事業等のリスク
あおぞら銀行グループは、経済環境の悪化や地政学的リスクの高まりによる与信費用の増加、保有有価証券の評価損益悪化、調達環境の不安定化をトップリスクと認識しています。また、サイバー攻撃やシステム障害、大規模災害の発生も事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。社会構造や産業構造の変化への対応遅れによる競争力低下、金融犯罪や内部不正の発生、そしてビジネス環境の変化に対応できる人材の不足・流出も重要なリスクとして挙げられます。
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FY2025|27,071 文字
3【事業等のリスク】 当行及び当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクは以下のとおりです。まず、トップリスク(今後1年間で経営上重大な影響があるリスク)について記載し、その後に主要な個別リスクについて記載しております。 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当行及び当行グループが判断したものです。当行グループはこれらリスクの発生の可能性を認識したうえで、それぞれのリスクの発生の回避及び発生した場合への対応に努めております。リスク管理については、マネジメントコミッティー及びALM委員会、統合リスクコミッティー、クレジットコミッティー、投資委員会、CAPEX委員会、顧客保護委員会、サステナビリティ委員会等により遂行され、定期的に取締役会に報告されております。 <トップリスク> 2025年度の業務運営において、当行グループを取り巻く環境が与える多くのリスクファクターのうち、以下の項目を当行グループのトップリスクとして認識しております。 当行グループは、トップリスクに対して予め対策を講じ、リスクが顕在化した場合には機動的に対応しコントロールが可能な範囲にリスクを制御しております。また、当行グループは、トップリスクを踏まえてリスクアペタイトや業務運営計画策定の議論を行い、リスク管理の高度化に取り組んでおります。 トップリスク項目上段:主なリスク要因下段:主な対応策与信費用の増加米国の相互関税をはじめとする政治リスク・地政学的リスクの高まりによる経済環境の悪化、各国中央銀行における金融政策のタイミングのズレによるインフレ加速や景気悪化、気候変動を含む経営環境変化への対応の遅れ、並びに人権尊重への対応が不十分な投融資先の企業価値低下選別的な良質案件の取上げ及び与信リスク回避のための各種方針・ガイドラインの設定、ストレステストを含めた資本コントロール、並びにサステナブルファイナンス等を通じた投融資先のサステナビリティの取組み支援保有有価証券の評価損益の悪化米国の相互関税をはじめとする政治リスク・地政学的リスクの高まりや各国中央銀行における金融政策のタイミングのズレによるインフレ加速や景気悪化、金利・株価・為替の急変動による経済環境悪化金利・株・クレジットに分散を図った効率的で流動性の高いポートフォリオの構築による、市場動向・金融環境を踏まえた機動的なリスクコントロールの実施調達の不安定化各国中央銀行における金融政策のタイミングのズレによるインフレ加速や景気悪化、預金獲得競争の激化、金利・株価・為替の急変動や金融市場の混乱による調達環境悪化調達環境の変調を早期に把握するための、多様な観点での早期警戒指標による予兆管理や、流動性ストレステストによるモニタリング・検証サイバー攻撃、システム障害等の危機発生サイバー攻撃、重大なシステム障害等(サードパーティを含む)の影響による、当行グループの業務の一部もしくは全体への深刻な影響サイバー攻撃に関する役職員全員の知識向上、技術的対策の進化、検知能力強化、ビジネス部門を含めた復旧訓練の実施大規模災害等の危機発生自然災害、テロ、武力攻撃、パンデミック等の影響による、当行グループの業務の一部もしくは全体への深刻な影響大規模災害発生に備えた、危機管理体制、業務継続計画(BCP)の整備や、定期的な訓練実施と役職員の啓蒙による、危機対応力の強化、実効性確保 トップリスク項目上段:主なリスク要因下段:主な対応策社会構造・産業構造の変化に伴う競争力の低下世界的な産業構造の転換や急速なデジタル技術の進展等環境変化への対応の遅れによる成長機会の逸失、当行のESG対応への低い外部評価による調達環境の悪化やファイナンス機会の逸失ビジネスの現場でデータや情報を利活用できる人材(DX人材)の育成や、当行グループ全体でのビジネス及び事業者としてのサステナビリティの取組みの加速金融犯罪への対応不備、内部不正や不祥事の発生犯罪行為による顧客への損失発生やマネー・ローンダリング等の金融犯罪対策その他外為法上の経済制裁措置への対応や反社会的勢力排除態勢の不備高い倫理観の醸成並びにコンプライアンス・プログラムの実施及び、不正行為の未然防止、早期発見のための3線体制フレームワークの高度化と実効性向上人材リソースのサステナビリティビジネス環境の変化に対応できる人材や注力ビジネスに必要なスキルセットを有する人材の不足・流出持続的成長と企業価値向上につながる人的資本投資の継続、及び戦略的な人事異動・登用や外部採用による注力分野への人材リソースのシフト <主要な個別リスク> 1.事業戦略におけるリスク(1)事業戦略の推進に伴うリスク 当行グループは、経営資源の効率的な管理活用と健全なリスクテイクを通じ、持続的かつ安定的な収益を積み上げ、自己資本充実と企業成長を図り、「新たな金融の付加価値を創造し、社会の発展に貢献する」という当行グループの経営理念実現に向けて、各業務を遂行してまいります。しかしながら、このような事業戦略の推進に際しては、以下のようなリスクがあります。・今後注力していく事業分野において、想定通りに業績を伸ばすことができるとは限りません。・戦略の遂行に伴う経営資源の配分の見直し等が成功するとは限りません。・業務の推進においては、実務を遂行する人材を確保する必要がありますが、必要な人材を十分に確保できるとは限りません。・国内外の地震や台風等の自然災害やテロ・犯罪等の発生により、各業務において十分な事業活動が行えるとは限りません。・国内の経済状況が悪化した場合、あるいは、金融市場の著しい変動等が生じた場合、想定通りに業績を伸ばすことができるとは限りません。・ウクライナや中東での紛争による影響深刻化、あるいは、これら地域以外での武力衝突リスクが国際政治の不安定化等により顕在化すれば、事業環境が大きく悪化し、想定通りに業績を伸ばすことができるとは限りません。・米国トランプ政権による政策に伴い、国内外の経済状況や金融市場その他著しい環境変化等が生じた場合、想定通りに業績を伸ばすことができるとは限りません。 (2)事業法人のお客さまとの取引の推進におけるリスク 当行グループは、投資銀行ビジネスに引続き重点的にリソースを配分してまいります。事業法人のお客さまの事業再編や事業再生ニーズ、サステナビリティへの取組に対し、お客さまの事業を深く理解したうえで、通常の貸出取引のみならず、資本性資金やサステナブルファイナンスなど、お客さまのニーズに沿ったデットからエクイティに至る適切なファイナンスの提供等、信用供与の円滑化に努めております。また、それぞれのお客さまのニーズに応じて、オーダーメイド型で付加価値の高い金融ソリューションの提供を通じ、引き続き顧客基盤の拡充に注力してまいります。しかしながら、当行グループがこうした事業金融の推進を行うにあたっては以下のようなリスクがあります。・地政学リスクの顕在化の影響が、一部のお取引先の事業活動や信用状態に悪影響を与え、当行グループの収益力の低下及び与信費用の増加につながり当行グループの財務状況にも影響を与える可能性があります。・インフレの昂進や、それに伴う金融政策の変更が、一部のお取引先の事業活動や信用状態に悪影響を与え、当行グループの収益力の低下及び与信費用の増加につながり当行グループの財務状況にも影響を与える可能性があります。・当行グループの基準に見合う顧客層との取引が期待通りに拡充できるとは限らず、当行グループが目指す資産の質、収益が確保できない可能性があります。・当行グループは、法人顧客基盤が国内大手銀行グループよりも小さく、また営業拠点数、営業人員数も少ないことから新規の顧客獲得等に限界がある可能性があります。・我が国においては、オーバーバンキングによる厳しい競争環境が続いております。当行グループは、継続的な付加価値の提供を通じたお客さまとの信頼関係構築により付帯取引を獲得し、総合的な収益性の確保に努めておりますが、個別の貸出においては、信用リスクや格付に応じた利鞘より低い水準で貸出を行うことがあります。・国内外における経済環境の悪化が生じた場合、あるいは、金融市場の著しい変動等が生じた場合には、当行グループを取り巻く環境や将来の業績に悪影響を与える可能性があります。また、そのような局面においては、管理回収等の強化に伴う人的リソースの配分等により、注力分野の活動に制約が生じる可能性があります。 (3)個人顧客向けビジネスの拡充に伴うリスク 当行グループは、様々な金融商品の提案等を通して、お客さまの中長期な資産形成をお手伝いさせていただいております。加えて、スマートフォンアプリを軸としたマネーサービス「BANK」を中心にスマートフォンやインターネット等を利用した非対面取引機能を拡充し、現役世代のお客さまへのアプローチを強化しております。 資金調達の面では、2025年3月末の個人のお客さまからの調達について、個人預金残高は3.2兆円(前期末対比90%)、コア調達(預金・譲渡性預金及び社債)に占める割合は57%程度、となっており、引き続き安定的な資金調達の面でも当行グループの中核を担っております。 当行グループは、お客さま本位の業務運営の実践に基づく資産運用コンサルティングを提供しております。また、財産承継、事業承継等の多様なニーズに対して、当行グループ一体となった付加価値の高いサービスを提供するとともに、「BANK」アプリを通じた金融サービスの提供により、すべてのお客さまが時間や場所にとらわれずにお取引ができ、希望する店舗でコンサルティングが受けられる営業体制を実現してまいります。加えて、個人のお客さま、及び個人のお客さまが所有する中小企業の多様なニーズに対し、事業承継、M&A、不動産関連サービス等、当行グループ全体で課題解決のサービス提供を行ってまいります。しかしながら、以下のとおり、当行グループが個人顧客向けビジネス拡充の計画を成功裡に達成できない可能性があります。・当行グループは、当行グループ内の配置転換や外部採用等を通じて、また人材開発プログラムの導入や顧客視点の評価制度の導入等を通じて、コンサルティング力の強化に努めていく方針ですが、当該業務に精通した営業員の確保が想定を下回ることで適切な人員配置ができないことや、人材開発プログラムの導入や新しい評価制度の導入をすることが必ずしもコンサルティング力の強化に結びつかない可能性があります。・個人のお客さま、及び個人のお客さまが所有する企業向けのサービスラインナップを拡充しても、他金融機関のサービスとの差別化が難しく、また、他金融機関より相対的に支店数が少ないため、十分な課題解決のサービスを提供できず、収益の拡大に結びつかない可能性があります。・当行グループは、競合他金融機関と比較して支店数が少なく、またインターネットバンキング展開においても後発であり、顧客基盤も相対的に小さいことから、新規顧客の獲得やあおぞらブランドの確立が容易ではない可能性があります。・個人顧客向けビジネスの拡充には、顧客ニーズに応じたサービスラインナップの充実が不可欠であり、顧客へのマーケティングやサービスラインナップの選定等に多大な時間を要する可能性があります。・当行グループが提供する商品・サービスの種類・条件について、他金融機関との差別化が難しくなるほか、他の種類の投資商品との競争が厳しくなることなどにより、必ずしも預かり資産の量の拡大、収益の拡大に結びつかない可能性があります。 上記のような事情から個人顧客向けビジネスが拡充できない場合、収益源及び資金調達源の多様化が十分に実現できず、当行グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)海外業務に関連するリスク 当行グループの海外投融資は、為替動向、外貨調達環境に引き続き留意し、エクスポージャーコントロールに努めるとともに、以下の点に留意した業務運営を行います。・北米向けを中心とする海外コーポレートローンは、機動的なリバランスを継続し、ポートフォリオの分散と質の維持を図ります。・海外の不動産ノンリコースローンは、対象地域の不動産市況を注視しつつ、米国オフィスのワークアウト案件の極大回収を推進してまいります。 また、加えて、2020年1月に資本・業務提携を締結したベトナムの中堅商業銀行Orient Commercial Joint Stock Bank(以下、「OCB Bank」)を通じて東南アジアの成長を取り込むとともに、OCB Bankの長期的な戦略パートナーとして、よりユニークで専門性の高い金融サービスを日本とベトナム双方のお客さまに提供していきます。 当行グループが海外業務を展開するにあたり、リスク管理体制として、北米、アジア、欧州の各現地拠点と東京が連携したグローバルでシームレスなモニタリング態勢を強化しておりますが、当行グループにおける海外業務の遂行については、以下のリスクや課題があります。・ウクライナや中東での紛争による影響深刻化、あるいは、これら地域以外での武力衝突リスクが国際政治の不安定化等により顕在化することで、社会的、政治的、経済的な環境の変化や各国の税制、金融政策及び規制環境の相違に起因する金融の安定性全般に渡るリスク。・金利及び為替変動に関連する取引にかかるリスク。・商品ノウハウと各々の市場に対する知識等を有する人材を確保できないリスク。・投融資先の政治経済状況の変化、法制度等の変更によって、投融資の回収が困難となるリスク。・現地における政治経済状況、法制、規制あるいは税制等に関する情報の入手が遅れる等、質・量の両面で国内貸出と同水準の情報収集を維持することに支障が生じるリスク。・外貨調達に困難が生じた際の外貨資金繰りに関するリスク。・米国トランプ政権による政策に伴う、国内外の政治経済状況や金融市場その他著しい環境変化等が生じるリスク。 なお、海外の不動産ノンリコースローンについては、「2.信用リスク(2)特定先及び特定業種への集中リスク」をあわせてご参照ください。 (5)地域金融機関が重要な顧客基盤であること 当行グループは、これまで多くの地域金融機関に対して、資金運用やリスク管理のニーズに応じた金融商品の提供、地域金融機関の取引先である中小企業への共同支援や地域企業再生支援、地域金融機関の個人のお客さまに対する預り資産ビジネスの支援等、多様な商品・サービスを提供してきております。当行グループは、かかる取引関係において、差別化の源泉である「ワンストップでの対応力」、「地方拠点における機動力・情報収集力」を活かし、同業他社との競争上優位性を確保してまいります。同時に、地域銀行へのエンゲージメントを強化させ、経営層との定期的な情報交換を通じ関係を一層強化し、引き続き地域金融機関の「戦略パートナー」として、地域金融機関のネットワークを当行グループ共通のプラットフォームとして、当行グループが強みを有するソリューションを提供し、相互に機能補完する独自のビジネスモデルの展開を目指していく方針です。しかしながら、かかるビジネスモデルが有効に機能する保証はなく、また、金融環境の変化や当行グループの財政状態、経営成績を起因とした信用力の低下その他の要因により、今後この分野における競争力を失った場合には、地域金融機関との取引の規模及び収益の成長が鈍化し、更には縮小する可能性があります。 (6)先進的な商品とサービスの投入 当行グループの戦略は、すべての商品分野において他金融機関と競合することではなく、他金融機関にはない差別化された先進的な商品・サービスを開発し、投入することにより、事業法人のお客さま向けの業務や地域金融機関との協働によるビジネスを拡大し、収益を獲得していくこととしております。また、デリバティブ取引やリスク管理といった分野での先進的なノウハウを活用した商品・サービスにも力を入れており、地域金融機関の運用ニーズに対応したデリバティブ内蔵型の各種預金商品のほか、個人のお客さま向けにはノーロード投資信託・ESGを考慮した投資信託等の金融商品を提供しております。当行グループは、従来から、お客さまのニーズに合わせた独自の商品性を持った商品・サービスの投入により、一定の成果を上げているものと考えております。 しかしながら、将来投入される商品・サービスが同じようにお客さまから認知され、お客さまの支持を得ることができる保証はありません。また、競合他金融機関が、当行グループと同様の顧客層をターゲットに、当行グループと同様の商品・サービスの提供を開始すること、また、その他競合する投資商品の出現等を要因とする競争の激化により、当行グループの商品の先進性・独自性が失われ、収益性が低下するおそれがありますが、その際に、当行グループが競争力の低下した商品・サービスに替わる新たな商品・サービスを継続的に供給し続けられるという保証はありません。 また、かかる先進的な商品・サービスの導入は、当行グループにとって、当行グループが経験したことのない又は経験の少ないリスクや課題をもたらす可能性があります。加えて、かかる先進的な商品・サービスへの過度な集中や依存は、当該商品・サービスの状況により、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7)業務・資本提携等アライアンス推進に伴うリスク 当行グループは、長期的な視野における企業価値向上のため、国内外において成長性の高い市場を見極め、戦略的な提携や合併・買収等様々な方策の検討を行っていく方針です。銀行の業務範囲規制緩和等、事業領域拡大の機会を積極的に探り、当行グループの成長につながるビジネス機会を単独又は事業パートナーと協力して開発し、戦略投資を実施してまいります。しかしながら、資本業務提携契約その他の提携や合併・買収等が収益の拡大・企業価値の増大に寄与するという保証はありません。 合併や買収等の場合、統合作業の過程において一時費用が発生しますが、企図した統合成果が上がらず、結果として、検討又は統合等に要した費用、投資資金を回収できない可能性があります。また、提携についても、国内外における経済環境の変化等により、企図した効果があがらない可能性があります。更に、当行グループは提携業務の推進、買収事業の統合・展開において中核となるべき人材の確保等の問題に直面する可能性があります。加えて、そうした場合における通常の営業における人員確保や営業アクティビティの低下等の問題に直面する可能性もあります。 (8)子会社・関連会社の業務に関するリスク 当行グループは子会社において銀行業務、金融商品取引業務、投資運用業務、投資助言業務、M&Aアドバイザリー業務、ベンチャーキャピタル業務等の金融サービスに係る事業や債権管理回収業務を行っており、これら子会社の業務の中には、伝統的な銀行業とはリスクの種類や程度の異なる業務も含まれております。例えば、GMOあおぞらネット銀行が営むインターネット銀行事業は、当行グループが従来営んできた銀行業に係るものとは異なる種類や程度のリスクを含んでおり、またOCB Bankの業績はベトナムや東南アジアの経済動向に大きく影響を受けます。当行グループは、こうした業務に伴って発生する種々のリスクについても適切に管理する体制を整備するよう努めておりますが、当行グループの想定を超えるリスクが顕在化すること等により、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 また、既存の子会社、あるいは今後新規に投資を行う会社について、各社の事業が想定通り伸長しなかった場合には、投資を回収できない可能性があり、また、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 GMOあおぞらネット銀行は、2024年度に創業以来はじめて、年間の業務純益で黒字化を達成いたしました。黒字の定着及び黒字幅拡大のため、引き続き当行グループ全体で当社の成長に向けたサポートを行ってまいります。なお、2024年9月30日に同社において振込処理遅延と誤送金が発生しました。再発防止策として、プログラムの修正、処理ロジックの変更等による処理速度向上を行い、以降同様の事象の再発はしておりません。しかしながら、今後もシステム動作不良その他理由などによるシステム障害が発生した場合には、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 また、2026年4月にあおぞら投信及びあおぞら証券の統合を予定しております。これにより効率化を見込みますが、新会社による第一種金融商品取引業の免許取得等、統合の過程における手続きの進捗状況により、統合スケジュールに影響を及ぼすおそれがあります。 2.信用リスク(1)不良債権残高及び与信関連費用の増加 当行グループは、個別の与信先について信用状態を継続的にモニタリングするとともに、信用状態の悪化が懸念される場合には貸出金の劣化に対する予防策を講じるよう努めておりますが、以下のような要因により、当行グループの不良債権残高や与信関連費用が増加する可能性があります。・当行グループの予想以上に内外経済が悪化した場合。・債務者が属する特定の産業の状況が悪化した場合。・債務者の個別事情により、債務者の業績が当行グループの予想を下回った場合、あるいは、不測の事態により債務者の業績が悪化した場合。・当行グループの予想以上に、債務者の経営再建計画が成功裡に実行されず信用リスクが高まる場合や、あるいは、金融機関による支援の打ち切り等により再建中止が余儀なくされる場合。・当行グループの予想を上回る内外の不動産市況の悪化等により裏付資産の価値が下落し、債務者の信用力が低下した場合。・脱炭素や人権配慮に関して対応が遅れた債務者の信用力が低下した場合。・感染症のパンデミック等の影響により、債務者の業績が悪化した場合。・米国トランプ政権による政策に伴い、国内外の政治経済状況や金融市場に著しい変化が生じ、その影響により債務者の業績が悪化した場合。 (2)特定先及び特定業種への集中リスク 当行グループの大口債務者上位10先に対する貸出金は、2025年3月末時点の貸出金残高の約20%を占めており、大口債務者による債務不履行があった場合、又は大口債務者の一部若しくは複数との関係に重大な変化が生じた場合には、当行グループの業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 当行グループの国内及び海外の不動産業に対する貸出(不動産ノンリコースローンを除く)は、2025年3月末現在、貸出全体の約8%を占めています。また、その他の業種に対する貸出で、不動産担保により保全されているものもあります。そのため、当行グループの貸出は、不動産市況の悪化や不動産業界全体が低迷した場合には、不動産業界の債務者の信用力の悪化や、不動産で担保されている保全額の減少から、追加的な引当金が必要となったり、追加的なコストが発生する場合があります。 当行グループの国内及び海外の不動産ノンリコースローンは、2025年3月末現在、貸出全体の約18%を占めております。不動産ノンリコースローンは、債務者の信用力ではなく、特定の不動産及び当該不動産から生じるキャッシュ・フローのみを返済原資として債務の履行が担保されるもので、当行グループは、不動産賃料、空室率及び地価等のキャッシュ・フローに影響を及ぼす主なリスク要因等をモニタリングすることにより、リスク管理を行っております。しかしながら、不動産市況の悪化、具体的には金利の上昇やオフィスにおける空室率の上昇、売買市場の冷え込み等により、対象不動産からのキャッシュ・フローが当行グループの予想を超えて悪影響を受ける場合には、当行グループの業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。米国オフィス案件にかかる不動産ノンリコースローン市況については、不動産売買は取引活発化の兆候が見られるものの、アフターコロナでの働き方の変化を踏まえ、慎重な見通しを維持しております。価格改善が見込めない案件のワークアウト(物件処分による債権回収等)については、これまでの経験を活かし、選別的に回収率の改善を優先した対応・交渉を行うとともに、今後のワークアウトに備えた貸倒引当金を計上し、今後損失が発生するリスクを低減させております。しかしながら、不動産市況の悪化や市況の回復の遅れなどにより、更なる貸倒引当金の計上や損失が発生する可能性があります。 (3)貸倒引当金が不十分となるリスク 当行グループは、過去の債務不履行発生状況、与信先の財務状況及び保有する担保の価値並びに景気動向に対する前提及び見通し等に基づいて貸倒引当金を計上しております。特に、今後の管理に注意を要する大口の与信先等については、経済環境の悪化により貸倒費用が増加する可能性も勘案し、債務者区分遷移シナリオや元本・利息の回収について一定の前提を置いてキャッシュ・フロー見積法等により算定した貸倒引当金を追加的に計上する等、十分な水準の貸倒引当金を計上しております。しかしながら、当行グループの想定を超えて経済環境が悪化する等、当行グループの前提及び見通しを変更する必要が生じた場合、当行グループの与信先の財務状況が当行グループの想定を超えて悪化した場合、当行グループが保有する担保の価値が下落した場合、あるいは、その他の要因により予想を超えて当行グループに悪影響が及んだ場合、当行グループは貸倒引当金を増加させる必要が生じる可能性があります。 (4)海外向けエクスポージャーに関するリスク 当行グループの貸出金全体に占める海外向け貸出(最終リスク国が日本以外、連結ベース)の割合は、2025年3月末においては約31%になっております。海外向け貸出の地域別状況については、北米向け貸出が約87%を占めており、残りはアジア向け及び欧州向けとなっております。ロシア及びウクライナ向けの貸出はありません。当行グループは国・地域別のガイドラインを設定するとともに、機動的な債権売却の実施等により、エクスポージャーをコントロールしております。 海外において、金融市場の混乱や市場環境・経済環境の悪化等により、国、地域、債務者が債務不履行等になった場合、当行グループが保有するソブリンを含む海外向けエクスポージャーに悪影響が及び、与信関連費用の増加の可能性、当行グループの業績及び財政状態の悪化の可能性があります。 上記の海外向け貸出については、「2.信用リスク(2)特定先及び特定業種への集中リスク」をあわせてご参照ください。 (5)ローン債権等に対する投資に関連するリスク 当行グループは、債権売買取引及び証券化ビジネスにおいて、事業法人向けローン、住宅ローン、売掛債権、リース債権、不良債権及び仕組商品を含む様々な資産の取得・回収・売却等を行っております。こうした業務は本質的に環境に左右されやすい性質を有しており、市場規模や環境等の変化により当行グループ保有資産の価値や信用力が低下した場合、当行グループの業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。 (6)エクイティ投資の推進に伴うリスク 当行グループは、PEファンド投資、不動産ファンド投資、環境インフラ投資、事業法人・金融法人への株式投資(エンゲージメント投資)等を含む様々な形態のエクイティ投資を行っております。これら投資については年度毎に投資計画を策定し、全体及びアセット種別毎の投資残高をコントロールするとともに、個別案件毎の定期的なモニタリングを実施しております。また投資環境に応じて投資計画を随時見直すことによりリスクを抑制することを目指しております。 しかしながら、こうした業務は、投資先の経営成績その他の財務状況の他、国内外の政治状況、経済状況、株式市況、不動産市況等環境の変化に左右されやすい性質を有しており、また、当行グループの採るリスクの抑制策が功を奏するとは限りません。このため、これら市況・環境の変化や投資先の財務状況の悪化により、当行グループの業績及び財政状況に悪影響が及ぶ可能性があります。 3.市場リスク(1)トレーディング及び投資業務における市場リスク 当行グループは、国内及び海外の債券、ファンド、デリバティブ取引を含む多様な金融商品への投資・運用及びトレーディングを行っております。こうした業務からの収益は、金利・為替レート・債券価格・株価の変動、ボラティリティの変動、各種資産間の相関状況の変化等により影響を受けます。一例をあげれば、金利の上昇は、一般的に当行グループの債券ポートフォリオの価値に対して悪影響をもたらすこととなります。更に、当行グループが保有している国債その他債券について信用格付が格下げされた場合や債務不履行となった場合、また、これらの流動性が著しく低下してポジション調整が困難な場合には、当行グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。 当行グループは、こうした業務において、自らの体力に見合った健全なリスクテイクを逸脱せぬよう、例えば、損失を限定するためのロスカット・ルールを設定する等、管理体制の整備に努めております。しかしながら、市場がストレス環境にあるような状況では、ポジションを思うように縮小することが出来ず、損失を想定した範囲に限定することが出来なくなる場合があります。また、金融政策の変化や米国トランプ政権による政策を含むその他の要因により、市場が当行グループの予想を超えて変動した場合、当行グループは予測を超えた損失を被る可能性があります。 (2)金利変動によるリスク貸出金、有価証券等の有利子資産による資金運用収益と、預金、社債等の有利子負債にかかる資金調達費用との差額である資金利益は、当行グループの収益の大きな割合を占めます。有利子資産と有利子負債では満期や金利設定条件等が異なるため、金利の変動により、当行グループの収益性が悪影響を受ける可能性があります。また、金利が上昇した場合には、貸出金への需要が低下する可能性があるほか、借入に係る金利負担の増加により債務者の業績や財政状態が悪化し、不良債権が増加することで当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当行グループが保有する有価証券のうち、2022年度の欧米金利上昇局面以前に取得し中長期的に含み損の処理を行う方針としたものについては基本的に実質リスク残高をゼロとするため、デリバティブやベアファンドを活用した金利リスク削減オペレーションを実施する等の対策を講じております。しかしながら、金利リスク削減オペレーション等が有効に機能せず、リスク管理が十分に効果的なものとはならない可能性があります。日本銀行は、2%の「物価安定の目標」が持続的・安定的に実現していく見通しが高まったとして2024年7月及び2025年1月の金融政策決定会合において政策金利の利上げを実施しました。他方、米国においてはインフレ圧力の緩和等を背景にFRB(米連邦準備理事会)は2024年9月から3度にわたり政策金利の利下げを実施しました。今後、各国中央銀行の政策変更や米国トランプ政権による政策を含むその他の外的要因により、仮に重大な又は予期しない金利変動が生じた場合には、当行グループの業績及び財政状態に更なる悪影響が及ぶ可能性があります。 4.流動性リスク(1)資金流動性リスク 当行グループの調達資金はスマートフォンアプリを軸としたマネーサービス「BANK」を中心とする流動性預金、順次満期を迎える定期預金や社債であり、当行グループは、継続的に預金を受け入れ、社債を発行し、既存債務の借換を行い、一定割合を短期資金で調達する必要があります。当行グループは、十分な手元資金や流動性の高い有価証券等の確保や資金調達手段の分散・多様化、顧客預金の小口分散化、外貨調達における為替先渡取引の取引枠設定に加え、外貨調達先の拡大を図る等、資金調達の長期化並びに安定性の確保・向上に継続して努めておりますが、流動性リスクを完全に回避することはできません。SNS等を通じた情報伝達スピードが加速する中、当行グループの風評が流布され、また、その他当行グループに対する評価が悪化した場合等、インターネットバンキングで手軽に預金の解約や送金が可能であることにより、想定を上回る規模・スピードでの急速な預金流出が発生する可能性があります。その場合、当行グループが許容できる条件で十分な資金を調達できるという保証はなく、また、決済に必要な追加担保の差入れ等資金負担の増加が生じる可能性があり、再調達が首尾よくいかない場合には、当行グループの業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。また、当行グループの業績又は財政状態の悪化、自己資本比率の低下、信用の低下、格付機関による格下げ等のほか、外貨資金調達における制約、金利環境の著しい変化、景気動向の悪化や金融システム全般の不安定化等により、当行グループが、営業上許容できる水準の利率で預金を獲得できない場合や当行グループの流動性が制限される場合があります。その場合当行グループは必要な資金を確保するため、より高い資金コストを負担し、あるいは、資産を圧縮する等の対策をとる必要が生じ、業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。 また、当行グループを含む国内基準行に対しては、2017年4月末より流動性カバレッジ比率等の銀行法第24条に基づくモニタリングが開始されております。将来的にこうした枠組みの内容に何らかの変更があった場合、当行グループの調達構造に影響が及ぶ可能性があります。 (2)市場流動性リスク 当行グループは、市場で取引される様々な資産やデリバティブを保有しておりますが、市場の混乱や取引の厚みの不足等により、市場での取引を行うことができない、又は、著しく不利な価格での取引を余儀無くされることにより、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 5.オペレーショナル・リスク(1)リスク管理体制 当行グループの業務の遂行には、オペレーショナル・リスクが伴っております。オペレーショナル・リスクは、不適切な内部処理、役職員の過失や不正行為、システムの障害及びその他の外部で発生する事象等、様々な形で顕在化する可能性があります。また当行グループの業務においては法律・規制に関するリスクも存在します。当行グループは、オペレーショナル・リスクについても必要なデータやリスクの顕在化事象を把握し、アセスメントを実施してリスクを特定、評価し、リスクをモニタリング、削減、コントロールする適切なリスク管理体制の整備に努めております。しかしながら、結果的にこの体制が有効に機能せず、リスク管理が十分に効果的なものとはならない可能性があります。業務分野の拡大、新規分野の取組や環境変化等に応じた適切なリスク管理体制を構築できず、当行グループが予想外の損失を被る可能性があります。(2)システム障害リスク 当行グループは、お客さまにサービスを提供し、業務を遂行するために様々な情報システムを運営しております。これらの情報システムの安定的な稼動を確保するため、複数年度のIT投資計画に沿って、新規・更新投資や機器等の保守を実施しております。各情報システムの重要性等に応じたバックアップの取得や機器・回線の二重化等の対策を講じるとともに、システム変更・移行時は十分な事前検証を行い障害発生の予防を図っております。不測の事態に備え、コンティンジェンシープランの整備やシステム復旧などシステム障害時の対策を定め訓練を実施しております。また、当行グループは、勘定系システムであるBeSTAcloud(株式会社NTTデータが運営する基幹勘定系システムアウトソーシングサービス)など重要なシステムの運営を外部に委託していることから、運用管理状況を月次・年次で点検するとともに障害発生時には対処内容を検証するなど委託先管理に努めております。また、当行グループ外の第三者(サードパーティ)とのシステムを介した取引や結びつきの拡大に関して、サードパーティへの攻撃によって情報漏洩や、これらが担うサービスの停止の影響が発生する危険性が増しているとの認識の下、かかる事態の発生を防ぐため、サードパーティへの管理態勢の整備に努めております。 しかしながら、これらの対策や検証作業が十分であるという保証はなく、また、情報システムの新規開発や改修・保守作業における人為的な過失、事故等によりシステム障害が発生し、場合によっては情報システムが適切に稼動しないリスク、内部統制の維持や会計帳簿及び財務諸表の作成に関して問題が発生するリスクがあります。 また、当行グループは、地震等の自然災害や大規模な停電その他の事故等により、当行グループが使用する情報システムを収容するデータセンターが正常に稼動できなくなる場合に備えて、データセンターの二重化にも取り組んでおります。BeSTAcloudは、現用システムを愛知県名古屋市に設置されたデータセンターに、災害対策用のコンピュータ機器を福岡県福岡市に設置されたデータセンターにそれぞれ収容し、遠隔地の2センター体制としており、ビジネス部門、IT部門、委託先が参加した災対切替訓練を行っております。インターネットバンキング、デビットカード、ホームページなど、お客さま向けサービスに重要なシステムも遠隔地にバックアップセンターを設けております。上記以外の情報システムについては、メインセンターを東京都府中市に、バックアップセンターを東京都千代田区に設置し、重要な情報システムに係る機器等の二重化を実施しております。しかしながら、遠隔地のセンターに直接的な被害がなくても、バックアップセンターとの通信経路が確保できずバックアップ機能が十分に確保できないリスクがあります。また、首都圏で地震が発生した場合、メインセンターとバックアップセンターの両サイトが被災するリスクがあります。更に、これらの当行グループのバックアッププランは、サービスの中断時に生じるおそれのある偶発事象に対処できるものではない可能性があります。 当行グループは、お客さま向け情報提供のためのホームページ、インターネットバンキング、スマホアプリ、口座開設等のサービスをインターネット環境で提供しております。また、当行グループの業務遂行に必要な外部情報の取得やメール送受信のため当行グループシステムをインターネット環境に接続しており、こうしたところでは、十分なサイバーセキュリティの体制を構築することが必要になります。当行グループでは、ランサムウェア対策を含めた、インターネットに接続するシステムに必要な安全対策として、行内のシステム環境のほか、在宅勤務などのリモートアクセス環境についても、不正侵入防止の入口対策、情報漏えい防止の出口対策等、外部からの攻撃に対し多層的な技術的対策を実施しております。また、日々のサイバー脅威動向の情報収集と共有、ログのモニタリング、破壊を想定したサーバー復旧訓練の実施、脅威ベースを意識したペネトレーションテストの実施、専門的な知見を持つ要員の確保・育成など、サイバーレジリエンス体制の維持・整備に努めております。しかしながらサイバー攻撃の高度化により当行グループが講じている対策が有効に機能せず、システムダウンやサービス停止等により、業務継続に支障が生ずるリスクや内部情報が漏えいするリスクがあります。 当行グループの情報システムの動作不良は、自然災害やその他の理由にかかわらず、お客さまとの関係を毀損し、訴訟や行政処分を招来し、また、その他の理由により当行グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (3)サードパーティリスク 当行グループは、業務にとって重要である多くのサービスについて、外部委託先や外部システム等のサードパーティを利用しております。サードパーティとの契約・利用に際しては、経営・財務状況の安定性や、情報管理態勢、システム障害・サイバーインシデント管理態勢の確認、人権の尊重や環境への配慮を含めた適格性の検証、サービス代替策の検討等の方策を講じておりますが、地震等の自然災害、感染症の流行、システム障害やその他の事情により、それらのサービスが停止した場合、又はそれらのサービスに問題が生じた場合に、当行グループが同様の条件で同種のサービスをタイムリーに提供できるサードパーティを見出すことができるとは限りません。その場合、当行グループの営業が中断し、当行グループの業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、業界又はその他の状況の変化により、サードパーティがサービスの料金を引き上げることも考えられ、その場合には、当行グループの業績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4)個人情報等の流出等のリスク 当行グループでは、個人情報等の流出等防止のための様々な方策を講じておりますが、保有する個人情報等について、役職員等若しくは委託先の人為的なミスあるいは内部若しくは外部からの不正アクセスにより流出した情報が不正に使用されることを完全に防止することはできません。こうした事態が発生した場合、当行グループはその責任を負い、法令上、民事上の責任等を問われ、あるいは、監督機関の処分を受ける可能性があります。更に、そうした事故が発生することにより、当行グループの業務及びブランド力に対する評価や当行グループに対する顧客や市場の信認に悪影響が及ぶ可能性があります。 (5)災害等に対する危機管理及び業務継続に関するリスク 地震、台風等の大規模自然災害や、重大なシステム障害、サイバー攻撃、テロ、武力攻撃等による被害、感染症の流行によるパンデミック等の影響により、当行グループの業務の一部もしくは全体に深刻な影響が及び、これらが停止するおそれがあります。 当行グループは、かかる事象が発生した場合においても業務継続を可能とすべく、優先業務の特定と目標復旧時間等の耐性度の設定、業務継続計画(BCP)の策定、バックアップ体制の構築、継続的な訓練の実施等により、危機管理体制の実効性向上とオペレーショナル・レジリエンス確保に努めております。 しかしながら、かかる努力によってもあらゆる事態に対応できるとは限らず、当行グループの業務運営、業績及び財政状態への悪影響を回避しきれない可能性があります。 (6)人材に関するリスク 当行グループは、「新たな金融の付加価値を創造し、社会の発展に貢献する」ことを経営理念とし、新たな金融の“付加価値を創造”する人材と組織へと「育ち」「変わる」ことを人材戦略の基本方針としています。付加価値を創造する人材が企業価値向上の最大の原動力であるとの認識のもと人的資本の強化を経営の重点課題とし、注力分野である投資銀行分野に重点的に人的リソースを配分していく方針です。今後、ビジネス環境の変化に対応できる人材や注力分野に必要なスキルセットを持つ人材が不足又は流出した場合、当行グループの業務運営やビジネス戦略の実現を通じた持続的成長に支障をきたすリスクがあります。 当行グループでは、注力分野への人材リソースシフトに向けて、戦略的な人事異動と処遇の見直し、外部採用活動の強化及び多様化による人材登用の継続、従業員の自律的なキャリア形成の後押しなど、継続的に人的資本投資に取り組んでおります。また、従業員アンケートやエンゲージメントサーベイによる満足度の把握とそれを受けた人事制度の見直しや人事施策の実施を通じ、企業価値向上の源泉である従業員の働きがい向上に尽力しております。これからも人的資本への投資に注力することで人材に関するリスクの削減を目指してまいりますが、かかる努力によっても業務遂行上必要な人材の不足・流出を防止できるとは限らず、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)係争中の訴訟当行グループは、当行グループ全体の訴訟について一元的に管理を行い、グループの法務リスクの極小化に努めており、現在のところ経営に重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟案件はありません。しかし、当行グループは銀行業務を中心に各種金融サービスを提供しており、このような業務遂行の過程で、損害賠償請求訴訟等を提起され、損害を補償する可能性があります。このような訴訟等の動向によっては、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8)法令等遵守に関するリスク当行グループは、法令等の遵守を徹底し、業務の適法性とともに適切性を確保するために、経営理念に基づき全役職員が遵守すべき「倫理・行動基準」を定め、毎年全役職員に遵守することの誓約を求めること等により、金融機関への社会的要請に適合したコンプライアンスを実現することを最優先とする企業文化の構築に取り組んでおります。しかしながら、必ずしもこのような取組のすべてが有効に機能するとは限りません。お客さま情報の管理不備その他の事情に起因して、各種法令違反等が発生するおそれや、お客さまとの多面的な取引の展開が優越的地位の濫用とみなされるおそれもあります。このように今後仮に法令違反等が発生した場合には、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)金融犯罪に関するリスク当行グループは、口座開設時においてお客さまの取引時確認を厳格に行うことに加え、その後も継続的にお客さまの状況確認や取引のモニタリングを行うことにより、口座不正利用の防止に努めるとともに、お客さまに特殊詐欺等の注意喚起をする等により、お客さまの取引の安全と口座の保護に取り組んでおります。また、新規の取引に先立ち、反社会的勢力等との関係等に関する情報の有無を確認することに加え、その後も継続的に確認を行う等、反社会的勢力等とのあらゆる取引を排除すべく必要な手続きを行っております。こうした金融犯罪を防止する取組は従前から行っておりますが、近年の本邦における金融犯罪の増加等を踏まえ、モニタリング態勢の高度化を継続的に実施するとともに、グループ会社における金融犯罪防止態勢強化・整備のサポートを行うなど、当行グループ全体として実効性を確保する取組を進めております。しかし、厳格なチェックにもかかわらず、反社会的勢力等との関係を持つ者が口座を開設する等の可能性があり、また、これらの者等が自らの口座を詐欺等に使用したり、マネー・ローンダリングや租税回避行為又は他の不正行為を行う可能性もあります。また、大規模な金融犯罪に巻き込まれた場合には、その対策にかかるコストやお客さまへの補償のほか風評等により、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10)外為法上の経済制裁措置等に関するリスク 当行グループは、お客さまとの取引に際しては、資産凍結・経済制裁措置の対象者に該当するか否かの確認や、資金使途規制・貿易規制、特定国との取引規制の確認等、外国為替及び外国貿易法その他の適用法令上必要な対応をとることで、拡散金融を含む各種規制に抵触しないよう体制を整備しております。しかしながら、手続きの不備等の結果、法令違反等が発生するおそれがあります。法令違反等が発生した場合には、当行グループが行政処分その他の制裁を受け、当行グループの評判が毀損される可能性や業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11)従業員又は外部者による不正や過失等によって損失が発生する可能性 当行グループは、上記のリスク以外にも、従業員又は外部者による不正、懈怠及び過失によって損失を被る可能性があります。当行グループでは、従業員に対して社内規定等の適正な運用の徹底を図っておりますが、従業員が、予め許容された範囲を超え、また、許容できないリスクのある取引を実行したり、規定等に反する行為を隠蔽したり、秘密情報を不適切に使用・漏えいしたり、お客さまに対する詐欺的誘引行為又はその他お客さまの信頼を損なう行為を行う可能性があります。また、盗難若しくは偽造されたキャッシュカードの不正利用及びインターネットバンキング不正送金や、デビットカードの不正利用等による被害に対し、当行グループがお客さまに対する賠償責任を負担する可能性等も存在します。従業員又は外部者による不正や過失等を防ぐため、コンプライアンス体制を強化しておりますが、このような問題行為の結果、当行グループが行政処分その他の制裁を受け、又は当行グループの評判が毀損される可能性もあります。 (12)風説・風評の発生による悪影響 当行グループの事業全般や金融業界等に対して、その信頼を毀損するような風説・風評が発生し、また、報道機関により否定的な報道が行われる場合には、当行グループの株価や業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、インターネット上の掲示板やソーシャル・ネットワーキング・サービスへの書き込まれた情報は短時間で不特定多数に拡散されるため、想定外の影響を及ぼす可能性もあります。 6.自己資本にかかるリスク(1)自己資本比率規制 当行グループは海外営業拠点を有しない国内基準適用行として、4.0%以上の自己資本比率を維持することが求められており、規制上求められる自己資本比率を維持できなくなった場合、金融庁から業務の全部又は一部の停止等を含む様々な行政処分等を受ける可能性があります。 当行グループの2025年3月末時点におけるバーゼルⅢ最終化ベースの連結自己資本比率は10.72%であり、規制上求められる自己資本比率としては十分な水準を維持しております。ただし、今後の利益水準、リスク・アセット水準の変動、戦略的な資本提携や買収・合併の実施、自己資本比率規制の更なる強化その他の要因により、自己資本比率が低下する可能性があり、その場合、行政処分の他、市場からの信認の低下等により、業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、当行は国内基準適用行ではありますが、中期経営計画「AOZORA2027」において、国際統一基準によるCET1比率(普通株式等Tier1比率)を経営上の重要な指標として設定しております。 7.当行グループの財務に関するリスク(1)信用格付の低下が当行グループの業績に悪影響をもたらす可能性 格付機関により当行グループの格付が引下げられた場合、インターバンク市場での短期資金調達あるいは資本調達等においてより不利な条件で取引を行わざるを得なくなる若しくは取引そのものが行えなくなる可能性があります。また、デリバティブ取引等の一定の取引行為が制限され若しくは行えなくなる可能性があるほか、現在締結しているその他の契約を解消される可能性もあります。このような事象のいずれもが、当行グループの財務や業務の執行に悪影響を与え、業績や財政状態に不利な影響を与える可能性があります。(2)退職給付制度及び年金資産に関連するリスク 当行グループの年金資産の時価が下落した場合や、年金資産の長期期待運用収益率が低下する等退職給付債務に関する予測計算の前提条件に変更が生じた場合には、退職給付費用が増加する可能性があります。また、当行グループの退職給付制度の変更により、退職給付債務が追加的に発生する可能性があるほか、金利環境の変化や会計基準の変更その他の要素によって、退職給付債務が増加したり、年度毎の退職給付費用が増加する可能性があります。(3)繰延税金資産に関するリスク 当行グループでは、繰延税金資産は、現行の会計基準に従い、将来の課税所得を合理的に見積もった上で計上しております。将来、実効税率引下げ等の税制改正や課税所得の見積額の変更等によって繰延税金資産の取崩しが必要となった場合、税金費用が発生し、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 8.日本の金融サービス業界に関連するリスク(1)日本及び世界の経済状況が悪化することで当行グループが受ける悪影響 当行グループの業績は、日本国内だけでなく世界的な金融経済環境の状況に大きく影響され、また、そうした日本国内及び世界的な金融経済環境は、金融・財政政策や地政学的要因等様々な要素によって影響を受けます。・世界経済について、関税・移民政策を含む米国トランプ政権による政策に伴う不確実性やウクライナや中東での影響深刻化、あるいは、これら地域以外での武力衝突リスクによる国際政治の不安定化等が米国や世界経済に悪影響を及ぼす可能性があります。また、インフレを懸念した金融政策の引き締めが、米国のリセッションや中国の回復鈍化といった懸念に繋がる要素を踏まえ、企業業績や米国をはじめとする各国の経済に与える影響に留意する必要があります。・日本経済は、日本国内の金利の正常化により長らく続いた超低金利時代からの転換期を迎えております。今後、追加の政策金利引き上げが急速に行われていった場合、急速な円高と株安を引き起こすなど、日本銀行の金融政策の動向、日本政府の景気対策の効果等により、国内経済に変調がもたらされる可能性があります。また、引き続き、世界経済と同様に広い範囲でコストが上昇しており、インフレが長期化した場合には、経済状況が悪化する可能性があります。今後、米国をはじめとする各国の金融政策の動向、景気対策の効果や経済の行方など、マクロの金融経済動向がミクロ経済へ波及し、影響を及ぼす点について留意する必要があります。 このような環境下、日本及び世界の金融市場や経済の状況がさらに悪化し、又はその回復が遅れた場合、金融資本市場における信用収縮の動き、債券・株式市場や外国為替相場の大幅な変動、景気の停滞や悪化に伴う地価や株価の下落、企業倒産や個人の破産の増加等により、貸出資産の劣化や業務の停滞が生じ、当行グループの資金調達や業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (2)日本の金融サービス市場の競争激化 人口減少や高齢化等により、他国と比べても我が国のGDP成長率は鈍化しており、金融サービス市場の競争環境は厳しさを増しております。加えて、先進テクノロジーの出現による新規事業創出の加速、規制緩和等を要因として、通信業者や小売業者をはじめ、他業界からも銀行業をはじめとする金融サービス市場への参入が見られ、場合によっては、既存金融サービスを大きく浸食する可能性もあります。また、当行グループは、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行グループに比べ優位に立つと考えられる企業も存在しております。当行グループの主要な競争相手には以下のものが含まれると考えております。・国内大手銀行グループ:三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ及び三井住友フィナンシャルグループは、資産、顧客基盤、支店数、及び従業員数等の様々な面において、当行グループに比べ相当に大きな規模を有しております。また、これらの銀行グループは、子会社又は関係会社として証券会社をはじめとした様々な機能を有しており、当行グループ同様その収益源を多様化する戦略を採っております。・主要な投資銀行:国内外の投資銀行との間でも当行グループは、コーポレートアドバイザリー業務、スペシャルティファイナンス及びデリバティブ商品販売業務等様々な事業分野において、競争関係に立っております。・その他の金融機関:三井住友トラストグループ、りそな銀行グループ、SBI新生銀行、インターネット銀行及び地方銀行等が含まれます。・ゆうちょ銀行、政府系金融機関:当行グループは、ゆうちょ銀行のほか、日本政策投資銀行等の政府系金融機関とも競争関係にあります。・その他の金融サービス提供者:当行グループは、証券会社、資産運用会社、M&Aアドバイザリー会社、債権回収会社、消費者金融業者及びその他の金融サービス業者とも競争関係にあります。・当行グループは、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行グループに比べ優位に立つと考えられる企業も存在しております。また、デジタライゼーションの進展や規制緩和等を背景に従来には見られなかった異業種から参入も活発化し、一層の競争激化が見込まれます。 国内金融サービス市場をめぐる競争は一層激化することが予想される中で、当行グループが現在又は将来の競合他社と効果的に伍していけるという保証はありません。これまで当行グループは、シンジケートローン、LBOファイナンス、貸出及びコミットメントラインの供与、投資信託の販売等で手数料等の収入を増加させてきましたが、競争の激化に伴う手数料の低下が収益の下押し要因となるおそれがあります。また、当行グループは貸出金利及び預金金利の面でも競合他行と競争関係に立たされており、競争の激化が貸出金利の低下及び預金金利の上昇を促し当行グループの収益性を圧迫する可能性もあります。 さらに、マイナス金利の解除とともに他行との預金の獲得競争が始まっています。機動的な預金金利の設定や大口預金獲得に注力することで調達基盤の更なる安定化を目指していますが、将来にわたって安定的な調達ができる保証はありません。想定以上に調達コストがかかることで、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3)金融機関として広範な規制に服していること 当行グループは、金融機関として、広範な法令上の制限及び政府機関による監督を受ける立場にあります。更に、当行並びに当行の子会社及び関連会社は、金融当局による自己資本比率規制、銀行法、その他の銀行としての業務規制を受けております。また、銀行業以外の業務範囲については一部見直しが為されているものの引き続き制限を受けております。こうした制約から、ビジネスチャンスに対し適時に対応することが困難となる可能性があります。 仮に当行グループが、関連法規及び規制の違反を犯したような場合には、行政処分の対象とされ、また当行グループの評価が悪影響を受ける可能性があります。 (4)各種の規制及び法制度等の変更 当行グループは現行法による規制に従って業務を遂行しておりますが、当行グループが国内外において業務を行うにあたって適用されている法律、規則、政策、実務慣行、会計制度及び税制等が変更、又は新たに導入された場合には、当行グループの業務運営に影響を与え、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 9.環境・社会課題に係るリスク(1)環境・社会課題に配慮しない投融資等に係るリスク 当行グループは、経営理念において「新たな金融の付加価値を創造し、社会の発展に貢献する」ことをミッションに掲げ、適切なリスク管理態勢のもとで金融仲介機能を発揮し、社会のサステナブルな発展に積極的に貢献することに努めております。 昨今、金融業界においても気候変動対応、自然資本・生物多様性の保全、人権尊重をはじめとする持続可能な社会の実現に向けた取組が広がっていることに加え、各方面のステークホルダーから、事業者としての活動にととまらずサプライチェーン全体を通じて、環境・社会に関する様々な課題に配慮することが期待されております。 投融資ビジネスにおいては、「環境・社会に配慮した投融資方針」を策定の上、近時の地政学リスクからの影響も考慮しながら、環境・社会に対し負の影響を助長する可能性が高いセクターへのファイナンスに際してはその適切性について検討を行うとともに、お客さまの環境・社会課題への取組を支援するサステナブルファイナンスの実行/組成額に目標を設定し、積極的な取組を行っております。また、大規模な開発を伴うプロジェクトファイナンスは自然環境や地域社会に大きな影響を与える可能性があり、これらの負の影響を回避・緩和するための適切な配慮を確認した上でファイナンスを実行するため、「赤道原則」を採択しております。 しかしながら、これらの当行グループの投融資等に係る取組が、開示規制の強化や各国政策の転換に十分に対応できない場合や、投資家やお客さまなどのステークホルダーの期待から大きく乖離した場合などには、ビジネス機会の逸失、ポートフォリオの質の低下、調達力の低下、レピュテーションの低下等により、当行グループの業務運営や業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)気候変動に係るリスク 気候変動の原因とされる温室効果ガスの削減や2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取組が広がっており、金融業界では、様々な環境・社会課題の中でも気候変動リスクへの対応の重要性が高まっております。当行グループは、気候変動が環境・社会、企業活動、個人の生活にとっての脅威であり、当行の業績・財政状況へ影響を及ぼしうる重要な課題の一つであると認識しております。 気候変動リスクとしては、移行リスクと物理的リスクがあります。(移行リスク)脱炭素経済への移行に伴う政策・法規制・技術・市場の変化が生じることに起因する、次のようなリスクを当行グループは認識しております。・脱炭素社会への移行に伴う炭素税等の政策等が与信先の事業や財務状況に影響し、与信ポートフォリオが影響を受けるリスク・脱炭素技術の進歩や消費者の嗜好変化による既存の製品・サービスの代替の進展により投融資先の業績が悪化し、与信ポートフォリオが影響を受けるリスク・新たな技術開発を志向する企業との取引を十分取り込むことが出来ず、当行グループの業績に悪影響が及ぶとともに当行グループの評価が低下するリスク(物理的リスク)温暖化の進行により、資産に対する直接的な損傷や、サプライチェーンの寸断による間接的な影響等が生じる、次のようなリスクを当行グループは認識しております。・風水害の頻度・規模の増大等、気候変動に伴う自然災害や異常気象によってもたらされる物理的な被害から与信ポートフォリオが影響を受けるリスク・社会インフラあるいは当行グループの事業施設や従業員が被害を受け、当行グループ又は当行グループの取引先の事業に重大な悪影響が及ぶリスク・温暖化の進行で熱中症や疫病のパンデミック等の発生頻度が高まり、当行グループ又は当行グループの取引先の事業に重大な悪影響が及ぶリスク これらの事象が生じた場合には、当行グループの業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 当行グループは、こうした気候変動に関するリスクの把握・評価、情報開示の重要性を認識し、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)が策定した気候変動関連財務情報開示に関する提言に賛同し、移行リスクと物理的リスクが当行に与える影響について分析し、当行の与信関連費用への影響額を開示しております。 2050年カーボンニュートラル社会の実現に向け、当行グループ自社の脱炭素化の取組を加速するとともに、お客さまの気候変動対応や脱炭素社会への移行を積極的に支援するため、外部パートナーと協業した脱炭素コンサルティングサービスの展開や国内外における環境ファイナンスを推進しております。加えて、投融資先に関するTCFDに沿った脱炭素化の働きかけやリスクの把握・評価、情報開示の拡充にも取り組んでおりますが、これらの気候変動に関するリスクへの対策や情報開示が不十分であった場合又はそのように見做された場合などには、ビジネス機会の逸失、ポートフォリオの質の低下、調達力の低下、レピュテーションの低下などにより、当行グループの業務運営や業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 10.その他(1)財務報告に係る内部統制に関するリスク 当行グループは、金融商品取引法に基づき、財務報告に係る内部統制の有効性を評価した「内部統制報告書」の提出、及びその評価内容について監査法人の監査を受けることが求められております。 当行グループは、財務報告に係る内部統制の整備・運用を行っており、有効性を評価する過程で発見された事項は速やかに改善するよう努めております。 しかしながら、改善が不十分な場合や経営者が内部統制を有効と評価しても監査法人が開示すべき重要な不備があると評価するような場合があり、当行グループの財務報告の信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)重要な経営陣への依存 当行グループでは、経営陣の業務遂行能力が、今後の当行グループの事業の成否に関する重要な要因となる場合があるものと考えております。重要な経営陣の退社等により、当行グループの事業遂行が悪影響を受け、また事業戦略の実施能力が低下する可能性があります。 (3)大株主の状況及び株主構成に係るリスク 当行は、2024年5月13日に大和証券グループ本社との間で資本業務提携契約を締結いたしました。大和証券グループ本社が保有する当行株式の議決権所有割合は23.93%となっており、当行の大株主(筆頭株主)となっております。また、資本業務提携契約に基づき、大和証券グループ本社が指名する1名が取締役に就任しております。 かかる大株主は、当行の業務運営等に対し一定の影響を与える場合がありえ、この場合、大株主の利益が当行の業務に関する他の株主の利益と相違する可能性があります。
FY2023|27,365 文字
3【事業等のリスク】 当行及び当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクは以下のとおりです。まず、トップリスク(今後1年間で経営上重大な影響があるリスク)について記載し、その後に主要な個別リスクについて記載しております。 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当行及び当行グループが判断したものです。当行グループはこれらリスクの発生の可能性を認識したうえで、それぞれのリスクの発生の回避及び発生した場合への対応に努めております。リスク管理については、マネジメントコミッティー及びALM委員会、統合リスクコミッティー、クレジットコミッティー、投資委員会、CAPEX委員会、顧客保護委員会等により遂行され、定期的に取締役会に報告されております。 <トップリスク> 2023年度の業務運営において、経営上重大な影響があるリスクをトップリスクとして認識しております。当行グループは、トップリスクを踏まえてリスクアペタイトや業務運営計画策定の議論を行い、リスク管理の高度化に取り組んでおります。 トップリスク項目リスクの内容対応策参照箇所 1.クレジット・クオリティの悪化・インフレ鎮静化に向けて行われてきた米国をはじめとする各国中央銀行の利上げの影響による景気後退・ロシア・ウクライナ情勢の悪化、米中対立、その他地域の地政学的緊張の高まりによる世界の分断化の加速・ファイナンス環境の悪化に起因するリスク資産の価値の低下・日銀の金融政策転換に起因する日本の金利の急激な上昇や円安の進行・気候変動や人権尊重に関して対応が遅れた投融資先の、企業価値低下 各国中央銀行利上げの影響による景気後退リスクや地政学的緊張など先行きの不確実性が高まっておりますが、貸出運営方針・投資運営方針・各種ガイドラインを遵守し、与信先のビジネスリスクを慎重に分析し良質な案件を選択的に取り上げ、分散の効いた良質なポートフォリオを構築してまいります。また既存の案件については適時に分析を行い、予兆の把握に努め、プロアクティブな与信管理を行ってまいります。2.信用リスク(1) 不良債権残高及び与信関連費用の増加(2)特定先及び特定業種への集中に係るリスク(3)貸倒引当金が不十分となるリスク(4)海外向けエクスポージャーに関するリスク(5)ローン債権等に対する投資に関連するリスク9.環境・社会課題に係るリスク(1)環境・社会課題に配慮しない投融資等に係るリスク(2)気候変動に係るリスク2. 市場の混乱による保有有価証券の価値下落・地政学的緊張に起因する金融市場の混乱・インフレが鎮静化せず、各国中央銀行が利上げを継続することによる有価証券価値下落・日本銀行の金融政策転換を起因とする日本の金利の急激な上昇や円安の進行 見通しが不透明な環境下、金利・株・クレジットの相関を考慮しつつ、流動性の高いポートフォリオを構築し、機動的なリスクコントロールを実施してまいります。また、リスク量・損失に関する各種協議ポイントを設定しており、早い段階で適切な対応が図れる態勢を整備しております。2.信用リスク(6)エクイティ投資の推進に伴うリスク3.市場リスク(1)トレーディング及び投資業務における市場リスク(2)金利変動によるリスク4.流動性リスク(2)市場流動性リスク 3. 金融市場の混乱・ボラティリティの高まりによる資金調達の不安定化・ロシア・ウクライナ情勢の悪化や米中対立による地政学的緊張・インフレ長期化に対する各国中央銀行の利上げ継続、景気後退局面での利下げの両面に起因する、金融市場の混乱やボラティリティの高まりから生じる市場流動性低下等による外貨資金繰りの悪化や調達コストの上昇・日本銀行の金融政策変更等に起因する、金融市場の混乱・ボラティリティの高まりから生じる市場流動性低下や銀行預金の金利環境の変動等による、円貨資金繰りの悪化や調達コストの上昇 円貨・外貨資金繰りについては、流動性の高い有価証券等を十分に保有し、各種決済に係る必要資金が適切に確保できるよう、万全を期しております。また、資金調達に支障が生じた場合を想定したシミュレーションを定期的に行い、資産規模を維持するのに十分な手元資金が確保されていることを確認し、資金確保のための対応策の手順を確認する訓練等を行っております。4.流動性リスク(1)資金流動性リスク4.大規模災害、サイバー攻撃、システム障害等の危機発生・自然災害、サイバー攻撃、重大なシステム障害、テロ、武力攻撃、パンデミック等の影響により、当行グループの業務の一部もしくは全体に深刻な影響。・お客さまへのサービス提供の停止、情報漏洩、不正送金の発生、及びそれらによる当行グループの企業価値の毀損 自然災害、サイバー攻撃、重大なシステム障害、テロ、武力攻撃、パンデミック等により、当行グループの業務に深刻な影響が生じることが無いよう、業務継続計画(BCP)の整備、各種訓練の継続的な実施、バックアップサイトの整備等を進めることでオペレーショナル・レジリエンスの確保を図っております。特に、サイバー攻撃に関しては、技術的対策の進化、検知能力強化、ビジネス部門とIT部門が連携した復旧訓練等を実施しております。 5.オペレーショナル・リスク(2)システム障害リスク(5)災害等に対する危機管理及び業務継続に関するリスク(11)従業員又は外部者による不正や過失等によって損失が発生する可能性 5.当行自体の構造転換、ビジネスモデルの転換の遅れ・世界的な産業構造の転換やデジタル化の進展、金融商品のコモディティ化、金融分野への他業種からの進出による競争激化、銀行業務範囲規制緩和への対応の遅れによる、当行グループの収益力の低下・サステナビリティ推進に関して消極的とみなされ、ESG評価が低下することに伴う外貨調達コストの上昇、サステナブルファイナンス機会の逸失、当行グループの企業価値の毀損 詳細は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営計画」に記載しております、新中期経営計画「AOZORA2025」(10頁~18頁)をご参照ください。 1.事業戦略におけるリスク(1)事業戦略の推進に伴うリスク8.日本の金融サービス業界に関連するリスク(2)日本の金融サービス市場の競争激化9.環境・社会課題に係るリスク(1)環境・社会課題に配慮しない投融資等に係るリスク(2)気候変動に係るリスク 6.金融犯罪への対応不備、内部不正や情報漏洩の発生・マネー・ローンダリング、テロ資金供与、拡散金融等の金融犯罪対策の不備、その他外為法上の経済制裁措置への対応や反社会的勢力排除態勢の不備、及びインサイダー取引規制違反、顧客情報の漏洩等により、刑罰や行政処分を受けるリスク、及び当行グループの企業価値の毀損 マネー・ローンダリング等防止の管理体制整備と経済制裁対象者対応の継続的な実効性確保、マネー・ローンダリングガイドライン改定並びに外国為替検査ガイドライン改定などを踏まえ、更なる高度化を推進してまいります。 年次のコンプライアンス・プログラムにおいて、法令・行内ルールの周知、モニタリング、研修などの計画設定と進捗状況を確認しております。また、全役職員からの誓約書徴求に加えてトップメッセージなどでの発信を継続することにより、倫理・行動基準の一層の浸透・定着を推進しております。 インサイダー取引未然防止・情報管理に関する注意喚起及び研修・eラーニングなどを実施し、役職員への周知を継続してまいります。5.オペレーショナル・リスク(8)法令遵守に関するリスク(9)金融犯罪に関するリスク(10)外為法上の経済制裁措置等に関するリスク(11)従業員又は外部者による不正や過失等によって損失が発生する可能性7.人材リソースのサステナビリティ・ビジネス環境の変化に対応できる人材や「あおぞら型投資銀行ビジネス」など注力分野に必要なスキルセットを持つ人材が不足又は流出した場合、当行グループの業務運営やビジネス戦略の実現を通じた持続的成長に支障をきたす 当行の人材戦略については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営計画」に記載しております、新中期経営計画「AOZORA2025」(16頁)及び「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております、(参考)2.「人的資本・多様性」に関する「戦略」及び「指標と目標」(25頁)をご参照ください。5.オペレーショナル・リスク(6)人材に関するリスク <主要な個別リスク> 1.事業戦略におけるリスク(1)事業戦略の推進に伴うリスク 当行グループは、「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、中期経営計画「AOZORA2025」に基づき、業務を遂行してまいります。しかしながら、このような事業戦略の推進に際しては、以下のようなリスクがあります。・今後注力していく事業分野において、想定通りに業績を伸ばすことができるとは限りません。・戦略の遂行に伴う経営資源の配分の見直し等が成功するとは限りません。・業務の推進においては、実務を遂行する人材を確保する必要がありますが、必要な人材を十分に確保できるとは限りません。・国内外の経済状況が悪化した場合、あるいは、金融市場の著しい変動等が生じた場合、想定通りに業績を伸ばすことができるとは限りません。・国内外の地震や台風等の自然災害やテロ・犯罪等の発生により、各業務において十分な事業活動が行えるとは限りません。・ロシアのウクライナ侵攻をはじめとする地政学リスクの顕在化などを背景に、金融市場が不安定化することにより、事業環境が大きく悪化し、想定通りに業績を伸ばすことができるとは限りません。 (2)事業法人のお客さまとの取引の推進におけるリスク 当行グループは、歴史的な産業構造の転換期における取組として、「あおぞら型投資銀行ビジネス」を推進してまいります。事業法人のお客さまの事業再編や事業再生ニーズ、SDGsへの取組に対し、お客さまの事業を深く理解したうえで、通常の貸出取引のみならず、資本性資金やサステナブルファイナンスなど、お客さまのニーズに沿ったデットからエクイティに至る適切なファイナンスの提供等、信用供与の円滑化に努めております。また、それぞれのお客さまのニーズに応じて、オーダーメイド型で付加価値の高い金融ソリューションの提供を通じ、引き続き顧客基盤の拡充に注力してまいります。しかしながら、当行グループがこうした事業金融の推進を行うにあたっては以下のようなリスクがあります。・地政学リスクの顕在化の影響が、一部のお取引先の事業活動や信用状態に悪影響を与え、当行グループの収益力の低下及び与信費用の増加につながり当行グループの財務状況にも影響を与える可能性があります。・インフレの昂進や、それに伴う金融政策の変更が、一部のお取引先の事業活動や信用状態に悪影響を与え、当行グループの収益力の低下及び与信費用の増加につながり当行グループの財務状況にも影響を与える可能性があります。・当行グループの基準に見合う顧客層との取引が期待通りに拡充できるとは限らず、当行グループが目指す資産の質、収益が確保できない可能性があります。・当行グループは、法人顧客基盤が国内大手銀行グループよりも小さく、また営業拠点数、営業人員数も少ないことから新規の顧客獲得等に限界がある可能性があります。・我が国においては、超低金利環境が継続しており、オーバーバンキングによる厳しい競争の結果、当行グループの事業法人貸出においてリスクに応じた適正なプライシングを行うことが困難な状況になっております。当行グループは、継続的な付加価値の提供を通じたお客さまとの信頼関係構築により付帯取引を獲得し、総合的な収益性の確保に努めておりますが、個別の貸出においては、信用リスクや格付に応じた利鞘より低い水準で貸出を行うことがあります。・国内外における経済環境の悪化が生じた場合、あるいは、金融市場の著しい変動等が生じた場合には、当行グループを取り巻く環境や将来の業績に悪影響を与える可能性があります。また、そのような局面においては、管理回収等の強化に伴う人的リソースの配分等により、注力分野の活動に制約が生じる可能性があります。 (3)個人顧客向けプラットフォームビジネスの拡充に伴うリスク 当行グループは、様々な金融商品の提案等を通して、お客さまの中長期な資産形成をお手伝いさせていただいております。加えて、スマートフォンアプリを軸としたマネーサービス「BANK」を中心にスマートフォンやインターネット等を利用した非対面取引機能を拡充し、現役世代のお客さまへのアプローチを強化しております。 資金調達の面では、2023年3月末の個人のお客さまからの調達がコア調達(預金・譲渡性預金及び社債)に占める割合は66%程度となっており、引き続き資金調達の面でも当行グループの中核を担っております。 当行グループは、お客さま本位の業務運営の実践に基づく資産運用コンサルティングを提供してまいります。また、財産承継、事業承継等の多様なニーズに対して、当行グループ一体となった付加価値の高いサービスを提供するとともに、「BANK」アプリを通じた金融サービスの提供により、すべてのお客さまが時間や場所にとらわれずにお取引ができ、希望する店舗でコンサルティングが受けられる営業体制を実現してまいります。加えて、個人のお客さま、及び個人のお客さまが所有する中小企業の多様なニーズに対し、事業承継、M&A、不動産関連サービス等、当行グループ全体で課題解決のサービス提供を行ってまいります。しかしながら、以下のとおり、当行グループが個人顧客向けプラットフォームビジネス拡充の計画を成功裡に達成できない可能性があります。・当行グループは、当行グループ内の配置転換や外部採用等を通じて、また人材開発プログラムの導入や顧客視点の評価制度の導入等を通じて、コンサルティング力の強化に努めていく方針ですが、当該業務に精通した営業員の確保が想定を下回ったり、人材開発プログラムの導入や新しい評価制度の導入が必ずしもコンサルティング力の強化に結びつかない可能性があります。・個人のお客さま、及び個人のお客さまが所有する企業向けのサービスラインナップを拡充しても、他金融機関のサービスとの差別化が難しく、また、他金融機関より相対的に支店数が少ないため、十分な課題解決のサービスを提供できず、収益の拡大に結びつかない可能性があります。・当行グループは、競合他金融機関と比較して支店数が少なく、またインターネットバンキング展開においても後発であり、顧客基盤も相対的に小さいことから、新規顧客の獲得やあおぞらブランドの確立が容易ではない可能性があります。・個人顧客向けプラットフォームビジネスの拡充には、顧客ニーズに応じたサービスラインナップの充実が不可欠であり、顧客へのマーケティングやサービスラインナップの選定等に多大な時間を要する可能性があります。・当行グループが提供する商品・サービスの種類・条件について、他金融機関との差別化が難しくなるほか、他の種類の投資商品との競争が厳しくなることなどにより、必ずしも預かり資産の量の拡大、収益の拡大に結びつかない可能性があります。 上記のような事情から個人顧客向けプラットフォームビジネスを拡充できない場合、収益源及び資金調達源の多様化が十分に実現できず、当行グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)海外業務に関連するリスク 当行グループは、北米向けを中心とする海外貸出を選択的に実行することによって、収益力の向上並びに貸出ポートフォリオの分散を図る方針としております。加えて、2020年1月に資本・業務提携を締結したベトナムの中堅商業銀行Orient Commercial Joint Stock Bank(以下、「OCB Bank」)を通じて東南アジアの成長を取り込むとともに、OCB Bankの長期的な戦略パートナーとして、よりユニークで専門性の高い金融サービスを日本とベトナム双方のお客さまに提供していきます。当行グループが海外業務を展開するにあたり、リスク管理体制として、北米、アジア、欧州の各現地拠点と東京が連携したグローバルでシームレスなモニタリング態勢を強化しておりますが、当行グループにおける海外業務の遂行については、以下のリスクや課題があります。・ロシアによるウクライナ侵略の長期化、米国や欧州による対中デカップリングの進展と拡大、総統選挙等の台湾政治の展開と米中台関係をはじめとする地政学リスクの顕在化に伴う、社会的、政治的、経済的な環境の変化や各国の税制、金融政策及び規制環境の相違に起因する金融の安定性全般に渡るリスク。・金利及び為替変動に関連する取引にかかるリスク。・商品ノウハウと各々の市場に対する知識等を有する人材を確保できないリスク。・投融資先の政治経済状況の変化、法制度等の変更によって、投融資の回収が困難となるリスク。・現地における政治経済状況、法制、規制あるいは税制等に関する情報の入手が遅れる等、質・量の両面で国内貸出と同水準の情報収集を維持することに支障が生じるリスク。・外貨調達に困難が生じた際の外貨資金繰りに関するリスク。 (5)地域金融機関が重要な顧客基盤であること 当行グループは、これまで多くの地域金融機関に対して、資金運用やリスク管理のニーズに応じた金融商品の提供、地域金融機関の取引先である中小企業への共同支援や地域企業再生支援、地域金融機関の個人のお客さまに対する預り資産ビジネスの支援等、多様な商品・サービスを提供してきております。当行グループは、かかる取引関係において、同業他社との競争上優位性を確保していると考えており、差別化の源泉である「ワンストップでの対応力」、「地方拠点における機動力・情報収集力」を活かすと同時に、地域銀行へのエンゲージメントを強化させ、経営層との定期的な情報交換を通じ関係を一層強化し、引き続き地域金融機関の「戦略パートナー」として、地域金融機関のネットワークを当行グループ共通のプラットフォームとして、当行グループが強みを有するソリューションを提供し、相互に機能補完する独自のビジネスモデルの展開を目指していく方針です。しかしながら、かかるビジネスモデルが有効に機能する保証はなく、また、金融環境の変化その他の要因により、今後この分野における競争力を失った場合には、地域金融機関との取引の規模及び収益の成長が鈍化し、更には縮小する可能性があります。 (6)先進的な商品とサービスの投入 当行グループの戦略は、すべての商品分野において他金融機関と競合することではなく、他金融機関にはない差別化された先進的な商品・サービスを開発し、投入することにより、事業法人のお客さま向けの業務や地域金融機関との協働によるビジネスを拡大し、収益を獲得していくこととしております。また、デリバティブ取引やリスク管理といった分野での先進的なノウハウを活用した商品・サービスにも力を入れており、地域金融機関の運用ニーズに対応したデリバティブ内蔵型の各種預金商品のほか、個人のお客さま向けにはノーロード投資信託・ESGを考慮した投資信託等の金融商品を提供しております。当行グループは、従来から、お客さまのニーズに合わせた独自の商品性を持った商品・サービスの投入により、一定の成果を上げているものと考えております。 しかしながら、将来投入される商品・サービスが同じように顧客から認知され、顧客の支持を得ることができる保証はありません。また、競合他金融機関が、当行グループと同様の顧客層をターゲットに、当行グループと同様の商品・サービスの提供を開始すること、また、その他競合する投資商品の出現等を要因とする競争の激化により、当行グループの商品の先進性・独自性が失われ、収益性が低下するおそれがありますが、その際に、当行グループが競争力の低下した商品・サービスに替わる新たな商品・サービスを継続的に供給し続けられるという保証はありません。 また、かかる先進的な商品・サービスの導入は、当行グループにとって、当行グループが経験したことのない又は経験の少ないリスクや課題をもたらす可能性があります。加えて、かかる先進的な商品・サービスへの過度な集中や依存は、当該商品・サービスの状況により、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7)業務・資本提携等アライアンス推進に伴うリスク当行グループは、長期的な視野における企業価値向上のため、国内外において成長性の高い市場を見極め、戦略的な提携や合併・買収等様々な方策の検討を行っていく方針です。銀行の業務範囲規制緩和等、事業領域拡大の機会を積極的に探り、当行グループの成長につながるビジネス機会を単独又は事業パートナーと協力して開発し、戦略投資を実施してまいります。しかしながら、こうした提携や合併・買収等が収益の拡大・企業価値の増大に寄与するという保証はありません。合併や買収等の場合、統合作業の過程において一時費用が発生しますが、企図した統合成果が上がらず、結果として、検討又は統合等に要した費用、投資資金を回収できない可能性があります。また、提携についても、国内外における経済環境の変化等により、企図した効果があがらない可能性があります。更に、当行グループは提携業務の推進、買収事業の統合・展開において中核となるべき人材の確保等の問題に直面する可能性があります。加えて、そうした場合における通常の営業における人員確保や営業アクティビティの低下等の問題に直面する可能性もあります。 (8)子会社・関連会社の業務に関するリスク 当行グループは子会社において銀行業務、金融商品取引業務、投資運用業務、投資助言業務、M&Aアドバイザリー業務、ベンチャーキャピタル業務等の金融サービスに係る事業や債権管理回収業務を行っており、これら子会社の業務の中には、伝統的な銀行業とはリスクの種類や程度の異なる業務も含まれております。例えば、GMOあおぞらネット銀行が営むインターネット銀行事業は、当行グループが従来営んできた銀行業に係るものとは異なる種類や程度のリスクを含んでおり、またOCB Bankの業績はベトナムや東南アジアの経済動向に大きく影響を受けます。当行グループは、こうした業務に伴って発生する種々のリスクについても適切に管理する体制を整備するよう努めておりますが、当行グループの想定を超えるリスクが顕在化すること等により、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 また、既存の子会社、あるいは今後新規に投資を行う会社について、各社の事業が想定通り伸長しなかった場合には、投資を回収できない可能性があり、また、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 なお、GMOあおぞらネット銀行は、2022年10月25日に新中期経営計画を発表し、当行は同10月28日付で増資の引受けを行いました。当該計画の着実な実行と早期の黒字転換に向け、引き続き当行グループ全体で当社の成長に向けたサポートを行ってまいりますが、当該計画が予定通りに進捗しなかった場合には、当社の固定資産につき減損損失を認識する可能性があります。 2.信用リスク(1)不良債権残高及び与信関連費用の増加 当行グループは、個別の与信先について信用状態を継続的にモニタリングするとともに、信用状態の悪化が懸念される場合には貸出金の劣化に対する予防策を講じるよう努めておりますが、以下のような要因により、当行グループの不良債権残高や与信関連費用が増加する可能性があります。・当行グループの予想以上に内外経済が悪化した場合。・債務者が属する特定の産業の状況が悪化した場合。・債務者の個別事情により、債務者の業績が当行グループの予想を下回った場合、あるいは、不測の事態により債務者の業績が悪化した場合。・当行グループの予想以上に、債務者の経営再建計画が成功裡に実行されず信用リスクが高まる場合や、あるいは、金融機関による支援の打ち切り等により再建中止が余儀なくされる場合。・当行グループの予想を上回る内外の不動産市況の悪化等により裏付資産の価値が下落し、債務者の信用力が低下した場合。・脱炭素や人権配慮に関して対応が遅れた債務者の信用力が低下した場合。・感染症のパンデミック等の影響により、債務者の業績が悪化した場合。 (2)特定先及び特定業種への集中リスク 当行グループの大口債務者上位10先に対する貸出金は、2023年3月末時点の単体ベースの貸出金残高の約12%を占めており、大口債務者による債務不履行があった場合、又は大口債務者の一部若しくは複数との関係に重大な変化が生じた場合には、当行グループの業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 当行グループの国内及び海外の不動産業に対する貸出(不動産ノンリコースローンを除く)は、2023年3月末現在、単体ベースで貸出全体の約8%を占めており、その他の業種に対する貸出で、不動産担保により保全されているものもあります。そのため、当行グループの貸出は、不動産市況の悪化や不動産業界全体が低迷した場合には、不動産業界の債務者の信用力の悪化や、不動産で担保されている保全額の減少から、追加的な引当金が必要となったり、追加的なコストが発生する場合があります。 当行グループの国内及び海外の不動産ノンリコースローンは、2023年3月末現在、貸出全体の約21%を占めております。不動産ノンリコースローンは、債務者の信用力ではなく、特定の不動産及び当該不動産から生じるキャッシュ・フローのみを返済原資として債務の履行が担保されるもので、当行グループは、不動産賃料、空室率及び地価等のキャッシュ・フローに影響を及ぼす主なリスク要因等をモニタリングすることにより、リスク管理を行っております。しかしながら、不動産市況の悪化、具体的には米国金利の上昇や米国オフィスにおける空室率の上昇、売買市場の冷え込み等により、対象不動産からのキャッシュ・フローが当行グループの予想を超えて悪影響を受ける場合には、当行グループの業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 (3)貸倒引当金が不十分となるリスク 当行グループは、過去の債務不履行発生状況、与信先の財務状況及び保有する担保の価値並びに景気動向に対する前提及び見通し等に基づいて貸倒引当金を計上しております。特に、今後の管理に注意を要する大口の与信先等については、経済環境の悪化により貸倒費用が増加する可能性も勘案し、債務者区分遷移シナリオや元本・利息の回収について一定の前提を置いてキャッシュ・フロー見積法等により算定した貸倒引当金を追加的に計上する等、十分な水準の貸倒引当金を計上しております。しかしながら、当行グループの想定を超えて経済環境が悪化する等、当行グループの前提及び見通しを変更する必要が生じた場合、当行グループの与信先の財務状況が当行グループの想定を超えて悪化した場合、当行グループが保有する担保の価値が下落した場合、あるいは、その他の要因により予想を超えて当行グループに悪影響が及んだ場合、当行グループは貸倒引当金を増加させる必要が生じる可能性があります。 (4)海外向けエクスポージャーに関するリスク 当行グループの貸出金全体に占める海外向け貸出(最終リスク国が日本以外、連結ベース)の割合は、2023年3月末においては約35%になっております。なお、海外向け貸出の地域別状況については、北米向け貸出が約85%を占めており、残りはアジア向け及び欧州向けとなっております。なお、ロシア及びウクライナ向けの貸出はありません。当行グループは国・地域別のガイドラインを設定するとともに、機動的な債権売却の実施等により、エクスポージャーをコントロールしております。 海外において、財政状態の悪化や政治・経済の混乱、金融市場における金利上昇等により、国・地域が債務不履行に陥る、あるいは、債権者に対して債務の再編や期限の延長等の支援を要請することを余儀なくされる場合、当行グループが保有するソブリンを含む海外向けエクスポージャーに悪影響が及び、結果として与信関連費用が増加する可能性や当行グループの業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 (5)ローン債権等に対する投資に関連するリスク 当行グループは、債権売買取引及び証券化ビジネスにおいて、事業法人向けローン、住宅ローン、売掛債権、リース債権、不良債権及び仕組商品を含む様々な資産の取得・回収・売却等を行っております。こうした業務は本質的に環境に左右されやすい性質を有しており、市場規模や環境等の変化により当行グループ保有資産の価値や信用力が低下した場合、当行グループの業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。 (6)エクイティ投資の推進に伴うリスク 当行グループは、PEファンド投資、不動産ファンド投資、環境インフラ投資、事業法人・金融法人への株式投資(エンゲージメント投資)等を含む様々な形態のエクイティ投資を行っております。これら投資については年度毎に投資計画を策定し、全体及びアセット種別毎の投資残高をコントロールするとともに、個別案件毎の定期的なモニタリングを実施しております。また投資環境に応じて投資計画を随時見直すことによりリスクを抑制することを目指しております。 しかしながら、こうした業務は、投資先の経営成績その他の財務状況の他、国内外の政治状況、経済状況、株式市況、不動産市況等環境の変化に左右されやすい性質を有しており、また、当行グループの採るリスクの抑制策が功を奏するとは限りません。このため、これら市況・環境の変化や投資先の財務状況の悪化により、当行グループの業績及び財政状況に悪影響が及ぶ可能性があります。 3.市場リスク(1)トレーディング及び投資業務における市場リスク 当行グループは、国内及び海外の債券、ファンド、デリバティブ取引を含む多様な金融商品への投資・運用及びトレーディングを行っております。こうした業務からの収益は、金利・為替レート・債券価格・株価の変動、ボラティリティの変動、各種資産間の相関状況の変化等により影響を受けます。一例をあげれば、金利の上昇は、一般的に当行グループの債券ポートフォリオの価値に対して悪影響をもたらすこととなります。更に、当行グループが保有している国債その他債券について信用格付が格下げされた場合や債務不履行となった場合、また、これらの流動性が著しく低下してポジション調整が困難な場合には、当行グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。 当行グループは、こうした業務において、自らの体力に見合った健全なリスクテイクを逸脱せぬよう、例えば、損失を限定するためのロスカット・ルールを設定する等、管理体制の整備に努めております。しかしながら、市場がストレス環境にあるような状況では、ポジションを思うように縮小することが出来ず、損失を想定した範囲に限定することが出来なくなる場合があります。また、金融政策の変化その他の要因により、市場が当行グループの予想を超えて変動した場合、当行グループは予測を超えた損失を被る可能性があります。 (2)金利変動によるリスク 貸出金、有価証券等の有利子資産による資金運用収益と、預金、社債等の有利子負債にかかる資金調達費用との差額である資金利益は、当行グループの収益の大きな割合を占めます。有利子資産と有利子負債では満期や金利設定条件等が異なるため、金利の変動により、当行グループの収益性が悪影響を受ける可能性があります。また、金利が上昇した場合には、貸出金への需要が低下する可能性があるほか、借入に係る金利負担の増加により債務者の業績や財政状態が悪化し、不良債権が増加することで当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続するとしつつ、必要があれば躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じるとしております。他方、米国においては、FRB(米連邦準備理事会)がインフレ抑制を目的として連続的な利上げを実施しました。これに伴う米国金利上昇等の影響で、当行グループが保有する外国債券の評価損益は2023年3月末時点で624億円の評価損となっております。 なお、保有する有価証券については、売却による評価損の処理を実施するとともに、デリバティブやベアファンドを活用した金利リスク削減オペレーションを実施する等の対策を講じております。 今後、各国中央銀行の政策変更やその他の外的要因により、仮に重大な又は予期しない金利変動が生じた場合には、当行グループの業績及び財政状態に更なる悪影響が及ぶ可能性があります。 4.流動性リスク(1)資金流動性リスク 当行グループの調達資金はスマートフォンアプリを軸としたマネーサービス「BANK」を中心とする流動性預金、順次満期を迎える定期預金や社債であり、当行グループは、継続的に預金を受け入れ、社債を発行し、既存債務の借換を行い、また継続的に一定割合を短期資金で調達する必要があります。当行グループは、十分な手元資金の確保、資金調達手段の分散・多様化や、外貨調達の可用性強化のための為替先渡取引の取引枠設定に加え、外貨調達先の拡大を図る等、資金調達の長期化並びに安定性の確保・向上に継続して努めておりますが、流動性リスクを完全に回避することはできません。SNS等を通じた情報伝達スピードが加速する中、当行グループの風評が悪化した場合等、インターネットバンキングで手軽に預金の解約や送金が可能であることにより、想定を上回る規模・スピードでの急速な預金流出が発生する可能性があります。その場合、当行グループが許容できる条件で十分な資金を調達できるという保証はなく、再調達が首尾よくいかない場合には、当行グループの業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。また、当行グループの業績又は財政状態の悪化、自己資本比率の低下、信用の低下、格付機関による格下げ等のほか、外貨資金調達における制約、景気動向の悪化や金融システム全般の不安定化等により、当行グループが、営業上許容できる水準の利率で預金を獲得できない場合や当行グループの流動性が制限された場合、当行グループは必要な資金を確保するため、より高い資金コストを負担し、あるいは、資産を圧縮する等の対策をとる必要が生じ、業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。 また、当行グループを含む国内基準行に対しては、2017年4月末より流動性カバレッジ比率等の銀行法第24条に基づくモニタリングが開始されております。将来的にこうした枠組みの内容に何らかの変更があった場合、当行グループの調達構造に影響が及ぶ可能性があります。 (2)市場流動性リスク 当行グループは、市場で取引される様々な資産やデリバティブを保有しておりますが、市場の混乱や取引の厚みの不足等により、市場での取引を行うことができない、又は、著しく不利な価格での取引を余儀無くされることにより、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 5.オペレーショナル・リスク(1)リスク管理体制 当行グループの業務の遂行には、オペレーショナル・リスクが伴っております。オペレーショナル・リスクは、不適切な内部処理、役職員の過失や不正行為、システムの障害及びその他の外部で発生する事象等、様々な形で顕在化する可能性があります。また当行グループの業務においては法律・規制に関するリスクも存在します。当行グループは、オペレーショナル・リスクについても必要なデータやリスクの顕在化事象を把握し、アセスメントを実施してリスクを特定、評価し、リスクをモニタリング、削減、コントロールする適切なリスク管理体制の整備に努めております。しかしながら、結果的にこの体制が有効に機能せず、リスク管理が十分に効果的なものとはならない可能性があります。業務分野の拡大、新規分野の取組や環境変化等に応じた適切なリスク管理体制を構築できず、当行グループが予想外の損失を被る可能性があります。(2)システム障害リスク 当行グループは、お客さまにサービスを提供し、業務を遂行するために様々な情報システムを運営しております。これらの情報システムの安定的な稼動を確保するため、複数年度のIT投資計画に沿って、新規・更新投資や機器等の保守を実施しております。各情報システムの重要性等に応じたバックアップの取得や機器・回線の二重化等の対策を講じるとともに、システム変更・移行時は十分な事前検証を行い障害発生の予防を図っております。不測の事態に備え、コンティンジェンシープランの整備やシステム復旧などシステム障害時の対策を定め訓練を実施しております。また、当行グループは、勘定系システムであるBeSTAcloud(株式会社エヌ・ティ・ティ・データが運営する基幹勘定系システムアウトソーシングサービス)など重要なシステムの運営を外部に委託していることから、運用管理状況を月次・年次で点検するとともに障害発生時には対処内容を検証するなど委託先管理に努めております。 しかしながら、これらの対策や検証作業が十分であるという保証はなく、また、情報システムの新規開発や改修・保守作業における人為的な過失、事故等によりシステム障害が発生し、場合によっては情報システムが適切に稼動しないリスク、内部統制の維持や会計帳簿及び財務諸表の作成に関して問題が発生するリスクがあります。 また、当行グループは、地震等の自然災害や大規模な停電その他の事故等により、当行グループが使用する情報システムを収容するデータセンターが正常に稼動できなくなる場合に備えて、データセンターの二重化にも取り組んでおります。BeSTAcloudは、現用システムを愛知県名古屋市に設置されたデータセンターに、災害対策用のコンピュータ機器を福岡県福岡市に設置されたデータセンターにそれぞれ収容し、遠隔地の2センター体制としており、ビジネス部門、IT部門、委託先が参加した災対切替訓練を行っております。インターネットバンキング、デビットカード、ホームページなど、お客さま向けサービスに重要なシステムも遠隔地にバックアップセンターを設けております。上記以外の情報システムについては、メインセンターを東京都府中市に、バックアップセンターを東京都千代田区に設置し、重要な情報システムに係る機器等の二重化を実施しております。しかしながら、遠隔地のセンターに直接的な被害がなくても、バックアップセンターとの通信経路が確保できずバックアップ機能が十分に確保できないリスクがあります。また、首都圏で地震が発生した場合、メインセンターとバックアップセンターの両サイトが被災するリスクがあります。更に、当行グループのバックアッププランは、サービスの中断時に生じるおそれのある偶発事象に対処できるものではない可能性があります。 当行グループは、お客さま向け情報提供のためのホームページ、インターネットバンキング、スマホアプリ、口座開設等のサービスをインターネット環境で提供しております。また、当行グループの業務遂行に必要な外部情報の取得やメール送受信のため当行グループシステムをインターネット環境に接続しており、こうしたところでは、十分なサイバーセキュリティの体制を構築することが必要になります。当行グループでは、ランサムウェア対策を含めた、インターネットに接続するシステムに必要な安全対策として、行内のシステム環境のほか、在宅勤務などのリモートアクセス環境についても、不正侵入防止の入口対策、情報漏えい防止の出口対策等、外部からの攻撃に対し多層的な技術的対策を実施しております。また、日々のサイバー脅威動向の情報収集と共有、ログのモニタリング、破壊を想定したサーバー復旧訓練の実施、脅威ベースを意識したペネトレーションテストの実施、専門的な知見を持つ要員の確保・育成など、サイバーレジリエンス体制の維持・整備に努めております。しかしながらサイバー攻撃の高度化により当行グループが講じている対策が有効に機能せず、システムダウンやサービス停止等により、業務継続に支障が生ずるリスクや内部情報が漏えいするリスクがあります。 当行グループの情報システムの動作不良は、自然災害やその他の理由にかかわらず、お客さまとの関係を毀損し、訴訟や行政処分を招来し、また、その他の理由により当行グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (3)外部業者により提供を受けている重要なサービス 当行グループは、業務にとって重要である多くのサービスについて外部業者を利用しております。外部業者の利用に際しては、経営・財務状況の安定性や情報管理態勢等のほか、人権の尊重や環境への配慮も含めた外部業者の適格性検証、サービス代替策の検討、利用中の継続的な外部業者管理等の方策を講じておりますが、地震等の自然災害、感染症の流行、システム障害やその他の事情により、それらの外部業者のサービスが停止した場合、又はそれらのサービスに問題が生じた場合に、当行グループが同様の条件で同種のサービスをタイムリーに提供できる外部業者を見出すことができるとは限りません。その場合、当行グループの営業が中断し、当行グループの業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、業界又はその他の状況の変化により、外部業者がサービスの料金を引き上げることも考えられ、その場合には、当行グループの業績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4)個人情報等の流出等のリスク 近年、企業や金融機関が保有する個人情報等の流出という事態が、数多く発生しております。当行グループでは、個人情報等の流出等防止のための様々な方策を講じておりますが、保有する個人情報等について、役職員等若しくは委託先の人為的なミスあるいは内部若しくは外部からの不正アクセスにより流出した情報が不正に使用されることを完全に防止することはできません。こうした事態が発生した場合、当行グループはその責任を負い、法令上、民事上の責任等を問われ、あるいは、監督機関の処分を受ける可能性があります。更に、そうした事故が発生することにより、当行グループの業務及びブランド力に対する評価や当行グループに対する顧客や市場の信認に悪影響が及ぶ可能性があります。 (5)災害等に対する危機管理及び業務継続に関するリスク 地震、台風等の大規模自然災害や、重大なシステム障害、サイバー攻撃、テロ、武力攻撃等による被害、感染症の流行によるパンデミック等の影響により、当行グループの業務の一部もしくは全体に深刻な影響が及び、これらが停止するおそれがあります。 当行グループは、かかる事象が発生した場合においても業務継続を可能とすべく、業務継続計画(BCP)、災害復旧計画(DRP)等の策定・整備、バックアップオフィスの構築等を行うとともに、継続的に各種訓練等を実施し、危機管理体制の実効性向上、オペレーショナル・レジリエンス確保を図るよう努めております。 しかしながら、かかる努力によってもあらゆる事態に対応できるとは限らず、当行グループの業務運営、業績及び財政状態への悪影響を回避しきれない可能性があります。 (6)人材に関するリスク 当行グループは新たな金融の付加価値を創造し社会の発展に貢献するため、「あおぞら型投資銀行ビジネス」に注力し顧客や地域社会が抱える課題を解決していくとともに、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を通じて当行グループ自身のビジネスや企業文化を変革していくことを目指しております。こうした経営戦略・ビジネス戦略の実現のためには戦略に沿った人員計画を策定し、注力分野に重点的に人的リソースを配分するなど常に人材配置の最適化を図る必要があります。ビジネス環境の変化に対応できる人材や注力分野に必要なスキルセットを持つ人材が不足又は流出した場合、当行グループの業務運営やビジネス戦略の実現を通じた持続的成長に支障をきたすリスクがあります。 当行グループでは、人材が企業価値創造の最大の原動力であるとの認識のもと人的資本の強化に取り組んでおります。キャリアコースや世代間の壁をなくし、専門人材の登用も可能にする人事制度を基盤として多種多様な研修プログラムやキャリア支援制度などを用意し、チャレンジ意欲にあふれ組織に貢献できる「人財」の育成に努めております。また新型コロナウイルス感染症予防の徹底やテレワークの浸透などにより、業務継続に必要な従業員の健康を守るとともに社会基盤として必要不可欠な業務の安定稼働につなげた他、安心して長く働ける働きやすい環境の整備に努めることで高い従業員満足度を維持しております。また新たにエンゲージメント測定ツールを導入し、従業員一人ひとりが最大限能力を発揮できるよう働きがい向上に取り組むとともに組織力強化に努めております。これからも人的資本への投資に注力することで人材に関するリスクを削減してまいりますが、かかる努力によっても業務遂行上必要な人材の不足・流出を防止できるとは限らず、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)係争中の訴訟 当行グループは、当行グループ全体の訴訟について一元的に管理を行い、グループの法務リスクの極小化に努めており、現在のところ経営に重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟案件はありません。しかし、当行グループは銀行業務を中心に各種金融サービスを提供しており、このような業務遂行の過程で、損害賠償請求訴訟等を提起されたり、損害に対する補償をしたりする可能性があります。このような訴訟等の動向によっては、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8)法令遵守に関するリスク 当行グループは、法令等の遵守を徹底し、業務の適法性とともに適切性を確保するために、経営理念に基づき全役職員が遵守すべき「倫理・行動基準」を定め、毎年全役職員に遵守することの誓約を求めること等により、金融機関への社会的要請に適合したコンプライアンスを実現することを最優先とする企業文化の構築に取り組んでおります。しかしながら、必ずしもこのような取組のすべてが有効に機能するとは限りません。お客さま情報の管理不備その他の事情に起因して、各種法令違反が発生するおそれや、お客さまとの多面的な取引の展開が優越的地位の濫用とみなされるおそれもあります。このように今後仮に法令違反等が発生した場合には、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)金融犯罪に関するリスク当行グループは、口座開設時においてお客さまの取引時確認を厳格に行うことに加え、その後も継続的にお客さまの状況確認や取引のモニタリングを行うことにより、口座不正利用の防止に努めるとともに、お客さまに振り込め詐欺の注意喚起をする等により、お客さまの取引の安全と口座の保護に取り組んでおります。また、新規の取引に先立ち、反社会的勢力等との関係等に関する情報の有無を確認することに加え、その後も継続的に確認を行う等、反社会的勢力等とのあらゆる取引を排除すべく必要な手続きを行っております。こうした金融犯罪を防止する取組は従前から行っておりますが、近年の本邦における金融犯罪の増加等を踏まえ、モニタリング態勢の高度化を継続的に実施するとともに、グループ会社における金融犯罪防止態勢強化・整備のサポートを行うなど、当行グループ全体として実効性を確保する取組を進めております。しかし、厳格なチェックにもかかわらず、反社会的勢力等との関係を持つ者が口座を開設する等の可能性があり、また、これらの者等が自らの口座を詐欺等に使用したり、マネー・ローンダリングや租税回避行為又は他の不正行為を行う可能性もあります。また、大規模な金融犯罪に巻き込まれた場合には、その対策にかかるコストやお客さまへの補償のほか風評等により、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10)外為法上の経済制裁措置等に関するリスク 当行グループは、お客さまとの取引に際しては、資産凍結・経済制裁措置の対象者に該当するか否かの確認や、資金使途規制・貿易規制、特定国との取引規制の確認等、外国為替及び外国貿易法その他の適用法令上必要な対応をとることで、拡散金融を含む各種規制に抵触しないよう体制を整備しております。しかしながら、手続きの不備等の結果、法令違反が発生するおそれがあります。法令違反等が発生した場合には、当行グループが行政処分その他の制裁を受け、当行グループの評判が毀損される可能性や業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11)従業員又は外部者による不正や過失等によって損失が発生する可能性 当行グループは、上記のリスク以外にも、従業員又は外部者による不正、懈怠及び過失によって損失を被る可能性があります。当行グループでは、従業員に対して社内規定等の適正な運用の徹底を図っておりますが、従業員が、予め許容された範囲を超え、また、許容できないリスクのある取引を実行したり、規定等に反する行為を隠蔽したり、秘密情報を不適切に使用・漏えいしたり、お客さまに対する詐欺的誘引行為又はその他お客さまの信頼を損なう行為を行う可能性があります。また、盗難若しくは偽造されたキャッシュカードの不正利用及びインターネットバンキング不正送金や、デビットカードの不正利用等による被害に対し、当行グループがお客さまに対する賠償責任を負担する可能性等も存在します。従業員又は外部者による不正や過失等を防ぐため、コンプライアンス体制を強化しておりますが、このような行為の結果、当行グループが行政処分その他の制裁を受け、又は当行グループの評判が毀損される可能性もあります。 (12)風説・風評の発生による悪影響 当行グループや金融業界等に対して、その信頼を毀損するような風説・風評が発生し拡散した場合に、当行グループの株価や業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、インターネットやSNS上の情報は短時間で不特定多数に拡散されるため、想定外の影響を及ぼす可能性もあります。 6.自己資本にかかるリスク(1)自己資本比率規制 当行グループは現在、国内基準に基づき、4.0%以上の自己資本比率を維持することが求められております。当行グループは、2023年3月末時点において連結自己資本比率9.43%(バーゼルⅢ国内基準ベース)と十分な水準を維持しておりますが、将来、規制上求められる水準の自己資本比率を維持できなくなった場合、行政措置が課され、当行グループの業務遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。将来、当行グループの自己資本比率に影響を及ぼす可能性のある要因には以下の事項が含まれます。 ・バーゼル銀行監督委員会は2017年12月に「バーゼルⅢ:金融危機後の改革最終化」(バーゼルⅢ最終化)を公表いたしました。同文書には、信用リスク・アセットの計測方法の見直し、オペレーショナル・リスクの計測方法の見直し、資本フロアの導入等が含まれており、当行は2024年3月末より適用となります。自己資本比率規制が更に強化された場合には、当行グループの自己資本比率に影響を及ぼす可能性があります。当行グループは、今後も健全性を維持しつつ資本の効率的な活用に努めるとともに、グローバルな自己資本比率規制強化の方向性等を踏まえ、自己資本の充実を図ってまいりますが、将来における当行グループの利益水準、リスク・アセット水準の変動その他の要因によっては、当行グループの自己資本比率が当行グループの想定を下回る可能性があります。・上記のとおり、現状当行グループは十分な水準の自己資本比率を維持しておりますが、今後企業価値向上に資する戦略的な資本提携や買収・合併の実施により、自己資本比率が現行水準より低下する可能性があります。 7.当行グループの財務に関するリスク(1)信用格付の低下が当行グループの業績に悪影響をもたらす可能性 格付機関により当行グループの格付が引下げられた場合、インターバンク市場での短期資金調達あるいは資本調達等においてより不利な条件で取引を行わざるを得なくなる若しくは取引そのものが行えなくなる可能性があります。また、デリバティブ取引等の一定の取引行為が制限され若しくは行えなくなる可能性があるほか、現在締結しているその他の契約を解消される可能性もあります。このような事象のいずれもが、当行グループの財務や業務の執行に悪影響を与え、業績や財政状態に不利な影響を与える可能性があります。(2)退職給付制度及び年金資産に関連するリスク 当行グループの年金資産の時価が下落した場合や、年金資産の長期期待運用収益率が低下する等退職給付債務に関する予測計算の前提条件に変更が生じた場合には、退職給付費用が増加する可能性があります。また、当行グループの退職給付制度の変更により、退職給付債務が追加的に発生する可能性があるほか、金利環境の変化や会計基準の変更その他の要素によって、退職給付債務が増加したり、年度毎の退職給付費用が増加する可能性があります。(3)繰延税金資産に関するリスク 当行グループでは、繰延税金資産は、現行の会計基準に従い、将来の課税所得を合理的に見積もった上で計上しております。将来、実効税率引下げ等の税制改正や課税所得の見積額の変更等によって繰延税金資産の取崩しが必要となった場合に、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 8.日本の金融サービス業界に関連するリスク(1)日本及び世界の経済状況が悪化することで当行グループが受ける悪影響 当行グループの業績は、日本国内だけでなく世界的な金融経済環境の状況に大きく影響され、また、そうした日本国内及び世界的な金融経済環境は、金融・財政政策や地政学的要因等様々な要素によって影響を受けます。・米中の関係悪化、各国の経済成長の鈍化、アジア・中近東等の地政学上の緊張拡大等を端緒に世界経済が一層減速する可能性もあります。また、ロシアによるウクライナ侵略の長期化に伴うエネルギーや穀物をはじめとした資源価格の高騰により、広い範囲でコストが上昇しております。また、米中デカップリングの拡大によるサプライチェーンの分断や国際貿易の鈍化により、企業の輸入コストが上昇する可能性があります。長期化が懸念される世界的なインフレが、企業業績や米国をはじめとする各国の経済に与える影響にも留意する必要があります。・日本経済は、世界経済と同様に広い範囲でコストが上昇しており、インフレが長期化した場合には、経済状況が悪化する可能性があります。今後、米国をはじめとする各国の金融政策の動向、景気対策の効果や経済の行方など、マクロの金融経済動向がミクロ経済へ波及し、影響を及ぼす点について留意する必要があります。また、日本銀行の金融政策の動向、日本政府の景気対策の効果等によっても、国内経済に変調がもたらされる可能性があります。 このような環境下、日本及び世界の金融市場や経済の状況がさらに悪化し、又はその回復が遅れた場合、金融資本市場における信用収縮の動き、債券・株式市場や外国為替相場の大幅な変動、景気の停滞や悪化に伴う地価や株価の下落、企業倒産や個人の破産の増加等により、貸出資産の劣化や業務の停滞が生じ、当行グループの資金調達や業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (2)日本の金融サービス市場の競争激化 人口減少や高齢化及び低金利環境の長期化等により、我が国の金融サービス市場の競争環境は厳しさを増しております。また、Fintechを始めとする先進テクノロジーの出現による新規事業創出の加速や規制緩和を要因として、通信業者や小売業者をはじめ、他業界からも銀行業・決済事業への参入が見られます。当行グループは、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行グループに比べ優位に立つと考えられる企業も存在しております。当行グループの主要な競争相手には以下のものが含まれると考えております。・国内大手銀行グループ:三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ及び三井住友フィナンシャルグループは、資産、顧客基盤、支店数、及び従業員数等の様々な面において、当行グループに比べ相当に大きな規模を有しております。また、これらの銀行グループは、子会社又は関係会社として証券会社をはじめとした様々な機能を有しており、当行グループ同様その収益源を多様化する戦略を採っております。・主要な投資銀行:国内外の投資銀行との間でも当行グループは、コーポレートアドバイザリー業務、スペシャルティファイナンス及びデリバティブ商品販売業務等様々な事業分野において、競争関係に立っております。・その他の金融機関:三井住友トラストグループ、りそな銀行グループ、SBI新生銀行、インターネットバンク及び地方銀行等が含まれます。・ゆうちょ銀行、政府系金融機関:当行グループは、ゆうちょ銀行のほか、日本政策投資銀行等の政府系金融機関とも競争関係にあります。・その他の金融サービス提供者:当行又は当行の子会社、関連会社は、証券会社、資産運用会社、M&Aアドバイザリー会社、債権回収会社、消費者金融業者及びその他の金融サービス業者とも競争関係にあります。・当行グループは、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行グループに比べ優位に立つと考えられる企業も存在しております。また、デジタライゼーションの進展等を背景に従来には見られなかった異業種から参入も活発化し、一層の競争激化が見込まれます。 国内金融サービス市場をめぐる競争は一層激化することが予想される中で、当行グループが現在又は将来の競合他社と効果的に伍していけるという保証はありません。これまで当行グループは、シンジケートローン、LBOファイナンス、貸出及びコミットメントラインの供与、投資信託の販売等で手数料等の収入を増加させてきましたが、競争の激化に伴う手数料の低下が収益の下押し要因となるおそれがあります。また、当行グループは貸出金利及び預金金利の面でも競合他行と競争関係に立たされており、競争の激化が貸出金利の低下及び預金金利の上昇を促し当行グループの収益性を圧迫する可能性もあります。 (3)金融機関として広範な規制に服していること 当行グループは、金融機関として、広範な法令上の制限及び政府機関による監督を受ける立場にあります。更に、当行並びに当行の子会社及び関連会社は、金融当局による自己資本比率規制、銀行法、その他の銀行としての業務規制を受けております。また、銀行業以外の業務範囲については一部見直しが為されているものの引き続き制限を受けております。こうした制約から、ビジネスチャンスに対し適時に対応することが困難となる可能性があります。 仮に当行グループが、関連法規及び規制の違反を犯したような場合には、行政処分の対象とされ、また当行グループの評価が悪影響を受ける可能性があります。 (4)各種の規制及び法制度等の変更 当行グループは現行法による規制に従って業務を遂行しておりますが、当行グループが国内外において業務を行うにあたって適用されている法律、規則、政策、実務慣行、会計制度及び税制等が変更、又は新たに導入された場合には、当行グループの業務運営に影響を与え、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 9.環境・社会課題に係るリスク(1)環境・社会課題に配慮しない投融資等に係るリスク 当行グループは、経営理念において「新たな金融の付加価値を創造し、社会の発展に貢献する」ことをミッションに掲げ、適切なリスク管理態勢のもとで金融仲介機能を発揮し、社会のサステナブルな発展に積極的に貢献することに努めております。 昨今、金融業界においても気候変動対応をはじめとする持続可能な社会の実現に向けた取組が加速していることに加え、各方面のステークホルダーから、事業者としての活動にととまらずサプライチェーン全体を通じて、環境・社会に関する様々な課題に配慮することが期待されております。投融資ビジネスにおいては、「環境・社会に配慮した投融資方針」を策定の上、近時の地政学リスクからの影響も考慮しながら、環境・社会に対し負の影響を助長する可能性が高いセクターへのファイナンスに際してはその適切性について検討を行うとともに、お客さまの環境・社会課題への取組を支援するサステナブルファイナンスの実行/組成額に目標を設定し、積極的な取組を行っております。また、大規模な開発を伴うプロジェクトファイナンスは自然環境や地域社会に大きな影響を与える可能性があり、これらの負の影響を回避・緩和するための適切な配慮を確認した上でファイナンスを実行するため、「赤道原則」を採択しております。しかしながら、これらの当行グループの投融資等に係る取組が、他の金融機関の取組に大きく劣後した場合や投資家やお客さまなどのステークホルダーの期待から大きく乖離した場合などには、ビジネス機会の逸失、ポートフォリオの質の低下、調達力の低下、レピュテーションの低下等により、当行グループの業務運営や業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)気候変動に係るリスク 気候変動の原因とされる温室効果ガスの削減や2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取組が加速しており、金融業界では、様々な環境・社会課題の中でも気候変動リスクへの対応の重要性が高まっております。当行グループは、気候変動が環境・社会、企業活動、個人の生活にとっての脅威であり、当行の業績・財政状況へ影響を及ぼしうる重要な課題の一つであると認識しております。 気候変動リスクとしては、移行リスクと物理的リスクがあります。(移行リスク)脱炭素経済への移行に伴う政策・法規制・技術・市場の変化が生じることに起因する、次のようなリスクを当行グループは認識しております。・脱炭素社会への移行に伴う炭素税等の政策等が与信先の事業や財務状況に影響し、与信ポートフォリオが影響を受けるリスク・脱炭素技術の進歩や消費者の嗜好変化による既存の製品・サービスの代替の進展により投融資先の業績が悪化し、与信ポートフォリオが影響を受けるリスク・新たな技術開発を志向する企業との取引を十分取り込むことが出来ず、当行グループの業績に悪影響が及ぶとともに当行グループの評価が低下するリスク(物理的リスク)温暖化の進行により、資産に対する直接的な損傷や、サプライチェーンの寸断による間接的な影響等が生じる、次のようなリスクを当行グループは認識しております。・風水害の頻度・規模の増大等、気候変動に伴う自然災害や異常気象によってもたらされる物理的な被害から与信ポートフォリオが影響を受けるリスク・社会インフラあるいは当行グループの事業施設や従業員が被害を受け、当行グループ又は当行グループの取引先の事業に重大な悪影響が及ぶリスク・温暖化の進行で熱中症や疫病のパンデミック等の発生頻度が高まり、当行グループ又は当行グループの取引先の事業に重大な悪影響が及ぶリスク これらの事象が生じた場合には、当行グループの業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 当行グループは、こうした気候変動に関するリスクの把握・評価、情報開示の重要性を認識し、気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures、以下、「TCFD」)が策定した気候変動関連財務情報開示に関する提言に賛同し、移行リスクと物理的リスクが当行に与える影響について分析し、当行の与信関連費用への影響額を開示しております。 2050年カーボンニュートラル社会の実現に向け、当行グループ自社の脱炭素化の取組を加速するとともに、お客さまの気候変動対応や脱炭素社会への移行を積極的に支援するため、外部業者と協業した脱炭素コンサルティングサービスの展開や国内外における環境ファイナンスを推進しております。加えて、投融資先に関するTCFDに沿った脱炭素化の働きかけやリスクの把握・評価、情報開示の拡充にも取り組んでおりますが、これらの気候変動に関するリスクへの対策や情報開示が不十分であった場合又はそのように見做された場合などには、ビジネス機会の逸失、ポートフォリオの質の低下、調達力の低下、レピュテーションの低下などにより、当行グループの業務運営や業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 10.その他(1)財務報告に係る内部統制に関するリスク 当行グループは、金融商品取引法に基づき、財務報告に係る内部統制の有効性を評価した「内部統制報告書」の提出、及びその評価内容について監査法人の監査を受けることが求められております。 当行グループは、財務報告に係る内部統制の整備・運用を行っており、有効性を評価する過程で発見された事項は速やかに改善するよう努めております。 しかしながら、改善が不十分な場合や経営者が内部統制を有効と評価しても監査法人が開示すべき重要な不備があると評価するような場合があり、当行グループの財務報告の信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)重要な経営陣への依存 当行グループでは、経営陣の業務遂行能力が、今後の当行グループの事業の成否に関する重要な要因となる場合があるものと考えております。重要な経営陣の退社等により、当行グループの事業遂行が悪影響を受け、また事業戦略の実施能力が低下する可能性があります。
FY2022|26,299 文字
2【事業等のリスク】 当行及び当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクは以下のとおりです。まず、トップリスク(今後1年間で経営上重大な影響があるリスク)について記載し、その後に主要な個別リスクについて記載しております。 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当行及び当行グループが判断したものです。当行グループはこれらリスクの発生の可能性を認識したうえで、それぞれのリスクの発生の回避及び発生した場合への対応に努めております。リスク管理については、マネジメントコミッティー及びALM委員会、統合リスクコミッティー、クレジットコミッティー、投資委員会、CAPEX委員会、顧客保護委員会等により遂行され、定期的に取締役会に報告されております。 <トップリスク> 2022年度の業務運営において、当行グループを取り巻く環境が与える多くのリスク要因のうち、以下の項目を当行グループのトップリスク(今後1年間で経営上重大な影響があるリスク)として認識しております。なお、参照する個別リスクの項目を合わせて記載しています。 トップリスク項目リスクの内容対応策参照箇所 1.市場の混乱による保有有価証券の価値下落・緩和的な金融政策の転換やインフレ・金利上昇懸念をきっかけとする急激なマネーの収縮、ロシアのウクライナ侵攻をはじめとする地政学リスクの顕在化などを背景に、金融市場が不安定化することによる、保有有価証券の価値の急激な下落や市場流動性の悪化インフレの昂進や地政学リスクの顕在化等により先行きの不確実性が高まっていますが、リスク量・損失に関する各種ポイントの設定により、損失などの問題が重大なものとなる前の段階で適切な対応を図るリスク管理体制を整備しており、分散を図った流動性の高いポートフォリオを維持しつつ、市場動向・金融環境の変化に応じて、対応方針を適宜協議し、ポジションの量やバランス調整、ヘッジ対応により機動的なリスクコントロールを実施しております。 3.市場リスク(1)トレーディング及び投資業務における市場リスク4.流動性リスク(2)市場流動性リスク2. クレジット・クオリティの悪化・ロシアのウクライナ侵攻を受けた経済活動の断絶、供給制約やインフレ圧力によるコスト増などを背景とした与信先の業績悪化、投資マネーの反転による不動産価格の反落・担保価値の下落による、与信案件やエクイティ投資案件のクオリティ悪化や与信関連費用の増加・投資損失の発生・脱炭素や人権配慮に関して対応が遅れた投融資先について、企業価値低下による与信関連費用の増加サプライチェーンの混乱やインフレの長期化による企業活動への影響を慎重に見極めながら、貸出運営方針や投資計画の策定とそれらに沿った個別案件の取り上げ、定期的なモニタリング報告等、規律ある投融資を実践してまいります。また、個別投融資案件について、取組先やボリュームの分散に留意しつつ、ビジネスリスクを慎重に分析し選別的に取り上げ、加えて、与信集中リスク回避のための各種ガイドラインを設定し、ストレステストを含めた資本コントロールを行ってまいります。2.信用リスク(1) 不良債権残高及び与信関連費用の増加(2)特定先及び特定業種への集中に係るリスク(3)貸倒引当金が不十分となるリスク9.環境・社会に係るリスク(1)環境・社会に配慮しない投融資等に係るリスク 3. 外貨調達の不安定化・金融市場の混乱等から生じる市場流動性低下等による外貨資金繰りの悪化や調達コストの上昇定期的なストレステストによるモニタリング・検証を実施するとともに、ストレス下においても十分な手元流動性を確保できるよう体制整備に努めております。また、継続的に外貨建社債を発行する等、外貨調達手段の長期化・安定化に努めており、加えて、緊急時に利用可能な外貨調達ファシリティを設定する等、対応策を多様化しております。 4.流動性リスク(1)資金流動性リスク4.ITリスク・サイバー攻撃やシステム障害により、お客様へのサービス提供など当行グループの業務継続が困難になること、お客様情報や当行グループの重要情報が漏洩すること、及びそれらによる当行グループの評判の毀損サイバー攻撃対応として、日々脅威を増す攻撃に対して役職員全員の意識向上を図り、多層的防御のための技術的対策の進化、モニタリングなどの検知能力の強化、ビジネス部門を含めた対応、復旧訓練により、グループ全体のサイバーセキュリティ耐性を維持、強化しております。システム障害対応は、緊密な情報連携、訓練などにより障害時対応の実効性を維持、強化しております。 5.オペレーショナル・リスク(2)システム障害リスク 5.当行グループの構造転換、ビジネス転換の遅れ・世界的な産業構造の転換やデジタル化拡大、金融商品のコモディティ化、金融分野への他業種からの進出による競争激化や銀行業務範囲規制緩和への対応が遅れることによる、当行グループの収益力の低下・脱炭素対応の遅れや開示姿勢が消極的とみなされることに起因して、格付低下に伴う外貨調達コストの上昇、サステナブルファイナンス機会の逸失、同業他社に大きく劣後することに伴う当行グループの評判の毀損 詳細は(2022年度の重点施策)(12頁~)をご参照ください。 1.事業戦略におけるリスク(1)事業戦略の推進に伴うリスク8.日本の金融サービス業界に関連するリスク(2)日本の金融サービス市場の競争激化9.環境・社会に係るリスク(1)環境・社会に配慮しない投融資等に係るリスク6.マネー・ローンダリングやテロ資金供与、反社会的勢力との取引、インサイダー取引・マネー・ローンダリング、テロ資金供与、拡散金融等の金融犯罪対策の不備、その他外為法上の経済制裁措置への対応や反社会的勢力排除態勢の不備、及びインサイダー取引規制違反により、刑罰や行政処分を受けるリスク、及び当行グループの評判が毀損するリスク年次のコンプライアンス・プログラムにおいて、法令・行内ルールの周知、モニタリング、研修等の計画設定と進捗状況を確認しております。また、倫理・行動基準について、誓約書の徴求に加えてトップメッセージ等での発信を継続することにより一層の浸透・定着を推進しております。マネー・ローンダリング等防止の顧客管理体制整備と経済制裁対象者対応の継続的な実効性確保、マネー・ローンダリングガイドライン並びに外国為替検査ガイドライン改定等を踏まえた更なる高度化を推進してまいります。インサイダー取引未然防止について、注意喚起及び研修・eラーニング等の実施により役職員への周知を継続してまいります。 5.オペレーショナル・リスク(9)法令遵守に伴うリスク(10)金融犯罪に関するリスク(11)従業員又は外部者による不正や過失等によって損失が発生する可能性 7.人材リソースのサステナビリティ・ビジネス環境の変化に対応できる人材や注力ビジネスに必要なスキルセットを有する人材の不足・流出により、当行グループの戦略策定や業務運営に支障をきたす チームワークでチャレンジを続ける金融グループであるための人事施策として、キャリアコースや世代間の壁を無くし、専門人材の登用も可能にする人事制度改革を実施しております。5.オペレーショナル・リスク(6)能力のある従業員の雇用(7)人事上のリスク <主要な個別リスク> 1.事業戦略におけるリスク(1)事業戦略の推進に伴うリスク 当行グループは、「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、「2022年度の重点施策」に基づき、業務を遂行してまいります。しかしながら、このような事業戦略の推進に際しては、以下のようなリスクがあります。・今後注力していく事業分野において、想定通りに業績を伸ばすことができるとは限りません。・戦略の遂行に伴う経営資源の配分の見直し等が成功するとは限りません。・業務の推進においては、実務を遂行する人材を確保する必要がありますが、必要な人材を十分に確保できるとは限りません。・新型コロナウイルス感染症等のパンデミックや自然災害等により、各業務において十分な事業活動が行えるとは限りません。・ロシアのウクライナ侵攻をはじめとする地政学リスクの顕在化などを背景に、金融市場が不安定化することにより、事業環境が大きく悪化し、想定通りに業績を伸ばすことができるとは限りません。 (2)事業法人のお客さまとの取引の推進におけるリスク 当行グループは、歴史的な産業構造の転換期における取組として、「あおぞら型投資銀行ビジネス」を推進してまいります。事業法人のお客さまの事業再編や事業再生ニーズ、SDGsへの取り組みに対し、お客さまの事業を深く理解したうえで、通常の貸出取引のみならず、資本性資金やサステナブルファイナンスなど、お客さまのニーズに沿ったデットからエクイティに至る適切なファイナンスの提供等、信用供与の円滑化に努めております。また、それぞれのお客さまのニーズに応じて、オーダーメイド型で付加価値の高い金融ソリューションの提供を通じ、引き続き顧客基盤の拡充に注力してまいります。加えて、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたお取引先に対しては、きめ細かくニーズに対応し支援に努めております。しかしながら、当行グループがこうした事業金融の推進を行うにあたっては以下のようなリスクがあります。・新型コロナウイルス感染症拡大の影響が、一部のお取引先の事業活動や信用状態に悪影響を与え、当行グループの収益力の低下及び与信費用の増加につながり当行グループの財務状況にも影響を与える可能性があります。・ロシアのウクライナ侵攻をはじめとする地政学リスクの顕在化の影響が、一部のお取引先の事業活動や信用状態に悪影響を与え、当行グループの収益力の低下及び与信費用の増加につながり当行グループの財務状況にも影響を与える可能性があります。・当行グループの基準に見合う顧客層との取引が期待通りに拡充できるとは限らず、当行グループが目指す資産の質、収益が確保できない可能性があります。・当行グループは、法人顧客基盤が国内大手銀行グループよりも小さく、また営業拠点数、営業人員数も少ないことから新規の顧客獲得等に限界がある可能性があります。・我が国においては、超低金利環境が継続しており、オーバーバンキングによる厳しい競争の結果、当行グループの事業法人貸出においてリスクに応じた適正なプライシングを行うことが困難な状況になっています。当行グループは、継続的な付加価値の提供を通じたお客さまとの信頼関係構築により付帯取引を獲得し、総合的な収益性の確保に努めておりますが、個別の貸出においては、信用リスクや格付に応じた利鞘より低い水準で貸出を行うことがあります。・国内外における経済環境の悪化が生じた場合には、当行グループを取り巻く環境や将来の業績に悪影響を与える可能性があります。また、そのような局面においては、管理回収等の強化に伴う人的リソースの配分等により、注力分野の活動に制約が生じる可能性があります。 (3)リテールバンキング業務の拡充に伴うリスク 当行グループは、様々な金融商品の提案等を通して、お客さまの中長期な資産形成をお手伝いさせていただいております。加えて、スマートフォンアプリを軸としたマネーサービス「BANK」を中心にスマートフォンやインターネット等を利用した非対面取引機能を拡充し、現役世代のお客さまへのアプローチを強化しています。 資金調達の面では、2022年3月末の個人のお客さまからの調達がコア調達(預金・譲渡性預金及び社債)に占める割合は64%程度となっており、引き続き資金調達の面でもリテールバンキング業務は当行グループの中核を担っております。 当行グループは、お客さま本位の業務運営の実践に基づく資産運用コンサルティングを提供してまいります。また、財産承継、事業承継等の多様なニーズに対して、当行グループ一体となった付加価値の高いサービスを提供するとともに、「BANK」アプリを通じた金融サービスの提供により、すべてのお客さまが時間や場所にとらわれずにお取引ができ、希望する店舗でコンサルティングが受けられる営業体制を実現してまいります。しかしながら、以下のとおり、当行グループがリテールバンキング業務拡充の計画を成功裡に達成できない可能性があります。・当行グループは、当行グループ内の配置転換や外部採用等を通じて、また人材開発プログラムの導入や顧客視点の評価制度の導入等を通じて、コンサルティング力の強化に努めていく方針ですが、当該業務に精通した営業員の確保が想定を下回ったり、人材開発プログラムの導入や新しい評価制度の導入が必ずしもコンサルティング力の強化に結びつかない可能性があります。・当行グループは、競合他金融機関と比較して支店数が少なく、またインターネットバンキング展開においても後発であり、顧客基盤も相対的に小さいことから、新規顧客の獲得やあおぞらブランドの確立が容易ではない可能性があります。・リテールバンキング業務の拡充には、大量の取引を効率的に処理するためのシステムによるサポートが不可欠であり、システムの充実には多大な経営資源と時間を要する可能性があります。・当行グループが提供する商品・サービスの種類・条件について、他金融機関との差別化が難しくなるほか、他の種類の投資商品との競争が厳しくなることなどにより、必ずしも預かり資産の量の拡大、収益の拡大に結びつかない可能性があります。 上記のような事情からリテールバンキング業務を拡充できない場合、収益源及び資金調達源の多様化が十分に実現できず、当行グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)海外業務に関連するリスク 当行グループは、北米向けを中心とする海外貸出を選択的に実行することによって、収益力の向上並びに貸出ポートフォリオの分散を図る方針としております。加えて、2020年1月に資本・業務提携を締結したベトナムの中堅商業銀行Orient Commercial Joint Stock Bank(以下、「OCB Bank」)を通じて東南アジアの成長を取り込むとともに、OCB Bankの長期的な戦略パートナーとして、よりユニークで専門性の高い金融サービスを日本とベトナム双方のお客さまに提供していきます。当行グループが海外業務を展開するにあたり、リスク管理体制として、北米、アジア、欧州の各現地拠点と東京が連携したグローバルでシームレスなモニタリング態勢を強化しておりますが、当行グループにおける海外業務の遂行については、以下のリスクや課題があります。・ロシアのウクライナ侵攻をはじめとする地政学リスクの顕在化の影響を含む社会的、政治的、経済的な環境の変化や各国の税制及び規制環境の相違(特に金融サービスや直接投資に関するもの)に起因するリスク。・金利及び為替変動に関連する取引にかかるリスク。・商品ノウハウと各々の市場に対する知識等を有する人材を確保できないリスク。・投融資先の政治経済状況の変化、法制度等の変更によって、投融資の回収が困難となるリスク。・現地における政治経済状況、法制、規制あるいは税制等に関する情報の入手が遅れる等、質・量の両面で国内貸出と同水準の情報収集を維持することに支障が生じるリスク。・外貨調達に困難が生じた際の外貨資金繰りに関するリスク。 (5)地域金融機関が重要な顧客基盤であること 当行グループは、2020年11月に設置した「地域金融パートナーバンク・タスクフォース」の活動を通じて、多くの地域金融機関に対して、資金運用やリスク管理のニーズに応じた金融商品の提供、地域金融機関の取引先である中小企業への共同支援や地域企業再生支援、地域金融機関の個人のお客さまに対する預り資産ビジネスの支援等、多様な商品・サービスを提供してきております。当行グループは、かかる取引関係において、同業他社との競争上優位性を確保していると考えており、「地域金融パートナーバンク・タスクフォース」活動を発展させ、地域金融機関に対する商品・サービスの提供を一層充実させるとともに、引き続き地域金融機関の「戦略パートナー」として、地域金融機関のネットワークと個別業務分野における当行グループの強みを融合し、相互に機能補完する独自のビジネスモデルの展開を目指していく方針です。しかしながら、かかるビジネスモデルが有効に機能する保証はなく、また、金融環境の変化その他の要因により、今後この分野における競争力を失った場合には、地域金融機関との取引の規模及び収益の成長が鈍化し、更には縮小する可能性があります。 (6)先進的な商品とサービスの投入 当行グループの戦略は、すべての商品分野において他金融機関と競合することではなく、他金融機関にはない差別化された先進的な商品・サービスを開発し、投入することにより、事業法人のお客さま向けの業務や地域金融機関との協働によるビジネスを拡大し、収益を獲得していくこととしています。また、デリバティブ取引やリスク管理といった分野での先進的なノウハウを活用した商品・サービスにも力を入れており、地域金融機関の運用ニーズに対応したデリバティブ内蔵型の各種預金商品のほか、個人のお客さま向けにはノーロード投資信託・ESGを考慮した投資信託等の金融商品を提供しています。当行グループは、従来から、お客さまのニーズに合わせた独自の商品性を持った商品・サービスの投入により、一定の成果を上げているものと考えております。 しかしながら、将来投入される商品・サービスが同じように顧客から認知され、顧客の支持を得ることができる保証はありません。また、競合他金融機関が、当行グループと同様の顧客層をターゲットに、当行グループと同様の商品・サービスの提供を開始すること、また、その他競合する投資商品の出現等を要因とする競争の激化により、当行グループの商品の先進性・独自性が失われ、収益性が低下するおそれがありますが、その際に、当行グループが競争力の低下した商品・サービスに替わる新たな商品・サービスを継続的に供給し続けられるという保証はありません。 また、かかる先進的な商品・サービスの導入は、当行グループにとって、当行グループが経験したことのない又は経験の少ないリスクや課題をもたらす可能性があります。加えて、かかる先進的な商品・サービスへの過度な集中や依存は、当該商品・サービスの状況により、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7)業務・資本提携等アライアンス推進に伴うリスク当行グループは、長期的な視野における企業価値向上のため、国内外において成長性の高い市場を見極め、戦略的な提携や合併・買収等様々な方策の検討を行っていく方針です。銀行の業務範囲規制緩和等、事業領域拡大の機会を積極的に探り、当行グループの成長につながるビジネス機会を単独または事業パートナーと協力して開発し、戦略投資を実施してまいります。しかしながら、こうした提携や合併・買収等が収益の拡大・企業価値の増大に寄与するという保証はありません。合併や買収等の場合、統合作業の過程において一時費用が発生しますが、企図した統合成果が上がらず、結果として、検討又は統合等に要した費用、投資資金を回収できない可能性があります。また、提携についても、国内外における経済環境の変化等により、企図した効果があがらない可能性があります。更に、当行グループは提携業務の推進、買収事業の統合・展開において中核となるべき人材の確保等の問題に直面する可能性があります。加えて、そうした場合における通常の営業における人員確保や営業アクティビティの低下等の問題に直面する可能性もあります。 (8)子会社・関連会社の業務に関するリスク 当行グループは子会社において銀行業務、金融商品取引業務、投資運用業務、投資助言業務、M&Aアドバイザリー業務、ベンチャーキャピタル業務等の金融サービスに係る事業や債権管理回収業務を行っており、これら子会社の業務の中には、伝統的な銀行業とはリスクの種類や程度の異なる業務も含まれています。例えば、GMOあおぞらネット銀行が営むインターネット銀行事業は、当行グループが従来営んできた銀行業に係るものとは異なる種類や程度のリスクを含んでおり、またOCB Bankの業績はベトナムや東南アジアの経済動向に大きく影響を受けます。当行グループは、こうした業務に伴って発生する種々のリスクについても適切に管理する体制を整備するよう努めておりますが、当行グループの想定を超えるリスクが顕在化すること等により、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 また、GMOあおぞらネット銀行をはじめとする既存の子会社、あるいは今後新規に投資を行う会社について、各社の事業が想定通り伸長しなかった場合には、投資を回収できない可能性があり、また、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 2.信用リスク(1)不良債権残高及び与信関連費用の増加 当行グループは、個別の与信先について信用状態を継続的にモニタリングするとともに、信用状態の悪化が懸念される場合には貸出金の劣化に対する予防策を講じるよう努めておりますが、以下のような要因により、当行グループの不良債権残高や与信関連費用が増加する可能性があります。・当行グループの予想以上に内外経済が悪化した場合。・債務者が属する特定の産業の状況が悪化した場合。・債務者の個別事情により、債務者の業績が当行グループの予想を下回った場合、あるいは、不測の事態により債務者の業績が悪化した場合。・当行グループの予想以上に、債務者の経営再建計画が成功裡に実行されず信用リスクが高まる場合や、あるいは、金融機関による支援の打ち切り等により再建中止が余儀なくされる場合。・当行グループの予想を上回る内外の不動産市況の悪化等により裏付資産の価値が下落し、債務者の信用力が低下した場合。・脱炭素や人権配慮に関して対応が遅れた債務者の信用力が低下した場合。・新型コロナウイルス感染症拡大による経済・企業活動への影響が当行グループの想定よりも長期に及び、債務者の業績が悪化した場合。 (2)特定先及び特定業種への集中リスク 当行グループの大口債務者上位10先に対する貸出金は、2022年3月末時点の単体ベースの貸出金残高の約10%を占めており、大口債務者による債務不履行があった場合、又は大口債務者の一部若しくは複数との関係に重大な変化が生じた場合には、当行グループの業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 当行グループの国内及び海外の不動産業に対する貸出(不動産ノンリコースローンを除く)は、2022年3月末現在、単体ベースで貸出全体の約10%を占めており、その他の業種に対する貸出で、不動産担保により保全されているものもあります。そのため、当行グループの貸出は、不動産市況の悪化や不動産業界全体が低迷した場合には、不動産業界の債務者の信用力の悪化や、不動産で担保されている保全額の減少から、追加的な引当金が必要となったり、追加的なコストが発生する場合があります。 当行グループの国内及び海外の不動産ノンリコースローンは、2022年3月末現在、貸出全体の約22%を占めております。不動産ノンリコースローンは、債務者の信用力ではなく、特定の不動産及び当該不動産から生じるキャッシュ・フローのみを返済原資として債務の履行が担保されるもので、当行グループは、不動産賃料、空室率及び地価等のキャッシュ・フローに影響を及ぼす主なリスク要因等をモニタリングすることにより、リスク管理を行っております。しかしながら、不動産市況の悪化等により、対象不動産からのキャッシュ・フローが当行グループの予想を超えて悪影響を受ける場合には、当行グループの業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 (3)貸倒引当金が不十分となるリスク 当行グループは、過去の債務不履行発生状況、与信先の財務状況及び保有する担保の価値並びに景気動向に対する前提及び見通し等に基づいて貸倒引当金を計上しております。特に、今後の管理に注意を要する大口の与信先等については、経済環境の悪化により貸倒費用が増加する可能性も勘案し、債務者区分遷移シナリオや元本・利息の回収について一定の前提を置いてキャッシュ・フロー見積法等により算定した貸倒引当金を追加的に計上する等、十分な水準の貸倒引当金を計上しております。しかしながら、当行グループの想定を超えて経済環境が悪化する等、当行グループの前提及び見通しを変更する必要が生じた場合、当行グループの与信先の財務状況が当行グループの想定を超えて悪化した場合、当行グループが保有する担保の価値が下落した場合、あるいは、その他の要因により予想を超えて当行グループに悪影響が及んだ場合、当行グループは貸倒引当金を増加させる必要が生じる可能性があります。 なお、2022年3月期決算においては、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による経済・企業活動への影響が長期化し、一部の債務者については業績への影響が2022年度中まで継続する可能性があるとの仮定に基づき、当該債務者については将来的な信用状態の悪化の可能性を考慮した貸倒引当金を算定しています。 (4)海外向けエクスポージャーに関するリスク 当行グループの貸出金全体に占める海外向け貸出(最終リスク国が日本以外、連結ベース)の割合は、2022年3月末においては約37%になっております。なお、海外向け貸出の地域別状況については、北米向け貸出が約83%を占めており、残りはアジア向け及び欧州向けとなっております。なお、ロシア及びウクライナ向けの貸出はありません。当行グループは国・地域別のガイドラインを設定するとともに、機動的な債権売却の実施等により、エクスポージャーをコントロールしております。 海外において、財政状態の悪化や政治・経済の混乱等により、国・地域が債務不履行に陥る、あるいは、債権者に対して債務の再編や期限の延長等の支援を要請することを余儀なくされる場合、当行グループが保有するソブリンを含む海外向けエクスポージャーに悪影響が及び、結果として当行グループの業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 (5)ローン債権等に対する投資に関連するリスク 当行グループは、債権売買取引及び証券化ビジネスにおいて、事業法人向けローン、住宅ローン、売掛債権、リース債権、不良債権及び仕組商品を含む様々な資産の取得・回収・売却等を行っております。こうした業務は本質的に環境に左右されやすい性質を有しており、市場規模や環境等の変化により当行グループ保有資産の価値や信用力が低下した場合、当行グループの業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。 (6)エクイティ投資の推進に伴うリスク 当行グループは、PEファンド投資、不動産ファンド投資、環境インフラ投資、ベンチャー企業への株式投資等を含む様々な形態のエクイティ投資を行っております。これら投資については年度毎に投資計画を策定し、全体及びアセット種別毎の投資残高をコントロールするとともに、個別案件毎の定期的なモニタリングを実施しております。また投資環境に応じて投資計画を随時見直すことによりリスクを抑制することを目指しています。 しかしながら、こうした業務は、投資先の経営成績その他の財務状況の他、国内外の政治状況、経済状況、株式市況、不動産市況等環境の変化に左右されやすい性質を有しており、また、当行グループの採るリスクの抑制策が功を奏するとは限りません。このため、これら市況・環境の変化や投資先の財務状況の悪化により、当行グループの業績及び財政状況に悪影響が及ぶ可能性があります。 3.市場リスク(1)トレーディング及び投資業務における市場リスク 当行グループは、国内及び海外の債券、ファンド、デリバティブ取引を含む多様な金融商品への投資・運用及びトレーディングを行っております。こうした業務からの収益は、金利・為替レート・債券価格・株価の変動、ボラティリティの変動、各種資産間の相関状況の変化等により影響を受けます。一例をあげれば、金利の上昇は、一般的に当行グループの債券ポートフォリオの価値に対して悪影響をもたらすこととなります。更に、当行グループが保有している国債その他債券について信用格付が格下げされた場合や債務不履行となった場合、また、これらの流動性が著しく低下してポジション調整が困難な場合には、当行グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。 当行グループは、こうした業務において、自らの体力に見合った健全なリスクテイクを逸脱せぬよう、例えば、損失を限定するためのロスカット・ルールを設定する等、管理体制の整備に努めております。しかしながら、市場がストレス環境にあるような状況では、ポジションを思うように縮小することが出来ず、損失を想定した範囲に限定することが出来なくなる場合があります。また、金融政策の変化その他の要因により、市場が当行グループの予想を超えて変動した場合、当行グループは予測を超えた損失を被る可能性があります。 (2)金利変動によるリスク 貸出金、有価証券等の有利子資産による資金運用収益と、預金、社債等の有利子負債にかかる資金調達費用との差額である資金利益は、当行グループの収益の大きな割合を占めます。有利子資産と有利子負債では満期や金利設定条件等が異なるため、金利の変動により、当行グループの収益性が悪影響を受ける可能性があります。また、金利が上昇した場合には、貸出金への需要が低下する可能性があるほか、借入に係る金利負担の増加により債務者の業績や財政状態が悪化し、不良債権が増加することで当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続するとしつつ、当面、新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じるとしています。他方、米国においては、FRBが、米連邦公開市場委員会(FOMC)にて、政策金利の引き上げとバランスシート縮小を決定して金融緩和を解除し、政策引締めに転換しました。これに伴う米国金利上昇等の影響で、当行グループが保有する外国債券の評価損益は2022年3月末時点で284億円の評価損となっております。なお、保有する外国債券については、デリバティブを活用した金利リスク削減オペレーションを実施する等の対策を実施しています。 今後、各国中央銀行の政策変更やその他の外的要因により、仮に重大な又は予期しない金利変動が生じた場合には、当行グループの業績及び財政状態に更なる悪影響が及ぶ可能性があります。 4.流動性リスク(1)資金流動性リスク 当行グループの調達資金はスマートフォンアプリを軸としたマネーサービス「BANK」を中心とする流動性預金、順次満期を迎える定期預金や社債であり、当行グループは、継続的に預金を受け入れ、社債を発行し、既存債務の借換を行い、また継続的に一定割合を短期資金で調達する必要があります。当行グループは、資金調達手段の分散・多様化や、外貨調達の可用性強化のための為替先渡取引の取引枠設定に加え、外貨調達先の拡大を図る等、資金調達の長期化並びに安定性の確保・向上に継続して努めておりますが、流動性リスクを完全に回避することはできません。当行グループの資金調達が、市場環境が不安定な状況において満期を迎えた場合や、インターネットバンキングで手軽に預金の解約や送金が可能であることにより急速な預金流出が発生する場合、当行グループが許容できる条件で十分な資金を調達できるという保証はなく、再調達が首尾よくいかない場合には、当行グループの業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。また、当行グループの業績又は財政状態の悪化、信用の低下、格付機関による格下げ等のほか、外貨資金調達における制約、景気動向の悪化や金融システム全般の不安定化等により、当行グループが、営業上許容できる水準の利率で預金を獲得できない場合や当行グループの流動性が制限された場合、当行グループは必要な資金を確保するため、より高い資金コストを負担し、あるいは、資産を圧縮する等の対策をとる必要が生じ、業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。 また、当行グループを含む国内基準行に対しては、2017年4月末より流動性カバレッジ比率等の銀行法第24条に基づくモニタリングが開始されております。将来的にこうした枠組みの内容に何らかの変更があった場合、当行グループの調達構造に影響が及ぶ可能性があります。 (2)市場流動性リスク 当行グループは、市場で取引される様々な資産やデリバティブを保有しておりますが、市場の混乱や取引の厚みの不足等により、市場での取引を行うことができない、又は、著しく不利な価格での取引を余儀無くされることにより、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 5.オペレーショナル・リスク(1)リスク管理体制 当行グループの業務の遂行には、オペレーショナル・リスクが伴います。オペレーショナル・リスクは、不適切な内部処理、役職員の過失や不正行為、システムの障害及びその他の外部で発生する事象等、様々な形で顕在化する可能性があります。また当行グループの業務においては法律・規制に関するリスクも存在します。当行グループは、オペレーショナル・リスクについても必要なデータやリスクの顕在化事象を把握し、アセスメントを実施してリスクを特定、評価し、リスクをモニタリング、削減、コントロールする適切なリスク管理体制の整備に努めております。しかしながら、結果的にこの体制が有効に機能せず、リスク管理が十分に効果的なものとはならない可能性があります。業務分野の拡大、新規分野の取り組みや環境変化等に応じた適切なリスク管理体制を構築できず、当行グループが予想外の損失を被る可能性があります。(2)システム障害リスク 当行グループは、お客さまにサービスを提供し、業務を遂行するために様々な情報システムを運営しております。これらの情報システムの安定的な稼動を確保するため、複数年度のIT投資計画に沿って、新規・更新投資や機器等の保守を実施しています。各情報システムの重要性等に応じたバックアップの取得や機器・回線の二重化等の対策を講じるとともに、システム変更・移行時は十分な事前検証を行い障害発生の予防を図っています。不測の事態に備え、コンティンジェンシープランの整備やシステム復旧などシステム障害時の対策を定め訓練を実施しています。また、当行グループは、勘定系システムであるBeSTAcloud(株式会社エヌ・ティ・ティ・データが運営する基幹勘定系システムアウトソーシングサービス)など重要なシステムの運営を外部に委託していることから、運用管理状況を月次・年次で点検するとともに障害発生時には対処内容を検証するなど委託先管理に努めています。 しかしながら、これらの対策や検証作業が十分であるという保証はなく、また、情報システムの新規開発や改修・保守作業における人為的な過失、事故等によりシステム障害が発生し、場合によっては情報システムが適切に稼動しないリスク、内部統制の維持や会計帳簿及び財務諸表の作成に関して問題が発生するリスクがあります。 また、当行グループは、地震等の自然災害や大規模な停電その他の事故等により、当行グループが使用する情報システムを収容するデータセンターが正常に稼動できなくなる場合に備えて、データセンターの二重化にも取り組んでいます。BeSTAcloudは、現用システムを愛知県名古屋市に設置されたデータセンターに、災害対策用のコンピュータ機器を福岡県福岡市に設置されたデータセンターにそれぞれ収容し、遠隔地の2センター体制としております。インターネットバンキング、デビットカード、ホームページなど、お客さま向けサービスに重要なシステムも遠隔地にバックアップセンターを設けています。上記以外の情報システムについては、メインセンターを東京都府中市に、バックアップセンターを東京都千代田区に設置し、重要な情報システムに係る機器等の二重化を実施しています。しかしながら、遠隔地のセンターに直接的な被害がなくても、バックアップセンターとの通信経路が確保できずバックアップ機能が十分に確保できないリスクがあります。また、首都圏で地震が発生した場合、メインセンターとバックアップセンターの両サイトが被災するリスクがあります。更に、当行グループのバックアッププランは、サービスの中断時に生じるおそれのある偶発事象に対処できるものではない可能性があります。 当行グループは、お客さま向け情報提供のためのホームページ、インターネットバンキング、スマホアプリ、口座開設等のサービスをインターネット環境で提供しております。また、当行グループの業務遂行に必要な外部情報の取得やメール送受信のため当行グループシステムをインターネット環境に接続しており、こうしたところでは、十分なサイバーセキュリティの体制を構築することが必要になります。当行グループでは、ランサムウェア対策を含めた、インターネットに接続するシステムに必要な安全対策として、行内のシステム環境のほか、在宅勤務などのリモートアクセス環境についても、不正侵入防止の入口対策、情報漏えい防止の出口対策等、外部からの攻撃に対し多層的な技術的対策を実施しています。また、日々のサイバー脅威動向の情報収集と共有、ログのモニタリング、破壊を想定したサーバー復旧訓練の実施、脅威ベースを意識したペネトレーションテストの実施、専門的な知見を持つ要員の確保・育成など、サイバーレジリエンス体制の維持・整備に努めています。しかしながらサイバー攻撃の高度化により当行グループが講じている対策が有効に機能せず、システムダウンやサービス停止等により、業務継続に支障が生ずるリスクや内部情報が漏えいするリスクがあります。 当行グループの情報システムの動作不良は、自然災害やその他の理由にかかわらず、お客さまとの関係を毀損し、訴訟や行政処分を招来し、また、その他の理由により当行グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (3)外部業者により提供を受けている重要なサービス 当行グループは、業務にとって重要である多くのサービスについて外部業者を利用しております。外部業者の利用に際しては、経営・財務状況の安定性や情報管理態勢等のほか、人権の尊重や環境への配慮も含めた外部業者の適格性検証、サービス代替策の検討、利用中の継続的な外部業者管理等の方策を講じておりますが、地震等の自然災害、感染症の流行、システム障害やその他の事情により、それらの外部業者のサービスが停止した場合、又はそれらのサービスに問題が生じた場合に、当行グループが同様の条件で同種のサービスをタイムリーに提供できる外部業者を見出すことができるとは限りません。その場合、当行グループの営業が中断し、当行グループの業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、業界又はその他の状況の変化により、外部業者がサービスの料金を引き上げることも考えられ、その場合には、当行グループの業績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4)個人情報等の流出等のリスク 近年、企業や金融機関が保有する個人情報等の流出という事態が、数多く発生しています。当行グループでは、個人情報等の流出等防止のための様々な方策を講じておりますが、保有する個人情報等について、役職員等若しくは委託先の人為的なミスあるいは内部若しくは外部からの不正アクセスにより流出した情報が不正に使用されることを完全に防止することはできません。こうした事態が発生した場合、当行グループはその責任を負い、法令上、民事上の責任等を問われ、あるいは、監督機関の処分を受ける可能性があります。更に、そうした事故が発生することにより、当行グループの業務及びブランド力に対する評価や当行グループに対する顧客や市場の信認に悪影響が及ぶ可能性があります。 (5)災害等に対する危機管理及び業務継続に関するリスク 地震、台風等の自然災害や事故、テロ、サイバー攻撃等による被害、ウイルス等感染症の流行や放射能汚染等の外的要因等により、当行グループの機能の全部又は一部が停止するおそれがあります。 当行グループは、かかる事象が発生した場合においても、業務継続を可能とすべく業務継続計画等の策定、バックアップオフィスの構築等を行うとともに、訓練等を実施し継続的に実効性向上を図るよう努めております。 また、新型コロナウイルス感染症に対しては、お客さまと従業員の安全を最優先に、重要業務の継続を確実に実施するため、マスクの常時着用、ソーシャルディスタンスの確保等の基本的な感染対策に加え、リモートワーク・在宅勤務の拡大、Web会議・面談の活用、スプリット勤務や時差出勤の導入等、各種の取り組みにより、社内感染やクラスター発生の防止に努めております。 しかしながら、かかる努力によってもあらゆる事態に対応できるとは限らず、当行グループの業務運営、業績及び財政状態への悪影響を回避しきれない可能性があります。 (6)人材に関するリスク 当行グループでは、中長期の経営戦略の方向性や年度の業務運営計画を踏まえて人員計画を策定していますが、当行グループを取り巻く経済・業務環境に大きな変化が生じた場合には、業務運営と合わせて人員計画の見直しが必要となります。また、デジタルトランスフォーメーションの推進などのビジネス環境の変化に対応できる人材や注力ビジネスに必要なスキルセットを有する人材の確保に努めており、人材ポートフォリオの把握と共に人材リソースのサステナビリティ確保に向けた様々な取組みが重要と考えております。こういった人材の不足・流出は、当行グループの戦略策定や業務運営に悪影響を及ぼす可能性があります。 当行グループは、チームワークでチャレンジを続ける金融グループであるための人事施策として、キャリアコースや世代間の壁をなくし、専門人材の登用も可能にする様々な人事制度改革を実施しております。将来にわたって活力ある組織としてのサステナビリティを確保するため、従業員のスキルポートフォリオの把握を通じて、ビジネス戦略に合致した人的資本の強化に取り組んでまいります。従業員の年齢構成を踏まえて、シニア層の社員は引き続き働きがいをもって業務に取り組むとともに、これまでに培った経験や知見を次世代に継承し後進を育成することに注力しています。 また、従業員のテレワークや、フレックス勤務、時差出勤の推進と新型コロナウイルス感染症予防の徹底に取り組み、安心して長く働ける働きやすい環境の整備に注力しています。しかしながら、かかる努力によっても業務遂行上必要な人材の不足・流出を防止できるとは限りません。 (7)係争中の訴訟 当行グループは、当行グループ全体の訴訟について一元的に管理を行い、グループの法務リスクの極小化に努めており、現在のところ経営に重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟案件はありません。しかし、当行グループは銀行業務を中心に各種金融サービスを提供しており、このような業務遂行の過程で、損害賠償請求訴訟等を提起されたり、損害に対する補償をしたりする可能性があります。このような訴訟等の動向によっては、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8)法令遵守に関するリスク 当行グループは、法令等の遵守を徹底し、業務の適法性とともに適切性を確保するために、経営理念に基づき全役職員が遵守すべき「倫理・行動基準」を定め、毎年全役職員に遵守することの誓約を求めること等により、金融機関への社会的要請に適合したコンプライアンスを実現することを最優先とする企業文化の構築に取り組んでいます。しかしながら、必ずしもこのような取り組みのすべてが有効に機能するとは限りません。お客さま情報の管理不備その他の事情に起因して、各種法令違反が発生するおそれや、お客さまとの多面的な取引の展開が優越的地位の濫用とみなされるおそれもあります。このように今後仮に法令違反等が発生した場合には、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)金融犯罪に関するリスク 当行グループは、口座開設時においてお客さまの取引時確認を厳格に行うことに加え、その後も継続的にお客さまの状況確認や取引のモニタリングを行うことにより、口座不正利用の防止に努めるとともに、お客さまに振り込め詐欺の注意喚起をする等により、お客さまの取引の安全と口座の保護に取り組んでいます。また、新規の取引に先立ち、反社会的勢力等との関係等に関する情報の有無を確認することに加え、その後も継続的に確認を行う等、反社会的勢力等とのあらゆる取引を排除すべく必要な手続きを行っています。しかし、厳格なチェックにもかかわらず、反社会的勢力等との関係を持つ者が口座を開設する等の可能性があり、また、これらの者等が自らの口座を詐欺等に使用したり、マネー・ローンダリングや租税回避行為又は他の不正行為を行う可能性もあります。また、大規模な金融犯罪に巻き込まれた場合には、その対策にかかるコストやお客さまへの補償のほか風評等により、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10)外為法上の経済制裁措置等に関するリスク 当行グループは、お客さまとの取引に際しては、資産凍結・経済制裁措置の対象者に該当するか否かの確認や、資金使途規制・貿易規制、特定国との取引規制の確認等、外国為替及び外国貿易法その他の適用法令上必要な対応をとることで、拡散金融を含む各種規制に抵触しないよう体制を整備しております。しかしながら、手続きの不備等の結果、法令違反が発生するおそれがあります。法令違反等が発生した場合には、当行グループが行政処分その他の制裁を受け、当行グループの評判が毀損される可能性や業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11)従業員又は外部者による不正や過失等によって損失が発生する可能性 当行グループは、上記のリスク以外にも、従業員又は外部者による不正、懈怠及び過失によって損失を被る可能性があります。当行グループでは、従業員に対して社内規定等の適正な運用の徹底を図っておりますが、従業員が、予め許容された範囲を超え、また、許容できないリスクのある取引を実行したり、規定等に反する行為を隠蔽したり、秘密情報を不適切に使用・漏えいしたり、お客さまに対する詐欺的誘引行為又はその他お客さまの信頼を損なう行為を行う可能性があります。また、盗難若しくは偽造されたキャッシュカードの不正利用及びインターネットバンキング不正送金や、デビットカードの不正利用等による被害に対し、当行グループがお客さまに対する賠償責任を負担する可能性等も存在します。従業員又は外部者による不正や過失等を防ぐため、コンプライアンス体制を強化しておりますが、このような行為の結果、当行グループが行政処分その他の制裁を受け、又は当行グループの評判が毀損される可能性もあります。 (12)風説・風評の発生による悪影響 当行グループや金融業界等に対して、その信頼を毀損するような風説・風評が発生し拡散した場合に、当行グループの株価や業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。 6.自己資本にかかるリスク(1)自己資本比率規制 当行グループは現在、国内基準に基づき、4.0%以上の自己資本比率を維持することが求められております。当行グループは、2022年3月末時点において連結自己資本比率10.37%(バーゼルⅢ国内基準ベース)と十分な水準を維持しておりますが、将来、規制上求められる水準の自己資本比率を維持できなくなった場合、行政措置が課され、当行グループの業務遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。将来、当行グループの自己資本比率に影響を及ぼす可能性のある要因には以下の事項が含まれます。 ・バーゼル銀行監督委員会は2017年12月に「バーゼルⅢ:金融危機後の改革最終化」(バーゼルⅢ最終化)を公表いたしました。同文書には、信用リスク・アセットの計測方法の見直し、オペレーショナル・リスクの計測方法の見直し、資本フロアの導入等が含まれており、2024年より実施することとされております。自己資本比率規制が更に強化された場合には、当行グループの自己資本比率に影響を及ぼす可能性があります。当行グループは、今後も健全性を維持しつつ資本の効率的な活用に努めるとともに、グローバルな自己資本比率規制強化の方向性等を踏まえ、自己資本の充実を図ってまいりますが、将来における当行グループの利益水準、リスク・アセット水準の変動その他の要因によっては、当行グループの自己資本比率が当行グループの想定を下回る可能性があります。・上記のとおり、現状当行グループは十分な水準の自己資本比率を維持していますが、今後企業価値向上に資する戦略的な資本提携や買収・合併の実施により、自己資本比率が現行水準より低下する可能性があります。 7.当行グループの財務に関するリスク(1)信用格付の低下が当行グループの業績に悪影響をもたらす可能性 格付機関により当行グループの格付が引下げられた場合、インターバンク市場での短期資金調達あるいは資本調達等においてより不利な条件で取引を行わざるを得なくなる若しくは取引そのものが行えなくなる可能性があります。また、デリバティブ取引等の一定の取引行為が制限され若しくは行えなくなる可能性があるほか、現在締結しているその他の契約を解消される可能性もあります。このような事象のいずれもが、当行グループの財務や業務の執行に悪影響を与え、業績や財政状態に不利な影響を与える可能性があります。(2)退職給付制度及び年金資産に関連するリスク 当行グループの年金資産の時価が下落した場合や、年金資産の長期期待運用収益率が低下する等退職給付債務に関する予測計算の前提条件に変更が生じた場合には、退職給付費用が増加する可能性があります。また、当行グループの退職給付制度の変更により、退職給付債務が追加的に発生する可能性があるほか、金利環境の変化や会計基準の変更その他の要素によって、退職給付債務が増加したり、年度毎の退職給付費用が増加する可能性があります。(3)繰延税金資産に関するリスク 当行グループでは、繰延税金資産は、現行の会計基準に従い、将来の課税所得を合理的に見積もった上で計上しております。将来、実効税率引下げ等の税制改正や課税所得の見積額の変更等によって繰延税金資産の取崩しが必要となった場合に、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 8.日本の金融サービス業界に関連するリスク(1)日本及び世界の経済状況が悪化することで当行グループが受ける悪影響 当行グループの業績は、日本国内だけでなく世界的な金融経済環境の状況に大きく影響され、また、そうした日本国内及び世界的な金融経済環境は、金融・財政政策や地政学的要因等様々な要素によって影響を受けます。世界経済は引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受けていることに加え、米中の関係悪化、各国の経済成長の鈍化、アジア・中近東やロシアのウクライナ侵攻等の地政学上の緊張拡大等を端緒に世界経済が一層減速する可能性もあります。また、中国のゼロコロナ政策や、新型コロナウイルスの感染再拡大に伴う全世界での需要消失と、その後の経済回復による需要の急回復に伴うサプライチェーンの混乱や、ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギーや穀物をはじめとした資源価格の高騰により、広い範囲でコストが上昇しています。長期化が懸念される世界的なインフレが、企業業績や米国をはじめとする各国の経済に与える影響にも留意する必要があります。日本経済は、世界経済と同様に新型コロナウイルス感染症の影響によりサービス業や運輸業を中心に大きな影響を受けており、今後、新型コロナウイルス感染症が再拡大し、収束までに長期間を要した場合には、更に経済状況が悪化する可能性があります。今後、米国をはじめとする各国の金融政策の動向、景気対策の効果や経済の行方など、マクロの金融経済動向がミクロ経済へ波及し、影響を及ぼす点について留意する必要があります。また、日本銀行の金融政策の動向、日本政府の景気対策の効果等によっても、国内経済に変調がもたらされる可能性があります。 このような環境下、日本及び世界の金融市場や経済の状況がさらに悪化し、又はその回復が遅れた場合、金融資本市場における信用収縮の動き、債券・株式市場や外国為替相場の大幅な変動、景気の停滞や悪化に伴う地価や株価の下落、企業倒産や個人の破産の増加等により、貸出資産の劣化や業務の停滞が生じ、当行グループの資金調達や業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (2)日本の金融サービス市場の競争激化 人口減少や高齢化及び低金利環境の長期化等により、我が国の金融サービス市場の競争環境は厳しさを増しております。また、デジタライゼーションの進展により、FinTech企業と呼ばれる金融サービスの提供者が他業界から参入するなど、当行グループは、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行グループに比べ優位に立つと考えられる企業も存在しております。当行グループの主要な競争相手には以下のものが含まれると考えております。・国内大手銀行グループ:三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ及び三井住友フィナンシャルグループは、資産、顧客基盤、支店数、及び従業員数等の様々な面において、当行グループに比べ相当に大きな規模を有しております。また、これらの銀行グループは、子会社又は関係会社として証券会社をはじめとした様々な機能を有しており、当行グループ同様その収益源を多様化する戦略を採っています。・主要な投資銀行:国内外の投資銀行との間でも当行グループは、コーポレートアドバイザリー業務、スペシャルティファイナンス及びデリバティブ商品販売業務等様々な事業分野において、競争関係に立っています。・その他の金融機関:三井住友トラストグループ、りそな銀行グループ、新生銀行、インターネットバンク及び地方銀行等が含まれます。・ゆうちょ銀行、政府系金融機関:当行グループは、ゆうちょ銀行のほか、日本政策投資銀行等の政府系金融機関とも競争関係にあります。・その他の金融サービス提供者:当行又は当行の子会社、関連会社は、証券会社、資産運用会社、M&Aアドバイザリー会社、債権回収会社、消費者金融業者及びその他の金融サービス業者とも競争関係にあります。・当行グループは、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行グループに比べ優位に立つと考えられる企業も存在しております。また、デジタライゼーションの進展等を背景に従来には見られなかった異業種から参入も活発化し、一層の競争激化が見込まれます。 国内金融サービス市場をめぐる競争は一層激化することが予想される中で、当行グループが現在又は将来の競合他社と効果的に伍していけるという保証はありません。これまで当行グループは、シンジケートローン、LBOファイナンス、貸出及びコミットメントラインの供与、投資信託の販売等で手数料等の収入を増加させてきましたが、競争の激化に伴う手数料の低下が収益の下押し要因となるおそれがあります。また、当行グループは貸出金利及び預金金利の面でも競合他行と競争関係に立たされており、競争の激化が貸出金利の低下及び預金金利の上昇を促し当行グループの収益性を圧迫する可能性もあります。 (3)金融機関として広範な規制に服していること 当行グループは、金融機関として、広範な法令上の制限及び政府機関による監督を受ける立場にあります。更に、当行並びに当行の子会社及び関連会社は、金融当局による自己資本比率規制、銀行法、その他の銀行としての業務規制を受けています。また、銀行業以外の業務範囲については一部見直しが為されているものの引き続き制限を受けております。こうした制約から、ビジネスチャンスに対し適時に対応することが困難となる可能性があります。 仮に当行グループが、関連法規及び規制の違反を犯したような場合には、行政処分の対象とされ、また当行グループの評価が悪影響を受ける可能性があります。 (4)各種の規制及び法制度等の変更 当行グループは現行法による規制に従って業務を遂行しておりますが、当行グループが国内外において業務を行うにあたって適用されている法律、規則、政策、実務慣行、会計制度及び税制等が変更、又は新たに導入された場合には、当行グループの業務運営に影響を与え、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 9.環境・社会課題に係るリスク(1)環境・社会課題に配慮しない投融資等に係るリスク 当行グループは、経営理念において「新たな金融の付加価値を創造し、社会の発展に貢献する」ことをミッションに掲げ、適切なリスク管理態勢のもと、高度なリスクテイク能力を活用した金融仲介機能を発揮し、社会のサステナブルな発展に積極的に貢献することに努めています。 昨今、金融業界においても温室効果ガスの削減や2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取組みが加速していることに加え、各方面のステークホルダーから、資金提供者として、環境・社会に関する様々な課題に配慮することが期待されています。 これらに対応するため、当行グループは、環境・社会に配慮した投融資方針を策定し、環境・社会に対し負の影響を助長する可能性が高いセクターへのファイナンスに際してはその適切性について検討を行うとともに、お客さまの気候変動対応や脱炭素社会への移行を積極的に支援するため、グリーンエネルギーファイナンス、トランジション・ファイナンス、脱炭素イノベーションファイナンス等、国内外における環境ファイナンスを推進し、2050年カーボンニュートラルの実現に向け取組んでいます。また、2021年度には、社長(CEO)を委員長としたサステナビリティ委員会と、サステナビリティに関連するグループガバナンスを推進するためのグループサステナビリティ連絡会を設置し、新たな取組みとして「あおぞらサステナビリティ目標」を設定・開示しているほか、人権・労働・環境・腐敗防止に関する原則を定めた「国連グローバルコンパクト」、プロジェクトファイナンスの環境・社会リスクを特定・評価・管理するフレームワークである「赤道原則」を採択しました。 しかしながら、これらの当行グループの取組みが、他の金融機関の取組みに大きく劣後した場合や投資家やお客さまなどのステークホルダーの期待から大きく乖離した場合などには、ビジネス機会の逸失、ポートフォリオの質の低下、レピュテーションの毀損等により、当行グループの業務運営に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)気候変動に係るリスク 2015年に採択された「パリ協定」、2021年に開催されたCOP26などを受け、気候変動の原因とされる温室効果ガスの削減や2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取組みが加速しており、金融業界では、様々な環境・社会課題の中でも気候変動リスクへの対応の重要性が高まっています。当行グループは、気候変動が環境・社会、企業活動、個人の生活にとっての脅威であり、金融市場の安定にも影響を及ぼしうる重要な課題の一つであると認識しています。 気候変動リスクとしては、移行リスクと物理的リスクがあります。(移行リスク)脱炭素経済への移行に伴う政策・法規制・技術・市場の変化が生じることに起因する、次のようなリスクを当行グループは認識しています。・脱炭素社会への移行に伴う炭素税等の政策等が与信先の事業や財務状況に影響し、与信ポートフォリオが影響を受けるリスク・脱炭素技術の進歩や消費者の嗜好変化による既存の製品・サービスの代替の進展により投融資先の業績が悪化し、与信ポートフォリオが影響を受けるリスク・新たな技術開発を志向する企業との取引を十分取り込むことが出来ず、当行グループの業績に悪影響が及ぶとともに当行グループの評価が低下するリスク(物理的リスク)温暖化の進行により、資産に対する直接的な損傷や、サプライチェーンの寸断による間接的な影響等が生じる、次のようなリスクを当行グループは認識しています。・風水害の頻度・規模の増大等、気候変動に伴う自然災害や異常気象によってもたらされる物理的な被害から与信ポートフォリオが影響を受けるリスク・社会インフラあるいは当行グループの事業施設や従業員が被害を受け、当行グループ又は当行グループの取引先の事業に重大な悪影響が及ぶリスク・温暖化の進行で熱中症や疫病のパンデミック等の発生頻度が高まり、当行グループ又は当行グループの取引先の事業に重大な悪影響が及ぶリスク これらの事象が生じた場合には、当行グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当行グループは、こうした気候変動に関するリスクの把握・評価や、情報開示の重要性を認識し、気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures、以下、「TCFD」)が策定した気候変動関連財務情報開示に関する提言に賛同しています。 カーボンニュートラル社会の実現に向け、当行グループ自社の脱炭素化の取り組みを加速するとともに、新たに設置した環境ファイナンス部を中心に国内外における環境ファイナンスを一層推進しているほか、投融資先に関するTCFDに沿ったリスクの把握・評価や情報開示の拡充にも取り組んでおりますが、これらの気候変動に関するリスクへの取組みや情報開示が不十分であった場合又はそのように見做された場合などには、当行グループのレピュテーションの低下、ビジネス機会の逸失などにより、企業価値の毀損に繋がるおそれがあります。 10.その他(1)財務報告に係る内部統制に関するリスク 当行グループは、金融商品取引法に基づき、財務報告に係る内部統制の有効性を評価した「内部統制報告書」の提出、及びその評価内容について監査法人の監査を受けることが求められております。 当行グループは、財務報告に係る内部統制の整備・運用を行っており、有効性を評価する過程で発見された事項は速やかに改善するよう努めております。 しかしながら、改善が不十分な場合や経営者が内部統制を有効と評価しても監査法人が開示すべき重要な不備があると評価するような場合があり、当行グループの財務報告の信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。(2)重要な経営陣への依存 当行グループでは、経営陣の業務遂行能力が、今後の当行グループの事業の成否に関する重要な要因となる場合があるものと考えております。重要な経営陣の退社等により、当行グループの事業遂行が悪影響を受け、また事業戦略の実施能力が低下する可能性があります。
FY2021|23,268 文字
2【事業等のリスク】 当行及び当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクは以下のとおりです。まず、トップリスク(今後1年間で経営上重大な影響があるリスク)について記載し、その後に主要な個別リスクについて記載しております。 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当行及び当行グループが判断したものです。当行はこれらリスクの発生の可能性を認識したうえで、それぞれのリスクの発生の回避及び発生した場合への対応に努めております。リスク管理については、マネジメントコミッティー及びALM委員会、統合リスクコミッティー、クレジットコミッティー、投資委員会、CAPEX委員会、顧客保護委員会等により遂行され、定期的に取締役会に報告されております。 <トップリスク>2021年度の業務運営において、当行グループを取り巻く環境が与える多くのリスク要因のうち、以下の項目を当行グループのトップリスク(今後1年間で経営上重大な影響があるリスク)として認識しております。なお、参照する個別リスクの項目を合わせて記載しています。 トップリスク項目リスクの内容参照箇所1クレジット・クオリティの悪化・新型コロナウイルス感染症拡大の長期化や不動産価格の反転を背景に、与信先の業績悪化や担保価値の下落による、与信先のクオリティの悪化や与信関連費用の増加2.信用リスク(1) 不良債権残高及び与信関連費用の増加(3)貸倒引当金が不十分となるリスク2保有有価証券の価値下落・新型コロナウイルス感染症拡大、金融緩和による過剰流動性、グローバルな地政学リスクの顕在化、インフレ・金利上昇懸念の台頭などを背景に、金融市場が不安定化することによる、保有有価証券の価値の下落や市場流動性の低下3.市場リスク(1)トレーディング及び投資業務における市場リスク4.流動性リスク(2)市場流動性リスク3外貨調達の不安定化・金融市場の混乱等による外貨流動性の低下や調達コストの上昇4.流動性リスク(1)資金流動性リスク4当行自体の構造転換、ビジネスモデルの転換の遅れ・社会のデジタル化拡大、金融商品のコモディティ化、金融業の競争激化や銀行に対する業務範囲規制等の緩和に関して必要となる構造・ビジネスモデルの転換が遅れることによる、当行グループの収益力の低下1.事業戦略におけるリスク(1)事業戦略の推進に伴うリスク8.日本の金融サービス業界に関連するリスク(2)日本の金融サービス市場の競争激化5ITリスク・サイバー攻撃による顧客情報漏洩やサービス停止、大規模システム障害による業務継続への支障、それらによる当行グループの評判の毀損5.オペレーショナル・リスク(2)システム障害リスク6マネロン・テロ資金供与、反社会的勢力との取引、贈収賄・ 汚職、インサイダー取引・マネー・ローンダリングやテロ資金供与等の金融犯罪対策および反社会的勢力排除態勢の不備、贈収賄・汚職およびインサイダー取引防止に関する法令・社会規範に反する行為による、行政処分や当行グループの評判の毀損5.オペレーショナル・リスク(9)法令遵守に伴うリスク(10)金融犯罪に関するリスク(11)従業員又は外部者による不正や過失等によって損失が発生する可能性7ビジネスと人材のミスマッチ・社会のデジタル化拡大によるビジネス環境の変化や、注力ビジネスに必要なスキルセットを有する職員の不足・流出による、当行グループの戦略策定や業務運営についての支障の発生5.オペレーショナル・リスク(6)能力のある従業員の雇用(7)人事上のリスク8気候変動・気候変動課題への対応やその開示が不十分とみなされることによる、調達コストの上昇、運用機会の逸失、当行グループの評判の毀損・気候変動課題への対応が不十分な投融資先の企業価値低下による与信関連費用の増加9.環境・社会に係るリスク(2)気候変動リスク これらのリスクに対する当行の対応策につきましては、「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の「(3)対処すべき課題 ③健全なリスクテイクを支えるリスクコントロール」をご参照ください。 <主要な個別リスク> 1.事業戦略におけるリスク(1)事業戦略の推進に伴うリスク 当行は、「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、中期経営計画「AOZORA2022」ならびに「2021年度のビジネス重点施策」に基づき、業務を遂行してまいります。しかしながら、このような事業戦略の推進に際しては、以下のようなリスクがあります。・今後注力していく事業分野において、想定通りに業績を伸ばすことができるとは限りません。・戦略の遂行に伴う経営資源の配分の見直し等が成功するとは限りません。・業務の推進においては、実務を遂行する人材を確保する必要がありますが、必要な人材を十分に確保できるとは限りません。・新型コロナウイルス感染症等のパンデミックや自然災害等により、各業務において十分な事業活動が行えるとは限りません。 (2)事業法人のお客さまとの取引の推進におけるリスク 当行は、歴史的な産業構造の転換期における取組として、「あおぞら型投資銀行ビジネス」を推進してまいります。事業法人のお客さまの事業再編や事業再生ニーズ、SDGsへの取り組みに対し、お客さまの事業を深く理解したうえで、通常の貸出取引のみならず、資本性資金やサステナブルファイナンスなど、お客さまのニーズに沿ったデットからエクイティに至る適切なファイナンスの提供等、信用供与の円滑化に努めております。また、それぞれのお客さまのニーズに応じて、オーダーメイド型で付加価値の高い金融ソリューションの提供を通じ、引き続き顧客基盤の拡充に注力してまいります。加えて、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたお取引先に対しては、きめ細かくニーズに対応し支援に努めております。しかしながら、当行がこうした事業金融の推進を行うにあたっては以下のようなリスクがあります。・新型コロナウイルス感染症拡大の影響が、一部のお取引先の事業活動や信用状態に悪影響を与え、当行グループの収益力の低下及び与信費用の増加につながり当行の財務状況にも影響を与える可能性があります。・当行の基準に見合う顧客層との取引が期待通りに拡充できるとは限らず、当行が目指す資産の質、収益が確保できない可能性があります・当行は、法人顧客基盤が国内大手銀行グループよりも小さく、また営業拠点数、営業人員数も少ないことから新規の顧客獲得等に限界がある可能性があります。・我が国においては、超低金利環境が継続しており、オーバーバンキングによる厳しい競争の結果、当行の事業法人貸出においてリスクに応じた適正なプライシングを行うことが困難な状況になっています。当行は、継続的な付加価値の提供を通じたお客さまとの信頼関係構築により付帯取引を獲得し、総合的な収益性の確保に努めておりますが、個別の貸出においては、信用リスクや格付に応じた利鞘より低い水準で貸出を行うことがあります。・国内外における経済環境の悪化が生じた場合には、当行を取り巻く環境や将来の業績に悪影響を与える可能性があります。また、そのような局面においては、管理回収等の強化に伴う人的リソースの配分等により、注力分野の活動に制約が生じる可能性があります。 (3)リテールバンキング業務の拡充に伴うリスク 当行は、様々な金融商品の提案等を通して、お客さまの中長期な資産形成をお手伝いさせていただいております。加えて、スマートフォンアプリを軸とした新マネーサービス「BANK」を中心にスマートフォンやインターネット等を利用した非対面取引機能を拡充し、現役世代のお客さまへのアプローチを強化しています。 資金調達の面では、2021年3月末の個人のお客さまからの調達がコア調達(預金・譲渡性預金及び債券・社債)に占める割合は60%程度となっており、引き続き資金調達の面でもリテール部門は当行の中核を担っております。 当行は、新型コロナウイルス感染症拡大を契機としたお客さまのニーズの急速な変化に対応し、ニューノーマル時代におけるお客さま本位の業務運営を実践してまいります。「有人店舗」では財産承継、事業承継等の専門性の高い総合コンサルティング業務を展開するとともに、「BANK」と「有人店舗」の融合を進め、「BANK」アプリを通じた金融サービスの提供により、すべてのお客さまが時間や場所にとらわれずにお取引ができ、希望する店舗でコンサルティングが受けられる営業体制を実現してまいります。しかしながら、以下のとおり、当行がリテールバンキング業務拡充の計画を成功裡に達成できない可能性があります。・当行は、当行グループ内の配置転換や外部採用等を通じて、また人材開発プログラムの導入や顧客視点の評価制度の導入等を通じて、コンサルティング力の強化に努めていく方針ですが、当該業務に精通した営業員の確保が想定を下回ったり、人材開発プログラムの導入や新しい評価制度の導入が必ずしもコンサルティング力の強化に結びつかない可能性があります。・当行は、競合他金融機関と比較して支店数が少なく、またインターネットバンキング展開においても後発であり、顧客基盤も相対的に小さいことから、新規顧客の獲得やあおぞらブランドの確立が容易ではない可能性があります。・リテールバンキング業務の拡充には、大量の取引を効率的に処理するためのシステムによるサポートが不可欠であり、システムの充実には多大な経営資源と時間を要する可能性があります。・当行が提供する商品・サービスの種類・条件について、他金融機関との差別化が難しくなるほか、他の種類の投資商品との競争が厳しくなることなどにより、必ずしも預かり資産の量の拡大、収益の拡大に結びつかない可能性があります。 上記のような事情からリテールバンキング業務を拡充できない場合、収益源及び資金調達源の多様化が十分に実現できず、当行の財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)海外業務に関連するリスク 当行は、北米向けを中心とする海外貸出を選択的に実行することによって、収益力の向上並びに貸出ポートフォリオの分散を図る方針としております。加えて、2020年1月に資本・業務提携を締結したベトナムの中堅商業銀行Orient Commercial Joint Stock Bank(以下、「OCB Bank」)を通じて東南アジアの成長を取り込むとともに、OCB Bankの長期的な戦略パートナーとして、よりユニークで専門性の高い金融サービスを日本とベトナム双方のお客さまに提供していきます。当行が海外業務を展開するにあたり、リスク管理体制として、北米、アジア、欧州の各現地拠点と東京が連携したグローバルでシームレスなモニタリング態勢を強化しておりますが、当行における海外業務の遂行については、以下のリスクや課題があります。・社会的、政治的、経済的な環境の変化や各国の税制及び規制環境の相違(特に金融サービスや直接投資に関するもの)に起因するリスク。・金利及び為替変動に関連する取引にかかるリスク。・商品ノウハウと各々の市場に対する知識等を有する人材を確保できないリスク。・投融資先の政治経済状況の変化、法制度等の変更によって、投融資の回収が困難となるリスク。・現地における政治経済状況、法制、規制あるいは税制等に関する情報の入手が遅れる等、質・量の両面で国内貸出と同水準の情報収集を維持することに支障が生じるリスク。・外貨調達に困難が生じた際の外貨資金繰りに関するリスク。 (5)地域金融機関が重要な顧客基盤であること 当行は、2020年11月に設置した「地域金融パートナーバンク・タスクフォース」の活動を通じて、多くの地域金融機関に対して、資金運用やリスク管理のニーズに応じた金融商品の提供、地域金融機関の取引先である中小企業への共同支援や地域企業再生支援、地域金融機関の個人のお客さまに対する預り資産ビジネスの支援等、多様な商品・サービスを提供してきております。当行は、かかる取引関係において、同業他社との競争上優位性を確保していると考えており、地域金融機関に対する商品・サービスの提供を一層充実させるとともに、引き続き地域金融機関の「戦略パートナー」として、地域金融機関のネットワークと個別業務分野における当行の強みを融合し、相互に機能補完する独自のビジネスモデルの展開を目指していく方針です。しかしながら、かかるビジネスモデルが有効に機能する保証はなく、また、金融環境の変化その他の要因により、今後この分野における競争力を失った場合には、地域金融機関との取引の規模及び収益の成長が鈍化し、更には縮小する可能性があります。 (6)先進的な商品とサービスの投入 当行の戦略は、すべての商品分野において他金融機関と競合することではなく、他金融機関にはない差別化された先進的な商品・サービスを開発し、投入することにより、事業法人のお客さま向けの業務や地域金融機関との協働によるビジネスを拡大し、収益を獲得していくこととしています。また、デリバティブ取引やリスク管理といった分野での先進的なノウハウを活用した商品・サービスにも力を入れており、地域金融機関の運用ニーズに対応したデリバティブ内蔵型の各種預金商品のほか、個人のお客さま向けにはノーロード投資信託・ESGを考慮した投資信託等の金融商品を提供しています。当行は、従来から、お客さまのニーズに合わせた独自の商品性を持った商品・サービスの投入により、一定の成果を上げているものと考えております。 しかしながら、将来投入される商品・サービスが同じように顧客から認知され、顧客の支持を得ることができる保証はありません。また、競合他金融機関が、当行と同様の顧客層をターゲットに、当行と同様の商品・サービスの提供を開始すること、また、その他競合する投資商品の出現等を要因とする競争の激化により、当行の商品の先進性・独自性が失われ、収益性が低下するおそれがありますが、その際に、当行が競争力の低下した商品・サービスに替わる新たな商品・サービスを継続的に供給し続けられるという保証はありません。 また、かかる先進的な商品・サービスの導入は、当行にとって、当行が経験したことのない又は経験の少ないリスクや課題をもたらす可能性があります。加えて、かかる先進的な商品・サービスへの過度な集中や依存は、当該商品・サービスの状況により、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7)業務・資本提携等アライアンス推進に伴うリスク当行は、長期的な視野における企業価値向上のため、国内外において成長性の高い市場を見極め、戦略的な提携や合併・買収等様々な方策の検討を行っていく方針です。銀行の業務範囲規制緩和等、事業領域拡大の機会を積極的に探り、当行グループの成長につながるビジネス機会を単独または事業パートナーと協力して開発し、戦略投資を実施してまいります。しかしながら、こうした提携や合併・買収等が収益の拡大・企業価値の増大に寄与するという保証はありません。合併や買収等の場合、統合作業の過程において一時費用が発生しますが、企図した統合成果が上がらず、結果として、検討又は統合等に要した費用、投資資金を回収できない可能性があります。また、提携についても、国内外における経済環境の変化等により、企図した効果があがらない可能性があります。更に、当行は提携業務の推進、買収事業の統合・展開において中核となるべき人材の確保等の問題に直面する可能性があります。加えて、そうした場合における通常の営業における人員確保や営業アクティビティの低下等の問題に直面する可能性もあります。 (8)子会社・関連会社の業務に関するリスク 当行は子会社において銀行業務、金融商品取引業務、投資運用業務、投資助言業務、M&Aアドバイザリー業務、ベンチャーキャピタル業務等の金融サービスに係る事業や債権管理回収業務を行っており、これら子会社の業務の中には、伝統的な銀行業とはリスクの種類や程度の異なる業務も含まれています。例えば、GMOあおぞらネット銀行が営むインターネット銀行事業は、当行グループが従来営んできた銀行業に係るものとは異なる種類や程度のリスクを含んでおり、またOCB Bankの業績はベトナムや東南アジアの経済動向に大きく影響を受けます。当行は、こうした業務に伴って発生する種々のリスクについても適切に管理する体制を整備するよう努めておりますが、当行の想定を超えるリスクが顕在化すること等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 また、GMOあおぞらネット銀行あるいは今後新規に投資を行う会社について、各社の事業が想定通り伸長しなかった場合には、投資が回収できないリスクがあります。2.信用リスク(1)不良債権残高及び与信関連費用の増加 当行は、個別の与信先について信用状態を継続的にモニタリングするとともに、信用状態の悪化が懸念される場合には貸出金の劣化に対する予防策を講じるよう努めておりますが、以下のような要因により、当行の不良債権残高や与信関連費用が増加する可能性があります。・当行の予想以上に内外経済が悪化した場合。・債務者が属する特定の産業の状況が悪化した場合。・債務者の個別事情により、債務者の業績が当行の予想を下回った場合、あるいは、不測の事態により債務者の業績が悪化した場合。・当行の予想以上に、債務者の経営再建計画が成功裡に実行されず信用リスクが高まる場合や、あるいは、金融機関による支援の打ち切り等により再建中止が余儀なくされる場合。・当行の予想を上回る内外の不動産市況の悪化等により裏付資産の価値が下落し、債務者の信用力が低下した場合。・新型コロナウイルス感染症拡大による経済・企業活動への影響が当行の想定よりも長期に及び、債務者の業績が悪化した場合。 (2)特定先及び特定業種への集中リスク 当行の大口債務者上位10先に対する貸出金は、2021年3月末時点の単体ベースの貸出金残高の約12%を占めており、大口債務者による債務不履行があった場合、又は大口債務者の一部若しくは複数との関係に重大な変化が生じた場合には、当行の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 当行の国内及び海外の不動産業に対する貸出(不動産ノンリコースローンを除く)は、2021年3月末現在、単体ベースで貸出全体の約9%を占めており、その他の業種に対する貸出で、不動産担保により保全されているものもあります。そのため、当行の貸出は、不動産市況の悪化や不動産業界全体が低迷した場合には、不動産業界の債務者の信用力の悪化や、不動産で担保されている保全額の減少から、追加的な引当金が必要となったり、追加的なコストが発生する場合があります。 当行の国内及び海外の不動産ノンリコースローンは、2021年3月末現在、貸出全体の約22%を占めております。不動産ノンリコースローンは、債務者の信用力ではなく、特定の不動産及び当該不動産から生じるキャッシュ・フローのみを返済原資として債務の履行が担保されるもので、当行は、不動産賃料、空室率及び地価等のキャッシュ・フローに影響を及ぼす主なリスク要因等をモニタリングすることにより、リスク管理を行っております。しかしながら、不動産市況の悪化等により、対象不動産からのキャッシュ・フローが当行の予想を超えて悪影響を受ける場合には、当行の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 (3)貸倒引当金が不十分となるリスク 当行は、過去の債務不履行発生状況、与信先の財務状況及び保有する担保の価値並びに景気動向に対する前提及び見通し等に基づいて貸倒引当金を計上しております。特に、今後の管理に注意を要する大口の与信先等については、経済環境の悪化により貸倒費用が増加する可能性も勘案し、債務者区分遷移シナリオや元本・利息の回収について一定の前提を置いてキャッシュ・フロー見積法等により算定した貸倒引当金を追加的に計上する等、十分な水準の貸倒引当金を計上しております。しかしながら、当行の想定を超えて経済環境が悪化する等、当行の前提及び見通しを変更する必要が生じた場合、当行の与信先の財務状況が当行の想定を超えて悪化した場合、当行が保有する担保の価値が下落した場合、あるいは、その他の要因により予想を超えて当行に悪影響が及んだ場合、当行は貸倒引当金を増加させる必要が生じる可能性があります。 なお、2021年3月期決算においては、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による経済・企業活動への影響が長期化し、一部の債務者については業績への影響が最長2022年度中まで継続する可能性があるとの仮定に基づき、当該債務者については将来的な信用状態の悪化の可能性を考慮した貸倒引当金を算定しています。 (4)海外向けエクスポージャーに関するリスク 当行の貸出金全体に占める海外向け貸出(最終リスク国が日本以外、連結ベース)の割合は、2021年3月末においては約34%になっております。なお、海外向け貸出の地域別状況については、北米向け貸出が約80%を占めており、残りはアジア向け及び欧州向けとなっております。当行は国・地域別のガイドラインを設定するとともに、機動的な債権売却の実施等により、エクスポージャーをコントロールしております。 海外において、財政状態の悪化や政治・経済の混乱等により、国・地域が債務不履行に陥る、あるいは、債権者に対して債務の再編や期限の延長等の支援を要請することを余儀なくされる場合、当行が保有するソブリンを含む海外向けエクスポージャーに悪影響が及び、結果として当行の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 (5)ローン債権等に対する投資に関連するリスク 当行は、債権売買取引及び証券化ビジネスにおいて、事業法人向けローン、住宅ローン、売掛債権、リース債権、不良債権及び仕組商品を含む様々な資産の取得・回収・売却等を行っております。こうした業務は本質的に環境に左右されやすい性質を有しており、市場規模や環境等の変化により当行保有資産の価値や信用力が低下した場合、当行の業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。 3.市場リスク(1)トレーディング及び投資業務における市場リスク 当行は、国内及び海外の債券、ファンド、デリバティブ取引を含む多様な金融商品への投資・運用及びトレーディングを行っております。こうした業務からの収益は、金利・為替レート・債券価格・株価の変動、ボラティリティの変動、各種資産間の相関状況の変化等により影響を受けます。一例をあげれば、金利の上昇は、一般的に当行の債券ポートフォリオの価値に対して悪影響をもたらすこととなります。更に、当行が保有している国債その他債券について信用格付が格下げされた場合や債務不履行となった場合、また、これらの流動性が著しく低下してポジション調整が困難な場合には、当行の業績に悪影響が及ぶ可能性があります。 当行は、こうした業務において、自らの体力に見合った健全なリスクテイクを逸脱せぬよう、例えば、損失を限定するためのロスカット・ルールを設定する等、管理体制の整備に努めております。しかしながら、市場がストレス環境にあるような状況では、ポジションを思うように縮小することが出来ず、損失を想定した範囲に限定することが出来なくなる場合があります。また、金融政策の変化その他の要因により、市場が当行の予想を超えて変動した場合、当行は予測を超えた損失を被る可能性があります。4.流動性リスク(1)資金流動性リスク 当行の多くの調達資金は順次満期を迎えるため、当行は、継続的に預金を受け入れ、社債を発行し、既存債務の借換を行い、また継続的に一定割合を短期資金で調達する必要があります。当行は、資金調達手段を分散・多様化させることや外貨調達の可用性強化のための為替先渡取引の取引枠設定に加え、外貨調達先の拡大を図る等、資金調達の長期化並びに安定性の確保・向上に継続して努めておりますが、流動性リスクを完全に回避することはできません。当行の資金調達が、市場環境が不安定な状況において満期を迎えた場合、当行が許容できる条件で十分な資金を調達できるという保証はなく、再調達が首尾よくいかなかった場合には、当行の業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。また、当行の業績又は財政状態の悪化、信用の低下、格付機関による格下げ等のほか、外貨資金調達における制約、景気動向の悪化や金融システム全般の不安定化等により、当行が、営業上許容できる水準の利率で預金を獲得することができない場合や当行の流動性が制限された場合、当行は必要な資金を確保するために、より高い資金コストを負担し、あるいは、資産を圧縮すること等の対策をとる必要が生じ、業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。 また、当行を含む国内基準行に対しては、2017年4月末より流動性カバレッジ比率等の銀行法第24条に基づくモニタリングが開始されております。将来的にこうした枠組みの内容に何らかの変更があった場合、当行の調達構造に影響が及ぶ可能性があります。 (2)市場流動性リスク 当行は、市場で取引される様々な資産やデリバティブを保有しておりますが、市場の混乱や取引の厚みの不足等により、市場での取引を行うことができない、又は、著しく不利な価格での取引を余儀無くされることにより、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 5.オペレーショナル・リスク(1)リスク管理体制 当行グループの業務の遂行には、オペレーショナル・リスクが伴います。オペレーショナル・リスクは、不適切な内部処理、役職員の過失や不正行為、システムの障害及びその他の外部で発生する事象等、様々な形で顕在化する可能性があります。また当行グループの業務においては法律・規制に関するリスクも存在します。当行グループは、オペレーショナル・リスクについても必要なデータやリスクの顕在化事象を把握し、アセスメントを実施してリスクを特定、評価し、リスクをモニタリング、削減、コントロールする適切なリスク管理体制の整備に努めております。しかしながら、結果的にこの体制が有効に機能せず、リスク管理が十分に効果的なものとはならない可能性があります。業務分野の拡大、新規分野の取り組みや環境変化等に応じた適切なリスク管理体制を構築できず、当行グループが予想外の損失を被る可能性があります。(2)システム障害リスク 当行は、お客さまにサービスを提供し、業務を遂行するために様々な情報システムを運営しております。これらの情報システムの安定的な稼動を確保するため、複数年度のIT投資計画に沿って、新規・更新投資や機器等の保守を実施しています。各情報システムの重要性等に応じたバックアップの取得や機器・回線の二重化等の対策を講じるとともに、システム変更・移行時は十分な事前検証を行い障害発生の予防を図っています。また、不測の事態に備え、コンティンジェンシープランの整備やシステム復旧などシステム障害時の対策を定め訓練を実施しています。 しかしながら、これらの対策が十分であるという保証はなく、また、情報システムの新規開発や改修・保守作業における人為的な過失、事故等によりシステム障害が発生し、場合によっては情報システムが適切に稼動しないリスク、内部統制の維持や会計帳簿及び財務諸表の作成に関して問題が発生するリスクがあります。 また、当行は、地震等の自然災害や大規模な停電その他の事故等により、当行が使用する情報システムを収容するデータセンターが正常に稼動できなくなる場合に備えて、データセンターの二重化にも取り組んでいます。当行の勘定系システムであるBeSTAcloud(株式会社エヌ・ティ・ティ・データが運営する基幹勘定系システムアウトソーシングサービス)は、現用システムを愛知県名古屋市に設置されたデータセンターに、災害対策用のコンピュータ機器を福岡県福岡市に設置されたデータセンターにそれぞれ収容し、遠隔地の2センター体制としております。インターネットバンキング、デビットカード、ホームページなど、お客さま向けサービスに重要なシステムも遠隔地にバックアップセンターを設けています。上記以外の情報システムについては、メインセンターを東京都府中市に、バックアップセンターを東京都千代田区に設置し、重要な情報システムに係る機器等の二重化を実施しています。しかしながら、遠隔地のセンターに直接的な被害がなくても、バックアップセンターとの通信経路が確保できずバックアップ機能が十分に確保できないリスクがあります。また、首都圏で地震が発生した場合、メインセンターとバックアップセンターの両サイトが被災するリスクがあります。更に、当行のバックアッププランは、サービスの中断時に生じるおそれのある偶発事象に対処できるものではない可能性があります。 このほか、当行は、お客さま向け情報提供のためのホームページ、インターネットバンキング、スマホアプリ、口座開設等のサービスをインターネット環境で提供しております。また、当行業務遂行に必要な外部情報の取得やメール送受信のため当行システムをインターネット環境に接続しております。インターネットに接続するシステムに必要な安全対策として、行内のシステム環境のほか、在宅勤務などのリモートアクセス環境についても、不正侵入防止の入口対策、情報漏えい防止の出口対策、復旧訓練等、外部からの攻撃に対し多層的な技術的対策を実施し、専門的な知見を持つ要員の確保、育成など体制の維持・整備に努めています。しかしながらサイバー攻撃の高度化により当行が講じている対策が有効に機能せず、システムダウンやサービス停止等により、業務継続に支障が生ずるリスクや内部情報が漏えいするリスクがあります。 当行の情報システムの動作不良は、自然災害やその他の理由にかかわらず、お客さまとの関係を毀損し、訴訟や行政処分を招来し、また、その他の理由により当行の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (3)外部業者により提供を受けている重要なサービス 当行グループは、業務にとって重要である多くのサービスについて外部業者を利用しております。外部業者の利用に際しては、妥当性の検証、外部業者の適格性検証、利用中の継続的な外部業者管理等の方策を講じておりますが、地震等の自然災害、感染症の流行、システム障害やその他の事情により、それらの外部業者のサービスが停止した場合、又はそれらのサービスに問題が生じた場合に、当行が同様の条件で同種のサービスをタイムリーに提供できる外部業者を見出すことができるとは限りません。その場合、当行グループの営業が中断し、当行グループの業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、業界又はその他の状況の変化により、外部業者がサービスの料金を引き上げることも考えられ、その場合には、当行グループの業績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(4)個人情報等の流出等のリスク 近年、企業や金融機関が保有する個人情報等の流出という事態が、数多く発生しています。当行グループでは、個人情報等の流出等防止のための様々な方策を講じておりますが、保有する個人情報等について、役職員等若しくは委託先の人為的なミスあるいは内部若しくは外部からの不正アクセスにより流出した情報が不正に使用されることを完全に防止することはできません。こうした事態が発生した場合、当行グループはその責任を負い、法令上、民事上の責任等を問われ、あるいは、監督機関の処分を受ける可能性があります。更に、そうした事故が発生することにより、当行グループの業務及びブランド力に対する評価や当行グループに対する顧客や市場の信認に悪影響が及ぶ可能性があります。(5)災害等に対する危機管理及び業務継続に関するリスク 地震、台風等の自然災害や事故、テロ、サイバー攻撃等による被害、ウイルス等感染症の流行や放射能汚染等の外的要因等により、当行グループの機能の全部又は一部が停止するおそれがあります。 当行は、かかる事象が発生した場合においても、業務継続を可能とすべく業務継続計画等の策定、バックアップオフィスの構築等を行うとともに、訓練等を実施し継続的に実効性向上を図るよう努めております。 また、新型コロナウイルス感染症の拡大に対しては、お客さまと従業員の安全を最優先に、重要業務の継続を確実に実施するため、以下の取組を行っております。・店舗においては、窓口や応接室にアクリル板と消毒液を設置し、使用の都度、座席周辺を消毒するとともに、応接室にテレビ会議システムを導入し、非対面での面談を可能としています。・ネットチャネルを希望するお客さま向けにスマートフォンアプリを軸とした新マネーサービス「BANK」の機能拡充を進めています。・オフィスにおいては、毎朝の検温、マスク着用、体調不良時の報告および出社停止を徹底し、社内外の会議におけるWeb会議・電話会議の活用推進や、電子文書決済システムの活用によって、ペーパーレス化、リモート化を推進しています。・在宅・モバイル勤務制度を2017年4月から先行導入しているとともに、スプリット勤務や時差出勤に積極的に取り組んでいる他、モバイルPCや内線電話・外線電話共用スマートフォンなどの機器整備を進めています。 今後も想定される市中感染の繰り返しに備え、感染予防や体制整備、従業員への教育・啓蒙等を継続してまいります。また、新しい生活様式を踏まえた社会経済活動の回復・変化に併せ、ニーズに即したサービスを提供してまいります。 しかしながら、かかる努力によってもあらゆる事態に対応できるとは限らず、当行グループの業務運営、業績及び財政状態への悪影響を回避しきれない可能性があります。 (6)能力のある従業員の雇用 当行は、当行の事業戦略を遂行する上で、豊富な経験と専門的な知識を有する従業員を雇用することが重要と考えております。また、当行は従業員に対し、各業務分野での研修を実施し、従業員の知識・能力の向上に努めております。しかしながら、ビジネスやITその他の分野における高度な能力をもった人材の確保は、他の銀行に加え、投資銀行、その他の金融サービス業者とも競合しており、当行が有能な人材を採用・育成し、かつ定着させることができるとは限りません。 (7)人事上のリスク 当行グループでは、中長期の経営戦略の方向性や年度の業務運営計画を踏まえて人員計画を策定していますが、当行グループを取り巻く経済・業務環境に大きな変化が生じた場合には、業務の運営と合わせて人員計画についても見直しが必要となります。また、昨今の社会のデジタル化拡大によるビジネス環境の変化や、注力ビジネスに必要なスキルセットを有する従業員の不足・流出により、業務遂行上必要な要員が不足する場合には、当行グループの戦略策定や業務運営に悪影響を及ぼす可能性があります。 当行グループは、従業員のチームワークでチャレンジし続ける金融グループであるための人事施策として、「キャリアコースの統合」「俸給体系の見直し/新評価制度の導入」「若手従業員の成長機会を広げるためのチャレンジプログラムの拡充」等を実施し、また、専門人材の登用も可能にする人事制度改革を推進しております。人事評価にあたっては、各従業員に対する公平な評価・適切な処遇の実施に努めていますが、すべての従業員がその結果に納得するとは限りません。これらによってもたらされる従業員の意識の変化が統制環境に影響を与える可能性があります。以上を含め、今後の業務展開に大きな変動が生じる場合には、当行グループにおける人事・組織運営において支障が生じる可能性があります。 当行グループでは、働き方改革の取り組みの一環として、テレワーク、時差出勤、フレックス勤務やテレビ会議システム導入などを推進してきました。また、上記(5)に記載の通り、従業員の新型コロナウイルス感染予防・感染拡大防止に取り組むと共に、新しい生活様式にあわせた働き方やITインフラの活用を推進してきました。しかしながら、かかる努力によってもあらゆる事態に対応できるとは限りません。 (8)係争中の訴訟 当行は、当行グループ全体の訴訟について一元的に管理を行い、グループの法務リスクの極小化に努めており、現在のところ経営に重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟案件はありません。しかし、当行グループは銀行業務を中心に各種金融サービスを提供しており、このような業務遂行の過程で、損害賠償請求訴訟等を提起されたり、損害に対する補償をしたりする可能性があります。このような訴訟等の動向によっては、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(9)法令遵守に関するリスク 当行グループは、法令等の遵守を徹底し、業務の適法性とともに適切性を確保するために、経営理念に基づき全役職員が遵守すべき「倫理・行動基準」や贈収賄・汚職防止に関する「贈収賄防止基本方針」を定め、毎年全役職員に遵守することの誓約を求めること等により、金融機関への社会的要請に適合したコンプライアンスを実現することを最優先とする企業文化の構築に取り組んでいます。しかしながら、必ずしもこのような取り組みのすべてが有効に機能するとは限りません。お客さま情報の管理不備その他の事情に起因して、各種法令違反が発生するおそれや、お客さまとの多面的な取引の展開が優越的地位の濫用とみなされるおそれもあります。このように今後仮に法令違反等が発生した場合には、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(10)金融犯罪に関するリスク 当行グループは、口座開設時においてお客さまの取引時確認を厳格に行うことに加え、その後も継続的にお客さまの状況確認や取引のモニタリングを行うことにより、口座不正利用の防止に努めるとともに、お客さまに振り込め詐欺の注意喚起をする等により、お客さまの取引の安全と口座の保護に取り組んでいます。また、新規の取引に先立ち、反社会的勢力等との関係等に関する情報の有無を確認することに加え、その後も継続的に確認を行う等、反社会的勢力とのあらゆる取引を排除すべく必要な手続きを行っています。しかし、厳格なチェックにもかかわらず、反社会的勢力との関係を持つ者が口座を開設する等の可能性があり、また、これらの者等が自らの口座を詐欺等に使用したり、マネー・ローンダリングや租税回避行為又は他の不正行為を行う可能性もあります。また、大規模な金融犯罪に巻き込まれた場合には、その対策にかかるコストやお客さまへの補償のほか風評等により、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(11)従業員又は外部者による不正や過失等によって損失が発生する可能性 当行グループは、上記のリスク以外にも、従業員又は外部者による不正、懈怠及び過失によって損失を被る可能性があります。当行グループでは、従業員に対して社内規定等の適正な運用の徹底を図っておりますが、従業員が、予め許容された範囲を超え、また、許容できないリスクのある取引を実行したり、規定等に反する行為を隠蔽したり、秘密情報を不適切に使用・漏えいしたり、お客さまに対する詐欺的誘引行為又はその他お客さまの信頼を損なう行為を行う可能性があります。また、盗難若しくは偽造されたキャッシュカードの不正利用およびインターネットバンキング不正送金や、デビットカードの不正利用等による被害に対し、当行がお客さまに対する賠償責任を負担する可能性等も存在します。従業員又は外部者による不正や過失等を防ぐため、コンプライアンス体制を強化しておりますが、このような行為の結果、当行グループが行政処分その他の制裁を受け、又は当行グループの評判が毀損される可能性もあります。(12)風説・風評の発生による悪影響当行グループや金融業界等に対して、その信頼を毀損するような風説・風評が発生し拡散した場合に、当行の株価や業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。6.自己資本にかかるリスク(1)自己資本比率規制 当行は現在、国内基準に基づき、4.0%以上の自己資本比率を維持することが求められております。当行は、2021年3月末時点において連結自己資本比率11.03%(バーゼルⅢ国内基準ベース)と十分な水準を維持しておりますが、将来、規制上求められる水準の自己資本比率を維持できなくなった場合、行政措置が課され、当行の業務遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。将来、当行の自己資本比率に影響を及ぼす可能性のある要因には以下の事項が含まれます。 ・バーゼル銀行監督委員会は2017年12月に「バーゼルⅢ:金融危機後の改革最終化」(バーゼルⅢ最終化)を公表いたしました。同文書には、信用リスク・アセットの計測方法の見直し、オペレーショナル・リスクの計測方法の見直し、資本フロアの導入等が含まれており、2023年より実施することとされております。自己資本比率規制が更に強化された場合には、当行の自己資本比率に影響を及ぼす可能性があります。当行は、今後も健全性を維持しつつ資本の効率的な活用に努めるとともに、グローバルな自己資本比率規制強化の方向性等を踏まえ、自己資本の充実を図ってまいりますが、将来における当行の利益水準、リスク・アセット水準の変動その他の要因によっては、当行の自己資本比率が当行の想定を下回る可能性があります。・上記のとおり、現状当行は十分な水準の自己資本比率を維持していますが、今後企業価値向上に資する戦略的な資本提携や買収・合併の実施により、自己資本比率が現行水準より低下する可能性があります。 7.当行の財務に関するリスク(1)信用格付の低下が当行の業績に悪影響をもたらす可能性 格付機関により当行の格付が引下げられた場合、インターバンク市場での短期資金調達あるいは資本調達等においてより不利な条件で取引を行わざるを得なくなる若しくは取引そのものが行えなくなる可能性があります。また、デリバティブ取引等の一定の取引行為が制限され若しくは行えなくなる可能性があるほか、現在締結しているその他の契約を解消される可能性もあります。このような事象のいずれもが、当行の財務や業務の執行に悪影響を与え、業績や財政状態に不利な影響を与える可能性があります。(2)退職給付制度及び年金資産に関連するリスク 当行の年金資産の時価が下落した場合や、年金資産の長期期待運用収益率が低下する等退職給付債務に関する予測計算の前提条件に変更が生じた場合には、退職給付費用が増加する可能性があります。また、当行の退職給付制度の変更により、退職給付債務が追加的に発生する可能性があるほか、金利環境の変化や会計基準の変更その他の要素によって、退職給付債務が増加したり、年度毎の退職給付費用が増加する可能性があります。(3)繰延税金資産に関するリスク 当行では、繰延税金資産は、現行の会計基準に従い、将来の課税所得を合理的に見積もった上で計上しております。将来、実効税率引下げ等の税制改正や課税所得の見積額の変更等によって繰延税金資産の取崩しが必要となった場合に、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。8.日本の金融サービス業界に関連するリスク(1)日本及び世界の経済状況が悪化することで当行が受ける悪影響 当行の業績は、日本国内だけでなく世界的な金融経済環境の状況に大きく影響され、また、そうした日本国内及び世界的な金融経済環境は、金融・財政政策や地政学的要因等様々な要素によって影響を受けます。米国経済は、ワクチン接種の進展や大規模な経済対策等を背景に回復基調にあるものの、世界経済は新型コロナウイルス感染症の拡大により大きな影響を受けております。加えて、米中の関係悪化、各国の経済成長の鈍化、アジア・中近東における地政学上の緊張拡大等を端緒に世界経済が一層減速する可能性もあります。日本経済は、世界経済と同様に新型コロナウイルス感染症の影響によりサービス業や運輸業を中心に大きな影響を受けており、今後、ワクチン接種の普及状況にもよりますが、新型コロナウイルス感染症が再拡大し、収束までに長期間を要した場合には、更に経済状況が悪化する可能性があります。今後、米国をはじめとする各国の景気対策の効果や経済の行方など、マクロの金融経済動向がミクロ経済へ波及し、影響を及ぼす点について留意する必要があります。また、日本銀行の金融緩和政策、東京オリンピックの開催動向等によっても、国内経済に変調がもたらされる可能性があります。 このような環境下、日本及び世界の金融市場や経済の状況がさらに悪化し、又はその回復が遅れた場合、金融資本市場における信用収縮の動き、債券・株式市場や外国為替相場の大幅な変動、景気の停滞や悪化に伴う地価や株価の下落、企業倒産や個人の破産の増加等により、貸出資産の劣化や業務の停滞が生じ、当行の資金調達や業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (2)日本の金融サービス市場の競争激化 人口減少や高齢化及び低金利環境の長期化等により、我が国の金融サービス市場の競争環境は厳しさを増しております。また、デジタライゼーションの進展により、FinTech企業と呼ばれる金融サービスの提供者が他業界から参入するなど、当行は、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行に比べ優位に立つと考えられる企業も存在しております。当行の主要な競争相手には以下のものが含まれると考えております。・国内大手銀行グループ:三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ及び三井住友フィナンシャルグループは、資産、顧客基盤、支店数、及び従業員数等の様々な面において、当行に比べ相当に大きな規模を有しております。また、これらの銀行グループは、子会社又は関係会社として証券会社をはじめとした様々な機能を有しており、当行同様その収益源を多様化する戦略を採っています。・主要な投資銀行:国内外の投資銀行との間でも当行は、コーポレートアドバイザリー業務、スペシャルティファイナンス及びデリバティブ商品販売業務等様々な事業分野において、競争関係に立っています。・その他の金融機関:三井住友トラストグループ、りそな銀行グループ、新生銀行、インターネットバンク及び地方銀行等が含まれます。・ゆうちょ銀行、政府系金融機関:当行は、ゆうちょ銀行のほか、日本政策投資銀行等の政府系金融機関とも競争関係にあります。・その他の金融サービス提供者:当行又は当行の子会社、関連会社は、証券会社、資産運用会社、M&Aアドバイザリー会社、債権回収会社、消費者金融業者及びその他の金融サービス業者とも競争関係にあります。・当行は、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行に比べ優位に立つと考えられる企業も存在しております。また、デジタライゼーションの進展等を背景に従来には見られなかった異業種から参入も活発化し、一層の競争激化が見込まれます。 国内金融サービス市場をめぐる競争は一層激化することが予想される中で、当行が現在又は将来の競合他社と効果的に伍していけるという保証はありません。これまで当行は、シンジケートローン、LBOファイナンス、貸出及びコミットメントラインの供与、投資信託の販売等で手数料等の収入を増加させてきましたが、競争の激化に伴う手数料の低下が収益の下押し要因となるおそれがあります。また、当行は貸出金利及び預金金利の面でも競合他行と競争関係に立たされており、競争の激化が貸出金利の低下及び預金金利の上昇を促し当行の収益性を圧迫する可能性もあります。 (3)金融機関として広範な規制に服していること 当行は、金融機関として、広範な法令上の制限及び政府機関による監督を受ける立場にあります。更に、当行並びに当行の子会社及び関連会社は、金融当局による自己資本比率規制、銀行法、その他の銀行としての業務規制を受けています。また、銀行業以外の業務範囲については一部見直しの動きがあるものの引き続き制限を受けております。こうした制約から、ビジネスチャンスに対し適時に対応することが困難となる可能性があります。 仮に当行が、関連法規及び規制の違反を犯したような場合には、行政処分の対象とされ、また当行の評価が悪影響を受ける可能性があります。 (4)各種の規制及び法制度等の変更 当行は現行法による規制に従って業務を遂行しておりますが、当行が国内外において業務を行うにあたって適用されている法律、規則、政策、実務慣行、会計制度及び税制等が変更、又は新たに導入された場合には、当行の業務運営に影響を与え、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。2012年以降に顕在化した、一種のLIBOR不正操作問題などを踏まえ、金融安定理事会(FSA)は、2014年7月に公表した報告書の中で、金融指標の信頼性・透明性向上を図るべく、指標金利としてリスクフリーレートの構築を提言しました。また、2017年7月には英国の金融行動監視機構長官が、2021年末以降はLIBOR維持のためにパネル行にレート提示を強制する権限を行使しない旨を表明し、さらに2021年3月にはLIBOR運営機関であるICE Benchmark Administration より、米ドルの一部テナーを除き、現行のパネル行が呈示するレートを一定の算出方法に基づき算出するLIBORについては、2021年12月末をもって公表を停止する旨、公表されました。当行グループでは、LIBORの恒久的な公表停止及び後継指標金利への移行に向けて、グループ全体での対応を行う観点から、行内横断的なプロジェクトチームを設置し、お客さまへの丁寧な説明、内部管理の高度化、システム改修、事務見直し等、LIBOR公表停止に伴い混乱が生じない様対応を進めておりますが、対応に遅れや不足等があった場合には、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)金利変動によるリスク 貸出金、有価証券等の有利子資産による資金運用収益と、預金、社債等の有利子負債にかかる資金調達費用との差額である資金利益は、当行の収益の大きな割合を占めます。有利子資産と有利子負債では満期や金利設定条件等が異なるため、金利の変動により、当行の収益性が悪影響を受ける可能性があります。また、金利が上昇した場合には、貸出金への需要が低下する可能性があるほか、借入に係る金利負担の増加により債務者の業績や財政状態が悪化し、不良債権が増加することで当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで現行の政策を継続するとしつつ、当面、新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じるとしています。米国においては、FRBが、米連邦公開市場委員会(FOMC)にて、少なくとも2023年末までゼロ金利政策を維持する方針を表明している一方、ワクチン接種の進展や大規模な経済対策等を背景に、米国経済は回復基調にあることを受け、長期金利(10年物国債利回り)には上昇が見られます。 今後、各国中央銀行の政策変更やその他の外的要因により、仮に重大な又は予期しない金利変動が生じた場合には、当行の業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。 9.環境・社会に係るリスク(1)環境・社会に配慮しない投融資等に係るリスク 当行は、経済・社会の持続可能な発展に貢献するため、中期経営計画においてSDGs/ESGへの取組について掲げているほか、適切なリスク管理態勢のもと、高度なリスクテイク能力を活用した金融仲介機能の発揮に努めています。昨今、気候変動問題などの環境・社会課題の顕在化に伴い、金融業界を取り巻くステークホルダーからは、資金提供者として、環境・社会に一層配慮することが期待されており、当行は、環境・社会に対する負の影響を助長する可能性が高いセクターに関する投融資方針を策定するなど、環境・社会リスクの低減・回避に向けた取り組みを強化しました。また、新たにSDGs推進担当役員ならびにSDGs推進部を設置・拡充し、環境・社会課題への取組みを強化しています。 しかしながら、当行の取組みが、日増しに高まる取引先や投資家等のステークホルダーの期待から大きく乖離した場合には、レピュテーションの毀損等により、当行の業務運営に悪影響を及ぼす可能性があります (2)気候変動リスク 2015年に採択された「パリ協定」を受け、気候変動の原因とされる温室効果ガスの削減を目的とした取り組みが加速しており、様々な環境・社会課題の中でも気候変動リスクへの対応の重要性が高まっています。当行は、気候変動が環境・社会、企業活動、個人の生活にとっての脅威であり、金融市場の安定にも影響を及ぼしうる重要な課題の一つであると認識しています。 気候変動リスクとしては、当行に関して以下のリスクが含まれるものと考えられます。(移行リスク)低炭素経済への移行に伴う政策・法規制・技術・市場の変化が生じることに起因する、以下のようなリスク・低炭素社会への移行に伴い与信先の事業や財務状況に影響し与信ポートフォリオが影響を受けるリスク・低炭素技術の進歩や消費者の嗜好変化により既存の製品・サービスの代替が進み、投融資先の業績に悪影響を及ぼすリスク・新たな技術開発を志向する企業との取引を十分取り込むことが出来ず、当行の業績に悪影響が及ぶとともに当行の評価が低下するリスク(物理的リスク)温暖化の進行により、資産に対する直接的な損傷や、サプライチェーンの寸断による間接的な影響等が生じる、以下のようなリスク・風水害の頻度・規模の増大等、気候変動に伴う自然災害や異常気象によってもたらされる物理的な被害から与信ポートフォリオが影響を受けるリスク・社会インフラあるいは当行の事業施設や従業員が被害を受け、当行又は当行の取引先の事業に重大な悪影響が及ぶリスク・温暖化の進行で熱中症や疫病のパンデミック等の発生頻度が高まり、当行又は当行の取引先の事業に重大な悪影響が及ぶリスク これらの事象が生じた場合には、当行の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当行は、こうした気候変動に関するリスクの把握・評価や、情報開示の重要性を認識し、金融安定理事会によって設立された気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures、以下、「TCFD」)が策定した気候変動関連財務情報開示に関する提言を支持するとともに、TCFDに沿ったリスクの把握・評価や情報開示の拡充に取り組んでおりますが、気候変動に関するリスクへの取り組みや情報開示が不十分であった場合又はそのように見做された場合などには、当行の企業価値の毀損に繋がるおそれがあります。 10.その他(1)財務報告に係る内部統制に関するリスク 当行は、金融商品取引法に基づき、財務報告に係る内部統制の有効性を評価した「内部統制報告書」の提出、及びその評価内容について監査法人の監査を受けることが求められております。 当行グループは、財務報告に係る内部統制の整備・運用を行っており、有効性を評価する過程で発見された事項は速やかに改善するよう努めております。 しかしながら、改善が不十分な場合や経営者が内部統制を有効と評価しても監査法人が開示すべき重要な不備があると評価するような場合があり、当行グループの財務報告の信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)重要な経営陣への依存 当行では、経営陣の業務遂行能力が、今後の当行の事業の成否に関する重要な要因となる場合があるものと考えております。重要な経営陣の退社等により、当行の事業遂行が悪影響を受け、また事業戦略の実施能力が低下する可能性があります。
FY2020|21,102 文字
2【事業等のリスク】 当行及び当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクは以下のとおりです。以下では、まず、かかる主要なリスク全般について記載した上で、それらのうち、経営上、特に重大なリスク(トップリスク)として認識しているものをその後に記載しております。 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当行及び当行グループが判断したものです。当行はこれらリスクの発生の可能性を認識したうえで、トップリスクも含めたそれぞれのリスクの発生の回避及び発生した場合への対応に努めております。リスク管理については、マネジメントコミッティー及びALM委員会、統合リスクコミッティー、クレジットコミッティー、投資委員会、CAPEX委員会、顧客保護委員会等により遂行され、定期的に取締役会に報告されております。1.事業戦略におけるリスク(1)事業戦略の推進に伴うリスク 当行は、「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、中期経営計画「AOZORA2022」に基づき、業務を遂行してまいります。しかしながら、このような事業戦略の推進に際しては、以下のようなリスクがあります。・今後注力していく事業分野において、想定通りに業績を伸ばすことができるとは限りません。・戦略の遂行に伴う経営資源の配分の見直し等が成功するとは限りません。・業務の推進においては、実務を遂行する人材を確保する必要がありますが、必要な人材を十分に確保できるとは限りません。・新型コロナウイルス感染症等のパンデミックや自然災害等により、各業務において十分な事業活動が行えるとは限りません。 (2)事業法人のお客さまとの取引の推進におけるリスク 当行は、事業法人のお客さまに対する資本性資金を含めた適切なファイナンスの提供等、信用供与の円滑化に努めております。また、それぞれのお客さまの多様なニーズに応じて、オーダーメイド型で付加価値の高い金融ソリューションの提供を通じ、引き続き顧客基盤の拡充に注力してまいります。加えて、現在、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたお取引先に対しては、きめ細かくニーズに対応し支援に努めております。しかしながら、当行がこうした事業金融の推進を行うにあたっては以下のようなリスクがあります。・新型コロナウイルス感染症拡大の影響による景気悪化が長期にわたる場合には、お取引先の事業活動や信用状態に悪影響を与え、当行グループの収益力の低下及び与信費用の増加につながり当行の財務状況にも影響を与える可能性があります。・当行の基準に見合う顧客層との取引が期待通りに拡充できるとは限らず、当行が目指す資産の質、収益が確保できない可能性があります。・当行は、法人顧客基盤が国内大手銀行グループよりも小さく、また営業拠点数、営業人員数も少ないことから新規の顧客獲得等に限界がある可能性があります。・国内の銀行業界における厳しい競争の結果、国内事業法人向け融資の収益性が、当行が考えるリスクとの対比において十分な水準でない可能性があります。・国内外における経済環境の悪化が生じた場合には、当行を取り巻く環境や将来の業績に悪影響を与える可能性があります。また、そのような局面においては、管理回収等の強化に伴う人的リソースの配分等により、注力分野の活動に制約が生じる可能性があります。 我が国においては、超低金利環境が継続しており、オーバーバンキングによる厳しい競争の結果、当行の事業法人貸出においてリスクに応じた適正なプライシングを行うことが困難な状況になっています。当行は、継続的な付加価値の提供を通じたお客さまとの信頼関係構築により付帯取引を獲得し、総合的な収益性の確保に努めております。そのために、個々のサービスとしての貸出においては、信用リスクや格付に応じた利鞘より低い水準で貸出を行うことがあります。 (3)リテールバンキング業務の拡充に伴うリスク 当行は、従来からマスアフルエント層をはじめとしたシニア層のお客さまへの様々な金融商品の提案等を通して、お客さまの中長期な資産運用をお手伝いさせていただいております。加えて、新マネーサービス「BANK」を軸とするスマートフォンやインターネット等を利用した非対面取引機能を拡充し、訴求力の高い商品に力点を置いたサービスの提供を通じて、次世代のシニアマスアフルエント層である現役世代のお客さまへのアプローチを強化しています。 資金調達の面では、2020年3月末の個人のお客さまからの調達がコア調達(預金・譲渡性預金及び債券・社債)に占める割合は過半を超えており、引き続き資金調達の面でもリテール部門は当行の中核を担っております。 当行は、今後も「顧客本位の業務運営」のもと、有人店舗では財産承継や事業承継等の専門的なコンサルティングに注力するとともに、「BANK」ではサービスの拡充により、お客さまとのお取引を拡大してまいります。また、ITを活用した新しい業務フローの導入により業務効率化も進め、リテール部門の一層の強化を図っていく方針です。しかしながら、以下のとおり、当行がリテールバンキング業務拡充の計画を成功裡に達成できない可能性があります。・当行は、当行グループ内の配置転換や外部採用等を通じて、また人材開発プログラムの導入や顧客視点の評価制度の導入等を通じて、コンサルティング力の強化に努めていく方針ですが、当該業務に精通した営業員の確保が想定を下回ったり、人材開発プログラムの導入や新しい評価制度の導入が必ずしもコンサルティング力の強化に結びつかない可能性があります。・当行は、競合他金融機関と比較して支店数が少なく、またインターネットバンキング展開においても後発であり、顧客基盤も相対的に小さいことから、新規顧客の獲得やあおぞらブランドの確立が容易ではない可能性があります。・リテールバンキング業務の拡充には、大量の取引を効率的に処理するためのシステムによるサポートが不可欠であり、システムの充実には多大な経営資源と時間を要する可能性があります。・当行が提供する商品・サービスの種類・条件について、他金融機関との差別化が難しくなるほか、他の種類の投資商品との競争が厳しくなることなどにより、必ずしも預かり資産の量の拡大、収益の拡大に結びつかない可能性があります。・システムトラブルが発生した場合、想定外の復旧コストを要する可能性があるほか、レピュテーションに悪影響を与える可能性があります。 上記のような事情からリテールバンキング業務を拡充できない場合、収益源及び資金調達源の多様化が十分に実現できず、当行の財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)海外業務に関連するリスク 当行は、「国際業務の持続的成長」を注力するビジネスモデルの1つとして位置付けており、北米向けを中心とする海外貸出を選択的に実行することによって、収益力の向上並びに貸出ポートフォリオの分散を図る方針としております。リスク管理体制につきましては、北米、アジア、欧州の各現地拠点と東京が連携したグローバルでシームレスなモニタリング態勢を強化しておりますが、当行における海外業務の遂行については、以下のリスクや課題があります。・社会的、政治的、経済的な環境の変化や各国の税制及び規制環境の相違(特に金融サービスや直接投資に関するもの)に起因するリスク。・金利及び為替変動に関連する取引にかかるリスク。・商品ノウハウと各々の市場に対する知識等を有する人材を確保できないリスク。・現地における政治経済状況、法制、規制あるいは税制等に関する情報の入手が遅れる等、質・量の両面で国内貸出と同水準の情報収集を維持することに支障が生じるリスク。・外貨調達に困難が生じた際の外貨資金繰りに関するリスク。 (5)地域金融機関が重要な顧客基盤であること 当行は、従来から多くの地域金融機関に対して、資金運用やリスク管理のニーズに応じた金融商品の提供のほか、地域金融機関の取引先である中小企業への共同支援や地域企業再生支援等、多様な商品・サービスを提供してきております。当行は、かかる取引関係において、同業他社との競争上優位性を確保していると考えており、地域金融機関に対する商品・サービスの提供を一層充実させるとともに、引き続き地域金融機関の「戦略パートナー」として、地域金融機関のネットワークと個別業務分野における当行の強みを融合し、相互に機能補完する独自のビジネスモデルの展開を目指していく方針です。しかしながら、かかるビジネスモデルが有効に機能する保証はなく、また、金融環境の変化その他の要因により、今後この分野における競争力を失った場合には、地域金融機関との取引の規模及び収益の成長が鈍化し、更には縮小する可能性があります。 (6)先進的な商品とサービスの投入 当行の戦略は、すべての商品分野において他金融機関と競合することではなく、他金融機関にはない差別化された先進的な商品・サービスを開発し、投入することにより、事業法人のお客さま向けの業務や地域金融機関との協働によるビジネスを拡大し、収益を獲得していくこととしています。また、デリバティブ取引やリスク管理といった分野での先進的なノウハウを活用した商品・サービスにも力を入れており、地域金融機関及び個人のお客さまの運用ニーズに対応したデリバティブ内蔵型の各種預金商品・投資信託・仕組債等の金融商品を提供しています。当行は、従来から、お客さまのニーズに合わせた独自の商品性を持った商品・サービスの投入により、新商品戦略において一定の成果を上げているものと考えております。 しかしながら、将来投入される商品・サービスが同じように顧客から認知され、顧客の支持を得ることができる保証はありません。また、競合他金融機関が、当行と同様の顧客層をターゲットに、当行と同様の商品・サービスの提供を開始すること、また、その他競合する投資商品の出現等を要因とする競争の激化により、当行の商品の先進性・独自性が失われ、収益性が低下するおそれがありますが、その際に、当行が競争力の低下した商品・サービスに替わる新たな商品・サービスを継続的に供給し続けられるという保証はありません。 また、かかる先進的な商品・サービスの導入は、当行にとって、当行が経験したことのない又は経験の少ないリスクや課題をもたらす可能性があります。加えて、かかる先進的な商品・サービスへの過度な集中や依存は、当該商品・サービスの状況により、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7)組織の変更当行では、随時、不定期に組織を変更することがあります。組織の変更は、経営環境の変化、あるいは、経営戦略の見直しに合わせ、一定の目的・狙いの下に実施されますが、結果として、新しい組織による運営が定着しない、あるいは、組織変更に伴う混乱等により業務運営が非効率となる等、組織変更の目的・狙いが期待通りに実現できない可能性があります。 (8)業務・資本提携等アライアンス推進に伴うリスク 当行は、長期的な視野における企業価値向上のため、国内外において成長性の高い市場を見極め、戦略的な提携や合併・買収等資本政策を含めた様々な方策の検討を行っていく方針です。しかしながら、こうした提携や合併・買収が収益の拡大・企業価値の増大に寄与するという保証はありません。 合併や買収等の場合、統合作業の過程において一時費用が発生しますが、企図した統合成果が上がらず、結果として、検討又は統合等に要した費用、投資資金を回収できない可能性があります。また、提携についても、国内外における経済環境の変化等により、企図した効果があがらない可能性があります。更に、当行は提携業務の推進、買収事業の統合・展開において中核となるべき人材の確保等の問題に直面する可能性があります。加えて、そうした場合における通常の営業における人員確保や営業アクティビティの低下等の問題に直面する可能性もあります。(9)子会社・関連会社の業務に関するリスク 当行は子会社において銀行業務、金融商品取引業務、投資運用業務、投資助言業務、M&Aアドバイザリー業務、ベンチャーキャピタル業務等の金融サービスに係る事業や債権管理回収業務を行っており、これら子会社の業務の中には、銀行業とはリスクの種類や程度の異なる業務も含まれています。また、GMOあおぞらネット銀行が営むインターネット銀行事業は、当行グループが従来営んできた銀行業に係るものとは異なる種類や程度のリスクを含みます。当行は、こうした業務に伴って発生する種々のリスクについても適切に管理する体制を整備するよう努めておりますが、当行の想定を超えるリスクが顕在化すること等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 また、GMOあおぞらネット銀行あるいは今後新規に投資を行う会社について、各社の事業が想定通り伸長しなかった場合には、投資が回収できないリスクがあります。 2.信用リスク(1)不良債権残高及び与信関連費用の増加 当行は、個別の与信先について信用状態を継続的にモニタリングするとともに、信用状態の悪化が懸念される場合には貸出金の劣化に対する予防策を講じるよう努めておりますが、以下のような要因により、当行の不良債権残高や与信関連費用が増加する可能性があります。・当行の予想以上に内外経済が悪化した場合。・債務者が属する特定の産業の状況が悪化した場合。・債務者の個別事情により、債務者の業績が当行の予想を下回った場合、あるいは、不測の事態により債務者の業績が悪化した場合。・当行の予想以上に、債務者の経営再建計画が成功裡に実行されず信用リスクが高まる場合や、あるいは、金融機関による支援の打ち切り等により再建中止が余儀なくされる場合。・当行の予想を上回る内外の不動産市況の悪化等により裏付資産の価値が下落し、債務者の信用力が低下した場合。・新型コロナウイルス感染症拡大の影響が当行の想定よりも長期に及び、国内外の景気悪化等により債務者の業績が悪化した場合。 (2)特定先及び特定業種への集中リスク 当行の大口債務者上位10先に対する貸出金は、2020年3月末時点の単体ベースの貸出金残高の約11%を占めており、大口債務者による債務不履行があった場合、又は大口債務者の一部若しくは複数との関係に重大な変化が生じた場合には、当行の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 当行の国内及び海外の不動産業に対する貸出(不動産ノンリコースローンを除く)は、2020年3月末現在、単体ベースで貸出全体の約9%を占めており、その他の業種に対する貸出で、不動産担保により保全されているものもあります。そのため、当行の貸出は、不動産市況の悪化や不動産業界全体が低迷した場合には、不動産業界の債務者の信用力の悪化や、不動産で担保されている保全額の減少から、追加的な引当金が必要となったり、追加的なコストが発生する場合があります。 当行の国内及び海外の不動産ノンリコースローンは、2020年3月末現在、貸出全体の約23%を占めております。不動産ノンリコースローンは、債務者の信用力ではなく、対象不動産から生じるキャッシュ・フローをその返済原資として債務の履行が担保されるもので、当行は、不動産賃料、空室率及び地価等のキャッシュ・フローに影響を及ぼす主なリスク要因等をモニタリングすることにより、リスク管理を行っております。 対象不動産の地域は、これまで主に東京を中心としておりましたが、近年は米国主要都市の案件も増加しております。そのため、当該地域における不動産市況の悪化等により、対象不動産からのキャッシュ・フローが当行の予想を超えて悪影響を受ける場合には、当行の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 (3)貸倒引当金が不十分となるリスク 当行は、過去の債務不履行発生状況、与信先の財務状況及び保有する担保の価値並びに景気動向に対する前提及び見通し等に基づいて貸倒引当金を計上しております。特に、今後の管理に注意を要する大口の与信先等については、経済環境の悪化により貸倒費用が増加する可能性も勘案し、債務者区分遷移シナリオや元本・利息の回収について一定の前提を置いてキャッシュ・フロー見積法等により算定した貸倒引当金を追加的に計上する等、十分な水準の貸倒引当金を計上しております。しかしながら、当行の想定を超えて経済環境が悪化する等、当行の前提及び見通しを変更する必要が生じた場合、当行の与信先の財務状況が当行の想定を超えて悪化した場合、当行が保有する担保の価値が下落した場合、あるいは、その他の要因により予想を超えて当行に悪影響が及んだ場合、当行は貸倒引当金を増加させる必要が生じる可能性があります。 なお、2020年3月期決算においては、新型コロナウイルスの感染症拡大が比較的早期に収束するものの、経済、企業活動へ及ぼす影響が継続し、一部の債務者について、翌期以降の業績悪化により債務者区分の格下げが発生するとの仮定に基づき、当該債務者については、格下げを織り込んだ債務者区分に基づいて貸倒引当金を算定しております。 (4)海外向けエクスポージャーに関するリスク 当行の貸出金全体に占める海外向け貸出(最終リスク国が日本以外、連結ベース)の割合は、2020年3月末においては約37%になっております。なお、海外向け貸出の地域別状況については、北米向け貸出が約80%を占めており、残りはアジア向け及び高格付国を中心とした欧州向けとなっております。当行は国・地域別のガイドラインを設定してエクスポージャーをコントロールしております。 海外において、財政状態の悪化や政治・経済の混乱等により、国・地域が債務不履行に陥る、あるいは、債権者に対して債務の再編や期限の延長等の支援を要請することを余儀なくされる場合、当行が保有するソブリンを含む海外向けエクスポージャーに悪影響が及び、結果として当行の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 (5)ローン債権等に対する投資に関連するリスク 当行は、債権売買取引及び証券化ビジネスにおいて、事業法人向けローン、住宅ローン、売掛債権、リース債権、不良債権及び仕組商品を含む様々な資産の取得・回収・売却等を行っております。こうした業務は本質的に環境に左右されやすい性質を有しており、市場規模や環境等の変化により当行保有資産の価値や信用力が低下した場合、当行の業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。 3.市場リスク(1)トレーディング及び投資業務における市場リスク 当行は、国内及び海外の債券、ファンド、デリバティブ取引を含む多様な金融商品への投資・運用及びトレーディングを行っております。こうした業務からの収益は、金利、為替レート、債券価格、及び株式市場の変動や、各種資産間の相関状況の変化等により影響を受けます。一例をあげれば、金利の上昇は、一般的に当行の債券ポートフォリオの価値に対して悪影響をもたらすこととなります。更に、当行が保有している国債その他債券について信用格付が格下げされた場合や債務不履行となった場合、また、これらの流動性が著しく低下してポジション調整が困難な場合には、当行の業績に悪影響が及ぶ可能性があります。 当行は、こうした業務において、自らの体力に見合った健全なリスクテイクを逸脱せぬよう、例えば、損失を限定するためのロスカット・ルールを設定する等、管理体制の整備に努めております。しかしながら、市場がストレス環境にあるような状況では、ポジションを思うように縮小することが出来ず、損失を想定した範囲に限定することが出来なくなる場合があります。また、金融政策の変化その他の要因により、市場が当行の予想を超えて変動した場合、当行は予測を超えた損失を被る可能性があります。4.流動性リスク(1)資金流動性リスク 当行の多くの調達資金は順次満期を迎えるため、当行は、継続的に預金を受け入れ、社債を発行し、既存債務の借換を行い、また継続的に一定割合を短期資金で調達する必要があります。当行は、資金調達方法を分散・多様化させることに加え、今般の新型コロナウイルス感染症の金融市場への影響が拡大する過程では、先行的な外貨調達の拡充策を講じる等、資金調達の安定性の確保・向上に努めておりますが、流動性リスクを完全に回避することはできません。当行の資金調達が、市場環境が不安定な状況において満期を迎えた場合、当行が許容できる条件で十分な資金を調達できるという保証はなく、再調達が首尾よくいかなかった場合には、当行の業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。また、当行の業績又は財政状態の悪化、信用の低下、格付機関による格下げ等のほか、外貨資金調達における制約、景気動向の悪化や金融システム全般の不安定化等により、当行が、営業上許容できる水準の利率で預金を獲得することができない場合や当行の流動性が制限された場合、当行は必要な資金を確保するために、より高い資金コストを負担し、あるいは、資産を圧縮すること等の対策をとる必要が生じ、業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。 また、当行を含む国内基準行に対しては、2017年4月末より流動性カバレッジ比率等の銀行法第24条に基づくモニタリングが開始されております。将来的にこうした枠組みの内容に何らかの変更があった場合、当行の調達構造に影響が及ぶ可能性があります。 (2)市場流動性リスク 当行は、市場で取引される様々な資産やデリバティブを保有しておりますが、市場の混乱や取引の厚みの不足等により、市場での取引を行うことができない、又は、著しく不利な価格での取引を余儀無くされることにより、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 5.オペレーショナル・リスク(1)リスク管理体制 当行グループの業務の遂行には、オペレーショナル・リスクが伴います。オペレーショナル・リスクは、不適切な内部処理、役職員の過失や不正行為、システムの障害及びその他の外部で発生する事象等、様々な形で顕在化する可能性があります。また当行グループの業務においては法律・規制に関するリスクも存在します。当行グループは、オペレーショナル・リスクについても必要なデータやリスクの顕在化事象を把握し、アセスメントを実施してリスクを特定、評価し、リスクをモニタリング、削減、コントロールする適切なリスク管理体制の整備に努めております。しかしながら、結果的にこの体制が有効に機能せず、リスク管理が十分に効果的なものとはならない可能性があります。業務分野の拡大、新規分野の取り組みや環境変化等に応じた適切なリスク管理体制を構築できず、当行グループが予想外の損失を被る可能性があります。(2)システム障害リスク 当行では、お客さまへのサービス提供や当行自身の業務管理、情報管理のため様々な情報システムを運営しております。これらの情報システムの安定的な稼動を確保するため、複数年度のIT投資計画に沿って、新規・更新投資や機器等の保守を実施しているほか、各情報システムの重要性等に応じたバックアップの取得や機器・回線の二重化等の対策を講じるとともに、不測の事態に備えたコンティンジェンシープランを策定しております。しかしながら、これらの対策が十分であるという保証はなく、また、情報システムの新規開発や改修・保守作業における人為的な過失、事故等により、システム障害が発生し、場合によっては情報システムが適切に稼動しないリスクや、内部統制の維持や会計帳簿及び財務諸表の作成に関して問題が発生するリスクがあります。 また、当行は、地震等の自然災害や大規模な停電その他の事故等により、当行が使用する情報システムを収容する情報システムセンター(データセンター)が正常に稼動できなくなる場合に備えて、情報システムセンターの二重化にも取り組んでいます。当行の勘定系システムであるBeSTAcloud(株式会社エヌ・ティ・ティ・データが運営する基幹勘定系システムアウトソーシングサービス)は、現用システムを愛知県名古屋市に設置されたデータセンターに、災害対策用のコンピュータ機器を福岡県福岡市に設置されたデータセンターにそれぞれ収容し、遠隔地の2センター体制としております。勘定系システム以外の自行システムに係る情報システムについては、メインセンターを東京都府中市に、バックアップセンターを東京都千代田区に設置し、重要な情報システムに係る機器等の二重化を実施しておりますが、首都圏に地震が発生した場合、メインシステムセンターとバックアップセンターの両サイトが被災するリスクがあります。更に、当行のバックアッププランは、サービスの中断時に生じるおそれのある偶発事象に対処できるものではない可能性があります。 このほか、当行は、お客さま向け情報提供のためのホームページやインターネットバンキングサイトをインターネット環境で提供しております。また、当行業務遂行に必要なWebサイト閲覧やメール送受信のため当行システムをインターネット環境に接続しております。インターネットに接続するシステムに必要な安全対策として、不正侵入防止の入口対策、情報漏えい防止の出口対策等、多層的な技術的対策を実施していますが、サイバー攻撃の高度化により当行が講じている対策が有効に機能せず、システムダウンやサービス停止等により、業務継続に支障が生ずる可能性があります。 当行の情報システムの動作不良は、自然災害やその他の理由にかかわらず、顧客との関係を毀損し、訴訟や行政処分を招来し、また、その他の理由により当行の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 今後も現在の対策を継続しつつ、テレワーク拡充といった新たな要請に対して利便性とバランスを取ったセキュリティ対策を実施していく予定です。 (3)外部業者により提供を受けている重要なサービス 当行グループは、業務にとって重要である多くのサービスについて外部業者を利用しております。外部業者の利用に際しては、妥当性の検証、外部業者の適格性検証、利用中の継続的な外部業者管理等の方策を講じておりますが、地震その他の自然災害やその他の事情により、それらの外部業者のサービスが停止した場合、又はそれらのサービスに問題が生じた場合に、当行が同様の条件で同種のサービスをタイムリーに提供できる外部業者を見出すことができるとは限りません。その場合、当行グループの営業が中断し、当行グループの業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、業界又はその他の状況の変化により、外部業者がサービスの料金を引き上げることも考えられ、その場合には、当行グループの業績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(4)個人情報等の流出等のリスク 近年、企業や金融機関が保有する個人情報等の流出という事態が、数多く発生しています。当行グループでは、個人情報等の流出等防止のための様々な方策を講じておりますが、保有する個人情報等について、役職員等若しくは委託先の人為的なミスあるいは内部若しくは外部からの不正アクセスにより流出した情報が不正に使用されることを完全に防止することはできません。こうした事態が発生した場合、当行グループはその責任を負い、法令上、民事上の責任等を問われ、あるいは、監督機関の処分を受ける可能性があります。更に、そうした事故が発生することにより、当行グループの業務及びブランド力に対する評価や当行グループに対する顧客や市場の信認に悪影響が及ぶ可能性があります。(5)災害等に対する危機管理及び業務継続に関するリスク 地震、台風等の自然災害や事故、テロ、サイバー攻撃等による被害、ウイルス等感染症の流行や放射能汚染等の外的要因等により、当行グループの機能の全部又は一部が停止するおそれがあります。 当行は、かかる事象が発生した場合においても、業務継続を可能とすべく業務継続計画等の策定、バックアップオフィスの構築等を行うとともに、訓練等を実施し継続的に実効性向上を図るよう努めております。 また、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大に対しては、国内感染の初期段階から、情報収集に努め、従業員の健康管理・衛生管理の徹底、発熱等の症状のある従業員に対する自宅療養の徹底、在宅勤務の活用による出勤者の抑制、時差出勤・フレックスタイムなどの弾力的な運営による通勤時の混雑回避、窓口等における飛沫感染防止のためのスクリーンの設置など、感染予防・感染拡大の防止のための対策を講じてまいりました。緊急事態宣言発出後は、社長を本部長とする危機対策本部を設置し、緊急事態宣言下における業務運営並びに感染拡大防止対策に係る基本方針を決定する体制といたしました。 今後も想定される市中感染の繰り返しに備え、感染予防や体制整備を継続してまいります。また、新しい生活様式を踏まえた社会経済活動の回復・変化に併せ、ニーズに即したサービスを提供してまいります。 しかしながら、かかる努力によってもあらゆる事態に対応できるとは限らず、当行グループの業務運営、業績及び財政状態への悪影響を回避しきれない可能性があります。 (6)人事上のリスク 当行グループでは、中長期の経営戦略の方向性や年度の業務運営計画を踏まえて人員計画を策定していますが、当行グループを取り巻く経済・業務環境に大きな変化が生じた場合には、業務の運営と合わせて人員計画についても見直しが必要となります。また、当行グループは、各従業員に対する公平な評価・適切な処遇の実施に努めていますが、すべての従業員がその結果に納得するとは限りません。また、中期経営計画の中で導入する新人事制度において、従業員のチャレンジとチームワークを⽀援する新たな⼈事施策として、「キャリアコースの統合」「若手従業員の成長機会を広げるためのチャレンジプログラムの拡充」等を推進することとしておりますが、これらによってもたらされる従業員の意識の変化が統制環境に影響を与える可能性があります。以上を含め、今後の業務展開に大きな変動が生じる場合には、当行グループにおける人事・組織運営において支障が生じる可能性があります。また、業務遂行上必要な要員が不足する場合には、当行グループの業績及び財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当行グループでは、働き方改革の取り組みの一環として、テレワーク、時差出勤、フレックス勤務やテレビ会議システム導入などを推進してきました。また、上記(5)に記載の通り、従業員の新型コロナウイルス感染予防・感染拡大防止に取り組んでおります。 しかしながら、「テレワークやローテーション勤務」「時差通勤でゆったりと」「オフィスはひろびろと」「会議はオンライン」「名刺交換はオンライン」「対面での打ち合わせは換気とマスク」といった、働き方の新しいスタイルは定着まで時間を要する可能性があり、従業員の新型コロナウイルス感染や業務体制の再構築が必要となる懸念があります。 引き続き感染防止に向けた取り組みを徹底することにより感染リスクを低減するとともに、ITインフラの活用なども通じて業務遂行に努めてまいります。 (7)係争中の訴訟 当行は、当行グループ全体の訴訟について一元的に管理を行い、グループの法務リスクの極小化に努めており、現在のところ経営に重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟案件はありません。しかし、当行グループは銀行業務を中心に各種金融サービスを提供しており、このような業務遂行の過程で、損害賠償請求訴訟等を提起されたり、損害に対する補償をしたりする可能性があります。このような訴訟等の動向によっては、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(8)法令遵守に伴うリスク 当行グループは、法令等の遵守を徹底し、業務の適法性とともに適切性を確保するために、金融機関への社会的要請に適合したコンプライアンスを実現することを最優先とする企業文化の構築に取り組んでいますが、必ずしもこのような取り組みのすべてが有効に機能するとは限りません。お客さま情報の管理不備その他の事情に起因して、各種法令違反が発生するおそれや、お客さまとの多面的な取引の展開が優越的地位の濫用とみなされるおそれもあります。このように今後仮に法令違反等が発生した場合には、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(9)金融犯罪に関するリスク 当行グループは、口座を開設され取引を行うお客さまの取引時確認を厳格に行い、口座不正利用の防止に努めるとともに、お客さまに振り込め詐欺の注意喚起をする等により、お客さまの取引の安全と口座の保護に取り組んでいます。また、新規の取引に先立ち、反社会的勢力等との関係等に関する情報の有無を確認する等、反社会的勢力とのあらゆる取引を排除すべく必要な手続きを行っています。しかし、厳格なチェックにもかかわらず、反社会的勢力との関係を持つ者が口座を開設する等の可能性があり、またこれらの者等が自らの口座を詐欺等に使用したり、マネー・ローンダリングや租税回避行為又は他の不正行為を行う可能性もあります。また、大規模な金融犯罪が発生した場合には、その対策にかかるコストやお客さまへの補償のほか風評等により、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(10)従業員又は外部者による不正や過失等によって損失が発生する可能性 当行グループは、上記のリスク以外にも、従業員又は外部者による不正、懈怠及び過失によって損失を被る可能性があります。当行グループでは、従業員に対して社内規定等の適正な運用の徹底を図っておりますが、従業員が、予め許容された範囲を超え、また、許容できないリスクのある取引を実行したり、規定等に反する行為を隠蔽したり、秘密情報を不適切に使用・漏えいしたり、お客さまに対する詐欺的誘引行為又はその他お客さまの信頼を損なう行為を行う可能性があります。また、盗難若しくは偽造されたキャッシュカードの不正利用や、インターネットバンキング不正送金による被害に対し、当行がお客さまに対する賠償責任を負担する可能性等も存在します。従業員又は外部者による不正や過失等を防ぐため、コンプライアンス体制を強化しておりますが、このような行為の結果、当行グループが行政処分その他の制裁を受け、又は当行グループの評判が毀損される可能性もあります。(11)風説・風評の発生による悪影響 当行グループや金融業界等に対して、その信頼を毀損するような風説・風評が発生し拡散した場合に、当行の株価や業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。6.自己資本にかかるリスク(1)自己資本比率規制 当行は現在、国内基準に基づき、4.0%以上の自己資本比率を維持することが求められております。当行は、2020年3月末時点において連結自己資本比率10.29%(バーゼルⅢ国内基準ベース)と十分な水準を維持しておりますが、将来、規制上求められる水準の自己資本比率を維持できなくなった場合、行政措置が課され、当行の業務遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。将来、当行の自己資本比率に影響を及ぼす可能性のある要因には以下の事項が含まれます。 ・バーゼル銀行監督委員会は2017年12月に「バーゼルⅢ:金融危機後の改革最終化」(バーゼルⅢ最終化)を公表いたしました。同文書には、信用リスク・アセットの計測方法の見直し、オペレーショナル・リスクの計測方法の見直し、資本フロアの導入等が含まれており、2023年より実施することとされております。国内における実施内容・時期が未定なものもありますが、こうした自己資本比率規制の強化により、当行の自己資本比率が現行水準より低下する可能性があります。当行は、今後も健全性を維持しつつ資本の効率的な活用に努めるとともに、グローバルな自己資本比率規制強化の方向性等を踏まえ、自己資本の充実を図ってまいりますが、将来における当行の利益水準、リスク・アセット水準の変動その他の要因によっては、当行の自己資本比率が当行の想定を下回る可能性があります。・上記のとおり、現状当行は十分な水準の自己資本比率を維持していますが、今後企業価値向上に資する戦略的な提携や買収・合併の実施により、自己資本比率が現行水準より低下する可能性があります。 7.当行の財務に関するリスク(1)信用格付の低下が当行の業績に悪影響をもたらす可能性 格付機関により当行の格付が引下げられた場合、インターバンク市場での短期資金調達あるいは資本調達等においてより不利な条件で取引を行わざるを得なくなる若しくは取引そのものが行えなくなる可能性があります。また、デリバティブ取引等の一定の取引行為が制限され若しくは行えなくなる可能性があるほか、現在締結しているその他の契約を解消される可能性もあります。このような事象のいずれもが、当行の財務や業務の執行に悪影響を与え、業績や財政状態に不利な影響を与える可能性があります。(2)退職給付制度及び年金資産に関連するリスク 当行の年金資産の時価が下落した場合や、年金資産の長期期待運用収益率が低下する等退職給付債務に関する予測計算の前提条件に変更が生じた場合には、退職給付費用が増加する可能性があります。また、当行の退職給付制度の変更により、退職給付債務が追加的に発生する可能性があるほか、金利環境の変化や会計基準の変更その他の要素によって、退職給付債務が増加したり、年度毎の退職給付費用が増加する可能性があります。(3)繰延税金資産に関するリスク 当行では、繰延税金資産は、現行の会計基準に従い、将来の課税所得を合理的に見積もった上で計上しております。将来、実効税率引下げ等の税制改正や課税所得の見積額の変更等によって繰延税金資産の取崩しが必要となった場合に、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。8.日本の金融サービス業界に関連するリスク(1)日本及び世界の経済状況が悪化することで当行が受ける悪影響 当行の業績は、日本国内だけでなく世界的な金融経済環境の状況に大きく影響され、また、そうした日本国内及び世界的な金融経済環境は、金融・財政政策や地政学的要因等様々な要素によって影響を受けます。世界経済は、これまで米国を中心に緩やかな拡大を続けてきましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、大きな影響を受けております。加えて、米国大統領選挙の動向、中国をはじめとする各国の経済成長の鈍化、アジア・中近東における地政学上の緊張拡大等を端緒に世界経済が一層減速する可能性もあります。日本経済は、世界経済と同様に新型コロナウイルス感染症の拡大によりサービス業や運輸業を中心に大きな影響を受けており、今後、新型コロナウイルス感染症の収束までに長期間を要した場合には、更なる影響拡大の可能性があります。また、グローバルな景気拡大局面が転換期を迎えつつある中で、国内経済・企業業績が外需に左右される状況に変わりはなく、今後、米国をはじめとする各国の景気対策の効果や経済の行方など、マクロの金融経済動向がミクロ経済へ波及し、影響を及ぼす点について留意する必要があります。また、世界経済の動向のみならず、日本銀行の金融緩和政策、東京オリンピックの開催時期の延期や開催後の反動等によっても、国内経済に変調がもたらされる可能性があります。 このような環境下、日本及び世界の金融市場や経済の状況が自然災害やパンデミック等によりさらに悪化し、又はその回復が遅れた場合、金融資本市場における信用収縮の動き、債券・株式市場や外国為替相場の大幅な変動、景気の停滞や悪化に伴う地価や株価の下落、企業倒産や個人の破産の増加等により、貸出資産の劣化や業務の停滞が生じ、当行の資金調達や業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (2)日本の金融サービス市場の競争激化 人口減少や高齢化及び低金利環境の長期化等により、我が国の金融サービス市場の競争環境は厳しさを増しております。また、デジタライゼーションの進展により、FinTech企業と呼ばれる金融サービスの提供者が他業界から参入するなど、当行は、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行に比べ優位に立つと考えられる企業も存在しております。当行の主要な競争相手には以下のものが含まれると考えております。・国内大手銀行グループ:三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ及び三井住友フィナンシャルグループは、資産、顧客基盤、支店数、及び従業員数等の様々な面において、当行に比べ相当に大きな規模を有しております。また、これらの銀行グループは、子会社又は関係会社として証券会社をはじめとした様々な機能を有しており、当行同様その収益源を多様化する戦略を採っています。・主要な投資銀行:国内外の投資銀行との間でも当行は、コーポレートアドバイザリー業務、スペシャルティファイナンス及びデリバティブ商品販売業務等様々な事業分野において、競争関係に立っています。・その他の金融機関:三井住友トラストグループ、りそな銀行グループ、新生銀行、インターネットバンク及び地方銀行等が含まれます。・ゆうちょ銀行、政府系金融機関:当行は、ゆうちょ銀行のほか、日本政策投資銀行等の政府系金融機関とも競争関係にあります。・その他の金融サービス提供者:当行又は当行の子会社、関連会社は、証券会社、資産運用会社、M&Aアドバイザリー会社、債権回収会社、消費者金融業者及びその他の金融サービス業者とも競争関係にあります。・当行は、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行に比べ優位に立つと考えられる企業も存在しております。また、デジタライゼーションの進展等を背景に従来には見られなかった異業種から参入も活発化し、一層の競争激化が見込まれます。 国内金融サービス市場をめぐる競争は一層激化することが予想される中で、当行が現在又は将来の競合他社と効果的に伍していけるという保証はありません。これまで当行は、シンジケートローン、DIPファイナンス、貸出及びコミットメントラインの供与、投資信託の販売等で手数料等の収入を増加させてきましたが、競争の激化に伴う手数料の低下が収益の下押し要因となるおそれがあります。また、当行は貸出金利及び預金金利の面でも競合他行と競争関係に立たされており、競争の激化が貸出金利の低下及び預金金利の上昇を促し当行の収益性を圧迫する可能性もあります。 (3)金融機関として広範な規制に服していること 当行は、金融機関として、広範な法令上の制限及び政府機関による監督を受ける立場にあります。更に、当行並びに当行の子会社及び関連会社は、金融当局による自己資本比率規制、銀行法、その他の銀行としての業務規制のほか、銀行業以外の業務範囲についての制限を受けており、こうした制約から、ビジネスチャンスに対し適時に対応することが困難となる可能性があります。 仮に当行が、関連法規及び規制の違反を犯したような場合には、行政処分の対象とされ、また当行の評価が悪影響を受ける可能性があります。 (4)各種の規制及び法制度等の変更 いわゆるリーマン・ショックに端を発する金融危機以降、バーゼルⅢ等の国際的な金融規制改革が進展しており、規制の変更や新たな導入が進められています。当行は現行法による規制に従って業務を遂行しておりますが、当行が国内外において業務を行うにあたって適用されている法律、規則、政策、実務慣行、会計制度及び税制等が変更、又は新たに導入された場合には、当行の業務運営に影響を与え、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、2021年末に予定されているLIBORの公表停止につきましても、行内横断的なプロジェクトチームを設置し対応を進めておりますが、対応に遅れや不足等があった場合には、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)金利変動によるリスク 貸出金、有価証券等の有利子資産による資金運用収益と、預金、債券等の有利子負債にかかる資金調達費用との差額である資金利益は、当行の収益の大きな割合を占めます。有利子資産と有利子負債では満期や金利設定条件等が異なるため、金利の変動により、当行の収益性が悪影響を受ける可能性があります。また、金利が上昇した場合には、貸出金への需要が低下する可能性があるほか、借入に係る金利負担の増加により債務者の業績や財政状態が悪化し、不良債権が増加することで当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、日本銀行は、2016年1月に「マイナス金利付き量的・質的緩和」の金利政策を導入し、市場金利が一段と低下した後、同年9月には更に取組みを強化する目的で「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入しました。日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで現行の政策を継続し、当面、新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じるとしています。 米国においては、2009年6月から2020年初頭にいたるまで史上最長の好景気が続いていましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、2020年3月にFRBは金融市場の混乱を抑制するため事実上のゼロ金利政策と量的緩和を同時に導入しました。今後、各国中央銀行の政策変更やその他の外的要因により、仮に重大な又は予期しない金利変動が生じた場合には、当行の業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。 9.その他(1)財務報告に係る内部統制に関するリスク 当行は、金融商品取引法に基づき、財務報告に係る内部統制の有効性を評価した「内部統制報告書」の提出、及びその評価内容について監査法人の監査を受けることが求められております。 当行グループは、財務報告に係る内部統制の整備・運用を行っており、有効性を評価する過程で発見された事項は速やかに改善するよう努めております。 しかしながら、改善が不十分な場合や経営者が内部統制を有効と評価しても監査法人が開示すべき重要な不備があると評価するような場合があり、当行グループの財務報告の信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)能力のある従業員の雇用 当行は、当行の事業戦略を遂行する上で、豊富な経験と専門的な知識を有する従業員を雇用することが重要と考えております。また、当行は従業員に対し、各業務分野での研修を実施し、従業員の知識・能力の向上に努めております。しかしながら、ビジネスやITその他の分野における高度な能力をもった人材の確保は、他の銀行に加え、投資銀行、その他の金融サービス業者とも競合しており、当行が有能な人材を採用・育成し、かつ定着させることができるとは限りません。 (3)重要な経営陣への依存 当行では、経営陣の業務遂行能力が、今後の当行の事業の成否に関する重要な要因となる場合があるものと考えております。重要な経営陣の退社等により、当行の事業遂行が悪影響を受け、また事業戦略の実施能力が低下する可能性があります。 (4)環境・社会に配慮しない投融資等に係るリスク 当行は、経済・社会の持続可能な発展に貢献するため、中期経営計画においてSDGs/ESGへの取組について掲げているほか、昨今における自然災害・異常気象の増加といった気候変動問題の顕在化に伴い、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)に賛同表明する等、環境・社会課題への取組みを強化しています。 しかしながら、当行の取組みが、取引先や投資家等のステークホルダーの期待から大きく乖離した場合には、レピュテーションの毀損等により、当行の業務運営に悪影響を及ぼす可能性があります。 <トップリスクについて>当行グループがトップリスクとして認識している事項は以下の通りです。なお、参照するリスクの項目を合わせて記載しています。 1.新型コロナウイルス感染症拡大に伴うリスク(1)感染拡大の影響長期化国内外の景気悪化の長期化による、お取引先の事業活動の低迷・信用力の悪化、それに伴う当行グループの収益力の低下および与信費用の増加(2)新しい生活様式への対応新しい生活様式の浸透による産業構造の変化、働き方の新しいスタイル等、当行グループを取り巻く環境変化に対応するための業務体制の再構築が遅れることによる業績の低迷 (参照)1.事業戦略におけるリスク(1)事業戦略の推進に伴うリスク、(2)事業法人のお客さまとの取引の推進におけるリスク2.信用リスク(1)不良債権残高及び与信関連費用の増加、(3)貸倒引当金が不十分となるリスク4.流動性リスク(1)資金流動性リスク5.オペレーショナル・リスク(5)災害等に対する危機管理及び業務継続に関するリスク、(6)人事上のリスク8.日本の金融サービス業界に関連するリスク(1)日本及び世界の経済状況が悪化することで当行が受ける悪影響、(5)金利変動によるリスク 2.急激なグローバル経済・金融市場の変動リスク国内外金利の上昇や株式市場の低迷等による有価証券等の保有資産価値の下落、市場流動性の低下 (参照)3.市場リスク(1)トレーディング及び投資業務における市場リスク4.流動性リスク(2)市場流動性リスク8.日本の金融サービス業界に関連するリスク(1)日本及び世界の経済状況が悪化することで当行が受ける悪影響 3.外貨調達の不安定化リスク、海外貸出にかかるリスク金融市場の混乱等による外貨流動性の低下や調達コストの拡大、海外における政治・経済の混乱等による債務不履行・債務再編等、海外の法制度・規制等の環境変化 (参照)1.事業戦略におけるリスク(4)海外業務に関連するリスク2.信用リスク(4)海外向けエクスポージャーに関するリスク4.流動性リスク(1)資金流動性リスク8.日本の金融サービス業界に関連するリスク(1)日本及び世界の経済状況が悪化することで当行が受ける悪影響 4.法務・コンプライアンスにかかるリスクマネー・ローンダリングやテロ資金供与対策の不備、業務プロセスにおける不正行為等による行政処分やそれに伴う当行グループの評判の毀損等 (参照)5.オペレーショナル・リスク(8)法令遵守に伴うリスク、(9)金融犯罪に関するリスク、(10)従業員又は外部者による不正や過失等によって損失が発生する可能性 5.サイバー攻撃のリスクテレワーク拡充等に伴うサイバー攻撃リスクの増加、およびサイバー攻撃によるシステムダウン、業務継続への支障、それに伴う顧客との関係の毀損等 (参照)1.事業戦略におけるリスク(3)リテールバンキング業務の拡充に伴うリスク5.オペレーショナル・リスク(2)システム障害リスク
FY2019|18,266 文字
2【事業等のリスク】 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当行及び当行グループが判断したものです。当行はこれらリスクの発生の可能性を認識したうえで、リスクの発生の回避及び発生した場合への対応に努める所存です。1.事業戦略におけるリスク(1)事業戦略の推進に伴うリスク 当行は、2018年5月14日に「中期経営計画(2018~20年度)について」で公表いたしましたとおり、全国及びグローバルにネットワークを有する、メガバンクでも地域金融機関でもないユニークな存在として、他行とは異なる“あおぞら”らしさに更に磨きをかけることにより、当行グループの持続的な成長を目指す方針としております。 かかる方針に基づき、個人のお客さまに対しては、主としてシニア層のお客さまの資産運用・資産承継ニーズに対する高品質なコンサルティング・サービスを展開するとともに、お客さまの裾野拡大に向け次世代のシニア層である現役世代のお客さまへのアプローチを強化します。 事業法人のお客さまに対しては、成長戦略・事業再編に向けた資本性資金調達、M&Aや事業承継に対するアドバイザリー、ビジネスリスクのコントロール等、付加価値の高い商品・サービスを提供することにより、お客さまの多様なニーズに応えてまいります。 地域金融機関に対しては、リスクアペタイト・フレームワークの構築やポートフォリオマネジメント高度化の支援等の多面的なサポートを提供するとともに、地域金融機関との協働ビジネスの推進を通じて、地域金融機関の取引先である中小企業への共同支援や地域企業の再生支援等に、当行グループの機能をフル活用して取り組んでまいります。 当行が従来より得意とする不動産関連ファイナンス、事業再生ファイナンス、国内外の買収及びプロジェクトファイナンス業務等についても、引き続き注力していく方針です。 国際業務においては、リスク管理・審査体制を強化し、グローバルベースでのリスクコントロール能力を高めつつ、リスク・リターンの良好なアセットを選択的に積み上げ、分散の効いたローンポートフォリオの構築と収益力の向上を目指してまいります。 また、マーケット業務においては、経済・市場環境等を見極めつつ、安定的な収益確保に向け、ダウンサイドに強くリスク耐性が高いポートフォリオの構築を進めるとともに、お客さまに対するリスクコンサルティングの強化にも取組んでまいります。 しかしながら、このような事業戦略の推進に際しては、以下のようなリスクや課題があります。 ・今後注力していく事業分野において、想定通りに業績を伸ばすことができるとは限りません。・戦略の遂行に伴う経営資源の配分の見直し等が成功しない可能性があります。・業務の推進においては、実務を遂行する人材を確保する必要がありますが、必要な人材を十分に確保できるとは限りません。 (2)事業法人のお客さまとの取引の推進におけるリスク 当行は、事業法人のお客さまに対する資本性資金を含めた適切なファイナンスの提供等、信用供与の円滑化に努めるとともに、それぞれのお客さまの様々なニーズに応じたオーダーメイド型で付加価値の高い金融ソリューションの提供を通じ、顧客基盤の拡充に注力しております。しかしながら、当行がこうした事業金融の推進を行うにあたっては以下のようなリスクがあります。 ・当行の基準に見合う顧客層との取引が期待通りに拡充できるとは限らず、当行が目指す資産の質、収益が確保できない可能性があります。・当行は、法人顧客基盤が国内大手銀行グループよりも小さく、また営業拠点数、営業人員数も少ないことから新規の顧客獲得等に限界がある可能性があります。・国内の銀行業界における厳しい競争の結果、国内事業法人向け融資の収益性が、当行が考えるリスクとの対比において十分な水準でない可能性があります。・国内外における経済環境の悪化が生じた場合には、当行を取り巻く環境や将来の業績に悪影響を与える可能性があります。また、そのような局面においては、管理回収等の強化に伴う人的リソースの配分等により、注力分野の活動に制約が生じる可能性があります。 我が国においては、超低金利環境が継続しており、オーバーバンキングによる厳しい競争の結果、当行の事業法人貸出においてリスクに対応した適正なプライシングを行うことが困難な状況があります。当行は、お客さまとの信頼関係を維持し、付加価値の提供による付帯取引を獲得することによる総合的な収益性の確保に努めております。そのため個々のサービスとしての貸出においては、信用リスクや格付に対応した利鞘より低い利鞘で貸出を行うことがあります。 (3)リテールバンキング業務の拡充に伴うリスク 当行は、従来より、マスアフルエント層をはじめとしたシニア層のお客さまへの様々な金融商品の提案等を通して、お客さまの中長期の資産運用のお手伝いをさせていただいております。加えて、スマートフォンやインターネット等を利用した非対面取引機能を拡充し、顧客訴求力のある商品に力点を置いたサービスの提供を通じて、次世代のシニアマスアフルエント層である現役世代のお客さまへのアプローチを強化することとしております。 資金調達の面では、2019年3月末の個人のお客さまからの調達がコア調達(預金・譲渡性預金及び債券・社債)に占める割合は引き続き過半を超えており、資金調達の面でもリテール部門は当行の中核を担っております。 当行は、今後もリテール部門の一層の強化を図っていく方針ですが、以下のとおり、当行がリテールバンキング業務拡充の計画を成功裡に達成できない可能性があります。 ・当行は、行内の配置転換や外部採用等を通じて、また人材開発プログラムの導入等を通じて、コンサルティング力の強化に努めていく方針ですが、お客さま担当の優れた営業員を想定通りに確保することが出来なかったり、人材開発プログラムの導入が必ずしもコンサルティング力の強化に結びつかない可能性があります。・当行は、競合他金融機関と比較して支店数が少なく、またインターネットバンキング展開においても後発であり、顧客基盤も相対的に小さいことから、顧客の獲得やあおぞらブランドの確立が容易ではない可能性があります。・リテールバンキング業務の拡充には、大量の取引を効率的に処理するためのシステムによるサポートが不可欠であり、システムの充実に多大な経営資源と時間を要する可能性があります。・当行が提供する商品・サービスの種類・条件について、他金融機関との差別化が難しくなるほか、他の種類の投資商品との競争が厳しくなることなどにより、必ずしも預かり資産の量の拡大、収益の拡大に結びつかない可能性があります。・システムトラブルが発生した場合、想定外の復旧コストを要する可能性があるほか、レピュテーションに悪影響を与える可能性があります。 上記のような事情からリテールバンキング業務を拡充できない場合、収益源及び資金調達源の多様化が十分に実現できず、当行の財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)海外業務に関連するリスク 当行は、リスク管理の一層の強化を図りつつ、北米向けを中心とする海外貸出を選択的に実行することによって、収益力の向上を図る方針としております。当行における海外業務の遂行については、以下のリスクや課題があります。 ・社会的、政治的、経済的な環境の変化や各国の税制及び規制環境の相違(特に金融サービスや直接投資に関するもの)に起因するリスク。・金利及び為替変動に関連する取引にかかるリスク。・商品ノウハウと各々の市場に対する知識等を有する人材を確保できないリスク。・海外投融資に関する資産の管理を主として当行本店において行うため、現地における政治経済状況、法制、規制あるいは税制等に関する情報の入手が遅れる等、質・量の両面で国内貸出と同水準の情報収集を維持することに支障が生じるリスク。・外貨調達に困難が生じた際の外貨資金繰りに関するリスク。 (5)地域金融機関が重要な顧客基盤であること 当行は、従来から多くの地域金融機関に対して、資金運用やリスク管理のニーズに応じた金融商品の提供のほか、地域金融機関の取引先である中小企業への共同支援や地域企業再生支援等、多様な商品・サービスを提供してきております。当行は、かかる取引関係において、同業他社との競争上優位性を確保していると考えており、地域金融機関に対する商品・サービスの提供を一層充実させるとともに、地域金融機関の「戦略パートナー」として、地域金融機関のネットワークと個別業務分野における当行の強みを融合し、相互に機能補完する独自のビジネスモデルの展開を目指していく方針です。しかしながら、かかるビジネスモデルが有効であるとの保証はなく、また、金融環境の変化その他の要因により、今後この分野における競争力を失った場合には、地域金融機関との取引の規模及び収益の成長が鈍化し、更には縮小する可能性があります。 (6)先進的な商品とサービスの投入 当行の戦略は、すべての商品分野において他金融機関と競合することではなく、他金融機関にはない差別化された先進的な商品・サービスを開発し、投入することにより、事業法人のお客さま向けの業務や地域金融機関との協働によるビジネスを拡大し、収益を獲得していくこととしています。また、デリバティブ取引やリスク管理といった分野での先進的なノウハウを活用した商品・サービスにも力を入れており、地域金融機関及び個人のお客さまの運用ニーズに対応したデリバティブ内蔵型の各種預金商品・投資信託・仕組債等の金融商品を提供しています。当行は、従来より、お客さまのニーズに合わせた独自の商品性を持った商品・サービスの投入により、新商品戦略において一定の成果を上げているものと考えております。 しかしながら、将来投入される商品・サービスが同じように顧客から認知され、顧客の支持を得ることができる保証はありません。また、競合他金融機関が、当行と同様の顧客層をターゲットに、当行と同様の商品・サービスの提供を開始すること、また、その他競合する投資商品の出現等を要因とする競争の激化により、当行の商品の先進性・独自性が失われ、収益性が低下するおそれがありますが、その際に、当行が競争力の低下した商品・サービスに替わる新たな商品・サービスを継続的に供給し続けられるという保証はありません。 また、かかる先進的な商品・サービスの導入は、当行にとって、当行が経験したことのない又は経験の少ないリスクや課題をもたらす可能性があります。加えて、かかる先進的な商品・サービスへの過度な集中や依存は、当該商品・サービスの状況により、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7)組織の変更当行では、随時、不定期に組織を変更することがあります。組織の変更は、経営環境の変化、あるいは、経営戦略の見直しに合わせ、一定の目的・狙いの下に実施されますが、結果として、新しい組織による運営が定着しない、あるいは、組織変更に伴う混乱等により業務運営が非効率となる等、組織変更の目的・狙いが期待通りに実現できない可能性があります。 (8)業務・資本提携等アライアンス推進に伴うリスク 当行は、長期的な視野における企業価値向上のため、国内外において成長性の高い市場を見極め、戦略的な提携や合併・買収等資本政策を含めた様々な方策の検討を行っていく方針です。しかしながら、こうした提携や合併・買収が収益の拡大・企業価値の増大に寄与するという保証はありません。 合併や買収等の場合、統合作業の過程において一時費用が発生しますが、企図した統合成果が上がらず、結果として、検討又は統合等に要した費用、投資資金を回収できない可能性があります。また、提携についても、国内外における経済環境の変化等により、企図した効果があがらない可能性があります。更に、当行は提携業務の推進、買収事業の統合・展開において中核となるべき人材の確保等の問題に直面する可能性があります。加えて、そうした場合における通常の営業における人員確保や営業アクティビティの低下等の問題に直面する可能性もあります。(9)子会社・関連会社の業務に関するリスク 当行は子会社において銀行業務、金融商品取引業務、投資運用業務、投資助言業務、M&Aアドバイザリー業務、ベンチャーキャピタル業務等の金融サービスに係る事業や債権管理回収業務を行っており、これら子会社の業務の中には、銀行業とはリスクの種類や程度の異なる業務も含まれています。また、GMOあおぞらネット銀行が営むインターネット銀行事業は、当行グループが従来営んできた銀行業に係るものとは異なる種類や程度のリスクを含みます。当行は、こうした業務に伴って発生する種々のリスクについても適切に管理する体制を整備するよう努めておりますが、当行の想定を超えるリスクが顕在化すること等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 2.信用リスク(1)不良債権残高及び与信関連費用の増加 当行は、個別の与信先について信用状態を継続的にモニタリングするとともに、信用状態の悪化が懸念される場合には貸出金の劣化に対する予防策を講じるよう努めておりますが、以下のような要因により、当行の不良債権残高や与信関連費用が増加する可能性があります。・当行の予想以上に内外経済が悪化した場合。・債務者が属する特定の産業の状況が悪化した場合。・債務者の個別事情により、債務者の業績が当行の予想を下回った場合、あるいは、不測の事態により債務者の業績が悪化した場合。・当行の予想以上に、債務者の経営再建計画が成功裡に実行されず信用リスクが高まる場合や、あるいは、金融機関による支援の打ち切り等により再建中止が余儀なくされる場合。・当行の予想を上回る内外の不動産市況の悪化等により裏付資産の価値が下落し、債務者の信用力が低下した場合。(2)特定先及び特定業種への集中リスク 当行の大口債務者上位10先に対する貸出金は、2019年3月末時点の単体ベースの貸出金残高の約11%を占めており、大口債務者による債務不履行があった場合、又は大口債務者の一部若しくは複数との関係に重大な変化が生じた場合には、当行の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 当行の国内及び海外の不動産業に対する貸出(不動産ノンリコースローンを除く)は、2019年3月末現在、単体ベースで貸出全体の約9%を占めております。また、その他の業種に対する貸出で、不動産担保により保全されているものもあります。 当行の貸出は、不動産市況の悪化や不動産業界全体が低迷した場合には、不動産業界の債務者の信用力の悪化や、不動産で担保されている保全額の減少から、追加的な引当金が必要となったり、追加的なコストが発生する場合がありえます。 当行の国内及び海外の不動産ノンリコースローンは、2019年3月末現在、単体ベースで貸出全体の約22%を占めております。不動産ノンリコースローンは、債務者の信用力ではなく、対象不動産から生じるキャッシュ・フローをその返済原資として債務の履行が担保されるもので、当行は、不動産賃料、空室率及び地価等のキャッシュ・フローに影響を及ぼす主なリスク要因等をモニタリングすることにより、リスク管理を行っております。 対象不動産の地域は、これまで主に東京を中心としておりましたが、近年は米国主要都市の案件も増加しており、当該地域における不動産市況の悪化等により、対象不動産からのキャッシュ・フローが当行の予想を超えて悪影響を受ける場合には、当行の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 (3)貸倒引当金が不十分となるリスク 当行は、過去の債務不履行発生状況、与信先の財務状況及び保有する担保の価値並びに景気動向に対する前提及び見通し等に基づいて貸倒引当金を計上しております。特に、今後の管理に注意を要する大口の与信先等については、経済環境の悪化により貸倒費用が増加する可能性も勘案し、保守的に貸倒引当金を追加する等、十分な水準の貸倒引当金を計上しております。しかしながら、当行の想定を超えて経済環境が悪化する等、当行の前提及び見通しを変更する必要が生じた場合、当行の与信先の財務状況が当行の想定を超えて悪化した場合、当行が保有する担保の価値が下落した場合、あるいは、その他の要因により予想を超えて当行に悪影響が及んだ場合、当行は貸倒引当金を増加させる必要が生じる可能性があります。(4)海外向けエクスポージャーに関するリスク 当行の海外向けエクスポージャーは増加傾向にあり、貸出金全体に占める海外向け貸出(最終リスク国が日本以外、連結ベース)の割合は、2019年3月末においては約39%になっております。なお、海外向け貸出の地域別状況については、北米向け貸出が約80%を占めており、残りはアジア向け及び高格付国を中心とした欧州向けとなっております。海外において、財政状態の悪化や政治・経済の混乱等により、国・地域が債務不履行に陥る、あるいは、債権者に対して債務の再編や期限の延長等の支援を要請することを余儀なくされる場合、当行が保有するソブリンを含む海外向けエクスポージャーに悪影響が及び、結果として当行の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 3.市場リスク(1)トレーディング及び投資業務における市場リスク 当行は、国内及び海外の債券、ファンド、デリバティブ取引を含む多様な金融商品への投資・運用及びトレーディングを行っております。こうした業務からの収益は、金利、為替レート、債券価格、及び株式市場の変動等により影響を受けます。一例をあげれば、金利の上昇は、一般的に当行の債券ポートフォリオの価値に対して悪影響をもたらすこととなります。更に、当行が保有している国債その他債券について信用格付が格下げされた場合や債務不履行となった場合、また、これらの流動性が著しく低下してポジション調整が困難な場合には、当行の業績に悪影響が及ぶ可能性があります。 当行は、こうした業務において、自らの体力に見合った健全なリスクテイクを逸脱せぬよう、例えば、損失を限定するためのロスカット・ルールを設定する等、管理体制の整備に努めております。しかしながら、市場がストレス環境にあるような状況では、ポジションを思うように縮小することが出来ず、損失を想定した範囲に限定することが出来なくなる場合があります。また、金融政策の変化その他の要因により、市場が当行の予想を超えて変動した場合、当行は予測を超えた損失を被る可能性があります。(2)ローン債権等に対する投資に関連するリスク 当行は、債権売買取引及び証券化ビジネスにおいて、事業法人向けローン、住宅ローン、売掛債権、リース債権、不良債権及び仕組商品を含む様々な資産を取得し、それらの回収、売却、証券化等を行う際に、特定の種類の証券や信用リスクを有する特定資産を保有することがあります。当行が保有する資産やそれらの価値、市場規模、環境等は常に変化するため、こうした業務は本質的に環境に左右されやすい性質を有しております。当行保有資産の期待収益率が低下した場合、当行の業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。4.流動性リスク(1)資金流動性リスク 当行の多くの調達資金は順次満期を迎えるため、当行は、継続的に預金を受け入れ、債券を発行し、既存債務の借換を行い、また継続的に一定割合を短期資金で調達する必要があります。当行は、資金調達方法を分散・多様化させることにより、資金調達の安定性の確保・向上に努めておりますが、流動性リスクを完全に回避することはできません。これらの債務が、市場環境が不安定な状況において満期を迎えた場合、当行が許容できる条件で十分な資金を調達できるという保証はなく、再調達が首尾よくいかなかった場合には、当行の業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。また、当行の業績又は財政状態の悪化、信用の低下、格付機関による格下げ等のほか、外貨資金調達における制約、景気動向の悪化や金融システム全般の不安定化等により、当行が、営業上許容できる水準の利率で預金を獲得することができない場合や当行の流動性が制限された場合、当行は必要な資金を確保するために、より高い資金コストを負担し、あるいは、資産を圧縮すること等の対策をとる必要が生じ、業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。 また、当行を含む国内基準行に対しては、2017年4月末より流動性カバレッジ比率等の銀行法第24条に基づくモニタリングが開始されております。将来的にこうした枠組みの内容に何らかの変更があった場合、当行の調達構造に影響が及ぶ可能性があります。 (2)市場流動性リスク 当行は、市場で取引される様々な資産やデリバティブを保有しておりますが、市場の混乱や取引の厚みの不足等により、市場での取引を行うことができない、又は、著しく不利な価格での取引を余儀無くされることにより、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。5.オペレーショナル・リスク(1)リスク管理体制 当行グループの業務の遂行には、オペレーショナル・リスクが伴います。オペレーショナル・リスクは、不適切な内部処理、役職員の過失や不正行為、システムの障害及びその他の外部で発生する事象等、様々な形で顕在化する可能性があります。また当行グループの業務においては法律・規制に関するリスクも存在します。当行グループは、オペレーショナル・リスクについても必要なデータやリスクの顕在化事象を把握し、アセスメントを実施してリスクを特定、評価し、リスクをモニタリング、削減、コントロールする適切なリスク管理体制の整備に努めております。しかしながら、結果的にこの体制が有効に機能せず、リスク管理が十分に効果的なものとはならない可能性があります。業務分野の拡大、新規分野の取り組みや環境変化等に応じた適切なリスク管理体制を構築できず、当行グループが予想外の損失を被る可能性があります。(2)システム障害リスク 当行では、お客さまへのサービス提供や当行自身の業務管理、情報管理のため様々な情報システムを運営しております。これらの情報システムの安定的な稼動を確保するため、複数年度のIT投資計画に沿って、新規・更新投資や機器等の保守を実施しているほか、各情報システムの重要性等に応じたバックアップの取得や機器・回線の二重化等の対策を講じるとともに、不測の事態に備えたコンティンジェンシープランを策定しております。しかしながら、これらの対策が十分であるという保証はなく、また、情報システムの新規開発や改修・保守作業における人為的な過失、事故等により、システム障害が発生し、場合によっては情報システムが適切に稼動しないリスクや、内部統制の維持や会計帳簿及び財務諸表の作成に関して問題が発生するリスクがあります。 また、当行は、地震等の自然災害や大規模な停電その他の事故等により、当行が使用する情報システムを収容する情報システムセンター(データセンター)が正常に稼動できなくなる場合に備えて、情報システムセンターの二重化にも取り組んでいます。当行の勘定系システムであるBeSTAcloud(株式会社エヌ・ティ・ティ・データが運営する基幹勘定系システムアウトソーシングサービス)は、現用システムを愛知県名古屋市に設置されたデータセンターに、災害対策用のコンピュータ機器を福岡県福岡市に設置されたデータセンターにそれぞれ収容し、遠隔地の2センター体制としております。勘定系システム以外の自行システムに係る情報システムについては、メインセンターを東京都府中市に、バックアップセンターを東京都千代田区に設置し、重要な情報システムに係る機器等の二重化を実施しておりますが、首都圏に地震が発生した場合、メインシステムセンターとバックアップセンターの両サイトが被災するリスクがあります。更に、当行のバックアッププランは、サービスの中断時に生じるおそれのある偶発事象に対処できるものではない可能性があります。 このほか、当行は、お客さま向け情報提供のためのホームページやインターネットバンキングサイトをインターネット環境で提供しております。また、当行業務遂行に必要なWebサイト閲覧やメール送受信のため当行システムをインターネット環境に接続しております。インターネットに接続するシステムに必要な安全対策として、不正侵入防止の入口対策、情報漏えい防止の出口対策等、多層的な技術的対策を実施していますが、サイバー攻撃の高度化により当行が講じている対策が有効に機能せず、これらのサービスが停止する等により、当行業務遂行に影響が発生する可能性があります。 当行の情報システムの動作不良は、自然災害やその他の理由にかかわらず、顧客との関係を毀損し、訴訟や行政処分を招来し、また、その他の理由により当行の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (3)外部業者により提供を受けている重要なサービス 当行グループは、業務にとって重要である多くのサービスについて外部業者を利用しております。外部業者の利用に際しては、妥当性の検証、外部業者の適格性検証、利用中の継続的な外部業者管理等の方策を講じておりますが、地震その他の自然災害やその他の事情により、それらの外部業者のサービスが停止した場合、又はそれらのサービスに問題が生じた場合に、当行が同様の条件で同種のサービスをタイムリーに提供できる外部業者を見出すことができるとは限りません。その場合、当行グループの営業が中断し、当行グループの業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、業界又はその他の状況の変化により、外部業者がサービスの料金を引き上げることも考えられ、その場合には、当行グループの業績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(4)個人情報等の流出等のリスク 近年、企業や金融機関が保有する個人情報等の流出という事態が、数多く発生しています。当行グループでは、個人情報等の流出等防止のための様々な方策を講じておりますが、保有する個人情報等について、役職員等若しくは委託先の人為的なミスあるいは内部若しくは外部からの不正アクセスにより流出した情報が不正に使用されることを完全に防止することはできません。こうした事態が発生した場合、当行グループはその責任を負い、法令上、民事上の責任等を問われ、あるいは、監督機関の処分を受ける可能性があります。更に、そうした事故が発生することにより、当行グループの業務及びブランド力に対する評価や当行グループに対する顧客や市場の信認に悪影響が及ぶ可能性があります。(5)災害等に対する危機管理及び業務継続に関するリスク 地震、台風等の自然災害や事故、テロ、サイバー攻撃等による被害、新型インフルエンザ等感染症の流行や放射能汚染等の外的要因等により、当行グループの機能の全部又は一部が停止するおそれがあります。 当行は、かかる事象が発生した場合においても、業務継続を可能とすべく業務継続計画等の策定、バックアップオフィスの構築等を行うとともに、訓練等を実施し継続的に実効性向上を図るよう努めております。 しかしながら、かかる努力によってもあらゆる事態に対応できるとは限らず、当行グループの業務運営、業績及び財政状態への悪影響を回避しきれない可能性があります。 (6)人事上のリスク 当行グループでは、中長期の経営戦略の方向性や年度の業務運営計画を踏まえて人員計画を策定していますが、当行グループを取り巻く経済・業務環境に大きな変化が生じた場合には、業務の運営と合わせて人員計画についても見直しが必要となります。また、当行グループは、各従業員に対する公平な評価・適切な処遇の実施に努めていますが、すべての従業員がその結果に納得するとは限りません。以上を含め、今後の業務展開に大きな変動が生じる場合には、当行グループにおける人事・組織運営において支障が生じる可能性があります。また、業務遂行上必要な要員が不足する場合には、当行グループの業績及び財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。(7)係争中の訴訟 当行は、当行グループ全体の訴訟について一元的に管理を行い、グループの法務リスクの極小化に努めており、現在のところ経営に重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟案件はありません。しかし、当行グループは銀行業務を中心に各種金融サービスを提供しており、このような業務遂行の過程で、損害賠償請求訴訟等を提起されたり、損害に対する補償をしたりする可能性があります。このような訴訟等の動向によっては、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(8)法令遵守に伴うリスク 当行グループは、法令等の遵守を徹底し、業務の適法性とともに適切性を確保するために、金融機関への社会的要請に適合したコンプライアンスを実現することを最優先とする企業文化の構築に取り組んでいますが、必ずしもこのような取り組みのすべてが有効に機能するとは限りません。お客さま情報の管理不備その他の事情に起因して、各種法令違反が発生するおそれや、お客さまとの多面的な取引の展開が優越的地位の濫用とみなされるおそれもあります。このように今後仮に法令違反等が発生した場合には、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(9)金融犯罪に関するリスク 当行グループは、口座を開設され取引を行うお客さまの取引時確認を厳格に行い、口座不正利用の防止に努めるとともに、お客さまに振り込め詐欺の注意喚起をする等により、お客さまの取引の安全と口座の保護に取り組んでいます。また、新規の取引に先立ち、反社会的勢力等との関係等に関する情報の有無を確認する等、反社会的勢力とのあらゆる取引を排除すべく必要な手続きを行っています。しかし、厳格なチェックにもかかわらず、反社会的勢力との関係を持つ者が口座を開設する等の可能性があり、またこれらの者等が自らの口座を詐欺等に使用したり、資金洗浄や租税回避行為又は他の不正行為を行う可能性もあります。また、大規模な金融犯罪が発生した場合には、その対策にかかるコストやお客さまへの補償のほか風評等により、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(10)従業員又は外部者による不正や過失等によって損失が発生する可能性 当行グループは、上記のリスク以外にも、従業員又は外部者による不正、懈怠及び過失によって損失を被る可能性があります。当行グループでは、従業員に対して社内規定等の適正な運用の徹底を図っておりますが、従業員が、予め許容された範囲を超え、また、許容できないリスクのある取引を実行したり、規定等に反する行為を隠蔽したり、秘密情報を不適切に使用・漏えいしたり、お客さまに対する詐欺的誘引行為又はその他お客さまの信頼を損なう行為を行う可能性があります。また、盗難若しくは偽造されたキャッシュカードの不正利用や、インターネットバンキング不正送金による被害に対し、当行がお客さまに対する賠償責任を負担する可能性等も存在します。従業員又は外部者による不正や過失等を防ぐため、コンプライアンス体制を強化しておりますが、このような行為の結果、当行グループが行政上その他の制裁を受け、又は当行グループの評判が毀損される可能性もあります。(11)風説・風評の発生による悪影響 当行グループや金融業界等に対して、その信頼を毀損するような風説・風評が発生し拡散した場合に、当行の株価や業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。 6.自己資本にかかるリスク(1)自己資本比率規制 当行は現在、国内基準に基づき、4.0%以上の自己資本比率を維持することが求められております。当行は、2019年3月末時点において連結自己資本比率10.27%(バーゼルⅢ国内基準ベース)と十分な水準を維持しておりますが、将来、規制上求められる水準の自己資本比率を維持できなくなった場合、行政措置が課され、当行の業務遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。将来、当行の自己資本比率に影響を及ぼす可能性のある要因には以下の事項が含まれます。 ・バーゼルⅢによる自己資本比率規制の強化については、当行を含め国内基準行に対しては、2014年3月から段階的に導入されており、グランドファザリング措置(既存の取り扱いを一定期間認める措置)の期間を経て2029年3月より完全実施となる予定です。また、バーゼル銀行監督委員会は2017年12月に「バーゼルⅢ:金融危機後の改革最終化」を公表いたしました。同文書には、信用リスク・アセットの計測方法の見直し、オペレーショナル・リスクの計測方法の見直し、資本フロアの導入等が含まれており、2022年より実施することとされております。国内における実施内容・時期が未定なものもありますが、こうした自己資本比率規制の強化により、当行の自己資本比率が現行水準より低下する可能性があります。当行は、今後も健全性を維持しつつ資本の効率的な活用に努めるとともに、グローバルな自己資本比率規制強化の方向性等を踏まえ、自己資本の充実を図ってまいりますが、将来における当行の利益水準、リスク・アセット水準の変動その他の要因によっては、当行の自己資本比率が当行の想定を下回る可能性があります。 ・上記のとおり、現状当行は十分な水準の自己資本比率を維持していますが、今後企業価値向上に資する戦略的な提携や買収・合併の実施により、自己資本比率が現行水準より低下する可能性があります。 7.当行の財務に関するリスク(1)信用格付の低下が当行の業績に悪影響をもたらす可能性 格付機関により当行の格付が引下げられた場合、インターバンク市場での短期資金調達あるいは資本調達等においてより不利な条件で取引を行わざるを得なくなる若しくは取引そのものが行えなくなる可能性があります。また、デリバティブ取引等の一定の取引行為が制限され若しくは行えなくなる可能性があるほか、現在締結しているその他の契約を解消される可能性もあります。このような事象のいずれもが、当行の財務や業務の執行に悪影響を与え、業績や財政状態に不利な影響を与える可能性があります。(2)退職給付制度及び年金資産に関連するリスク 当行の年金資産の時価が下落した場合や、年金資産の長期期待運用収益率が低下する等退職給付債務に関する予測計算の前提条件に変更が生じた場合には、退職給付費用が増加する可能性があります。また、当行の退職給付制度の変更により、退職給付債務が追加的に発生する可能性があるほか、金利環境の変化や会計基準の変更その他の要素によって、退職給付債務が増加したり、年度毎の退職給付費用が増加する可能性があります。(3)繰延税金資産に関するリスク 当行では、繰延税金資産は、現行の会計基準に従い、将来の課税所得を合理的に見積もった上で計上しております。将来、実効税率引下げ等の税制改正や課税所得の見積額の変更等によって繰延税金資産の取崩しが必要となった場合に、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。8.日本の金融サービス業界に関連するリスク(1)日本及び世界の経済状況が自然災害によるものを含めて悪化することで当行が受ける悪影響 当行の業績は、日本国内だけでなく世界的な金融経済環境の状況に大きく影響され、また、そうした日本国内及び世界的な金融経済環境は、金融財政政策や地政学的要因等様々な要素によって影響を受けます。世界経済は、過去10年間継続したグローバルな景気拡大が減速し、「低成長」ステージへ移行しつつあります。加えて、米国政治の不安定化・内向き政策、中国の経済成長の鈍化、アジア・中近東における地政学上の緊張拡大等を端緒に世界経済が一層減速する可能性もあります。また、日本経済は、これまでの堅調な企業業績を牽引してきた外需に、米中貿易摩擦の影響による減退が見られ始めており、外需依存度の高い業種を中心に業績への懸念が生じつつあります。また、グローバルな景気拡大局面が転換期を迎えつつある中で、国内経済・企業業績が外需に左右される状況に変わりはなく、今後の中国の景気対策の効果や米国経済の行方など、マクロの経済金融動向とミクロへの波及に留意する必要があります。また、世界経済の動向のみならず、日本銀行の金融緩和政策の変更、消費税の引き上げ・東京オリンピック開催後の反動等については、国内経済に変調をもたらすリスクファクターとなる可能性があります。 このような環境下、日本及び世界の金融市場や経済の状況が自然災害による原因も含めて再び悪化し、又はその回復が遅れた場合、金融資本市場における信用収縮の動き、債券・株式市場や外国為替相場の大幅な変動、景気の停滞や悪化に伴う地価や株価の下落、企業倒産や個人の破産の増加等により、貸出資産の劣化や業務の停滞が生じ、当行の資金調達や業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (2)日本の金融サービス市場の競争激化 人口減少や高齢化及び低金利環境の長期化等により、我が国の金融サービス市場の競争環境は厳しさを増しております。また、テクノロジーの進化により、FinTech企業と呼ばれる金融サービスの提供者が他業界から参入するなど、当行は、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行に比べ優位に立つと考えられる企業も存在しております。当行の主要な競争相手には以下のものが含まれると考えております。 ・国内大手銀行グループ:三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ及び三井住友フィナンシャルグループは、資産、顧客基盤、支店数、及び従業員数等の様々な面において、当行に比べ相当に大きな規模を有しております。また、これらの銀行グループは、子会社又は関係会社として証券会社をはじめとした様々な機能を有しており、当行同様その収益源を多様化する戦略を採っています。・主要な投資銀行:国内外の投資銀行との間でも当行は、コーポレートアドバイザリー業務、スペシャルティファイナンス及びデリバティブ商品販売業務等様々な事業分野において、競争関係に立っています。・その他の金融機関:信託銀行、りそな銀行、新生銀行、インターネットバンク及び地方銀行等が含まれます。・ゆうちょ銀行、政府系金融機関:当行は、ゆうちょ銀行のほか、日本政策投資銀行等の政府系金融機関とも競争関係にあります。・その他の金融サービス提供者:当行又は当行の子会社、関連会社は、証券会社、資産運用会社、M&Aアドバイザリー会社、債権回収会社、消費者金融業者及びその他の金融サービス業者とも競争関係にあります。・当行は、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行に比べ優位に立つと考えられる企業も存在しております。また、デジタライゼーションの進展等を背景に従来には見られなかった異業種から参入も活発化し、一層の競争激化が見込まれます。 国内金融サービス市場をめぐる競争は一層激化することが予想される中で、当行が現在又は将来の競合他社と効果的に伍していけるという保証はありません。これまで当行は、シンジケートローン、DIPファイナンス、貸出及びコミットメントラインの供与、投資信託の販売等で手数料等の収入を増加させてきましたが、競争の激化がこれらの手数料の低下を招き、収益の低下を招くおそれもあります。また、当行は貸出金利及び預金金利の面でも競合他行と競争関係に立たされており、競争の激化が貸出金利の低下及び預金金利の上昇を促し当行の収益性を圧迫する可能性もあります。 (3)金融機関として広範な規制に服していること 当行は、金融機関として、広範な法令上の制限及び政府機関による監督を受ける立場にあります。更に、当行並びに当行の子会社及び関連会社は、金融当局による自己資本比率規制、銀行法、その他の銀行としての業務規制のほか、銀行業以外の業務範囲についての制限を受けており、こうした制約から、ビジネスチャンスに対し適時に対応することが困難となる可能性があります。 仮に当行が、関連法規及び規制の違反を犯したような場合には、行政処分の対象とされ、また当行の評価が悪影響を受ける可能性があります。 (4)各種の規制及び法制度等の変更 いわゆるリーマン・ショックに端を発する金融危機以降、バーゼルⅢ等の国際的な金融規制改革が進展しており、規制の変更や新たな導入が進められています。当行は現行法による規制に従って業務を遂行しておりますが、当行が国内外において業務を行うにあたって適用されている法律、規則、政策、実務慣行、会計制度及び税制等が変更、又は新たに導入された場合には、当行の業務運営に影響を与え、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5)金利変動によるリスク 貸出金、有価証券等の有利子資産による資金運用収益と、預金、債券等の有利子負債にかかる資金調達費用との差額である資金利益は、当行の収益の大きな割合を占めます。有利子資産と有利子負債では満期や金利設定条件等が異なるため、金利の変動により、当行の収益性が悪影響を受ける可能性があります。また、金利が上昇した場合には、貸出金への需要が低下する可能性があるほか、借入に係る金利負担の増加により債務者の業績や財政状態が悪化し、不良債権が増加することで当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、日本銀行は、2016年1月に「マイナス金利付き量的・質的緩和」の金利政策を導入し、市場金利が一段と低下した後、同年9月には更に取組みを強化する目的で「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入しました。日本銀行は、少なくとも2020年春頃まで、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定しているとし、また、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで現行の政策を継続するとしています。 米国においては数回の利上げが予想されていたことから、短期金利の上昇が続いていたものの、米国と中国の通商問題を発端とする中国経済の変調が世界経済に悪影響を及ぼすのではと予想する向きから、一時長短金利が逆転するなど、米国金利の先行きに不透明感が強まりました。今後、各国中央銀行の政策変更やその他の外的要因により、仮に重大な又は予期しない金利変動が生じた場合には、当行の業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。 9.その他(1)財務報告に係る内部統制に関するリスク 当行は、金融商品取引法に基づき、財務報告に係る内部統制の有効性を評価した「内部統制報告書」の提出、及びその評価内容について監査法人の監査を受けることが求められております。 当行グループは、財務報告に係る内部統制の整備・運用を行っており、有効性を評価する過程で発見された事項は速やかに改善するよう努めております。 しかしながら、改善が不十分な場合や経営者が内部統制を有効と評価しても監査法人が開示すべき重要な不備があると評価するような場合があり、当行グループの財務報告の信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)能力のある従業員の雇用 当行は、当行の事業戦略を遂行する上で、豊富な経験と専門的な知識を有する従業員を雇用することが重要と考えております。また、当行は従業員に対し、各業務分野での研修を実施し、従業員の知識・能力の向上に努めております。しかしながら、ビジネスやITその他の分野における高度な能力をもった人材の確保は、他の銀行に加え、投資銀行、その他の金融サービス業者とも競合しており、当行が有能な人材を採用・育成し、かつ定着させることができるとは限りません。 (3)重要な経営陣への依存 当行では、経営陣の業務遂行能力が、今後の当行の事業の成否に関する重要な要因となる場合があるものと考えております。重要な経営陣の退社等により、当行の事業遂行が悪影響を受け、また事業戦略の実施能力が低下する可能性があります。
FY2018|18,416 文字
2【事業等のリスク】 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当行及び当行グループが判断したものです。当行はこれらリスクの発生の可能性を認識したうえで、リスクの発生の回避及び発生した場合への対応に努める所存です。1.事業戦略におけるリスク(1)事業戦略の推進に伴うリスクについて 当行は、平成30年5月14日に「中期経営計画(2018~20年度)について」で公表いたしましたとおり、全国及びグローバルにネットワークを有する、メガバンクでも地域金融機関でもないユニークな存在として、他行とは異なる“あおぞら”らしさに更に磨きをかけることにより、当行グループの持続的な成長を目指す方針としております。 かかる方針に基づき、個人のお客さまに対しては、主としてシニア層のお客さまの資産運用・資産承継ニーズに対する高品質なコンサルティング・サービスを展開するとともに、お客さまの裾野拡大に向け次世代のシニア層である現役世代のお客さまへのアプローチを強化します。 事業法人のお客さまに対しては、成長戦略・事業再編に向けた資本性資金調達、M&Aや事業承継に対するアドバイザリー、ビジネスリスクのコントロール等、付加価値の高い商品・サービスを提供することにより、お客さまの多様なニーズに応えてまいります。 地域金融機関に対しては、リスクアペタイト・フレームワークの構築やポートフォリオマネジメント高度化の支援等の多面的なサポートを提供するとともに、地域金融機関との協働ビジネスの推進を通じて、地域金融機関の取引先である中小企業への共同支援や地域企業の再生支援等に、当行グループの機能をフル活用して取り組んでまいります。 当行が従来より得意とする不動産関連ファイナンス、事業再生ファイナンス、国内外の買収及びプロジェクトファイナンス業務等についても、引き続き注力していく方針です。 国際業務においては、リスク管理・審査体制を強化し、グローバルベースでのリスクコントロール能力を高めつつ、リスク・リターンの良好なアセットを選択的に積み上げ、分散の効いたローンポートフォリオの構築と収益力の向上を目指してまいります。 また、マーケット業務においては、経済・市場環境等を見極めつつ、安定的な収益確保に向け、ダウンサイドに強くリスク耐性が高いポートフォリオの構築を進めるとともに、お客さまに対するリスクコンサルティングの強化にも取組んでまいります。しかしながら、このような事業戦略の推進に際しては、以下のようなリスクや課題があります。 ・今後注力していく事業分野において、想定通りに業績を伸ばすことができるとは限りません。・戦略の遂行に伴う経営資源の配分の見直し等が成功しない可能性があります。・業務の推進においては、実務を遂行する人材を確保する必要がありますが、必要な人材を十分に確保できるとは限りません。 (2)事業法人のお客さまとの取引の推進におけるリスク 当行は、事業法人のお客さまに対する資本性資金を含めた適切なファイナンスの提供等、信用供与の円滑化に努めるとともに、それぞれのお客さまの様々なニーズに応じたオーダーメイド型で付加価値の高い金融ソリューションの提供を通じ、顧客基盤の拡充に注力しております。しかしながら、当行がこうした事業金融の推進を行うにあたっては以下のようなリスクがあります。 ・当行の基準に見合う顧客層との取引が期待通りに拡充できるとは限らず、当行が目指す資産の質、収益が確保できない可能性があります。・当行は、法人顧客基盤が国内大手銀行グループよりも小さく、また営業拠点数、営業人員数も少ないことから新規の顧客獲得等に限界がある可能性があります。・国内の銀行業界における厳しい競争の結果、国内事業法人向け融資の収益性が、当行が考えるリスクとの対比において十分な水準でない可能性があります。・国内外における経済環境の悪化が生じた場合には、当行を取り巻く環境や将来の業績に悪影響を与える可能性があります。また、そのような局面においては、管理回収等の強化に伴う人的リソースの配分等により、注力分野の活動に制約が生じる可能性があります。 我が国においては、超低金利環境が継続しており、オーバーバンキングによる厳しい競争の結果、当行の事業法人貸出においてリスクに対応した適正なプライシングを行うことが困難な状況があります。当行は、お客さまとの信頼関係を維持し、付加価値の提供による付帯取引を獲得することによる総合的な収益性の確保に努めております。そのため個々のサービスとしての貸出においては、信用リスクや格付に対応した利鞘より低い利鞘で貸出を行うことがあります。 (3)リテールバンキング業務の拡充に伴うリスク 当行は、従来より、マスアフルエント層をはじめとしたシニア層のお客さまへの様々な金融商品の提案等を通して、お客さまの中長期の資産運用のお手伝いをさせていただいております。加えて、スマートフォンやインターネット等を利用した非対面取引機能を拡充し、顧客訴求力のある商品に力点を置いたサービスの提供を通じて、次世代のシニアマスアフルエント層である現役世代のお客さまへのアプローチを強化することとしております。 資金調達の面では、平成30年3月末の個人のお客さまからの調達がコア調達(預金・譲渡性預金及び債券・社債)に占める割合は引き続き過半を超えており、資金調達の面でもリテール部門は当行の中核を担っております。 当行は、今後もリテール部門の一層の強化を図っていく方針ですが、以下のとおり、当行がリテールバンキング業務拡充の計画を成功裡に達成できない可能性があります。 ・当行は、行内の配置転換や外部採用等を通じて、お客さま担当の営業員を優先的に増員し、また人材開発プログラムの導入等を通じて、質・量ともにコンサルティング力の強化に努めていく方針ですが、お客さま担当の優れた営業員を想定通りに増員することが出来なかったり、人材開発プログラムの導入が必ずしもコンサルティング力の強化に結びつかない可能性があります。・当行は、競合他金融機関と比較して支店数が少なく、またインターネットバンキング展開においても後発であり、顧客基盤も相対的に小さいことから、顧客の獲得やあおぞらブランドの確立が容易ではない可能性があります。・リテールバンキング業務の拡充には、大量の取引を効率的に処理するためのシステムによるサポートが不可欠であり、システムの充実に多大な経営資源と時間を要する可能性があります。・当行が提供する商品・サービスの種類・条件について他金融機関との差別化が難しくなり、必ずしも預かり資産の量の拡大、収益の拡大に結びつかない可能性があります。・システムトラブルが発生した場合、想定外の復旧コストを要する可能性があるほか、レピュテーションに悪影響を与える可能性があります。 上記のような事情からリテールバンキング業務を拡充できない場合、収益源及び資金調達源の多様化が十分に実現できず、当行の財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)海外業務に関連するリスクについて 当行は、リスク管理の一層の強化を図りつつ、北米を中心とする海外貸出を選択的に実行することによって、収益力の向上を図る方針としております。当行における海外業務の遂行については、以下のリスクや課題があります。 ・社会的、政治的、経済的な環境の変化や各国の税制及び規制環境の相違(特に金融サービスや直接投資に関するもの)に起因するリスク。・金利及び為替変動に関連する取引にかかるリスク。・商品ノウハウと各々の市場に対する知識等を有する人材を確保できないリスク。・海外投融資に関する資産の管理を主として当行本店において行うため、現地における政治経済状況、法制、規制あるいは税制等に関する情報の入手が遅れる等、必要な対応に支障が生じるリスク。・外貨調達に困難が生じた際の外貨資金繰りに関するリスク。 (5)地域金融機関が重要な顧客基盤であることについて 当行は、従来から多くの地域金融機関に対して、資金運用やリスク管理のニーズに応じた金融商品の提供のほか、地域金融機関の取引先である中小企業への共同支援や地域企業再生支援等、多様な商品・サービスを提供してきております。当行は、かかる取引関係において、同業他社との競争上優位性を確保していると考えており、地域金融機関に対する商品・サービスの提供を一層充実させるとともに、地域金融機関の「戦略パートナー」として、地域金融機関のネットワークと個別業務分野における当行の強みを融合し、相互に機能補完する独自のビジネスモデルの展開を目指していく方針です。しかしながら、かかるビジネスモデルが有効であるとの保証はなく、また、金融環境の変化その他の要因により、今後この分野における競争力を失った場合には、地域金融機関との取引の規模及び収益の成長が鈍化し、更には縮小する可能性があります。(6)先進的な商品とサービスの投入について 当行の戦略は、すべての商品分野において他金融機関と競合することではなく、他金融機関にはない差別化された先進的な商品・サービスを開発し、投入することにより、事業法人のお客さま向けの業務や地域金融機関との協働によるビジネスを拡大し、収益を獲得していくこととしています。また、デリバティブ取引やリスク管理といった分野での先進的なノウハウを活用した商品・サービスにも力を入れており、地域金融機関及び個人のお客さまの運用ニーズに対応したデリバティブ内蔵型の各種預金商品・投資信託・仕組債等の金融商品を提供しています。当行は、従来より、お客さまのニーズに合わせた独自の商品性を持った商品・サービスの投入により、新商品戦略において一定の成果を上げているものと考えております。 しかしながら、将来投入される商品・サービスが同じように顧客から認知され、顧客の支持を得ることができる保証はありません。また、競合他金融機関が、当行と同様の顧客層をターゲットに、当行と同様の商品・サービスの提供を開始する等、競争の激化により、当行の商品の先進性・独自性が失われ、収益性が低下するおそれがありますが、その際に、当行が競争力の低下した商品・サービスに替わる新たな商品・サービスを継続的に供給し続けられるという保証はありません。 また、かかる先進的な商品・サービスの導入は、当行にとって、当行が経験したことのない又は経験の少ないリスクや課題をもたらす可能性があります。加えて、かかる先進的な商品・サービスへの過度な集中や依存は、当該商品・サービスの状況により、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7)組織の変更について当行では、随時、不定期に組織を変更することがあります。組織の変更は、経営環境の変化、あるいは、経営戦略の見直しに合わせ、一定の目的・狙いの下に実施されますが、結果として、新しい組織による運営が定着しない、あるいは、組織変更に伴う混乱等により業務運営が非効率となる等、組織変更の目的・狙いが期待通りに実現できない可能性があります。なお、当行は、当行が信託業務の取り扱いにかかる関係当局の許認可を取得することを条件として、平成30年10月1日付で吸収分割の方法により当行の連結子会社であるGMOあおぞらネット銀行株式会社(以下「GMOあおぞらネット銀行」、平成30年6月1日に商号を「あおぞら信託銀行株式会社」から変更。)の信託業務を譲り受けることとしております。しかしながら、本件移管にかかる許認可、その他関連法規における各種手続きが予定通りに進捗しないことなどにより、予定通りに本件移管を行うことができない場合には、当行の事業戦略に影響を及ぼす可能性があります。 (8)業務・資本提携等アライアンス推進に伴うリスク 当行は、長期的な視野における企業価値向上のため、国内外において成長性の高い市場を見極め、戦略的な提携や合併・買収等資本政策を含めた様々な方策の検討を行っていく方針です。しかしながら、こうした提携や合併・買収が収益の拡大・企業価値の増大に寄与するという保証はありません。 合併や買収等の場合、統合作業の過程において一時費用が発生しますが、企図した統合成果が上がらず、結果として、検討又は統合等に要した費用、投資資金を回収できない可能性があります。また、提携についても、国内外における経済環境の変化等により、企図した効果があがらない可能性があります。更に、当行は提携業務の推進、買収事業の統合・展開において中核となるべき人材の確保等の問題に直面する可能性があります。加えて、そうした場合における通常の営業における人員確保や営業アクティビティの低下等の問題に直面する可能性もあります。(9)子会社・関連会社の業務に関するリスク 当行は子会社において信託業務、金融商品取引業務、投資運用業務、投資助言業務、M&Aアドバイザリー業務及び債権管理回収業務等の金融サービスにかかる事業を行っており、これら子会社の業務の中には、銀行業とはリスクの種類や程度の異なる業務も含まれています。当行は、こうした業務に伴って発生する種々のリスクについても適切に管理する体制を整備するよう努めておりますが、当行の想定を超えるリスクが顕在化すること等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 なお、当行の連結子会社で、当行、GMOインターネット株式会社ならびにGMOフィナンシャルホールディングス株式会社が共同出資するGMOあおぞらネット銀行は、平成30年7月にインターネット専業銀行として事業開始を予定しております。しかしながら、かかるインターネット銀行の業務が成功するという保証はなく、今後の更なるIT技術の革新や顧客ニーズの変化、競合他行による同種サービスの提供開始等により、想定しているビジネスモデルが陳腐化した場合、当初想定した収益を下回る、若しくは損失を計上する可能性があります。 2.信用リスク(1)不良債権残高及び与信関連費用の増加について 当行は、個別の与信先について信用状態を継続的にモニタリングするとともに、信用状態の悪化が懸念される場合には貸出金の劣化に対する予防策を講じるよう努めておりますが、以下のような要因により、当行の不良債権残高や与信関連費用が増加する可能性があります。・当行の予想以上に内外経済が悪化した場合。・債務者が属する特定の産業の状況が悪化した場合。・債務者の個別事情により、債務者の業績が当行の予想を下回った場合、あるいは、不測の事態により債務者の業績が悪化した場合。・当行の予想以上に、債務者の経営再建計画が成功裡に実行されず信用リスクが高まる場合や、あるいは、金融機関による支援の打ち切り等により再建中止が余儀なくされる場合。・当行の予想を上回る内外の不動産市況の悪化等により裏付資産の価値が下落し、債務者の信用力が低下した場合。(2)特定先及び特定業種への集中リスクについて 当行の大口債務者上位10先に対する貸出金は、平成30年3月末時点の単体ベースの貸出金残高の約11%を占めており、大口債務者による債務不履行があった場合、又は大口債務者の一部若しくは複数との関係に重大な変化が生じた場合には、当行の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 当行の国内及び海外の不動産業に対する貸出(不動産ノンリコースローンを除く)は、平成30年3月末現在、単体ベースで貸出全体の約9%を占めております。また、その他の業種に対する貸出で、不動産担保により保全されているものもあります。 当行の貸出は、不動産市況の悪化や不動産業界全体が低迷した場合には、不動産業界の債務者の信用力の悪化や、不動産で担保されている保全額の減少から、追加的な引当金が必要となったり、追加的なコストが発生する場合がありえます。 当行の国内及び海外の不動産ノンリコースローンは、平成30年3月末現在、単体ベースで貸出全体の約21%を占めております。不動産ノンリコースローンは、債務者の信用力ではなく、対象不動産から生じるキャッシュ・フローをその返済原資として債務の履行が担保されるもので、当行は、不動産賃料、空室率及び地価等のキャッシュ・フローに影響を及ぼす主なリスク要因等をモニタリングすることにより、リスク管理を行っております。 対象不動産の地域は、これまで主に東京を中心としておりましたが、近年は米国主要都市の案件も増加しており、当該地域における不動産市況の悪化等により、対象不動産からのキャッシュ・フローが当行の予想を超えて悪影響を受ける場合には、当行の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 (3)貸倒引当金が不十分となるリスクについて 当行は、過去の債務不履行発生状況、与信先の財務状況及び保有する担保の価値並びに景気動向に対する前提及び見通し等に基づいて貸倒引当金を計上しております。特に、今後の管理に注意を要する大口の与信先等については、経済環境の悪化により貸倒費用が増加する可能性も勘案し、予防的に貸倒引当金を追加する等、十分な水準の貸倒引当金を計上しております。しかしながら、当行の想定を超えて経済環境が悪化する等、当行の前提及び見通しを変更する必要が生じた場合、当行の与信先の財務状況が当行の想定を超えて悪化した場合、当行が保有する担保の価値が下落した場合、あるいは、その他の要因により予想を超えて当行に悪影響が及んだ場合、当行は貸倒引当金を増加させる必要が生じる可能性があります。(4)海外向けエクスポージャーに関するリスク 当行の海外向けエクスポージャーは増加傾向にあり、貸出金全体に占める海外向け貸出(最終リスク国が日本以外、連結ベース)の割合は、平成30年3月末においては約37%になっております。なお、海外向け貸出の地域別状況については、北米向け貸出が約80%を占めており、残りはアジア向け及び高格付国を中心とした欧州向けとなっております。海外において、財政状態の悪化や政治・経済の混乱等により、国・地域が債務不履行に陥る、あるいは、債権者に対して債務の再編や期限の延長等の支援を要請することを余儀なくされる場合、当行が保有するソブリンを含む海外向けエクスポージャーに悪影響が及び、結果として当行の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。3.市場リスク(1)トレーディング及び投資業務における市場リスクについて 当行は、国内及び海外の債券、ファンド、デリバティブ取引を含む多様な金融商品への投資・運用及びトレーディングを行っております。こうした業務からの収益は、金利、為替レート、債券価格、及び株式市場の変動等により影響を受けます。一例をあげれば、金利の上昇は、一般的に当行の債券ポートフォリオの価値に対して悪影響をもたらすこととなります。更に、当行が保有している国債その他債券について信用格付が格下げされた場合や債務不履行となった場合、また、これらの流動性が著しく低下してポジション調整が困難な場合には、当行の業績に悪影響が及ぶ可能性があります。 当行は、こうした業務において、意図せざる損失の発生を回避するべく、自らの体力に見合った健全なリスクテイクを逸脱せぬよう、管理体制の整備に努めております。しかしながら、例えば、当行では損失を限定するためにロスカット・ルールを設定しておりますが、市場がストレス環境にあるような状況では、ポジションを思うように縮小することが出来ず、損失を想定した範囲に限定することが出来なくなる場合があります。また、金融政策の変化その他の要因により、市場が当行の予想を超えて変動した場合、当行は予測を超えた損失を被る可能性があります。(2)ローン債権等に対する投資に関連するリスクについて 当行は、債権売買取引及び証券化ビジネスにおいて、事業法人向けローン、住宅ローン、売掛債権、リース債権、不良債権及び仕組商品を含む様々な資産を取得し、それらの回収、売却、証券化等を行う際に、特定の種類の証券や信用リスクを有する特定資産を保有することがあります。当行が保有する資産やそれらの価値、市場規模、環境等は常に変化するため、こうした業務は本質的に環境に左右されやすい性質を有しております。当行保有資産の期待収益率が低下した場合、当行の業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。4.流動性リスク(1)資金流動性リスク 当行の多くの調達資金は順次満期を迎えるため、当行は、継続的に預金を受け入れ、債券を発行し、既存債務の借換を行い、また継続的に一定割合を短期資金で調達する必要があります。当行は、資金調達方法を分散・多様化させることにより、資金調達の安定性の確保・向上に努めておりますが、流動性リスクを完全に回避することはできません。これらの債務が、市場環境が不安定な状況において満期を迎えた場合、当行が許容できる条件で十分な資金を調達できるという保証はなく、再調達が首尾よくいかなかった場合には、当行の業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。また、当行の業績又は財政状態の悪化、信用の低下、格付機関による格下げ等のほか、外貨資金調達における制約、景気動向の悪化や金融システム全般の不安定化等により、当行が、営業上許容できる水準の利率で預金を獲得することができない場合や当行の流動性が制限された場合、当行は必要な資金を確保するために、より高い資金コストを負担し、あるいは、資産を圧縮すること等の対策をとる必要が生じ、業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。 また、当行を含む国内基準行に対しては、平成29年4月末より流動性カバレッジ比率等の銀行法第24条に基づくモニタリングが開始されております。将来的にこうした枠組みの内容に何らかの変更があった場合、当行の調達構造に影響が及ぶ可能性があります。 (2)市場流動性リスク 当行は、市場で取引される様々な資産やデリバティブを保有しておりますが、市場の混乱や取引の厚みの不足等により、市場での取引を行うことができない、又は、著しく不利な価格での取引を余儀無くされることにより、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。5.オペレーショナル・リスク(1)リスク管理体制について 当行グループの業務の遂行には、オペレーショナル・リスクが伴います。オペレーショナル・リスクは、不適切な内部処理、役職員の過失や不正行為、システムの障害及びその他の外部で発生する事象等、様々な形で顕在化する可能性があります。また当行グループの業務においては法律・規制に関するリスクも存在します。当行グループはオペレーショナル・リスクについても、必要なデータやリスクの顕在化事象を把握し、アセスメントを実施してリスクを特定、評価し、リスクをモニタリング、削減、コントロールする適切なリスク管理体制の整備に努めております。しかしながら、結果的にこの体制が有効に機能せず、リスク管理が十分に効果的なものとはならない可能性があります。業務分野の拡大、新規分野の取り組みや環境変化等に応じた適切なリスク管理体制を構築できず、当行グループが予想外の損失を被る可能性があります。(2)システム障害リスクについて 当行では、お客さまへのサービス提供や当行自身の業務管理、情報管理のため様々な情報システムを運営しております。これらの情報システムの安定的な稼動を確保するため、複数年度のIT投資計画に沿って、新規・更新投資や機器等の保守を実施しているほか、各情報システムの重要性等に応じたバックアップの取得や機器・回線の二重化等の対策を講じるとともに、不測の事態に備えたコンティンジェンシープランを策定しております。しかしながら、これらの対策が十分であるという保証はなく、また、情報システムの新規開発や改修・保守作業における人為的な過失、事故等により、システム障害が発生し、場合によっては情報システムが適切に稼動しないリスクや、内部統制の維持や会計帳簿及び財務諸表の作成に関して問題が発生するリスクがあります。 また、当行は、地震等の自然災害や大規模な停電その他の事故等により、当行が使用する情報システムを収容する情報システムセンター(データセンター)が正常に稼動できなくなる場合に備えて、情報システムセンターの二重化にも取り組んでいます。当行の勘定系システムであるBeSTAcloud(株式会社エヌ・ティ・ティ・データが運営する基幹勘定系システムアウトソーシングサービス)は、現用システムを愛知県名古屋市に設置されたデータセンターに、災害対策用のコンピュータ機器を福岡県福岡市に設置されたデータセンターにそれぞれ収容し、遠隔地の2センター体制としております。勘定系システム以外の自行システムに係る情報システムについては、メインセンターを東京都府中市に、バックアップセンターを東京都千代田区に設置し、重要な情報システムに係る機器等の二重化を実施しておりますが、首都圏に地震が発生した場合、メインシステムセンターとバックアップセンターの両サイトが被災するリスクがあります。更に、当行のバックアッププランは、サービスの中断時に生じるおそれのある偶発事象に対処できるものではない可能性があります。 このほか、当行は、お客さま向け情報提供のためのホームページやインターネットバンキングサイトをインターネット環境で提供しております。また、当行業務遂行に必要なWebサイト閲覧やメール送受信のため当行システムをインターネット環境に接続しております。インターネットに接続するシステムとして必要な安全対策は実施していますが、サイバー攻撃の高度化によりこれらのサービスが停止したり、当行業務遂行に影響が発生する可能性があります。 当行の情報システムの動作不良は、自然災害やその他の理由にかかわらず、顧客との関係を毀損し、訴訟や行政処分を招来し、また、その他の理由により当行の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (3)外部業者により提供を受けている重要なサービスについて 当行グループは、業務にとって重要である多くのサービスについて外部業者を利用しております。外部業者の利用に際しては、妥当性の検証、外部業者の適格性検証、利用中の継続的な外部業者管理等の方策を講じておりますが、地震その他の自然災害やその他の事情により、それらの外部業者のサービスが停止した場合、又はそれらのサービスに問題が生じた場合に、当行が同様の条件で同種のサービスをタイムリーに提供できる外部業者を見出すことができるとは限りません。その場合、当行グループの営業が中断し、当行グループの業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、業界又はその他の状況の変化により、外部業者がサービスの料金を引き上げることも考えられ、その場合には、当行グループの業績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(4)個人情報等の流出等のリスクについて 近年、企業や金融機関が保有する個人情報等の流出という事態が、数多く発生しています。当行グループでは、個人情報等の流出等防止のための様々な方策を講じておりますが、保有する個人情報等について、役職員等若しくは委託先の人為的なミスあるいは内部若しくは外部からの不正アクセスにより流出した情報が不正に使用されることを完全に防止することはできません。こうした事態が発生した場合、当行グループはその責任を負い、法令上、民事上の責任等を問われ、あるいは、監督機関の処分を受ける可能性があります。更に、そうした事故が発生することにより、当行グループの業務及びブランド力に対する評価や当行グループに対する顧客や市場の信認に悪影響が及ぶ可能性があります。(5)災害等に対する危機管理及び業務継続に関するリスク 地震、台風等の自然災害や事故、テロ、サイバー攻撃等による被害、新型インフルエンザ等感染症の流行や放射能汚染等の外的要因等により、当行グループの機能の全部又は一部が停止するおそれがあります。 当行は、かかる事象が発生した場合においても、業務継続を可能とすべく業務継続計画等の策定、バックアップオフィスの構築等を行うとともに、訓練等を実施し継続的に実効性向上を図るよう努めております。 しかしながら、かかる努力によってもあらゆる事態に対応できるとは限らず、当行グループの業務運営、業績及び財政状態への悪影響を回避しきれない可能性があります。 (6)人事上のリスク 当行グループでは、中長期の経営戦略の方向性や年度の業務運営計画を踏まえて人員計画を策定していますが、当行グループを取り巻く経済・業務環境に大きな変化が生じた場合には、業務の運営と合わせて人員計画についても見直しが必要となります。また、当行グループは、各従業員に対する公平な評価・適切な処遇の実施に努めていますが、すべての従業員がその結果に納得するとは限りません。以上を含め、今後の業務展開に大きな変動が生じる場合には、当行グループにおける人事・組織運営において支障が生じる可能性があります。また、業務遂行上必要な要員が不足する場合には、当行グループの業績及び財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。(7)係争中の訴訟について 当行は、当行グループ全体の訴訟について一元的に管理を行い、グループの法務リスクの極小化に努めており、現在のところ経営に重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟案件はありません。しかし、当行グループは銀行業務を中心に各種金融サービスを提供しており、このような業務遂行の過程で、損害賠償請求訴訟等を提起されたり、損害に対する補償をしたりする可能性があります。このような訴訟等の動向によっては、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(8)法令遵守に伴うリスクについて 当行グループは、法令等の遵守を徹底し、業務の適法性とともに適切性を確保するために、金融機関への社会的要請に適合したコンプライアンスを実現することを最優先とする企業文化の構築に取り組んでいますが、必ずしもこのような取り組みのすべてが有効に機能するとは限りません。お客さま情報の管理不備その他の事情に起因して、各種法令違反が発生するおそれや、お客さまとの多面的な取引の展開が優越的地位の濫用とみなされるおそれもあります。このように今後仮に法令違反等が発生した場合には、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(9)金融犯罪に関するリスクについて 当行グループは、口座を開設され取引を行うお客さまの取引時確認を厳格に行い、口座不正利用の防止に努めるとともに、お客さまに振り込め詐欺の注意喚起をする等により、お客さまの取引の安全と口座の保護に取り組んでいます。また、新規の取引に先立ち、反社会的勢力等との関係等に関する情報の有無を確認する等、反社会的勢力とのあらゆる取引を排除すべく必要な手続きを行っています。しかし、厳格なチェックにもかかわらず、反社会的勢力との関係を持つ者が口座を開設する等の可能性があり、またこれらの者等が自らの口座を詐欺等に使用したり、資金洗浄や租税回避行為又は他の不正行為を行う可能性もあります。また、大規模な金融犯罪が発生した場合には、その対策にかかるコストやお客さまへの補償のほか風評等により、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(10)従業員又は外部者による不正や過失等によって損失が発生する可能性について 当行グループは、上記のリスク以外にも、従業員又は外部者による不正、懈怠及び過失によって損失を被る可能性があります。当行グループでは、従業員に対して社内規定等の適正な運用の徹底を図っておりますが、従業員が、予め許容された範囲を超え、また、許容できないリスクのある取引を実行したり、規定等に反する行為を隠蔽したり、秘密情報を不適切に使用・漏えいしたり、お客さまに対する詐欺的誘引行為又はその他お客さまの信頼を損なう行為を行う可能性があります。また、盗難若しくは偽造されたキャッシュカードの不正利用や、インターネットバンキング不正送金による被害に対し、当行がお客さまに対する賠償責任を負担する可能性等も存在します。従業員又は外部者による不正や過失等を防ぐため、コンプライアンス体制を強化しておりますが、このような行為の結果、当行グループが行政上その他の制裁を受け、又は当行グループの評判が毀損される可能性もあります。(11)風説・風評の発生による悪影響 当行グループや金融業界等に対して、その信頼を毀損するような風説・風評が発生し拡散した場合に、当行の株価や業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。 6.自己資本にかかるリスク(1)自己資本比率規制について 当行は現在、国内基準に基づき、4.0%以上の自己資本比率を維持することが求められております。当行は、平成30年3月末時点において連結自己資本比率10.39%(バーゼルⅢ国内基準ベース)と十分な水準を維持しておりますが、将来、規制上求められる水準の自己資本比率を維持できなくなった場合、行政措置が課され、当行の業務遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。将来、当行の自己資本比率に影響を及ぼす可能性のある要因には以下の事項が含まれます。 ・バーゼルⅢによる自己資本比率規制の強化については、当行を含め国内基準行に対しては、平成26年3月から段階的に導入されており、グランドファザリング措置(既存の取り扱いを一定期間認める措置)の期間を経て平成41年3月より完全実施となる予定です。また、バーゼル銀行監督委員会は平成29年12月に「バーゼルⅢ:金融危機後の改革最終化」を公表いたしました。同文書には、信用リスク・アセットの計測方法の見直し、オペレーショナル・リスクの計測方法の見直し、資本フロアの導入等が含まれており、平成34年より実施することとされております。国内における実施内容・時期は未定ですが、こうした自己資本比率規制の強化により、当行の自己資本比率が現行水準より低下する可能性があります。当行は、今後も健全性を維持しつつ資本の効率的な活用に努めるとともに、グローバルな自己資本比率規制強化の方向性等を踏まえ、自己資本の充実を図ってまいりますが、将来における当行の利益水準、リスク・アセット水準の変動その他の要因によっては、当行の自己資本比率が当行の想定を下回る可能性があります。 ・上記のとおり、現状当行は十分な水準の自己資本比率を維持していますが、今後企業価値向上に資する戦略的な提携や買収・合併の実施により、自己資本比率が現行水準より低下する可能性があります。 7.当行の財務に関するリスク(1)信用格付の低下が当行の業績に悪影響をもたらす可能性について 格付機関により当行の格付が引下げられた場合、インターバンク市場での短期資金調達あるいは資本調達等においてより不利な条件で取引を行わざるを得なくなる若しくは取引そのものが行えなくなる可能性があります。また、デリバティブ取引等の一定の取引行為が制限され若しくは行えなくなる可能性があるほか、現在締結しているその他の契約を解消される可能性もあります。このような事象のいずれもが、当行の財務や業務の執行に悪影響を与え、業績や財政状態に不利な影響を与える可能性があります。(2)退職給付制度及び年金資産に関連するリスクについて 当行の年金資産の時価が下落した場合や、年金資産の長期期待運用収益率が低下する等退職給付債務に関する予測計算の前提条件に変更が生じた場合には、退職給付費用が増加する可能性があります。また、当行の退職給付制度の変更により、退職給付債務が追加的に発生する可能性があるほか、金利環境の変化や会計基準の変更その他の要素によって、退職給付債務が増加したり、年度毎の退職給付費用が増加する可能性があります。(3)繰延税金資産に関するリスク 当行では、繰延税金資産は、現行の会計基準に従い、将来の課税所得を合理的に見積もった上で計上しております。将来、実効税率引下げ等の税制改正や課税所得の見積額の変更等によって繰延税金資産の取崩しが必要となった場合に、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。8.日本の金融サービス業界に関連するリスク(1)日本及び世界の経済状況が自然災害によるものを含めて悪化することで当行が受ける悪影響について 当行の業績は、日本国内だけでなく世界的な金融経済環境の状況に大きく影響され、また、そうした日本国内及び世界的な金融経済環境は、金融財政政策や地政学的要因等様々な要素によって影響を受けます。世界経済は、総じてファンダメンタルは強く、米国を中心に拡大基調が続くことが見込まれていますが、欧米の金融政策転換に向けた動きに加え、想定以上の急速なインフレーションの進展や、米国政治の不安定化・内向き政策、中国の経済成長の鈍化、アジア・中近東における地政学上の緊張拡大等を端緒に世界経済が減速する可能性があります。また、日本経済は、世界的な景気の拡大を背景に企業部門の好調が維持され、民需を中心に緩やかな景気拡大が続くことが見込まれますが、円高が進行した場合には企業収益に影響を及ぼし、日本経済が減速する可能性があります。物価は緩やかな上昇過程にありますが、日本銀行の目標とする2%を下回る推移が続き、今後の金融政策の行方は不透明となっています。世界経済の動向のみならず、日本銀行の金融緩和政策の変更、消費税の引き上げ・東京オリンピック開催後の反動等については、国内経済に変調をもたらすリスクファクターとして留意する必要があります。 このような環境下、日本及び世界の金融市場や経済の状況が自然災害による原因も含めて再び悪化し、又はその回復が遅れた場合、金融資本市場における信用収縮の動き、債券・株式市場や外国為替相場の大幅な変動、景気の停滞や悪化に伴う地価や株価の下落、企業倒産や個人の破産の増加等により、貸出資産の劣化や業務の停滞が生じ、当行の資金調達や業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (2)日本の金融サービス市場の競争激化について 人口減少や高齢化及び金利の低下等により、我が国の金融サービス市場の競争環境は厳しさを増しております。また、テクノロジーの進化により、FinTech企業と呼ばれる金融サービスの提供者が他業界から参入するなど、当行は、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行に比べ優位に立つと考えられる企業も存在しております。当行の主要な競争相手には以下のものが含まれると考えております。 ・国内大手銀行グループ:三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ及び三井住友フィナンシャルグループは、資産、顧客基盤、支店数、及び従業員数等の様々な面において、当行に比べ相当に大きな規模を有しております。また、これらの銀行グループは、子会社又は関係会社として証券会社をはじめとした様々な機能を有しており、当行同様その収益源を多様化する戦略を採っています。・主要な投資銀行:国内外の投資銀行との間でも当行は、コーポレートアドバイザリー業務、スペシャルティファイナンス及びデリバティブ商品販売業務等様々な事業分野において、競争関係に立っています。・その他の金融機関:信託銀行、りそな銀行、新生銀行、インターネットバンク及び地方銀行等が含まれます。・ゆうちょ銀行、政府系金融機関:当行は、ゆうちょ銀行のほか、日本政策投資銀行等の政府系金融機関とも競争関係にあります。・その他の金融サービス提供者:当行又は当行の子会社、関連会社は、証券会社、資産運用会社、M&Aアドバイザリー会社、債権回収会社、消費者金融業者及びその他の金融サービス業者とも競争関係にあります。 国内金融サービス市場をめぐる競争は一層激化することが予想される中で、当行が現在又は将来の競合他社と効果的に伍していけるという保証はありません。これまで当行は、シンジケートローン、DIPファイナンス、貸出及びコミットメントラインの供与、投資信託の販売等で手数料等の収入を増加させてきましたが、競争の激化がこれらの手数料の低下を招き、収益の低下を招くおそれもあります。また、当行は貸出金利及び預金金利の面でも競合他行と競争関係に立たされており、競争の激化が貸出金利の低下及び預金金利の上昇を促し当行の収益性を圧迫する可能性もあります。 (3)金融機関として広範な規制に服していることについて 当行は、金融機関として、広範な法令上の制限及び政府機関による監督を受ける立場にあります。更に、当行並びに当行の子会社及び関連会社は、金融当局による自己資本比率規制、銀行法、その他の銀行としての業務規制のほか、銀行業以外の業務範囲についての制限を受けており、こうした制約から、ビジネスチャンスに対し適時に対応することが困難となる可能性があります。 仮に当行が、関連法規及び規制の違反を犯したような場合には、行政処分の対象とされ、また当行の評価が悪影響を受ける可能性があります。 (4)各種の規制及び法制度等の変更について いわゆるリーマン・ショックに端を発する金融危機以降、バーゼルⅢ等の国際的な金融規制改革が進展しており、規制の変更や新たな導入が進められています。当行は現行法による規制に従って業務を遂行しておりますが、当行が国内外において業務を行うにあたって適用されている法律、規則、政策、実務慣行、会計制度及び税制等が変更、又は新たに導入された場合には、当行の業務運営に影響を与え、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5)金利変動によるリスクについて 貸出金、有価証券等の有利子資産による資金運用収益と、預金、債券等の有利子負債にかかる資金調達費用との差額である資金利益は、当行の収益の大きな割合を占めます。有利子資産と有利子負債では満期や金利設定条件等が異なるため、金利の変動により、当行の収益性が悪影響を受ける可能性があります。また、金利が上昇した場合には、貸出金への需要が低下する可能性があるほか、借入に係る金利負担の増加により債務者の業績や財政状態が悪化し、不良債権が増加することで当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、日本銀行は、平成28年1月に「マイナス金利付き量的・質的緩和」の金利政策を導入し、市場金利が一段と低下した後、同年9月には更に取り組みを強化する目的で「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入しました。日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで現行の政策を継続するとしています。今後、日本銀行の政策変更やその他の外的要因により、仮に重大な又は予期しない金利変動が生じた場合には、当行の業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。 9.その他(1)財務報告に係る内部統制に関するリスク 当行は、金融商品取引法に基づき、財務報告に係る内部統制の有効性を評価した「内部統制報告書」の提出、及びその評価内容について監査法人の監査を受けることが求められております。 当行グループは、財務報告に係る内部統制の整備・運用を行っており、有効性を評価する過程で発見された事項は速やかに改善するよう努めております。 しかしながら、改善が不十分な場合や経営者が内部統制を有効と評価しても監査法人が開示すべき重要な不備があると評価するような場合があり、当行グループの財務報告の信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)能力のある従業員の雇用について 当行は、当行の事業戦略を遂行する上で、豊富な経験と専門的な知識を有する従業員を雇用することが重要と考えております。また、当行は従業員に対し、各業務分野での研修を実施し、従業員の知識・能力の向上に努めております。しかしながら、ビジネスやITその他の分野における高度な能力をもった人材の確保は、他の銀行に加え、投資銀行、その他の金融サービス業者とも競合しており、当行が有能な人材を採用・育成し、かつ定着させることができるとは限りません。 (3)重要な経営陣への依存について 当行では、経営陣の業務遂行能力が、今後の当行の事業の成否に関する重要な要因となる場合があるものと考えております。重要な経営陣の退社等により、当行の事業遂行が悪影響を受け、また事業戦略の実施能力が低下する可能性があります。
FY2017|19,772 文字
4【事業等のリスク】 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当行及び当行グループが判断したものです。当行はこれらリスクの発生の可能性を認識したうえで、リスクの発生の回避及び発生した場合への対応に努める所存です。1.事業戦略におけるリスク(1)事業戦略の推進に伴うリスクについて 当行は、安定的な収益構造を確立し、収益力の一層の向上と経営体制の強化を図るとともに、平成27年5月15日に「公的資金一括返済ならびに今後のビジネスモデル・中期目標等について」で公表いたしましたとおり、経営資源の有効活用を図る選択と集中を継続しつつ、当行の特色のある専門性の高い金融サービスに磨きをかけ、従来からのビジネスモデルを進化させた「6つの柱」に注力することにより、お客さまにとっての“進化する「頼れる、もうひとつのパートナーバンク」”としてのプレゼンスの確立を目指す方針としております。 事業戦略においては、マスアフルエント層をはじめとしたシニア層のお客さまからの個人預金を資金調達の柱として、中堅中小企業をはじめとする法人のお客さまの様々な事業金融ニーズに応えられる、高度な金融スキルを活用した課題解決型で付加価値の高い貸出業務展開に注力いたします。個人のお客さま向けには、お客さまのニーズの徹底分析に基づいた投資信託・保険・金融商品仲介等による運用商品をご提供し、法人のお客さま向けには、不動産、事業再生及び金融市場の変動に伴うリスクヘッジ等に関する各種の最適なソリューションをご提供する等、それぞれのお客さまのニーズに適切に対応してまいります。更に、ビジネスパートナーである地域金融機関との協業を通じて、中堅中小企業をはじめとした地域のお客さまとのビジネスに積極的に取り組んでまいります。また、当行が従来より得意とする不動産関連ファイナンス、事業再生ファイナンス、国内外の買収及びプロジェクトファイナンス業務等についても、引き続き注力していく方針です。国際業務においては、分散の効いたローンポートフォリオの構築と収益力の向上を目指すとともに、アジア地場企業との取引を通じた現地情報の還元によりお客さまの支援を行います。また、グローバル分散投資の追及とリスクコンサルティングの推進にも取組んでまいります。しかしながら、このような事業戦略の推進に際しては、以下のようなリスクや課題があります。 ・今後注力していく事業分野において、想定通りに業績を伸ばすことができるとは限りません。・戦略の遂行に伴う経営資源の配分の見直し等が成功しない可能性があります。・業務の推進においては、実務を遂行する人材を確保する必要がありますが、必要な人材を十分に確保できるとは限りません。(2)中堅中小企業をはじめとする法人のお客さまへの事業金融の推進におけるリスク 当行は、国内金融機関としての重要な使命である中堅・中小企業をはじめとする法人のお客さまに対する資金の貸付その他信用供与の円滑化に努めるとともに、それぞれのお客さまの様々な事業金融ニーズに応じたテーラーメイド型で付加価値の高い金融ソリューションの提供を通じ、顧客基盤の拡充に注力しております。しかしながら、当行がこうした事業金融の推進を行うにあたっては以下のようなリスクがあります。 ・当行の基準に見合う顧客層との取引が期待通りに拡充できるとは限らず、当行が目指す国内事業金融資産の質、収益が確保できない可能性があります。・当行は法人顧客基盤が国内大手銀行グループよりも小さく、また営業拠点数、営業人員数も少ないことから新規の顧客獲得等に限界がある可能性があります。・国内の銀行業界における厳しい競争の結果、国内事業金融向け融資の収益性が当行が考えるリスクとの対比において十分な水準でない可能性があります。・国内外における経済環境の悪化が生じた場合には、当行を取り巻く環境や将来の業績に悪影響を与える可能性があります。また、そのような局面においては、管理回収等の強化に伴う人的リソースの配分等により、注力分野の活動に制約が生じる可能性があります。・当行が注力している中堅・中小企業向け融資は、一般的に、大企業向け融資に比べ信用リスクが高い可能性があります。 わが国においては、超低金利環境が継続しており、オーバーバンキングによる厳しい競争の結果、当行の事業法人貸出においてリスクに対応した適正なプライシングを行うことが困難な状況があります。当行は、お客さまとの信頼関係を維持し、付加価値の提供による付帯取引を獲得することによる総合的な収益性の確保に努めております。そのため個々のサービスとしての貸出においては、信用リスクや格付に対応した利鞘より低い利鞘で貸出を行うことがあります。(3)リテールバンキング業務の拡充に伴うリスク 当行は、従来より、マスアフルエント層をはじめとしたシニア層のお客さまへの様々な金融商品の提案等を通して、お客さまの中長期の資産運用のお手伝いをさせていただいております。資金調達の面では、平成29年3月末の個人のお客さまからの調達がコア調達(預金・譲渡性預金及び債券・社債)に占める割合は引続き約6割と安定的に推移しており、リテール部門は当行の資金調達業務の中核を担っております。 当行は、今後も積極的にリテール部門に経営資源を投入し、リテール部門の一層の強化を図っていく方針ですが、以下のとおり、当行がリテールバンキング業務拡充の計画を成功裡に達成できない可能性があります。・当行は、行内の配置転換や外部採用等を通じて、お客さま担当の営業員を優先的に増員し、また人材開発プログラムの導入等を通じて、質・量ともにコンサルティング力の強化に努めていく方針ですが、お客さま担当の優れた営業員を想定通りに増員することが出来なかったり、人材開発プログラムの導入が必ずしもコンサルティング力の強化に結びつかない可能性があります。・当行は、競合他金融機関と比較して支店数が少なく、またインターネットバンキング展開においても後発であり、顧客基盤も相対的に小さいことから、顧客の獲得やあおぞらブランドの確立が容易ではない可能性があります。・リテールバンキング業務の拡充には、大量の取引を効率的に処理するためのシステムによるサポートが不可欠であり、システムの充実に多大な経営資源と時間を要する可能性があります。・当行が提供する商品・サービスの種類・条件について他金融機関との差別化が難しくなり、必ずしも預かり資産の量の拡大、収益の拡大に結びつかない可能性があります。・システムトラブルが発生した場合、想定外の復旧コストを要する可能性があるほか、レピュテーションに悪影響を与える可能性があります。 上記のような事情からリテールバンキング業務を拡充できない場合、収益源及び資金調達源の多様化が十分に実現できず、当行の財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(4)海外業務に関連するリスクについて 当行は、従来より、海外拠点等を通じて北米・アジア地域等における市場や顧客ニーズ等の調査、研究を進めてまいりました。平成27年12月、ロンドンに子会社Aozora Europe Limitedを設立し、欧州にもネットワークを広げております。変化の激しい国際金融市場の情勢を的確に捉えながら当行の培ってきたノウハウ等を活用し、適切なリスク管理を行いつつ選択的に海外業務に取り組むことによって、収益力の向上を図る方針としております。当行における海外業務の遂行については、以下のリスクや課題があります。・社会的、政治的、経済的な環境の変化や各国の税制及び規制環境の相違(特に金融サービスや直接投資に関するもの)に起因するリスク。・金利及び為替変動に関連する取引にかかるリスク。・商品ノウハウと各々の市場に対する知識等を有する人材を確保できないリスク。・海外投融資に関する資産の管理を主として当行本店において行うため、現地における政治経済状況、法制、規制あるいは税制等に関する情報の入手が遅れる等、必要な対応に支障が生じるリスク。(5)地域金融機関が重要な顧客基盤であることについて 当行は、従来から多くの地域金融機関に対して、資金運用やリスク管理のニーズに応じた金融商品の提供のほか、地域金融機関の取引先である中小企業への共同支援や地域企業再生支援等、多様な商品・サービスを提供してきております。当行は、かかる取引関係において、同業他社との競争上優位性を確保していると考えており、地域金融機関に対する商品・サービスの提供を一層充実させるとともに、地域金融機関の「戦略パートナー」として、地域金融機関のネットワークと個別業務分野における当行の強みを融合し、相互に機能補完する独自のビジネスモデルの展開を目指していく方針です。しかしながら、かかるビジネスモデルが有効であるとの保証はなく、また、金融環境の変化その他の要因により、今後この分野における競争力を失った場合には、地域金融機関との取引の規模及び収益の成長が鈍化し、更には縮小する可能性があります。(6)先進的な商品とサービスの投入について 当行の戦略は、すべての商品分野において他金融機関と競合することではなく、他金融機関にはない差別化された先進的な商品・サービスを開発し、投入することにより、主要顧客層である中堅・中小企業のお客さま向けの業務や地域金融機関との協働によるビジネスを拡大し、収益を獲得していくこととしています。また、デリバティブ取引やリスク管理といった分野での先進的なノウハウを活用した商品・サービスにも力を入れており、地域金融機関及び個人のお客さまに対してもデリバティブ内蔵型の各種預金商品を提供しています。当行は、従来より、お客さまのニーズに合わせた独自の商品性を持った商品・サービスの投入により、新商品戦略において一定の成果を上げているものと考えております。 しかしながら、将来投入される商品・サービスが同じように顧客から認知される保証はありません。また、競合他金融機関が、当行と同様の顧客層をターゲットに、当行と同様の商品・サービスの提供を開始する等、競争の激化により、当行の商品の先進性・独自性が失われ、収益性が低下するおそれがありますが、その際に、当行が競争力の低下した商品・サービスに替わる新たな商品・サービスを継続的に供給し続けられるという保証はありません。 また、かかる先進的な商品・サービスの導入は、当行にとって、当行が経験したことのない又は経験の少ないリスクや課題をもたらす可能性があります。加えて、かかる先進的な商品・サービスへの過度な集中や依存は、当該商品・サービスの状況により、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(7)組織の変更について 当行では、随時、不定期に組織を変更することがあります。組織の変更は、経営環境の変化、あるいは、経営戦略の見直しに合わせ、一定の目的・狙いの下に実施されますが、結果として、新しい組織による運営が定着しない、あるいは、組織変更に伴う混乱等により業務運営が非効率となる等、組織変更の目的・狙いが期待通りに実現できない可能性があります。(8)業務・資本提携等アライアンス推進に伴うリスク 当行は、長期的な視野における企業価値向上のため、戦略的な提携や合併・買収等資本政策を含めた様々な方策の検討を行っていく方針です。しかしながら、こうした提携や合併・買収が収益の拡大・企業価値の増大に寄与するという保証はありません。 合併や買収等の場合、統合作業の過程において一時費用が発生しますが、企図した統合成果が上がらず、結果として、検討又は統合等に要した費用、投資資金を回収できない可能性があります。また、提携についても、国内外における経済環境の変化等により、企図した効果があがらない可能性があります。更に、当行は提携業務の推進、買収事業の統合・展開において中核となるべき人材の確保等の問題に直面する可能性があります。加えて、そうした場合における通常の営業における人員確保や営業アクティビティの低下等の問題に直面する可能性もあります。(9)子会社・関連会社の業務に関するリスク 当行は子会社において信託業務、金融商品取引業務、投資運用業務、投資助言業務、及び債権管理回収業務等の金融サービスにかかる事業を行っており、これら子会社の業務の中には、銀行業とはリスクの種類や程度の異なる業務も含まれています。当行は、こうした業務に伴って発生する種々のリスクについても適切に管理する体制を整備するよう努めておりますが、当行の想定を超えるリスクが顕在化すること等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 なお、当行とあおぞら信託銀行株式会社(以下「あおぞら信託銀行」)は、GMOインターネット株式会社との間で、あおぞら信託銀行を活用したインターネット銀行の共同運営の準備を進めております。しかしながら、かかるインターネット銀行の業務が成功するという保証はなく、例えば開業までの間の更なるIT技術の革新や顧客ニーズの変化、競合他行による同種サービスの提供開始等により、想定しているビジネスモデルが陳腐化した場合、当初想定した収益を下回る、若しくは損失を計上する可能性があります。2.信用リスク(1)不良債権残高及び与信関連費用の増加について 当行は、個別の与信先について信用状態を継続的にモニタリングするとともに、信用状態の悪化が懸念される場合には貸出金の劣化に対する予防策を講じるよう努めておりますが、以下のような要因により、当行の不良債権残高や与信関連費用が増加する可能性があります。・当行の予想以上に内外経済が悪化した場合。・債務者が属する特定の産業の状況が悪化した場合。・債務者の個別事情により、債務者の業績が当行の予想を下回った場合、あるいは、不測の事態により債務者の業績が悪化した場合。・当行の予想以上に、債務者の経営再建計画が成功裡に実行されず信用リスクが高まる場合や、あるいは、金融機関による支援の打ち切り等により再建中止が余儀なくされる場合。・当行の予想を上回る内外の不動産市況の悪化等により裏付資産の価値が下落し、債務者の信用力が低下した場合。(2)特定先及び特定業種への集中リスクについて 当行の大口債務者上位10先に対する貸出金は、平成29年3月末時点の単体ベースの貸出金残高の約11%を占めており、大口債務者による債務不履行があった場合、又は大口債務者の一部若しくは複数との関係に重大な変化が生じた場合には、当行の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 当行の国内及び海外の不動産業に対する貸出(不動産ノンリコースローンを除く)は、平成29年3月末現在、単体ベースで貸出全体の約9%を占めております。また、その他の業種に対する貸出で、不動産担保により保全されているものもあります。 当行の貸出は、不動産市況の悪化や不動産業界全体が低迷した場合には、不動産業界の債務者の信用力の悪化や、不動産で担保されている保全額の減少から、追加的な引当金が必要となったり、追加的なコストが発生する場合がありえます。 当行の国内及び海外の不動産ノンリコースローンは、平成29年3月末現在、単体ベースで貸出全体の約21%を占めております。不動産ノンリコースローンは、債務者の信用力ではなく、対象不動産から生じるキャッシュ・フローをその返済原資として債務の履行が担保されるもので、当行は、不動産賃料、空室率及び地価等のキャッシュ・フローに影響を及ぼす主なリスク要因等をモニタリングすることにより、リスク管理を行っております。 対象不動産の地域は、これまで主に東京を中心としておりましたが、近年は米国主要都市の案件も増加しており、当該地域における不動産市況の悪化等により、対象不動産からのキャッシュ・フローが当行の予想を超えて悪影響を受ける場合には、当行の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。(3)貸倒引当金が不十分となるリスクについて 当行は、過去の債務不履行発生状況、与信先の財務状況及び保有する担保の価値並びに景気動向に対する前提及び見通し等に基づいて貸倒引当金を計上しております。特に、今後の管理に注意を要する大口の与信先等については、経済環境の悪化により貸倒費用が増加する可能性も勘案し、予防的に貸倒引当金を追加する等、十分な水準の貸倒引当金を計上しております。しかしながら、当行の想定を超えて経済環境が悪化する等、当行の前提及び見通しを変更する必要が生じた場合、当行の与信先の財務状況が当行の想定を超えて悪化した場合、当行が保有する担保の価値が下落した場合、あるいは、その他の要因により予想を超えて当行に悪影響が及んだ場合、当行は貸倒引当金を増加させる必要が生じる可能性があります。(4)海外向けエクスポージャーに関するリスク 当行の海外向けエクスポージャーは増加傾向にあり、貸出金全体に占める海外向け貸出(最終リスク国が日本以外、連結ベース)の割合は、平成29年3月末においては約35%になっております。なお、海外向け貸出の地域別状況については、北米向け貸出が約80%を占めており、残りはアジア向け及び高格付国を中心とした欧州向けとなっております。海外において、財政状態の悪化や政治・経済の混乱等により、国・地域が債務不履行に陥る、あるいは、債権者に対して債務の再編や期限の延長等の支援を要請することを余儀なくされる場合、当行が保有するソブリンを含む海外向けエクスポージャーに悪影響が及び、結果として当行の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。3.市場リスク(1)トレーディング及び投資業務における市場リスクについて 当行は、国内及び海外の債券、ファンド、デリバティブ取引を含む多様な金融商品への投資・運用及びトレーディングを行っております。こうした業務からの収益は、金利、為替レート、債券価格、及び株式市場の変動等により影響を受けます。一例をあげれば、金利の上昇は、一般的に当行の債券ポートフォリオの価値に対して悪影響をもたらすこととなります。更に、当行が保有している国債その他債券について信用格付が格下げされた場合や債務不履行となった場合、また、これらの流動性が著しく低下してポジション調整が困難な場合には、当行の業績に悪影響が及ぶ可能性があります。 当行は、こうした業務において、意図せざる損失の発生を回避するべく、自らの体力に見合った健全なリスクテイクを逸脱せぬよう、管理体制の整備に努めております。しかしながら、例えば、当行では損失を限定するためにロスカット・ルールを設定しておりますが、市場がストレス環境にあるような状況では、ポジションを思うように縮小することが出来ず、損失を想定した範囲に限定することが出来なくなる場合があります。また、金融政策の変化その他の要因により、市場が当行の予想を超えて変動した場合、当行は予測を超えた損失を被る可能性があります。(2)ローン債権等に対する投資に関連するリスクについて 当行は、債権売買取引及び証券化ビジネスにおいて、事業法人向けローン、住宅ローン、売掛債権、リース債権、不良債権及び仕組商品を含む様々な資産を取得し、それらの回収、売却、証券化等を行う際に、特定の種類の証券や信用リスクを有する特定資産を保有することがあります。当行が保有する資産やそれらの価値、市場規模、環境等は常に変化するため、こうした業務は本質的に環境に左右されやすい性質を有しております。当行保有資産の期待収益率が低下した場合、当行の業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。4.流動性リスク(1)資金流動性リスク 当行の多くの調達資金は順次満期を迎えるため、当行は、継続的に預金を受け入れ、債券を発行し、既存債務の借換を行い、また継続的に一定割合を短期資金で調達する必要があります。当行は、資金調達方法を分散・多様化させることにより、資金調達の安定性の確保・向上に努めておりますが、流動性リスクを完全に回避することはできません。これらの債務が、市場環境が不安定な状況において満期を迎えた場合、当行が許容できる条件で十分な資金を調達できるという保証はなく、再調達が首尾よくいかなかった場合には、当行の業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。また、当行の業績又は財政状態の悪化、信用の低下、格付機関による格下げ等のほか、外貨資金調達における制約、景気動向の悪化や金融システム全般の不安定化等により、当行が、営業上許容できる水準の利率で預金を獲得することができない場合や当行の流動性が制限された場合、当行は必要な資金を確保するために、より高い資金コストを負担し、あるいは、資産を圧縮すること等の対策をとる必要が生じ、業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。 なお、当行は平成18年4月に普通銀行に転換したことにより、平成28年3月末をもって金融債の発行を終了しましたが、平成27年9月より金融債と並行して普通社債の定期発行を開始しており、金融債から普通社債へのスムーズな移行を進めてまいりました。また近年、当行は個人のお客さまからの預金及び法人のお客さまからの長期預金による調達の強化に注力しており、債券・社債による調達への依存度は低下してきております。平成29年3月末時点において、当行のコア調達(預金・譲渡性預金及び債券・社債の合計)に占める個人のお客さまからの調達比率が約6割となる一方で、負債残高に占める債券・社債の比率は約6%となっております。 また、バーゼル銀行監督委員会から、平成22年12月に「流動性リスク計測、基準、モニタリングのための国際的枠組み」の文書が公表され、国際統一基準行に対しては、流動性カバレッジ比率規制が平成27年3月末から適用されております。当行を含む国内基準行に対しては、平成28年4月末より流動性カバレッジ比率等のモニタリングが開始されております。将来的にこうした枠組みの内容に何らかの変更があった場合、当行の調達構造に影響が及ぶ可能性があります。(2)市場流動性リスク 当行は、市場で取引される様々な資産やデリバティブを保有しておりますが、市場の混乱や取引の厚みの不足等により、市場での取引を行うことができない、又は、著しく不利な価格での取引を余儀無くされることにより、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。5.オペレーショナル・リスク(1)リスク管理体制について 当行グループの業務の遂行には、オペレーショナル・リスクが伴います。オペレーショナル・リスクは、不適切な内部処理、役職員の過失や不正行為、システムの障害及びその他の外部で発生する事象等、様々な形で顕在化する可能性があります。また当行グループの業務においては法律・規制に関するリスクも存在します。当行グループはリスク管理体制の構築に多くの経営資源を投入し、適切なリスク管理態勢の構築に努めており、オペレーショナル・リスク管理についても、必要なデータやリスクの顕在化事象を把握し、アセスメントを実施してリスクを特定、評価し、リスクをモニタリング、削減、コントロールする態勢を整備しております。しかしながら、結果的にこの態勢が有効に機能せず、リスク管理が十分に効果的なものとはならない可能性があります。業務分野の拡大、新規分野の取り組みや環境変化等に応じた適切なリスク管理体制を構築できず、当行グループが予想外の損失を被る可能性があります。(2)システム障害リスクについて 当行では、お客さまへのサービス提供や当行自身の業務管理、情報管理のため様々な情報システムを運営しております。これらの情報システムの安定的な稼動を確保するため、複数年度のIT投資計画に沿って、新規・更新投資や機器等の保守を実施しているほか、各情報システムの重要性等に応じたバックアップの取得や機器・回線の二重化等の対策を講じるとともに、不測の事態に備えたコンテンジェンシープランを策定しております。しかしながら、情報システムの新規開発や改修・保守作業における人為的な過失、事故等により、システム障害が発生し、場合によっては情報システムが適切に稼動しないリスクや、内部統制の維持や会計帳簿及び財務諸表の作成に関して問題が発生するリスクがあります。 また、当行は、中期的戦略の一環として、今後のビジネス戦略をより発展させるため、平成28年5月に勘定系システムを株式会社エヌ・ティ・ティ・データが運営する基幹勘定系システムアウトソーシングサービス「BeSTAcloud」に移行しました。一般に、新システムの稼動開始後は、試験では確認しきれていなかった潜在的な不具合が顕在化する、あるいは、新システムの運用・保守作業における人為的な過失・事故等によるシステム障害が発生するリスクが高まります。当行は、新システムへの移行にあたり、各種試験の実施等により、新システムが想定どおりに稼動することを確認するとともに、不測の事態に備えたコンティンジェンシープランを策定し、システム障害が発生した場合にも影響を極小化できるようにするための体制整備に努めておりますが、かかる体制整備によってシステム障害を完全に防止できる保証はなく、発生した障害の内容等によっては、内部統制の維持や会計帳簿及び財務諸表の作成に関して影響が及ぶリスクがあります。 当行の新勘定系システムであるBeSTAcloudは、現用システムを愛知県名古屋市に設置されたデータセンターに、災害対策用のコンピュータ機器を福岡県福岡市に設置されたデータセンターにそれぞれ収容し、遠隔地の2センター体制としております。勘定系システム以外の自行システムに係る情報システムセンターについても、メインセンターを東京都府中市に、バックアップセンターを東京都千代田区に設置し、重要な情報システムに係る機器等の二重化を実施しておりますが、首都圏に地震が発生した場合、メインシステムセンターとバックアップセンターの両サイトが被災するリスクがあります。当行の情報システムは、予備設備を備える等の冗長化対策が施されておりますが、これらの機能が十分であるという保証はありません。更に、当行のバックアッププランは、サービスの中断時に生じるおそれのある偶発事象に対処できるものではない可能性があります。 この他、当行は、お客さま向け情報提供のためにホームページを、お客さま向けチャネルとしてインターネットバンキングサイトをインターネット環境で提供しております。また、当行業務遂行に必要なWebサイト閲覧やメール送受信のため当行システムをインターネット環境に接続しております。インターネットに接続するシステムとして必要な安全対策は実施していますが、サイバー攻撃の高度化によりこれらのサービスが停止したり、当行業務遂行に影響が発生する可能性があります。 当行の情報システムの動作不良は、自然災害やその他の理由にかかわらず、顧客との関係を毀損し、訴訟や行政処分を招来し、また、その他の理由により当行の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。(3)外部業者により提供を受けている重要なサービスについて 当行グループは、業務にとって重要である多くのサービスについて外部業者を利用しております。外部業者の利用に際しては、妥当性の検証、外部業者の適格性検証、利用中の継続的な外部業者管理等の方策を講じておりますが、地震その他の自然災害やその他の事情により、それらの外部業者のサービスが停止した場合、又はそれらのサービスに問題が生じた場合に、当行が同様の条件で同種のサービスをタイムリーに提供できる外部業者を見出すことができるとは限りません。その場合、当行グループの営業が中断し、当行グループの業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、業界又はその他の状況の変化により、外部業者がサービスの料金を引き上げることも考えられ、その場合には、当行グループの業績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(4)個人情報等の流出等のリスクについて 近年、企業や金融機関が保有する個人情報等の流出という事態が、数多く発生しています。当行グループでは、個人情報等の流出等防止のための様々な方策を講じておりますが、保有する個人情報等について、役職員等若しくは委託先の人為的なミスによる流出又は内部若しくは外部からの不正アクセスが発生し、流出した情報が不正に使用されることを完全に防止することはできません。こうした事態が発生した場合、当行グループはその責任を負い、民事責任等を問われ、あるいは、監督機関の処分を受ける可能性があります。更に、そうした事故が発生することにより、当行グループの業務及びブランド力に対する評価や当行グループに対する顧客や市場の信認に悪影響が及ぶ可能性があります。(5)災害等に対する危機管理及び業務継続に関するリスク 地震、台風等の自然災害や事故、テロ、サイバー攻撃等による被害、新型インフルエンザ等感染症の流行や放射能汚染等の外的要因等により、当行グループの機能の全部又は一部が停止するおそれがあります。 当行は、かかる事象が発生した場合においても、業務継続を可能とすべく業務継続計画等の策定、バックアップオフィスの構築等を行うとともに、訓練等を実施し継続的に実効性向上を図るよう努めており、平成29年5月新本社への移転を機に、危機管理体制のさらなる整備に注力しています。 しかしながら、かかる努力によってもあらゆる事態に対応できるとは限らず、当行グループの業務運営、業績及び財政状態への悪影響を回避しきれない可能性があります。(6)人事上のリスク 当行グループでは、中長期の経営戦略の方向性や年度の業務運営計画を踏まえて人員計画を策定していますが、当行グループを取り巻く経済・業務環境に大きな変化が生じた場合には、業務の運営と合わせて人員計画についても見直しが必要となります。また、当行グループは、各従業員に対する公平な評価・適切な処遇の実施に努めていますが、すべての従業員がその結果に納得するとは限りません。以上を含め、今後の業務展開に大きな変動が生じる場合には、当行グループにおける人事組織運営において支障が生じる可能性があります。また、業務遂行上必要な要員が不足する場合には、当行グループの業績及び財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。(7)係争中の訴訟について 当行は、当行グループ全体の訴訟について一元的に管理を行い、グループの法務リスクの極小化に努めており、現在のところ経営に重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟案件はありません。しかし、当行グループは銀行業務を中心に各種金融サービスを提供しており、このような業務遂行の過程で、損害賠償請求訴訟等を提起されたり、損害に対する補償をしたりする可能性があります。このような訴訟等の動向によっては、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(8)法令遵守違反発生に伴うリスクについて 当行グループは、法令等の遵守を徹底し、業務の適法性とともに適切性を確保するために、金融機関への社会的要請に適合したコンプライアンスを実現することを最優先とする企業文化の構築に取り組んでいますが、必ずしもこのような取り組みのすべてが有効に機能するとは限りません。お客さま情報の管理不備その他の事情に起因して、各種規制法の違反が発生するおそれや、お客さまとの多面的な取引の展開が優越的地位の濫用とみなされるおそれもあります。このように今後仮に法令違反等が発生した場合には、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(9)金融犯罪発生のリスクについて 当行グループは、口座を開設され取引を行うお客さまの取引時確認を厳格に行い、お客さまに振り込め詐欺の注意喚起をする等、口座不正利用を防止することにより、お客さまの取引の安全と口座の保護に取り組んでいます。また、新規の取引に先立ち、反社会的勢力等との関係等に関する情報の有無を確認する等、反社会的勢力とのあらゆる取引を排除すべく必要な手続きを行っています。しかし、厳格なチェックにもかかわらず、反社会的勢力との関係を持つ者が口座を開設する等の可能性があり、またこれらの者等が自らの口座を詐欺等に使用したり、資金洗浄や租税回避行為又は他の不正行為を行う可能性もあります。また、大規模な金融犯罪が発生した場合には、その対策にかかるコストやお客さまへの補償のほか風評等により、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(10)従業員又は外部者による不正や過失等によって損失が発生する可能性について 当行グループは、上記のリスク以外にも、従業員又は外部者による不正、懈怠及び過失によって損失を被る可能性があります。当行グループでは、従業員に対して社内規定等の適正な運用の徹底を図っておりますが、従業員が、あらかじめ許容された範囲を超え、また、許容できないリスクのある取引を実行したり、規定等に反する行為を隠蔽したり、秘密情報を不適切に使用・漏えいしたり、お客様に対する詐欺的誘引行為又はその他お客様の信頼を損う行為を行う可能性があります。また、盗難若しくは偽造されたキャッシュカードの不正利用や、インターネットバンキング不正送金による被害に対し、当行がお客様に対する賠償責任を負担する可能性等も存在します。従業員又は外部者による不正や過失等を防ぐため、コンプライアンス体制を強化しておりますが、このような行為の結果、当行グループが行政上その他の制裁を受け、又は当行グループの評判が毀損される可能性もあります。(11)風説・風評の発生による悪影響 当行グループや金融業界等に対して、その信頼を毀損するような風説・風評が発生し拡散した場合に、当行の株価や業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。6.自己資本にかかるリスク(1)自己資本比率規制について 当行は、平成29年3月末時点において連結自己資本比率10.75%(バーゼルⅢ国内基準ベース)と十分な水準を維持しております。当行は現在、国内基準に基づき、4.0%以上の自己資本比率を維持することが求められておりますが、海外での銀行業務の開始が認められる場合には、国際統一基準に基づき8.0%以上(資本保全バッファーを除く)の自己資本比率を維持することが求められます。自己資本比率を維持できなくなった場合、行政措置が課され、当行の業務遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。将来、当行の自己資本比率に影響を及ぼす可能性のある要因には以下の事項が含まれます。 ・バーゼルⅢによる自己資本比率規制の強化については、当行を含め国内基準行に対しては、平成26年3月から段階的に導入されており、グランドファザリング措置(既存の取扱いを一定期間認める措置)の期間を経て平成41年3月より完全実施となる予定です。こうした自己資本比率規制の強化により、当行の自己資本比率が現行水準より低下する可能性があります。なお、国際統一基準行に対しては平成25年3月から段階的に導入されており、グランドファザリング措置の期間を経て平成31年3月より完全実施となる予定です。また、わが国における実施内容が未確定であるバーゼルⅢの項目としてレバレッジ比率規制の導入があるほか、バーゼル銀行監督委員会においてはリスク・アセットの計測方法の見直し等、更なる規制強化も検討されており、一部項目については今後の導入が決定しております。今後も、健全性を維持しつつ資本の効率的な活用に努めるとともに、グローバルな自己資本比率規制強化の方向性等を踏まえ、自己資本の更なる充実を図ってまいりますが、将来における当行の利益水準、リスク・アセット水準の変動その他の要因によっては、当行の自己資本比率が当行の想定を下回る可能性があります。・上記のとおり、現状当行は十分な水準の自己資本比率を維持していますが、今後企業価値向上に資する買収・合併の機会がある場合には、当行はそうした買収・合併の機会を追求するべく追加資本を積み増す必要が生じる可能性があります。 7.当行の財務に関するリスク(1)信用格付の低下が当行の業績に悪影響をもたらす可能性について 格付機関により当行の格付が引下げられた場合、インターバンク市場での短期資金調達あるいは資本調達等においてより不利な条件で取引を行わざるを得なくなる若しくは取引そのものが行えなくなる可能性があります。また、デリバティブ取引等の一定の取引行為が制限され若しくは行えなくなる可能性があるほか、現在締結しているその他の契約を解消される可能性もあります。このような事象のいずれもが、当行の財務や業務の執行に悪影響を与え、業績や財政状態に不利な影響を与える可能性があります。(2)退職給付制度及び年金資産に関連するリスクについて 当行の年金資産の時価が下落した場合や、年金資産の長期期待運用収益率が低下する等退職給付債務に関する予測計算の前提条件に変更が生じた場合には、退職給付費用が増加する可能性があります。また、当行の退職給付制度の変更により、退職給付債務が追加的に発生する可能性があるほか、金利状況の変化や会計基準の変更その他の要素によって、退職給付債務が増加したり、年度毎の退職給付費用が増加する可能性があります。(3)繰延税金資産に関するリスク 当行では、繰延税金資産は、現行の会計基準に従い、将来の課税所得を合理的に見積もった上で計上しております。将来、更なる実効税率引下げ等の税制改正や課税所得の見積額の変更等によって繰延税金資産の取崩しが必要となった場合に、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。8.日本の金融サービス業界に関連するリスク(1)日本及び世界の経済状況が自然災害によるものを含めて悪化することで当行が受ける悪影響について 当行の業績は、日本国内だけでなく世界的な金融経済環境の状況に大きく影響され、また、そうした日本国内及び世界的な金融経済環境は、金融財政政策や地政学的要因など様々な要素によって影響を受けます。こうした要素には、マイナス金利政策の導入やイールドカーブ・コントロールとそれによる平成28年2月初旬以降マイナス状態が続いている国債利回りの一部についての実質的引き上げといった日本銀行による金融政策が含まれます。わが国においては、景気は緩やかな回復基調が続きましたが、マイナス金利政策の効果が出るまでには時間がかかる等、国内外の経済は依然として先行きに不透明な部分が残されています。更に、アジア、東欧、中東及び北アフリカといった世界の様々な地域における地政学リスク及び、英国のEU離脱問題、米国における新政権誕生といった政治・経済の重大な変化は、世界経済に影響を及ぼす可能性があります。 このような環境下、日本及び世界の金融市場や経済の状況が自然災害による原因も含めて再び悪化し、又はその回復が遅れた場合、金融資本市場における信用収縮の動き、債券・株式市場や外国為替相場の大幅な変動、景気の停滞や悪化に伴う地価や株価の下落、企業倒産や個人の破産の増加等により、貸出資産の劣化や業務の停滞が生じ、当行の資金調達や業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。(2)日本の金融サービス市場の競争激化について 人口減少や高齢化及び金利の低下等により、わが国の金融サービス市場の競争環境は厳しさを増しております。当行は、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行に比べ優位に立つと考えられる企業も存在しております。当行の主要な競争相手には以下のものが含まれると考えております。・国内大手銀行グループ:三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ及び三井住友フィナンシャルグループは、資産、顧客基盤、支店数、及び従業員数等の様々な面において、当行に比べ相当に大きな規模を有しております。また、これらの銀行グループは、子会社又は関係会社として証券会社をはじめとした様々な機能を有しており、当行同様その収益源を多様化する戦略を採っています。・主要な投資銀行:国内外の投資銀行との間でも当行は、コーポレートアドバイザリー業務、スペシャルティファイナンス及びデリバティブ商品販売業務等様々な事業分野において、競争関係に立っています。・その他の金融機関:信託銀行、りそな銀行、新生銀行、インターネットバンク及び地方銀行等が含まれます。・ゆうちょ銀行、政府系金融機関:日本郵政公社から貯金業務を引き継いだゆうちょ銀行は依然としてわが国最大の預貯金総額を有しております。この他、当行は日本政策投資銀行等の政府系金融機関とも競争関係にあります。・その他の金融サービス提供者:当行又は当行の子会社、関連会社は、債権回収会社等、消費者金融業者及びその他の金融サービス業者とも競争関係にあります。 当行は、国内金融サービス市場をめぐる競争の一層の激化、統合の進展を予想しており、当行が現在又は将来の競合他社と効果的に伍していけるという保証はありません。これまで当行は、シンジケートローン、DIPファイナンス、貸出及びコミットメントラインの供与、投資信託の販売等で手数料等の収入を増加してまいりましたが、競争の激化がこれらの手数料の低下を招き、収益の低下を招くおそれもあります。また、当行は貸出金利及び預金金利の面でも競合他行と競争関係に立たされており、競争の激化が貸出金利の低下及び預金金利の上昇を促し当行の収益性を圧迫する可能性もあります。(3)金融機関として広範な規制に服していることについて 当行は、金融機関として、広範な法令上の制限及び政府機関による監督を受ける立場にあります。更に、当行並びに当行の子会社及び関連会社は、金融当局による自己資本比率規制、銀行法、その他の銀行としての業務規制のほか、銀行業以外の業務範囲についての制限を受けており、こうした制約から、ビジネスチャンスに対し適時に対応することが困難となる可能性があります。 当行は、業務全般及び貸出資産分類に関して金融庁等の政府機関により検査を受けております。仮に当行が、関連法規及び規制の違反を犯したような場合には、行政処分の対象とされ、また当行の評価が悪影響を受ける可能性があります。(4)各種の規制及び法制度等の変更について 当行は現行法による規制に従って業務を遂行しておりますが、当行が国内外において業務を行うにあたって適用されている法律、規則、政策、実務慣行、会計制度及び税制等が変更された場合には、当行の業務運営に影響を与え、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。しかし、これらの事項の変更及びそれによる影響を予想することは困難であり、当行がコントロールしうるものではありません。 金融庁及びその他の監督当局は、銀行がお客さまに提供しているデリバティブ商品やこれに類するリスク特性を持つ複雑な投信・保険商品・仕組債・仕組預金等のデリバティブ関連商品の販売に関する監視や調査を近時強化するとともに、規制上及び監督上の追加措置もとっています。銀行は、従来より、リスク性商品全般の販売に際しては、お客さま毎の金融知識、経験、財産の状況及び取引目的に応じて商品の性質や詳細について適切な説明を行ってまいりましたが、デリバティブ関連商品については、一般に、普通の預金や有価証券取引等に比べ、商品の仕組みが複雑であるとともに、普通の預金や有価証券取引等とは異なるリスクが伴うため、より一層お客さまのニーズや属性に即したきめ細かな販売運営態勢の確保が必要となっています。また、現状の法規制におけるこの種の金融商品の取扱いには必ずしも明確でない部分がある可能性もあります。今後、更に、このような法規制又は金融庁の指導に対応していく結果として追加のリスク管理が必要になる場合には、当行の経費負担が増加する可能性があります。このような追加で必要になる管理もその性質によっては、当行の業務範囲を制限することにもつながる可能性があり、結果として当行の業務や業績及び財政状態にも悪影響を及ぼす可能性もあります。 また、いわゆるリーマン・ショックに端を発する金融危機以降、国際的な金融規制改革が進展しており、バーゼルⅢの規制に加えて、各国における法規制、例えば、銀行業務の範囲の制限に関する規制や、銀行業務以外の金融業に対する規制等の実施が、予定あるいは検討されています。これらの規制が日本において適用された場合、また当行並びに当行子会社等が行っている海外業務において適用された場合には、当行の業務範囲が制限される可能性や、追加的な管理コストが必要となる可能性があります。(5)金利変動によるリスクについて 当行の収益は、貸出金、有価証券等の有利子資産による資金運用収益と、預金、債券等の有利子負債にかかる資金調達費用との差額である資金利益による部分が大きな割合を占めます。有利子資産と有利子負債では満期や金利設定条件等が異なるため、金利の変動は、有利子資産による資金運用収益と有利子負債にかかる資金調達費用に対し同等の変化をもたらすとは限らず、金利の変動により、当行の収益性が悪影響を受ける可能性があります。また、金利が上昇した場合には、貸出金への需要が低下する可能性があり、また、変動金利で借り入れている債務者の一部に、増加した金利負担に耐えられなくなる債務者が現れ、不良債権の増加をもたらす可能性があります。このような状況は、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、平成28年1月に、日本銀行は「マイナス金利付き量的・質的緩和」の金利政策を導入し、市場金利が一段と低下した一方、その後イールドカーブ・コントロールの手法を通じ、10年国債の利回りをゼロパーセント近辺へ引き上げようとしました。日本銀行によるこれらの又はその他の予期しなかった政策により、国債利回りはより不安定となりました。今後、日本銀行の政策やその他の外的要因により、仮に重大な又は予期しない金利変動が生じた場合には、当行の業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。9.その他(1)財務報告に係る内部統制に関するリスク 当行は、金融商品取引法に基づき、財務報告に係る内部統制の有効性を評価した「内部統制報告書」の提出、及びその評価内容について監査法人の監査を受けることが求められております。 当行グループは、財務報告に係る内部統制の整備・運用を行っており、有効性を評価する過程で発見された事項は速やかに改善するよう努めております。 しかしながら、改善が不十分な場合や経営者が内部統制を有効と評価しても監査法人が開示すべき重要な不備があると評価するような場合があり、当行グループの財務報告の信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。(2)能力のある従業員の雇用について 当行は、当行の事業戦略を遂行する上で、豊富な経験と専門的な知識を有する従業員を雇用することが重要と考えております。また、当行は従業員に対し、各業務分野での研修を実施し、従業員の知識・能力の向上に努めております。しかしながら、ビジネスやITその他の分野における高度な能力をもった人材の確保は、他の銀行に加え、投資銀行、その他の金融サービス業者とも競合しており、当行が有能な人材を採用・育成し、且つ定着させることができるとは限りません。(3)重要な経営陣への依存について 当行では、経営陣の業務遂行についての能力が、今後の当行の事業の成否に関する重要な要因となるものと考えております。これらの経営陣が退社することにより、当行の事業遂行が悪影響を受け、また事業戦略の実施能力が低下する可能性があります。
FY2016|19,526 文字
4【事業等のリスク】 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当行が判断したものです。当行はこれらリスクの発生の可能性を認識したうえで、リスクの発生の回避および発生した場合への対応に努める所存です。1.事業戦略におけるリスク (1)事業戦略の推進に伴うリスクについて 当行は、安定的な収益構造を確立し、収益力の一層の向上と経営体制の強化を図るとともに、平成27年5月15日に「公的資金一括返済ならびに今後のビジネスモデル・中期目標等について」で公表いたしましたとおり、経営資源の有効活用を図る選択と集中を継続しつつ、当行の特色のある専門性の高い金融サービスに磨きをかけ、従来からのビジネスモデルを進化させた「6つの柱」に注力することにより、お客さまにとっての“進化する「頼れる、もうひとつのパートナーバンク」”としてのプレゼンスの確立を目指す方針としております。 事業戦略においては、マスアフルエント層をはじめとしたシニア層のお客さまからの個人預金を資金調達の柱として、中堅中小企業をはじめとする法人のお客さまの様々な事業金融ニーズに応えられる、高度な金融スキルを活用した課題解決型で付加価値の高い貸出業務展開に注力いたします。個人のお客さま向けには、お客さまのニーズの徹底分析に基づいた投資信託・保険・金融商品仲介等による運用商品をご提供し、法人のお客さま向けには、不動産、事業再生および金融市場の変動に伴うリスクヘッジ等に関する各種の最適なソリューションをご提供する等、それぞれのお客さまのニーズに適切に対応してまいります。更に、地域経済においては、ビジネスパートナーである地域金融機関との協業を通じて、中堅中小企業をはじめとした地域のお客さまとのビジネスに積極的に取り組んでまいります。また、当行が従来より得意とする不動産関連ファイナンス、事業再生ファイナンス、国内外の買収及びプロジェクトファイナンス業務等についても、引き続き注力していく方針です。国際業務においては、分散の効いたローンポートフォリオの構築と収益力の向上を目指すとともに、アジア地場企業との取引を通じた現地情報の還元によりお客様の支援を行います。また、グローバル分散投資の追及とリスクコンサルティングの推進にも取組んでまいります。しかしながら、このような事業戦略の推進に際しては、以下のようなリスクや課題があります。• 今後注力していく事業分野において、想定通りに業績を伸ばすことができるとは限りません。• 戦略の遂行に伴う経営資源の配分の見直しなどが成功しない可能性があります。• 業務の推進においては、実務を遂行する人材を確保する必要がありますが、必要な人材を十分に確保できるとは限りません。 (2)中堅中小企業をはじめとする法人のお客さまへの事業金融の推進におけるリスク 当行は、国内金融機関としての大切な使命である中堅・中小企業をはじめとする法人のお客さまに対する資金の貸付その他信用供与の円滑化に努めるとともに、それぞれのお客さまの様々な事業金融ニーズに応じたテーラーメイド型で付加価値の高い金融ソリューションの提供を通じ、顧客基盤の拡充に注力しております。しかしながら、当行がこうした事業金融の推進を行うにあたっては以下のようなリスクがあります。· 当行の基準に見合う顧客層との取引が期待通りに拡充できるとは限らず、当行が目指す国内事業金融資産の質、収益が確保できない可能性があります。· 当行は法人顧客基盤が国内大手銀行グループよりも小さく、また営業拠点数、営業人員数も少ないことから新規の顧客獲得等に限界がある可能性があります。· 国内の銀行業界における厳しい競争の結果、国内事業金融向け融資の収益性が当行が考えるリスクとの対比において十分な水準でない可能性があります。· 国内外における経済環境の悪化が生じた場合には、当行を取り巻く環境や将来の業績に悪影響を与える可能性があります。また、そのような局面においては、管理回収等の強化に伴う人的リソースの配分等により、注力分野の活動に制約が生じる可能性があります。· 当行が注力している中堅・中小企業向け融資は、一般的に、大企業向け融資に比べ信用リスクが高い可能性があります。 わが国においては、超低金利環境が継続しており、オーバーバンキングによる厳しい競争の結果、当行の事業法人貸出においてリスクに対応した適正なプライシングを行うことが困難な状況があります。当行は、お客さまとの信頼関係を維持し、付加価値の提供による付帯取引を獲得することによる総合的な収益性の確保に努めております。そのため個々のサービスとしての貸出においては、信用リスクや格付に対応した利鞘より低い利鞘で貸出を行うことがあります。 (3)リテールバンキング業務の拡充に伴うリスク 当行は、従来より、マスアフルエント層をはじめとしたシニア層のお客さまへの様々な金融商品の提案等を通して、お客さまの中長期の資産運用のお手伝いをさせていただいております。資金調達の面では、平成28年3月末の個人のお客さまからの調達がコア調達(預金、譲渡性預金及び債券・社債)に占める割合は引続き約6割と安定的に推移しており、リテール部門は当行の資金調達業務の中核を担っております。 当行は、今後も積極的にリテール部門に経営資源を投入し、リテール部門の一層の強化を図っていく方針ですが、以下の通り、当行がリテールバンキング業務拡充の計画を成功裡に達成できない可能性があります。·当行は、行内の配置転換や外部採用等を通じて、お客さま担当の営業員を優先的に増員し、また人材開発プログラムの導入等を通じて、質・量ともにコンサルティング力の強化に努めていく方針ですが、お客さま担当の優れた営業員を想定通りに増員することが出来なかったり、人材開発プログラムの導入が必ずしもコンサルティング力の強化に結びつかない可能性があります。·当行は、競合他金融機関と比較して支店数が少なく、またインターネットバンキング展開においても後発であり、顧客基盤も相対的に小さいことから、顧客の獲得やあおぞらブランドの確立が容易ではない可能性があります。·リテールバンキング業務の拡充には、大量の取引を効率的に処理するためのシステムによるサポートが不可欠であり、システムの充実に多大な経営資源と時間を要する可能性があります。·当行が提供する商品・サービスの種類・条件について他金融機関との差別化が難しくなり、必ずしも預かり資産の量の拡大、収益の拡大に結びつかない可能性があります。·システムトラブルが発生した場合、想定外の復旧コストを要する可能性があるほか、レピュテーションに悪影響を与える可能性があります。 上記のような事情からリテールバンキング業務を拡充できない場合、収益源及び資金調達源の多様化が十分に実現できず、当行の財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)海外業務に関連するリスクについて 当行は、従来より、海外拠点等を通じて北米・アジア地域等における市場や顧客ニーズ等の調査、研究を進めてまいりましたが、海外拠点については、平成27年12月、ロンドンに子会社Aozora Europe Limitedを設立し、ネットワーク拡大を図っています。欧州についてもその対象を広げております。変化の激しい国際金融市場の情勢を的確に捉えながら当行の培ってきたノウハウ等を活用し、適切なリスク管理を行いつつ選択的に海外業務に取り組むことによって、収益力の向上を図る方針としております。当行における海外業務の遂行については、以下のリスクや課題があります。• 社会的、政治的、経済的な環境の変化や各国の税制及び規制環境の相違(特に金融サービスや直接投資に関するもの)に起因するリスク。• 金利及び為替変動に関連する取引にかかるリスク。• 商品ノウハウと各々の市場に対する知識等を有する人材を確保できないリスク。• 海外投融資に関する資産の管理を主として当行本店において行うため、現地における政治経済状況、法制、規制あるいは税制等に関する情報の入手が遅れる等、必要な対応に支障が生じるリスク。 (5)地域金融機関が重要な顧客基盤であることについて 当行は、従来から多くの地域金融機関に対して、資金運用やリスク管理のニーズに応じた金融商品の提供のほか、地域金融機関の取引先である中小企業への共同支援や地域企業再生支援等、多様な商品・サービスを提供してきております。当行は、かかる取引関係において、同業他社との競争上優位性を確保していると考えており、地域金融機関に対する商品・サービスの提供を一層充実させるとともに、地域金融機関の「戦略パートナー」として、地域金融機関のネットワークと個別業務分野における当行の強みを融合し、相互に機能補完する独自のビジネスモデルの展開を目指していく方針です。しかしながら、かかるビジネスモデルが有効であるとの保証はなく、また、金融環境の変化その他の要因により、今後この分野における競争力を失った場合には、地域金融機関との取引の規模及び収益の成長が鈍化し、更には縮小する可能性があります。 (6)先進的な商品とサービスの投入について 当行の戦略は、すべての商品分野において他金融機関と競合することではなく、他金融機関にはない差別化された先進的な商品・サービスを開発し、投入することにより、主要顧客層である中堅・中小企業のお客さま向けの業務や地域金融機関との協働によるビジネスを拡大し、収益を獲得していくこととしています。また、デリバティブ取引やリスク管理といった分野での先進的なノウハウを活用した商品・サービスにも力を入れており、個人のお客さまに対してもデリバティブ内蔵型の各種預金商品を提供しています。当行は、従来より、お客さまのニーズに合わせた独自の商品性を持った商品・サービスの投入により、新商品戦略において一定の成果を上げているものと考えております。 しかしながら、将来投入される商品・サービスが同じように顧客から認知される保証はありません。また、競合他金融機関が、当行と同様の顧客層をターゲットに、当行と同様の商品・サービスの提供を開始する等、競争の激化により、当行の商品の先進性・独自性が失われ、収益性が低下する恐れがありますが、その際に、当行が競争力の低下した商品・サービスに替わる新たな商品・サービスを継続的に供給し続けられるという保証はありません。 また、かかる先進的な商品・サービスの導入は、当行にとって、当行が経験したことのない又は経験の少ないリスクや課題をもたらす可能性があります。加えて、かかる先進的な商品・サービスへの過度な集中や依存は、当該商品・サービスの状況により、当行の業績及び財政状態に影響をおよぼす可能性があります。 (7)組織の変更について 当行では、随時、不定期に組織を変更することがあります。組織の変更は、経営環境の変化、あるいは、経営戦略の見直しに合わせ、一定の目的・狙いの下に実施されますが、結果として、新しい組織による運営が定着しない、あるいは、組織変更に伴う混乱等により業務運営が非効率となるなど、組織変更の目的・狙いが期待通りに実現できない可能性があります。 (8)業務・資本提携などアライアンス推進に伴うリスク 当行は、長期的な視野における企業価値向上のため、戦略的な提携や合併・買収など資本政策を含めたさまざまな方策の検討を行っていく方針です。しかしながら、こうした提携や合併・買収が収益の拡大・企業価値の増大に寄与するという保証はありません。 合併や買収等の場合、統合作業の過程において一時費用が発生しますが、企図した統合成果が上がらず、結果として、検討又は統合等に要した費用、投資資金を回収できない可能性があります。また、提携についても、国内外における経済環境の変化等により、企図した効果があがらない可能性があります。更に、当行は提携業務の推進、買収事業の統合・展開において中核となるべき人材の確保などの問題に直面する可能性があります。加えて、そうした場合における通常の営業における人員確保や営業アクティビティの低下等の問題に直面する可能性もあります。 (9)子会社・関連会社の業務に関するリスク 当行は子会社において信託業務、金融商品取引業務、投資運用業務、投資助言業務、および債権管理回収業務などの金融サービスにかかる事業を行っており、これら子会社の業務の中には、銀行業とはリスクの種類や程度の異なる業務も含まれています。当行は、こうした業務に伴って発生する種々のリスクについても適切に管理する体制を整備するよう努めておりますが、当行の想定を超えるリスクが顕在化すること等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 なお、当行とあおぞら信託銀行株式会社(以下「あおぞら信託銀行」)は、GMOインターネット株式会社との間で、あおぞら信託銀行を活用したインターネット銀行の共同運営の準備を進めております。しかしながら、かかるインターネット銀行の業務が成功するという保証はなく、例えば開業までの間の更なるIT技術の革新や顧客ニーズの変化、競合他行による同種サービスの提供開始などにより、想定しているビジネスモデルが陳腐化した場合、当初想定した収益を下回る、もしくは損失を計上する可能性があります。2.信用リスク (1)不良債権残高及び与信関連費用の増加について 当行は、個別の与信先について信用状態を継続的にモニタリングするとともに、信用状態の悪化が懸念される場合には貸出金の劣化に対する予防策を講じるよう努めておりますが、以下のような要因により、当行の不良債権残高や与信関連費用が増加する可能性があります。· 当行の予想以上に内外経済が悪化した場合。· 債務者が属する特定の産業の状況が悪化した場合。· 債務者の個別事情により、債務者の業績が当行の予想を下回った場合、あるいは、不測の事態により債務者の業績が悪化した場合。· 当行の予想以上に、債務者の経営再建計画が成功裡に実行されず信用リスクが高まる場合や、あるいは、金融機関による支援の打ち切り等により再建中止が余儀なくされる場合。· 当行の予想を上回る内外の不動産市況の悪化等により裏付資産の価値が下落し、債務者の信用力が低下した場合。 (2)特定先及び特定業種への集中リスクについて 当行の大口債務者上位10先に対する貸出金は、平成28年3月末時点の単体ベースの貸出金残高の約11%を占めており、大口債務者による債務不履行があった場合、又は大口債務者の一部若しくは複数との関係に重大な変化が生じた場合には、当行の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 当行の国内及び海外の不動産業に対する貸出(不動産ノンリコースローンを除く)は、平成28年3月末現在、単体ベースで貸出全体の約9%を占めております。また、その他の業種に対する貸出で、不動産担保により保全されているものもあります。 当行の貸出は、不動産市況の悪化や不動産業界全体が低迷した場合には、不動産業界の債務者の信用力の悪化や、不動産で担保されている保全額の減少から、追加的な引当金が必要となったり、追加的なコストが発生する場合がありえます。 当行の国内及び海外の不動産ノンリコースローンは、平成28年3月末現在、単体ベースで貸出全体の約21%を占めております。不動産ノンリコースローンは、債務者の信用力ではなく、対象不動産から生じるキャッシュ・フローをその返済原資として債務の履行が担保されるもので、当行は、不動産賃料、空室率及び地価等のキャッシュ・フローに影響を及ぼす主なリスク要因等をモニタリングすることにより、リスク管理を行っております。 対象不動産の地域は、これまで主に東京を中心としておりましたが、近年は米国主要都市の案件も増加しており、当該地域における不動産市況の悪化等により、対象不動産からのキャッシュ・フローが当行の予想を超えて悪影響を受ける場合には、当行の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 (3)貸倒引当金が不十分となるリスクについて 当行は、過去の債務不履行発生状況、与信先の財務状況および保有する担保の価値ならびに景気動向に対する前提及び見通しなどに基づいて貸倒引当金を計上しております。特に、今後の管理に注意を要する大口の与信先等については、経済環境の悪化により貸倒費用が増加する可能性も勘案し、予防的に貸倒引当金を追加するなど、十分な水準の貸倒引当金を計上しております。しかしながら、当行の想定を超えて経済環境が悪化する等、当行の前提及び見通しを変更する必要が生じた場合、当行の与信先の財務状況が当行の想定を超えて悪化した場合、当行が保有する担保の価値が下落した場合、あるいは、その他の要因により予想を超えて当行に悪影響が及んだ場合、当行は貸倒引当金を増加させる必要が生じる可能性があります。 (4)海外向けエクスポージャーに関するリスク 当行の海外向けエクスポージャーは増加傾向にあり、貸出金全体に占める海外向け貸出(最終リスク国が日本以外、連結ベース)の割合は、平成28年3月末においては約33%になっております。なお、海外向け貸出の地域別状況については、北米向け貸出が約79%を占めており、残りはアジア向け及び高格付け国を中心とした欧州向けとなっております。海外において、財政状態の悪化や政治・経済の混乱等により、国・地域が債務不履行に陥る、あるいは、債権者に対して債務の再編や期限の延長等の支援を要請することを余儀なくされる場合、当行が保有するソブリンを含む海外向けエクスポージャーに悪影響がおよび、結果として当行の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。3.市場リスク (1)トレーディング及び投資業務における市場リスクについて 当行は、国内及び海外の債券、ファンド(ヘッジファンドを含みます。)、デリバティブ取引を含む多様な金融商品への投資・運用およびトレーディングを行っております。こうした業務からの収益は、金利、為替レート、債券価格、及び株式市場の変動等により影響を受けます。一例をあげれば、金利の上昇は、一般的に当行の債券ポートフォリオの価値に対して悪影響をもたらすこととなります。更に、当行が保有している国債その他債券について信用格付が格下げされた場合や債務不履行となった場合、また、これらの流動性が著しく低下してポジション調整が困難な場合には、当行の業績に悪影響が及ぶ可能性があります。 当行は、こうした業務において、意図せざる損失の発生を回避するべく、自らの体力に見合った健全なリスクテイクを逸脱せぬよう、管理体制の整備に努めております。しかしながら、例えば、当行では損失を限定するためにロスカット・ルールを設定しておりますが、市場がストレス環境にあるような状況では、ポジションを思うように縮小することが出来ず、損失を想定した範囲に限定することが出来なくなる場合があります。また、金融政策の変化その他の要因により、市場が当行の予想を超えて変動した場合、当行は予測を超えた損失を被る可能性があります。 (2)ローン債権等に対する投資に関連するリスクについて 当行は、債権売買取引及び証券化ビジネスにおいて、事業法人向けローン、住宅ローン、売掛債権、リース債権、不良債権及び仕組商品を含む様々な資産を取得し、それらの回収、売却、証券化等を行う際に、特定の種類の証券や信用リスクを有する特定資産を保有することがあります。当行が保有する資産やそれらの価値、市場規模、環境などは常に変化するため、こうした業務は本質的に環境に左右されやすい性質を有しております。当行保有資産の期待収益率が低下した場合、当行の業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。4.流動性リスク (1)資金流動性リスク 当行の多くの調達資金は順次満期を迎えるため、当行は、継続的に預金を受け入れ、債券を発行し、既存債務の借換を行い、また継続的に一定割合を短期資金で調達する必要があります。当行は、資金調達方法を分散・多様化させることにより、資金調達の安定性の確保・向上に努めておりますが、流動性リスクを完全に回避することはできません。これらの債務が、市場環境が不安定な状況において満期を迎えた場合、当行が許容できる条件で十分な資金を調達できるという保証はなく、再調達が首尾よくいかなかった場合には、当行の業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。また、当行の業績又は財政状態の悪化、信用の低下、格付機関による格下げ等のほか、外貨資金調達における制約、景気動向の悪化や金融システム全般の不安定化等により、当行が、営業上許容できる水準の利率で預金を獲得することができない場合や当行の流動性が制限された場合、当行は必要な資金を確保するために、より高い資金コストを負担し、あるいは、資産を圧縮すること等の対策をとる必要が生じ、業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。 なお、当行は平成18年4月に普通銀行に転換したことにより、平成28年3月末をもって金融債の発行を終了しましたが、平成27年9月より金融債と並行して普通社債の定期発行を開始しており、金融債から普通社債へのスムーズな移行を進めてまいりました。また近年、当行は個人のお客さまからの預金及び法人のお客様からの長期預金による調達の強化に注力しており、債券・社債による調達への依存度は低下してきております。平成28年3月末時点において、当行のコア調達(預金、譲渡性預金及び債券・社債の合計)に占める個人のお客さまからの調達比率が約6割となる一方で、負債残高に占める債券・社債の比率は約6%となっております。 また、バーゼル銀行監督委員会から、平成22年12月に「流動性リスク計測、基準、モニタリングのための国際的枠組み」の文書が公表され、国際統一基準行に対しては、流動性カバレッジ比率規制が平成27年3月末から適用されております。当行を含む国内基準行に対しては、平成28年4月末より流動性カバレッジ比率等のモニタリングが開始されております。こうした枠組みにより、将来的に当行の調達構造に影響が及ぶ可能性があります。 (2)市場流動性リスク 当行は、市場で取引される様々な資産やデリバティブを保有しておりますが、市場の混乱や取引の厚みの不足等により、市場での取引を行うことができない、または、著しく不利な価格での取引を余儀無くされることにより、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。5.オペレーショナル・リスク (1)リスク管理体制について 当行の業務の遂行には、オペレーショナル・リスクが伴います。オペレーショナル・リスクは、不適切な内部処理、役職員の過失や不正行為、システムの障害及びその他の外部で発生する事象等、様々な形で顕在化する可能性があります。また当行には法律・規制に関するリスクも存在します。当行はリスク管理体制の構築に多くの経営資源を投入し、適切なリスク管理態勢の構築に努めており、オペレーショナル・リスク管理についても、必要なデータやリスクの顕在化事象を把握し、アセスメントを実施してリスクを特定、評価し、リスクをモニタリング、削減、コントロールする態勢を整備しております。しかしながら、結果的にこの態勢が有効に機能せず、リスク管理が十分に効果的なものとはならない可能性があります。業務分野の拡大、新規分野の取り組みや環境変化等に応じた適切なリスク管理体制を構築できず、当行が予想外の損失を被る可能性があります。 (2)システム障害リスクについて 当行では、お客さまへのサービス提供や当行自身の業務管理、情報管理のため様々な情報システムを運営しております。これらの情報システムの安定的な稼動を確保するため、複数年度のIT投資計画に沿って、新規・更新投資や機器等の保守を実施しているほか、各情報システムの重要性等に応じたバックアップの取得や機器・回線の二重化等の対策を講じるとともに、不測の事態に備えたコンテンジェンシープランを策定しております。しかしながら、情報システムの新規開発や改修・保守作業における人為的な過失、事故等により、システム障害が発生し、場合によっては情報システムが適切に稼動しないリスクや、内部統制の維持や会計帳簿及び財務諸表の作成に関して問題が発生するリスクがあります。 また、当行は、中期的戦略の一環として、今後のビジネス戦略をより発展させるため、平成28年5月に勘定系システムを株式会社エヌ・ティ・ティ・データが運営する基幹勘定系システムアウトソーシングサービス「BeSTAcloud」に移行しました。一般に、新システムの稼動開始直後は、試験では確認しきれていなかった潜在的な不具合が顕在化する、あるいは、新システムの運用・保守作業における人為的な過失・事故等によるシステム障害が発生するリスクが高まります。当行は、新システムへの移行にあたり、各種試験の実施等により、新システムが想定どおりに稼動することを確認するとともに、不測の事態に備えたコンティンジェンシープランを策定し、システム障害が発生した場合にも影響を極小化できるようにするための体制整備に努めておりますが、かかる体制整備によってシステム障害を完全に防止できる保証はなく、発生した障害の内容等によっては、内部統制の維持や会計帳簿及び財務諸表の作成に関して影響が及ぶリスクがあります。 当行の新勘定系システムであるBeSTAcloudは、現用システムを愛知県名古屋市に設置されたデータセンターに、災害対策用のコンピュータ機器を福岡県福岡市に設置されたデータセンターにそれぞれ収容し、遠隔地の2センター体制としております。勘定系システム以外の自行システムに係る情報システムセンターについても、メインセンターを東京都府中市に、バックアップセンターを東京都江東区に設置し、重要な情報システムに係る機器等の二重化を実施しておりますが、首都圏に地震が発生した場合、メインシステムセンターとバックアップセンターの両サイトが被災するリスクがあります。当行の情報システムは、予備設備を備える等の冗長化対策が施されておりますが、これらの機能が十分であるという保証はありません。更に、当行のバックアッププランは、サービスの中断時に生じる恐れのある偶発事象に対処できるものではない可能性があります。 当行の情報システムの動作不良は、自然災害やその他の理由にかかわらず、顧客との関係を毀損し、訴訟や行政処分を招来し、また、その他の理由により当行の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 この他、当行は、お客さま向け情報提供のためにホームページを、お客さま向けチャネルとしてインターネットバンキングサイトをインターネット環境で提供しております。また、当行業務遂行に必要なWebサイト閲覧やメール送受信のため当行システムをインターネット環境に接続しております。インターネットに接続するシステムとして必要な安全対策は実施していますが、サイバー攻撃の高度化によりこれらのサービスが停止したり、当行業務遂行に影響が発生する可能性があります。 (3)外部業者により提供を受けている重要なサービスについて 当行は、業務にとって重要である多くのサービスについて外部業者を利用しております。外部業者の利用に際しては、妥当性の検証、外部業者の適格性検証、利用中の継続的な外部業者管理等の方策を講じておりますが、地震その他の自然災害やその他の事情により、それらの外部業者のサービスが停止した場合、又はそれらのサービスに問題が生じた場合に、当行が同様の条件で同種のサービスをタイムリーに提供できる外部業者を見出すことができるとは限りません。その場合、当行の営業が中断し、当行の業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、業界又はその他の状況の変化により、外部業者が当行に対するサービスの料金を引き上げることも考えられ、その場合には、当行の業績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4)個人情報等の流出等のリスクについて 近年、企業や金融機関が保有する個人情報等の流出という事態が、数多く発生しています。当行では、個人情報等の流出等防止のためのさまざまな方策を講じておりますが、当行が保有する個人情報等について、役職員等若しくは委託先の人為的なミスによる流出又は内部若しくは外部からの不正アクセスが発生し、流出した情報が不正に使用されることを完全に防止することはできません。こうした事態が発生した場合、当行はその責任を負い、民事責任等を問われ、あるいは、監督機関の処分を受ける可能性があります。更に、そうした事故が発生することにより、当行の業務及びブランド力に対する評価や当行に対する顧客や市場の信認に悪影響が及ぶ可能性があります。 (5)災害等に対する危機管理及び業務継続に関するリスク 地震、台風等の自然災害や事故、テロ、サイバー攻撃等による被害、新型インフルエンザ等感染症の流行や放射能汚染などの外的要因等により、当行グループの機能の全部又は一部が停止するおそれがあります。 当行は、かかる事象が発生した場合においても、業務継続を可能とすべく業務継続計画等の策定、バックアップオフィスの構築等、危機管理体制整備を行うとともに、訓練等を実施し、継続的に実効性向上を図るよう努めております。 しかしながら、かかる努力によってもあらゆる事態に対応できるとは限らず、当行グループの業務運営、業績及び財政状態への悪影響を回避しきれない可能性があります。 (6)人事上のリスク 当行では、中長期の経営戦略の方向性や年度の業務運営計画を踏まえて人員計画を策定していますが、当行を取り巻く経済・業務環境に大きな変化が生じた場合には、業務の運営と合わせて人員計画についても見直しが必要となります。また、当行は、各従業員に対する公平な評価・適切な処遇の実施に努めていますが、すべての従業員がその結果に納得するとは限りません。以上を含め、今後の業務展開に大きな変動が生じる場合には、当行グループにおける人事組織運営において支障が生じる可能性があります。また、業務遂行上必要な要員が不足する場合には、当行グループの業績及び財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)係争中の訴訟について 当行は、当行グループ全体の訴訟について一元的に管理を行い、グループの法務リスクの極小化に努めており、現在のところ経営に重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟案件はありません。しかし、当行グループは銀行業務を中心に各種金融サービスを提供しており、このような業務遂行の過程で、損害賠償請求訴訟等を提起されたり、損害に対する補償をしたりする可能性があります。このような訴訟等の動向によっては、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8)法令遵守違反発生に伴うリスクについて 当行は、法令等の遵守を徹底し、業務の適法性とともに適切性を確保するために、グローバルベストプラクティスのコンプライアンスを実現することを最優先とする企業文化の構築に取り組んでいますが、必ずしもこのような取り組みのすべてが有効に機能するとは限りません。お客さま情報の管理不備その他の事情に起因して、各種規制法の違反が発生するおそれや、お客さまとの多面的な取引の展開が優越的地位の濫用とみなされるおそれもあります。このように今後仮に法令違反等が発生した場合には、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)金融犯罪発生のリスクについて 当行は、口座を開設され取引を行うお客さまの本人確認を厳格に行い、お客さまに振り込め詐欺の注意喚起をするなど、口座不正利用を防止することにより、お客さまの取引の安全と口座の保護に取り組んでいます。また、新規の取引に先立ち、反社会的勢力等との関係等に関する情報の有無を確認するなど、反社会的勢力とのあらゆる取引を排除すべく必要な手続きを行っています。しかし、当行の厳格なチェックにもかかわらず、反社会的勢力との関係を持つ者が口座を開設するなどの可能性があり、またこれらの者等が自らの口座を詐欺的に使用したり、資金洗浄や租税回避行為又は他の不正行為を行う可能性もあります。また、大規模な金融犯罪が発生した場合には、その対策にかかるコストやお客さまへの補償のほか風評等により、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10)従業員または外部者による不正や過失等によって損失が発生する可能性について 当行は、上記のリスク以外にも、当行の従業員又は外部者による不正、懈怠及び過失によって損失を被る可能性があります。当行では、従業員に対して社内規定等の適正な運用の徹底を図っておりますが、当行の従業員が、あらかじめ許容された範囲を超え、また、許容できないリスクのある取引を実行したり、規定等に反する行為を隠蔽したり、秘密情報を不適切に使用・漏えいしたり、顧客に対する詐欺的誘引行為又はその他顧客の信頼を損う行為を行う可能性があります。また、盗難若しくは偽造されたキャッシュカードが使用されることによって、当行が顧客に対する賠償責任を負担する可能性なども存在します。従業員又は外部者による不正や過失等を防ぐため、当行では、コンプライアンス体制を強化しておりますが、このような行為の結果、当行が行政上その他の制裁を受け、又は当行の評判が毀損される可能性もあります。(11)風説・風評の発生による悪影響 当行や金融業界等に対して、その信頼を毀損するような風説・風評が発生し拡散した場合に、当行の株価や業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。6.自己資本にかかるリスク (1)自己資本比率規制について 当行は、平成28年3月末時点において連結自己資本比率11.03%(バーゼルⅢ国内基準ベース)と十分な水準を維持しております。当行は現在、国内基準に基づき、4.0%以上の自己資本比率を維持することが求められておりますが、海外での銀行業務の開始が認められる場合には、国際統一基準に基づき8.0%以上(資本保全バッファーを除く)の自己資本比率を維持することが求められます。自己資本比率を維持できなくなった場合、行政措置が課され、当行の業務遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。将来、当行の自己資本比率に影響を及ぼす可能性のある要因には以下の事項が含まれます。 • バーゼルⅢによる自己資本比率規制の強化については、当行を含め国内基準行に対しては、平成26年3月から段階的に導入されており、グランドファザリング措置(既存の取扱いを一定期間認める措置)の期間を経て平成41年3月より完全実施となる予定です。こうした自己資本比率規制の強化により、当行の自己資本比率が現行水準より低下する可能性があります。なお、国際統一基準行に対しては平成25年3月から段階的に導入されており、グランドファザリング措置の期間を経て平成31年3月より完全実施となる予定です。また、わが国における実施内容が未確定であるバーゼルⅢの項目としてレバレッジ比率規制の導入がある他、バーゼル銀行監督委員会においてはリスク・アセットの計測方法の見直し等、更なる規制強化も検討されており、一部項目については今後の導入が決定しております。今後も、健全性を維持しつつ資本の効率的な活用に努めるとともに、グローバルな自己資本比率規制強化の方向性等を踏まえ、自己資本の更なる充実を図ってまいりますが、将来における当行の利益水準、リスク・アセット水準の変動その他の要因によっては、当行の自己資本比率が当行の想定を下回る可能性があります。· 上記のとおり、現状当行は十分な水準の自己資本比率を維持していますが、今後魅力的な買収・合併の機会がある場合には、当行はそうした買収・合併の機会を追求するべく追加資本を積み増す必要が生じる可能性があります。 7.当行の財務に関するリスク (1)信用格付の低下が当行の業績に悪影響をもたらす可能性について 格付機関により当行の格付が引下げられた場合、インターバンク市場での短期資金調達あるいは資本調達等においてより不利な条件で取引を行わざるを得なくなる若しくは取引そのものが行えなくなる可能性があります。また、デリバティブ取引等の一定の取引行為が制限され若しくは行えなくなる可能性があるほか、現在締結しているその他の契約を解消される可能性もあります。このような事象のいずれもが、当行の財務や業務の執行に悪影響を与え、業績や財政状態に不利な影響を与える可能性があります。 (2)退職給付制度及び年金資産に関連するリスクについて 当行の年金資産の時価が下落した場合や、年金資産の長期期待運用収益率が低下するなど退職給付債務に関する予測計算の前提条件に変更が生じた場合には、退職給付費用が増加する可能性があります。また、当行の退職給付制度の変更により、退職給付債務が追加的に発生する可能性がある他、金利状況の変化や会計基準の変更その他の要素によって、退職給付債務が増加したり、年度ごとの退職給付費用が増加する可能性があります。 (3)繰延税金資産に関するリスク 当行では、繰延税金資産は概ね将来5年間の課税所得の見積額等に基づき計上しております。将来、更なる実効税率引下げ等の税制改正や課税所得の見積額の変更等によって繰延税金資産の取崩しが必要となった場合に、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。8.日本の金融サービス業界に関連するリスク (1)日本及び世界の経済状況が自然災害によるものを含めて悪化することで当行が受ける悪影響について 当行の業績は、日本国内だけでなく世界的な金融経済環境の状況に大きく影響されます。平成19年の米国サブプライムローン問題等に端を発した世界的な金融・経済問題や、平成22年以降の欧州政府債務危機問題、並びに平成23年3月の東日本大震災等を経て、世界経済は緩やかな回復基調にありましたが、現在は地域紛争やテロへの懸念に加えて、資源国を中心とした新興国経済の低迷が続き、先進国では潜在成長率をやや上回る水準での成長に留まるものと見込まれます。また、わが国においても景気は緩やかな回復基調が続きましたが、マイナス金利政策の効果が出るまでには時間が掛かる等、国内外の経済は依然として先行きに不透明な部分が残されています。 このような環境下、日本及び世界の金融市場や経済の状況が自然災害による原因も含めて再び悪化し、又はその回復が遅れた場合、金融資本市場における信用収縮の動き、債券・株式市場や外国為替相場の大幅な変動、景気の停滞や悪化に伴う地価や株価の下落、企業倒産や個人の破産の増加等により、貸出資産の劣化や業務の停滞が生じ、当行の資金調達や業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (2)日本の金融サービス市場の競争激化について 人口減少や高齢化等により、わが国の金融サービス市場の競争環境は厳しさを増しております。当行は、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行に比べ優位に立つと考えられる企業も存在しております。当行の主要な競争相手には以下のものが含まれると考えております。· 国内大手銀行グループ:三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ及び三井住友フィナンシャルグループは、資産、顧客基盤、支店数、及び従業員数などの様々な面において、当行に比べ相当に大きな規模を有しております。また、これらの銀行グループは、子会社又は関係会社として証券会社をはじめとした様々な機能を有しており、当行同様その収益源を多様化する戦略を採っています。· 主要な投資銀行:国内外の投資銀行との間でも当行は、コーポレートアドバイザリー業務及び投資業務などさまざまな事業分野において、競争関係に立っています。· その他の金融機関:信託銀行、りそな銀行、新生銀行、インターネットバンク及び地方銀行等が含まれます。· ゆうちょ銀行、政府系金融機関:日本郵政公社から貯金業務を引き継いだゆうちょ銀行は依然としてわが国最大の預貯金総額を有しております。この他、当行は日本政策投資銀行等の政府系金融機関とも競争関係にあります。· その他の金融サービス提供者:当行又は当行の子会社、関連会社は、債権回収会社等、プライベート・エクイティ・ファンド及びその他の金融サービス業者とも競争関係にあります。 当行は、国内金融サービス市場をめぐる競争の一層の激化、統合の進展を予想しており、当行が現在又は将来の競合他社と効果的に伍していけるという保証はありません。これまで当行は、貸出やシンジケートローン、DIPファイナンス及びコミットメントラインの供与、投資信託の販売等で手数料等の収入を増加してまいりましたが、競争の激化がこれらの手数料の低下を招き、収益の低下を招く恐れもあります。また、当行は貸出金利及び預金金利の面でも競合他行と競争関係に立たされており、競争の激化が貸出金利の低下及び預金金利の上昇を促し当行の収益性を圧迫する可能性もあります。 (3)金融機関として広範な規制に服していることについて 当行は、金融機関として、広範な法令上の制限及び政府機関による監督を受ける立場にあります。更に、当行並びに当行の子会社及び関連会社は、金融当局による自己資本比率規制その他の銀行としての業務規制のほか、銀行業以外の業務範囲についての制限を受けており、こうした制約から、ビジネスチャンスに対し適時に対応することが困難となる可能性があります。 当行は、業務全般及び貸出資産分類に関して金融庁などの政府機関により検査を受けております。仮に当行が、関連法規及び規制の違反を犯したような場合には、行政処分の対象とされ、また当行の評価が悪影響を受ける可能性があります。 (4)各種の規制及び法制度等の変更について 当行は現行法による規制に従って業務を遂行しておりますが、当行が国内外において業務を行うにあたって適用されている法律、規則、政策、実務慣行、会計制度及び税制等が変更された場合には、当行の業務運営に影響を与え、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。しかし、これらの事項の変更及びそれによる影響を予想することは困難であり、当行がコントロールしうるものではありません。 金融庁及びその他の監督当局は、銀行がお客さまに提供しているデリバティブ商品やこれに類するリスク特性を持つ複雑な投信・保険商品・仕組債・仕組預金などのデリバティブ関連商品の販売に関する監視や調査を近時強化するとともに、規制上及び監督上の追加措置もとっています。銀行は、従来より、リスク性商品全般の販売に際しては、お客さま毎の金融知識、経験、財産の状況及び取引目的に応じて商品の性質や詳細について適切な説明を行ってまいりましたが、デリバティブ関連商品については、一般に、普通の預金や有価証券取引等に比べ、商品の仕組が複雑であるとともに、普通の預金や有価証券取引等とは異なるリスクが伴うため、より一層お客さまのニーズや属性に即したきめ細かな販売運営態勢の確保が必要となっています。また、現状の法規制におけるこの種の金融商品の取扱いには必ずしも明確でない部分がある可能性もあります。今後、更に、このような法規制又は金融庁の指導に対応していく結果として追加のリスク管理が必要になる場合には、当行の経費負担が増加する可能性があります。このような追加で必要になる管理もその性質によっては、当行の業務範囲を制限することにもつながる可能性があり、結果として当行の業務や業績及び財政状態にも悪影響を及ぼす可能性もあります。 また、いわゆるリーマン・ショックに端を発する金融危機以降、国際的な金融規制改革が進展しており、バーゼルⅢの規制に加えて、各国における法規制、例えば、銀行業務の範囲の制限に関する規制や、銀行業務以外の金融業に対する規制等の実施が、予定あるいは検討されています。これらの規制が日本において適用された場合、また当行ならびに当行子会社等が行っている海外業務において適用された場合には、当行の業務範囲が制限される可能性や、追加的な管理コストが必要となる可能性があります。 (5)金利変動によるリスクについて 当行の収益は、貸出金、有価証券等の有利子資産による資金運用収益と、預金、債券等の有利子負債にかかる資金調達費用との差額である資金利益による部分が大きな割合を占めます。有利子資産と有利子負債では満期や金利設定条件等が異なるため、金利の変動は、有利子資産による資金運用収益と有利子負債にかかる資金調達費用に対し同等の変化をもたらすとは限らず、金利の変動により、当行の収益性が悪影響を受ける可能性があります。また、金利が上昇した場合には、貸出金への需要が低下する可能性がありまた、変動金利で借り入れている債務者の一部に、増加した金利負担に耐えられなくなる債務者が現れ、不良債権の増加をもたらす可能性があります。このような状況は、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、平成28年1月に、日本銀行が「マイナス金利付き量的・質的緩和」の導入を決定した結果、市場金利が一段と低下しております。このような状況が続いた場合、もしくは、マイナス金利の更なる引き下げが行われた場合には、当行の業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。9.その他(1)財務報告に係る内部統制に関するリスク 当行は、金融商品取引法に基づき、財務報告に係る内部統制の有効性を評価した「内部統制報告書」の提出、及びその評価内容について監査法人の監査を受けることが求められております。 当行グループは、財務報告に係る内部統制の整備・運用を行っており、有効性を評価する過程で発見された事項は速やかに改善するよう努めております。 しかしながら、改善が不十分な場合や経営者が内部統制を有効と評価しても監査法人が開示すべき重要な不備があると評価するような場合があり、当行グループの財務報告の信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。(2)能力のある従業員の雇用について 当行は、当行の事業戦略を遂行する上で、豊富な経験と専門的な知識を有する従業員を雇用することが重要と考えております。また、当行は従業員に対し、各業務分野での研修を実施し、従業員の知識・能力の向上に努めております。しかしながら、ビジネスやITその他の分野における高度な能力をもった人材の確保は、他の銀行に加え、投資銀行、その他の金融サービス業者とも競合しており、当行が有能な人材を採用・育成し、且つ定着させることができるとは限りません。(3)重要な経営陣への依存について 当行では、経営陣の業務遂行についての能力が、今後の当行の事業の成否に関する重要な要因となるものと考えております。これらの経営陣が退社することにより、当行の事業遂行が悪影響を受け、また事業戦略の実施能力が低下する可能性があります。