7914

共同印刷(7914)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

その他製品 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 情報コミュニケーション事業
    週刊誌、月刊誌、単行本、教科書といった出版物の印刷・製本に加え、ポスターやカレンダー、広告宣伝媒体の企画・制作、さらには電子書籍の制作まで幅広く手掛けています。デジタル化が進む現代において、紙媒体と電子媒体の両方に対応し、顧客の多様なニーズに応えることで収益を上げています。
  • 情報セキュリティ事業
    ビジネスフォームや証券類、各種カードの製造、データプリント、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)、決済ソリューションなどを提供しています。特に、個人情報や機密情報を扱うビジネスにおいて、高いセキュリティ技術と信頼性を提供することで、企業活動を支え、安定的な収益源としています。
  • 生活・産業資材事業
    紙器、軟包装用品、各種チューブ、ブローボトル、金属印刷、建材用品印刷、電子機器部品、高機能材料など、多岐にわたる製品を製造・販売しています。日常生活に密着した製品から産業用途の資材まで、幅広い分野で事業を展開し、社会のインフラを支えることで収益を確保しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 情報コミュニケーション部門
    この部門は、週刊誌、月刊誌、単行本、教科書などの出版物印刷から、ポスター、カレンダー、広告宣伝媒体の企画・制作、さらには電子書籍の制作まで幅広く手掛けています。売上高は346.58億円ですが、営業利益は-1.76億円と赤字であり、市場の変化に対応するための構造改革が課題と見られます。
  • 情報セキュリティ部門
    各種ビジネスフォーム、証券類、各種カードの製造、データプリント、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)、決済ソリューションなどを提供しています。売上高は307.55億円で、営業利益は19.54億円と、グループ内で最も高い利益を上げており、安定した収益源となっています。
  • 生活・産業資材部門
    紙器、軟包装用品、各種チューブ、ブローボトル、金属印刷、建材用品印刷、電子機器部品、高機能材料など、多岐にわたる製品を製造・販売しています。売上高は323.31億円で、営業利益は12.11億円と堅調な利益を上げており、幅広い産業分野を支える重要な部門です。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
InformationAndCommunicationBranch 事業 347 -2 -0.5%
InformationAndSecurityBranch 事業 308 20 6.4%
LivingAndIndustrialMaterialsBranch 地域 323 12 3.7%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|913 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社、子会社16社及び関連会社1社で構成され、製版・印刷・製本及びこれらに関連する付帯事業を中心として事業を展開しております。 当社グループの主要な製品・事業内容は次のとおりであります。 なお、下記の3部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。セグメント区分主要な製品・事業内容情報コミュニケーション部門週刊誌、月刊誌、季刊誌、単行本、全集、教科書、ポスター、カレンダー、広告宣伝媒体及び装飾展示等の企画・制作、電子書籍等情報セキュリティ部門各種ビジネスフォーム、証券類、各種カード、データプリント、BPO、決済ソリューション等生活・産業資材部門紙器、軟包装用品、各種チューブ、ブローボトル、金属印刷、建材用品印刷、電子機器部品、高機能材料等その他物流業、不動産管理業等 これら製品を製造、販売するにあたり、子会社である共同物流㈱は、当社グループ製品の物流の大部分を担当しております。また、共同印刷メディアプロダクト㈱、共同印刷西日本㈱、常磐共同印刷㈱他10社の子会社は、製版・印刷・製本等の生産、販売を相互に連携しつつ行っております。TOMOWELビジネスパートナー㈱他1社の子会社は、不動産管理他の事業を行っております。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。(注)1.当連結会計年度において、共同印刷マーケティングソリューションズ株式会社は、共同印刷株式会社を存続会社、共同印刷マーケティングソリューションズ株式会社を消滅会社とする吸収合併を行っております。2.当連結会計年度において、共同エフテック株式会社は、共同印刷西日本株式会社を存続会社、共同エフテック株式会社を消滅会社とする吸収合併を行っております。3.当連結会計年度において、米国法人Kodama Tales Inc.を設立しておりますが、設立後間もなく、合計の総資産、売上高、当期純損益(持分に見合う額)及び利益剰余金(持分に見合う額)等はいずれも連結財務諸表に重要な影響を及ぼしていないため、非連結子会社としております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
原材料価格の高騰時にコスト削減や販売価格への適正な転嫁が不十分な場合、業績に影響を及ぼす可能性があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
高付加価値印刷・加工技術、偽造防止技術、高機能材料開発など、多岐にわたる研究開発を行っている。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:人材基盤の確保・育成・定着 / 気候変動に伴う脱炭素社会への移行リスク / 大規模自然災害・感染症流行による事業活動停滞
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

長年の歴史と実績に基づく信頼性はあるが、特許やブランド力が突出しているとは言えない。特定の印刷技術やノウハウは存在するものの、明確な競争優位となる無形資産の強度は限定的。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

顧客との長期的な取引関係は存在するが、印刷業界全体として、仕様やコスト次第で乗り換えの可能性はゼロではない。特に汎用的な印刷物においてはスイッチングコストは高くない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果が働くビジネスモデルではない。印刷サービスは個別の顧客ニーズに応じるものであり、ユーザーが増えることでサービスの価値が向上する構造ではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

生産効率の改善や自動化への取り組みは進めているが、業界全体でコスト競争が激しく、構造的なコスト優位を確立しているとは言えない。規模の経済による効率化は一定程度存在する。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

印刷業界において一定の規模を持つ企業であり、多様な印刷技術と設備を有している。特に特殊印刷や情報関連サービスなど、ニッチな分野での規模の経済が競争力に寄与している可能性がある。

  • 多様な事業ポートフォリオ
    情報コミュニケーション、情報セキュリティ、生活・産業資材の3つの主要部門を持ち、それぞれ異なる市場で事業を展開しています。これにより、特定の市場の変動リスクを分散し、安定した経営基盤を築いている点が強みです。
  • グループ連携による生産体制
    共同物流株式会社がグループ製品の物流を担い、共同印刷メディアプロダクト株式会社や共同印刷西日本株式会社など10社の子会社が製版・印刷・製本等の生産・販売を相互に連携して行っています。これにより、効率的な生産体制と安定した製品供給を実現しています。
  • 長年の実績と信頼性
    印刷事業を基盤とし、長年にわたり培ってきた技術力と信頼性が強みです。特に情報セキュリティ部門では、証券類や各種カードなど高い信頼性が求められる製品を手掛けており、その実績が顧客からの信頼につながっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社グループは、前中期経営計画(2021年度から2024年度までの4ヵ年計画)において、経営理念「印刷事業を核に、生活・文化・情報産業として社会に貢献する」のもと、グループ経営ビジョン「誠実なコミュニケーションと市場をリードする技術力でお客さまの思いをカタチにし、新たな価値を創出し続ける企業グループ」を掲げ、全社視点での重点施策と各事業における施策を遂行してまいりました。その間、社会環境の変化が加速度を増し、企業に対する社会や市場からの要請が高度化してまいりました。そこで、当社グループがステークホルダーの期待に応えて持続的な成長を続けるには成長戦略の明確化が不可欠との認識のもと、当社グループの価値観やマテリアリティ等をつぶさに見直し、2025年5月に理念体系を再構築しております。新しい経営理念「創意と熱意で新たな価値を生み出し、共にある未来を実現する」と、経営理念の実現に向け10年後の2034年度にありたい姿として長期ビジョン「NexTOMOWEL2034 共に挑もう、共に超えよう。」を定め、達成への長期戦略と2025年度を起点とする3カ年の中期経営計画を策定しております。新たな長期戦略と中期経営計画の概要は、次の(2)に記載のとおりです。 (2) 中長期的な経営戦略<長期戦略>当社グループは、大きく出版印刷や販促・業務支援、ICカードなどを扱う「情報系事業」と、チューブや紙器などの各種包材と吸湿フィルムなどの機能性材料を扱う「生活・産業資材系事業」を行っております。長期戦略はこの二つを柱とし、選択と集中による事業ポートフォリオの変革を進め、資本効率を高めながら営業利益120億円以上を実現することを目標としております。情報系事業では、売上高の規模を維持しつつ事業の重心を印刷から情報サービス(非印刷)へ移し、情報加工を中心とした質の高いサービスの提供をめざします。生活・産業資材系事業では、食品や日用品の包材製造を引き続き中心としつつ、コア技術である材料加工技術を生かした独自製品の開発で国内外の成長市場・事業分野への展開を強化してまいります。投資については、2034年度までに総額700億円規模を計画しております。研究開発や人的投資、M&Aを含めた成長投資に400億円程度、生産性向上に向けた設備やDX投資など既存事業への投資に300億円程度を見込んでおります。 <中期経営計画>2025年度からの新たな中期経営計画は長期戦略のファーストステップの位置付けであり、躍進に向けた足場を固めるフェーズです。従来の延長線上ではない新しい挑戦によって既存事業の収益性向上と成長事業の着実な育成に取り組むとともに、事業戦略を支える財務戦略、サステナビリティ経営の深化や人的資本の強化などの非財務戦略にも注力してまいります。目標は、最終年度にあたる2027年度に営業利益45億円以上、ROE8%以上といたしました。さらに、企業価値の向上と安定的な株主還元を実現するため、DOE3.5%を目安とした配当を行ってまいります。情報系事業では、まんがなどのIP(知的財産)を活用したオリジナルコンテンツや、BPO等の情報サービス機能の開発及び拡販の強化などで収益を拡大し事業の柱に育てるとともに、生産改革を一層推進してまいります。生活・産業資材系事業では、効率化投資や継続的な価格改定も進めて食品・日用品向け包材の事業規模を拡大しつつ、高い成長性と収益性が見込める「海外パッケージ」「機能性材料」「産業用包材」の育成に注力します。海外パッケージはラミネートチューブだけでなく軟包装等にも注力して多角化を進めます。機能性材料と産業用包材は、材料加工技術を核とした高付加価値製品の開発・拡販に努めて、早期収益化に取り組みます。各施策の着実な実行により、中期経営計画の達成と長期戦略で描いた事業ポートフォリオ像の実現を確かなものとしてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社グループは、前中期経営計画(2021年度から2024年度までの4ヵ年計画)において、経営理念「印刷事業を核に、生活・文化・情報産業として社会に貢献する」のもと、グループ経営ビジョン「誠実なコミュニケーションと市場をリードする技術力でお客さまの思いをカタチにし、新たな価値を創出し続ける企業グループ」を掲げ、全社視点での重点施策と各事業における施策を遂行してまいりました。その間、社会環境の変化が加速度を増し、企業に対する社会や市場からの要請が高度化してまいりました。そこで、当社グループがステークホルダーの期待に応えて持続的な成長を続けるには成長戦略の明確化が不可欠との認識のもと、当社グループの価値観やマテリアリティ等をつぶさに見直し、2025年5月に理念体系を再構築しております。新しい経営理念「創意と熱意で新たな価値を生み出し、共にある未来を実現する」と、経営理念の実現に向け10年後の2034年度にありたい姿として長期ビジョン「NexTOMOWEL2034 共に挑もう、共に超えよう。」を定め、達成への長期戦略と2025年度を起点とする3カ年の中期経営計画を策定しております。新たな長期戦略と中期経営計画の概要は、次の(2)に記載のとおりです。 (2) 中長期的な経営戦略<長期戦略>当社グループは、大きく出版印刷や販促・業務支援、ICカードなどを扱う「情報系事業」と、チューブや紙器などの各種包材と吸湿フィルムなどの機能性材料を扱う「生活・産業資材系事業」を行っております。長期戦略はこの二つを柱とし、選択と集中による事業ポートフォリオの変革を進め、資本効率を高めながら営業利益120億円以上を実現することを目標としております。情報系事業では、売上高の規模を維持しつつ事業の重心を印刷から情報サービス(非印刷)へ移し、情報加工を中心とした質の高いサービスの提供をめざします。生活・産業資材系事業では、食品や日用品の包材製造を引き続き中心としつつ、コア技術である材料加工技術を生かした独自製品の開発で国内外の成長市場・事業分野への展開を強化してまいります。投資については、2034年度までに総額700億円規模を計画しております。研究開発や人的投資、M&Aを含めた成長投資に400億円程度、生産性向上に向けた設備やDX投資など既存事業への投資に300億円程度を見込んでおります。 <中期経営計画>2025年度からの新たな中期経営計画は長期戦略のファーストステップの位置付けであり、躍進に向けた足場を固めるフェーズです。従来の延長線上ではない新しい挑戦によって既存事業の収益性向上と成長事業の着実な育成に取り組むとともに、事業戦略を支える財務戦略、サステナビリティ経営の深化や人的資本の強化などの非財務戦略にも注力してまいります。目標は、最終年度にあたる2027年度に営業利益45億円以上、ROE8%以上といたしました。さらに、企業価値の向上と安定的な株主還元を実現するため、DOE3.5%を目安とした配当を行ってまいります。情報系事業では、まんがなどのIP(知的財産)を活用したオリジナルコンテンツや、BPO等の情報サービス機能の開発及び拡販の強化などで収益を拡大し事業の柱に育てるとともに、生産改革を一層推進してまいります。生活・産業資材系事業では、効率化投資や継続的な価格改定も進めて食品・日用品向け包材の事業規模を拡大しつつ、高い成長性と収益性が見込める「海外パッケージ」「機能性材料」「産業用包材」の育成に注力します。海外パッケージはラミネートチューブだけでなく軟包装等にも注力して多角化を進めます。機能性材料と産業用包材は、材料加工技術を核とした高付加価値製品の開発・拡販に努めて、早期収益化に取り組みます。各施策の着実な実行により、中期経営計画の達成と長期戦略で描いた事業ポートフォリオ像の実現を確かなものとしてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績の状況当期におけるわが国の経済は、一部に足踏みがみられたものの、雇用や所得環境が改善する中で緩やかな回復が続きました。しかし、国内景気の先行きは、米国の通商政策の影響による下振れリスクが懸念されるほか、金融資本市場の変動等の影響に対しても、一層の注意を要する状況となっております。このような状況の中、当社グループは、中期経営方針「豊かな社会と新たな価値を創造するために未来起点の変革に挑戦」に基づき、各施策を推進しました。情報系事業では、「印刷事業で培った強みを軸とし、新たな価値創出を実現」するため、版権元との関係性を生かした企画展開催などライセンスビジネスの拡大を進めました。また、当社グループの高いセキュリティ環境を生かし、業務のデジタルシフトを支援する製品・サービスの提案で事業機会の獲得に取り組むとともに、引き続き旺盛な旅客流動に対応するべく、乗車券類とICカードの安定供給体制の維持・整備に努めました。生産体制の効率化に向けては、グループ会社の統廃合及び製造拠点の集約を行いました。生活・産業資材系事業では、「パッケージソリューションベンダーの地位確立」に向け、製品ラインアップを拡充するべく、生活利便性向上とプラスチック使用量削減の両立に貢献する製品の開発を進め、高付加価値製品の拡販に努めました。また、原材料費の高騰に対応し、適切な価格交渉を推進しました。以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は999億7千7百万円(前期比3.1%増)、営業利益は23億3千1百万円(前期比47.8%増)、経常利益は27億4千6百万円(前期比31.8%増)となりました。また、特別利益に投資有価証券売却益28億2千1百万円を計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は33億1千万円(前期比121.3%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 情報コミュニケーション部門出版印刷は、定期刊行物は雑誌の堅調な推移と付録などの増加で前期並みでしたが、書籍はコミックスや単行本の減少により全般的に低調となり、全体では下回りとなりました。一般商業印刷は、Webカタログなどのデジタル制作関連やカタログ・情報誌が好調に推移しましたが、POPの大型案件の減少による不振などが影響し、前期並みとなりました。以上の結果、部門全体の売上高は346億5千8百万円(前期比0.2%減)、営業損失は1億7千6百万円(前期は営業損失2億8千6百万円)となりました。 情報セキュリティ部門ビジネスフォームは、金融機関向けBPOが低調でしたが、官公庁向けのデータプリントが増加し、前期を上回りました。証券類とカードは、インバウンド需要をはじめとする旺盛な旅客流動の継続により、乗車券類が増加、交通系ICカードも堅調に推移し、前期を上回りました。以上の結果、部門全体での売上高は307億5千5百万円(前期比7.2%増)、営業利益は19億5千4百万円(前期比45.1%増)となりました。 生活・産業資材部門紙器はラップカートンが減少しましたが、ティシューカートンが増加し、前期を上回りました。軟包装は即席めんなどの食品向けフタ材が好調、日用品向け詰替え用パウチなどのリキッドパッケージも順調に推移し、前期を上回りました。チューブは、歯磨き向けが減少したものの、ヘアケア製品向けの好調により化粧品向けが増加し、前期並みに推移しました。調味料向けのブローチューブは受注が好調、ブローボトルも堅調に推移し、前期を上回りました。産業資材は医薬品向けの受注が増加し、前期を上回りました。以上の結果、部門全体での売上高は323億3千1百万円(前期比2.8%増)、営業利益は12億1千1百万円(前期比6.4%増)となりました。 その他売上高は22億3千1百万円(前期比5.5%増)、営業利益は1億6千1百万円(前期比20.3%減)となりました。 (2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ12億4千万円増加し121億8千4百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、67億4千4百万円(前期比36億3千6百万円増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益46億2千8百万円、減価償却費59億1千3百万円の計上と、仕入債務の減少36億円があったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、9億2百万円(前期比20億6百万円減)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出41億1千7百万円と投資有価証券の売却による収入31億5千万円があったことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、46億3千7百万円(前期は2億6千6百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出24億9千万円、自己株式の取得による支出10億円、配当金の支払7億9千2百万円があったことによるものです。 生産、受注及び販売の状況(1) 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)情報コミュニケーション部門34,66499.7情報セキュリティ部門30,884107.2生活・産業資材部門32,468104.6その他2,256106.5合計100,274103.6(注)金額は販売価額によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。 (2) 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)情報コミュニケーション部門35,943105.37,940119.3情報セキュリティ部門30,813101.69,520100.6生活・産業資材部門33,007107.28,195109.0その他2,213104.11342.3合計101,976104.725,670108.4 (3) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)情報コミュニケーション部門34,65899.8情報セキュリティ部門30,755107.2生活・産業資材部門32,331102.8その他2,231105.5合計99,977103.1(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.相手先別販売実績は、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先はないため、記載を省略しております。 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容(1) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容①財政状態の分析総資産は、1,261億6千8百万円(前連結会計年度末1,318億1千5百万円)となり、56億4千6百万円減少しました。これは主に、投資有価証券が30億4千8百万円、売上債権が16億9千3百万円減少したことによるものです。負債は、632億5千5百万円(前連結会計年度末686億9千5百万円)となり、54億3千9百万円減少しました。これは主に、支払手形及び買掛金が35億8千万円、借入金が24億6千1百万円減少したことによるものです。純資産は、629億1千3百万円(前連結会計年度末631億2千万円)となり、2億7百万円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益33億1千万円の計上と剰余金の配当7億9千2百万円、自己株式の取得10億円、その他有価証券評価差額金20億2千5百万円の減少があったことによるものです。 ②経営成績の分析当社グループは、情報コミュニケーション部門における出版印刷と商業印刷、情報セキュリティ部門におけるデータプリントやBPO受託、証券類やICカード製造、生活・産業資材部門におけるチューブ・軟包装・紙器等のパッケージ類と、産業資材等の製造を主な事業としております。当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ3.1%増の999億7千7百万円でした。インバウンド需要をはじめとする旺盛な旅客流動継続による乗車券類の好調など、全体として前期を上回りました。売上原価は前期比2.6%増の798億4千4百万円、対売上高比率は79.9%となり、前期の80.2%から0.3ポイント低下しました。販売費及び一般管理費は前期比1.2%増の178億1百万円となりました。対売上高比率は17.8%でのれん償却費の減少などにより、前期の18.1%から0.3ポイント低下しました。この結果、営業利益は前期比47.8%増の23億3千1百万円となり、売上高営業利益率は2.3%と、前期から0.7ポイント上昇しました。また、税金等調整前当期純利益は前期比107.2%増の46億2千8百万円となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比121.3%増の33億1千万円となりました。また、自己資本利益率(ROE)は、前期の2.5%から5.3%へ2.8ポイント上昇しました。なお、セグメントごとの経営成績については「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況」に記載のとおりです。 (2) 資本の財源及び資金の流動性当社グループの運転資金のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等であります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&A等によるものであります。当社グループは、運転資金及び設備資金については、安定的な資金調達、調達コスト抑制及び調達方法の分散・多様化を基本方針としております。なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務を含む有利子負債の残高は130億1千8百万円、現金及び現金同等物の残高は121億8千4百万円となっております。 (3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針については、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 人材確保・育成の困難さ
    少子化や雇用環境の変化により、事業に必要な多様な人材の確保・育成・定着が困難になるリスクがあります。これにより、必要な人材リソースの不足や能力発揮不足が生じ、競争力低下や企業成長の阻害により業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 気候変動への対応遅れ
    脱炭素社会への移行に伴う炭素税や排出権取引制度の導入によるコスト増加、投資対象からの除外、資金調達の困難化などのリスクがあります。気候変動への適切な対応が遅れた場合、これらの影響により業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 大規模災害・感染症
    大規模な自然災害や感染症の流行により、従業員や施設・設備が甚大な被害を受けるリスクがあります。これにより、事業活動の停滞による製品供給への支障や、設備修復にかかる多大なコスト負担が発生し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,444 文字
3【事業等のリスク】[基本的な考え方]企業を取り巻くリスクが増大かつ多様化する中、製品・サービスを安定的に供給し、事業の継続に努めることは、当社グループの社会的責務であると認識しております。その責務を全うするには、リスクを正しく認識して可能な限り低減すると共に、万が一発生した際には損失を最小限にとどめることが重要です。事業計画達成を阻害する経営リスクを未然に防ぐ「リスク管理体制」と不測の事態に対処する「危機管理体制」により、能動的かつ機動的なリスクマネジメントを行っております。 [体制]当社グループのリスク管理については、通常の業務執行におけるリスクの顕在化を防ぐため、各部門が日常的なマネジメントを行っております。全社の推進体制については、取締役の監督のもと、TOMOWEL-ERM事務局が中心となり、「内部統制委員会」「品質保証委員会」「製品安全委員会」「情報セキュリティ委員会」「環境委員会」などの担当執行役員を委員長とする専門委員会と連携して課題解決に努めております。不測の事態が発生した場合は「危機管理委員会」が中心となって情報を管理・共有し、関連部門と連携して対応にあたります。代表的な危機局面における対応フローをまとめた「危機管理マニュアル」を策定し、事業環境の変化に応じた見直しを随時行いながら有事に備えております。 <リスク管理体制図> [リスク]当社グループの経営目標実現及び財政状況に影響を及ぼす度合いと現在の対応状況を踏まえてリスクを洗い出し、重要度の高い項目を絞り込んで、「重大リスク」と定めました。当社グループの重大リスクは以下のとおりです。いずれも関係部署が密接に連携して管理し、対応状況をTOMOWEL-ERM事務局を通じて取締役会へ定期的に報告することとしております。重大リスクのうち、中長期的な側面も含めて課題への対応と改善の必要性がより高く、一層の注意が当面必要と判断したリスクについては、主管部署を定めて重点的に管理しております。なお、これらのリスクは当社グループに発生し得る全リスクを網羅したものではなく、文中の将来に関する事項は本書提出日現在において入手可能な情報に基づいて判断したものです。 (1)当面の注意を要するリスク① 人材基盤 当社グループは、価値創造人材を確保及び強化する仕組みと環境の整備に努めております。しかし、少子化や雇用環境の変化等で労働力の確保が年々困難さを増す中、事業環境に即した多様な人材の確保・育成・定着が図れなかった場合は、必要な人材リソースの不足や人材の能力発揮不足による競争力低下などで企業成長が阻害され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 気候変動 当社グループは、「第2 事業の概況 2サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候変動への対応」に記載のとおり、複数の気候変動シナリオに柔軟に対応できるレジリエントな経営体制の構築を進めております。しかし、気候変動に伴う脱炭素社会への移行リスクへ適切に対応できなかった場合は、炭素税や排出権取引制度の導入によるコストの増加、投資対象からの除外と株価下落、資金調達の困難化などの影響を受け、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、気候変動による大規模自然災害の発生などの物理リスクについては、「③災害・パンデミック」においてリスク認識をしております。 ③ 災害・パンデミック 当社グループでは、BCP基本方針を定めると共に、データ処理事業を対象とした「事業継続マネジメントシステム(ISO22301)」の認証取得や協力工場等と連携した生産協力体制による事業継続体制の整備、建物や製造設備に対する防火・耐震対策を実施しております。こうした対策で危機の事前回避と有事における対応力強化を図り、経営への影響を最小限にとどめるよう努めております。しかし、大規模自然災害の発生や感染症の流行等で従業員や施設・設備等が予想を超える被害を受けた場合、事業活動停滞による製品供給への支障、設備等の修復にかかる多大なコスト負担などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 法的規制・コンプライアンス 当社グループは事業を行う上で、環境法、下請法、製造物責任法、独占禁止法等、さまざまな法的規制の適用を受けております。従業員教育や内部監査等を通じた法令順守の徹底と企業風土への定着、内部通報窓口の適正運用によるモニタリング体制の確保、コンプライアンス・リスクの全社統合的管理に努めておりますが、規制の改廃や新設、適用基準等の変更があった場合や、ガバナンス体制の形骸化等で法的規制に抵触する事態が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)その他のリスク① 事業環境 当社グループは、情報系事業においてはコンテンツやソリューションを中心としたビジネスへのシフト、生活・産業資材系事業においては環境に配慮した製品及び高機能包材等の開発強化を進め、既存事業の収益性改善に向けた構造変革と新規事業領域の探索に努めております。しかし、デジタル化や少子化、技術革新、消費行動の変化等の環境変化が想定を上回るスピードで進展し、当社グループの対応が大きく遅れた場合は、事業規模の縮小や競争力の低下など業績に影響を及ぼす可能性があります。また、各国の通商政策の変化により取引先の事業戦略等に大きな変化が生じた場合についても、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 情報セキュリティ 当社グループは、プライバシーマークや情報セキュリティマネジメントシステム(ISO27001)などの外部認証の維持と運用徹底を通じて個人情報や機密情報を安全かつ正確に管理すると共に、危機管理委員会の下部組織である「TOMOWEL-CSIRT」を中心に、不正アクセスや情報の紛失・改ざん、漏洩などへの予防対策を講じて情報セキュリティにおける管理レベル向上と対応力強化へ恒常的に取り組んでおります。しかしながら、サイバー攻撃などを含む意図的、又は過失による情報の紛失・改ざん及び漏洩が万が一生じた場合には、当社グループに対する信用低下や事後対応などのコスト増加により、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 原材料の調達 当社グループの事業を維持するためには、サプライチェーンマネジメントの強化と原材料の安定的な調達による製品供給の安定化が必要です。サプライヤーとのパートナーシップをより強め、協働・共創して社会課題の解決をめざすために、従来のCSR調達を「サステナブル調達」とし、新たに策定した「グループ調達基本方針」及び「グループサステナブル調達基準」に基づく取り組みを推進しております。しかし、調達競争の激化で主要原材料の価格が高騰し、コスト削減や販売価格への適正な転嫁が不十分な場合や、社会課題・災害等によるサプライチェーンの停滞で調達遅延が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。④ 人権 当社グループは「すべての事業活動は人の上に成り立つ」という考え方のもと、各種国際規範を支持し、関わるすべての従業員、顧客、取引先の人権を尊重することで、企業の果たすべき責任を担っていくことを基本的な考え方としております。「グループ人権方針」に基づき人権デューデリジェンスや救済窓口の整備を推進し、人権マネジメント体制の整備に努めておりますが、当社グループ及びサプライチェーンにおいて、差別や過剰・不当な労働、ハラスメントなどの問題が生じた場合、労働環境悪化による健康被害、人権侵害の事実発覚による取引停止などで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 製品品質 当社グループは「グループ品質方針」のもと、製造物責任及び製品安全(PL)に関する全社施策や製品含有化学物質情報伝達スキーム「chemSHERPA」に準じた製品含有化学物質の管理を、製品安全委員会を中心とした製品安全推進体制のもとで推進しております。ISO9001など製品安全や品質に関する各種外部認証を取得し、徹底した品質管理下で製品を製造しておりますが、設計上あるいは製造工程上の不備によって製品・サービスに欠陥が生じた場合、損害賠償や売上の低下により当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。

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