経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは、創業以来「困った困ったを、良かった良かったに。」を経営理念として掲げ、「新生活を迎える方だけではなく、送り出す方、また新生活を始めるに当たって必要なサービスを提供する方、それぞれの課題解決に貢献する」ことをミッションに事業を展開しております。 「売り手よし」、「買い手よし」、「世間よし」の「三方よし」の精神から、新生活を迎える方(サービス利用者)、送り出す方(サービス依頼者)、新生活関連事業者(サービス提供者)に新生活にかかわる社会問題の解決(世間)を加えて「四方よし」として、持続可能な社会の実現に取り組んでおります。 具体的には、移転に伴う新生活関連サービスという幅広い市場をターゲットとして、新生活サービスプラットフォームの構築と提供を通じて、当該市場における部屋探し、引越し、でんき、ガス、インターネット回線等のライフラインの手配、また法人においては社宅管理等をワンストップで提供し一元管理することで、新生活を迎える方へのサポートに加えて、新生活に関わる不動産事業者や引越事業者、ライフライン提供事業者等の幅広いニーズに応える事業を展開しております。 新生活を迎える際に直面するそれぞれの課題を、新生活サービスプラットフォームを通じて解決することによって、新生活関連市場における社会課題である引越しワンストップサービスの推進、賃貸契約における電子契約の推進、引越し難民問題の解消などの課題に対しても同時に解決することを目指しております。新生活における様々な手続きの円滑化、顧客の利便性の向上、業務の効率化、転勤業務の軽減及びコスト削減といった各種課題に関して、個人・法人に捉われることなく、すべての顧客の満足に目を向けた「オールユーザーファースト」という考えで、新生活の課題を解決していくとともに、顧客満足度の向上を図ることで更なる企業価値の最大化に尽力しております。 (2) 目標とする経営指標等 当社グループは持続的な成長と企業価値向上を目指しており、全社的な主要な指標として売上高及び営業利益を重視しております。また、転貸戸数及び法人企業等の登録数についても主要な指標と考え「月次売上高(速報)および主要 KPI に関するお知らせ」として毎月開示を実施しております。 前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)売上高(千円)3,586,5294,364,484営業利益(千円)455,340760,303転貸戸数(戸)44,65054,459法人企業等(社)3,7134,016 (3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略 当連結会計年度における日本国内の経済は、企業収益の改善や賃金上昇、訪日外国人によるインバウンド需要等の回復に支えられ、緩やかな回復基調を維持しました。一方で、円安による物価上昇や米国の通商政策の動向等から個人消費には伸び悩みが見られ、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。 こうした経済環境の中、当社グループは、日本企業における慢性的な人材不足という社会課題の解決に向け、「外国人就労支援」を開始するとともに、生成AIやデータ活用を通じた既存サービスの利便性向上を重要な課題と位置付け、継続的に取り組んでおります。また、安定した技術基盤の構築と開発体制の強化を目的としてCTO(最高技術責任者)職を新設し、エンジニア組織の拡充を進めております。加えて、中長期的な企業価値向上に向けた人材基盤の強化の一環として、女性活躍推進にも継続的に取り組んでおります。今後も、技術力に加え、人材や組織体制の強化を通じて質とスピードの両立を図り、持続的な成長の実現に努めてまいります。 このような状況の下、2025年12月期において「新生活ラクっとNAVI」における主要サービスのサポート件数が527,687件(前期比31.1%増)、「社宅ラクっとNAVI」における主要サービスのサポート件数が同50,939件(前期比6.7%増)と堅調に推移しておりますが、更なる事業成長を実現するべく、以下の戦略を実行してまいります。 ① 顧客基盤の拡充 当社は設立当初より、不動産会社向けサービス「新生活ラクっとNAVI」において、新生活の起点である転居先が決まったことに並行し不動産事業者等から転居した方に対する新生活サポートを依頼されるよう提携を進めてまいりました。その後、法人企業向けサービス「社宅ラクっとNAVI」により移転者情報を法人企業等で人事異動が決まったことに並行して総務人事担当者より依頼を受け、サービスの提供を開始いたしました。 その結果、2025年12月期末日現在、サービス依頼者としての不動産事業者等の登録数は1,491社、法人企業等の登録数は4,016社となっております。 今後も、不動産事業者の仲介件数及び管理物件の稼働率を向上するための提携活動を強化し、法人企業等に対しては、当社サービス認知度向上施策を強化することにより顧客基盤の更なる拡充を図ります。 具体的には、不動産事業者等については、サポート依頼者としての側面だけではなく、法人企業等の転勤又は福利厚生としての部屋探しを依頼するサービス提供者及び賃貸物件転貸サービスにおける借主としての側面を拡大させ、不動産事業者の仲介件数及び管理物件の稼働率を向上するための提携活動を強化してまいります。 法人企業等については、福利厚生事業者や社宅管理事業者などの代理店からの新規企業の獲得、展示会などの外部イベントへの当社サービスの積極的な展示又は出店等による認知度向上施策を強化することにより、顧客基盤の更なる拡充を図ります。 ② サービス提供事業者との関係強化 当社の移転者サポート事業は、特定のサービスを販売又は特定の事業者の代理となっておらず、サービス利用者の立場となりサービス利用者が必要とする最適なサービスの提供をサポートするものであります。サービス利用者の満足度を最大化するためにはサービスの選択肢を豊富にする必要があり、そのために数多くのサービス提供事業者との提携を実現しております。2025年12月期末日現在、サービス提供事業者としての不動産事業者の提携数は753社、引越事業者は225社、ライフライン提供事業者は101社となっております。 また、当社ではサービス利用者の満足度を最大化するための高いサービス品質も必要であると考えており、当社がサポートする顧客の満足度をともに最大化してくれる事業者との関係を強化することで、ユーザーファーストの立場でサービス利用者が必要とするサービスの提供を実現できるものと考えております。不動産業界においては「社宅推進プロジェクト」、引越業界においては「引越業界の未来をつくる会」を発足し、1社では解決できない共通した業界の課題等を解決していくことに取組んでおります。これによりサービス提供事業者との関係性が強化されております。 ③ クラウド賃貸契約サービスの個人顧客への展開 従来から存在する法人企業等に対する社宅管理サービスは、各社の事業モデルの変化と、働き方改革及び転勤を伴うジョブローテーションの見直しにより減少傾向にある市場を、社宅管理サービス事業者各社で取り合っている環境にあります。一方で、法人企業等の安定的な成長のため、人材の確保と定着は重要な課題と認識されており、法人企業等が従業員に対して提供する福利厚生などについては、改めて付加価値の向上及び改善が検討されている環境にあります。 当社では、全国の不動産事業者との提携により、様々な部屋探しのサポートをして参りましたが、上記の環境変化に対応すべく、従来の転勤社宅及び福利厚生として提供する社宅に加えて、企業に勤める従業員個人が利用可能な、最大2年間、毎月2,000円の家賃割引が受けられるサービス「ヘヤワリ」のサービス展開に至っております。 従来の社宅管理で提供されていた法人企業等の総務人事担当者の工数削減のみに留まることなく、法人企業等の福利厚生に対する新たな価値を創出し、さらには働く個人の住み方の変革を実現すべく、提携不動産事業者等と協力して新たな事業を推進してまいります。 ④ 引越しプラットフォーム価値の向上と高い成約率の実現 引越しの需要と供給のバランスが崩れることを起因として、ここ数年社会問題となっている引越し難民という課題に対して、当社は引越事業者の供給を最適化することにより解決を図っております。具体的には、当社が全国の提携引越事業者が利用できるプラットフォームシステムを開発し、全国の提携引越事業者が自社では対応できない引越案件を任せることができる引越事業者を、又は自社で対応する引越案件を提供してくれる引越事業者をマッチングすることにより、引越事業者の引越サービスの顧客価値最大化と経営効率の向上を同時に図っております。 また、従来からの課題である、エリアを限定して営業している引越事業者のエリア外の引越受注に対しても、都市間で運行している幹線便の利用や積みと下ろしの分割及びマッチングをプラットフォーム上で実現することにより、引越事業者の受注機会を最大化することによる収益の向上を図るとともに引越サービス自体の供給量の最大化も実現しております。 こうした取り組みについては、プラットフォームシステムを開発するだけで実現できるものではなく、真に引越事業者と顧客に重きを置いたサービスを開発し続けてきた当社と引越事業者との信頼関係がなければ実現するものではなく、他社が真似することが難しい参入障壁の高いサービスであると自負しております。⑤ データベースを活用した新たな商材の開発と事業領域の拡大 当社グループは新生活関連事業者の課題解決や新生活を開始する顧客等のデータベースを活用したサービスを提供しており、代表的なサービスは以下のとおりとなります。 ・web上で契約情報確認のできる社宅管理サービス ・クラウド賃貸契約サービスにおける火災保険サービス ・単身赴任、長期出張及び一人暮らしをサポートする家具家電レンタルサービス ・長距離運送及び大型家具家電運送等の引越案件のマッチングサービス ・引越事業者が利用する燃料や段ボール等の共同購入 ・引越会社の人材不足をサポートする人材マッチングサービス ・引越業界に特化した業務の一元管理が可能なクラウド型業務基幹システム 当社グループでは今後も幅広い領域をカバーした新生活関連事業者の課題を解決する新サービスを開発、拡大することにより、全社の事業成長を実現してまいります。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、新生活を迎える人とサービスを提供するパートナー企業双方の『困った困ったを、良かった良かったに。』に変えていくことを経営理念として掲げております。新生活を迎える際に直面する「困った」を的確に抽出し、新生活サービスプラットフォームを通じて解決することで「良かった」に変えていくことにより、顧客とパートナー企業の信頼を高めて企業価値を向上してまいります。 上記経営理念のもと、急速に変化する市況に対応するため、当社グループでは以下の課題に取り組み、事業の拡大に努めてまいります。 ① 事業基盤の強化 当社グループの基盤事業である「新生活ラクっとNAVI」及び「社宅ラクっとNAVI」においては、利用者を増加させるとともにサポートの品質向上が最重要事項であると考えております。利用者増加のため、法人企業等の契約獲得に注力し当社グループが管理する社宅戸数を増加させることにより、強固な事業基盤構築を目指してまいります。 ② パートナーシップの拡大 当社グループの事業運営においては、サポート実施時に具体的な業務を担当する不動産事業者、引越事業者、新電力事業者、ガス小売事業者、インターネット回線事業者等多くの事業者との連携が必要不可欠となっております。移転者サポート事業の継続的な発展のために引き続き事業者とのパートナーシップの拡大を図ってまいります。 ③ デジタル連携の推進 当社グループでは新生活関連サービスのデジタル化及びワンストップ化の推進が必要であると考えております。政府や民間事業者と連携して、引越しに伴う手続きの負担を軽減し、手続漏れを防止するため引越しワンストップサービスの実証実験に参加する等の取組みを実施してまいりました。また、クラウド賃貸契約サービスにおける転貸借契約の電子化を起点として、不動産業界のデジタル化や新技術の活用を推進してまいります。 ④ 新規事業の開発と推進 当社グループの収益源の多様化並びに継続的な成長・拡大を図るためには、新規事業の開発と推進が不可欠であります。「新生活ラクっとNAVI」「社宅ラクっとNAVI」「HAKOPLA(ハコプラ)」に続く新たな事業を企画すると共に、「ベネフィット社宅」「ヘヤワリ」「TANT」「HAKO-Ad(ハコアド)」「HAKO-Tec(ハコテク)」等、新サービスの開発を推進し、事業間シナジーの最大化を目指してまいります。 ⑤ 組織体制の整備 当社グループは、今後の事業拡大及び事業基盤の強化を図るにあたり、優秀な人材の確保及び従業員の育成が重要であると考えております。そのため、これまで同様継続して従業員の育成に注力し、事業規模に応じて組織体制の整備を進めてまいります。 ⑥ 情報管理体制の強化 当社グループは、多くの個人情報及び機密情報を有しているため、情報管理の徹底が重要であると考えております。当社グループは、プライバシーマーク及び情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証を取得し、さらに内部監査部門によるモニタリングを実施する等、情報管理体制の構築及び運用に努めております。今後につきましても、PDCAサイクルに基づく管理体制の継続的な見直し・改善、及び従業員向け研修の実施を通じて、情報管理体制の一層の強化に取り組んでまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは、創業以来「困った困ったを、良かった良かったに。」を経営理念として掲げ、「新生活を迎える方だけではなく、送り出す方、また新生活を始めるに当たって必要なサービスを提供する方、それぞれの課題解決に貢献する」ことをミッションに事業を展開しております。 「売り手よし」、「買い手よし」、「世間よし」の「三方よし」の精神から、新生活を迎える方(サービス利用者)、送り出す方(サービス依頼者)、新生活関連事業者(サービス提供者)に新生活にかかわる社会問題の解決(世間)を加えて「四方よし」として、持続可能な社会の実現に取り組んでおります。 具体的には、移転に伴う新生活関連サービスという幅広い市場をターゲットとして、新生活サービスプラットフォームの構築と提供を通じて、当該市場における部屋探し、引越し、でんき、ガス、インターネット回線等のライフラインの手配、また法人においては社宅管理等をワンストップで提供し一元管理することで、新生活を迎える方へのサポートに加えて、新生活に関わる不動産事業者や引越事業者、ライフライン提供事業者等の幅広いニーズに応える事業を展開しております。 新生活を迎える際に直面するそれぞれの課題を、新生活サービスプラットフォームを通じて解決することによって、新生活関連市場における社会課題である引越しワンストップサービスの推進、賃貸契約における電子契約の推進、引越し難民問題の解消などの課題に対しても同時に解決することを目指しております。新生活における様々な手続きの円滑化、顧客の利便性の向上、業務の効率化、転勤業務の軽減及びコスト削減といった各種課題に関して、個人・法人に捉われることなく、すべての顧客の満足に目を向けた「オールユーザーファースト」という考えで、新生活の課題を解決していくとともに、顧客満足度の向上を図ることで更なる企業価値の最大化に尽力しております。 (2) 目標とする経営指標等 当社グループは持続的な成長と企業価値向上を目指しており、全社的な主要な指標として売上高及び営業利益を重視しております。また、転貸戸数及び法人企業等の登録数についても主要な指標と考え「月次売上高(速報)および主要 KPI に関するお知らせ」として毎月開示を実施しております。 前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)売上高(千円)3,586,5294,364,484営業利益(千円)455,340760,303転貸戸数(戸)44,65054,459法人企業等(社)3,7134,016 (3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略 当連結会計年度における日本国内の経済は、企業収益の改善や賃金上昇、訪日外国人によるインバウンド需要等の回復に支えられ、緩やかな回復基調を維持しました。一方で、円安による物価上昇や米国の通商政策の動向等から個人消費には伸び悩みが見られ、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。 こうした経済環境の中、当社グループは、日本企業における慢性的な人材不足という社会課題の解決に向け、「外国人就労支援」を開始するとともに、生成AIやデータ活用を通じた既存サービスの利便性向上を重要な課題と位置付け、継続的に取り組んでおります。また、安定した技術基盤の構築と開発体制の強化を目的としてCTO(最高技術責任者)職を新設し、エンジニア組織の拡充を進めております。加えて、中長期的な企業価値向上に向けた人材基盤の強化の一環として、女性活躍推進にも継続的に取り組んでおります。今後も、技術力に加え、人材や組織体制の強化を通じて質とスピードの両立を図り、持続的な成長の実現に努めてまいります。 このような状況の下、2025年12月期において「新生活ラクっとNAVI」における主要サービスのサポート件数が527,687件(前期比31.1%増)、「社宅ラクっとNAVI」における主要サービスのサポート件数が同50,939件(前期比6.7%増)と堅調に推移しておりますが、更なる事業成長を実現するべく、以下の戦略を実行してまいります。 ① 顧客基盤の拡充 当社は設立当初より、不動産会社向けサービス「新生活ラクっとNAVI」において、新生活の起点である転居先が決まったことに並行し不動産事業者等から転居した方に対する新生活サポートを依頼されるよう提携を進めてまいりました。その後、法人企業向けサービス「社宅ラクっとNAVI」により移転者情報を法人企業等で人事異動が決まったことに並行して総務人事担当者より依頼を受け、サービスの提供を開始いたしました。 その結果、2025年12月期末日現在、サービス依頼者としての不動産事業者等の登録数は1,491社、法人企業等の登録数は4,016社となっております。 今後も、不動産事業者の仲介件数及び管理物件の稼働率を向上するための提携活動を強化し、法人企業等に対しては、当社サービス認知度向上施策を強化することにより顧客基盤の更なる拡充を図ります。 具体的には、不動産事業者等については、サポート依頼者としての側面だけではなく、法人企業等の転勤又は福利厚生としての部屋探しを依頼するサービス提供者及び賃貸物件転貸サービスにおける借主としての側面を拡大させ、不動産事業者の仲介件数及び管理物件の稼働率を向上するための提携活動を強化してまいります。 法人企業等については、福利厚生事業者や社宅管理事業者などの代理店からの新規企業の獲得、展示会などの外部イベントへの当社サービスの積極的な展示又は出店等による認知度向上施策を強化することにより、顧客基盤の更なる拡充を図ります。 ② サービス提供事業者との関係強化 当社の移転者サポート事業は、特定のサービスを販売又は特定の事業者の代理となっておらず、サービス利用者の立場となりサービス利用者が必要とする最適なサービスの提供をサポートするものであります。サービス利用者の満足度を最大化するためにはサービスの選択肢を豊富にする必要があり、そのために数多くのサービス提供事業者との提携を実現しております。2025年12月期末日現在、サービス提供事業者としての不動産事業者の提携数は753社、引越事業者は225社、ライフライン提供事業者は101社となっております。 また、当社ではサービス利用者の満足度を最大化するための高いサービス品質も必要であると考えており、当社がサポートする顧客の満足度をともに最大化してくれる事業者との関係を強化することで、ユーザーファーストの立場でサービス利用者が必要とするサービスの提供を実現できるものと考えております。不動産業界においては「社宅推進プロジェクト」、引越業界においては「引越業界の未来をつくる会」を発足し、1社では解決できない共通した業界の課題等を解決していくことに取組んでおります。これによりサービス提供事業者との関係性が強化されております。 ③ クラウド賃貸契約サービスの個人顧客への展開 従来から存在する法人企業等に対する社宅管理サービスは、各社の事業モデルの変化と、働き方改革及び転勤を伴うジョブローテーションの見直しにより減少傾向にある市場を、社宅管理サービス事業者各社で取り合っている環境にあります。一方で、法人企業等の安定的な成長のため、人材の確保と定着は重要な課題と認識されており、法人企業等が従業員に対して提供する福利厚生などについては、改めて付加価値の向上及び改善が検討されている環境にあります。 当社では、全国の不動産事業者との提携により、様々な部屋探しのサポートをして参りましたが、上記の環境変化に対応すべく、従来の転勤社宅及び福利厚生として提供する社宅に加えて、企業に勤める従業員個人が利用可能な、最大2年間、毎月2,000円の家賃割引が受けられるサービス「ヘヤワリ」のサービス展開に至っております。 従来の社宅管理で提供されていた法人企業等の総務人事担当者の工数削減のみに留まることなく、法人企業等の福利厚生に対する新たな価値を創出し、さらには働く個人の住み方の変革を実現すべく、提携不動産事業者等と協力して新たな事業を推進してまいります。 ④ 引越しプラットフォーム価値の向上と高い成約率の実現 引越しの需要と供給のバランスが崩れることを起因として、ここ数年社会問題となっている引越し難民という課題に対して、当社は引越事業者の供給を最適化することにより解決を図っております。具体的には、当社が全国の提携引越事業者が利用できるプラットフォームシステムを開発し、全国の提携引越事業者が自社では対応できない引越案件を任せることができる引越事業者を、又は自社で対応する引越案件を提供してくれる引越事業者をマッチングすることにより、引越事業者の引越サービスの顧客価値最大化と経営効率の向上を同時に図っております。 また、従来からの課題である、エリアを限定して営業している引越事業者のエリア外の引越受注に対しても、都市間で運行している幹線便の利用や積みと下ろしの分割及びマッチングをプラットフォーム上で実現することにより、引越事業者の受注機会を最大化することによる収益の向上を図るとともに引越サービス自体の供給量の最大化も実現しております。 こうした取り組みについては、プラットフォームシステムを開発するだけで実現できるものではなく、真に引越事業者と顧客に重きを置いたサービスを開発し続けてきた当社と引越事業者との信頼関係がなければ実現するものではなく、他社が真似することが難しい参入障壁の高いサービスであると自負しております。⑤ データベースを活用した新たな商材の開発と事業領域の拡大 当社グループは新生活関連事業者の課題解決や新生活を開始する顧客等のデータベースを活用したサービスを提供しており、代表的なサービスは以下のとおりとなります。 ・web上で契約情報確認のできる社宅管理サービス ・クラウド賃貸契約サービスにおける火災保険サービス ・単身赴任、長期出張及び一人暮らしをサポートする家具家電レンタルサービス ・長距離運送及び大型家具家電運送等の引越案件のマッチングサービス ・引越事業者が利用する燃料や段ボール等の共同購入 ・引越会社の人材不足をサポートする人材マッチングサービス ・引越業界に特化した業務の一元管理が可能なクラウド型業務基幹システム 当社グループでは今後も幅広い領域をカバーした新生活関連事業者の課題を解決する新サービスを開発、拡大することにより、全社の事業成長を実現してまいります。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、新生活を迎える人とサービスを提供するパートナー企業双方の『困った困ったを、良かった良かったに。』に変えていくことを経営理念として掲げております。新生活を迎える際に直面する「困った」を的確に抽出し、新生活サービスプラットフォームを通じて解決することで「良かった」に変えていくことにより、顧客とパートナー企業の信頼を高めて企業価値を向上してまいります。 上記経営理念のもと、急速に変化する市況に対応するため、当社グループでは以下の課題に取り組み、事業の拡大に努めてまいります。 ① 事業基盤の強化 当社グループの基盤事業である「新生活ラクっとNAVI」及び「社宅ラクっとNAVI」においては、利用者を増加させるとともにサポートの品質向上が最重要事項であると考えております。利用者増加のため、法人企業等の契約獲得に注力し当社グループが管理する社宅戸数を増加させることにより、強固な事業基盤構築を目指してまいります。 ② パートナーシップの拡大 当社グループの事業運営においては、サポート実施時に具体的な業務を担当する不動産事業者、引越事業者、新電力事業者、ガス小売事業者、インターネット回線事業者等多くの事業者との連携が必要不可欠となっております。移転者サポート事業の継続的な発展のために引き続き事業者とのパートナーシップの拡大を図ってまいります。 ③ デジタル連携の推進 当社グループでは新生活関連サービスのデジタル化及びワンストップ化の推進が必要であると考えております。政府や民間事業者と連携して、引越しに伴う手続きの負担を軽減し、手続漏れを防止するため引越しワンストップサービスの実証実験に参加する等の取組みを実施してまいりました。また、クラウド賃貸契約サービスにおける転貸借契約の電子化を起点として、不動産業界のデジタル化や新技術の活用を推進してまいります。 ④ 新規事業の開発と推進 当社グループの収益源の多様化並びに継続的な成長・拡大を図るためには、新規事業の開発と推進が不可欠であります。「新生活ラクっとNAVI」「社宅ラクっとNAVI」「HAKOPLA(ハコプラ)」に続く新たな事業を企画すると共に、「ベネフィット社宅」「ヘヤワリ」「TANT」「HAKO-Ad(ハコアド)」「HAKO-Tec(ハコテク)」等、新サービスの開発を推進し、事業間シナジーの最大化を目指してまいります。 ⑤ 組織体制の整備 当社グループは、今後の事業拡大及び事業基盤の強化を図るにあたり、優秀な人材の確保及び従業員の育成が重要であると考えております。そのため、これまで同様継続して従業員の育成に注力し、事業規模に応じて組織体制の整備を進めてまいります。 ⑥ 情報管理体制の強化 当社グループは、多くの個人情報及び機密情報を有しているため、情報管理の徹底が重要であると考えております。当社グループは、プライバシーマーク及び情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証を取得し、さらに内部監査部門によるモニタリングを実施する等、情報管理体制の構築及び運用に努めております。今後につきましても、PDCAサイクルに基づく管理体制の継続的な見直し・改善、及び従業員向け研修の実施を通じて、情報管理体制の一層の強化に取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 経営成績の状況 当連結会計年度における日本国内の経済は、企業収益の改善や賃金上昇、訪日外国人によるインバウンド需要等の回復に支えられ、緩やかな回復基調を維持しました。一方で、円安による物価上昇や米国の通商政策の動向等から個人消費には伸び悩みが見られ、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。 このような状況の下、当連結会計年度の経営成績は、売上高は4,364,484千円(前連結会計年度比21.7%増)、営業利益は760,303千円(前連結会計年度比67.0%増)、経常利益は765,416千円(前連結会計年度比61.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は531,616千円(前連結会計年度比56.9%増)となりました。 2025年12月期末において不動産会社向けサービス「新生活ラクっとNAVI」を導入いただいた不動産会社は1,491社、法人企業向けサービス「社宅ラクっとNAVI」を導入いただいた法人企業は4,016社となり、順調に推移しました。引越会社向けサービスにおきましては、利用引越会社数は158社となり、特に引越業務の一元管理が可能なサービス「HAKO-Tec(ハコテク)」が成長を牽引しました。 利益面におきましては、コールセンター業務の連携強化および生産性向上により、第3四半期以降の教育・採用及び人件費が抑制されました。加えて、前連結会計年度に発生した本社移転(東京支店)などの一過性の費用が剥落したことも寄与し、販売費及び一般管理費が抑制され、営業利益が増加いたしました。 なお、当社グループは、移転者サポート事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。 ② 財政状態の状況 (資産) 当連結会計年度末における流動資産は5,257,242千円となり、前連結会計年度末に比べ1,090,521千円増加しました。これは主に賃貸住宅転貸サービスにおける管理物件の増加に伴い現金及び預金が406,020千円、売掛金が90,017千円、前渡金が553,604千円、流動資産「その他」が41,637千円増加したこと等によるものであります。また、当連結会計年度末における固定資産は2,230,902千円となり、前連結会計年度末に比べ570,790千円増加しました。これは主に賃貸住宅転貸サービスにおける管理物件の増加に伴い敷金及び保証金が415,134千円、長期前払費用が147,215千円増加、自社システムの開発により無形固定資産が35,200千円増加、有形固定資産が4,381千円、投資その他の資産「その他」が49,891千円減少したこと等によるものであります。 この結果、当連結会計年度末における資産合計は7,488,144千円となり、前連結会計年度末に比べ1,661,312千円増加しました。 (負債) 当連結会計年度末における流動負債は2,960,855千円となり、前連結会計年度末に比べ647,671千円増加しました。これは主に賃貸住宅転貸サービスにおける管理物件の増加に伴い前受金が479,345千円、買掛金が61,330千円、未払法人税等が84,294千円増加したこと等によるものであります。また、当連結会計年度末における固定負債は1,868,299千円となり、前連結会計年度末に比べ605,984千円増加しました。これは主に賃貸住宅転貸サービスにおける管理物件の増加に伴い長期預り金が313,182千円、預り敷金及び保証金が289,529千円増加したこと等によるものであります。 この結果、当連結会計年度末における負債合計は4,829,154千円となり、前連結会計年度末に比べ1,253,655千円増加しました。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は2,658,990千円となり、前連結会計年度末に比べ407,656千円増加しました。これは新株予約権の権利行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ20,246千円増加し、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が356,682千円、自己株式の取得により自己株式が75千円増加したこと等によるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より406,020千円増加し、2,320,408千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動による資金の増加は、963,787千円(前連結会計年度は828,460千円の増加)となりました。これは主に当連結会計年度において税金等調整前当期純利益が765,416千円計上されたこと、賃貸住宅転貸サービスにおける管理物件の増加に伴い未収入金が33,491千円、前渡金が553,604千円増加した一方で、前受金が472,675千円、長期預り金が313,182千円増加したこと等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動による資金の減少は、480,147千円(前連結会計年度は456,596千円の減少)となりました。これは主に賃貸住宅転貸サービスにおける管理物件の増加に伴い、敷金及び保証金の差入による支出が541,943千円、預り敷金及び保証金の返還による支出が134,872千円あったこと等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動による資金の減少は、117,076千円(前連結会計年度は16,874千円の増加)となりました。これは主に配当金の支払額が157,013千円あったこと等によるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 b.受注実績 当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループは移転者サポート事業の単一セグメントであるため、事業部門別に記載しております。 事業部門の名称当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)金額前年同期比不動産会社向けサービス2,160,780千円125.8%法人企業向けサービス1,877,778千円115.4%引越会社向けサービス325,925千円134.4%合計4,364,484千円121.7% 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)ソフトバンク株式会社586,29616.3586,54813.4株式会社ラストワンマイル471,50913.11,174,81426.9 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与えるような見積り・予測を必要としております。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り・予測を実施しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。 また、連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度においては、法人企業等及び不動産事業者向けの移転者サポートサービスの着実な利用拡大に注力し、不動産会社向けサービス「新生活ラクっとNAVI」は、提携社数は146社増加、サポート件数は前年に比べ125,099件増加しました。法人企業向けサービス「社宅ラクっとNAVI」においては、登録社数が303社増加、サポート件数は前年に比べ3,179件増加しました。また、引越事業者向けサービスである引越しプラットフォーム「HAKOPLA(ハコプラ)」につきましては、ハコプラ参加事業者が4社増加、案件マッチング数は12,817件増加し64,946件となりました。 当連結会計年度の経営成績等の分析、検討内容は以下のとおりであります。 (売上高) 当連結会計年度における売上高は、4,364,484千円(前連結会計年度比21.7%増)となりました。不動産会社向けサービスにおける登録社数が1,491社(同146社増)、ユーザー数が227,070人(同42,720人増)に増加し、法人企業向けサービスにおける登録社数が4,016社(同303社増)、ユーザー数が38,895人(同2,417人増)に増加、引越会社向けサービスにおいては、ハコプラ参加引越会社が158社(同4社増)となり、順調に推移しました。特に引越業務の一元管理が可能なサービス「HAKO-Tec(ハコテク)」が成長を牽引しました。 (売上原価、売上総利益) 当連結会計年度における売上原価は、1,228,715千円(前期比67.7%増)となりました。サービス別の内訳は、不動産会社向けサービスにおける支払手数料等が994,056千円(前期比72.2%増)、法人企業向けサービスにおける支払手数料等が187,757千円(前期比52.4%増)、引越会社向けサービスにおける支払手数料等が46,901千円(前期比45.0%増)であります。 以上の結果、売上総利益は3,135,768千円(同9.9%増)となり、売上総利益率は71.8%となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益) 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、2,375,464千円(前期比1.0%減)となり、前連結会計年度に比べ22,945千円減少しました。これはコールセンター業務の連携強化および生産性向上により、教育・採用及び人件費費用が抑制されたことに加えて、前連結会計年度に発生した本社移転(東京支店)に伴う一過性の費用が減少したことによるものであります。 以上の結果、営業利益は760,303千円(同67.0%増)となり、営業利益率は17.4%となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常利益) 当連結会計年度における営業外収益は、5,936千円となりました。これは主に業務受託手数料等によるものであります。営業外費用は823千円となり、当座貸越契約による借入金に対する支払利息等であります。 以上の結果、経常利益は765,416千円(前期比61.3%増)となり、経常利益率は17.5%となりました。 (特別利益、特別損失、法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益) 当連結会計年度における特別利益及び特別損失の発生はありませんでした。また、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額含む)は233,799千円となりました。 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は531,616千円(前期比56.9%増)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析 当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。 ④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析 当社グループにおける主な資金需要は、事業規模の拡大に係る人件費、システム開発費用、賃貸物件転貸サービスにおける敷金及び保証金の差し入れとなります。事業活動に必要な資金は、自己資金又は金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等による資金調達を考えております。なお、本書提出日現在において当社グループは、無借金であり、事業活動に必要な資金は自己資金で確保できているため、健全な財政体制であると判断しております。 ⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について 当社の経営者は、当社グループが今後さらなる成長と発展を遂げるためには、厳しい環境の中で様々な課題に対処していくことが必要であると認識しており、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、事業運営に努めてまいります。