経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社は、以下の経営理念を掲げ、経営の基本方針としております。 経営理念未来への扉を。『くらしに価値タス』ことを通じて、地域とお客様に。 事業に取り組む基本姿勢及び事業を通じて実現したいこと・私たちは、お客様の顕在ニーズと潜在ニーズを把握することに努め、リフォームの企画と仕上がりにこだわり続けることにより、持ち家を望むすべての人に、手の届く価格で、安心・清潔・実用的な住まいを提供する。・私たちは、十分に活用されず地域に埋もれてしまっている家や、一般的な中古住宅市場では売りにくい家に対しても、潜在的な価値と需要を見出し、自ら買い取って付加価値を加えることで、中古住宅に新たな生命を吹き込む。・私たちは、『くらしに価値タス』活動を通じて、地域とそこに暮らす人々の生活にひとつでも多くの『未来への扉』を提供し、土地開発を前提とした新築中心の日本の住まい方から、既存の家を再生して住みつなげるという新しい住まい方を提唱して、地域の活性化・発展を支援し続けていく。 (2) 経営戦略等 当社グループは、長期ビジョンとして「日本で一番、ひとびとの暮らしを豊かにする会社」を目指し、その中間目標として2035年には年間販売件数2万件への成長を実現すべく、第4次中期経営計画(2026年3月期から2028年3月期)を策定し、2025年5月に発表いたしました。 当社グループを取り巻く環境は、少子高齢化や都市への人口集中を背景に多数の空き家が発生し続けていること、生活コスト上昇や多様化する世帯構成の変化を背景に低価格で高品質な住宅に対する需要が底堅いことから、仕入面・販売面共にこれまで以上に大きな成長余地が存在すると判断しております。また、築年数の古い中古の戸建住宅は、雨漏り、白蟻、隣地との権利関係等の特有のビジネスリスクを有しているため品質の担保が難しく、新規参入する会社は多いものの成長せずに撤退しております。このことから、地方・築古・戸建の領域では当社グループの競争優位性は引き続き高いものと判断しております。以上の外部環境の認識のもと、当社グループは、提供する住まいの品質と価値を維持・向上させるために引き続き急速な成長を志向せず、安定的に良質なリフォーム済み中古住宅を供給する能力を着実に拡充することが重要な課題であると認識しております。 上記より、第4次中期経営計画期間においては、「家を売るならカチタス。家を買うならカチタス」という世界観を実現すべく、年間販売件数1万件を目指してまいります。また、最重要KGIである営業利益は200億円を目指してまいります。また、資本効率性を意識した経営を実現すべくROE(*1)は20%以上を掲げてまいります。そして配当性向は50%以上かつ累進配当とすることを掲げてまいります。 *1 直近12カ月の当期純利益÷株主資本の前年度期末残高と当期末残高の平均 第4次中期経営計画での基本戦略は以下の通りです。① 営業人員数の増加と育成強化 当社グループの事業成長には、営業人員数の増加と育成の強化が重要だと考えております。 営業人員数の増加については、新卒採用出身の店長の増加に伴い、育成キャパシティが充実したことを背景に新卒採用数を増加させると共に、リテンションを強化することで加速を図ってまいります。育成とリテンションについては、課題のある店舗をサポートする目的で部門横断的にサポートする部門を設置し、若手社員の育成の促進と離職のリスクを低減する取組みを行ってまいります。 上記のような取組みにより人的資本の増強を図り、現在は展開ができていない未出店の地域や小規模・高収益エリアへの出店により国内における中古住宅の取扱可能エリアを拡充してまいります。② 生産性の向上 当社グループの事業拡大には営業人員数の増加に加えて、生産性(営業人員一人当たりの売買件数)の向上が重要だと考えております。そのためにも、紙媒体や手作業などのアナログ作業が多い不動産業界においても各種システム関連への投資を通じて生産性の向上に努めてまいります。また、高回転での販売を期待できる物件に限定した戦略的な在庫枠を設けることで取扱件数の増加を図ってまいります。 ③ リフォーム企画の多様化 住宅業界を取り巻く環境は、新築住宅の取得コストの上昇やインフレによる生活コストの上昇により低価格帯の住宅へのニーズが高まっております。また、ファミリー世帯減少による世帯構成の変化からお客様のニーズも多様化しております。そのため、従来のフルリフォーム企画以外にも、お客様の多様化するニーズに対応したリフォーム企画を行うことにより、新たな顧客層を獲得することを図ってまいります。 また、当社グループは、中古住宅のリフォームをリフォーム協力会社に外注して施工しております。そのため、リフォーム協力会社の新規発掘を継続的に行い、リフォーム工事の施工能力の確保と拡充に取り組んでまいります。④ 仕入チャネルの多様化 当社グループの仕入チャネルは主に不動産仲介会社からの紹介による仕入れとなっております。既存の不動産仲介会社からの仕入れに加えて、地方自治体が抱える空き家問題に対する解決手段として、地方自治体経由で物件情報を紹介いただいたり、異業種の会社から、顧客の保有する不動産処分ニーズを紹介いただく等の連携を推進し、空き家情報を取得するチャネルの多様化に取り組んでまいります。⑤ M&A 当社グループは、中古住宅再生事業でNo.1にポジショニングしており、当社グループ独自のビジネスモデルの強みとノウハウを有していると判断しております。一方、上述の仕入チャネルの多様化に記載の通り、アプローチできていない中古住宅は依然として多くあると判断しております。当社グループの強みとノウハウを活用した取扱件数の増加と仕入チャネルの多様化により中古住宅再生事業の成長を加速させるためのM&Aを検討してまいります。⑥ リプライスの収益の安定性アップ リプライスは、主に不動産仲介会社を経由した仕入・販売のチャネルを構築しております。効率的な販売が実現できる一方で、市況の変化の影響を受けやすく業績に変動が生じやすい構造となっております。第3次中期経営計画期間中も市況変動の影響を受けづらくするために、当社を経由した販売活動、リプライスにおける低価格商品の販売、利益連動するインセンティブ制度の導入等の各種施策を講じてまいりました。 これらの取り組みをより推進することに加えて、リフォーム協力会社の新規開拓等を通じてリフォームコストのコントロール力を強化することで、市況の影響を受けづらい安定した収益体質の実現を図ってまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 販売件数、営業利益、ROE及び配当性向を経営目標の達成状況を判断するための客観的な指標等とし、これらの向上を図ってまいります。達成状況につきましては、月次の取締役会及び経営会議、週次での商況モニタリング会議等で定期的にモニタリングを行ってまいります。 (4) 経営環境 雇用や所得環境は緩やかに回復の見込みがあるものの、企業による製品への価格転嫁に伴う消費者の生活コスト上昇による家計負担の増加から個人の消費需要減退の懸念など、景気の先行きは依然として不透明な状況が続くものと想定されます。 当社グループが属する中古住宅再生事業におきましては、中長期的な視点では政府による中古住宅取得支援策の一層の充実等により伸長していくと見通しておりますが、国内経済や雇用・所得環境の不安や食料品・エネルギー価格の高騰による生活コストの上昇による可処分所得の目減りにより短期的には住宅購入意欲の減退も懸念されております。 一方、当社グループの仕入物件の対象となる空き家におきましては、1978年には空き家数は268万戸、空き家率は7.6%であったものの、2023年には空き家数は900万戸、空き家率は13.8%となり、空き家数及び空き家率共に年々増加しており、今後も増加されるものと見込まれることから、(出典:総務省資料「令和5年住宅・土地統計調査 速報集計」)当社グループの仕入対象物件は増加すると見通しております。 また、2021年3月19日に国土交通省が発表した「住生活基本計画(全国計画)」において既存住宅流通及びリフォームの市場規模を2018年時点の12兆円から2030年までに14兆円市場に、長期的目標として20兆円市場とすることを国家戦略として掲げていることからも、今後の成長産業として期待されております。実際に、日本における既存住宅の流通シェアは約16.2%(2023年)と、米国の74.3%、英国(イングランドのみ)82.4%、仏国74.5%と欧米諸国と比べて少ない状況であり、市場規模の拡大余地は十分にある市場となっております(出典:国土交通省「既存住宅市場の活性化について」(2020年5月7日))。並びに、首都圏のマンションのみの販売戸数は、新築マンションは45.5%、中古マンションは54.5%であり、中古マンションが新築マンションを上回っております(出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」(2023年1月23日))。これは、住宅購入者は新築か中古という基準で住宅を購入するのではなく、安心、清潔、実用的な住宅を供給することができれば中古住宅の流通比率は向上できる余地があるという先行指標であると判断しております。 一方、三大都市圏への人口の集中と地方都市の高齢化が懸念されておりますが、中古再生事業を行う競合他社や新築分譲会社、ホームビルダーが三大都市圏に集中する中で、当社グループは全国に事業展開を行い各地方都市で継続的に販売を行い成長しております。これは、上記の様に三大都市圏に不動産会社が集中した結果、地方都市での住宅購入の需要に対して供給が不足するという状況が生じていることが背景にあり、今後も地方都市における中古再生住宅のニーズは拡大すると見立てております。新卒採用を中心に、優秀な人材の採用と育成により生産性を高めつつ、店舗あたり人員を増やすことでエリア展開のメッシュを細かくし、未開拓エリアへの進出を継続的に実行することで、今後も三大都市圏に依存せず、地方都市を中心とした事業展開によって一層の事業拡大を図ってまいります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① サステナビリティ経営 近年、サステナビリティ経営が企業の社会的責任として求められ、SDGsに代表される社会課題解決の取り組みにおいて企業が果たす役割がますます重要となっております。当社グループの中古住宅再生事業は、新築住宅建築と比較してCO2排出量や木材使用量を大幅に抑えていることから環境保護に寄与し、循環型経済の一翼を担う事業と認識しております。現在においても、住宅の断熱性能の向上を図るために、一部の物件については内窓を設置、断熱材の充填や、床下断熱材の吹付などのリフォーム工事を実施しております。しかしながら、このような断熱性能を向上するリフォームは、寒冷地を中心とした当社グループの一部の住宅に対しての取り組みであり、今後、より多くの住宅に対して断熱性能向上のリフォームを実施すると共に、低コストで実現可能な住宅の省エネ性能向上のためのリフォーム工法を検討し、CO2排出量の削減に一層努めてまいります。 社会面においては地方都市を中心に増加する空き家を再生して流通させることで、社会課題である全国の空き家問題の解決を図りながら、地域の活性化にも貢献できるものと考えております。また、当社の販売する住宅の平均販売価格は同エリアの新築の半額程度となっております。そのため、生活コストが上昇する中において、従来持ち家に手が届かなかったお客様にも清潔・安心な住宅を提供しております。 ガバナンス面に関しましては、少数株主利益の保護を意識し、お客様視点・経済合理性の観点からの経営判断に努めております。なお、2025年3月期のニトリとの取引金額は70百万円で、販促活用で利用するニトリ商品券が56百万円を占めております。 2022年4月にはサステナビリティ委員会を設置しており、同委員会を中心に今後も社会課題の解決を堅実に図りながら、持続可能な成長の実現を目指すことをテーマに取り組んでまいります。② 人材の確保と育成の強化 当社グループでは、仕入物件の選定・調査・仕入、リフォームの企画、販売活動といった一連の工程を従業員が一気通貫で行う独自の体制を取っており、優秀な人材を確保・育成していくことが成長に向けたドライバーであると認識しております。また、全国各地の販売網に人材を供給するため、優秀な人材を全国的に採用する必要があります。継続して新卒の定期採用活動を行っている結果、2025年3月31日時点で在籍する新卒入社の従業員数は601名とグループ全体のうち半数以上が新卒定期採用により入社した社員となっております。また、組織力強化を図る目的で2025年4月より人材組織開発室を設置し、充実した社内教育・研修制度、業績評価に連動した報酬制度、リフレッシュ休暇制度の充実、定期的なエンゲージメントサーベイの実施によるコンディションの測定等を実施することで、従業員個々人の能力向上を促し、従業員一人一人の長所を活かし、モチベーションを高めながら成長をサポートできる仕組みを強化してまいります。③ 生産性(従業員一人当たりの売買件数)の向上 当社グループでは、上記の通り一連の工程を従業員が一気通貫で行う独自の体制を取っております。そのため、従業員一人当たりの売買件数を生産性と定義し、この件数の維持向上が成長に向けた経営課題であると認識しております。 また、当社グループは仕入後にリフォーム工事を行い、販売を行うことから、販売不動産の仕入計上から売上計上までに一定の期間を要しております。物件取得からお客様への引渡しまでの期間が長期化することは資金効率の悪化を招くと共に生産性を低下させる可能性があります。そのため、ビジネスフローにおいて各種システムへの投資を実施し、生産性向上のための取り組みを継続して実施してまいります。 また、当社グループは保有物件が地理的に散在しているために、従業員の物件に移動する時間を短縮することが生産性向上の課題となります。そのため当社では、営業組織体制の細分化により、担当エリアを知悉したエリアマネージャーの立案に基づく新規出店を行い、各店舗の営業エリアの細分化を行い生産性の向上を図ってまいります。 ④ 商品力の向上・管理の徹底 当社は、仕入前に当社独自のチェックリストに基づいて営業担当者がリフォーム協力会社及び白蟻調査会社も交えた三者立会いによる入念な調査を可能な限り実施して品質の良いリフォーム済み中古住宅の販売を行っております。また、当社グループが事業展開する地域における旧耐震物件の新耐震適合化するためのリフォームの推進により、安心にお住まい頂く取り組みや、世帯の小規模化、多様化する住み方など変化するお客様のニーズに対応したリフォーム企画を行っております。この様な取り組みを通じて、当社グループは、中古住宅も適切な調査とリフォームにより安心にお住まいいただけるという社会的認知度・お客様満足度を高め、既存住宅流通を活性化させるという社会的責任を担っていると自負しております。商品力を更に高めるためには、住宅という商品作りの担い手であるパートナー工務店ネットワークの維持・拡充が重要であるとの認識から、定期的な事例研究の場を設け、品質の高いリフォーム済み住宅の安定的な提供に全力を傾けてまいります。⑤ 当社グループの認知度の向上 当社は「買取りのカチタス」としてブランディング戦略を立て、2013年7月より地方部を中心にテレビCMやラジオCMを行っており、2013年10月以降、3ヶ月に一度継続的に社名認知度調査(毎回、テレビCM実施エリアを中心とした10道県をローテーションして1,100件に対しWEBアンケートにて実施)を実施しております。 2025年2月調査では、テレビCM実施エリアに限れば48.3%の社名認知を獲得するに至りました。さらに「『家を売る先の会社』と言われてどこが思い浮かびますか?」との設問(選択肢を提示しない純粋想起による回答)に対しては、大手不動産会社を抑えて当社が13.3%と1位の想起を得ております。引き続き認知度向上のため地方エリアにおけるCMを始めとするプロモーションを継続的に強化してまいります。⑥ 金融機関との安定した取引 当社グループは、不動産仕入等に要する運転資金調達のため金融機関からの融資を必要としております。また、現状、当社グループの借入は主にシンジケートローンによる借入であることから、シンジケートを構成する各金融機関との良好な関係維持が重要であります。当社グループは過去の実績により金融機関からの信用力が向上した結果、銀行借入の無担保化を実現し、機動的な仕入れが可能となっております。継続して健全な財務状況の確保と迅速かつ正確な適時開示を行うことで金融機関との強固かつ良好なパートナーシップを築き、安定的かつ継続的な融資取引を図ってまいります。⑦ 内部管理体制とコンプライアンスの強化 当社グループは、取締役会による内部統制の構築及び監査役による業務監査を行うことで、常に法令等を遵守すると共に適切な経営が行われる管理体制を構築しております。しかし、多様化・複雑化する法令・制度及び社内規程等に抵触するケースが生じる可能性は否定できません。これらの違反等に対応するために、代表取締役社長、管理本部長、営業部長、常勤監査役、社外監査役、内部監査室長、管理部長等が出席し、原則として毎月1回コンプライアンス委員会を開催しております。また管理担当役員をコンプライアンス担当役員に任命し、コンプライアンス担当役員、監査役を中心に法令等の遵守状況を定期的に確認するためのセミナーや業界団体の勉強会に参加してまいります。また、社内に向けても定期的にコンプライアンス事例の共有等を図りながら注意喚起を行うことで、企業全体としてコンプライアンス意識を醸成し、倫理観の高い組織風土を継続的に構築してまいります。⑧ ニトリとの業務提携 当社は、2017年4月に、ニトリとの間で、それぞれが有する技術、ノウハウ、商流・物流ネットワークその他経営資源を相互に利用し、両社の事業価値の最大化を図ることを目的に業務提携契約を締結しております。これまでの取り組みとしてニトリ製のエアコンを設置した住宅の販売や販売活動でのニトリ商品券の活用等を行ってまいりました。また、当社グループの販売用不動産に付加価値を付けると共に、お客様が購入後の生活空間をイメージし易くすることを目的として、ヴァーチャルでニトリの家具を設置し、その様子をWEB上でお客様が確認できるヴァーチャルホームステージングを実施しており、実際にお客様からのお問い合わせの増加並びに成約率向上等の効果が得られています。今後も、ニトリとの業務提携を通じたシナジー効果を発揮すべく、お客様の利便性向上及び両社のコストダウンに資する施策の具体化を進めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社は、以下の経営理念を掲げ、経営の基本方針としております。 経営理念未来への扉を。『くらしに価値タス』ことを通じて、地域とお客様に。 事業に取り組む基本姿勢及び事業を通じて実現したいこと・私たちは、お客様の顕在ニーズと潜在ニーズを把握することに努め、リフォームの企画と仕上がりにこだわり続けることにより、持ち家を望むすべての人に、手の届く価格で、安心・清潔・実用的な住まいを提供する。・私たちは、十分に活用されず地域に埋もれてしまっている家や、一般的な中古住宅市場では売りにくい家に対しても、潜在的な価値と需要を見出し、自ら買い取って付加価値を加えることで、中古住宅に新たな生命を吹き込む。・私たちは、『くらしに価値タス』活動を通じて、地域とそこに暮らす人々の生活にひとつでも多くの『未来への扉』を提供し、土地開発を前提とした新築中心の日本の住まい方から、既存の家を再生して住みつなげるという新しい住まい方を提唱して、地域の活性化・発展を支援し続けていく。 (2) 経営戦略等 当社グループは、長期ビジョンとして「日本で一番、ひとびとの暮らしを豊かにする会社」を目指し、その中間目標として2035年には年間販売件数2万件への成長を実現すべく、第4次中期経営計画(2026年3月期から2028年3月期)を策定し、2025年5月に発表いたしました。 当社グループを取り巻く環境は、少子高齢化や都市への人口集中を背景に多数の空き家が発生し続けていること、生活コスト上昇や多様化する世帯構成の変化を背景に低価格で高品質な住宅に対する需要が底堅いことから、仕入面・販売面共にこれまで以上に大きな成長余地が存在すると判断しております。また、築年数の古い中古の戸建住宅は、雨漏り、白蟻、隣地との権利関係等の特有のビジネスリスクを有しているため品質の担保が難しく、新規参入する会社は多いものの成長せずに撤退しております。このことから、地方・築古・戸建の領域では当社グループの競争優位性は引き続き高いものと判断しております。以上の外部環境の認識のもと、当社グループは、提供する住まいの品質と価値を維持・向上させるために引き続き急速な成長を志向せず、安定的に良質なリフォーム済み中古住宅を供給する能力を着実に拡充することが重要な課題であると認識しております。 上記より、第4次中期経営計画期間においては、「家を売るならカチタス。家を買うならカチタス」という世界観を実現すべく、年間販売件数1万件を目指してまいります。また、最重要KGIである営業利益は200億円を目指してまいります。また、資本効率性を意識した経営を実現すべくROE(*1)は20%以上を掲げてまいります。そして配当性向は50%以上かつ累進配当とすることを掲げてまいります。 *1 直近12カ月の当期純利益÷株主資本の前年度期末残高と当期末残高の平均 第4次中期経営計画での基本戦略は以下の通りです。① 営業人員数の増加と育成強化 当社グループの事業成長には、営業人員数の増加と育成の強化が重要だと考えております。 営業人員数の増加については、新卒採用出身の店長の増加に伴い、育成キャパシティが充実したことを背景に新卒採用数を増加させると共に、リテンションを強化することで加速を図ってまいります。育成とリテンションについては、課題のある店舗をサポートする目的で部門横断的にサポートする部門を設置し、若手社員の育成の促進と離職のリスクを低減する取組みを行ってまいります。 上記のような取組みにより人的資本の増強を図り、現在は展開ができていない未出店の地域や小規模・高収益エリアへの出店により国内における中古住宅の取扱可能エリアを拡充してまいります。② 生産性の向上 当社グループの事業拡大には営業人員数の増加に加えて、生産性(営業人員一人当たりの売買件数)の向上が重要だと考えております。そのためにも、紙媒体や手作業などのアナログ作業が多い不動産業界においても各種システム関連への投資を通じて生産性の向上に努めてまいります。また、高回転での販売を期待できる物件に限定した戦略的な在庫枠を設けることで取扱件数の増加を図ってまいります。 ③ リフォーム企画の多様化 住宅業界を取り巻く環境は、新築住宅の取得コストの上昇やインフレによる生活コストの上昇により低価格帯の住宅へのニーズが高まっております。また、ファミリー世帯減少による世帯構成の変化からお客様のニーズも多様化しております。そのため、従来のフルリフォーム企画以外にも、お客様の多様化するニーズに対応したリフォーム企画を行うことにより、新たな顧客層を獲得することを図ってまいります。 また、当社グループは、中古住宅のリフォームをリフォーム協力会社に外注して施工しております。そのため、リフォーム協力会社の新規発掘を継続的に行い、リフォーム工事の施工能力の確保と拡充に取り組んでまいります。④ 仕入チャネルの多様化 当社グループの仕入チャネルは主に不動産仲介会社からの紹介による仕入れとなっております。既存の不動産仲介会社からの仕入れに加えて、地方自治体が抱える空き家問題に対する解決手段として、地方自治体経由で物件情報を紹介いただいたり、異業種の会社から、顧客の保有する不動産処分ニーズを紹介いただく等の連携を推進し、空き家情報を取得するチャネルの多様化に取り組んでまいります。⑤ M&A 当社グループは、中古住宅再生事業でNo.1にポジショニングしており、当社グループ独自のビジネスモデルの強みとノウハウを有していると判断しております。一方、上述の仕入チャネルの多様化に記載の通り、アプローチできていない中古住宅は依然として多くあると判断しております。当社グループの強みとノウハウを活用した取扱件数の増加と仕入チャネルの多様化により中古住宅再生事業の成長を加速させるためのM&Aを検討してまいります。⑥ リプライスの収益の安定性アップ リプライスは、主に不動産仲介会社を経由した仕入・販売のチャネルを構築しております。効率的な販売が実現できる一方で、市況の変化の影響を受けやすく業績に変動が生じやすい構造となっております。第3次中期経営計画期間中も市況変動の影響を受けづらくするために、当社を経由した販売活動、リプライスにおける低価格商品の販売、利益連動するインセンティブ制度の導入等の各種施策を講じてまいりました。 これらの取り組みをより推進することに加えて、リフォーム協力会社の新規開拓等を通じてリフォームコストのコントロール力を強化することで、市況の影響を受けづらい安定した収益体質の実現を図ってまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 販売件数、営業利益、ROE及び配当性向を経営目標の達成状況を判断するための客観的な指標等とし、これらの向上を図ってまいります。達成状況につきましては、月次の取締役会及び経営会議、週次での商況モニタリング会議等で定期的にモニタリングを行ってまいります。 (4) 経営環境 雇用や所得環境は緩やかに回復の見込みがあるものの、企業による製品への価格転嫁に伴う消費者の生活コスト上昇による家計負担の増加から個人の消費需要減退の懸念など、景気の先行きは依然として不透明な状況が続くものと想定されます。 当社グループが属する中古住宅再生事業におきましては、中長期的な視点では政府による中古住宅取得支援策の一層の充実等により伸長していくと見通しておりますが、国内経済や雇用・所得環境の不安や食料品・エネルギー価格の高騰による生活コストの上昇による可処分所得の目減りにより短期的には住宅購入意欲の減退も懸念されております。 一方、当社グループの仕入物件の対象となる空き家におきましては、1978年には空き家数は268万戸、空き家率は7.6%であったものの、2023年には空き家数は900万戸、空き家率は13.8%となり、空き家数及び空き家率共に年々増加しており、今後も増加されるものと見込まれることから、(出典:総務省資料「令和5年住宅・土地統計調査 速報集計」)当社グループの仕入対象物件は増加すると見通しております。 また、2021年3月19日に国土交通省が発表した「住生活基本計画(全国計画)」において既存住宅流通及びリフォームの市場規模を2018年時点の12兆円から2030年までに14兆円市場に、長期的目標として20兆円市場とすることを国家戦略として掲げていることからも、今後の成長産業として期待されております。実際に、日本における既存住宅の流通シェアは約16.2%(2023年)と、米国の74.3%、英国(イングランドのみ)82.4%、仏国74.5%と欧米諸国と比べて少ない状況であり、市場規模の拡大余地は十分にある市場となっております(出典:国土交通省「既存住宅市場の活性化について」(2020年5月7日))。並びに、首都圏のマンションのみの販売戸数は、新築マンションは45.5%、中古マンションは54.5%であり、中古マンションが新築マンションを上回っております(出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」(2023年1月23日))。これは、住宅購入者は新築か中古という基準で住宅を購入するのではなく、安心、清潔、実用的な住宅を供給することができれば中古住宅の流通比率は向上できる余地があるという先行指標であると判断しております。 一方、三大都市圏への人口の集中と地方都市の高齢化が懸念されておりますが、中古再生事業を行う競合他社や新築分譲会社、ホームビルダーが三大都市圏に集中する中で、当社グループは全国に事業展開を行い各地方都市で継続的に販売を行い成長しております。これは、上記の様に三大都市圏に不動産会社が集中した結果、地方都市での住宅購入の需要に対して供給が不足するという状況が生じていることが背景にあり、今後も地方都市における中古再生住宅のニーズは拡大すると見立てております。新卒採用を中心に、優秀な人材の採用と育成により生産性を高めつつ、店舗あたり人員を増やすことでエリア展開のメッシュを細かくし、未開拓エリアへの進出を継続的に実行することで、今後も三大都市圏に依存せず、地方都市を中心とした事業展開によって一層の事業拡大を図ってまいります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① サステナビリティ経営 近年、サステナビリティ経営が企業の社会的責任として求められ、SDGsに代表される社会課題解決の取り組みにおいて企業が果たす役割がますます重要となっております。当社グループの中古住宅再生事業は、新築住宅建築と比較してCO2排出量や木材使用量を大幅に抑えていることから環境保護に寄与し、循環型経済の一翼を担う事業と認識しております。現在においても、住宅の断熱性能の向上を図るために、一部の物件については内窓を設置、断熱材の充填や、床下断熱材の吹付などのリフォーム工事を実施しております。しかしながら、このような断熱性能を向上するリフォームは、寒冷地を中心とした当社グループの一部の住宅に対しての取り組みであり、今後、より多くの住宅に対して断熱性能向上のリフォームを実施すると共に、低コストで実現可能な住宅の省エネ性能向上のためのリフォーム工法を検討し、CO2排出量の削減に一層努めてまいります。 社会面においては地方都市を中心に増加する空き家を再生して流通させることで、社会課題である全国の空き家問題の解決を図りながら、地域の活性化にも貢献できるものと考えております。また、当社の販売する住宅の平均販売価格は同エリアの新築の半額程度となっております。そのため、生活コストが上昇する中において、従来持ち家に手が届かなかったお客様にも清潔・安心な住宅を提供しております。 ガバナンス面に関しましては、少数株主利益の保護を意識し、お客様視点・経済合理性の観点からの経営判断に努めております。なお、2025年3月期のニトリとの取引金額は70百万円で、販促活用で利用するニトリ商品券が56百万円を占めております。 2022年4月にはサステナビリティ委員会を設置しており、同委員会を中心に今後も社会課題の解決を堅実に図りながら、持続可能な成長の実現を目指すことをテーマに取り組んでまいります。② 人材の確保と育成の強化 当社グループでは、仕入物件の選定・調査・仕入、リフォームの企画、販売活動といった一連の工程を従業員が一気通貫で行う独自の体制を取っており、優秀な人材を確保・育成していくことが成長に向けたドライバーであると認識しております。また、全国各地の販売網に人材を供給するため、優秀な人材を全国的に採用する必要があります。継続して新卒の定期採用活動を行っている結果、2025年3月31日時点で在籍する新卒入社の従業員数は601名とグループ全体のうち半数以上が新卒定期採用により入社した社員となっております。また、組織力強化を図る目的で2025年4月より人材組織開発室を設置し、充実した社内教育・研修制度、業績評価に連動した報酬制度、リフレッシュ休暇制度の充実、定期的なエンゲージメントサーベイの実施によるコンディションの測定等を実施することで、従業員個々人の能力向上を促し、従業員一人一人の長所を活かし、モチベーションを高めながら成長をサポートできる仕組みを強化してまいります。③ 生産性(従業員一人当たりの売買件数)の向上 当社グループでは、上記の通り一連の工程を従業員が一気通貫で行う独自の体制を取っております。そのため、従業員一人当たりの売買件数を生産性と定義し、この件数の維持向上が成長に向けた経営課題であると認識しております。 また、当社グループは仕入後にリフォーム工事を行い、販売を行うことから、販売不動産の仕入計上から売上計上までに一定の期間を要しております。物件取得からお客様への引渡しまでの期間が長期化することは資金効率の悪化を招くと共に生産性を低下させる可能性があります。そのため、ビジネスフローにおいて各種システムへの投資を実施し、生産性向上のための取り組みを継続して実施してまいります。 また、当社グループは保有物件が地理的に散在しているために、従業員の物件に移動する時間を短縮することが生産性向上の課題となります。そのため当社では、営業組織体制の細分化により、担当エリアを知悉したエリアマネージャーの立案に基づく新規出店を行い、各店舗の営業エリアの細分化を行い生産性の向上を図ってまいります。 ④ 商品力の向上・管理の徹底 当社は、仕入前に当社独自のチェックリストに基づいて営業担当者がリフォーム協力会社及び白蟻調査会社も交えた三者立会いによる入念な調査を可能な限り実施して品質の良いリフォーム済み中古住宅の販売を行っております。また、当社グループが事業展開する地域における旧耐震物件の新耐震適合化するためのリフォームの推進により、安心にお住まい頂く取り組みや、世帯の小規模化、多様化する住み方など変化するお客様のニーズに対応したリフォーム企画を行っております。この様な取り組みを通じて、当社グループは、中古住宅も適切な調査とリフォームにより安心にお住まいいただけるという社会的認知度・お客様満足度を高め、既存住宅流通を活性化させるという社会的責任を担っていると自負しております。商品力を更に高めるためには、住宅という商品作りの担い手であるパートナー工務店ネットワークの維持・拡充が重要であるとの認識から、定期的な事例研究の場を設け、品質の高いリフォーム済み住宅の安定的な提供に全力を傾けてまいります。⑤ 当社グループの認知度の向上 当社は「買取りのカチタス」としてブランディング戦略を立て、2013年7月より地方部を中心にテレビCMやラジオCMを行っており、2013年10月以降、3ヶ月に一度継続的に社名認知度調査(毎回、テレビCM実施エリアを中心とした10道県をローテーションして1,100件に対しWEBアンケートにて実施)を実施しております。 2025年2月調査では、テレビCM実施エリアに限れば48.3%の社名認知を獲得するに至りました。さらに「『家を売る先の会社』と言われてどこが思い浮かびますか?」との設問(選択肢を提示しない純粋想起による回答)に対しては、大手不動産会社を抑えて当社が13.3%と1位の想起を得ております。引き続き認知度向上のため地方エリアにおけるCMを始めとするプロモーションを継続的に強化してまいります。⑥ 金融機関との安定した取引 当社グループは、不動産仕入等に要する運転資金調達のため金融機関からの融資を必要としております。また、現状、当社グループの借入は主にシンジケートローンによる借入であることから、シンジケートを構成する各金融機関との良好な関係維持が重要であります。当社グループは過去の実績により金融機関からの信用力が向上した結果、銀行借入の無担保化を実現し、機動的な仕入れが可能となっております。継続して健全な財務状況の確保と迅速かつ正確な適時開示を行うことで金融機関との強固かつ良好なパートナーシップを築き、安定的かつ継続的な融資取引を図ってまいります。⑦ 内部管理体制とコンプライアンスの強化 当社グループは、取締役会による内部統制の構築及び監査役による業務監査を行うことで、常に法令等を遵守すると共に適切な経営が行われる管理体制を構築しております。しかし、多様化・複雑化する法令・制度及び社内規程等に抵触するケースが生じる可能性は否定できません。これらの違反等に対応するために、代表取締役社長、管理本部長、営業部長、常勤監査役、社外監査役、内部監査室長、管理部長等が出席し、原則として毎月1回コンプライアンス委員会を開催しております。また管理担当役員をコンプライアンス担当役員に任命し、コンプライアンス担当役員、監査役を中心に法令等の遵守状況を定期的に確認するためのセミナーや業界団体の勉強会に参加してまいります。また、社内に向けても定期的にコンプライアンス事例の共有等を図りながら注意喚起を行うことで、企業全体としてコンプライアンス意識を醸成し、倫理観の高い組織風土を継続的に構築してまいります。⑧ ニトリとの業務提携 当社は、2017年4月に、ニトリとの間で、それぞれが有する技術、ノウハウ、商流・物流ネットワークその他経営資源を相互に利用し、両社の事業価値の最大化を図ることを目的に業務提携契約を締結しております。これまでの取り組みとしてニトリ製のエアコンを設置した住宅の販売や販売活動でのニトリ商品券の活用等を行ってまいりました。また、当社グループの販売用不動産に付加価値を付けると共に、お客様が購入後の生活空間をイメージし易くすることを目的として、ヴァーチャルでニトリの家具を設置し、その様子をWEB上でお客様が確認できるヴァーチャルホームステージングを実施しており、実際にお客様からのお問い合わせの増加並びに成約率向上等の効果が得られています。今後も、ニトリとの業務提携を通じたシナジー効果を発揮すべく、お客様の利便性向上及び両社のコストダウンに資する施策の具体化を進めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、原材料や輸入物価上昇を価格転嫁した企業が業績回復したことや、円安を背景としたインバウンド需要が増加したことにより景気動向は緩やかに回復基調となっております。しかしながら、日銀による政策金利の引き上げや前述の価格転嫁に伴う消費者の生活コスト上昇など、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。このような状況の中、当社グループは、中低所得者層を主な顧客層として「新築」「中古」「賃貸」に代わる「第4の選択肢」を提供することを目指し、商品化が難しい築古の戸建物件を取扱い、そのままでは住むことができない状態の物件にリフォームで価値を足して販売しております。販売面においては、賃貸住宅にお住まいのファミリー層を中心に「低価格で高品質の住宅に住みたい」というニーズは好調に推移いたしました。生活コスト上昇に対応するために低価格帯の住宅を提供するなどの販売方針を継続し、お客様のニーズに合った住宅を提供することで、販売件数は前連結会計年度比で増加いたしました。また、販売件数の増加に伴い売上高も前連結会計年度比で増加いたしました。仕入面においては、中古住宅のリスクを見極め、再生可能かつ利益を確保できる物件を厳選して仕入れを行う方針としております。そのような中、安定的な成長に向けて買取りの行動量を増やした結果、仕入件数は前連結会計年度末と比較して大幅に増加いたしました。また、仕入れた物件の商品化にも注力した結果、販売用不動産及び仕掛販売用不動産は前連結会計年度末と比較して増加し、在庫不足を解消し、成長に向けた在庫を確保いたしました。利益面においては、前述の低価格帯の住宅を提供する施策をはじめとした粗利向上施策が継続的に寄与したことから、売上総利益率は前連結会計年度比1.8ポイント上昇いたしました。また、販売費及び一般管理費は、今後の安定成長に向けた人材採用と育成の投資を継続することに加えて、社員のモチベーション向上を図るために決算特別賞与354百万円の支給を決定したことにより人件費が増加した結果、前連結会計年度比8.8%増加となりました。 (財政状態)当連結会計年度の資産合計は、83,329百万円となり、前連結会計年度末の77,366百万円から5,962百万円増加、負債合計は、37,610百万円となり、前連結会計年度末の37,025百万円から584百万円増加、純資産合計は、45,719百万円となり、前連結会計年度末の40,341百万円から5,377百万円増加となりました。(経営成績)当連結会計年度の業績については、販売件数は7,372件(前連結会計年度比2.8%増)、売上高は129,537百万円(前連結会計年度比2.2%増)、営業利益は14,222百万円(前連結会計年度比12.2%増)、経常利益は13,876百万円(前連結会計年度比12.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,550百万円(前連結会計年度比12.4%増)となりました。また、国税当局との消費税の会計処理に関わる裁判に関連して、当社グループ従来の会計処理と国税当局が主張する計算方法との乖離する金額である消費税等差額の影響を除いた調整後営業利益は16,160百万円(前連結会計年度比9.5%増)、調整後経常利益は15,814百万円(前連結会計年度比9.8%増)、調整後親会社株主に帰属する当期純利益は10,889百万円(前連結会計年度比10.3%増)となっております。 なお、当社グループは中古住宅再生事業を単一の報告セグメントとしており、その他の事業については量的重要性が乏しいため、記載を省略しております。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて3,260百万円減少して18,766百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の営業活動の結果得られた資金は1,162百万円(前連結会計年度比87.8%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を13,870百万円計上した一方、棚卸資産の増加額が9,284百万円、未払消費税等の減少額499百万円及び法人税等の支払額3,524百万円がそれぞれあったことによります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は152百万円(前連結会計年度比20.9%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出111百万円、無形固定資産の取得による支出48百万円がそれぞれあったことによります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の財務活動により使用した資金は4,270百万円(前連結会計年度は3,989百万円の獲得)となりました。これは主に、自己株式の処分による収入31百万円があった一方、配当金の支払額が4,297百万円あったことによります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。 b.仕入実績 当連結会計年度の仕入実績は、次のとおりであります。 当社グループは中古住宅再生事業を単一の報告セグメントとしていることから、買取仕入と競売仕入の仕入方法別に記載を行っております。セグメントの名称仕入方法当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)仕入件数(件)仕入高(百万円)中古住宅再生事業買取仕入8,18468,662120.0競売仕入1391,921136.9合計8,32370,584120.4(注)1.上記金額には、外注加工費は含まれておりません。2.前年同期比は、仕入高の金額で比較を行っております。 c.受注実績 当社グループは受注活動を行っておりませんので、該当事項はありません。 d.販売実績 当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。 当社グループは中古住宅再生事業を単一の報告セグメントとしていることから、地域別の販売実績に分けて記載を行っております。地域別当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)販売件数(件)販売高(百万円)東京圏95721,14899.6名古屋圏82615,232119.0大阪圏48810,563112.9北海道4396,86599.9東北92214,18893.3関東6449,551107.8中部1,15317,96695.9関西1051,989101.1中国5628,95999.5四国3645,688103.5九州91215,93999.5その他-1,444124.1合計7,372129,537102.2 (注)1.総販売実績に対する割合が10%以上の相手先はありません。2.上記は、総務省で定める地域区分の三大都市圏、都道府県毎に集計を行っており、当社グループの店舗別販売実績とは異なります。3.前年同期比は、販売高の金額で比較を行っております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績等は、次のとおりであります。 (経営成績)a.売上高、売上原価及び売上総利益 当連結会計年度の売上高は、129,537百万円となり、前連結会計年度の126,718百万円から2,819百万円の増加(前連結会計年度比2.2%増)となりました。その主な要因は、生活コスト上昇に対応するために低価格帯の住宅を提供するなどの販売方針を継続し、お客様のニーズに合った住宅を提供することで販売件数が増加したことによります。 当連結会計年度の売上原価は、98,835百万円となり、前連結会計年度の98,904百万円から69百万円の減少(前連結会計年度比0.1%減)となりました。その主な要因は、上記の通り低価格帯の住宅を提供するために、お客様が多く居住するリビングを中心にリフォームをするなどのリフォーム企画を行い、リフォーム費用を抑制したことによります。 以上の結果により、当連結会計年度の売上総利益は、30,702百万円(前連結会計年度比10.4%増)となりました。 b.販売費及び一般管理費、営業利益 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、16,479百万円となり、前連結会計年度の15,141百万円から1,338百万円の増加(前連結会計年度比8.8%増)となりました。その主な要因は、給料手当及び賞与並びに賞与引当金繰入及び採用募集費等の将来の成長に向けた人的資源への投資が636百万円、認知度の向上による将来の広告投資としての広告宣伝費が161百万円増加したことによります。 以上の結果により、当連結会計年度の営業利益は、14,222百万円(前連結会計年度比12.2%増)となりました。 c.営業外損益、経常利益 当連結会計年度の営業外収益は、受取手数料5百万円、受取賠償金9百万円及び受取割引料4百万円等の計上により、34百万円となりました。また、当連結会計年度の営業外費用は、支払利息306百万円及びシンジケートローン手数料28百万円等の計上により、380百万円となりました。 以上の結果により、当連結会計年度の経常利益は、13,876百万円(前連結会計年度比12.6%増)となりました。 d.特別損益、税金等調整前当期純利益 当連結会計年度の特別損失は、固定資産売却損6百万円により、6百万円となりました。 以上の結果により、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、13,870百万円(前連結会計年度比12.7%増)となりました。 e.親会社株主に帰属する当期純利益 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、9,550百万円(前連結会計年度比12.4%増)となりました。 (財政状態)a.流動資産 当連結会計年度末における流動資産は、81,050百万円となり、前連結会計年度末の75,334百万円から5,715百万円の増加となりました。これは主に、販売用不動産及び仕掛販売用不動産が9,282百万円増加した一方、現金及び預金が3,260百万円減少したことによります。b.固定資産 当連結会計年度末における固定資産は、2,278百万円となり、前連結会計年度末の2,031百万円から246百万円の増加となりました。これは主に、有形固定資産が42百万円、繰延税金資産が177百万円それぞれ増加したことによります。c.流動負債 当連結会計年度末における流動負債は、11,028百万円となり、前連結会計年度末の10,441百万円から586百万円の増加となりました。これは主に、未払法人税等が543百万円増加した一方、未払消費税等が499百万円減少したことによります。 d.固定負債 当連結会計年度末における固定負債は、26,581百万円となり、前連結会計年度末の26,583百万円から1百万円の減少となりました。これは主に、その他の固定負債が1百万円減少したことによります。e.純資産 当連結会計年度末における純資産は、45,719百万円となり、前連結会計年度末の40,341百万円から5,377百万円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を9,550百万円計上した一方、剰余金の配当を4,294百万円行ったことによります。この結果、自己資本比率は54.9%となりました。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。 (経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況) 当連結会計年度の事業計画に対する達成状況は以下のとおりであります。 当連結会計年度の開始時点では、当社グループは在庫不足の状況であったことから、値引き値下げを行って販売件数を追い求めるのではなく、1物件当たりの粗利金額を向上させる方針として運営してまいりました。その結果、販売件数が期初計画7,660件に対して7,372件と288件減(計画比96.2%)であったため、売上高は計画比4,963百万円減(達成率96.3%)となりました。 一方、上述の通り、1物件当たりの粗利金額を向上がされたことで売上総利益が増加し、販売費一般管理費については高いコスト意識を持ち運営を行った結果、営業利益は、計画比222百万円増(達成率101.6%)となりました。 指標2025年3月期計画実績計画比(達成率(%))売上高134,500百万円129,537百万円△4,963百万円(96.3%)営業利益14,000百万円14,222百万円222百万円(101.6%) ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容) キャッシュ・フローについては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 (資本の財源及び資金の流動性) 当社グループの運転資金につきましては、内部資金または借入により資金調達しております。このうち、借入による資金調達は、限度額8,000百万円のコミットメントラインを含む総額34,500百万円のシンジケートローンを組成して調達しております。 当連結会計年度末における長期借入金の残高は26,500百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は18,766百万円となっております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。