経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 1.会社の経営の基本方針当社グループでは、都市交通、不動産、エンタテインメント、情報・通信、旅行及び国際輸送の6つの事業を主要な事業領域と位置付け、グループ経営機能を担う当社(純粋持株会社)の下、阪急電鉄㈱、阪神電気鉄道㈱、阪急阪神不動産㈱、㈱阪急交通社及び㈱阪急阪神エクスプレスの5社を中核会社として、グループ全体の有機的な成長を目指しています。 当社グループは、鉄道事業をベースに住宅・商業施設等の開発から阪神タイガースや宝塚歌劇など魅力溢れるエンタテインメントの提供に至るまで、多岐にわたる分野において、それまでになかったサービスを次々と提供することにより、沿線をはじめ良質な「まちづくり」に貢献するとともに、社会に新風を吹き込み、100年以上の長い歴史の中で数々の足跡を残してきました。そして、これらの活動等を通じて、暮らしを支える「安心・快適」、暮らしを彩る「夢・感動」を絶えずお客様にお届けしてきました。今後も、グループの全役員・従業員が、お客様の日々の暮らしに関わるビジネスに携わることに強い使命感と誇りを持ち、そうした思いを共有し、一丸となって業務にあたっていく上での指針として、以下のとおり「阪急阪神ホールディングス グループ経営理念」を制定しています。 阪急阪神ホールディングス グループ経営理念使命(私たちは何のために集い、何をめざすのか)「安心・快適」、そして「夢・感動」をお届けすることで、お客様の喜びを実現し、社会に貢献します。 価値観(私たちは何を大切に考えるのか)お客様原点すべてはお客様のために。これが私たちの原点です。誠実誠実であり続けることから、私たちへの信頼が生まれます。先見性・創造性時代を先取りする精神と柔軟な発想が、新たな価値を創ります。人の尊重事業にたずさわる一人ひとりが、かけがえのない財産です。 行動規範(「価値観」を守り、「使命」を果たしていくために、私たちはどのように行動するのか)1. 私たちは、出会いを大切にし、お客様の立場に立って最善を尽くします。2. 私たちは、法令遵守はもとより、社会的責任を自覚して行動します。3. 私たちは、仕事に責任と誇りを持ち、迅速にやり遂げます。4. 私たちは、目先のことのみにとらわれず、中長期的な視点で考えます。5. 私たちは、現状に満足することなく、時代の先を見据えて取り組みます。6. 私たちは、思いやりの心を持ち、お互いを認め合います。7. 私たちは、活発にコミュニケーションを行い、風通しのよい職場をつくります。8. 私たちは、グループ全体の発展のために力を合わせます。 2.サステナビリティ宣言当社グループでは、2020年5月に発表した「阪急阪神ホールディングスグループ サステナビリティ宣言」に基づき、ESG(環境・社会・企業統治)に関する取組を着実に推し進めています。このサステナビリティ宣言では、当社グループがサステナブル経営を進める上での基本方針や6つの重要テーマ等を定めており、これをベースに、これからもお客様や地域社会等との信頼関係を構築しながら、持続的な成長を図り、ひいては持続可能な社会の実現につなげていきます。なお、サステナブル経営の推進にあたり、2021年5月に「国連グローバル・コンパクト」(※1)及び「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」(※2)の提言に賛同の意を表明しました。また、2025年10月には「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)」(※3)の提言に賛同の意を表明し、「TNFDアダプター」(※4)に登録しました。※1 「国連グローバル・コンパクト」…1999年の世界経済フォーラムで提唱された企業の行動規範であり、企業等に対し、人権・労働・環境・腐敗防止の4分野において、10原則を遵守し実践するよう要請しています。※2 「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」…2015年に、G20の要請を受け、金融安定理事会の作業部会として設置されたものであり、投資家等の適切な投資判断に資するよう、企業等に対して、気候変動に伴うリスクと機会の特定、その財務的な影響の試算、気候変動に対応する事業戦略等を開示することを推奨しています。※3 「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)」…2021年に国連開発計画(UNDP)や世界自然保護基金(WWF)等により共同で設立された国際的なイニシアチブであり、企業等が生物多様性・自然資本に関するリスクや機会を適切に評価・開示するための枠組みを策定しています。※4 「TNFDアダプター」…TNFD提言に沿った情報開示に取り組む意向を表明した企業等 <サステナビリティ宣言の概要>基本方針~暮らしを支える「安心・快適」、暮らしを彩る「夢・感動」を、未来へ~私たちは、100年以上積み重ねてきた「まちづくり」・「ひとづくり」を未来へつなぎ、地球環境をはじめとする社会課題の解決に主体的に関わりながら、すべての人々が豊かさと喜びを実感でき、次世代が夢を持って成長できる社会の実現に貢献します。 6つの重要テーマ取組方針① 安全・安心の追求鉄道をはじめ、安全で災害に強いインフラの構築を目指すとともに、誰もが安心して利用できる施設・サービスを日々追求していきます。② 豊かなまちづくり自然や文化と共に、人々がいきいきと集い・働き・住み続けたくなるまちづくりを進めます。③ 未来へつながる暮らしの提案未来志向のライフスタイルを提案し、日々の暮らしに快適さと感動を創出します。④ 一人ひとりの活躍多様な個性や能力を最大限に発揮できる企業風土を醸成するとともに、広く社会の次世代の育成にも取り組みます。⑤ 環境保全の推進脱炭素社会や循環型社会に資する環境保全活動を推進します。⑥ ガバナンスの充実すべてのステークホルダーの期待に応え、誠実で公正なガバナンスを徹底します。 <サステナビリティ宣言の位置づけ> 3.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題(1) 長期経営構想について 当社グループでは、ステークホルダーからの期待・要請が様々な形で高まるなど、グループを取り巻く環境の変化がこれまでの想定以上に加速し、今後もそのスピードを増していくことが考えられることから、2040年頃に実現を目指す「未来のありたい姿」と現状とのギャップを埋めていくために「長期経営構想」を2025年3月に策定しました。 当社グループは、これまで積み重ねてきた提供価値を土台に、これからも新たな価値の創造にグループ一体で取り組み、あらゆるフィールドにおいて次々と新しい「お客様の喜び」を実現していきます。とりわけ、重要なフィールドである沿線においては、技術革新の進展やインバウンド需要の高まりといった環境変化の中でも、快適で魅力的な都市空間を創出し続け、さらにそうした「まちづくり」をグローバルに展開していきたいと考えています。そして、サステナブルで良質な商品・サービスを提供し、お客様に選ばれ続けることで、「誰もが自分らしい生活を送れるように、サステナブルな行動を自然と選択できる」社会の実現も目指しています。こうした2040年頃の「未来のありたい姿」の実現に向けた当社グループの取組を「長期経営構想」と位置付け、事業・財務・人材の各戦略を推進します。 事業戦略では、「圧倒的No.1の沿線の実現」「コンテンツの魅力の最大化と新コンテンツの開拓」「エリアを超えた展開(首都圏・海外)」「ビジネスソリューションへの注力」の4つの方向性を定めて経営資源を配分し、沿線を中心とした既存のフィールドの深掘りと、成長の見込まれる新たなフィールドでの挑戦を続けることで、グループ全体で成長し、お客様や地域・社会の期待に応えていきます。 財務戦略では、中長期的な成長を実現するとともに、資本効率の向上に向けて、バランスシートをコントロールしつつ必要な投資を実施します。そのために、グループのポートフォリオにおける事業の役割を整理し、投資効果の最大化に向けて全社視点で資金を配分します。都市交通事業及び不動産賃貸・開発事業については、安定的に資金を創出し、成長事業に資金を供給します。不動産事業(グローバル)、住宅事業、ホテル事業、情報サービス事業及び旅行事業等については、グループの成長を牽引する役割と位置付け、規模の拡大と利回りを追求します。スポーツ事業、ステージ事業、放送・通信事業及び国際輸送事業については、引き続きグループ全体の利回り向上に貢献することを目指します。そのほか、新事業領域についても、規模の拡大と高利回りの実現に貢献できるよう育成します。 人材戦略では、「長期経営構想」の実現に向けて、多様かつ有能な人材を確保したうえで、成長分野をはじめとした有望領域に積極的に投入し、グループの成長を図るとともに、グループの将来を担う人材を計画的に育成していきます。また、人的資本に対する投資を続けていくことに加え、従業員が個性や能力を十分に発揮できる環境整備に取り組んでいきます。 これらの各戦略を推進することで、早期にROE8%を持続的に達成できる企業となり、さらにその先の2040年度にかけて従来の延長線上にはない成長を遂げ、お客様から評価され、従業員も誇れる企業グループであり続けるとともに、持続的な価値創造の好循環を創出し、投資家の皆様の期待に応えていくことを目指します。 また、持続可能な社会の実現に向けて、ステークホルダーの関心が高い社会課題である「地球環境問題」については、KPIを設定したうえで、事業活動を通じた社会課題の解決に取り組んでいきます。なお、2050年度の温室効果ガス排出量の実質ゼロに向けては、グローバルで求められる水準を踏まえ、2035年度の削減目標を△60%(2019年度比)としています。 具体的な経営指標(財務・非財務)については下記のとおりです。 (2) 株主還元の見直しについて 株主還元については、「年間配当金の下限を1株当たり100円とする安定的な配当の実施と、総還元性向(※)50%を目安にキャッシュフローの状況を踏まえた弾力的な自己株式の取得に取り組むこと」を基本方針としていましたが、より機動的に自己株式の取得を行うため、2025年度の利益配分からその方針を見直し、「2025~2030年度の6年間累計で総還元性向を50%以上とすることで、年間配当金の下限を1株当たり100円とする安定的な配当の実施と、キャッシュフローの状況や株価動向等を勘案して、2030年度末までの間で機動的な自己株式の取得に取り組むこと」を基本方針とします。 ※ 総還元性向…親会社株主に帰属する当期純利益に対する年間配当金総額と自己株式取得額の合計額の割合 (3) 長期経営構想の進捗等について 2025年度においては、不動産事業のマンション分譲収入が大幅に伸長したことに加え、都市交通事業やホテル事業を中心に大阪・関西万博の開催に伴う需要を取り込んだことや、阪神タイガースがリーグ優勝を遂げるなどスポーツ事業が好調に推移したこと等により、着実に利益を伸ばすことができました。また、2030年度の事業利益目標1,600億円の達成に向けた施策の具体化に取り組み、分譲マンション事業や短期回収型事業、海外事業の成長を通じた不動産事業の拡大、スポーツ事業・旅行事業等の伸長などにより、利益目標とのギャップを解消し、財務指標の目標であるROE8%の達成に向けた道筋をつけることができつつあります。 2026年度については、大阪・関西万博に伴う需要の剥落などにより、事業利益は1,240億円に留まるものの、資本効率の向上に向けた資産売却等を推し進めることにより、親会社株主に帰属する当期純利益は790億円を予想しており、ROEは7.3%、「ネット有利子負債/EBITDA倍率」は7.9倍、D/Eレシオは1.5倍となる見通しです。 また、2026年度の株主還元については、上記の株主還元に係る基本方針の見直しのとおり、安定的な配当の実施と機動的な自己株式の取得に取り組んでいきます。このうち、配当については、年間配当金は2025年度と同水準の1株当たり100円(中間配当金50円、期末配当金50円)を予定しています。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 1.会社の経営の基本方針当社グループでは、都市交通、不動産、エンタテインメント、情報・通信、旅行及び国際輸送の6つの事業を主要な事業領域と位置付け、グループ経営機能を担う当社(純粋持株会社)の下、阪急電鉄㈱、阪神電気鉄道㈱、阪急阪神不動産㈱、㈱阪急交通社及び㈱阪急阪神エクスプレスの5社を中核会社として、グループ全体の有機的な成長を目指しています。 当社グループは、鉄道事業をベースに住宅・商業施設等の開発から阪神タイガースや宝塚歌劇など魅力溢れるエンタテインメントの提供に至るまで、多岐にわたる分野において、それまでになかったサービスを次々と提供することにより、沿線をはじめ良質な「まちづくり」に貢献するとともに、社会に新風を吹き込み、100年以上の長い歴史の中で数々の足跡を残してきました。そして、これらの活動等を通じて、暮らしを支える「安心・快適」、暮らしを彩る「夢・感動」を絶えずお客様にお届けしてきました。今後も、グループの全役員・従業員が、お客様の日々の暮らしに関わるビジネスに携わることに強い使命感と誇りを持ち、そうした思いを共有し、一丸となって業務にあたっていく上での指針として、以下のとおり「阪急阪神ホールディングス グループ経営理念」を制定しています。 阪急阪神ホールディングス グループ経営理念使命(私たちは何のために集い、何をめざすのか)「安心・快適」、そして「夢・感動」をお届けすることで、お客様の喜びを実現し、社会に貢献します。 価値観(私たちは何を大切に考えるのか)お客様原点すべてはお客様のために。これが私たちの原点です。誠実誠実であり続けることから、私たちへの信頼が生まれます。先見性・創造性時代を先取りする精神と柔軟な発想が、新たな価値を創ります。人の尊重事業にたずさわる一人ひとりが、かけがえのない財産です。 行動規範(「価値観」を守り、「使命」を果たしていくために、私たちはどのように行動するのか)1. 私たちは、出会いを大切にし、お客様の立場に立って最善を尽くします。2. 私たちは、法令遵守はもとより、社会的責任を自覚して行動します。3. 私たちは、仕事に責任と誇りを持ち、迅速にやり遂げます。4. 私たちは、目先のことのみにとらわれず、中長期的な視点で考えます。5. 私たちは、現状に満足することなく、時代の先を見据えて取り組みます。6. 私たちは、思いやりの心を持ち、お互いを認め合います。7. 私たちは、活発にコミュニケーションを行い、風通しのよい職場をつくります。8. 私たちは、グループ全体の発展のために力を合わせます。 2.サステナビリティ宣言当社グループでは、2020年5月に発表した「阪急阪神ホールディングスグループ サステナビリティ宣言」に基づき、ESG(環境・社会・企業統治)に関する取組を着実に推し進めています。このサステナビリティ宣言では、当社グループがサステナブル経営を進める上での基本方針や6つの重要テーマ等を定めており、これをベースに、これからもお客様や地域社会等との信頼関係を構築しながら、持続的な成長を図り、ひいては持続可能な社会の実現につなげていきます。なお、サステナブル経営の推進にあたり、2021年5月に「国連グローバル・コンパクト」(※1)及び「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」(※2)の提言に賛同の意を表明しました。また、2025年10月には「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)」(※3)の提言に賛同の意を表明し、「TNFDアダプター」(※4)に登録しました。※1 「国連グローバル・コンパクト」…1999年の世界経済フォーラムで提唱された企業の行動規範であり、企業等に対し、人権・労働・環境・腐敗防止の4分野において、10原則を遵守し実践するよう要請しています。※2 「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」…2015年に、G20の要請を受け、金融安定理事会の作業部会として設置されたものであり、投資家等の適切な投資判断に資するよう、企業等に対して、気候変動に伴うリスクと機会の特定、その財務的な影響の試算、気候変動に対応する事業戦略等を開示することを推奨しています。※3 「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)」…2021年に国連開発計画(UNDP)や世界自然保護基金(WWF)等により共同で設立された国際的なイニシアチブであり、企業等が生物多様性・自然資本に関するリスクや機会を適切に評価・開示するための枠組みを策定しています。※4 「TNFDアダプター」…TNFD提言に沿った情報開示に取り組む意向を表明した企業等 <サステナビリティ宣言の概要>基本方針~暮らしを支える「安心・快適」、暮らしを彩る「夢・感動」を、未来へ~私たちは、100年以上積み重ねてきた「まちづくり」・「ひとづくり」を未来へつなぎ、地球環境をはじめとする社会課題の解決に主体的に関わりながら、すべての人々が豊かさと喜びを実感でき、次世代が夢を持って成長できる社会の実現に貢献します。 6つの重要テーマ取組方針① 安全・安心の追求鉄道をはじめ、安全で災害に強いインフラの構築を目指すとともに、誰もが安心して利用できる施設・サービスを日々追求していきます。② 豊かなまちづくり自然や文化と共に、人々がいきいきと集い・働き・住み続けたくなるまちづくりを進めます。③ 未来へつながる暮らしの提案未来志向のライフスタイルを提案し、日々の暮らしに快適さと感動を創出します。④ 一人ひとりの活躍多様な個性や能力を最大限に発揮できる企業風土を醸成するとともに、広く社会の次世代の育成にも取り組みます。⑤ 環境保全の推進脱炭素社会や循環型社会に資する環境保全活動を推進します。⑥ ガバナンスの充実すべてのステークホルダーの期待に応え、誠実で公正なガバナンスを徹底します。 <サステナビリティ宣言の位置づけ> 3.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題(1) 長期経営構想について 当社グループでは、ステークホルダーからの期待・要請が様々な形で高まるなど、グループを取り巻く環境の変化がこれまでの想定以上に加速し、今後もそのスピードを増していくことが考えられることから、2040年頃に実現を目指す「未来のありたい姿」と現状とのギャップを埋めていくために「長期経営構想」を2025年3月に策定しました。 当社グループは、これまで積み重ねてきた提供価値を土台に、これからも新たな価値の創造にグループ一体で取り組み、あらゆるフィールドにおいて次々と新しい「お客様の喜び」を実現していきます。とりわけ、重要なフィールドである沿線においては、技術革新の進展やインバウンド需要の高まりといった環境変化の中でも、快適で魅力的な都市空間を創出し続け、さらにそうした「まちづくり」をグローバルに展開していきたいと考えています。そして、サステナブルで良質な商品・サービスを提供し、お客様に選ばれ続けることで、「誰もが自分らしい生活を送れるように、サステナブルな行動を自然と選択できる」社会の実現も目指しています。こうした2040年頃の「未来のありたい姿」の実現に向けた当社グループの取組を「長期経営構想」と位置付け、事業・財務・人材の各戦略を推進します。 事業戦略では、「圧倒的No.1の沿線の実現」「コンテンツの魅力の最大化と新コンテンツの開拓」「エリアを超えた展開(首都圏・海外)」「ビジネスソリューションへの注力」の4つの方向性を定めて経営資源を配分し、沿線を中心とした既存のフィールドの深掘りと、成長の見込まれる新たなフィールドでの挑戦を続けることで、グループ全体で成長し、お客様や地域・社会の期待に応えていきます。 財務戦略では、中長期的な成長を実現するとともに、資本効率の向上に向けて、バランスシートをコントロールしつつ必要な投資を実施します。そのために、グループのポートフォリオにおける事業の役割を整理し、投資効果の最大化に向けて全社視点で資金を配分します。都市交通事業及び不動産賃貸・開発事業については、安定的に資金を創出し、成長事業に資金を供給します。不動産事業(グローバル)、住宅事業、ホテル事業、情報サービス事業及び旅行事業等については、グループの成長を牽引する役割と位置付け、規模の拡大と利回りを追求します。スポーツ事業、ステージ事業、放送・通信事業及び国際輸送事業については、引き続きグループ全体の利回り向上に貢献することを目指します。そのほか、新事業領域についても、規模の拡大と高利回りの実現に貢献できるよう育成します。 人材戦略では、「長期経営構想」の実現に向けて、多様かつ有能な人材を確保したうえで、成長分野をはじめとした有望領域に積極的に投入し、グループの成長を図るとともに、グループの将来を担う人材を計画的に育成していきます。また、人的資本に対する投資を続けていくことに加え、従業員が個性や能力を十分に発揮できる環境整備に取り組んでいきます。 これらの各戦略を推進することで、早期にROE8%を持続的に達成できる企業となり、さらにその先の2040年度にかけて従来の延長線上にはない成長を遂げ、お客様から評価され、従業員も誇れる企業グループであり続けるとともに、持続的な価値創造の好循環を創出し、投資家の皆様の期待に応えていくことを目指します。 また、持続可能な社会の実現に向けて、ステークホルダーの関心が高い社会課題である「地球環境問題」については、KPIを設定したうえで、事業活動を通じた社会課題の解決に取り組んでいきます。なお、2050年度の温室効果ガス排出量の実質ゼロに向けては、グローバルで求められる水準を踏まえ、2035年度の削減目標を△60%(2019年度比)としています。 具体的な経営指標(財務・非財務)については下記のとおりです。 (2) 株主還元の見直しについて 株主還元については、「年間配当金の下限を1株当たり100円とする安定的な配当の実施と、総還元性向(※)50%を目安にキャッシュフローの状況を踏まえた弾力的な自己株式の取得に取り組むこと」を基本方針としていましたが、より機動的に自己株式の取得を行うため、2025年度の利益配分からその方針を見直し、「2025~2030年度の6年間累計で総還元性向を50%以上とすることで、年間配当金の下限を1株当たり100円とする安定的な配当の実施と、キャッシュフローの状況や株価動向等を勘案して、2030年度末までの間で機動的な自己株式の取得に取り組むこと」を基本方針とします。 ※ 総還元性向…親会社株主に帰属する当期純利益に対する年間配当金総額と自己株式取得額の合計額の割合 (3) 長期経営構想の進捗等について 2025年度においては、不動産事業のマンション分譲収入が大幅に伸長したことに加え、都市交通事業やホテル事業を中心に大阪・関西万博の開催に伴う需要を取り込んだことや、阪神タイガースがリーグ優勝を遂げるなどスポーツ事業が好調に推移したこと等により、着実に利益を伸ばすことができました。また、2030年度の事業利益目標1,600億円の達成に向けた施策の具体化に取り組み、分譲マンション事業や短期回収型事業、海外事業の成長を通じた不動産事業の拡大、スポーツ事業・旅行事業等の伸長などにより、利益目標とのギャップを解消し、財務指標の目標であるROE8%の達成に向けた道筋をつけることができつつあります。 2026年度については、大阪・関西万博に伴う需要の剥落などにより、事業利益は1,240億円に留まるものの、資本効率の向上に向けた資産売却等を推し進めることにより、親会社株主に帰属する当期純利益は790億円を予想しており、ROEは7.3%、「ネット有利子負債/EBITDA倍率」は7.9倍、D/Eレシオは1.5倍となる見通しです。 また、2026年度の株主還元については、上記の株主還元に係る基本方針の見直しのとおり、安定的な配当の実施と機動的な自己株式の取得に取り組んでいきます。このうち、配当については、年間配当金は2025年度と同水準の1株当たり100円(中間配当金50円、期末配当金50円)を予定しています。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。① 経営成績の状況当期のわが国経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に、期を通じて緩やかな回復が続くとともに、大阪・関西万博の開催やインバウンド需要の拡大により、景気に一定の下支えもみられました。一方で、資源価格の高止まり及び人手不足等による物価上昇や、米国の通商政策、中国政府による日本への渡航自粛要請及び中東情勢等の影響により、先行き不透明な状況で推移しました。そうした中で、当社グループにおいては、2025年3月に公表した「長期経営構想」で掲げた「未来のありたい姿」の実現に向けて、中長期的な成長と資本効率の向上の両立を図る様々な取組を推し進めながら、着実に業績を伸長させました。当期の業績については、不動産事業のマンション分譲収入が大幅に伸長したことに加え、都市交通事業やホテル事業を中心に大阪・関西万博の開催に伴う需要を取り込んだことや、阪神タイガースがリーグ優勝を遂げるなど、スポーツ事業が好調に推移したこと等により、営業収益、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも増加し、それぞれ過去最高となりました。当期の当社グループの成績は次のとおりです。 当連結会計年度(自 2025年4月 1日 至 2026年3月31日)対前連結会計年度比較増減額増減率(%)営業収益1兆2,035億6百万円966億52百万円8.7営業利益1,271億36百万円162億57百万円14.7経常利益1,245億48百万円133億6百万円12.0親会社株主に帰属する当期純利益785億38百万円111億52百万円16.5 セグメント別の業績は次のとおりです。なお、当連結会計年度より、「都市交通」セグメントの一部子会社について、「その他」セグメントに含めて表示しており、増減額及び増減率については、前連結会計年度の実績値を組み替えて算出しています。また、「不動産」セグメントの業態(サブセグメント)名称について、「賃貸事業」を「賃貸事業等」へ、「分譲事業等」を「住宅事業」へ変更しており、加えて、従来「分譲事業等」に含めていたプロパティマネジメント・ビルメンテナンス事業と不動産ファンド・リート事業を「賃貸事業等」に含めています。 (都市交通事業)鉄道事業については、大阪・関西万博の開催やインバウンド需要の拡大を背景に、輸送人員が増加しました。また、阪急電鉄において、2025年8月に座席指定サービス「PRiVACE(プライベース)」の運行本数を約1.5倍に拡大し、一層の集客とサービス向上に努めたほか、阪神電気鉄道においては、座席指定サービスの2027年春の導入に向けて、新型車両の製造を進めました。さらに、鉄道駅バリアフリー料金制度を活用し、阪急京都河原町駅、阪神甲子園駅をはじめとする各駅への可動式ホーム柵等の整備を推し進めたほか、阪急箕面線において、ワンマン運転を開始しました。こうした施策を通じて、引き続き安全・安心で持続可能な鉄道サービスの提供に取り組んでいきます。自動車事業については、大阪・関西万博のシャトルバスやパークアンドライドバスを運行することにより、会場アクセスの円滑化に貢献しました。また、阪急バス・阪神バスをはじめとする各社の一部路線等において、旅客輸送サービスを安定的に提供するために、運賃改定を実施しました。このほか、阪神電気鉄道では西宮市と連携し、甲子園エリアにおいて次世代モビリティの実用化に向けた自動運転EVバスの実証実験を実施し、導入に向けた課題の把握及び検証を行いました。営業収益は前期に比べ91億16百万円(4.4%)増加し、2,142億93百万円となり、営業利益は前期に比べ1億62百万円(0.5%)増加し、352億98百万円となりました。 事業の内容当連結会計年度(自 2025年4月 1日 至 2026年3月31日)営業収益対前連結会計年度増減率(%)鉄道事業1,603億16百万円4.5自動車事業481億10百万円7.3流通事業72億1百万円△15.4都市交通その他事業104億24百万円△0.7調整額△117億58百万円-合計2,142億93百万円4.4 ・ 阪急電鉄㈱運輸成績表区分当連結会計年度(自 2025年4月 1日 至 2026年3月31日)対前連結会計年度増減率(%)営業日数(日)365-営業キロ(キロ)143.6-客車走行キロ(千キロ)162,4640.3 定期(千人)327,2722.6旅客人員定期外(千人)301,3713.9 合計(千人)628,6433.2 定期(百万円)33,7542.2運輸収入旅客運賃定期外(百万円)65,4765.2 合計(百万円)99,2314.1運輸雑収(百万円)5,2131.2収入合計(百万円)104,4444.0乗車効率(%)42.4- ・ 阪神電気鉄道㈱運輸成績表区分当連結会計年度(自 2025年4月 1日 至 2026年3月31日)対前連結会計年度増減率(%)営業日数(日)365-営業キロ(キロ)48.9-客車走行キロ(千キロ)45,5331.4 定期(千人)128,0423.0旅客人員定期外(千人)126,2846.8 合計(千人)254,3264.9 定期(百万円)12,9193.8運輸収入旅客運賃定期外(百万円)24,9458.1 合計(百万円)37,8646.6鉄道線路使用料収入(百万円)50-運輸雑収(百万円)2,218△15.3収入合計(百万円)40,1325.1乗車効率(%)43.3-(注)1 客車走行キロは、社用、試運転、営業回送を含みません。なお、営業回送を含めた客車走行キロは、阪急電鉄㈱が166,055千キロ、阪神電気鉄道㈱が47,279千キロです。2 乗車効率の算出方法乗車効率 = 延人キロ(駅間通過人員×駅間キロ程)/(客車走行キロ×平均定員)× 100 (不動産事業)賃貸事業については、「NU茶屋町」(大阪市北区)や「ロサヴィア」(大阪府茨木市)のリニューアルを計画どおり推進するなど、商業施設やオフィスビルにおいて競争力の強化と稼働率の維持向上等に努めました。また、「(仮称)東阪急ビル建替計画」(大阪市北区)の新築工事に着手したほか、首都圏においては、中規模リノベーションオフィス「エンスイテ御成門」(東京都港区)が竣工しました。そのほか、物流施設については、「ロジスタ大阪淀川」(大阪市淀川区)、「ロジスタ京都伏見」(京都市伏見区)の新築工事を開始しました。なお、うめきた2期地区開発事業「グラングリーン大阪」については、2027年度の全体まちびらきに向けて、工事が計画どおりに進捗しています。住宅事業については、マンション分譲では、「ジオタワー宝塚グランレジス」(兵庫県宝塚市)、「グラングリーン大阪 THE NORTH RESIDENCE」(大阪市北区)、「ジオグランデ白金台」(東京都港区)等を販売したほか、宅地戸建分譲では、「ジオガーデン千里中央」(大阪府豊中市)、「ジオガーデン市川八幡五丁目」(千葉県市川市)等を販売しました。海外不動産事業については、インドネシア・メダン市の大規模商業施設「デリパークモール」を新たに取得し、不動産賃貸事業の規模拡大に努めました。また、アメリカで初めて、物流不動産開発事業、戸建住宅分譲事業に参画したほか、新たにインドの住宅分譲事業へ進出するなど、事業エリアの拡大を図るとともに、アセアン諸国に加えて、オーストラリア、カナダでの住宅分譲事業も引き続き推し進めました。ホテル事業については、大阪・関西万博の開催等に伴う宿泊需要を積極的に取り込むとともに、客室・レストランの改装やクラブラウンジの新設等のほか、様々なプランの企画・販売等を通じて、事業競争力の強化に努めました。営業収益は前期に比べ389億16百万円(10.6%)増加し、4,067億5百万円となり、営業利益は前期に比べ94億83百万円(16.5%)増加し、671億13百万円となりました。 事業の内容当連結会計年度(自 2025年4月 1日 至 2026年3月31日)営業収益対前連結会計年度増減率(%)賃貸事業等1,968億14百万円6.8住宅事業1,672億58百万円15.2海外不動産事業165億63百万円37.2ホテル事業677億2百万円4.0調整額△416億33百万円-合計4,067億5百万円10.6 (エンタテインメント事業)スポーツ事業については、球団創設90周年を迎えた阪神タイガースが、ファンの皆さまのご声援を受けて2年ぶりのリーグ優勝を果たし、クライマックスシリーズを勝ち進んで日本シリーズに進出しました。また、阪神甲子園球場では、球団創設90周年を記念した「レジェンズコラボグルメ」の販売をはじめとした様々な企画を実施するなど、魅力ある施設運営に取り組みました。さらに、野球施設として初めてZEB認証(※)を取得した阪神タイガースのファーム施設「ゼロカーボンベースボールパーク」では、太陽光発電や廃棄物発電の活用等、脱炭素社会や循環型社会の実現に資する取組を実施しました。このほか、2026年1月には、相撲と和食をテーマにしたインバウンド向けのショーレストラン「THE SUMO LIVE RESTAURANT 日楽座 GINZA TOKYO」を開業しました。ステージ事業については、歌劇事業において、花組公演「悪魔城ドラキュラ ~月下の覚醒~」/「愛, Love Revue!」、月組公演「GUYS AND DOLLS」等の各公演が好評を博しました。また、お客様の幅広いニーズに応えるため、会員組織である「宝塚友の会」をリニューアルしたほか、宝塚歌劇共通ID+(プラス)や公式リセールサービスを開始しました。さらに、動画配信サービス「TAKARAZUKA SQUARE(タカスク)」では、舞台作品のレンタル配信やマルチアングル配信といった各種サービスのラインナップを拡充しました。このほか、2025年12月に宝塚歌劇111周年記念イベント「TAKARAZUKA FANtastic Christmas in UMEDA」を開催しました。宝塚歌劇における改革の取組については、劇団員をはじめ宝塚歌劇の運営に携わる全ての関係者が安心してより良い舞台づくりに精進できる環境を整備し、宝塚歌劇を新しい時代に相応しい形で受け継いでいけるよう、様々な改革を推進しています。その一環として、2025年7月に宝塚歌劇団を株式会社化し、より透明性の高いガバナンス体制の実現に向け、新たなスタートを切りました。このほか、六甲山地区においては、「真夏の雪あそび」をはじめとする自然・眺望と文化・スポーツ・グルメといった多様なコンテンツを組み合わせたイベントや企画を展開したほか、16回目を迎えた現代アートの芸術祭「神戸六甲ミーツ・アート2025 beyond」に過去最高となる約7万人の来場者にお越しいただくなど、インバウンドも含めて一層の集客に努めました。営業収益は前期に比べ86億28百万円(10.5%)増加し、911億71百万円となり、営業利益は前期に比べ16億85百万円(14.8%)増加し、130億91百万円となりました。※ 建築物のエネルギー効率に優れていることを示す認証制度 事業の内容当連結会計年度(自 2025年4月 1日 至 2026年3月31日)営業収益対前連結会計年度増減率(%)スポーツ事業570億82百万円18.3ステージ事業339億99百万円△0.7調整額89百万円-合計911億71百万円10.5 (情報・通信事業)情報サービス事業については、eコマース等のインターネット関連ビジネスの拡大や大阪・関西万博における交通ターミナルの運営システムの受注等により業績が好調に推移しました。また、アプリの開発やAIを活用したソリューション提供を強みとする会社に出資するなど、事業領域の拡充を進めました。放送・通信事業については、FTTHサービス(光ファイバーを用いた高速インターネットサービス)の提供を推進したほか、自治体から小・中学校におけるICT環境整備等の案件を受注するなど、お客様のニーズに応える様々なサービスを展開することにより、事業の着実な伸長に努めました。あんしん・教育事業については、「登下校ミマモルメ」を導入する学校・施設数が着実に伸長したほか、自治体が行う放課後子ども教室事業に、入退館管理システムの提供をサポートするなど、事業規模の拡大に努めました。また、ロボットプログラミング教室「プログラボ」が、各種顧客満足度調査において引き続きトップクラスに位置付けられるなど、高い評価を得ています。営業収益は前期に比べ18億80百万円(2.7%)増加し、719億68百万円となり、営業利益は前期に比べ9億62百万円(14.0%)増加し、78億41百万円となりました。 (旅行事業)旅行事業については、海外旅行部門において、ヨーロッパ方面をはじめとする長距離ツアーの取扱いが増加したほか、国内旅行部門においても、ツアーの早期販売や商品ラインナップの拡充により、取扱いが堅調に推移しました。また、訪日旅行部門においては、インバウンド需要の高まり等を背景としてツアーの販売が好調に推移しました。さらに、大阪・関西万博の輸送支援業務を受託したほか、自治体向けのソリューション事業も積極的に受注しました。営業収益は前期に比べ354億42百万円(13.6%)増加し、2,965億46百万円となり、営業利益は前期に比べ1億25百万円(2.4%)増加し、54億23百万円となりました。 (国際輸送事業)国際輸送事業については、日本・中国・アセアンにおいて、航空輸送の取扱いが回復してきたこと等により、堅調に推移しました。そうした中、オーストラリアにおいて国際輸送に強みを持つINTERNATIONAL CARGO EXPRESS PTY LTD.を子会社化したほか、バングラデシュに現地法人を設立するなど、グローバルネットワークのさらなる拡充を図りました。また、南アフリカやメキシコで物流倉庫を拡張するなど、ロジスティクス事業の強化にも取り組みました。営業収益は前期に比べ17億55百万円(1.7%)増加し、1,064億72百万円となり、営業利益は前期に比べ33億34百万円増加し、20億49百万円となりました。 (その他)建設業等その他の事業については、営業収益は前期に比べ39億16百万円(5.6%)増加し、735億64百万円となり、営業利益は前期に比べ6億32百万円(17.3%)増加し、42億93百万円となりました。 ② 財政状態の状況当連結会計年度末の資産合計については、販売土地及び建物や投資有価証券、有形固定資産が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ2,601億35百万円増加し、3兆5,435億89百万円となりました。負債合計については、有利子負債が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,912億50百万円増加し、2兆3,422億43百万円となりました。純資産合計については、利益剰余金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ688億85百万円増加し、1兆2,013億45百万円となり、自己資本比率は31.2%となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末の現金及び現金同等物については、前連結会計年度末に比べ135億58百万円増加し、695億73百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益1,149億19百万円、減価償却費687億79百万円、支払利息157億70百万円、売上債権の増加額288億72百万円、棚卸資産の増加額1,019億2百万円、法人税等の支払額344億76百万円等により、516億79百万円の収入(前期は874億17百万円の収入)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローについては、固定資産の取得による支出1,093億38百万円、投資有価証券の取得による支出856億97百万円、投資有価証券の売却による収入104億22百万円、工事負担金等受入による収入156億87百万円等により、1,630億59百万円の支出(前期は1,676億37百万円の支出)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローについては、借入金の純増による収入1,607億56百万円、社債の発行による収入199億8百万円、社債の償還による支出300億円、自己株式の取得による支出58億59百万円、配当金の支払額191億56百万円等により、1,226億81百万円の収入(前期は794億71百万円の収入)となりました。 ④ 生産、受注及び販売の実績当社グループは、都市交通事業、不動産事業、エンタテインメント事業、情報・通信事業、旅行事業及び国際輸送事業など多種多様な事業を営んでいるため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。このため、生産、受注及び販売の実績については、「① 経営成績の状況」におけるセグメント別の業績に関連付けて示しています。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は、決算日における資産・負債及び報告期間における収入・費用の金額並びに開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。これらの見積りについては、過去の実績や状況等に応じ合理的に判断を行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表で採用されている重要な会計方針については、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」「(1) 連結財務諸表」「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりですが、特に以下の項目が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えています。 a 固定資産の減損当社グループは、事業の特性上、多くの固定資産を保有しています。これらの固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初想定した収益等が見込めなくなった場合や将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合は、固定資産の減損を実施する可能性があります。 b 販売用不動産の評価当社グループは、販売用不動産を多数保有しています。市場環境の変化や開発・販売計画の変更等により、正味売却価額が大きく下落した場合は、販売用不動産の評価減を実施する可能性があります。 c 繰延税金資産当社グループは、将来の課税所得や実現可能性の高いタックス・プランニングに基づき、繰延税金資産の回収可能性を判断しています。業績の変動等により、将来の課税所得やタックス・プランニングに変更が生じた場合は、繰延税金資産が増加または減少する可能性があります。 ② 資本の財源及び資金の流動性a 有利子負債有利子負債の概要は、以下のとおりです。(単位:百万円) 前連結会計年度(2025年3月31日)当連結会計年度(2026年3月31日)短期借入金(※1)87,804157,181長期借入金(※1)855,588949,883社債325,000315,000リース債務(※2)14,38212,494有利子負債 合計1,282,7751,434,559現金及び預金61,05272,276ネット有利子負債1,221,7231,362,282(※1)1年内返済予定の長期借入金は、「長期借入金」に含めています。(※2)「リース債務」は、流動負債と固定負債のリース債務の合計です。 また、当社グループの第三者に対する保証は、関係会社の借入金等に対する債務保証です。保証した借入金等の債務不履行が保証期間に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があり、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における債務保証額は、それぞれ467億54百万円及び482億72百万円です。 b 財務政策当社グループは、運転資金及び設備資金等については、内部資金または借入金及び社債により資金を調達することとしています。このうち、長期借入金及び社債にて調達した資金については、その大半を回収期間が長期にわたる鉄道事業や不動産賃貸事業を中心とした固定資産の取得等に充当しています。重要な設備投資の計画については、「第3 設備の状況」の「3 設備の新設、除却等の計画」「(1) 重要な設備の新設等」に記載のとおりです。また、これらの資金は、固定金利に比重を置いた調達を実施しています。これらの資金調達に加えて、キャッシュマネジメントシステムによるグループ資金一元化により、グループ会社からの余剰資金を集約して有効活用するとともに、大規模自然災害や感染症の流行等の予期せぬ事象に備え、取引金融機関とコミットメントライン契約を締結することにより、機動的に資金を確保する体制を構築しています。 c 株主還元株主還元については、「第4 提出会社の状況」の「3 配当政策」に記載のとおりです。 ③ 経営成績、財政状態、キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度の経営成績、財政状態、キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「① 経営成績の状況」、「② 財政状態の状況」、「③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 ④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況経営指標の見通し及び進捗状況については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「3.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりです。