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日本瓦斯(8174)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

小売業 小売

事業の概要

日本瓦斯グループは、主にLPガス、都市ガス、電気の販売を通じて収益を上げています。家庭用・業務用・工業用・自動車用のLPガス供給、家庭用・業務用・工業用の都市ガス供給、主に家庭用電力の販売が主力です。また、ガス機器や住宅設備機器の販売、関連工事、さらには他社が都市ガス・電気小売事業に参入するためのプラットフォーム提供も行い、多角的なエネルギー関連サービスを展開しています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

日本瓦斯の事業セグメントは、LPガス事業、電力事業、都市ガス事業の3つで構成されています。LPガス事業は、家庭用・業務用・工業用・自動車用のLPガス供給とガス機器販売、関連工事が中心で、売上高は891.73億円です。電力事業は、主に家庭用電力の販売と太陽光発電システムなどのエネルギーソリューション提供を行い、売上高は485.46億円です。都市ガス事業は、家庭用・業務用・工業用の都市ガス販売とガス機器販売、関連工事を手掛け、売上高は623.37億円です。売上高ではLPガス事業が最も大きく、主要な収益源となっています。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
LPGas 事業 892
ElectricPowerReportableSegment 事業 485
TownGas 事業 623
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,105 文字
3 【事業の内容】当社グループは、主に当社及び子会社10社並びに関連会社2社で構成され、主な事業内容は、ガス(LPガス、都市ガス)、電気の販売、ガス機器等の販売、プラットフォームの提供並びに各事業に関連する工事、輸送等であります。各事業における当社グループの位置づけは次のとおりであります。LPガス事業…①LPガスの供給 家庭用・業務用・工業用・自動車用のLPガス、コミュニティーガスの販売をしております。  なお、LPガスの輸送については日本瓦斯運輸整備が主として行っております。 (主な関係会社) 当社及びエナジー宇宙、日本瓦斯運輸整備 …②ガス機器等の販売、受注工事LPガス機器、住宅設備機器、太陽光や蓄電池等の発電・蓄電・充電デバイスの販売、並びにLPガス供給設備工事、リフォーム工事、GHP(ガスヒートポンプエアコン)の保守サービスを行っております。一部の工事については、日本瓦斯工事が施工しております。(主な関係会社)当社及び日本瓦斯工事 …③プラットフォームの提供異業種からの都市ガス・電気小売事業へ参入を支援するためのプラットフォームや、データ連携で最適化したLPガスのオペレーションの仕組み、自動検針システムや保安や機器の受発注システム等、他事業者との共創のために自社で開発したテクノロジーの提供を行っております。システムの開発、保守は、雲の宇宙船が行っております。(主な関係会社)エナジー宇宙、雲の宇宙船、東京エナジーアライアンス 電気事業…①電気の販売主に家庭用の電力の販売をおこなっております。また、子会社のエナジー宇宙は東京電力グループと提携し、電力を調達しております。(主な関係会社)当社及びエナジー宇宙 …②エネルギーソリューション戸建て住宅へ太陽光発電システム、蓄電池システム、V2H等を普及させ、お客さまが自律分散型エネルギーをマネジメントする仕組みを構築しています。将来的にはスマートハウス化した各家庭を配電ネットワークで繋ぎ、地域コミュニティ全体のエネルギー最適利用(ニチガス版・スマートシティ)の仕組みに取り組みます。(主な関係会社)当社及びエナジー宇宙 都市ガス事業…①都市ガスの販売家庭用・業務用・工業用の都市ガスの販売を行っております。子会社のエナジー宇宙は都市ガス供給、導管の維持管理をおこなっております。都市ガス導管工事は、日本瓦斯工事が施工しております。(主な関係会社) 当社及びエナジー宇宙、日本瓦斯工事 …②都市ガス機器等の販売、受注工事 ガス機器等を販売するほか、ガス設備の工事を行っております。  (主な関係会社) 当社及びエナジー宇宙、日本瓦斯工事

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
原料価格と為替の変動を販売価格に反映、原料費調整制度で小売料金に反映。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
ガス事業は法令に基づく保安責任や導管維持管理が必要であり、新規参入には規制が障壁となる。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:原料等の安定調達 / エネルギー利用の変化 / 大規模災害
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

「ニチガス」ブランドは一定の認知度を持つが、強力な特許や規制ライセンスに依存するほどの無形資産は確認できない。地域密着型のサービスによる顧客との関係性がブランド価値を支えている側面がある。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

都市ガスへの切り替えは、手続きの煩雑さや初期費用、安全性の懸念から、既存顧客が容易に乗り換えにくい。特に、長年利用している顧客層にとってはスイッチング・コストは無視できない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

現時点では、顧客数の増加がサービス価値を直接的に高めるようなネットワーク効果は確認されない。個々の顧客へのサービス提供が中心となっている。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

LPガス業界全体として、調達コストやインフラ維持費が価格に影響する。同社が他社と比較して構造的に大幅なコスト優位を持つという明確な証拠はないが、規模の経済による効率化の可能性はある。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

首都圏を中心にLPガス供給網を構築しており、一定の地域シェアを持つ。インフラ投資や顧客基盤の拡大により、効率的な事業運営が可能となっている。ただし、業界全体で見ると寡占度はそれほど高くない。

日本瓦斯は、エネルギーの「ラストワンマイル」供給に特化し、輸入などの上流事業を行わないことで、効率的な事業運営を目指しています。複数の取引先からのLPガス調達や東京電力グループからの都市ガス・電力調達により、安定供給体制を構築。原料価格や為替変動リスクに対しては、販売価格への転嫁や原料費調整制度を活用し、業績への影響を抑制しています。また、スマートメーターやスマート保安システムを自社開発し、効率的かつ安全なサービス提供を実現している点も強みです。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境および対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営の基本方針当社は経営理念として、①地域社会に対する貢献、②企業の持続的成長を目指す、③人的資源の尊重を掲げております。 (2)経営環境及び経営方針・戦略等◆当社グループを取り巻く経営環境米国では第2次トランプ政権に移行し、政策が大きく転換されました。足元では想定を上回る関税が示され、世界で経済の先行きに対する懸念が広がっています。エネルギー環境政策に関しては、化石資源の活用、パリ協定からの脱退といった、これまでのグリーン化を進める方向から大きな政策転換が打ち出されました。しかしながら、当社は、この政策の変更は一時的な揺り戻しであり、長期的には脱炭素社会を目指す取り組みを推進していくという世界の潮流は止められないと考えています。エネルギー安全保障の観点では、ロシアによるウクライナ侵攻、中東情勢の混迷に加えて、欧米の関係にも変化が見られることで、サプライチェーンの確保はより一層重要な課題となりました。また、国内のエネルギー事業では、少子高齢化による人手不足が続く中で、地球温暖化による販売量の伸び悩み、定着し始めたインフレーションへの対応など、事業者は多くの課題に直面しています。これら多くの課題は、人口のボーナスステージでエネルギー消費量が拡大していくモデルが転換期を迎えていることを示していると考えています。 ◆社会課題の解決と業界集約当社は、これらの社会的趨勢を見据え、エネルギーに関わる設備や人員が、効率的運用を求められる環境に備えてきました。LPガスの充填や配送インフラを整え、システムには汎用性と拡張性を持たせ、ITの活用で業務効率を高めてまいりました。LPガス業界では、全国の事業者数は10年前と比較して四分の三程度にまで減少しています。当社は、関東圏最大手のLPガス事業者として、社会的要請でもある業界の集約を牽引していく考えです。 2025年3月、千葉県、茨城県を中心に百余年にわたり事業を展開する株式会社門倉商店が当社グループに参加しました。LPガス業界が直面している事業環境を踏まえ、門倉商店が当社グループの一員となり、 最適化されたオペレーションを活用しながら共に事業成長を追求していくことが、両社および地域社会に対し最も良い形であると合意したためです。今後は、充填、配送、検針、保安、システム等の事業基盤を統合していくことで、物流網を効率化し、設備稼働率を向上させていきます。また、営業拠点の集約に加え、LPガス原料や関連機材等の共同仕入、電気とガスのセット販売、ソリューションサービスの提案など、業界集約を通じてシナジーを創出していきます。 ◆共創のスケールアップ新たな分散型エネルギーシステムの構築に向けて、1社でできること、1業界でできること、従来の知識や知見でできることには限界があります。近未来のエネルギーサービスをお客さまにお届けするには、同業他社との共創のみならず、会社の規模や業界の垣根を超えた共創も不可欠です。ニチガスグループは、エネルギー小売事業の更なる成長、インフラのシェアリング拡大、高い資本効率と成長する企業価値を基盤として、業界の集約化・効率化を牽引するとともに、東京電力グループとの協業やITベンチャー企業との連携など、同じゴールを目指す事業者との共創もスケールアップさせ、地域社会に貢献し、更なる飛躍を目指してまいります。 ◆3か年計画(連続の成長)当社は、グループ再編を通じ、これからの事業体制が定まったことを踏まえ、2024年3月期から2026年3月期までの3ヶ年計画を発表しております。2025年3月期までの2年間は、2年連続で過去最高益を更新すると同時に、資本効率も向上させてきました。3年目となる2026年3月期は、ガス販売量の想定を慎重に見積もり、従来の営業利益計画220億を200億円に、同純利益計画150億を140億円に見直しました。ガスと電気に加えて、都市ガスとエナジー宇宙事業の利益を成長させることで、目標を上回る利益の達成を目指します。ROE22%の目標については変更ありません。資産規模を大きく増やさずに利益を拡大していきます。1株あたり当期純利益についても、2023年3月期92.6円から、2026年3月期には130.6円と約1.4倍に引き上げます。 ◆資本政策当社では、資金調達、資金配分、そして株主還元を行う際には、ROEの向上と純利益の増大を重視して立案し、実行しています。その中でもROEは、お預かりする株主資本と利益の比較であり、株主の皆さまにとって特に重要な収益性の指標であると考えております。3ヶ年で、2023年3月期の14%から2026年3月期に22%へと引き上げる計画です。 この大きなROEの改善は、①ROICの向上と②レバレッジの最適化で実現します。 ①ROICは2023年3月期の9%から2026年3月期に12%に向上させる計画です。3か年計画では、ガスと電気の顧客基盤の拡大により売上総利益をのばす一方、顧客密度を高め、経費効率を向上をさせてまいります。これにより、販管費の増加は抑制され、営業利益151億から200億へ伸ばします。この成長に必要なLPガスのインフラは既に整備済みであり、資産規模を拡大する不要であることから、ROICの向上を実現できると考えています。 ②また、3ヶ年計画の中で、調達資本の最適化を進め、レバレッジを活用してまいります。不必要な株主資本を持たないポリシーのもと、2026年3月までに最適な自己資本比率40%にすることで、ROICの向上を、最大限ROEの向上に繋げてまいります。 キャッシュフローの配分では、高収益資産への成長投資と、株主さまに対して高いレベルで還元することの二つを両立させております。これは、積極的な投資を行う一方、不要な資産を売却、資産を圧縮することで資産全体の規模を抑えているため、株主資本を積み増す必要がないからです。3ヶ年計画の中では、自己資本比率を40%に最適化する還元も計画しており、実質的な総還元は100%超を想定、25年3月期の総還元性向は141%とにする予定です。26年3月期は、投資の進捗を踏まえ、想定総資産を見直しをしております。結果、所要株主自己資本は引き下がり、自社株買いの拡大も予定しております。1株当たりの配当額を92.5円から103円に引き上げ、総還元性向145%を計画しております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境および対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営の基本方針当社は経営理念として、①地域社会に対する貢献、②企業の持続的成長を目指す、③人的資源の尊重を掲げております。 (2)経営環境及び経営方針・戦略等◆当社グループを取り巻く経営環境米国では第2次トランプ政権に移行し、政策が大きく転換されました。足元では想定を上回る関税が示され、世界で経済の先行きに対する懸念が広がっています。エネルギー環境政策に関しては、化石資源の活用、パリ協定からの脱退といった、これまでのグリーン化を進める方向から大きな政策転換が打ち出されました。しかしながら、当社は、この政策の変更は一時的な揺り戻しであり、長期的には脱炭素社会を目指す取り組みを推進していくという世界の潮流は止められないと考えています。エネルギー安全保障の観点では、ロシアによるウクライナ侵攻、中東情勢の混迷に加えて、欧米の関係にも変化が見られることで、サプライチェーンの確保はより一層重要な課題となりました。また、国内のエネルギー事業では、少子高齢化による人手不足が続く中で、地球温暖化による販売量の伸び悩み、定着し始めたインフレーションへの対応など、事業者は多くの課題に直面しています。これら多くの課題は、人口のボーナスステージでエネルギー消費量が拡大していくモデルが転換期を迎えていることを示していると考えています。 ◆社会課題の解決と業界集約当社は、これらの社会的趨勢を見据え、エネルギーに関わる設備や人員が、効率的運用を求められる環境に備えてきました。LPガスの充填や配送インフラを整え、システムには汎用性と拡張性を持たせ、ITの活用で業務効率を高めてまいりました。LPガス業界では、全国の事業者数は10年前と比較して四分の三程度にまで減少しています。当社は、関東圏最大手のLPガス事業者として、社会的要請でもある業界の集約を牽引していく考えです。 2025年3月、千葉県、茨城県を中心に百余年にわたり事業を展開する株式会社門倉商店が当社グループに参加しました。LPガス業界が直面している事業環境を踏まえ、門倉商店が当社グループの一員となり、 最適化されたオペレーションを活用しながら共に事業成長を追求していくことが、両社および地域社会に対し最も良い形であると合意したためです。今後は、充填、配送、検針、保安、システム等の事業基盤を統合していくことで、物流網を効率化し、設備稼働率を向上させていきます。また、営業拠点の集約に加え、LPガス原料や関連機材等の共同仕入、電気とガスのセット販売、ソリューションサービスの提案など、業界集約を通じてシナジーを創出していきます。 ◆共創のスケールアップ新たな分散型エネルギーシステムの構築に向けて、1社でできること、1業界でできること、従来の知識や知見でできることには限界があります。近未来のエネルギーサービスをお客さまにお届けするには、同業他社との共創のみならず、会社の規模や業界の垣根を超えた共創も不可欠です。ニチガスグループは、エネルギー小売事業の更なる成長、インフラのシェアリング拡大、高い資本効率と成長する企業価値を基盤として、業界の集約化・効率化を牽引するとともに、東京電力グループとの協業やITベンチャー企業との連携など、同じゴールを目指す事業者との共創もスケールアップさせ、地域社会に貢献し、更なる飛躍を目指してまいります。 ◆3か年計画(連続の成長)当社は、グループ再編を通じ、これからの事業体制が定まったことを踏まえ、2024年3月期から2026年3月期までの3ヶ年計画を発表しております。2025年3月期までの2年間は、2年連続で過去最高益を更新すると同時に、資本効率も向上させてきました。3年目となる2026年3月期は、ガス販売量の想定を慎重に見積もり、従来の営業利益計画220億を200億円に、同純利益計画150億を140億円に見直しました。ガスと電気に加えて、都市ガスとエナジー宇宙事業の利益を成長させることで、目標を上回る利益の達成を目指します。ROE22%の目標については変更ありません。資産規模を大きく増やさずに利益を拡大していきます。1株あたり当期純利益についても、2023年3月期92.6円から、2026年3月期には130.6円と約1.4倍に引き上げます。 ◆資本政策当社では、資金調達、資金配分、そして株主還元を行う際には、ROEの向上と純利益の増大を重視して立案し、実行しています。その中でもROEは、お預かりする株主資本と利益の比較であり、株主の皆さまにとって特に重要な収益性の指標であると考えております。3ヶ年で、2023年3月期の14%から2026年3月期に22%へと引き上げる計画です。 この大きなROEの改善は、①ROICの向上と②レバレッジの最適化で実現します。 ①ROICは2023年3月期の9%から2026年3月期に12%に向上させる計画です。3か年計画では、ガスと電気の顧客基盤の拡大により売上総利益をのばす一方、顧客密度を高め、経費効率を向上をさせてまいります。これにより、販管費の増加は抑制され、営業利益151億から200億へ伸ばします。この成長に必要なLPガスのインフラは既に整備済みであり、資産規模を拡大する不要であることから、ROICの向上を実現できると考えています。 ②また、3ヶ年計画の中で、調達資本の最適化を進め、レバレッジを活用してまいります。不必要な株主資本を持たないポリシーのもと、2026年3月までに最適な自己資本比率40%にすることで、ROICの向上を、最大限ROEの向上に繋げてまいります。 キャッシュフローの配分では、高収益資産への成長投資と、株主さまに対して高いレベルで還元することの二つを両立させております。これは、積極的な投資を行う一方、不要な資産を売却、資産を圧縮することで資産全体の規模を抑えているため、株主資本を積み増す必要がないからです。3ヶ年計画の中では、自己資本比率を40%に最適化する還元も計画しており、実質的な総還元は100%超を想定、25年3月期の総還元性向は141%とにする予定です。26年3月期は、投資の進捗を踏まえ、想定総資産を見直しをしております。結果、所要株主自己資本は引き下がり、自社株買いの拡大も予定しております。1株当たりの配当額を92.5円から103円に引き上げ、総還元性向145%を計画しております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績の分析25年3月期の業績は以下の通りです。                        (単位:百万円) 24年3月期25年3月期前期差前期比売上高194,364200,0575,6932.9%売上総利益73,61774,5549361.3%販管費56,17556,007△167△0.3%営業利益17,44218,5461,1046.3%特別損益△2,459△1,76269728.3%親会社株主に帰属する当期純利益10,82511,5487226.7%ROE14.7%16.5%1.8―ROIC11.2%11.3%0.1―   25年3月期は全ての利益段階で増益となりました。高気温の影響等でガス販売量が伸びず、ガス事業は厳しい環境でしたが、電気事業とプラットフォーム事業の成長がガス事業のマイナスを上回り、売上総利益で増益となりました。 粗利増益の一方で、販管費は前年比で減少しました。これは、顧客密度の高まりによる経費効率の向上に加えて、液石法改正省令の施行に伴い顧客獲得経費を適切に抑えたためです。システムの除却などによって特別損失を計上しましたが、純利益でも増益の過去最高益を計上しております。合わせて、ROIC向上に努めながら、不要な株主資本はお預かりしない資本政策を徹底することで、ROEは16.5%と前年より1.8%伸長させております。 <セグメント別の状況>◇ LPガス事業  LPガス事業による売上総利益は455億49百万円(前年同期比96百万円減)、LPガス機器・工事事業並びにプラットフォーム事業による同利益が41億83百万円(同3億75百万円増)となりました。 LPガス事業は、ガス事業の売上総利益が前期比で微減、業務用の利幅の改善を進めたものの、高気温の影響により家庭用・業務用ともにガス販売量が伸びませんでした。一方、プラットフォーム事業は、労働力不足を背景に他社からの保安受託が拡大、エネルギーソリューションではハイブリット給湯器の販売が好調でした。業容では、LPの顧客純増数が伸長しております。新規獲得の伸長、解約の減少の他、商圏買収を積み上げ、21年3月期以来、4年ぶりに純増数が3万件を超えました。これにより、お客さま数は、前年同期末から3万3千件増の103万件となりました。営業施策では、集合住宅から戸建へシフト、ニチガス本来の強みを活かし、獲得経費を抑えながら、高使用量のお客さま層へアプローチしています。 また、25年3月に、中堅事業者である門倉商店が当社グループ入りしました。インフレや労働力不足が進む中、大手・中堅企業の事業撤退が本格化しております。今後は、グループ化した門倉商店の卸機能をプラットフォーム事業に取り込む等、利益成長に繋げるとともに、本件のノウハウを活かし、業界集約をさらにすすめてまいります。 24年3月期25年3月期前期差前期比売上総利益(百万円)LPガス45,64545,549△96△0.2%機器,工事,プラットフォーム等3,8084,1833759.9%ガス販売量(千トン)※家庭用179179△0△0.4%業務用114109△5△4.7%お客さま件数(千件)9971,030333.4%  ※ 収益認識基準適用により、検針基準の販売量に期末日までの販売量を調整して算出しております。 ◇ 電気事業 電気事業セグメントの売上総利益は、大幅増益の52億26百万円(前年同期比15億39百万円増)となりました。 電気契約数の増加に加え、料金改定効果が通年で寄与したためです。営業面では、二人暮らしなどの中使用量世帯も商品のターゲット層に拡大したことで、新規の契約獲得は加速、お客さま数は前年同期末より3万5千件増加の38万1千件、電気のセット率は前期末21.6%から当期末に23.5%に上昇しました。 26年3月期も引き続き顧客基盤の拡大期と位置づけます。安定した電源の確保を背景に適切な利幅を確保しつつも、撤退する事業者や料金が割高な事業者のお客さまへ料金提案など、積極的に事業規模を拡大します。 24年3月期25年3月期前期差前期比売上総利益(百万円)電気3,6875,2261,53941.7%電気販売量(GWh)※家庭用1,4271,58716011.2%お客さま件数(千件)3453813510.2%  ※ 収益認識基準適用により、検針基準の販売量に期末日までの販売量を調整して算出しております。 ◇ 都市ガス事業  都市ガス事業セグメントの売上総利益は、都市ガス事業による売上総利益が184億96百万円(前年同期比9億67百万円減)、都市ガス機器・工事事業による同利益が10億97百万円(同85百万円増)となりました。 都市ガス事業の売上総利益が減少いたしましたのは、スライドタイムラグ(※)のプラス影響が減少したことに加え、入札案件の利益規模が縮小、小売の顧客数が減少したためです。一方、足許では、入札案件の利益縮小に底打ちが見込まれ、また、減少を続けてきた小売の顧客数は反転、純増に転じており、来期、都市ガス事業は好転する見通しです。東京ヴェルディや宇都宮ブレックス等のコーポレートパートナーを務めるスポーツチーム運営費に、ガス・電気料金の一部が充てられるメニューを提供する等、コミュニティと関わりを強めることで、顧客基盤の拡大に繋げております。 ※スライドタイムラグとは、都市ガスの原料費調整制度によるもので、原料価格の変動が先に売上原価、後に遅れて売価(料金)に反映されることから発生するタイムラグのことで、原料価格が下降基調である時に、プラスの影響があります。 24年3月期25年3月期前期差前期比売上総利益 (百万円)ガス19,46418,496△967△5.0%機器,工事等1,0111,097858.5%ガス販売量(千トン)家庭用 ※1150148△2△1.5%業務用 ※1215197△18△8.4%お客さま件数(千件)※2601590△12△1.8% ※1 収益認識基準適用により、検針基準の販売量に期末日までの販売量を調整して算出しております。※2 お客さま件数は、小売件数(供給している件数)を記載しております。 (2)キャッシュ・フローの状況の分析並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(基本方針)当社は、株主資本の収益率「ROE」を財務上の最重要KPIと設定し、株主価値の増大に向け、ROEを2026年3月期には22%に向上させていく方針です。ROEを向上させる方策として、資産の収益性を高めるべく、投下資本利益率(ROIC)をKPIとして設定し、その向上に努めております。収益性の高い資産(LPガスとIT)に集中して資本を投下しながら、一方で低収益資産の売却等をしてバランスシートの中身を入れ替えることにより、必要以上に総資産規模を膨らますことなく資産の収益力を高めています。また、資本の調達サイドでは、有利子負債の調達能力を検証し、最適な自己資本比率を45~50%から見直しを実施し、2026年3月期には40%まで引き下げることを計画しております。最適な自己資本比率に向けて不要な株主資本は持たず、適切に借入を活用することで、ROICの向上をダイレクトにROEにつなげてまいります。 (当連結会計年度の財政状態の分析)・25/3期末の資産の部は、1,560億円と前期末とほぼ同水準(2.0%減)となりました。資産が若干減少したのは、保 有システムの除却や、有価証券の評価減によるものです。・同期末の負債の部は、こちらも885億円と前期末とほぼ同水準(2.4%増)、純資産の部は674億円と前期末から52億 円(7.3%減)減少しております。  負債の部が微増したのは、当期から負担を開始した電力原価(容量拠出金)の支払サイトが長いことに起因した債務増や未払消費税が増加したためです。一方、純資産の部が減少いたしましたのは、当期純利益115億円に対し、配当93億円、自己株式の取得67億円の株主還元を実行し、資本調達の適正化を進めたためです。 デッドエクイティレシオは0.7倍、株主資本比率は43.2%と、財務基盤の安定性を確保しながらも、最適な資本構成を心掛け、調達コスト(WACC)を意識した資本調達を行なっております。                                        (単位:億円) 24年3月期末25年3月期末増減流動資産5665747 内 現預金1891988 営業債権(未収入金含む)3093133固定資産1,025986△39有利子負債471469△2自己資本(自己資本比率)727(45.7%)674(43.2%)△52総資産1,5921,560△32 (当連結会計年度のキャッシュフローの分析) 当期は、営業キャッシュフロー279億円に対し、投資キャッシュフローとして88億円を支出、フリーキャッシュフロー191億円を生み出し、161億円を株主に還元、22億円を借入返済に充当、現金及び現金同等物は、前期末と比べ7億円増加の194億円といたしました。(営業活動によるキャッシュフロー) 営業活動によるキャッシュフローは、279億円の収入(前年同期比44億円増加)となりました。増加した主な要因は、営業利益が増加したことに加え、消費税の支払が縮小したこと、前期には再編費用に係る支出があったことによるものです。消費税の支払の縮小は、小売事業をニチガスに集約した結果、一時的に支払を先送りできたことによるものです。当期から負担する容量拠出金(電力の供給力を確保する目的で小売事業者等が負担する費用)を長い支払サイトで調達する等、キャッシュ・コンバージョン・サイクルも良化しております。(投資活動によるキャッシュフロー) 投資活動によるキャッシュフローは、88億円の支出(前年同期比3億円減少)となりました。当期は、システム開発は一服、前期よりICT投資を9億円減らした一方、グループ会社(門倉商店)への出資及び貸付投資を増加させました。(財務活動によるキャッシュフロー) 財務活動によるキャッシュフローは、183億円の支出(前年同期比96億増加)となりました。支出が増加した要因は、フリーキャッシュフローが増加したためです。最適資本構成にむけて、自己株式取得や配当の還元を161億円(30億円増加)実施し、また、有利子負債の返済を22億円いたしました。                                        (単位:億円) 24年3月期25年3月期前期差営業キャッシュフロー23427944投資キャッシュフロー△91△883フリーキャッシュフロー14219148財務キャッシュフロー△87△183△96現金及び現金同等物の増減557△48現金及び現金同等物の期末残高1871947 (3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

主要なリスクとして、まず原料調達の安定性が挙げられます。LPガス、都市ガス、電力の調達を他社に依存しており、国際情勢や為替変動による価格高騰が懸念されますが、販売価格への転嫁で対応しています。次に、気候変動や省エネ意識の高まりによるエネルギー利用の変化があり、分散型エネルギーソリューションの推進で対応しています。大規模災害によるエネルギー供給への支障もリスクであり、事前対策や迅速な復旧体制を強化しています。さらに、ガス漏洩や不完全燃焼による事故といった保安上のリスクがあり、スマート保安システムや教育で事故防止に努めています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,674 文字
3 【事業等のリスク】(1)リスク管理体制  当社は、リスクとは事業を運営することで直面する不確実性と認識しております。グループリスク管理委員会を設置して発生頻度と事業に与える影響の大きさの観点からリスクの重要性を把握し、マイナスの影響を与えるリスクには適切な対策を講じ、プラスの機会には機動的な意思決定を行うことで収益の創出を図っております。中長期的に事業や業績に影響を与え得る課題については、指名報酬・環境等委員会(取締役会の諮問委員会)でトピックを絞って議論し、その上で取締役会にてマテリアリティとして項目を特定、全社対応方針を決定しております。 <ガバナンス体制> (2)主要なリスク①原料等の安定調達 当社はラストワンマイルでお客さまにエネルギーをお届けする事業に特化し、輸入等の上流事業は行っておらず、他社からガスや電源等のエネルギーを調達する必要があります。原料調達において、ロシアによるウクライナ侵攻、中東情勢の混迷に加えて、米国関税措置による原料・為替相場の変動等、安定したサプライチェーンの確保はより一層重要な課題となりました。これに対して当社は、エネルギー毎にパートナーと調達関係を構築し、各エネルギーを安定的に調達しております。 ■LPガス:LPガスの調達は輸入を前提としており、需給や原産国の政情、地政学リスク等に起因する原料価格や為替レートの変動の影響を受けます。これに対して、当社は複数の取引先から調達を行ってリスクを分散し、安定的に調達しております。また原料価格と為替の変動に対し、原則として販売価格の変更で対応します。これにより、原料と為替相場の変動は中長期的に業績に大きな影響を与えません。■都市ガス(LNG):当社は広範なアライアンス関係にもとづき、東京電力グループから都市ガスの原料を安定的に調達しております(一部除く)。原料費の変動は、原料費調整制度により、最大5ヶ月後にはガス料金に反映されます(会計年度を超えて料金に反映される場合があるため年度によっては原料費の変動が利益に影響する場合があります。また、季節により販売量に変動があるため、売上や利益には一定のブレが生じます。所謂、スライドタイムラグ)。■電源:当社は、電源についても、その全量を東京電力グループから安定調達しております。電源の仕入れ価格は、主に電源を構成する原料価格などにより変動します。この仕入れ価格の変動は、燃料費等調整制度により、毎月の小売料金に反映しております。 ②エネルギー利用の変化 気候変動、原料調達難等による原料価格の高騰、お客さまの省エネ・節エネ意識の高まりなどにより、お客さまのエネルギー利用が変化する可能性があります。この状況に対し当社は、今後も徐々にお客さま先のエネルギー消費量が減少することを前提に、お客さまが主体的にエネルギー利用の在り方を決定できるよう、需要側(消費者)からのアプローチで対応します。電気とガスのセットを前提に、お客さまのエネルギーの最適利用を実現するエネルギーソリューション事業を推進し、いち早く新たなエネルギー価値を提供します。ハイブリッド給湯器や、太陽光発電、蓄電池等の分散型エネルギーを普及させ、お客さまご自身でエネルギーを作り、貯め、賢く使うというご家庭でのエネルギーの最適利用を提案、さらに地域コミュニティ全体のエネルギーの最適利用を提案します。 ③大規模災害 大規模地震や豪雨災害等の自然災害が激甚化しており、大規模災害が発生した場合、エネルギーの安定供給に支障をきたす恐れがあります。これに対して当社は、下記の各観点で対策を講じております。 ■災害への事前対策 LPガスではマイコンメーター(※1)の100%設置、感震遮断弁設置のほか、張力式放出防止ホース(グラピタ)(※2)を標準仕様としております。都市ガスでもマイコンメーターを100%設置しております。LPガス、自社のガス管で供給する都市ガスの全ガスメーターにスマートメーター「スペース蛍」を設置、ガス漏れ等の異常を常時監視することで、ガス漏洩等の即時対応を可能としております。また旧式のガス管を耐震性に優れたポリエチレン製のガス管に入れ替えるなど、災害時への事前対策を進めております。  またハザードマップにもとづき、洪水浸水想定が1m以上の地域におけるLPガスのお客さま先を対象に、ボンベの転倒や流出防止としてボンベを固定するベルトの二重掛けを行っております。平時より災害マニュアルを作成し、災害発生時に備えた緊急対応要員、資機材整備等、迅速かつ安全な対応をなし得る体制を整えております。災害時用に数日分の食料を常に備蓄しております。防災訓練ではGoogle Meetで映像を映しながら有事を見据えた指示出し訓練を行っております。社員が現場に急行できるよう近隣の宿泊施設と事前協議を行い、有事の際の宿泊施設の確保にも努めております。※1 地震発生等の異常発生時に自動でガスを止める機能を持つガスメーターのこと※2 ボンベが転倒した際等に外部へのガス放出を防止する高圧ホースのこと■災害発生時 大規模地震発生時はガスを自動停止、ガス供給設備の安全を確認し、異常が確認された場合は速やかに対応します。震度5弱以上では社員が出動し、建物やガス設備等の被害状況、ガス漏洩状況等を自主点検をしております。災害時にはコールセンター要員や優先電話等を確保し、お客さまからの連絡に対応します。スマホや衛星電話等で被害情報を迅速に共有し、集めた情報にもとづき災害対策本部からの人員配置指示のもと災害時緊急対応を行っております。迅速な復旧対応への準備として、工事会社やメーカー等の協力会社と復旧対応の協力体制も確立。昨今の豪雨被害増加に伴い、ドローンによる上空からの設備点検の仕組みも導入しております。有事のエネルギー源の確保では主要拠点にLPガスで稼働する自家発電機を設置、太陽光発電設置営業所ではEVバイク用交換式バッテリーを緊急時の電源とし、地域の皆さまにご利用いただける体制を整備しております。■分散型エネルギーの普及 LPガス事業では、ご家庭ごとに供給設備を設けてガスを供給しております。そのため災害発生時は、個別に点検を行い、異常がないことが確認でき次第、早期復旧が可能です。病院や学校等、災害発生時に速やかな復旧が求められる重要施設は、あらかじめ把握し、優先的に供給再開します。通常、各お客さま宅にはボンベが2本設置されており、ガスが備蓄されている状態です。そのため、万が一の場合もガスボンベを備蓄エネルギーとして使用いただけます。中長期では太陽光や蓄電池、EV等の分散型電源を普及して広く分散型エネルギーネットワークを構築し、地域社会のエネルギーの最適利用を実現してまいります。 ④保安上のリスク ■需要家保安  当社は、ガス及びガス機器の販売・工事をするにあたり、保安を最重要視して、法令に基づき、ガス漏洩検査や供給設備や消費機器の点検等の保安責任を果たしています。しかしながら、点検時の確認不足が原因で、ガス漏洩を起因とするガス爆発事故や、機器の経年劣化や施工上の欠陥(給排気不備)による不完全燃焼が引き起こすCO中毒事故が発生した場合、直接的な損害のみならず、顧客からの信頼を喪失、社会的評価の低下など、当社の事業収支に影響を及ぼす可能性があります。 このリスクに対し、当社はスマート保安という保安業務に特化したシステムを開発、必要な点検項目を自動的に提示される仕組みを構築することで、調査のモレを排除するよう務めています。また、自社開発したスマートメーターで毎時、ガスの使用状態を把握、ガスの漏洩についても検知しております。ガス漏洩が疑われる際には速やかに出動し、事故の未然防止に努めております。お客さまが当社から購入頂いたガス器具は、データベース化して管理しており、点検や緊急時対応の保安措置にも繋げております。保安教育は、毎月実施、研修の充実により、保安業務に携わる社員は、第二種販売主任者や液化石油ガス設備士等の資格を取得しています。■供給者保安 当社は、都市ガスの供給をするにあたり、ガス導管の保安責任を負っております。道路陥没などでガス管が損傷した場合、ガス漏洩やガス供給の支障が広範囲におよぶ恐れがあります。このような事態は、社会的責任を問われるだけではなく、地域社会からの信頼を失う可能性があります。当社は被害を最小限に抑えるために、導管に一定区間ごとにバルブを設置する計画をすすめております。 ⑤レピュテーションリスク 当社に関する誹謗中傷等の拡散により、ステークホルダーの皆さまからの信頼を低下させる可能性があります。問題が生じた際にはグループリスク管理委員会で対応方針を協議し、情報を開示するとともに、再発防止策を講じます。コンプライアンス遵守については、グループ役職員に教育を行い、その重要性を認識して業務にあたるよう行動規範を制定しております。コンプライアンス意識調査(年に1度実施)とその遵守状況は適宜開示し、内部監査の対象としております。 営業領域では、全ての外部委託先に対して、弁護士が監修しながらも座学ではない実践的な研修を行っております。テストへの合格が必須であり、2023年からは、〇×の2択から複数選択肢の中から正解を選択する難易度の高い形式に変更しました。コンプライアンスを遵守しない委託先とは契約を解除し厳格に対応しております。加えて、訪問販売や電話を通じてお申込みいただいた全てのお客さまに、その意思と内容に間違いがないか確認するため契約後の再確認電話を実施しております。また、グループリスク管理委員会のもとで、本部長が直轄する営業品質会議を開催し、お客さまからのお問合せ対応の評価や再発防止に向けた営業品質改善指導等を行っております。 また、当社の事業活動において、従業員による車両事故は重大なレピュテーションリスクとなり得ます。車両事故が発生した場合、企業イメージの低下、顧客からの信頼喪失、社会的評価の毀損など、当社の事業運営に重大な影響を及ぼす可能性があります。このリスクに対応するため、当社ではコンプライアンス委員会を中心に、安全運転に関するヒアリングの実施、事故事例の分析と全社への周知、安全運転講習会の開催などの取り組みを積極的に推進しています。また、運転記録の管理体制を強化し、リスクの早期発見と未然防止に努めています。 ⑥人材の確保・育成 少子高齢化を背景に労働力不足が深刻化しております。LPガス事業の根幹である物流における働き方改革(2024年問題)、物価上昇等に伴う他社の大幅な賃上げ実施等は、当社の人員確保に影響する可能性があります。これに対して当社は、ITの導入で人が行う業務の生産性を向上させ、省力化を図っております。例えば、通常は各家庭に訪問して実施する保安業務について、遠隔から実施できる仕組みを構築することで、一人あたりの保安実施数を増加させております。また待遇面では、当社が魅力的な勤務先となるよう、一人あたり給与を上げております。2025年は、平均4.5%の賃上げを実施いたしました。また、多様な働き方や人事制度を設け、様々なバックグラウンドを持つ個人が、意欲を持って個人の能力を最大限発揮できる環境の整備に注力しております。

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