8609

岡三証券グループ(8609)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

証券・商品先物取引業 金融(除く銀行)

事業の概要

岡三証券グループは、主に金融商品取引業を中核とする金融サービスを提供しています。具体的には、株式や債券などの有価証券の売買やその仲介、新規発行の引き受け・販売、私募の取り扱いなどを行っています。その他、情報処理サービス、事務代行、不動産管理といった関連事業も展開しています。収益は国内外の金融市場の動向に大きく左右される特性があり、投資・金融サービス業を単一セグメントとしています。顧客からの手数料収入やトレーディング損益が主な収益源です。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

岡三証券グループの事業セグメントは、主に3つの事業で構成されています。一つ目は「証券事業」で、有価証券の売買や仲介、引受などを手掛ける主力事業です。売上高は584.95億円ですが、営業利益は-8.69億円と赤字となっています。二つ目は「資産運用事業」で、売上高69.49億円、営業利益0.72億円と黒字です。三つ目は「サポート事業」で、情報処理サービスや事務代行、不動産管理などを行い、売上高11億円に対し営業利益11.28億円と高い収益性を示しています。現状では証券事業が売上の大部分を占めるものの、営業利益では赤字であり、サポート事業が利益に貢献している構造が見て取れます。

2023-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
SecuritiesReportableSegment 事業 585 -9 -1.5%
AssetManagementReportableSegment 事業 69 1 1.0%
SupportReportableSegment 事業 11 11 102.5%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|623 文字
3 【事業の内容】当社グループは、主として金融商品取引業を中核とする営業活動を営んでおり、有価証券の売買等及び売買等の委託の媒介、有価証券の引受け及び売出し、有価証券の募集及び売出しの取扱い、有価証券の私募の取扱い、その他の金融商品取引業、金融商品取引業に付随する業務並びに金融商品仲介業等を営んでおります。また、関連事業として情報処理サービス、事務代行、不動産管理等の事業を営んでおります。 なお、当社グループは「投資・金融サービス業」の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。 また、当社は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しております。これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと、以下のとおりであります。 投資・金融サービス業株式会社岡三証券グル|プ <連結子会社> (国内) 岡三証券株式会社 岡三にいがた証券株式会社 株式会社証券ジャパン 三縁証券ウェルスマネジメント株式会社 三晃証券株式会社 岡三ビジネス&テクノロジー株式会社 岡三興業株式会社 (海外) 岡三国際(亜洲)有限公司 <非連結子会社> (国内) 三晃証券ウェルスマネジメント株式会社 他4社 <持分法適用関連会社> (国内) SBI岡三アセットマネジメント株式会社 丸國証券株式会社

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
競合他社に加え、銀行、異業種、フィンテック系スタートアップからの参入により競争激化。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
金融商品取引法、各金融商品取引所、日本証券業協会等の自主規制機関による諸規則等の規制。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:金融商品取引業の収益変動 / 競合激化による競争優位性の喪失 / 法規制の強化や遵守違反
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

岡三証券は長年の歴史を持つ証券会社であり、一定のブランド認知度と信頼性を有する。しかし、特許や独占的IPといった強力な無形資産は限定的であり、他社との差別化要因としては弱い。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

証券口座の乗り換えは可能だが、一定の手間がかかるため、既存顧客の完全な流出を防ぐ効果は限定的。特にネット証券の台頭により、スイッチング・コストは低下傾向にある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

証券業において、顧客数の増加がサービス価値を直接的に高めるネットワーク効果はほとんど見られない。プラットフォーム型ビジネスとは異なる。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

証券業は一般的に固定費が高く、コスト優位性を築くのは難しい。岡三証券が他社と比較して構造的に低コストでサービスを提供できる強みは確認できない。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

大手証券会社と比較すると規模は小さいが、中堅証券として一定の顧客基盤とネットワークを有しており、業界内での効率的な事業運営が可能。ただし、圧倒的な効率規模とは言えない。

岡三証券グループは、長年にわたり対面営業を主力とする専業証券として、地域に密着した営業活動を通じて競争優位を築いてきました。これにより、顧客との強固な関係性を構築し、信頼を得ている点が強みと考えられます。しかし、近年は同業他社だけでなく、銀行や異業種、フィンテック企業の参入、業界再編などにより競争環境が激化しており、この優位性を維持していくことが課題となっています。特定の技術や特許による参入障壁というよりは、顧客との関係性や地域密着型のサービス提供が競争力の源泉と言えるでしょう。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社は、持株会社である当社と国内外の連結子会社等により構成されるグループ経営を展開しており、証券ビジネスをコアとする資産運用サービスの提供を通じて持続的な企業価値の向上に努めてまいります。 (2) 経営戦略等当社は2023年度を初年度とした5ヵ年の中期経営計画を策定し、次の100年も持続的な成長を実現するための経営基盤の確立に向けて、「One to One マーケティングの強化」「プラットフォームの高度化」「コーポレートブランディングの進化」を基本方針に据え、企業価値の向上に努めております。計画3年目となった当連結会計年度は、グループ中核企業である岡三証券株式会社において、営業基盤の拡充の一環としてソリューションビジネスを引き続き推進いたしました。また、銀行サービス「岡三BANK」やファンドラップサービス「岡三UBSファンドラップ」の活用により、ストック型収益の拡大に取り組みました。加えて、お客さま向けスマートフォンアプリ「OKASAN Plus」をリリースし、お客さま接点の高度化を図ったほか、対面営業とデジタルの融合による、岡三独自のリテール営業モデルの確立に努めました。今後も、お客さまの資産全体を捉えたトータルコンサルティングを一層推進してまいります。証券プラットフォーム事業においては、グループ子会社を含む証券会社の金融商品仲介業者(IFA)への転換を進めたほか、地域金融機関との連携を通じて、事業の拡大を図りました。他方、オープンアーキテクチャの考えのもと、外部リソースも積極的に活用し、証券ビジネス機能を強化するとともに、お客さまへの多様な商品・ソリューションサービスの提供に努めております。プラットフォームの高度化により、独自のネットワークを充実させ、共存共栄に向けた取り組みを進めてまいります。なお、経営目標の実現を確実なものとするために従業員体験価値(EX)の向上に努め、「一人ひとりが能力を最大限発揮できる会社」、「多様な人材から選ばれる会社」の実現に向けた新たな人事制度のもと、柔軟な働き方の推進や働きがいの向上に取り組み、人材基盤の拡充を図っております。当社グループでは引き続き、金融のプロフェッショナルとしてより多くの「お客さまの人生」に貢献する証券グループへとさらなる発展を目指してまいります。 岡三証券グループ 中期経営計画 <Purpose(存在意義)>金融のプロフェッショナルとして「お客さまの人生」に貢献する<Vision(目指す姿)>真心のこもったサービスでお客さま一人ひとりのニーズに応えつづけるベスト・パートナー●基本方針(ゴール) ビジネスモデルを変革し、次の100年も成長しつづける経営基盤を確立する(成長戦略)〈One to One マーケティングの強化〉 〈プラットフォームの高度化〉 〈コーポレートブランディングの進化〉 ~成長戦略の実現性を高めるために、全領域で“デジタル化”を推進する~●対象期間  2023年4月から2028年3月までの5年間 ●主な経営指標目標預り資産 10兆円ROE 8%総還元性向 50%2026年3月期から2028年3月期までの各期においては、総額100億円以上の特別配当を実施(注) (注) 2023年3月に公表した株主還元方針では、現中期経営計画の対象期間中、PBR1.0倍を超えるまで、年間10億円以上の自己株式取得を継続的に行うこととしておりましたが、2026年3月に新たな方針に変更しました。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題世界は今、AI革命によって人類社会そのものが大きく変わりつつあります。その一方で、米国の覇権秩序が揺らぐなか、地政学リスクは高く、複合的な危機が誘発されかねない状況でもあります。こうした環境だからこそ、高度な知見と確かな倫理観をもってお客さま一人ひとりの人生に金融面から寄り添うことが、証券会社に求められる重要な責務だと考えます。当社グループは、お客さまの体験価値(CX)を向上させるべく、「One to One マーケティング」を進化させてきました。中核子会社の岡三証券株式会社においては、改革を一段と加速させるため、新年度より、経営・組織体制を刷新いたしました。リテール及びホールセールの本部制の導入により、専門性の向上と意思決定の迅速化を図っております。さらに、経営資源を「競争領域」に集中させ、強みである対面ビジネスにおいてAI等の活用により、DXを推進する方針です。スマートフォンアプリ「OKASAN Plus」の機能拡充や資産管理ツール等の活用により、付加価値の高いウェルスマネジメントを提供いたします。プラットフォーム戦略については、岡三証券株式会社のリテール改革を梃子として、さらなる高度化を図ってまいります。2026年8月に岡三ビジネス&テクノロジー株式会社と株式会社証券ジャパンを経営統合し「岡三ビジネス&テクノロジー証券株式会社」を始動させ、ミドル・バックオフィス業務を強化することにより、プラットフォームの競争力と成長を支える存在として位置付ける方針です。そして証券会社から金融商品仲介業者(IFA)への転換を検討される中堅中小証券をはじめ、より多くの金融機関とパートナーシップを構築し、「共存共栄」の関係を築いてまいります。プラットフォーム戦略を通じ、より多くのお客さまに高度な金融サービスを提供し、日本における資産形成の底上げに貢献することを目指します。当社グループは、「お客さまの人生に貢献する」という使命を掲げ、「矜持(Uphold Integrity)」、「情熱(Ignite Passion)」、「共創(Forge Synergy)」という3つの価値観(Values)をグループ全体に浸透させ、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に取り組み、特に重要な経営指標として、連結ROE8%の達成を目標として掲げております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社は、持株会社である当社と国内外の連結子会社等により構成されるグループ経営を展開しており、証券ビジネスをコアとする資産運用サービスの提供を通じて持続的な企業価値の向上に努めてまいります。 (2) 経営戦略等当社は2023年度を初年度とした5ヵ年の中期経営計画を策定し、次の100年も持続的な成長を実現するための経営基盤の確立に向けて、「One to One マーケティングの強化」「プラットフォームの高度化」「コーポレートブランディングの進化」を基本方針に据え、企業価値の向上に努めております。計画3年目となった当連結会計年度は、グループ中核企業である岡三証券株式会社において、営業基盤の拡充の一環としてソリューションビジネスを引き続き推進いたしました。また、銀行サービス「岡三BANK」やファンドラップサービス「岡三UBSファンドラップ」の活用により、ストック型収益の拡大に取り組みました。加えて、お客さま向けスマートフォンアプリ「OKASAN Plus」をリリースし、お客さま接点の高度化を図ったほか、対面営業とデジタルの融合による、岡三独自のリテール営業モデルの確立に努めました。今後も、お客さまの資産全体を捉えたトータルコンサルティングを一層推進してまいります。証券プラットフォーム事業においては、グループ子会社を含む証券会社の金融商品仲介業者(IFA)への転換を進めたほか、地域金融機関との連携を通じて、事業の拡大を図りました。他方、オープンアーキテクチャの考えのもと、外部リソースも積極的に活用し、証券ビジネス機能を強化するとともに、お客さまへの多様な商品・ソリューションサービスの提供に努めております。プラットフォームの高度化により、独自のネットワークを充実させ、共存共栄に向けた取り組みを進めてまいります。なお、経営目標の実現を確実なものとするために従業員体験価値(EX)の向上に努め、「一人ひとりが能力を最大限発揮できる会社」、「多様な人材から選ばれる会社」の実現に向けた新たな人事制度のもと、柔軟な働き方の推進や働きがいの向上に取り組み、人材基盤の拡充を図っております。当社グループでは引き続き、金融のプロフェッショナルとしてより多くの「お客さまの人生」に貢献する証券グループへとさらなる発展を目指してまいります。 岡三証券グループ 中期経営計画 <Purpose(存在意義)>金融のプロフェッショナルとして「お客さまの人生」に貢献する<Vision(目指す姿)>真心のこもったサービスでお客さま一人ひとりのニーズに応えつづけるベスト・パートナー●基本方針(ゴール) ビジネスモデルを変革し、次の100年も成長しつづける経営基盤を確立する(成長戦略)〈One to One マーケティングの強化〉 〈プラットフォームの高度化〉 〈コーポレートブランディングの進化〉 ~成長戦略の実現性を高めるために、全領域で“デジタル化”を推進する~●対象期間  2023年4月から2028年3月までの5年間 ●主な経営指標目標預り資産 10兆円ROE 8%総還元性向 50%2026年3月期から2028年3月期までの各期においては、総額100億円以上の特別配当を実施(注) (注) 2023年3月に公表した株主還元方針では、現中期経営計画の対象期間中、PBR1.0倍を超えるまで、年間10億円以上の自己株式取得を継続的に行うこととしておりましたが、2026年3月に新たな方針に変更しました。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題世界は今、AI革命によって人類社会そのものが大きく変わりつつあります。その一方で、米国の覇権秩序が揺らぐなか、地政学リスクは高く、複合的な危機が誘発されかねない状況でもあります。こうした環境だからこそ、高度な知見と確かな倫理観をもってお客さま一人ひとりの人生に金融面から寄り添うことが、証券会社に求められる重要な責務だと考えます。当社グループは、お客さまの体験価値(CX)を向上させるべく、「One to One マーケティング」を進化させてきました。中核子会社の岡三証券株式会社においては、改革を一段と加速させるため、新年度より、経営・組織体制を刷新いたしました。リテール及びホールセールの本部制の導入により、専門性の向上と意思決定の迅速化を図っております。さらに、経営資源を「競争領域」に集中させ、強みである対面ビジネスにおいてAI等の活用により、DXを推進する方針です。スマートフォンアプリ「OKASAN Plus」の機能拡充や資産管理ツール等の活用により、付加価値の高いウェルスマネジメントを提供いたします。プラットフォーム戦略については、岡三証券株式会社のリテール改革を梃子として、さらなる高度化を図ってまいります。2026年8月に岡三ビジネス&テクノロジー株式会社と株式会社証券ジャパンを経営統合し「岡三ビジネス&テクノロジー証券株式会社」を始動させ、ミドル・バックオフィス業務を強化することにより、プラットフォームの競争力と成長を支える存在として位置付ける方針です。そして証券会社から金融商品仲介業者(IFA)への転換を検討される中堅中小証券をはじめ、より多くの金融機関とパートナーシップを構築し、「共存共栄」の関係を築いてまいります。プラットフォーム戦略を通じ、より多くのお客さまに高度な金融サービスを提供し、日本における資産形成の底上げに貢献することを目指します。当社グループは、「お客さまの人生に貢献する」という使命を掲げ、「矜持(Uphold Integrity)」、「情熱(Ignite Passion)」、「共創(Forge Synergy)」という3つの価値観(Values)をグループ全体に浸透させ、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に取り組み、特に重要な経営指標として、連結ROE8%の達成を目標として掲げております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。また、当社グループは「投資・金融サービス業」の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は緩やかに回復しました。企業収益は米相互関税の不透明感が和らぐなか、高水準を維持し、設備投資も省人化・省力化投資などの推進により、堅調さを維持しました。また、賃上げの流れが継続するなか、コメ価格の上昇一服やガソリンの暫定税率廃止を背景に、全国消費者物価指数(生鮮食品除く総合指数、コアCPI)は上昇幅を縮小し、実質賃金に改善がみられました。こうした環境のなか、日経平均株価は、米政権の相互関税政策発表を受け、4月に一時31,000円を下回る水準まで急落しましたが、関税措置の90日間停止が発表されると、値を戻す展開となりました。その後は、米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利下げ観測の高まりや日米関税合意などを背景に堅調に推移しました。10月以降も高市内閣の発足による積極財政への期待や米中貿易摩擦の緩和が追い風となり、上昇基調が継続しました。1月以降は、衆議院の解散、総選挙での自民党の圧勝を受け、史上最高値を更新する場面もありましたが、年度末にかけては中東情勢の悪化を受け急速に上げ幅を縮小し、日経平均株価は51,063円72銭で当年度の取引を終えました。債券市場では、4月初旬に10年物国債利回りが一時1.1%台まで急低下しましたが、その後は日銀の利上げ観測等を背景に、緩やかな上昇傾向が続きました。秋以降は、高市新政権による拡張的な財政政策への警戒感から金利は一段と上昇し、1月には2.3%台に達しました。年度末にかけては、中東情勢の緊迫化を受けた原油価格の上昇によりインフレ懸念が強まるなかで、10年物国債利回りは2.345%で当年度の取引を終えました。為替市場では、4月に円相場は対ドルで一時139円台まで円高が進行しましたが、米英の貿易協定締結や米中の関税引き下げ合意などを受けて、円安基調に転じました。その後も、米物価上昇懸念や高市内閣の発足に伴う財政拡大観測から円安が一段と進行しました。1月以降も米利下げ観測の後退や衆院選での自民党圧勝などから160円近辺まで円安が進みましたが、日米当局による為替介入への警戒感から、一時152円台まで円は買い戻される展開となりました。ただ、インフレ懸念から、年度末には再び円安ドル高が進み、1ドル=158円台後半で当年度の取引を終えました。このような状況のもと当社グループでは、中期経営計画に掲げる成長戦略に基づき、持続的な成長を実現するための経営基盤の確立を推進しました。証券ビジネスに必要なあらゆる機能の基盤を提供する証券プラットフォーム事業の取り組みでは、子会社の三縁証券株式会社(現・三縁証券ウェルスマネジメント株式会社)において国内最大規模となる金融商品仲介業者への転換を実施したほか、プラットフォームの高度化に向けて子会社2社が経営統合し、岡三ビジネス&テクノロジー株式会社として始動しました。また、引き続き岡三BANKや岡三UBSファンドラップをはじめとする各種ソリューションを活用した資産管理型ビジネスの推進により、ストック型収益の拡大に努めました。対面コンサルティングを軸とするデジタル戦略領域の強化を図るなか、岡三証券株式会社においては自社開発の新たな営業支援・顧客管理システムを導入したほか、お客さま向けスマートフォンアプリ「OKASAN Plus」をリリースしました。株式会社証券ジャパンにおいては、山形證券株式会社を子会社化し、グループとして東北地方での地域展開を拡大しました。 a.財政状態当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べ213億52百万円増加し1兆4,010億90百万円、負債合計は前連結会計年度末に比べ13億86百万円減少し1兆1,701億18百万円、純資産合計は前連結会計年度末に比べ227億39百万円増加し2,309億72百万円となりました。 b.経営成績当連結会計年度における当社グループの営業収益は955億95百万円(前年度比16.7%増)、純営業収益は918億35百万円(同15.0%増)となりました。販売費・一般管理費は731億5百万円(同9.1%増)となり、経常利益は228億67百万円(同46.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は213億60百万円(同83.3%増)となりました。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ335億11百万円増加し、782億57百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は、628億47百万円となりました。これは主に、トレーディング商品の増減386億30百万円、預り金の増減372億34百万円による資金の獲得と、顧客分別金信託の増減191億10百万円による資金の使用の差し引きによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果獲得した資金は、47億57百万円となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入81億73百万円による資金の獲得と、有形固定資産の取得による支出23億23百万円による資金の使用の差し引きによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、350億11百万円となりました。これは主に、長期借入による収入100億円による資金の獲得と、短期借入金の増減337億96百万円、配当金支払額60億19百万円による資金の使用の差し引きによるものであります。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態(資産合計)当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ213億52百万円増加し1兆4,010億90百万円となりました。これは主に、有価証券担保貸付金が468億91百万円、現金・預金が342億91百万円、預託金が191億63百万円、信用取引資産が157億94百万円増加した一方、トレーディング商品が1,157億70百万円減少したことによるものであります。 (負債合計)当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ13億86百万円減少し1兆1,701億18百万円となりました。これは主に、有価証券担保借入金が408億84百万円、預り金が373億52百万円、約定見返勘定が163億20百万円増加した一方、トレーディング商品が934億60百万円、短期借入金が345億65百万円減少したことによるものであります。 (純資産合計)当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ227億39百万円増加し2,309億72百万円となりました。これは主に、利益剰余金が153億19百万円、その他有価証券評価差額金が75億86百万円増加したことによるものであります。 (トレーディング業務の概要)当連結会計年度の年度末日時点のトレーディング商品の残高は以下のとおりであります。 種類2025年3月31日現在(百万円)2026年3月31日現在(百万円)資産の部のトレーディング商品520,976405,205 商品有価証券等520,934404,859 株式・ワラント5,85811,509 債券515,015393,350 受益証券等590 デリバティブ取引42346 オプション取引1259 先物取引4087負債の部のトレーディング商品462,855369,394 商品有価証券等462,855369,138 株式・ワラント3,4982,297 債券459,356366,841 受益証券等-- デリバティブ取引-256 オプション取引-253 先物取引-2 b.経営成績当連結会計年度における当社グループの営業収益は955億95百万円(前年度比16.7%増)、純営業収益は918億35百万円(同15.0%増)となりました。販売費・一般管理費は731億5百万円(同9.1%増)となり、経常利益は228億67百万円(同46.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は213億60百万円(同83.3%増)となりました。 受入手数料受入手数料の合計は633億41百万円(前年度比26.2%増)となりました。主な内訳は次のとおりです。 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)(百万円)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)(百万円)受入手数料50,20163,341 委託手数料22,91129,400 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料1,4421,844 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料13,53416,743 その他の受入手数料12,31315,352 委託手数料当連結会計年度における東証の1日平均売買高(内国普通株式)は33億89百万株(前年度比24.9%増)、売買代金は7兆1,016億円(同33.1%増)となりました。こうしたなか、中核子会社である岡三証券株式会社においては、株式委託売買代金が前連結会計年度比で増加しました。これらの結果、株式委託手数料は287億40百万円(同28.5%増)となり、委託手数料の合計は294億円(同28.3%増)となりました。 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料当連結会計年度における株式の引受けは、大型のIPO案件やPO主幹事案件が寄与し、引受金額が増加しました。また、債券の引受けは、社債や地方債の引受金額が前連結会計年度比で増加しました。これらの結果、株式の手数料は7億9百万円(前年度比15.2%増)、債券の手数料は11億34百万円(同37.4%増)となり、株式・債券を合わせた引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料の合計は18億44百万円(同27.9%増)となりました。 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料につきましては、投資信託関連収益がその大半を占めています。当連結会計年度における公募投資信託の販売額は、前連結会計年度比で増加しました。AI関連企業や電力関連企業に投資するファンドのほか、日本の次世代産業を担う企業に投資するファンドの販売が堅調となりました。これらの結果、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は167億43百万円(前年度比23.7%増)となりました。また、その他の受入手数料については、主に投資信託の信託報酬等により153億52百万円(同24.7%増)となりました。 トレーディング損益 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)(百万円)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)(百万円)トレーディング損益24,57221,721 株券等トレーディング損益20,32319,173 債券等トレーディング損益3,6582,219 その他のトレーディング損益590328 株券等トレーディング損益は主に米国株式を中心とした外国株式の国内店頭取引等によるものであり、また、債券等トレーディング損益は国内外債券の顧客向け取扱いやポジション管理等に伴うものであります。当連結会計年度においては、外国株式国内店頭取引による売買代金が前連結会計年度比で減少しました。また、日本国債に係るトレーディングは、国内金利上昇等の影響を受けました。これらの結果、株券等トレーディング損益は191億73百万円(前年度比5.7%減)、債券等トレーディング損益は22億19百万円(同39.3%減)となり、その他のトレーディング損益3億28百万円の利益(同44.4%減)を含めたトレーディング損益の合計は217億21百万円(同11.6%減)となりました。 金融収支国内金利上昇等の影響を受け、金融収益は86億13百万円(前年度比62.4%増)、金融費用は37億60百万円(同80.1%増)となり、差引の金融収支は48億53百万円(同50.9%増)となりました。 その他の営業収益金融商品取引業及び同付随業務に係るもの以外の営業収益は、19億19百万円(前年度比3.2%増)となりました。 販売費・一般管理費販売費・一般管理費は、人件費や取引関係費の増加等により731億5百万円(前年度比9.1%増)となりました。 営業外損益及び特別損益営業外収益は46億24百万円、営業外費用は4億86百万円となりました。また、特別利益は投資有価証券売却益の計上により64億50百万円、特別損失は減損損失の計上等により14億57百万円となりました。 c.経営成績に重要な影響を与える要因について当社グループのコア事業であります証券ビジネスの営業収益は、株式、債券、金利、為替等の市況環境変動の影響を受けるため、当社グループの経営成績は連結会計年度毎に大きく変動する傾向にあります。このため、当社といたしましては、グループ企業それぞれの事業の強みを全体で共有・活用し、多様化する資産運用ニーズに迅速かつ的確に対応できる体制の確立を目指すことにより、安定した成長を実現できる経営体質の構築に努めております。 d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に取り組み、特に重要な経営指標として、連結ROE8%の達成を目標として掲げております。当連結会計年度におけるROEは、営業収益の増加等により、親会社株主に帰属する当期純利益が前連結会計年度比で増加したことから、9.7%(前年度比4.0ポイント上昇)となりました。当社グループでは、中長期的な企業価値向上への取り組みを続けてまいります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。当社グループのコア事業であります証券ビジネスの資金需要の主なものは、信用取引買付代金の顧客への貸付、トレーディングのロングポジション及び有価証券担保貸付金であり、逆に資金調達の主なものは金融機関借入、コールマネー、信用取引売却代金の顧客からの借入、トレーディングのショートポジション及び有価証券担保借入金であります。これらは、市況環境の変動の影響を受け、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与えることとなります。なお、岡三証券株式会社では、安定的かつ機動的な財務運営のため、株式会社みずほ銀行をアレンジャーとしたコミットメントラインを総額210億円として更新いたしました。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

事業リスク

主なリスクとして、まず金融商品取引業の収益が国内外の市況や経済動向に大きく左右される「経営環境リスク」があります。次に、同業他社や異業種からの参入による「競合激化」が挙げられ、競争優位が維持できない場合に業績に影響を及ぼす可能性があります。また、金融商品取引法などの「法規制」の強化や違反により、業務改善命令や業務停止処分を受けるリスクも存在します。さらに、システム障害やサイバー攻撃、情報漏洩といった「システムリスク」や「情報セキュリティリスク」も、事業運営に不可欠な情報システムに依存しているため、重要なリスクです。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,961 文字
3 【事業等のリスク】証券業界を取り巻く環境は目まぐるしく変化していくなか、当社グループは環境の変化に対応するための戦略を実行する必要があります。そのため、リスク管理の果たす役割はますます重要となってきております。このような環境下、当社ではリスクアペタイトフレームワークの枠組みを構築し、当社が直面している経営環境及び経営方針に従った事業計画を実行する上で生じるリスクを識別、管理することが重要であると考えております。そのため、グループの事業特性を考慮し、管理すべきリスクとしてリスクカテゴリを定めております。その上で、リスクカテゴリ内の各リスクを識別し、リスクを定量化した上で、事業計画達成のために進んで受け入れるべきリスクの総量をリスクアペタイトとして表現し、定量化されたリスクがリスクアペタイトの範囲に収まるように管理を実施しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであることから、実際の結果と異なる可能性があります。また、当該記載事項については、必ずしもリスク要因に該当しない場合もありますが、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性等を考慮し記載しております。 (1) 経営環境リスク政治、経済環境、業界構造、競合企業、法規制、資本調達、株主構成、テクノロジーの革新等の外部経営環境の変化によって当社グループが損失を被る可能性があります。① 金融商品取引業の収益変動当社グループの主要事業であります金融商品取引業は、日本国内のみならず世界各地の市況動向や経済動向により投資需要が変化し、顧客からの受入手数料、トレーディング損益等が大幅に変動しやすいという特性があり、これら国内外の金融商品市況の動向や金融商品取引所における取引の繁閑が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 競合企業当社グループは対面営業を主力とする専業証券として、長年に亘り地域密着した営業活動により競争優位を築いてまいりましたが、近年の証券業界においては、同業他社に加えて銀行等の競合、異業種やフィンテック系スタートアップからの参入、及び業界再編などにより、今後も激しい競争環境が続くことが予想されます。このような状況下、当社グループの競争力の優位性が維持できない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 法規制当社グループは、その業務の種類に応じて、法令・諸規則の規制を受けております。岡三証券株式会社を始め国内で金融商品取引業を営む証券子会社等は、金融商品取引法の規制を受けるほか、各金融商品取引所、日本証券業協会等の自主規制機関による諸規則等の規制を受けます。また、海外の子会社については、現地法上の規制を受けます。当社グループが受ける法令・諸規則の規制から引き起こされるリスクを網羅的に把握するとともに、管理の適正性をモニタリングすることによって、リスクを適正に管理できるよう、「統合リスク管理規程」等に基づく体制整備を行っております。しかし、将来において、法的規制の強化や、現在予期し得ない法的規制等が設けられる可能性があり、関連法令を遵守できなかった場合、規制、命令により業務改善や業務停止の処分を受けるなど、事業活動が制限され当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 経営戦略リスク当社は、2028年3月期を最終年度とする中期経営計画において、「One to One マーケティングの強化」「プラットフォームの高度化」「コーポレートブランディングの進化」を基本方針に据えて経営基盤の強化に取り組んでおります。また、成長戦略の実現性を高めるために、全領域で“デジタル化”を推進しております。将来これらの施策が計画通りに進行しない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 事務リスク事務処理のプロセスが正常に機能しないこと、役職員の行動が不適切であること、又は災害・犯罪等の外部的事象の発生により、当社グループに対する損害賠償請求や信用力の低下等のリスクを網羅的に把握するとともに、管理の適正性をモニタリングすることによって、リスクを適正に管理できるよう、「統合リスク管理規程」等に基づく体制整備を行っております。しかし、全ての事象に対応することは不可能であるため、当社グループの想定を超える不測の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 資金流動性リスク当社グループの主要な事業であります金融商品取引業においては、事業の特性上、業務執行に必要となる大量の資金を機動的かつ安定的に調達する必要があります。財政状態の悪化、資産の流動性悪化、信用格付低下等の要因により短期金融市場・資本市場等からの資金調達が困難となる、あるいは資金調達コストが上昇するなど流動性リスクの顕在化に迅速に対応するため、ストレステストを実施することで、相場急変時の影響をモニタリングしております。しかし、予想を超えた量の資金流出や急激な信用格付低下といった当社グループの想定を超える不測の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) システムリスク当社グループの業務執行に際しては、情報システムの利用は不可欠なものとなっております。そのため、インターネット取引システム及び当社グループが業務上使用している各種システムやネットワークの品質不良、サイバー攻撃を含む内外部からの不正アクセス、災害や停電等の諸要因によって引き起こされるリスクを網羅的に把握するとともに、管理の適正性をモニタリングすることによって、リスクを適正に管理できるよう、「統合リスク管理規程」等に基づく体制整備を行っております。しかし、当社グループの想定を超える不測の事態が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 情報セキュリティリスク情報システムの不正利用等による顧客及び役職員の個人情報、経営情報等の機密情報の漏洩等、引き起こすリスクを網羅的に把握するとともに、管理の適正性をモニタリングすることによって、リスクを適正に管理できるよう、「統合リスク管理規程」等に基づく体制整備を行っております。顧客情報の流出や個人情報の漏洩等が生じた場合、損害賠償の請求や、監督官庁から行政処分を受ける可能性があるほか、当社グループの社会的信用が毀損され顧客の流出につながり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 風評リスク当社グループに対する噂、悪評、信用不安情報や誤解、誤認、誇大解釈等が、マスコミ、その他社会一般等に広がることにより、当社の評価、評判が低下し、当社グループの業績に悪影響が生じる等の損失を被る可能性があります。 (8) 災害リスク自然災害の発生や病原性感染症の拡大等に備えて、「業務継続計画(BCP)の策定」及び「危機対策本部の設置」によるリスク管理体制を構築しておりますが、当社グループの想定を超える不測の事態が発生する場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 労務リスク従業員の「就業規則」等の諸規則違反、職場の安全衛生環境の問題及び労務慣行の問題に起因して当社グループが損失を被る可能性並びに役職員の不法行為により使用者責任を問われ、当社が損失を被る可能性があります。 (10) 経営法務リスク法令等や各種取引上の契約等において、法令遵守違反や契約違反その他これらに伴う罰則の適用や損害賠償等の発生により、当社グループが損失を被る可能性があります。これらの経営法務リスクについては当社グループが個別に管理しており、リスクを網羅的に把握するとともに、管理の適正性をモニタリングすることによって、リスクを適正に管理できるよう、「統合リスク管理規程」等に基づく体制整備を行っております。当連結会計年度末現在において当社グループの事業に重要な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来、重要な訴訟等が提起された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 市場リスク当社グループでは、自己の計算において株式・債券・為替等及びそれらの派生商品などの金融資産を保有しておりますが、急激な市況変動・金利変動等によりこれらの金融資産の価値が変動した場合、取引先が決済を含む債務不履行に陥り保有する有価証券の発行体の信用状況が著しく悪化した場合、加えて、市場の混乱等により市場において取引ができないことや、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより当社グループが損失を被る場合等、元本の毀損や利払いの遅延等による損失に対応するため、リスク相当額の限度額を定め、日々モニタリングしております。しかし、予想を超えた急激な市況変動・金利変動といった当社グループの想定を超える不測の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (12)ESG関連リスク環境、社会、ガバナンス(以下「ESG」という。)を取り巻く環境の変化は速く、その影響は広範に及び不確実性を伴います。このような状況のなか、事業活動において気候変動や人権を含むESGへの取り組みが奏功しない、もしくは不十分である場合、当社グループのレピュテーション、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

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