8285

三谷産業(8285)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

三谷産業グループは、化学品、樹脂・エレクトロニクス、情報システム、空調設備工事、住宅設備機器、エネルギーの6つの主要事業を展開しています。化学品関連では無機・有機化学品販売や機能性材料の受託製造、情報システム関連ではシステムインテグレーションやクラウドサービスを提供。空調設備工事では設計・施工、住宅設備機器では住宅機器の販売・設計・施工を行っています。多岐にわたる事業を通じて、幅広い産業と生活基盤を支えることで収益を上げています。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

三谷産業グループの事業セグメントは、主に7つで構成されています。売上高では「化学品関連事業」が401.57億円と最も大きく、次いで「空調設備工事関連事業」が195.69億円です。営業利益では「空調設備工事関連事業」が22.46億円と最も利益を上げており、稼ぎ頭と言えます。「情報システム関連事業」も101.79億円の売上で9.61億円の営業利益を計上しています。「住宅設備機器関連事業」は129.37億円の売上に対し、4.69億円の営業損失を計上しています。各セグメントは化学品の販売、金型・樹脂成形品の製造、システム構築、空調設備工事、住宅機器の販売・施工、石油製品・LPガス販売など多岐にわたります。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
AirConditioningSystems 事業 196 22 11.5%
InformationSystems 事業 102 10 9.4%
ResinElectronics 事業 115 8 6.6%
Chemicals 事業 402 5 1.2%
Energy 事業 71 4 5.1%
HousingEquipment 地域 129 -5 -3.6%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,201 文字
3【事業の内容】当社グループ(当社および当社の関係会社)は、当社、子会社24社ならびに関連会社6社から構成されており、主な事業内容は、化学品関連、樹脂・エレクトロニクス関連、情報システム関連、空調設備工事関連、住宅設備機器関連、エネルギー関連であります。セグメントといたしましては、上記6事業にコンピュータ・事務機器等に使用する消耗品の販売等その他を加えた7事業であります。当社グループのセグメント別の主要取扱商品およびセグメントと当社グループの状況を事業系統図によって示すと以下のとおりであります。 各セグメントの主要取扱商品事業区分主要商品化学品関連事業化学品の販売(塩酸、硫酸、苛性ソーダ、その他無機・有機化学品)、機能性材料の受託製造・販売(健康食品素材、機能性樹脂、触媒、医薬・農薬中間体、電子材料、食品添加物)、医薬中間体・医薬品原薬の製造・販売、健康食品の販売、化学品・環境に関わるコンサルティング・コーディネーション、樹脂材料の販売樹脂・エレクトロニクス関連事業金型の設計・製造・販売、樹脂成形品の製造・販売、電子部品の製造・販売(セラミック基板、半導体製品等)情報システム関連事業システムインテグレーションサービス、パッケージソフトウエアの開発・販売、ネットワーク・セキュリティ等の情報インフラの構築、ハードウエアの保守、システムの保守・運用サポートサービス、アウトソーシングサービス(ホスティング・ハウジング・データ保管・バックアップサービス・クラウドコンピューティングサービス)空調設備工事関連事業空調設備・給排水衛生設備・クリーンルーム・消防設備の設計・施工、電気工事・内装工事の設計・施工、リニューアル物件の設計・施工(オフィスビル、マンション、ホテル、工場、病院、老健施設等)住宅設備機器関連事業住宅機器の販売・設計・施工(ユニットバス、システムキッチン、洗面化粧台、造付家具等)、空調機器の販売・設計・施工、システム収納・システムキッチン・洗面化粧台等の開発・製造・販売・設計・施工、家具の開発・製造・販売、浴室空間の企画・設計・開発・製造・販売エネルギー関連事業石油製品(A重油、C重油、灯油、軽油、ガソリン、再生油等)の販売、LPガス・家庭用燃料電池・太陽光発電システムの販売その他コンピュータ・事務機器等に使用する消耗品の販売、移動体通信機器の販売、名刺・カード印刷、旅行代理店、オフィスビル等の保全管理、人材派遣、ベトナムグループ会社の業務管理・人事労務管理 事業系統図  (注)1.無印は連結子会社であります。2.※1は複数の事業に跨っている連結子会社であります。3.※2は非連結子会社で持分法非適用会社であります。4.※3は関連会社で持分法適用会社であります。5.※4は関連会社で持分法非適用会社であります。6.※5は複数の事業に跨っている関連会社であります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
高付加価値・高利益率の製品・商品・サービスの開発を推進しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
医薬品医療機器等法をはじめ多岐にわたる法令・規制、各種許認可が必要。
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:情報セキュリティリスク / 投資有価証券の時価または実質価額変動 / 法的規制の変更
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

三谷産業は特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPを保有しているという顕著な証拠は見当たらない。事業内容は化学品、合成樹脂、情報システムなど多岐にわたるが、いずれも競争環境が激しく、無形資産による明確な優位性は確認しにくい。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

化学品や合成樹脂の卸売においては、長年の取引関係や特定の顧客ニーズへの対応力から一定のスイッチング・コストが存在する可能性がある。しかし、情報システム分野では、技術革新が速く、顧客がより優れたソリューションへ移行する可能性も否定できないため、スイッチング・コストは限定的と考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

三谷産業の事業モデルは、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果を生み出す構造ではない。卸売業やシステムインテグレーション事業において、プラットフォーム型のビジネスモデルを採用していないため、ネットワーク効果は期待できない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

化学品や合成樹脂の卸売において、長年の取引による仕入れ価格交渉力や効率的な物流網の構築により、一定のコスト優位性を持つ可能性はある。しかし、業界全体として価格競争も存在し、構造的な圧倒的コスト優位性を示す証拠は乏しい。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

三谷産業は化学品、合成樹脂、情報システムなど複数の事業領域で一定の規模を確保している。特に化学品・合成樹脂分野では、特定の地域や製品群において、一定の市場シェアと規模の経済を享受している可能性がある。しかし、業界全体を寡占するほどの圧倒的な規模とは言えない。

三谷産業グループは、多角的な事業展開により、特定の市場変動リスクを分散しています。情報システム事業においては、長年の実績と高いセキュリティ基準(ISO27001、AAAis格付、金融機関安全対策基準認証)を保持し、顧客の機密情報保護とシステム安定稼働を強みとしています。また、多岐にわたる事業で培った専門知識と技術力、そして各事業における許認可の取得・維持は、新規参入障壁となり、安定的な事業運営を支える優位性となっています。顧客のニーズに合わせた製品・サービスの導入から運用支援まで一貫して提供できる点も強みです。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当企業集団の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業集団が判断したものであります。 (1)経営の基本方針当社および当社連結子会社(当企業集団)は、以下の方針を掲げ経営目標を達成すべく取り組んでまいりました。・お客様とのビジネスを軸に、仕入先、地域社会、株主、社員・役員といった関係者間で調和を作り上げていくこと。・お客様からの要望にそのまま応えるのではなく、当企業集団の知識や技術を活かし、短期的な課題解決と中長期的な価値創出、さらに社会の持続的な発展においてバランスのとれた真の最適を追求すること。・分野と分野、あるいは業界と業界の交差点に立つことによって、お客様のイノベーションを促進する役割を担い、さまざまな業界をつなぐネットワークの中で、重要な結び目になること。・複数の事業セグメントにわたって、それも単なる商社ではなく、時にはメーカーであったり、時にはコンサルタントであったりと、複数のレイヤーでビジネスを展開すること。また、当社は財務的な経営指標との両輪をなす非財務的な側面における経営指標として「Company Well-being Index(カンパニー・ウェルビーイング・インデックス)」を策定しております。長期的視野で持続的に事業を成長させながら価値創出・社会貢献する“良い会社”であり続けることを目指して、財務的側面と非財務的側面からバランスのとれた経営を推進してまいります。なお、「Company Well-being Index」については、以下の当社ウェブサイトにて詳細を開示しております。 (2)経営環境わが国経済は、継続的な賃上げを背景とした景気の持ち直しの動きがみられるものの、物価の上昇や金融政策の見直しによる金利の上昇、海外経済の減速懸念、各種コストの高止まり等により、経済動向の先行きについては引き続き注意が必要な状況にあります。また、米国の関税政策動向や中東情勢などの地政学的リスクが高まる中、経営環境は依然として不透明な状況が続いております。本有価証券報告書提出時点における当企業集団の業績に与える中東情勢の影響について検討を行い、その影響を業績予想に織り込んでおります。前提条件としては、現時点で把握できている事実を踏まえ、一時的な混乱は上期には収束し、下期には通常の状態に戻ると想定しております。なお、各関連事業への影響は以下のとおりです。①空調設備工事関連事業サプライチェーンを取り巻く外部環境の影響により、資材調達の一時的な混乱と一部の案件における短期的な延伸が発生しております。一方で、資材調達の多角化をすすめ、関連する事業パートナーとの連携を強化しており、一定の成果も見えていることから、その影響は最小限に抑えられると見込んでおります。②樹脂・エレクトロニクス関連事業当事業は自動車部品等の製造をベトナム等で行っており、材料の一部はホルムズ海峡を経由して調達しておりました。しかし、ホルムズ海峡の状況を踏まえ、調達先を切り替えるなど材料の確保に努めております。その結果、今後数か月においては、必要量を確保できる見込みが立っております。長期的な安定調達にはいまだ課題が残っておりますが、当企業集団の商社機能等を有効に活用し対応してまいります。③情報システム関連事業当事業は、中東情勢による直接的な影響を受けにくい構造になっており、業績への影響は小さいと認識しております。④化学品関連事業当事業は、主に日本国内およびベトナムの製造業向けに資材の仕入販売を行っております。資材は世界各国から調達しており、一部にホルムズ海峡を経由するものがありますが、取扱量は限定的であるため、業績への直接的な影響は軽微と見込んでおります。一方で、当事業は、世界各国の製造業の稼働状況や物流環境の変動により需給両面で影響を受けやすい事業構造にあります。そのような中においても、複合商社としての強みを活かし、顧客への資材の安定供給および調達困難な資材への対応に取り組んでおります。また、当事業では、化学分野に強みを持つパートナー企業との協業により、独自のリサイクルビジネスを展開しております。昨今の資材価格の高騰を受け、これまで経済性の面から活用が低迷していたリサイクル技術の再評価も進めており、こうした環境変化を事業機会と捉え、リサイクル技術の活用拡大を通じて収益性の向上と持続可能な社会への貢献を目指してまいります。 ⑤エネルギー関連事業当事業は、民生用LPガスと石油製品の仕入販売を行っております。民生用LPガスについては、中東情勢の影響を受けにくい事業構造です。石油製品については、国内の元売り企業からの仕入れを行っております。この元売り各社とともに、ホルムズ海峡の状況を注視しつつ調整を進める中、今後数か月間においては一定量を確保できる見込みが立っております。石油製品の仕入販売は、当企業集団においてホルムズ海峡の通行状況の影響を受ける可能性が最も高い事業です。法人顧客の事業継続や個人顧客の生活に大きな影響を与える重要なインフラ事業であることの重要性を踏まえ、安定供給に努めております。⑥住宅設備機器関連事業当事業は、住宅設備機器の仕入販売・自社製造・設置工事のほか、オフィスやホテル、マンション等の内装工事を行っております。仕入販売については、国内外の複数メーカーとの取引基盤を有しており、一部で受注調整はあるものの、供給が全面的かつ長期的に停止する状況には至っておりません。自社製造については、中東情勢の影響は顕在化しておらず、業績への影響は軽微と認識しております。設置工事および内装工事については、調達環境の変化や建築プロジェクトの遅延等が生じる可能性があり、現時点で想定される影響は業績予想に織り込んでおります。今後の中東情勢の動向次第では、各関連事業におけるエネルギー市況、原材料価格および物流環境等にさらなる影響が及ぶ可能性があります。引き続き関連する外部環境を注視し、業績に重要な影響が見込まれる場合には、速やかに開示を行う方針です。 (3)次期(2027年3月期)の業績見通し当企業集団の経営上の目標を達成するための客観的な指標は、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益であります。次期の連結業績については、売上高は1,130億円(前期比3.9%減)、営業利益は30億円(前期比11.2%減)、経常利益は39億円(前期比13.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は26億円(前期比28.3%減)と予想しております。なお、引き続き、政策保有株式の売却等を含む資本効率向上の取り組みを継続する方針でありますが、その実施時期や規模は未確定であるため、業績予想には織り込んでおりません。 次にセグメント別の今後の重点施策について説明申しあげます。 <空調設備工事関連事業>当事業が属する建設業界においては、マンションやビルの新築需要およびリノベーション需要が堅調に推移すると見込まれています。一方で、原材料価格やエネルギーコストの上昇、物流費の高騰等を背景とした建設コストの上昇が続いていることに加えて、就業者の高齢化や若年層の入職者不足を背景とした慢性的な人手不足および時間外労働の上限規制により、生産性向上や業務効率化への対応が求められています。また、省エネ・脱炭素化の潮流を背景とした環境配慮型建築物への対応も重要な課題となっています。このような中、当事業では、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)への対応やICT・IoTを活用した高効率な空調設備の提案等、当社グループの総合力や複合力を活かした付加価値の高い提案に努めることで競争優位性を高めてまいります。また、現場作業が中心のためデジタル化が難しい建設業界において、DX(デジタルトランスフォーメーション)に積極的に取り組んでおります。ICTを活用した業務の合理化・効率化により働きやすい職場環境の実現を図るとともに、現場業務を通じて得られる知見やノウハウ・データの蓄積を進めております。さらに、AI技術の進化に対応し、建設工程の生産性向上や品質向上に資する取り組みを推進してまいります。①北陸地区においては、長年培ってきた建築設備ノウハウと幅広いソリューションの複合提案を強みに受注拡大を図ってまいります。また、修理や点検に関するお客様の課題解決につながる保守サービスの提案を拡充し、安定した受注の確保に努めてまいります。②首都圏においては、建築・設備・電気のトータル施工が可能な総合力を強みに、高付加価値な提案に注力してまいります。また、当社グループの複合力を発揮できる案件の発掘・獲得に努めることで収益力の向上に取り組んでまいります。③建設業の設計・積算を行うベトナム子会社のAureole Construction Software Development Inc.は、ベトナムにおいて最大規模の700名を超える技術者集団として、BIM関連業務を中心に各種データ作成業務の受注拡大を図ってまいります。BIM関連業務においては、BIMエンジニアリングセンターに所属する250名を超える経験豊富なBIM技術者のもと、高い技術力と組織力を活かしたBIM全工程での包括的な提言・提案に取り組んでまいりました。その成果として、再開発事業や物流施設、データセンター等を対象としたモデリング業務の受注が順調に進捗しており、複数のプロジェクトへの参画によりBIM対応力が着実に向上しております。今後も当社グループの強みを訴求する提案を継続し、市場での優位性の向上に努めることで、建設業界の変革を先導するリーディングカンパニーとして選ばれ続ける会社を目指してまいります。次期の業績については、売上高は前期比3.6%増の214億32百万円、営業利益は前期比0.9%減の23億円と予想しております。 <樹脂・エレクトロニクス関連事業>当事業の主要顧客が属する自動車業界においては、ガソリン車の需要は継続すると見込まれるものの、ハイブリッド車や電気自動車への移行を含めた電動化が中長期的に進展すると想定されており、各種の駆動系部品に対応するための高度な技術力が求められています。このような中、当事業では、既存ビジネスで培ったネットワークやこれまでの経験で蓄積した技術とノウハウを活かし、調達面および技術面での対応力の強化を図ってまいります。また、人の判断力や柔軟な対応力と機械の高精度・高効率な処理を適切に組み合わせ、人と機械が協調する体制を構築してまいります。さらに、より高難度の成形技術の確立に取り組むことで、高い付加価値を創出し、お客様に驚きと感動を提供してまいります。①自動車関連ビジネスでは、従来の仕様対応型の製品供給にとどまらず、製品開発の初期段階からお客様と協働するフロントローディング活動を通じ、課題解決型の技術提案を強化してまいります。また、ベトナム製造拠点においては、原価低減活動を推進するとともに、高難度の電動化関連部品の量産により一層取り組んでまいります。さらに、検査工程の工数削減と品質安定を両立させるべく、AIを活用した自動外観検査機の量産工程への適用を本格的に推進してまいります。②自動車関連以外のビジネスでは、自動車関連ビジネスで培ったノウハウを基盤とし、新たに獲得した成形・組立技術を融合することで、密封性が求められる検知器部品や自動インサート成形への展開を図ってまいります。成形から組立までを一体化した多工程自動化を推進するとともに、これらの技術を横展開することで、当事業における新たな収益基盤の確立を目指してまいります。次期の業績については、売上高は前期比3.9%増の127億9百万円、営業利益は中東情勢の影響に伴う原材料価格の上昇や物流コストの増加が見込まれることから、前期比41.8%減の8億40百万円と予想しております。 <情報システム関連事業>当事業が属する情報システム業界においては、生成AIやクラウドの進化、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、セキュリティリスクの増大といった事業環境の変化の中で成長機会が広がっています。特に昨今は、実務におけるAIの活用可能性が一層広がりを見せています。このような中、当事業では、これまでに当社グループで培ってきたAIの利活用を含む様々なノウハウやオリジナルソリューションを活かし、業務効率化のみならず、業務改革や事業モデル改革に関わる提言・提案を推進することで、お客様の持続的成長を実現するとともに、人手不足等の社会的課題の解決にも貢献してまいります。①2024年度より、お客様のデジタル技術の実装およびICTの活用を伴走支援する「バーチャルCxOサービス」を開始しております。近年、人手不足や業務効率化を背景にデジタル技術やAIの利活用が重要な経営課題として認識されている一方で、それらを活用してビジネスモデルや組織、業務プロセスの変革を主導する経営人材が不足しています。そこで当社が、お客様のCDO(Chief Digital Officer)やCIO(Chief Information Officer)の役割の一部を担い、デジタル化に関する経営課題を見極めたうえで、解決に向けたソリューションの提案・実装までを包括的にサポートし、お客様の変革を先導してまいります。また、AIの利活用提案については、当社グループ内で部門横断的に蓄積してきた実証事例をもとにお客様へ展開することで、多くのお客様から高い評価をいただいております。今後も当社は、AIの利活用を含め、お客様の経営課題の解決に資する提案を行い、受注拡大に努めてまいります。②石川・富山両県の全34自治体のうち26自治体からNEXTGIGAスクール※案件を受注したことを契機として、多数の自治体でICT環境整備を実施し、培ったノウハウをパッケージ化しました。当パッケージは、タブレット端末やパソコン等のハードウェアの納入およびセキュリティ環境整備にとどまらず、教育現場で必要とされるアプリやWEBサービスの提供、保守運用までを含めることで、教育現場の環境向上および教職員の皆さまの業務効率化を実現するものです。当社は本年4月より、公共・教育ソリューション事業部を新設しました。パートナー企業とも連携し、当パッケージを全国の教育機関へ展開してまいります。また、教育現場には、教育の高度化への対応や、気候変動を背景とした空調環境の整備といった課題があることも確認しております。今後は、ICT環境と空間デザインを融合させた新しい教室空間の提案や教室の二酸化炭素濃度・気流の可視化による学習環境改善等、複合商社である当社グループの強みを活かし、教育現場の総合プロデューサーを目指してまいります。 ※ 文部科学省が推進する、教育現場におけるICT活用を推進する「GIGAスクール」の第2フェーズのことで、教育現場におけるさらなるICTの活用や、更新時期を迎えた端末の整備が求められています。③グループウェアを基盤としたDXソリューション「POWER EGG®」については、お客様の業務をより円滑化するための機能強化版を継続してリリースするとともに、よりよいUI/UXを提供するためのメジャーバージョンアップにも取り組むことで、製品競争力の強化を図ってまいります。また、金融機関や民間企業等1,600社を超えるお客様への導入を通じて、経営意思決定迅速化や業務効率化の事例が当社グループには数多く蓄積されております。蓄積した事例をユーザ会で横展開し既存のお客様のさらなる生産性向上を支援するとともに、新規のお客様への提案にも活用することで売上拡大を図ってまいります。④プログラム開発不要でさまざまなクラウドサービスを効率的に連携させるFaaSインテグレーター「Chalaza®(カラザ)」ならびに印刷業向け基幹業務クラウドサービス「BRAIN」については、パートナー企業や業界団体等との協業体制を強化し、受注拡大を図ってまいります。⑤ベトナム子会社のAureole Information Technology Inc.においては、「mcframe」の開発元であるビジネスエンジニアリング㈱とのパートナー関係を深化させ、さらなる営業力・技術力の強化を図ることで、ベトナム国内でのパッケージソリューションの導入拡大に注力してまいります。また、日本市場向けのオフショア開発事業においては、エンジニアのマルチスキル化とAI技術の活用推進に取り組み、安定した受注と収益の確保に努めてまいります。⑥クラウド関連事業では、子会社のコンフィデンシャルサービス㈱において、堅固な地盤に立地した災害に強いデータセンターを最大限に活用してまいります。サイバー攻撃に対するセキュリティ対策や自然災害からの早期復旧への対応が課題となる今日において、パートナー企業とも協業し、お客様の事業継続性を向上させる安心安全で高品質なサービスの提供に注力してまいります。次期の業績については、前期にNEXTGIGAスクール案件の納入があったことから、売上高は前期比31.9%減の115億84百万円、営業利益は前期比1.2%減の14億2百万円と予想しております。 <化学品関連事業>当事業が属する化学品業界においては、原材料価格の変動への対応や安定供給実現の重要性が高まっています。また、脱炭素化の潮流や環境規制強化により、資源のリサイクルや有効活用等、循環型社会の実現に向けた取り組みも引き続き重要な課題となっています。このような中、当事業では、当社グループの長年の経験とこれまで培ってきた国内外の調達力を活かすとともに、環境との調和を意識した独自技術の開発・確立に取り組んでまいります。さらに、既存顧客およびパートナー企業が有する多様な機能や技術をつなぎ合わせ、顧客課題の解決に向けたイノベーションを創出してまいります。①国内における化成品販売については、業界再編に伴うサプライチェーン構造の変化を踏まえ、当社グループの強みである調達力を発展させるべく安定供給体制の強化に努めてまいりました。また、この変化に柔軟に対応し、新たな営業基盤を拡大してまいります。さらに、商社機能とメーカー機能の組み合わせによる顧客課題の解決に資する事業機会の創出を進めてまいります。②医薬品原薬については、品質管理を最優先し、GMP(Good Manufacturing Practice:医薬品の製造管理及び品質管理の基準)遵守に対する監視・牽制体制の維持、GMP教育の徹底、さらにはクオリティカルチャーの醸成や組織風土の改善活動を継続してまいります。 また、連続フロー法については、反応装置を連結することで原料の投入と同時に目的化合物を取り出せる効率性と、製造工程における危険性の高い物質に接触する機会を減らすことのできる作業安全性、加えて、省スペースで化学合成が可能で目的化合物を取り出すまでに必要なエネルギーまでも抑制できる環境調和性に優位性があることから、同製法の適用品目を増やすべく、産学官およびグループ内の他セグメントとの連携を進めるとともに、必要な設備投資を段階的に実施してまいります。 これらの活動により、高品質な医薬品原薬を安定的に供給するというメーカーとしての責務を果たしてまいります。③機能性素材の受託製造については、当社グループの調達力を活かすことで他社との差別化を図り、優位性を高めてまいります。また、新規開発素材に関する受託案件の獲得に注力し、収益性の向上を目指してまいります。さらに、今後の受注拡大を見据え、ベトナム子会社のAureole Fine Chemical Products Inc.が保有する工場の生産能力増強を進めるとともに、生産体制の強化を図ってまいります。④環境ビジネスでは、有価金属回収および排水処理について、顧客課題に即した技術の高度化や提案力の強化を通じて、資源循環および環境負荷低減に貢献してまいります。また、リサイクル炭素繊維においては、用途開発を推進することで新たな需要の創出を図ってまいります。⑤ベトナムにおける化成品販売については、営業エリアの拡大を図り、自社製造の高付加価値品の拡販に努めてまいります。また、日本の化成品ビジネスで培ったノウハウをベトナムにも展開し優位性を高めてまいります。次期の業績については、中東情勢の影響に伴う顧客の稼働減少が見込まれることから、売上高は前期比2.7%減の435億5百万円、営業利益は前期比13.2%減の8億21百万円と予想しております。 <エネルギー関連事業>エネルギー消費と環境負荷の低減のバランスが求められる現在、災害時における迅速な復旧力や社会全体における負担コストの適切性等、より広い視野に基づいたエネルギー源の選択の重要性が増しています。このような中、当事業では、「さまざまなエネルギー源の特性を踏まえ、地域における最適なエネルギー供給を実現する」という方針のもと、以下の取り組みを進めてまいります。①石油製品は、引き続き元売り会社との連携を図り、新規顧客獲得および既存顧客への提案活動を継続してまいります。また、パートナー企業や当社グループ間での協業を通じ、環境負荷の低減を目的としたエネルギー源の最適な組み合わせを提案するとともに、これに関連した機器設備の拡販に取り組んでまいります。②民生用LPガスは、賃貸住宅オーナーや賃貸管理会社、ハウスメーカー等を対象としたイベントの開催や定期的な情報共有を通じて、さらなる関係の強化を図り、集合住宅および戸建住宅での新規顧客獲得を推進してまいります。また、ガス販売にとどまらず、周辺機器の販売や工事受注の拡大、さらには販売エリアの拡大を図るとともに、独自サービス等を活用した付加価値の高い提案にも取り組んでまいります。③再生可能エネルギーは、パートナー企業との協業により展開している豊富なバリエーションのソーラーカーポートの全国での販売拡大に向け、展示会への出展や施工協力会社の拡充、当社グループ間での連携を活かした提案活動等、新たな受注獲得につながる取り組みを継続してまいります。次期の業績については、売上高は前期比2.9%増の79億10百万円、営業利益は前期比13.2%増の4億76百万円と予想しております。 <住宅設備機器関連事業>日本の住宅市場は、人口減少や金利上昇局面への転換、建設コストの上昇を背景に、新築住宅着工数は中長期的に減少傾向にある一方で、都市部を中心に高級住宅市場における需要は底堅い状況にあります。このような中、当事業では、これまでに培ってきた製品開発力と施工力を最大限に活用することで、既存ビジネスの高付加価値化を図るとともに、高級住宅市場の需要を捉えるブランド戦略を推進してまいります。当社グループには、高級バスタブの『JAXSON』『HIDEO』、システムキッチン・システム収納の『INTENZA®』、モジュラーファニチャーの『Tesera®』といった住宅設備機器の多様なブランドが存在します。これらブランドを、「美意識は、暮らしの細部に宿る」をコンセプトに、住宅設備機器各々が住空間に調和しつつ、一体として住まい全体の価値向上に寄与するプライムインテリアブランドとして再定義し、統合的なブランド戦略を推進してまいります。また、当コンセプトを体現する場として、昨年8月に石川県野々市市において「sosū select showroom」をオープンしております。当ショールームでは、当社グループをはじめ国内外から厳選したプライム住宅設備機器を展示しており、住空間に溶け込むことで生まれる価値を、実際の空間構成を通じてご確認いただけます。設計初期のインスピレーション創出から製品選定、施工・アフターケアに至るまでを一貫して支援し、プライム住宅設備機器のサプライチェーン構築を進めてまいります。次期の業績については、売上高は前期比5.3%増の152億46百万円、営業損失は2億90百万円(前期の営業損失は6億98百万円)と予想しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当企業集団の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業集団が判断したものであります。 (1)経営の基本方針当社および当社連結子会社(当企業集団)は、以下の方針を掲げ経営目標を達成すべく取り組んでまいりました。・お客様とのビジネスを軸に、仕入先、地域社会、株主、社員・役員といった関係者間で調和を作り上げていくこと。・お客様からの要望にそのまま応えるのではなく、当企業集団の知識や技術を活かし、短期的な課題解決と中長期的な価値創出、さらに社会の持続的な発展においてバランスのとれた真の最適を追求すること。・分野と分野、あるいは業界と業界の交差点に立つことによって、お客様のイノベーションを促進する役割を担い、さまざまな業界をつなぐネットワークの中で、重要な結び目になること。・複数の事業セグメントにわたって、それも単なる商社ではなく、時にはメーカーであったり、時にはコンサルタントであったりと、複数のレイヤーでビジネスを展開すること。また、当社は財務的な経営指標との両輪をなす非財務的な側面における経営指標として「Company Well-being Index(カンパニー・ウェルビーイング・インデックス)」を策定しております。長期的視野で持続的に事業を成長させながら価値創出・社会貢献する“良い会社”であり続けることを目指して、財務的側面と非財務的側面からバランスのとれた経営を推進してまいります。なお、「Company Well-being Index」については、以下の当社ウェブサイトにて詳細を開示しております。 (2)経営環境わが国経済は、継続的な賃上げを背景とした景気の持ち直しの動きがみられるものの、物価の上昇や金融政策の見直しによる金利の上昇、海外経済の減速懸念、各種コストの高止まり等により、経済動向の先行きについては引き続き注意が必要な状況にあります。また、米国の関税政策動向や中東情勢などの地政学的リスクが高まる中、経営環境は依然として不透明な状況が続いております。本有価証券報告書提出時点における当企業集団の業績に与える中東情勢の影響について検討を行い、その影響を業績予想に織り込んでおります。前提条件としては、現時点で把握できている事実を踏まえ、一時的な混乱は上期には収束し、下期には通常の状態に戻ると想定しております。なお、各関連事業への影響は以下のとおりです。①空調設備工事関連事業サプライチェーンを取り巻く外部環境の影響により、資材調達の一時的な混乱と一部の案件における短期的な延伸が発生しております。一方で、資材調達の多角化をすすめ、関連する事業パートナーとの連携を強化しており、一定の成果も見えていることから、その影響は最小限に抑えられると見込んでおります。②樹脂・エレクトロニクス関連事業当事業は自動車部品等の製造をベトナム等で行っており、材料の一部はホルムズ海峡を経由して調達しておりました。しかし、ホルムズ海峡の状況を踏まえ、調達先を切り替えるなど材料の確保に努めております。その結果、今後数か月においては、必要量を確保できる見込みが立っております。長期的な安定調達にはいまだ課題が残っておりますが、当企業集団の商社機能等を有効に活用し対応してまいります。③情報システム関連事業当事業は、中東情勢による直接的な影響を受けにくい構造になっており、業績への影響は小さいと認識しております。④化学品関連事業当事業は、主に日本国内およびベトナムの製造業向けに資材の仕入販売を行っております。資材は世界各国から調達しており、一部にホルムズ海峡を経由するものがありますが、取扱量は限定的であるため、業績への直接的な影響は軽微と見込んでおります。一方で、当事業は、世界各国の製造業の稼働状況や物流環境の変動により需給両面で影響を受けやすい事業構造にあります。そのような中においても、複合商社としての強みを活かし、顧客への資材の安定供給および調達困難な資材への対応に取り組んでおります。また、当事業では、化学分野に強みを持つパートナー企業との協業により、独自のリサイクルビジネスを展開しております。昨今の資材価格の高騰を受け、これまで経済性の面から活用が低迷していたリサイクル技術の再評価も進めており、こうした環境変化を事業機会と捉え、リサイクル技術の活用拡大を通じて収益性の向上と持続可能な社会への貢献を目指してまいります。 ⑤エネルギー関連事業当事業は、民生用LPガスと石油製品の仕入販売を行っております。民生用LPガスについては、中東情勢の影響を受けにくい事業構造です。石油製品については、国内の元売り企業からの仕入れを行っております。この元売り各社とともに、ホルムズ海峡の状況を注視しつつ調整を進める中、今後数か月間においては一定量を確保できる見込みが立っております。石油製品の仕入販売は、当企業集団においてホルムズ海峡の通行状況の影響を受ける可能性が最も高い事業です。法人顧客の事業継続や個人顧客の生活に大きな影響を与える重要なインフラ事業であることの重要性を踏まえ、安定供給に努めております。⑥住宅設備機器関連事業当事業は、住宅設備機器の仕入販売・自社製造・設置工事のほか、オフィスやホテル、マンション等の内装工事を行っております。仕入販売については、国内外の複数メーカーとの取引基盤を有しており、一部で受注調整はあるものの、供給が全面的かつ長期的に停止する状況には至っておりません。自社製造については、中東情勢の影響は顕在化しておらず、業績への影響は軽微と認識しております。設置工事および内装工事については、調達環境の変化や建築プロジェクトの遅延等が生じる可能性があり、現時点で想定される影響は業績予想に織り込んでおります。今後の中東情勢の動向次第では、各関連事業におけるエネルギー市況、原材料価格および物流環境等にさらなる影響が及ぶ可能性があります。引き続き関連する外部環境を注視し、業績に重要な影響が見込まれる場合には、速やかに開示を行う方針です。 (3)次期(2027年3月期)の業績見通し当企業集団の経営上の目標を達成するための客観的な指標は、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益であります。次期の連結業績については、売上高は1,130億円(前期比3.9%減)、営業利益は30億円(前期比11.2%減)、経常利益は39億円(前期比13.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は26億円(前期比28.3%減)と予想しております。なお、引き続き、政策保有株式の売却等を含む資本効率向上の取り組みを継続する方針でありますが、その実施時期や規模は未確定であるため、業績予想には織り込んでおりません。 次にセグメント別の今後の重点施策について説明申しあげます。 <空調設備工事関連事業>当事業が属する建設業界においては、マンションやビルの新築需要およびリノベーション需要が堅調に推移すると見込まれています。一方で、原材料価格やエネルギーコストの上昇、物流費の高騰等を背景とした建設コストの上昇が続いていることに加えて、就業者の高齢化や若年層の入職者不足を背景とした慢性的な人手不足および時間外労働の上限規制により、生産性向上や業務効率化への対応が求められています。また、省エネ・脱炭素化の潮流を背景とした環境配慮型建築物への対応も重要な課題となっています。このような中、当事業では、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)への対応やICT・IoTを活用した高効率な空調設備の提案等、当社グループの総合力や複合力を活かした付加価値の高い提案に努めることで競争優位性を高めてまいります。また、現場作業が中心のためデジタル化が難しい建設業界において、DX(デジタルトランスフォーメーション)に積極的に取り組んでおります。ICTを活用した業務の合理化・効率化により働きやすい職場環境の実現を図るとともに、現場業務を通じて得られる知見やノウハウ・データの蓄積を進めております。さらに、AI技術の進化に対応し、建設工程の生産性向上や品質向上に資する取り組みを推進してまいります。①北陸地区においては、長年培ってきた建築設備ノウハウと幅広いソリューションの複合提案を強みに受注拡大を図ってまいります。また、修理や点検に関するお客様の課題解決につながる保守サービスの提案を拡充し、安定した受注の確保に努めてまいります。②首都圏においては、建築・設備・電気のトータル施工が可能な総合力を強みに、高付加価値な提案に注力してまいります。また、当社グループの複合力を発揮できる案件の発掘・獲得に努めることで収益力の向上に取り組んでまいります。③建設業の設計・積算を行うベトナム子会社のAureole Construction Software Development Inc.は、ベトナムにおいて最大規模の700名を超える技術者集団として、BIM関連業務を中心に各種データ作成業務の受注拡大を図ってまいります。BIM関連業務においては、BIMエンジニアリングセンターに所属する250名を超える経験豊富なBIM技術者のもと、高い技術力と組織力を活かしたBIM全工程での包括的な提言・提案に取り組んでまいりました。その成果として、再開発事業や物流施設、データセンター等を対象としたモデリング業務の受注が順調に進捗しており、複数のプロジェクトへの参画によりBIM対応力が着実に向上しております。今後も当社グループの強みを訴求する提案を継続し、市場での優位性の向上に努めることで、建設業界の変革を先導するリーディングカンパニーとして選ばれ続ける会社を目指してまいります。次期の業績については、売上高は前期比3.6%増の214億32百万円、営業利益は前期比0.9%減の23億円と予想しております。 <樹脂・エレクトロニクス関連事業>当事業の主要顧客が属する自動車業界においては、ガソリン車の需要は継続すると見込まれるものの、ハイブリッド車や電気自動車への移行を含めた電動化が中長期的に進展すると想定されており、各種の駆動系部品に対応するための高度な技術力が求められています。このような中、当事業では、既存ビジネスで培ったネットワークやこれまでの経験で蓄積した技術とノウハウを活かし、調達面および技術面での対応力の強化を図ってまいります。また、人の判断力や柔軟な対応力と機械の高精度・高効率な処理を適切に組み合わせ、人と機械が協調する体制を構築してまいります。さらに、より高難度の成形技術の確立に取り組むことで、高い付加価値を創出し、お客様に驚きと感動を提供してまいります。①自動車関連ビジネスでは、従来の仕様対応型の製品供給にとどまらず、製品開発の初期段階からお客様と協働するフロントローディング活動を通じ、課題解決型の技術提案を強化してまいります。また、ベトナム製造拠点においては、原価低減活動を推進するとともに、高難度の電動化関連部品の量産により一層取り組んでまいります。さらに、検査工程の工数削減と品質安定を両立させるべく、AIを活用した自動外観検査機の量産工程への適用を本格的に推進してまいります。②自動車関連以外のビジネスでは、自動車関連ビジネスで培ったノウハウを基盤とし、新たに獲得した成形・組立技術を融合することで、密封性が求められる検知器部品や自動インサート成形への展開を図ってまいります。成形から組立までを一体化した多工程自動化を推進するとともに、これらの技術を横展開することで、当事業における新たな収益基盤の確立を目指してまいります。次期の業績については、売上高は前期比3.9%増の127億9百万円、営業利益は中東情勢の影響に伴う原材料価格の上昇や物流コストの増加が見込まれることから、前期比41.8%減の8億40百万円と予想しております。 <情報システム関連事業>当事業が属する情報システム業界においては、生成AIやクラウドの進化、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、セキュリティリスクの増大といった事業環境の変化の中で成長機会が広がっています。特に昨今は、実務におけるAIの活用可能性が一層広がりを見せています。このような中、当事業では、これまでに当社グループで培ってきたAIの利活用を含む様々なノウハウやオリジナルソリューションを活かし、業務効率化のみならず、業務改革や事業モデル改革に関わる提言・提案を推進することで、お客様の持続的成長を実現するとともに、人手不足等の社会的課題の解決にも貢献してまいります。①2024年度より、お客様のデジタル技術の実装およびICTの活用を伴走支援する「バーチャルCxOサービス」を開始しております。近年、人手不足や業務効率化を背景にデジタル技術やAIの利活用が重要な経営課題として認識されている一方で、それらを活用してビジネスモデルや組織、業務プロセスの変革を主導する経営人材が不足しています。そこで当社が、お客様のCDO(Chief Digital Officer)やCIO(Chief Information Officer)の役割の一部を担い、デジタル化に関する経営課題を見極めたうえで、解決に向けたソリューションの提案・実装までを包括的にサポートし、お客様の変革を先導してまいります。また、AIの利活用提案については、当社グループ内で部門横断的に蓄積してきた実証事例をもとにお客様へ展開することで、多くのお客様から高い評価をいただいております。今後も当社は、AIの利活用を含め、お客様の経営課題の解決に資する提案を行い、受注拡大に努めてまいります。②石川・富山両県の全34自治体のうち26自治体からNEXTGIGAスクール※案件を受注したことを契機として、多数の自治体でICT環境整備を実施し、培ったノウハウをパッケージ化しました。当パッケージは、タブレット端末やパソコン等のハードウェアの納入およびセキュリティ環境整備にとどまらず、教育現場で必要とされるアプリやWEBサービスの提供、保守運用までを含めることで、教育現場の環境向上および教職員の皆さまの業務効率化を実現するものです。当社は本年4月より、公共・教育ソリューション事業部を新設しました。パートナー企業とも連携し、当パッケージを全国の教育機関へ展開してまいります。また、教育現場には、教育の高度化への対応や、気候変動を背景とした空調環境の整備といった課題があることも確認しております。今後は、ICT環境と空間デザインを融合させた新しい教室空間の提案や教室の二酸化炭素濃度・気流の可視化による学習環境改善等、複合商社である当社グループの強みを活かし、教育現場の総合プロデューサーを目指してまいります。 ※ 文部科学省が推進する、教育現場におけるICT活用を推進する「GIGAスクール」の第2フェーズのことで、教育現場におけるさらなるICTの活用や、更新時期を迎えた端末の整備が求められています。③グループウェアを基盤としたDXソリューション「POWER EGG®」については、お客様の業務をより円滑化するための機能強化版を継続してリリースするとともに、よりよいUI/UXを提供するためのメジャーバージョンアップにも取り組むことで、製品競争力の強化を図ってまいります。また、金融機関や民間企業等1,600社を超えるお客様への導入を通じて、経営意思決定迅速化や業務効率化の事例が当社グループには数多く蓄積されております。蓄積した事例をユーザ会で横展開し既存のお客様のさらなる生産性向上を支援するとともに、新規のお客様への提案にも活用することで売上拡大を図ってまいります。④プログラム開発不要でさまざまなクラウドサービスを効率的に連携させるFaaSインテグレーター「Chalaza®(カラザ)」ならびに印刷業向け基幹業務クラウドサービス「BRAIN」については、パートナー企業や業界団体等との協業体制を強化し、受注拡大を図ってまいります。⑤ベトナム子会社のAureole Information Technology Inc.においては、「mcframe」の開発元であるビジネスエンジニアリング㈱とのパートナー関係を深化させ、さらなる営業力・技術力の強化を図ることで、ベトナム国内でのパッケージソリューションの導入拡大に注力してまいります。また、日本市場向けのオフショア開発事業においては、エンジニアのマルチスキル化とAI技術の活用推進に取り組み、安定した受注と収益の確保に努めてまいります。⑥クラウド関連事業では、子会社のコンフィデンシャルサービス㈱において、堅固な地盤に立地した災害に強いデータセンターを最大限に活用してまいります。サイバー攻撃に対するセキュリティ対策や自然災害からの早期復旧への対応が課題となる今日において、パートナー企業とも協業し、お客様の事業継続性を向上させる安心安全で高品質なサービスの提供に注力してまいります。次期の業績については、前期にNEXTGIGAスクール案件の納入があったことから、売上高は前期比31.9%減の115億84百万円、営業利益は前期比1.2%減の14億2百万円と予想しております。 <化学品関連事業>当事業が属する化学品業界においては、原材料価格の変動への対応や安定供給実現の重要性が高まっています。また、脱炭素化の潮流や環境規制強化により、資源のリサイクルや有効活用等、循環型社会の実現に向けた取り組みも引き続き重要な課題となっています。このような中、当事業では、当社グループの長年の経験とこれまで培ってきた国内外の調達力を活かすとともに、環境との調和を意識した独自技術の開発・確立に取り組んでまいります。さらに、既存顧客およびパートナー企業が有する多様な機能や技術をつなぎ合わせ、顧客課題の解決に向けたイノベーションを創出してまいります。①国内における化成品販売については、業界再編に伴うサプライチェーン構造の変化を踏まえ、当社グループの強みである調達力を発展させるべく安定供給体制の強化に努めてまいりました。また、この変化に柔軟に対応し、新たな営業基盤を拡大してまいります。さらに、商社機能とメーカー機能の組み合わせによる顧客課題の解決に資する事業機会の創出を進めてまいります。②医薬品原薬については、品質管理を最優先し、GMP(Good Manufacturing Practice:医薬品の製造管理及び品質管理の基準)遵守に対する監視・牽制体制の維持、GMP教育の徹底、さらにはクオリティカルチャーの醸成や組織風土の改善活動を継続してまいります。 また、連続フロー法については、反応装置を連結することで原料の投入と同時に目的化合物を取り出せる効率性と、製造工程における危険性の高い物質に接触する機会を減らすことのできる作業安全性、加えて、省スペースで化学合成が可能で目的化合物を取り出すまでに必要なエネルギーまでも抑制できる環境調和性に優位性があることから、同製法の適用品目を増やすべく、産学官およびグループ内の他セグメントとの連携を進めるとともに、必要な設備投資を段階的に実施してまいります。 これらの活動により、高品質な医薬品原薬を安定的に供給するというメーカーとしての責務を果たしてまいります。③機能性素材の受託製造については、当社グループの調達力を活かすことで他社との差別化を図り、優位性を高めてまいります。また、新規開発素材に関する受託案件の獲得に注力し、収益性の向上を目指してまいります。さらに、今後の受注拡大を見据え、ベトナム子会社のAureole Fine Chemical Products Inc.が保有する工場の生産能力増強を進めるとともに、生産体制の強化を図ってまいります。④環境ビジネスでは、有価金属回収および排水処理について、顧客課題に即した技術の高度化や提案力の強化を通じて、資源循環および環境負荷低減に貢献してまいります。また、リサイクル炭素繊維においては、用途開発を推進することで新たな需要の創出を図ってまいります。⑤ベトナムにおける化成品販売については、営業エリアの拡大を図り、自社製造の高付加価値品の拡販に努めてまいります。また、日本の化成品ビジネスで培ったノウハウをベトナムにも展開し優位性を高めてまいります。次期の業績については、中東情勢の影響に伴う顧客の稼働減少が見込まれることから、売上高は前期比2.7%減の435億5百万円、営業利益は前期比13.2%減の8億21百万円と予想しております。 <エネルギー関連事業>エネルギー消費と環境負荷の低減のバランスが求められる現在、災害時における迅速な復旧力や社会全体における負担コストの適切性等、より広い視野に基づいたエネルギー源の選択の重要性が増しています。このような中、当事業では、「さまざまなエネルギー源の特性を踏まえ、地域における最適なエネルギー供給を実現する」という方針のもと、以下の取り組みを進めてまいります。①石油製品は、引き続き元売り会社との連携を図り、新規顧客獲得および既存顧客への提案活動を継続してまいります。また、パートナー企業や当社グループ間での協業を通じ、環境負荷の低減を目的としたエネルギー源の最適な組み合わせを提案するとともに、これに関連した機器設備の拡販に取り組んでまいります。②民生用LPガスは、賃貸住宅オーナーや賃貸管理会社、ハウスメーカー等を対象としたイベントの開催や定期的な情報共有を通じて、さらなる関係の強化を図り、集合住宅および戸建住宅での新規顧客獲得を推進してまいります。また、ガス販売にとどまらず、周辺機器の販売や工事受注の拡大、さらには販売エリアの拡大を図るとともに、独自サービス等を活用した付加価値の高い提案にも取り組んでまいります。③再生可能エネルギーは、パートナー企業との協業により展開している豊富なバリエーションのソーラーカーポートの全国での販売拡大に向け、展示会への出展や施工協力会社の拡充、当社グループ間での連携を活かした提案活動等、新たな受注獲得につながる取り組みを継続してまいります。次期の業績については、売上高は前期比2.9%増の79億10百万円、営業利益は前期比13.2%増の4億76百万円と予想しております。 <住宅設備機器関連事業>日本の住宅市場は、人口減少や金利上昇局面への転換、建設コストの上昇を背景に、新築住宅着工数は中長期的に減少傾向にある一方で、都市部を中心に高級住宅市場における需要は底堅い状況にあります。このような中、当事業では、これまでに培ってきた製品開発力と施工力を最大限に活用することで、既存ビジネスの高付加価値化を図るとともに、高級住宅市場の需要を捉えるブランド戦略を推進してまいります。当社グループには、高級バスタブの『JAXSON』『HIDEO』、システムキッチン・システム収納の『INTENZA®』、モジュラーファニチャーの『Tesera®』といった住宅設備機器の多様なブランドが存在します。これらブランドを、「美意識は、暮らしの細部に宿る」をコンセプトに、住宅設備機器各々が住空間に調和しつつ、一体として住まい全体の価値向上に寄与するプライムインテリアブランドとして再定義し、統合的なブランド戦略を推進してまいります。また、当コンセプトを体現する場として、昨年8月に石川県野々市市において「sosū select showroom」をオープンしております。当ショールームでは、当社グループをはじめ国内外から厳選したプライム住宅設備機器を展示しており、住空間に溶け込むことで生まれる価値を、実際の空間構成を通じてご確認いただけます。設計初期のインスピレーション創出から製品選定、施工・アフターケアに至るまでを一貫して支援し、プライム住宅設備機器のサプライチェーン構築を進めてまいります。次期の業績については、売上高は前期比5.3%増の152億46百万円、営業損失は2億90百万円(前期の営業損失は6億98百万円)と予想しております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】業績等の概要(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当企業集団(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度の売上高は1,175億31百万円(前期比144億58百万円増 14.0%増)、営業利益は33億79百万円(前期比13億5百万円増 62.9%増)、経常利益は45億19百万円(前期比18億62百万円増 70.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は36億27百万円(前期比11億87百万円増 48.7%増)となり、売上高は6期連続の増収、各段階利益は3期連続の増益となりました。なお、売上高および各段階利益については、過去最高を更新しました(売上高および親会社株主に帰属する当期純利益については2期連続で過去最高を更新)。 売上高が前期比144億58百万円増加した要因は、以下のとおり全ての事業セグメントの増加によるものであります。・情報システム関連事業       +63億63百万円・化学品関連事業          +45億61百万円・住宅設備機器関連事業       +13億71百万円・空調設備工事関連事業       +9億68百万円・樹脂・エレクトロニクス関連事業  +7億23百万円・エネルギー関連事業        +1億71百万円 営業利益が前期比13億5百万円増加した要因は、以下のとおり住宅設備機器関連事業を除く5つの事業セグメントの増加によるものであります。・樹脂・エレクトロニクス関連事業  +6億88百万円・化学品関連事業          +4億83百万円・情報システム関連事業       +4億57百万円・空調設備工事関連事業         +74百万円・エネルギー関連事業          +59百万円・住宅設備機器関連事業       △2億29百万円 経常利益は、営業利益および持分法投資利益の増加を主要因に増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の増加に加えて、政策保有株式の整理を進め、投資有価証券売却益を計上したことを主要因に増加しました。 (セグメントの状況)営業利益の大きいセグメントの順に記載いたします。セグメントごとの当社事業部門および子会社・関連会社につきましては、「第1 企業の概況」の「3.事業の内容」をご参照ください。 <空調設備工事関連事業> 受注高は、首都圏および北陸地区それぞれで、研究施設や病院施設の過去最大の新築工事案件を受注できたことから、前期比31.1%増の247億13百万円となり、2期連続で過去最高を更新しました。 売上高は、首都圏において大型の新築工事が順調に進捗したことから、前期比4.9%増の206億80百万円となり、営業利益は前期比3.3%増の23億20百万円となりました。 なお、売上高および営業利益については、2期連続で過去最高を更新しました。 <樹脂・エレクトロニクス関連事業> 売上高は、車載向け樹脂成形品の需要が回復したことに加えて、前期と比較して為替が円安へ推移した影響により外貨建取引における円貨への換算額が増加したことから、前期比6.3%増の122億30百万円となりました。営業利益は、売上高の増加および継続して実施してきた原価低減活動等が奏功したことに加えて、車載向け以外の新製品納入による利益への寄与もあったことから、前期比91.1%増の14億44百万円となり、過去最高を更新しました。 <情報システム関連事業> 受注高は、石川・富山両県の全34自治体のうち26自治体からNEXTGIGAスクール案件を受注できたことにより、前期比34.0%増の164億50百万円となり、過去最高を更新しました。 売上高は、NEXTGIGAスクール案件の納入ならびに当案件を契機として受注した教育現場のDX推進案件を実施できたことに加えて、複数の基幹システム更新案件が順調に進捗したことから、前期比59.8%増の169億99百万円となり、営業利益は前期比47.6%増の14億19百万円となりました。 なお、売上高および営業利益については、過去最高(NEXTGIGAスクール案件を除いても過去最高)を更新しました(売上高については、2期連続で過去最高を更新)。 <化学品関連事業> 国内における化成品販売については、顧客の稼働が増加したことおよび新規開拓が順調に進捗したことに加えて、原材料の値上げに伴う販売価格の上昇により、売上高は増加しました。 医薬品原薬については、自社製品および他社製品の販売がともに好調であったことから、売上高は増加しました。 機能性素材の受託製造については、既存顧客の需要増により、売上高は増加しました。 環境ビジネスについては、有価金属回収事業の取扱量が増加したことから、売上高は増加しました。 ベトナムにおける化成品販売については、南部において顧客との取引が減少したものの、北部における新規納入に加えて、前期と比較して為替が円安へ推移した影響により外貨建取引における円貨への換算額が増加したことから、売上高は増加しました。 以上により、全体の売上高は、前期比11.4%増の447億22百万円となりました。営業利益は、国内化成品における売上高増加に加えて、医薬品原薬における工場稼働率の上昇により、前期比104.6%増の9億45百万円となりました。 <エネルギー関連事業> 石油製品については、販売価格は前期を下回りました。販売数量は一部顧客の稼働が増加したことから、前期を上回りました。 民生用LPガスについては、販売価格は前期を下回りました。販売数量は一部顧客の需要が増加したことから、前期を上回りました。 以上により、全体の売上高は、前期比2.3%増の76億88百万円となりました。営業利益は、コスト構造を改善できたことから、前期比16.6%増の4億20百万円となり、過去最高を更新しました。 <住宅設備機器関連事業> 受注高は、オリジナルブランド『INTENZA®』のシステムキッチンが都内高級マンションを中心に複数の物件で採用されたことから、前期比10.1%増の156億56百万円となりました。 売上高は、首都圏において複数の大型案件の進捗があったことから、前期比10.5%増の144億82百万円となりました。一方で、オリジナルブランドのプロモーション活動に伴う人件費や広告宣伝費等の増加により、営業損失は6億98百万円となりました(前期の営業損失は4億69百万円)。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、85億62百万円(前連結会計年度は42億36百万円)の収入となりました。主なプラス要因は、税金等調整前当期純利益50億18百万円、減価償却費21億48百万円、売上債権の減少額18億69百万円、仕入債務の増加額9億24百万円であります。一方、主なマイナス要因は、法人税等の支払額15億35百万円であります。投資活動によるキャッシュ・フローは、6億60百万円(前連結会計年度は14億81百万円)の支出となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出12億44百万円、投資有価証券の売却による収入10億36百万円であります。財務活動によるキャッシュ・フローは、74億18百万円(前連結会計年度は32億3百万円)の支出となりました。主な要因は、短期及び長期の借入金の純減額が合わせて63億25百万円、配当金の支払額6億46百万円であります。これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ5億87百万円増加し、78億70百万円となりました。 ③受注及び販売の実績a.受注実績当連結会計年度の空調設備工事関連事業、情報システム関連事業および住宅設備機器関連事業の受注実績は、次のとおりであります。 (単位:百万円)セグメントの名称受注高前期比(%)受注残高前期比(%)空調設備工事関連事業24,713131.122,070122.4情報システム関連事業16,450134.09,92194.8住宅設備機器関連事業15,656110.116,746107.5 (注)受注実績の金額は、セグメント間の内部受注高および受注残高を含めて記載しております。 b.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 (単位:百万円) セグメントの名称 当連結会計年度(自 2025年4月1日  至 2026年3月31日) 前期比(%)空調設備工事関連事業20,680104.9樹脂・エレクトロニクス関連事業12,230106.3情報システム関連事業16,999159.8化学品関連事業44,722111.4エネルギー関連事業7,688102.3住宅設備機器関連事業14,482110.5その他3,121112.6合計119,926113.8 (注)販売実績の金額は、セグメント間の内部売上高を含めて記載しております。(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度末における総資産残高は、1,015億31百万円(前連結会計年度末は934億96百万円)となり、前連結会計年度末に比べ80億35百万円増加いたしました。流動資産の残高は、現金及び預金5億81百万円の増加、売掛金10億7百万円の増加、完成工事未収入金20億73百万円の減少を主要因に前連結会計年度末に比べ5億22百万円減少し、455億37百万円となりました。固定資産の残高は、投資有価証券87億42百万円の増加を主要因に前連結会計年度末に比べ85億58百万円増加し、559億94百万円となりました。当連結会計年度末における負債残高は、445億65百万円(前連結会計年度末は459億24百万円)となり、前連結会計年度末に比べ13億58百万円減少いたしました。流動負債の残高は、支払手形及び買掛金10億34百万円の増加、短期借入金55億79百万円の減少を主要因に前連結会計年度末に比べ30億83百万円減少し、337億2百万円となりました。固定負債の残高は、長期借入金7億46百万円の減少、繰延税金負債24億15百万円の増加を主要因に前連結会計年度末に比べ17億25百万円増加し、108億63百万円となりました。当連結会計年度末における純資産残高は、569億65百万円(前連結会計年度末は475億72百万円)となり、前連結会計年度末に比べ93億93百万円増加いたしました。株主資本の残高は、前連結会計年度末に比べ29億74百万円増加し、392億91百万円となりました。その他の包括利益累計額の残高は、前連結会計年度末に比べ64億15百万円増加し、174億78百万円となりました。非支配株主持分の残高は、前連結会計年度末に比べ3百万円増加し、1億96百万円となりました。これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の50.7%から55.9%に増加し、1株当たりの純資産額は、前連結会計年度末の769円51銭から922円3銭に増加いたしました。 経営成績の状況につきましては、「第2 事業の状況」の「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況」の「3.事業等のリスク」をご参照ください。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報運転資金需要当企業集団の運転資金需要のうち主なものは、売上債権の回収サイクルと仕入債務の支払サイクルのギャップおよび営業活動上において必要な棚卸資産に対する支出によるもののほか、人件費や手数料等の販売費及び一般管理費であります。 設備投資設備投資につきましては、「第3 設備の状況」の「1.設備投資等の概要」をご参照ください。 資金管理当企業集団は、事業運営上必要な資金の流動性と源泉を安定的に確保することを基本としております。運転資金は自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における借入金およびリース債務等を含む有利子負債の残高は115億77百万円となっております。また当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は78億70百万円となっております。資金は原則として当社で集中管理し、当企業集団内の余剰資金の有効活用を図っております。当企業集団内における新規の設備投資資金の調達については、諸条件を勘案し決定いたしますが、すべて当社の事前承認に基づいております。経営者の問題意識と今後の方針当企業集団における投資プロジェクトについては、採算面や投資回収面、リスク等を十分に検討したうえで決定しております。ここ数年は当企業集団の存在価値の向上を念頭に、付加価値の高い商品・製品・サービスの提供を図るべく、設備投資や子会社新設に積極的に取り組んでまいりました。当企業集団は、今後とも、さらなる事業拡大と持続的な成長を図っていくため引き続き積極的な投資を実行していく方針であります。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況」の「1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は「第5 経理の状況」の「1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。

事業リスク

三谷産業グループは、情報セキュリティリスクを重要な課題と認識しており、サイバー攻撃による情報漏洩やシステム停止が、信用失墜や損害賠償により業績に影響を及ぼす可能性があります。また、保有する投資有価証券の市場価格や実質価額の変動も、財政状態に影響を与えるリスクがあります。さらに、多岐にわたる事業に関連する医薬品医療機器等法などの法的規制の変更や法解釈の多様性により、事業活動の制限や新たなコストが発生する可能性も存在します。これらのリスクに対し、情報セキュリティ対策の強化、投資有価証券の定期的な見直し、法令遵守体制の徹底で対応しています。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|8,059 文字
3【事業等のリスク】当企業集団では、事業活動に影響を与える可能性のあるリスクの対象を8分野(自然災害、業務事故、財務、戦略、経済・社会的要因、法務、内部人的要因、外部人的要因)に分類し、これに加えて気候変動、人口動態の変化など長期的環境の変化を社会変動リスクとして捉えております。ここから当企業集団の活動とこれを取り巻く情勢・環境等を踏まえ、リスクを毎年洗い出し、それらについて共通の基準で発生可能性と影響度を分析のうえ対策を策定し、その対策により発生可能性と影響度がどう変化したかを確認しております。また、当企業集団の事業継続力を高めることにより社会全体のレジリエンスの向上を図るべく2019年3月にレジリエンス認証を取得し、以後、更新を継続しております。加えて、当企業集団ではリスクはビジネスを創出する機会とも捉え、当該リスクをビジネスに活かす取り組みも行っております。これらの詳細につきましては、以下のとおり当社ウェブサイトにて開示しております。・「リスクマネジメント活動」(https://www.mitani.co.jp/company/risk_management)有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、各項目別の発生可能性と影響度は末尾にまとめて記載しております。文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月11日)現在において、当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。 (1)情報セキュリティについて当企業集団は営業秘密や従業員の情報・顧客情報等の個人情報を有するほか、事業の運営に様々なシステムを利用しております。加えて、システムインテグレーション、アウトソーシング等の事業を通じて多くのお客様の機密情報・個人情報をお預かりしており、社会的責任が極めて高いものと認識しております。また、近年、企業を狙ったサイバー攻撃が多発しており、そのリスクは年々大きくなっております。サイバー攻撃により当企業集団やお客様の機密情報・個人情報が外部に漏洩し、またシステムが停止した場合には、当企業集団の信用失墜による売上の減少または損害賠償による費用の発生等により、当企業集団の財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。この対策として、当企業集団においては、情報資産の運用ルールを定めた情報セキュリティ制度の導入、個人情報保護への取り組みをより一層強化するためのプライバシーマークの取得等、リスク管理体制を整備するとともに、従業員に対して情報セキュリティに関するeラーニングによる教育や標的型メール訓練を毎年実施しております。また、ランサムウエアをはじめとするサイバー攻撃への対策としてセキュリティシステム基盤を強化し、万が一の場合でも復旧を確実に行えるよう、バックアップ環境の整備や復旧訓練を実施しております。加えて、重要業務を継続できるよう事業継続計画を策定し、定期的な見直しを行っております。また、アウトソーシング事業については、ISO(JISQ)27001の認証を取得し、加えて、インターネットデータセンター(以下「IDC」といいます)では、2012年4月、情報セキュリティ格付で北陸3県において初めて最上位にランクされる「AAAis(トリプルA)」を取得し、2018年1月には公益財団法人金融情報システムセンターが策定した「金融機関等コンピュータシステムの安全対策基準」および一般財団法人日本品質保証機構(以下「JQA」といいます)が策定した「JQA情報システム及び関連設備の運用基準」の認証も取得し、毎年の更新審査でも当該格付および認証を維持しております。これらの取り組みにより情報資産保護の継続的な徹底に努めております。また、お客様のセキュリティ対策として、昨今のサイバー攻撃がより高度化している状況に鑑み、従来のウイルス対策ソフトウエアでは対応できなかった未知のマルウエアや攻撃にも対応可能なEDR(Endpoint Detection and Response)などのセキュリティ対策ソフトウエア製品およびそれらを稼働させる基盤を提供するだけでなく、お客様の環境に合わせてOSやソフトウエアアップデートの整合性を確認するなど、当社が蓄積した運用ノウハウを活用し、お客様のニーズに合った製品・サービスの導入から運用支援まで、IDCと連携して提供しております。 (2)投資有価証券の時価または実質価額変動について当企業集団は、営業上の取引関係維持・拡大を主目的として取引先等の有価証券を保有しており、連結貸借対照表に計上されております。投資有価証券につきましては、大半が当社保有の有価証券であります。当連結会計年度末における投資有価証券のうち、子会社株式および関連会社株式以外の有価証券は保有目的上、全て「その他有価証券」に区分しております。市場価格のない株式等以外の有価証券について株価の動向によって時価が変動し、市場価格のない株式等の有価証券については当該株式の発行会社の財政状態によって実質価額が変動した場合には、当企業集団の財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。この対策として、株価に影響を及ぼし得る事象時はもちろんのこと、毎年、所有株式について個別銘柄毎に取引状況を検証し、これにリターン・リスクの状況・見通しが資本コストに見合っているかも勘案し、継続保有や新規保有の判断を行っております。 (3)法的規制について当企業集団は、様々な商品およびサービスを取り扱う関係上、医薬品医療機器等法をはじめ、関連する法令・規制は多岐にわたり、海外進出においても当該国の各種法令・規則等の適用を受けております。現時点において、当企業集団が事業活動を遂行するにあたり求められる各種許認可が取消となる事由は発生しておりませんが、予期し得ない法的規制等の発令や法解釈の多様性によるリスクに晒される可能性があり、これらに係る指摘を受けた場合、事業活動の制限や新たなコストの発生などにより、当企業集団の財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、主な許認可は以下のとおりであります。この対策として、許認可の状況を定期的に担当部門に確認することに加えて、関係法令の改正情報を早期に入手し影響を検討し対策をとることにより、法令遵守の徹底を図っております。また、当企業集団の全従業員を対象にして、コンプライアンス意識の向上を目的としたコンプライアンス教育を実施しているほか、法令違反行為の未然防止、早期発見および是正を図ることを目的として、内部通報制度や外部通報制度を導入しております。 許認可等の名称会社名所管官庁等許認可等の内容/有効期限法令違反の要件および主な許認可取消事由医薬品製造業許可(医薬品 包装・表示・保管)三谷産業㈱東京都許可番号13AZ2001922029年6月(5年ごと更新)薬機法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、又は役員等が欠格条項に該当したとき。(法第75条)神奈川県許可番号14AZ2001052027年6月(5年ごと更新)許可番号14AZ2001202028年6月(5年ごと更新)医薬品製造業許可アクティブファーマ㈱富山県許可番号16AZ2000462029年4月(5年ごと更新)東京都許可番号第13AZ2003002028年9月(5年ごと更新)医薬品販売業許可三谷産業㈱東京都許可番号第5301131117号2032年3月(6年ごと更新)アクティブファーマ㈱東京都許可番号第5301131200号2032年2月(6年ごと更新)三谷産業イー・シー㈱石川県許可番号卸第3C0034号2030年9月(6年ごと更新)富山県許可番号第富卸0207号2029年12月(6年ごと更新)毒物劇物一般販売業登録三谷産業㈱千代田区登録番号第3101130088号2032年3月(6年ごと更新)毒物及び劇物取締法その他毒物及び劇物に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき。(法第19条)大阪市登録番号第25H00092号2032年3月(6年ごと更新)名古屋市登録番号名毒劇第1303号2027年9月(6年ごと更新)三谷産業イー・シー㈱石川県登録番号第3X0192号2029年12月(6年ごと更新)金沢市登録番号第1X0510号2027年6月(6年ごと更新)登録番号第1X0842号2027年8月(6年ごと更新)富山市登録番号第富一0661号2030年5月(6年ごと更新) (4)製品・商品・サービスの品質について当企業集団は、既存事業の拡大や新規事業の創出に積極的に取り組んでおり、その一環として高付加価値・高利益率の製品・商品・サービスの開発を推進しております。これに伴いお客様に提供する製品・商品・サービスの量も種類も増大しており、品質不良が生じた場合には、修補・交換・返品や賠償金の支払い等により、当企業集団の業績に影響を及ぼす可能性があります。その対策として、当社事業部門および子会社でそれぞれ構築した品質マネジメントシステムにおいて、開発からものづくりまでの全てのプロセスにおいてレビューの仕組みを定期的に見直し、品質不良を生じさせない体制を整備しております。また、品質クレームが発生した場合には、真因の究明および再発防止策の立案・適用を確実に行っております。 (5)海外での事業展開や、海外との取引について当企業集団は、海外企業との間で原料調達等の取引を行っており、特にベトナムにおいては国内で蓄積した知識・技術をもとに樹脂・エレクトロニクス関連の製造・販売、空調設備工事・住宅設備機器の設計・積算、化学品の製造・販売などの子会社を設立し、その業容を拡大させております。ベトナムをはじめとする海外事業拠点での活動において、テロ・紛争等による政情の不安定化、経済情勢の変動、為替レートの急激な変動、法制度の変更、労働者の採用・雇用環境の変化等のカントリーリスクを含めた事業環境の著しい変化により、当企業集団の財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。この対策として、当該取引のある国を中心に法令改正や現地情勢等について定期的に情報収集を行うことに加えて、特に事業を拡大させているベトナムにおいては、ベトナム子会社の法務や人事労務管理、内部統制を担う現地子会社であるAureole Expert Integrators Inc.との連携を密にし、コンプライアンスの徹底、税務や法務相談、規程の制定・改定等について協力して対応を図っているほか、ベトナム子会社において対処すべきリスクが顕在化した場合には、日本側で対策本部を立ち上げ責任ある統制を行うとともに、ベトナムではAureole Expert Integrators Inc.が中心となり対応することで、円滑かつ実効性を担保できる体制を構築しております。これらのリスク管理と並行して、当企業集団はベトナム経済・社会の発展に向けた人材育成等にも注力しており、ベトナムにおける1994年からの事業活動を経て、事業軸だけでなく、現地の大学・教育機関との関係構築にも積極的に取り組んでおります。近年では、日本型経営・日本型ものづくり・日本型品質管理等、「日本型」をテーマに、ベトナムの学生等に向けて日本を代表する企業の経営者や有識者が講義を行うプログラムを提供しております。ベトナムの大学側からも日本企業の経営者による講義への期待は大きく、当社がコーディネートする企業・講師陣からの講義は、大学の単位認定のある正規科目に組み込まれております。さらに、ベトナムにおける日系企業の多くが共通で課題としている「人材育成」や「組織開発」をテーマに、さまざまな視点で講演による情報提供や意見交換等の交流を行う場として「Aureoleカンファレンス」を2015年より継続して開催しております。その他、これまで培った多様なネットワークを通じて情報収集を行い、新規取引先から様々な商品を調達し新たなビジネスにつなげるほか、当企業集団が海外における事業展開を通じて培ったノウハウを踏まえ、新たにベトナムで事業展開を検討する企業に向けて、駐在員事務所のライセンスや日本人駐在員の労働許可証の取得、就業規則等規程の整備、従業員向け研修(ビジネスマナー、情報セキュリティ等)といったサービスの提供を行っております。 (6)知的財産権について当企業集団は、医薬品原薬や機能性素材、パッケージソフトウエア、オリジナル家具などの開発・製造販売や、他社との協業により取り組んでいる事業等に関して多くの技術あるいはノウハウを蓄積し、また、それらを保護するための知的財産権の取得に努めております。その際、他社の権利を侵害しないよう十分に注意しておりますが、見解の相違等により、他社の知的財産権を侵害しているとして製造・販売の差止請求や損害賠償請求を受ける場合があります。また、逆に当社が保有する知的財産権が他社に侵害される場合があります。このような事案が生じた場合には、事業活動の制限や訴訟費用の発生等により、当企業集団の財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。この対策として、事業活動に関わる、あるいは、当企業集団が保有する知的財産権に関する調査の徹底を図っております。また、知的財産権に関する研修の実施により従業員の知的財産権に関する理解を高めるほか、知的財産権の保護・活用方針について検討を行っております。 (7)事業投資について当企業集団は、対象企業の株式や出資持分を取得し、当該企業の経営に参画することで、既存事業とのシナジー創出を図るほか、既存事業のさらなる拡大を目指した設備投資や新会社設立などの事業投資活動を行っております。しかし、投下資金の回収が不能となるリスクや、事業計画通りに進捗しないリスク、さらには撤退に伴う追加損失が発生するリスクが存在します。これらのリスクが顕在化した場合には、当企業集団の財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。この対策として、一定規模以上の事業投資を検討・実施する際には、計画段階から投資採算のほか、規制リスク、競合リスク、財務リスクなどについて取締役会に報告し、正確な事実認識に基づいて、当該投資を行わなかった場合の機会損失のリスクも考慮したうえで、十分かつ慎重な意思決定が行えるようにしております。また、定期的に進捗状況を報告することで、迅速な対応が可能な体制を整備しております。 (8)不正行為について2004年10月26日に開示しましたとおり、当社では不適切な取引により重大な事態を生ぜしめたことがあり、当企業集団ではこれを真摯に反省し、風化させることなく再発防止に努めております。再発防止の取り組みにも拘わらず不適切な取引等の不正行為が発生した場合には、当企業集団が法的責任を負い、行政処分を受け、またレピュテーションや業績に影響を及ぼす可能性があります。この対策として、不正行為の抑制を図るべく、「三谷産業グループ企業倫理憲章」を策定し、また、コンプライアンス教育を通じて役員や従業員の倫理観・遵法意識を高めております。さらに会社に対する従業員の期待と実感のギャップを定期的に把握して対策を講じることにより従業員エンゲージメントを向上させ、かつ、「問題解決のために必要な相手と話すのに、誰の許可もいらない」といった当企業集団におけるコミュニケーションマナーの周知により、心理的安全性の確保された風通しの良い企業風土の形成に努めております。これらに加えて、不正行為が発生した場合には早期に発見し是正を図るべく、内部通報制度の周知徹底を行っております。 (9)自然災害について将来発生が懸念されている首都直下地震や南海トラフ地震のほか、近年の世界的な気候変動に伴い激甚化する台風や豪雨といった自然災害により、当企業集団が事業拠点を有する地域も影響を受けることが懸念されます。このような自然災害が発生した場合には、当企業集団の財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。この対策として、当企業集団ではリスクマネジメント委員会を設置し各リスクの分析と評価を行っております。具体的には、大規模地震発生に備え、地震対策マニュアルや事業継続計画(BCP)を策定するとともに、各部門を対象に地震発生初動から事業継続方針を決定するシミュレーション形式のBCP机上演習を実施しております。また、激甚化している台風、大雨に備えるため、拠点ごとに予報段階から被害発生までの行動についてチェックリストに基づき行動を確認する机上演習を実施して対応能力の向上に取り組んでおります。さらに、全従業員が参加する防災訓練として安否確認や消火・避難など初動訓練を年に4回実施し、その活動を通じて従業員一人ひとりの防災意識を高めております。実際に自然災害が発生した場合には、直ちに対策本部を立ち上げ、従業員・家族の安否確認や被害情報収集を行い、従業員の安全確保と事業継続を行う体制を整備しております。令和6年能登半島地震においては、発災後直ちに従業員・家族の安否確認および各拠点の被害情報収集を行い、当企業集団に大きな被害がなかったことを確認するとともに、取引先の被害状況を把握し、事業への影響を確認しました。また、北陸地区の甚大な被害に鑑み、緊急被災者支援、2次避難者支援、自治体への義援金・支援金の寄付および被災者への食器の寄贈を実施しました。これらの経験を踏まえ、従業員の安全確保と事業継続の観点から「自然災害から命を守る行動指針」を策定するとともに、演習を通じた災害対応力の強化に取り組んでおります。また、被災地支援活動を今後も継続するとともに、その実施基準を整備しております。加えて、地盤の強固な石川県能美市の丘陵地区に免震構造を備えたIDCを設置し、首都直下や南海トラフ地震などの自然災害に備え、お客様の重要なシステムやデータをバックアップすることで、事業継続に寄与するビジネスを推進しております。 (10)感染症の流行・まん延について当企業集団においても、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、事業を取り巻く環境について様々な影響を受けてまいりました。今後も、感染症が流行・まん延する事態となった場合、当企業集団の財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。当企業集団においては、感染症の流行・まん延を防止するため、日頃から実施している感染予防対策を継続するとともに、このような事態が発生した場合には、感染症の性質や流行動向を注視しながら、従業員やお客様、そして地域の安心・安全を第一に、感染対策に取り組みます。 項目別の発生可能性と影響度項目発生可能性影響度(1)情報セキュリティに係るリスク中大(2)投資有価証券の時価または実質価額変動に係るリスク中中(3)法的規制に係るリスク中大(4)製品・商品・サービスの品質に係るリスク中中(5)海外での事業展開や海外との取引に係るリスク中大(6)知的財産権に係るリスク小中(7)事業投資に係るリスク中中(8)不正行為に係るリスク小大(9)自然災害に係るリスク大中(10)感染症の流行・まん延に係るリスク中中 レベル発生可能性影響度大1年に1回以上発生する長期にわたり経営に大きな影響がある中1~10年間に1回発生する一時的に経営に多少の影響がある小10年に1回も発生しない経営に殆ど影響しない

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