9310

日本トランスシティ(9310)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

倉庫・運輸関連業 運輸・物流

事業の概要

日本トランスシティグループは、倉庫、港湾運送、陸上運送、国際複合輸送を柱とする総合物流事業を展開しています。具体的には、物品の保管、船の積み下ろし、トラックや鉄道での輸送、海外への一貫輸送などを手掛けています。その他、不動産賃貸やゴルフ場経営なども行っています。主な収益源は、保管料、荷役料、運送料、通関料など、物流サービス全般から得ています。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

日本トランスシティグループの事業は主に「総合物流サービス」で構成されています。このセグメントは、倉庫での物品保管、港湾での船積み・陸揚げ、陸上でのトラック・鉄道輸送、そして海外への一貫輸送(国際複合輸送)など、多岐にわたる物流サービスを提供しています。最新年度の売上高は1227.1億円、営業利益は72.6億円と、この総合物流サービスがグループの主要な収益源となっています。その他、不動産賃貸やゴルフ場経営なども手掛けていますが、売上・利益の大半は物流事業が占めています。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
IntegratedLogisticsServices 事業 1,227 73 5.9%
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FY2026|2,264 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社、子会社45社および関連会社15社で構成され、総合物流事業として倉庫業、港湾運送業、陸上運送業、国際複合輸送業、その他を営む他、その他の事業として不動産業、ゴルフ場経営、自動車整備業等を営んでおります。当社グループの事業に係わる位置付けおよびセグメントとの関連は、次のとおりであります。 (1)総合物流事業(倉庫業) 当事業は、当社の主体業務であり、寄託を受けた物品を倉庫に保管し、その対価として保管料を収受しております。当社は、倉庫業法に基づく倉庫営業の許可を受け(一部施設においては、関税法に基づく保税蔵置場の許可を受けております。)、保管貨物の受渡しおよび担保金融に便益を提供するための倉荷証券発行の許可も受けております。倉庫保管業務に関連して寄託貨物の入出庫、配送および軽易な加工業務を行い、その対価として荷役料、配送料および附帯・物流加工料を収受しております。[関係会社]㈱トランスシティサービス、関西トランスシティサービス㈱、四日市物流サービス㈱、中部トランスシティサービス㈱、鹿島トランスシティサービス㈱、トランスシティロジスティクス中部㈱、トランスシティロジワークス三重㈱、水島トランスシティサービス㈱、ジェイトランス㈱、STコネクトロジスティクス㈱、極東冷蔵㈱、四港サイロ㈱、南大阪埠頭㈱、霞北埠頭流通センター㈱、中部コールセンター㈱、四日市港国際物流センター㈱、高橋梱包運輸㈱、東海団地倉庫㈱、タカスエトランスポート㈱ (港湾運送業) 港湾運送事業とは、港湾において海上輸送と陸上輸送を接続させるもので、国土交通省の許可を必要とする貨物の船積みおよび陸揚げ作業および荷捌きを行う事業とこれに付随する事業を行っております。 当社および当社関係会社は、四日市港において港湾運送事業法に規定する一般港湾運送事業、船内荷役事業、はしけ運送事業、沿岸荷役事業を営み、名古屋港では沿岸荷役事業、鹿島港、水島港、横浜港では一般港湾運送事業(限定)、大阪港では沿岸荷役事業を営んでおります。また、名古屋、横浜、大阪、神戸、門司、東京、函館の各税関から通関業の許可を受けております。当事業の主な収入は、船内荷役料、沿岸荷役料、上屋保管料、通関料等から構成されます。[関係会社]四日市海運㈱、朝日海運㈱、四日市ポートサービス㈱、㈱東西荷扱所、ジェイトランス㈱、愛三商船㈱、ワイケイ物流サービス㈱、四日市コンテナターミナル㈱、四日市梱包㈱、四日市タグサービス㈱、四日市港埠頭㈱ (陸上運送業) 貨物自動車運送事業法、貨物利用運送事業法に基づき、三重県、愛知県、岐阜県、滋賀県、大阪府、兵庫県、岡山県、福岡県、茨城県および首都圏において、貨物自動車運送業および貨物利用運送事業を行っております。また、鉄道を利用した利用運送事業を関西線四日市駅、東海道本線名古屋貨物ターミナル駅、大阪貨物ターミナル駅、水島臨海鉄道東水島駅および鹿島臨海鉄道神栖駅において行っております。[関係会社]四倉運輸㈱、九州シティフレイト㈱、鹿島シティフレイト㈱、中部シティフレイト㈱、大阪シティフレイト㈱、関東シティフレイト㈱、ジェイトランス㈱、TSトランスポート㈱、亀山トランスポート㈱、伊勢運輸㈱ (国際複合輸送業) 輸出入貨物を荷送人の指定場所から荷受人の指定場所まで、一貫した運送責任を持ったスルーB/Lを発行し最適な輸送手段を用いて運送を行う国際複合輸送業、国際間の航空貨物の運送に関する諸業務を行う航空貨物運送代理店業を行っております。[関係会社]Trancy Logistics America Corporation、Trancy Logistics(Thailand)Co.,Ltd.、Trancy Distribution(Thailand)Co.,Ltd.、PT.Naditama-Trancy Logistics Indonesia、Trancy Logistics(H.K.)Ltd.、Trancy Logistics Philippines,Inc.、Trancy Logistics(Europe)GmbH、Trancy Logistics Mexico S.A.de C.V.、Trancy Logistics(Shanghai)Co.,Ltd.、Trancy Logistics(Malaysia)Sdn.Bhd.、Trancy Logistics(Vietnam)Co.,Ltd.、Trancy Distribution(Vietnam)Co.,Ltd.Trancy Logistics(Cambodia)Co.,Ltd.、ジェイトランス㈱ (その他) 取引先工場内の作業の請負などを行っております。[関係会社] ジェイトランス㈱、Local Design Mie㈱、四日市ケミカルステーション㈱ (2)その他 不動産業、建設業、損害保険代理店業、自動車整備業、ゴルフ場、情報システムの企画・開発・保守および運用管理業務、水素供給事業を営んでおります。[関係会社]ヨンソー開発㈱、三鈴カントリー㈱、セントラル自動車整備㈱、トランスシティコンピュータサービス㈱、霞北埠頭流通センター㈱、㈱四日市ミート・センター、多度開発㈱、みえ水素ステーション(同)  事業の内容と当社および子会社、関連会社の当該事業における位置づけならびにセグメントの関連など事業系統図を示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
荷主からの物流合理化要請や同業他社間の競争激化により収支が悪化する可能性。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
倉庫業法に基づく倉庫営業の許可、関税法に基づく保税蔵置場の許可、港湾運送事業法に基づく許可、貨物自動車運送事業法・貨物利用運送事業法に基づく許可、通関業の許可が必要。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:経営環境の変化によるリスク / 規制・法令違反リスク / 安全衛生に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

無形資産に関する明確な強みは確認できない。ブランド力や特許、規制ライセンス等による競争優位性は限定的と判断される。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

既存顧客との長期取引は存在する可能性が高いが、顧客が他社へ乗り換える際の直接的なコストや手間が極めて大きいとは言えない。一部の固定顧客基盤は存在するものの、スイッチング・コストによる強固な囲い込みは限定的。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果が競争優位性の源泉となっている兆候は見られない。サービスの利用者が増えることでサービスの価値が向上するようなビジネスモデルではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

港湾運送事業や倉庫業は設備投資が先行する側面がある。規模の経済によるコスト削減効果は一定程度期待できるが、他社と比較して構造的に圧倒的なコスト優位を築いているとは断定しにくい。燃料費や人件費の変動リスクも存在する。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

名古屋港を中心とした港湾インフラと倉庫網は、地域における一定の規模と効率性をもたらしている。港湾運送・倉庫業は設備集約型であり、一定規模以上の事業展開が効率性を高めるため、地域内での寡占的な地位は競争優位となりうる。

同社グループは、倉庫業法に基づく倉庫営業許可や関税法に基づく保税蔵置場の許可、倉荷証券発行許可など、物流事業に必要な多様な許認可を保有しており、これが事業参入障壁となっています。また、四日市港を中心に複数の港湾で港湾運送事業を展開し、全国的な陸上運送ネットワークと海外拠点による国際複合輸送網を構築しているため、幅広い物流ニーズに対応できる総合力が強みです。特定の業界や地域に依存せず、多岐にわたる貨物を取り扱うことで、景気変動の影響を分散する体制も有しています。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。  当社グループでは、グループの存在意義である企業理念として「地域とともに生き、広く社会の発展に貢献する」を掲げております。常に新しい領域への進出の可能性を求めるとともに、進出した地域の人々や社会と融和し、地域文化の発展に尽力しております。当社グループは、お客さまの物流部門の一翼を担う企業として、お客さまに喜んでいただけるサービスを提供し続け、事業を通じて地域の社会や経済の発展に貢献してまいります。  今後のわが国経済は、設備投資や個人消費などの下支えにより緩やかな回復が期待される一方、中東情勢などの地政学的リスクの影響等もあり、引き続き先行き不透明な状況が続く見通しです。 物流業界においては、荷動きの回復が見込まれるものの、労働力不足やコスト上昇といった構造的課題が依然として顕在しています。今後も社会インフラである物流サービスの安定供給を維持するため、事業環境の変化に対する迅速かつ柔軟な対応が求められる状況が続くものと思われます。 このような状況のもと、当社グループでは、2026年度を初年度とする中期経営計画において、スローガン『基礎を鍛え、価値を磨き、そして前へ』を掲げ、1.経営基盤の強化、2.業態のベストミックスの追求による利益率の向上、3.資本最適化とIRの統合的推進、4.サステナビリティ経営の推進に基づき、様々な施策を実施してまいります。 1.経営基盤の強化(1)拠点整備北海道石狩市における「共配センター」の安定稼働および三重県桑名郡木曽岬町における「危険品物流拠点」の整備を推進してまいります。また、注力事業への設備投資および中長期的な拠点整備を検討してまいります。(2)四日市港四日市港霞ヶ浦北埠頭におけるコンテナ専用耐震岸壁の供用開始に向けた集荷活動の強化ならびに港湾機能の最適化に取り組んでまいります。(3)海外国際事業部を中心に、将来性の高い海外市場での収益拡大ならびに国内拠点との連携強化による国際複合輸送の取扱い拡大に取り組んでまいります。(4)他企業との連携・提携戦略的な連携・提携の推進による、更なる事業拡大およびグループの競争力強化に取り組んでまいります。(5)人財成長戦略を支える人財の育成ならびに人財の役割および配置の適正化を図るなど、多様な人財が活躍できる環境・体制の構築に取り組んでまいります。(6)運営体制運営体制の強化による事業の拡大・再活性化ならびに営業力の強化およびトータルロジスティクスを推進する体制の構築に取り組んでまいります。また、持続可能な労務体制の再構築に取り組んでまいります。(7)コスト管理グループ全体の資産および購買を集中管理することで効果的な活用および原価低減を図るなど、利益率向上に取り組んでまいります。(8)システム・省人省力化BPR(Business Process Re-engineering)および省人・省力化を進めることで生産性の向上ならびに物流サービスの安定化を図るとともに、トータルロジスティクス実現に向けたシステマティックな物流を推進してまいります。また、サイバーセキュリティの向上に向けた体制強化に取り組んでまいります。(9)安全・品質労働災害撲滅および物流事故の削減により物流品質・生産性の向上を図ることで、ステークホルダーより信頼される物流サービスの提供に取り組んでまいります。 2.業態のベストミックスの追求による利益率の向上(1)業態軸倉庫業、港湾運送業、陸上運送業、国際複合輸送業の4業態の横断的な事業展開ならびに更なる相互補完により、収益性の最大化を図る戦略的な事業活動を実施してまいります。(2)貨物軸新たな軸となる特殊化学品・半導体関連貨物などの高付加価値貨物の取扱拡大ならびに港湾における新たなバルク貨物の創出に取り組んでまいります。 (3)地域軸既存の活動エリアにおける組織横断型の事業活動ならびに新たな活動エリアへの事業展開による事業拡大に取り組んでまいります。3.資本最適化とIRの統合的推進(1)株主政策株主還元として配当性向・DOEにもとづき安定した配当を実施するため、事業活動を通じた中長期的な成長による企業価値の向上に取り組んでまいります。(2)資金のフロー化資本効率を高めつつ最適資本構成を図るため、自己株式や政策保有株式への対応など、B/Sマネジメントに取り組んでまいります。(3)IR活動投資家などステークホルダーとの対話を強化し、情報開示の充実を図ることで相互理解を深め、企業価値向上に取り組んでまいります。 4.サステナビリティ経営の推進(1)環境(E)環境に配慮した事業活動を推進することで、GHG排出量の削減に取り組んでまいります。(2)社会(S)多様な人財が活躍できるよう人財育成を促進し、ダイバーシティを推進するとともに、健康経営に取り組んでまいります。また、事業活動等をとおして地域社会への貢献に取り組んでまいります。(3)ガバナンス(G)社会における責任ある企業として、ガバナンス体制の高度化を図り、コンプライアンスを遵守するとともに、BCP計画を実行し、社会インフラである物流サービスを持続的に提供してまいります。 [経営指標目標]項目指標新中計最終年度(2028年度)目標業績目標売上高1,400億円経常利益(経常利益率)110億円(7.0%以上の維持)投資目標350億円株主還元配当配当性向40%もしくはDOE2.0%のいずれか高い金額自己株取得30億円 業績・財務状況に応じ、機動的に実行
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。  当社グループでは、グループの存在意義である企業理念として「地域とともに生き、広く社会の発展に貢献する」を掲げております。常に新しい領域への進出の可能性を求めるとともに、進出した地域の人々や社会と融和し、地域文化の発展に尽力しております。当社グループは、お客さまの物流部門の一翼を担う企業として、お客さまに喜んでいただけるサービスを提供し続け、事業を通じて地域の社会や経済の発展に貢献してまいります。  今後のわが国経済は、設備投資や個人消費などの下支えにより緩やかな回復が期待される一方、中東情勢などの地政学的リスクの影響等もあり、引き続き先行き不透明な状況が続く見通しです。 物流業界においては、荷動きの回復が見込まれるものの、労働力不足やコスト上昇といった構造的課題が依然として顕在しています。今後も社会インフラである物流サービスの安定供給を維持するため、事業環境の変化に対する迅速かつ柔軟な対応が求められる状況が続くものと思われます。 このような状況のもと、当社グループでは、2026年度を初年度とする中期経営計画において、スローガン『基礎を鍛え、価値を磨き、そして前へ』を掲げ、1.経営基盤の強化、2.業態のベストミックスの追求による利益率の向上、3.資本最適化とIRの統合的推進、4.サステナビリティ経営の推進に基づき、様々な施策を実施してまいります。 1.経営基盤の強化(1)拠点整備北海道石狩市における「共配センター」の安定稼働および三重県桑名郡木曽岬町における「危険品物流拠点」の整備を推進してまいります。また、注力事業への設備投資および中長期的な拠点整備を検討してまいります。(2)四日市港四日市港霞ヶ浦北埠頭におけるコンテナ専用耐震岸壁の供用開始に向けた集荷活動の強化ならびに港湾機能の最適化に取り組んでまいります。(3)海外国際事業部を中心に、将来性の高い海外市場での収益拡大ならびに国内拠点との連携強化による国際複合輸送の取扱い拡大に取り組んでまいります。(4)他企業との連携・提携戦略的な連携・提携の推進による、更なる事業拡大およびグループの競争力強化に取り組んでまいります。(5)人財成長戦略を支える人財の育成ならびに人財の役割および配置の適正化を図るなど、多様な人財が活躍できる環境・体制の構築に取り組んでまいります。(6)運営体制運営体制の強化による事業の拡大・再活性化ならびに営業力の強化およびトータルロジスティクスを推進する体制の構築に取り組んでまいります。また、持続可能な労務体制の再構築に取り組んでまいります。(7)コスト管理グループ全体の資産および購買を集中管理することで効果的な活用および原価低減を図るなど、利益率向上に取り組んでまいります。(8)システム・省人省力化BPR(Business Process Re-engineering)および省人・省力化を進めることで生産性の向上ならびに物流サービスの安定化を図るとともに、トータルロジスティクス実現に向けたシステマティックな物流を推進してまいります。また、サイバーセキュリティの向上に向けた体制強化に取り組んでまいります。(9)安全・品質労働災害撲滅および物流事故の削減により物流品質・生産性の向上を図ることで、ステークホルダーより信頼される物流サービスの提供に取り組んでまいります。 2.業態のベストミックスの追求による利益率の向上(1)業態軸倉庫業、港湾運送業、陸上運送業、国際複合輸送業の4業態の横断的な事業展開ならびに更なる相互補完により、収益性の最大化を図る戦略的な事業活動を実施してまいります。(2)貨物軸新たな軸となる特殊化学品・半導体関連貨物などの高付加価値貨物の取扱拡大ならびに港湾における新たなバルク貨物の創出に取り組んでまいります。 (3)地域軸既存の活動エリアにおける組織横断型の事業活動ならびに新たな活動エリアへの事業展開による事業拡大に取り組んでまいります。3.資本最適化とIRの統合的推進(1)株主政策株主還元として配当性向・DOEにもとづき安定した配当を実施するため、事業活動を通じた中長期的な成長による企業価値の向上に取り組んでまいります。(2)資金のフロー化資本効率を高めつつ最適資本構成を図るため、自己株式や政策保有株式への対応など、B/Sマネジメントに取り組んでまいります。(3)IR活動投資家などステークホルダーとの対話を強化し、情報開示の充実を図ることで相互理解を深め、企業価値向上に取り組んでまいります。 4.サステナビリティ経営の推進(1)環境(E)環境に配慮した事業活動を推進することで、GHG排出量の削減に取り組んでまいります。(2)社会(S)多様な人財が活躍できるよう人財育成を促進し、ダイバーシティを推進するとともに、健康経営に取り組んでまいります。また、事業活動等をとおして地域社会への貢献に取り組んでまいります。(3)ガバナンス(G)社会における責任ある企業として、ガバナンス体制の高度化を図り、コンプライアンスを遵守するとともに、BCP計画を実行し、社会インフラである物流サービスを持続的に提供してまいります。 [経営指標目標]項目指標新中計最終年度(2028年度)目標業績目標売上高1,400億円経常利益(経常利益率)110億円(7.0%以上の維持)投資目標350億円株主還元配当配当性向40%もしくはDOE2.0%のいずれか高い金額自己株取得30億円 業績・財務状況に応じ、機動的に実行
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。(1)経営成績の状況当連結会計年度の決算の概要は次のとおりであります。 (単位:百万円) 前期当期前年同期比増減額増減率(%)売上高124,765125,5177520.6営業利益7,8058,5487439.5経常利益8,8069,4826757.7親会社株主に帰属する当期純利益6,0416,5955549.2(経済環境)当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や底堅い設備投資を背景に内需が景気を下支えし、全体としては緩やかな回復基調を維持しました。一方で、物価上昇の継続による個人消費の力強さを欠く動きに加え、エネルギー価格の動向、また米国の通商政策、更には中東情勢などの地政学的リスクの影響などもあり、先行き不透明な状況が続きました。 (事業環境)海外経済の減速や製造業における生産活動の停滞を受け、生産関連貨物の荷動きが低調に推移しました。一方、内需関連分野を中心とした物流需要は底堅く推移し、荷動きには持ち直しの動きが見られました。この結果、物流業界全般としては堅調な水準を維持しました。 (業績状況) 当社グループは中期経営計画に基づき、収益基盤の拡充によるトップライン向上、TRANCYグループ経営基盤の強化、ESG経営/サステナビリティの取組み推進を図ることで、業績の確保に努めてまいりました。 主な取組みは以下のとおりとなります。・新設したMPL事業部および国際事業部を中心とした、新たな組織体制による事業活動の展開。・関東エリアにおける自動車部品取扱専用センターの拡張および安定稼働による効率的運営の実施。・北海道石狩市における北海道営業所共配センターの建設および稼働準備の推進。・三重県桑名郡木曽岬町における危険品物流拠点の整備に向けた設計および建設準備の推進。・亀山低温危険品倉庫における機能拡充による、特殊化学品分野における物流サービスの拡充。・グローバル物流の最適化に向けた、フォワーディングシステムの順次展開による、業務の効率化および安定性 の向上の推進。・GHG排出量の削減に向けた、東松山営業所倉庫建屋への太陽光発電設備の設置、自家消費の運用開始。・多様な人財が活躍するための新たなキャリアパスに向けた人事制度および育成環境の整備。・社会貢献活動として、当社のグローバルな総合物流機能を活用したカンボジアにおける小児医療センターの開 設支援。・社会インフラである物流サービスの持続的・安定的な提供に向けた、BCP体制の継続的な整備。  こうした施策のもと、当連結会計年度における業績は以下のとおりとなりました。・売上高は、アメリカ現地法人における商流変更による減少や海上運賃の下落の影響はあるものの、新規センターの稼働、港湾貨物や陸上輸送の取扱量増加が寄与し、前年同期並み。・経常利益は、港湾貨物の取扱増加、効率的なオペレーションによる生産性向上、料金の適正化、受取配当金の増加などにより、前年同期比増益。・親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益の減少があったものの、前年同期比増益。 セグメント・主要部門ごとの経営成績は、次のとおりであります。 (単位:百万円) 売上高前年同期比前期当期増減額増減率 (%)総合物流事業倉庫業港湾運送業陸上運送業国際複合輸送業その他122,71051,89320,88219,78928,5111,633123,44254,17422,00420,01525,5221,7257322,2811,122225△2,989920.64.45.41.1△10.55.6その他の事業2,0552,075201.0合 計124,765125,5177520.6 セグメント・主要部門ごとの取扱等の状況は、次のとおりであります。 (総合物流事業)・倉庫業は、前年同期に比べ、期中平均保管残高は0.4%減少(54万3千トン)、貨物取扱数量は5.3%減少(846万9千トン)、保管貨物回転率64.7%と低下。・港湾運送業は、前年同期に比べ、四日市港における海上コンテナの取扱量は3.9%増加(21万3千本※20フィート換算)、完成自動車の取扱量は減少、石炭・オイルコークスの取扱量は増加。・陸上運送業は、前年同期に比べ、主力のトラック輸送の取扱量は1.0%増加(612万8千トン)、鉄道輸送の取扱量は6.3%増加(15万3千トン)、バルクコンテナ輸送の取扱量は4.0%減少(21万1千トン)。・国際複合輸送業は、前年同期に比べ、海上輸送の取扱量は5.7%増加(213万5千トン)、航空輸送の取扱量は9.8%増加(1,439トン)、海外現地法人における取扱量は減少。・その他は、前年同期に比べ、場内における附帯作業の取扱量が増加。 (その他の事業)・自動車整備業は、前年同期と比べ、車検取扱台数は1.1%増加。・ゴルフ場は、前年同期と比べ、入場者数は7.0%増加。・建設事業は、前年同期と比べ、完成工事件数は8.7%増加。 (2)財政状態の状況当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ93億1千万円増加し、1,747億2千2百万円となりました。流動資産は、現金及び預金の減少16億4千2百万円を主な要因として18億8千8百万円減少し、固定資産は、投資有価証券の増加等を主な要因として111億9千9百万円増加しました。負債は、長期借入金の減少を主な要因として10億9千4百万円減少し、687億4千3百万円となりました。また、純資産は前連結会計年度末に比べ104億4百万円増加し、1,059億7千8百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の55.1%から57.9%となりました。 (3)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益94億6千1百万円、減価償却費52億8千4百万円の資金留保等があったものの、有形及び無形固定資産の取得による支出50億6千5百万円等による減少により、前連結会計年度末に比べ26億5千5百万円減少し、当連結会計年度末には241億8千6百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において、営業活動の結果増加した資金は、92億9千4百万円(前年同期比58億4千2百万円の収入減)となりました。これは主に、法人税等の支払額27億8千1百万円などがあったものの、税金等調整前当期純利益94億6千1百万円、減価償却費52億8千4百万円の資金留保等による増加の結果であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において、投資活動の結果減少した資金は、61億7千万円(前年同期比30億5千6百万円の支出増)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出50億6千5百万円等による減少の結果であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において、財務活動の結果減少した資金は、60億3千2百万円(前年同期比13億9千7百万円の支出減)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出19億3千8百万円および配当金の支払額25億6千4百万円による減少の結果であります。 (4)生産、受注および販売の実績セグメント別営業概況① 総合物流事業 最近における倉庫保管貨物入出庫高ならびに期末保管残高を示せば次のとおりであります。期間入庫高出庫高期末保管残高屯数(屯)金額(百万円)屯数(屯)金額(百万円)屯数(屯)金額(百万円)2025年4月1日から2026年3月31日まで4,237,5171,177,0734,231,7871,173,481542,076194,422前年同期比増減(%)△3.80.4△5.5△0.11.14.2  保管貨物残高を品目別に示せば次のとおりであります。品目2026年3月31日現在屯数(屯)前年同期比増減(%)金額(百万円)前年同期比増減(%)農水産品34,35921.59,92672.8金属7,81765.04,162103.6金属製品・機械117,3086.149,3056.8窯業品1424.441355.6化学工業品209,1543.478,5894.9紙・パルプ9,279△9.13,518△8.5繊維工業品56198.9269100.7食料工業品29,5614.69,36914.9雑工業品59,337△9.327,203△6.7雑品74,558△1.811,363△30.5合計542,0763.0193,7503.9  港湾運送業の最近の貨物取扱高を示せば次のとおりであります。期間船内荷役(屯)前年同期比増減(%)沿岸荷役(内 輸出貨物)(屯)前年同期比増減(%)2025年4月1日から2026年3月31日まで12,667,5841.04,552,181(1,087,953)2.1(5.8)  貨物自動車運送業および鉄道利用運送業の最近の貨物取扱高を示せば次のとおりであります。期間貨物自動車運送業(屯)前年同期比増減(%)鉄道利用運送業(屯)前年同期比増減(%)2025年4月1日から2026年3月31日まで6,128,6711.0153,0336.3 ② その他の事業 保険代理店の契約実績を示せば次のとおりであります。期間契約件数(件)前年同期比増減(%)契約保険金額(千円)前年同期比増減(%)2025年4月1日から2026年3月31日まで3,4920.5523,0432.9  ゴルフ場の入場者数を示せば次のとおりであります。期間メンバー(人)前年同期比増減(%)ビジター(人)前年同期比増減(%)2025年4月1日から2026年3月31日まで5,828△8.131,37210.3  自動車整備台数を示せば次のとおりであります。期間車検台数(件)前年同期比増減(%)2025年4月1日から2026年3月31日まで1,3261.1 ③ 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示せば次のとおりであります。セグメントの名称売上高(百万円)前年同期比増減(%)総合物流事業倉庫業54,1744.4港湾運送業22,0045.4陸上運送業20,0151.1国際複合輸送業25,522△10.5その他1,7255.6その他の事業2,0751.0合計125,5170.6(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度売上高(百万円)割合(%)売上高(百万円)割合(%)住友電装株式会社14,31611.515,98312.7 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。(1)今期の経営成績の分析 (営業収益) 当期の事業全体およびセグメント別の分析につきましては、「経営成績等の状況の概要(1)経営成績の状況」に記載のとおりです。  (売上原価) 売上高が増加したことなどから、1,097億4千1百万円(前年同期比0.1%増)となりました。  (販売費及び一般管理費) WEB会議システム等のIT技術の利用促進など、継続的な業務改善により、一般管理費の増加抑制により費用が減少したことなどから、72億2千7百万円(前年同期比0.6%減)となりました。  (営業利益) 継続してコスト管理の徹底や、業務の効率化、収支改善、働き方改革へ取り組んだことなどから、85億4千8百万円(前年同期比9.5%増)となりました。  (経常利益) 港湾貨物の取扱増加、効率的なオペレーションによる生産性向上、料金の適正化、受取配当金の増加などにより、94億8千2百万円(前年同期比7.7%増)となりました。  (親会社株主に帰属する当期純利益) 投資有価証券売却益の減少があったものの、上記の要因に伴い、65億9千5百万円(前年同期比9.2%増)となりました。  上記のとおり、当期の当社グループの経営成績につきましては、営業収益は2期連続の増収、営業利益、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は2期連続の増益となりました。 (2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報 当社グループの資金調達は、安定的な資金調達と調達コストの抑制を両立させ、自己資本比率や資産構成ならびに営業キャッシュ・フローの各種指標に配慮して、財務リスクを最小化することを基本方針としております。この基本方針に則り、資金調達の手段はその時々の市場環境を考慮したうえで、当社グループにとって最善の手段を選択しております。 当社は長年にわたり、主要な取引先金融機関と良好な関係を維持しており、経常的な資金調達の他、当座貸越契約により、緊急時の流動性を確保しております。さらに、多様な調達手段を確保するため、直接金融による資金調達も見据え、格付投資情報センターの格付けを取得、維持しており、現時点において、Aマイナス(安定的)となっております。 当連結会計年度においては、事業用資産の新規投資や維持更新には、主に営業活動で獲得した資金を充当いたしました。 この他、流動性マネジメントの一環として、キャッシュ・マネジメント・システムを国内で導入し、グループ内の企業相互間の余剰資金を当社が集中管理することで資金の効率化を推進しております。また、海外においては、各拠点の資金需要に対応するため、当社を起点にしたグループ内金融により必要な資金を供給する一方、余剰資金を当社へ還流させる体制を構築しております。 (参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)54.155.953.355.157.9時価ベースの自己資本比率(%)30.028.626.733.643.6キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)4.22.55.82.53.9インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)62.2104.650.275.844.1自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い(注)1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。3 キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている借入金等を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。  当連結会計年度末の有利子負債残高は360億3千7百万円となりました。借入金の計画返済を進めておりますが、前連結会計年度末に比べて借入金が19億3千8百万円減少したこと等により、有利子負債残高は19億1千万円の減少となっております。 (3)重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定 当社においては、従業員の退職給付に備えるため、確定給付型の退職給付制度を設けておりますが、将来の退職給付見込額は、割引率や予想される昇給及び従業員の退職率、死亡率など、さまざまな変動要因を加味して見積られております。これらのうち、昇給及び退職率や死亡率は経済情勢による大きな変動は予想されませんが、割引率については、退職給付の支払見込期間を反映した国債の利回りに基づき決定しておりますので、外部の経済環境により大きく変動する要素だと考えております。 割引率の変動による感応度は次のとおりです。 当連結会計年度末における退職給付債務への影響額割引率が1.0%上昇した場合665百万円の減少割引率が1.0%下降した場合799百万円の増加

事業リスク

主なリスクとして、国内外の景気変動による物流需要の減少が挙げられます。景気低迷時には、保管貨物や取扱量の減少、輸送量の停滞により収益が悪化する可能性があります。また、各種法令違反が発生した場合、営業停止や社会的信用の失墜、損害賠償の発生により経営に大きな影響を及ぼすリスクがあります。さらに、地震や火災、伝染病の流行といった大規模災害により物流施設が被災し、稼働が困難になった場合、特に中部・関東・関西地区に施設が集中しているため、経営成績に多大な影響が出る可能性があります。加えて、売掛債権の回収困難や、特定顧客専用物流センターの契約不更新による減損損失発生のリスクも存在します。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,797 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状況、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識しているリスクは、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営環境の変化によるリスク 当社グループでは、倉庫業、港湾運送業、陸上運送業、国際複合輸送業、その他の5つの事業を中心とした総合物流事業を主たる事業としていることから、国内外景気の動向には、少なからず影響を受けることとなります。国内外の景気が低迷する場面においては、顧客企業による在庫調整や一般消費の落ち込みが発生することから、倉庫業では、保管貨物および取扱量が減少いたします。港湾運送業では、輸出入の落ち込みに伴い、コンテナ貨物や原料貨物等の取扱量が減少いたします。陸上運送業、国際複合輸送業においては、荷動きの停滞や輸出入の低迷に伴い全般的に貨物輸送量が減少いたします。また、荷主からの物流合理化要請や同業他社間の競争の激化により収支が悪化することが予想されるなど、当社グループの経営成績および財務状況等に大きな影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、当社の取扱貨物は非常に多岐に及んでいることから、特定の業界や特定の国、地域において景況の落ち込みが発生した場合において、その影響が限定的に留まったケースも過去にはございます。 (2)規制・法令違反リスク 当社グループでは、「企業理念」、「行動指針」および「行動規範」を定めた「日本トランスシティグループ企業倫理要綱」を役員および従業員に周知することで、法令・社会倫理の遵守を企業活動の基盤としております。また、行動規範では、「企業の事業活動に適用される日本および他の国の法令等を遵守し、また、企業活動に関わる国・地域の社会と共存していくために、その文化・慣習を尊重します。」と定めており、法令遵守の強化に努めております。しかしながら、コンプライアンス上のリスクを完全には把握できない可能性があり、当社の主たる事業である総合物流事業では、各種業法をはじめとして様々な法規制を受けていることから、法令違反等により営業停止などの処分が課せられれば、当社グループの社会的信用の失墜、企業イメージの低下ならびに発生した被害等への損害賠償の発生等が想定され、当社グループの経営成績や財務状況等に多大な影響を及ぼすこととなります。当社では、コンプライアンスを確実に実施することを支援・指導する組織として、コンプライアンス委員会を設置し、同委員会の下、コンプライアンス相談窓口の設置や社員への啓蒙活動など、コンプライアンス体制・施策等の充実を図っております。また、全国で5弁護士事務所と顧問契約を締結し法令違反リスクに対応しております。 (3)安全衛生に関するリスク 当社グループでは物流事業の遂行上で重大な労働災害が発生した場合、従業員への補償の発生はもちろんのこと、当社グループの社会的な信用を失墜することになるため、当社グループの経営成績や財務状況に多大な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、重大な労働災害の発生を未然に防止するため、オペレーション管理部内に安全品質グループを設置し、日常的な安全教育等の啓蒙活動を実施するほか、定期的なパトロールの実施や労働災害の原因究明、再発防止策の徹底、職場環境の改善を図っております。また、当社グループで伝染病の流行などにより従業員が罹患し、稼働等が困難となった場合は、経営成績、財政状態、キャッシュ・フローに影響を及ぼすことが想定されます。当社グループでは定期的に安全衛生委員会を開催するとともに従業員への安全衛生管理活動の推進および教育・啓発活動を実施し、衛生管理を徹底しております。 (4)大規模災害等リスク 当社グループでは、倉庫業、港湾運送業、陸上運送業、国際複合輸送業、その他の5つの事業を中心とした総合物流事業を主たる事業としており、倉庫等の物流施設のいずれかが地震や火災、伝染病の流行などの大規模災害により罹災し、稼働等が困難となった場合は、経営成績、財政状態、キャッシュ・フローに影響を及ぼすことが想定されます。特に、地震等の自然災害に対しては、当社グループの倉庫等の物流施設をはじめとする経営資源が中部地区、関東地区、関西地区に集中していることから、これらの地域において発生した場合には、会社経営に多大な影響が生じる事態が想定されます。当社グループにおいては、近い将来、東海地震、東南海地震、首都直下地震、中部圏・近畿圏直下地震等の大規模地震の発生が懸念されていることも鑑み、災害発生時初動マニュアルを定め、倉庫施設や建物の耐震化、非常用電源設備の導入、災害発生時の被害報告体制の強化、防災訓練を通じて社員の意識高揚や被害の軽減を図るとともに、物流施設のスクラップ・アンド・ビルドを計画的に実施しております。 (5)財務・会計リスク 当社グループの通常の取引においては、売掛債権への担保の設定や信用保証といった債権の保全はなされていないことから、万が一、顧客に対する多額の売掛債権の回収が困難となった場合には、経営成績、財政状態、キャッシュ・フローに多大な影響を及ぼすことが想定されます。当社グループにおきましては、債権の保全を図り、与信管理を強化するため、与信管理委員会を組織し、与信管理規程の定めに従い、取引先の信用情報に基づき与信ランク・与信額を設定・管理することで、不良債権の発生の防止に努めております。また、平素より売掛債権の回収サイトの短縮や立替金の早期回収に注力しており、営業債権が不良債権化しないよう管理を徹底しております。 なお、当社グループにおいては、多数の物流施設等を資産として保有しており、その中には特定の大口顧客専用の物流センターも存在します。当該物流センターの顧客との契約は有期契約となることもあり、万が一、契約更新がなされない場合には、収益の悪化に加え、固定資産の減損損失が発生するリスクがあります。このようなリスクに対しては、契約期間満了後の物流センターの汎用的な活用方法を含め検討してまいります。 (6)海外リスク 当社グループでは、中国、東南アジア、北中米、ヨーロッパにおいて海外拠点を有しております。物流事業をグローバルに展開していく上では、言語、地勢的要因、法・税制度を含む各種規制、自主規制期間を含む当局による監督、経済的・政治的不安、インフラ・通信環境や商慣習の違い等、様々な潜在的リスクが存在し、また、伝染病の流行、テロ行為、戦争・紛争の発生といった予測困難な事態の発生するリスクも存在します。これらのリスクに対しては、国際本部を中心にグループ内の情報収集を行い、顧問弁護士や外部コンサルタントの起用等を通じ、その予防、回避に努めておりますが、これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績や財務状況に多大な影響を及ぼす可能性があります。 (7)オペレーショナル・リスク 総合物流事業を主たる事業とする当社グループは、同時に得意先のサプライチェーンの一端を担う社会的に重要な役割を果たしております。当社グループにおける物流事業の遂行上で貨物事故、交通事故、労働災害事故などの重大な事故が発生する、あるいは、事故の発生が度重なるようなことがあれば、得意先への損害賠償の発生はもちろんのこと、当社グループの社会的な信用を失墜することになるため、当社グループの経営成績や財務状況に多大な影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは物流業務全般の品質に関するリスク(オペレーショナル・リスク)を把握、分析し、適切な品質管理体制、品質管理プロセスを保持するため、品質管理委員会を常設機関として設置し、物流品質の強化に努めております。 (8)情報リスク 当社グループでは、総合物流事業を遂行する上で必要な各種物流システムの構築・運用を行っております。また関係先企業とのデータ連携や管理系システムの運用等も企業活動上不可欠となっており、情報システムの安定的な運営は当社グループの企業活動の基盤となります。当社グループにおいて、自然災害の影響やコンピュータウイルス、外部からの侵入等により、各種システムが長時間にわたり使用出来ない事態が発生した場合、企業活動の継続に大きな支障が生じるおそれがあり、当社の経営成績や財務状況に多大な影響を及ぼす可能性があります。当社グループにおきましては、これらのリスクに対応するため、重要な情報資産に関してはセキュリティの確保と安全性を兼備した外部データセンターに設置し、運用しています。また情報セキュリティの維持・向上や安全性確保のため、複数段階でのウィルス対策、外部からの侵入対策を施している他、社内ネットワークの二重化や、重要データのバックアップなど、データ保全を行っております。さらに情報セキュリティ管理規程等、各種ルールを定めるとともに、情報セキュリティ委員会を設置し、当社グループ内の情報セキュリティ体制の維持・向上や社員教育等を実施しております。

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