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ジャフコ グループ(8595)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

証券・商品先物取引業 金融(除く銀行)

事業の概要

ジャフコグループは、ファンドを通じてベンチャー企業やバイアウト投資(企業の買収)を行う会社です。機関投資家などから資金を集め、10年程度の期間で有望な未上場企業に投資し、経営を支援して企業価値を高めます。その後、新規上場(IPO)やM&A(企業の合併・買収)で株式を売却し、利益を得ます。主な収益源は、ファンドの運用に対する管理報酬と成功報酬、そしてファンドへの直接出資によるキャピタルゲイン(株式売却益)です。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

ジャフコグループの事業セグメントは「ファンド運用事業」の単一セグメントです。これは、同社が管理・運営するファンドを通じて、主に未上場企業へのベンチャー投資やバイアウト投資を行う事業全体を指します。ファンドの運用資金は機関投資家などから募集し、投資先の開拓、経営支援、そして新規上場やM&Aによる売却までを一貫して行います。収益はファンドからの管理報酬、成功報酬、およびファンドへの直接出資によるキャピタルゲインが主となります。2025年4月以降は国内投資に集中する方針です。

有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|540 文字
3【事業の内容】 当社の事業は、ファンドの運用を通じたベンチャー投資とバイアウト投資です。ファンドの運用資金は、3年半程度ごとに一度、機関投資家や事業会社などから募集しています。ファンドの運用期間は10年、2年の延長期間を設定しています。 ファンド募集のタイミングにかかわらず、当社は常に有望企業を開拓し、3年半程度を目途に新規投資を積み上げ、ファンドごとに良質のポートフォリオを構築していきます。 また、投資後の経営関与を高め、起業家とともに事業の成長と企業価値の向上を図ります。そして、新規上場(IPO)やM&A等によるEXIT(売却)を目指します。ファンドからの運用報酬である管理報酬及び成功報酬と、ファンドへの直接出資に対するキャピタルゲインが当社の主な収益源となります。 当社グループはファンド運用事業の単一セグメントからなっております。なお、連結子会社の詳細は「4 関係会社の状況」をご参照ください。 当社グループの状況について事業系統図を示すと、次のとおりであります。 (注)用語説明名  称定    義ファンド当社グループが管理運営するファンド(投資事業有限責任組合契約に関する法律上の組合、外国の法制上のリミテッドパートナーシップ等)JAFCO当社及び連結子会社

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
有望企業への投資機会獲得競争が激しく、望む条件で投資できない場合があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ネットワーク
長年の投資活動で培われた豊富なリソースとネットワークの蓄積、パートナーシップモデル。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:経済状況・株式市場の動向 / 未上場株式等への投資リスク / 専業であることによる市場変動の影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ジャフコグループは、ベンチャーキャピタルファンドの運用を主たる事業としており、特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPといった無形資産による競争優位性は限定的である。ファンドの組成・運用能力や過去の実績が重要だが、これらは無形資産というよりは人的資本や運用ノウハウに依存する。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

投資家(LP)は一度ファンドに出資すると、ファンド期間中は原則として解約できない。また、過去の実績が良いファンドへの追加投資を検討する可能性はあるが、ファンド間の乗り換えによる直接的な損失は限定的であり、スイッチング・コストは強くない。

ネットワーク効果★☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

投資家(LP)と投資先企業のマッチングにおいて、過去の実績やネットワークが重要となる。しかし、ジャフコグループのプラットフォーム自体に強いネットワーク効果(ユーザーが増えるほど価値が増す)が働くわけではなく、個々のファンドマネージャーの人的ネットワークや運用能力に依存する部分が大きい。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

ベンチャーキャピタル事業は、人的資本への依存度が高く、オペレーションコストの構造的な優位性を築くことは難しい。ファンド運用における規模の経済性は存在するが、それが直接的なコスト優位に繋がるわけではない。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

日本のベンチャーキャピタル業界において、ジャフコグループは長年の実績と運用資産残高で上位に位置しており、一定の規模の経済性を享受している。ファンド組成能力や投資先発掘力において、業界内での相対的な優位性を持つと考えられる。

ジャフコグループは、ベンチャー投資とバイアウト投資という異なる性質の投資を組み合わせることで、市場変動の影響を抑え、経営の安定化を図っています。また、投資先企業の成長ステージに応じたきめ細やかな経営支援(人材採用、営業・マーケティング、提携支援、管理体制整備など)を提供し、企業価値向上に貢献しています。投資判断は専門委員会で厳格に行われ、豊富なリソースとネットワークを活用してリスクを最小化し、高い投資倍率を目指す点が強みと言えます。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。  当連結会計年度は、世界的な地政学リスクの高まりや物価高騰などを背景に、当社を取り巻く事業環境は不透明感が続いています。 一方で、日本でも有望なスタートアップや次世代を担う若い起業家たちが台頭し、生成AIなどテクノロジーの進化、価値観やライフスタイルの変化は、新しいビジネスへの投資機会を創出し、社会課題解決が期待される投資先に対しては強い追い風になっています。 スタートアップに対する資金供給の促進や税制改正他様々な支援策が実施され、国内のベンチャー投資市場は今後も成長が期待できる有望な分野となっています。また、当社事業のもう一つの柱であるバイアウト投資についても、M&Aの増加や中小企業の事業承継に対する政府の継続的な取り組みなどもあり、今後、さらなる拡大が見込まれています。 また、当社は、2025年4月に、投資パフォーマンスに優位性があり、今後マーケットの拡大が予想される国内投資に集中することを決定し、併せて、アジア・米国で当社グループが運用するファンドに今後は出資せず、海外子会社は2026年3月期中をめどに譲渡する(予定を含む)ことを決定しました。国内でのベンチャー投資とバイアウト投資の強みを融合し、成長への循環をつくりだし、利益成長・安定的な収益構造への進化及び資本効率の向上を実現することで、当社の企業価値向上を目指していきます。  当社は創業以来、時代をリードする起業家とともに歩んできました。当社には、経験を積み重ねてきた多くのキャピタリストに加え、企業成長を促進するための豊富なリソースとネットワークの蓄積があります。単なる投資家としてではなく、「CO-FOUNDER」として、事業の構想段階から経営に関与します。起業家とともに事業の成長にコミットし、企業価値を高めていきます。 2018年からパートナーシップモデルを導入し、トップキャピタリストとしてファンドの運用責任を負うパートナーを中心としたフラットな組織作りを行っています。 SV6ファンド以降は、パートナーと従業員が当社とともに出資することで、個人としても運用リスクを負いながら、ファンドパフォーマンスと個人の貢献に連動した成果報酬を享受していきます。従来からの当社の強みである組織力にも磨きをかけており、投資先への経営関与を通じて、ファンドパフォーマンスの一段の向上を目指します。 (1)会社の経営の基本方針①当社のパーパス(存在意義)「挑戦への投資で、成長への循環をつくりだす」 当社は長年にわたる投資経験の中で、「投資の継続が、持続可能な社会を実現する」ことを信じ、企業・起業家の新たな挑戦に対し投資を続けてきました。地球環境やグローバル経済を取り巻く問題がますます複雑化する中、当社は、まだ見ぬ価値を生み出す挑戦に果敢に投資し、その成長にコミットすることにより、新たな成長への循環をつくりだし、持続可能な社会の実現に貢献していきます。 ②当社のミッション(使命)「新事業の創造にコミットし、ともに未来を切り開く」 当社は設立以来、様々な革新的製品やサービスを生み出す起業家を支援してきました。世の中に必要とされる新事業の創造にコミットすることで、ステークホルダーの皆様とともに新しい時代を切り開くことが当社のミッションです。当社はパーパスの実現を目指す中で、設立時から変わらぬ想いをミッションに掲げ、取り組んでまいります。 ③バリュー(行動指針)・「当事者たる覚悟でやり抜く」 私たちにとっての未上場投資は、投資先企業・ファンド出資者・株主との共同事業です。その使命を担いつつ、人生を懸けた事業創造・成長に挑む起業家・経営者と向き合うには、誰よりも強い覚悟と意志を持った当事者であるべきと考えています。何事も主体的に、自らの想いを原動力としながら、いかなる挑戦・困難に対しても責任を持ち、諦めず最後までやり抜きます。・「より早く、より深く、より高みへ」 世の中が急速に変化する中、常に高い成果を出し続けるためには、自らに限界を作らず成長し続けることが重要です。 常に先を読んで動きつつも、物事の本質を捉えて徹底的に考え尽くすことで、より高みを目指して自らを追求し続けます。・「多様な強みで共創を」 今よりも大きな価値や、全く新しい価値を生み出すためには、社内・社外のさまざまな強みを掛け合わせることが必要不可欠です。 異なる経験・価値観・知恵を持つメンバーを尊重し、互いの力を引き出し、発揮し合うことで、次なる成功を共に実現する強い組織を創っていきます。・「開拓者たれ、真摯であれ」 日本でベンチャーキャピタルの知名度がまだ低かった時代から、私たちは世の中の荒波に何度も揉まれながらも、開拓者たる想いで独自のスタイルを築いてきました。私たちはこれからも強い開拓の意志を持ちながら、正々堂々と真摯に、これまでと変わらずに新たな市場を切り拓く思いで挑戦し続けます。 多様なバックグラウンドを持つ社員が増加する中、行動指針としてのバリューを全社員の共通認識とし、組織をより強くしてまいります。 ④パーパス/ミッション実現に向けた方針と戦略 当社は、ファンドを通じたベンチャー投資とバイアウト投資によりパーパス/ミッションの実現を図ります。 この際、起業家やファンド出資者に対するコミットメントをより明確にするべく、設立以来培ってきた組織力に加え、個人を主体としたパートナーシップモデルを導入することで、競争力を高めていきます。 また、当社の事業の本質はESG投資の考え方に強く合致するものであり、社会課題を解決する有望企業の発掘、投資後の対話を通じた成長支援、そしてEXITに至るまでの過程にESGの観点を取り入れていきます。投資先の事業成長を通じてサステナビリティの実現に貢献し、当社の競争力と企業価値を高めていきます。 さらに、パーパス/ミッションの実現に向け、当社は下記の取り組みを進めています。・厳選集中投資と経営関与 新事業を創造するために、ポテンシャルの高い投資対象を絞り込み、大胆に投資を行います。投資先企業に対し影響力のあるシェアを確保し、投資先の経営に深く関与することで、企業の成長を促進します。・ファンドパフォーマンスの持続的向上とリスクマネー供給の拡大 十分な投資資金を獲得するには、ファンドパフォーマンスを持続的に向上させ、安定的にファンドの外部出資者を確保することが不可欠です。投資先企業の成長を通じて得たリターンを、ファンド出資者・株主と分かちあい、新ファンドの募集に繋げることで、リスクマネーの循環・拡大をもたらします。・「CO-FOUNDER」としてのジャフコ 事業の立ち上げ局面では、投資家である以上に「CO-FOUNDER≒共同創業者」であることが求められます。当社が設立来獲得してきた精神や知識、経験を継承・発展させ、当社及び個々の従業員が「CO-FOUNDER」として活躍できる組織を目指します。 (2)会社の対処すべき課題 当社の現在の対処すべき課題は以下のとおりです。① 厳選集中投資の更なる進化と投資先の企業価値向上に向けた取り組み強化② 投資パフォーマンス(投資倍率)の向上③ ファンド募集力の向上④ 多様な人材の採用と育成⑤ 強固な財務基盤の一定維持 当社は下記の「企業価値向上の基本方針」における中長期的目標の達成に向けた取り組みを通じて、これらの課題に対応していきます。 ●企業価値向上の基本方針 当社は、株主の皆様の利益拡大に繋がる企業価値向上を目指し、成長戦略の推進と、純資産の圧縮による資本効率の向上を進めることを基本方針とします。 1)成長戦略の推進 投資運用力とファンド募集力が当社の利益の拡大の両輪であり、これらの活動を組織基盤が下支えします。(投資運用力の向上) 当社は2010年以降、厳選集中投資と経営関与を投資方針に掲げ、有望な投資先を早期に発掘し、投資後の成長に能動的に働きかけることで、キャピタルゲインの最大化とファンドパフォーマンスの向上を図ってきました。 今後、投資運用力の更なる向上を目指し、投資の各プロセスにおける厳選集中投資と経営関与への取り組みを次のようにいっそう進化させます。・投  資:成長ポテンシャルの高い企業を早期に開拓し、リード投資家として投資実行・成長支援:投資後の事業開発や体制整備での深い関与、様々な経営資源を投下して投資先の成長角度を向上・EXIT:深い経営関与を通じて企業価値を最大化するIPOや発展的なM&Aを実現(ファンド募集力の強化(外部出資の拡大)) 安定したファンドパフォーマンスに加え、規律と透明性の高い運用と、投資家のニーズに応じた情報提供を行います。これにより、既存の投資家からの継続出資を受けるとともに、ファンドの社会的・経済的意義に共感する新規投資家層を獲得し、外部出資額を増やします。(組織基盤の強化) 継続的な新卒採用・知見伝承と、専門領域におけるスペシャリスト採用を併用した当社独自の採用・育成モデルで、投資運用力の根幹であるキャピタリストを生み出し続けます。 同時に、投資プロセスを一気通貫で支える組織体制をさらに強化し、個人に過度に依存しない投資運用力の持続的な向上に取り組みます。 2)資本効率の向上 今後は、新設ファンドサイズを対象マーケットに合わせて段階的に拡大させる一方で、当社の出資比率は段階的に低減させ、中長期的には、新規ファンドへの当社出資比率を20%とすることを目標とします。 これにより、必要資金を一定額に抑え、営業投資有価証券残高を維持しながら、高い水準のキャピタルゲインを得ることを目指します。投資運用会社として安定的に運用報酬を得るとともに、高い収益性を継続的に上げることができる、独自の投資運用業の姿を追求していきます。そして、当社の株主還元の方針に基づいた施策の実施とあわせて資本効率の向上を図ります(当社の株主還元の方針は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載した「株主還元についての方針」をご参照ください)。 3)中長期的目標 前述の「企業価値向上の基本方針」で当社の中長期的目標として掲げた主要な指標は以下の図のとおりです。このうち、投資パフォーマンス(ROI)については、2025年4月に事業ポートフォリオを見直し、国内投資に集中することを決定したことを機に、「2.5倍以上」から「3倍以上」に更新しました。また、株主還元を強化し、DOE(前期末株主資本に対する年間配当金額の割合)6%または配当性向50%のいずれか大きい方を配当することにしました。これらの指標達成に向けて引き続き取り組むことで、資本コストや株価を意識した経営を行っていきます。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。  当連結会計年度は、世界的な地政学リスクの高まりや物価高騰などを背景に、当社を取り巻く事業環境は不透明感が続いています。 一方で、日本でも有望なスタートアップや次世代を担う若い起業家たちが台頭し、生成AIなどテクノロジーの進化、価値観やライフスタイルの変化は、新しいビジネスへの投資機会を創出し、社会課題解決が期待される投資先に対しては強い追い風になっています。 スタートアップに対する資金供給の促進や税制改正他様々な支援策が実施され、国内のベンチャー投資市場は今後も成長が期待できる有望な分野となっています。また、当社事業のもう一つの柱であるバイアウト投資についても、M&Aの増加や中小企業の事業承継に対する政府の継続的な取り組みなどもあり、今後、さらなる拡大が見込まれています。 また、当社は、2025年4月に、投資パフォーマンスに優位性があり、今後マーケットの拡大が予想される国内投資に集中することを決定し、併せて、アジア・米国で当社グループが運用するファンドに今後は出資せず、海外子会社は2026年3月期中をめどに譲渡する(予定を含む)ことを決定しました。国内でのベンチャー投資とバイアウト投資の強みを融合し、成長への循環をつくりだし、利益成長・安定的な収益構造への進化及び資本効率の向上を実現することで、当社の企業価値向上を目指していきます。  当社は創業以来、時代をリードする起業家とともに歩んできました。当社には、経験を積み重ねてきた多くのキャピタリストに加え、企業成長を促進するための豊富なリソースとネットワークの蓄積があります。単なる投資家としてではなく、「CO-FOUNDER」として、事業の構想段階から経営に関与します。起業家とともに事業の成長にコミットし、企業価値を高めていきます。 2018年からパートナーシップモデルを導入し、トップキャピタリストとしてファンドの運用責任を負うパートナーを中心としたフラットな組織作りを行っています。 SV6ファンド以降は、パートナーと従業員が当社とともに出資することで、個人としても運用リスクを負いながら、ファンドパフォーマンスと個人の貢献に連動した成果報酬を享受していきます。従来からの当社の強みである組織力にも磨きをかけており、投資先への経営関与を通じて、ファンドパフォーマンスの一段の向上を目指します。 (1)会社の経営の基本方針①当社のパーパス(存在意義)「挑戦への投資で、成長への循環をつくりだす」 当社は長年にわたる投資経験の中で、「投資の継続が、持続可能な社会を実現する」ことを信じ、企業・起業家の新たな挑戦に対し投資を続けてきました。地球環境やグローバル経済を取り巻く問題がますます複雑化する中、当社は、まだ見ぬ価値を生み出す挑戦に果敢に投資し、その成長にコミットすることにより、新たな成長への循環をつくりだし、持続可能な社会の実現に貢献していきます。 ②当社のミッション(使命)「新事業の創造にコミットし、ともに未来を切り開く」 当社は設立以来、様々な革新的製品やサービスを生み出す起業家を支援してきました。世の中に必要とされる新事業の創造にコミットすることで、ステークホルダーの皆様とともに新しい時代を切り開くことが当社のミッションです。当社はパーパスの実現を目指す中で、設立時から変わらぬ想いをミッションに掲げ、取り組んでまいります。 ③バリュー(行動指針)・「当事者たる覚悟でやり抜く」 私たちにとっての未上場投資は、投資先企業・ファンド出資者・株主との共同事業です。その使命を担いつつ、人生を懸けた事業創造・成長に挑む起業家・経営者と向き合うには、誰よりも強い覚悟と意志を持った当事者であるべきと考えています。何事も主体的に、自らの想いを原動力としながら、いかなる挑戦・困難に対しても責任を持ち、諦めず最後までやり抜きます。・「より早く、より深く、より高みへ」 世の中が急速に変化する中、常に高い成果を出し続けるためには、自らに限界を作らず成長し続けることが重要です。 常に先を読んで動きつつも、物事の本質を捉えて徹底的に考え尽くすことで、より高みを目指して自らを追求し続けます。・「多様な強みで共創を」 今よりも大きな価値や、全く新しい価値を生み出すためには、社内・社外のさまざまな強みを掛け合わせることが必要不可欠です。 異なる経験・価値観・知恵を持つメンバーを尊重し、互いの力を引き出し、発揮し合うことで、次なる成功を共に実現する強い組織を創っていきます。・「開拓者たれ、真摯であれ」 日本でベンチャーキャピタルの知名度がまだ低かった時代から、私たちは世の中の荒波に何度も揉まれながらも、開拓者たる想いで独自のスタイルを築いてきました。私たちはこれからも強い開拓の意志を持ちながら、正々堂々と真摯に、これまでと変わらずに新たな市場を切り拓く思いで挑戦し続けます。 多様なバックグラウンドを持つ社員が増加する中、行動指針としてのバリューを全社員の共通認識とし、組織をより強くしてまいります。 ④パーパス/ミッション実現に向けた方針と戦略 当社は、ファンドを通じたベンチャー投資とバイアウト投資によりパーパス/ミッションの実現を図ります。 この際、起業家やファンド出資者に対するコミットメントをより明確にするべく、設立以来培ってきた組織力に加え、個人を主体としたパートナーシップモデルを導入することで、競争力を高めていきます。 また、当社の事業の本質はESG投資の考え方に強く合致するものであり、社会課題を解決する有望企業の発掘、投資後の対話を通じた成長支援、そしてEXITに至るまでの過程にESGの観点を取り入れていきます。投資先の事業成長を通じてサステナビリティの実現に貢献し、当社の競争力と企業価値を高めていきます。 さらに、パーパス/ミッションの実現に向け、当社は下記の取り組みを進めています。・厳選集中投資と経営関与 新事業を創造するために、ポテンシャルの高い投資対象を絞り込み、大胆に投資を行います。投資先企業に対し影響力のあるシェアを確保し、投資先の経営に深く関与することで、企業の成長を促進します。・ファンドパフォーマンスの持続的向上とリスクマネー供給の拡大 十分な投資資金を獲得するには、ファンドパフォーマンスを持続的に向上させ、安定的にファンドの外部出資者を確保することが不可欠です。投資先企業の成長を通じて得たリターンを、ファンド出資者・株主と分かちあい、新ファンドの募集に繋げることで、リスクマネーの循環・拡大をもたらします。・「CO-FOUNDER」としてのジャフコ 事業の立ち上げ局面では、投資家である以上に「CO-FOUNDER≒共同創業者」であることが求められます。当社が設立来獲得してきた精神や知識、経験を継承・発展させ、当社及び個々の従業員が「CO-FOUNDER」として活躍できる組織を目指します。 (2)会社の対処すべき課題 当社の現在の対処すべき課題は以下のとおりです。① 厳選集中投資の更なる進化と投資先の企業価値向上に向けた取り組み強化② 投資パフォーマンス(投資倍率)の向上③ ファンド募集力の向上④ 多様な人材の採用と育成⑤ 強固な財務基盤の一定維持 当社は下記の「企業価値向上の基本方針」における中長期的目標の達成に向けた取り組みを通じて、これらの課題に対応していきます。 ●企業価値向上の基本方針 当社は、株主の皆様の利益拡大に繋がる企業価値向上を目指し、成長戦略の推進と、純資産の圧縮による資本効率の向上を進めることを基本方針とします。 1)成長戦略の推進 投資運用力とファンド募集力が当社の利益の拡大の両輪であり、これらの活動を組織基盤が下支えします。(投資運用力の向上) 当社は2010年以降、厳選集中投資と経営関与を投資方針に掲げ、有望な投資先を早期に発掘し、投資後の成長に能動的に働きかけることで、キャピタルゲインの最大化とファンドパフォーマンスの向上を図ってきました。 今後、投資運用力の更なる向上を目指し、投資の各プロセスにおける厳選集中投資と経営関与への取り組みを次のようにいっそう進化させます。・投  資:成長ポテンシャルの高い企業を早期に開拓し、リード投資家として投資実行・成長支援:投資後の事業開発や体制整備での深い関与、様々な経営資源を投下して投資先の成長角度を向上・EXIT:深い経営関与を通じて企業価値を最大化するIPOや発展的なM&Aを実現(ファンド募集力の強化(外部出資の拡大)) 安定したファンドパフォーマンスに加え、規律と透明性の高い運用と、投資家のニーズに応じた情報提供を行います。これにより、既存の投資家からの継続出資を受けるとともに、ファンドの社会的・経済的意義に共感する新規投資家層を獲得し、外部出資額を増やします。(組織基盤の強化) 継続的な新卒採用・知見伝承と、専門領域におけるスペシャリスト採用を併用した当社独自の採用・育成モデルで、投資運用力の根幹であるキャピタリストを生み出し続けます。 同時に、投資プロセスを一気通貫で支える組織体制をさらに強化し、個人に過度に依存しない投資運用力の持続的な向上に取り組みます。 2)資本効率の向上 今後は、新設ファンドサイズを対象マーケットに合わせて段階的に拡大させる一方で、当社の出資比率は段階的に低減させ、中長期的には、新規ファンドへの当社出資比率を20%とすることを目標とします。 これにより、必要資金を一定額に抑え、営業投資有価証券残高を維持しながら、高い水準のキャピタルゲインを得ることを目指します。投資運用会社として安定的に運用報酬を得るとともに、高い収益性を継続的に上げることができる、独自の投資運用業の姿を追求していきます。そして、当社の株主還元の方針に基づいた施策の実施とあわせて資本効率の向上を図ります(当社の株主還元の方針は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載した「株主還元についての方針」をご参照ください)。 3)中長期的目標 前述の「企業価値向上の基本方針」で当社の中長期的目標として掲げた主要な指標は以下の図のとおりです。このうち、投資パフォーマンス(ROI)については、2025年4月に事業ポートフォリオを見直し、国内投資に集中することを決定したことを機に、「2.5倍以上」から「3倍以上」に更新しました。また、株主還元を強化し、DOE(前期末株主資本に対する年間配当金額の割合)6%または配当性向50%のいずれか大きい方を配当することにしました。これらの指標達成に向けて引き続き取り組むことで、資本コストや株価を意識した経営を行っていきます。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。 (1)連結経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度の当社グループの連結業績は、売上高29,685百万円(前期24,443百万円、増減率21.4%)、営業利益12,520百万円(前期8,175百万円、増減率53.1%)、経常利益13,205百万円(前期8,822百万円、増減率49.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益9,576百万円(前期7,494百万円、増減率27.8%)となりました。 当連結会計年度における当社グループの投資先の新規IPOは8社(国内8社、海外なし)であり、新規IPOによる株式売却等により、キャピタルゲインは対前期比で大幅に増加しました。なお、新規IPO8社のうち、ベンチャー投資によるものは6社、バイアウト投資によるものは2社でした。 SV4シリーズ、JAFCO Asia Technology Fund Ⅵ L.P.のEXIT進捗により成功報酬も対前期比で増加いたしました。 また、2024年8月に当社と野村アセットマネジメント株式会社との共同開発で、当社ファンドを組み入れた投資信託の提供を開始したことに伴い、当該投資信託へ当社の保有する持分の譲渡を行いました。 当社グループはファンド運用事業の単一セグメントであります。 ②キャッシュ・フローの状況(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは10,442百万円のキャッシュインフロー(前期9,570百万円のキャッシュアウトフロー)となりました。これは主に営業投資有価証券の売却収入によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは134百万円のキャッシュインフロー(前期100百万円のキャッシュアウトフロー)となりました。これは主に他社ファンドの分配収入によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは5,447百万円のキャッシュアウトフロー(前期6,836百万円のキャッシュインフロー)となりました。これは主に配当金の支払によるものであります。 これらの結果、現金及び現金同等物は4,880百万円増加し、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は72,486百万円(前期末67,606百万円)となりました。そのうち6,160百万円(前期末8,241百万円)はファンド出資持分であります。また、当社グループが管理運営するファンドに対して当社グループが出資金として今後支払を約束している金額は、当連結会計年度末で21,038百万円(前期末34,298百万円)であります。 (2)生産、受注及び販売の実績 営業投資活動の状況 当社グループは、下図のとおり、原則としてファンド(下図①)の資金により、国内外の有望未上場企業等への投資を行っております。 当社グループは、ファンドから契約に基づいて管理運営に対する管理報酬と投資成果に対する成功報酬を受領しております。また、ファンドにおける営業投資有価証券の売却損益等は、ファンドの出資持分に応じて、当社グループに直接帰属いたします。 連結貸借対照表の営業投資有価証券残高は、ファンドの当社グループ出資持分(下図②)に応じた営業投資有価証券残高と当社グループ(下図③)の営業投資有価証券残高の合計額であります。 次ページ以降の「投資実行額」「投資残高」につきましては、当社グループの営業投資活動(投資及びファンドの管理運営)を表すため、ファンド(下図①)と当社グループ(下図③)を合算した投資活動の状況を記載しております。 (注)用語説明名  称定    義ファンド当社グループが管理運営するファンド(投資事業有限責任組合契約に関する法律上の組合、外国の法制上のリミテッドパートナーシップ等)当社グループ当社及び連結子会社 ①投資実行額①-1 エクイティ投資実行額:業種別(単位:百万円) 前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日) 金 額金 額エレクトロニクス3,722689ソフトウェア1,0334,362ITサービス18,53023,811医療・バイオ2,4421,822サービス3,4086,800製造業9121,570流通・小売・外食459-住宅・金融180322合計30,69039,378 ①-2 エクイティ投資実行額:地域別(単位:百万円) 前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額社数金額社数日本ベンチャー投資16,8054217,02344バイアウト投資5,767310,9918小計22,5734528,01452米国4,046147,28313アジア4,070104,08010合計30,6906939,37875(注)1.「投資実行額」は、当社が運用するファンド全体の金額であります。2.外貨建の「投資実行額」については、四半期連結会計期間ごとにそれぞれの四半期末為替レートで換算した額を合計しております。3.日本の投資部門が担当する海外投資先は日本に含めております。 ②投資残高②-1 投資残高(単位:百万円) 前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)金 額社 数金 額社 数上場7,5773310,06134未上場234,290274249,487288合計241,867307259,549322 ②-2 未上場エクイティ投資残高:業種別(単位:百万円) 前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日) 金 額金 額エレクトロニクス12,4589,524ソフトウェア11,65315,717ITサービス154,579161,269医療・バイオ11,08211,992サービス16,29921,201製造業15,49516,787流通・小売・外食9,4979,491住宅・金融等3,2243,503合計234,290249,487 ②-3 未上場エクイティ投資残高:地域別(単位:百万円) 前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日) 金 額金 額日本ベンチャー投資101,801104,632バイアウト投資31,99839,000小計133,800143,633米国68,79372,391アジア31,69633,462合計234,290249,487(注)1.「投資残高」は、当社が運用するファンド全体の金額であります。2.「投資残高」は取得原価で表示しております。3.外貨建の「投資残高」については、各連結会計年度末為替レートで換算しております。4.日本の投資部門が担当する海外投資先は日本に含めております。③ファンドの運用状況 当連結会計年度において、新規に設立し募集を開始したファンド、及び前期以前に設立し募集活動を継続中のファンドはありません。 前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)ファンド数コミットメント総額ファンド数コミットメント総額円建 (百万円) (百万円)運用中11252,80011252,800延長中560,000560,000小計16312,80016312,800米ドル建 (千米ドル) (千米ドル)運用中5660,2845660,284延長中3192,5002162,500小計8852,7847822,784台湾ドル建 (百万台湾ドル) (百万台湾ドル)運用中25,00625,006小計25,00625,006 合計 (百万円) (百万円)運用中18376,50218374,102延長中889,146784,297合計26465,64825458,399 コミットメント総額に占める当社グループの出資持分割合35.6%34.5%(注)1.「コミットメント総額」は、契約上出資が約束されている額の総額であります。2.合計欄における外貨建「コミットメント総額」は、各連結会計年度末為替レートで換算しております。 ④投資先会社IPO(新規上場)の状況前連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日) 投資先会社名上場年月日上場市場事業内容本 社所在地(国内)ベンチャー投資:4社クオリプス㈱2023年6月27日グロースヒトiPS細胞由来心筋細胞シートの開発・事業化東京都マーソ㈱2023年12月21日グロース人間ドックのインターネット予約サイト「MRSO」の運営東京都㈱VRAIN Solution2024年2月22日グロース製造業向け AIサービスの提供東京都㈱JSH2024年3月26日グロース在宅医療事業及び地方創生事業東京都(国内)バイアウト投資:2社㈱AVILEN2023年9月27日グロースAI開発受託・導入コンサルティング、ディープラーニング関連ツール及びAI人材育成サービスの開発・販売東京都㈱ナルネットコミュニケーションズ2023年12月25日グロース自動車のメンテナンス管理・自動車のリース・残価保証・車両買取愛知県(海外)ベンチャー投資:1社Roadzen Inc.2023年9月21日NASDAQ自動車保険会社業務を効率化/自動化するAI技術を活用したサービスの開発・提供米国 当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日) 投資先会社名上場年月日上場市場事業内容本 社所在地(国内)ベンチャー投資:6社㈱アストロスケールホールディングス2024年6月5日グローススペースデブリの除去を中心とした、宇宙空間での軌道上サービスの提供東京都Chordia Therapeutics㈱2024年6月14日グロース新規抗がん剤の研究開発神奈川県㈱タイミー2024年7月26日グローススキマバイトのマッチングサービスの運営東京都㈱オルツ2024年10月11日グロースパーソナル人工知能「P.A.I.」の開発、AI議事録等Saasツールの開発・提供東京都dely㈱2024年12月19日グロース「クラシル」、「クラシルリワード」をはじめとする複数のスマートフォンアプリ及びWebメディアの運営東京都㈱Synspective2024年12月19日グロース小型SAR衛星開発製造及び衛星データソリューション提供東京都(国内)バイアウト投資:2社インフォメティス㈱2024年12月9日グロース機械学習(AI:人工知能)を活用したエネルギー・データ・マネジメント・サービス東京都プログレス・テクノロジーズ グループ㈱2025年3月28日グロース設計開発に特化したコンサル・ソリューション・プロジェクトサービス・エンジニアリングサービスなどのワンストップサービスの展開東京都(注)海外企業の本社所在地は、主たる営業地域又は実質的な本社所在地を基準に記載しております。(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容  ①重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、資産、負債、収益及び費用の額に影響を与える仮定や見積りを必要とします。 これらの仮定や見積りは、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる可能性があります。 当社の連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。  ②当年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績 「(1)連結経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、当年度の当社グループの売上高は29,685百万円(前期比21.4%増)、営業利益は12,520百万円(前期比53.1%増)となりました。営業外収益は、受取配当金の増加等により、962百万円(前期比30.3%増)となりました。また、営業外費用は、為替差損の発生等により、278百万円(前期比202.3%増)となりました。この結果、経常利益は13,205百万円(前期比49.7%増)となりました。前年度同様、特別利益及び特別損失の計上はありませんでした。税効果会計適用後の法人税等は3,628百万円(前期比173.3%増)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は9,576百万円(前期比27.8%増)となりました。 b.財政状態 当連結会計年度末における当社グループの財政状態は、流動資産165,355百万円(前期比3.0%増)、固定資産4,615百万円(前期比8.6%減)、流動負債7,520百万円(前期比14.5%増)、固定負債21,323百万円(前期比0.0%減)、純資産は141,126百万円(前期比2.5%増)となり、総資産は169,970百万円(前期比2.7%増)となりました。 流動資産については、現金及び預金が主に営業投資有価証券の売却収入により前年度から4,880百万円、営業投資有価証券は投資先の新規IPO等の影響により前年度から926百万円増加しています。固定資産については、投資有価証券が主に評価差額の減少により前年度から203百万円減少しています。流動負債については、未払法人税等が前年度から1,995百万円増加し、固定負債については、繰延税金負債が前年度から84百万円減少しております。 c.キャッシュ・フローの状況 「(1)連結経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。 d.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの経営成績等に特に重要な影響を与える要因である、投資実行、キャピタルゲイン、投資損失引当金、営業投資有価証券の残高、ファンドの管理運営業務の各状況に関する認識及び分析・検討は次のとおりです。(投資実行の状況) 「(2)生産、受注及び販売の実績 ①投資実行額」に記載のとおり、当連結会計年度の当社が運用するファンド全体の投資実行額は、39,378百万円(前期30,690百万円)、投資会社数は75社(前期69社)となりました。年間投資実行額は350~400億円前後の水準としていますが、国内バイアウト投資等における投資実行のタイミングのずれによる影響等により、当連結会計年度は前期比で投資実行額が増加しました。 (キャピタルゲインの状況) 当連結会計年度における当社グループの投資先の新規IPOは8社(国内8社、海外なし)であり、新規IPOによる株式売却や未上場株式の売却により、キャピタルゲインは対前期比で大幅に増加しました。なお、新規IPO8社のうち、ベンチャー投資によるものは6社、バイアウト投資によるものは2社でした。 高水準のファンドパフォーマンスを長期にわたって継続していくことが、当社の経営における最大のテーマです。今後もIPOの数にこだわることなく、大きなキャピタルゲインを伴うIPOやM&A等のEXITを追求していきます。各年度の業績は、大型のEXITの実現数により大きく変動するものの、運用中の各ファンドのパフォーマンスを継続的に高めていくことが、当社の長期的な好業績につながっていきます。(単位:百万円) 前連結会計年度(A)(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)当連結会計年度(B)(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)対前期比(%)(B)/(A)金 額金 額営業投資有価証券売上高①19,01323,790125.1 売却高18,89023,444124.1 配当金・債券利子123345280.8営業投資有価証券売上原価②11,07611,087100.1 売却原価10,04111,087110.4 強制評価損1,034-- キャピタルゲイン①-②7,93712,703160.0投資倍率①÷②1.722.15- 上場キャピタルゲイン6,0109,556159.0上場以外キャピタルゲイン1,9273,146163.2 売却益5,0634,59590.8売却損3,1361,44846.2 (投資損失引当金の状況) 当連結会計年度においては、投資損失引当金の取崩が繰入を上回り、投資損失引当金残高は減少しております。未上場営業投資有価証券残高に対する引当率は前期末と同水準です。(単位:百万円) 前連結会計年度(A)(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(B)(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)対前期比(%)(B)/(A)金 額金 額投資損失引当金繰入額①2,7842,70797.3投資損失引当金取崩額②3,5602,99184.0投資損失引当金繰入額(純額・△は戻入額)①-②△775△283- (単位:百万円) 前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)金 額金 額投資損失引当金残高13,75413,468未上場営業投資有価証券残高に対する引当率16.0%16.0% (営業投資有価証券残高の状況) 投資先の新規IPO等の影響により営業投資有価証券の残高は増加しており、上場した投資先の含み益は16,835百万円(前期末15,698百万円)となっております。(単位:百万円) 前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)金 額金 額上場営業投資有価証券の取得原価と時価の差額15,69816,835 時価が取得原価を超えるもの15,87117,004 時価が取得原価を超えないもの△172△169 (単位:百万円) 前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金 額金 額部分純資産直入法に基づく営業投資有価証券評価損(△戻入益)△13△2 営業投資有価証券残高(単位:百万円) 前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)取得原価連結貸借対照表計上額取得原価連結貸借対照表計上額上場2,47318,1723,77920,615未上場77,44585,74877,40284,232合計79,919103,92181,181104,847 (ファンドの管理運営業務の状況) SV4シリーズ、JAFCO Asia Technology Fund Ⅵ L.P.のEXIT進捗等により、成功報酬は対前期比で増加しました。(単位:百万円) 前連結会計年度(A)(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)当連結会計年度(B)(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)対前期比(%)(B)/(A)金 額金 額投資事業組合管理収入5,4255,885108.5 管理報酬4,8374,25988.0 成功報酬5871,626277.0(注)管理報酬及び成功報酬は、当社グループの出資持分相当額を相殺した後の金額となっております。 e.当社グループの資本の財源及び資金の流動性 当社グループの資金需要のうち主なものはファンドへの投資資金、販売費及び一般管理費等であり、販売費及び一般管理費等の主なものは、人件費及び不動産費等であります。ファンドの運用資産の大半は未上場企業であり、時価もなく流動性が極めて限定されます。従って、どのような環境にあっても、継続して投資を行うために強固な財務基盤が求められます。 当連結会計年度の純資産額は141,126百万円(前期末137,639百万円)、自己資本比率については83.0%(前期末83.1%)となりました。連結貸借対照表に計上されている72,486百万円の現金及び預金の中には、各ファンドに当社が既に出資した分も含まれています。 なお、当社は、後述の「株主還元についての方針」に基づき、投資継続のための必要資金を将来にわたり段階的に縮小させ、必要資金を超える現預金については自己株式の取得を検討することとしております。当連結会計年度は、EXITが順調に進捗し、現預金が増加したため、2025年4月より、最大50億円の自己株式を取得することといたしました。 株主還元についての方針 当社は、2022年12月に公表した「企業価値向上の基本方針」において、配当の基本方針や必要資金に対する考え方を明確にしました。 上記方針に基づき、当事業年度の年間配当金額は、DOE(当期首期末平均株主資本に対する年間配当金額の割合)3%と配当性向50%のいずれか大きい金額としております。加えて、当社は当事業年度よりDOE(前期末株主資本に対する年間配当金額の割合)1.5%を基準とした中間配当を開始することといたしました。 なお、翌事業年度以降の年間配当金額につきましては、上記配当方針を見直し、DOEに用いる株主資本の算定基準を「期首期末平均」から「前期末」に変更した上で、DOE(前期末株主資本に対する年間配当金額の割合)6%と配当性向50%のいずれか大きい金額とする方針といたしました。中間配当につきましても、DOE(前期末株主資本に対する年間配当金額の割合)3%を基準といたします。 また、上記「企業価値向上の基本方針」では、必要資金を超える現預金については、自己株式の取得を検討することとしており、この方針に変更はありません。 f.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループにおける最大の経営テーマは、ファンドパフォーマンスを持続的に向上させることです。当社グループは、ファンド運用事業の単一セグメントであり、収益の源泉はファンドからの管理収入(管理報酬・成功報酬)とファンドへの直接出資持分からのキャピタルゲインであることから、運用中の各ファンドのパフォーマンスを高めていくことが、中長期的な好業績の継続につながっていきます。 なお、当社の中長期的目標として掲げた指標は、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)会社の対処すべき課題 3)中長期的目標」に記載のとおりです。 (ご参考)運用中(延長中を含む)の主な国内ファンドのパフォーマンスは次のとおりです。ファンド設立年月出資金総額(億円)払込済出資金額(億円)分配金累計額(億円)純資産額(億円)グロス倍率(倍)ネット倍率(倍)2025年3月末2024年3月末2025年3月末2024年3月末2025年3月末SV-4(B)2013年3月291291537392.252.381.871.98SV-5(B)2016年8月4984731773091.071.180.931.03SV-62019年6月6406142575281.281.451.141.28V72022年6月560335-2961.011.000.900.89BO72022年6月288182-1681.011.020.920.93(注)1.グロス倍率とネット倍率の算出方法は次のとおりです。グロス倍率(売却金額(未売却投資先の評価金額を含む)÷投資金額)ネット倍率((分配金累計額+純資産額)÷払込済出資金額)2.純資産額において、未売却投資先の評価については、上場株式は期末日の時価で評価しており、外貨建の上場株式は期末日の為替レートで換算しております。未上場投資先については、時価算定会計基準の適用に伴い、新株予約権付社債、新株予約権等の株式以外の投資等は時価で評価し、未上場株式は、マークアップ(未実現評価益の計上)せず、マークダウン(未実現評価損の計上)のみを行っています。なお、外貨建の未上場株式についても期末日の為替レートで換算しております。 g.セグメントごとの財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容 当社グループは、ファンド運用事業の単一セグメントであります。

事業リスク

経済状況の悪化は、投資先企業の業績不振や新規投資機会の減少、IPO市場の低迷による売却機会の限定、キャピタルゲインの変動に繋がる可能性があります。未上場企業への投資は、企業の収益基盤や財務基盤が不安定であること、事業の不確実性が高いこと、また株式の流動性が低いことなどから、投資資金が回収できないリスクや、想定を下回る価格での売却となるリスクがあります。また、未上場株式投資に特化しているため、業界全体の動向が業績に大きな影響を与える可能性があります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|9,869 文字
3【事業等のリスク】 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び対策に努めてまいります。ただし、これらのリスクは必ずしも全てのリスクを網羅したものではなく、想定していないリスクや重要性が低いと考えられる他のリスクの影響を将来的に受ける可能性もあります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)経済状況・背景事情およびリスク 当社グループは主に当社グループが管理運営するファンドの資金を使って、日本・アジア・米国で未上場株式等への投資を行っております。当社グループはファンドからの管理報酬及び成功報酬に加え、ファンドに自己資金を出資することにより、投資成果であるキャピタルゲインをファンドの他の出資者とともに享受します。 なお、当社は2025年4月に、国内投資に集中し、アジア・米国で当社グループが運用するファンドに今後は出資しないことと合わせて、海外子会社の譲渡 (予定を含む)を決定しています。JAFCO アジア及び ICON Ventures が運用する既存ファンドの当社出資持分は継続保有し、今後は大口出資者として関与することとなります。 ファンドのパフォーマンスは、日本、アジア地域及び米国の政治・経済・社会情勢や株式市場の動向に影響を受けます。不況に陥った場合には、投資先企業の業績不振につながる可能性があり、また起業環境が悪化することで、当社グループの投資対象となりうるスタートアップの数が減少する可能性があります。未上場株式等への投資は、投資からEXITまで数年程度の期間を要するため、EXIT時点での株式市場やIPO市場が低調な場合には、ファンドが保有する株式等の流動化機会が限られる可能性があり、またファンドが得るキャピタルゲイン及び成功報酬も大きく変動する可能性があります。さらに、地政学的なリスク、感染症の世界的流行その他の要因により、世界の広範囲において経済や株式市況が悪化する場合は、当社グループにおける地域的なリスク分散の効果を発揮できない可能性があります。こうした場合は、ファンドのパフォーマンスに影響し、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。・対応策 当社グループでは、ベンチャー投資とバイアウト投資という異なる性質のアセットクラスを有することにより、市況の影響を抑え、経営の安定化を進めています。ベンチャー投資は、創業期から成長期のスタートアップを投資対象とすることで高い成長期待が持てる一方、保有期間も長く、変動性が高いという特性があります。バイアウト投資は、一定の収益力を持つ中小・中堅企業を中心に 投資を行うことで、3倍程度の投資倍率を安定的に狙うという特性があります。また、当社グループが運用する未上場企業投資ファンドは、通常3年半前後の期間をかけて投資先企業の組入れを行うため、時間的にも一定期間に渡る分散が行われることになります。さらに、IPOに限らずM&A等によるEXIT(売却)の機会も絶えず追求しており、株式市場やIPO市場の動向が当社グループの収益基盤へ与える影響を低減できるように努めています。合わせて、現状のポートフォリオにおいては、日本・アジア・米国とグローバルに投資を行うことにより地域的なリスクの分散を図っています。 (2)未上場株式等への投資・背景事情およびリスク 当社グループ及びファンドは、未上場株式等を投資対象としており、その中でも近年では創業期のシードや事業立ち上げ時期のアーリーステージの割合が高まっています。シード・アーリーステージ段階にある企業の潜在力を見極めることは容易ではなく、高い潜在成長力を有する企業への投資機会を逸した結果、当社グループ及びファンドが大きな投資収益をあげることができない可能性があります。未上場企業は一般に収益基盤や財務基盤が不安定であるばかりでなく、売上がないまたは僅少である場合も多く、経営資源に制約があること等から、景気や市場動向、競争状況等の影響を受けやすく、事業の不確実性が高いといった特徴があります。経営体制や管理体制が未整備であることが多く、そのためコーポレート・ガバナンスが機能しなかったり、内部統制上の不備が生じてしまうことで、その事業の継続性に重大な影響をもたらすこともあります。 また、投資先企業の事業が当初の計画通りに進捗せず、財務状況が悪化した結果、他社への事業売却、倒産等に至り、投資資金が全く回収できない場合もあります。さらに、投資先企業の株式上場や第三者との組織再編、事業売却等M&A等による出口が保証されているものではなく、株式上場やM&A等があった場合であっても、その株式等を、投資コストを上回って売却できる保証はありません。加えて、未上場株式等は、上場株式等に比べ、発行体情報の正確性が保証されておらず、流動性が著しく劣る等の性質があるため、未上場段階で売却を行う場合には、その価格が想定を大きく下回ることがあります。未上場株式等への投資にはこうしたリスクが存在することから、ファンドのパフォーマンスに影響し、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。・対応策 当社グループでは、有望企業を厳選し、1社あたりの投資金額と保有シェアを高め、投資先企業への経営関与を強化しています。 当社グループにおける投資判断は、日本・アジア・米国の拠点ごとに設けた所定の委員会において行っています。投資委員会では、投資検討先が対象とする市場の成長性、製品/サービスの革新性や競争力といった事業性、マネジメントチームの評価、投資採算や投資条件、想定する投資後の企業価値向上策やEXIT戦略、さらにはリスクや事業のサステナビリティなどの観点から議論を行った上で投資の可否を決定します。 投資後は、成長ステージなど投資先企業ごとの状況に応じて、人材採用、営業・マーケティング、大手企業との資本・業務提携、管理体制整備・上場準備、追加の資金調達といった面でのサポートを提供しています。 未上場投資先の状況は、投資委員会・ポートフォリオ会議等の場で定期的に把握し、これらの内容を投資先企業の評価に反映するとともに、個別に価値向上のための各種支援を行い、課題に対する適切な対応を検討しリスクの最小化に努めています。その際、当社グループが培ってきた豊富なリソースとネットワークの蓄積を活用します。 このようにして投資先の事業の成長と企業価値の向上を図り、キャピタルゲインと投資倍率の向上に努めています。 (3)専業であること・背景事情およびリスク 当社グループは、ファンドの管理運営、日本・アジア・米国での未上場株式投資に経営資源を集中し事業活動を行っており、現状では未上場株式投資以外に事業を拡大することは考えておりません。当業界は世界の政治・経済・社会の情勢変化や世界各国の株式市場・IPO市場の影響を強く受ける業態であるため、このような変化等が当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。・対応策 当社では、2018年3月に導入したパートナーシップモデルを進化させ、これまでに蓄積してきた組織基盤との協働を図りながら、投資運用力の向上によるファンドパフォーマンスの向上やファンド募集力の強化を目指しています。2025年4月以降においては、国内の未上場株式投資に経営資源を集中させることで、より一層、投資運用力とファンド募集力の向上を図ります。 (4)競合・背景事情およびリスク 当社グループの主たる業務である未上場株式投資では、当社グループに類する専業のベンチャーキャピタルやプライベートエクイティファンド、事業会社によるいわゆるコーポレートベンチャーキャピタルといった競合他社との間で、有望な未上場企業への投資案件獲得競争が激しさを増しております。こうした競合状況により有望企業への投資機会を逸した場合や、必ずしも当社グループが望む条件ではない場合は、十分なキャピタルゲインをあげることができず、ファンドのパフォーマンスに影響し、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。・対応策 当社は、2018年3月に導入したパートナーシップモデルを進化させ、同時にこれまでに蓄積してきた組織基盤やネットワークも活用して投資先企業の成長をサポートすることで競合他社との差別化を図り、ファンドパフォーマンスの向上を目指しています。2025年4月以降においては、国内の未上場株式投資に経営資源を集中させることで、より一層、投資運用力とファンド募集力を向上させ、競合との差別化を図ります。 当社は創業以来、様々な革新的製品やサービスを、起業家とともに生み出してきました。「新事業の創造にコミットし、ともに未来を切り開く」という、創業時からの変わらぬ想いを当社のミッションに掲げ継続的に社内に浸透を図ると共に、「起業家のいちばん近くに」というブランドスローガンと「CO-FOUNDER」というアイデンティティを掲げ、当社の投資スタンスについてスタートアップを率いる起業家に訴求しています。また、当社HPやオウンドメディア等を通じて、当社の投資活動や投資先企業の成長をサポートするビジネスディベロップメントの取り組みを実例と共に紹介することで、経営に深くコミットメントする当社のスタンスの理解を促進し差別化を行っています。 (5)株価下落・背景事情およびリスク 当社グループが保有する上場株式の株価の下落は、ファンドのパフォーマンスならびに当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、厳選集中投資により当社グループ及びファンドによるIPO時点の持株比率が比較的高い水準である場合は、株価下落による悪影響が一層大きくなり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。・対応策 投資先企業のIPO後は、株式市況、取得コストや保有残高、株価、出来高の動向、当該投資先企業の事業の状況、当該株式を保有するファンドの契約期間等を総合的に勘案しながら、当社グループ及びファンドが保有する株式を売却しています。また、上場株式の複数の流動化手法を活用しており、買い手となる機関投資家との間で証券会社を介して諸条件が折り合った場合、「ブロックトレード」と呼ばれる相対取引等により一定程度まとまった株数を売却することもあります。 (6)為替レートの変動・背景事情およびリスク 当社グループでは、日本だけでなく、アジア・米国を主とする海外の未上場株式を保有しております。海外投資で保有する資産は、米ドルを中心とする外貨建であるため、為替レートの変動は、ファンドのパフォーマンスに影響します。未上場株式等への投資は、多くが投資からEXITまで数年程度の期間を要し、その間の為替レートの変動の影響を完全に払拭することは困難であり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。・対応策 当社グループが運用する未上場企業投資ファンドは、通常3年半前後の期間をかけて投資先企業の組入れを行います。また、組入れ後の株式売却及び当該売却代金の分配は、ファンド運用期間(通常10年間)満了までの期間にわたって行われます。その結果、現在当社グループが保有している外貨建て資産は一定期間に渡る時間分散が行われており、また、当該外貨建て資産を流動化する際の為替レートについても、同様に一定期間に渡る時間分散が行われることになります。 (7)ファンド募集・背景事情およびリスク 当社グループにおける投資は、基本的にファンドの資金を使って行っております。当社ファンドの出資者は主に、運用を目的とする金融機関等の機関投資家層や、スタートアップとの接点を求める事業会社です。また、当社は当社グループが運営管理するファンドに一定の自己資金を出資することで、継続安定的にファンドを組成してリスクマネーを供給するという社会的使命を果たすとともに、キャピタルゲインの獲得機会としてきました。 また当社は、2022年12月に公表した「企業価値向上の基本方針」において、成長戦略の推進と資本効率の向上のため、新設ファンドサイズを対象マーケットにあわせて段階的に拡大させる一方で、当社の出資比率は段階的に低減させ、中長期的には新設ファンドへの当社出資比率を20%にすることとしています。 政治・経済・社会情勢その他ファンド募集に係る環境の悪化、ファンドパフォーマンスの低迷、ファンド条件や管理運営手法に対するファンド出資者ニーズとの乖離といった要因により、今後のファンド募集において想定通りに外部の出資者から十分な資金を集めることができない場合、投資活動に支障をきたす可能性があるほか管理報酬および成功報酬が減少し、また、想定通りに自己資金での出資ができない場合はキャピタルゲインが減少し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。・対応策 ファンド出資者に対しては、ファンドの運用状況、投資先企業の事業の状況等に関する定期的なレポートを送付するほか、出資者のニーズに応じて随時面談し、コミュニケーションを図っています。こうして、運用の透明性を確保するとともに、出資者が必要としている情報を提供することで、信頼関係の醸成に努めています。 また、当社はファンド募集と出資者対応を主な業務とするファンド運用専門の部門を有しています。投資先企業の製品・サービスの紹介や、セミナー等のイベント開催など多様な接点を通じて、ファンドの社会的意義、当社の投資活動やファンド運用に対する理解を深めてもらう機会をつくることで、潜在的なファンド出資者の開拓を継続して行っており、今後のファンドの募集に向けては、海外投資家や年金、投資信託など出資者層の拡大のための取り組みを推進しています。 主に日本国内でのベンチャー投資及びバイアウト投資を行う直近の基幹ファンド(ジャフコSV7シリーズ)における外部出資比率は80%、当社出資比率は20%となり、当初目標に対し前倒しで進捗しています。ファンド募集は、新規投資の組入期間に合わせて、3年半前後の周期で行うこととしており、「企業価値向上の基本方針」における中長期的目標の達成を目指し、新設ファンドサイズを対象マーケットにあわせて段階的に拡大させる一方で、当社の出資比率は段階的に低減させ、新設ファンドへの当社出資比率を20%にしていきます。 「企業価値向上の基本方針」における中長期的目標については、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)会社の対処すべき課題 3)中長期的目標」をご参照ください。 (8)情報の管理・背景事情およびリスク 世界的にサイバー攻撃の脅威が高まる中、今後、外部からの不正アクセス、役職員その他の関係者の悪意または過失による流出等といった事態により当社が保有する重要な情報が漏洩した場合は、損害賠償請求や社会的信用の低下等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。・対応策 当社グループでは、外部のセキュリティ専門コンサルタントによるシステムリスク評価を実施すること等により課題の把握と対策の推進に努めています。 サイバーセキュリティ対策としては、ファイアウォールの整備、マルウェア対策やデータ暗号化を実施・強化しております。また、当社グループが保有する取引先の重要な情報及び個人情報の管理については、情報管理規程、プライバシーポリシー及び各種社内規程等の制定、役職員への周知徹底、情報システムのセキュリティ強化等、情報管理体制の整備を行っております。加えてペーパーレス化を積極的に推進することで役職員が書類を社外に持ち出す機会を減らし、重要書類の紛失リスク低減を図っております。さらに、役職員に対し通達や研修等を通じて情報セキュリティに関する意識の涵養に努めております。 (9)法的規制・背景事情およびリスク 当社グループは、ファンドの運営管理、未上場株式投資を日本・アジア・米国を中心に行っており、その活動にあたっては日本及び各関係国の種々の法的規制(会社法・独占禁止法・租税法・金融商品取引法・投資事業有限責任組合契約に関する法律・外国為替管理法・マネロン対策関連・財務会計関連等)を受けることとなります。法的規制が及ぶことにより当社グループの活動が制限される場合及びこれら規制との関係で費用が増加する場合があり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。・対応策 当社グループでは、管理部門を中心とする関係部署が業務に係る法的規制の導入・改廃に関する情報収集と対応を行っております。 (10)法令違反等・背景事情およびリスク 当社グループでは、当社グループ及びその役職員が、投資活動における関連法規や各種の契約等への違反、ファンドの無限責任組合員又はゼネラルパートナーとしての善管注意義務違反、又は業務上の過誤や不祥事等により、投資先企業、ファンド出資者その他の第三者に損害を与えた場合は、当該損害に対する賠償責任を当社グループが負う可能性があります。さらに、こうした法令違反等による社会的信用の低下や監督当局の行政処分等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。・対応策 当社グループでのコンプライアンスに係る情報は、コンプライアンスへの取り組み全般を統括するコンプライアンス・オフィサーに集約されます。各部門の長が担当部門におけるコンプライアンス責任者として日常におけるコンプライアンスを推進し、統括部署としての管理部がその取り組みを支援・管理するとともに、内部監査部門がこうした状況を監査します。管理部門は法令等の制定・改廃に関する役職員への情報発信や、コンプライアンスに係る研修や勉強会を実施しています。万が一法令や社内規則等に抵触する事案や事務事故等が発生した場合は、コンプライアンス・オフィサーとコンプライアンス統括部署に情報集約した上で、当面の善後策の検討・実施と再発防止の徹底を図ります。 また当社は、法令違反、ハラスメントを含む人権侵害等のコンプライアンスに係る事項の通報制度を設けています。コンプライアンス・オフィサー、管理部門および独立社外取締役を通報窓口とする内部窓口に加え、当事業年度には顧問関係などにない独立性の高い社外法律事務所の弁護士による外部窓口を新たに設けました。これに加え、本制度の利用対象者の拡大を行い、当社の役職員だけでなく、採用内定者、投資先・投資検討先、お客様、取引先など、当社の業務に関係するすべての方が、本制度を利用可能とし、対応を強化しています。 (11)役員派遣・背景事情およびリスク 当社グループは、投資先企業の価値向上のため、役職員を投資先企業の役員として派遣することがあります。しかし、その役職員個人に対し役員損害賠償請求等があった場合、当社グループによるその個人に生じた経済的損失の全部又は一部の負担、当社グループの使用者責任や社会的信用の低下等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。・対応策 投資先企業において可能な範囲で会社役員賠償責任保険(D&O保険)の付保や責任限定契約を締結するとともに、当社加入のD&O保険では役員派遣されている役職員も補償対象に加えております。 (12)有能な人材の確保や育成・背景事情およびリスク 当社グループの将来の成長と成功は、その事業の特性上有能なベンチャーキャピタリスト等の人材に大きく依存します。採用における競争環境の激化等により有能な人材を確保できなかった場合には、当社グループの将来の成長、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、有能な人材を確保・育成し定着させるためには費用が増加する場合があり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。・対応策 当社では、多様なバックグラウンドがある優秀な人材の確保やリテンション、社員に対する処遇の適正化・モチベーションの維持向上を実現していくこと等を目的として、2024年1月に人事制度の改定を行い、当事業年度より適用を開始しました。評価グレード毎の期待役割をより明確にし、成果連動報酬の上限引上げ等により成果に報いる設計とし、また、当社の強みである組織力・カルチャーの維持・発展のため、当社のバリューを軸とした行動評価指標も新たに加えた制度となります。 加えて、継続的に行ってきた新卒採用と、積極的な中途採用活動により人材を獲得し、若手職員についてはインストラクターやメンターとして任命した役職員がサポートするなど、OJTを中心にその育成に取り組んでいます。2018年3月よりパートナーシップモデルを導入し、実績ある個人(パートナー)が投資運用の重要な意思決定を行い、ファンドパフォーマンスにコミットするとともに、ファンドの運用成果を個人が享受できる仕組みとしました。あわせて、投資の成果に対する直接・間接の貢献に応じ、職員が成果配分を受ける制度を設けています。また、フルフレックスタイム制、オフィスのフリーアドレスやリモートワークの推進、副業を推奨するなど柔軟性が高いワークスタイルを導入するとともに、職員の健康面や人事制度面においても各種施策に取り組んでおります。さらに、当社グループの強みを継続させるためカルチャーの醸成・浸透を図り、職員一人ひとりが高いパフォーマンスを発揮できるよう取り組んでおります。こうした制度・施策を実施することで、多様なかつ優秀な人材の確保・育成に努めております。 (13)感染症や自然災害の影響・背景事情およびリスク 新たな感染症の出現・拡大等により、売上減少や資金調達難という影響を受ける投資先企業が再び増える場合は、当社グループで投資損失引当金を繰入れるケースが増加するリスクや、投資先企業のIPO、 M&AなどのEXITが低迷するリスクがあります。 また、感染症の流行のほか、地震・台風等の自然災害やテロ活動等により人的・物的損害やシステム障害といった事象が発生し、当社や投資先企業等の事業活動に制約が生じる可能性があります。当社では事業の継続のため情報システムのクラウド化などの措置を図っていますが、こうした事態がファンドのパフォーマンスに影響し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。・対応策 当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の拡大に対し、役職員や顧客等の健康と安全を最優先して感染拡大防止を図るとともに、投資先企業の資金調達、コスト削減、収益計画の抜本的見直し等に、投資先の経営陣らとともに取り組みました。当該知見を活かし、今後の新たな感染症の出現・拡大等が発生した場合も同様に対応を行うことでリスク低減を図ります。 (14)ESG関連・背景事情およびリスク 企業経営や投資活動においてESGやサステナビリティの観点が重要視され、当社においても継続的に取り組んでいくことが求められています。 当社におけるサステナビリティ実現への取り組み、ひいては当社のESG関連リスクへの対応が脆弱であると認識された場合、また、こうした取り組みへの開示が十分でないとみなされた場合は、当社のステークホルダーからの支持が得られずに、ファンド募集や投資活動、人的資本の確保に悪影響を及ぼし、当社グループの企業価値の毀損、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。・対応策 「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。

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