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FY2025|5,992 文字
3 【事業等のリスク】<当社グループのリスク管理体制について>当社グループは、サステナビリティビジョンの実現のために取り組むべき重要な機会・リスクをマテリアリティ(重要項目)として特定し、具体的な戦略項目、KPI・アクションアイテムを設定し取り組んでいます。また、リスク管理基本方針のもと、円滑な事業運営に関連するリスクを一元的に管理し、リスクを把握・分析・評価した上で、重要なリスクを選定し、モニタリングによりリスクの回避・低減に取り組んでいます。 (1) サステナビリティビジョンの実現に関連するリスク当社は、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しています。詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) ガバナンス、(2) リスク管理」をご参照ください。 (2) 円滑な事業運営に関連するリスク当社は、リスク管理基本方針のもと、取締役専務執行役員(法務担当)を委員長とする、リスク管理・コンプライアンス委員会を設置しています。同委員会は、円滑な事業運営に関連するリスク(①事業戦略および事業内容に関するリスク、②財務に関するリスク、③グループ横断リスク)を一元的に管理しています。また、それぞれのリスクに関して担当するコーポレート部門・事業部門・グループ会社と連携してリスクを把握・分析・評価し、重要なリスクの選定・見直しやモニタリングを行うことで、リスクの回避・低減に取り組んでいます。 両委員会は、四半期ごとに目標(KPI・アクションアイテム)の進捗を確認し、活動状況を年1回取締役会に報告しています。 <事業等のリスク>経営者が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1) サステナビリティビジョンの実現に関連するリスク(マテリアリティ)① 気候変動への対応当社グループは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)による提言の枠組みを活用し、気候変動に関するリスクと機会が当社事業に与える財務的影響について分析を行っています。世界全体が低炭素社会に移行する場合、温室効果ガス排出規制、エネルギー効率規制、炭素税など環境関連の法規制の強化やお客さまなどからの要請への対応が必要となり、追加費用が発生する可能性や、要求水準を満たさないことによる機会損失のおそれがあります。また、気候変動に伴う自然災害の影響により、工場の生産能力の低下、サプライチェーンの寸断による原材料の供給停止などが発生し、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。 当社グループは、2050年のカーボンニュートラルを見据え、2030年にCO2総排出量(スコープ1および2)を2020年比30%削減することを目標に掲げ、グループ全体でさまざまな取り組みを進めてきました。その結果、2024年度のCO2総排出量の実績は削減率48.4%となり、2030年目標を前倒しで達成しました。これを踏まえ、2025年度には目標の見直しを行い、「2035年におけるCO2総排出量(スコープ1および2)を60%削減(2020年比)」することを新たな目標に定めました。 ② 人権の尊重当社グループは、継続的な企業活動を行う上で人権を尊重した事業活動が必要不可欠と認識しています。当社グループおよびサプライチェーン上で、児童労働、強制労働、外国人労働者の差別等の人権にかかる問題が生じた場合は、当社グループの社会的な信用が低下し、お客さまとの取引停止、訴訟や賠償金の支払いが発生するおそれがあります。当社グループは、「人権基本方針」を定め、人権尊重の取り組みを進めています。2025年度は、国際連合の「ビジネスと人権に関する指導原則」を支持することを明確にし、人権尊重の取り組みをより充実させるため「人権基本方針」を改定しました。今回の改定を機に、グローバルに役員・社員に改めて周知するとともに、サプライチェーン上の人権の尊重に向け、サプライヤーなどのビジネスパートナーに対しても本方針への理解の促進を図っています。また、2025年度も引き続きサプライヤーを対象としたアンケート調査および実地監査を実施し、人権リスクの把握と低減に向けた取り組みを進めました。 ③ 責任ある製品・サービスの提供当社グループは、国内外の生産拠点において多様な製品を生産・販売しており、その中にはモビリティ(自動車)市場向けやメディカル市場向けなど、高い安全性が要求される製品も含まれています。想定外の事象を原因とする大規模な品質問題が発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループは、品質基本方針に従い、サステナビリティビジョンにおいて重点市場として位置付けるメディカル、モビリティ、サステナブル資材それぞれに合わせた品質管理体制の構築を着実に進めています。特に医薬品市場向けにおいては、製品の品質管理には万全を期していますが、何らかの原因による品質不良、設計不良、あるいは予期せぬ副作用などが発生した場合、製品回収や販売中止、健康被害に関する賠償責任等が生じることで、当社グループの業績および財政状態に大きな影響を与える可能性があります。当社グループは、薬事担当役員直轄の薬事グループを設置するとともに、重大品質事故への対応規程を整備し、リスクの最小化に向けた体制を整えています。 ④ 人的資本の充実当社グループでは人種・国籍・性別にかかわらず、さまざまな伝統や文化を持つ社員が働いています。その多様性を尊重し、社員の個性や強みを活かし、当社グループのビジョンを実現することを目指しています。一方で当社の事業ポートフォリオの組み換えに沿った人材を十分に確保・育成できない場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループは、人事基本方針に基づき、会社とともに成長しビジョンの実現に資する人材を育成する人事制度の策定、女性活躍の推進や研修によるリーダー・幹部候補の育成に取り組んでいます。また、第8次中期経営計画で定める重点市場に向けた教育研修プログラムにより社員の能力の拡充を図っています。 ⑤ 取締役会の実効性の向上・グローバルガバナンスの高度化当社グループは、グローバルに事業展開を行っています。ガバナンスや内部統制が機能しなかった場合、子会社等の役員・社員による不正行為や、経営方針に従わない取引や判断が抑止できず、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。 当社は執行役員制度を採用し、取締役会が担うべき戦略策定および経営監視機能と、執行役員が担うべき業務執行機能との機能分化を図っています。独立性が高い社外取締役を3分の1以上選任し、社外取締役はそれぞれの経験や知見から、有益な指摘や意見を述べ、取締役会の議論は活性化しています。また、取締役会の実効性評価を年1回実施し、取締役会の機能のさらなる向上に努めています。当社のコーポレートガバナンス体制の詳細は、「第4提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。グローバルガバナンスについては、事業組織に基づく縦のレポートラインを軸とし、海外グループ会社ごとに月次もしくは四半期でビジネスレビューを実施し、業績や事業活動の状況について、本社のマネジメント層が定期的に確認する体制を構築しています。加えて、グループで統一したルールのもと、内部統制システムのチェックや事業活動におけるリスク管理の体制を整備しています。この内容を本社で集約することで、グループ全体のガバナンス状況を把握し、必要に応じた迅速な施策の立案・実行に活用しています。また、グローバルでのリスク管理を補完するため、主要地域(米州・欧州・中国)に、本社と連携しながら海外グループ会社におけるリスク管理を支援する機能を担う、リスク管理コーディネーターを配置し、情報共有やコミュニケーションの強化を図っています。引き続き、グローバルリスクマネジメント体制を拡充し、グループ会社におけるリスク管理の支援とモニタリングの強化を図っていきます。 ⑥ その他サステナビリティビジョンの実現に関連するリスクその他、持続可能な調達、生成AIの普及に対応したデータセキュリティ、効率性・生産性の向上に関連するリスクが生じた場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。 (2) 事業運営を阻害するリスク① 事業戦略および事業内容に関するリスクイ 成長戦略当社グループは、成長戦略として事業ポートフォリオの強化に取り組んでいます。メディカル、モビリティ、サステナブル資材などを重点市場として、社会課題の解決に資する製品群・サービスの拡充による成長を目指しています。市場環境・社会の動向、技術トレンドの変化、法令・規制の改正などの影響により、成長戦略が想定通りに進捗しない可能性があり、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループは、中期経営計画の進捗状況を取締役会で定期的にレビューし、1年ごとに事業環境の変化を反映させたローリングプランを策定し、事業環境の変化に迅速に対応することで、中期経営計画の達成に向けた取り組みを強化しています。 ロ 特定のお客さまの需要当社グループは、売上高に占める特定のお客さまの割合が比較的高い状況にあります。こうした重要なお客さま向けの販売は、当該お客さまの製品需要の増減や仕様の変更、営業戦略の変更など当社グループによる管理が及ばない事項を理由として変動する可能性があり、そのような場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループはこうした状況に対して、第8次中期経営計画においてメディカル、モビリティ、サステナブル資材などの複数の重点市場で成長戦略を遂行し、特定のお客さまの需要変動に関するリスクの最小化を図っており、売上高に占める特定のお客さまの割合は低下傾向となっています。 ハ グローバルな事業活動当社グループは、産業資材、ディバイス、メディカルテクノロジーなどの事業を展開し、グローバルに調達・生産・供給体制を構築しています。当社グループの海外売上高は8割以上を占めており、政治的、経済的要因、法律または規制の変更、関税や税制の変更などのリスクが顕在化する場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループはこうした状況に対して、生産拠点を適切に分散させるとともに、現地の政策・法制の動向に細心の注意を払い、これらに適時適切に対処すべく努めています。 ② 財務に関するリスクイ のれんの減損損失当社グループは、事業ポートフォリオの組み換え・最適化のための成長戦略としてM&Aを積極的に活用しています。そのため、当連結会計年度末においてのれんを33,277百万円計上しています。市場環境や競争環境がM&A実行時の想定から大きく変化し買収先会社の業績が悪化した場合、また、経済状況や金利変動等の外部環境の変化により使用価値の算定に使用する成長率および割引率が著しく変動し使用価値が減少した場合、のれんの減損損失が発生する可能性があります。M&Aの実行にあたっては事前にデュー・ディリジェンス(対象企業の調査)を徹底するとともに、買収後の経営統合を促進する体制を構築することでリスクの最小化を図っています。 ロ 為替の変動当連結会計年度における当社グループの海外売上高比率は87.1%です。これらは外貨建取引が中心であり、急激に為替レートが変動した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループはこのような状況に対して、生産の現地化や為替予約取引などにより為替リスクを最小化するように努めています。 ハ その他の財務に関するリスクその他、営業債権の貸倒れ、棚卸資産の陳腐化などが発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性がありますが、適正な管理体制の強化に努めており、リスクの最小化を図っています。 ③ グループ横断リスクイ 情報セキュリティ当社グループは、お客さまやサプライヤーなどからお預かりした重要な情報や、社内で厳重に管理されている重要な情報、とりわけ新製品情報や技術情報そして個人情報などを有しています。当社グループでは、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の内部監査の実施を含め、PDCAサイクルに基づき、ISMS運用の維持および改善に継続的に取り組んでいます。あわせて、フィッシングメール訓練を実施するなど、社員のセキュリティリテラシー向上を図っています。また、サイバー攻撃への対策についても、継続的な強化を進めています。これらの取り組みにより、機密情報等の窃取・漏えいリスクの低減に努めています。 ロ 貿易管理当社グループは事業をグローバルに展開・拡大しており、規律ある貿易管理の取り組みは事業継続の観点から必須の課題です。当社グループでは、グローバルな事業活動に伴う輸出入関連の法令に対応するため、内部監査を通じて法令順守体制とセキュリティ管理体制の有効性を確認しています。加えて2025年度は、輸入管理プロセスの改善および社内周知を進めました。こうした取り組みにより多様な貨物を輸入することに伴うリスクの最小化を図っています。 ハ その他の円滑な事業運営に関連するリスクその他、事業継続(天災・火災)、環境保全、知的財産権、資産管理に関連するリスクが生じた場合、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクについても、リスクに関して担当するコーポレート部門・事業部門・グループ会社が目標(KPI・アクションアイテム)を設定し、これに基づく教育や仕組みづくりなどの活動を通じてリスクを低減しています。 当社グループでは、上記に加え内部通報窓口(ホットライン相談窓口)を設置し、不適切な行為の早期発見、早期是正に取り組んでいます。国内は公益通報者保護法に基づき、国内グループ会社の全社員(派遣社員等を含む)を対象に設置しています。海外においても、海外グループ会社の全社員を対象に同様の窓口を設置しています。また、2025年度よりサプライヤーが利用できるホットライン相談窓口も設置しました。
FY2024|5,616 文字
3 【事業等のリスク】<当社グループのリスク管理体制について>当社グループは、サステナビリティビジョンの実現のために取り組むべき重要な機会・リスクをマテリアリティ(重要項目)として特定し、具体的な戦略項目、KPI・アクションアイテムを設定し取り組んでいます。また、リスク管理基本方針のもと、事業運営を阻害するリスクを一元的に管理し、リスクを把握・分析・評価した上で、重要なリスクを選定し、モニタリングによりリスクの回避・低減に取り組んでいます。 (1) サステナビリティビジョンの実現に関連するリスク当社は、代表取締役社長を委員長、取締役専務執行役員(ESG推進担当)を副委員長とする、サステナビリティ委員会を設置しています。詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) ガバナンス、(2) リスク管理」をご参照ください。 (2) 事業運営を阻害するリスク当社は、リスク管理基本方針のもと、取締役専務執行役員(法務担当)を委員長とする、リスク管理・コンプライアンス委員会を設置しています。同委員会は、円滑な事業運営に関連するリスク(事業戦略および事業内容に関するリスク、財務に関するリスク、グループ横断リスク)を一元的に管理しています。また、リスクを管理する事業組織、主管部門、部会と連携し、リスクを把握・分析・評価し、重要なリスクの選定・見直し、モニタリングすることによりリスクを回避・低減する取り組みを行っています。 両委員会は、四半期ごとに目標(KPI・アクションアイテム)の進捗を確認し、活動状況を年1回取締役会に報告しています。 <事業等のリスク>経営者が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1) サステナビリティビジョンの実現に関連するリスク(マテリアリティ)① 気候変動への対応当社グループは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)による提言の枠組みを活用し、気候変動に関するリスクと機会が当社事業に与える財務的影響について分析を行っています。世界全体が低炭素社会に移行する場合、温室効果ガス排出規制、エネルギー効率規制、炭素税など環境関連の法規制の強化やお客さまなどからの要請への対応が必要となり、追加費用が発生する可能性や、要求水準を満たさないことによる機会損失のおそれがあります。また、気候変動に伴う自然災害の影響により、工場の生産能力の低下、サプライチェーンの寸断による原材料の供給停止などが発生し、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。 気候変動への対応としては、サステナビリティビジョン(長期ビジョン)のなかで、2050年カーボンニュートラルを見据えて、当社グループの事業活動によって発生するCO2総排出量(スコープ1および2)の30%削減(2020年比)を目標として掲げており、グローバルで再生可能エネルギーへの転換を進めることに加え、費用の削減が見込める省エネルギー施策も進めています。 ② 人権の尊重当社グループは、継続的な企業活動を行う上で人権を尊重した事業活動が必要不可欠と認識しています。当社グループおよびサプライチェーン上で、児童労働、強制労働、外国人労働者の差別等の人権にかかる問題が生じた場合は、当社グループの社会的な信用が低下し、お客さまとの取引停止、訴訟や賠償金の支払いが発生するおそれがあります。 当社グループは、関連法令や国際規範を順守するとともに、国際的な行動規範であるRBA(Responsible Business Alliance)を参照した「労働・人権に関する基本方針」を定め、全社員に展開しています。また、「人権の尊重」について、サステナビリティ委員会において、労働・人権リスク発生の高い地域(中南米、東南アジア、中華圏)における1次サプライヤーの児童労働・強制労働の発生件数0件をKPIとして取り組んでいます。対象サプライヤーに対してアンケート調査し確認するとともに、2024年度はそのうち10社に対して実地監査を行いました。 ③ 責任ある製品・サービスの提供当社グループは、国内外の生産拠点において多様な製品を生産・販売しており、その中にはモビリティ(自動車)市場向けやメディカル市場向けなど、高い安全性が要求される製品も含まれています。想定外の事象を原因とする大規模な品質問題が発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループは、品質基本方針に従い、2030年のあるべき姿を示したサステナビリティビジョンにおいて重点市場として位置付けるメディカル、モビリティ、サステナブル資材それぞれに合わせた品質管理体制の構築を着実に進めています。特に医薬品市場向けにおいては、製品の品質管理には万全を期していますが、何らかの原因による品質不良、設計不良、あるいは予期せぬ副作用などが発生した場合、製品回収や販売中止、健康被害に関する賠償責任等が生じることで、当社グループの業績および財政状態に大きな影響を与える可能性があります。当社グループは、最高品質・生産責任者(CQPO)が管轄する品質統括部門に薬事グループを設置するとともに、重大品質事故への対応規程を整備し、リスクの最小化に向けた体制を整えています。 ④ 人的資本の充実当社グループでは人種・国籍・性別にかかわらず、さまざまな伝統や文化を持つ社員が働いています。その多様性を尊重し、社員の個性や強みを活かし、当社グループのビジョンを実現することを目指しています。一方で当社の事業ポートフォリオの組み換えに沿った人材を十分に確保・育成ができない場合、ビジョンの実現が困難となり、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループは、人事基本方針に基づき、会社とともに成長しビジョンの実現に資する人材を育成する人事制度の策定、女性活躍の推進や研修によるリーダー・幹部候補の育成に取り組んでいます。また、第8次中期経営計画で定める重点市場に向けた教育研修プログラムにより、社員の能力の拡充を図るなど、リスクの最小化に努めています。また、「人的資本の充実」について、サステナビリティ委員会において、女性管理職比率やリーダー候補者の選抜率をKPIとして取り組んでいます。 ⑤ 取締役会の実効性の向上・グローバルガバナンスの高度化当社グループは、グローバルに事業展開を行っています。ガバナンスや内部統制が機能しなかった場合、子会社等の役員・社員による不正行為や、経営方針に従わない取引や判断が抑止できず、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社は執行役員制度を採用し、取締役会が担うべき戦略策定および経営監視機能と、執行役員が担うべき業務執行機能との機能分化を図っています。独立性が高い社外取締役を3分の1以上選任し、社外取締役はそれぞれの経験や知見から、有益な指摘や意見を述べ、取締役会の議論は活性化しています。また、取締役会の実効性評価を年1回実施し、取締役会の機能のさらなる向上に努めています。当社のコーポレートガバナンス体制の詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。グローバルガバナンスについては、事業組織に基づく縦のレポートラインを軸とし、海外グループ会社ごとに月次もしくは四半期でビジネスレビューを実施し、業績や事業活動に関する内容について、本社のマネジメント層がチェックする体制を構築しています。加えて、グループで統一したルールで内部統制システムのチェックや事業活動におけるリスク管理の体制を整備しています。その内容を本社で集約することで、グループ全体のガバナンス状況の把握、必要に応じた迅速な施策の立案・実行に活用しています。引き続き、グローバルリスクマネジメント体制を拡充し、グループ会社のリスク管理の支援とともにモニタリングの強化を図っていきます。 ⑥ その他サステナビリティビジョンの実現に関連するリスクその他、持続可能な調達、生成AIの普及に対応したデータセキュリティ、効率性・生産性の向上に関連するリスクが生じた場合、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 事業運営を阻害するリスク① 事業戦略および事業内容に関するリスクイ 成長戦略当社グループは、成長戦略として事業ポートフォリオの強化に取り組んでいます。医療機器、モビリティ、サステナブル資材などを重点市場として、社会課題の解決に資する製品群・サービスの拡充による成長を目指しています。市場環境・社会の動向、技術トレンドの変化、法令・規制の改正などの影響により、成長戦略が想定通りに進捗しない可能性があり、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループは、中期経営計画の進捗状況を取締役会で定期的にレビューし、1年ごとに事業環境の変化を反映させたローリングプランを策定し、事業環境の変化に迅速に対応することで、中期経営計画の達成に向けた取り組みを強化しています。 ロ 特定のお客さまの需要当社グループは、売上高に占める特定のお客さまの割合が比較的高い状況にあります。こうした重要なお客さま向けの販売は、当該お客さまの製品需要の増減や仕様の変更、営業戦略の変更など当社グループによる管理が及ばない事項を理由として変動する可能性があり、そのような場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループはこうした状況に対して、第8次中期経営計画において医療機器、モビリティ、サステナブル資材などの複数の重点市場で成長戦略を遂行し、特定のお客さまの需要変動に関するリスクの最小化を図っており、売上高に占める特定のお客さまの割合は低下傾向となっています。 ハ グローバルな事業活動当社グループは、産業資材、ディバイス、メディカルテクノロジーなどの事業を展開し、グローバルに調達・生産・供給体制を構築しています。当社グループの海外売上高は8割以上を占めており、政治的、経済的要因、法律または規制の変更、関税・課税・その他の税制の変更などのリスクが顕在化する場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループはこうした状況に対して、生産拠点を適切に分散させるとともに、現地の政策・法制の動向に細心の注意を払い、これらに適時適切に対処すべく努めています。 ② 財務に関するリスクイ のれんの減損損失当社グループは、事業ポートフォリオの組み換え・最適化のための成長戦略としてM&Aを積極的に活用しています。そのため、当連結会計年度末においてのれんを33,732百万円計上しています。市場環境や競争環境がM&A実行時の想定から大きく変化し買収先会社の業績が悪化した場合、また、経済状況や金利変動等の外部環境の変化により使用価値の算定に使用する成長率および割引率が著しく変動し使用価値が減少した場合、のれんの減損損失が発生する可能性があります。M&Aの実行にあたっては事前にデュー・ディリジェンス(対象企業の調査)を徹底するとともに、買収後の経営統合を促進する体制を構築することでリスクの最小化を図っています。 ロ 為替の変動当連結会計年度における当社グループの海外売上高比率は89.2%です。これらは外貨建取引が中心であり、急激に為替レートが変動した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループはこのような状況に対して、生産の現地化や為替予約取引などにより為替リスクを最小化するように努めています。 ハ その他の財務に関するリスクその他、営業債権の貸倒れ、棚卸資産の陳腐化などが発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性がありますが、適正な管理体制の強化に努めており、リスクの最小化を図っています。 ③ グループ横断リスクイ 事業継続(天災・火災)2024年度に重要なリスクの1つとして選定された天災(地震・台風・洪水等)や火災などに関するリスクについては、経営層を含むBCP(事業継続計画)訓練の定期的な実施、国内全拠点への安否確認システムの導入などにより、継続的にリスクの最小化に努めています。 ロ 公正な事業活動それぞれの事業において、情報漏えい、独占禁止法や業法その他の各種法令違反が生じた場合に事業活動の継続が困難になることから、公正な事業活動に関するリスクを重要なリスクとして選定し、経営層も対象とする研修等により、リスクの顕在化を抑止しています。 ハ その他の円滑な事業運営に関連するリスクその他、環境保全、知的財産権、貿易管理、資産管理、人的資本の充実に関連するリスクが生じた場合、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクについても、主管する部門や部会が目標(KPI・アクションアイテム)を設定し、これに基づく教育や仕組みづくりなどの活動を通じてリスクを低減しています。 当社グループでは、上記に加え内部通報窓口(ホットライン相談窓口)を設置し、不適切な行為の早期発見、早期是正に取り組んでいます。国内は公益通報者保護法に基づき、グループ会社の全社員(派遣社員等を含む)を対象に設置しています。海外は北米・欧州・中国・東南アジアの主要な拠点の社員を対象に設置しています。
FY2023|5,244 文字
3 【事業等のリスク】<当社グループのリスク管理体制について>当社グループはMissionに「人材能力とコア技術の多様性」を成長の原動力として、高い競争力を有する特徴ある製品・サービスの創出によりお客さま価値を実現し、「人々の豊かな生活」の実現に寄与することを掲げています。このMissionのもと、2030年のあるべき姿をサステナビリティビジョン(長期ビジョン)とし、サステナビリティビジョンの実現のために取り組むべき重要な機会・リスクをマテリアリティ(重要項目)として特定し、具体的な戦略項目、KPI・アクションアイテムを設定し取り組んでいます。また、リスク管理基本方針のもと、事業活動の継続性を阻害するリスクを一元的に管理し、リスクを把握・分析・評価した上で、重要なリスクを選定し、モニタリングによりリスクの回避・低減に取り組んでいます。 (1) サステナビリティビジョン(長期ビジョン)の実現を阻害するリスク(マテリアリティ)当社は、代表取締役社長を委員長、取締役専務執行役員(ESG推進担当)を副委員長とする、サステナビリティ委員会を設置しています。詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) ガバナンス、(2) リスク管理」をご参照ください。 (2) 事業活動の継続性を阻害するリスク当社は、リスク管理基本方針のもと、取締役専務執行役員(法務担当)を委員長とする、リスク管理・コンプライアンス委員会を設置しています。事業活動の継続性を阻害するリスク(事業戦略および事業内容に関するリスク、財務に関するリスク、全社横断的なリスク)を一元的に管理し、リスクを管理する部会や部門と連携して、全社的な視点から優先順位をつけ、適切にコントロールしています。 両委員会は、四半期ごとに目標(KPI・アクションアイテム)の進捗を確認し、活動状況を年1回取締役会に報告しています。 <事業等のリスク>経営者が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1) サステナビリティビジョン(長期ビジョン)の実現を阻害するリスク(マテリアリティ)① 気候変動への対応パリ協定を受けて温室効果ガスの削減に向けた対応が世界共通の解決すべき社会課題と認識され、早急な対応が求められています。世界全体が低炭素社会に移行する場合、温室効果ガス排出規制、エネルギー効率規制、炭素税など環境関連の法規制の強化やお客さまなどからの要請への対応が必要となり、追加費用が発生する可能性や、要求水準を満たさないことによる機会損失のおそれがあります。一方、気候変動に伴う自然災害の影響により、工場の生産能力の低下、サプライチェーンの寸断による原材料の供給断絶などが発生し、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。気候変動への対応としては、サステナビリティビジョン(長期ビジョン)のなかで、2050年カーボンニュートラルを見据えて、当社グループの事業活動によって発生するCO2総排出量(スコープ1および2)の30%削減(2020年比)を目標として掲げており、再生可能エネルギーへの転換など具体的な取り組みを進めています。② 人権の尊重当社グループは、継続的な企業活動を行う上で人権を尊重した事業活動が必要不可欠と認識しています。当社グループおよびサプライチェーン上で、児童労働、強制労働、外国人労働者の差別等の人権にかかる問題が生じた場合は、当社グループの社会的な信用が低下し、お客さまとの取引停止、訴訟や賠償金の支払いが発生するおそれがあります。当社グループは、関連法令や国際規範を順守するとともに、国際的な行動規範であるRBA(Responsible Business Alliance)を参照した「労働・人権に関する基本方針」を定め、全社員に展開しています。また、「人権の尊重」について、サステナビリティ委員会のもとにESGタスクフォースを設置して取り組んでいます。2023年度は、労働・人権リスク発生の高い地域(中南米、東南アジア、中華圏)における1次サプライヤーの児童労働・強制労働の発生件数0件をKPIとして、対象サプライヤーに対してアンケート調査し確認するとともに、そのうち9社に対して実地監査を行いました。③ 人的資本の充実当社グループでは人種・国籍・性別にかかわらず、さまざまな伝統や文化を持つ社員が働いています。その多様性を尊重し、社員の個性や強みを活かし、当社グループのビジョンを実現することを目指しています。一方で当社の事業ポートフォリオの組み換えに沿った人材を十分に確保・育成ができない場合、ビジョンの実現が困難となり、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループは、人事基本方針に基づき、会社とともに成長しビジョンの実現に資する人材を育成する人事制度の策定、女性活躍の推進や研修によるリーダー・幹部候補の育成に取り組んでいます。また、第8次中期経営計画で定める重点市場に向けた教育研修プログラムにより、社員の能力の拡充を図るなど、リスクの最小化に努めています。また、「人的資本の充実」について、サステナビリティ委員会のもとにESGタスクフォースを設置し、女性管理職比率やリーダー候補者の選抜率をKPIとして取り組んでいます。④ 取締役会の実効性の向上・グローバルガバナンスの高度化当社グループは、グローバルに事業展開を行っています。ガバナンスや内部統制が機能しなかった場合、子会社等の役員・社員による不正行為や、経営方針に従わない取引や判断が抑止できず、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社は執行役員制度を導入し、取締役会が担うべき戦略策定および経営監視機能と、執行役員が担うべき業務執行との分化を図っています。独立性が高い社外取締役を3分の1以上選任し、社外取締役はそれぞれの経験や知見から、有益な指摘や意見を述べ、取締役会の議論は活性化しています。また、取締役会の実効性評価を年1回実施し、取締役会の機能のさらなる向上に努めています。当社のコーポレートガバナンス体制の詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。 グローバルガバナンスについては、事業組織に基づく縦のレポートラインを軸とし、海外グループ会社ごとに月次もしくは四半期でビジネスレビューを実施し、業績や事業活動に関する内容について、本社のマネジメント層がチェックする体制を構築しています。加えて、グループで統一したルールで内部統制システムのチェックや事業活動におけるリスク管理の体制を整備しています。その内容を本社で集約することで、グループ全体のガバナンス状況の把握、必要に応じた迅速な施策の立案・実行に活用しています。引き続き、グローバルリスクマネジメント体制を拡充し、グループ会社のリスク管理の支援とともにモニタリングの強化を図っていきます。また、当社グループは、国内では公益通報者保護法に基づく内部通報窓口(ホットライン相談窓口)を設置するとともに、主要な海外グループ会社には、別途通報窓口を設置することにより、不適切な行為の早期発見、早期是正に取り組んでいます。⑤ その他サステナビリティビジョン(長期ビジョン)の実現を阻害するリスクその他、責任ある製品・サービスの提供、持続可能な調達、生成AIの普及に対応したデータセキュリティ、効率性・生産性の向上に関連するリスクが生じた場合、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 事業戦略および事業内容に関するリスク① 成長戦略当社グループは、2030年のあるべき姿であるサステナビリティビジョンの実現に向け、第8次中期経営計画(3カ年)を2024年1月から運用しています。第8次中期経営計画では、安定的な成長と資本効率性の向上を志向し、これまでに構築した事業ポートフォリオの強化を通じて、利益率の向上と安定化を実現します。医療機器、モビリティ、サステナブル資材などの市場において、社会課題の解決に資する製品群・サービスの拡充による成長を目指しています。市場環境や競争環境の変化、社会の動向、技術トレンドの変化、法令・規制の改正などが原因で、成長戦略が想定通りに進捗しない場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループは、中期経営計画の進捗状況を取締役会で定期的にレビューし、1年ごとに事業環境の変化を反映させたローリングプランを策定し、事業環境の変化に迅速に対応することで、中期経営計画の達成に向けた取り組みを強化しています。② 特定のお客さまの需要変動当社グループでは売上高に占める特定のお客さまの割合が比較的高い状況にあります。こうした重要なお客さま向けの販売は、当該お客さまの製品需要の増減や仕様の変更、営業戦略の変更など当社グループによる管理が及ばない事項を理由として変動する場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループはこうした状況に対して、第7次中期経営計画において医療機器、モビリティ、サステナブル資材などの複数の重点市場で成長戦略を遂行し、特定のお客さまの需要変動に関するリスクの最小化を図っており、売上高に占める特定のお客さまの割合は低下傾向となっています。③ 原材料・エネルギー価格や労働賃金の上昇当社グループでは、産業資材、ディバイス、メディカルテクノロジーなどの事業を展開し、グローバルに調達・生産・供給体制を構築しています。インフレや金融動向、地政学的な情勢により、原材料・エネルギー価格や労働賃金の想定を超える高騰が当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループはこうした状況に対して、原材料・エネルギー価格や労働賃金の高騰を適切に反映した製品値上げを実行するとともに、効率性・生産性の向上を継続しています。 (3) 財務に関するリスク① のれんの減損損失当社グループでは事業ポートフォリオの組み換え・最適化のための成長戦略としてM&Aを積極的に活用しています。そのため、当連結会計年度末においてのれんを20,238百万円計上しています。市場環境や競争環境がM&A実行時の想定から大きく変化し買収先会社の業績が悪化した場合、また、経済状況や金利変動等の外部環境の変化により使用価値の算定に使用する成長率および割引率が著しく変動し使用価値が減少した場合、のれんの減損損失が発生する可能性があります。 M&Aの実行にあたっては事前にデュー・ディリジェンス(対象企業の調査)を徹底するとともに、買収後の経営統合を促進する体制を構築することでリスクの最小化を図っています。② 為替の変動当連結会計年度における当社グループの海外売上高比率は86.6%です。これらは外貨建取引が中心であり、急激に為替レートが変動した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループではこのような状況に対して、生産の現地化や為替予約取引などにより為替リスクを最小化するように努めています。③ その他の財務に関するリスクその他、保有有価証券の時価減少や営業債権の貸倒れ、棚卸資産の陳腐化などが発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性がありますが、適正な管理体制の強化に努めており、リスクの最小化を図っています。 (4) 事業活動の継続性を阻害するリスク2023年度に重要なリスクとして選定された天災(地震・台風・洪水等)や火災などに関するリスクについては、経営層を含むBCP(事業継続計画)訓練の定期的な実施、国内全拠点への安否確認システムの導入などにより、継続的にリスクの最小化に努めています。それぞれの事業において、情報漏えい、独占禁止法や業法その他の各種法令違反が生じた場合に事業活動の継続が困難になることから、公正な事業活動に関するリスクを重要なリスクとして選定し、経営層も対象とする研修等により、リスクの顕在化を抑止しています。その他、労働安全衛生、製品・サービスの品質・安全性、サプライチェーンマネジメント、貿易管理に関連するリスクが生じた場合、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクについても、主管する部門や部会が目標(KPI・アクションアイテム)を設定し、これに基づく教育や仕組みづくりなどの活動を通じてリスクを低減しています。
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2 【事業等のリスク】<当社グループのリスク管理体制について>当社グループはMissionに「人材能力とコア技術の多様性」を成長の原動力として、高い競争力を有する特徴ある製品・サービスの創出によりお客さま価値を実現し、「人々の豊かな生活」の実現に寄与することを掲げています。このMissionのもと、2030年のあるべき姿をサステナビリティビジョン(長期ビジョン)とし、サステナビリティビジョンの実現のために取り組むべき重要な機会・リスクをマテリアリティ(重要項目)として特定し、具体的な戦略項目、KPI・アクションアイテムを設定し取り組んでいます。また、リスク管理基本方針のもと、事業活動の継続性を阻害するリスクを一元的に管理し、リスクを把握・分析・評価した上で、重要なリスクを選定し、モニタリングによりリスクの回避・低減に取り組んでいます。 (1) サステナビリティビジョン(長期ビジョン)の達成を阻害するリスク(マテリアリティ)当社は、代表取締役社長を委員長、取締役常務執行役員(ESG推進部長)を副委員長とする、サステナビリティ委員会を設置しています。サステナビリティ委員会は、取締役会で決定されたマテリアリティに対し、それぞれのマテリアリティを主管する組織が設定した戦略項目、KPI・アクションアイテムを承認し、その進捗を管理しています。また、マテリアリティは「事業機会の創出」「リスクの低減」「経営基盤の強化」「ガバナンスの推進」の視点で、「社会・ステークホルダーにとっての重要度」と「NISSHAにとっての重要度」の2軸を用いて評価しています。 (2) 事業活動の継続性を阻害するリスク当社は、リスク管理基本方針のもと、取締役専務執行役員(法務担当)を委員長とする、リスク管理・コンプライアンス委員会を設置しています。事業活動の継続性を阻害するリスク(事業戦略および事業内容に関するリスク、財務に関するリスク、全社横断的なリスク)を一元的に管理し、リスクを管理する部会や部門と連携して、全社的な視点から優先順位をつけ、適切にコントロールしています。 両委員会は、四半期ごとにKPI・アクションアイテムの進捗を確認し、活動状況を年1回取締役会に報告しています。 <事業等のリスク>経営者が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1) サステナビリティビジョン(長期ビジョン)の達成を阻害するリスク(マテリアリティ)① 気候変動への対応パリ協定を受けて温室効果ガスの削減に向けた対応が世界共通の解決すべき社会課題と認識され、早急な対応が求められています。世界全体が低炭素社会に移行した場合、温室効果ガス排出規制、エネルギー効率規制、炭素税など環境関連の法規制の強化やお客さまなどからの要請への対策が必要となり、追加費用が発生する可能性や、要求水準を満たさないことによる機会損失のおそれがあります。一方、気候変動に伴う自然災害の影響により、工場の生産能力の低下、サプライチェーンの寸断による原材料の供給断絶などが発生し、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。気候変動への対応としては、サステナビリティビジョン(長期ビジョン)のなかで、2050年カーボンニュートラルの達成を見据えて、当社グループの事業活動によって発生するCO2総排出量(スコープ1および2)の30%削減(2020年比)を目標として掲げており、再生可能エネルギーへの転換など具体的な取り組みを進めています。(詳細は、<TCFD提言への対応>をご参照ください。)② 人権の尊重当社グループはグローバルに事業展開をしており、継続的な企業活動を行う上で人権を尊重した事業活動が必要不可欠と認識しています。当社グループおよびサプライチェーン上で、児童労働、強制労働、外国人労働者の差別等の人権にかかる問題が生じた場合は、当社グループの社会的な信用が低下し、お客さまとの取引停止、訴訟や賠償金の支払いが発生するおそれがあります。当社グループは、関連法令や国際規範を順守するとともに、国際的な行動規範であるRBA(Responsible Business Alliance)を参照した「労働・人権に関する基本方針」を定め、全社員に展開しています。また、「人権の尊重」について、サステナビリティ委員会のもとにESGタスクフォースを設置し、労働・人権リスク発生の高い地域(中南米、東南アジア、中華圏)における1次サプライヤーの児童労働・強制労働の発生件数0件をKPIとし、2023年度に確認を完了することを目標として、取り組んでいます。③ 多様な人材の活躍、グローバル人材・経営人材の育成当社グループでは人種・国籍・性別にかかわらず、さまざまな伝統や文化を持つ社員が働いています。その多様性を尊重し、社員の個性や強みを活かし、当社グループのビジョンを実現することを目指しています。一方で当社の事業ポートフォリオの組み換えに沿った人材を十分に確保・育成ができない場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループは、人事基本方針に基づき、会社とともに成長しビジョンの実現に資する人材を育成する人事制度の策定、女性活躍の推進や研修によるリーダー・幹部候補の育成に取り組んでいます。また、第7次中期経営計画で定める重点市場に向けた教育研修プログラムにより、社員の能力の拡充を図るなど、リスクの最小化に努めています。また、「多様な人材の活躍、グローバル人材・経営人材の育成」について、サステナビリティ委員会のもとにESGタスクフォースを設置し、女性管理職比率やリーダー候補者の選抜率をKPIとして取り組んでいます。④ 取締役会の実効性の向上・グローバルガバナンスの高度化当社グループは、グローバルに事業展開を行っています。ガバナンスや内部統制が機能しなかった場合、子会社等の役員・社員による不正行為や、経営方針に従わない取引や判断が抑止できず、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社は執行役員制度を導入し、取締役会が担うべき戦略策定および経営監視機能と、執行役員が担うべき業務執行との分化を図っています。独立性が高い社外取締役を3分の1以上選任し、社外取締役はそれぞれの経験や知見から、有益な指摘や意見を述べ、取締役会の議論は活性化しています。また、取締役会の実効性評価を年1回実施し、取締役会の機能のさらなる向上に努めています。当社のコーポレートガバナンス体制の詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。 グローバルガバナンスについては、事業組織に基づく縦のレポートラインを軸とし、海外グループ会社ごとに月次もしくは四半期でビジネスレビューを実施し、業績や事業活動に関する内容について、本社のマネジメント層がチェックする体制を構築しています。加えて、グループで統一したルールで内部統制システムをチェックする体制を整備しています。その内容を本社で集約することで、グループ全体のガバナンス状況の把握、必要に応じた迅速な施策の立案・実行に活用しています。また、当社グループは、国内では公益通報者保護法に基づく内部通報窓口(ホットライン相談窓口)を設置し、中国および東南アジアの一部の現地法人では別途通報窓口を設置することにより、不適切な行為の早期発見、早期是正に取り組んでいます。⑤ その他サステナビリティビジョン(長期ビジョン)の達成を阻害するリスクその他、責任ある製品・サービスの提供、持続可能な調達、効率性・生産性の向上、事業戦略を実現する技術の創出に関連するリスクが生じた場合、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 事業戦略および事業内容に関するリスク① 成長戦略当社グループは2021年1月から運用を開始した第7次中期経営計画において、これまでに獲得・構築したグローバルベースの事業基盤を最大限に活用し、シナジーの最大化による成長基盤を確立することを目指しています。当社が重点市場と定める医療機器、モビリティ、サステナブル資材などにおいては、社会課題の解決に資する製品群・サービスの拡充による成長を目指しています。市場環境・社会の動向、技術トレンドの変化、法令・規制の改正などの影響により、成長戦略が想定通りに進捗しない可能性があり、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループは、中期経営計画の進捗状況を取締役会で定期的にレビューし、1年ごとに事業環境の変化を反映させたローリングプランを策定し、事業環境の変化に迅速に対応することで、中期経営計画の達成に向けた取り組みを強化しています。② 特定のお客さまの需要変動当社グループでは売上高に占める特定のお客さまの割合が比較的高い状況にあります。こうした重要なお客さま向けの販売は、当該お客さまの製品需要の増減や仕様の変更、営業戦略の変更など当社グループによる管理が及ばない事由により変動する可能性があり、そのような場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループはこうした状況に対して、第7次中期経営計画において医療機器、モビリティ、サステナブル資材などの複数の重点市場で成長戦略を遂行し、特定のお客さまの需要変動に関するリスクの最小化を図っており、売上高に占める特定のお客さまの割合は低下傾向となっています。③ 原材料・エネルギー価格や労働賃金の上昇当社グループでは、産業資材、ディバイス、メディカルテクノロジーなどの事業を展開し、グローバルに調達・生産・供給体制を構築しています。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)やロシアによるウクライナ侵攻を背景に進行したインフレに伴い、原材料価格やエネルギー価格、労働賃金が上昇傾向にあります。1年ごとに事業環境の変化を反映したローリングプランの策定にあたり一定の費用増加を織り込んでいますが、原材料・エネルギー価格や労働賃金の想定を超える高騰が当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループはこうした状況に対して、原材料・エネルギー価格や労働賃金の高騰を適切に反映した製品値上げを実行するとともに、効率性・生産性の向上を継続しています。 (3) 財務に関するリスク① のれんの減損損失当社グループでは事業ポートフォリオの組み換え・最適化のための成長戦略としてM&Aを積極的に活用しています。そのため、当連結会計年度末においてのれんを21,410百万円計上しています。市場環境や競争環境がM&A実行時の想定から大きく変化し買収先会社の業績が悪化した場合、また、経済状況や金利変動等の外部環境の変化により使用価値の算定に使用する成長率および割引率が著しく変動し使用価値が減少した場合、のれんの減損損失が発生する可能性があります。 M&Aの実行にあたっては事前にデュー・ディリジェンス(対象企業の調査)を徹底するとともに、買収後の経営統合を促進する体制を構築することでリスクの最小化を図っています。② 為替の変動当連結会計年度における当社グループの海外売上高比率は88.3%です。これらは外貨建取引が中心であり、急激に為替レートが変動した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループではこのような状況に対して、生産の現地化や為替予約取引などにより為替リスクを最小化するように努めています。③ その他の財務に関するリスクその他、保有有価証券の時価減少や営業債権の貸倒れ、棚卸資産の陳腐化などが発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性がありますが、適正な管理体制の強化に努めており、リスクの最小化を図っています。 (4) 事業活動の継続性を阻害するリスク2022年度に重要なリスクとして選定された天災(地震・台風・洪水等)に関するリスクについては、全社で実施する経営層を含むBCP(事業継続計画)訓練の定期的な実施などにより、今年度も引き続きリスクの最小化に努めています。また、これらに加え、2022年度にロシアのウクライナ侵攻や、台湾有事の発生可能性の高まりを受け、当社グループの一部の事業で商流やサプライチェーンが中国に依存していることから、新たに地政学リスクを重要なリスクとして選定し、社員の安全確保や事業継続のための手段を検討するなど、取り組みを強化しています。さらに、それぞれの事業において、情報漏えい、独占禁止法その他の各種法令違反が生じた場合に事業活動の継続が困難になることから、公正な事業活動に関するリスクを重要なリスクとして選定し、経営層も対象とする研修等により、リスクの顕在化を抑止しています。 <TCFD提言への対応>当社グループは、2022年1月に金融安定理事会(FSB)が設立した気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)による提言に賛同を表明するとともに、TCFD提言の枠組みを活用し、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4項目について気候変動に関するリスクと機会が当社事業に与える財務的影響を分析しました。 (1) ガバナンス当社グループは、気候変動に関するリスク、機会を長期視点、および短・中期視点の両時間軸でとらえ以下のような体制で管理しています。長期視点2030年のあるべき姿からバックキャストした機会とリスク ・取締役会は、気候変動に関するリスクと機会をマテリアリティ(重要項目)として特定し、執行側で推進するサステナビリティ委員会の取り組みを監督・代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会は、特に重要なマテリアリティである「気候変動への対応」を担うESGタスクフォースを設置し推進。活動の進捗を四半期ごとに確認し、年1回取締役会に報告・気候変動への対応を実践する「ESGタスクフォース」は、四半期ごとに代表取締役社長と議論・気候変動への対応に関する戦略・財務上の重要な意思決定は、代表取締役社長が権限の範囲内で実行 短・中期視点現在、近い将来のリスク ・取締役会は、気候変動に関するリスクを重要なリスクのひとつとして、執行側で推進するリスク管理・コンプライアンス委員会の取り組みを監督・取締役専務執行役員(法務担当)が委員長を務めるリスク管理・コンプライアンス委員会で気候変動関連を含むリスクを一元的に管理し、「重要なリスク」の中に気候変動に伴う自然災害に備える「事業活動の継続」を包含・重要なリスクはKPIやアクションアイテムを設定し、四半期ごとに進捗を確認し、年1回取締役会に報告・代表取締役社長は活動状況をモニタリングの上必要に応じ指示 (2) 戦略当社は、将来の気候変動が当社事業にもたらす影響について、TCFD が提言する枠組みに基づき、シナリオを用いた分析を行いました。2021年は、当社グループの売上高のうち約半分を占めるディバイス事業を分析対象としています。気候変動の対策が進展しない「3℃シナリオ」と、脱炭素化がより進展する「1.5℃シナリオ」で、2030年時点の主要なリスクと機会を分析しました。いずれのシナリオにおいても、気候変動の影響による財務的なリスクはあるものの、当社のリスク対応策には妥当性があることや、当社の事業機会につながりうる需要の高まりを確認しました。今後は、シナリオ分析の対象とする事業を拡大し、情報開示を進めていきます。種別主なリスクリスクの大きさ3℃1.5℃移行リスク政策・法規制炭素税の導入・強化により、化石燃料由来のエネルギーや原材料の調達コストが増加小大炭素排出枠の設定で、再生可能エネルギーの導入により電力コストが増加小中炭素排出枠の設定で、物流(調達・出荷)におけるCO2排出量の削減コストが増加小小生産拠点で使用している特定フロンおよび代替フロンの使用規制により設備投資のコストが増加中中技術環境負荷の低い素材への移行により、製品の梱包材の素材を置き換えるためのコストが増加小小当社製品が他社の低炭素製品に代替されることによる売上高の減少中中低炭素技術の開発遅延による事業機会の損失で売上高が減少中中市場お客さまからのCO2削減要請が増加するが対応不足により、事業機会を損失し、売上高が減少中大評判お客さまのサプライヤー選定におけるESG評価の重要性が高まり、気候関連問題への対応遅延などでESG評価が低下し、サプライヤーとして選定されず、売上高が減少小中物理リスク急性雨・洪水による浸水で、工場稼働が停止することによる売上高の減少中雨・洪水による浸水で、建物・設備・在庫等、自社資産の毀損によりコストが増加大サプライヤーの被災による原材料・部品の供給停止が、工場の稼働、出荷に影響し、当社の売上高が減少中 種別主な機会機会の大きさ3℃1.5℃市場水素活用社会の到来により、FCV(燃料電池自動車)の需要が拡大し、当社グループの水素ディテクターの売上高が増加中中EVの販売台数拡大により、車載向けタッチセンサーの売上高が増加小大製品・サービスGHG削減に寄与する製品への需要が高まり、当社グループの冷媒検知用ガスセンサーモジュールの売上高が増加大大 (3) リスク管理当社グループは、気候変動に関するリスクを長期視点、短・中期視点で、それぞれサステナビリティ委員会とリスク管理・コンプライアンス委員会が以下のプロセスで管理しています。サステナビリティ委員会におけるリスクマネジメント ・サステナビリティビジョン(長期ビジョン)を実現するためのマテリアリティのひとつとして「気候変動への対応」を特定・社会課題・経営課題を「社会・ステークホルダーにとっての重要度」と「NISSHAにとっての重要度」の2軸を用いて評価、優先順位付けを実施。取締役会での審議・決議を経てマテリアリティを特定・マテリアリティのひとつである「気候変動への対応」の戦略項目、KPI・アクションアイテムは、サステナビリティ委員会で承認 リスク管理・コンプライアンス委員会におけるリスクマネジメント ・当社グループ全体を対象にリスクアセスメントを実施し、気候変動に関連した自然災害への対応を含む「事業継続計画」を重要なリスクとして特定・事業活動の視点で、リスクの発生頻度と発生した場合の影響度および統制活動の状況を加味して評価し、加えて、経営戦略との整合を図るために全社的な視点から評価し、「重要なリスク」を選定 (4) 指標と目標当社は、気候変動に関連するリスクの評価・管理指標をCO2総排出量としています。サステナビリティビジョンでは2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、2030年におけるCO2総排出量(スコープ1および2)を30%削減(2020年比)することを目指しています。
FY2021|4,220 文字
2 【事業等のリスク】経営者が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1)事業戦略および事業内容に関するリスク① 成長戦略当社グループは2021年1月から運用を開始した第7次中期経営計画において、これまでに獲得・構築したグローバルベースの事業基盤を最大限に活用し、シナジーの最大化による成長基盤を確立することを目指しています。医療機器、モビリティ、サステナブル資材などの市場において、社会課題の解決に資する製品群・サービスの拡充による成長を目指しています。市場環境・社会の動向、技術トレンドの変化、法令・規制の改正などの影響により、成長戦略が想定通りに進捗しない可能性があり、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループは、中期経営計画の進捗状況を取締役会で定期的にレビューし、1年ごとに事業環境の変化を反映させたローリングプランを策定し、事業環境の変化に迅速に対応することで、中期経営計画の達成に向けた取り組みを強化しています。② 特定のお客さまの需要変動当社グループでは売上高に占める特定のお客さまの割合が比較的高い状況にあります。こうした重要なお客さま向けの販売は、当該お客さまの製品需要の増減や仕様の変更、営業戦略の変更など当社グループによる管理が及ばない事項を理由として変動する可能性があり、そのような場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループはこうした状況に対して、第7次中期経営計画において医療機器、モビリティ、サステナブル資材などの複数の重点市場で成長戦略を遂行し、特定のお客さまの需要変動に関するリスクの最小化を図っており、売上高に占める特定のお客さまの割合は低下傾向となっています。 (2)財務に関するリスク① のれんの減損損失当社グループでは事業ポートフォリオの組み換え・最適化のための成長戦略としてM&Aを積極的に活用しています。そのため、当連結会計年度末においてのれんを20,186百万円計上しています。市場環境や競争環境がM&A実行時の想定から大きく変化した場合、買収先会社の業績が悪化し、のれんの減損損失が発生する可能性があります。M&Aの実行にあたっては事前にデュー・ディリジェンス(対象企業の調査)を徹底するとともに、買収後の経営統合を促進する体制を構築することでリスクの最小化を図っています。② 為替の変動当連結会計年度における当社グループの海外売上高比率は88.1%です。これらは外貨建て取引が中心であり、急激に為替相場が変動した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループではこのような状況に対して、生産の現地化や為替予約取引などにより為替リスクを最小化するように努めています。③ その他の財務に関するリスクその他、保有有価証券の時価減少や売上債権の貸倒れ、棚卸資産の陳腐化などが発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性がありますが、適正な管理体制の強化に努めており、リスクの最小化を図っています。 (3)サステナビリティビジョン(長期ビジョン)の達成を阻害するリスク当社グループは、2030年のあるべき姿をサステナビリティビジョンとして示しています。サステナビリティビジョンを実現するために、中長期的に当社グループの経営成績等に大きな影響を与えうる項目をマテリアリティとして特定しています。マテリアリティは取締役会において決議され、社長を委員長とするサステナビリティ委員会が、「事業機会の創出」「リスクの低減」「経営基盤の強化」「ガバナンスの推進」のそれぞれのテーマについて、関連する事業組織や部会、部門が設定したKPIを承認し、その進捗を確認しています。サステナビリティ委員会は、活動内容を年1回、取締役会に報告しています。① 気候変動への対応パリ協定を受けて温室効果ガスの削減に向けた対応が世界共通の解決すべき社会課題と認識され、早急な対応が求められています。世界全体が低炭素社会に移行した場合、温室効果ガス排出規制、エネルギー効率規制、炭素税など環境関連の法規制の強化やお客さまなどからの要請への対策が必要となり、追加費用が発生する可能性や、要求水準を満たさないことによる機会損失のおそれがあります。一方、気候変動に伴う自然災害の影響により、工場の生産能力の低下、サプライチェーンの寸断による原材料の供給断絶などが発生し、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。気候変動への対応としては、サステナビリティビジョン(長期ビジョン)のなかで、2050年カーボンニュートラルの達成を見据えて、当社グループの事業活動によって発生するCO2総排出量の30%削減(2020年比)を目標として掲げており、再生可能エネルギーへの転換など具体的な取り組みを進めています。また、当社グループは、金融安定理事会(FSB)が設立したTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同し、継続的に気候変動に関するリスクと機会が事業に与える財務的影響についての分析を進めています。② 人権の尊重当社グループはグローバルに事業展開をしており、継続的な企業活動を行う上で人権を尊重した事業活動が必要不可欠と認識しています。当社グループおよびサプライチェーン上で、児童労働、強制労働、外国人労働者の差別等の人権にかかる問題が生じた場合は、当社グループの社会的な信用が低下し、お客さまとの取引停止、訴訟や賠償金の支払いが発生するおそれがあります。当社グループは、関連法令や国際規範を順守するとともに、国際的な行動規範であるRBA(Responsible Business Alliance)を参照した「労働・人権に関する基本方針」を定め、全社員に展開しています。また、サステナビリティ委員会のもとに設置したESGタスクフォースが、グローバルにサプライチェーン上の労働・人権にかかるリスクの把握、低減に取り組んでいます。③ 人材能力の向上、多様な人材の活躍当社グループでは人種・国籍・性別にかかわらず、様々な伝統や文化を持つ社員が働いています。その多様性を尊重し、社員の個性や強みを活かし、当社グループのビジョンを実現することを目指しています。一方で当社の事業ポートフォリオの組み換えに沿った人材を十分に確保・育成ができない場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループは、人事基本方針に基づき、会社とともに成長しビジョンの実現に資する人材を育成する人事制度の策定、女性活躍の推進や研修によるリーダー・幹部候補の育成に取り組んでいます。また、第7次中期経営計画で定める重点市場に向けた教育研修プログラムを追加し、社員の能力の拡充を図るなど、リスクの最小化に努めています。 ④ グローバルガバナンスの高度化当社グループは、グローバルに事業展開を行っています。ガバナンスや内部統制が機能しなかった場合、子会社等の役員・社員による不正行為や、経営方針に従わない取引や判断が抑止できず、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループは、事業部門によるマネジメント(縦軸)、海外を3つの地域に分けて事業や会社を横断して協力する体制であるRegional Collaboration Committee(横軸)を運用しています。それぞれの軸が互いに補完して、協力して経営を行っています。また、当社グループは、公益通報者保護法に基づく内部通報窓口(ホットライン相談窓口)を設置し、中国および東南アジアの一部の現地法人では別途通報窓口を設置することにより、不適切な行為の早期発見、早期是正に取り組んでいます。⑤ その他サステナビリティビジョン(長期ビジョン)の達成を阻害するリスクその他、責任あるメディカル製品・サービスの提供、持続可能な調達、効率性・生産性の向上、継続的な技術の創出に関連するリスクが生じた場合、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。 (4)事業活動の継続性を阻害するリスク当社グループは、全社的な観点から当社グループが抱えるリスクに対し、アセスメントを行っています。法務担当役員を委員長とするリスク管理・コンプライアンス委員会は、事業活動の継続性を阻害するリスクに優先順位をつけ、適切にコントロールしています。賄賂・取引先との癒着、天災(地震・台風・洪水等)、長時間労働を含む安全衛生に関するリスクを重要度が高いリスクとして位置づけ、NISSHAグループ全社で実施する企業倫理・コンプライアンス研修や経営層を含むBCP(事業継続計画)訓練の定期的な実施、IT技術を駆使した生産性改革の推進などにより、リスクの最小化に努めています。また、当社グループでは、社員の心身の健康状態が維持・改善できない場合、会社のパフォーマンス低下につながるとの考えから、社員の健康意識や健康診断の受診率の向上、ストレスチェックの分析・改善活動など様々な施策を実行し、健康経営を推進しています。その他、当社グループの製品が想定外の事象を起因として大規模な品質問題を発生させた場合や、営業秘密など機密性の高い情報の漏えいが発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループでは、ISOなどの認証機関が定める規格に準拠した最適な管理体制を構築し、継続的な改善を進めることでリスクの最小化に努めています。 (5)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)COVID-19により、工場の稼働停止やお客さまやサプライヤーが感染拡大に大きく影響を受けた場合は、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。当社グループは、対策本部を設置し、感染予防と感染拡大の防止のためのさまざまな施策を実施するとともに、社員やお客さまの安全確保を第一に考えて事業活動をしています。
FY2020|3,912 文字
2 【事業等のリスク】経営者が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)COVID-19の流行は当社グループの当期の事業活動に大きな影響を与えました。ディバイス事業の製品需要は堅調に推移したものの、産業資材事業やメディカルテクノロジー事業の製品需要は、その影響を受け減退しました。下半期において製品需要の持ち直しの動きは見られたものの、今後、事態が長期化またはCOVID-19の再拡大が進行した場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループは代表取締役社長を本部長とする「新型コロナウイルス対策本部」を設置し、感染拡大の防止、事業の継続、社員やお客さまなどの安全確保に向けた対策を実行しています。NISSHA行動ガイドラインや感染疑い発生時の初動マニュアルの発行、交替制テレワークの導入、国内外の出張規制などを実施した一方で、状況の変化に対応して行動ガイドラインを更新することで対策の実効性向上に努めています。 (2) 事業運営に関するリスク① 成長戦略当社グループは2021年1月から運用を開始した第7次中期経営計画において、これまでに獲得・構築したグローバルベースの事業基盤を最大限に活用し、シナジーの最大化による成長基盤の確立を目指しています。医療機器、モビリティ(自動車・輸送機器)、サステナブル資材などの市場において、社会課題の解決に資する製品群・サービスの拡充による成長を目指しています。市場環境・社会の動向、技術トレンドの変化、法令・規制の改正などの影響により、成長戦略が想定通りに進捗しない可能性があり、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループは、中期経営計画の進捗状況を取締役会で定期的にレビューし、1年ごとに事業環境の変化を反映させたローリングプランを策定しています。事業環境の変化に迅速に対応することで、中期経営計画の達成に向けた取り組みを強化しています。② 特定のセグメントや特定のお客さまの需要変動当社グループのディバイス事業は、主としてスマートフォンやタブレットなどのコンシューマー・エレクトロニクス(IT機器)市場向けに事業を展開していますが、この市場は市場トレンドやお客さまのニーズの変化が速く、技術や製品のライフサイクルが短くなる傾向にあります。これらの市場環境が急激に変化した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。また、当社グループでは売上高に占める特定のお客さまの割合が高い傾向にあります。こうした重要なお客さま向けの販売は、当該お客さまの製品需要の増減や仕様の変更、営業戦略の変更など当社グループによる管理が及ばない事項を理由として変動する可能性があり、そのような場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループはこうした状況に対して、第7次中期経営計画において医療機器、モビリティ、サステナブル資材などの市場で成長戦略を遂行し、特定のセグメントや特定のお客さまの需要変動に関するリスクの最小化を図っています。 (3) 財務に関するリスク① のれんの減損損失当社では事業ポートフォリオの組み換え・最適化のための成長戦略としてM&Aを積極的に活用しています。そのため、当連結会計年度末において18,327百万円を計上しています。市場環境や競争環境がM&A実行時の想定から大きく変化した場合、買収先会社の業績が悪化し、のれんの減損損失が発生する可能性があります。M&Aの実行にあたっては事前にデュー・ディリジェンス(対象企業の調査)を徹底するとともに、買収後の経営統合を促進する体制を構築することでリスクの最小化を図っています。② 為替の変動当連結会計年度における当社グループの海外売上高比率は85.8%です。これらは外貨建て取引が中心であり、急激に為替相場が変動した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループではこのような状況に対して、生産の現地化や為替予約取引などにより為替リスクを最小化するように努めています。③ その他の財務に関するリスクその他、保有有価証券の時価減少や売上債権の貸倒れ、棚卸資産の陳腐化などが発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性がありますが、適正な管理体制の強化に努めており、リスクの最小化を図っています。 (4) ESGに関するリスク① 脱炭素社会への対応世界各国では、パリ協定を受けて地球温暖化ガスの削減に向けた脱炭素社会の実現の動きが進展しています。当社グループは脱炭素社会への対応を重要な課題として捉え、それらに関するリスク低減とともに、社会課題の解決につながる事業機会の創出に取り組んでいます。今後、環境関連法規制等の強化、気候変動に関するリスクへの対策、環境負荷低減の追加的な義務等による環境保全に関連する費用が増加した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループでは、サステナビリティビジョン(長期ビジョン)のなかで2050年カーボンニュートラルを見据えて、2030年にはCO2総排出量の20%削減(2020年比)の実現を掲げています。サステナビリティ委員会を構成する環境安全部会がCO2排出の要因の把握とその低減に向けた活動を推進し、サステナビリティ委員会がこれらの活動内容を年1回取締役会に報告しています。 また、当社グループは脱プラスチックを目的とするサステナブル資材(紙・パルプ由来)を重点市場の一つと定め、社会課題の解決につながる製品・サービスをお客さまに提供することによって、事業機会を創出しています。② 人材能力の向上、多様な人材の活躍当社グループでは人種・国籍・性別にかかわらず、様々な伝統や文化を持つ社員が働いています。その多様性を尊重し、社員の個性や強みを活かし、当社グループのビジョンを実現することを目指していますが、当社の事業ポートフォリオの組み換えに沿った人材を十分に確保・育成ができない場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループは、人事基本方針に基づき、会社とともに成長しビジョンの実現に資する人材を育成する人事制度の策定、女性活躍の推進や研修によるリーダー・幹部候補の育成に取り組み、リスクの最小化に努めています。③ 人権の尊重人権を尊重した事業活動は継続的な企業活動を行う上で必要不可欠であり、人権侵害関連の事象が発生することで、訴訟や賠償金の発生、企業価値の毀損などにより、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループは、人権および労働における国際規範、法令を順守するとともに、取り組み内容の継続的な改善に努めています。サステナビリティ委員会を構成する労働・人権部会は、当社グループの主要な生産拠点を対象として、国際的な行動規範であるRBA(Responsible Business Alliance)を運用しています。 ④ 品質問題の発生当社グループでは国内外の生産拠点において多様な製品を生産・販売しており、その中にはモビリティ(自動車・輸送機器)市場向けや医療機器市場向けなど、高い安全性が要求される製品も含まれています。想定外の事象を原因とする大規模な品質問題が発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループではお客さまからの要求やISOなどの認証機関が定める規格に準拠した最適な品質管理体制を構築し、継続的な改善を進めることで、品質問題が発生するリスクの最小化に努めています。⑤ 取締役会の実効性向上当社グループは創業以来、経営者の強いリーダーシップのもと、経営環境の変化に的確に対応した戦略を実践してきました。重要な経営判断および取締役の業務執行の監督を担う取締役会が実効的に機能しない事態となった場合、迅速かつ果断な意思決定および経営の透明性、公正性の確保が困難となり、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。当社の取締役会は、知見・経験・能力のバランス、多様性を考慮したメンバーで構成されています。議案の重要度に応じた説明時間や審議時間を設定し、割り当てることで重要度に応じて効率的な運営を行っています。また、年1回、前年度の取締役会の構成や運営などについて分析・評価を行うことで、コーポレートガバナンスの実効性を高めるための継続的な改善に取り組み、リスクの最小化を図っています。⑥ その他のESGに関するリスクその他、生産性の向上、コンプライアンスの推進、事業活動の継続、情報資産の保護と活用、職場の安全衛生に関連するリスクが、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。当社はこのようなリスクに対して、IT技術を駆使した生産性改革の推進、企業倫理・コンプライアンス指針の策定や社内研修による社員への周知、経営層を含むBCP(事業継続計画)訓練の定期的な実施、情報セキュリティシステムの構築、労働安全衛生方針の制定・周知などにより、リスクの最小化に努めています。
FY2019|1,989 文字
2 【事業等のリスク】当社グループの経営成績および財政状態ならびに当社の株価に影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクは以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 事業環境に関するリスク1. 特定のセグメントや特定のお客さまへの集中当社グループの現在の主力事業はディバイス事業であり、連結売上高の構成比において55.3%を占めています。このセグメントは主としてスマートフォンやタブレットなどのコンシューマー・エレクトロニクス(IT)市場向けに事業を展開していますが、この市場は市場トレンドやお客さまのニーズの変化が速く、技術や製品のライフサイクルが短くなる傾向にあります。これらの市場環境が急激に変化した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。また、当社グループは売上高に占める特定のお客さまの割合が高い傾向にあります。こうした重要なお客さま向けの販売は、当該お客さまの製品需要の減少や仕様の変更、営業戦略の変更など当社グループによる管理が及ばない事項を理由として落ち込む可能性があり、そのような場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループではこうした状況に対して、事業ポートフォリオの組み換え・最適化による成長を骨子とする第6次中期経営計画を運用しており、バランスの取れた事業基盤の構築を図っています。コンシューマー・エレクトロニクス(IT)市場に加え、モビリティ(自動車)、医療機器、サステナブルパッケージ資材を重点市場と定め、これらの市場向けの売上高を拡大することで、特定のセグメントや特定のお客さまへの集中に関するリスクの最小化を図っています。 (2) 事業運営に関するリスク1. 自然災害・パンデミックの発生当社グループの拠点および取引先はグローバルに存在しており、地震・台風・洪水などの自然災害やパンデミックが発生した場合、工場の操業やお客さまへの製品・サービスの供給に支障をきたす可能性があります。当社グループではこうした状況に対して事業拠点の分散によりリスクの最小化を図るとともに、重要な事業拠点の早期復旧対応やサプライチェーンについてBCM(事業継続マネジメント)基本計画書を策定し、定期的な訓練を行うことで、自然災害などが発生した場合の影響を最小化するよう努めています。2. 品質問題の発生当社グループでは国内外の生産拠点において多様な製品を生産・販売しており、その中にはモビリティ(自動車)市場向けや医療機器市場向けなど、高い安全性が要求される製品も含まれています。想定外の事象を原因とする大規模な品質問題が発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループではお客さまからの要求やISOなどの認証機関が定める規格に準拠した最適な品質管理体制を構築し、継続的な改善を進めることで、品質問題が発生するリスクの最小化に努めています。3. その他の事業運営に関するリスクその他、サプライヤーからの材料供給不足や人材の不足、機密情報・お客さま情報・個人情報の漏洩などが事業運営に影響を及ぼす可能性がありますが、適切なサプライヤー管理体制の構築、働きやすい環境の整備、適正な情報セキュリティシステムの構築などにより、リスクの最小化を図っています。 (3) 財務に関するリスク1. のれんの減損損失当社では事業ポートフォリオの組み換え・最適化のための成長戦略としてM&Aを積極的に活用しています。そのため、のれんの計上が多い傾向にあり、当連結会計年度末において19,589百万円を計上しています。市場環境や競争環境がM&A実行時の想定から大きく変化した場合、買収先会社の業績が悪化し、のれんの減損損失が発生する可能性があります。M&Aの実行にあたっては事前にデュー・ディリジェンス(対象企業の調査)を徹底するとともに、買収後の経営統合を促進する体制を構築することでリスクの最小化を図っています。2. 為替の変動当連結会計年度における当社グループの海外売上高比率は85.2%です。これらは外貨建て取引が中心であり、急激に為替相場が変動した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループではこのような状況に対して、生産の現地化や為替予約取引などにより為替リスクを最小化するように努めています。3. その他の財務に関するリスクその他、保有有価証券の時価減少や売上債権の貸倒れ、棚卸資産の陳腐化などが発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性がありますが、適正な管理体制の強化に努めており、リスクの最小化を図っています。
FY2018|1,088 文字
2 【事業等のリスク】当社グループの経営成績および財政状態ならびに当社の株価に影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクは以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1) お客さまのニーズ・市場トレンド当社グループの主力事業はディバイス事業であり、連結売上高の構成比において59.6%を占めています。このセグメントは主としてスマートフォンやタブレットなどのコンシューマー・エレクトロニクス(IT)市場向けに事業を展開していますが、この市場は市場トレンドやお客さまのニーズの変化が速く、技術や製品のライフサイクルが短くなる傾向にあります。当社グループではこうした状況に対して、お客さま満足を最優先に掲げ、市場トレンドを的確にとらえるとともに、お客さまニーズに応える技術・製品・サービスの提供に努めています。しかしながら、市場のトレンドやお客さまのニーズが大きく変化した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。また、当社グループは売上高に占める特定のお客さまの割合が高い傾向にあります。こうした重要なお客さま向けの販売は、当該お客さまの製品需要の減少や仕様の変更、営業戦略の変更など当社グループによる管理が及ばない事項を理由として落ち込む可能性があり、そのような場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。(2) 為替の変動当連結会計年度における当社グループの海外売上高比率は83.8%であり、これらは外貨建て取引が中心です。為替予約取引などにより将来の為替リスクを回避するように努めていますが、急激な為替相場の変動は当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。(3) 保有有価証券当連結会計年度末において当社グループが保有している投資有価証券は147億97百万円であり、大半は時価のある株式です。これらの保有有価証券については、発行体の財政状態や業績動向、格付状況等を把握し安全性を十分確認していますが、株式相場の著しい変動等が生じた場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。(4) 売上債権およびたな卸資産当連結会計年度末における当社グループの売上債権は408億67百万円、たな卸資産は275億84百万円です。当社グループは与信管理や適正在庫管理の強化に努めていますが、今後、貸倒れなどでこれらの資産価値に大きな変動が生じた場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
FY2017|1,204 文字
4 【事業等のリスク】当社グループの経営成績および財政状態ならびに当社の株価に影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクは以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1) お客さまのニーズ・市場トレンド当社グループの製品が多く使われているコンシューマー・エレクトロニクスの分野では、お客さまのニーズや市場トレンドの変化が速く、技術や製品のライフサイクルが短くなる傾向にあります。当社グループではこうした状況に対して、お客さま満足を最優先に掲げ、市場トレンドを的確にとらえるとともに、お客さまニーズに応える技術・製品・サービスの提供に努めています。しかしながら、お客さまのニーズや市場のトレンドが大きく変化した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。また、当社グループは売上高に占める特定のお客さまの割合が高い傾向にあります。こうした重要なお客さま向けの販売は、当該お客さまの製品需要の減少や仕様の変更、営業戦略の変更など当社グループによる管理が及ばない事項を理由として落ち込む可能性があり、そのような場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。(2) 関連業界の需要動向当社グループの主力事業はディバイス事業であり、連結売上高の構成比において41.3%を占めています。このセグメントは主としてタブレット端末、スマートフォン、携帯ゲーム機などのコンシューマー・エレクトロニクス分野に向けた事業を展開していることから、これら業界の需要動向や価格動向に大きな変化が生じた場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。(3) 為替の変動当連結会計年度における当社グループの海外売上高比率は73.9%であり、これらは外貨建て取引が中心です。為替予約取引などにより将来の為替リスクを回避するように努めていますが、急激な為替相場の変動は当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。(4) 保有有価証券当連結会計年度末において当社グループが保有している投資有価証券は141億47百万円であり、大半は時価のある株式です。これらの保有有価証券については、発行体の財政状態や業績動向、格付状況等を把握し安全性を十分確認していますが、株式相場の著しい変動等が生じた場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。(5) 売上債権およびたな卸資産当連結会計年度末における当社グループの売上債権は282億84百万円、たな卸資産は159億28百万円です。当社グループは与信管理や適正在庫管理の強化に努めていますが、今後、貸倒れなどでこれらの資産価値に大きな変動が生じた場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
FY2016|1,223 文字
4 【事業等のリスク】当社グループの経営成績および財政状態ならびに当社の株価に影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクは以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) お客さまのニーズ・市場トレンド当社グループの製品が多く使われているコンシューマー・エレクトロニクスの分野では、お客さまのニーズや市場トレンドの変化が速く、技術や製品のライフサイクルが短くなる傾向にあります。当社グループではこうした状況に対して、お客さま満足を最優先に掲げ、市場トレンドを的確にとらえるとともに、お客さまニーズに応える技術・製品・サービスの提供に努めております。しかしながら、お客さまのニーズや市場のトレンドが大きく変化した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。また、当社グループは売上高に占める特定のお客さまの割合が高い傾向にあります。こうした重要なお客さま向けの販売は、当該お客さまの製品需要の減少や仕様の変更、営業戦略の変更など当社グループによる管理が及ばない事項を理由として落ち込む可能性があり、そのような場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。(2) 関連業界の需要動向当社グループの主力事業はディバイス事業であり、連結売上高の構成比において51.9%を占めております。このセグメントは主としてタブレット端末、スマートフォン、携帯ゲーム機などのコンシューマー・エレクトロニクス分野に向けた事業を展開していることから、これら業界の需要動向や価格動向に大きな変化が生じた場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。(3) 為替の変動当連結会計年度における当社グループの海外売上高比率は73.6%であり、これらは外貨建て取引が中心であります。為替予約取引などにより将来の為替リスクを回避するように努めておりますが、急激な為替相場の変動は当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。(4) 保有有価証券当連結会計年度末において当社グループが保有している投資有価証券は98億48百万円であり、大半は時価のある株式であります。これらの保有有価証券については、発行体の財政状態や業績動向、格付状況等を把握し安全性を十分確認しておりますが、株式相場の著しい変動等が生じた場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。(5) 売上債権およびたな卸資産当連結会計年度末における当社グループの売上債権は216億65百万円、たな卸資産は145億55百万円であります。当社グループは与信管理や適正在庫管理の強化に努めておりますが、今後、貸倒れなどでこれらの資産価値に大きな変動が生じた場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。