経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。なお、経営環境につきましては、「4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しております。 (1) 企業理念当社は創業140周年を迎えた2021年に、改めて当社のパーパス(存在意義)を明確化いたしました。それは「革新へのあくなき挑戦で、人々と社会に信頼と感動をもたらし、世界中が笑顔であふれる未来を創ります」というものです。当社のすべての活動はこのパーパスを原点とし、「社会に信頼される会社であること」という企業理念のもと行われています。また、2031年に迎える150周年に向け、以下のグループ10年ビジョンも定めました。 アナログとデジタルのシナジーにより世界中の人・モノ・時をつなぐ製品・サービスを創造し、サステナブルな社会に貢献するソリューションを提供する 当社はこのグループ10年ビジョンの実現に向け、2026年度を最終年度とする第8次中期経営計画(SEIKO Milestone145=SMILE145)を策定し事業を推進しております。 (2) 経営戦略及び対処すべき課題1) SMILE145の位置づけ第8次中期経営計画SMILE145は、創業150周年のありたい姿であるグループ10年ビジョンを実現するために、その中間地点である創業145周年にあたる2026年度に向けてグループ10年ビジョンからバックキャスティングで策定し、期間を5か年計画といたしました。 2) SMILE145の目指す姿2026年のありたい姿を「人々と社会に感動をもたらす高付加価値・高収益な製品・サービスを提供する、ソリューションカンパニーになる」とし、その実現のために感動をもたらす高付加価値で高収益な製品に注力していく「MVP戦略(=Moving, Valuable, Profitable)」を基本方針といたします。 3) 2031年に向けた価値創造ストーリー当社グループを取り巻く環境認識を機会とリスクの両面から分析した上で、グループパーパスを原点に社会課題解決を実現する事業活動に取り組み、グループのたゆみない成長とともに持続可能な社会発展に貢献いたします。成長戦略として、グループコア戦略(サステナビリティ、人材、ブランディング、DX、R&D)を推進するとともに、当社グループの強みである3つの戦略ドメイン(エモーショナルバリューソリューション、デバイスソリューション、システムソリューション)を設定し、4つの事業機会(感性消費、Society5.0、ウェルネス、社会/環境)においてこれらドメインの戦略を進めます。さらにグループシナジー創出を図ることで、社会価値の創造を実現するとともに当社グループの成長を目指します。そのためにグループ10年ビジョンからバックキャスティングで描いた2026年のありたい姿の実現に向けてMVP戦略を推進いたします。 4) グループコア戦略当社グループはグループを横断した5つの戦略をグループコア戦略として掲げ、成長戦略を推進してまいります。① サステナビリティ戦略セイコーグループは、グループパーパスを原点に、“WITH”を実現する事業活動に取り組み、グループのたゆみない成長とともに持続可能な社会発展に貢献します。(“WITH”=Well-being:よりよい人生を、Inclusion:すべての人に、Trust:確かな信頼で、Harmony:地球との調和)② 人材戦略人材の開発や多様性の向上、組織風土づくりに積極的に取り組み、社員の働きがいを高め、イノベーションの創出を通じて、グループ一丸でソリューションカンパニーを目指します。③ DX戦略デジタルとデータを駆使し、顧客中心で顧客体験を重視した高付加価値ビジネスを実現します。④ R&D戦略永年培ってきた「匠・小・省」と「デジタル」を融合し、技術をさらに進化させ、新たな価値を創造します。⑤ ブランディング戦略SEIKOは、社会課題に向き合い、自社の社会的価値・技術的価値・感性的価値を通して、世界中の人々の心を豊かにし、笑顔であふれる未来を創ります。 5) ドメイン別の目指す姿① エモーショナルバリューソリューション(EVS)ドメイン・お客様に感動をもたらす美意識や信念に満ち、機能的価値・感性的価値・社会的価値の高い製品・サービスを創出します。・人生に寄り添い、悦びの時をともに歩める商品を、優れた顧客体験を通じて販売する事で、ブランド価値向上と企業価値向上を実現します。② デバイスソリューション(DS)ドメイン・「匠・小・省」の進化による技術革新が生み出すデバイスソリューションで、社会が求める高機能・高品質な製品・サービスを提供します。③ システムソリューション(SS)ドメイン・社会のイノベーションをワンストップのICTソリューションにより提供し、サステナブルな成長を実現します。・お客様ニーズに即した持続的な価値提供により、お客様・社会・グループの価値向上を実現します。 6) 財務方針・キャッシュアロケーションSMILE145では、当社グループは売上総利益率の改善により成長投資力を向上させ、サステナビリティ確立への投資を行うとともに、資本コストを踏まえた財務体質の改善、株主還元を確実に実施していくことを目指します。売上成長性やROICをベースとした積極投資、安定的収益基盤確保、新規領域への挑戦の3つをサステナビリティ確立に向けた投資方針に掲げ、ブランディング・R&D・製造設備・M&A・DX・人材など当社グループの成長に向けた投資を行ってまいります。 7) 全社経営目標SMILE145では中長期的な収益性と成長性を重視し、当社グループがサステナブルな企業であり続けることを目指します。2026年度の財務目標は、連結営業利益200億円、連結GP率 +5.0ポイント(2021年度比)、連結ROIC 6.5%超を達成し、収益性と成長性の向上を図るとともに、ROE8%超を達成し、資本効率の改善を図ります。このうち、当期の連結営業利益は212億円、ROEは8.7%となり目標値を上回っておりますので、2026年度目標を連結営業利益250億円、ROE9%超に上方修正します。非財務(ESG)評価指標は、2024年度までに目標値を上回って進捗していることから、2026年度のScope1・2におけるCO2排出量を56,000(t-CO2)以下(2022年度比で42%削減)に改定します。 8) 事業を取り巻く環境と課題への取組み① グループコア戦略サステナビリティ戦略においては、脱炭素・気候変動の取組みとして、グループ全体で掲げる2030年度に向けた温室効果ガス排出量削減目標が、パリ協定で定める1.5℃水準に整合した目標であるとして、SBT(Science Based Targets)の認定を取得しました。また、2024年度中の国内全拠点における使用電力の100%再生可能エネルギー化を達成し、さらに2040年度中の海外拠点も含めた全拠点の100%再エネ化達成に向けて、温室効果ガス排出量削減を引き続き推進していきます。責任ある調達の取組みとしては、サプライヤーとのエンゲージメントを強化し、グループ全体でサプライチェーン上におけるリスクの軽減に努めており、合わせて、人権リスクを低減する取組みや水資源に関する取組みも積極的に推進していきます。人材戦略においては、重点テーマとして、複雑化する経営環境の中で、企業価値を高め、サステナブルな成長を実現できる「人材育成」、女性活躍推進や仕事と育児の両立支援を中心とした「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進」、新たなイノベーションを創発するために必要な「組織風土・文化づくり」を設定し、働きがいの向上を図る取組みを推進していきます。また、これまでも積極的に取り組んできた「健康経営」「人権の尊重」についても人材戦略の基盤となる活動として位置付け、強化していきます。DX戦略においては、お客様との接点で、マーケティングDXを活用した顧客体験向上とCRMの推進を目指し、製造や物流業務では、生産性向上に向けたDXに積極的に取り組んでいます。R&D戦略においては、セイコーグループの研究開発・生産技術を担うセイコーフューチャークリエーション株式会社を軸として、グループ全体のR&D戦略の強化と新しい技術の開発を推進し、これらの活動を通して、グループ横断で新たな事業領域の創出に取り組みます。ブランディング戦略においては、社会課題に向き合い、自社の社会的価値・技術的価値・感性的価値を通して、世界中の人々の心を豊かにし、笑顔であふれる未来を創るためのブランディング活動を進めていきます。EVS事業では、日本文化の発信に通ずる感性価値を伝える取組みを強化していきます。SS事業では、社会課題を解決するソリューションが生み出す社会的価値や技術的価値を伝える活動を展開していきます。② 戦略ドメイン別の事業戦略2025年3月期から、SMILE145後期の3か年計画がスタートしました。後期3か年においては、ウオッチ事業とSS事業をグループ成長の中核と捉え、更なる成長に向けて投資の強化を進めております。DS事業については、各製品の成長性を見極めバランスの取れた投資を行っております。また、グループ内のシナジー効果を発揮し、新規事業の探索を進めております。 戦略ドメイン別の事業戦略は、EVS事業では、ウオッチ事業において、GSを中心とした高級品ビジネスで海外での売上拡大を加速することが最重要課題です。また、グローバル製造体制の見直しを行い、製造と販売の連携強化および製造拠点間の連携と全体最適の強化に着手しております。クロック事業は、ウオッチ事業と事業体制を一本化し、事業の効率化を図ります。和光事業は、新規富裕層顧客の獲得とロイヤルカスタマー化を目指した顧客戦略、そして和光オリジナル商品の開発に注力します。DS事業では、成長力のある医療用電池や小型化に強みをもつ水晶振動子のシェア拡大を目指します。また、自動車部品を中心とする精密デバイスや、今後需要拡大が見込まれるオシレータ用ICの売上拡大を図ります。SS事業は、M&A等を通じてサービスと顧客を着実に拡大させるとともに、社会課題を解決するハードウェアとソフトウェアを融合したIoT・AI ソリューションの提供や、お客様企業のDX実現を支えるプラットフォーム系ソリューション提供を通じて、事業の成長を図ります。また、ファシリティ事業をEVS事業からSS事業へ移管し、システムソリューションビジネスと連携して事業の拡大を図ります。SMILE145における主要KPIの進捗は、以下の通りになります。 連結経営目標(KPI) (金額単位:億円) 2022年3月期実績2023年3月期実績2024年3月期実績2025年3月期実績2026年3月期見通し 2027年3月期SMILE145連結営業利益87112147212225 250連結GP率41.8%42.9%44.3%45.0%46.0% 46.8% ドメイン別経営目標(KPI) (金額単位:億円) 2022年3月期実績2023年3月期実績2024年3月期実績2025年3月期実績2026年3月期見通し営業利益 EVS82115172223230 DS5650212933 SS3943475060
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。なお、経営環境につきましては、「4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しております。 (1) 企業理念当社は創業140周年を迎えた2021年に、改めて当社のパーパス(存在意義)を明確化いたしました。それは「革新へのあくなき挑戦で、人々と社会に信頼と感動をもたらし、世界中が笑顔であふれる未来を創ります」というものです。当社のすべての活動はこのパーパスを原点とし、「社会に信頼される会社であること」という企業理念のもと行われています。また、2031年に迎える150周年に向け、以下のグループ10年ビジョンも定めました。 アナログとデジタルのシナジーにより世界中の人・モノ・時をつなぐ製品・サービスを創造し、サステナブルな社会に貢献するソリューションを提供する 当社はこのグループ10年ビジョンの実現に向け、2026年度を最終年度とする第8次中期経営計画(SEIKO Milestone145=SMILE145)を策定し事業を推進しております。 (2) 経営戦略及び対処すべき課題1) SMILE145の位置づけ第8次中期経営計画SMILE145は、創業150周年のありたい姿であるグループ10年ビジョンを実現するために、その中間地点である創業145周年にあたる2026年度に向けてグループ10年ビジョンからバックキャスティングで策定し、期間を5か年計画といたしました。 2) SMILE145の目指す姿2026年のありたい姿を「人々と社会に感動をもたらす高付加価値・高収益な製品・サービスを提供する、ソリューションカンパニーになる」とし、その実現のために感動をもたらす高付加価値で高収益な製品に注力していく「MVP戦略(=Moving, Valuable, Profitable)」を基本方針といたします。 3) 2031年に向けた価値創造ストーリー当社グループを取り巻く環境認識を機会とリスクの両面から分析した上で、グループパーパスを原点に社会課題解決を実現する事業活動に取り組み、グループのたゆみない成長とともに持続可能な社会発展に貢献いたします。成長戦略として、グループコア戦略(サステナビリティ、人材、ブランディング、DX、R&D)を推進するとともに、当社グループの強みである3つの戦略ドメイン(エモーショナルバリューソリューション、デバイスソリューション、システムソリューション)を設定し、4つの事業機会(感性消費、Society5.0、ウェルネス、社会/環境)においてこれらドメインの戦略を進めます。さらにグループシナジー創出を図ることで、社会価値の創造を実現するとともに当社グループの成長を目指します。そのためにグループ10年ビジョンからバックキャスティングで描いた2026年のありたい姿の実現に向けてMVP戦略を推進いたします。 4) グループコア戦略当社グループはグループを横断した5つの戦略をグループコア戦略として掲げ、成長戦略を推進してまいります。① サステナビリティ戦略セイコーグループは、グループパーパスを原点に、“WITH”を実現する事業活動に取り組み、グループのたゆみない成長とともに持続可能な社会発展に貢献します。(“WITH”=Well-being:よりよい人生を、Inclusion:すべての人に、Trust:確かな信頼で、Harmony:地球との調和)② 人材戦略人材の開発や多様性の向上、組織風土づくりに積極的に取り組み、社員の働きがいを高め、イノベーションの創出を通じて、グループ一丸でソリューションカンパニーを目指します。③ DX戦略デジタルとデータを駆使し、顧客中心で顧客体験を重視した高付加価値ビジネスを実現します。④ R&D戦略永年培ってきた「匠・小・省」と「デジタル」を融合し、技術をさらに進化させ、新たな価値を創造します。⑤ ブランディング戦略SEIKOは、社会課題に向き合い、自社の社会的価値・技術的価値・感性的価値を通して、世界中の人々の心を豊かにし、笑顔であふれる未来を創ります。 5) ドメイン別の目指す姿① エモーショナルバリューソリューション(EVS)ドメイン・お客様に感動をもたらす美意識や信念に満ち、機能的価値・感性的価値・社会的価値の高い製品・サービスを創出します。・人生に寄り添い、悦びの時をともに歩める商品を、優れた顧客体験を通じて販売する事で、ブランド価値向上と企業価値向上を実現します。② デバイスソリューション(DS)ドメイン・「匠・小・省」の進化による技術革新が生み出すデバイスソリューションで、社会が求める高機能・高品質な製品・サービスを提供します。③ システムソリューション(SS)ドメイン・社会のイノベーションをワンストップのICTソリューションにより提供し、サステナブルな成長を実現します。・お客様ニーズに即した持続的な価値提供により、お客様・社会・グループの価値向上を実現します。 6) 財務方針・キャッシュアロケーションSMILE145では、当社グループは売上総利益率の改善により成長投資力を向上させ、サステナビリティ確立への投資を行うとともに、資本コストを踏まえた財務体質の改善、株主還元を確実に実施していくことを目指します。売上成長性やROICをベースとした積極投資、安定的収益基盤確保、新規領域への挑戦の3つをサステナビリティ確立に向けた投資方針に掲げ、ブランディング・R&D・製造設備・M&A・DX・人材など当社グループの成長に向けた投資を行ってまいります。 7) 全社経営目標SMILE145では中長期的な収益性と成長性を重視し、当社グループがサステナブルな企業であり続けることを目指します。2026年度の財務目標は、連結営業利益200億円、連結GP率 +5.0ポイント(2021年度比)、連結ROIC 6.5%超を達成し、収益性と成長性の向上を図るとともに、ROE8%超を達成し、資本効率の改善を図ります。このうち、当期の連結営業利益は212億円、ROEは8.7%となり目標値を上回っておりますので、2026年度目標を連結営業利益250億円、ROE9%超に上方修正します。非財務(ESG)評価指標は、2024年度までに目標値を上回って進捗していることから、2026年度のScope1・2におけるCO2排出量を56,000(t-CO2)以下(2022年度比で42%削減)に改定します。 8) 事業を取り巻く環境と課題への取組み① グループコア戦略サステナビリティ戦略においては、脱炭素・気候変動の取組みとして、グループ全体で掲げる2030年度に向けた温室効果ガス排出量削減目標が、パリ協定で定める1.5℃水準に整合した目標であるとして、SBT(Science Based Targets)の認定を取得しました。また、2024年度中の国内全拠点における使用電力の100%再生可能エネルギー化を達成し、さらに2040年度中の海外拠点も含めた全拠点の100%再エネ化達成に向けて、温室効果ガス排出量削減を引き続き推進していきます。責任ある調達の取組みとしては、サプライヤーとのエンゲージメントを強化し、グループ全体でサプライチェーン上におけるリスクの軽減に努めており、合わせて、人権リスクを低減する取組みや水資源に関する取組みも積極的に推進していきます。人材戦略においては、重点テーマとして、複雑化する経営環境の中で、企業価値を高め、サステナブルな成長を実現できる「人材育成」、女性活躍推進や仕事と育児の両立支援を中心とした「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進」、新たなイノベーションを創発するために必要な「組織風土・文化づくり」を設定し、働きがいの向上を図る取組みを推進していきます。また、これまでも積極的に取り組んできた「健康経営」「人権の尊重」についても人材戦略の基盤となる活動として位置付け、強化していきます。DX戦略においては、お客様との接点で、マーケティングDXを活用した顧客体験向上とCRMの推進を目指し、製造や物流業務では、生産性向上に向けたDXに積極的に取り組んでいます。R&D戦略においては、セイコーグループの研究開発・生産技術を担うセイコーフューチャークリエーション株式会社を軸として、グループ全体のR&D戦略の強化と新しい技術の開発を推進し、これらの活動を通して、グループ横断で新たな事業領域の創出に取り組みます。ブランディング戦略においては、社会課題に向き合い、自社の社会的価値・技術的価値・感性的価値を通して、世界中の人々の心を豊かにし、笑顔であふれる未来を創るためのブランディング活動を進めていきます。EVS事業では、日本文化の発信に通ずる感性価値を伝える取組みを強化していきます。SS事業では、社会課題を解決するソリューションが生み出す社会的価値や技術的価値を伝える活動を展開していきます。② 戦略ドメイン別の事業戦略2025年3月期から、SMILE145後期の3か年計画がスタートしました。後期3か年においては、ウオッチ事業とSS事業をグループ成長の中核と捉え、更なる成長に向けて投資の強化を進めております。DS事業については、各製品の成長性を見極めバランスの取れた投資を行っております。また、グループ内のシナジー効果を発揮し、新規事業の探索を進めております。 戦略ドメイン別の事業戦略は、EVS事業では、ウオッチ事業において、GSを中心とした高級品ビジネスで海外での売上拡大を加速することが最重要課題です。また、グローバル製造体制の見直しを行い、製造と販売の連携強化および製造拠点間の連携と全体最適の強化に着手しております。クロック事業は、ウオッチ事業と事業体制を一本化し、事業の効率化を図ります。和光事業は、新規富裕層顧客の獲得とロイヤルカスタマー化を目指した顧客戦略、そして和光オリジナル商品の開発に注力します。DS事業では、成長力のある医療用電池や小型化に強みをもつ水晶振動子のシェア拡大を目指します。また、自動車部品を中心とする精密デバイスや、今後需要拡大が見込まれるオシレータ用ICの売上拡大を図ります。SS事業は、M&A等を通じてサービスと顧客を着実に拡大させるとともに、社会課題を解決するハードウェアとソフトウェアを融合したIoT・AI ソリューションの提供や、お客様企業のDX実現を支えるプラットフォーム系ソリューション提供を通じて、事業の成長を図ります。また、ファシリティ事業をEVS事業からSS事業へ移管し、システムソリューションビジネスと連携して事業の拡大を図ります。SMILE145における主要KPIの進捗は、以下の通りになります。 連結経営目標(KPI) (金額単位:億円) 2022年3月期実績2023年3月期実績2024年3月期実績2025年3月期実績2026年3月期見通し 2027年3月期SMILE145連結営業利益87112147212225 250連結GP率41.8%42.9%44.3%45.0%46.0% 46.8% ドメイン別経営目標(KPI) (金額単位:億円) 2022年3月期実績2023年3月期実績2024年3月期実績2025年3月期実績2026年3月期見通し営業利益 EVS82115172223230 DS5650212933 SS3943475060
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績当連結会計年度における日本経済は、インフレ傾向のなかでも個人消費は緩やかに回復しており、またインバウンド需要は好調に推移しました。海外経済は、米国は、労働市場がやや減速するも堅調を維持し、消費を中心に堅調な成長が続きました。欧州は、小売売上高の一服感があるものの、インフレ鈍化などにより緩やかな回復傾向にあります。中国は、輸出や政策支援を受けた消費により持ち直しの兆しがみられるものの、長引く住宅市場の調整が引き続き懸念材料です。足元では、トランプ政権による関税政策の世界経済への影響が懸念されています。 このような中、エモーショナルバリューソリューション事業では、国内市場向けのウオッチ事業、和光事業が堅調な個人消費やインバウンド需要を背景に大きく売上高を伸ばし、海外向けのウオッチ事業もセイコーグローバルブランドを中心に伸長して、売上高は前年度を大きく上回りました。デバイスソリューション事業は、前年度第4四半期ごろから一部の製品で回復傾向にあり、売上高は前年度を上回りました。システムソリューション事業も、多角化やストックビジネス拡大への取組みが引き続き奏功して、前年度を上回る売上高となりました。その結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は、3,047億円(前年度比10.1%増)となりました。連結全体の国内売上高は1,662億円(同12.7%増)、海外売上高は1,385億円(同7.1%増)となり、海外売上高割合は45.4%でした。当連結会計年度の広告宣伝販促費は前年度に対して10%以上増加し、販売費及び一般管理費は前年度から78億円の増加となりました。営業利益は、エモーショナルバリューソリューション事業が牽引し、前年度から65億円改善の212億円(同44.1%増)となりました。営業外収支は、円相場の大幅な変動による為替差損の計上等により前年度から悪化し、経常利益は前年度を48億円上回る207億円(同30.7%増)となりました。特別損益は、特別利益として投資有価証券売却益や固定資産売却益など32億円、特別損失として減損損失や事業構造改善費用など、合わせて37億円を計上しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、事業の収益改善に伴い法人税等が増加したことなどにより、前年度から32億円増加の133億円(同32.5%増)となりました。なお、当連結会計年度の平均為替レートは1米ドル152.6円、1ユーロ163.8円でした。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 エモーショナルバリューソリューション事業(EVS事業)EVS事業は売上高2,042億円(前年度比8.4%増)、営業利益223億円(同29.5%増)となりました。国内のウオッチは、「グランドセイコー」をはじめとするグローバルブランド全般が好調に推移し、前年度から大きく売上高を伸ばしました。また海外でも、「セイコープレザージュ」が牽引し、売上高は前年度から増加しました。ウオッチムーブメントの外販ビジネスについても堅調に推移し、売上高は前年度から増加しました。和光事業の売上高は、引き続き好調なインバウンド需要もあり前年度から大きく増加しました。クロック事業は国内向けを中心に前年度からやや減少しましたが、ファシリティ事業は堅調に推移しました。 デバイスソリューション事業(DS事業)DS事業は売上高621億円(前年度比6.5%増)、営業利益29億円(同38.9%増)となりました。小型電池は、医療向け酸化銀電池が引き続き好調に推移し、売上高が大幅に伸長しました。また、前年度第4四半期ごろより調整局面からの回復傾向にあった水晶や、前年度まで低迷していた半導体製造装置向け高機能金属なども売上高が増加し、前年度から増収増益となりました。 システムソリューション事業(SS事業)SS事業は売上高478億円(前年度比18.3%増)、営業利益50億円(同7.2%増)となりました。前年度第4四半期に実施したM&Aのシナジー効果によりITインフラ関連やセキュリティ関連ビジネスが拡大し、またIoT関連ビジネスがテレマティクスビジネスなどの拡大により順調に伸長し、36四半期連続で対前年同四半期比増収増益となりました。 (2) 財政状態(資産)当連結会計年度末の総資産は3,692億円となり、前連結会計年度末に比べて70億円の減少となりました。流動資産では、現金及び預金が67億円増加しましたが、売掛金が47億円、商品及び製品が28億円減少したことなどにより、流動資産合計は前連結会計年度末より5億円減少の1,741億円となりました。固定資産では、有形固定資産が30億円、無形固定資産が1億円、投資その他の資産が32億円減少したことから、固定資産合計は前連結会計年度末と比べ65億円減少の1,950億円となりました。 (負債)負債につきましては、短期借入金が138億円減少する一方で長期借入金が23億円増加したことなどにより、借入金合計は1,076億円となりました。その他、電子記録債務が24億円、未払金が32億円、繰延税金負債が15億円減少したことなどにより、負債合計は前連結会計年度末と比べ、137億円減少の2,112億円となりました。 (純資産)純資産につきましては、株主資本が99億円増加する一方で、その他有価証券評価差額金が31億円減少したことなどから、純資産合計は前連結会計年度末と比べ66億円増加の1,580億円となりました。 (3) キャッシュ・フロー当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は394億円となり、前連結会計年度末と比べて67億円の増加となりました。また、営業活動および投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは234億円となりました。これは主に以下の要因によるものです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が202億円となり、減価償却費143億円を加え、売上債権の増減額48億円、法人税等の支払額△66億円等の調整を行った結果、326億円のプラス(前年度は327億円のプラス)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出△103億円等を計上する一方で、有形固定資産の売却による収入25億円、投資有価証券の売却による収入24億円等を計上したことから、91億円のマイナス(前年度は150億円のマイナス)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、長短借入金の返済および借入がネットで△101億円、リース債務の返済による支出△23億円、配当金の支払額△36億円等があり165億円のマイナス(前年度は230億円のマイナス)となりました。 (4) 資本の財源及び資金の流動性当社グループの主な資金需要は、製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金需要、設備投資や研究開発費、ブランディング費用などの成長及び企業価値向上を目的とした投資需要であり、資金の主な源泉は、営業活動によるキャッシュ・フロー、有利子負債による資金調達であります。資金の流動性につきましては、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は394億円であり、将来の資金需要に対し適正な水準を確保していると認識しております。また、当社および国内の事業会社においてキャッシュ・マネジメント・システムを導入し、グループ全体の資金効率化を図っております。さらに、様々な不測の事態においても機動的かつ安定的に経常運転資金を確保するため、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結しております。 (5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 (6) 生産、受注及び販売の実績① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)エモーショナルバリューソリューション事業42,4985.0デバイスソリューション事業36,9406.6システムソリューション事業21,06341.2合計100,50111.6 (注) 1.金額は、製造原価によって算出しております。2.連結消去後の金額で記載しております。 ② 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)エモーショナルバリューソリューション事業7,933△4.32,0294.8デバイスソリューション事業13,27234.02,989△1.6システムソリューション事業22,61321.22,855△19.9合計43,82018.97,874△7.8 (注) 1.連結消去後の金額で記載しております。 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)エモーショナルバリューソリューション事業201,2478.5デバイスソリューション事業57,4167.8システムソリューション事業45,23521.2その他・調整額844△0.1合計304,74410.1 (注) 1.連結消去後の金額で記載しております。2.総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はないため、「主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合」の記載は行っておりません。