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丸八倉庫(9313)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

倉庫・運輸関連業 運輸・物流

事業の概要

丸八倉庫グループは、主に物流事業と不動産事業を展開しています。物流事業では、貨物の保管・荷役作業を行う倉庫業務と、貨物運送を行う運送業務が中心です。運送業務は子会社が東北地方を拠点に行い、倉庫業務の一部も子会社に委託しています。不動産事業では、不動産の売買、仲介、賃貸、管理、コンサルティングを行っており、こちらも子会社が同様の業務を担っています。つまり、倉庫と運送でモノの流れを支え、不動産で土地や建物の有効活用を進めることで収益を上げています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

丸八倉庫グループの事業セグメントは、「物流事業」と「不動産事業」の2つです。物流事業は、貨物の保管や荷役作業を行う倉庫業務と、貨物運送を行う運送業務で構成されており、グループの売上高の約86%を占める主要な稼ぎ頭です。不動産事業は、不動産の造成、売買、仲介、賃貸、管理、コンサルティングを行っています。売上高では物流事業が圧倒的に大きいですが、営業利益率で見ると不動産事業も高い収益性を有しています。事業の地域構成については、運送業務が東北地区を拠点としているものの、倉庫や賃貸不動産は首都圏に集中していると記載されており、国内事業が中心と考えられます。

2025-11 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Logistics 事業 43 7 16.4%
RealEstate 事業 7 3 49.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|404 文字
3 【事業の内容】当社グループは、連結財務諸表提出会社(以下「当社」という。)と連結子会社2社(東北丸八運輸㈱、丸八クリエイト㈱)で構成されております。当社グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、物流事業・不動産事業はセグメント情報における報告セグメントの区分と同一であります。(1) 物流事業倉庫業務……貨物保管・荷役作業・貸倉庫業務を行っており、保管・荷役業務の一部は東北丸八運輸㈱に依頼しております。運送業務……東北丸八運輸㈱は貨物自動車運送事業法に基づき営業している運送会社で、東北地区を拠点としております。又当社の保管貨物の一部の配送を請負っております。(2) 不動産事業不動産業務……不動産の造成・売買・仲介・賃貸及び管理、コンサルテーションを行っております。丸八クリエイト㈱においても同様の業務を行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
景気変動や取引先の物流合理化、他業態からの物流業への参画により業績や利益面に影響が及ぶ可能性があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
貨物自動車運送事業法に基づき営業している運送会社であること。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 維持投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:事業環境の変化 / 自然災害 / 事業用資産の時価変動リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

丸八倉庫は特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPを保有しているという明確な証拠はない。事業は倉庫・運輸というコモディティ性の高いサービスが中心である。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

既存顧客との長年の取引関係や、特定のニーズに合わせたカスタマイズされたサービス提供により、一定のスイッチング・コストは存在する可能性がある。しかし、競合他社への乗り換えが極めて困難であるほどの強固なものではない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

倉庫・運輸業は、プラットフォーム型ビジネスのようなネットワーク効果が働く構造ではない。ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるメカニズムは存在しない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

立地や設備投資による固定費の差は存在するが、構造的に圧倒的なコスト優位を築いている証拠は乏しい。規模の経済による効率化の可能性はあるが、競合との明確な差は現時点では不明瞭。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

首都圏を中心に複数の大規模倉庫を運営しており、一定の規模の経済を享受していると考えられる。特に、特定の地域や貨物種別においては、業界内で一定のシェアと影響力を持つ可能性がある。

丸八倉庫グループの優位性としては、長年の事業運営による物流および不動産分野での実績とノウハウが挙げられます。特に、首都圏に集中する倉庫や賃貸不動産物件は、立地的な強みとなり得ます。また、倉庫業務と運送業務をグループ内で連携させることで、顧客に対して一貫した物流サービスを提供できる可能性があります。品質マネジメントシステムの国際規格ISO9001:2015の認証やプライバシーマークの取得は、顧客からの信頼獲得に寄与し、事業継続の安定性につながると考えられます。計画的な設備維持・管理も、安定的なサービス提供の基盤となっています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年2月25日)現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針ならびに経営戦略について当社は、事業環境の変化や新規設備投資計画の前倒し実行により先行投資コストの発生等に伴い、当社の経営基盤の面で変化が生じたことから2022年1月に2026年11月期を最終年度とする5ヶ年の新中期経営計画を策定し、企業価値の向上並びに株主共同の利益確保・向上に向けて、安定的かつ持続的成長を果たすため様々な施策を実行してまいりました。当社グループは、これまで時代の変化やお客さまのニーズの変化に適応しながら、物流サービスを展開してまいりました。特に、永年蓄積してきた3PLのノウハウを駆使して個々のお客さまのニーズにお応えするビジネスモデルは当社の強みとなっております。また、お客さまの物品を単に保管するのみならず、お客さまの物流に関する課題解決に向けて、『物流コンシェルジュ』的な役割を担い、ソリューション提案を引き続き実行してまいります。当社の経営理念「お客さまに完全な業務を提供する」「社業の発展を通じて市民生活の向上に貢献する」「人間尊重の経営に徹する」を引き続き貫きつつも、時代とともに変化するニーズにお応えすることでお客さまに選ばれる物流カンパニーを目指してまいります。 (2) 内外経済の変化等をふまえた経営環境について わが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果に支えられて景気は緩やかな回復傾向にて推移しました。しかしながら、物価上昇の継続による個人消費に及ぼす影響のほか、米国の通商政策動向の影響等から内外経済の下振れリスクも懸念される状況にあります。このような経済情勢にあって、物流業界におきましては保管残高数量・金額ともに概ね前年同月を上回る水準にて推移する傾向がみられつつあるものの、人手不足等に加えて諸物価高騰等により全般的にコストが上昇しているほか、競争の激化等もあり、厳しい状況が続いております。また、不動産賃貸業界におきましては、一部に賃料水準の上昇傾向がみられるものの景気動向等の影響に伴い、今後の需給動向等に留意を要する必要があります。このような状況の下、当社グループは、内外の環境変化に的確に対応しながら、さらなる成長を果たしていくために新中期経営計画(2022-2026)の具体的各施策を展開しております。 (3) 優先的に対処すべき課題、基本方針及びその進捗状況について当社グループは、安定的かつ持続的な成長を実現することにより、企業価値の向上ならびに株主共同の利益の確保・向上を目指すため、以下の基本方針を掲げております。① 営業力・営業基盤の強化「外部情報ネットワークの活用」「個々の営業マンの能力向上に向けた人材育成」「物流管理システムの開発」「3PLノウハウの改善」等を通じて営業力・営業基盤の強化を目指してまいります。② 事業基盤の拡大・強化物流事業セグメントでは新規倉庫の建設により保管能力の増強が実現されつつあります。また、不動産事業セグメントにおいても新規資産の取得により、当社事業基盤の拡大・強化を目指してまいります。③ ガバナンスの強化「強固な財務基盤の維持」を前提としながら、「資本政策」「コンプライアンス体制」等の強化を目指してまいります。④株主還元施策企業価値の向上ならびに株主共同の利益の確保・向上を目指しつつ、株主還元の強化施策を進めてまいります。基本方針に関する具体的な進捗状況は以下の通りです。① 営業力・営業基盤の強化物流事業セグメントにおいて、当社の強みを活かしながら営業展開に努めてきたことにより、新規顧客の開拓が着実に進んでおり、営業基盤が強化されつつあります。この結果、各営業所の稼働率は高水準にて推移しております。不動産事業セグメントにおいては、賃貸マンション・賃貸オフィスビル等が安定的に稼働しており、営業基盤の維持・強化が図られております。また、人事施策面では研修制度の多様化・充実化や継続雇用制度の拡充により、営業力維持が図られております。② 事業基盤の拡大・強化物流事業セグメントにおいては、埼玉県所沢市の新規倉庫ならびに千葉県八街市の新規文書保管センターが本格的に稼働開始となり、保管能力の増強が実現されつつあります。いずれも将来の物流事業の収益基盤拡大に資する設備計画となります。③ ガバナンスの強化利益確保ならびに資本政策の推進等により、財務基盤は向上しております。また、内部監査の定期実施等により、ガバナンス体制の強化が図られております。④株主還元施策株主還元の強化施策として剰余金の期末配当金を1株につき4円増額の1株につき24円とし、2026年2月26日開催予定の定時株主総会で決議して実施する予定であります。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等新中期経営計画(2022―2026)における具体的な業績目標に関する進捗状況は以下のとおりです。 2022年11月期実績[初年度]2023年11月期実績[2年目]2024年11月期実績[3年目]2025年11月期実績[4年目]2026年11月期計画[最終年目]売上高(百万円)4,7634,9724,9914,9315,500営業利益(百万円)572574619497920経常利益(百万円)577585634480900EBITDA(償却前利益)(百万円)1,1191,1551,1911,0721,400自己資本比率57.7%60.5%64.3%62.7%55.0%ROE3.4%3.8%7.8%2.5%5.5% 主要な財務指標のほか、次の非財務項目についても重要な指標として位置付けており、いずれも的確に対応を進めております。① 各営業所の稼働率向上② 各営業所の適切な修繕実施による収益力の安定化③ 資金調達の際の借入金利の固定化による金利上昇リスク抑制今後、2022年に策定した新中期経営計画(2022―2026)の具体的施策を着実に推進することにより、最終年度目標の達成に向けて努めてまいります。 (5) 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について当社は、資本コストや資本収益性の重要性を認識しており、新中期経営計画(2022-2026)において企業価値の向上により主要指標の改善を目指していく方針としております。具体的な主要財務目標として売上高、営業利益、経常利益、EBITDA(償却前営業利益)、自己資本比率、ROEといった項目を設定しております。各主要指標はこれまで改善傾向にて推移してはいるものの、当社のPBR、ROE等の現状水準については引き続きさらなる向上を図っていく必要があるものと認識しております。資本市場から求められている資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた施策としまして、引き続き新中期経営計画(2022―2026)にて掲げた各施策を着実に遂行することとし、物流事業セグメント、不動産事業セグメントの収益拡大により企業価値向上を目指してまいります。このほか株主還元策として配当水準の見直しを進めており配当性向目標値30%を掲げております。今後とも資本市場からの評価改善を目指し、資本コストを上回る資本収益性の実現に取り組んでまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年2月25日)現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針ならびに経営戦略について当社は、事業環境の変化や新規設備投資計画の前倒し実行により先行投資コストの発生等に伴い、当社の経営基盤の面で変化が生じたことから2022年1月に2026年11月期を最終年度とする5ヶ年の新中期経営計画を策定し、企業価値の向上並びに株主共同の利益確保・向上に向けて、安定的かつ持続的成長を果たすため様々な施策を実行してまいりました。当社グループは、これまで時代の変化やお客さまのニーズの変化に適応しながら、物流サービスを展開してまいりました。特に、永年蓄積してきた3PLのノウハウを駆使して個々のお客さまのニーズにお応えするビジネスモデルは当社の強みとなっております。また、お客さまの物品を単に保管するのみならず、お客さまの物流に関する課題解決に向けて、『物流コンシェルジュ』的な役割を担い、ソリューション提案を引き続き実行してまいります。当社の経営理念「お客さまに完全な業務を提供する」「社業の発展を通じて市民生活の向上に貢献する」「人間尊重の経営に徹する」を引き続き貫きつつも、時代とともに変化するニーズにお応えすることでお客さまに選ばれる物流カンパニーを目指してまいります。 (2) 内外経済の変化等をふまえた経営環境について わが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果に支えられて景気は緩やかな回復傾向にて推移しました。しかしながら、物価上昇の継続による個人消費に及ぼす影響のほか、米国の通商政策動向の影響等から内外経済の下振れリスクも懸念される状況にあります。このような経済情勢にあって、物流業界におきましては保管残高数量・金額ともに概ね前年同月を上回る水準にて推移する傾向がみられつつあるものの、人手不足等に加えて諸物価高騰等により全般的にコストが上昇しているほか、競争の激化等もあり、厳しい状況が続いております。また、不動産賃貸業界におきましては、一部に賃料水準の上昇傾向がみられるものの景気動向等の影響に伴い、今後の需給動向等に留意を要する必要があります。このような状況の下、当社グループは、内外の環境変化に的確に対応しながら、さらなる成長を果たしていくために新中期経営計画(2022-2026)の具体的各施策を展開しております。 (3) 優先的に対処すべき課題、基本方針及びその進捗状況について当社グループは、安定的かつ持続的な成長を実現することにより、企業価値の向上ならびに株主共同の利益の確保・向上を目指すため、以下の基本方針を掲げております。① 営業力・営業基盤の強化「外部情報ネットワークの活用」「個々の営業マンの能力向上に向けた人材育成」「物流管理システムの開発」「3PLノウハウの改善」等を通じて営業力・営業基盤の強化を目指してまいります。② 事業基盤の拡大・強化物流事業セグメントでは新規倉庫の建設により保管能力の増強が実現されつつあります。また、不動産事業セグメントにおいても新規資産の取得により、当社事業基盤の拡大・強化を目指してまいります。③ ガバナンスの強化「強固な財務基盤の維持」を前提としながら、「資本政策」「コンプライアンス体制」等の強化を目指してまいります。④株主還元施策企業価値の向上ならびに株主共同の利益の確保・向上を目指しつつ、株主還元の強化施策を進めてまいります。基本方針に関する具体的な進捗状況は以下の通りです。① 営業力・営業基盤の強化物流事業セグメントにおいて、当社の強みを活かしながら営業展開に努めてきたことにより、新規顧客の開拓が着実に進んでおり、営業基盤が強化されつつあります。この結果、各営業所の稼働率は高水準にて推移しております。不動産事業セグメントにおいては、賃貸マンション・賃貸オフィスビル等が安定的に稼働しており、営業基盤の維持・強化が図られております。また、人事施策面では研修制度の多様化・充実化や継続雇用制度の拡充により、営業力維持が図られております。② 事業基盤の拡大・強化物流事業セグメントにおいては、埼玉県所沢市の新規倉庫ならびに千葉県八街市の新規文書保管センターが本格的に稼働開始となり、保管能力の増強が実現されつつあります。いずれも将来の物流事業の収益基盤拡大に資する設備計画となります。③ ガバナンスの強化利益確保ならびに資本政策の推進等により、財務基盤は向上しております。また、内部監査の定期実施等により、ガバナンス体制の強化が図られております。④株主還元施策株主還元の強化施策として剰余金の期末配当金を1株につき4円増額の1株につき24円とし、2026年2月26日開催予定の定時株主総会で決議して実施する予定であります。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等新中期経営計画(2022―2026)における具体的な業績目標に関する進捗状況は以下のとおりです。 2022年11月期実績[初年度]2023年11月期実績[2年目]2024年11月期実績[3年目]2025年11月期実績[4年目]2026年11月期計画[最終年目]売上高(百万円)4,7634,9724,9914,9315,500営業利益(百万円)572574619497920経常利益(百万円)577585634480900EBITDA(償却前利益)(百万円)1,1191,1551,1911,0721,400自己資本比率57.7%60.5%64.3%62.7%55.0%ROE3.4%3.8%7.8%2.5%5.5% 主要な財務指標のほか、次の非財務項目についても重要な指標として位置付けており、いずれも的確に対応を進めております。① 各営業所の稼働率向上② 各営業所の適切な修繕実施による収益力の安定化③ 資金調達の際の借入金利の固定化による金利上昇リスク抑制今後、2022年に策定した新中期経営計画(2022―2026)の具体的施策を着実に推進することにより、最終年度目標の達成に向けて努めてまいります。 (5) 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について当社は、資本コストや資本収益性の重要性を認識しており、新中期経営計画(2022-2026)において企業価値の向上により主要指標の改善を目指していく方針としております。具体的な主要財務目標として売上高、営業利益、経常利益、EBITDA(償却前営業利益)、自己資本比率、ROEといった項目を設定しております。各主要指標はこれまで改善傾向にて推移してはいるものの、当社のPBR、ROE等の現状水準については引き続きさらなる向上を図っていく必要があるものと認識しております。資本市場から求められている資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた施策としまして、引き続き新中期経営計画(2022―2026)にて掲げた各施策を着実に遂行することとし、物流事業セグメント、不動産事業セグメントの収益拡大により企業価値向上を目指してまいります。このほか株主還元策として配当水準の見直しを進めており配当性向目標値30%を掲げております。今後とも資本市場からの評価改善を目指し、資本コストを上回る資本収益性の実現に取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年2月25日)現在において判断したものであります。 1.経営成績等の状況の概要 (1) 経営成績に関する分析当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果に支えられて景気は緩やかな回復傾向にて推移しました。しかしながら、物価上昇の継続による個人消費に及ぼす影響のほか、米国の通商政策動向の影響等から内外経済の下振れリスクも懸念される状況にあります。このような経済情勢にあって、物流業界におきましては保管残高数量・金額ともに概ね前年同月を上回る水準にて推移する傾向がみられつつあるものの、人手不足等に加えて諸物価高騰等により全般的にコストが上昇しているほか、競争の激化等もあり、厳しい状況が続いております。また、不動産賃貸業界におきましては、一部に賃料水準の上昇傾向がみられるものの景気動向等の影響に伴い、今後の需給動向等に留意を要する必要があります。このような状況の下、当社グループは、内外の環境変化に的確に対応しながら、さらなる成長を果たしていくために新中期経営計画(2022-2026)の具体的各施策を展開してまいりました。物流事業における具体的施策としては、既存倉庫の稼働率は安定的かつ高い水準にて推移しており、各種経費の削減にも取り組んできたほか、保管料や荷役料の料金適正化を進めており、営業収益の確保に努めてまいりました。また、きめ細かなサービスを提供しながら、既存顧客との取引拡大や新規顧客の獲得に努めてまいりました。このほか、埼玉県所沢市の新規倉庫ならびに千葉県八街市の新規文書保管センターも順調に稼働しており、将来の収益力増強に向けて事業基盤の増強も図られつつあります。不動産事業における具体的施策としては、賃貸マンションや賃貸オフィスビル等が安定的に稼働しており、不動産賃貸料収益の増加に努めてまいりました。また、2025年に取得した東京23区内の賃貸マンション2棟も安定稼働しており、今後の収益力強化を図ってまいりました。この結果、売上高は不動産事業収入が増加したものの、物流事業収入の減少により前期比60百万円(1.2%)減の4,931百万円となりました。また、営業利益は新規設備投資に伴う初期コストの発生等により前期比122百万円(19.7%)減の497百万円となり、経常利益は新規設備投資に係る資金調達コスト増加により前期比153百万円(24.2%)減の480百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に有形固定資産売却益を計上していましたが、当期は前期比590百万円(65.5%)減の311百万円となりました。なお、新中期経営計画の主要指標であるEBITDA(償却前利益)は前期比119百万円(10.1%)減の1,072百万円となりました。 セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。 (物流事業)物流事業では、保管料収入や運送料収入等が減少したことにより売上高は前期比61百万円減の4,260百万円となり、セグメント利益は各種コスト削減効果によりほぼ前期並みの698百万円となりました。(不動産事業)不動産事業では、賃貸用不動産の新規取得に伴い売上高は前期比1百万円増の670百万円となり、セグメント利益は初期コスト発生等により前期比8百万円減の331百万円となりました。 (2) 財政状態及びキャッシュ・フローに関する分析① 資産、負債及び純資産の状況当連結会計年度末における総資産は、賃貸用不動産取得に伴い有形固定資産が増加したこと等により、前期末比1,614百万円増加の20,446百万円となりました。負債は、長期借入金の増加等により前期末比917百万円増加の7,604百万円となり、純資産は前期末比697百万円増加の12,842百万円となりました。この結果、当連結会計年度末における自己資本比率は62.7%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローの増加、投資活動によるキャッシュ・フローの減少ならびに財務活動によるキャッシュ・フローの増加に伴い、現金及び現金同等物の期末残高は前期末比1,468百万円減少の727百万円となりました。(ⅰ) 営業活動によるキャッシュ・フロー税金等調整前当期純利益488百万円や減価償却費574百万円等の資金留保等により、営業活動によるキャッシュ・フローは345百万円の増加(前期比504百万円減)となりました。(ⅱ) 投資活動によるキャッシュ・フロー有形固定資産の取得による支出2,864百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは2,845百万円の減少(前期比3,995百万円減)となりました。(ⅲ) 財務活動によるキャッシュ・フロー 長期借入金による収入等により、財務活動によるキャッシュ・フローは1,032百万円の増加(前期比1,899百万円増)となりました。 (3) 生産、受注及び販売の実績当社グループの主たる事業は、物流事業及び不動産事業であり、役務の提供を主体とする事業の性格上、生産、受注及び販売の実績を区分として把握することは困難であります。これに代えて、セグメント毎の営業収益を示すと次のとおりであります。セグメントの名称前連結会計年度(自 2023年12月1日至 2024年11月30日)当連結会計年度(自 2024年12月1日至 2025年11月30日)前年比増減額(百万円)売上高(百万円)構成比(%)売上高(百万円)構成比(%)物流事業4,32286.64,26086.4△61不動産事業66913.467013.61計4,991100.04,931100.0△60 2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年2月25日)現在において判断したものであります。(1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容① 当連結会計年度の分析当連結会計年度の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に関する分析につきましては、「第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]1.経営成績等の状況の概要(2)財政状態及びキャッシュ・フローに関する分析」に記載のとおりです。当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2[事業の状況]3[事業等のリスク]」に記載したとおりです。当社グループは、5ヶ年の新中期経営計画(2022-2026)を策定し、さらなる成長に向けて具体的施策を推進してまいりました。新中期経営計画の4年目となる当連結会計年度は、設備投資の効果が浸透してきたことをはじめとして、主要指標の1つであるEBITDA(償却前利益)は11億円程度の水準を確保し、営業キャッシュ・フローは安定推移しております。② 次期見通しについて今後の経済動向につきましては、各種政策の効果等により景気は緩やかに回復傾向が続くことが期待されるものの、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクのほか、物価上昇や金融資本市場の変動の影響等に留意を要する状況が続くものと思われます。このような状況の下、当社グループは、新中期経営計画(2022-2026)の施策を着実に遂行しながら事業環境の大幅な変化に的確に対応しながら、物流事業セグメントならびに不動産事業セグメントにおける収益基盤の増強を図りつつ、企業価値の向上に努めてまいります。次期の業務環境として、物流事業では各種料金の適正化の効果が浸透してくるほか、不動産事業では新規賃貸マンションによる収入増加が通期寄与してくることが見込まれます。また、不動産取得コストは次期には発生しないことや修繕コストも減少が見込まれており、売上、利益ともに安定的に増加させていく計画としております。これらの結果、次期業績予想につきまして、売上高は前期比168百万円増の5,100百万円、営業利益は同152百万円増の650百万円、経常利益は同169百万円増の650百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は440百万円としております。なお、新中期経営計画の主要指標であるEBITDA(償却前利益)は前期比156百万円増の1,228百万円としております。 ③ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは2026年11月期を最終年度とする5か年の新中期経営計画を策定し、客観的な指標として、最終年度の売上高、営業利益、経常利益、EBITDA(償却前利益)、自己資本比率、ROEの目標を定めたうえで各施策を実行してまいりました。新中期経営計画の進捗状況としましては、当初の3年間では順調に利益を伸長させてきたほか3年目となった2024年11月期には一部保有資産の売却等もあり、ROEは最終年度目標を上回る結果となりました。なお、4年目の2025年11月期には将来の収益基盤増強に向けて、新規設備投資を前倒しにて実行することとしたほか、既存設備の大規模修繕に着手したことにより初期投資コストや修繕費用が発生することとなりました。従いまして、収益基盤の変化に伴い、最終年度計画を修正することとしました。経営基盤や収益基盤の変化に伴い、2027年11月以降の経営計画については改めて策定する予定としております。 連結業績計画 2022年11月期実績[初年度]2023年11月期実績[2年目]2024年11月期実績[3年目]2025年11月期実績[4年目]2026年11月期当初計画[最終年度]2026年11月期修正計画[最終年度]売上高(百万円)4,7634,9724,9914,9315,5005,100営業利益(百万円)572574619497920650経常利益(百万円)577585634480900650EBITDA(償却前利益)(百万円)1,1191,1551,1911,0721,4001,288自己資本比率57.7%60.5%64.3%62.7%55.0%64.0%ROE3.4%3.8%7.8%2.5%5.5%3.4% (2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報① 資本の財源及び資金の流動性当社グループの設備資金及び運転資金は、営業キャッシュ・フロー及び金融機関からの借入により調達しております。なお、キャッシュ・フローにつきましては、「第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]1.経営成績等の状況の概要(2)財政状態及びキャッシュ・フローに関する分析」に記載したとおりです。また、資金の調達に際しては、設備投資計画等に基づく資金需要、金利動向等を考慮し調達しており、一部の借入については将来の金利上昇リスクを回避し支払利息の固定化を図り調達コストの低減に努めております。② セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容物流事業では、保管料収入や運送料収入等減少したことにより売上高は前期比61百万円減の4,260百万円となり、セグメント利益は各種コスト削減効果によりほぼ前期並みの698百万円となりました。セグメント資産は、減価償却進捗に伴い前期比203百万円減の9,571百万円となりました。不動産事業では、賃貸用不動産の新規取得に伴い売上高は前期比1百万円増の670百万円となり、セグメント利益は新たに取得した賃貸マンションの初期コスト発生等により前期比8百万円減の331百万円となりました。セグメント資産は、賃貸マンション取得により前期末比2,416百万円増の7,300百万円となりました。 (3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等][注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載したとおりです。この連結財務諸表の作成にあたって、将来キャッシュ・フローや繰延税金資産等に見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は様々な要因により実際の結果と異なる可能性があります。(繰延税金資産)繰延税金資産については、将来の課税所得を中期経営計画や現時点で入手可能な情報により見積り、回収可能性があるものと判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。今後、経済環境等の変化により業績が低迷した場合、この見積りの仮定に変更が生じ、繰延税金資産の取崩しが必要となり、税金費用が計上される可能性があります。(固定資産の減損)当社グループは、有形固定資産及び無形固定資産について減損の兆候の有無の判定を行い、減損の兆候がある資産又は資産グループについて、主として市場価格に基づき回収可能価額を算定し、減損損失の認識・測定を行っているため、経済環境等の変化により、市場価格が変動し回収可能価額が低下した場合には減損損失の計上が必要になる可能性があり、当社グループの経営成績・財政状況に影響を与える可能性があります。

事業リスク

丸八倉庫グループは、景気変動や取引先の物流合理化、他業態からの参入、2024年問題によるドライバーの時間外労働規制強化など、事業環境の変化が物流事業の業績に影響を与えるリスクがあります。また、不動産市況や賃貸市場の需給バランスの変動は不動産事業に影響を及ぼす可能性があります。さらに、首都圏に集中する資産が地震等の大規模自然災害に見舞われた場合、経営に大きな影響が生じるリスクがあります。事業用資産の時価下落やキャッシュフロー不足による減損処理、金利変動による新規借入コストの増加、保有株式の価値下落、退職給付債務の運用結果による追加積立の必要性、人材不足、顧客情報漏洩もリスクとして認識されています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,600 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年2月25日)現在において、当社グループが判断したものであります。(1) 事業環境の変化当社グループの主たる事業は、倉庫・運送事業を主体とした物流事業ならびに不動産の賃貸等を中心とした不動産事業であります。計画的な設備の維持・管理を行い、お客様に満足をいただけるサービスを提供することにより安定的な収益の確保に努めております。しかしながら、景気の変動や取引先の物流合理化ならびに他業態からの物流業への参画等により、物流事業の業績や利益面に影響が及ぶ可能性があります。また、不動産市況や賃貸不動産市場の需給バランスの変動等により、不動産事業の業績や利益面に影響が及ぶ可能性があります。加えて、物流・運送業界において2024年以降、トラックドライバーの時間外労働時間の上限規制が厳格化されることに伴い、倉庫事業に対しても荷役作業時間の短縮が要請されていくといった可能性が高まっております。これらの影響により物流事業における業績や利益面に影響が及ぶ可能性があります。(2) 自然災害当社グループの倉庫ならびに賃貸不動産は首都圏に集中しており、万一これらの地域で地震等の大規模災害が発生した場合には当社の経営に相当の影響が生じる事態が予想されます。このため各物件についての老朽化対策、防災対策等きめ細かい管理を行い逐次補強を行っております。(3) 事業用資産(土地、建物等)の時価変動リスク当社グループでは、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づいて、事業用資産(土地・建物等)の時価が下落した場合や当該資産からの十分なキャッシュ・フローが見込めなくなった場合には将来キャッシュ・フローを的確に判断したうえで減損処理を行う可能性があり、当社グループの経営成績や財政状態に影響が及ぶ可能性があります。(4) 金利変動リスク当社グループでは設備資金等を借入金により調達しており、金利については原則として固定化する方針としております。従って、今後の金利変動が生じた場合でも既存の借入金の支払利息に影響は及ばないものの、将来の新規借入金に関するコストについて影響が及ぶ可能性があります。(5) 株式価値の変動リスク当社グループにおいて、保有しております上場株式の時価及び非上場の株式の価値の下落が生じた場合には、当社グループの業績や財政状態に影響が及ぶ可能性があります。(6) 退職給付に係る負債の変動リスク退職給付債務を確定給付企業年金として運用機関に委託しております。期初に想定した期末予想残高に運用結果が達しない場合、不足相当額を新たに積み立てる必要が生じ、当社グループの経営成績や財政状態に影響が及ぶ可能性があります。(7) 経営資源の制約に関するリスク当社グループでは各事業、特に物流事業における必要人材を確保するため、当社社員のほか外部人材派遣や協力会社との連携等により対応しております。しかしながら、今後、人材不足の問題が表面化した場合、事業運営に影響が及ぶ可能性があります。(8) 顧客等の情報管理当社グループでは、物流事業を運営する上で、個人情報をはじめとする顧客情報の適切な管理体制の構築に向けて、一般財団法人日本情報経済社会推進協会からプライバシーマークの交付を受けているほか、品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001:2015の認証を受けております。しかしながら、万一情報の外部漏洩等の問題が発生した場合には当社グループの社会的信用の低下や業績面に影響が及ぶ可能性があります。

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