可能となり、負荷低減、ミス低減、効率化が図れます。これにより、必要な環境を素早くご提供できるように取り組んでおります。次年度は、さらなる技術のレベルアップや技術の標準化、技術者の育成などに取り組む予定であり、お客様のDX推進に役立つクラウド活用をご提供できるように継続してまいります。 (3) ノーコード/ローコード開発の研究ビジネス環境の変化が加速し、よりタイムリーに柔軟で迅速な対応が求められる時代に、高速開発手法であるノーコード/ローコード開発に注目が集まっております。ノーコード/ローコード開発のツールは非常に種類が多く、それぞれが特長を持っており、機能、使用方法、環境、運用など千差万別の状況であります。当社でもいくつかのローコード開発ツールを選定し、試行から実践での活用を進めております。当年度は、クラウド上のローコードツールとオンプレミス上の基幹システムの連携を中心とした研究開発に取り組みました。具体的には、オンプレミスの基幹システムからデータを抽出し、そのデータをクラウドのローコードデータ分析ツールでパソコンやタブレットから分析するようなシステムの構築を実践いたしました。さらに、クラウドのローコードツールで開発した画面から入力されたデータをオンプレミスの基幹システムに連携する仕組みも構築いたしました。このようなオンプレミス・クラウド間のデータ連携ができる仕組みの構築により、既存のオンプレミス基幹システムの機能拡張や新規機能追加を実施する場合に、クラウドとローコードツールを活用することができると考えております。次年度以降は、システム開発事業でローコード開発をうまく取り入れるとともに、当社が提供するパッケージと連携するような機能においてもローコード開発を適用することで、お客様の多様なニーズに素早く応えられるよう進めてまいります。 (4) マイグレーションに関する研究マイグレーションとは、既存のアプリケーションを再利用して新たなプラットフォームへ移行する手法のことであり、既存のビジネスロジックを踏襲できるためシステムの完成度も既存システムと同等に保てることが最大の利点となります。当社のマイグレーションの特長は、当社独自の可視化技術により解析したリポジトリを用いることで、アプリケーション全てを対象にライン毎の命令やデータ項目から同一構文を機械的に集約できることであります。このマイグレーションに関する研究活動の取り組みとして、以前から進めている「マイグレーションにおける品質の均一化、生産性の向上の取り組み」を継続しております。当年度においてはAS400版の棚卸分析・移行性分析機能の研究開発を実施し、DX支援サービスとして提供を開始いたしました。さらに、メインフレーム版の棚卸分析・移行性分析機能の研究開発にも取り組み、実現可能であることが確認できましたので、今後はサービス提供に向けた取り組みを行ってまいります。次年度以降も「マイグレーションにおける品質の均一化、生産性の向上の取り組み」を継続し、コストの抑制に貢献できるマイグレーションサービスをお客様に提供できるようにするとともに、お客様のニーズに対応できるようなマイグレーション対象範囲の拡大についても研究・開発を進めていく予定であります。 (5) 社内スタートアップ制度前々年度から開始しました社内スタートアップ制度とは、社内で広く新たなビジネスの種を募集し、採否を審査して採用された場合は会社としてバックアップを行い、研究開発を進めていくものであります。当年度は1年間で23件の申請があり、例えば、インフラ自動化ツール、統合情報監視基盤、C/SシステムからWeb化、在席情報システムプロト、MDMシステム、DX支援サービスなどの研究開発に取り組みました。その中から実際にユーザ先での実証実験を実施したもの、製品化につなげて販売を準備しているものなど成果はあがっております。次年度も、さらに積極的なスタートアップ申請を促し、研究開発から新たなビジネスへと繋げる取り組みを継続していく予定であります。また、このような取り組みにより社内で新しいことを考えチャレンジしようとする風土を根付かせ、社員の意識改革・活性化を図り、成長し続ける会社を目指してまいります。
FY2022|3,509 文字
5 【研究開発活動】当社グループの当連結会計年度における研究開発活動は、攻めのIT(企業価値向上)分野として、アナリティクス領域であるテキストマイニングとコグニティブ領域であるAI(人工知能)の研究、利用の普及が進むクラウドに関する研究、近年注目されているノーコード/ローコード開発の研究に取り組みました。また、マイグレーションにおける対象言語の拡大に関する研究についても取り組みを実施しております。さらに、昨年度に開始した社内スタートアップ制度を当年度も継続し、新しいビジネスの創出を目指しております。その概要は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費は136,147千円であります。 (1)アナリティクス及びコグニティブ領域に関する研究アナリティクス及びコグニティブ領域において、音声や画像に代表される非構造化データに含まれる情報の重要度は益々大きくなっており、一定の情報量を収集するための手順の確立や収集に関わる作業の効率化は、当社が提供するSI開発、プロダクト及びサービスの提供においても重要なテーマとなりつつあります。当社は、以前からIBM Watson、並びに、IBM Watson Explorerを活用したソリューションモデルの研究を行っており、これを活用したPOC(概念検証)環境提供サービスを展開しています。音声認識や音声変換、画像認識においても、IBM Watsonが提供するAPIを活用することで、POC環境やソリューションモデルとのシームレスな情報連携と一貫した技術サポートの提供が可能となり、また、当社の提供するSI開発、プロダクト及びサービスの提供においても、その技術・ノウハウが有効活用できると考えています当年度、当社は、大阪狭山市と「AI窓口ナビゲーション実証実験に係る協定」を締結し、市役所の窓口案内の利便性向上を目的に、これまで当社が蓄積した「音声認識」、「音声変換」、「チャットボット」、「質問応答(Q&A)」等のAI技術を活用した「AI窓口ナビゲーション」の実用性の検証を行っております。次年度においては、当年度の研究を更に進め、製品化、及び、案件獲得活用につなげる予定です。※IBM Watsonは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corp.の商標です。 (2) クラウドに関する研究お客様がDXを推進するにあたり必須となっているクラウドの活用については、システムを素早く、低コストで導入し、柔軟に拡張できることが必要であり、そのための技術はインフラ化のIaaS(Infrastructure as a Service)/PaaS(Platform as a Service)と呼ばれる技術と、クラウド上で提供されるサービスをフル活用してシステムを開発し提供するクラウドネイティブ技術の大きく2つに分けられます。当社では以前からクラウドタスクチームを立ち上げ技術力習得に取り組んでおり、特にIaaS/PaaS関連技術については実績も増え技術力を向上させております。そのような中で、当年度はIaaS/PaaSの実案件をさらに実践することで、より高いレベルの技術習得を進めるとともに、クラウドのメリットを最大限に活用するためのクラウドネイティブなシステム構築を試行し、お客様により有効にクラウドを活用していただけるように研究開発に取り組みました。まず、IaaS/PaaSへの取り組みとしましては、これまで構築したクラウド構成よりもさらに規模の大きな、10,000人以上の利用者を想定した負荷分散や冗長構成を組むクラウド構成を構築しました。この案件をはじめとして、いくつかの構築を実践することにより技術をさらに磨き上げ、クラウド普及の進む現状において、お客様のクラウドを利用した価値向上に対応できるよう取り組みを継続しております。さらに、当社が提供するパッケージをクラウド環境で動作させるためのクラウドテンプレートの準備も行っており、必要な環境を素早くご提供できるように取り組んでおります。そして、クラウドネイティブへの取り組みとしましては、実存するようなシステムを想定し、クラウドサービスを活用した開発をすることで、より実践に必要となる技術を身に付けるとともに、クラウドネイティブをお客様のシステムでどのように活用するのが適切であるかも確認しながらすすめております。次年度は、さらなる技術のレベルアップや技術の標準化、技術者の育成などに取り組む予定であり、お客様のDX推進に役立つクラウド活用をご提供できるように継続してまいります。 (3) ノーコード/ローコード開発の研究ビジネス環境の変化が加速し、よりタイムリーに柔軟で迅速な対応が求められる時代に、高速開発手法であるノーコード/ローコード開発に注目が集められています。ノーコード/ローコード開発のツールは非常に種類が多く、それぞれが特長を持っており、機能、使用方法、環境、運用など千差万別の状況です。当社でもいくつかのローコード開発ツールを選定し、試行から実践での活用を進めております。当年度は、システム開発におきまして、マスタ保守機能やデータ移行機能などの簡易なものをローコード開発ツールで構築することを実践しました。これにより、ツールの特性を理解した上で適切な部分に活用すれば、迅速な開発ができることが確認できました。また、当社が提供するパッケージと連携するような機能についても、ローコード開発ツールを活用してサンプルアプリケーションをいくつか開発することができ、パッケージの周辺で必要となるシステムを素早く開発することにも有効性があると考えております。次年度以降は、システム開発事業でローコード開発をうまく取り入れるとともに、当社が提供するパッケージと連携するような機能においてもローコード開発を適用することで、お客様の多様なニーズに素早く応えられるよう進めてまいります。 (4) マイグレーションに関する研究マイグレーションとは、既存のアプリケーションを再利用して新たなプラットフォームへ移行する手法を指しています。他の移行方法と比較すると、既存のビジネスロジックを踏襲できるため、システムの完成度も既存システムと同等に保てることが最大の利点となります。当社のマイグレーションの特長は、当社独自の可視化技術により解析したリポジトリを用いることで、アプリケーション全てを対象にライン毎の命令やデータ項目から同一構文を機械的に集約できることです。マイグレーションに関する研究活動として、以前から進めている「マイグレーションにおける品質の均一化、生産性の向上の取り組み」を継続しています。当年度においては要件定義工程をターゲットにツールの強化に継続して取り組み、品質と生産性のさらなる向上を図ることができました。さらに、マイグレーション対象範囲拡大に向けて、IBMiのRPG言語をJava言語へマイグレーションする研究開発を実施し、実現可能であることが確認できましたので、今後は製品化に向けた取り組みをしてまいります。次年度以降も「マイグレーションにおける品質の均一化、生産性の向上の取り組み」を継続し、コストの抑制に貢献できるマイグレーションサービスをお客様に提供できるようにするとともに、お客様のニーズに対応できるようなマイグレーション対象範囲の拡大についても研究・開発を進めていく予定であります。 (5) 社内スタートアップ制度前年度から社内スタートアップ制度を開始しました。社内スタートアップ制度とは、社内で広く新たなビジネスの種を募集し、社内で採否を審査して採用された場合は会社としてバックアップを行い、研究開発をすすめていくものであります。当年度は、1年間で26件の申請があり、うち17件が採用されて研究開発を実施しました。例えば、RFIDの活用、電子署名の活用、非接触型来客受付、マイグレーションサービス、VRコンテンツ、などに取り組みました。その中から実際にユーザ先での実証実験を実施したもの、製品化につなげて販売を準備しているものなど成果は出ております。次年度も、さらに積極的なスタートアップ申請を促し、研究開発から新たなビジネスへと繋げる取り組みを継続していく予定です。また、このような取り組みにより社内で新しいことを考えチャレンジしようとする風土を根付かせ、社員の意識改革・活性化を図り、成長し続ける会社を目指してまいります。
FY2021|3,595 文字
5 【研究開発活動】当社グループの当連結会計年度における研究開発活動は、攻めのIT(企業価値向上)分野として、アナリティクス領域であるテキストマイニングとコグニティブ領域であるAI(人工知能)の研究、利用の普及が進むクラウドに関する研究、近年注目されているノーコード/ローコード開発の研究に取り組みました。また、マイグレーションにおける品質及び生産性向上に関する研究についても取り組みを継続しております。さらに、社内スタートアップ制度を開始し、新しいビジネスの創出を目指しております。その概要は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費は91,624千円であります。 (1) アナリティクス及びコグニティブ領域に関する研究当年度は、音声認識AIの性能評価、並びに同AIを活用したソリューション開発の技術研究、ソリューション展開方式の検討を行いました。その結果、技術戦略として進めている「当社が提供するSI開発、プロダクト及びサービスの提供に付加価値を加えるためのアナリティクス及びコグニティブ領域の先端技術の研究開発への取り組み」を継続しました。アナリティクス及びコグニティブ領域において、音声や画像に代表される非構造化データに含まれる情報の重要度は益々大きくなっており、一定の情報量を収集するための手順の確立や収集に関わる作業の効率化は、当社が提供するSI開発、プロダクト及びサービスの提供においても重要なテーマとなりつつあります。当社は、以前からIBM Watson、並びにIBM Watson Explorerを活用したソリューションモデルの研究を行っており、これを活用したPOC(概念検証)環境提供サービスを展開しております。音声認識においても、IBM WatsonのAPIの一つである”Speech to Text API”を活用することで、POC環境やソリューションモデルとのシームレスな情報連携と一貫した技術サポートの提供が可能となり、また、当社の提供するSI開発、プロダクト及びサービスの提供においても、その技術・ノウハウが有効活用できると考えております。 当年度の具体的な取り組みは以下の通りであります。・音声データ変換ツール(Ai PLANET-VoiceConvert)の製品化AI技術を活用して「会話の見える化」、「会話のデータ化」を実現する音声データ変換ツール。会話をリアルタイムに文字に起こし、議事録等の会話録作成に関わる負担を大幅軽減する。・IBM Watson 自動応答(チャットボット)モデルの提供自動会話システムを組み込んだチャットボットが、利用者の調べる、考える、動作するといった煩雑な行為を代行し迅速に利用者に結果を提供する。・IBM Watson Explorer 質問応答(Q&A)モデルの提供IBM Watson Explorerで情報を一括管理し、当社独自のAIを盛り込んだ検索・学習・ランキング機能で利用者の情報獲得のサポートをする。 次年度においては、当年度の研究をさらに進め、製品化及び案件獲得につなげる予定であります。 ※IBM Watsonは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corp.の商標です。 (2) クラウドに関する研究システムのクラウドへの移行に関する技術は、IaaS(Infrastructure as a Service)/PaaS(Platform as a Service)と呼ばれるインフラをクラウド化する技術と、クラウド上で提供されるサービスをフル活用してシステムを開発し提供するクラウドネイティブの技術の大きく2つに分けられます。これらはオンプレミスからクラウドに「リフト」して、クラウドネイティブな仕組みに「シフト」する、いわゆる「リフト&シフト」とも呼ばれるクラウド移行のプロセスを表現しています。近年では、リフト化によりコスト削減を図る「守りのIT」だけではなく、シフト化することで収益向上やデジタル変革を推進する「攻めのIT」に向けてクラウドを活用すべきと考えられています。そこで、当年度はリフト化する技術の実案件での実践・技術習得、そして、クラウドネイティブへのシフト化の試行による研究開発に取り組みました。リフト化への取り組みは、当社パッケージのインフラとしてクラウドを使用する案件について、提案から設計・導入までを実践しました。さらに、複数の様々な案件を提案しており、その中でもクラウド内の複数センター間で負荷分散や冗長構成を組むような大規模構成の構築に取り組み始めました。このような実践で培った技術をさらに磨き上げ、クラウド普及の進む現状において、お客様のクラウドを利用した価値向上に対応できるよう取り組みを継続しております。さらに、クラウドネイティブへのシフト化の取り組みは、コンテナやサーバレスの技術検証、サンプルアプリケーションの開発、開発事案をクラウドネイティブで提案などを行うことで技術力を習得しております。次年度は、リフト化のさらなる技術レベルアップや技術の標準化によるサービスメニュー化に取り組む予定であり、シフト化については、実案件での提供によるお客様の「攻めのIT」への貢献を目指して取り組みを継続していく予定であります。 (3) ノーコード/ローコード開発に関する研究ビジネス環境の変化が加速し、よりタイムリーで、柔軟で、迅速な対応が求められる時代に、高速開発手法であるノーコード/ローコード開発に注目が集められております。ただし、ノーコード/ローコード開発のツールは非常に種類が多く、それぞれが特徴を持っており、機能、使用方法、環境、運用など千差万別の状況であります。そこで、当年度は、代表的なツールを複数ピックアップし、試行することでツールの特性を理解し、どのように活用するかを評価いたしました。特に、当社が提供するパッケージのオプションとなるような機能について、サンプルアプリケーションを開発することができましたので、このような部分でツール活用の有効性があると考えられます。次年度以降は、当社のコア事業であるシステム開発事業へのノーコード/ローコード開発の実践も含め、お客様の多様なニーズに応えられるよう進めていく予定であります。 (4) マイグレーションに関する研究マイグレーションとは、既存のアプリケーションを再利用して新たなプラットフォームへ移行する手法を指しています。他の移行方法と比較すると、既存のビジネスロジックを踏襲できるため、システムの完成度も既存システムと同等に保てることが最大の利点となります。当社のマイグレーションの特長は、当社独自の可視化技術により解析したリポジトリを用いることで、アプリケーション全てを対象にライン毎の命令やデータ項目から同一構文を機械的に集約できることです。マイグレーションに関する研究開発活動として、以前から進めている「マイグレーションにおける品質の均一化、生産性向上への取り組み」を継続しています。昨年度は、マイグレーションを進めるうえで、最も重要な工程である要件定義(移行性分析)にターゲットをあて、品質の均一化、生産性の向上に取り組み、ツールを開発してまいりました。当年度においても要件定義行程をターゲットにツールの強化に取り組み、品質と生産性のさらなる向上を図ることができました。次年度以降も「マイグレーションにおける品質の均一化、生産性向上への取り組み」を継続し、コストの抑制に貢献できるマイグレーションサービスをお客様に提供できるよう、研究・開発を進めていく予定であります。 (5) 社内スタートアップ制度当年度から社内スタートアップ制度を開始いたしました。社内スタートアップ制度とは、社内で広く新たなビジネスの種を募集し、社内で採否を審査して採用された場合は会社としてバックアップを行い、研究開発をすすめていくものであります。当年度は、10月の開始から半年で18件の申請があり、うち9件が採用されて研究開発を実施いたしました。例えば、非接触窓口予約や非接触POS、顔認証、AI音声応答、さらに、当社が保有する地理空間情報の技術を活用した大学との共同研究などに取り組みました。その中の研究成果が実際にコロナワクチン予約システムに適用され活用されております。次年度も、さらに積極的なスタートアップ申請を促し、研究開発から新たなビジネスへと繋げる取り組みを継続していく予定であります。また、このような取り組みにより社内で新しいことを考えチャレンジしようとする風土を根付かせ、社員の意識改革・活性化を図り、成長し続ける会社を目指してまいります。
FY2020|2,522 文字
5 【研究開発活動】当社グループの当連結会計年度における研究開発活動は、攻めのIT(企業価値向上)分野として、アナリティクス領域であるテキストマイニングとコグニティブ領域であるAI(人工知能)の研究、様々な分野で今後の活躍が期待されるブロックチェーンに関する研究、RPAツールの付加価値の研究について昨年度に続き取り組みました。また、マイグレーションにおける品質及び生産性向上に関する研究についても取り組みを始めました。その概要は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費は102,062千円であります。 (1) アナリティクス及びコグニティブ領域に関する研究当年度は、音声認識AIの性能評価、並びに、同AIを活用したソリューション開発の技術研究、ソリューション展開方式の検討を行い、技術戦略として進めている「当社が提供するSI開発、プロダクト及びサービスの提供に付加価値を加えるためのアナリティクス及びコグニティブ領域の先端技術の研究開発への取り組み」を継続しました。アナリティクス及びコグニティブ領域において、音声や画像に代表される非構造化データに含まれる情報の重要度は益々大きくなっており、一定の情報量を収集するための手順の確立や収集に関わる作業の効率化は、当社が提供するSI開発、プロダクト及びサービスの提供においても重要なテーマとなりつつあります。当社は、以前からIBM Watson、並びに、IBM Watson Explorerを活用したソリューションモデルの研究を行っており、これを活用したPOC(概念検証)環境提供サービスを展開しております。音声認識においても、IBM WatsonのAPIの一つである”Speech to Text API”を活用することで、POC環境やソリューションモデルとのシームレスな情報連携と一貫した技術サポートの提供が可能となり、また、当社の提供するSI開発、プロダクト及びサービスの提供においても、その技術・ノウハウが有効活用できると考えております。 当年度の具体的な取り組みは以下の通りであります。・音声認識AIの性能評価”Speech to Text API”の持つ性能・機能の評価・ソリューション開発技術の研究”Speech to Text API”を活用したリアル音声変換ソリューションの研究開発・ソリューション展開方式の検討 リアル音声認識ソリューションをサービス展開するためのルールや手順、必要となるサポート内容の検討 次年度においては、当年度の研究を更に進め、製品化、及び、案件活用につなげる予定です。 ※IBM Watsonは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corp.の商標です。 (2) ブロックチェーンに関する研究当年度のブロックチェーンの研究開発は、昨年度に引き続き、技術習得とソリューション開発に取り組みました。ブロックチェーンは、暗号資産(仮想通貨)を支える基盤技術、金融業界でのIT活用(FinTech)の1つの要素として取り上げられることが多い技術でありますが、当社においては、金融に限らず、幅広いお客様に提供できる「ソフトウエア基盤(プラットフォーム)」を支える技術としてブロックチェーンを捉えており、そのプラットフォームの構築に取り組んでおります。取り組みの中で、複数組織間における物品のトレーサビリティを管理するシステムを開発し、大手ITベンダーのソフトウエア展示会に出展いたしました。そこで頂いたお客様の声に対応すべく、ブロックチェーン技術に、IoT技術や既存のソリューションを組み合わせて、お客様にとって価値あるサービスの開発に継続して取り組んでまいります。次年度は、ブロックチェーン技術の解説や、ブロックチェーンが社会に適用されるアイデア、プロトタイプ等を継続的に発信し、お客様とともに、新しいサービスの企画・開発を進めていく予定です。 (3) RPAツールの付加価値の研究当年度は昨年度に実施した社内トライアルを発展させ、当社内の総務、人事、経理の各部門へのロボット化を推進しました。各部門の現行業務の流れを整理、可視化したうえで課題を抽出、その解決策としてロボット化による複数の改善案を策定しました。次年度以降は、当社のコア事業であるシステム開発事業へのRPAツール提供も含め、お客様の多様なニーズに応えられるよう進めていく予定です。 (4) マイグレーションに関する研究マイグレーションとは、既存のアプリケーションを再利用して新たなプラットフォームへ移行する手法を指しています。他の移行方法と比較すると、既存のビジネスロジックを踏襲できるため、システムの完成度も既存システムと同等に保てることが最大の利点となります。当社のマイグレーションの特長は、アプリケーション全ての1ライン1ライン毎の命令やデータ項目を当社独自の可視化技術により解析したリポジトリを用いて、同一構文を機械的に集約できる事であります。マイグレーションに関する研究開発活動として、一昨年から進めている「マイグレーションにおける品質の均一化、生産性向上への取り組み」を継続しています。一昨年は、マイグレーションで必要な工数全体の1/3~1/2を費やす既存のビジネスロジックが正しく継承されているかの確認テストの工数抑制を狙いとする取り組みを行い、ツールを構築してまいりました。当年度においては、マイグレーションを進めるうえで、最も重要な工程である要件定義(移行性分析)にターゲットをあて、更なる品質の均一化、生産性の向上に取り組み、ツールを強化いたしました。そのツールを活用することで、非互換を洗い出す作業規模を1%未満に圧縮すること、抜け洩れ・品質のバラツキゼロが実現でき、品質と生産性の向上を図ることができました。次年度以降も「マイグレーションにおける品質の均一化、生産性向上への取り組み」を継続し、コストの抑制に貢献できるマイグレーションサービスをお客様に提供できるよう、研究・開発を進めていく予定です。
FY2019|1,946 文字
5 【研究開発活動】当社グループの当連結会計年度における研究開発活動は、攻めのIT(企業価値向上)分野として、アナリティクス領域であるテキストマイニングとコグニティブ領域であるAI(人工知能)の研究を昨年度に続き、取り組みました。また、様々な分野で今後の活躍が期待されるブロックチェーンに関する研究、RPAツールの付加価値の研究についても取り組みを始めました。その概要は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費は145,599千円であります。 (1) アナリティクス及びコグニティブ領域に関する研究当社の技術戦略として、一昨年から進めている「当社が提供するSI開発、プロダクト及びサービスの提供に付加価値を加えるためのアナリティクス及びコグニティブ領域の先端技術の研究開発への取り組み」を継続しました。 当年度は、昨年度構築した3つのソリューションモデル、 ・質問応答モデル(Q&A) ・自動応答モデル(チャットボット) ・お客様の声分析モデル(VoC)と、これらのソリューションモデルを実証実験でご利用いただくためのPoC環境提供サービスや紹介するためのリーフレット、デモ環境、デモシナリオといったものの活用検証を行いました。また、新たな研究活動として、アナリティクス分野では、これまで進めてきた自然言語テキストの意味検索・クラスタリング、並びにタグ付け、関係付け、回帰分析による相関把握などへの取り組みを更に深めるとともに、お客様でのAI活用に一歩踏み込んだ研究として、クラスタリングや関係付け結果をもとにしたスコアリングに取り組みました。コグニティブ分野としては、画像認識やディープラーニング技術の一つであるLSTM(Long short-term memory)を活用した異常検知に取り組みました。当年度下期からは、IBM Watson Explorerとこれに関連する要素技術を継続して研究していく部隊を、より事業ラインに近い場所に配置し、事業展開に向けた準備を進めています。また、当社内で保有するデータと研究開始時から培った技術を活用し、当社内でのAI活用についての研究にも取り組みをはじめました。 ・スコアリング文書の中にある重要なワードの出現頻度と他のワードや関連する情報との相関等から得られる特徴量を捉え、 数値化して利用者に提供する。 ・LSTMを活用した異常検知 ある事象が発生する時系列データを学習した予測推測モデルが、(その事象が発生しない)異常や危険度を 判定し、利用者に通知する (2) ブロックチェーンに関する研究当年度下期より新たにブロックチェーンの研究開発に取り組み始めました。ブロックチェーンは、暗号通貨を支える基盤技術、金融業界でのIT活用(FinTech)の1つの要素として取り上げられることが多い技術ですが、当社においては、金融に限らず、幅広いお客様に提供できる「ソフトウェア基盤(プラットフォーム)」の構築に取り組み、そのプラットフォームを支える技術としてブロックチェーンを捉えています。現在、オープンソースのブロックチェーンのプラットフォームがいくつか存在しており、それらを調査分析し、暗号通貨に特化している部分や、複雑な機能となっている部分をシンプルにして、様々な業種、業務、業態に適用可能な機能構築の研究開発に取り組んでいます。昨年末、ブロックチェーン推進協会(BCCC)へ入会し、BCCCを通じてブロックチェーン技術の知見を深め、業界をあげてのブロックチェーン技術の普及や推進の取り組みにも貢献していきます。次年度は、社内において、当社プラットフォームを用いたシステムの実証実験に取り組みます。また、お客様に当社のブロックチェーンへの取り組みを紹介するリーフレットやデモ環境を整備していき、お客様の声に応えるサービスの企画・検討を進めていく予定です。 (3) RPAツールの付加価値の研究当年度より、RPAツールに関する研究開発に取り組み始めました。RPAツールをご利用になられるお客様が抱える課題を解決できるようにするため、当社内の複数部門の業務においてRPAツールを適用する社内トライアルを実施しました。今回の社内トライアルを通じて、RPAツールを導入するまでに必要なステップである、業務の流れを整理、可視化した上で、ロボット化する業務の選定を行い、新しい流れがどのようになるのかを明確にし、期待通りの成果を得られるかを事前に検証できました。次年度以降は、RPAツールはもとより、「業務」をキーワードに、お客様の現行業務の可視化、新業務の作成までを含めて如何に手厚くサポート出来るかについて引き続き取り組んでまいります。
FY2018|3,142 文字
5 【研究開発活動】当社グループの当連結会計年度における研究開発活動は、攻めのIT(企業価値向上)分野として、アナリティクス領域であるテキストマイニングとコグニティブ領域であるAI(人工知能)の研究に取り組みました。また、当社の中期経営計画方針であるプライム&ストック分野の伸長に向けて、システム開発の効率化と品質向上を狙う「開発のモダナイズ化」や技術者育成施策として過年度から取り組んでまいりましたスキル可視化のシステム化及びスキル標準へのIPAによる新たなスキル標準iCD(iコンピテンシー・ディクショナリー)の取り込みについて研究開発を進めてまいりました。その概要は次のとおりでありますなお、当連結会計年度の研究開発費は113,116千円であります。 (1)アナリティクス及びコグニティブ領域に関する研究当社の技術戦略として、当社が提供するSI開発、プロダクト及びサービスの提供に付加価値を加えるためにアナリティクス及びコグニティブ領域の先端技術の研究開発に取り組みました。アナリティクス分野としては、自然言語テキストの意味検索・クラスタリング、並びにタグ付け、関係付け、回帰分析による相関把握などに取り組み、コグニティブ分野としては、音声とテキストの相互変換、ディープラーニング技術を活用した学習機能による検索や分類精度の向上に取り組みました。これらを推進する上での強力なソリューションとして、昨年度に締結した日本IBMとのアライアンスによるIBM Watson Explorerの活用に加え、当年度は、新たにIBM Watson APIを取り扱うことといたしました。IBM 提供のPaaSであるBluemix(IBM Cloud)の活用により、お客様の課題解決並びに価値創造に寄与し、業務イノベーション支援へ適用するための研究開発を行いました。IBM Watsonをスタディする位置づけとして、昨年度は要素技術である自然言語解析、テキストマイニング、機械学習、知識ベース(コーパス)について製品習得を行いましたが、当年度は、ソリューションの創出の年と位置付け、要素技術を組み合わせたソリューションモデルの構築に取り組みました。ソリューションモデルは、いくつかの実証実験を行いながら、以下の3つのモデルに絞り整備を行いました。・質問応答モデル(Q&A)・自動応答モデル(チャットボット)・お客様の声分析モデル(VoC) 質問対応モデル(Q&A)社内外に点在する情報を一括管理することにより、効率的に情報を検索し、利用者の目的、要望に合った情報を提供します。検索、学習、ランキング機能を当社独自で開発し、それらを活用したソリューションモデルに仕上げました。 自動応答モデル(チャットボット)自動会話システムを組み込んだチャットボットが、利用者の「調べる」、「考える」、「動作する」といった煩雑な行為を代行することにより、迅速に利用者に結果を提供できるようにいたしました。 お客様の声分析モデル(VoC)音声やテキスト(自然言語文)による非構造化データに隠された特徴的な傾向やパターンを用いて、新たな洞察を明らかにし、お客様からの要望や課題といった次のアクションに繋がる情報の獲得をサポートいたします。 以上を「ソリューションモデル」としましたのは、設計コンセプトとして、様々な業種、業務、業態に適用可能な汎用モデルなためであります。今後は、これらのモデルを各種業種・業務・業態といったドメイン特化な「ソリューション」に仕上げ、顧客への訴求力を高めたサービスにしていくことを狙います。当年度は、あわせて上記ソリューションモデルをお客様に実証実験していただけるPoCのサービス化と、ソリューションモデルを紹介するリーフレットやデモ環境、デモシナリオなどの整備も行いました。 (2) 開発のモダナイズ化昨年度は、SI開発及び当社のプロダクト開発・保守プロジェクトに向けた開発ツールチェーン(要求・仕様変更管理、構成管理、改修テスト、統合(インテグレーション)とデプロイ及びそれらのトラッキングとプロジェクト管理の流れ)の標準化について検討、当年度はこれらを実プロジェクトに適用していくことを狙った研究開発を行いました。実プロジェクトに適用していくために社内でモデルプロジェクトを選定し、インタビューを進めたところ、プロジェクトによって開発ツールチェーンの活用意識と取り組みに大きな相違があることが明らかになりました。このインタビューの結果、①既に開発ツールチェーンを導入し、効果を出しているプロジェクト、②効果を期待しているが導入に踏み切れていないプロジェクト、③必要性を感じていないプロジェクトの3種類に大別することが出来ました。このため③をターゲットに、導入効果の啓蒙から取り組む必要があると考え、②の意識を踏まえ、①での実践内容をわかりやすくドキュメント化し、③に対してコンサルティングをしながら適用していくステップを想定いたしました。当年度は、コンサルティングのために、「活用ガイド」という形で①の実践内容(利用の狙いと導入ツール、画面ショット、適用効果など)をドキュメント化いたしました。今後は、活用ガイドを用いながら、実プロジェクトが抱える課題を導出し、適用効果のある領域を対象に普及を図ってまいる予定です。 (3) スキル可視化昨年度に取り組みましたIPA発表のiCD(iコンピテンシーディクショナリ)による実証実験での重要課題の改善策を盛り込んだ改訂版を再度一部の部署に適用し改善効果の確認を行いました。その結果、実施後のアンケート結果から、初版で判明した重要課題の大部分につきましては改善が見られたものの、過去に研究しておりましたスキルズインベントリでは社員のスキルを“タスク”ではなく、言語や技術といったテクノロジー視点で表現していたため、社員のスキルを要件定義や設計といった“タスク”で表現したことに対する違和感を持つ社員が多くいることが判明しました。これについては“タスク”によりスキルを表現し意図をわかりやすく理解できる工夫が不可欠と判断し、説明書の整備を行いました。その後、再度実証実験をした結果、事前に説明を受けた人、メールで説明書を受領して自分で説明を読んだのみの人、事前に説明を受けていない人の3群において、理解に差が見られ、説明の重要性が大きいことが判明したため、今後は、これを参考に展開していきたいと考えております。もうひとつのテーマとして、可視化したスキルをベースに人材育成プログラム策定を行うプロセスの検討を行いました。スキル可視化は、可視化自体が狙いではなく、経営戦略・事業戦略に必要な人材のスキルセットを明確にし、現保有スキルとの差をあぶり出し、それを埋めることで事業に必要な人材を確保することにあり、そのために人材育成プログラムとどうつなげるかを検討いたしました。これに並行し、経産省IPAでは、国内代表の11ラーニングベンダによる書籍・研修などの教育コース情報をデータベース化し、iCDに関わる情報として公開することとなっており、これを活用するまでのプロセスをまとめました。これにより、スキルレベルが明確になるだけではなく、スキルレベルの差を埋めるための教育につなげることが可能になります。あわせて当社内の教育コースなどとも連動させていくことで充実化を図ります。今後は、教育プログラム自体の見直しを定期的に行うPDCAサイクルを回し、外部環境や技術動向の進展に伴った教育プログラムが維持できる仕組みを構築していきたいと考えております。
FY2017|2,357 文字
6 【研究開発活動】当社グループの当連結会計年度における研究開発活動は、攻めのIT(企業価値向上)分野としてクラウド(AWS Amazon Web Servicesの略)と、アナリティクス技術研究を高度化させたコグニティブ領域であるAI(人工知能)の研究に取り組みました。また、当社の中期経営計画方針であるプライム&ストック分野の伸長に向けて、共通基盤検討、サービス開発・運用・保守に関わるアプリケーション開発管理とサービスマネジメントの標準化、技術者育成施策として過年度から取り組んでまいりましたスキル可視化のシステム化及び、スキル標準へのIPAによる新たなスキル標準iCD(iコンピテンシー・ディクショナリー)の取り込みについて研究開発を進めてまいりました。その概要は次のとおりでありますなお、当連結会計年度の研究開発費は75,278千円であります。 (1)クラウド(AWS)これまでAWSの要素技術を研究し、それらの組み合わせによるシステム構築のモデル化に取り組んでまいりましたが、当年度はその成果を活かし、事業ラインでのAWS実案件に対してアドバイスや検証を行いました。事業ラインでは、まだ取り組みはじめたばかりであることから、設計上や構築時の留意点等これまでの研究成果をふまえた指導を行う一方で、実案件から出された課題を研究課題としてフィードバックし、その実現方法について研究いたしました。この成果として、1案件でAWSへの移行が完了し、1案件は進行中であります (2) コグニティブ領域 AIに関する研究SI開発並びにプロダクト及びサービスの提供といった当社の強みに付加価値をのせて、さらに当社の価値を高めるための技術戦略として、コグニティブ領域であるAIに取り組むこととし、これを推進する上での強力なソリューションとして、日本IBMとのアライアンスによるIBM Watson Explorerを取り扱うこととしました。お客様の課題解決並びに価値創造に寄与し、業務イノベーションを支援することを目的といたします。当年度は、スタディの位置づけで、製品の機能習得とお客様へ適用する上での必要な要素技術の研究を行いました。要素技術として、自然言語解析、テキストマイニング、機械学習、知識ベース(コーパス)について製品を通して機能習得を行い、お客様が持つ課題やニーズを収集し、これらの要素技術をどのように適用するかについての研究を行いました。 (3) サービス開発・運用・保守に関わるアプリケーション開発管理の標準化昨年度は、継続的にアプリケーション改修を行う開発プロジェクトやAMO業務で必要とされるアプリケーションメンテナンス業務を支える上で、どの領域にフォーカスするかを分析・検討し、開発ツールチェーン(要求・仕様変更管理、構成管理、改修テスト、統合(インテグレーション)とデプロイ及びそれらのトラッキングとプロジェクト管理の流れ)を標準化に取り組んでいくという方針を出しました。当年度は、その標準案を策定し、実際の開発プロジェクトに実証実験として試験適用し、効果と課題について整理を行いました。今後は、その課題解決策を検討し実用への研究を進めてまいります。 (4) サービスマネジメントの標準化当社のプロダクト及びサービスを提供するめに必要な技術要素について研究を行いました。昨年度は、当社提供のプロダクト及びサービスの基盤が、プラットフォームとアプリケーションのレイヤに対して、複数の製品やテクノロジーで構築されており、開発者や運用・保守要員が個別にスキルを習得・対応しなければならないという課題があったため、現状の把握と課題整理を行い今後どのような方針で共通基盤整備を進めるかについて検討いたしました。それを受けて当年度は、運用監視分野を例として、以下の内容について整備いたしました。・サービス契約書・SLA(Service Level Agreement)・サービス仕様書・サービス利用規約書・サービスマネジメント(ヘルプデスク、サービスデスク、課題管理、インシデント管理等)これらについて国内では、複数の省庁・団体から標準化ガイドラインが出されているため、これらの比較と意味の定義などについて研究を重ね、当社として1つのモデルを作成するに至りました。今後、当社が展開する新たなサービスには、これらのモデルを適用できるよう応用適用としてさらに研究を進めてまいります。 (5) スキル可視化昨年度に取り組みましたIPA発表のiCD(iコンピテンシーディクショナリ)β版が当年度に正式版として発表され、それをスキル標準として紐解き当社への適用を検討いたしました。昨年度に取り組みましたiCDベースの実証実験で出た重要課題について改善策を検討し、当社のスキルモデルの1要素として、iCDのタスクディクショナリをベースとしたNCS&A標準タスク定義案を固めた後、それをベースに実証実践を行い、導入していくように取り組んでまいります。もうひとつのテーマとして、スキル可視化のシステム化に取り組みました。具体的には、スキルズインベントリ、資格取得情報、受講履歴情報、業務経歴書のデータベース化を行い、Webシステムによって全社で共有できるシステムβ版を構築いたしました。このβ版は2016年11月に社内向けにリリースし、課題を抽出いたしました。今後は、課題をフィードバックした正式版をリリースし、スキル可視化のシステムを提供できるように進めてまいります。あわせて、前述したiCDのタスクをこのスキル可視化システムにアドインし、スキル可視化システムを完成させ、当社の人材育成と調達に寄与したいと考えております。
FY2016|3,310 文字
6 【研究開発活動】当社グループの当連結会計年度における研究開発活動は、攻めのIT(企業価値向上)分野としてアナリティクス技術を、守りのIT分野としてセキュリティ・OSSの活用を含めた共通基盤整備をテーマとして、技術選定と活用方法に関する研究開発を進めてまいりました。また、技術者育成施策としてスキル可視化の研究開発も進めてまいりました。その概要は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費は62,521千円であります。 (1)アナリティクスに関する研究アナリティクスは、予測分析により企業の競争優位を引き出し、企業価値向上に貢献する技術であり、過去状況の可視化が中心であったBIとは違い、現在から未来方向の可視化にフォーカスしたものであると言えます。当年度は、統計分析によりお客様のマーケティング等への活用を想定し、それに必要な分析機能として決定技分析、クラスター分析等の分析手法を調査し、それらが商用のアナリティクス製品としてどのように実装されているのかを研究いたしました。その結果、統計分析に関する高度な知識が必要な製品と基礎的な知識で利用可能な製品があることがわかり、今後は後者を対象に顧客への適用のための技術選定を進めていくことといたします。 (2)セキュリティ当社のお客様にWeb脆弱性診断ツールの適用を行うことを想定し、製品の評価と選定を行いました。評価にあたっては、OSSとして提供されるツールとベンダから提供される有償製品を対象に、経産省やIPAから提供されるガイドラインを参照しつつ、診断領域のカバレージと診断結果の可視化や説明の理解のしやすさなどを観点として選定を行いました。成果としては、ここで選定した製品は、事業本部で採用することとなりました。 (3)OSSの活用を含めた共通基盤整備当年度においては、昨年度における研究活動テーマであった開発の工業化に向けた取り組みをさらに運用・保守フェーズにまで拡張して研究活動を遂行し、当社の中期経営計画の方針である“プライム&ストック”を受けて、当社のプロダクト及びサービス提供のための共通基盤化の検討を行いました。当社提供のプロダクト及びサービスの基盤は、プラットフォームとしては、OS・APサーバー等のミドルウエア・ハードウエアを含むデータセンターがあり、アプリケーションとしては、プログラミング言語・アプリケーション開発フレームワーク等があります。それらは、複数の製品やテクノロジーで構築されており、開発者や運用・保守要員が個別にスキルを習得・対応しなければならないのが課題であるため、現状の把握と課題整理を行い、今後どのような方針で共通基盤整備を進めるかを検討いたしました。まず、どのプロダクト及びサービスにおいても、プラットフォームレイヤにおける運用保守のスキル保有者不足が課題のひとつとして挙げられております。これに対しては、工業化(標準化、共通化、自動化)することにより保守を少人数かつローコストで運用できる枠組みを作る方向とし、当研究開発では標準化のための対象技術と製品の調査を行いました。運用につきましては、ITILベースのサービスマネージメント分野と統合運用監視などのプラットフォーム分野がありますが、当年度では、統合運用監視にフォーカスし、当社の強みを出せるレイヤの選定など、競争力のある監視機能について、OSSで提供されるツールを想定して検討評価を行った結果、要件定義と監視対象レイヤ、監視項目の標準モデル案の策定を行えたことが成果となりました。来年度には、これらを実際に実装・評価する実証実験を行う予定にしております。次に、継続的にアプリケーション改修を行う開発プロジェクトやAMO業務で必要とされるアプリケーションメンテナンス業務を支える上で、どの領域にフォーカスするかを分析・検討いたしました。開発ツールを単体活用しているプロジェクト、例えば、構成管理だけはツールを適用している、といったプロジェクトにはツールチェーン(要求・仕様変更管理、構成管理、改修テスト、統合(インテグレーション)とデプロイ及びそれらのトラッキングとプロジェクト管理の流れ)を標準化して適用し、OSSの活用によって共通化・自動化を行い、省力化と生産性・品質の向上を行えるモデル作りにフォーカスしていくという方向性を出しました。以上、両レイヤともに、クラウド環境を前提としており、統合運用監視は標準モデル案の適用性検証、ツールチェーンについては標準モデル案の策定を来期に行いたいと考えております。 (4)クラウド活用のための標準化共通基盤の内、IaaSとPaaSレイヤにおいて、クラウドコンピューティングを活用することを想定し次のテーマで取り組みました。まず、クラウドコンシェルジュとしての、お客様の現状のシステムのアセスメントにより、性能・セキュリティ・コスト・可用性といった問題を導出するためのアセスメント項目の標準化やアセスメント結果に応じたIaaS、PaaSサービスを選定するための標準化、その中で、実装としてはAWSを想定したプラットフォーム適用のための設計・構築技術の習得モデルの確立などであります。特に当年度では、IaaS設定の標準化を行い、システム特性(顧客のセキュリティポリシー等を含む)や制約を踏まえた形での選定フローや、システムを支える非機能毎ではなく、クラウドサービス側から見て制約になる事項(ex.ライセンスの持ち込みや再版可否等)を選定観点とした実提案にも耐えられるような策定を行いました。あわせてAWS技術者の育成のため習得項目や対象研修などのモデルを作成し、実際に習得に取り組みました。 (5)スキル可視化昨年度は、IPAから発表されたCCCSFの新版であるiCD(iコンピテンシーディクショナリ)の枠組みを活用する研究を行いました。この研究で対象としたiCDは、昨年度はまだβ版であり、パブリックコメントを受けて2015年6月に正式版が発表されました。スキル標準として提供されていたITSSの後継に位置づけられるということもあり、本格的に研究対象とすることにいたしました。当年度は、人材モデル案を策定し、仕事の定義に対してはiCDのタスクディクショナリを、スキルズインベントリのスキル表現に対してはスキルディクショナリを人材育成のための研修計画としてiCDベースの研修モデルの適用をそれぞれ検討することといたしました。手法としては、特定の事業本部を対象に本研究開発で想定したタスク定義の適用が有効かどうか、またスキルを可視化することで要員のモチベーションが上がるかどうか、管理者が組織力を把握できるようになるか、といった観点で実証実験を行いました。また、スキルディクショナリの適用は机上にて検証し、研修モデルは研修機関からの情報収集などを行うことといたしました。結果、スキルディクショナリはまだ活用段階に無いと判断し、研修においてもスキルディクショナリとの紐付けが明確ではないため、可視化によって研修プランに寄与できる段階ではないことも判明いたしました。仕事(タスク)の定義においては、iCDが提供するIT企業のビジネスモデル(タスクプロフィール)の適用を試行いたしましたが残念ながらフィットせず、各事業(ビジネス)毎にタスク定義を行う必要性があることが判明いたしました。また、個人の視点においては、タスク記述の理解のしやすさ(用語ギャップなど)や入力のしやすさ、上司の評価のための一覧性などの観点で課題を抽出することができました。当年度では、実証実験において、被験者による課題抽出を詳細に行ったため若干名での試行となりましたが、来期に向けて被験者の数とバリエーションを増やす、といったことで人材モデルの構築を目指してまいります。また、スキル一元管理のためにクラウドサービスを活用することも研究開発テーマの一部であるため、どのようなツールを使ってスキルを管理するのが有効なのかもあわせて評価してまいります。