9603

エイチ・アイ・エス(9603)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

サービス業 情報通信・サービスその他

事業の概要

エイチ・アイ・エスは、旅行事業を主軸に、ホテル事業、九州産交グループ、その他の事業を展開しています。旅行事業では海外・国内旅行とその付帯サービスを提供し、多数の子会社が世界各地で事業を行っています。ホテル事業は日本、台湾、アメリカ、トルコ等でホテル運営を、九州産交グループは自動車運送や不動産賃貸を、その他の事業ではテーマパーク運営、損害保険、システム開発、インフラ事業などを手掛けています。旅行事業が収益の大部分を占める構造です。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

エイチ・アイ・エスの事業セグメントは、主に「旅行事業」「ホテル事業」「九州産交グループ」の3つに分けられます。旅行事業は海外・国内旅行の企画・販売を行い、全体の売上高の約82.9%を占める主力事業です。ホテル事業は日本、台湾、アメリカ、トルコ等でホテルを運営しています。九州産交グループは、自動車運送や不動産賃貸などを手掛けています。その他にもテーマパーク運営や損害保険、システム開発などの事業も展開していますが、収益の大部分は旅行事業に集中しており、地域別では日本での売上が約79.6%を占めています。

2025-10 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
TravelBusiness 地域 3,080 96 3.1%
HotelBusiness 地域 247 36 14.6%
KyushuSankoGroup 地域 254 8 3.2%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,556 文字
3【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社エイチ・アイ・エス)、子会社153社及び関連会社10社により構成されており、当社グループが営んでいる主な事業及び当社と関係会社の当該事業における位置付けは次のとおりであります。なお、以下に挙げます旅行事業、ホテル事業、九州産交グループ、その他の事業の4部門は、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 (1)旅行事業 当社グループは、旅行事業(海外旅行及び国内旅行)及びその付帯事業を行っております。 [関係会社名]HAWAII HIS CORPORATIONH.I.S. INTERNATIONAL TOURS (NY) INC.H.I.S. GUAM, INC.H.I.S. - MERIT TRAVEL INC.H.I.S. - RED LABEL VACATIONS INC.H.I.S. KOREA CO., LTD.H.I.S. Tours Co., Ltd.PT. HARUM INDAH SARI TOURS & TRAVELHIS (HONG KONG) COMPANY LIMITEDH.I.S. TAIWAN COMPANY LIMITEDH.I.S. INTERNATIONAL TRAVEL PTE LTDH.I.S. AUSTRALIA PTY. LTD.HIS - MIKI TRAVEL UK LIMITEDGROUP MIKI HOLDINGS LIMITEDHIS INTERNATIONAL TOURS FRANCE SASH.I.S. Deutschland Touristik GmbHHIS ULUSLARARASI TURIZM SEYAHAT ACENTASI LIMITED SIRKETI株式会社オリオンツアー株式会社クオリタ株式会社欧州エキスプレス株式会社ジャパンホリデートラベル株式会社クルーズプラネット株式会社エイチ・アイ・エス沖縄 他90社 (2)ホテル事業 当社グループは、日本、台湾、アメリカ及びトルコ等においてホテル事業及びその付帯事業を行っております。 [関係会社名]H.I.S.ホテルホールディングス株式会社アクアイグニス多気ホテルアセット株式会社HHH.USA. INC.GUAM REEF HOTEL, INC.Green World Hotels Co., Ltd.HIS DORAK TURIZM OTEL YATIRIMLARI VE DIS TICARET ANONIM SIRKETI 他6社 (3)九州産交グループ 九州産交グループは、九州産業交通ホールディングス株式会社を持株会社とする、同社グループの事業であり、自動車運送事業、不動産賃貸業等を行っております。 [関係会社名]九州産業交通ホールディングス株式会社他13社 (4)その他の事業株式会社ラグーナテンボスは、愛知県蒲郡市においてテーマパークの所有及び運営を行っております。エイチ・エス損害保険株式会社は、海外旅行保険を中心とした損害保険業務を行っております。株式会社エス・ワイ・エスは、客室予約システムの開発・運営及びその付帯事業を行っております。 Cross Eホールディングス株式会社は持株会社であり、傘下の事業会社が施設管理事業や機械設置工事・メンテナンス等のインフラ事業を行っております。 [関係会社名]株式会社ラグーナテンボスエイチ・エス損害保険株式会社株式会社エス・ワイ・エスCross Eホールディングス株式会社 他20社 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
取引先のビジネスモデルの変革や異業種の新規参入など、他企業との厳しい競争状態にあるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 なし
異業種の新規参入など、他企業との厳しい競争状態にあるため、明確な参入障壁は確認できない。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:経済・社会情勢の変化 / 市場の変化(日本市場・旅行事業への集中) / 提供するサービスの安全管理・品質管理
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

エイチ・アイ・エスは旅行ブランドとしての認知度は一定程度あるものの、強力な特許や独自のIPによる競争優位性は限定的。MaaSなど新規事業への投資は行っているが、現時点での無形資産による明確なモートは弱い。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

旅行予約は一度行うと、キャンセル料や変更手数料が発生するため、一定のスイッチング・コストが存在する。しかし、価格比較サイトの普及や、複数旅行会社を比較検討する顧客も多いため、顧客の囲い込み力は限定的。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

旅行プラットフォームとしてのネットワーク効果は、競合他社も同様のサービスを提供しており、明確な優位性を築けていない。ユーザー数の増加が直接的なサービス価値向上に繋がる構造ではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

LCCの活用や海外拠点での仕入れなど、コスト削減努力は行っている。しかし、旅行業界全体が価格競争に晒されており、構造的なコスト優位性を確立しているとは言えない。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

国内旅行代理店として一定の規模を持ち、仕入れや販売網において効率性を発揮している。海外旅行においても、長年のノウハウとネットワークで一定のシェアを確保しており、規模の経済による優位性は存在する。

エイチ・アイ・エスは、長年の旅行事業で培った国内外の広範なネットワークと多数の海外拠点を強みとしています。これにより、多様な旅行商品の企画・提供が可能となり、顧客への安心安全なサービス提供に繋がっています。また、HIS独自の「品質安全管理ガイドライン」を策定し、国内外の支店やお取引先にも周知することで、品質管理と安全管理を徹底し、顧客からの信頼獲得に努めています。これにより、競争の激しい旅行業界において一定の競争優位性を確保していると考えられます。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

事業リスク

エイチ・アイ・エスの事業は、各国の政治・経済動向、法制度、地政学的要因、為替レートや原油価格の変動など、外部環境の変化に大きく影響されます。特に売上の大部分を占める日本国内の旅行事業の環境変化は、業績に直接的な影響を及ぼす可能性があります。また、システム障害や情報漏洩、人財の育成・確保の遅れ、気候変動や自然災害、感染症の流行、テロや戦争なども事業継続に重要な影響を与えるリスクです。さらに、コンプライアンス違反や保有資産価値の変動、固定資産等の減損も財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,046 文字
3【事業等のリスク】当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況をはじめ、事業継続に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。 ①経済・社会情勢の変化当社グループの事業は、各国の政治・経済動向、法制度、地政学的要因等、様々な変化の影響下にあります。グループ内の知見や蓄積された情報を最大限に活用し対応しますが、これらの要因は当社グループが関与し得ない理由によって大きく変化する可能性があり、このような変化が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ②市場の変化当社グループにおけるセグメント別売上高は、旅行事業が82.9%を占めております。中でも、国別の売上高は日本に集中しており、79.6%を占めております。従って、日本における旅行事業の環境変化によって、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの各事業は、取引先のビジネスモデルの変革や異業種の新規参入など、他企業との厳しい競争状態にあり、持続的に競争優位性の確保に努めているものの、今後の展開によっては当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ③提供するサービスの安全管理・品質管理当社グループでは、お客様に安心安全で品質の高い旅行商品を提供し、国内外での旅を楽しんでいただくために、HIS独自の「品質安全管理ガイドライン」を作成し、HIS海外支店ならびにお取引先様にも周知を図り、品質管理および安全管理に努めています。車両やオプショナルツアー等の取り扱いにおいては、適宜実査を行い精査したうえで選定していますが、運輸機関その他の業務委託先が事故や法令違反等を起こした場合も委託先の選定責任等が問われ、社会的信用が失われたり、損害賠償請求や旅行業法に基づく処分を受ける恐れがあり、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ④システム・設備の障害などによるサービスの中断・品質低下当社グループは、コンピューターシステムを活用しており、システム構築・運営には十分なセキュリティの確保に努めておりますが、通信ネットワークやプログラムの不具合、またコンピューターウィルス感染などにより、システム障害や情報漏洩、改ざんなどの重大な障害が生じた場合、業務に重大な支障をきたす可能性があります。障害の規模によってはお客様へのサービス提供の中断や修復費用が増加するなど、当社グループの財政状態及び経営成績、社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。また、今後の技術革新に追随できない場合、競争力の低下や機会損失を招き、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤人財の育成・確保当社グループは、人財育成方針として、Vision2030「挑戦心あふれ 世界をつなぎ 選ばれ続ける企業に Change&Create」に則り、一人ひとりが大きな夢・目標を持ち、従来の考え方にとらわれず、自由な発想で考え、失敗を恐れずに、新しいことに挑戦する人財の育成に取り組んでいます。企業の成長には優秀な人財の育成と確保が不可欠です。労働市場等の影響を受けこれらが計画どおり進展しない場合、他社との競争や事業運営に支障が生じ、当社グループの業績および財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥気候変動・環境規制当社グループにおける事業を取り巻く環境として、気候変動や環境規制の強化により、事業運営に影響が生じる可能性があります。特に、自然災害の発生は、観光やインフラに影響を及ぼし、感染症の流行、加えて、航空事故、テロや戦争などが発生した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、気候変動に関するリスクは、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 2戦略 (1)気候変動」に詳しく掲載しております。 ⑦ガバナンス・コンプライアンス当社グループは、従業員が取るべき行動指針、行動規範を策定し、従業員への浸透を図り、リスクの未然防止に繋がるガバナンス体制を構築しております。また、内部統制基本方針、内部統制基本計画、内部統制実施要項、関係会社管理規程を設けた上で、リスク・コンプライアンス委員会の活動を通して、コンプライアンス機能の維持向上に努めています。しかしながら日本国内はもとより、海外拠点においても、様々な法令・規則・商慣習・社会的道徳などの下で事業活動を行っており、それらの遵守を求められています。そのなかで、予期せぬ新たな規制の導入、執行当局の方針変更など、何らかの原因により、コンプライアンス違反と判断される事態が生ずる可能性があります。このようなコンプライアンス違反が生じた場合、法的手続き対応費用やブランドイメージの毀損により、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧経理・財務(1)為替レート・原油価格の変動当社グループは、外貨建の取引を行っており、これに伴って外貨建の収益・費用及び資産・負債が発生しております。為替レートの変動による影響を軽減すべく為替予約等によるリスクヘッジを行っておりますが、急激な為替変動があった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また当社グループの連結財務諸表作成にあたっては、在外連結子会社の財務諸表を邦貨換算しているために、為替レートが変動した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。加えて、旅行事業において、原油価格の変動に伴い、海外旅行代金とは別に燃油特別付加運賃をお客様にご負担いただいておりますが、この燃油特別付加運賃の著しい上昇があった場合は、旅行総需要が停滞してしまう可能性があります。急激な原油価格の変動があった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。(2)有価証券等保有資産価値の変動当社グループは、上場及び非上場の株式及び債券等を保有しております。このため、市場価格を有する有価証券については株式市況及び債券市況の動向により、また、市場価格のない有価証券については投資先会社の財政状態の動向により、売却損や評価損が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。(3)固定資産等の減損当社グループは、国内及び海外で実施した投資活動や買収に伴い発生した有形固定資産、無形資産、株式、のれん等を連結貸借対照表に資産として計上し、それぞれの事業価値及び事業統合による将来のシナジー効果が発現すると見積もられる合理的な期間で償却しておりますが、事業環境や競合状況の変化等により期待する成果が得られないと判断される場合には、当該資産等について減損損失を計上し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 以上のリスクを認識し、当社グループは適切な対応策を講じることで、リスクの軽減に努めてまいります。また、社会情勢や市場の変化にともなうリスクの見直しをおこない、適宜対応いたします。

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