9610

ウィルソン・ラーニング ワールドワイド(9610)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

サービス業 情報通信・サービスその他

事業の概要

ウィルソン・ラーニング ワールドワイドは、企業向けの人材開発・組織開発コンサルティングとソリューションを提供しています。具体的には、企業内教育研修プログラムの企画・実施や、リサーチプログラムの基礎開発研究を行っています。1991年に米国ウィルソン・ラーニング社の知的財産権を取得し、現在では子会社を通じて欧州やアジア太平洋地域にも事業を展開しています。グループ全体の売上高は当社の約2.3倍で、従業員数も当社単独の約2.5倍と、グループ全体で事業を推進する体制です。主な収益源は、企業への人材育成プログラムの提供と、海外子会社からのロイヤリティ収入です。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

ウィルソン・ラーニング ワールドワイドの事業セグメントは、主に地域別に構成されています。日本地域は売上5.64億円で営業損失1.64億円、北米地域は売上8.24億円で営業損失3.22億円、欧州地域は売上1.47億円で営業損失0.51億円、中国地域は売上0.33億円で営業損失0.03億円、そしてアジア太平洋地域(APAC)は売上1.22億円で営業損失0.38億円となっています。全体的に営業損失を計上しており、特に北米地域が売上高では最大ですが、営業損失も最も大きいです。海外売上高が全体の約6割を占めており、グローバルな事業展開が特徴ですが、現状では全てのセグメントで赤字となっています。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
JAPAN 地域 6 -2 -29.0%
NorthAmerica 地域 8 -3 -39.1%
Europe 地域 1 -1 -34.9%
China 地域 0 -0 -9.1%
APAC 事業 1 -0 -31.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|815 文字
3【事業の内容】 当社は、1981年12月米国ウィルソン・ラーニング社(旧ウィルソン・ラーニング)の子会社として設立されましたが、1991年3月同社を実質的に買収しました。すなわち、同社保有の知的所有権(研修プログラムの著作権等)を当社が取得し、それ以外の資産・負債は買収に伴い当社子会社として設立したウィルソン・ラーニング コーポレーション(新ウィルソン・ラーニング)が引き継ぎ、現在、欧州、アジア・パシフィックに展開している子会社2社もその中に含まれております。 2026年3月期末現在、当社従業員28名に対し、当社グループ(当社及び関係会社)の従業員数は69名となっており、また、連結売上高は19億2千1百万円と、当社売上高の約2.3倍の規模となっております。 当社グループは、当社、子会社9社及び関連会社2社で構成されており、事業は企業内教育の企画及び実施を行っております。当社グループの事業内容と当社及び関係会社の当該事業にかかる位置づけは次のとおりであります。区分事業内容主要な会社HRD事業人材開発・組織開発のためのコンサルティングとソリューションの開発・提供当社、ウィルソン・ラーニング コーポレーション他(計10社) 企業内教育研修プログラム及びリサーチプログラムの基礎開発研究ウィルソン・ラーニング コーポレーション 以上の企業集団について図示すると次のとおりであります。(注)1.※は、連結子会社であります。2.※※は、持分法適用の関連会社であります。3.当社は海外において事業展開をするにあたり子会社及び代理店を通じて事業を行っており、ロイヤリティを徴収しております。4.ウィルソン・ラーニング チャイナ リミテッド(香港)及びその100%子会社(孫会社)である展智(北京)企業管理諮詢有限公司(中国)は、2024年3月26日開催の取締役会において、解散及び清算を決議しており、現在清算手続き中であります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
事業収益の低迷が続き、継続企業の前提に重要な疑義が生じているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
スキルベースの研修プログラム、アセスメント・メジャメントプログラムの基礎研究を米国子会社が行っている。
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 低い
会社が挙げる主要リスク:為替変動 / 個人情報流出リスク / 営業キャッシュ・フローの減少・資金調達リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 2 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

提供された情報からは、ウィルソン・ラーニング ワールドワイド(9610)の無形資産に関する具体的な情報は確認できませんでした。ブランド力、特許、規制ライセンス、IPなどの優位性を示すデータはありません。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

研修サービスは、一度導入すると教材や講師の習熟度、組織文化への浸透などから、他社への切り替えには一定の手間やコストが発生する可能性があります。しかし、その程度は限定的と考えられます。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ウィルソン・ラーニング ワールドワイドの事業モデルにおいて、ネットワーク効果が競争優位の源泉となっているという情報は提供されていません。顧客が増えることでサービスの価値が向上するような構造は見られません。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

提供された情報からは、ウィルソン・ラーニング ワールドワイドが構造的に競合他社よりも低コストでサービスを提供できるという証拠は確認できませんでした。価格競争力に関する情報は不明です。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

グローバルに事業を展開している点は規模のメリットを示唆しますが、業界全体におけるシェアや、規模の最適化による圧倒的な効率性を示すデータは不足しています。限定的な規模の優位性にとどまる可能性があります。

ウィルソン・ラーニング ワールドワイドの優位性は、長年にわたる企業内教育研修プログラムの開発実績と、グローバルな事業展開によるものです。米国ウィルソン・ラーニング社から知的財産権を引き継ぎ、人材開発・組織開発に関する専門的な知見とプログラムを保有しています。これにより、企業の人材育成ニーズに応じた質の高いソリューションを提供できる点が強みです。また、欧州、アジア太平洋地域に子会社を展開し、海外からのロイヤリティ収入も得ているため、広範な市場で事業を展開できる体制が構築されています。これは、新規参入企業にとっては模倣が難しいブランドと実績の蓄積と言えます。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

事業リスク

主要なリスクとして、まず為替変動が挙げられます。売上高の約6割が海外からのものであり、特に米ドルに対する円高は業績に悪影響を与える可能性があります。次に、個人情報管理のリスクです。多数の個人情報を扱うため、情報流出が発生した場合には社会的信用の低下や多額の費用負担が生じる可能性があります。また、営業キャッシュ・フローの減少と資金調達リスクも重要です。過去の損失計上により、継続企業の前提に重要な疑義が生じており、追加の運転資金調達の必要性が高まっています。さらに、適切な適時開示体制の不備による開示遅延や誤りのリスクも存在し、投資家の信頼性に影響を与える可能性があります。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,356 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)為替変動 当社グループの売上高の約6割は海外売上高であります。また、当社のロイヤリティ売上高も海外子会社からのものであります。期初に想定為替レートを定めて予算等の計画を作成しておりますが為替変動は当社グループの経営成績及び財政状態、また、競争力にも影響し、長期的に当社グループの業績に影響します。このような状況から円が他の通貨、特に米ドルに対して変動が大きくなると悪影響を受ける可能性があります。 (2)個人情報 当社グループは、事業遂行に関連して、多数の個人情報を有しております。これらの個人情報については、その管理に万全を期しておりますが、予期せぬ事態により流出する可能性が皆無ではなく、このような事態が生じた場合、当社グループの社会的信用に影響を与え、その対応のための多額の費用負担やブランド価値の低下が当社グループ業績に影響を与える可能性があります。 (3)営業キャッシュ・フローの減少・資金調達リスク 手元流動性は一定水準を維持しておりますが、今後も事業収益の低迷が続く場合、資金調達手段の確保が経営上の重要課題となります。 (4)適切な適時開示体制の構築に関するリスク 当社は適時開示体制の整備に努めておりますが、社内情報伝達・判断プロセスに不備が生じた場合、開示の遅延や誤りが発生するリスクがあります。これにより、投資家の信頼性に影響を与える可能性があります。決算の開示遅延事実もあり今後の大きな課題です。 (5)継続企業の前提に関する重要事象等(継続企業の前提に関する重要事象等) 当社グループは、前連結会計年度においては、営業損失393,918千円、経常損失385,372千円、親会社株主に帰属する当期純損失386,041千円、マイナスの営業キャッシュ・フロー348,282千円を計上しました。また、当連結会計年度においては、前連結会計年度に比べ、売上高は回復傾向にあるものの重要な営業損失70,733千円、経常損失91,977千円、親会社株主に帰属する当期純損失140,227千円を計上しました。 このような状況のなか、今後追加の運転資金調達の重要性がさらに増すことが想定されますが、現時点では金融機関等からの新たな資金調達について見通しが得られている状況にはありません。これらの状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。このような状況の解消を図るべく、当社グループは、以下の諸施策を遂行することにより、収益構造の改善及び財務基盤の安定化に取り組んでおります。 ①新ビジョン:成長モデル『L×ETC構想』を通じて時価総額100億円企業へ・2025年8月22日に発表しましたとおり、従来の基軸ビジネス「Learning」をベースに「Education」「Technology」「Consulting」をつなぎ「学びの未来」を創造してまいります。 ②収益構造の改善・高収益化体質の確立に向け、営業要員の高度化、増員を図り、利益率の高いライセンス型の案件の提案に引き続き注力してまいります。・外部パートナーとの協同プロモーション策の拡大:双方のお客様へのクロスセル等を実施してまいります。・販売費及び一般管理費について、2025年7月の日本の本社移転などの経費節減策を進めております。また、グループ体制の見直しを行い、諸経費削減を推進しております。ウィルソン・ラーニング ヨーロッパ LTD.(イギリス)及びウィルソン・ラーニング フランス(フランス)では運営合理化のため2024年8月より、事業のウィルソン・ラーニング コーポレーション(米国)への移管を行いました。ウィルソン・ラーニング チャイナ(中国)はカントリーリスクも鑑み、清算に向けて事業縮小を継続していきます。 ③財務基盤の安定化 当社グループは、運転資金及び開発投資資金の安定的な確保と維持に向け、取引金融機関と協議を進め新規融資の申請や資本の増強策の可能性について検討しておりましたが、実現には至っておりません。このため、今後は、新株の発行やグループ内の資金を移動させることで必要な資金を確保し、運転資金及び開発投資資金の改善に努めております。このような状況の中、当社は、2025年7月25日開催の取締役会において、第三者割当の方法による新株式の発行、並びに、第三者割当の方法による第3回新株予約権の発行を決議し、2025年8月28日付で、本株式に係る総数引受契約及び本新株予約権に係る総数引受契約を締結し、同日付で、それぞれ払込手続きが完了し、財務体質の強化、資金繰りの安定化を実施しております。更なる資本の増強策を検討・推進することで、運転資金の確保に努めてまいります。 以上の施策を実施するとともに、今後も引き続き有効と考えられる施策につきましては、積極的に実施してまいります。 また、財務基盤の安定化については、資本の増強策の可能性等について継続的に検討しているものの、見通しが得られている状況ではありません。 したがって、継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在するものと認識しております。 なお、連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表に反映しておりません。

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