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東邦瓦斯(9533)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気・ガス業 電気・ガス

事業の概要

東邦瓦斯グループは、愛知県、三重県、岐阜県を中心に、都市ガスの製造・販売、LPガスやその他のエネルギー供給、電気の販売を主な事業としています。ガス事業では、ガスの製造・販売に加え、配管工事やガス器具販売、家庭向けガス・電気の販売受託、コールセンター業務などを子会社と連携して行っています。LPガス・その他エネルギー事業では、LPガスの販売や関連工事、コークス・石油製品の販売も手掛けています。電気事業では電気の販売を行い、その他事業として不動産管理、プラント設計施工、情報処理サービス、リース、海外での天然ガス開発・投資など多角的に展開し、地域社会のエネルギーインフラを支えています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

東邦瓦斯グループの事業セグメントは大きく3つに分かれています。最も売上と営業利益が大きいのは「ガス事業」で、都市ガスの製造・販売、ガス器具販売、配管工事などが含まれます。次に規模が大きいのは「LPガス・その他エネルギー事業」で、LPガスの販売や関連工事、コークス・石油製品の販売などを行っています。3つ目は「電気事業」で、電気の販売が主な内容です。これらのセグメントは主に愛知県、三重県、岐阜県といった国内地域に集中しており、地域に密着したエネルギー供給を基盤としています。ガス事業がグループ全体の収益の大部分を占める稼ぎ頭となっています。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Gas 事業 4,244 205 4.8%
LPGAndOtherEnergy 事業 1,001 26 2.6%
Electricity 事業 957 3 0.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,061 文字
3 【事業の内容】 当社グループは、東邦瓦斯㈱、子会社32社及び関連会社40社で構成され、ガス事業、LPG・その他エネルギー事業、電気事業、その他の事業を行っている。このうち、25社を連結子会社とし、6社を持分法適用関連会社としている。事業の内容と当社及び子会社、関連会社の当該事業における位置付けは次のとおりである。 (1) ガス東邦瓦斯㈱は、愛知県、三重県、岐阜県でガスの製造及び販売並びにガス器具の販売等を行っている。東邦ガスネットワーク㈱は、愛知県、三重県、岐阜県でガスの託送供給、ガス供給のための配管工事を行っている。東邦ガスライフソリューションズ㈱は、当社から家庭用のお客さま向けのガス及び電気の販売等を受託している。また、住宅設備機器の販売を行っている。東邦ガスコミュニケーションズ㈱は、当社からコールセンター及び料金事務業務を受託している。水島瓦斯㈱は、岡山県内においてガスの製造、供給及び販売、ガス供給のための配管工事並びにガス器具の販売を行っている。東邦ガス・カスタマーサービス㈱は、ガスメーターの検針及びガス料金の回収業務を行っている。東邦ガステクノ㈱は、ガス配管工事を行っている。 (2) LPG・その他エネルギー東邦瓦斯㈱は、LNG販売、熱供給事業を行っている。東邦液化ガス㈱等は、LPG販売、LPG機器販売、LPG配管工事及びコークス・石油製品販売等を行っている。 (3) 電気東邦瓦斯㈱等は、電気の販売を行っている。 (4) その他東邦瓦斯㈱は、LNG受託加工を行っている。東邦ガス不動産開発㈱は、不動産の管理・賃貸を行っている。東邦ガスエナジーエンジニアリング㈱は、プラント・設備の設計施工、CN×P事業を行うとともに、当社から業務用のお客さま向けのガス及び電気の販売等を受託している。東邦ガス情報システム㈱は、情報処理サービスの提供を行っている。東邦総合サービス㈱は、車両・設備機器等のリースを行っている。東邦冷熱㈱は、LNG冷熱及び液化窒素等の販売を行っている。東邦ガスセイフティライフ㈱は、ガス設備の保安点検を行っている。Toho Gas Australia Pty Ltd、Toho Gas Ichthys Pty Ltd及びToho Gas Ichthys Development Pty Ltd並びにToho Gas Canada Ltd.は、海外における天然ガス等に関する開発・投資等を行っている。 以上述べた事項を系統図によって示すと次のとおりである。 企業集団の事業系統図

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
原料費調整制度によって一定の範囲内でガス販売価格に反映されるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
都市ガス・LPガス・電気事業は、エネルギー政策・法令・制度等の変更による影響を受ける。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:需要変動による影響 / 原料価格の変動による影響 / エネルギー政策・法令・制度等の変更による影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

東邦ガスは地域独占的なガス供給事業者としての許認可を得ているが、これは規制緩和や新規参入の可能性により、絶対的な無形資産とは言えない。ブランド力は地域で確立されているものの、特許やIPによる競争優位性は限定的。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

都市ガスはインフラに接続されており、顧客が他社に切り替える際の初期費用や手間が大きい。特に家庭用顧客にとっては、ガス機器の交換や配管工事が必要になる場合があり、乗り換え障壁は比較的高い。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ガス供給事業には、ユーザー数が増えることでサービス価値が向上するようなネットワーク効果は基本的に見られない。供給網の拡大はコスト増につながる側面もある。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

大規模なインフラ投資と維持管理コストがかかるため、新規参入のハードルは高い。しかし、調達コストや設備投資効率において、他社との顕著なコスト優位性を示す具体的なデータは少ない。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

愛知県西部、岐阜県南部、三重県北部の広範な地域にガス供給網を構築・維持しており、その規模は地域における寡占状態を形成している。この広範な供給網は、効率的なインフラ運営とサービス提供を可能にしている。

東邦瓦斯グループは、愛知県、三重県、岐阜県という特定の地域に根差したガス供給インフラを保有しており、これは新規参入が非常に困難な強固な参入障壁となっています。ガスの製造・供給から販売、配管工事、保守点検までを一貫してグループ内で手掛けることで、安定したサービス提供と顧客基盤を築いています。また、LNGの調達先の分散化や上流権益・中流事業への関与、LNG船への出資を通じて、燃料の安定調達とコスト競争力の維持に努めています。さらに、カーボンニュートラルに向けたe-methaneや水素製造などの次世代エネルギー技術開発にも積極的に投資しており、将来のエネルギー転換期においても競争力を維持する戦略を進めています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

事業リスク

主なリスクとして、まず需要変動の影響が挙げられます。気候変動(猛暑や暖冬)、小売自由化による競争激化、省エネルギー化の進展などにより、ガス・LPガス・電気の販売量が変動し、業績に影響を与える可能性があります。次に、原料価格の変動リスクです。都市ガスの原料であるLNG価格は原油価格や為替相場に左右され、原料費調整制度による価格転嫁にはタイムラグがあるため、一時的に収益が悪化する可能性があります。また、電力調達価格の変動も業績に影響を与える可能性があります。さらに、2050年カーボンニュートラルに向けた新たな環境規制や制度導入により、追加的な費用負担が発生するリスクや、大規模な自然災害や設備トラブルによる製造・供給支障、サイバー攻撃による情報システム支障なども重要なリスクとして認識されています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,669 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの経営成績及び財務状況等に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクとしては、以下のようなものがある。文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において当社グループが判断したものである。 (1) 需要変動による影響当社グループの主要な事業である都市ガス・LPG・電気事業は、当地域の社会・経済動向のほか、猛暑や暖冬等の気候変動、小売全面自由化に伴う競争環境の変化、省エネルギーの進展や産業構造の変化、お客さまのエネルギー選好の変化等により、販売量が変動し、当社グループの業績に影響を受ける可能性がある。なお、2025年4月に発表された米国の関税措置の動向によっては、当地域のエネルギー需要が影響を受ける可能性がある。当社グループは、新規需要開発を推進するとともに、新サービス等による付加価値の提供やデジタル技術活用等により、当地域におけるトータルエネルギーシェアの拡大を進めている。 (2) 原料価格の変動による影響都市ガスの原料であるLNG(液化天然ガス)の価格は、原油価格・為替相場等の変動の影響を受ける。原料価格の変動は、原料費調整制度によって一定の範囲内でガス販売価格に反映されることから業績への影響は緩和されるが、反映までのタイムラグにより期間収支に影響を受ける可能性がある。また、LNG調達先との契約更改、価格交渉の動向により原料価格が変動した場合、当社グループの業績に影響を受ける可能性がある。 (3) 電力調達価格の変動による影響電力調達は発電事業者・卸電力取引市場等からの調達と自社電源を組み合わせているが、調達価格が変動した場合、当社グループの業績に影響を受ける可能性がある。当社グループは、発電事業者との相対契約の弾力性向上に取り組むとともに、調達比率の最適化を図り、調達コストの低減と収支安定化のバランスを図っている。 (4) 金利変動等による影響当社グループの保有する株式・年金資産等は株価・金利等が変動することによって、当社グループの業績に影響を受ける可能性がある。また、市場金利の動向により調達金利が変動することによって、当社グループの業績に影響を受ける可能性がある。ただし、有利子負債の大部分は固定金利で調達した長期借入金や社債であり、短期の金利変動による影響は限定的である。変動金利での調達は、一部に金利スワップ取引を利用して固定化を行っている。 (5) エネルギー政策・法令・制度等の変更による影響2050年カーボンニュートラルに向けた動きが広がり、新たな環境規制や制度の導入等により追加的な対応や費用負担が発生した場合、当社グループの業績に影響を受ける可能性がある。当社グループは、2021年7月、「東邦ガスグループ2050年カーボンニュートラルへの挑戦」、2022年3月、「東邦ガスグループビジョン」、2025年3月、新たな中期経営計画(2025~2027年度)を策定し、カーボンニュートラルの実現に向けた対応の方向性と具体的な取組みを示した。中期経営計画期間では、海外プロジェクトの案件探索‧事業性検討、国内e-methane実証(知多e-methane製造‧地域CO2循環モデル)、CO2分離回収技術の開発、CO2活用(CCU)・貯留(CCS)の事業性検討、自治体や協業先と連携したカーボンクレジットの創出‧案件探索、知多緑浜水素製造プラントを核とした水素供給‧需要創出に取り組む。 (6) 自然災害等による影響大規模な自然災害により、製造設備や供給設備、お客さま設備に広範に被害が発生した場合、当社グループの業績に影響を受ける可能性がある。また、不測の大規模停電等が発生した場合にも、当社グループの業績に影響を受ける可能性がある。当社グループは、自家発電設備や防消火設備等の設置に加え、防災体制の整備や工業用水等の備蓄など、災害の影響を最小限に止める対策を実施するとともに、ガス導管の耐震化など製造設備や供給設備等の耐震性の向上を図っている。 (7) 原料調達支障による影響都市ガスの主な原料であるLNGは海外から輸入しているため、輸入先のカントリーリスクや天然ガス生産設備・液化設備での操業上のトラブル、LNG船の運航上でのトラブル等により、原料が長期にわたり調達できない場合には、当社グループの業績に影響を受ける可能性がある。LNGの低廉かつ安定的な調達に向け、当社グループは、LNG調達地域の分散化により安定的な調達体制構築や受入基地の柔軟な運用に取り組んでいる。また、上流権益・中流事業や、LNG船への出資等により、調達するLNGのバリューチェーンへの関与を強化している。 (8) 製造、供給支障による影響事故等による大規模な設備トラブルに伴い都市ガスの製造、供給に重大な支障が生じた場合、当社グループの業績に影響を受ける可能性がある。当社グループは、工場やガス導管等の高経年設備の修繕、他工事による損傷防止、ガス導管の定期的な点検を実施するとともに、緊急保安体制を整備することで、一層のリスク低減に努めている。 (9) 情報システム支障による影響システム障害やサイバー攻撃等により基幹となる情報システムに重大な支障が生じた場合、当社グループの業績に影響を受ける可能性がある。当社グループは、システムの維持管理を徹底するとともに、各種のセキュリティ対策を実施し、サイバー攻撃対策訓練の実施やセキュリティ規程類に基づくチェックを継続的に行っている。 (10) ガス消費機器・設備トラブルによる影響ガスの消費機器・設備に関する重大なトラブルが生じた場合、社会的な責任を含めて有形無形の損害が発生する可能性がある。当社グループは、ガス消費機器の調査、安全点検、メンテナンス業務等の品質向上とともに、安全使用のための周知や安全機器への取替促進を行っている。 (11) 取扱商品・サービス等の品質による影響当社グループ及び委託先が取り扱う商品・サービス等に関する品質にトラブルが発生した場合、社会的な責任を含めて有形無形の損害が発生する可能性がある。当社グループは、社内外の研修等を通じて、当社グループ及び委託先が取り扱う商品・サービス等の品質向上に取り組んでいる。 (12) 商品・資機材等の納入遅延による影響調達先の工場操業停止等により商品・資機材等に重大な納入遅延が生じた場合、当社グループの業績に影響を受ける可能性がある。当社グループは、調達先と連携し生産及び納期状況を確認するとともに、調達多様化に向けた代替調達先の調査・検討を実施している。 (13) 投資環境の変化による影響原油価格等の市況の変化や景気動向等によっては、国内外投資について、将来の収益性の低下等により、適切に回収されず、当社グループの業績に影響を受ける可能性がある。また、海外投資については、事業を行う各国における法規制や商慣習等の変化により、事業運営の遅延や停滞、費用の増加などが発生する可能性がある。当社グループは、案件ごとに収益性やリスク等の事業性を慎重に吟味の上、必要な投資を行っている。また、市況の変化や景気動向等を注視し、減損の兆候がある場合、減損損失の認識・測定の要否に関する判定を行っている。 (14) コンプライアンス違反による影響法令、約款、若しくは企業倫理や社会的規範に反する行為が発生した場合、社会的な責任を含めて有形無形の損害が発生する可能性がある。当社グループは、コンプライアンス委員会を設置して、コンプライアンス活動の進捗確認と課題把握を行うとともに、教育・啓発や点検・調査活動を推進し、コンプライアンスの徹底を図っている。また、コンプライアンスに関する相談窓口を社内外に設置している。なお、当社は、2024年3月4日、電力・ガスの営業行為において、公正取引委員会から独占禁止法に基づく警告等を受けた。また、2024年7月26日、経済産業大臣からガス事業法に基づく業務改善命令、電力・ガス取引監視等委員会から業務改善指導等を受領し、2024年8月23日、当該業務改善命令等に対応する業務改善計画を提出した。当社は同様の事例を二度と発生させないよう、法令遵守及び再発防止を徹底する。 (15) 情報漏洩による影響当社グループが取得、管理しているお客さまの個人情報が外部に流出した場合、社会的な責任を含めて有形無形の損害が発生する可能性がある。当社グループは、個人情報保護委員会を設置して、個人情報保護に関する活動計画等の審議を行うとともに、教育・啓発や自主監査の活動を推進し、情報管理の徹底に取り組んでいる。 (16) 感染症の流行による影響新型コロナウイルス等の感染症が大規模に流行した場合、当社グループの業績に影響を受ける可能性がある。

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