9672

東京都競馬(9672)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

サービス業 情報通信・サービスその他

事業の概要

東京都競馬グループは、主に公営競技施設(大井競馬場、伊勢崎オートレース場など)を地方公共団体に賃貸し、その維持管理を行うことで収益を得ています。また、在宅投票システム「SPAT4」の運営も行っています。その他、総合レジャーランド「東京サマーランド」の運営、物流施設や物流用地の賃貸、商業施設やオフィスビルの管理・運営、空調設備の設計・施工管理なども手掛けています。グループ会社が各事業の運営を担い、多角的な事業展開で収益を上げています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

東京都競馬グループの事業セグメントは主に4つあります。最も収益を上げているのは「公営競技施設事業」で、大井競馬場や伊勢崎オートレース場などの施設を賃貸し、維持管理を行う事業です。次に「遊園地事業」は、東京サマーランドの運営を指します。「倉庫賃貸事業」は、物流施設や物流用地の賃貸を行っています。最後に「商業サービス事業」は、商業施設やオフィスビルの管理・運営、空調設備の設計・施工管理など多岐にわたります。公営競技施設事業が売上・営業利益ともに最も大きく、グループ全体の収益を牽引しています。地域構成については、主に日本国内での事業展開となっています。

2025-12 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
RacingFacilitiesBusiness 地域 297 122 41.0%
AmusementParkBusiness 地域 37 5 12.7%
MinistorageBusiness 地域 61 40 65.6%
CommercialServicesBusiness 地域 22 3 15.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,045 文字
3 【事業の内容】当社グループが営んでいる主な事業内容と、連結子会社及び関連当事者の当該事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであります。連結子会社については、株式会社東京プロパティサービス、株式会社東京サマーランド、東京倉庫株式会社、株式会社タック及び株式会社eパドックの5社であります。1 公営競技事業当社は、当社所有の大井競馬場(東京都品川区)、場外発売所施設(新潟県上越市、茨城県ひたちなか市、宮城県黒川郡大郷町)及び在宅投票システム等を、競馬法に基づき競馬を主催している地方公共団体の特別区競馬組合(関連当事者)などに賃貸し、公正なレースが実施できるよう維持・管理を行っております。 なお、大井競馬場の場内サービスについては、連結子会社である株式会社東京プロパティサービスに委託しております。 また、当社所有の南関東4競馬場在宅投票システム(SPAT4)に係る運営事業を、連結子会社である株式会社eパドックに委託しております。さらに、当社は、当社所有の伊勢崎オートレース場(群馬県伊勢崎市)を、小型自動車競走法に基づきオートレースを施行している地方公共団体の群馬県伊勢崎市に賃貸し、公正なレースが実施できるよう維持・管理を行っております。2 遊園地事業当社は、当社所有の総合レジャーランド「東京サマーランド」(東京都あきる野市)の営業のすべてを連結子会社である株式会社東京サマーランドに委託しております。3 倉庫賃貸事業当社は、当社所有の物流施設・物流用地(東京都品川区・大田区・千葉県習志野市)を連結子会社である東京倉庫株式会社に賃貸しております。また当社から賃貸した物流用地について物流倉庫を建設し、他社へ賃貸しております。なお、同社は、当社から賃借した物流施設を他社へ賃貸しております。4 サービス事業当社は、商業施設「大井競馬場前ショッピングモール ウィラ大井」(東京都品川区)を連結子会社である株式会社東京プロパティサービスへ賃貸しておりましたが、2023年1月1日付で実施した会社分割により、「ウィラ大井」は株式会社東京プロパティサービス所有の物件となりました。 なお、同社は、「ウィラ大井」やオフィスビルの管理・運営を行うほか、トランクルーム、賃貸マンション、賃貸レストラン等を所有しております。 また、当社の連結子会社である株式会社タックでは、主に空調設備の設計・施工管理を行っております。 上記事項を事業の系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
競馬法や小型自動車競走法に基づく賃貸であり、法令改正の影響を受けるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
競馬法、小型自動車競走法に基づき、地方公共団体に施設を賃貸しているため。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 維持投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:主要契約先への依存 / 災害による影響 / 安全管理
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

東京競馬場、大井競馬場といった大規模な競馬施設を独占的に運営する権利は、強力な無形資産である。これらの施設は新規参入が極めて困難であり、長年の運営ノウハウとブランド力が蓄積されている。

スイッチングコスト☆☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

競馬ファンは特定のレースや馬、あるいは単にギャンブルとしての娯楽を求めており、特定の競馬場に強いスイッチングコストは存在しない。他の娯楽への代替も容易である。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

競馬の売上は馬券購入者数に依存するが、これはプラットフォームとしてのネットワーク効果ではなく、個々のレースの魅力に依存する。購入者同士の直接的なネットワーク効果は限定的である。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

競馬場の運営には固定費が多くかかり、規模の経済性は存在するものの、構造的なコスト優位性は競合他社(地方競馬組合など)と比較して明確ではない。入場料や馬券の控除率も規制される。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

東京競馬場(JRA)と大井競馬場(TCK)という国内最大級の競馬施設を運営し、売上高も大きい。特に地方競馬においては、大井競馬場は圧倒的な規模と集客力を持つ。

東京都競馬グループの優位性は、大井競馬場や伊勢崎オートレース場といった大規模な公営競技施設の所有と、それらを競馬法・小型自動車競走法に基づき地方公共団体に賃貸している点にあります。これは、新規参入が極めて困難な許認可事業であり、安定した収益基盤を形成しています。また、南関東4競馬場の在宅投票システム「SPAT4」の運営も手掛けており、デジタル化の進展に対応した収益源を確保しています。さらに、東京サマーランドなどのレジャー施設や物流施設、商業施設といった多様なアセットを保有し、収益源を分散していることも強みと言えます。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

事業リスク

東京都競馬グループは、主要契約先である特別区競馬組合への依存度が高く、競馬の開催状況や投票券売上高の変動が経営成績に影響を与える可能性があります。また、地震や風水害などの自然災害、テロなどの人災、情報システムの障害が発生した場合、施設の営業休止や入場者数の減少、社会的信用の低下により業績が悪化するリスクがあります。さらに、多数の利用者が訪れる施設を所有しているため、安全管理の不徹底による重大事故発生は、社会的信用失墜や復旧費用発生につながる可能性があります。気象条件の悪化も、公営競技や遊園地の入場者数に影響を及ぼす要因となります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,804 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 主要契約先への依存当社は、「重要な契約等」に記載のとおり、大井競馬場を特別区競馬組合に賃貸しており、競馬各主催者が発売する勝馬投票券を基に一定料率により賃貸料を収受しております。当該競技場の入場人員や投票券売上高など開催状況によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 災害による影響 地震や風水害等の自然災害、事故やテロその他の人災が発生した場合には、所有資産の劣化・滅失により営業を休止しなければならない事態や、交通機関への被害により、競馬場、オートレース場及び東京サマーランド等の入場者数が減少し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 安全管理 当社は、大井競馬場、伊勢崎オートレース場、東京サマーランドなど多くのお客様が利用する規模の大きな施設を所有しており、お客様の安全を最優先課題と認識し施設の安全管理の徹底を図っておりますが、万一、重大な事故が発生した場合には、社会的信用が低下するとともに、営業の休止や施設の復旧に伴う費用が発生することにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 情報システムに関するリスク 当社グループは、公営競技事業における「SPAT4」や、遊園地事業における入園管理システム等、重要な情報システムを運用しております。これらのシステムについては、安定稼働と利便性向上のため適宜リニューアルを実施し、その重要性を認識したうえで、保守・セキュリティ対策に万全を期しております。 しかしながら、予期せぬコンピューター・ウイルス感染や外部からの不正アクセス等により当該システムに障害が発生した場合、営業活動の中断や社会的信用の失墜を招き、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) 固定資産の減損当社は、固定資産の減損に係る会計基準等に従い、定期的に保有資産の将来キャッシュ・フロー等を算定し、減損損失の認識・測定を行っております。経営環境や事業の状況の著しい変化等により収益性が低下し、十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合は、対象資産に対する減損損失の計上により、当社グループの経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 気象・天候条件の影響長雨や台風、降雪など天候の悪化は、大井競馬場、伊勢崎オートレース場の開催の可否及び東京サマーランド等の営業休止の可能性により入場者数等に影響を及ぼすほか、特にプール営業を主体とする東京サマーランドにおきましては、夏季の気象状況は重要な要因となるなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 有価証券の価格の変動当社グループは、市場性のある株式を保有しております。将来大幅な株価下落が続く場合には、保有有価証券に減損または評価損が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 規制環境当社は、大井競馬場を競馬法に基づき特別区競馬組合に、伊勢崎オートレース場を小型自動車競走法に基づき伊勢崎市にそれぞれ賃貸しておりますが、法令等に重要な改正があった場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 環境・気候変動の影響気候変動や脱炭素社会への移行に伴う新たな法規制や社会的責任が発生した際は、法令順守等の対策費用の増加等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、気候変動に起因する異常気象の発生増加が、当社グループの事業活動全体に悪影響を及ぼす可能性がございます。これらの影響を軽減し、また変化に対応するために、サステナビリティを巡る課題については当社の重要な経営課題と位置づけ、経営戦略を策定するとともに、気候変動の予測及び変化の対応に努めてまいります。

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