経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、「人の可能性を引き出し、豊かな未来をともにつくる。」(Unlock human potential and co-shape a fulfilling future.)というミッションを掲げております。これは、私たちが世代を跨いで問い続ける根源的な約束であり、「人の持つ可能性を引き出せれば、未来はどれほど良くなるだろうか」という問いこそが、すべての活動の原点です。一人ひとりの可能性と豊かさがめぐる未来を皆様と共にかたちづくるため、当社グループは、個人の内発的動機が社会の経済合理性と統合される世界の構築に挑戦し続けております。 ① 経営方針の策定の背景と経緯 当社グループは、2023年3月の経営体制移行(サクセッション)からの3年間を「大改革期」と位置付け、持続的成長に向けた組織基盤の整備と収益力の強化に全力を注いでまいりました。この期間、単なる組織変革に留まらず、経営者自らが市場の最前線で「高付加価値事業の探索と作り込み」を自己実践・自己体現し、身体感覚を伴う確かな手応えを得ることに注力してまいりました。 こうした実践のプロセスを通じて、既存モデルの延長線上や過去の思考様式(慣れ)に安住し、自己変容を止めてしまうことは、急速に変化し続ける社会・市場の本質を捉え損ね、提供価値を陳腐化させる本質的な課題であると強く認識するに至りました。不確実かつ複雑な環境下で目に見えない「人の可能性」を引き出し、100年単位で続く価値を育むためには、既存の成功体験に依存しない動的なアプローチが不可欠だと捉えております。 この実践から紡ぎ出された確信を糧として、独自の経営パラダイム(世界をどう捉えるかという前提意思・思考のレンズ)である「内発的動機と営業利益の循環経営(以下、「循環経営」と言います。)」を本格的に実装するため、当連結会計年度終了後の2026年4月7日付で本方針を公表いたしました。 ② 経営環境の認識と「循環経営」の意義 日本社会は、人口構造及び働き方の両面において大きな転換点を迎えております。国立社会保障・人口問題研究所が2023年12月に公表した「日本の将来推計人口(令和5年推計)」によれば、生産年齢人口(15~64歳)は2020年の約7,400万人から2040年には約6,000万人へと、1,400万人以上減少する見通しです。一方、経済産業省が2022年9月に公表した「人材版伊藤レポート2.0」では、日本企業の人材育成費の売上高比率は0.1%未満にとどまり、米国の0.6%と比較して6分の1以下であることが指摘されるなど、人的資本投資の格差が顕著となっています。さらに、リクルートワークス研究所発行の「就職白書2023」によれば、大学生の6割以上が大企業よりも裁量や成長機会を重視する「自己成長志向」へと価値観を転換させております。 生成AI等のテクノロジー進化が機能的スキルを代替するなか、今後は「なぜやるのか」「誰としてやるのか」という問いに応える内発的動機こそが、他社が模倣できない持続的な競争優位の源泉となると確信しております。この自己変容を伴う「器の拡張」を組織の核心に据え、構造化することで、新たな価値を創造し続ける体制を確立いたします。 当社グループの「循環」は、内発的動機が生み出す「提供価値の純度の証」である営業利益をさらなる「人の可能性」へと再投資し、次なる高付加価値事業を連鎖的に創出する「スノーボール(複利成長)」の利益成長を志向するものです。利益成長の加速によって人への還元と投資の規模を最大化させ、ミッション実現に向けたダイナミズムを増幅させてまいります。 ③ ミッションの再定義について これまでのミッション(人の可能性を引き出し 才能を最適に配置することで 新産業を創出し続ける。)は、当社の主力事業である「Goodfind」の成長と深く結びつき、新産業領域への人的資本の移動において重要な役割を果たしてきたことで、当社グループの価値源泉及び組織・カルチャーの土台を創ってきました。しかし、社会構造が激変する中で、当社は「才能の最適配置」や「新産業の創出」の先にある「豊かな未来」こそが真の目的であるという確信に至りました。 これまでの社会や組織のあり方においては、人が役割や機能に最適化される一方で、個人の人間性の本質が組織から切り離され、個人の内発的動機と企業の経済合理性が分離しがちであったと捉えております。こうした状況下では、組織の熱量が中長期的な企業価値向上に直結しきれず、さらなる成長への構造的な課題となっておりました。また、AI等のテクノロジーの進化によって「何ができるか」の価値が相対化されるなか、今後は「なぜやるのか」「誰としてやるのか」という問いこそが真の価値を持つ時代へと変化しています。これまでのミッションでは、こうした時代の要請への応答が限定的となってしまうと認識し、当連結会計年度終了後の2026年4月7日付で「人の可能性を引き出し、豊かな未来をともにつくる。」というミッションへと再定義いたしました。(2)経営戦略等① 基本戦略:人の可能性を起点とした持続的な産業創造 当社グループは、現時点では目に見えにくいものの、将来的に社会を大きく変える力を秘めた「人の可能性」を事業の対象としております。 現在の労働市場には、伝統的な雇用慣行や情報の非対称性から生じる構造的な「歪み」が存在する一方で、テクノロジーの進化や価値観の変化に伴い、これまでにない新たな「機会」も生まれています。当社グループは、才能の最適配置や新産業創造を含めた、これら人の可能性にまつわる領域を成長の源泉と捉えております。 これらの領域は、複雑性や歪みの深さゆえに、現在はまだ市場として小さいものの、長期的には不可逆な拡大エネルギーが蓄積された有望な領域であると認識しております。当社グループのプラットフォームやサービスが介在することで構造的な課題を解消し、機会を最大化させることで、社会に必要とされる巨大な「産業」へと共に育て上げていくことを目指します。参入初期から高い付加価値を提供し続けることを前提とすることで、将来的に拡大する市場において確固たる存在感を築くことが、当社グループの成長戦略の核心であります。 ② 中期戦略:現在の重点領域と市場の歪みへのアプローチ 当社グループは、中期的な成長を牽引する柱として、創業以来の原点である「若手人材と新産業領域」への価値提供をさらに深化させてまいります。 現在の日本の労働市場は、伝統的な雇用慣行や情報の非対称性といった構造的な特性を有する一方で、産業構造の転換や価値観の多様化に伴い、これまでにない新たな挑戦の機会が次々と生まれる過渡期にあります。当社グループは、これらの市場環境を、個人の可能性を最大限に解放するための重要な「機会」であると捉えております。具体的には、新卒学生向け厳選就活プラットフォーム「Goodfind」や社会人向けキャリア支援サービス「G3」を通じ、意欲の高い人材がその才能を最も発揮できる新産業領域へと挑戦できる環境を整備してまいります。 ③ 実行規律:価値創造の純度を測る「財務規律」の実装 長期的な産業創造を確実なものとし、お客様に本質的な価値を届け続けるため、当社グループは各事業において以下の「財務規律」を課しております。これらの指標は、単なる利益の追求を目的とするものではなく、当社の介在による付加価値創造が科学的かつ適正に実行されているかを評価するための「計器」として機能させております。 ⅰ.独自の提供価値による高い市場シェアの確保 お客様の深層にあるニーズ(インサイト)を深く理解し、他にはない唯一無二の価値を提供することで、市場における確固たる支持を獲得し、持続的に価値提供を継続できるポジションの確立を目指します。 ⅱ.高い付加価値の証としての収益性の追求 オペレーションの磨き込みにより、高い水準の営業利益率を規律として課しております。当該基準に基づき、翌連結会計年度において、社会人向けキャリアサービスにおける「GoodfindCareer」の閉鎖や、メディア・SaaS分野における「メタノビ」のサービス終了、および「TeamUp」の一部サービスの停止といった、提供価値または収益性が規律に達しない領域からのリソース回収を機動的に実行いたしました。これにより生み出された利益を、より有望な領域へ集中投下する体制を構築しております。 ⅲ.一人当たり営業利益の最大化 過度な労働量や人海戦術に依存せず、知恵とシステムによって一人ひとりの生産性を高めます。働くメンバーが高い介在価値を発揮できる組織構造を実証することで、持続的な成長モデルを確立してまいります。 ③ 成長メカニズム:経営パラダイム「循環経営」と自社による実践 これら全ての戦略を支える土台が、独自の経営パラダイムである「循環経営」であります。一人ひとりの「らしさ」や「願い」に基づく内発的な動機をミッションやビジョンと重ね合わせ、不確実な環境下でも自律的に自己変容(学習変容)を続け、市場の本質的価値を創り出していく実行力を育んでまいります。 当社グループ自身がこの新ミッションの最初の「実践者」であり「体現者」であり続けることを大切にいたします。自社内での「循環経営」の徹底的な実践を通じて、人の可能性を最大限に引き出す組織のあり方を自ら証明し、そのプロセスで得られた知見や仕組みを新たな価値として社会へ還元・展開していくことで、ステークホルダーの皆様と共に豊かな未来を共創してまいります。(3)経営環境① 企業構造 本書提出日現在、当社グループは当社及び連結子会社1社(チームアップ株式会社)並びに持分法適用関連会社2社によって構成されております。また、「Goodfind」、「FactLogic」、「InternStreet」、「G3」及び「FastGrow」は当社が、「TeamUp」はチームアップ株式会社が運営しております。なお、報告セグメントは新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであります。 ② 対象市場の状況 当社グループは、新産業領域に関連する市場及び人材トランスフォーメーション(注)1に関連する市場において事業を行っております。 日本の労働市場においては、伝統的な雇用慣行や人事・組織制度により、経営人材としての可能性の早期発掘・開発が遅れる傾向にありました。当社グループは、20代・30代から経営人材を目指せるキャリア機会を創出することで、組織における人的価値を最大化させる「人材トランスフォーメーション」を推進しております。主要な対象市場は、人材紹介業、求人広告業及び人材コンサルティング業を中心とした採用関連市場、教育産業全体市場並びにHRTech市場であります。 新産業領域における採用関連市場においては、少子高齢化・人口減少が進む中、持続的な経済成長のために新産業領域の企業におけるイノベーションが不可欠であり、その担い手となる「挑戦意欲・成長志向を持つ人的資本」の価値は飛躍的に高まっております。特に、従来の資本集約型産業から知的集約型産業への構造転換に伴い、個人の就業観は「組織の属性やブランドによる長期安定」から、自らの「内発的動機に基づく自己実現と成長環境の享受」へと本質的な変化を遂げつつあると認識しております。このような価値観の変容は、まずは新産業領域への新卒・中途の人材流入という形で顕在化しており、この移動は一過性のものではなく、中長期的な拡大トレンドになると予測しております。 こうした企業の属性や規模、ブランド等に依存しない就業選択の広がりは、特定の産業内での流動化に留まるものではなく、社会全体で「人の可能性」が解放されていく構造的変化の端緒であると考えられます。長期的には、新旧の産業や企業の枠組みを超えて、あらゆる領域において個人と組織の可能性が最大化され、社会全体の生産性向上に寄与する市場環境へと発展していくものと認識しております。 (注)1.「人材トランスフォーメーション」とは、組織における人材の持つ価値を最大限引き出すために行う採用、配置、育成、文化浸透等の組織施策における変革と当社で定義しております。 ⅰ.人材関連ビジネス市場及び新卒採用関連市場の状況 人材関連ビジネス市場全体は、社会のデジタル化やオンライン化の定着により、地理的制約を越えた新たな就業機会の創出が進んでおります。特に地方居住の学生や求職者にとって、オンラインでの採用活動が一般的となったことは、就業機会の格差解消に寄与しており、変化への適応力が高い新産業領域の企業にとっては人材獲得機会の増加という好循環を生んでいます。 また、生成AIをはじめとするテクノロジーの急速な社会実装は、デジタル領域でサービスを提供するDX・SaaS関連企業(注)2にとって大きな事業機会となり、これら企業の求人ニーズを一段と押し上げております。一方で、機能的スキルの代替が進むなかで、企業側は単なるスキルマッチングではなく、自社のパーパスに共鳴する「高い内発的動機」を持つ人材を確保・育成することへ投資の重点を移しており、当社の提供する高付加価値なプラットフォームへのニーズは一層高まっております。 (注)2.「DX・SaaS関連企業」とは、テクノロジーや情報システム、AIやロボティクスの活用、メディア運営等のITを活用した課題解決を事業とする会社及びこれらの会社に対するサービス提供を行う会社と当社で定義しております。 ⅱ.スタートアップ・ベンチャー企業を取り巻く環境 日本政府が掲げる「新しい資本主義」や、2022年11月に策定された「スタートアップ育成5か年計画」、さらには日本経済団体連合会の「スタートアップ躍進ビジョン」など、国を挙げたスタートアップエコシステムの強化が継続しております。 新規IPO件数(東証マザーズ、グロース、JASDAQ、スタンダードの合計)は、2021年の109社をピークに、2022年81社、2023年86社、2024年76社、2025年65社と推移しております 。昨今の国際情勢やインフレに伴う金利引き上げ等の影響からIPO件数は減少傾向にあるものの、株式会社ユーザーベース運営のスタートアップ情報プラットフォーム「スピーダ」が公表した「2025 Japan Startup Finance」によれば、2025年の国内スタートアップ資金調達額は7,613億円と高い水準を維持しております。 市場全体としては、投資対象が「成長期待の高い優良企業」へ厳選される「選別期」に移行しており、収益性と提供価値の純度が厳しく問われる局面となっています 。このような環境下では、真に成長可能性の高い企業を見極め、意欲ある人材と繋ぐ当社独自の「目利き力」と「マッチング力」の優位性が、より鮮明になると考えております。 ③ 競合他社に対する競争優位性 当社グループの主要サービスである新卒学生向け厳選就活プラットフォーム「Goodfind」のビジネスモデルが競争優位性の源泉となります。当社は、以下の3つのケイパビリティへ注力することにより、競合他社に対する優位性を維持しております。 ⅰ.顧客の目利き力 ベンチャー企業を中心とした過去の取引実績から、新産業領域において構築された情報取得のネットワークにより、成長性の高い新産業領域の企業を厳選して開拓しております。 ⅱ.行動変容を生み出す力 社会人経験がなく就職活動により得られる様々な情報により志向性が日々変化する学生に対して、ブランドイメージ等により企業を選好する等のバイアスを取り除くコンテクスト及びコンテンツを、メディアによる情報提供に加えて、インキュベーションパートナーによる個別面談やセミナー・イベント等を通じて伝えることで、行動変容を生み出しております。 ⅲ.マッチング力 顧客の目利き力によって厳選された新産業領域の企業と、行動変容を生み出す力により形成された挑戦意欲・成長志向の高い学生とを、「プロダクト(Goodfind)」と「人材」による複合的な価値提供を行うことで適切なマッチングを生み出すことが可能となります。 ④ 顧客基盤 当社グループの顧客基盤は、スタートアップ・ベンチャー企業を中心に、ビジネスモデルの転換や新規事業創出に挑む大企業、中堅・中小企業等の新産業領域の企業群によって構成されております。 特定の業種に依存することなく、人的資本投資を経営の最重要課題と位置づけ、個人の可能性の解放を通じて社会に新たな価値をもたらそうとする、成長意欲の高い多様な企業との間に信頼関係を築いてまいります。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、「人の可能性を引き出し、豊かな未来をともにつくる。」というミッションの実現に向け、独自の経営パラダイムである「循環経営」を推進しております。この「循環経営」の実効性を客観的に評価するため、当社グループでは、以下の指標を重要な経営指標としております。 ① 売上高 社会への価値提供の広がりを示す指標として、持続的な成長を重視しております。なお、当社グループでは戦略的に参入領域を定義しており、客観的な外部統計による測定は困難であるものの、独自の調査に基づき算出した当該領域内における市場シェアを、提供価値の支持層の広がりを測る内部指標としてモニタリングしております。 ② 営業利益及び営業利益率 当社の介在による付加価値創造が科学的かつ適正に実行されているかを評価する指標であり、高い水準を維持・向上させることを規律としております。 ③ 一人当たり営業利益 過度な労働量や人海戦術に依存せず、知恵とシステムによって生産性を高め、働く一人ひとりが高い介在価値を発揮できているかを測る指標として重要視しております。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、これまで3年間にわたる「大改革」を通じて、持続的成長に向けた組織基盤の整備と収益力の強化を推進してまいりました。この「大改革」は、単なる組織変革に留まらず、経営者自らが「高付加価値事業の探索と作り込み」を自己実践・体現することで、将来の成長に向けた身体感覚を伴う確かな手応えを得る期間でもありました。その一方で、そうした実践のプロセスを通じて、既存モデルの延長線上では、急速に変化する社会において本質的な価値を提供し続けることが構造的に困難であるという課題を、強い確信を持って認識するに至りました。 この実践から導き出された「内発的動機と営業利益の循環経営」(以下「循環経営」といいます。)という新たな経営のあり方(経営パラダイム)を、概念に留めず「組織の意志ある構造」として本格的に実装し、以下の課題に優先的に取り組んでまいります。 ① 「循環経営」の推進と新ミッションへの刷新(現状の認識) これまでの社会や組織のあり方においては、人が役割や機能に最適化される一方で、個人の「らしさ」や「願い」といった人間性の本質が仕事や組織から切り離され、個人の内発的動機と企業の経済合理性が分離しがちであったと捉えております。こうした状況下では、組織の熱量が中長期的な企業価値向上に直結しきれず、さらなる成長への構造的な課題となっておりました。 また、AI等のテクノロジーの進化によって「何ができるか」の価値が相対化される中で、今後は「なぜやるのか」「誰としてやるのか」という問いこそが真の価値を持つ時代へと変化していくと考えています。これまでのミッション(人の可能性を引き出し 才能を最適に配置することで 新産業を創出し続ける。)では、こうした時代の要請への応答が限定的となってしまうと認識しております。 (取組の方向性) この課題に対し、「循環経営」というパラダイム(世界をどう捉えるかという前提意思・思考のレンズ)を経営の軸に据えております。これは、一人ひとりの内発的動機と、付加価値創造の純度の証であり、未来へのさらなる投資原資となる「営業利益」を、相反させることなく、相互に高まり合い循環するものとして統合する考え方です。一人ひとりの人生のテーマ(ライフミッション)を言語化し、それが組織の目指す未来と重なり合うことで生まれる熱量を、顧客への高い提供価値、ひいては持続的な利益成長へと結実させてまいります。 こうした「循環経営」の深化を前提とし、改めて社会における当社の存在意義を再定義した結果、今般、ミッションを以下の通り刷新いたしました。 人の可能性を引き出し、豊かな未来をともにつくる。Unlock human potential and co-shape a fulfilling future. 「循環経営」は個人の主体性を最大化することで組織的な競争優位を確立する合理的な経営の実践であり、当社グループはこの新ミッションのもとでさらなる深化を推進してまいります。 ② 「人の可能性」を軸とした長期的な産業創造の実践(現状の認識) 目に見えない「人の可能性」を開拓し、世代を跨ぎ100年単位で続く「産業」を創出するためには、既存の成功体験に依存しない動的なアプローチが不可欠であると確信しております。不確実かつ複雑な環境下において、過去の思考・行動様式(慣れ)に安住し、自己変容を止めてしまうことは、変化し続ける市場の本質を捉え損ね、提供価値を陳腐化させる本質的な課題であると捉えております。 (取組の方向性) この課題に対し、一人ひとりが慣れ親しんだ思考・行動様式をさらに高次元化させるとともに、「不慣れ」な領域への挑戦をも含めた自分自身の「らしさ」に向き合い、自らの器を拡張し続ける学習プロセスを組織の核心に据えてまいります。人生のテーマ(ライフミッション)に基づくこの「自己変容」を構造化することで、固定化した視点に縛られることなく、市場の本質を捉え、新たな価値を創造し続ける体制を確立いたします。経営者自らの実践を通じて確信したこの「組織的な学習能力の向上」こそが、他社による模倣が困難な持続的優位性の源泉になると確信しております。 ③ 循環経営の実効性を担保する財務規律の徹底(現状の認識) 当社グループは、「人の可能性」を起点とした事業領域には極めて大きな市場機会がある一方で、現状の成長率は市場の期待水準に達しておらず、その潜在的な可能性を十分に収益へと変換しきれていないことが本質的な課題であると捉えております。これは、これまで目指すべき圧倒的な期待水準が明確化されておらず、経営資源が分散していたことに起因していると認識しております。 (取組の方向性) この課題に対し、「循環経営」における学習と成長の実効性を客観的に評価するため、高い水準の財務規律を徹底してまいります。当社グループにとって営業利益等の財務指標は、提供価値の純度や自己変容の進捗を測るための「計器」であると同時に、株主価値を最大化するための最重要指標です。この規律に基づき、当連結会計年度における「メタノビ」のサービス終了、並びに翌連結会計年度における「Goodfind Career」の閉鎖決定など、事業の提供価値と収益性を評価したポートフォリオの最適化を実行いたしました。今後は、有望な領域へ経営資源を集中させ、高収益の実現によって生み出される利潤をさらなる「人の可能性」へと再投資し続けることで、長期の時間軸における圧倒的な競争力を構築してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、「人の可能性を引き出し、豊かな未来をともにつくる。」(Unlock human potential and co-shape a fulfilling future.)というミッションを掲げております。これは、私たちが世代を跨いで問い続ける根源的な約束であり、「人の持つ可能性を引き出せれば、未来はどれほど良くなるだろうか」という問いこそが、すべての活動の原点です。一人ひとりの可能性と豊かさがめぐる未来を皆様と共にかたちづくるため、当社グループは、個人の内発的動機が社会の経済合理性と統合される世界の構築に挑戦し続けております。 ① 経営方針の策定の背景と経緯 当社グループは、2023年3月の経営体制移行(サクセッション)からの3年間を「大改革期」と位置付け、持続的成長に向けた組織基盤の整備と収益力の強化に全力を注いでまいりました。この期間、単なる組織変革に留まらず、経営者自らが市場の最前線で「高付加価値事業の探索と作り込み」を自己実践・自己体現し、身体感覚を伴う確かな手応えを得ることに注力してまいりました。 こうした実践のプロセスを通じて、既存モデルの延長線上や過去の思考様式(慣れ)に安住し、自己変容を止めてしまうことは、急速に変化し続ける社会・市場の本質を捉え損ね、提供価値を陳腐化させる本質的な課題であると強く認識するに至りました。不確実かつ複雑な環境下で目に見えない「人の可能性」を引き出し、100年単位で続く価値を育むためには、既存の成功体験に依存しない動的なアプローチが不可欠だと捉えております。 この実践から紡ぎ出された確信を糧として、独自の経営パラダイム(世界をどう捉えるかという前提意思・思考のレンズ)である「内発的動機と営業利益の循環経営(以下、「循環経営」と言います。)」を本格的に実装するため、当連結会計年度終了後の2026年4月7日付で本方針を公表いたしました。 ② 経営環境の認識と「循環経営」の意義 日本社会は、人口構造及び働き方の両面において大きな転換点を迎えております。国立社会保障・人口問題研究所が2023年12月に公表した「日本の将来推計人口(令和5年推計)」によれば、生産年齢人口(15~64歳)は2020年の約7,400万人から2040年には約6,000万人へと、1,400万人以上減少する見通しです。一方、経済産業省が2022年9月に公表した「人材版伊藤レポート2.0」では、日本企業の人材育成費の売上高比率は0.1%未満にとどまり、米国の0.6%と比較して6分の1以下であることが指摘されるなど、人的資本投資の格差が顕著となっています。さらに、リクルートワークス研究所発行の「就職白書2023」によれば、大学生の6割以上が大企業よりも裁量や成長機会を重視する「自己成長志向」へと価値観を転換させております。 生成AI等のテクノロジー進化が機能的スキルを代替するなか、今後は「なぜやるのか」「誰としてやるのか」という問いに応える内発的動機こそが、他社が模倣できない持続的な競争優位の源泉となると確信しております。この自己変容を伴う「器の拡張」を組織の核心に据え、構造化することで、新たな価値を創造し続ける体制を確立いたします。 当社グループの「循環」は、内発的動機が生み出す「提供価値の純度の証」である営業利益をさらなる「人の可能性」へと再投資し、次なる高付加価値事業を連鎖的に創出する「スノーボール(複利成長)」の利益成長を志向するものです。利益成長の加速によって人への還元と投資の規模を最大化させ、ミッション実現に向けたダイナミズムを増幅させてまいります。 ③ ミッションの再定義について これまでのミッション(人の可能性を引き出し 才能を最適に配置することで 新産業を創出し続ける。)は、当社の主力事業である「Goodfind」の成長と深く結びつき、新産業領域への人的資本の移動において重要な役割を果たしてきたことで、当社グループの価値源泉及び組織・カルチャーの土台を創ってきました。しかし、社会構造が激変する中で、当社は「才能の最適配置」や「新産業の創出」の先にある「豊かな未来」こそが真の目的であるという確信に至りました。 これまでの社会や組織のあり方においては、人が役割や機能に最適化される一方で、個人の人間性の本質が組織から切り離され、個人の内発的動機と企業の経済合理性が分離しがちであったと捉えております。こうした状況下では、組織の熱量が中長期的な企業価値向上に直結しきれず、さらなる成長への構造的な課題となっておりました。また、AI等のテクノロジーの進化によって「何ができるか」の価値が相対化されるなか、今後は「なぜやるのか」「誰としてやるのか」という問いこそが真の価値を持つ時代へと変化しています。これまでのミッションでは、こうした時代の要請への応答が限定的となってしまうと認識し、当連結会計年度終了後の2026年4月7日付で「人の可能性を引き出し、豊かな未来をともにつくる。」というミッションへと再定義いたしました。(2)経営戦略等① 基本戦略:人の可能性を起点とした持続的な産業創造 当社グループは、現時点では目に見えにくいものの、将来的に社会を大きく変える力を秘めた「人の可能性」を事業の対象としております。 現在の労働市場には、伝統的な雇用慣行や情報の非対称性から生じる構造的な「歪み」が存在する一方で、テクノロジーの進化や価値観の変化に伴い、これまでにない新たな「機会」も生まれています。当社グループは、才能の最適配置や新産業創造を含めた、これら人の可能性にまつわる領域を成長の源泉と捉えております。 これらの領域は、複雑性や歪みの深さゆえに、現在はまだ市場として小さいものの、長期的には不可逆な拡大エネルギーが蓄積された有望な領域であると認識しております。当社グループのプラットフォームやサービスが介在することで構造的な課題を解消し、機会を最大化させることで、社会に必要とされる巨大な「産業」へと共に育て上げていくことを目指します。参入初期から高い付加価値を提供し続けることを前提とすることで、将来的に拡大する市場において確固たる存在感を築くことが、当社グループの成長戦略の核心であります。 ② 中期戦略:現在の重点領域と市場の歪みへのアプローチ 当社グループは、中期的な成長を牽引する柱として、創業以来の原点である「若手人材と新産業領域」への価値提供をさらに深化させてまいります。 現在の日本の労働市場は、伝統的な雇用慣行や情報の非対称性といった構造的な特性を有する一方で、産業構造の転換や価値観の多様化に伴い、これまでにない新たな挑戦の機会が次々と生まれる過渡期にあります。当社グループは、これらの市場環境を、個人の可能性を最大限に解放するための重要な「機会」であると捉えております。具体的には、新卒学生向け厳選就活プラットフォーム「Goodfind」や社会人向けキャリア支援サービス「G3」を通じ、意欲の高い人材がその才能を最も発揮できる新産業領域へと挑戦できる環境を整備してまいります。 ③ 実行規律:価値創造の純度を測る「財務規律」の実装 長期的な産業創造を確実なものとし、お客様に本質的な価値を届け続けるため、当社グループは各事業において以下の「財務規律」を課しております。これらの指標は、単なる利益の追求を目的とするものではなく、当社の介在による付加価値創造が科学的かつ適正に実行されているかを評価するための「計器」として機能させております。 ⅰ.独自の提供価値による高い市場シェアの確保 お客様の深層にあるニーズ(インサイト)を深く理解し、他にはない唯一無二の価値を提供することで、市場における確固たる支持を獲得し、持続的に価値提供を継続できるポジションの確立を目指します。 ⅱ.高い付加価値の証としての収益性の追求 オペレーションの磨き込みにより、高い水準の営業利益率を規律として課しております。当該基準に基づき、翌連結会計年度において、社会人向けキャリアサービスにおける「GoodfindCareer」の閉鎖や、メディア・SaaS分野における「メタノビ」のサービス終了、および「TeamUp」の一部サービスの停止といった、提供価値または収益性が規律に達しない領域からのリソース回収を機動的に実行いたしました。これにより生み出された利益を、より有望な領域へ集中投下する体制を構築しております。 ⅲ.一人当たり営業利益の最大化 過度な労働量や人海戦術に依存せず、知恵とシステムによって一人ひとりの生産性を高めます。働くメンバーが高い介在価値を発揮できる組織構造を実証することで、持続的な成長モデルを確立してまいります。 ③ 成長メカニズム:経営パラダイム「循環経営」と自社による実践 これら全ての戦略を支える土台が、独自の経営パラダイムである「循環経営」であります。一人ひとりの「らしさ」や「願い」に基づく内発的な動機をミッションやビジョンと重ね合わせ、不確実な環境下でも自律的に自己変容(学習変容)を続け、市場の本質的価値を創り出していく実行力を育んでまいります。 当社グループ自身がこの新ミッションの最初の「実践者」であり「体現者」であり続けることを大切にいたします。自社内での「循環経営」の徹底的な実践を通じて、人の可能性を最大限に引き出す組織のあり方を自ら証明し、そのプロセスで得られた知見や仕組みを新たな価値として社会へ還元・展開していくことで、ステークホルダーの皆様と共に豊かな未来を共創してまいります。(3)経営環境① 企業構造 本書提出日現在、当社グループは当社及び連結子会社1社(チームアップ株式会社)並びに持分法適用関連会社2社によって構成されております。また、「Goodfind」、「FactLogic」、「InternStreet」、「G3」及び「FastGrow」は当社が、「TeamUp」はチームアップ株式会社が運営しております。なお、報告セグメントは新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであります。 ② 対象市場の状況 当社グループは、新産業領域に関連する市場及び人材トランスフォーメーション(注)1に関連する市場において事業を行っております。 日本の労働市場においては、伝統的な雇用慣行や人事・組織制度により、経営人材としての可能性の早期発掘・開発が遅れる傾向にありました。当社グループは、20代・30代から経営人材を目指せるキャリア機会を創出することで、組織における人的価値を最大化させる「人材トランスフォーメーション」を推進しております。主要な対象市場は、人材紹介業、求人広告業及び人材コンサルティング業を中心とした採用関連市場、教育産業全体市場並びにHRTech市場であります。 新産業領域における採用関連市場においては、少子高齢化・人口減少が進む中、持続的な経済成長のために新産業領域の企業におけるイノベーションが不可欠であり、その担い手となる「挑戦意欲・成長志向を持つ人的資本」の価値は飛躍的に高まっております。特に、従来の資本集約型産業から知的集約型産業への構造転換に伴い、個人の就業観は「組織の属性やブランドによる長期安定」から、自らの「内発的動機に基づく自己実現と成長環境の享受」へと本質的な変化を遂げつつあると認識しております。このような価値観の変容は、まずは新産業領域への新卒・中途の人材流入という形で顕在化しており、この移動は一過性のものではなく、中長期的な拡大トレンドになると予測しております。 こうした企業の属性や規模、ブランド等に依存しない就業選択の広がりは、特定の産業内での流動化に留まるものではなく、社会全体で「人の可能性」が解放されていく構造的変化の端緒であると考えられます。長期的には、新旧の産業や企業の枠組みを超えて、あらゆる領域において個人と組織の可能性が最大化され、社会全体の生産性向上に寄与する市場環境へと発展していくものと認識しております。 (注)1.「人材トランスフォーメーション」とは、組織における人材の持つ価値を最大限引き出すために行う採用、配置、育成、文化浸透等の組織施策における変革と当社で定義しております。 ⅰ.人材関連ビジネス市場及び新卒採用関連市場の状況 人材関連ビジネス市場全体は、社会のデジタル化やオンライン化の定着により、地理的制約を越えた新たな就業機会の創出が進んでおります。特に地方居住の学生や求職者にとって、オンラインでの採用活動が一般的となったことは、就業機会の格差解消に寄与しており、変化への適応力が高い新産業領域の企業にとっては人材獲得機会の増加という好循環を生んでいます。 また、生成AIをはじめとするテクノロジーの急速な社会実装は、デジタル領域でサービスを提供するDX・SaaS関連企業(注)2にとって大きな事業機会となり、これら企業の求人ニーズを一段と押し上げております。一方で、機能的スキルの代替が進むなかで、企業側は単なるスキルマッチングではなく、自社のパーパスに共鳴する「高い内発的動機」を持つ人材を確保・育成することへ投資の重点を移しており、当社の提供する高付加価値なプラットフォームへのニーズは一層高まっております。 (注)2.「DX・SaaS関連企業」とは、テクノロジーや情報システム、AIやロボティクスの活用、メディア運営等のITを活用した課題解決を事業とする会社及びこれらの会社に対するサービス提供を行う会社と当社で定義しております。 ⅱ.スタートアップ・ベンチャー企業を取り巻く環境 日本政府が掲げる「新しい資本主義」や、2022年11月に策定された「スタートアップ育成5か年計画」、さらには日本経済団体連合会の「スタートアップ躍進ビジョン」など、国を挙げたスタートアップエコシステムの強化が継続しております。 新規IPO件数(東証マザーズ、グロース、JASDAQ、スタンダードの合計)は、2021年の109社をピークに、2022年81社、2023年86社、2024年76社、2025年65社と推移しております 。昨今の国際情勢やインフレに伴う金利引き上げ等の影響からIPO件数は減少傾向にあるものの、株式会社ユーザーベース運営のスタートアップ情報プラットフォーム「スピーダ」が公表した「2025 Japan Startup Finance」によれば、2025年の国内スタートアップ資金調達額は7,613億円と高い水準を維持しております。 市場全体としては、投資対象が「成長期待の高い優良企業」へ厳選される「選別期」に移行しており、収益性と提供価値の純度が厳しく問われる局面となっています 。このような環境下では、真に成長可能性の高い企業を見極め、意欲ある人材と繋ぐ当社独自の「目利き力」と「マッチング力」の優位性が、より鮮明になると考えております。 ③ 競合他社に対する競争優位性 当社グループの主要サービスである新卒学生向け厳選就活プラットフォーム「Goodfind」のビジネスモデルが競争優位性の源泉となります。当社は、以下の3つのケイパビリティへ注力することにより、競合他社に対する優位性を維持しております。 ⅰ.顧客の目利き力 ベンチャー企業を中心とした過去の取引実績から、新産業領域において構築された情報取得のネットワークにより、成長性の高い新産業領域の企業を厳選して開拓しております。 ⅱ.行動変容を生み出す力 社会人経験がなく就職活動により得られる様々な情報により志向性が日々変化する学生に対して、ブランドイメージ等により企業を選好する等のバイアスを取り除くコンテクスト及びコンテンツを、メディアによる情報提供に加えて、インキュベーションパートナーによる個別面談やセミナー・イベント等を通じて伝えることで、行動変容を生み出しております。 ⅲ.マッチング力 顧客の目利き力によって厳選された新産業領域の企業と、行動変容を生み出す力により形成された挑戦意欲・成長志向の高い学生とを、「プロダクト(Goodfind)」と「人材」による複合的な価値提供を行うことで適切なマッチングを生み出すことが可能となります。 ④ 顧客基盤 当社グループの顧客基盤は、スタートアップ・ベンチャー企業を中心に、ビジネスモデルの転換や新規事業創出に挑む大企業、中堅・中小企業等の新産業領域の企業群によって構成されております。 特定の業種に依存することなく、人的資本投資を経営の最重要課題と位置づけ、個人の可能性の解放を通じて社会に新たな価値をもたらそうとする、成長意欲の高い多様な企業との間に信頼関係を築いてまいります。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、「人の可能性を引き出し、豊かな未来をともにつくる。」というミッションの実現に向け、独自の経営パラダイムである「循環経営」を推進しております。この「循環経営」の実効性を客観的に評価するため、当社グループでは、以下の指標を重要な経営指標としております。 ① 売上高 社会への価値提供の広がりを示す指標として、持続的な成長を重視しております。なお、当社グループでは戦略的に参入領域を定義しており、客観的な外部統計による測定は困難であるものの、独自の調査に基づき算出した当該領域内における市場シェアを、提供価値の支持層の広がりを測る内部指標としてモニタリングしております。 ② 営業利益及び営業利益率 当社の介在による付加価値創造が科学的かつ適正に実行されているかを評価する指標であり、高い水準を維持・向上させることを規律としております。 ③ 一人当たり営業利益 過度な労働量や人海戦術に依存せず、知恵とシステムによって生産性を高め、働く一人ひとりが高い介在価値を発揮できているかを測る指標として重要視しております。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、これまで3年間にわたる「大改革」を通じて、持続的成長に向けた組織基盤の整備と収益力の強化を推進してまいりました。この「大改革」は、単なる組織変革に留まらず、経営者自らが「高付加価値事業の探索と作り込み」を自己実践・体現することで、将来の成長に向けた身体感覚を伴う確かな手応えを得る期間でもありました。その一方で、そうした実践のプロセスを通じて、既存モデルの延長線上では、急速に変化する社会において本質的な価値を提供し続けることが構造的に困難であるという課題を、強い確信を持って認識するに至りました。 この実践から導き出された「内発的動機と営業利益の循環経営」(以下「循環経営」といいます。)という新たな経営のあり方(経営パラダイム)を、概念に留めず「組織の意志ある構造」として本格的に実装し、以下の課題に優先的に取り組んでまいります。 ① 「循環経営」の推進と新ミッションへの刷新(現状の認識) これまでの社会や組織のあり方においては、人が役割や機能に最適化される一方で、個人の「らしさ」や「願い」といった人間性の本質が仕事や組織から切り離され、個人の内発的動機と企業の経済合理性が分離しがちであったと捉えております。こうした状況下では、組織の熱量が中長期的な企業価値向上に直結しきれず、さらなる成長への構造的な課題となっておりました。 また、AI等のテクノロジーの進化によって「何ができるか」の価値が相対化される中で、今後は「なぜやるのか」「誰としてやるのか」という問いこそが真の価値を持つ時代へと変化していくと考えています。これまでのミッション(人の可能性を引き出し 才能を最適に配置することで 新産業を創出し続ける。)では、こうした時代の要請への応答が限定的となってしまうと認識しております。 (取組の方向性) この課題に対し、「循環経営」というパラダイム(世界をどう捉えるかという前提意思・思考のレンズ)を経営の軸に据えております。これは、一人ひとりの内発的動機と、付加価値創造の純度の証であり、未来へのさらなる投資原資となる「営業利益」を、相反させることなく、相互に高まり合い循環するものとして統合する考え方です。一人ひとりの人生のテーマ(ライフミッション)を言語化し、それが組織の目指す未来と重なり合うことで生まれる熱量を、顧客への高い提供価値、ひいては持続的な利益成長へと結実させてまいります。 こうした「循環経営」の深化を前提とし、改めて社会における当社の存在意義を再定義した結果、今般、ミッションを以下の通り刷新いたしました。 人の可能性を引き出し、豊かな未来をともにつくる。Unlock human potential and co-shape a fulfilling future. 「循環経営」は個人の主体性を最大化することで組織的な競争優位を確立する合理的な経営の実践であり、当社グループはこの新ミッションのもとでさらなる深化を推進してまいります。 ② 「人の可能性」を軸とした長期的な産業創造の実践(現状の認識) 目に見えない「人の可能性」を開拓し、世代を跨ぎ100年単位で続く「産業」を創出するためには、既存の成功体験に依存しない動的なアプローチが不可欠であると確信しております。不確実かつ複雑な環境下において、過去の思考・行動様式(慣れ)に安住し、自己変容を止めてしまうことは、変化し続ける市場の本質を捉え損ね、提供価値を陳腐化させる本質的な課題であると捉えております。 (取組の方向性) この課題に対し、一人ひとりが慣れ親しんだ思考・行動様式をさらに高次元化させるとともに、「不慣れ」な領域への挑戦をも含めた自分自身の「らしさ」に向き合い、自らの器を拡張し続ける学習プロセスを組織の核心に据えてまいります。人生のテーマ(ライフミッション)に基づくこの「自己変容」を構造化することで、固定化した視点に縛られることなく、市場の本質を捉え、新たな価値を創造し続ける体制を確立いたします。経営者自らの実践を通じて確信したこの「組織的な学習能力の向上」こそが、他社による模倣が困難な持続的優位性の源泉になると確信しております。 ③ 循環経営の実効性を担保する財務規律の徹底(現状の認識) 当社グループは、「人の可能性」を起点とした事業領域には極めて大きな市場機会がある一方で、現状の成長率は市場の期待水準に達しておらず、その潜在的な可能性を十分に収益へと変換しきれていないことが本質的な課題であると捉えております。これは、これまで目指すべき圧倒的な期待水準が明確化されておらず、経営資源が分散していたことに起因していると認識しております。 (取組の方向性) この課題に対し、「循環経営」における学習と成長の実効性を客観的に評価するため、高い水準の財務規律を徹底してまいります。当社グループにとって営業利益等の財務指標は、提供価値の純度や自己変容の進捗を測るための「計器」であると同時に、株主価値を最大化するための最重要指標です。この規律に基づき、当連結会計年度における「メタノビ」のサービス終了、並びに翌連結会計年度における「Goodfind Career」の閉鎖決定など、事業の提供価値と収益性を評価したポートフォリオの最適化を実行いたしました。今後は、有望な領域へ経営資源を集中させ、高収益の実現によって生み出される利潤をさらなる「人の可能性」へと再投資し続けることで、長期の時間軸における圧倒的な競争力を構築してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社グループは新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 ①財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における資産合計は2,325,822千円となり、前連結会計年度末に比べ230,846千円増加いたしました。これは、流動資産が237,025千円増加したことによるものであります。流動資産の増加は主に、現金及び預金が270,522千円増加したことによるものであります。現金及び預金の増加は主に、税金等調整前当期純利益を計上したことによるものであります。 (負債)当連結会計年度末における負債合計は692,106千円となり、前連結会計年度末に比べ102,442千円増加いたしました。これは主に、未払法人税等が49,331千円、未払消費税等が23,511千円増加したことによるものであります。未払法人税等の増加および未払消費税等の増加は、前連結会計年度末に比べ税金等調整前当期純利益が増加したことによるものであります。 (純資産)当連結会計年度末における純資産合計は1,633,716千円となり、前連結会計年度末に比べ128,404千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益(純資産の増加)189,575千円を計上したことによるものであります。また、自己株式の市場買付けによって、自己株式の取得(純資産の減少)79,245千円を実行いたしました。この結果、自己資本比率は68.8%(前連結会計年度末は71.0%)となりました。 ②経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、賃上げの波及により賃金と物価の好循環に向けた兆しが見られました。企業収益や設備投資は堅調に推移したものの、金融政策の正常化や実質賃金の伸び悩みによる消費の停滞などから、景気回復は緩やかに留まりました。海外では、地政学リスクの長期化や主要国の金融引き締めに伴う景気減速懸念、為替の変動など、国内経済への波及リスクを注視すべき状況が続いております。人材関連ビジネス市場におきましては、労働人口の減少に加え、産業構造の変化に伴う労働移動が加速し、人材獲得競争は一層激化しております。特に人的資本経営の実践が求められる中、経営戦略と連動した「質の高い人材」の確保が企業の最重要課題となりました。また、生成AIの実務実装が急速に進んだことで、創造的なスキルやDXを牽引する高度専門人材の需要が急増しており、ジョブ型雇用の浸透とともに、専門スキルを持つ人材の報酬水準は上昇傾向にあります。当社グループの主戦場である新産業領域におきましては、政府の「スタートアップ育成5カ年計画」が定着フェーズを迎え、ディープテック領域等への支援策が拡充されました。2025年の国内スタートアップ向け資金調達環境は、総額こそ高水準を維持したものの、実施社数は減少しており、投資対象の「選別」が鮮明化しました。成長期待の高い企業へ資金が集中する一方、事業の収益性が厳しく問われる局面となりました。出口戦略においても、IPOの審査厳格化を背景に、M&Aによる大企業グループ入りを選択する事例が増えるなど、循環構造の多様化が進んでおります。このような「質」が問われる選別局面こそ、有望な新産業の担い手を支援する、当社グループの目利きとマッチング能力が発揮される好機と捉えております。このような経営環境の中、当社グループは、「人の可能性を引き出し 才能を最適に配置することで 新産業を創出し続ける。」というミッションのもと、新産業領域における才能の最適配置を推進し、人的資本の価値を最大限に引き出すプラットフォームの提供を強化してまいりました。2023年3月の創業経営者からのサクセッション(経営継承)を経て、現在はミッション及び長期ビジョンの実現に向け、「営業利益が持続成長する付加価値の高い事業」の構築を目指す「大改革期」と位置づけております。当該期間においては、以下の3つの重要テーマを並行して推進してまいりました。① Goodfind会員の利用及びマッチング改善による収益基盤の強化② 組織・人材・カルチャー及び事業マネジメントシステムの強化③ 営業利益が持続成長する付加価値の高い事業の探索と作り込みを経営者が自己体現し、組織へ展開当連結会計年度は、新経営体制への移行後3年目の年として、これら「大改革」の成果を確実に業績へと繋げるべく、主力事業である「Goodfind」の提供価値向上と収益基盤強化に取り組むとともに、組織基盤の強化及び事業ポートフォリオの最適化に注力してまいりました。以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高1,589,911千円(前期比17.8%増)、営業利益280,068千円(同125.1%増)、経常利益279,371千円(同134.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益189,575千円(同118.3%増)となりました。 ③キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は2,014,364千円となり、前連結会計年度末に比べ270,522千円増加いたしました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は328,634千円(前年同期は175,598千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上279,371千円、法人税等の支払額34,924千円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は8,649千円(前年同期は34,313千円の使用)となりました。これは主に、自社利用ソフトウエアの開発に伴う無形固定資産の取得による支出9,507千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は49,462千円(前年同期は47,478千円の使用)となりました。これは主に、自己株式取得により79,916千円を支出した一方で、そのための預け金を28,515千円取り崩したことによるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 b.受注実績当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループは新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであるため、事業部門別に記載しております。事業部門当連結会計年度(自 2025年3月1日至 2026年2月28日)金額(千円)前期比(%) キャリアサービス分野1,403,215122.9 学生向けサービス1,280,586120.5社会人向けサービス122,629154.5 メディア・SaaS分野186,69589.6 合計1,589,911117.8(注)1.上記事業部門別の売上高は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査法人FRIQの監査は受けておりません。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える将来に関する見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状、その他さまざまな要因を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、将来においてこれらの見積りとは異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表作成において採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載しております。 ②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上高)当連結会計年度における売上高は、1,589,911千円(前期比17.8%増)となりました。当社グループは、新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しておりますが、売上高については、キャリアサービス分野及びメディア・SaaS分野を事業部門として区分し、さらに、キャリアサービス分野は、学生向けサービス及び社会人向けサービスに細分化して分析しております。 事業部門前連結会計年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)当連結会計年度(自 2025年3月1日 至 2026年2月28日)金額(千円)前期比(%)金額(千円)前期比(%)キャリアサービス分野1,141,893101.11,403,215122.9 学生向けサービス1,062,540105.81,280,586120.5 社会人向けサービス79,35363.2122,629154.5メディア・SaaS分野208,31272.2186,69589.6合計1,350,20595.21,589,911117.8(注)上記事業部門別の売上高は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査法人FRIQの監査は受けておりません。 売上高につきましては、これまでの「大改革」の成果が着実に現れ、過去最高を更新いたしました。しかしながら、当社グループが対峙する新産業領域における広大な人的資本市場のポテンシャルに照らせば、現在の実績は未だ通過点に過ぎず、獲得可能な市場シェアに対して極めて大きな伸びしろを残しているものと認識しております。事業部門別の概況は、以下のとおりであります。なお、当連結会計年度より、情報の重複を排除し開示の簡素化を図る観点から、従来記載しておりました学生向けサービスにおけるサービスモデル別の売上高情報については、記載を省略しております。当該指標の定量的な実績につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 収益認識関係」に記載のとおりであります。 ・学生向けサービス:Goodfindの収益基盤強化と提供価値の深化大改革の最優先事項である「Goodfind」を中心とする学生向けサービスにおいては、売上高1,280,586千円(前期比20.5%増)となりました。2026年・2027年卒業学生向けサービスの堅調な推移に加え、新卒採用市場のさらなる早期化を見越し、2028年卒業予定者(大学2年生)を対象とした早期母集団形成ニーズを的確に捉えたメディアサービスの受注・納品が大きく寄与いたしました。生成AIを活用したマッチング精度の向上と、早期層へのアプローチ強化が相まって、才能の最適配置を加速させる収益基盤の強化につながりました。 ・社会人向けサービス:経営者の自己体現と内発的動機に基づく組織運営社会人向けサービスにおいては、売上高122,629千円(前期比54.5%増)となり、社会人向けキャリア支援サービス「G3」が大幅な成長を達成いたしました。これは大改革の重要テーマである「経営者の自己体現」を通じ、顧客の深い洞察(インサイト)に基づいた独自の提供価値を定義し、オペレーションを磨き込んだ成果の現れであると認識しております。この成長の根底には、単に短期的な利益を追うのではなく、事業に携わる一人ひとりの「内発的動機」を引き出し、社会への提供価値と個人の意思を重ね合わせる独自の組織運営があります。個人の意欲が試行錯誤の質と量を高め、それにより長期の時間軸で事業を探索しオペレーションを磨き込むという仕組みの実効性について、当期の実績を通じて確かな手応えを得る段階に至りました。今後は、この経営者による自己体現をさらに高次元に実践するとともに、全社的なマネジメントシステムとして昇華・展開させ、再現性のある持続的な成長を実現していくことが、当社グループの次なる挑戦であると捉えております。 ・メディア・SaaS分野メディア・SaaS分野につきましては、売上高186,695千円(前期比10.4%減)となりました。「FastGrow」及び「TeamUp」において、様々な内部課題が顕在化し、厳しい結果となりました。現在、本分野においても「大改革」のプロセスを適用し、事業モデルの再構築とオペレーションの抜本的な改善に着手しております。グループ全体の収益ポートフォリオ最適化の観点から、次なる付加価値創造に向けた構造改革を継続してまいります。 (売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)当連結会計年度における売上原価は、28,672千円(前期比6.8%減)となり、概ね前年同水準で推移いたしました。当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,281,171千円(前期比7.2%増)となりました。これは主に、将来の持続的な成長に向けた人員体制強化への投資によるものであります。この結果、売上高の成長が費用の伸びを大きく上回ったことにより、営業利益は280,068千円(前期比125.1%増)となりました。 (営業外損益、経常利益)営業外収益は、5,278千円(前連結会計年度は1,718千円 3,560千円の増加)となりました。これは主に、受取利息の計上によるものであります。営業外費用は、5,975千円(前連結会計年度は7,068千円 1,092千円の減少)となりました。これは主に、持分法による投資損失の計上によるものであります。この結果、経常利益は279,371千円(前期比134.7%増)となりました。 (特別損益、法人税等合計、親会社株主に帰属する当期純利益)法人税等合計は、89,796千円(前連結会計年度は32,211千円 57,584千円の増加)となりました。これは、課税所得が増加したことによるものであります。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は189,575千円(前期比118.3%増)となりました。 ③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループの資金需要として主なものは、人件費、人材獲得のための採用費、業務委託費、新規顧客企業獲得や求職者獲得のための広告宣伝費であります。これらの必要資金については、営業活動により獲得した自己資金を充当することを基本方針としながら、今後の資金需要や金利動向等を勘案し、必要に応じて金融機関からの借入やエクイティファイナンス等による資金調達を検討する予定であります。なお、これらの資金調達方法の優先順位は、資金需要や資金使途等に合わせて最適な方法を検討・選択する予定であります。当連結会計年度末における現金及び現金同等物は2,014,364千円であり、本書提出日現在における資金需要に対して必要な資金は確保されております。なお、当社は取引銀行1行と当座貸越契約を締結しており、当連結会計年度末における当座貸越極度額及び借入未実行残高は100,000千円であります。金融・資本市場の流動性が低下した状況下においては、当該当座貸越極度額を使用することによって流動性を確保いたします。 ④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループが目標とする経営指標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、当連結会計年度においては、売上高、営業利益及び営業利益率を主要な客観的指標として掲げております。また、独自の経営パラダイムである「循環経営」における付加価値創造の質を評価する重要な指標として検討している「一人当たり営業利益」については、その定義及び算出方法等を経営方針に照らして精査し、次期以降、適切なタイミングでの公表・開示を検討してまいります。当連結会計年度において、2025年10月7日及び2026年2月25日に通期連結業績予想の修正を公表しておりますが、期首公表の業績予想に対する達成状況は次のとおりであります。指標業績予想実績予想比売上高(百万円)1,5151,589104.9%営業利益(百万円)151280184.8%営業利益率10.0%17.6%+7.6ポイント 2027年2月期においては、売上高1,620百万円(2026年2月期比1.9%増)、営業利益302百万円(同8.1%増)、営業利益率18.7%(同1.1ポイント増)を計画しております。なお、2026年4月7日に公表した「2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」における業績予想から変更はありません。 ⑤経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。