有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|9,844 文字
3【事業等のリスク】(1)当社グループのリスク管理①リスク管理基本方針 当社グループは、「リスク管理基本方針」において「リスク」を「業務に不測の損失を生じさせ、当社グループの財産、信用等を毀損する可能性を有するもの」と定義し、業務から生じる様々な「リスク」について認識・検討を行い、経営の安全性を確保し、企業価値を高めるため、適切かつ統制された範囲内でリスクを取ることを基本的な考え方としております。 また、同方針に基づき、連結ベースのリスクエクスポージャー(RA元本)に与信格付やカントリーリスク等に基づく最大予想損失率であるリスクウェイト(RW)を乗じてリスクアセット(RA)を算出し、当社の財務的な企業体力であるリスクバッファー(RB) との均衡を図る「リスクアセットマネジメント」に取り組んでおります。 財務基本方針である「RA÷RB<1.0」を堅持するため、投資パイプライン等を踏まえたRA÷RBのシミュレーションを行い、投資と財務健全性の両立を図っております。相対的にカントリーリスクが高い新興国へのエクスポージャーについては、NEXI(㈱日本貿易保険)の保険等によるリスクヘッジのほか、リスクバッファーに応じて国別の上限値を設定し、特定国への過度な集中を防ぐカントリーリスク管理を行っております。 また、取引審査や投資案件の協議ではRVA(Risk adjusted Value Added)による評価を実施し、リスクに対する十分なリターン確保の意識付けを図っております。 これらの取り組みによるRAの管理とRBの継続的な積み上げの結果、2025年3月期は引き続きRAがRBの範囲内(RA÷RB=0.6<1.0)となっており、健全かつ安定した財務体質を維持しております。 [地域別RAの分散状況(2025年3月末)] ②リスク管理体制 リスク管理基本方針を具体的に遂行する体制として、COSO-ERMフレームワークなどの考え方を参考に、従来各リスクに対してリスク主管部が個別に行ってきたリスク管理に加えて、よりグローバルなリスク管理を推進するため、2020年4月に「統合リスク管理委員会」を発足いたしました。同委員会は、CFOを委員長とし、海外各地域のリスク担当ヘッドである地域CFOを中心に、営業本部企画部長や各リスク主管担当役員・部長により構成されております。 当社グループの経営に重大な影響を及ぼすリスクを明確化し、経営目標に関する全社的な重要リスクの特定及び対応方針の協議・決定と、リスク管理プロセスの有効性検証を行い、社長への報告及び取締役会へリスクマネジメントに関する議題の提言を行っております。取締役会はその提言に基づいてリスク管理プロセスの有効性を継続的に監督し、変更が必要な場合は適切な措置を講じております。 [当社グループのリスクマネジメント体制] 同委員会では、「Check10」「安全とコンプライアンスの総点検」「戦略/BCP」「サステナビリティ」の4つの活動を通じてリスク管理を推進しております。 まず、「Check10」は当社として特に注力すべき10のリスク項目を抽出し、毎年各リスクに対してグループ会社各社が当該項目の達成度を自己点検し、グループ会社の所在する地域の中心となる地域統括部門が点検結果をレビュー、その結果を踏まえてグループ会社各社が改善活動を行う仕組みであります。Check10では、リスク項目ごとにリスクの大きさと管理体制の2軸評価による評点を付けてヒートマップを作成、グループ会社各社のリスク項目ごとのリスク管理状況を視える化することで、脆弱な部分をあぶり出し、適切に改善策を打つことを狙いとしております。改善には必要に応じてリスク主管部が支援を行っております。 「安全とコンプライアンス総点検」は、当社グループ全体で共有している「安全とコンプライアンスはすべての仕事の入口」との価値観に基づき、当社単体の全部署・国内外拠点及びグループ会社各社において、自部署・自社の事業運営に必要な許認可・登録等の取得状況、並びに法令等に基づく品質・認証基準の遵守状況の点検を自ら実施すると共に、そのプロセスと結果を所管本部の役員等が現地現物でチェックする活動であります。「Check10」と「安全とコンプライアンス総点検」の活動を拡充することにより、本社のリスク主管部とグループ会社各社の連携強化のみならず、当該地域内での関係強化も図り、連結ベースでの統合的なリスク管理体制の構築を図っております。 「戦略/BCP」の取り組みについては、外部環境の変化に伴う不確実性の高まりにより、当社への事業影響が増加する中、外部環境(PEST)分析を基にして事業戦略及びBCPに与えるリスクと機会を考察の上、シナリオごとの対策を講じてまいります。 「サステナビリティ」の取り組みについては、サステナビリティに関連するリスク・機会について当社の成長戦略と連動させることを目的とした分析と対策を講じてまいります。 以上のとおり、当社グループ事業遂行上に存在する重要性・緊急性の高いリスクを要素ごとに分類し、それぞれの性質に応じた社内管理体制を構築し、統合リスク管理委員会へ報告するプロセスを適切に遂行してまいります。 [Check10のリスク項目] [Check10 リスク影響度と管理体制による2軸評価] [リスク評価結果(ヒートマップ)のイメージ] (2)個別のリスクについて 当有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが合理的であると判断したものであります。<全社管理が必要なリスク>①カントリーリスク 当社グループは、海外の多岐の地域にわたり、商取引及び事業活動を行っており、各国の政府による規制・政治的不安・資金移動の規制等による製品の製造・購買に伴うリスクに加え、投資の損失またはその他の資産が毀損するリスクが存在しております。当社グループは、カントリーリスクが高い国における商取引及び投資については、貿易保険等によりリスクを低減することに努めております。また、最大想定損失額であるリスクアセットの上限値を各国ごとに設定し、定めた上限値の範囲内に抑えることで、特定の地域または国に対するリスクの過度な集中を防ぐことに努めております。しかしながらこうした管理やヘッジ策を講じていてもなお、取引先所在国や当社グループが事業活動を行う国の環境の悪化によるリスクを完全に回避することは難しく、状況によっては債権回収や事業遂行の遅延・不能等により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ②世界マクロ経済環境の変化によるリスク 当社グループは、国内及び海外における自動車関連商品、その他各種商品の販売を主要事業として、これらの商品の製造・加工・販売、事業投資、サービスの提供等多岐にわたる事業を行っております。このため、日本及び関係諸国の政治経済状況の影響を受けております。ロシア・ウクライナや中東情勢、米国や中国等の影響による世界的な景気後退に伴う個人消費や設備投資の低迷が、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③自然災害等による影響について 2011年3月の東日本大震災と同年10月のタイ大洪水でサプライチェーンが深刻な影響を受けたため、2012年4月に専門組織として総務部内にBCP推進室を設置いたしました。現在はコンプライアンス・危機管理部の危機管理・BCM推進室が、「豊田通商グループ事業継続基本方針」に従い、地震、台風等の自然災害、テロ、パンデミック等、あらゆるシナリオにおいても社員が出社不可、本社が入館不可、IT使用不可、長期停電のように重要な経営資源が使用不可になった場合のリスクへの対応として、国内外210事業でオールハザードの事業継続計画(BCP)により平時の対策と有事の対策を文書化し、事業継続マネジメント(BCM)の運用を実施しております。また、毎年3月と9月には、大規模地震によって名古屋本社または東京本社が重度に被災するシナリオで状況付与訓練(参加者にシナリオを開示せず臨機応変に対応させる訓練)を実施し、災害対策初動マニュアル並びに対策の継続的改善を実施しております。しかしながら、地震・洪水等の自然災害により、当社グループの事業活動に支障が生じ、追加の対策コストが必要となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④特定の販売先への依存 当社グループの収益のうち、トヨタ自動車㈱グループへの収益が占める比率は18.6%であります。従いまして、トヨタ自動車㈱グループとの取引の動向が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤金利変動リスク 当社グループは、営業債権等による信用供与・有価証券取得・固定資産取得等のために金融機関からの借入及びコマーシャル・ペーパー、社債の発行等により事業資金を手当てしておりますが、一部が変動金利条件となっており、金利上昇局面では利息負担が増加するリスクがあります。ただし、その相当部分は、変動による影響を転嫁できる営業資産に見合っております。また当社グループでは、アセット・ライアビリティ・マネジメント(ALM)を通じて金利変動リスクをミニマイズすべく取り組んでおりますが、完全に金利変動リスクを回避できるものではなく、今後の金利動向によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑥上場有価証券の価格変動リスク 当社グループは、取引先との関係維持・強化、事業収益拡大及び企業価値向上を目的に、活発な市場で取引されている有価証券を保有しております。活発な市場で取引されている有価証券は価格変動の影響を受けることがあり、価格下落の場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 <Check10にて注視しているリスク>①商品リスク 当社グループが取り扱う非鉄金属・レアアース・食料・繊維等の相場商品には価格変動のリスクが存在いたします。そのため、商品ごとにポジション限度枠を設定し、限度枠内での運用状況を定期的にモニタリングしております。こうした価格変動のリスクを低減する施策を講じておりますが、必ずしも価格変動リスクを完全に回避できるものではなく、商品市況や相場の動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ②信用リスク 当社グループは多様な営業活動により生じた国内外の取引先に対する金銭債権回収に関するリスクが存在いたします。こうした信用リスクに対応するため、当社グループでは取引先に対し、売掛金・前払金等の取引種別ごとに債権限度、約定限度枠を設定、全社システムによりグループの信用リスクを把握しております。また、財務内容を基にした当社独自基準の格付(8段階)を定め定期的に取引先の状況を確認し、低格付の取引先に対しては、取引条件の見直し、債権保全、撤退等の取引方針を定め、個別に重点管理を行い、損失発生の防止に努めております。このような与信管理を行っておりますが、取引先の財務内容が悪化した場合や予期せぬ事態発生によるリスクを完全に回避することは難しく、取引先の倒産等による債権回収が困難となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③事業投資リスク 当連結会計年度末現在、当社は770社の連結子会社及び227社の持分法適用会社を有しており、既存提携関係の強化や新規提携を行うことにより既存事業の拡大や機能強化または新規事業への参入を目指しております。 当社グループの投資スタンスは、短期的な利益を狙うのではなく中長期的に事業を育て、当社グループのバリューチェーンの拡大・強化に繋がるような戦略的投資を基本としております。「当社ならでは」の強みを発揮できる事業に経営資源を集中するため、全社方針を踏まえて営業本部の方針や投資パイプラインを方針会議で協議し、一定額を超える投資は投資戦略会議で戦略性・優先順位付けを協議し、推進可否の見極めを行っております。 投資案件の検討過程では、コーポレート部門が専門的観点で事業計画を検証しております。投資案件ごとにリスク評価と低減策の協議・意見出しを行い、投融資協議会・委員会の議論を経て最終的な機関決定に至っております。また、投資意思決定の迅速化を目的に、一定の条件や金額的重要性に応じた決裁権者の設定や、国内外の一部の関係会社への決裁権限の委譲を進めております。投資実行後は、課題のある案件について、コーポレート部門と営業本部共働で課題の進捗管理・支援を継続的に実施しております(チェック&サポート活動)。また、業績悪化兆候、事業計画進捗、撤退条件等の投資モニタリングを実施し、計画どおりに進行していない案件に対する再建・撤退ルールを厳格に運用しております。 当社はかねてより、投下資本(使用資金)に求める期待収益率(使用資金コスト率)を超えた付加価値を測る TVA(※1)とリスクを測るRVA(※2)を投資の定量評価指標に活用しておりました。 企業価値への貢献度を評価できるTVAを活用しつつ、投下資本から生まれるリターンの効率性をより強く意識するため、投資案件審議のKPIとしてROIC(※3)を採用しております。ROICと対比関係にある「使用資金コスト率」は、株主資本と有利子負債のコストの加重平均としております。株主資本を当社のROE目標を意識したコストとして設定することで、資金効率の改善や利益率の改善、売上拡大を通じたROIC向上が、ROE目標達成に結びつくよう設計しております。また、カントリーリスクに応じた調整を加えることで、グローバルな当社の事業に応じた目線設定を行っております。 しかしながら、事業環境の変化や技術革新、その他不測の事態により投資先企業の価値または株式の市場価値が低迷した場合には、当社グループが投資金額の全部もしくは相当部分を失う、またはこれらの投資先企業に対する追加の資金提供を余儀なくされることがあります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 [投資サイクル] ※1 TVA:Toyotsu Value Achievementの略称=(基礎収益-利息収支)×(1-各国税率)-使用資金× 国別使用資金コスト率 -基礎収益とは、営業活動以外から発生した、非経常的で臨時的、かつ多額の損益を調整した税引前 当期利益であり、営業本部・事業体の「稼ぐ力」を示す -国別使用資金コスト率とは、営業活動・事業活動に要する使用資金から生じる、国別資本コストと 国債利回りの加重平均によるコスト率を示す※2 RVA:Risk adjusted Value Addedの略称=税引後基礎収益-リスクアセット×リスクコスト率 -リスクアセットとは、不測の事態が起こった場合に発生し得る最大予想損失額 -リスクコスト率とは、当社の株主資本利益率(ROE)目標値13%以上を目線とした株主期待収益率※3 ROIC:Return on Invested Capitalの略称=(基礎収益-利息収支)×(1-各国税率)÷使用資金 ④外国為替リスク 当社グループが行っている商品の売買及び投資活動等のうち、外国通貨建ての取引については、外国為替の変動による影響を受けることがあります。当社グループはこうした外国為替のリスクを一定程度まで低減するよう為替予約等によるヘッジ策を講じておりますが、必ずしも完全に回避できるものではありません。 また、当社は海外に多くのグループ会社が存在しており、各社の財務諸表を円貨に換算する際に、為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑤資金調達リスク 当社グループは、事業資金を国内外の金融機関からの借入及びコマーシャル・ペーパー、社債の発行等により調達しているため、金融市場の混乱や格付機関による当社信用格付けの大幅な引き下げ、取引金融機関の融資方針変更等の事態が生じた場合、当社グループの資金調達に制約が課される可能性や、調達コストが増加する可能性があります。そのため、資産構成に合わせた最適資金調達を行うと同時に、長期資金の返済・償還時期の分散を図ることで借り換えリスクの低減を図っております。また、現預金、コミットメントライン等の活用により、安定的な流動性を確保すると同時に、金融機関との良好な取引関係の維持に努めておりますが、リスクを完全に回避できるものではありません。このようなリスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥人事労務リスク・人権リスク(a)人事労務リスク 当社グループは、各国・各地域で事業を行うにあたり、本社及び海外拠点にて研修実施やツールの提供などによる労務管理知識向上や事業継続計画(BCP)整備による体制強化を働きかけておりますが、ストライキなどの労働争議を原因として操業が停止・制限される事態が発生した場合には、サプライチェーンや当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (b)人権リスク 当社グループは、各国・各地域で事業を行うにあたり、全連結子会社への人権デューデリジェンスを通じた人権尊重に取り組んでいるほか、国連「世界人権宣言」を含む国際人権章典、「ビジネスと人権に関する指導原則」などの国際基準に則った「豊田通商グループ人権方針」を定め、サプライヤーを含むすべてのビジネスパートナーの皆さまに対し、当該方針を遵守いただくことを働きかけております。しかしながら、不測の事態が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦情報セキュリティリスク 当社グループは、トヨタグループ及び豊田通商グループ標準の情報セキュリティ規程・ガイドラインを制定し、グループ全体の対応状況の可視化と継続的な改善を実施しております。また、本ガイドラインに合わせ、ネットワークやメールセキュリティ等のITインフラ領域については、システム共通化によって、グループ全体で効率的に有効性を高める施策を実施しております。サイバー攻撃対応体制も構築し、定常的に製品脆弱性情報やセキュリティ事故等の脅威情報の収集と、迅速な対策・予防措置を実施しております。また、昨今のサイバー攻撃トレンドに鑑み、攻撃を受けた際に被害を最小化する施策として、常時通信監視及び端末のふるまい監視・自動隔離を導入しております。しかしながら、外部からの予期せぬ不正アクセスやコンピューターウイルス侵入等による機密情報・個人情報の漏洩、設備・通信障害等による情報システム停止等の可能性は排除できず、この場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑧コンプライアンスリスク 当社グループは、国内外において多岐にわたる事業を行っており、日本における会社法、税法、独占禁止法、金融商品取引法、贈収賄関連諸法、安全保障貿易管理等貿易関連及び制裁関連諸法等の各種法令、事業活動を行う各国・地域の各種法令・規制といった様々な分野における広範な法律及び規制に服しております。当社では、役職員の職務の執行がこれら法令、規制及び企業倫理に適合することをコンプライアンスの基本方針としております。コンプライアンス専任部署であるコンプライアンス・危機管理部は、同部をハブとしたグローバルネットワークを通じてグループ全体のコンプライアンス体制を強化し、法務部等、関連するコーポレート部署の協力を得て、各種コンプライアンス施策(コンプライアンストップメッセージ、階層別コンプライアンス教育、グローバル内部通報制度整備等)を策定・実施することで、法令遵守の徹底等コンプライアンス意識の向上を図っております。 なお、物流関連のコンプライアンスリスクについては、国内の外国為替及び外国貿易法・関税法等、海外では当該国の法令、それに加えて国内・海外共に米国制裁法・米国再輸出規制等を遵守する貿易管理体制を整えることや、国内外において輸入通関時のHSコード誤りによる事後追徴を回避するための適切なHSコード判定規程の制定に努めております。また、物流業者の起用においては当社の管理規則に則った物流業者選定ルールの浸透を図り、物流業者の関与する不正・異常損等の発生を阻止する対策を行っております。 しかしながら、このような施策を講じても、事業活動におけるコンプライアンスリスクは完全に排除できるものではなく、役職員が不正・不法行為を行った場合、社会的な信用を毀損する可能性があります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑨安全関連リスク 従業員並びに委託者の労働災害、及び火災・爆発により、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。災害未然防止に関する設備、作業標準の整備、教育、日常管理を行っておりますが、大規模な労働災害、及び火災・爆発の発生等により追加の対策コストが必要となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑩環境関連リスク 気候変動、水資源、生物多様性保全を含む環境関連のリスクは、当社グループ経営に与える影響が高いと判断し、安全・環境会議やサステナビリティ推進委員会で審議、取締役会へ適宜報告され、担当部門や構成メンバーを通じて事業戦略や活動に組み込まれております。 気候変動については、影響が大きい事業を選定し、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に沿った形でシナリオ分析を実施しております。「リスク」では、移行リスク及び物理リスクを、「機会」では、資源効率・エネルギー源・製品及びサービス・市場を考慮しております。また、当社単体・国内海外連結子会社における、当社グループの事業活動を通じたGHG排出量(Scope1、2)を、2030年までに2019年比で50%削減を目指し、2050年にカーボンニュートラルとする目標を策定しております。加えて、2018年に策定したサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)においても、「クリーンエネルギーや革新的技術を活用し、自動車/工場・プラントCO₂を削減することで脱炭素社会移行に貢献」することを掲げております。 気候変動や森林破壊、人口増加等に伴い世界規模で水不足、水質悪化、洪水、生物多様性の毀損が深刻化しております。水資源の持続可能な利用・生物多様性の維持は、当社事業活動に多大な影響を及ぼすリスクであり、重要課題と認識しております。水リスクについては、連結子会社を対象にAQUEDUCT(世界資源研究所(WRI)が提供する水リスクに関するグローバルな基準となっている評価ツールの一つ)で調査し、利用効率の改善や使用量削減等を含むリスクに応じた対応を行っております。 生物多様性については、新規の投資案件に対し生態系サービスへの影響を事前に調査・評価し、森林保全、環境負荷低減に努めております。既存事業に対しては、ISO14001に基づく環境マネジメントシステム内部監査により、水及び生物多様性を含むリスク評価を実施しております。しかしながら、このような施策を講じても、不測の事態が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
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3【事業等のリスク】(1)当社グループのリスク管理①リスク管理基本方針 当社グループは、「リスク管理基本方針」において「リスク」を「業務に不測の損失を生じさせ、当社グループの財産、信用等を毀損する可能性を有するもの」と定義し、業務から生じる様々な「リスク」について認識・検討を行い、経営の安全性を確保し、企業価値を高めるため、適切かつ統制された範囲内でリスクを取ることを基本的な考え方としております。 同方針に基づき、連結ベースのリスクエクスポージャー(RA元本)に与信格付やカントリーリスク等に基づく最大予想損失率であるリスクウェイト(RW)を乗じてリスクアセット(RA)を算出し、当社の財務的な企業体力であるリスクバッファー(RB) との均衡を図る「リスクアセットマネジメント」に取り組んでおります。 財務基本方針である「RA÷RB<1.0」を堅持する為、投資パイプライン等を踏まえたRA÷RBのシミュレーションを行い、投資と財務健全性の両立を図っております。相対的にカントリーリスクが高い新興国へのエクスポージャーについては、NEXI(㈱日本貿易保険)の保険等によるリスクヘッジのほか、リスクバッファーに応じて国別の上限値を設定し、特定国への過度な集中を防ぐカントリーリスク管理を行っております。 また、取引審査や投資案件の協議ではRVA(Risk adjusted Value Added)による評価を実施し、リスクに対する十分なリターン確保の意識付けを図っております。 これらの取り組みによるRAの管理とRBの継続的な積み上げの結果、2024年3月期は引き続きRAがRBの範囲内(RA÷RB=0.6<1.0)となっており、健全かつ安定した財務体質を維持しております。 [地域別RAの分散状況(2024年3月末)] ②リスク管理体制 リスク管理基本方針を具体的に遂行する体制として、COSO-ERMフレームワークなどの考え方を参考に、従来各リスクに対してリスク主管部が個別に行ってきたリスク管理に加えて、よりグローバルなリスク管理を推進するため、2020年4月に「統合リスク管理委員会」を発足いたしました。同委員会は、CFOを委員長とし、海外各地域のリスク担当ヘッドである地域CFOを中心に、営業本部企画部長や各リスク主管担当役員・部長により構成されております。 当社グループの経営に重大な影響を及ぼすリスクを明確化し、経営目標に関する全社的な重要リスクの特定及び対応方針の協議・決定と、リスク管理プロセスの有効性検証を行い、社長への報告及び取締役会へリスクマネジメントに関する議題の提言を行っております。取締役会はその提言に基づいてリスク管理プロセスの有効性を継続的に監督し、変更が必要な場合は適切な措置を講じております。また、同委員会では、各リスクの中から当社として特に注力すべき10のリスク項目を抽出し、各リスクに対してグループ会社各社が当該項目の達成度を自己点検し、グループ会社の所在する地域の中心となる地域統括部門が点検結果をレビュー、その結果を踏まえてグループ会社各社が改善活動を行う「Check10」という仕組みを導入しております。 Check10では、リスク項目ごとにリスクの大きさと管理体制の2軸評価による評点を付けてヒートマップを作成、グループ会社各社のリスク項目ごとのリスク管理状況を視える化することで、脆弱な部分をあぶり出し、適切に改善策を打つことを狙いとしております。改善には必要に応じてリスク主管部が支援を行っております。このCheck10活動を拡充することにより、本社のリスク主管部とグループ会社各社の連携強化のみならず、当該地域内での関係強化も図り、連結ベースでの統合的なリスク管理体制の構築を図っております。 [Check10活動のPDCA] [Check10のリスク項目] [リスク影響度と管理体制の2軸マトリックスによる評価] [リスク評価結果(ヒートマップ)のイメージ] (2)個別のリスクについて 当有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが合理的であると判断したものであります。<全社管理が必要なリスク>①カントリーリスク 当社グループは、海外の多岐の地域にわたり、商取引及び事業活動を行っており、各国の政府による規制・政治的不安・資金移動の規制等による製品の製造・購買に伴うリスクに加え、投資の損失またはその他の資産が毀損するリスクが存在しております。当社グループは、カントリーリスクが高い国における商取引及び投資については、貿易保険等によりリスクを低減することに努めております。また、最大想定損失額であるリスクアセットの上限値を各国ごとに設定し、定めた上限値の範囲内に抑えることで、特定の地域または国に対するリスクの過度な集中を防ぐことに努めております。しかしながらこうした管理やヘッジ策を講じていてもなお、取引先所在国や当社グループが事業活動を行う国の環境の悪化によるリスクを完全に回避することは難しく、状況によっては債権回収や事業遂行の遅延・不能等により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ②世界マクロ経済環境の変化によるリスク 当社グループは、国内及び海外における自動車関連商品、その他各種商品の販売を主要事業として、これらの商品の製造・加工・販売、事業投資、サービスの提供等多岐にわたる事業を行っております。このため、日本及び関係諸国の政治経済状況の影響を受けております。ロシア・ウクライナや中東情勢、米国や中国等の影響による世界的な景気後退に伴う個人消費や設備投資の低迷が、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③自然災害等による影響について 2011年3月の東日本大震災と同年10月のタイ大洪水でサプライチェーンが深刻な影響を受けたため、2012年4月に専門組織として総務部内にBCP推進室を設置いたしました。現在はコンプライアンス・危機管理部の危機管理・BCM推進室が、「豊田通商グループ事業継続基本方針」に従い、地震、台風等の自然災害、テロ、パンデミック等、あらゆるシナリオにおいても社員が出社不可、本社が入館不可、IT使用不可、長期停電のように重要な経営資源が使用不可になった場合のリスクへの対応として、国内外210事業でオールハザードの事業継続計画(BCP)により平時の対策と有事の対策を文書化し、事業継続マネジメント(BCM)の運用を実施しております。また、毎年3月と9月には、大規模地震によって名古屋本社または東京本社が重度に被災するシナリオで状況付与訓練(参加者にシナリオを開示せず臨機応変に対応させる訓練)を実施し、災害対策初動マニュアル並びに対策の継続的改善を実施しております。しかしながら、地震・洪水等の自然災害により、当社グループの事業活動に支障が生じ、追加の対策コストが必要となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④特定の販売先への依存 当社グループの収益のうち、トヨタ自動車㈱グループへの収益が占める比率は17.4%であります。従いまして、トヨタ自動車㈱グループとの取引の動向が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤金利変動リスク 当社グループは、営業債権等による信用供与・有価証券取得・固定資産取得等のために金融機関からの借入及びコマーシャル・ペーパー、社債の発行等により事業資金を手当てしておりますが、一部が変動金利条件となっており、金利上昇局面では利息負担が増加するリスクがあります。ただし、その相当部分は、変動による影響を転嫁できる営業資産に見合っております。また当社グループでは、アセット・ライアビリティ・マネジメント(ALM)を通じて金利変動リスクをミニマイズすべく取り組んでおりますが、完全に金利変動リスクを回避できるものではなく、今後の金利動向によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑥上場有価証券の価格変動リスク 当社グループは、取引先との関係維持・強化、事業収益拡大及び企業価値向上を目的に、活発な市場で取引されている有価証券を保有しております。活発な市場で取引されている有価証券は価格変動の影響を受けることがあり、価格下落の場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 <Check10にて注視しているリスク>①商品リスク 当社グループが取り扱う非鉄金属・レアアース・食料・繊維等の相場商品には価格変動のリスクが存在いたします。そのため、商品ごとにポジション限度枠を設定し、限度枠内での運用状況を定期的にモニタリングしております。こうした価格変動のリスクを低減する施策を講じておりますが、必ずしも価格変動リスクを完全に回避できるものではなく、商品市況や相場の動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ②信用リスク 当社グループは多様な営業活動により生じた国内外の取引先に対する金銭債権回収に関するリスクが存在いたします。こうした信用リスクに対応するため、当社グループでは取引先に対し、売掛金・前払金等の取引種別ごとに債権限度、約定限度枠を設定、全社システムによりグループの信用リスクを把握しております。また、財務内容を基にした当社独自基準の格付(8段階)を定め定期的に取引先の状況を確認し、低格付の取引先に対しては、取引条件の見直し、債権保全、撤退等の取引方針を定め、個別に重点管理を行い、損失発生の防止に努めております。このような与信管理を行っておりますが、取引先の財務内容が悪化した場合や予期せぬ事態発生によるリスクを完全に回避することは難しく、取引先の倒産等による債権回収が困難となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③事業投資リスク 当連結会計年度末現在、当社は780社の連結子会社及び242社の持分法適用会社を有しており、既存提携関係の強化や新規提携を行うことにより既存事業の拡大や機能強化または新規事業への参入を目指しております。 当社グループの投資スタンスは、短期的な利益を狙うのではなく中長期的に事業を育て、当社グループのバリューチェーンの拡大・強化に繋がるような戦略的投資を基本としております。「当社ならでは」の強みを発揮できる事業に経営資源を集中するため、全社方針を踏まえて営業本部の方針や投資パイプラインを方針会議で協議し、一定額を超える投資は投資戦略会議で戦略性・優先順位付けを協議し、推進可否の見極めを行っております。 投資案件の検討過程では、コーポレート部門が専門的観点と定量的指標(TVA(※1)やRVA(※2)等)に基づいて事業計画を検証しております。投資案件毎にリスク評価とリスク低減策を検討した上、投融資協議会・委員会の議論を経て最終的な機関決定に至っております。また、投資意思決定の迅速化を目的に、一定の条件や金額的重要性に応じた決裁権者の設定や、国内外の一部の関係会社への決裁権限の委譲を進めております。投資実行後は、課題のある案件について、コーポレート部門と営業本部共働で課題の進捗管理・支援を継続的に実施しております(チェック&サポート活動)。また、業績悪化兆候、事業計画進捗、撤退条件等の投資モニタリングを実施し、計画通りに進行していない案件に対する再建・撤退ルールを厳格に運用しております。 しかしながら、事業環境の変化や技術革新、その他不測の事態により投資先企業の価値または株式の市場価値が低迷した場合には、当社グループが投資金額の全部もしくは相当部分を失う、またはこれらの投資先企業に対する追加の資金提供を余儀なくされることがあります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 [投資サイクル] ※1 TVA:Toyotsu Value Achievementの略称=(基礎収益-利息収支)×(1-各国税率)-使用資金× 国別使用資金コスト率 -基礎収益とは、営業活動以外から発生した、非経常的で臨時的、かつ多額の損益を調整した税引前 当期利益であり、営業本部・事業体の「稼ぐ力」を示す -国別使用資金コスト率とは、営業活動・事業活動に要する使用資金から生じる、国別資本コストと 国債利回りの加重平均によるコスト率を示す※2 RVA:Risk adjusted Value Addedの略称=税引後基礎収益-リスクアセット×リスクコスト率 -リスクアセットとは、不測の事態が起こった場合に発生し得る最大予想損失額 -リスクコスト率とは、当社の株主資本利益率(ROE)目標値13%以上を目線とした株主期待収益率 ④外国為替リスク 当社グループが行っている商品の売買及び投資活動等のうち、外国通貨建ての取引については、外国為替の変動による影響を受けることがあります。当社グループはこうした外国為替のリスクを一定程度まで低減するよう為替予約等によるヘッジ策を講じておりますが、必ずしも完全に回避できるものではありません。 また、当社は海外に多くのグループ会社が存在しており、各社の財務諸表を円貨に換算する際に、為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑤資金調達リスク 当社グループは、事業資金を国内外の金融機関からの借入及びコマーシャル・ペーパー、社債の発行等により調達しているため、金融市場の混乱や格付機関による当社信用格付けの大幅な引き下げ、取引金融機関の融資方針変更等の事態が生じた場合、当社グループの資金調達に制約が課される可能性や、調達コストが増加する可能性があります。そのため、資産構成に合わせた最適資金調達を行うと同時に、長期資金の返済・償還時期の分散を図ることで借り換えリスクの低減を図っております。また、現預金、コミットメントライン等の活用により、安定的な流動性を確保すると同時に、金融機関との良好な取引関係の維持に努めておりますが、リスクを完全に回避できるものではありません。このようなリスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥人事労務リスク・人権リスク(a)人事労務リスク 当社グループは、各国・各地域で事業を行うにあたり、本社及び海外拠点にて研修実施やツールの提供などによる労務管理知識向上や事業継続計画(BCP)整備による体制強化を働きかけておりますが、ストライキなどの労働争議を原因として操業が停止・制限される事態が発生した場合には、サプライチェーンや当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(b)人権リスク 当社グループは、各国・各地域で事業を行うにあたり、全連結子会社への人権デューデリジェンスを通じた人権尊重に取り組んでいるほか、国連「世界人権宣言」を含む国際人権章典、「ビジネスと人権に関する指導原則」などの国際基準に則った「豊田通商グループ人権方針」を定め、サプライヤーを含むすべてのビジネスパートナーのみなさまに対し、当該方針を遵守頂くことを働きかけております。しかしながら、不測の事態が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦情報セキュリティリスク 当社グループは、トヨタグループ及び豊田通商グループ標準の情報セキュリティ規程・ガイドラインを制定し、グループ全体の対応状況の可視化と継続的な改善を実施しております。また、本ガイドラインに合わせ、ネットワークやメールセキュリティ等のITインフラ領域については、システム共通化によって、グループ全体で効率的に有効性を高める施策を実施しております。サイバー攻撃対応体制も構築し、定常的に製品脆弱性情報やセキュリティ事故等の脅威情報の収集と、迅速な対策・予防措置を実施しております。また、昨今のサイバー攻撃トレンドに鑑み、攻撃を受けた際に被害を最小化する施策として、常時通信監視及び端末のふるまい監視・自動隔離を導入しております。しかしながら、外部からの予期せぬ不正アクセスやコンピューターウイルス侵入等による機密情報・個人情報の漏洩、設備・通信障害等による情報システム停止等の可能性は排除できず、この場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑧コンプライアンスリスク 当社グループは、国内外において多岐にわたる事業を行っており、日本における会社法、税法、独占禁止法、金融商品取引法、贈収賄関連諸法、安全保障貿易管理等貿易関連及び制裁関連諸法等の各種法令、事業活動を行う各国・地域の各種法令・規制といった様々な分野における広範な法律及び規制に服しております。当社では、役職員の職務の執行がこれら法令、規制及び企業倫理に適合することをコンプライアンスの基本方針としております。コンプライアンス専任部署であるコンプライアンス・危機管理部は、同部をハブとしたグローバルネットワークを通じてグループ全体のコンプライアンス体制を強化し、法務部等、関連するコーポレート部署の協力を得て、各種コンプライアンス施策(コンプライアンストップメッセージ、階層別コンプライアンス教育、グローバル内部通報制度整備等)を策定・実施することで、法令遵守の徹底等コンプライアンス意識の向上を図っております。 なお、物流関連のコンプライアンスリスクについては、国内の外国為替及び外国貿易法・関税法等、海外では当該国の法令、それに加えて国内・海外共に米国制裁法・米国再輸出規制等を遵守する貿易管理体制を整えることや、国内外において輸入通関時のHSコード誤りによる事後追徴を回避するための適切なHSコード判定規程の制定に努めております。また、物流業者の起用においては当社の管理規則に則った物流業者選定ルールの浸透を図り、物流業者の関与する不正・異常損等の発生を阻止する対策を行っております。 しかしながら、このような施策を講じても、事業活動におけるコンプライアンスリスクは完全に排除できるものではなく、役職員が不正・不法行為を行った場合、社会的な信用を毀損する可能性があります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑨安全関連リスク 従業員並びに委託者の労働災害、及び火災・爆発により、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。災害未然防止に関する設備、作業標準の整備、教育、日常管理を行っておりますが、大規模な労働災害、及び火災・爆発の発生等により追加の対策コストが必要となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑩環境関連リスク 気候変動、水資源、生物多様性保全を含む環境関連のリスクは、当社グループ経営に与える影響が高いと判断し、安全・環境会議やサステナビリティ推進委員会で審議、取締役会へ適宜報告され、担当部門や構成メンバーを通じて事業戦略や活動に組み込まれております。 気候変動については、影響が大きい事業を選定し、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に沿った形でシナリオ分析を実施しております。「リスク」では、移行リスク及び物理リスクを、「機会」では、資源効率・エネルギー源・製品及びサービス・市場を考慮しております。また、当社単体・国内海外連結子会社における、豊田通商グループの事業活動を通じた温室効果ガス排出量を、2030年までに2019年比で50%削減を目指し、2050年にカーボンニュートラルとする目標を策定しております。加えて、2018年に策定したサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)においても、「クリーンエネルギーや革新的技術を活用し、自動車/工場・プラントCO₂を削減することで脱炭素社会移行に貢献」することを掲げております。 気候変動や森林破壊、人口増加等に伴い世界規模で水不足、水質悪化、洪水、生物多様性の毀損が深刻化しております。水資源の持続可能な利用・生物多様性の維持は、当社事業活動に多大な影響を及ぼすリスクであり、重要課題と認識しております。水リスクについては、連結子会社を対象にAQUEDUCT(世界資源研究所(WRI)が提供する水リスクに関するグローバルな基準となっている評価ツールの一つ)で調査し、利用効率の改善や使用量削減等を含むリスクに応じた対応を行っております。 生物多様性については、新規の投資案件に対し生態系サービスへの影響を事前に調査・評価し、森林保全、環境負荷低減に努めております。既存事業に対しては、ISO14001に基づく環境マネジメントシステム内部監査により、水及び生物多様性を含むリスク評価を実施しております。しかしながら、このような施策を講じても、不測の事態が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2023|8,731 文字
3【事業等のリスク】(1)当社グループのリスク管理① リスク管理基本方針 当社は、「リスク管理基本方針」において「リスク」を「業務に不測の損失を生じさせ、当社グループの財産、信用等を毀損する可能性を有するもの」と定義し、業務から生じる様々な「リスク」について認識・検討を行い、経営の安全性を確保し、企業価値を高めるため、適切かつ統制された範囲内でリスクを取ることを基本的な考え方としています。 同方針に基づき、リスク総量が経営体力の範囲内に収まっているかを検証するために、定期的に当社連結ベースでの最大予想損失額であるリスクアセット(RA)の計測を実施し、このRAと当社の財務的な企業体力であるリスクバッファー(RB)との均衡を図ることに取り組んでいます。RAは、貸借対照表の各勘定科目をベースにしたリスクアセット元本(RA元本)に最大予想損失率を指すリスクウェイト(RW)を乗じることで算出し、RBは、当社の財務的な企業体力と定義し算出しています。また、当期利益による継続したRBの積み上げを行うことで、健全かつ安定した財務体質の維持を目指しています。RAについては「RA/RB<1.0」として管理しています。2023年3月期のRAは、引き続きRBの範囲内(RA/RB=0.7)となっております。 また、当社グループが保有する国別のRAに対して、それぞれの国格付に応じた上限値を設定し、定期的にモニタリングを実施することで、特定の国や地域に過度なRAが集中することがないよう管理しています。加えて、リスクに対する収益確保を目的として、リスク収益性を測る経営指標の導入や、各ビジネスユニット単位まで落とし込んだキャッシュ・フローマネジメントを推進し、事業の収益性と運転資本の効率性を高めることで、営業キャッシュ・フローの極大化を図り、創出したキャッシュを元に、成長への投資と株主還元をバランスよく両立させるように取り組んでいます。 ② リスク管理体制 リスク管理基本方針を具体的に遂行する体制として、COSO-ERMフレームワークなどの考え方を参考に、従来各リスクに対してリスク主管部が個別に行ってきたリスク管理に加えて、よりグローバルなリスク管理を推進するため、2020年4月に「統合リスク管理委員会」を発足しました。同委員会では、各リスクの中から当社として特に注力すべき10のリスク項目を抽出し、各リスクに対してグループ会社各社が当該項目の達成度を自己点検し、グループ会社の所在する地域の中心となる現地法人が点検結果をレビュー、その結果を踏まえてグループ会社各社が改善活動を行う「Check10」という仕組みを導入しております。 Check10では、リスク項目ごとにリスクの大きさと管理体制の2軸評価による評点を付けてヒートマップを作成、グループ会社各社のリスク項目ごとのリスク管理状況を視える化することで、脆弱な部分をあぶり出し、適切に改善策を打つことを狙いとしています。改善には必要に応じてリスク主管部が支援を行います。 また、当該委員会では、豊田通商グループの経営に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを明確化し、経営目標に関する全社的な重要リスクの特定及び対応方針の協議・決定と、リスク管理プロセスの有効性検証を行い、取締役会へリスクマネジメントに関する議題の提言を行っています。取締役会は、その提言に基づいてリスクプロセスの有効性を継続的に監督し、変更が必要な場合は適切な措置を講じています。 このCheck10活動を拡充することにより、本社のリスク主管部とグループ会社各社の連携強化のみならず、当該地域内での関係強化も図り、連結ベースでの統合的なリスク管理体制の構築を図っています。 [Check10活動のPDCA] [Check10のリスク項目] [リスク影響度と管理体制の2軸マトリックスによる評価] [リスク評価結果(ヒートマップ)のイメージ] (2)個別のリスクについて 当有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが合理的であると判断したものであります。<全社管理が必要なリスク>① カントリーリスク 当社グループは、海外の多岐の地域にわたり、商取引及び事業活動を行っており、各国の政府による規制・政治的不安・資金移動の規制等による製品の製造・購買に伴うリスクに加え、投資の損失またはその他の資産が毀損するリスクが存在しております。当社グループは、カントリーリスクが高い国におけると商取引及び投資については、貿易保険等によりリスクを低減することに努めております。また、最大想定損失額であるリスクアセットの上限値を各国ごとに設定し、定めた上限値の範囲内に抑えることで、特定の地域または国に対するリスクの過度な集中を防ぐことに努めております。しかしながらこうした管理やヘッジ策を講じていてもなお、取引先所在国や当社グループが事業活動を行う国の環境の悪化によるリスクを完全に回避することは難しく、状況によっては債権回収や事業遂行の遅延・不能等により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 世界マクロ経済環境の変化によるリスク 当社グループは、国内及び海外における自動車関連商品、その他各種商品の販売を主要事業として、これらの商品の製造・加工・販売、事業投資、サービスの提供等多岐にわたる事業を行っております。このため、日本及び関係諸国の政治経済状況の影響を受けております。ロシア・ウクライナ情勢や米国、中国等世界的な景気後退に伴う個人消費や設備投資の低迷が、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 自然災害等による影響について 2011年3月の東日本大震災と同年10月のタイ大洪水でサプライチェーンが深刻な影響を受けたため、2012年4月に専門組織として総務部内にBCP推進室を設置いたしました。現在はコンプライアンス・危機管理部の危機管理・BCM推進室が、「豊田通商グループ事業継続基本方針」に従い、地震、台風等の自然災害、テロ、パンデミック等、あらゆるシナリオにおいても社員が出社不可、本社が入館不可、IT使用不可、長期停電のように重要な経営資源が使用不可になった場合のリスクへの対応として、国内外210事業でオールハザードの事業継続計画(BCP)により平時の対策と有事の対策を文書化し、事業継続マネジメント(BCM)の運用を実施しています。また、毎年3月と9月には、大規模地震によって名古屋本社または東京本社が重度に被災するシナリオで状況付与訓練(参加者にシナリオを開示せず臨機応変に対応させる訓練)を実施し、災害対策初動マニュアルならびに対策の継続的改善を実施しています。しかしながら、地震・洪水等の自然災害により、当社グループの事業活動に支障が生じ、追加の対策コストが必要となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④ 特定の販売先への依存 当社グループの収益のうち、トヨタ自動車㈱グループへの収益が占める比率は15.0%であります。従いまして、トヨタ自動車㈱グループとの取引の動向が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 金利変動リスク 当社グループは、営業債権等による信用供与・有価証券取得・固定資産取得等のために金融機関からの借入及びコマーシャル・ペーパー、社債の発行等により事業資金を手当てしており、一部が変動金利条件となっておりますが、その相当部分は、変動による影響を転嫁できる営業資産に見合っております。また当社グループでは、アセット・ライアビリティ・マネジメント(ALM)を通じて金利変動リスクをミニマイズすべく取り組んでおりますが、完全に金利変動リスクを回避できるものではなく、今後の金利動向によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑥ 上場有価証券の価格変動リスク 当社グループは、取引先との関係維持・強化、事業収益拡大及び企業価値向上を目的に、活発な市場で取引されている有価証券を保有しております。活発な市場で取引されている有価証券は価格変動の影響を受けることがあり、価格下落の場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 <Check10にて注視しているリスク>⑦ 商品リスク 当社グループが取り扱う非鉄金属・石油製品・ゴム・食料・繊維等の相場商品には価格変動のリスクが存在します。そのため、商品ごとにポジション限度枠を設定し、限度枠内での運用状況を定期的にモニタリングしています。こうした価格変動のリスクを低減する施策を講じておりますが、必ずしも価格変動リスクを完全に回避できるものではなく、商品市況や相場の動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑧ 信用リスク 当社グループは多様な営業活動により生じた国内外の取引先に対する金銭債権回収に関するリスクが存在します。こうした信用リスクに対応するため、当社グループでは取引先に対し、売掛金・前払金等の取引種別ごとに債権限度、約定限度枠を設定、全社システムによりグループの信用リスクを把握しております。また、財務内容を基にした当社独自基準の格付(8段階)を定め定期的に取引先の状況を確認し、低格付の取引先に対しては、取引条件の見直し、債権保全、撤退等の取引方針を定め、個別に重点管理を行い、損失発生の防止に努めております。このような与信管理を行っておりますが、取引先の財務内容が悪化した場合や予期せぬ事態発生によるリスクを完全に回避することは難しく、取引先の倒産等による債権回収が困難となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 事業投資リスク 当連結会計年度末現在、当社は775社の連結子会社及び232社の持分法適用会社を有しており、既存提携関係の強化や新規提携を行うことにより既存事業の拡大や機能強化または新規事業への参入を目指しています。 当社グループの投資スタンスは、短期的な利益を狙うような投資ではなく、中長期的に事業を育て、当社グループのバリューチェーンの拡大・強化に繋げる戦略的投資を基本としています。新規投資案件については、方針会議・投資戦略会議で戦略性の確認や全社優先順位を議論し、案件の詳細については投融資協議会・投融資委員会で事業計画をスクリーニングの上、機関決定を行っています。協議の過程では、当社独自の指標である使用資金に対して期待される収益規模が確保されているかを検証するTVA(※1)並びにリスクに見合う収益が確保されているかを検証するRVA(※2)を用いて入口管理を行うことや、当社独自の環境チェックシートを用いて、気候変動をはじめとした環境リスクや温室効果ガス排出量、削減効果を評価する等、幅広い視点から投資リターン、各種リスク分析等の検証を行っています。投資実行後は、課題のある案件について、コーポレート部門と営業本部共働で課題の進捗管理・支援を継続的に実施しています(チェック&サポート活動)。また、計画通りの投資リターンを得て、リスク資産に見合った利益を確保しているか等のモニタリングを実施し、計画通りに進行していない案件に対する再建・撤退ルールを厳格に運用しています。 しかしながら、事業環境の変化や技術革新、その他不測の事態により投資先企業の価値または株式の市場価値が低迷した場合には、当社グループが投資金額の全部もしくは相当部分を失う、またはこれらの投資先企業に対する追加の資金提供を余儀なくされることがあります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ※1 TVA:Toyotsu Value Achievementの略称=(基礎収益-利息収支)×(1-各国税率)-使用資金× 国別使用資金コスト率 -基礎収益とは、営業活動以外から発生した、非経常的で臨時的、かつ多額の損益を調整した税引前 当期利益であり、営業本部・事業体の「稼ぐ力」を示す -国別使用資金コスト率とは、営業活動・事業活動に要する使用資金から生じる、国別資本コストと 国債利回りの加重平均によるコスト率を示す※2 RVA:Risk adjusted Value Addedの略称=基礎収益×60%-リスクアセット×リスクコスト率 -リスクアセットとは、不測の事態が起こった場合に発生し得る最大予想損失額 -リスクコスト率とは、当社の株主資本利益率(ROE)目標値13%以上を目線とした株主期待収益率 [投資サイクル] ⑩ 外国為替リスク 当社グループが行っている商品の販売及び投資活動等のうち、外国通貨建ての取引については、外国為替の変動による影響を受けることがあります。当社グループはこうした外国為替のリスクを一定程度まで低減するよう為替予約等によるヘッジ策を講じておりますが、必ずしも完全に回避できるものではありません。また、当社は海外に多くのグループ会社が存在しており、各社の財務諸表を円貨に換算する際に、為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑪ 資金調達リスク 当社グループは、事業資金を国内外の金融機関からの借入及びコマーシャル・ペーパー、社債の発行等により調達しているため、金融市場の混乱や格付機関による当社信用格付けの大幅な引き下げ等の事態が生じた場合、当社グループの資金調達に制約が課される可能性や、調達コストが増加する可能性があります。そのため、資産構成に合わせた最適資金調達を行うと同時に、長期資金の返済・償還時期の分散を図ることで借り換えリスクの低減を図っています。また、現預金、コミットメントライン等の活用により、安定的な流動性を確保すると同時に、金融機関との良好な取引関係の維持に努めておりますが、リスクを完全に回避できるものではありません。このようなリスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 人事労務リスク・人権リスク(人事労務リスク) 当社グループは、各国・各地域で事業を行うにあたり、本社及び海外拠点にて研修実施やツールの提供などによる労務管理知識向上や事業継続計画(BCP)整備による体制強化を働きかけておりますが、ストライキなどの労働争議を原因として操業が停止・制限される事態が発生した場合には、サプライチェーンや当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(人権リスク) 当社グループは、各国・各地域で事業を行うにあたり、全連結子会社への人権デューデリジェンスを通じた人権尊重に取り組んでいるほか、国連「世界人権宣言」を含む国際人権章典、「ビジネスと人権に関する指導原則」などの国際基準に則った「豊田通商グループ人権方針」を定め、サプライヤーを含むすべてのビジネスパートナーのみなさまに対し、当該方針を遵守頂くことを働きかけております。しかしながら、不測の事態が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑬ 情報セキュリティリスク 当社グループは、トヨタグループ及び豊田通商グループ標準の情報セキュリティ規程・ガイドラインを制定し、グループ全体の対応状況の可視化と継続的な改善を実施しています。また、本ガイドラインに合わせ、ネットワークやメールセキュリティ等のITインフラ領域については、システム共通化によって、グループ全体で効率的に有効性を高める施策を実施しております。サイバー攻撃対応体制も構築し、定常的に製品脆弱性情報やセキュリティ事故等の脅威情報の収集と、迅速な対策・予防措置を実施しております。また、昨今のサイバー攻撃トレンドに鑑み、攻撃を受けた際に被害を最小化する施策として、常時通信監視及び端末のふるまい監視・自動隔離を導入しております。しかしながら、外部からの予期せぬ不正アクセスやコンピューターウイルス侵入等による機密情報・個人情報の漏洩、設備・通信障害等による情報システム停止等の可能性は排除できず、この場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑭ コンプライアンスリスク 当社グループは、国内外において多岐にわたる事業を行っており、日本における会社法、税法、独占禁止法、金融商品取引法、贈収賄関連諸法、安全保障貿易管理等貿易関連及び制裁関連諸法等の各種法令、事業活動を行う各国・地域の各種法令・規制といった様々な分野における広範な法律及び規制に服しております。当社では、役職員の職務の執行がこれら法令、規制及び企業倫理に適合することをコンプライアンスの基本方針としています。コンプライアンス専任部署であるコンプライアンス・危機管理部は、同部をハブとしたグローバルネットワークを通じてグループ全体のコンプライアンス体制を強化し、法務部等、関連するコーポレート部署の協力を得て、各種コンプライアンス施策(コンプライアンストップメッセージ、階層別コンプライアンス教育、グローバル内部通報制度整備等)を策定・実施することで、法令遵守の徹底等コンプライアンス意識の向上を図っております。 なお、物流関連のコンプライアンスリスクについては、国内の外国為替及び外国貿易法・関税法等、海外では当該国の法令、それに加えて国内・海外共に米国制裁法・米国再輸出規制等を遵守する貿易管理体制を整えることや、国内外において輸入通関時のHSコード誤りによる事後追徴を回避するための適切なHSコード判定規程の制定に努めております。また、物流業者の起用においては当社の管理規則に則った物流業者選定ルールの浸透を図り、物流業者の関与する不正・異常損等の発生を阻止する対策を行っております。 しかしながら、このような施策を講じても、事業活動におけるコンプライアンスリスクは完全に排除できるものではなく、役職員が不正・不法行為を行った場合、社会的な信用を毀損する可能性があります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑮ 安全関連リスク 従業員並びに委託者の労働災害により、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。災害未然防止に関する設備、作業標準の整備、教育、日常管理を行っておりますが、大規模な労働災害の発生等により追加の対策コストが必要となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑯ 環境関連リスク 気候変動、水資源、生物多様性保全を含む環境関連のリスクは、当社グループ経営に与える影響が高いと判断し、安全・環境会議やサステナビリティ推進委員会で審議、取締役会へ適宜報告され、担当部門や構成メンバーを通じて事業戦略や活動に組み込まれています。 気候変動については、影響が大きい事業を選定し、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に沿った形でシナリオ分析を実施しています。「リスク」では、移行リスク及び物理リスクを、「機会」では、資源効率・エネルギー源・製品及びサービス・市場を考慮しています。また、当社単体・国内海外連結子会社における、豊田通商グループの事業活動を通じた温室効果ガス排出量を、2030年までに2019年比で50%削減を目指し、2050年にカーボンニュートラルとする目標を策定しています。加えて、2018年に策定したサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)においても、「クリーンエネルギーや革新的技術を活用し、自動車/工場・プラントCO₂を削減することで脱炭素社会移行に貢献」することを掲げています。 気候変動や森林破壊、人口増加等に伴い世界規模で水不足、水質悪化、洪水、生物多様性の毀損が深刻化しています。水資源の持続可能な利用・生物多様性の維持は、当社事業活動に多大な影響を及ぼすリスクであり、重要課題と認識しています。水リスクについては、連結子会社を対象にAQUEDUCT(世界資源研究所(WRI)が提供する水リスクに関するグローバルな基準となっている評価ツールの一つ)で調査し、利用効率の改善や使用量削減等を含むリスクに応じた対応を行っています。 生物多様性については、新規の投資案件に対し生態系サービスへの影響を事前に調査・評価し、森林保全、環境負荷低減に努めています。既存事業に対しては、ISO14001に基づく環境マネジメントシステム内部監査により、水及び生物多様性を含むリスク評価を実施しています。しかしながら、このような施策を講じても、不測の事態が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2022|5,002 文字
2【事業等のリスク】 当有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)世界マクロ経済環境の変化によるリスク 当社グループは、国内及び海外における各種商品の売買を主要事業とし、これらの商品の製造・加工・販売、事業投資、サービスの提供等多岐にわたる事業を行っております。このため、日本及び関係諸国の政治経済状況の影響を受けております。これらの悪化・低迷が、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)特定の販売先への依存 当社グループは、当社及び連結子会社772社・持分法適用会社234社で構成され、国内及び海外における自動車関連商品、その他各種商品の販売を主要事業としております。当社グループの収益のうち、トヨタ自動車㈱グループへの収益が占める比率は12.3%であります。従いまして、トヨタ自動車㈱グループとの取引の動向が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (3)商品リスク 当社グループが取り扱う非鉄金属・石油製品・ゴム・食料・繊維等の相場商品には価格変動のリスクが存在します。そのため、商品ごとにポジション限度枠を設定し、限度枠遵守状況の定期的なモニタリングを行っております。こうした価格変動のリスクを低減する施策を講じておりますが、必ずしも価格変動リスクを完全に回避できるものではなく、商品市況や相場の動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (4)信用リスク 当社グループには、多様な営業活動により生じた国内外の取引先に対する金銭債権回収に関するリスクが存在します。こうした信用リスクに対応するため、当社グループでは取引先の財務内容を基にした当社独自基準の格付(8段階)を行い、売掛金・前渡金等の取引の種類ごとに限度枠を設定しています。なお、低格付の取引先に対しては、取引条件の見直し、債権保全、撤退等の取引方針を定め、個別に重点管理を行い、損失発生の防止に努めております。このように与信管理を行っておりますが、信用リスクを完全に回避できる保証はなく、取引先の財務内容が悪化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5)事業投資リスク 当社グループは、既存提携関係の強化または新規提携を行うことにより、既存事業の拡大や機能強化または新規事業への参入を目指しております。このため、他社と提携して新会社を設立するまたは既存の企業へ投資する等の投資活動を行っており、更に今後も投資活動を行う可能性があります。新規投資については、戦略性や全社優先順位を議論し、担当営業部だけでなく、コーポレート部門担当者も検討に参画し、幅広い視点から投資リターン、各種リスク分析等の検討を行っています。また、投資実行後は計画通りの投資リターンを得て、リスク資産に見合った利益を確保しているか等のモニタリングを実施し、計画通りに進行していない案件に対する再建・撤退ルールを厳格に運用しております。しかしながら、投資先企業の価値または株式の市場価値が低迷した場合には、当社グループが投資金額の全部もしくは相当部分を失う、またはこれらの投資先企業に対する追加の資金提供を余儀なくされることがあります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6)外国為替リスク 当社グループが行っている商品の販売及び投資活動等のうち、外国通貨建ての取引については、外国為替の変動による影響を受けることがあります。当社グループはこうした外国為替のリスクを一定程度まで低減するよう為替予約等によるヘッジ策を講じておりますが、必ずしも完全に回避できるものではありません。 また、当社は海外に多くのグループ会社が存在しており、各社の財務諸表を円貨に換算する際に、為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (7)金利変動リスク 当社グループは、営業債権等による信用供与・有価証券取得・固定資産取得等のために金融機関からの借入及びコマーシャル・ペーパー、社債の発行等により事業資金を手当てしており、一部が変動金利条件となっておりますが、その相当部分は、変動による影響を転嫁できる営業資産に見合っております。 また、当社グループでは、アセット・ライアビリティ・マネジメント(ALM)を通じて金利変動リスクをミニマイズすべく取り組んでおりますが、完全に金利変動リスクを回避できるものではなく、今後の金利動向によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (8)上場有価証券の価格変動リスク 当社グループは、取引先との関係維持・強化、事業収益拡大及び企業価値向上を目的に、活発な市場で取引されている有価証券を保有しております。活発な市場で取引されている有価証券は価格変動の影響を受けることがあり、価格下落の場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)退職後給付に係るリスク 当社グループの年金資産には国内外の株式及び債券等が含まれるため、株式・債券市場の動向によっては資産価値が減少し退職後給付に係る費用が増加する可能性があります。その場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10)資金調達に関するリスク 当社グループは、事業資金を国内外の金融機関からの借入及びコマーシャル・ペーパー、社債の発行等により調達しております。金融機関との良好な取引関係の維持及びアセット・ライアビリティ・マネジメント(ALM)に努め、資産の内容に応じた調達を実施することで流動性リスクの最小化を図っておりますが、金融市場の混乱や格付機関による当社信用格付けの大幅な引き下げ等の事態が生じた場合、当社グループの資金調達に制約が課される可能性や、調達コストが増加する可能性があります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11)人事労務リスク 当社グループは、各国・各地域で事業を行うにあたり、ストライキなどより操業が停止・制限され、サプライチェーンに影響を及ぼすリスクがあります。結果として、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12)人権リスク 当社グループは、各国・各地域で事業を行うにあたり、グループ会社への人権デューデリジェンスを通じた人権尊重に取り組んでいるほか、国連「世界人権宣言」を含む国際人権章典、「ビジネスと人権に関する指導原則」等の国際基準に則った「豊田通商グループ人権方針」を定め、サプライヤーを含むすべてのビジネスパートナーのみなさまに対し当該方針を遵守頂くことを働きかけていますが、不測の事態が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13)情報セキュリティリスク 当社グループは、情報セキュリティに関するグループ標準の規程・ガイドラインを制定し対応状況の把握・改善を行うと共に、サイバー攻撃などに備えた体制の整備と教育・訓練、製品脆弱性情報やセキュリティ事故などの脅威情報に基づく迅速な対策を実施しております。また、ネットワークやメールセキュリティなどのITインフラ領域については、システム共通化によって、グループ全体で効率的に有効性を高める施策を実施しております。しかしながら、外部からの予期せぬ不正アクセスやコンピューターウイルス侵入等による機密情報・個人情報の漏洩、設備・通信障害等による情報システム停止等の可能性は排除できず、この場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (14)コンプライアンスリスク 当社グループは、国内外において多岐にわたる事業を行っており、日本における会社法、税法、独占禁止法、金融商品取引法等の各種法令、また、事業活動を行う各国・地域の法令、規制といった様々な分野における広範な制約を受けております。当社ではコンプライアンス・危機管理部を設置し、グループ全体のコンプライアンス体制を強化することで、法令遵守の徹底等コンプライアンス意識の向上を図っておりますが、役職員が不正・不法行為を行った場合、社会的な信用を毀損する可能性があります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (15)安全関連リスク 従業員並びに委託者の労働災害により、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。災害未然防止に関する設備、作業標準の整備、教育、日常管理を行っておりますが、大規模な労働災害の発生等により追加の対策コストが必要となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (16)環境関連リスク 気候変動、水資源、森林の保護を含む環境関連のリスクは、当社グループ経営に与える影響は高いと判断しています。気候変動に係る事業機会とリスクは、安全・環境推進連絡会とサステナビリティ推進委員会で審議、取締役会へ適宜報告され、担当部門や構成メンバーを通じて事業戦略や活動に組み込まれています。当社及びグループ企業は環境マネジメントシステムに関する国際規格であるISO14001を取得しており、製造現場のある既存投資先を対象に、本社による環境内部監査を実施し、モニタリングしています。また、6つのマテリアリティを掲げ、ビジネスを通じて環境負荷低減を進めております。不測の事態が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (17)カントリーリスク 当社グループは、輸出入や海外の取引先に対する投資等、海外の取引先と多くの取引を行っており、事業活動を行う各国の政府による規制・政治的不安・資金移動の規制等による製品の製造・購買に伴うリスクに加え、投資の損失またはその他の資産が劣化するリスクが存在しております。当社グループは、カントリーリスクが高い国における案件については、貿易保険等によりリスクを低減することに努めております。また、最大想定損失額であるリスクアセットを国ごとに把握し、各国ごとに定めた上限値の範囲内に抑えることで、特定の地域または国に対する集中の是正に努めております。こうした管理やヘッジ策を講じておりますが、取引先所在国や当社グループが活動を行う国の事業環境の悪化によるリスクを完全に回避できるものではないため、そのような事態が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、2022年2月以降のロシアのウクライナ侵攻による影響については、長期化する場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (18)災害等による影響について 火災・地震・洪水等の災害により、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。事業継続計画(BCP)の策定及び維持改善活動の推進、設備等の耐震対策、社員安否確認システムの整備等を通じた対策を行っておりますが、大規模な災害の発生等により追加の対策コストが必要となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、未知のウイルス・細菌等の感染拡大により、従業員や取引先への感染、サプライチェーンへの影響、消費の低迷等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、新型コロナウイルス感染症の社内外への感染拡大抑止と、グループ全社員の安全と健康の確保を最優先に対策を講じ、政府指導に基づいた対応を実施してまいります。
FY2021|4,822 文字
2【事業等のリスク】 当有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)世界マクロ経済環境の変化によるリスク 当社グループは、国内及び海外における各種商品の売買を主要事業とし、これらの商品の製造・加工・販売、事業投資、サービスの提供等多岐にわたる事業を行っております。このため、日本及び関係諸国の政治経済状況の影響を受けております。これらの悪化・低迷が、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)特定の販売先への依存 当社グループは、当社及び連結子会社779社・持分法適用会社231社で構成され、国内及び海外における自動車関連商品、その他各種商品の販売を主要事業としております。当社グループの収益のうち、トヨタ自動車㈱グループへの収益が占める比率は15.0%であります。従いまして、トヨタ自動車㈱グループとの取引の動向が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (3)外国為替リスク 当社グループが行っている商品の販売及び投資活動等のうち、外国通貨建ての取引については、外国為替の変動による影響を受けることがあります。当社グループはこうした外国為替のリスクを一定程度まで低減するよう為替予約等によるヘッジ策を講じておりますが、必ずしも完全に回避できるものではありません。 また、当社は海外に多くのグループ会社が存在しており、各社の財務諸表を円貨に換算する際に、為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (4)金利変動リスク 当社グループは、営業債権等による信用供与・有価証券取得・固定資産取得等のために金融機関からの借入及びコマーシャル・ペーパー、社債の発行等により事業資金を手当てしており、一部が変動金利条件となっておりますが、その相当部分は、変動による影響を転嫁できる営業資産に見合っております。 また当社グループでは、アセット・ライアビリティ・マネジメント(ALM)を通じて金利変動リスクをミニマイズすべく取り組んでおりますが、完全に金利変動リスクを回避できるものではなく、今後の金利動向によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (5)上場有価証券の価格変動リスク 当社グループは、取引先との関係維持・強化、事業収益拡大及び企業価値向上を目的に、活発な市場で取引されている有価証券を保有しております。活発な市場で取引されている有価証券は価格変動の影響を受けることがあり、価格下落の場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6)退職後給付に係るリスク 当社グループの年金資産には国内外の株式及び債券等が含まれるため、株式・債券市場の動向によっては資産価値が減少し退職後給付に係る費用が増加する可能性があります。その場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)商品リスク 当社グループが取り扱う非鉄金属・石油製品・ゴム・食料・繊維等の相場商品には価格変動のリスクが存在します。そのため、商品ごとにポジション限度枠を設定し、限度枠遵守状況の定期的なモニタリングを行っております。こうした価格変動のリスクを低減する施策を講じておりますが、必ずしも価格変動リスクを完全に回避できるものではなく、商品市況や相場の動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (8)信用リスク 当社グループには、多様な営業活動により生じた国内外の取引先に対する金銭債権回収に関するリスクが存在します。こうした信用リスクに対応するため、当社グループでは取引先の財務内容を基にした当社独自基準の格付(8段階)を行い、売掛金・前渡金等の取引の種類ごとに限度枠を設定しています。なお、低格付の取引先に対しては、取引条件の見直し、債権保全、撤退等の取引方針を定め、個別に重点管理を行い、損失発生の防止に努めております。このように与信管理を行っておりますが、信用リスクを完全に回避できる保証はなく、取引先の財務内容が悪化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)事業投資リスク 当社グループは、既存提携関係の強化または新規提携を行うことにより、既存事業の拡大や機能強化または新規事業への参入を目指しております。このため、他社と提携して新会社を設立するまたは既存の企業へ投資する等の投資活動を行っており、更に今後も投資活動を行う可能性があります。新規投資については、戦略性や全社優先順位を議論し、担当営業部だけでなく、コーポレート部門担当者も検討に参画し、幅広い視点から投資リターン、各種リスク分析等の検討を行っています。また、投資実行後は計画通りの投資リターンを得て、リスク資産に見合った利益を確保しているか等のモニタリングを実施し、計画通りに進行していない案件に対する再建・撤退ルールを厳格に運用しております。しかしながら、投資先企業の価値または株式の市場価値が低迷した場合には、当社グループが投資金額の全部もしくは相当部分を失う、またはこれらの投資先企業に対する追加の資金提供を余儀なくされることがあります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10)カントリーリスク 当社グループは、輸出入や海外の取引先に対する投資等、海外の取引先と多くの取引を行っており、事業活動を行う各国の政府による規制・政治的不安・資金移動の規制等による製品の製造・購買に伴うリスクに加え、投資の損失またはその他の資産が劣化するリスクが存在しております。当社グループは、カントリーリスクが高い国における案件については、貿易保険等によりリスクを低減することに努めております。また、最大想定損失額であるリスクアセットを国ごとに把握し、各国ごとに定めた上限値の範囲内に抑えることで、特定の地域または国に対する集中の是正に努めております。こうした管理やヘッジ策を講じておりますが、取引先所在国や当社グループが活動を行う国の事業環境の悪化によるリスクを完全に回避できるものではないため、そのような事態が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11)固定資産に関する減損リスク 当社グループが保有する機械装置・運搬具、建物・構築物、のれん等の固定資産及び使用権資産は、減損リスクにさらされております。対象資産の資産価値が減少した場合、必要な減損処理を行うため、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12)資金調達に関するリスク 当社グループは、事業資金を国内外の金融機関からの借入及びコマーシャル・ペーパー、社債の発行等により調達しております。金融機関との良好な取引関係の維持及びアセット・ライアビリティ・マネジメント(ALM)に努め、資産の内容に応じた調達を実施することで流動性リスクの最小化を図っておりますが、金融市場の混乱や格付機関による当社信用格付けの大幅な引き下げ等の事態が生じた場合、当社グループの資金調達に制約が課される可能性や、調達コストが増加する可能性があります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13)コンプライアンスリスク 当社グループは、国内外において多岐にわたる事業を行っており、日本における会社法、税法、独占禁止法、金融商品取引法等の各種法令、また、事業活動を行う各国・地域の法令、規制といった様々な分野における広範な制約を受けております。当社ではコンプライアンス統括室を設置し、グループ全体のコンプライアンス体制を強化することで、法令遵守の徹底等コンプライアンス意識の向上を図っておりますが、役職員が不正・不法行為を行った場合、社会的な信用を毀損する可能性があります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (14)人事労務リスク 当社グループは、各国・各地域で事業を行うにあたり、ストライキなどより操業が停止・制限され、サプライチェーンに影響を及ぼすリスクがあります。結果として、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (15)情報セキュリティリスク 当社グループは、情報セキュリティに関するグループ標準の規程・ガイドラインを制定し対応状況の把握・改善を行うと共に、サイバー攻撃などに備えた体制の整備と教育・訓練、製品脆弱性情報やセキュリティ事故などの脅威情報に基づく迅速な対策を実施しております。また、ネットワークやメールセキュリティなどのITインフラ領域については、システム共通化によって、グループ全体で効率的に有効性を高める施策を実施しております。しかしながら、外部からの予期せぬ不正アクセスやコンピューターウイルス侵入等による機密情報・個人情報の漏洩、設備・通信障害等による情報システム停止等の可能性は排除できず、この場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (16)安全関連リスク 従業員並びに委託者の労働災害により、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。災害未然防止に関する設備、作業標準の整備、教育、日常管理を行っておりますが、大規模な労働災害の発生等により追加の対策コストが必要となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (17)環境関連リスク 気候変動、水資源、森林の保護を含む環境関連のリスクは、当社グループ経営に与える影響は高いと判断しています。気候変動に係る事業機会とリスクは、安全・環境推進連絡会とサステナビリティ推進委員会で審議、取締役会へ適宜報告され、担当部門や構成メンバーを通じて事業戦略や活動に組み込まれています。当社及びグループ企業は環境マネジメントシステムに関する国際規格であるISO14001を取得しており、製造現場のある既存投資先を対象に、本社による環境内部監査を実施し、モニタリングしています。また、6つのマテリアリティを掲げ、ビジネスを通じて環境負荷低減を進めております。不測の事態が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (18)災害等による影響について 火災・地震・洪水等の災害により、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。事業継続計画(BCP)の策定及び維持改善活動の推進、設備等の耐震対策、社員安否確認システムの整備等を通じた対策を行っておりますが、大規模な災害の発生等により追加の対策コストが必要となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、未知のウイルス・細菌等の感染拡大により、従業員や取引先への感染、サプライチェーンへの影響、消費の低迷等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、新型コロナウイルスの社内外への感染拡大抑止と、グループ全社員の安全と健康の確保を最優先に対策を講じ、政府指導に基づいた対応を実施してまいります。
FY2020|4,120 文字
2【事業等のリスク】 当有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)世界マクロ経済環境の変化によるリスク 当社グループは、国内及び海外における各種商品の売買を主要事業とし、これらの商品の製造・加工・販売、事業投資、サービスの提供等多岐にわたる事業を行っております。このため、日本及び関係諸国の政治経済状況の影響を受けております。これらの悪化・低迷が、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)特定の販売先への依存 当社グループは、当社及び連結子会社782社・持分法適用会社230社で構成され、国内及び海外における自動車関連商品、その他各種商品の販売を主要事業としております。当社グループの収益のうち、トヨタ自動車㈱グループへの収益が占める比率は12.7%であります。従いまして、トヨタ自動車㈱グループとの取引の動向が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (3)外国為替リスク 当社グループが行っている商品の販売及び投資活動等のうち、外国通貨建ての取引については、外国為替の変動による影響を受けることがあります。当社グループはこうした外国為替のリスクを一定程度まで低減するよう為替予約等によるヘッジ策を講じておりますが、必ずしも完全に回避できるものではありません。 また、当社は海外に多くのグループ会社が存在しており、各社の財務諸表を円貨に換算する際に、為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (4)金利変動リスク 当社グループは、営業債権等による信用供与・有価証券取得・固定資産取得等のために金融機関からの借入及びコマーシャル・ペーパー、社債の発行等により事業資金を手当てしており、一部が変動金利条件となっておりますが、その相当部分は、変動による影響を転嫁できる営業資産に見合っております。 また当社グループでは、アセット・ライアビリティ・マネジメント(ALM)を通じて金利変動リスクをミニマイズすべく取り組んでおりますが、完全に金利変動リスクを回避できるものではなく、今後の金利動向によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (5)上場有価証券の価格変動リスク 当社グループは、取引先との関係維持・強化、事業収益拡大及び企業価値向上を目的に、活発な市場で取引されている有価証券を保有しております。活発な市場で取引されている有価証券は価格変動の影響を受けることがあり、価格下落の場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6)退職後給付に係るリスク 当社グループの年金資産には国内外の株式及び債券等が含まれるため、株式・債券市場の動向によっては資産価値が減少し退職後給付に係る費用が増加する可能性があります。その場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)商品リスク 当社グループが取り扱う非鉄金属・原油・石油製品・ゴム・食料・繊維等の相場商品には価格変動のリスクが存在します。そのため、商品ごとにポジション限度枠を設定し、限度枠遵守状況の定期的なモニタリングを行っております。こうした価格変動のリスクを低減する施策を講じておりますが、必ずしも価格変動リスクを完全に回避できるものではなく、商品市況や相場の動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (8)信用リスク 当社グループには、多様な営業活動により生じた国内外の取引先に対する金銭債権回収に関するリスクが存在します。こうした信用リスクに対応するため、当社グループでは取引先の財務内容を基にした当社独自基準の格付(8段階)を行い、売掛金・前渡金等の取引の種類ごとに限度枠を設定しています。なお、低格付の取引先に対しては、取引条件の見直し、債権保全、撤退等の取引方針を定め、個別に重点管理を行い、損失発生の防止に努めております。このように与信管理を行っておりますが、信用リスクを完全に回避できる保証はなく、取引先の財務内容が悪化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)事業投資リスク 当社グループは、既存提携関係の強化または新規提携を行うことにより、既存事業の拡大や機能強化または新規事業への参入を目指しております。このため、他社と提携して新会社を設立するまたは既存の企業へ投資する等の投資活動を行っており、更に今後も投資活動を行う可能性があります。新規投資については、戦略性や全社優先順位を議論し、担当営業部だけでなく、コーポレート部門担当者も検討に参画し、幅広い視点から投資リターン、各種リスク分析等の検討を行っています。また、投資実行後は計画通りの投資リターンを得て、リスク資産に見合った利益を確保しているか等のモニタリングを実施し、計画通りに進行していない案件に対する再建・撤退ルールを厳格に運用しております。しかしながら、投資先企業の価値または株式の市場価値が低迷した場合には、当社グループが投資金額の全部もしくは相当部分を失う、またはこれらの投資先企業に対する追加の資金提供を余儀なくされることがあります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10)カントリーリスク 当社グループは、輸出入や海外の取引先に対する投資等、海外の取引先と多くの取引を行っており、事業活動を行う各国の政府による規制・政治的不安・資金移動の規制等による製品の製造・購買に伴うリスクに加え、投資の損失またはその他の資産が劣化するリスクが存在しております。当社グループは、カントリーリスクが高い国における案件については、貿易保険等によりリスクを低減することに努めております。また、最大想定損失額であるリスクアセットを国ごとに把握し、各国ごとに定めた上限値の範囲内に抑えることで、特定の地域または国に対する集中の是正に努めております。こうした管理やヘッジ策を講じておりますが、取引先所在国や当社グループが活動を行う国の事業環境の悪化によるリスクを完全に回避できるものではないため、そのような事態が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11)固定資産に関する減損リスク 当社グループが保有する機械装置・運搬具、建物・構築物、のれん等の固定資産及び使用権資産は、減損リスクにさらされております。対象資産の資産価値が減少した場合、必要な減損処理を行うため、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12)資金調達に関するリスク 当社グループは、事業資金を国内外の金融機関からの借入及びコマーシャル・ペーパー、社債の発行等により調達しております。金融機関との良好な取引関係の維持及びアセット・ライアビリティ・マネジメント(ALM)に努め、資産の内容に応じた調達を実施することで流動性リスクの最小化を図っておりますが、金融市場の混乱や格付機関による当社信用格付けの大幅な引き下げ等の事態が生じた場合、当社グループの資金調達に制約が課される可能性や、調達コストが増加する可能性があります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13)コンプライアンスリスク 当社グループは、国内外において多岐にわたる事業を行っており、日本における会社法、税法、独占禁止法、金融商品取引法等の各種法令、また、事業活動を行う各国・地域の法令、規制といった様々な分野における広範な制約を受けております。当社ではコンプライアンス統括室を設置し、グループ全体のコンプライアンス体制を強化することで、法令遵守の徹底等コンプライアンス意識の向上を図っておりますが、役職員が不正・不法行為を行った場合、社会的な信用を毀損する可能性があります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (14)環境関連のリスクについて 当社グループが国内及び海外で展開する事業には、広範な環境に関するリスクが存在します。これらのリスクに備え、環境汚染につながる排気・排水や廃棄物処理に関する法規制の遵守等、サプライチェーンでのリスク管理を実施しております。また、当社グループが国内及び海外で展開する事業は、気候変動、水資源、生物多様性等様々な環境リスクの下にあり、環境規制の変化や災害等による環境汚染の発生等により追加の対策コストが必要となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (15)災害等による影響について 火災・地震・洪水等の災害により、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。事業継続計画(BCP)の策定及び維持改善活動の推進、設備等の耐震対策、社員安否確認システムの整備等を通じた対策を行っておりますが、大規模な災害の発生等により追加の対策コストが必要となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、未知のウイルス・細菌等の感染拡大により、従業員や取引先への感染、サプライチェーンへの影響、消費の低迷等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、新型コロナウイルスの社内外への感染拡大抑止と、グループ全社員の安全と健康の確保を最優先に対策を講じ、政府指導に基づいた対応を実施してまいります。
FY2019|3,900 文字
2【事業等のリスク】 当有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあると思われます。 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)世界マクロ経済環境の変化によるリスク 当社グループは、国内及び海外における各種商品の売買を主要事業とし、これらの商品の製造・加工・販売、事業投資、サービスの提供等多岐にわたる事業を行っております。このため、日本及び関係諸国の政治経済状況の影響を受けております。これらの悪化・低迷が、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)特定の販売先への依存 当社グループは、当社及び連結子会社737社・持分法適用会社231社で構成され、国内及び海外における自動車関連商品、その他各種商品の販売を主要事業としております。当社グループの収益のうち、トヨタ自動車㈱グループへの収益が占める比率は12.6%であります。従いまして、トヨタ自動車㈱グループとの取引の動向が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (3)外国為替リスク 当社グループが行っている商品の販売及び投資活動等のうち、外国通貨建ての取引については、外国為替の変動による影響を受けることがあります。当社グループはこうした外国為替のリスクを一定程度まで低減するよう為替予約等によるヘッジ策を講じておりますが、必ずしも完全に回避できるものではありません。 また、当社は海外に多くのグループ会社が存在しており、各社の財務諸表を円貨に換算する際に、為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (4)金利変動リスク 当社グループは、営業債権等による信用供与・有価証券取得・固定資産取得等のために金融機関からの借入及びコマーシャル・ペーパー、社債の発行等により事業資金を手当てしており、一部が変動金利条件となっておりますが、その相当部分は、変動による影響を転嫁できる営業資産に見合っております。 また当社グループでは、アセット・ライアビリティ・マネジメント(ALM)を通じて金利変動リスクをミニマイズすべく取り組んでおりますが、完全に金利変動リスクを回避できるものではなく、今後の金利動向によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (5)上場有価証券の価格変動リスク 当社グループは、取引先との関係維持・強化、事業収益拡大及び企業価値向上を目的に、市場性のある有価証券を保有しております。市場性のある有価証券は価格変動の影響を受けることがあり、価格下落の場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6)退職後給付に係るリスク 当社グループの年金資産には国内外の株式及び債券等が含まれるため、株式・債券市場の動向によっては資産価値が減少し退職後給付に係る費用が増加する可能性があります。その場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)商品リスク 当社グループが取り扱う非鉄金属・原油・石油製品・ゴム・食料・繊維等の相場商品には価格変動のリスクが存在します。そのため、商品ごとにポジション限度枠を設定し、限度枠遵守状況の定期的なモニタリングを行っております。こうした価格変動のリスクを低減する施策を講じておりますが、必ずしも価格変動リスクを完全に回避できるものではなく、商品市況や相場の動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (8)信用リスク 当社グループには、多様な営業活動により生じた国内外の取引先に対する金銭債権回収に関するリスクが存在します。こうした信用リスクに対応するため、当社グループでは取引先の財務内容を基にした当社独自基準の格付(8段階)を行い、売掛金・前渡金等の取引の種類ごとに限度枠を設定しています。なお、低格付の取引先に対しては、取引条件の見直し、債権保全、撤退等の取引方針を定め、個別に重点管理を行い、損失発生の防止に努めております。このように与信管理を行っておりますが、信用リスクを完全に回避できる保証はなく、取引先の財務内容が悪化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)事業投資リスク 当社グループは、既存提携関係の強化または新規提携を行うことにより、既存事業の拡大や機能強化または新規事業への参入を目指しております。このため、他社と提携して新会社を設立するまたは既存の企業へ投資する等の投資活動を行っており、更に今後も投資活動を行う可能性があります。新規投資については、戦略性や全社優先順位を議論し、担当営業部だけでなく、コーポレート部門担当者も検討に参画し、幅広い視点から投資リターン、各種リスク分析等の検討を行っています。また、投資実行後は計画通りの投資リターンを得て、リスク資産に見合った利益を確保しているか等のモニタリングを実施し、計画通りに進行していない案件に対する再建・撤退ルールを厳格に運用しております。しかしながら、投資先企業の価値または株式の市場価値が低迷した場合には、当社グループが投資金額の全部もしくは相当部分を失う、またはこれらの投資先企業に対する追加の資金提供を余儀なくされることがあります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10)カントリーリスク 当社グループは、輸出入や海外の取引先に対する投資等、海外の取引先と多くの取引を行っており、事業活動を行う各国の政府による規制・政治的不安・資金移動の規制等による製品の製造・購買に伴うリスクに加え、投資の損失またはその他の資産が劣化するリスクが存在しております。当社グループは、カントリーリスクが高い国における案件については、貿易保険等によりリスクを低減することに努めております。また、最大想定損失額であるリスクアセットを国ごとに把握し、各国ごとに定めた上限値の範囲内に抑えることで、特定の地域または国に対する集中の是正に努めております。こうした管理やヘッジ策を講じておりますが、取引先所在国や当社グループが活動を行う国の事業環境の悪化によるリスクを完全に回避できるものではないため、そのような事態が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11)固定資産に関する減損リスク 当社グループが保有する機械装置・運搬具、建物・構築物、のれん等の固定資産及びリース資産は、減損リスクにさらされております。対象資産の資産価値が減少した場合、必要な減損処理を行うため、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12)資金調達に関するリスク 当社グループは、事業資金を国内外の金融機関からの借入及びコマーシャル・ペーパー、社債の発行等により調達しております。金融機関との良好な取引関係の維持及びアセット・ライアビリティ・マネジメント(ALM)に努め、資産の内容に応じた調達を実施することで流動性リスクの最小化を図っておりますが、金融市場の混乱や格付機関による当社信用格付けの大幅な引き下げ等の事態が生じた場合、当社グループの資金調達に制約が課される可能性や、調達コストが増加する可能性があります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13)コンプライアンスリスク 当社グループは、国内外において多岐にわたる事業を行っており、日本における会社法、税法、独占禁止法、金融商品取引法等の各種法令、また、事業活動を行う各国・地域の法令、規制といった様々な分野における広範な制約を受けております。当社ではコンプライアンス統括室を設置し、グループ全体のコンプライアンス体制を強化することで、法令遵守の徹底等コンプライアンス意識の向上を図っておりますが、役職員が不正・不法行為を行った場合、社会的な信用を毀損する可能性があります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (14)環境関連のリスクについて 当社グループが国内及び海外で展開する事業には、広範な環境に関するリスクが存在します。これらのリスクに備え、環境汚染につながる排気・排水や廃棄物処理に関する法規制の遵守等、サプライチェーンでのリスク管理を実施しております。また、当社グループが国内及び海外で展開する事業は、気候変動、水資源、生物多様性等様々な環境リスクの下にあり、環境規制の変化や災害等による環境汚染の発生等により追加の対策コストが必要となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (15)災害等による影響について 火災・地震・洪水等の災害により、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。事業継続計画(BCP)の策定及び維持改善活動の推進、設備等の耐震対策、社員安否確認システムの整備等を通じた対策を行っておりますが、大規模な災害の発生等により追加の対策コストが必要となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2018|3,900 文字
2【事業等のリスク】 当有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあると思われます。 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)世界マクロ経済環境の変化によるリスク 当社グループは、国内及び海外における各種商品の売買を主要事業とし、これらの商品の製造・加工・販売、事業投資、サービスの提供等多岐にわたる事業を行っております。このため、日本及び関係諸国の政治経済状況の影響を受けております。これらの悪化・低迷が、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)特定の販売先への依存 当社グループは、当社及び連結子会社717社・持分法適用会社238社で構成され、国内及び海外における自動車関連商品、その他各種商品の販売を主要事業としております。当社グループの収益のうち、トヨタ自動車㈱グループへの収益が占める比率は12.2%であります。従いまして、トヨタ自動車㈱グループとの取引の動向が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (3)外国為替リスク 当社グループが行っている商品の販売及び投資活動等のうち、外国通貨建ての取引については、外国為替の変動による影響を受けることがあります。当社グループはこうした外国為替のリスクを一定程度まで低減するよう為替予約等によるヘッジ策を講じておりますが、必ずしも完全に回避できるものではありません。 また、当社は海外に多くのグループ会社が存在しており、各社の財務諸表を円貨に換算する際に、為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (4)金利変動リスク 当社グループは、営業債権等による信用供与・有価証券取得・固定資産取得等のために金融機関からの借入及びコマーシャル・ペーパー、社債の発行等により事業資金を手当てしており、一部が変動金利条件となっておりますが、その相当部分は、変動による影響を転嫁できる営業資産に見合っております。 また当社グループでは、アセット・ライアビリティ・マネジメント(ALM)を通じて金利変動リスクをミニマイズすべく取り組んでおりますが、完全に金利変動リスクを回避できるものではなく、今後の金利動向によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (5)上場有価証券の価格変動リスク 当社グループは、取引先との関係維持・強化、事業収益拡大及び企業価値向上を目的に、市場性のある有価証券を保有しております。市場性のある有価証券は価格変動の影響を受けることがあり、価格下落の場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6)退職後給付に係るリスク 当社グループの年金資産には国内外の株式及び債券等が含まれるため、株式・債券市場の動向によっては資産価値が減少し退職後給付に係る費用が増加する可能性があります。その場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)商品リスク 当社グループが取り扱う非鉄金属・原油・石油製品・ゴム・食料・繊維等の相場商品には価格変動のリスクが存在します。そのため、商品ごとにポジション限度枠を設定し、限度枠遵守状況の定期的なモニタリングを行っております。こうした価格変動のリスクを低減する施策を講じておりますが、必ずしも価格変動リスクを完全に回避できるものではなく、商品市況や相場の動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (8)信用リスク 当社グループには、多様な営業活動により生じた国内外の取引先に対する金銭債権回収に関するリスクが存在します。こうした信用リスクに対応するため、当社グループでは取引先の財務内容を基にした当社独自基準の格付(8段階)を行い、売掛金・前渡金等の取引の種類ごとに限度枠を設定しています。なお、低格付の取引先に対しては、取引条件の見直し、債権保全、撤退等の取引方針を定め、個別に重点管理を行い、損失発生の防止に努めております。このように与信管理を行っておりますが、信用リスクを完全に回避できる保証はなく、取引先の財務内容が悪化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)事業投資リスク 当社グループは、既存提携関係の強化または新規提携を行うことにより、既存事業の拡大や機能強化または新規事業への参入を目指しております。このため、他社と提携して新会社を設立するまたは既存の企業へ投資する等の投資活動を行っており、更に今後も投資活動を行う可能性があります。新規投資については、戦略性や全社優先順位を議論し、担当営業部だけでなく、コーポレート部門担当者も検討に参画し、幅広い視点から投資リターン、各種リスク分析等の検討を行っています。また、投資実行後は計画通りの投資リターンを得て、リスク資産に見合った利益を確保しているか等のモニタリングを実施し、計画通りに進行していない案件に対する再建・撤退ルールを厳格に運用しております。しかしながら、投資先企業の価値または株式の市場価値が低迷した場合には、当社グループが投資金額の全部もしくは相当部分を失う、またはこれらの投資先企業に対する追加の資金提供を余儀なくされることがあります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10)カントリーリスク 当社グループは、輸出入や海外の取引先に対する投資等、海外の取引先と多くの取引を行っており、事業活動を行う各国の政府による規制・政治的不安・資金移動の規制等による製品の製造・購買に伴うリスクに加え、投資の損失またはその他の資産が劣化するリスクが存在しております。当社グループは、カントリーリスクが高い国における案件については、貿易保険等によりリスクを低減することに努めております。また、最大想定損失額であるリスクアセットを国ごとに把握し、各国ごとに定めた上限値の範囲内に抑えることで、特定の地域または国に対する集中の是正に努めております。こうした管理やヘッジ策を講じておりますが、取引先所在国や当社グループが活動を行う国の事業環境の悪化によるリスクを完全に回避できるものではないため、そのような事態が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11)固定資産に関する減損リスク 当社グループが保有する機械装置・運搬具、建物・構築物、のれん等の固定資産及びリース資産は、減損リスクにさらされております。対象資産の資産価値が減少した場合、必要な減損処理を行うため、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12)資金調達に関するリスク 当社グループは、事業資金を国内外の金融機関からの借入及びコマーシャル・ペーパー、社債の発行等により調達しております。金融機関との良好な取引関係の維持及びアセット・ライアビリティ・マネジメント(ALM)に努め、資産の内容に応じた調達を実施することで流動性リスクの最小化を図っておりますが、金融市場の混乱や格付機関による当社信用格付けの大幅な引き下げ等の事態が生じた場合、当社グループの資金調達に制約が課される可能性や、調達コストが増加する可能性があります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13)コンプライアンスリスク 当社グループは、国内外において多岐にわたる事業を行っており、日本における会社法、税法、独占禁止法、金融商品取引法等の各種法令、また、事業活動を行う各国・地域の法令、規制といった様々な分野における広範な制約を受けております。当社ではコンプライアンス統括室を設置し、グループ全体のコンプライアンス体制を強化することで、法令遵守の徹底等コンプライアンス意識の向上を図っておりますが、役職員が不正・不法行為を行った場合、社会的な信用を毀損する可能性があります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (14)環境関連のリスクについて 当社グループが国内及び海外で展開する事業には、広範な環境に関するリスクが存在します。これらのリスクに備え、環境汚染につながる排気・排水や廃棄物処理に関する法規制の遵守等、サプライチェーンでのリスク管理を実施しております。また、当社グループが国内及び海外で展開する事業は、気候変動、水資源、生物多様性等様々な環境リスクの下にあり、環境規制の変化や災害等による環境汚染の発生等により追加の対策コストが必要となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (15)災害等による影響について 火災・地震・洪水等の災害により、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。事業継続計画(BCP)の策定及び維持改善活動の推進、設備等の耐震対策、社員安否確認システムの整備等を通じた対策を行っておりますが、大規模な災害の発生等により追加の対策コストが必要となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2017|3,895 文字
4【事業等のリスク】 当有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあると思われます。 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)世界マクロ経済環境の変化によるリスク 当社グループは、国内及び海外における各種商品の売買を主要事業とし、これらの商品の製造・加工・販売、事業投資、サービスの提供など多岐にわたる事業を行っております。このため、日本及び関係諸国の政治経済状況の影響を受けております。これらの悪化・低迷が、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)特定の販売先への依存 当社グループは、当社及び連結子会社731社・持分法適用会社243社で構成され、国内及び海外における自動車関連商品、その他各種商品の販売を主要事業としております。当社グループの収益のうち、トヨタ自動車㈱グループへの収益が占める比率は12.0%であります。従いまして、トヨタ自動車㈱グループとの取引の動向が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (3)外国為替リスク 当社グループが行っている商品の販売及び投資活動等のうち、外国通貨建ての取引については、外国為替の変動による影響を受けることがあります。当社グループはこうした外国為替のリスクを一定程度まで低減するよう為替予約等によるヘッジ策を講じておりますが、必ずしも完全に回避できるものではありません。 また、当社は海外に多くのグループ会社が存在しており、各社の財務諸表を円貨に換算する際に、為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (4)金利変動リスク 当社グループは、営業債権などによる信用供与・有価証券取得・固定資産取得などのために金融機関からの借入及びコマーシャルペーパー・社債の発行等により事業資金を手当てしており、一部が変動金利条件となっておりますが、その相当部分は、変動による影響を転嫁できる営業資産に見合っております。 また当社グループでは、アセット・ライアビリティ・マネジメント(ALM)を通じて金利変動リスクをミニマイズすべく取り組んでおりますが、完全に金利変動リスクを回避できるものではなく、今後の金利動向によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (5)上場有価証券の価格変動リスク 当社グループは、取引先との関係維持・強化、事業収益拡大及び企業価値向上を目的に、活発な市場のある有価証券を保有しております。活発な市場のある有価証券の株価下落は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6)退職後給付に係るリスク 当社グループの年金資産には国内外の株式及び債券等が含まれるため、株式・債券市場の動向によっては資産価値が減少し退職後給付に係る費用が増加する可能性があります。その場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)商品リスク 当社グループが取り扱う非鉄金属・原油・石油製品・ゴム・食料・繊維等の相場商品には価格変動のリスクが存在します。そのため、商品毎にポジション限度枠を設定し、限度枠遵守状況の定期的なモニタリングを行っております。こうした価格変動のリスクを低減する施策を講じておりますが、必ずしも価格変動リスクを完全に回避できるものではなく、商品市況や相場の動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (8)信用リスク 当社グループには、多様な営業活動により生じた国内外の取引先に対する金銭債権回収に関するリスクが存在します。こうした信用リスクに対応するため、当社グループでは取引先の財務内容を基にした当社独自基準の格付(8段階)を行い、売掛金・前渡金等の取引の種類ごとに限度枠を設定しています。なお、低格付の取引先に対しては、取引条件の見直し、債権保全、撤退などの取引方針を定め、個別に重点管理を行い、損失発生の防止に努めております。このように与信管理を行っておりますが、信用リスクを完全に回避できる保証はなく、取引先の財務内容が悪化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)事業投資リスク 当社グループは、既存提携関係の強化または新規提携を行うことにより、既存事業の拡大や機能強化または新規事業への参入を目指しております。このため、他社と提携して新会社を設立するまたは既存の企業へ投資する等の投資活動を行っており、更に今後も投資活動を行う可能性があります。新規投資については、戦略性や全社優先順位を議論し、担当営業部だけでなく、コーポレート部門担当者も検討に参画し、幅広い視点から投資リターン、各種リスク分析などの検討を行っています。また、投資実行後は計画通りの投資リターンを得て、リスク資産に見合った利益を確保しているかなどのモニタリングを実施し、計画通りに進行していない案件に対する再建・撤退ルールを厳格に運用しております。しかしながら、投資先企業の価値または株式の市場価値が低迷した場合には、当社グループが投資金額の全部もしくは相当部分を失う、またはこれらの投資先企業に対する追加の資金提供を余儀なくされることがあります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10)カントリーリスク 当社グループは、輸出入や海外の取引先に対する投資等、海外の取引先と多くの取引を行っており、事業活動を行う各国の政府による規制・政治的不安・資金移動の規制等による製品の製造・購買に伴うリスクに加え、投資の損失またはその他の資産が劣化するリスクが存在しております。当社グループは、カントリーリスクが高い国における案件については、貿易保険等によりリスクを低減することに努めております。また、最大想定損失額であるリスクアセットを国ごとに把握し、各国ごとに定めた上限値の範囲内に抑えることで、特定の地域または国に対する集中の是正に努めております。こうした管理やヘッジ策を講じておりますが、取引先所在国や当社グループが活動を行う国の事業環境の悪化によるリスクを完全に回避できるものではないため、そのような事態が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11)固定資産に関する減損リスク 当社グループが保有する機械装置・運搬具、建物・構築物、のれんなどの固定資産及びリース資産は、減損リスクにさらされております。対象資産の資産価値が減少した場合、必要な減損処理を行うため、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12)資金調達に関するリスク 当社グループは、事業資金を国内外の金融機関からの借入及びコマーシャルペーパー・社債の発行等により調達しております。金融機関との良好な取引関係の維持及びアセット・ライアビリティ・マネジメント(ALM)に努め、資産の内容に応じた調達を実施することで流動性リスクの最小化を図っておりますが、金融市場の混乱や格付機関による当社信用格付けの大幅な引き下げ等の事態が生じた場合、当社グループの資金調達に制約が課される可能性や、調達コストが増加する可能性があります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13)コンプライアンスリスク 当社グループは、国内外において多岐にわたる事業を行っており、日本における会社法、税法、独占禁止法、金融商品取引法等の各種法令、また、事業活動を行う各国・地域の法令、規制といった様々な分野における広範な制約を受けております。当社ではコンプライアンス統括室を設置し、グループ全体のコンプライアンス体制を強化することで、法令遵守の徹底等コンプライアンス意識の向上を図っておりますが、役職員が不正・不法行為を行った場合、社会的な信用を毀損する可能性があります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (14)環境関連のリスクについて 当社グループが国内及び海外で展開する事業には、広範な環境に関するリスクが存在します。これらのリスクに備え、食品商内におけるトレーサビリティの推進や、化学品商内における有害化学物質の取り扱いに関する法規制の遵守など、サプライチェーンでのリスク管理を実施しております。また、当社グループが国内及び海外で展開する事業は、廃棄物処理などさまざまな環境リスクの下にあり、環境規制の変化や災害などによる環境汚染の発生などにより追加の対策コストが必要となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (15)災害等による影響について 火災・地震・洪水等の災害により、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。事業継続計画(BCP)の策定、設備等の耐震対策、社員安否確認システムの整備等を通じた対策を行っておりますが、大規模な災害の発生などにより追加の対策コストが必要となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2016|2,261 文字
4【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあると思われます。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)営業活動全般に関するリスクについて①特定の販売先への依存当社グループは、当社及び子会社741社・関連会社250社で構成され、国内及び海外における自動車関連商品、その他各種商品の販売を主要業務としております。当社売上高のうち、トヨタグループ(*)への売上高が占める比率は13.4%(平成28年3月期)であり、そのうちトヨタ自動車㈱への売上高の比率は6.8%であります。従いまして、トヨタ自動車㈱の生産台数の動向が、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。*トヨタ自動車㈱、㈱豊田自動織機、愛知製鋼㈱、㈱ジェイテクト、トヨタ車体㈱、アイシン精機㈱、㈱デンソー、トヨタ紡織㈱、トヨタ自動車東日本㈱、豊田合成㈱、日野自動車㈱、ダイハツ工業㈱、トヨタ自動車九州㈱②取引先の信用リスク当社グループには、多様な営業活動により生じた国内外の取引先に対する金銭債権回収に関するリスクが存在するため、取引先の信用力、担保の価値及び一般経済状況に関する一定の前提と見積りに基づいて貸倒引当金を設定しておりますが、取引先が債務の履行を完了するまでは取引先の財務状態が健全な状態にある、という保証はありません。③商品リスク当社グループが取り扱う非鉄金属・原油・石油製品・ゴム・食料・繊維等の相場商品には価格変動のリスクが存在します。こうした価格変動のリスクを低減する施策を講じておりますが、必ずしも完全に回避できるものではありません。④事業投資リスク当社グループは、既存提携関係の強化または新規提携を行うことにより、既存事業の拡大や機能強化または新規事業への参入を目指しております。このため、他社と提携して新会社を設立または既存の企業へ投資する等の投資活動を行っており、さらに今後も投資活動を行う可能性があります。しかし、投資先企業の企業価値または株式の市場価値が低迷した場合には、当社グループが投資金額の全部もしくは相当部分を失う、またはこれらの投資先企業に対する追加の資金提供を余儀なくされることがあります。このような場合、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。⑤金利変動リスク 当社グループの有利子負債には、変動金利条件となっているものがあります。このうちの相当部分は変動の影響を転嫁できる営業資産に見合っておりますが、市場変動の影響をリスクヘッジできないものもあり、金利変動リスクを負っています。今後の金利動向によっては当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。⑥外国為替リスク当社グループが行っている商品の販売及び投資活動等のうち、米ドルその他の外国通貨建ての取引については、外国為替の変動による影響を受けることがあります。当社グループはこうした外国為替のリスクを一定程度まで低減する施策を講じておりますが、必ずしも完全に回避できるものではありません。⑦カントリーリスク当社グループは、外国商品の取り扱いや外国の取引先に対する投資等、外国の取引先と多くの取引を行っており、外国政府による規制・政治的不安定・資金移動の制約等による外国製品の製造・購買に伴うリスクに加え、投資の損失またはその他の資産が劣化するリスクが存在しております。また、輸出入に係る営業活動は国際的な貿易障壁及び貿易紛争並びに国家間における自由貿易協定及び多国間協定に起因する競合によって一般的な制約を受けます。当社グループは、特定の地域または国に対する集中の是正に努めておりますが、特定の地域または国に関連して将来的に損失を被る可能性があります。⑧輸出取引及び海外取引における競合当社グループの主要な輸出取引及び海外取引は厳しい競合にさらされており、国際的なマーケットで営業活動を展開している国内外の製造業者及び商社と世界規模で競合しております。これらの競合他社の中には当社グループより優れた商品、技術、経験等を有しているものもあり、常に競争優位の地位を確保できる保証はありません。⑨環境関連のリスクについて当社グループが国内及び海外で展開する事業には、広範な環境に関するリスクが存在します。これらのリスクに備え、食品商内におけるトレーサビリティの推進や、化学品商内における有害化学物質の取り扱いに関する法規制の遵守など、サプライチェーンでのリスク管理を実施しております。また、当社グループが国内及び海外で展開する事業は、廃棄物処理などさまざまな環境リスクの下にあり、環境規制の変化や災害などによる環境汚染の発生などが想定され、追加の対策コストが必要となり、業績に影響を及ぼす可能性があります。(2)災害等による影響について 火災・地震・洪水等今後発生が想定される災害に対しては、安全かつ迅速に対応できるよう対策本部の設置・運営等について適切な検討・訓練を行っております。例えば、地震等による当社グループの営業活動への影響を限定的なものとする方策の一環として、設備における耐震構造の点検・調査を実施し、適宜、対策を施しております。ただし、大規模な災害が発生した場合は、当社グループの営業活動に何らかの影響を与える可能性があります。