経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、創業理念である「人を育て 人を活かす」に則り、ミッションを「働く機会と希望を創出する」とし、企業と人の成長を支援する人材ソリューションサービスで、働く人がやりがいを持ち、成長していける職場を作り上げていくとともに、社会変化や産業構造変化に対応できるサービスの提供を目指し、「高い成長力のある企業グループに変革する」ための取り組みを推進してまいります。 (2)経営戦略 当社グループは、ミッションの実現に向けたマテリアリティ(重要課題)を「働きやすい職場づくり」、「社会変化や構造変化への対応」、「ガバナンスの強化」と定義しています。デジタル化の推進と人材投資を積極的に行い、従業員満足と顧客満足を最大化させ、必要なスキルを有した人材を輩出することによる高付加価値サービスの提供を行い、管理体制や内部統制の強化に取り組むことで、社会価値創造による企業価値の向上を目指しています。 (事業戦略) 事業ポートフォリオ戦略においては、製造派遣や製造請負に代表されるコア領域の「深化」とエンジニア派遣に代表される当社グループの注力領域の「探索」を両立させてまいります。あわせて、コア領域事業の高質化と高付加価値化の推進を図ってまいります。 変化するモノづくりに対応したサービス提供に向けて、顧客と共に価値を創り出せるビジネスモデルへの転換を図ってまいります。 サービス別の戦略については次のとおりになります。(総合人材サービス)製造生産系人材サービス 製造生産系人材サービスでは、主に製造派遣、製造請負を行っており、顧客へのサービス提供体制を強化し、重要な顧客におけるシェア率を向上させることで、効率性を向上させ、「稼ぐチカラ」を強化してまいります。エンジニア系人材サービス エンジニア系人材サービスでは、製造業を中心としたエンジニア派遣、SES(System Engineering Service)を行っており、高付加価値領域の拡大のための人材育成を継続してまいります。事務系人材サービス 事務系人材サービスでは、一般事務派遣、BPO(Business Process Outsourcing)を行っており、サービスの再構築を図り、新たなメニューの開発にも取り組んでまいります。その他の人材サービス その他の人材サービスでは、高年齢者社員、および障がい者社員が活躍できるモデルの構築に取り組んでまいります。(介護・福祉サービス) 介護・福祉サービスでは、施設介護、在宅介護を行っており、提供サービスの充実を図りながら、新たなメニューの開発にも取り組んでまいります。 (基盤強化戦略) 人的資本経営の実践に向けて、人材管理、教育研修、キャリア開発などに積極的に人的資本投資を行い、顧客と共に育成の連携を図ることで、付加価値の高いサービスの提供を目指してまいります。 また、人材流動化への対応に向けては、労働者の能力と企業ニーズを発掘、可視化し、人材発掘と事業機会の拡大を両立させてまいります。あわせて、キャリア開発において、強みの伸張と不足領域の補完を実現することで、適材適所の配置につなげてまいります。 更に、業務のデジタル化によるビジネストランスフォーメーション(BX)の実現に向けて、基幹系システムの再構築、データ活用基盤の整備、XR技術の活用推進、顧客とのデータ連携を図ることで、データを基にした経営体制の構築を目指してまいります。 (3)目標とする経営指標(単位:百万円) 2023年3月期2024年3月期2025年3月期目標実績目標実績目標実績売上高88,60090,827100,00096,858115,000101,560営業利益2,7002,2684,0003,0586,7003,555 営業利益率3.0%2.5%4.0%3.2%5.8%3.5% 2025年3月期までの中期経営計画においては、コロナ禍以降の半導体業界の回復の鈍化や、自動車業界での地政学リスクによる部品不足等の厳しい環境下において、技術革新による産業界の人材ニーズの変化に対応した人材育成のための教育施設や設備への投資・人材への教育投資を計画通り実行してまいりました。この結果、売上高においては、2024年3月期は2023年3月期と比較して6.6%の増収、当連結会計年度(2025年3月期)は2024年3月期と比較して4.9%の増収となりましたが、目標達成には至りませんでした。 また、事業の拡大に伴う従業員募集費の増加、事業基盤の強化に向けた従業員の増強による人件費の増加などがあったものの、売上高の増加で吸収した結果、営業利益においては、2024年3月期は2023年3月期と比較して34.8%の増益、当連結会計年度(2025年3月期)は2024年3月期と比較して16.3%の増益となりましたが、目標達成には至りませんでした。 当社グループが重要な経営指標としている「営業利益率」は、前連結会計年度より売上総利益率が0.7ポイント改善し17.2%となる一方、販売費及び一般管理費率が0.3ポイント悪化し13.7%となり、この結果、営業利益率は3.5%となりました。引き続き売上総利益率の向上及び販管効率の向上を図り、営業利益率の改善に取り組んでまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社をとりまく経営環境は、Society5.0やIndustry5.0の進展、AIの進化、少子高齢化に伴う労働人口の減少など、かつてない速さで変化を続けています。また、米国の関税措置による影響など変動要素が多く、先行きは不透明な状況にあります。 このような経営環境の中、当社は、2024年8月に、2026年3月期を初年度とする3か年の中期経営計画を発表しました。 当社グループは、中期経営計画の目標達成を目指し、企業価値と企業の存在意義を持続的に高めていくため、以下の活動を推進しています。 (財務戦略)財務戦略方針 当社は、自社の資本コスト(株主資本コストおよび加重平均資本コスト(WACC))を注視し、重要な経営指標を自己資本利益率(ROE)と投下資本利益率(ROIC)とした上で、稼ぐ力の追求と資本効率性の向上に取り組みます。また、安定的にROICが資本コスト(加重平均資本コスト(WACC))を上回る構造を実現する事で企業価値の向上に努めてまいります。財務戦略 当社グループは、稼ぐ力の追求に向けて、既存事業の高付加価値化、事業ポートフォリオの見直し、成長分野への投資、デジタル技術の活用による業務効率化、人材への投資を行ってまいります。また、財務規律の維持と資本効率性の向上に向けて、適切な経営資源の配分、適正な負債の活用、最適な株主還元(安定配当・自社株買)、適時適切な情報開示を行ってまいります。財務指標 当社は、中期経営計画の最終年度である2028年3月期には、成長性を示す指標である売上高成長率(CAGR)12.3%以上、収益性を示す指標である営業利益率5%以上の達成を目指してまいります。 また、中期経営計画期間(2026年3月期から2028年3月期まで)における、財務の効率性を示す指標であるROE平均20%以上、ROIC平均15%以上、中期経営計画の最終年度である2028年3月期には財務の健全性を示す指標である財務レバレッジ2.5倍以下を目安にしています。 なお、2025年3月期においては、戦略的な投資を実行するとともに健全な財務基盤を維持することで、重要な経営指標であるROEは12.3%、ROICは13.1%となりました。この結果、ROICがWACCを上回りました。 各指標については以下の定義にて算出しています。・自己資本利益率(ROE):親会社株主に帰属する当期純利益 ÷ ((期首自己資本 + 期末自己資本) ÷ 2)・投下資本利益率(ROIC):税引後営業利益 ÷ 投下資本(当期平均有利子負債 + 当期平均純資産額)(非財務戦略)サステナビリティへの取組 当社グループは、「働く機会と希望を創出する」というミッションの達成に向けて、グループの原動力である「人」への投資を通じて社会や環境への貢献を図ることが重要であると認識し、2021年10月に策定した「サステナビリティ方針」に基づき、持続的な事業の成長を目指すと共に、人権と労働、環境、安全衛生、倫理の方針を定め、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進しています。 当社グループの事業の持続的な成長を目指す上では、「人材育成」と「ダイバーシティ」が最も重要であると定義しています。 「人材育成」においては、高度人材の比率を向上させることが重要であると認識しています。「人財育成方針」の指標は「エンジニア系社員比率」とし、その目標を2025年4月までに15.0%としていました。2025年3月末日時点における製造生産系及びエンジニア系人材サービスの在籍人数における「エンジニア系社員比率」は、12.6%となりました。 「ダイバーシティ」においては、全ての従業員が夢とやりがいを持てる職場を作り、多様な人材が活躍できる場を構築することが重要であると認識しています。「社内環境整備方針」の指標は「女性管理職比率」とし、その目標を2025年4月までに11.5%としていました。2025年3月末日時点における「当社グループ女性管理職比率」は9.0%となりました。 当社グループは、2025年2月に「人財育成方針」、及び「社内環境整備方針」に基づく指標と目標の見直しを行いました。「人財育成方針」における指標は、引き続き「エンジニア系社員比率」とし、その目標を2030年度までに30%を達成することとします。また、「社内環境整備方針」においては、実行課題を「DE&I(多様性・公平性と包摂性)の推進」に更新し、指標として「ダイバーシティ比率」を新たに設定、その目標を2030年度までに40%の水準を達成することに見直しを行いました。また、「女性管理職比率」の目標は、2030年度までに15%を達成することとし、活動の推進を継続してまいります。 日本国内における労働人口の減少や高齢化比率の上昇などにより、当社グループの経営環境は大きく変化しています。2025年3月末日時点における、当社グループ社員の女性、高年齢者、外国人、障がい者を合わせた「ダイバーシティ比率」は31.9%となりました。この比率を上昇させていくことで、当社グループの組織としての強靭さや事業の持続的な成長を目指してまいります。 また、ガバナンスの強化に向けて、人材育成に強みを持つ企業グループとして、ガバナンス維持のための教育プログラムを実践し、ステークホルダーに信頼される取組を継続してまいります。 なお、当社グループのサステナビリティ活動の詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 (総合人材サービス)インダストリー戦略 技術革新や環境問題を背景に加速度的に産業構造が変化していくのに合わせ、産業毎に必要な人材像も刻一刻と変化しています。中でも日本をリードする自動車・半導体・電子を中心とした産業界の人材ニーズに応えるべく、当社は最新の製造設備を有する研修施設を立ち上げ、付加価値の高い人材を育成し、変革する産業界を強力にバックアップしてまいります。 2026年3月期において、当社グループの注力業界であるオートモーティブインダストリー(自動車製造及びEV関連製造業界)では、米国関税の影響は考えられるものの生産台数に大きな変動はないと想定しています。セミコンダクターインダストリー(半導体製造業界)の当社グループ注力メーカーについては、堅調に推移することを見込んでいます。あわせて、2026年、2027年の半導体、バッテリー新工場稼働に向けた人材ニーズを見込み、育成関連への投資を継続してまいります。なお、エレクトロニクスインダストリー(電子機器製造業界)における電子部品需要は横ばいを想定しています。採用戦略 経済活動の正常化に伴う人材ニーズの高まりにより、当社グループにおいても就業者の確保が、これまで以上に必要になっています。 当社グループは、人材確保という課題に対し、グローバル人材の更なる活用を進めてまいります。日本に来てよかった、日本でもっと働きたいと思っていただける各種制度や環境を整備し、2031年3月期末の在籍3,000人を目指してまいります。 また、高付加価値人材の採用に向けて、当社グループ内での人材流動化と他社とのアライアンスを推進する「採用コンソーシアム」の拡大も図ってまいります。育成戦略 当社グループは、メーカーにおける生産活動の高度化、人材に求めるニーズの多様化、製造業全体における慢性的な人手不足といった課題への対応を目指し、事業の拡大に向けて必要となる事業領域の調査を行いながら、人材育成分野でお客様と共創してまいります。また、当社グループが拡大領域と位置付ける半導体や蓄電池の製造領域、保守・保全といった職種に、当社グループ独自の「人材育成モデル」を掛け合わせることで、高付加価値人材の育成を積極的に推進してまいります。官民と連携を取りながら、他産業や他職種で働いている人材に対して、リスキリングの機会を提供し、半導体関連の量産に対応できる人材育成も行ってまいります。 重なるニーズの拡大を踏まえ、2024年3月に、蓄電池産業向けの人材育成に特化した教育研修施設である「日総EVテクニカルセンター関西」を開設いたしました。また、2024年5月に、半導体製造向け人材の育成に特化した「日総テクニカルセンター熊本」を増設いたしました。 なお、中部東海エリアに、変革の激しい、自動車、蓄電池、半導体分野において、必要不可欠な保全を中心とした各種エンジニアを育成する、中核的育成拠点の設置を計画するなど、お客様のニーズに応える育成体制を整えてまいります。新たなサービスの創出 連結売上高において、総合人材サービスは約9割を占めています。当該サービスはお客様との継続的な取引関係をベースとしており、「安定性」と「依存度」の2つの側面を持ち合わせている事業であることから、顧客の生産動向に当社グループの業績が大きく左右されることが課題となっています。 当社グループは、エンジニア系人材サービスの拡大のみならず、HRテックやAI関連サービスといった当社グループの事業と親和性の高い領域へ進出し、M&Aや新たなパートナーシップの構築などをつうじて価値共創に取り組むことで、中核である総合人材サービスの事業拡大を図ってまいります。 また、当社グループは、教育受託サービスである「NISSO HR Development Service」を展開しています。このサービスは、お取引先から数多くお寄せいただいた、教育を担う講師人材の不足、繁忙のため実際の生産ラインや現場を使ったOJTができないことによる実技研修不足、未経験者向けの教育プログラムの不足などの課題に応えるため、全国に教育研修施設を有し、多くの研修カリキュラムを開発してきた実績を持つ当社グループが、社員研修を代行することで、課題解決をお手伝いできるサービスと位置づけており、そのニーズは順調に拡大しています。 (介護・福祉サービス) 介護・福祉業界においては、要介護者の更なる増加、介護従事者の慢性的な不足、介護サービスの質の低下などが社会課題となっています。 当社グループは、介護従事者の安定的な確保と定着率向上を図るために、介護従事者への階層別教育や採用者への導入教育を実施し、より働きやすい職場環境づくりを推進してまいります。 また、外国人材の活用を促進するなど、多様な人材の活用を推進することで、新たな介護従事者の確保を目指してまいります。 介護施設への入居者数の増加に向けては、WebやSNSの積極的な活用や内覧会を通じて、入居を検討されるご家族様との接触機会を増やすことで、お客様一人ひとりのニーズを把握した質の高い介護サービスが提供できる体制を構築してまいります。 (DX戦略) 当社グループが持続的に利益成長を続けていく上では、経営管理機能や事業運営基盤の強化に向けたDX化の推進が重要な経営課題であると認識しています。 当社グループは、デジタル基盤の構築に向けて、時と場所を選ばずアプリが利用できるIT基盤を提供し、グループ経営データの一元化・可視化・標準化・利活用などを推進してまいります。また、AIやVRなどを利用した業務の効率化や自動化を推進することで、販管費の抑制に努めてまいります。 (新たな価値共創(CSV)への取組) 当社グループは、お客様の抱える困りごとを解決すべく、制限を設けず、可能性のあるパートナーとの協業を積極的に進めています。 当社は、重要顧客内のシェアを拡大し、当社グループの強みである人材育成のノウハウを活用することで、中部東海エリアにおけるプレゼンスの確立を目指し、2025年4月17日開催の取締役会において、「Man to Manホールディングス株式会社」の子会社化を決議しています。また、同日開催の取締役会において、新たな領域となる警備業に強みを持つ「オールジヤパンガード株式会社」の子会社化を決議しています。これら2社のみなし取得日は2025年6月30日を予定しており、2026年3月期第2四半期より、当社グループの業績に寄与していくことを想定しています。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、創業理念である「人を育て 人を活かす」に則り、ミッションを「働く機会と希望を創出する」とし、企業と人の成長を支援する人材ソリューションサービスで、働く人がやりがいを持ち、成長していける職場を作り上げていくとともに、社会変化や産業構造変化に対応できるサービスの提供を目指し、「高い成長力のある企業グループに変革する」ための取り組みを推進してまいります。 (2)経営戦略 当社グループは、ミッションの実現に向けたマテリアリティ(重要課題)を「働きやすい職場づくり」、「社会変化や構造変化への対応」、「ガバナンスの強化」と定義しています。デジタル化の推進と人材投資を積極的に行い、従業員満足と顧客満足を最大化させ、必要なスキルを有した人材を輩出することによる高付加価値サービスの提供を行い、管理体制や内部統制の強化に取り組むことで、社会価値創造による企業価値の向上を目指しています。 (事業戦略) 事業ポートフォリオ戦略においては、製造派遣や製造請負に代表されるコア領域の「深化」とエンジニア派遣に代表される当社グループの注力領域の「探索」を両立させてまいります。あわせて、コア領域事業の高質化と高付加価値化の推進を図ってまいります。 変化するモノづくりに対応したサービス提供に向けて、顧客と共に価値を創り出せるビジネスモデルへの転換を図ってまいります。 サービス別の戦略については次のとおりになります。(総合人材サービス)製造生産系人材サービス 製造生産系人材サービスでは、主に製造派遣、製造請負を行っており、顧客へのサービス提供体制を強化し、重要な顧客におけるシェア率を向上させることで、効率性を向上させ、「稼ぐチカラ」を強化してまいります。エンジニア系人材サービス エンジニア系人材サービスでは、製造業を中心としたエンジニア派遣、SES(System Engineering Service)を行っており、高付加価値領域の拡大のための人材育成を継続してまいります。事務系人材サービス 事務系人材サービスでは、一般事務派遣、BPO(Business Process Outsourcing)を行っており、サービスの再構築を図り、新たなメニューの開発にも取り組んでまいります。その他の人材サービス その他の人材サービスでは、高年齢者社員、および障がい者社員が活躍できるモデルの構築に取り組んでまいります。(介護・福祉サービス) 介護・福祉サービスでは、施設介護、在宅介護を行っており、提供サービスの充実を図りながら、新たなメニューの開発にも取り組んでまいります。 (基盤強化戦略) 人的資本経営の実践に向けて、人材管理、教育研修、キャリア開発などに積極的に人的資本投資を行い、顧客と共に育成の連携を図ることで、付加価値の高いサービスの提供を目指してまいります。 また、人材流動化への対応に向けては、労働者の能力と企業ニーズを発掘、可視化し、人材発掘と事業機会の拡大を両立させてまいります。あわせて、キャリア開発において、強みの伸張と不足領域の補完を実現することで、適材適所の配置につなげてまいります。 更に、業務のデジタル化によるビジネストランスフォーメーション(BX)の実現に向けて、基幹系システムの再構築、データ活用基盤の整備、XR技術の活用推進、顧客とのデータ連携を図ることで、データを基にした経営体制の構築を目指してまいります。 (3)目標とする経営指標(単位:百万円) 2023年3月期2024年3月期2025年3月期目標実績目標実績目標実績売上高88,60090,827100,00096,858115,000101,560営業利益2,7002,2684,0003,0586,7003,555 営業利益率3.0%2.5%4.0%3.2%5.8%3.5% 2025年3月期までの中期経営計画においては、コロナ禍以降の半導体業界の回復の鈍化や、自動車業界での地政学リスクによる部品不足等の厳しい環境下において、技術革新による産業界の人材ニーズの変化に対応した人材育成のための教育施設や設備への投資・人材への教育投資を計画通り実行してまいりました。この結果、売上高においては、2024年3月期は2023年3月期と比較して6.6%の増収、当連結会計年度(2025年3月期)は2024年3月期と比較して4.9%の増収となりましたが、目標達成には至りませんでした。 また、事業の拡大に伴う従業員募集費の増加、事業基盤の強化に向けた従業員の増強による人件費の増加などがあったものの、売上高の増加で吸収した結果、営業利益においては、2024年3月期は2023年3月期と比較して34.8%の増益、当連結会計年度(2025年3月期)は2024年3月期と比較して16.3%の増益となりましたが、目標達成には至りませんでした。 当社グループが重要な経営指標としている「営業利益率」は、前連結会計年度より売上総利益率が0.7ポイント改善し17.2%となる一方、販売費及び一般管理費率が0.3ポイント悪化し13.7%となり、この結果、営業利益率は3.5%となりました。引き続き売上総利益率の向上及び販管効率の向上を図り、営業利益率の改善に取り組んでまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社をとりまく経営環境は、Society5.0やIndustry5.0の進展、AIの進化、少子高齢化に伴う労働人口の減少など、かつてない速さで変化を続けています。また、米国の関税措置による影響など変動要素が多く、先行きは不透明な状況にあります。 このような経営環境の中、当社は、2024年8月に、2026年3月期を初年度とする3か年の中期経営計画を発表しました。 当社グループは、中期経営計画の目標達成を目指し、企業価値と企業の存在意義を持続的に高めていくため、以下の活動を推進しています。 (財務戦略)財務戦略方針 当社は、自社の資本コスト(株主資本コストおよび加重平均資本コスト(WACC))を注視し、重要な経営指標を自己資本利益率(ROE)と投下資本利益率(ROIC)とした上で、稼ぐ力の追求と資本効率性の向上に取り組みます。また、安定的にROICが資本コスト(加重平均資本コスト(WACC))を上回る構造を実現する事で企業価値の向上に努めてまいります。財務戦略 当社グループは、稼ぐ力の追求に向けて、既存事業の高付加価値化、事業ポートフォリオの見直し、成長分野への投資、デジタル技術の活用による業務効率化、人材への投資を行ってまいります。また、財務規律の維持と資本効率性の向上に向けて、適切な経営資源の配分、適正な負債の活用、最適な株主還元(安定配当・自社株買)、適時適切な情報開示を行ってまいります。財務指標 当社は、中期経営計画の最終年度である2028年3月期には、成長性を示す指標である売上高成長率(CAGR)12.3%以上、収益性を示す指標である営業利益率5%以上の達成を目指してまいります。 また、中期経営計画期間(2026年3月期から2028年3月期まで)における、財務の効率性を示す指標であるROE平均20%以上、ROIC平均15%以上、中期経営計画の最終年度である2028年3月期には財務の健全性を示す指標である財務レバレッジ2.5倍以下を目安にしています。 なお、2025年3月期においては、戦略的な投資を実行するとともに健全な財務基盤を維持することで、重要な経営指標であるROEは12.3%、ROICは13.1%となりました。この結果、ROICがWACCを上回りました。 各指標については以下の定義にて算出しています。・自己資本利益率(ROE):親会社株主に帰属する当期純利益 ÷ ((期首自己資本 + 期末自己資本) ÷ 2)・投下資本利益率(ROIC):税引後営業利益 ÷ 投下資本(当期平均有利子負債 + 当期平均純資産額)(非財務戦略)サステナビリティへの取組 当社グループは、「働く機会と希望を創出する」というミッションの達成に向けて、グループの原動力である「人」への投資を通じて社会や環境への貢献を図ることが重要であると認識し、2021年10月に策定した「サステナビリティ方針」に基づき、持続的な事業の成長を目指すと共に、人権と労働、環境、安全衛生、倫理の方針を定め、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進しています。 当社グループの事業の持続的な成長を目指す上では、「人材育成」と「ダイバーシティ」が最も重要であると定義しています。 「人材育成」においては、高度人材の比率を向上させることが重要であると認識しています。「人財育成方針」の指標は「エンジニア系社員比率」とし、その目標を2025年4月までに15.0%としていました。2025年3月末日時点における製造生産系及びエンジニア系人材サービスの在籍人数における「エンジニア系社員比率」は、12.6%となりました。 「ダイバーシティ」においては、全ての従業員が夢とやりがいを持てる職場を作り、多様な人材が活躍できる場を構築することが重要であると認識しています。「社内環境整備方針」の指標は「女性管理職比率」とし、その目標を2025年4月までに11.5%としていました。2025年3月末日時点における「当社グループ女性管理職比率」は9.0%となりました。 当社グループは、2025年2月に「人財育成方針」、及び「社内環境整備方針」に基づく指標と目標の見直しを行いました。「人財育成方針」における指標は、引き続き「エンジニア系社員比率」とし、その目標を2030年度までに30%を達成することとします。また、「社内環境整備方針」においては、実行課題を「DE&I(多様性・公平性と包摂性)の推進」に更新し、指標として「ダイバーシティ比率」を新たに設定、その目標を2030年度までに40%の水準を達成することに見直しを行いました。また、「女性管理職比率」の目標は、2030年度までに15%を達成することとし、活動の推進を継続してまいります。 日本国内における労働人口の減少や高齢化比率の上昇などにより、当社グループの経営環境は大きく変化しています。2025年3月末日時点における、当社グループ社員の女性、高年齢者、外国人、障がい者を合わせた「ダイバーシティ比率」は31.9%となりました。この比率を上昇させていくことで、当社グループの組織としての強靭さや事業の持続的な成長を目指してまいります。 また、ガバナンスの強化に向けて、人材育成に強みを持つ企業グループとして、ガバナンス維持のための教育プログラムを実践し、ステークホルダーに信頼される取組を継続してまいります。 なお、当社グループのサステナビリティ活動の詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 (総合人材サービス)インダストリー戦略 技術革新や環境問題を背景に加速度的に産業構造が変化していくのに合わせ、産業毎に必要な人材像も刻一刻と変化しています。中でも日本をリードする自動車・半導体・電子を中心とした産業界の人材ニーズに応えるべく、当社は最新の製造設備を有する研修施設を立ち上げ、付加価値の高い人材を育成し、変革する産業界を強力にバックアップしてまいります。 2026年3月期において、当社グループの注力業界であるオートモーティブインダストリー(自動車製造及びEV関連製造業界)では、米国関税の影響は考えられるものの生産台数に大きな変動はないと想定しています。セミコンダクターインダストリー(半導体製造業界)の当社グループ注力メーカーについては、堅調に推移することを見込んでいます。あわせて、2026年、2027年の半導体、バッテリー新工場稼働に向けた人材ニーズを見込み、育成関連への投資を継続してまいります。なお、エレクトロニクスインダストリー(電子機器製造業界)における電子部品需要は横ばいを想定しています。採用戦略 経済活動の正常化に伴う人材ニーズの高まりにより、当社グループにおいても就業者の確保が、これまで以上に必要になっています。 当社グループは、人材確保という課題に対し、グローバル人材の更なる活用を進めてまいります。日本に来てよかった、日本でもっと働きたいと思っていただける各種制度や環境を整備し、2031年3月期末の在籍3,000人を目指してまいります。 また、高付加価値人材の採用に向けて、当社グループ内での人材流動化と他社とのアライアンスを推進する「採用コンソーシアム」の拡大も図ってまいります。育成戦略 当社グループは、メーカーにおける生産活動の高度化、人材に求めるニーズの多様化、製造業全体における慢性的な人手不足といった課題への対応を目指し、事業の拡大に向けて必要となる事業領域の調査を行いながら、人材育成分野でお客様と共創してまいります。また、当社グループが拡大領域と位置付ける半導体や蓄電池の製造領域、保守・保全といった職種に、当社グループ独自の「人材育成モデル」を掛け合わせることで、高付加価値人材の育成を積極的に推進してまいります。官民と連携を取りながら、他産業や他職種で働いている人材に対して、リスキリングの機会を提供し、半導体関連の量産に対応できる人材育成も行ってまいります。 重なるニーズの拡大を踏まえ、2024年3月に、蓄電池産業向けの人材育成に特化した教育研修施設である「日総EVテクニカルセンター関西」を開設いたしました。また、2024年5月に、半導体製造向け人材の育成に特化した「日総テクニカルセンター熊本」を増設いたしました。 なお、中部東海エリアに、変革の激しい、自動車、蓄電池、半導体分野において、必要不可欠な保全を中心とした各種エンジニアを育成する、中核的育成拠点の設置を計画するなど、お客様のニーズに応える育成体制を整えてまいります。新たなサービスの創出 連結売上高において、総合人材サービスは約9割を占めています。当該サービスはお客様との継続的な取引関係をベースとしており、「安定性」と「依存度」の2つの側面を持ち合わせている事業であることから、顧客の生産動向に当社グループの業績が大きく左右されることが課題となっています。 当社グループは、エンジニア系人材サービスの拡大のみならず、HRテックやAI関連サービスといった当社グループの事業と親和性の高い領域へ進出し、M&Aや新たなパートナーシップの構築などをつうじて価値共創に取り組むことで、中核である総合人材サービスの事業拡大を図ってまいります。 また、当社グループは、教育受託サービスである「NISSO HR Development Service」を展開しています。このサービスは、お取引先から数多くお寄せいただいた、教育を担う講師人材の不足、繁忙のため実際の生産ラインや現場を使ったOJTができないことによる実技研修不足、未経験者向けの教育プログラムの不足などの課題に応えるため、全国に教育研修施設を有し、多くの研修カリキュラムを開発してきた実績を持つ当社グループが、社員研修を代行することで、課題解決をお手伝いできるサービスと位置づけており、そのニーズは順調に拡大しています。 (介護・福祉サービス) 介護・福祉業界においては、要介護者の更なる増加、介護従事者の慢性的な不足、介護サービスの質の低下などが社会課題となっています。 当社グループは、介護従事者の安定的な確保と定着率向上を図るために、介護従事者への階層別教育や採用者への導入教育を実施し、より働きやすい職場環境づくりを推進してまいります。 また、外国人材の活用を促進するなど、多様な人材の活用を推進することで、新たな介護従事者の確保を目指してまいります。 介護施設への入居者数の増加に向けては、WebやSNSの積極的な活用や内覧会を通じて、入居を検討されるご家族様との接触機会を増やすことで、お客様一人ひとりのニーズを把握した質の高い介護サービスが提供できる体制を構築してまいります。 (DX戦略) 当社グループが持続的に利益成長を続けていく上では、経営管理機能や事業運営基盤の強化に向けたDX化の推進が重要な経営課題であると認識しています。 当社グループは、デジタル基盤の構築に向けて、時と場所を選ばずアプリが利用できるIT基盤を提供し、グループ経営データの一元化・可視化・標準化・利活用などを推進してまいります。また、AIやVRなどを利用した業務の効率化や自動化を推進することで、販管費の抑制に努めてまいります。 (新たな価値共創(CSV)への取組) 当社グループは、お客様の抱える困りごとを解決すべく、制限を設けず、可能性のあるパートナーとの協業を積極的に進めています。 当社は、重要顧客内のシェアを拡大し、当社グループの強みである人材育成のノウハウを活用することで、中部東海エリアにおけるプレゼンスの確立を目指し、2025年4月17日開催の取締役会において、「Man to Manホールディングス株式会社」の子会社化を決議しています。また、同日開催の取締役会において、新たな領域となる警備業に強みを持つ「オールジヤパンガード株式会社」の子会社化を決議しています。これら2社のみなし取得日は2025年6月30日を予定しており、2026年3月期第2四半期より、当社グループの業績に寄与していくことを想定しています。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における我が国の経済は、雇用や所得環境の改善、各種施策の効果もあって緩やかにデフレ脱却の動きがみられました。一方、先行きとしては、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクの高まりに加え、物価上昇の継続が国内経済を下押しするリスクに変化しつつあります。 当連結会計年度期間の業績は、次のとおりであります。a.財政状態 当連結会計年度末の資産合計は31,276百万円となり、前連結会計年度末に比べ77百万円減少いたしました。 当連結会計年度末の負債合計は14,481百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,539百万円減少いたしました。 当連結会計年度末の純資産合計は16,795百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,462百万円増加いたしました。 b.経営成績 当連結会計年度の経営成績は、売上高101,560百万円(前期比4.9%増)、営業利益3,555百万円(前期比16.3%増)、経常利益3,563百万円(前期比16.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,935百万円(前期比0.8%減)となりました。 売上高は、グループの主力である総合人材サービスの請求単価の上昇、加えて高収益であるエンジニア系人材サービスの在籍人数が増加したことから、前期比で増収となり、売上総利益率も17.2%と前期比で0.7ポイント改善しました。また、販管費は従業員募集費と自社サイトのプロモーションに伴う投資を強化したことやM&Aに係る取得関連費用の計上により増加しましたが、増収がコストの増加を上回ったことにより、営業利益は前期比で増益となりました。この結果、営業利益率は3.5%と前期比で0.3ポイント改善しました。 なお、当社が保有する投資有価証券の非上場株式1銘柄(APB株式会社)について、実質価額が著しく下落したことにより、投資有価証券評価損を特別損失にて計上いたしました。これにより、親会社株主に帰属する当期純利益が前期比で微減益となりました。 当連結会計年度におけるサービス別の取組は、次のとおりであります。(総合人材サービス) 当連結会計年度における総合人材サービスの売上高は98,474百万円(前期比5.0%増)となり、売上総利益は17,114百万円(前期比9.1%増)となりました。製造生産系人材サービス 製造生産系人材サービスは、主に製造派遣、製造請負に区分されます。 当連結会計年度における当サービスの売上高は78,445百万円(前期比2.1%増)となりました。 当サービスの期末在籍者数は、特にオートモーティブでのメーカー毎の生産量と人材ニーズの濃淡がより強まったことによる在籍の減少と、マッチングの課題(就業エリア・職種等)により人材配置が進まなかったことも影響し、14,218名(前期比575名減)となりました。一方、職場環境の改善を継続したことから、1か月あたりの離職率は3.8%(前期比0.1ポイント改善)となりました。また、製造スタッフの請求単価の上昇により1人当たりの月平均売上高が446千円(前期比13千円増)となりました。この結果、当サービスの売上高は前期比で増収となり、売上総利益率は17.7%(前期比0.8ポイント改善)となりました。エンジニア系人材サービス エンジニア系人材サービスは、製造領域及びIT関連のエンジニア派遣、SES(System Engineering Service)に区分されます。 当連結会計年度における当サービスの売上高は11,631百万円(前期比28.1%増)となりました。 当サービスの期末在籍者数は、注力する半導体メーカーの人員ニーズが堅調だったこともあり、2,054名(前期比510名増)と前期比で増加しました。また、独自のカリキュラムによる研修を配属前に実施することによって、1か月当たりの離職率は1.9%(前期比0.1ポイント改善)と低い水準で抑えることができました。更に、半導体関連の顧客における生産活動が堅調だったこともあり、エンジニア系社員1人当たりの月平均売上高は525千円(前期比20千円増)となりました。この結果、当サービスの売上高は前期比で増収となり、売上総利益率は20.6%(前年同水準)と製造生産系人材サービスと比較して高い水準になりました。事務系人材サービス 事務系人材サービスは、一般事務派遣、BPO(Business Process Outsourcing)に区分されます。 当連結会計年度における当サービスの売上高は2,232百万円(前期比3.3%増)となりました。当サービスにおいては、広報・集客活動を中心に採用活動を進めましたが、登録者数を確保するまでにはいたらず、事務系の期末派遣人数は550名(前期比12名減)となりました。その他の人材サービス その他の人材サービスは、高年齢者社員の人材派遣、障がい者による軽作業請負などに区分されます。 当連結会計年度における当サービスの売上高は6,165百万円(前期比8.0%増)となりました。 高年齢者が活躍できる職場モデルの構築に向けて、高年齢者の活躍を支援し、継続して働くことができる雇用機会の開拓と確保、仕組みの構築に取り組んでいます。当連結会計年度におけるプライム社員(高年齢者社員)数は707名となりました。 障がい者が活躍できる職場モデルの構築に向けて、単に自社で障がい者を雇用するのではなく、一般の企業から軽作業の受託を行うなど、一人ひとりの特性を活かした自立型の活躍を推進しながら、学校関係者や支援機関そして行政をはじめとした地域社会との共生を図っています。当連結会計年度における障がい者社員数は237名となりました。(介護・福祉サービス) 介護・福祉サービスは、施設介護、在宅介護に区分されます。 当連結会計年度の当サービスの売上高は3,086百万円(前期比1.3%増)、売上総利益は326百万円(前期比1.6%減)となりました。 当サービスの中核である施設介護においては、地域に根ざした心ある介護を通して社会に貢献することを目指し、集客活動を行った結果、当連結会計年度の介護施設の入居者数は381名(前期同水準)となりました。また、施設における入居率は94.8%(前期同水準)と引き続き高水準で推移しました。一方、介護施設における光熱費などの原価の増加により、当サービスの売上総利益は前期比で微減となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは1,681百万円の収入となりました。 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは2,076百万円の支出となりました。 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは1,060百万円の支出となりました。 この結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物の残高は、期首残高に比べ1,454百万円減少し、8,186百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益3,240百万円等の収入で、法人税等の支払額1,497百万円等の支出を吸収して、1,681百万円の収入(前連結会計年度は3,230百万円の収入)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出1,468百万円、有形固定資産の取得による支出453百万円等により、2,076百万円の支出(前連結会計年度は1,289百万円の支出)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出534百万円、配当金の支払額671百万円等により、1,060百万円の支出(前連結会計年度は2,100百万円の支出)となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループは、総合人材サービス、介護・福祉サービスを提供しており、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 b.受注実績 上記「a.生産実績」と同様の理由により、記載を省略しております。 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。サービスの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前期比(%) 総合人材サービス(百万円)98,4745.0 介護・福祉サービス(百万円)3,0861.3合計(百万円)101,5604.9(注)総販売実績に対する割合が10%を超える販売先はありません。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容a.財政状態(資産合計) 当連結会計年度末における流動資産は20,408百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,490百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が1,454百万円減少したことによるものであります。 当連結会計年度末における固定資産は10,867百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,412百万円増加いたしました。これは主に、ツナググループ・ホールディングス株式の取得等により投資有価証券が1,075百万円増加したことによるものであります。 この結果、総資産は31,276百万円となり、前連結会計年度末に比べ77百万円減少いたしました。(負債合計) 当連結会計年度末における流動負債は12,233百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,126百万円減少いたしました。これは主に、未払費用が379百万円、未払消費税等が160百万円減少したことによるものであります。 当連結会計年度末における固定負債は2,247百万円となり、前連結会計年度末に比べ412百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金が512百万円減少したことによるものであります。 この結果、負債合計は14,481百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,539百万円減少いたしました。(純資産合計) 当連結会計年度末における純資産合計は16,795百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,462百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益1,935百万円の計上と剰余金の配当671百万円によるものであります。 この結果、自己資本比率は52.8%(前連結会計年度は48.0%)となりました。 b.経営成績(売上高) 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ4,702百万円増の101,560百万円となりました。 当社グループの中核である総合人材サービスにおいて、請求単価の上昇が奏功し、前連結会計年度と比較して増収となりました。(売上総利益) 当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ1,426百万円増の17,441百万円となりました。 高収益であるエンジニア系人材サービスの在籍人数が増加したことにより、前連結会計年度と比較して増益となりました。(販売費及び一般管理費) 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ929百万円増の13,886百万円となりました。また、販管比率は、前連結会計年度に比べ0.3ポイント悪化し13.7%となりました。 当社グループの中核である総合人材サービスにおいて、募集コストが高騰したことが主な要因であります。(営業利益) 当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ497百万円増の3,555百万円となりました。また、営業利益率は、前連結会計年度に比べ0.3ポイント改善し3.5%となりました。 増収がコストの増加を吸収し、前連結会計年度と比較して増益となりました。(親会社株主に帰属する当期純利益) 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ16百万円減の1,935百万円となりました。 当社が保有していた投資有価証券の非上場銘柄であるAPB株式会社の特別損失を計上したことにより、前連結会計年度と比較して減益となりました。 c.当社グループの成長に向けた取組について(インダストリー戦略) 当社グループは、日本をリードするオートモーティブ(自動車製造・EV関連製造業界)・セミコンダクター(半導体製造業界)・エレクトロニクス(電子機器製造業界)を中心としたインダストリー毎の人材ニーズに応えることで製造生産系人材サービスとエンジニア系人材サービスの拡大を目指しています。 当連結会計年度のインダストリー戦略領域の売上高は65,996百万円(前期比5.3%増)となり、連結売上高の65.0%を占めています。 オートモーティブにおいては、人材ニーズのメーカーや地域ごとの強い濃淡が発生していたものの、単価交渉による単価の上昇の結果、当連結会計年度の売上高は41,304百万円(前期比2.0%増)となりました。 セミコンダクターにおいては、当社グループが注力しているメーカーにおいて生産活動が堅調だったこともあり、当連結会計年度の売上高は13,460百万円(前期比8.7%増)となりました。 エレクトロニクスにおいては、製品の受注先に応じて強弱があるものの、当社グループの注力メーカーの拡大もあり、当連結会計年度の売上高は11,231百万円(前期比14.4%増)となりました。(人材育成戦略) 当社グループは、産業毎に必要とされる人材ニーズに応えるため、新たな教育研修施設の開設や産官学連携をさらに推進してまいります。 当連結会計年度の教育実施者数は延べ22,662名となりました。 エンジニア系人材への教育においては、ものづくりを支える装置技術エンジニアを中心とした人材ニーズに応えるため、研修機会の拡大に取り組むことで教育実施者数は延べ1,852名(前期比482名増)となりました。 製造生産系人材への教育においては、半導体製造装置などの実機を実装した教育研修施設を開設し、お客様のニーズに沿って開発した独自の教育プログラムを用いた研修を配属前の社員に対して実施することで教育実施者数は延べ14,804名となりました。 総合人材サービスのその他の人材への教育においては、コンプライアンス定期教育、キャリア支援研修、資格(レベルアップ)研修等を実施し、教育実施者数は延べ3,124名となりました。 介護・福祉サービスを提供する人材への教育においては、新たに採用された介護スタッフへの教育が施設介護のサービス品質向上に向けて重要であると認識し、OJTのみならず定期的なOff-JTが実施できる体制を構築することで、教育実施者数は延べ2,882名となりました。 また、当社グループは、教育受託サービスである「NISSO HR Development Service」を展開しています。このサービスは、お取引先から数多くお寄せいただいた、教育を担う講師人材の不足、繁忙のため実際の生産ラインや現場を使ったOJTができないことによる実技研修不足、未経験者向けの教育プログラムの不足などの課題に応えるため、全国に教育研修施設を有し、多くの研修カリキュラムを開発してきた実績を持つ当社グループが、社員研修を代行することで、課題解決をお手伝いできるサービスと位置づけています。当連結会計年度においては、外部社員研修(受託)の延べ実施人数は534名となりました。 d.経営環境等の認識及び分析・検討内容と今後の見通し 日本国内においては、Society5.0やIndustry5.0の進展、AIの進化、少子高齢化に伴う労働人口の減少など、当社グループを取り巻く経営環境はかつてない速さで変化を続けています。一方、米国の関税措置による影響など変動要素が多く、先行きは不透明な状況にあります。 このように見通しにくい経営環境ではありますが、2026年3月期の通期連結業績は、前期と比較して増収増益を見込んでいます。 当社グループの注力業界であるオートモーティブインダストリー(自動車製造及びEV関連製造業界)では、米国関税の影響は考えられるものの生産台数に大きな変動はないと想定しています。セミコンダクターインダストリー(半導体製造業界)の当社グループ注力メーカーについては、堅調に推移することを見込んでいます。あわせて、2026年、2027年の半導体、バッテリー新工場稼働に向けた人材ニーズを見込み、育成関連への投資を継続してまいります。なお、エレクトロニクスインダストリー(電子機器製造業界)における電子部品需要は横ばいを想定しています。 また、他サービスと比較して利益率の高いエンジニア系人材サービスのエンジニア系社員の人数は、2,700名を目標とし、処遇改善に伴う単価交渉も継続してまいります。 更に、当社グループは、お客様の抱える困りごとを解決すべく、制限を設けず、可能性のあるパートナーとの協業を積極的に進めています。当社は、重要顧客内のシェアを拡大し、当社グループの強みである人材育成のノウハウを活用することで、中部東海エリアにおけるプレゼンスの確立を目指し、2025年4月17日開催の取締役会において、「Man to Manホールディングス株式会社」の子会社化を決議しています。また、同日開催の取締役会において、新たな領域となる警備業に強みを持つ「オールジヤパンガード株式会社」の子会社化を決議しています。これら2社のみなし取得日は2025年6月30日を予定しており、2026年3月期第2四半期より、当社グループの業績に寄与していくことを想定しています。 利益面については、グループ会社間における業務シェアリングや採用の効率化などを促進することで、販管費を抑制し、営業利益の拡大を目指してまいります。 以上により、2026年3月期の通期連結業績につきましては、売上高115,000百万円(前期比13.2%増)、営業利益4,000百万円(前期比12.5%増)、経常利益4,000百万円(前期比12.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,500百万円(前期比29.1%増)を見込んでいます。 e.経営成績に重要な影響を与える要因について 当社グループの経営に影響を与える特に重要なリスクとしては、法的規制、組織再編等があります。 そのほか、経営成績に重要な影響を与える可能性のある要因については、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フロー 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 b.資本の財源及び資金の流動性(資金需要) 当社グループの事業活動における運転資金需要は、主として給与等の人件費及び人材確保のための社員募集費であります。設備資金需要としては、研修施設に加え、社内基幹システム、製造スタッフ管理システム及び採用サイト等の無形固定資産投資等であります。また、成長のための投資需要としては、M&Aによる企業買収や資本提携等であります。(財務政策) 当社グループの事業活動に必要となる運転資金については、営業活動によるキャッシュ・フローに加え、金融機関とのコミットメントライン契約の締結により、安定的な資金を確保しております。また、成長のための設備資金及び投資資金に対しては、金融機関からの借入による資金調達を有効に活用することにより、手許資金の確保を図っております。 また、金融機関からの借入による資金調達の実施にあたっては、調達時期、金利動向、借入条件について最も有利な手段を選択すべく慎重に検討することで資金調達コストを低減しております。 この結果、当連結会計年度末の有利子負債は536百万円減少し、1,532百万円(前連結会計年度末は2,068百万円)となりました。 ③ 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。 その作成には、経営者による会計方針の選択、適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。