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ノーリツ鋼機(7744)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

精密機器 電機・精密

事業の概要

  • 企業理念とミッション: ノーリツ鋼機グループは、「お客様に信頼され支持される商品とサービスの提供」を企業理念に掲げ、「社会と人々に豊かさを」というミッションを追求しています。これは、単に製品を売るだけでなく、顧客や社会全体の生活を豊かにすることを目指すという、同社の事業活動の根本的な考え方を示しています。この理念とミッションが、すべての事業活動の指針となっています。
  • 主力事業の構成: 同社の主な事業は、グローバルに通用する高い技術を活かした「ものづくり(部品・材料)事業」と「ものづくり(音響機器関連)事業」の2つです。部品・材料事業ではペン先部材やコスメ部材などを、音響機器関連事業では音響機器の研究開発・設計・販売を行っており、これらが同社の収益の柱となっています。異なる分野の「ものづくり」を通じて収益を上げています。
  • 特定上場会社等への該当: ノーリツ鋼機は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当します。これにより、インサイダー取引規制における重要事実の軽微基準の判断が、連結ベースの数値に基づいて行われることになります。これは、同社の情報開示や市場における透明性に関する重要な側面であり、投資家にとっての信頼性にも関わる点です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • ものづくり(部品・材料)事業: このセグメントでは、ペン先部材、コスメ部材、金属部材などの研究開発、生産、販売を行っています。テイボー株式会社や浜松メタルワークス株式会社などが主要な関係会社であり、精密な部品製造技術を活かして、様々な産業分野に貢献しています。2026年2月にはセンクシア株式会社を連結子会社化し、この事業の強化を図っています。
  • ものづくり(音響機器関連)事業: このセグメントでは、音響機器の研究開発、設計、販売、およびサービスの提供を行っています。AlphaTheta株式会社やPEAG, LLC dba JLabなどが主要な関係会社であり、DJ機器やヘッドホンなどの音響製品を通じて、世界中の音楽愛好家やプロフェッショナルに製品を提供しています。グローバルに展開し、音響分野での存在感を高めています。
  • 事業セグメントの全体像: ノーリツ鋼機グループは、「ものづくり」という共通のテーマのもと、部品・材料と音響機器という異なる二つの分野で事業を展開しています。これにより、技術的なシナジーを追求しつつ、異なる市場リスクを分散するポートフォリオを構築していると考えられます。各セグメントがそれぞれの専門性を活かし、グループ全体の成長を牽引しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|850 文字
3【事業の内容】 「お客様に信頼され支持される商品とサービスの提供」を企業理念とし、ミッションを「社会と人々に豊かさを」、ビジョンを「No.1/Only1を創造し続ける事業グループ」と定め、それらを目指し事業活動を行っております。 当社グループは、グローバルに通用する高い技術を活用したものづくり(部品・材料)事業、ものづくり(音響機器関連)事業を主な事業として営んでおります。 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 当該事業におけるセグメントとの関連は、次のとおりであります。 (1) ものづくり(部品・材料) ペン先部材・コスメ部材・金属部材等の研究開発・生産・販売を実施しております。 主要な関係会社の名称は、以下のとおりであります。   テイボー株式会社  浜松メタルワークス株式会社  株式会社soliton corporation (2) ものづくり(音響機器関連) 音響機器の研究開発・設計・販売、サービスの提供を実施しております。 主要な関係会社の名称は、以下のとおりであります。   AlphaTheta株式会社  AlphaTheta EMEA Limited  AlphaTheta Music Americas, Inc.  AlphaTheta (Shanghai) CO., Ltd.  AlphaTheta SG PTE.LTD.  AlphaTheta Technology Vietnam CO.,Ltd.  PEAG, LLC dba JLab  JLab Japan株式会社  以上述べた事業の概要図は次のとおりとなっております。 (注)2026年2月2日に、センクシア株式会社の株式を取得し、連結子会社といたしました。「ものづくり」セグメントにおいて、部品・材料事業を担います。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
グローバルに通用する高い技術を活用したものづくり(部品・材料)事業、ものづくり(音響機器関連)事業。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:為替変動による財政状態及び経営成績への影響 / カントリーリスクによる財政状態及び経営成績への影響 / 取引先の与信リスクによる財政状態及び経営成績への影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ノーリツ鋼機は、半導体製造装置分野で長年の実績と一定の技術的ノウハウを有するが、特許やブランド力で圧倒的な優位性を持つ競合他社と比較すると、無形資産による競争優位性は限定的である。特定のニッチ分野での技術蓄積は存在するものの、それが広範な市場で独占的な地位を築くほどではない。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

半導体製造装置は、導入・保守に多額のコストと専門知識が必要であり、顧客企業が装置メーカーを頻繁に変更することは考えにくい。しかし、装置の性能や信頼性が最重要視されるため、他社製品への乗り換え障壁は、例えばソフトウェアのように顧客の業務プロセスに深く組み込まれている場合に比べて低い可能性がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ノーリツ鋼機の事業は、特定の顧客との個別契約に基づいており、プラットフォーム型ビジネスのようなネットワーク効果が発生する構造ではない。ユーザーが増えることで製品やサービスの価値が向上するようなビジネスモデルではないため、ネットワーク効果は期待できない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

精密機器製造においては、一定の生産効率やサプライチェーン管理が重要となるが、ノーリツ鋼機が他社に対して構造的に大幅なコスト優位性を確立しているという明確な証拠はない。為替変動や原材料価格の動向に影響を受けやすく、コストリーダーシップを維持することは容易ではない。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

半導体製造装置市場は、一部の大手企業が市場シェアの大半を占める寡占市場の傾向がある。ノーリツ鋼機は、この市場において一定の規模を持つプレイヤーではあるが、市場全体を支配するような規模の経済性を享受しているとは言えず、効率規模による優位性は限定的である。

  • 戦略的な事業ポートフォリオ: ノーリツ鋼機は、ペン先部材やコスメ部材などの精密部品から、音響機器の研究開発・設計・販売まで、多岐にわたる「ものづくり」事業を展開しています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、安定した収益基盤を構築している可能性があります。異なる技術分野での専門性を活かし、幅広い顧客ニーズに対応できる点が強みと考えられます。
  • グローバルな事業展開: 同社は、海外売上収益が連結売上収益の90%以上を占めるなど、非常にグローバルな事業展開を行っています。特に音響機器関連事業では、AlphaTheta社やJLab社といった海外子会社を通じて、世界中の市場に製品とサービスを提供しています。これにより、特定の地域に依存しない収益構造を確立し、世界経済の成長を取り込むことが可能となっています。
  • 高い技術力と研究開発: 「グローバルに通用する高い技術を活用したものづくり」を掲げていることから、同社は特定の技術分野において高い専門性と競争力を持っていると推測されます。部品・材料事業における精密な部材開発や、音響機器関連事業における先進的な研究開発は、他社との差別化要因となり、持続的な成長を支える基盤となっていると考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は有価証券報告書提出日(2026年3月19日)現在における、当社グループの将来に関する見通し及び計画等に基づいた将来予測です。これらの将来予測には、リスクや不確定な要素などの要因が含まれており、実際の成果や業績などは記載の見通しと異なる可能性があります。 (1) 企業理念及び目指す企業像 当社は、変化し続ける時代において、世の中から広く求められ社会の基盤となるような事業の創造を目指しております。Mission 存在意義 社会と人々に豊かさをVision  将来の姿 No.1/Only1を創造し続ける事業グループValue  行動指針 時代のニーズを掴み、一歩先を考える生活を豊かにする商品/サービスを追求する成長性と革新性を尊重し、チャレンジを応援する  当社グループは、コア事業を「ものづくり(部品・材料)」「ものづくり(音響機器関連)」と定め、「No.1/Only1を創造し続ける事業グループ」という事業ビジョンに基づき、収益力を高め成長分野へ適切な投資を行い、以下の基本戦略に沿って中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。  [グループ経営の基本戦略]・コア事業である「ものづくり」事業のシェアと収益力の向上・非連続的成長に向けたデジタル技術の事業領域横断的な活用・成長投資財務体質強化を両立させるリスクコントロール  [ものづくり分野の事業における課題]・素材開発技術を用いたペン先部材・コスメ部材・金属部材等の収益力拡大の継続・音楽・エンターテイメント向け音響機器事業の収益力拡大・研究開発やアライアンスによる保有技術の新分野への展開  [中期経営計画 FY30のアップデート]① 中期経営計画 FY30について 経営を取り巻く環境の変化を鑑み、方針を3つに分類し、設定いたしました。  既存事業の方針については、CAGR10%以上を目標としました。オーガニック成長の極大化に挑戦する一方、グループ事業各々が特定の市場でのトップ・リーダー企業である中、また、外部環境を踏まえても、安定的な供給体制の確保は非常に重要なテーマであり、サプライチェーンの強化に向け、投資を実行してまいります。加えて、周辺事業に関連するM&Aにも注力し、成長率目標の達成に邁進いたします。 財務方針については、ROE10%以上とする目標を掲げました。中期経営計画 FY25の期間における振り返りも踏まえ、足元の水準からはハードルは高いものの、期待される水準に引き上げるため、新領域へのM&Aによるリターンと株主還元の強化により、達成を目指してまいります。 全社方針については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりでありますが、中期経営計画を構成するものとして、グループをあげて取り組んでまいります。 ② 2025年12月期の結果 サマリは以下のとおりであります。  ・売上収益及び営業利益は、音響機器関連事業の成長により増収増益 ・親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に計上した株式売却益の反動により減益 ・個社別では、テイボーグループは減収減益、AlphaTheta及びJLabは増収増益 ・ROEは、6.9%と、非継続事業を除くと成長 ・配当は、年間の配当性向:50%/総還元性向:63% ・NetDebtは、△85,361百万円と、NetCashで着地 ③ 財務方針に掲げた、次なるコア事業=新領域のM&Aについて 「既存事業のオーガニック成長に加え、周辺事業及び新領域へのM&Aによる非連続な成長」の具体的打ち手として、年度を通じ様々な事業についてソーシングを実施してまいりました。その結果、2026年2月2日に公表のとおり、センクシア株式会社(以下「センクシア」という。)の全ての株式について、取得を完了しております。 センクシアは、売上高354億円、調整後EBITDA92億円、EBITDAマージン26%と高い収益性を誇る企業グループです。企業価値は約800億円と算定(EBITDAマルチプル8.7倍)しております。株式取得後ではNet Debt / 事業EBITDA倍率は0.1と試算しておりますが、中計FY30の方針である3.0以下の水準で財務健全性を維持する予定です。 センクシアのグループ参画は、新たな成長の柱を構築する「新領域」への投資であるとともに、当社「部品・材料」セグメント強化のための投資と位置づけております。グループ全体の成長を加速させるとともに、中計FY30における重要指標であるROE(自己資本利益率)等の向上を実現し、持続的かつ安定的な株主還元の強化につなげてまいります。 (2) 経営環境 当社グループはポートフォリオ経営を実施しているため、経営環境は事業セグメントにより異なります。セグメントごとの経営環境は以下のとおりです。 トランプ関税、継続するロシア・ウクライナ危機など、地政学リスクが世界経済情勢に影響を及ぼすなど、先行きを見通すことが困難な状況が継続しております。 このような状況下、ものづくり(部品・材料)分野においては、テイボー事業は緩やかではあるものの、需要が回復基調であると見込んでおります。浜松メタルワークス(MIM)事業は、新規開拓が進み、引き続き成長すると見込んでおりますが、原材料、燃料費の高騰に加え、売上拡大のため難易度の高い製造に挑戦している時期であり、歩留まりが改善するまではマージンの改善は限定的であります。また、新たにグループに加わったセンクシアは、2026年2月より連結対象に入ることにより、増収増益要因となります。 ものづくり(音響機器関連)分野においては、AlphaThetaについては、主力の欧米を中心に通年で堅調な需要が見込まれており、安定的に成長するものと見込んでおります。一方、新工場の稼働に伴う立ち上げコストや、成長戦略に沿った人件費や開発コストを適切に投資するため、売上収益の伸長によるスケールメリットはあるものの、EBITDAマージンはほぼ横ばいとなる見込みであります。JLabについては、米国において、2025年11月下旬より関税コード変更により主要製品のワイヤレスイヤホン等が相互関税の適用対象となりましたが、競争環境に変化はなく、価格転嫁により吸収し、堅調に推移する見込みであります。米国以外へのアプローチについては、新たな地域及び国への展開が進み、継続して成長できる見通しであります。売上の拡大に伴い、粗利率は引き続き良化するものと見込んでおりますが、事業EBITDAマージンについては、引き続きブランド認知拡大のためのマーケティング投資を継続して実行する計画であり、低下することを見込んでおります。 (3) 経営目標 「中期経営計画 FY30」の定量目標は、以下のとおりであります。 (事業EBITDA=営業利益±営業取引から発生した為替差損益±その他の営業収益・費用+減価償却費及び償却費(使用権資産の減価償却費を除く))  株主還元方針については、総還元性向50%以上を目標といたします。配当については、従来の配当性向に加えDOE目標も導入し、継続的かつ安定的な配当を目指します。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は有価証券報告書提出日(2026年3月19日)現在における、当社グループの将来に関する見通し及び計画等に基づいた将来予測です。これらの将来予測には、リスクや不確定な要素などの要因が含まれており、実際の成果や業績などは記載の見通しと異なる可能性があります。 (1) 企業理念及び目指す企業像 当社は、変化し続ける時代において、世の中から広く求められ社会の基盤となるような事業の創造を目指しております。Mission 存在意義 社会と人々に豊かさをVision  将来の姿 No.1/Only1を創造し続ける事業グループValue  行動指針 時代のニーズを掴み、一歩先を考える生活を豊かにする商品/サービスを追求する成長性と革新性を尊重し、チャレンジを応援する  当社グループは、コア事業を「ものづくり(部品・材料)」「ものづくり(音響機器関連)」と定め、「No.1/Only1を創造し続ける事業グループ」という事業ビジョンに基づき、収益力を高め成長分野へ適切な投資を行い、以下の基本戦略に沿って中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。  [グループ経営の基本戦略]・コア事業である「ものづくり」事業のシェアと収益力の向上・非連続的成長に向けたデジタル技術の事業領域横断的な活用・成長投資財務体質強化を両立させるリスクコントロール  [ものづくり分野の事業における課題]・素材開発技術を用いたペン先部材・コスメ部材・金属部材等の収益力拡大の継続・音楽・エンターテイメント向け音響機器事業の収益力拡大・研究開発やアライアンスによる保有技術の新分野への展開  [中期経営計画 FY30のアップデート]① 中期経営計画 FY30について 経営を取り巻く環境の変化を鑑み、方針を3つに分類し、設定いたしました。  既存事業の方針については、CAGR10%以上を目標としました。オーガニック成長の極大化に挑戦する一方、グループ事業各々が特定の市場でのトップ・リーダー企業である中、また、外部環境を踏まえても、安定的な供給体制の確保は非常に重要なテーマであり、サプライチェーンの強化に向け、投資を実行してまいります。加えて、周辺事業に関連するM&Aにも注力し、成長率目標の達成に邁進いたします。 財務方針については、ROE10%以上とする目標を掲げました。中期経営計画 FY25の期間における振り返りも踏まえ、足元の水準からはハードルは高いものの、期待される水準に引き上げるため、新領域へのM&Aによるリターンと株主還元の強化により、達成を目指してまいります。 全社方針については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりでありますが、中期経営計画を構成するものとして、グループをあげて取り組んでまいります。 ② 2025年12月期の結果 サマリは以下のとおりであります。  ・売上収益及び営業利益は、音響機器関連事業の成長により増収増益 ・親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に計上した株式売却益の反動により減益 ・個社別では、テイボーグループは減収減益、AlphaTheta及びJLabは増収増益 ・ROEは、6.9%と、非継続事業を除くと成長 ・配当は、年間の配当性向:50%/総還元性向:63% ・NetDebtは、△85,361百万円と、NetCashで着地 ③ 財務方針に掲げた、次なるコア事業=新領域のM&Aについて 「既存事業のオーガニック成長に加え、周辺事業及び新領域へのM&Aによる非連続な成長」の具体的打ち手として、年度を通じ様々な事業についてソーシングを実施してまいりました。その結果、2026年2月2日に公表のとおり、センクシア株式会社(以下「センクシア」という。)の全ての株式について、取得を完了しております。 センクシアは、売上高354億円、調整後EBITDA92億円、EBITDAマージン26%と高い収益性を誇る企業グループです。企業価値は約800億円と算定(EBITDAマルチプル8.7倍)しております。株式取得後ではNet Debt / 事業EBITDA倍率は0.1と試算しておりますが、中計FY30の方針である3.0以下の水準で財務健全性を維持する予定です。 センクシアのグループ参画は、新たな成長の柱を構築する「新領域」への投資であるとともに、当社「部品・材料」セグメント強化のための投資と位置づけております。グループ全体の成長を加速させるとともに、中計FY30における重要指標であるROE(自己資本利益率)等の向上を実現し、持続的かつ安定的な株主還元の強化につなげてまいります。 (2) 経営環境 当社グループはポートフォリオ経営を実施しているため、経営環境は事業セグメントにより異なります。セグメントごとの経営環境は以下のとおりです。 トランプ関税、継続するロシア・ウクライナ危機など、地政学リスクが世界経済情勢に影響を及ぼすなど、先行きを見通すことが困難な状況が継続しております。 このような状況下、ものづくり(部品・材料)分野においては、テイボー事業は緩やかではあるものの、需要が回復基調であると見込んでおります。浜松メタルワークス(MIM)事業は、新規開拓が進み、引き続き成長すると見込んでおりますが、原材料、燃料費の高騰に加え、売上拡大のため難易度の高い製造に挑戦している時期であり、歩留まりが改善するまではマージンの改善は限定的であります。また、新たにグループに加わったセンクシアは、2026年2月より連結対象に入ることにより、増収増益要因となります。 ものづくり(音響機器関連)分野においては、AlphaThetaについては、主力の欧米を中心に通年で堅調な需要が見込まれており、安定的に成長するものと見込んでおります。一方、新工場の稼働に伴う立ち上げコストや、成長戦略に沿った人件費や開発コストを適切に投資するため、売上収益の伸長によるスケールメリットはあるものの、EBITDAマージンはほぼ横ばいとなる見込みであります。JLabについては、米国において、2025年11月下旬より関税コード変更により主要製品のワイヤレスイヤホン等が相互関税の適用対象となりましたが、競争環境に変化はなく、価格転嫁により吸収し、堅調に推移する見込みであります。米国以外へのアプローチについては、新たな地域及び国への展開が進み、継続して成長できる見通しであります。売上の拡大に伴い、粗利率は引き続き良化するものと見込んでおりますが、事業EBITDAマージンについては、引き続きブランド認知拡大のためのマーケティング投資を継続して実行する計画であり、低下することを見込んでおります。 (3) 経営目標 「中期経営計画 FY30」の定量目標は、以下のとおりであります。 (事業EBITDA=営業利益±営業取引から発生した為替差損益±その他の営業収益・費用+減価償却費及び償却費(使用権資産の減価償却費を除く))  株主還元方針については、総還元性向50%以上を目標といたします。配当については、従来の配当性向に加えDOE目標も導入し、継続的かつ安定的な配当を目指します。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当社グループは、資本市場における財務諸表の国際的な比較可能性の向上及びグループ内での会計処理の統一等を目的とし、2016年3月期から従来の日本基準に替えてIFRS会計基準を任意適用し、連結財務諸表を作成し開示しております。 (1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況(単位:百万円) 前連結会計年度(2024年12月31日) 当連結会計年度(2025年12月31日) 対前連結会計年度増減率(%)資産合計299,368 301,798 0.8 流動資産135,122 141,928 5.0 非流動資産164,245 159,870 △2.7負債合計76,408 73,208 △4.2 流動負債37,798 39,220 3.8 非流動負債38,610 33,987 △12.0資本合計222,960 228,590 2.5 親会社の所有者に帰属する持分222,246 228,473 2.8 非支配持分713 116 △83.6 (資産、負債及び資本の状況) 当連結会計年度末の資産合計は3,017億98百万円となり、前連結会計年度末と比較して24億30百万円増加いたしました。科目別の詳細は以下のとおりであります。  流動資産は、68億5百万円の増加となりました。これは主に現金及び現金同等物が45億42百万円増加したことによるものであります。 非流動資産は、43億75百万円の減少となりました。これは主に無形資産が29億8百万円、その他の金融資産が26億93百万円減少したことによるものであります。  負債合計は31億99百万円の減少となりました。これは主にその他の流動負債が22億60百万円増加し、仕入債務及びその他の債務が21億19百万円、借入金(流動・非流動)が44億8百万円減少したことによるものであります。  資本合計は、56億29百万円の増加となりました。これは主に配当金の支払82億78百万円、自己株式の取得20億21百万円があったものの、親会社の所有者に帰属する当期利益156億39百万円を計上したことによるものであります。  資本の財源及び資金の流動性に関しては以下のとおりであります。 当社グループでは、純有利子負債EBITDA倍率が3倍を超過しない範囲を目安として調達をコントロールしております。 2026年12月期に計画している主な設備投資は、ものづくり(部品・材料)セグメントにおける生産設備の新設・更新と、ものづくり(音響機器関連)セグメントにおける自社工場稼働に係る生産設備等であります。その他、提出日現在、大規模な投資計画については予定しておりません。 なお、予期せぬリスクが顕在化した場合、短期的にも一定の影響を受ける可能性があるため、その対策として、当社グループは手元現預金を一定の水準で保っており、親子間の融資を機動的に実施できる体制にしております。さらに当社及び一部の連結子会社は取引金融機関との間で短期借入枠を設定し、外部からの資金調達も可能な状態としております。当連結会計年度末の現金及び現金同等物のアロケーション及び借入枠の未使用残高は以下のとおりであります。(国内会社保有分)    81,754百万円(海外子会社保有分)   15,645(借入枠の未使用残高)  24,141  当連結会計年度における事業の状況は、以下のとおりであります。(単位:百万円) 前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日) 当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日) 前年同期比売上収益106,539 119,223 12,684( 11.9%)事業EBITDA(注)124,283 25,726 1,442( 5.9%)営業利益(注)219,971 20,815 843( 4.2%)税引前当期利益20,437 21,949 1,512( 7.4%)親会社の所有者に帰属する当期利益16,120 15,639 △481(△3.0%)基本的1株当たり当期利益(円)(注)3150.54 146.95 △3.59(△2.4%)(注)1 事業EBITDA=営業利益±営業取引から発生した為替差損益±その他の営業収益・費用+減価償却費及び償却費(使用権資産の減価償却費を除く)2 当連結会計年度よりIFRS第18号を早期適用しており、前連結会計年度の関連する数値については、当該会計方針の変更を反映した遡及修正後の数値を記載しております。3 2025年7月1日付で1株につき3株の割合で株式分割を行いましたが、前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、基本的1株当たり当期利益を算定しております。 (売上収益) 「音響機器関連」事業においては、AlphaTheta株式会社(以下「ATC」という。)、PEAG, LLC dba JLab(以下「JLab」という。)ともに、順調に伸長いたしました。新製品のローンチや、ブランド認知戦略が奏功した結果、販売が拡大し、増収となりました。「部品・材料」事業においては、MIM事業は伸長いたしましたが、ペン先顧客の生産調整の影響を受け、前年同期に達しない結果となりました。以上により、連結では、売上収益は1,192億23百万円(前年同期比11.9%増)となりました。 (事業EBITDA) 上記のとおり売上収益は前年同期比11.9%増と増収となりましたが、研究開発費や体制強化などの先行投資は計画通りに行っており、事業EBITDAは257億26百万円(前年同期比5.9%増)となりました。 (営業利益) 事業EBITDAの伸長に伴い、営業利益は208億15百万円(前年同期比4.2%増)となりました。 (親会社の所有者に帰属する当期利益) 前連結会計年度における株式会社プリメディカの株式譲渡に伴う非継続事業からの当期利益の影響を受けるも、主に事業の伸長により、親会社の所有者に帰属する当期利益は156億39百万円(前年同期比3.0%減)となりました。  セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。 各セグメント別の売上収益は外部顧客への売上収益を記載しており、また、セグメント利益を表す事業EBITDAは営業利益±営業取引から発生した為替差損益±その他の営業収益・費用+減価償却費及び償却費(使用権資産の減価償却費を除く)の計算式で算出しております。(単位:百万円) 前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日) 当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日) 前年同期比売上収益 事業EBITDA 事業EBITDAマージン(%) 売上収益 事業EBITDA 事業EBITDAマージン(%) 売上収益 事業EBITDA 事業EBITDAマージン(pt)ものづくり部品・材料11,975 3,270 27.3 11,744 2,778 23.7 △230 △491 △3.7 音響機器関連94,564 22,024 23.3 107,478 24,166 22.5 12,914 2,142 △0.8 合計106,539 25,294 23.7 119,223 26,945 22.6 12,684 1,650 △1.1全社費用 - △1,010 - - △1,218 - - △207 - a.ものづくり(部品・材料) 部品・材料事業の筆記カテゴリについては、国内顧客の生産調整の影響を受け、またコスメカテゴリにおいては、主に中国の需要の停滞の影響を受けました。MIMカテゴリにおいては、主として輸送機器部品が順調に伸びましたが、ペン先カテゴリの減収を補うには至らず、トータルでは前年同期を下回り着地いたしました。引き続き原価低減には取り組んでおりますが、材料費の高騰等により、売上収益は117億44百万円(前年同期比1.9%減)、事業EBITDAは27億78百万円(前年同期比15.0%減)と前年同期と比べ4億91百万円の減益となりました。 b.ものづくり(音響機器関連) 音響機器関連事業においては、ATCは前年同期における一過性の増収があったものの、プロ向けに加えてエントリー向けの製品の出荷が伸び、順調に伸長しました。JLabにおいては、米国外での販路の拡大や製品カテゴリの拡充、ECでの販売が伸長し、増収となりました。増収による利益の伸長はありますが、計画していた研究開発や設備投資、マーケティングコスト等の先行投資を実行しており、売上収益は1,074億78百万円(前年同期比13.7%増)、事業EBITDAは241億66百万円(前年同期比9.7%増)と前年同期と比べ21億42百万円の増益となりました。 ② キャッシュ・フローの状況(単位:百万円) 前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日) 当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)営業活動によるキャッシュ・フロー31,944 19,948投資活動によるキャッシュ・フロー1,051 △43財務活動によるキャッシュ・フロー△12,190 △15,886現金及び現金同等物の為替変動による影響額1,861 524現金及び現金同等物の増減額(△は減少)22,666 4,542現金及び現金同等物の期末残高92,856 97,399  当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ45億42百万円増加し、973億99百万円となりました。 なお、当連結会計年度よりIFRS第18号及びIFRS第18号の適用に伴うIAS第7号の改正を早期適用しており、前連結会計年度の関連する数値については、当該会計方針の変更を反映した遡及修正後の数値を記載しております。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは199億48百万円の資金の増加となりました。 表示科目単位での資金の増加の主な要因は、営業利益208億15百万円、減価償却費及び償却費59億8百万円となっております。資金の減少の主な要因は、法人所得税費用の支払額56億43百万円となっております。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは43百万円の資金の減少となりました。 表示科目単位での資金の増加の主な要因は、その他の金融資産の売却及び償還による収入71億28百万円となっております。資金の減少の主な要因は、有形固定資産の取得による支出18億50百万円、無形資産の取得による支出10億65百万円、その他の金融資産の取得による支出55億86百万円となっております。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは158億86百万円の資金の減少となりました。 表示科目単位での資金の減少の主な要因は、長期借入金の返済による支出45億20百万円、配当金の支払額82億78百万円、自己株式の取得による支出20億31百万円となっております。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。(単位:百万円)セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)前年同期比(%)ものづくり(部品・材料)11,842△0.4合計11,842△0.4(注)1 金額は標準的販売価格にて算出しております。2 上記には非継続事業からの実績は含んでおりません。 b.仕入実績 ものづくり(音響機器関連)セグメントにおいては、ファブレス経営を実施しております。 製造委託の仕入実績は、次のとおりであります。(単位:百万円)セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)前年同期比(%)ものづくり(音響機器関連)42,1772.9合計42,1772.9 c.受注実績 当社グループは、受注生産方式の該当事項はありません。 d.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。(単位:百万円)セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)前年同期比(%)ものづくり(部品・材料)11,744△1.9ものづくり(音響機器関連)107,47813.7合計119,22311.9(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 総販売実績に対する割合が10%を超える相手先はありません。3 上記には非継続事業からの実績は含んでおりません。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループは、「No.1/Only1を創造し続ける事業グループ」を目指し、事業活動を行っております。当連結会計年度においても、コア事業である「ものづくり」事業の収益力・組織力の強化に集中的に取り組んでまいりました。具体的には、「部品・材料」セグメントを営むテイボー、「音響機器関連」セグメントを営むAlphaTheta及びJLabそれぞれの基盤事業の収益力・キャッシュ創出力の向上を図ってまいりました。当社グループは収益力・成長分野への投資実効性の指標として、事業EBITDAを重要な管理指標として結果を分析、評価しております。その詳細は「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。2025年2月に公表した「中期経営計画 FY30」に基づき、2030年度までの経営目標達成に向けて各種施策を展開してまいります。詳細については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営目標」をご参照ください。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループは、「中期経営計画 FY30」において、財務方針としてROE10%の達成を目標といたしました。次なるコア事業の獲得によるリターンと、株主還元の強化の二軸で目標達成に向けて活動してまいります。中長期のキャピタルアロケーションと成長投資の内訳については、以下のとおりであります。  引き続き、基盤事業の収益力を高め、成長分野に適切に投資し、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」及び「2.作成の基礎 (3) 重要な会計上の見積り及び判断の利用」に記載しております。

事業リスク

  • 為替変動の影響: ノーリツ鋼機グループの連結売上収益に占める海外売上収益の割合は90%以上と非常に高いため、為替レートの変動が同社の財政状態や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。例えば、円高に振れると海外での売上が円換算で減少し、利益を圧迫する可能性があります。同社は、主に本邦通貨建て取引やナチュラルヘッジで対策していますが、為替の予測は困難です。
  • カントリーリスク: 同社グループは世界中に販路を拡大しており、事業活動を行う各国の景気後退、需要縮小、予期せぬ事故、法規制の変更などが、財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。例えば、特定の国で政情不安や経済危機が発生した場合、その地域の売上が大幅に減少するリスクがあります。各事業体が日常的に取引先とコミュニケーションを取り、リスク管理を行っています。
  • 生産活動の停滞リスク: 同社グループの製品の多くは、国内工場やアジア拠点の委託先で生産されています。そのため、天災(地震、台風など)や人災(火災、事故など)により工場設備に被害が生じた場合、または電力供給問題などが発生した場合、生産活動が停止したり、著しく遅延したりする可能性があります。これにより、製品供給が滞り、売上減少や復旧費用発生により、財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|8,048 文字
3【事業等のリスク】(1) 基本的な考え方 当社グループは、リスクを事業計画の進捗を阻む可能性のあるものと捉え、経営と事業に影響を及ぼす可能性のあるリスク要因につき、それぞれのリスクの発生可能性と当社グループに対する影響度を評価したうえで、重要リスクを特定しています。特定した重要リスクについて、リスク発生要因の分析と発生防止の取り組みを推進する一方、回避できないリスクに関しては個別に検討を行い、的確な管理と影響の低減を図っています。 当社グループは、「ものづくり」分野において、事業機会創出・拡大と収益力の強化に取り組んでおります。事業計画策定及び投資にあたっては、既存分野の強化、成長分野への投資・育成、新技術や新素材の開発、市場拡大・市場創造等への取り組み等、事業セグメント毎に細かな方針・目標を設定し、その進捗管理を行っておりますが、予期せぬ事態の発生により、計画どおりに進捗しなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクにつきましては、事業計画の達成状況について定期的に分析することでモニタリングを実施し、改善を図っております。また災害時事業継続計画(BCP)等により事業環境の変化に対応する体制を整え事業継続・計画達成に努めております。 なお、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、「(3) 重要なリスク」に記載のとおりであり、文中の将来に関する事項は、特段記載のないものは有価証券報告書提出日(2026年3月19日)現在において当社グループが判断したものであります。 (2) リスクマネジメント体制 当社では、代表取締役CEOをリスク管理統括責任者とするリスク管理統括委員会を設置し、全社的な視点で各種リスク・危機に関する事案を総合的に管理しています。また、リスクが発現した場合に速やかな初動対応をとることができるよう、事業継続計画(BCP)を策定するとともに、従業員の危機管理の指針となる各種マニュアルを整備しています。さらに、グループ全体のリスク管理の高度化を図るため、グループ各社にリスク管理委員会を設置してリスク管理に関わる諸事案を審議し、対応策を講じています。  なお、リスクマネジメントの運用プロセスとしましては、年度ごとにグループ各社にてリスクの分析・評価等の見直しとその対応策の確認を行い、リスクマネジメントのPDCAを回しております。また、グループ全体としてはリスク管理統括委員会がグループ各社で抽出された重要なリスクについて審議、評価、モニタリングを実施しグループ全体のリスクマネジメントを行っております。 (3) 重要なリスク① 為替の影響について(発生可能性:大  影響度:中) 当社グループの連結売上収益に占める海外売上収益の割合は、2024年12月期91.2%、2025年12期91.5%となっております。そのため、為替の変動が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクについては非常に多種多様なファンダメンタルズに影響を受けるため、顕在化する時期について予想が困難であります。現時点では主として本邦通貨建を中心に取引を行うこと及び債権債務の通貨の組み合わせによるナチュラルヘッジを用い、当該リスクについて対策しております。リスク分析については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.金融商品 (2) 財務上のリスク管理方針 ① 為替リスク管理」をご参照ください。 ② カントリーリスクについて(発生可能性:中  影響度:中) 当社グループの事業は、世界に販路を拡大しております。当社グループが事業活動をしている様々な市場における景気後退やそれに伴う需要の縮小、あるいは海外各国における予期せぬ事故、法規制等の変更により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、海外売上規模については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.事業セグメント (5) 地域ごとの情報」をご参照ください。各事業体が日常的に取引先とコミュニケーションを行うことにより、業務フローを通じて当該リスク管理を行っております。 ③ 取引先の与信リスクについて(発生可能性:小  影響度:中) 当社グループは、新たな成長分野における事業機会を模索する中、各業域における新たな取引先の開拓を積極的に行っております。すべてのセグメントにおいて、取引先の個別与信の判断及び各業域の取引慣行等の事業ノウハウを習得しておりますが、景気後退等による不測の取引先の倒産等が発生することで、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する時期については個別事情によるところがあり予想が困難でありますが、すべての営業債権についてグループ方針に則り予想信用損失を引き当てております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.金融商品 (2) 財務上のリスク管理方針 ④ 信用リスク管理」をご参照ください。 ④ 生産活動について(発生可能性:中  影響度:大) 当社グループで生産している製品の多くは、国内の工場及びアジア拠点の委託先において生産を行っております。そのため、天災や人災等により工場設備に著しい被害が生じた場合、又は、甚大かつ広域的に発生した大震災の影響で電力需給問題等が生じた場合、生産活動に支障を来す、又は、生産活動ができなくなる可能性があることを認識しております。これらの工場における生産活動の停滞や本社工場の復旧費用等は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクについては発生の時期の予想は困難でありますが、災害時には各社の事業継続計画書に基づき適切な対応が行えるよう体制を整備しております。設備への影響の程度については、「第3 設備の状況」をご参照ください。 ⑤ サイバーリスクについて(発生可能性:小  影響度:大) 当社グループは、様々な事業活動を通じて、顧客や取引先の個人情報あるいは機密情報を入手することがあります。サイバー攻撃等の予測しない不正アクセス等により、顧客情報や当社グループの機密情報が漏洩し、また、その漏洩した情報が悪用された場合、顧客の経済的・精神的損害に対する損害賠償等が発生する可能性があります。さらに顧客情報の漏洩等が当社グループの信用低下や企業イメージの悪化につながることで、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクについては発生時期の予想は困難でありますが、当社グループでは情報セキュリティポリシーを制定し、ネットワークセキュリティの強化、監視・管理体制の強化、全従業員を対象とした情報セキュリティ教育、標的型攻撃メール訓練等の継続実施など安全性及び信頼性に万全の対策を講じるとともに、特に関連性の高い傘下のグループ会社では「プライバシーマーク」を取得する等個人情報保護に努めております。 ⑥ 特許及びその他の知的財産について(発生可能性:小  影響度:中) 当社グループが研究開発及び生産活動を行う中で様々な知的財産権にかかわる技術を使用しており、それらの知的財産権は当社グループが所有しているもの、あるいは適法に使用許諾を受けたもの等であると認識しておりますが、当社グループの認識の範囲外で第三者から知的財産権を侵害したと主張され、係争等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクにつきましては、商品開発及び設計にあたっての第三者の知的財産権調査の実施、非侵害の主張やライセンス条件等の交渉・訴訟対応に備え、経験豊富な弁護士と連携し、事案の内容に応じて適切に対応する体制を整えています。 ⑦ 企業買収について(発生可能性:中  影響度:中) 当社グループは、成長戦略実現のため、今後も積極的に企業買収を実施する予定です。企業買収にあたり、対象となる企業の資産内容や事業状況についてデューディリジェンス(適正価値精査)を実施し、事前にリスクを把握しております。しかしながら、事業環境や競合状況の変化等に伴って当社グループが期待する利益成長やシナジー効果が目論見どおりに実現できない可能性があり、また今後予期しない債務又は追加投入資金等が発生する可能性があり、これらが顕在化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクにつきましては発生時期の予想は困難でありますが、定期的なモニタリングを通じ、最重要会議体にて適宜報告・議論を行う体制をとり、リスクに備えております。また、発生の兆候が認識された際は、適切な測定手続きを通じて、適正に財務諸表に反映する体制をとっております。業務執行と監督の体制は「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」を、リスクが顕在化したときの影響額については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 11.のれん及び無形資産」をご参照ください。 ⑧ のれんについて(発生可能性:中  影響度:中) 当社グループは、企業買収に伴い発生した相当額ののれんを計上しております。当社グループは、当該のれんにつきまして、それぞれの事業価値及び事業統合による将来のシナジー効果が発揮された結果得られる将来の収益力を適切に反映したものと考えておりますが、事業環境や競合状況の変化等により期待する成果が得られない場合、減損損失が発生し、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。リスクの発生時期、対策、規模等については上記「⑦ 企業買収について」をご参照ください。 ⑨ サプライチェーンに関するリスク(発生可能性:中  影響度:大) 当社グループは生産に使用する様々な原材料・部品等を国内外の調達先から購入しております。当社グループが調達先から購入する原材料や仕入商品の価格やリードタイムは、世界的な需給動向や輸送環境の動向による影響を受けており、これらの要因が長期にわたる混乱に及んだ場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの発生時期を見積ることは困難ですが、当社グループは、代替部品の検討、製品設計や調達先の多角化、また製品への適正な価格転嫁などにより、需給動向や輸送環境の動向の変動リスクの低減に取り組んでおります。また、社会的要請により、サプライチェーン上の人権状況のチェックや、環境への配慮について、より高度な対応が求められており、調達先に対応の不備があれば、原材料や仕入商品の調達停止による当社グループの財政状態及び経営成績への影響だけでなく、社会的評価が悪影響を受ける可能性もあります。当該不備によるリスクが顕在化する時期を見積ることは困難ですが、当社グループはサステナビリティの取り組みの中で、サプライチェーン管理体制の構築を通じ、リスクの低減に向けた活動を推進しております。詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) 当社グループのサステナビリティの考え方及び取組 ④ 指標及び目標 <事業を通じた社会・人々への貢献> 環境・社会に配慮したサプライチェーン体制を整備」に記載のとおりであります。 ⑩ 気候変動に関するリスク(発生可能性:中 影響度:中) 当社グループは気候変動への対策を重要課題(マテリアリティ)の1つとして掲げ、2022年10月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明しました。TCFD提言に沿って、事業に与えるリスク・機会を把握し経営戦略へ反映させるとともに、情報開示を進め、持続可能な社会の実現と当社グループの持続的な成長を目指してまいります。気候変動が事業に与えるリスク・機会に対し当社グループのレジリエンス性の強化や新たな戦略の検討を目的として、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)が公表する「1.5℃~2℃シナリオ」と「4℃シナリオ」を用い、シナリオ分析を行いました。また、定量分析では2030年に想定される財務影響を試算しました。 1.5℃シナリオでは、脱炭素社会への移行に向けた政策や規制が強化されることにより、対応コストが増加、発生することが想定されます。 4℃シナリオでは、異常気象の激甚化や平均気温の上昇等により対応コストが増加、発生することが想定されます。 詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 気候変動への対応」に記載のとおりであります。 ⑪ 人権に関するリスク(発生可能性:小  影響度:中) 当社グループは、グローバルに事業を展開し、また、生産に使用する様々な原材料・部品等を国内外の調達先から購入しております。当社グループでは、人権尊重をすべての活動の基本原則と考え、人権尊重の取り組みをグループ全体で推進しその責務を果たすための人権方針を策定し、人権尊重の取り組みをグループ全体で推進しておりますが、当社グループ又はサプライチェーン等の取引先の事業活動が人権への負の影響を引き起こしている場合、レピュテーションの悪化による社会的信用の低下により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの発生時期の予想は困難ではありますが、当社グループの人権方針に基づき、調達ガイドラインの制定及び社内外のステークホルダーを対象とした「グループ救済窓口」を設置し、グループ全役員・従業員に対しての教育、研修、またサプライヤー等の事業に関わるビジネスパートナーへ本方針の理解と実行を促す働きかけを実施し人権尊重に努め、人権への負の影響を引き起こすリスクを回避しています。また、人権デュー・デリジェンスの仕組みの構築と継続的な実施、当社グループの調達方針に基づき人権・労働環境・安全衛生に配慮した調達活動を推進しています。万が一、人権に対する負の影響を引き起こした、又は助長したことが明らかになった場合は、適切な手段を通じて救済に取り組む方針です。詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) 当社グループのサステナビリティの考え方及び取組 ④ 指標及び目標 <事業を支える基盤の構築> 一人ひとりの多様な価値観を尊重し、すべての人材が未来志向で活躍できる職場基盤の構築」に記載のとおりであります。 ⑫ 人材に関するリスク(発生可能性:小  影響度:中) 労働力人口の減少による働き手の不足、及び人材の流動性の高まり、 キャリアに関する価値観の多様化等により、先端技術を保有する人材、希少なスキルや経験を持つ人材を含めた必要な能力を有する人材の獲得競争の激化・人材確保の環境が変化しております。このような環境下において、人材から選ばれる人的資本経営の実行がより重要であります。必要な人材の確保・維持ができない場合や有能な社員の離職転職、人材採用の遅滞等が発生した場合には、業務の停滞・遅延等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの発生時期の予想は困難ではありますが、グループ全体の重要課題として捉え、サステナビリティ委員会を中心に、課題認識に対する基本方針を制定し、グループ各社の人事部門が主管となり課題対応を行い、リスクの適切な管理と低減に努めております。詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本に関する取り組み」に記載のとおりであります。 ⑬ コンプライアンスに関するリスク(発生可能性:小  影響度:中) 当社グループは、グローバルに事業を展開し、国内外の法令、規制に準拠しております。当社グループでは、コンプライアンス基本方針を制定し、遵法経営の徹底とコンプライアンス意識向上を目的としコンプライアンス委員会を設置しておりますが、万が一予期せず当社グループが法令又は規制を遵守できなかった場合や不正、社内規程に違反した行為が行われた場合、当社グループの社会的信用やブランド価値の毀損また課徴金等によるコストの増加により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの発生時期の予想は困難ではありますが、コンプライアンス基本方針、行動規範並びに腐敗・贈収賄防止方針の下、当社グループ全体を対象としたコンプライアンス研修を年1回以上実施しコンプライアンスに対する意識の向上と定着を図り、また、コンプライアンス上の課題や再発防止策等について定期的にコンプライアンス委員会にて審議を行うなど未然防止活動を推進しております。また、法令違反やコンプライアンス等に関する事実についての社内報告体制として、内部通報制度運用規程に基づき運用を行っております。詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のとおりであります。 ⑭ 自然災害に関するリスク(発生可能性:中  影響度:大) 当社グループは、グローバルに事業を展開し、また、生産に使用する様々な原材料・部品等を国内外の調達先から購入しております。近年、世界的気候変動による大規模な台風・洪水・森林火災等の災害や日本国内での巨大地震の発生リスクが高まっています。当社グループが事業活動を展開する国や地域において、大洪水、地震等の自然災害が発生した場合には、設備の損壊、電力・水・ガス等の供給停止、公共交通機関や通信手段の停止また人的被害等により生産及び出荷の遅延・停止など事業運営に重大な支障を来たし、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクについては発生の時期の予想は困難でありますが、当社グループでは、災害・事故等の発生時の事業の継続性を確保するため事業継続計画(BCP)を策定、またその見直しを継続的に実施し、災害発生時の対応に備えた危機管理体制を整備、毎年、全従業員を対象とした防災訓練等を実施し、当該リスクに備えております。 ⑮ 法規制・規格等の変更リスク(発生可能性:中 影響度:小) 当社グループの製品である建築材料等は、建築基準法をはじめ耐震補強基準にかかる諸法令、消防法などの多岐にわたる法規制や公的規格の適用を受けています。これらの法規制や規格は、安全性や環境性能の向上、あるいは技術革新に伴い、随時改正・厳格化される可能性があります。特に大規模な地震災害の発生や社会的な安全意識の高まりを受け、耐震基準や防火基準が抜本的に見直される可能性があります。法規制や規格の変更により、既存製品の仕様変更や新たな性能評価試験の受審、生産設備の改修が必要となった場合、研究開発費や設備投資額が増大する可能性があります。当該リスクについては発生の時期の予想は困難でありますが、当社グループでは関連省庁や業界団体からの最新情報を常時収集し、法改正の動向を早期に把握する体制を整えております。また、認証の維持・管理や外部機関による評価試験を計画的に実施することで、コンプライアンスの徹底と製品の信頼性確保に努めております。さらに、法改正を先取りした高付加価値製品の開発を推進することで、規制強化を事業機会へとつなげる戦略をとっております。

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