経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは「ウェルビーイングのスタンダードを創る」というビジョンを掲げております。当社グループが定義している「ウェルビーイング」とは、以下のとおりです。「毎日、楽しくて仕方がない」という気持ちで目が覚める。信頼できる職場で一日を過ごし、満ち足りた気持ちで家に帰る。やる気に満ち溢れ、自らだけではなくチームを奮い立たせ、そして、信じるビジョンを達成する。 多くの労働者は、限界まで働き、心や身体の健康を失って、初めて、「その重要性に気付く」ということが少なくないのではないかと考えます。当社グループはメンタルヘルスの問題の解決を通じて、働く人々が健康問題で不幸に陥らない「心身の健康問題を考えることが身近になる世界」を実現したいと考えております。当社グループでは、このビジョンのもと、企業にとって最適なメンタルヘルスケア体制をクラウドサービスを活用しながら構築運用し、多くの職場における従業員のメンタルヘルス問題に取り組み、解決の方策を探し続けていきたいと考えております。 (2) 経営戦略及び市場戦略等① メンタルヘルスソリューション事業の成長戦略当社グループでは、中核事業であるメンタルヘルスソリューション事業の成長のため、以下の戦略をとっております。ⅰ.売上高に占めるエンタープライズの比率向上当社グループでは、従業員1,000名以上かつ「産業医クラウド」の売上高月額20万円以上(見込を含む)の企業(グループ)を「エンタープライズ」と定義しております。エンタープライズは一件当たり売上金額が大きく、月次経常収益(MRR)の増加に大きく貢献するため、売上全体におけるエンタープライズの比率向上を目指しております。2025年12月末現在で、1,000人以上の従業員の顧客企業数は当社の総契約件数中9.8%の223グループであります。 ⅱ.エンタープライズの一顧客グループ当たり単価の向上エンタープライズは、従業員に比例して取引金額が大きいこと、ニーズが多種多様であること、グループ全体の労働安全衛生の対応等から、単価向上が見込みやすい顧客グループです。エンタープライズは、産業医業務の「形式運用」から職場のメンタルヘルスケア対応にかかる「課題解決型運用」への道を模索している先が多く、当社スタッフによるカウンセリングを実施することで、ニーズに則した産業医及び保健師による役務提供、企業の内実に合致した「ELPIS」サービスの追加が期待できるため、長期契約による売上単価の向上を見込んでおります。実際に、多少の増減はあるものの、エンタープライズ一顧客グループ当たりの単価は向上傾向にあり、平均単価向上を加速させていくことが、当事業の継続的な成長に重要と考えております。 ⅲ.「ELPIS」導入促進によるメンタルヘルスソリューション事業のセグメント利益の向上従来は産業医が役務提供を行っていた業務の一部を「ELPIS」で代替することにより、クラウドサービス比率を向上させることが重要であると考えております。当該マーケットは、単純に産業医による役務を提供するだけであれば価格競争に陥ってしまいます。新規契約時には産業医の役務提供からスタートしつつも、メンタルヘルスケアや健康管理に関するサービスである「ELPIS」を顧客に採用・継続利用してもらうことによって、セグメント利益を向上することが可能と考えております。 ⅳ.「産業医クラウド」契約に関するチャーンレート(解約率)の改善当社グループとしては、月次のチャーンレートに改善の余地があると考え、多種多様なサービスを顧客企業に提供すること、及びカスタマーサクセス機能の強化を実施することが、当社の継続的な成長に重要と考えております。 ② 当社グループ内事業によるシナジー戦略当社グループが営む事業のうちメンタルヘルスソリューション事業とその他事業は、当社グループが提供するメンタルヘルス関連サービスにおいて密接に関連しております。その他事業のデジタルマーケティング事業において創業以来実施している医学会向けサービスによって蓄積された医師のデータベースとWebマーケティングのノウハウを活用することで、当社グループの中核事業であるメンタルヘルスソリューション事業、並びにメディカルキャリア支援事業における成約確率の高い見込み顧客の開拓に結びつけるための戦略をとっております。また、その他事業のメディカルキャリア支援事業においては、売上向上を目指して地方の医療機関と接触を深めておりますが、それによって地方における産業医候補の医師情報を獲得し、地方の企業におけるメンタルヘルスソリューション事業の見込み顧客開拓につなげることを目指しております。上記戦略を実行することにより、見込み顧客開拓をグループ全体で実施することで、シナジーを発揮し、マーケティングコストの低減を図っていきます。 ③ メディカルワークシフト事業の成長戦略当社グループの2つ目の中核事業であるメディカルワークシフト事業においては、以下の成長戦略をとっております。ⅰ.医療機関の経営改善提案力強化タスクフォースは、医療機関の現場業務への理解を背景とした業務改善提案力と長期間安定的に定着する派遣スタッフを雇用していることにより、大規模急性期病院に高いシェアを持っております。この点をさらに強化するため、当社グループの医療機関経営に造詣の深いスタッフを利用することによる経営提案力の向上を図って参ります。また、今後は医療機関へDX化を含む業務改善の提案を推進することを通じて、医療機関向けのBPaaS(Business Process as a Service)を目指してまいります。 ⅱ.大規模急性期病院におけるシェア拡大タスクフォースは、上記の業務改善提案力・長期安定的派遣スタッフ保有等の優位性により、特に愛知県の大規模急性期病院における看護補助者派遣で高いシェアを持っております。これを関東・関西地域に拡大するため、当社グループのネットワークを活用し、大規模医療機関の新規開拓を推進してまいります。 ⅲ.派遣スタッフの量・質の強化メディカルワークシフト事業の成長は、優良な派遣スタッフを募集・教育することに大きく依拠しております。当社グループの持つマーケティングチームを活用した派遣人材募集の推進、スタッフの定着のための教育訓練等を強化してまいります。 (3) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、当社グループの中核事業であるメンタルヘルスソリューション事業に関し、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、月次経常収益(MRR)を重要な経営指標と位置付けております。また、MRRを構成する指標として、①エンタープライズ企業の契約社数及び全体の件数に占める比率、②企業規模別契約単価、③「産業医クラウド」契約に関するチャーンレート(解約率)、④売上継続率(NRR)も、同様に重要な経営指標であると捉えております。 (4) 経営環境厚生労働省より3年ごとに公表されている「患者調査(傷病分類編)」によると、精神疾患により医療機関を受診している患者数は、近年大幅に増加しており、2002年では258万人であったものが、2017年は419万人、2023年では605万人になっています。特に、気分(感情)障害(躁うつ病を含む)、神経症性障害,ストレス関連障害及び身体表現性障害は、2002年137万人であったものが2017年は248万人、2023年には372万人と、大幅な増加がみられます。さらに、「令和2年 労働安全衛生調査(実態調査)」及び「令和5年 労働安全衛生調査(実態調査)」によれば、メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業・退職した労働者の割合は全体では0.5%から0.8%へ増加、労働者1,000人以上の事業所においては0.8%から1.2%へと増加しております。2020年以降の新型コロナウイルス感染症蔓延によってテレワークが普及したことから、メンタルヘルス不調は増加傾向にあると推察されます。こうした状況変化に伴い、行政によるメンタルヘルス関連の規制が強化されてきています。産業医については、労働安全衛生法により、企業規模に応じた産業医の選任義務と選任人数等が定められておりますが、それに加え、2015年には労働安全衛生法が改正されてストレスチェック制度が義務化されました。また、2019年には働き方改革関連法が施行され、有給休暇取得の義務化や大企業における時間外労働時間の罰則付き上限規制が法制化されました。5年間猶予されていた医師、建設、運輸業については、2024年4月より時間外労働時間の上限規制の適用が予定されております。また、厚生労働省が2020年3月に改定した「テレワークガイドライン」でも、事業主・企業の労務担当者用の「テレワークを行う労働者の安全衛生を確保するためのチェックリスト」の中に、メンタルヘルス対策のチェック項目が入っております。企業は法令上の必要性から産業医を選任するといった「形式運用」から職場のメンタルヘルスケア対応にかかる「課題解決型運用」に移行している最中であり、従業員のメンタルヘルスケア対応を強化し、健康問題を解決していこうという流れが起き始めています。経済産業省が進めている健康経営優良法人の取得企業(注1)は毎年増加しており、企業による従業員への健康配慮の気運が高まっております。しかし、多くの企業で選任している産業医では、新型コロナウイルス感染症による環境変化等の最新の動向を踏まえたメンタルヘルスケアへの対応ができていない可能性があります。当社は、企業が従業員のメンタルヘルスケアを実現していくためには、高い専門性を持つ産業医、そして、厚生労働省が推奨する通称「4つのケア(セルフケア、ラインによるケア、事業場内産業保健スタッフ等によるケア、事業場外資源によるケア)」による体制整備を実現し、各種ハラスメント対策を含め、適正な運用を実現し続けることが重要と考えています。そのため、こうした企業から当社への問い合わせの多くは、既存産業医の交代、保健師の登用、メンタルヘルス対応、健康管理室(注2)の立ち上げ等となっております。総務省・経済産業省「令和3年経済センサス-活動調査 (企業等に関する集計 産業横断的集計) (2023年6月27日)」によれば、産業医選任義務の対象となる従業員50人以上の企業数は、日本国内に約10万社ありますが、上記の「形式運用」から「課題解決型運用」への変化により、メンタルヘルスソリューション事業の事業拡大の余地は大きいものと考えております。 医療現場は医師の長時間労働によって支えられており、医療機関におけるメンタルヘルスケアはさらに重要性が増加しております。2024年4月より、医師の働き方改革が実施されたものの、医療ニーズの変化や医療の高度化、少子化による労働力の減少により、医師に対する負荷は今後も更に増加すると予想されております。これを解消するため、医師・医療職の業務のうち有資格者以外で担当可能な業務を切り出し医療職以外の職員に分担させる、看護補助者へのタスクシフトに注目が集まっております。しかし、現状は医療機関の直接採用が中心ですが、なかなか募集しても集まらず、人数も減少している実態があります。(注3)このような状況から、外部の看護補助者人材サービスへのニーズ拡大が見込めるものと考えております。 (注1)健康経営は、日本再興戦略、未来投資戦略に位置づけられた「国民の健康寿命の延伸」に関する取り組みの一つ。経済産業省では、健康経営に係る各種顕彰制度として、2014年度から「健康経営銘柄」の選定を行っており、2016年度には「健康経営優良法人認定制度」を創設している。(注2)健康管理室 : 社員の健康管理業務全般を担う機能(注3)公益社団法人 日本看護協会HP「看護補助者の確保・定着に向けて」より (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループでは、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題として、下記の4点があると考えております。 ① 収益基盤の強化当社グループは、これまでも各事業において、収益基盤を構築してまいりましたが、今後の中長期的な成長を実現するために、さらなる収益基盤の強化が重要な課題であると認識しております。この課題に対応するために、まずメンタルヘルスに関する認知活動の強化が重要であると考え、メディアやセミナーを通じたメンタルヘルスに関する広報活動を強化するため、2024年1月にデジタルマーケティング事業部をビジネス・インキュベーション部へ改組し、グループ内のマーケティング支援活動及び新規事業開発を行うことといたしました。加えて、当社の事業と親和性の高い企業との業務提携や企業の買収などを通じ、業容拡大を目指しております。また、メンタルヘルスソリューション事業においては、多くの職場でのメンタルヘルスケア、健康経営に貢献できるようなサービスコンテンツの開発や、産業医の登録数の増加と産業医業務の質的向上、カスタマーサクセスチームによるカスタマーサポート体制の一層の強化が必要であると考えております。メディカルキャリア支援事業においては、求職医師の登録数の増加、求人医療機関数の増加等を実現するための方策の検討、「株式会社ヘルスケアDX」のクリニック運営支援を通じた医療機関ネットワークの構築などを進めてまいります。2024年3月に開始したメディカルワークシフト事業においては、対医療機関の戦略的営業力向上と医療機関向け人材確保に向けた採用マーケティング力強化を通じて、売上高の成長・営業利益率の向上を図ってまいります。 ② サービスの健全性の維持及び向上当社グループの事業において、インターネットを通じたビジネスとなっているものに関しては、システムを安定的に稼働させることが重要な課題であると認識しております。今後においても、セキュリティの向上等に適時に対応し、技術革新等の事業環境の変化にも柔軟に対応できるシステム開発体制を構築することで、システムの安定稼動や高度なセキュリティが担保されたサービス運営に努めてまいります。 ③ 組織力、内部管理体制の強化ⅰ.優秀な人材の確保及び育成当社グループでは、産業保健、メンタルヘルス、医療関連の専門的知識を有した優秀な人材の確保及び育成が重要な課題であると認識しております。事業規模に応じた効率的な運営を意識し、高度な知識・経験のある人材の確保に積極的に取り組んでまいります。また、人材育成のために各種研修等の教育・研修制度も充実させてまいります。 ⅱ.内部管理体制の強化当社グループが継続的に成長し続けるためには、内部管理体制の強化が必要不可欠な課題であると認識しております。今後においても、内部統制システムの運用を徹底し、事業運営上のリスクの把握と管理を適切に行える体制構築に努めてまいります。 ⅲ.情報管理体制の強化当社グループでは、個人情報等の機密情報につきまして、ネットワークの管理、「個人情報保護規程」の制定及び遵守、全従業員を対象とした社内研修の徹底、内部監査によるチェック等により、情報管理体制を構築しております。今後においても、コンプライアンスを重視し、情報管理体制の強化に努めてまいります。 ④ 財務上の課題当社グループの中核事業であるメンタルヘルスソリューション事業においては、現状を未だ投資フェーズと捉えており、事業の親和性の高い企業の買収や、サービス開発・広告宣伝等に注力しております。そのため、事業拡大のための成長資金の調達も視野に入れ、資金調達の多様化を含む財務体質の強化を図ってまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは「ウェルビーイングのスタンダードを創る」というビジョンを掲げております。当社グループが定義している「ウェルビーイング」とは、以下のとおりです。「毎日、楽しくて仕方がない」という気持ちで目が覚める。信頼できる職場で一日を過ごし、満ち足りた気持ちで家に帰る。やる気に満ち溢れ、自らだけではなくチームを奮い立たせ、そして、信じるビジョンを達成する。 多くの労働者は、限界まで働き、心や身体の健康を失って、初めて、「その重要性に気付く」ということが少なくないのではないかと考えます。当社グループはメンタルヘルスの問題の解決を通じて、働く人々が健康問題で不幸に陥らない「心身の健康問題を考えることが身近になる世界」を実現したいと考えております。当社グループでは、このビジョンのもと、企業にとって最適なメンタルヘルスケア体制をクラウドサービスを活用しながら構築運用し、多くの職場における従業員のメンタルヘルス問題に取り組み、解決の方策を探し続けていきたいと考えております。 (2) 経営戦略及び市場戦略等① メンタルヘルスソリューション事業の成長戦略当社グループでは、中核事業であるメンタルヘルスソリューション事業の成長のため、以下の戦略をとっております。ⅰ.売上高に占めるエンタープライズの比率向上当社グループでは、従業員1,000名以上かつ「産業医クラウド」の売上高月額20万円以上(見込を含む)の企業(グループ)を「エンタープライズ」と定義しております。エンタープライズは一件当たり売上金額が大きく、月次経常収益(MRR)の増加に大きく貢献するため、売上全体におけるエンタープライズの比率向上を目指しております。2025年12月末現在で、1,000人以上の従業員の顧客企業数は当社の総契約件数中9.8%の223グループであります。 ⅱ.エンタープライズの一顧客グループ当たり単価の向上エンタープライズは、従業員に比例して取引金額が大きいこと、ニーズが多種多様であること、グループ全体の労働安全衛生の対応等から、単価向上が見込みやすい顧客グループです。エンタープライズは、産業医業務の「形式運用」から職場のメンタルヘルスケア対応にかかる「課題解決型運用」への道を模索している先が多く、当社スタッフによるカウンセリングを実施することで、ニーズに則した産業医及び保健師による役務提供、企業の内実に合致した「ELPIS」サービスの追加が期待できるため、長期契約による売上単価の向上を見込んでおります。実際に、多少の増減はあるものの、エンタープライズ一顧客グループ当たりの単価は向上傾向にあり、平均単価向上を加速させていくことが、当事業の継続的な成長に重要と考えております。 ⅲ.「ELPIS」導入促進によるメンタルヘルスソリューション事業のセグメント利益の向上従来は産業医が役務提供を行っていた業務の一部を「ELPIS」で代替することにより、クラウドサービス比率を向上させることが重要であると考えております。当該マーケットは、単純に産業医による役務を提供するだけであれば価格競争に陥ってしまいます。新規契約時には産業医の役務提供からスタートしつつも、メンタルヘルスケアや健康管理に関するサービスである「ELPIS」を顧客に採用・継続利用してもらうことによって、セグメント利益を向上することが可能と考えております。 ⅳ.「産業医クラウド」契約に関するチャーンレート(解約率)の改善当社グループとしては、月次のチャーンレートに改善の余地があると考え、多種多様なサービスを顧客企業に提供すること、及びカスタマーサクセス機能の強化を実施することが、当社の継続的な成長に重要と考えております。 ② 当社グループ内事業によるシナジー戦略当社グループが営む事業のうちメンタルヘルスソリューション事業とその他事業は、当社グループが提供するメンタルヘルス関連サービスにおいて密接に関連しております。その他事業のデジタルマーケティング事業において創業以来実施している医学会向けサービスによって蓄積された医師のデータベースとWebマーケティングのノウハウを活用することで、当社グループの中核事業であるメンタルヘルスソリューション事業、並びにメディカルキャリア支援事業における成約確率の高い見込み顧客の開拓に結びつけるための戦略をとっております。また、その他事業のメディカルキャリア支援事業においては、売上向上を目指して地方の医療機関と接触を深めておりますが、それによって地方における産業医候補の医師情報を獲得し、地方の企業におけるメンタルヘルスソリューション事業の見込み顧客開拓につなげることを目指しております。上記戦略を実行することにより、見込み顧客開拓をグループ全体で実施することで、シナジーを発揮し、マーケティングコストの低減を図っていきます。 ③ メディカルワークシフト事業の成長戦略当社グループの2つ目の中核事業であるメディカルワークシフト事業においては、以下の成長戦略をとっております。ⅰ.医療機関の経営改善提案力強化タスクフォースは、医療機関の現場業務への理解を背景とした業務改善提案力と長期間安定的に定着する派遣スタッフを雇用していることにより、大規模急性期病院に高いシェアを持っております。この点をさらに強化するため、当社グループの医療機関経営に造詣の深いスタッフを利用することによる経営提案力の向上を図って参ります。また、今後は医療機関へDX化を含む業務改善の提案を推進することを通じて、医療機関向けのBPaaS(Business Process as a Service)を目指してまいります。 ⅱ.大規模急性期病院におけるシェア拡大タスクフォースは、上記の業務改善提案力・長期安定的派遣スタッフ保有等の優位性により、特に愛知県の大規模急性期病院における看護補助者派遣で高いシェアを持っております。これを関東・関西地域に拡大するため、当社グループのネットワークを活用し、大規模医療機関の新規開拓を推進してまいります。 ⅲ.派遣スタッフの量・質の強化メディカルワークシフト事業の成長は、優良な派遣スタッフを募集・教育することに大きく依拠しております。当社グループの持つマーケティングチームを活用した派遣人材募集の推進、スタッフの定着のための教育訓練等を強化してまいります。 (3) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、当社グループの中核事業であるメンタルヘルスソリューション事業に関し、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、月次経常収益(MRR)を重要な経営指標と位置付けております。また、MRRを構成する指標として、①エンタープライズ企業の契約社数及び全体の件数に占める比率、②企業規模別契約単価、③「産業医クラウド」契約に関するチャーンレート(解約率)、④売上継続率(NRR)も、同様に重要な経営指標であると捉えております。 (4) 経営環境厚生労働省より3年ごとに公表されている「患者調査(傷病分類編)」によると、精神疾患により医療機関を受診している患者数は、近年大幅に増加しており、2002年では258万人であったものが、2017年は419万人、2023年では605万人になっています。特に、気分(感情)障害(躁うつ病を含む)、神経症性障害,ストレス関連障害及び身体表現性障害は、2002年137万人であったものが2017年は248万人、2023年には372万人と、大幅な増加がみられます。さらに、「令和2年 労働安全衛生調査(実態調査)」及び「令和5年 労働安全衛生調査(実態調査)」によれば、メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業・退職した労働者の割合は全体では0.5%から0.8%へ増加、労働者1,000人以上の事業所においては0.8%から1.2%へと増加しております。2020年以降の新型コロナウイルス感染症蔓延によってテレワークが普及したことから、メンタルヘルス不調は増加傾向にあると推察されます。こうした状況変化に伴い、行政によるメンタルヘルス関連の規制が強化されてきています。産業医については、労働安全衛生法により、企業規模に応じた産業医の選任義務と選任人数等が定められておりますが、それに加え、2015年には労働安全衛生法が改正されてストレスチェック制度が義務化されました。また、2019年には働き方改革関連法が施行され、有給休暇取得の義務化や大企業における時間外労働時間の罰則付き上限規制が法制化されました。5年間猶予されていた医師、建設、運輸業については、2024年4月より時間外労働時間の上限規制の適用が予定されております。また、厚生労働省が2020年3月に改定した「テレワークガイドライン」でも、事業主・企業の労務担当者用の「テレワークを行う労働者の安全衛生を確保するためのチェックリスト」の中に、メンタルヘルス対策のチェック項目が入っております。企業は法令上の必要性から産業医を選任するといった「形式運用」から職場のメンタルヘルスケア対応にかかる「課題解決型運用」に移行している最中であり、従業員のメンタルヘルスケア対応を強化し、健康問題を解決していこうという流れが起き始めています。経済産業省が進めている健康経営優良法人の取得企業(注1)は毎年増加しており、企業による従業員への健康配慮の気運が高まっております。しかし、多くの企業で選任している産業医では、新型コロナウイルス感染症による環境変化等の最新の動向を踏まえたメンタルヘルスケアへの対応ができていない可能性があります。当社は、企業が従業員のメンタルヘルスケアを実現していくためには、高い専門性を持つ産業医、そして、厚生労働省が推奨する通称「4つのケア(セルフケア、ラインによるケア、事業場内産業保健スタッフ等によるケア、事業場外資源によるケア)」による体制整備を実現し、各種ハラスメント対策を含め、適正な運用を実現し続けることが重要と考えています。そのため、こうした企業から当社への問い合わせの多くは、既存産業医の交代、保健師の登用、メンタルヘルス対応、健康管理室(注2)の立ち上げ等となっております。総務省・経済産業省「令和3年経済センサス-活動調査 (企業等に関する集計 産業横断的集計) (2023年6月27日)」によれば、産業医選任義務の対象となる従業員50人以上の企業数は、日本国内に約10万社ありますが、上記の「形式運用」から「課題解決型運用」への変化により、メンタルヘルスソリューション事業の事業拡大の余地は大きいものと考えております。 医療現場は医師の長時間労働によって支えられており、医療機関におけるメンタルヘルスケアはさらに重要性が増加しております。2024年4月より、医師の働き方改革が実施されたものの、医療ニーズの変化や医療の高度化、少子化による労働力の減少により、医師に対する負荷は今後も更に増加すると予想されております。これを解消するため、医師・医療職の業務のうち有資格者以外で担当可能な業務を切り出し医療職以外の職員に分担させる、看護補助者へのタスクシフトに注目が集まっております。しかし、現状は医療機関の直接採用が中心ですが、なかなか募集しても集まらず、人数も減少している実態があります。(注3)このような状況から、外部の看護補助者人材サービスへのニーズ拡大が見込めるものと考えております。 (注1)健康経営は、日本再興戦略、未来投資戦略に位置づけられた「国民の健康寿命の延伸」に関する取り組みの一つ。経済産業省では、健康経営に係る各種顕彰制度として、2014年度から「健康経営銘柄」の選定を行っており、2016年度には「健康経営優良法人認定制度」を創設している。(注2)健康管理室 : 社員の健康管理業務全般を担う機能(注3)公益社団法人 日本看護協会HP「看護補助者の確保・定着に向けて」より (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループでは、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題として、下記の4点があると考えております。 ① 収益基盤の強化当社グループは、これまでも各事業において、収益基盤を構築してまいりましたが、今後の中長期的な成長を実現するために、さらなる収益基盤の強化が重要な課題であると認識しております。この課題に対応するために、まずメンタルヘルスに関する認知活動の強化が重要であると考え、メディアやセミナーを通じたメンタルヘルスに関する広報活動を強化するため、2024年1月にデジタルマーケティング事業部をビジネス・インキュベーション部へ改組し、グループ内のマーケティング支援活動及び新規事業開発を行うことといたしました。加えて、当社の事業と親和性の高い企業との業務提携や企業の買収などを通じ、業容拡大を目指しております。また、メンタルヘルスソリューション事業においては、多くの職場でのメンタルヘルスケア、健康経営に貢献できるようなサービスコンテンツの開発や、産業医の登録数の増加と産業医業務の質的向上、カスタマーサクセスチームによるカスタマーサポート体制の一層の強化が必要であると考えております。メディカルキャリア支援事業においては、求職医師の登録数の増加、求人医療機関数の増加等を実現するための方策の検討、「株式会社ヘルスケアDX」のクリニック運営支援を通じた医療機関ネットワークの構築などを進めてまいります。2024年3月に開始したメディカルワークシフト事業においては、対医療機関の戦略的営業力向上と医療機関向け人材確保に向けた採用マーケティング力強化を通じて、売上高の成長・営業利益率の向上を図ってまいります。 ② サービスの健全性の維持及び向上当社グループの事業において、インターネットを通じたビジネスとなっているものに関しては、システムを安定的に稼働させることが重要な課題であると認識しております。今後においても、セキュリティの向上等に適時に対応し、技術革新等の事業環境の変化にも柔軟に対応できるシステム開発体制を構築することで、システムの安定稼動や高度なセキュリティが担保されたサービス運営に努めてまいります。 ③ 組織力、内部管理体制の強化ⅰ.優秀な人材の確保及び育成当社グループでは、産業保健、メンタルヘルス、医療関連の専門的知識を有した優秀な人材の確保及び育成が重要な課題であると認識しております。事業規模に応じた効率的な運営を意識し、高度な知識・経験のある人材の確保に積極的に取り組んでまいります。また、人材育成のために各種研修等の教育・研修制度も充実させてまいります。 ⅱ.内部管理体制の強化当社グループが継続的に成長し続けるためには、内部管理体制の強化が必要不可欠な課題であると認識しております。今後においても、内部統制システムの運用を徹底し、事業運営上のリスクの把握と管理を適切に行える体制構築に努めてまいります。 ⅲ.情報管理体制の強化当社グループでは、個人情報等の機密情報につきまして、ネットワークの管理、「個人情報保護規程」の制定及び遵守、全従業員を対象とした社内研修の徹底、内部監査によるチェック等により、情報管理体制を構築しております。今後においても、コンプライアンスを重視し、情報管理体制の強化に努めてまいります。 ④ 財務上の課題当社グループの中核事業であるメンタルヘルスソリューション事業においては、現状を未だ投資フェーズと捉えており、事業の親和性の高い企業の買収や、サービス開発・広告宣伝等に注力しております。そのため、事業拡大のための成長資金の調達も視野に入れ、資金調達の多様化を含む財務体質の強化を図ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。なお、2024年12月18日に行われた株式会社みらい産業医事務所との企業結合について、前連結会計年度において暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に確定したため、前連結会計年度の比較分析に当たっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。また、当連結会計年度より当社グループ内の経営管理区分の見直しに伴い、従来「メディカルキャリア支援事業」、「デジタルマーケティング事業」としていた報告セグメントを「その他事業」に統合しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後の報告区分に組み替えた数値で比較分析しております。 ① 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ719,786千円増加し、5,368,233千円となりました。流動資産は前連結会計年度末に比べ592,901千円増加し、2,401,879千円となりました。これは主に、事業の拡大により現金及び預金が375,513千円、売掛金が210,932千円それぞれ増加し、1,492,051千円、851,781千円となったことによるものであります。固定資産は前連結会計年度末に比べ126,884千円増加し、2,966,353千円となりました。主な増加要因は、子会社が運営支援するクリニックや薬局の拠点増加に伴う設備投資等により有形固定資産が45,586千円増加し115,994千円となったこと、並びに、子会社の支援先に対する長期貸付金が101,212千円増加し、131,230千円となったこと、及び資本業務提携による出資で投資有価証券が48,000千円増加し58,026千円となったことにより投資その他の資産が188,604千円増加の309,591千円になったことによるものです。 (負債)当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ448,188千円増加し、3,801,679千円となりました。流動負債は前連結会計年度末に比べ524,855千円増加し、1,500,728千円となりました。これは主に、資金調達により1年内返済予定の長期借入金が136,707千円増加し508,135千円となったこと及び株主優待引当金を119,083千円計上したことによるものであります。固定負債は前連結会計年度末に比べ76,666千円減少し、2,300,950千円となりました。これは、長期借入金が返済により86,583千円減少し、2,110,802千円となったことよるものです。 (純資産)当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ271,597千円増加し、1,566,553千円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益254,901千円の計上により利益剰余金が268,554千円となったこと、及び新株予約権の行使で資本金及び資本剰余金がそれぞれ8,850千円増加したことによるものです。 ② 経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国は、トランプ米大統領による高関税政策に不確定要因が残ったものの、猛暑によって家電製品や日用品等への特需が生じたことや、好調な建設需要やデジタル投資の拡大により、景況感は年の半ばから次第に改善しました。また、引き続き人材獲得のため企業における人的資本への関心は高まっており、産業保健事業の事業環境は好転してきております。このような状況のなかで、当社グループでは、2024年12月期に策定した、2027年12月期において連結売上高100億円、営業利益20-25億円を達成目標とする「中期経営計画MHT100/20-25」の実現に向け、更なる成長を見据えて当連結会計年度の計画を立案しました。第3四半期には、売上・利益が計画を下回ったため通期業績予想を下方修正しておりますが、当連結会計年度全体としては本来のストック型収益構造に回帰したことから、前連結会計年度比では増収増益となりました。また、前連結会計年度は株式会社タスクフォース買収関連の経費及び2022年5月に付与した第11回新株予約権の株式報酬費用を計上したため赤字となりましたが、当連結会計年度においてはこうした一時的な経費が発生しなかったことから、前述のとおり増収増益で黒字化いたしました。これを踏まえ、株主の皆様へ安定的かつ継続的な利益還元が可能と判断し、第15期定時株主総会において議案「剰余金処分の件」を上程しました。「剰余金処分の件」は原案どおり承認可決されたため、2025年12月期の期末配当として1株当たり10円00銭の配当(初配)を実施いたします。 この結果、当連結会計年度の売上高は6,435,361千円(前連結会計年度比25.3%増)、営業利益は598,776千円(同445.6%増)、経常利益は438,418千円(前年同期は経常利益39,438千円)、親会社株主に帰属する当期純利益は254,901千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失29,779千円)となりました。 セグメント別業績は次のとおりであります。 a.メンタルヘルスソリューション事業メンタルヘルスソリューション事業では、産業医及び保健師等による役務提供サービスと労働者の心身の健康管理に関する各種クラウド型サービス「ELPIS」をパッケージ化し、「産業医クラウド」の名称で提供しております。当連結会計年度においては、新規顧客獲得のため、顧客サービス体制の強化、大手企業向けコンサルティング提案営業の推進などを引き続き行ってまいりました。また、既存顧客へのサービス追加による増額提案活動も実施しております。さらに、グループ内の株式会社Avenirと株式会社明照会労働衛生コンサルタント事務所との営業活動、新規事業開発等の相乗効果が出てきております。株式会社ヘルスケアDXのメンタルクリニック運営支援サービスについては、業務運営が軌道に乗り始め、支援先を拡大しております。この結果、当連結会計年度における当セグメントの業績は、売上高3,053,543千円(前連結会計年度比19.0%増)、セグメント利益890,302千円(前連結会計年度比35.4%増)となりました。 b.メディカルワークシフト事業2024年2月29日付で株式会社タスクフォースを完全子会社としたことに伴い、2024年3月より同社の看護補助者及び医療事務人材サービスを「メディカルワークシフト事業」として新たにセグメントを設定いたしました。当連結会計年度においては、当社グループに参加したことに伴う企業運営方法の統合が進み、デジタル化やスタッフのレベルアップ研修等の新たな施策に取り組みました。一方良質なスタッフの募集・定着を目的として人件費を増加させたため、当セグメントの経営成績は、売上高3,269,460千円、セグメント利益は265,937千円となりました。なお、当事業を開始したのは2024年3月1日であり、前期比較が困難なため、前年同期比較は記載しておりません。 c.その他事業当連結会計年度より当社グループ内の経営管理区分の見直しに伴い、従来「メディカルキャリア支援事業」、「デジタルマーケティング事業」としていた報告セグメントを「その他事業」に統合いたしました。その他事業において、メディカルキャリア支援事業では、医師転職市場の環境変化により規模の拡大が見込みにくい中、産業保健事業との連携に力を入れました。また、デジタルマーケティング事業では前連結会計年度に引き続き、受注制作に関して既存顧客の保守案件を安定的に受注する一方、グループ企業向けのマーケティングに事業部内のリソースを集中してまいりました。この結果、当連結会計年度における当セグメントの業績は、売上高112,357千円(前連結会計年度比30.5%減)、セグメント利益119千円(同99.7%減)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ375,513千円増加し、1,492,051千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は前連結会計年度末に比べ361,473千円増加し、631,989千円となりました。これは主な増加要因としては、株主優待引当金の増加額が119,083千円、のれんの償却額が94,944千円、未払消費税等の増加額77,987千円、未払金の増加額61,936千円が挙げられます。一方減少要因としては、売上債権の増加額210,932千円、法人税等の支払額61,391千円、利息の支払額41,535千円等が挙げられます。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は前連結会計年度末に比べ1,822,658千円減少し、324,299千円となりました。これは主に長期貸付による支出120,000千円、有形固定資産の取得による支出73,900千円、無形固定資産の取得による支出57,526千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果得られた資金は前連結会計年度末に比べ2,011,442千円減少し、67,824千円となりました。これは増加要因としては、長期借入金の借入による収入450,000千円、株式の発行による収入17,700千円があった一方で、減少要因として、長期借入金の返済による支出399,876千円が挙げられます。 ④ 生産、受注及び販売の実績(1) 生産実績当社グループの事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 (2) 受注実績当社グループは、受注制作を行っておりますが、受注から制作・納品までの期間が短いため、記載を省略しております。 (3) 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(千円)前年度比(%)メンタルヘルスソリューション事業3,053,54319.0%メディカルワークシフト事業3,269,460-%その他事業112,357△30.5%合計6,435,36125.3% (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.メディカルワークシフト事業を開始したのは2024年3月1日であり、前期比較が困難なため、前年同期比較は記載しておりません。3.主要な販売先については、総販売実績に対する割合が100分の10以上に該当する相手がないため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りにつきましては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性のため、実際の結果はこれらの見積りとは異なる場合があります。この連結財務諸表を作成するに当たっての重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 ② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(a) 財政状態の分析財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。 (b) 経営成績の分析(売上高)当連結会計年度の売上高は6,435,361千円となり、前連結会計年度と比較して1,300,586千円増加(前期比25.3%増)となりました。これは、主にメンタルヘルスソリューション事業の売上高が、前連結会計年度と比較して486,598千円増加し、3,053,543千円(前期比19.0%増)となったこと、及び2024年3月に新規開始したメディカルワークシフト事業の売上が2025年12月期は通年となり、3,269,460千円(前連結会計年度は2,406,227千円)となったことによるものであります。 (売上原価、売上総利益)当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度と比較して1,013,642千円増加し、4,308,663千円(前期比30.8%増)となりました。これは主に、メディカルワークシフト事業において、人材定着・確保を目的とした処遇改善による派遣スタッフ人件費等の増加に加え、メンタルヘルスソリューション事業の売上拡大による産業医への業務委託料支払が増加したことによるものであります。その結果、売上総利益は前連結会計年度と比較して286,944千円増加し、2,126,697千円(前期比15.6%増)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益)当連結会計年度の販売費及び一般管理費は前連結会計年度と比較して202,084千円減少し、1,527,921千円(前期比11.7%減)となりました。前連結会計年度は株式会社タスクフォース買収関連の一時経費、及び2022年5月に付与した第11回新株予約権の株式報酬費用を計上しましたが、当連結会計年度は類似した一時費用が発生しませんでした。その結果、営業利益は前連結会計年度と比較して489,028千円増加し、598,776千円(前期比445.6%増)となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常利益)当連結会計年度の営業外収益は前連結会計年度と比較して3,634千円増加し、4,260千円(前期比580.3%増)となりました。これは主に子会社の支援先に対する長期貸付金の受取利息が3,763千円増加し3,883千円となったことによるものです。営業外費用は前連結会計年度と比較して93,682千円増加し、164,618千円(前期比132.1%増)となりました。主な増加要因は、株主優待引当金繰入額を119,083千円計上したこと及び長期借入金の増加で支払利息が10,506千円増加し41,879千円となったことによるものです。一方主な減少要因としては、前連結会計年度に発生した支払手数料が当連結会計年度に発生しなかった事が挙げられます。この結果、経常利益は前連結会計年度と比較して398,980千円増加し、438,418千円(前連結会計年度は経常利益39,438千円)となりました。 (特別損益、法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度は、特別損失として、固定資産除却損1,387千円及び減損損失13,613千円を計上しております。また、法人税等合計は、169,520千円(前連結会計年度は75,484千円)となりました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は254,901千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失29,779千円)となりました。 (c) キャッシュ・フローの分析キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ③ 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等について経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標(以下KPIと呼ぶ。KPIは、Key Performance Indicatorの略称であり、重要業績指標を意味する)につきましては、「第2事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。当社グループの中核事業であるメンタルヘルスソリューション事業のKPIの推移は以下のとおりとなっております。当事業の成長が当社グループ全体の成長の推進力であるため、当該KPIの進捗を注視し、経営上の目標達成状況を判断しております。なお、当社グループでは当該KPI及び顧客グループについて、下記のように定義しております 。 ENT(エンタープライズ、Enterpriseの略称)従業員1,000名以上かつ「産業医クラウド」の売上高が月額20万円以上(見込を含む)の顧客(グループ) SMB(Small and Medium Businessの略称)「産業医クラウド」の売上高が月額20万円未満の顧客 MRR(Monthly Recurring Revenueの略称)メンタルヘルスソリューション事業における「月次経常収益」を意味します。毎月発生する月額料金のみを集計対象としており、単発的に発生する収益は集計対象外としております。継続利用によって発生する経常収益の積み重ねが、当社事業の継続的な成長を測るための最も重要な指標であり、重視しております。 NRR(Net Revenue Retentionの略称)「産業医クラウド」サービスにおける「売上継続率」を意味します。顧客がサービスに払う金額の増減割合を示す指標であり、特にENTについては当社事業の継続的な成長を測る指標として重視しております。 契約社(グループ)数SMBについては法人単位、ENTについてはグループ(企業群)単位で月次の契約件数を集計しております。顧客数を増加させることが収益に直結するため、指標として重視しております。 契約単価SMB、ENTの売上高を契約社(グループ)数で除算して算出した契約単価を集計しております。特にENTについては、「産業医クラウド」を導入した顧客に対し追加提案を行うことで、顧客数を増やすことなく売上高を伸長させることができるため、効率の良い売上向上策として指標を重視しております。 解約率(Customer Churn Rate)月次の顧客の解約率を集計しております。メンタルヘルスソリューション事業においては、堅固な顧客基盤を構築することで、安定的かつ長期的な収益を確保することを目指しており、当社事業における指標として重視しております。 MRR(月次経常収益)四半期末実績(単位:百万円)SMB第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期 ENT第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期2023年59646769 2023年757884912024年70707173 2024年961061131222025年75778082 2025年124131132135 ※毎月発生する月額料金のみを集計しており、単発的に発生する収益は対象外 契約社数(単位:社) (単位:グループ)SMB第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期 ENT第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期2023年1,3291,4331,5171,598 2023年1121181251252024年1,6411,7151,7581,812 2024年1281541651812025年1,8731,9331,9942,049 2025年187211214223 ※四半期毎(3月、6月、9月、12月)の各末日時点における集計 契約単価(単位:千円)SMB第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期 ENT第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期2023年52504948 2023年6996887087612024年49454547 2024年7767157147022025年46454647 2025年688641647641 ※SMB及びENTの売上高を契約件数で除して算出 解約率(単位:%)SMB1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月2023年0.00.20.80.00.61.00.80.30.20.30.40.32024年0.60.41.50.80.60.60.60.30.60,40.70.22025年0.30.20.40.80.40.60.30.20.50.10.30.1 ENT1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月2023年0.00.00.00.90.00.00.00.00.80.00.80.02024年0.00.00.02.70.00.00.00.00.00.00.00.02025年0.50.00.00.50.00.00.50.00.00.50.50.0 ※月次については当月解約となった契約数を当月末時点の契約総数で除して算出 NRR(売上継続率)(単位:%) 2023年12月2024年12月2025年12月ENT115105105 ※2023-2025年の12月末時点において、12か月前に契約があったグループについての12月MRRを12か月前の12月MRRで除して算出 ④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの資本の財源及び資金の流動性についての分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。当社グループにおける資金需要は、事業拡大のためのM&A及び新サービス開発のための資金、採用費及び人件費、マーケティング費用等に伴う運転資金等であります。これらの資金需要につきましては、自己資金及び銀行からの借入金による対応を基本としております。今後の資金需要に関しては、必要に応じて、適切な方法による資金調達にて対応する方針であります。