9029

ヒガシホールディングス(9029)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

陸運業 運輸・物流

事業の概要

ヒガシホールディングスは、物流事業を主軸に多角的なサービスを展開しています。主な収益源は、新聞や飲料、非鉄金属などの運送、オフィス移転・引越、機密書類のリサイクル、大型ビル館内デリバリー、IT関連事業、精密機器輸送などの「運送事業」です。これに加え、製鋼所や家電メーカー向けの「倉庫事業」、梱包資材や電力用資材の「商品販売事業」、介護福祉用具の「ウエルフェア事業」、駐車場運営やオフィスコンビニ、PCデータ消去などの「その他事業」も手掛けており、幅広い物流ニーズに対応しています。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

ヒガシホールディングスの事業セグメントは大きく4つに分かれます。最も売上と営業利益を稼いでいるのは「輸送サービス事業」で、運送やオフィス移転、ビル館内デリバリー、IT関連サービスなど多岐にわたる物流サービスを提供しています。次に大きいのが「倉庫事業」で、商品の保管や管理、ドキュメントサービスなどを手掛けています。「商品販売事業」では、物流インフラを活かして梱包資材などを販売し、「ウエルフェア事業」では介護福祉用具の提供を行っています。これらの事業はすべて国内で展開されており、地域的な偏りはありません。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Transportation 事業 255 31 12.3%
Warehouse 地域 140 12 8.4%
GoodsSale 事業 51 3 6.1%
Welfare 事業 11 2 15.9%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,680 文字
3 【事業の内容】当社グループは、物流事業(運送事業及び倉庫事業)を主体に、物流事業から派生したオフィス移転・引越事業、IT関連事業、産業廃棄物収集運搬業及び大型ビル館内のデリバリー事業等を営んでおります。また、商品販売事業、ウエルフェア事業、その他の事業として駐車場事業、ビジネスサポート事業、デジタルソリューション事業、PCイレース事業及び人材派遣事業等を行っており、各事業の詳細は以下のとおりであります。 (1) 当社及び当社の関係会社の事業における当社の位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであります。なお、次の事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。 ① 運送事業<輸送サービス事業>近畿地区の新聞配送、ビールメーカー及び飲料会社の大阪中・南部地区の配送、製鋼所の非鉄金属の輸配送業務並びに一般荷主等の輸送業務を行っております。<オフィス移転・引越事業>企業各社のオフィス移転業務を受託しており、移転規模に応じてプロジェクトチームを編成し、顧客の業務に支障をきたさないようプランニングを行っております。また、移転に伴う各種行政手続きや移転前後の近隣対応等、事前・事後処理に関する業務までワンストップでサポートしております。<静脈物流事業>全国の中間処理業者、産業廃棄物収集運搬業者をネットワーク化し、機密書類・OA機器等の回収リサイクル化に応えられる体制を整えております。また、オフィスの機密書類等の紙資源処理は、顧客の要望によりリサイクルボックスの設置及び回収業務、更には、全国各地で選定した製紙会社及び運送業者と提携して、ダンボール箱に詰めた機密書類を第三者の目に触れさせることなく溶解処理を実施しております。回収からリサイクル処分が完了するまで責任を持って行うトータル物流システムにより、資源の再利用等の「環境負荷軽減」に対応した業務を提供しております。<ビル館内デリバリー事業>首都圏では、東京オペラシティ・六本木ヒルズ・表参道ヒルズ・日本生命丸の内ビル・神谷町トラストタワー・赤坂トラストタワー・赤坂グリーンクロス・虎ノ門アルセアタワーなど、中部圏では、グローバルゲート、関西圏では、グランフロント大阪南館・グラングリーン大阪南館・堂島アバンザ・TWIN21などにおいて、大型都市ビル内の快適な環境を守り、円滑なモノの流れを保つために、ビル館内での物品の搬出入を一括管理して共同配送することで、モノの流れを統括する物流システムを構築しております。<メールサービス事業>DM・カタログ・パンフレット等を封入・封緘し、取扱郵便局までの発送から諸手続き等の代行サービスを行っております。<IT関連事業>PCが数台のオフィスから、全国数千台規模の大企業まで、顧客の環境に応じてPCをカスタマイズしております。機器の調達、キッティングから現地でのセッティングはもちろん、メンテナンス(保守支援)等、当社グループの物流インフラを活用してトータルにサポートしております。<精密機器輸送サービス>銀行ATMや通貨処理機、POSレジスター等の金融端末機を主とした精密機器輸送を行っております。設置作業等の運送付帯作業も行い、輸送から設置まで一貫したサービスを提供しております。 ② 倉庫事業<保管サービス事業>製鋼所、家電商品メーカー及び大手EC向けの大型物流センター等、個々の顧客の商品に適した保管・管理方法を提供しております。また、在庫管理から物流加工、配送まで一貫した総合情報システムで顧客の物流基地としての機能を提供しております。<ドキュメントサービス事業>国土交通省の認定を受けているトランクルームのセキュリティは、静脈認証システムやビデオカメラによる24時間監視体制の警備システムを整え、利便性と安全性を両立させた業務を行っております。企業の書類(企業情報)や特別な管理スペースが必要なデータ類を保管し、お預かりした保管物は、保存期間が確認できる管理データの明細票を発行することで、必要な情報を随時お届けしております。保存期間が到来した機密文書等は廃棄(リサイクル)する等の一貫したシステムを採用することで、オフィススペースの有効活用を図るサービスを提供しております。また、紙で保管されたままの文書や図面を、低コストで高品質かつスピーディーにスキャニングしてデータ化するデジタルソリューション事業にも取り組んでおります。  <物流・流通加工サービス> 帳票類や試験用紙、店頭販促ツールなどの印刷物の書類保管、梱包、封入、発送、管理を行っております。高いセキュリティを求められるものや、規格がまちまちのものなど、それぞれの特性に合わせ、顧客のニーズに柔軟に対応したサービスを提供しております。 ③ 商品販売事業商品販売は、物流事業から派生した事業で、物流インフラを活用した各種梱包資材及び電力用資材等の販売を行っております。 ④ ウエルフェア事業ウエルフェア事業は、介護支援(福祉用具貸与)事業者に福祉用具(最新型のベッド、車椅子等)を提供しております。 ⑤ その他<駐車場事業>物流会社としてのネットワークを活かし、大阪・東京・名古屋等の主要都市において、各地域に適した立体駐車場等の運営を行っております。<周辺事業>ビジネスサポート事業では、六本木ヒルズ内に「ヒルズ21」というオフィスコンビニを運営しております。大型都市ビル内にテナントとして入居している企業やビルを訪れる方々を対象に、名刺の作成・ダイレクトメールの作成及び発送代行並びにクリーニング取次等、ビジネス及びプライベートにおいても便利で身近なサービスを提供しております。その他、PCデータのイレース(機密データの消去又は物理破壊、リユースシステムによる中古PC販売又はリサイクルシステムによる再資源化)事業及び配送時にデータの流出を防げるソフト(データの高速消去)をソフト開発会社と共同開発し、PC入替時にセキュリティソフトを販売する事業、大量の文書や図面等を保存するデジタルソリューション事業、顧客企業のコンタクトセンターへの人材派遣、各種システムの開発・運用・保守事業等を展開しております。 (2) 事業の系統図及び概要は次のとおりであり、顧客から当社グループ又は協力会社への矢印は業務の発注を示し、当社グループ又は協力会社から顧客への矢印は、役務の提供を行っていることを示しております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
アマゾンジャパン合同会社との取引は市場価格を勘案した一般的な取引条件で決定。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
貨物自動車運送事業法、倉庫業法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律等に基づく許認可が必要。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:コンプライアンスに関するリスク / 特定の得意先への依存度 / 外注比率について
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ヒガシホールディングスは、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPを保有しているという公開情報は見当たらない。事業は主に不動産賃貸・管理であり、無形資産による競争優位性は限定的と考えられる。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

不動産賃貸・管理事業において、既存テナントが他の物件へ移転する際には、移転コストや新規契約の手間が発生する。しかし、物件の立地や賃料などの条件が他社と比較して著しく劣らない限り、スイッチング・コストは限定的であり、乗り換えを強く抑制する要因とはなりにくい。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ヒガシホールディングスの事業モデルは、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果を生み出す構造ではない。不動産賃貸・管理事業において、ネットワーク効果は競争優位性の源泉とはなりにくい。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

不動産賃貸・管理事業において、規模の経済や効率的な運営により一定のコスト優位を築く可能性はある。しかし、同業他社と比較して構造的に大幅なコスト優位を持つという明確な証拠は現時点では見られない。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

ヒガシホールディングスは、東京23区を中心に複数の商業施設やオフィスビルを保有・運営しており、一定の事業規模を有している。これにより、物件の取得や運営において一定の交渉力や効率性を享受できる可能性があるが、業界全体で見ると寡占的な地位を確立しているとは言えない。

同社は、近畿圏を基盤としつつ、首都圏や中部圏の主要都市における大型ビル館内デリバリー事業で、東京オペラシティや六本木ヒルズなどの有名施設での一括管理・共同配送システムを構築しており、これが強みです。また、機密書類の回収から溶解処理までを一貫して行う静脈物流システムや、国土交通省認定のトランクルームでの厳重なセキュリティ管理(静脈認証、24時間監視)によるドキュメントサービスも提供しており、高い信頼性と専門性が競争優位につながっています。さらに、IT関連事業や精密機器輸送サービスなど、物流に付随する高付加価値サービスも展開しています。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 当社グループの経営の基本方針当社グループは、「安全」と「安心」を大切にして物流事業を通じて社会に貢献することを経営の基本方針とし、以下の経営理念(3つの使命)に基づき活動しております。①商品・サービスの使命顧客・荷主の満足する物流サービスを提供し、信頼の向上に努めます。②社会的使命良き企業市民として社会のルールを守り、地域に貢献、環境保全に取り組みます。③経済的使命社会、株主、社員の繁栄を図るため、常に経営基盤の強化・安定を図ってまいります。 また、当社グループは、事業をめぐる厳しい環境や事業領域拡大に伴い、従業員一人ひとりが当社グループの社会的存在価値を再認識し主体的に業務に取組んでいく必要があると考え、2023年度にグループパーパス「安心をずっと、驚きをもっと。人と技術とITで、新たな価値を創造し、豊かな明日へつなぎます。」を制定いたしました。また、当社は、2025年4月1日に商号を「株式会社ヒガシホールディングス」に変更し、持株会社体制へ移行いたしました。これにより、当社は、経営戦略の策定、経営資源の再配分、グループガバナンスの強化、M&A等の戦略投資を中心としたグループ経営に特化し、事業会社は、それぞれの事業領域で、経営環境の変化に迅速に対応することで、グループ全体として、柔軟かつ強靭な経営体制へと進化することを目指しております。 (2) 目標とする経営指標 2026年3月期実績2027年3月期予想2028年3月期 目標(当初)2028年3月期 目標(修正後)売上高579.7億円590億円550億円610億円経常利益41.5億円42.5億円35億円44億円1株当たり配当金60円00銭(予定)62円00銭57円00銭66円00銭ROE17.6%8%以上8%以上8%以上配当性向30.1%30.1%30%以上30%以上従業員数1,744名1,800名1,800名1,850名 (3) 中長期的な会社の経営戦略当社グループは、2020年7月に長期ビジョン「ヒガシグループVISION2030」を策定し、2030年までに目指す姿として「お客様に最高のサービスをお届けするために変革し続ける企業」を掲げるとともに、コーポレートスローガン「Evolution for Customers-全進で未来へ“シンカ”-」を制定しております。当社グループは、この長期ビジョンの実現に向けた中期的な経営戦略として、2025年5月に「中期経営計画2028」を策定し、本計画の3ヵ年を「プライム市場昇格へ向けたファンダメンタルズを完成させる3年」と位置付け、最終年度である2028年3月期の目標数値を売上高550億円、経常利益35億円と定め、取組みを進めてまいりました。計画初年度である2026年3月期につきましては、大手EC向け3PLセンターでの取扱量の増加、オフィスサービス事業における大型案件の受注、NEXT GIGAスクール構想に伴うICT機器の更新案件への対応及び関連するICT機器販売の受託、大手EC向け輸送業務の拡大に加え、前年度下期より連結を開始した株式会社ネオコンピタンスの通年寄与もあり、売上高579.7億円、経常利益41.5億円となりました。この結果、「中期経営計画2028」における当初の最終年度目標である売上高550億円、経常利益35億円を計画初年度で上回ったことから、2026年5月8日に「中期経営計画値の見直しに関するお知らせ」を公表し、最終年度である2028年3月期の目標数値を売上高610億円、経常利益44億円、1株当たり配当金66円へ上方修正いたしました。 上方修正後の「中期経営計画2028」の2年目である2027年3月期につきましては、中東情勢等の不透明な経済環境を踏まえ、保守的に、売上高590億円(前年同期比1.8%増)、営業利益41億円(同1.4%増)、経常利益42.5億円(同2.4%増)を見込んでおります。2026年3月期に受注したICT機器販売の収束や、オフィスサービス事業による大型案件獲得の反動、大口得意先向けカタログギフト発送業務の収束等の減収要因があるものの、2026年5月に増床部分の稼働を開始する流山ロジスティクスセンター(倉庫面積29,533坪)をはじめとした大手EC向け大型3PLセンターでの取扱量の増加や輸送業務の拡大に加え、NEXT GIGAスクール構想に伴うICT機器の更新案件の継続対応、適正価格への継続的な見直し等により成長基調を維持し、増収増益を想定しております。また、3年目である2028年3月期につきましては、流山ロジスティクスセンター増床部分の本格稼働に加え、自社大型車両の増車に伴う輸送業務の拡大、冷蔵・冷凍輸送業務の拡大、大手インフラ会社向け資材販売の取扱量及び品目の増加、適正価格への継続的な見直し等により、売上高610億円、経常利益44億円を目指してまいります。なお、原油価格高騰に伴う燃料費の上昇を織り込んでおりますが、当社グループにおいては、売上高に対する燃料費の割合は約0.4%(2026年3月期)であるため、直接的な影響は僅少であります。引き続き、「物流の安定供給への貢献」「責任ある企業経営の実践」に向け、「サービス・効率性の向上/EC需要の取り込み/IT事業強化等を通じた事業成長」と「持続可能な発展に資するESG経営への更なる取組み」を軸に、各施策を進めてまいります。 (4) 会社の対処すべき課題今後の経済動向につきましては、雇用情勢及び所得環境の改善などを背景に、緩やかな回復基調にあるものの、中東情勢の影響や物価上昇の継続により、消費者マインドが弱含みとなっていることなどから、景気の先行きは依然として見通し難い状況が続くものと考えております。物流業界におきましては、個人消費や企業活動に持ち直しの動きがみられるなど、物流需要は底堅く推移しているものの、中東情勢を背景とした原油価格の上昇、更なる物価上昇による個人消費の低迷や人手不足による供給制約の深刻化などのリスクがあります。また、トラックドライバーの時間外労働の上限規制への対応や、少子高齢化による労働力人口の減少を背景とした輸送力不足への対応などが、引き続き重要な課題となっております。このような状況のなか、当社グループは、社会インフラの責任ある担い手として、事業環境の変化への的確な対応を図るとともに、長期ビジョンの達成に向け、「中期経営計画2028」のもと、気候変動への対応、人的資本価値の向上、安全性の確保及びコーポレートガバナンスの強化等のESG経営に係る取組みと更なる事業成長を両立させ、ゆるぎない経営基盤の構築を進めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 当社グループの経営の基本方針当社グループは、「安全」と「安心」を大切にして物流事業を通じて社会に貢献することを経営の基本方針とし、以下の経営理念(3つの使命)に基づき活動しております。①商品・サービスの使命顧客・荷主の満足する物流サービスを提供し、信頼の向上に努めます。②社会的使命良き企業市民として社会のルールを守り、地域に貢献、環境保全に取り組みます。③経済的使命社会、株主、社員の繁栄を図るため、常に経営基盤の強化・安定を図ってまいります。 また、当社グループは、事業をめぐる厳しい環境や事業領域拡大に伴い、従業員一人ひとりが当社グループの社会的存在価値を再認識し主体的に業務に取組んでいく必要があると考え、2023年度にグループパーパス「安心をずっと、驚きをもっと。人と技術とITで、新たな価値を創造し、豊かな明日へつなぎます。」を制定いたしました。また、当社は、2025年4月1日に商号を「株式会社ヒガシホールディングス」に変更し、持株会社体制へ移行いたしました。これにより、当社は、経営戦略の策定、経営資源の再配分、グループガバナンスの強化、M&A等の戦略投資を中心としたグループ経営に特化し、事業会社は、それぞれの事業領域で、経営環境の変化に迅速に対応することで、グループ全体として、柔軟かつ強靭な経営体制へと進化することを目指しております。 (2) 目標とする経営指標 2026年3月期実績2027年3月期予想2028年3月期 目標(当初)2028年3月期 目標(修正後)売上高579.7億円590億円550億円610億円経常利益41.5億円42.5億円35億円44億円1株当たり配当金60円00銭(予定)62円00銭57円00銭66円00銭ROE17.6%8%以上8%以上8%以上配当性向30.1%30.1%30%以上30%以上従業員数1,744名1,800名1,800名1,850名 (3) 中長期的な会社の経営戦略当社グループは、2020年7月に長期ビジョン「ヒガシグループVISION2030」を策定し、2030年までに目指す姿として「お客様に最高のサービスをお届けするために変革し続ける企業」を掲げるとともに、コーポレートスローガン「Evolution for Customers-全進で未来へ“シンカ”-」を制定しております。当社グループは、この長期ビジョンの実現に向けた中期的な経営戦略として、2025年5月に「中期経営計画2028」を策定し、本計画の3ヵ年を「プライム市場昇格へ向けたファンダメンタルズを完成させる3年」と位置付け、最終年度である2028年3月期の目標数値を売上高550億円、経常利益35億円と定め、取組みを進めてまいりました。計画初年度である2026年3月期につきましては、大手EC向け3PLセンターでの取扱量の増加、オフィスサービス事業における大型案件の受注、NEXT GIGAスクール構想に伴うICT機器の更新案件への対応及び関連するICT機器販売の受託、大手EC向け輸送業務の拡大に加え、前年度下期より連結を開始した株式会社ネオコンピタンスの通年寄与もあり、売上高579.7億円、経常利益41.5億円となりました。この結果、「中期経営計画2028」における当初の最終年度目標である売上高550億円、経常利益35億円を計画初年度で上回ったことから、2026年5月8日に「中期経営計画値の見直しに関するお知らせ」を公表し、最終年度である2028年3月期の目標数値を売上高610億円、経常利益44億円、1株当たり配当金66円へ上方修正いたしました。 上方修正後の「中期経営計画2028」の2年目である2027年3月期につきましては、中東情勢等の不透明な経済環境を踏まえ、保守的に、売上高590億円(前年同期比1.8%増)、営業利益41億円(同1.4%増)、経常利益42.5億円(同2.4%増)を見込んでおります。2026年3月期に受注したICT機器販売の収束や、オフィスサービス事業による大型案件獲得の反動、大口得意先向けカタログギフト発送業務の収束等の減収要因があるものの、2026年5月に増床部分の稼働を開始する流山ロジスティクスセンター(倉庫面積29,533坪)をはじめとした大手EC向け大型3PLセンターでの取扱量の増加や輸送業務の拡大に加え、NEXT GIGAスクール構想に伴うICT機器の更新案件の継続対応、適正価格への継続的な見直し等により成長基調を維持し、増収増益を想定しております。また、3年目である2028年3月期につきましては、流山ロジスティクスセンター増床部分の本格稼働に加え、自社大型車両の増車に伴う輸送業務の拡大、冷蔵・冷凍輸送業務の拡大、大手インフラ会社向け資材販売の取扱量及び品目の増加、適正価格への継続的な見直し等により、売上高610億円、経常利益44億円を目指してまいります。なお、原油価格高騰に伴う燃料費の上昇を織り込んでおりますが、当社グループにおいては、売上高に対する燃料費の割合は約0.4%(2026年3月期)であるため、直接的な影響は僅少であります。引き続き、「物流の安定供給への貢献」「責任ある企業経営の実践」に向け、「サービス・効率性の向上/EC需要の取り込み/IT事業強化等を通じた事業成長」と「持続可能な発展に資するESG経営への更なる取組み」を軸に、各施策を進めてまいります。 (4) 会社の対処すべき課題今後の経済動向につきましては、雇用情勢及び所得環境の改善などを背景に、緩やかな回復基調にあるものの、中東情勢の影響や物価上昇の継続により、消費者マインドが弱含みとなっていることなどから、景気の先行きは依然として見通し難い状況が続くものと考えております。物流業界におきましては、個人消費や企業活動に持ち直しの動きがみられるなど、物流需要は底堅く推移しているものの、中東情勢を背景とした原油価格の上昇、更なる物価上昇による個人消費の低迷や人手不足による供給制約の深刻化などのリスクがあります。また、トラックドライバーの時間外労働の上限規制への対応や、少子高齢化による労働力人口の減少を背景とした輸送力不足への対応などが、引き続き重要な課題となっております。このような状況のなか、当社グループは、社会インフラの責任ある担い手として、事業環境の変化への的確な対応を図るとともに、長期ビジョンの達成に向け、「中期経営計画2028」のもと、気候変動への対応、人的資本価値の向上、安全性の確保及びコーポレートガバナンスの強化等のESG経営に係る取組みと更なる事業成長を両立させ、ゆるぎない経営基盤の構築を進めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (経営成績等の状況の概要)当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 (1) 経営成績の状況当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)におけるわが国の経済は、雇用情勢・所得環境の改善などを背景に、緩やかな回復基調にあるものの、中東情勢の影響や物価上昇の継続により、消費者マインドが弱含みとなっていることなどがあり、景気の先行きは依然として見通し難い状態が続いております。 物流業界においては、個人消費や企業活動に持ち直しの動きが見られるなど、物流需要は底堅く推移しているものの、中東情勢を背景とした原油価格の上昇、更なる物価上昇による個人消費の低迷や人手不足による供給制約の深刻化などのリスクがあり、今後の経営環境への影響は不透明な状況にあります。当連結会計年度の業績につきましては、売上高は579億72百万円(前年同期比20.5%増)、営業利益は40億44百万円(同47.6%増)、経常利益は41億50百万円(同41.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は26億2百万円(同44.1%増)となりました。主な要因としましては、大手EC向けに開設した「川西ロジスティクスセンター(2024年8月開設)」の本格稼働や既存の大型3PLセンターの取扱量増加に加え、移転事業・ビルデリバリー事業の成長と2024年10月より連結を開始した株式会社ネオコンピタンスの通年化等により、大幅な増収増益となりました。セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 ①運送事業当事業につきましては、売上高は295億29百万円(前年同期比15.9%増)となり、セグメント利益は36億86百万円(同17.5%増)となりました。これは主に、大手EC向け輸送業務の拡大と、移転事業・ビルデリバリー事業の成長等により売上が増加したことによるものです。   ②倉庫事業当事業につきましては、売上高は172億47百万円(前年同期比22.8%増)となり、セグメント利益は19億54百万円(同66.1%増)となりました。これは主に、前年度に新規開設した大手EC向け大型倉庫の本格稼働等により売上が増加したことによるものです。   ③商品販売事業当事業につきましては、売上高は67億11百万円(前年同期比32.6%増)となり、セグメント利益は3億44百万円(同12.1%増)となりました。これは主に、大手インフラ会社向け資材販売業務と、NEXT GIGAスクール構想に伴うICT機器の取扱いの増加等により売上が増加したことによるものです。   ④ウエルフェア事業当事業につきましては、売上高は12億46百万円(前年同期比9.3%増)となり、セグメント利益は2億12百万円(同17.5%増)となりました。これは主に、福祉用具の新規貸出しの増加等により売上が増加したことによるものです。   ⑤その他当事業につきましては、売上高は32億37百万円(前年同期比34.8%増)となり、セグメント利益は5億74百万円(同61.9%増)となりました。これは主に、2024年10月より連結を開始した株式会社ネオコンピタンスの通年化等により売上が増加したことによるものです。 (2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、91億40百万円となり、前連結会計年度末に比べ44億92百万円増加いたしました。その内訳は、営業活動により得られた資金が49億89百万円(前年同期比110.7%増)、投資活動により使用した資金が6億68百万円(同85.2%減)、財務活動により得られた資金が1億72百万円(前年同期比93.7%減)となりました。  (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により得られた資金は、49億89百万円(前年同期は23億67百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益40億86百万円、減価償却費12億円、法人税等の支払額13億15百万円、未払消費税等の増加による増加額7億62百万円、仕入債務の増加による増加額5億5百万円によるものです。  (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により使用した資金は、6億68百万円(前年同期は45億33百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出6億8百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1億35百万円によるものです。  (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により得られた資金は、1億72百万円(前年同期は27億50百万円の収入)となりました。これは主に長期借入による収入10億円、長期借入金の返済による支出9億23百万円、短期借入金の増加額8億円、配当金の支払による支出5億46百万円によるものです。 (3) 生産、受注及び販売の実績当社グループの主たる事業内容である物流事業(運送事業、倉庫事業)については、受注生産形態はとっておりません。当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)販売高(千円)前年同期比(%)運送事業29,529,80715.9倉庫事業17,247,04422.8商品販売事業6,711,12432.6ウエルフェア事業1,246,9409.3その他3,237,64034.8合計57,972,55620.5 なお、主な相手先の販売実績につきましては次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)アマゾンジャパン合同会社8,772,26418.212,812,64122.1 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。  (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたりまして、判断及び仮定を使用することが必要となる金額については、過去の実績や状況に応じ判断、仮定、情報の適切性及び金額の妥当性に留意した上で会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。なお、連結財務諸表作成のための重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。 (2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ①財政状態の分析(資産)当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ50億19百万円増加し、366億16百万円となりました。資産の主要科目の増減は、現金及び預金が44億60百万円増加し、営業未収入金及び契約資産が3億9百万円増加し、投資有価証券が6億16百万円増加いたしました。 (負債)当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ24億15百万円増加し、205億3百万円となりました。負債の主要科目の増減は、営業未払金が5億21百万円増加し、短期借入金が8億円増加し、未払消費税等が7億69百万円増加し、未払法人税が2億96百万円増加いたしました。 (純資産)当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ26億3百万円増加し、161億13百万円となり、自己資本比率は44.0%となりました。  ②経営成績の分析 前連結会計年度当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)売上高(千円)48,126,04057,972,556経常利益(千円)2,935,5034,150,764親会社株主に帰属する当期純利益(千円)1,805,8582,602,610 (売上高)当連結会計年度は、大手EC向けに開設した川西ロジスティクスセンターの本格稼働や、既存の大型3PLセンターの取扱量増加に加え、移転事業・ビルデリバリー事業の成長と2024年10月より連結を開始した株式会社ネオコンピタンスの通年化等により、売上高は579億72百万円(前年同期比20.5%増)となりました。 (経常利益)当連結会計年度の経常利益は、上記の増収に加え、前期に先行実施した投資に伴う費用の減少等により、41億50百万円(同41.4%増)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、上記の大幅な増収増益により、26億2百万円(同44.1%増)となりました。  ③キャッシュ・フローの分析キャッシュ・フローの分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。   資本の財源及び資金の流動性について当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、運送事業における人件費や燃油費、設備投資においては車輛運搬具や情報設備等の購入、倉庫施設の改修及び設備面における作業効率改善、既存設備等のメンテナンスと入替のための費用があります。これらの資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入金により、資金調達しております。また、複数の金融機関とコミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結し、十分な資金の流動性を確保しております。2026年3月31日現在の短期借入金の残高は51億30百万円、長期借入金(1年以内に返済予定のものを含む。)の残高は46億41百万円であります。株主還元につきましては、安定配当かつ利益還元を重視しつつ、長期的かつ安定的な事業展開に必要な内部留保の充実を図りながら、これを総合的に勘案して決定することとしており、連結配当性向は30%以上を目標水準としております。上記の基本に基づき、当期の配当金につきましては、2026年6月12日開催予定の定時株主総会にて、1株につき60円の配当を決議する予定であります。 (3) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等物流業界においては、中東情勢を背景とした原油価格の上昇や、石油関連化学製品の供給制約による原材料不足、人件費の高騰をはじめとする物価上昇の影響などにより、今後も不透明な状況が継続するものと考えております。このような認識の下、当社グループは、昨年より中期経営計画2028(2025年5月9日公表)を掲げ、事業に取り組んでおります。計画初年度である2026年3月期は売上高579億72百万円、経常利益41億50百万円となり、最終年度の当初目標数値である売上高550億円、経常利益35億円を上回りましたので、この度、中期経営計画2028の最終年度の目標数値について、売上高610億円、経常利益44億円、1株当たり配当金66円(当初目標数値57円)に上方修正いたしました。詳細は、2026年5月8日公表の「中期経営計画値の見直しに関するお知らせ」をご覧ください。上方修正後の中期経営計画2028の2年目となる2027年3月期につきましては、先述の不透明な状況を踏まえ、保守的に、売上高590億円(前年同期比1.8%増)、経常利益42億50百万円(同2.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益27億3百万円(同3.9%増)、1株当たり配当金62円(同3.3%増)を見込んでおります。売上高に関しましては、2026年3月期に受注したICT機器販売の収束や、オフィスサービス事業による大型案件獲得の反動、大口得意先向けカタログギフト発送業務の収束等の減収要因があるものの、2026年5月に増床部分の稼働を開始する流山ロジスティクスセンター(倉庫面積29,533坪)をはじめとした大手EC向け大型3PLセンターでの取扱量の増加や輸送業務の拡大に加え、NEXT GIGAスクール構想に伴うICT機器の更新案件の継続対応、適正価格への継続的な見直し等により成長基調を維持し、増収を想定しております。利益に関しましては、前年度に続き、幅広い事業領域において車両、設備、人材への投資を計画しているものの、上記の増収に加え、前期に先行実施した投資に伴う費用の減少が寄与し、増益を想定しております。なお、原油価格高騰に伴う燃料費の上昇を織り込んでおりますが、当社グループにおいては、売上高に対する燃料費の割合は約0.4%(26/3期)であるため、直接的な影響は僅少であります。 (4) 経営戦略の現状と見通し「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 会社の対処すべき課題」に記載しております。 (5) 経営者の問題意識と今後の方針について物流業界は、働き方改革関連法に基づくトラックドライバーの時間外労働の上限規制への対応に加え、少子高齢化による労働力人口の減少を背景とした人手不足や輸送力不足への対応が、引き続き重要な課題となっております。また、企業倫理、安全、環境、人権等に関する社会的要請が高まっており、企業として果たすべき責任は一層大きくなっております。当社グループは、「安全」と「安心」を大切にして物流事業を通じ社会に奉仕することをスローガンに、①商品・サービスの使命、②社会的使命、③経済的使命の3つの使命を経営理念として株主価値の向上を図り、社会に貢献できる会社を目指しておりますが、事業をめぐる厳しい環境や事業領域拡大に伴い、従業員一人ひとりが当社グループの社会的存在価値を再認識し主体的に業務に取組んでいく必要があると考え、グループパーパス「安心をずっと、驚きをもっと。人と技術とITで、新たな価値を創造し、豊かな明日へつなぎます。」を制定し、グループ共通の価値観として、グループ一丸となって事業活動に取組んでおります。また、当社グループでは、コンプライアンス全体を統括する組織として社長を委員長とする「コンプライアンス・リスク管理委員会」を設置するとともに、「法令遵守マニュアル」を制定し、コンプライアンス体制の整備及び問題点の把握に努め、内部管理体制の一層の充実を図ることで法令遵守及び交通安全対策などに積極的に対応する方針であります。また、サステナビリティ全体を統括する組織として社長を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」を設置しており、同委員会を中心に、気候変動問題や人権の尊重などの取組みを着実に推進してまいります。さらに、財務報告の信頼性を確保するため、「財務報告に係る内部統制の整備・運用及び評価の取扱い」を定めており、関係規程、役員及び従業員の意識向上、内部監査制度の充実等を図り、財務報告に係る内部統制の有効かつ適切な運用・管理に努めております。

事業リスク

主要なリスクとして、まず法令遵守に関するリスクがあります。各種許認可が必要な事業のため、法令違反があれば行政処分を受け、事業活動に重大な影響が出る可能性があります。次に、特定の顧客(アマゾンジャパン合同会社)への売上依存度が22.1%と高く、取引条件の見直しがあれば業績に影響を及ぼす恐れがあります。また、運送事業の外注比率が81.6%と高いため、協力会社の確保難や外注単価の上昇が収益を圧迫する可能性があります。さらに、大規模な自然災害や感染症の拡大、重大事故の発生、情報漏洩なども事業継続や信用に悪影響を与えるリスクとして挙げられます。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,603 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) コンプライアンスに関するリスク当社グループは、貨物自動車運送事業法をはじめとする各種法令の適用を受けており、事業運営には所定の許認可・登録・届出等が必要となります。また、会社法、金融商品取引法その他の法令・規制・条例の適用も受けております。当社グループはコンプライアンス経営を最重要課題と位置づけ、「法令遵守マニュアル」を制定し、体制整備と課題把握を継続するとともに、役員・従業員がそれぞれの立場でコンプライアンスを自律的に実践できるよう、研修等を通じて周知徹底を図っております。現時点において、当該許認可の取消事由は発生しておりませんが、将来、各種法令違反が認められた場合には、監督官庁による車両運行の停止、事業停止、許可取消、罰金等の行政処分を受ける可能性があります。これに伴い、企業イメージの低下や損害賠償等の費用負担が生じ、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼすおそれがあります。さらに、法令・条例の改正や新設により、追加的な対応コストが発生する可能性もあります。 主要事業の許認可等の概要許認可等の名称法律名監督省庁有効期限取消事由一般貨物自動車運送事業貨物自動車運送事業法国土交通省期限の定めなし同法第33条第一種貨物利用運送事業貨物利用運送事業法国土交通省期限の定めなし同法第16条第二種貨物利用運送事業貨物利用運送事業法国土交通省期限の定めなし同法第33条倉庫業倉庫業法国土交通省期限の定めなし同法第21条産業廃棄物収集運搬業廃棄物の処理及び清掃に関する法律環境省許可後5年間同法第14条の3の2貨物軽自動車運送事業貨物自動車運送事業法国土交通省期限の定めなし同法第36条第2項 (2) 特定の得意先への依存度についてアマゾンジャパン合同会社に対する売上高総額の割合は22.1%であります。同社との取引については、市場価格を勘案して一般的な取引条件で決定しており、今後も同様の方針でありますが、何らかの理由により契約関係の見直しが行われた場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 外注比率について当社グループでは、運送事業部門において、顧客からの要望に応じた全国規模の物流に対応するとともに、景気動向等による需要の変動に効率的に対応するため、多くの外注(協力会社)を活用しており、運送事業原価に占める外注比率は、当連結会計年度末現在で81.6%となっております。外注業者の選定は慎重に行い、親密で良好な関係を構築しておりますが、需要が集中した場合には必要な業者の確保や外注単価の上昇等により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 固定資産の評価について当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。当該会計基準では、グルーピングされた固定資産について回収可能価額を測定し、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その差額を減損損失として認識することとされており、今後、当社グループの事業収益の著しい低下や事業環境の変化などにより資産価値が低下した場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 事故による影響について当社グループは、トラックを利用した運送事業を営んでおりますが、「安全」と「安心」を基本方針として、デジタルタコグラフ及びドライブレコーダーの搭載、運輸安全マネジメントへの取組み等により事故撲滅に努めており、各種の保険にも加入しております。しかしながら、万一、重大事故が発生した場合には、顧客からの信用低下や行政処分による営業活動の停滞等を招く可能性があり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 災害等の発生によるリスク当社グループは、大規模な地震や台風等による自然災害の発生・感染症の拡大(パンデミック)等により倉庫や車両、情報システム、電力、交通網等が被害を受けた場合、物流業務の停滞等事業に支障が生じる可能性があります。また、顧客企業が事業を展開する地域において大規模な災害が発生した場合には、要請に応じて緊急車両の手配または物資の輸送により救援活動を行いますが、その被災状況によっては顧客企業の事業活動が困難となり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 人材の確保及び育成について当社グループは、企業規模の拡大により、優秀な人材の確保とその育成が急務となっております。当社グループは、従業員の採用を積極的に行うことにより、優秀な人材の確保に努めるとともに、社内研修制度の充実を図り、次世代人材の育成に注力しております。しかしながら、人材の確保及び育成が不十分である場合や、人材確保のためのコストが増加した場合には、当社グループの財政状態及び業績、並びに今後の事業展開のスピードに影響を及ぼす可能性があります。 (8) M&A、事業提携について当社グループは、事業拡大及び企業価値向上のためにM&Aや資本業務提携等が有効であると考えております。これらの実施にあたっては、事前に対象企業の財務内容や契約内容等について詳細なデューデリジェンスを実施し、事業のシナジーの創出と買収価格の妥当性について十分に検討した上で実行しております。しかしながら、デューデリジェンス実施時に見込んだ成果や当社グループ化によるシナジーが計画通りに進捗せず、のれんや持分法で会計処理されている投資の減損損失等、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 金利変動の影響当社グループは、事業に使用される倉庫及び物流センターの設備資金について、その必要資金の一部を金融機関からの借入金で賄っております。2026年3月期末における借入金残高は、97億71百万円であり、負債及び純資産合計に対する借入金残高の割合は26.7%となっております。変動金利で調達している借入金については金利変動の影響を受けることになり、今後の金利動向により当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 情報漏洩等によるリスク当社グループは、物流業務、赴任引越などの受託に際して、顧客企業の情報もしくは多数の個人情報を取り扱っております。法令遵守マニュアルを定め個人情報の保護・管理体制の整備に努め、プライバシーマークの認定取得など情報の管理には細心の注意を払っておりますが、情報の外部漏洩やデータ喪失などの事態が発生した場合には、当社グループの社会的信用の低下や顧客企業からの損害賠償責任を負うことにより、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 訴訟等に関するリスク当社グループの事業運営において、トラブルや問題が生じた場合、当社グループの瑕疵に関わらずこれらに起因する損害賠償を請求される、あるいは訴訟を提起される可能性があります。これらの訴訟の内容及び結果によっては、当社グループの社会的信用に影響を及ぼすほか、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 環境に関する規制のリスク当社グループは、大気汚染、水質汚濁、土壌・地下水汚染、有害物質の取扱い・除去、廃棄物処理などを規制する様々な環境関連法令の適用を受けております。また、当社グループでは多数の事業用車両を保有していることから、運転職に従事する従業員についてはエコドライブの推進に向け、デジタルタコグラフによる運行データのモニタリング及び定期的な添乗指導を実施しております。これらの取組により、急加速・急発進・急停止等の不適切運転行動の抑制、輸送効率の向上及び燃料使用量の低減を図っております。廃棄物については、当社グループが保有する産業廃棄物収集運搬のネットワークを通じ、適格性を確認した処理事業者へ委託し、関係法令の遵守を徹底しておりますが、今後において、法改正等による環境に関する規制の強化や費用負担の増加又は、過去・現在及び将来の事業活動における賠償責任等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

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