経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針 当社は、社是を「海上安全のサポート」とするマリンサービス提供会社として、曳船(タグボート)や水先艇(パイロットボート)、洋上風力発電向けの交通船(CTV)などのスペシャリスト船舶の運航などに携わっています。 当社グループの中核である曳船事業においては東京湾全域に亘って、船舶の安全航行をサポートし、海難事故へ即応することにより海上交通効率化ならびに海洋環境保全への貢献といった公共的役割を果たしています。当社グループのタグボートは、浦賀水道・中ノ瀬航路における船舶のエスコート業務、東京湾各港における船舶の離着桟補助業務、LNGバース等での警戒船業務、防災業務、緊急出動・海難救助に従事し、曳船関連事業として東京湾口の水先艇運航業務に携わっています。 洋上風力発電向け事業は今後成長が見込まれますが、社是の「海上安全のサポート」に沿ってCTV(洋上風力発電交通船)を始めとした洋上風力発電関連船舶事業の発展を図って行きます。 当社グループの基本はB to B事業(業務用の船舶運航)でありますが、グループ会社が行う2つの旅客船事業は、地域貢献型マリン事業と位置づけています。すなわち、神奈川県・久里浜港と千葉県・金谷港間を結ぶカーフェリー定期航路事業で地域の水上モビリティを提供して行きます。また、横浜港における観光船事業で市民及び観光客に洋上での利便性と快適性を提供してまいります。 当社は2023年1月にハイブリッド型電気推進曳船「大河」を就航させましたが、継続的な研究開発により環境負荷が低減されかつ作業効率と安全性の高い最新鋭曳船を投入します。特に2023年1月に就航したハイブリッド型電気推進曳船「大河」運航で得た知見を将来の脱炭素型新規曳船開発のために活用します。グループ会社の船舶についても脱炭素化を進めます。 今後ともこうした事業を基軸として、海事関係者、洋上風力発電関係者、一般顧客及び社会に貢献する企業グループを目指して行きます。 (2)経営環境 当社の主力である曳船事業においては、東京湾への入出港船舶数は年により変動はあるものの趨勢的に大きく増加する要因はありません。コスト面でのインフレや円安による燃料費増加が収益性の低迷要因となっています。 洋上風力発電関連での船舶や付随業務の分野は、競争は激しいものの当社にとり新たな成長機会であります。当社が2013年より手掛ける洋上風力発電交通船(CTV)では国内外で洋上風力発電プロジェクトが進展して行きます。 グループの旅客船事業を取り巻く環境については、観光客数は回復しているとはいえ、短期間に需要が変動することが予想されます。横浜港においては中期的にはインナーハーバーの再開発が新たな機会となります。東京湾口のローカルカーフェリーについては需要が大きく増加する要因はありません。 (3)会社の対処すべき課題 当社グループの主力である曳船事業については、東京湾における曳船作業船舶の入出港数は、近時低迷しており、今後も大きく増加する要因はありません。 こうした中で当社は、グループとして、伝統的事業の収益性回復と新たな分野での成長を図ります。成長分野での投資を行うための資金を確保するためにも既存事業での収益性向上とキャッシュフロー改善を目指します。具体的には以下のような施策に取り組んでいます。 曳船事業① ハーバータグ及びエスコートタグ事業においては、増加するコストに見合うように曳船料率改定(値上げ)を2025年5月1日より実施しました。今後は全日本海員組合との曳船運航定員削減交渉を前進させ、定員削減船の隻数を増やすことにより、コスト低減化を実現します。また、曳船の需要に応じて船隊規模を柔軟に最適化します。② 東京湾口水先艇事業においては、全日本海員組合との合意が成立し、2024年5月より船隊の隻数を4隻から3隻に減船を行いましたが、コスト削減効果が現れるには年数を要するため、さらなるコスト低減策を実施します。増加するコストに見合うように湾口水先艇サービス料金の適正化を実現します。③ IT高度化とデジタル化を推進し、陸上および海上の各業務プロセスの効率化と有効化・迅速化を図ります。特に、AIを使用した配船支援システム導入により横須賀地区タグボート船隊の配船最適化(乗組員の時間外作業削減、燃料費削減)を目指します。 ④ 当社は2023年1月にハイブリッド型電気推進曳船「大河」を就航させましたが、今後も安全で確実な曳船サービスを継続的に遂行することを前提に、2030年を目途に純バッテリー曳船の投入を目指します。また、代替燃料の使用など環境負荷が低いタグボートの開発も進めてまいります。また、グループ会社が運航する船舶についても脱炭素化を進めて行きます。⑤ 洋上風力発電交通船(CTV)運航等の洋上風力発電向け事業については、本業のひとつとして成長させるべく国内外で計画中の洋上風力発電向けサービスの案件獲得を目指します。その際、以下の方針で臨みます。 ‐提供サービス範囲の拡大と増益を実現すべくSOV(サービス・オペレーション・ヴェッセル)等の事業開発を進める。 ‐船員の教育訓練に注力し船舶管理能力を強化する。 ‐当社グループ全体で洋上風力発電分野に係わっていく。⑥ 曳航曳船事業については、2024年2月に設立した曳航曳船の合弁会社インディゴ オーシャン サポート㈱(持分法適用会社)で新たな市場開拓に努めます。⑦ 継続的な研究開発により環境負荷が低減されかつ作業効率と安全性の高い最新鋭曳船を投入します。特に2023年1月に就航した電気推進曳船「大河」運航で得た知見を将来の脱炭素型新規曳船開発のために活用します。グループ会社の船舶についても脱炭素化を進めます。⑧ 乗組員の高い技能を維持し安全な曳船サービスを安定的に提供するために、教育訓練をシステマティックに行い技能の継承・向上に引き続き取り組みます。陸上社員の人的資源管理についても、会社成長の基礎となるように教育訓練、人事・報酬制度改革を一体で行います。 旅客船事業⑨ 旅客船事業セグメントの内、㈱ポートサービス(連結子会社)が担ってきた横浜港の観光船事業については、近時の業績は回復し、2025年5月よりB to C事業(港内観光船、水上バス)を合弁会社YCruise㈱(持分法適用会社)へ事業移管しました。ボトルネックとなっている人手不足を解消して収益性の向上に努めます。また、㈱ポートサービスのB to B事業(作業船、港内水先艇他)の売上拡大を目指します。⑩ 東京湾フェリー㈱(連結子会社)については、2027年秋より新造船の裸用船を行い船舶の代替をしますが、同時に収益性を高めるために事業を再構築します。 (4)社会的責任を意識した経営当社は、より安全で効率的な曳船サービスを提供して行くために総合的な品質管理システムの運用を強化いたします。また、社会的な責任として環境マネージメントシステムに基づいた企業経営を行ってまいります。これらに加え労働安全や健康に最大限配慮して行くことも含め、高いHSEQ基準を確立し充足して行きます。当社グループとしての内部統制システムは、財務報告の信頼性確保を目的とするのみならず業務の有効化・効率化、リスクマネージメントを組み込んだ体制とし、同時に公正かつ透明な企業行動のためのコンプライアンス体制と一体となるものとして行きます。ガバナンス強化への対応として、当社グループ全体としての社員教育プログラムの拡充を図って行く必要性があります。これらの諸施策を実施し、海事関係者、洋上風力発電関係者、一般顧客及び社会から信頼される企業グループ経営を行うことにより株主の利益に最大限貢献したいと考えております。 (5)目標とする経営指標等当社グループは、連結ベースでの経営効率の向上ならびに事業競争力の強化に努め、各社がそれぞれ有する経営資源をグループ全体として共有するなど、グループレベルでの収益力の強化を図って行きます。当社グループの営む曳船事業の業績は、当社のコントロール外による要因(船舶の寄港数等)に左右される度合いが大きく、また、曳船業務の公共的性格(曳船による船舶の安全運航サポート)から具体的な数値指標を設定することは適切ではないとの考えから、中長期ビジョンに数値目標としてKPIを設定しておりません。当社グループの事業は、減価償却費や船員費用などの固定費の占める割合が高いため、設備稼働率の向上が課題であります。そのため、総売上高が重要であるとともに、適正な船隊規模を確保する観点から船舶一隻当たりの売上高も重視しています。また、収益性を確保する見地から売上高営業利益率や売上高当期純利益率などの改善を目標としており、運航コスト削減や作業単価改善(曳船事業の場合)のための諸施策を実施して行きます。さらに、資本効率面でも、余剰資金を新規のプロジェクトや成長分野の事業へ投資することにより総資産利益率、自己資本利益率の改善を目指します。曳船作業を左右する本船の市場動向の変化を注視して、合理的で効率的な運航を実現させるため適正な船隊整備に努めてまいります。旅客船事業においては、船舶の船齢が上昇しているためこれらの代替に向けて、持続的な収益性確保の観点から計画を進めて行きます。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針 当社は、社是を「海上安全のサポート」とするマリンサービス提供会社として、曳船(タグボート)や水先艇(パイロットボート)、洋上風力発電向けの交通船(CTV)などのスペシャリスト船舶の運航などに携わっています。 当社グループの中核である曳船事業においては東京湾全域に亘って、船舶の安全航行をサポートし、海難事故へ即応することにより海上交通効率化ならびに海洋環境保全への貢献といった公共的役割を果たしています。当社グループのタグボートは、浦賀水道・中ノ瀬航路における船舶のエスコート業務、東京湾各港における船舶の離着桟補助業務、LNGバース等での警戒船業務、防災業務、緊急出動・海難救助に従事し、曳船関連事業として東京湾口の水先艇運航業務に携わっています。 洋上風力発電向け事業は今後成長が見込まれますが、社是の「海上安全のサポート」に沿ってCTV(洋上風力発電交通船)を始めとした洋上風力発電関連船舶事業の発展を図って行きます。 当社グループの基本はB to B事業(業務用の船舶運航)でありますが、グループ会社が行う2つの旅客船事業は、地域貢献型マリン事業と位置づけています。すなわち、神奈川県・久里浜港と千葉県・金谷港間を結ぶカーフェリー定期航路事業で地域の水上モビリティを提供して行きます。また、横浜港における観光船事業で市民及び観光客に洋上での利便性と快適性を提供してまいります。 当社は2023年1月にハイブリッド型電気推進曳船「大河」を就航させましたが、継続的な研究開発により環境負荷が低減されかつ作業効率と安全性の高い最新鋭曳船を投入します。特に2023年1月に就航したハイブリッド型電気推進曳船「大河」運航で得た知見を将来の脱炭素型新規曳船開発のために活用します。グループ会社の船舶についても脱炭素化を進めます。 今後ともこうした事業を基軸として、海事関係者、洋上風力発電関係者、一般顧客及び社会に貢献する企業グループを目指して行きます。 (2)経営環境 当社の主力である曳船事業においては、東京湾への入出港船舶数は年により変動はあるものの趨勢的に大きく増加する要因はありません。コスト面でのインフレや円安による燃料費増加が収益性の低迷要因となっています。 洋上風力発電関連での船舶や付随業務の分野は、競争は激しいものの当社にとり新たな成長機会であります。当社が2013年より手掛ける洋上風力発電交通船(CTV)では国内外で洋上風力発電プロジェクトが進展して行きます。 グループの旅客船事業を取り巻く環境については、観光客数は回復しているとはいえ、短期間に需要が変動することが予想されます。横浜港においては中期的にはインナーハーバーの再開発が新たな機会となります。東京湾口のローカルカーフェリーについては需要が大きく増加する要因はありません。 (3)会社の対処すべき課題 当社グループの主力である曳船事業については、東京湾における曳船作業船舶の入出港数は、近時低迷しており、今後も大きく増加する要因はありません。 こうした中で当社は、グループとして、伝統的事業の収益性回復と新たな分野での成長を図ります。成長分野での投資を行うための資金を確保するためにも既存事業での収益性向上とキャッシュフロー改善を目指します。具体的には以下のような施策に取り組んでいます。 曳船事業① ハーバータグ及びエスコートタグ事業においては、増加するコストに見合うように曳船料率改定(値上げ)を2025年5月1日より実施しました。今後は全日本海員組合との曳船運航定員削減交渉を前進させ、定員削減船の隻数を増やすことにより、コスト低減化を実現します。また、曳船の需要に応じて船隊規模を柔軟に最適化します。② 東京湾口水先艇事業においては、全日本海員組合との合意が成立し、2024年5月より船隊の隻数を4隻から3隻に減船を行いましたが、コスト削減効果が現れるには年数を要するため、さらなるコスト低減策を実施します。増加するコストに見合うように湾口水先艇サービス料金の適正化を実現します。③ IT高度化とデジタル化を推進し、陸上および海上の各業務プロセスの効率化と有効化・迅速化を図ります。特に、AIを使用した配船支援システム導入により横須賀地区タグボート船隊の配船最適化(乗組員の時間外作業削減、燃料費削減)を目指します。 ④ 当社は2023年1月にハイブリッド型電気推進曳船「大河」を就航させましたが、今後も安全で確実な曳船サービスを継続的に遂行することを前提に、2030年を目途に純バッテリー曳船の投入を目指します。また、代替燃料の使用など環境負荷が低いタグボートの開発も進めてまいります。また、グループ会社が運航する船舶についても脱炭素化を進めて行きます。⑤ 洋上風力発電交通船(CTV)運航等の洋上風力発電向け事業については、本業のひとつとして成長させるべく国内外で計画中の洋上風力発電向けサービスの案件獲得を目指します。その際、以下の方針で臨みます。 ‐提供サービス範囲の拡大と増益を実現すべくSOV(サービス・オペレーション・ヴェッセル)等の事業開発を進める。 ‐船員の教育訓練に注力し船舶管理能力を強化する。 ‐当社グループ全体で洋上風力発電分野に係わっていく。⑥ 曳航曳船事業については、2024年2月に設立した曳航曳船の合弁会社インディゴ オーシャン サポート㈱(持分法適用会社)で新たな市場開拓に努めます。⑦ 継続的な研究開発により環境負荷が低減されかつ作業効率と安全性の高い最新鋭曳船を投入します。特に2023年1月に就航した電気推進曳船「大河」運航で得た知見を将来の脱炭素型新規曳船開発のために活用します。グループ会社の船舶についても脱炭素化を進めます。⑧ 乗組員の高い技能を維持し安全な曳船サービスを安定的に提供するために、教育訓練をシステマティックに行い技能の継承・向上に引き続き取り組みます。陸上社員の人的資源管理についても、会社成長の基礎となるように教育訓練、人事・報酬制度改革を一体で行います。 旅客船事業⑨ 旅客船事業セグメントの内、㈱ポートサービス(連結子会社)が担ってきた横浜港の観光船事業については、近時の業績は回復し、2025年5月よりB to C事業(港内観光船、水上バス)を合弁会社YCruise㈱(持分法適用会社)へ事業移管しました。ボトルネックとなっている人手不足を解消して収益性の向上に努めます。また、㈱ポートサービスのB to B事業(作業船、港内水先艇他)の売上拡大を目指します。⑩ 東京湾フェリー㈱(連結子会社)については、2027年秋より新造船の裸用船を行い船舶の代替をしますが、同時に収益性を高めるために事業を再構築します。 (4)社会的責任を意識した経営当社は、より安全で効率的な曳船サービスを提供して行くために総合的な品質管理システムの運用を強化いたします。また、社会的な責任として環境マネージメントシステムに基づいた企業経営を行ってまいります。これらに加え労働安全や健康に最大限配慮して行くことも含め、高いHSEQ基準を確立し充足して行きます。当社グループとしての内部統制システムは、財務報告の信頼性確保を目的とするのみならず業務の有効化・効率化、リスクマネージメントを組み込んだ体制とし、同時に公正かつ透明な企業行動のためのコンプライアンス体制と一体となるものとして行きます。ガバナンス強化への対応として、当社グループ全体としての社員教育プログラムの拡充を図って行く必要性があります。これらの諸施策を実施し、海事関係者、洋上風力発電関係者、一般顧客及び社会から信頼される企業グループ経営を行うことにより株主の利益に最大限貢献したいと考えております。 (5)目標とする経営指標等当社グループは、連結ベースでの経営効率の向上ならびに事業競争力の強化に努め、各社がそれぞれ有する経営資源をグループ全体として共有するなど、グループレベルでの収益力の強化を図って行きます。当社グループの営む曳船事業の業績は、当社のコントロール外による要因(船舶の寄港数等)に左右される度合いが大きく、また、曳船業務の公共的性格(曳船による船舶の安全運航サポート)から具体的な数値指標を設定することは適切ではないとの考えから、中長期ビジョンに数値目標としてKPIを設定しておりません。当社グループの事業は、減価償却費や船員費用などの固定費の占める割合が高いため、設備稼働率の向上が課題であります。そのため、総売上高が重要であるとともに、適正な船隊規模を確保する観点から船舶一隻当たりの売上高も重視しています。また、収益性を確保する見地から売上高営業利益率や売上高当期純利益率などの改善を目標としており、運航コスト削減や作業単価改善(曳船事業の場合)のための諸施策を実施して行きます。さらに、資本効率面でも、余剰資金を新規のプロジェクトや成長分野の事業へ投資することにより総資産利益率、自己資本利益率の改善を目指します。曳船作業を左右する本船の市場動向の変化を注視して、合理的で効率的な運航を実現させるため適正な船隊整備に努めてまいります。旅客船事業においては、船舶の船齢が上昇しているためこれらの代替に向けて、持続的な収益性確保の観点から計画を進めて行きます。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要①経営成績の状況(単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率売上高12,04113,1441,1029.2%売上原価10,58310,9723883.7%販売費及び一般管理費1,9692,065964.9%営業利益又は営業損失(△)△511106617-経常利益又は経常損失(△)△259347606-親会社株主に帰属する当期純利益2,0445,0463,002146.9% 当連結会計年度における日本経済は、好調な企業業績や人手不足を背景に昨年度以上の高い賃上げ率となりましたが、食料品を中心に消費者物価は高止まりの状況が続き、個人消費は伸び悩んだもののインバウンド需要に支えられ、景気は緩やかな回復基調となりました。また、ロシアとウクライナの戦争長期化に加え、米国・イスラエルとイランとの軍事衝突でホルムズ海峡は事実上封鎖となり、サプライチェーンは寸断され世界経済は深刻な事態となっております。 当社グループは、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を、「曳船事業」、「海事関連事業」、「旅客船事業」に変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。 当社グループの主たる事業である曳船事業を取り巻く状況につきましては、曳船作業対象船舶の東京湾への入出港数は、米国の自動車関税の影響で自動車専用船の入出港数は大幅な減少を予想しておりましたが増加基調で推移し、昨年度低調であったタンカーは増加に転じました。また、大型のコンテナ船は減少となったものの、2025年5月からの港湾曳船作業料率の値上効果が奏功し増収となりました。海事関連事業では、洋上風力発電交通船(CTV)は、富山県入善港でのO&M(保守・維持管理)作業に加え、北九州での洋上風力発電建設作業で多数のCTVが傭船されたため大きく増収となりました。旅客船事業では、従来の「売店・食堂事業」はカーフェリー部門との事業関連性が強いことを考慮し、「旅客船事業」に変更・集約いたしました。横浜港の観光船部門においては、持分法適用会社に事業を移管したことにより売上高は大幅に減少いたしました。このような経済環境のなかで、当社グループの売上高は1,102百万円増加し13,144百万円(前期比9.2%増)となりました。利益面では、洋上風力発電交通船(CTV)の稼働が大幅に増加したことで用船料が増加し、CTVの新造や建造価額の上昇で減価償却費が増加となりました。一方、横浜港の観光船部門においては、持分法適用会社に事業を移管したことで、人件費や食材費を中心に営業費用が減少いたしました。この結果、営業利益は106百万円(前期は511百万円の営業損失)となり、経常利益は347百万円(前期は259百万円の経常損失)となりました。また、特別利益として、土地・建物や船舶の売却で7,970百万円の固定資産売却益が発生し、特別損失として、観光船部門他の施設にかかる固定資産の減損損失を334百万円計上し、カーフェリー部門における燃料油の備蓄タンクからの漏油による土壌汚染対策の費用として、環境対策引当金繰入額を233百万円計上したことで、親会社株主に帰属する当期純利益は5,046百万円(前期比146.9%増)となりました。 セグメント別の売上高(上段)及び営業損益(下段)の概況は下記のとおりです。(単位:百万円)セグメントの名称前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率曳船事業8,5989,51791910.7%△146319466-海事関連事業9761,956980100.4%△342△192149-旅客船事業2,4661,670△796△32.3%△39△58△19- (注)売上高は外部顧客に対する売上高を表示しております。 曳船事業 曳船事業は、作業対象船舶の増加に加え、2025年5月よりハーバータグ作業における港湾曳船作業料率と、進路警戒船作業におけるエスコート作業料率の値上効果等によりすべての地区で増収となりました。 横浜川崎地区では、作業対象船舶のうち大型コンテナ船は減少いたしましたが、入出港数は堅調に推移したことに加え、新作業料率の適用が年後半にかけて徐々に出始め増収となりました。作業対象船舶がコンテナ船中心である東京地区では、中小型コンテナ船が増加し増収となりました。横須賀地区では、コンテナ船やタンカー等の危険物積載船等の増加でエスコート作業と湾口水先艇作業が増加し、値上効果も加わり増収となりました。千葉地区では、危険物積載船やバルカー船を中心にほぼすべての船種の入出港数が増加し、値上効果もあり増収となりました。 この結果、曳船事業セグメントの売上高は919百万円増加し9,517百万円(前期比10.7%増)となり、319百万円の営業利益(前期は146百万円の営業損失)となりました。 海事関連事業 海事関連事業は、富山県入善港でのO&M作業用CTVに加え、北九州ひびき灘における「北九州響灘洋上ウインドファーム」建設作業で多数のCTVの運航があり売上高は大幅に増加いたしました。 この結果、海事関連事業セグメントの売上高は、前期に比べ980百万円増加し1,956百万円(前期比100.4%増)となりましたが、用船料、支払手数料や減価償却費が増加し192百万円の営業損失(前期は342百万円の営業損失)となりました。 旅客船事業 旅客船事業は、横浜港における観光船部門(港内観光船、水上バス)は、持分法適用会社に事業移管を行い大幅な減収となりました。 一方、昨年度末までの「売店・食堂事業」は、久里浜・金谷間のカーフェリー部門との事業関連性が強いことから区分を「旅客船事業」に変更・集約いたしました。この結果、旅客船事業セグメントの売上高は、前期(新たな報告セグメントに組替後)に比べ796百万円減少し1,670百万円(前期比32.3%減)となり、58百万円の営業損失(前期は39百万円の営業損失)となりました。 ②財政状態の概況資産、負債及び純資産の状況当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ6,618百万円増加し37,880百万円となりました。流動資産の部では、現金及び預金は固定資産売却収入を主因として4,914百万円増加し、売掛金が215百万円増加し、その他流動資産が264百万円減少いたしました。固定資産の部では、船舶の減価償却が進み、CTV一隻を竣工後に共有船化したことで船舶が1,443百万円減少しましたが、建設仮勘定が924百万円増加いたしました。また、投資有価証券が期末時価評価により452百万円増加し、持分法適用会社の株式追加取得等により関係会社株式が1,892百万円増加いたしました。負債は、前連結会計年度末に比べ、2,069百万円増加し8,535百万円となりました。流動負債の部では、未払法人税等が2,390百万円増加し、環境対策引当金が233百万円増加いたしました。固定負債の部では、長期借入金が369百万円、リース債務が130百万円減少し、割引率の上昇により退職給付に係る負債が144百万円減少いたしました。純資産は、前連結会計年度末に比べ、4,549百万円増加し29,344百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益が5,046百万円となり、剰余金の配当を497百万円実施したことにより利益剰余金が4,046百万円増加、その他有価証券評価差額金が332百万円増加し、繰延ヘッジ損益が124百万円増加したことによるものです。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の76.0%から74.5%と1.5ポイント減少いたしました。 ③キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,085百万円減少し5,676百万円となりました。(単位:百万円)科目前連結会計年度当連結会計年度増減額現金及び現金同等物の期首残高5,3556,7611,406Ⅰ.営業活動によるキャッシュ・フロー1,2061,817610Ⅱ.投資活動によるキャッシュ・フロー636△1,972△2,608Ⅲ.財務活動によるキャッシュ・フロー△432△1,047△615現金及び現金同等物に係る換算差額△4△15△10現金及び現金同等物の増減額(△は減少)1,406△1,218△2,624非連結子会社との合併に伴う現金及び現金同等物の増加額-132132現金及び現金同等物の期末残高6,7615,676△1,085 当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりとなりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ610百万円増加し1,817百万円の資金取得となりました。資金収支の主な内訳は、税金等調整前当期純利益が7,710百万円となり、減価償却費が1,783百万円計上されました。また、固定資産売却益が7,970百万円、法人税等の支払額が212百万円発生したことです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ2,608百万円支出が増加し1,972百万円の資金支出となりました。資金収支の主な内訳は、土地・建物や船舶を売却し有形固定資産の売却による収入が8,459百万円発生し、曳船の購入と設備更新(曳船の代替)に加え洋上風力発電交通船(CTV)の建造により有形固定資産の取得による支出が1,825百万円となり、持分法適用会社の株式追加取得により関係会社株式の取得による支出が2,621百万円発生いたしました。また、預入期間が3カ月を超える定期預金の預入れによる支出が解約による収入を5,975百万円上回りました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ615百万円支出が増加し1,047百万円の資金支出となりました。資金収支の主な内訳は、長期借入金の返済による支出が387百万円、リース債務の返済による支出が139百万円、配当金の支払額が502百万円発生したことです。 ④生産、受注及び販売の実績当社グループの報告セグメントは、曳船事業、海事関連事業、旅客船事業であり、生産及び受注を伴う事業ではないため生産及び受注の実績については記載を省略し、販売の実績については「①経営成績の状況」におけるセグメント別の経営成績に関連付けて記載しております。最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)東京湾海事事業協同組合1,319,79310.961,456,44211.08 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点における当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容A.経営成績(売上高)当社グループ全体の売上高は、前期に比べ1,102百万円増収の13,144百万円(前期比9.2%増)となりました。 主力の曳船事業では、2025年5月から港湾曳船作業料率の値上げを実施したことや燃料油価格調整金(BAF)が増加したことに加え、昨年度低調であった危険物積載船等の入港数が増加し、曳船事業収入は919百万円増収の9,517百万円(前期比10.7%増)となりました。海事関連事業では、北九州ひびき灘における洋上風力発電交通船(CTV)の建設段階での稼働が大幅に増加し、海事関連事業収入は980百万円増収の1,956百万円(前期比100.4%増)となりました。 旅客船事業では、昨年度末までの「売店・食堂事業」は、久里浜・金谷間のカーフェリー部門との事業関連性が強いことから区分を「旅客船事業」に変更・集約いたしました。また、昨年度は、しらはま丸の強風下での岸壁接触事故で2024年4月から8月初旬まで約4か月間一隻運航を余儀なくされました。今年度は、その反動増に加え2025年11月からの運賃値上効果もあり増収となりました。一方、横浜港における観光船部門(港内観光船、水上バス)は、2025年5月から持分法適用会社に事業移管を行ったことで、旅客船事業収入は796百万円(前期比32.3%減)の大幅な減収となり1,670百万円となりました。 (営業利益)売上原価は、曳船事業では賃上げと時間外手当の増加により人件費が増加し、原油価格の高騰と円安により燃料費が増加いたしました。また、海事関連事業における洋上風力発電交通船(CTV)の稼働増に伴い船員のマンニング費用の用船料や支払手数料の増加に加え、新造船の投入や建造価格の上昇もあり減価償却費が増加いたしました。一方、旅客船事業では、横浜港の観光船事業を持分法適用会社に事業移管したことで営業費用(売上原価・一般管理費)が大幅に減少いたしました。これに加え、期末にかけて市場金利が上昇したことで退職給付債務に使用する割引率が上昇し、退職給付費用が大幅な減少となり106百万円の営業利益(前期は511百万円の営業損失)となりました。 (経常利益)経常損益は、受取配当金が90百万円、持分法による投資利益が105百万円計上され、347百万円の経常利益(前期は259百万円の経常損失)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益)親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益として土地・建物や曳船等の売却により固定資産売却益が7,970百万円発生し、特別損失として減損損失を334百万円計上し、カーフェリー部門で燃料油備蓄タンクからの漏油による土壌汚染が発生し、その対策費用として環境対策費及び環境対策引当金繰入額を250百万円計上いたしました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は5,046百万円(前期比146.9%増)で昨年度に引き続き過去最高益となりました。 B.財政状態財政状態につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの運転資金需要のうち主なものは、営業原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、主に曳船の設備更新と洋上風力発電交通船(CTV)の建造資金です。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては自己資金及びファイナンス・リースを基本としております。2026年3月期の曳船1隻の設備更新及び船舶に係る建設仮勘定は、自己資金を充当いたしました。重要な設備投資等の予定及びその資金調達方法については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に係る会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、重要な会計上の見積り」に記載しております。 ④次期の見通しについて今後の見通しにつきましては、ロシアとウクライナの戦争の長期化や米国・イスラエルとイランの軍事衝突により事実上ホルムズ海峡が封鎖され、停戦交渉は難航し長期化の様相を呈しており、国際情勢は混迷を深めております。当社の主力の曳船事業では、売上高が当社自身のコントロールの効かない外部環境の変化による作業対象船舶の動向に大きく左右されるという事業特性があります。ホルムズ海峡の閉鎖による曳船作業対象船舶に与える影響は、タンカーを中心に大幅に減少することは予想されますが、どの程度の規模になるかは図り知れず、旅客船事業においても同様に、合理的な前提をおいて業績に与える影響を予想することはきわめて困難な状況にあります。このような状況下、2027年3月期の連結及び個別業績予想につきましては、未定としております。今後、業績への影響額を適正に予測することが可能となった段階で、速やかに公表いたします。