事業の概要
- 医療機器の製造販売マニーグループは、手術用機器、眼科ナイフなどのサージカル関連製品、手術用針付縫合糸やその材料となるアイレス縫合針などのアイレス針関連製品、そして歯科用根管治療機器や歯科用回転切削機器などのデンタル関連製品の製造と販売を主な事業としています。これらの製品は、国内外の子会社と連携して製造・販売されており、医療現場のニーズに応える多様な製品ラインナップが特徴です。
- グローバルな製造・販売体制日本国内だけでなく、ベトナム、ミャンマー、ラオス、中国、インド、アメリカ、ドイツなど世界各地に子会社を展開し、製品の製造と販売を行っています。これにより、各地域の市場特性に合わせた製品供給や、効率的なグローバルサプライチェーンを構築し、世界中の医療機関へ製品を届けています。
- 多様な医療分野への貢献サージカル関連製品は外科手術全般、アイレス針関連製品は縫合手術、デンタル関連製品は歯科治療と、幅広い医療分野に貢献しています。特に、皮膚縫合器や眼科ナイフ、手術用針付縫合糸、歯科用根管治療機器など、専門性の高い医療機器を提供することで、医療の質向上と患者さんの治療に寄与しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- サージカル関連製品事業手術用機器を主軸とする事業で、皮膚縫合器、眼科ナイフ、深部縫合器、骨用のこぎり、血管ナイフ、眼科トロカール、硝子体鑷子など多岐にわたる製品を製造・販売しています。最新年度の売上高は92.74億円、営業利益は30.8億円で、グループ全体の収益に大きく貢献しています。
- アイレス針関連製品事業手術用針付縫合糸や、その材料となるアイレス縫合針、アイド縫合針の製造・販売を行う事業です。手術における縫合に不可欠な製品であり、最新年度の売上高は111.83億円、営業利益は40.02億円と、グループ内で最も高い売上と利益を上げており、稼ぎ頭となっています。
- デンタル関連製品事業歯科治療に用いられる機器や材料を提供する事業で、歯科用根管治療機器(リーマ・ファイル、NiTiファイルなど)、歯科用回転切削機器(ダイヤバー、カーバイドバーなど)、歯科用修復材などが含まれます。最新年度の売上高は95.09億円、営業利益は11.1億円で、歯科医療分野における重要な役割を担っています。
2025-08 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| SurgelRelatedProducts | 事業 | 93 | 31 | 33.2% |
| EyelessNeedleRelatedProducts | 事業 | 112 | 40 | 35.8% |
| DentalRelatedProducts | 事業 | 95 | 11 | 11.7% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の子会社)は、当社及び子会社10社により構成されており、皮膚縫合器・眼科ナイフをはじめとしたサージカル関連製品、手術用針付縫合糸・針付縫合糸の材料であるアイレス縫合針・アイド縫合針をはじめとしたアイレス針関連製品、歯科用根管治療機器・歯科用回転切削機器・歯科用修復材等をはじめとしたデンタル関連製品の製造及び販売を主たる業務としております。 当連結会計年度末現在における各製品の当社と関係会社の位置付け、並びに当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。 セグメントの名称製品名各製品の当社と関係会社の位置付け製造販売サージカル関連製品手術用機器 皮膚縫合器 眼科ナイフ 深部縫合器 骨用のこぎり 血管ナイフ 眼科トロカール 硝子体鑷子 (しょうしたいせっし)当社MANI HANOI CO., LTD.当社MANI MEDICAL HANOI CO., LTD馬尼(北京)貿易有限公司MANI MEDICAL INDIA PRIVATE LIMITEDMANI MEDICAL AMERICA, INC.アイレス針関連製品手術用針付縫合糸当社MANI HANOI CO., LTD.当社MANI MEDICAL HANOI CO., LTD馬尼(北京)貿易有限公司MANI MEDICAL AMERICA, INC.手術用針付縫合糸用針(材料) アイレス縫合針当社MANI HANOI CO., LTD.MANI YANGON LTD.当社MANI MEDICAL HANOI CO., LTD馬尼(北京)貿易有限公司手術用縫合針 アイド縫合針当社MANI HANOI CO., LTD.当社馬尼(北京)貿易有限公司デンタル関連製品歯科用根管治療機器 リーマ・ファイル NiTiファイル クレンザー ブローチ当社MANI HANOI CO., LTD.MANI YANGON LTD.MANI VIENTIANE SOLE CO., LTD.当社MANI MEDICAL HANOI CO., LTD馬尼(北京)貿易有限公司MANI MEDICAL INDIA PRIVATE LIMITEDMANI MEDICAL AMERICA, INC.歯科用回転切削機器 ダイヤバー カーバイドバー ステンレスバー ピーソリーマ当社MANI HANOI CO., LTD. 当社MANI MEDICAL HANOI CO., LTD馬尼(北京)貿易有限公司MANI MEDICAL INDIA PRIVATE LIMITEDMANI MEDICAL AMERICA, INC.歯科材料 歯科用修復材MANI MEDICAL GERMANY GmbHMANI MEDICAL GERMANY GmbHMANI MEDICAL HANOI CO., LTDMANI MEDICAL INDIA PRIVATE LIMITED (注) 1.皮膚縫合器 縫合糸の代わりにステイプル(鉤針)で皮膚表面の切開面を縫合する機器です。 2.眼科ナイフ 眼科手術時に使用されるナイフです。主に眼球(角膜、強膜)の切開に使用します。 3.深部縫合器 普通の持針器と針では届かないような深部や、狭窄部の縫合に使用します。 4.骨用のこぎり 脊髄、骨盤、頭蓋骨、顎骨、四肢長管骨などの骨を切断する整形外科用のこぎりです。細いステンレスワイヤーにダイアモンド砥粒を固着したものです。 5.血管ナイフ心筋梗塞などの際、心臓の血管バイパス手術に使用するマイクロナイフです。剥離タイプは、冠動脈の上の脂肪層の除去に使用します。 6.眼科トロカール 網膜硝子体手術に使用される機器です。強膜切開とカニューレ設置をワンステップで行い、一文字創口により、無縫合化を可能にしたものです。 7.硝子体鑷子(しょうしたいせっし) 網膜硝子体手術の眼底の処置をする際に使用される眼科治療機器です。 8.手術用針付縫合糸 切開後の縫合を行うために使用される針が付いている糸で、包装し滅菌したものを出荷し、手術室にて包装を開封し、使い捨てされます。 9.アイレス縫合針 手術用針付縫合糸を作るための針(針付縫合糸の材料)です。アイド縫合針は木綿針のような通り孔で糸を手術室で針に取り付けるのに対して、アイレス縫合針は糸工場で糸を針に取り付けて滅菌して出荷します。穴は止まり穴で、縫合糸を一度圧着すると、再利用はできなくなります。針付縫合糸メーカーが完成品メーカーとなります。 10.アイド縫合針 切開後の縫合を行うために使用される針で、糸が付いていない状態で出荷され、手術室にて糸をつけて使用します。 11.リーマ・ファイル 神経、リンパ管等の歯髄が入っている歯の中心にある細い根管の壁を削る切削機器で、手用のファイルです。素材にはステンレススチールを使用しております。 12.NiTiファイル 神経、リンパ管等の歯髄が入っている歯の中心にある細い根管の壁を削る切削機器で、エンジン用のファイルです。素材にはニッケルチタンを使用しております。 13.クレンザー、ブローチ 感染した根管内にある感染歯髄を抜髄し、根管内の吸湿や消毒をする時に使用する機器です。 14.ダイヤバー 歯科治療における歯質の研削・形成に使用します。その他、補綴物の除去に用います。 15.カーバイドバー 歯科治療における歯質の切削・形成に使用します。その他、補綴物の除去に用います。 16.ステンレスバー 歯科治療における軟化象牙質の除去に使用します。 17.ピーソリーマ 歯牙の根管の拡大形成を行うための医療用機器です。 18.歯科用修復材 歯が欠損した場合に歯冠を修復するために被覆する人工修復材料です。 事業系統図(2025年8月31日時点) 前述した事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。 (注)1.( )書きは当社グループの持分割合を示しております。 2.[ ] 書きはセグメントの名称を示しておりますが、「各関連製品」を省略しております。 3.外部顧客とは、主にディストリビューター及び糸メーカーを表しております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 KOLの協力を得ながら研究開発を進め、品質改良や新製品開発に注力しているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 医療機器の製造・販売には薬機法等の薬事関連規制遵守と品質管理・保証体制の構築が必要。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:人財力の低下 / グローバル事業環境の変化およびカントリーリスク / 薬事関連規制
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
マニーは医療機器分野における長年の実績と、一部の製品における特許やノウハウを有している可能性がある。しかし、具体的なブランド力や特許の独占性に関する公開情報は限定的であり、競争優位の源泉として明確に評価するには情報不足である。
スイッチングコスト★★★☆☆
医療機器は、一度導入されると、その操作性や保守体制、さらには医療従事者の習熟度から、他社製品への切り替えには一定のコストとリスクが伴う。特に、手術用器具など、特定の医師や病院で長年使用されている製品群は、スイッチング・コストが高いと考えられる。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
マニーの事業モデルは、直接的なネットワーク効果を生み出す性質のものではない。製品の利用者が増えることで、その製品自体の価値が向上するような構造は見られない。
コスト優位★☆☆☆☆
精密機器製造においては、効率的な生産体制やサプライチェーン管理がコスト競争力に影響を与える。マニーが長年培ってきた製造ノウハウは一定の効率性をもたらしている可能性があるが、他社と比較して構造的なコスト優位性を示す具体的な証拠は乏しい。
規模の経済★★☆☆☆
医療機器業界は、グローバルな大手企業も存在するが、マニーは特定のニッチ市場において一定のシェアを確保している可能性がある。しかし、業界全体に対する規模の経済性や寡占度合いは、現時点では明確な強みとは言えない。
- 専門性の高い医療機器技術マニーは、皮膚縫合器、眼科ナイフ、手術用針付縫合糸、歯科用根管治療機器など、高度な技術を要する医療機器の製造に強みを持っています。これらの製品は、精密な加工技術と医療現場のニーズを深く理解した開発力によって生み出されており、医療従事者からの信頼を得ています。
- グローバルな製造・販売ネットワーク世界各地に製造拠点と販売拠点を展開しているため、各国の規制や市場動向に迅速に対応できる体制を構築しています。これにより、地域ごとの医療ニーズに合わせた製品供給が可能となり、安定的な事業運営と市場シェアの拡大に貢献していると考えられます。
- 厳格な品質管理体制医療機器は人命に関わるため、極めて高い品質が求められます。マニーは、医療機器QMS省令やISO規格に基づいた厳しい品質管理・品質保証体制を整備しており、製造から販売後のモニタリングまで一貫して品質を管理しています。この徹底した品質管理が、製品への信頼性と競争力の源泉となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは「患者のためになり、医師の役に立つ製品の開発・生産・提供を通して世界の人々の幸福に貢献する」ことを理念に、専門的医療機器を開発から販売まで一貫して手掛け、広く世界に提供しております。更に「順法精神と独創技術を持ち将来利益を確保する」を経営基本方針に掲げて、将来利益の最大化に努めております。2026年に当社グループは創業70年を迎えます。100年企業への更なる成長を見据え、中期経営計画2029では以下のミッション・ビジョン・バリューを定めました。これら強固なアイデンティティの下、グローバル経営を加速させていきます。 ミッション:果たすべき社会的使命患者のためになり、医師の役に立つ製品の提供を通して世界の人々の幸福に貢献する ビジョン:ありたい姿世界一の品質を世界のすみずみへ バリュー:大切にしていく価値観科学する心で熱心に粘り強く「トレード・オフ」へのこだわり創造・進化へのたゆまぬ挑戦 (2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題経営環境 当社がターゲットとする医療機器市場は、市場の継続的な成長に加え、治療の低侵襲化や技術イノベーションの継続的な進展を背景に、世界的な製品需要の増加が見込まれています。他方、新興国における自国産優遇政策や新興国企業とのコスト競争等、競争環境は激化しています。 このような環境下、当社グループは、引き続き製品毎に且つその製品の特性毎に「世界一の品質を世界のすみずみへ」提供する方針の下、更なる企業価値向上に向けた取組みを推進しています。 中期経営計画2029の概要 当社は、2025年10月8日に公表した新たな中期経営計画において、「ダントツ製品の提供、医療現場の課題解決を通じて信頼される企業」への進化を目指しています。従来から掲げてきた「世界一」へのこだわりとグローバル・ニッチ・トップ戦略を維持することで高収益体質を実現しつつ、医療現場の課題解決を起点とした事業戦略への転換を図ります。加えて、戦略的アライアンスやM&A等のインオーガニック施策を活用した新たな価値の創出により、持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。 中期経営計画2029の概要は以下の通りです。 ①事業戦略・全てのセグメントにおいて収益性を伴った成長を目指す・コア技術を活かした製品開発と戦略的アライアンスの展開 事業目標サージカル(眼科)・眼科ナイフのシェア拡大(グローバルシェア30%→50%)・緑内障・硝子体手術向け製品ラインナップ拡充・戦略アライアンスの強化(製薬会社との共創、米国MST社との販売提携)サージカル(外科)・微細加工技術を活かせる成長セグメントとして再定義し、事業強化・新製品開発プロジェクトを立ち上げ、新たな事業機会を探索 事業目標アイレス針・独立系針メーカーとして、グローバル№2のポジションを維持・強化・マイクロ針やロボット手術など、高付加価値製品を成長領域に投下・中国GPO(政府集中購買)への対応、コストダウンの推進デンタル・根管治療製品のポートフォリオを拡大(MANI Endodontic Compass)・歯科修復事業の収益性改善 ②売上拡大に向けたグローバル戦略・北米、欧州、アジアの売上拡大にフォーカス・地域統括拠点(RHQ)のグローバル5極体制による地域に根差した事業成長の加速・価格競争から脱却し、臨床価値と高品質によるブランド価値の強化 ③収益性向上とキャッシュ創出力の強化・継続的な原価低減、グローバル生産体制の最適化による生産コストの改善・BPR/DXによる業務プロセスの改善、販管費比率の改善・サプライチェーンマネジメント改革によるCCC(Cash Conversion Cycle)の改善・グローバルキャッシュマネジメント ④長期的な成長に向けた経営基盤の強化<製品開発力の抜本的な強化>・研究開発プロセス革新による開発スピードの向上・オープンイノベーションの活用や次世代製品、加工技術への取組み推進<サステナビリティ推進>・成長戦略を実行する人財育成・獲得、挑戦する企業文化の醸成、DE&Iを含む人的資本経営推進・人権方針の順守、環境負荷低減、サプライチェーン管理、第3者評価の獲得とスコア向上 ⑤企業価値向上と成長投資・成長戦略を実行し、営業キャッシュ・フローを1.5倍に向上・投資の重点を生産投資から成長投資へシフト・200億円のM&A投資枠を設定・安定的増配による株主還元(DOE8%を目安とした財務運営) ⑥業績目標指標2025年8月期実績※2029年8月期(目標)ベースプラン売上高300億円450億円営業利益(率)82億円(27.3%)145億円(32%)純利益46億円105億円EBITDA107億円180億円ROE8.8%16% 売上高純利益率15%23%総資産回転率52%62%財務レバレッジ1.091.09※実績については、四捨五入で記載しております。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 企業価値の増大に向けて、将来キャッシュ・フローの最大化を図ることが重要と考えております。そのため、当社は売上高及び営業利益伸び率(成長性指標)を重要な経営指標と考えております。また、売上高営業利益率(収益性指標)、自己資本当期純利益率(ROE、資本効率性指標)につきましても重要視しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは「患者のためになり、医師の役に立つ製品の開発・生産・提供を通して世界の人々の幸福に貢献する」ことを理念に、専門的医療機器を開発から販売まで一貫して手掛け、広く世界に提供しております。更に「順法精神と独創技術を持ち将来利益を確保する」を経営基本方針に掲げて、将来利益の最大化に努めております。2026年に当社グループは創業70年を迎えます。100年企業への更なる成長を見据え、中期経営計画2029では以下のミッション・ビジョン・バリューを定めました。これら強固なアイデンティティの下、グローバル経営を加速させていきます。 ミッション:果たすべき社会的使命患者のためになり、医師の役に立つ製品の提供を通して世界の人々の幸福に貢献する ビジョン:ありたい姿世界一の品質を世界のすみずみへ バリュー:大切にしていく価値観科学する心で熱心に粘り強く「トレード・オフ」へのこだわり創造・進化へのたゆまぬ挑戦 (2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題経営環境 当社がターゲットとする医療機器市場は、市場の継続的な成長に加え、治療の低侵襲化や技術イノベーションの継続的な進展を背景に、世界的な製品需要の増加が見込まれています。他方、新興国における自国産優遇政策や新興国企業とのコスト競争等、競争環境は激化しています。 このような環境下、当社グループは、引き続き製品毎に且つその製品の特性毎に「世界一の品質を世界のすみずみへ」提供する方針の下、更なる企業価値向上に向けた取組みを推進しています。 中期経営計画2029の概要 当社は、2025年10月8日に公表した新たな中期経営計画において、「ダントツ製品の提供、医療現場の課題解決を通じて信頼される企業」への進化を目指しています。従来から掲げてきた「世界一」へのこだわりとグローバル・ニッチ・トップ戦略を維持することで高収益体質を実現しつつ、医療現場の課題解決を起点とした事業戦略への転換を図ります。加えて、戦略的アライアンスやM&A等のインオーガニック施策を活用した新たな価値の創出により、持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。 中期経営計画2029の概要は以下の通りです。 ①事業戦略・全てのセグメントにおいて収益性を伴った成長を目指す・コア技術を活かした製品開発と戦略的アライアンスの展開 事業目標サージカル(眼科)・眼科ナイフのシェア拡大(グローバルシェア30%→50%)・緑内障・硝子体手術向け製品ラインナップ拡充・戦略アライアンスの強化(製薬会社との共創、米国MST社との販売提携)サージカル(外科)・微細加工技術を活かせる成長セグメントとして再定義し、事業強化・新製品開発プロジェクトを立ち上げ、新たな事業機会を探索 事業目標アイレス針・独立系針メーカーとして、グローバル№2のポジションを維持・強化・マイクロ針やロボット手術など、高付加価値製品を成長領域に投下・中国GPO(政府集中購買)への対応、コストダウンの推進デンタル・根管治療製品のポートフォリオを拡大(MANI Endodontic Compass)・歯科修復事業の収益性改善 ②売上拡大に向けたグローバル戦略・北米、欧州、アジアの売上拡大にフォーカス・地域統括拠点(RHQ)のグローバル5極体制による地域に根差した事業成長の加速・価格競争から脱却し、臨床価値と高品質によるブランド価値の強化 ③収益性向上とキャッシュ創出力の強化・継続的な原価低減、グローバル生産体制の最適化による生産コストの改善・BPR/DXによる業務プロセスの改善、販管費比率の改善・サプライチェーンマネジメント改革によるCCC(Cash Conversion Cycle)の改善・グローバルキャッシュマネジメント ④長期的な成長に向けた経営基盤の強化<製品開発力の抜本的な強化>・研究開発プロセス革新による開発スピードの向上・オープンイノベーションの活用や次世代製品、加工技術への取組み推進<サステナビリティ推進>・成長戦略を実行する人財育成・獲得、挑戦する企業文化の醸成、DE&Iを含む人的資本経営推進・人権方針の順守、環境負荷低減、サプライチェーン管理、第3者評価の獲得とスコア向上 ⑤企業価値向上と成長投資・成長戦略を実行し、営業キャッシュ・フローを1.5倍に向上・投資の重点を生産投資から成長投資へシフト・200億円のM&A投資枠を設定・安定的増配による株主還元(DOE8%を目安とした財務運営) ⑥業績目標指標2025年8月期実績※2029年8月期(目標)ベースプラン売上高300億円450億円営業利益(率)82億円(27.3%)145億円(32%)純利益46億円105億円EBITDA107億円180億円ROE8.8%16% 売上高純利益率15%23%総資産回転率52%62%財務レバレッジ1.091.09※実績については、四捨五入で記載しております。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 企業価値の増大に向けて、将来キャッシュ・フローの最大化を図ることが重要と考えております。そのため、当社は売上高及び営業利益伸び率(成長性指標)を重要な経営指標と考えております。また、売上高営業利益率(収益性指標)、自己資本当期純利益率(ROE、資本効率性指標)につきましても重要視しております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況 当社グループは、「世界一の品質を世界のすみずみへ」という使命を掲げ、当社グループの製品を世界中に提供し、世界の人々の幸福に貢献することを目指しております。当社グループの更なる成長に向けて、2022年8月期より中期経営計画をスタートし、営業・生産・開発の各機能におけるプラットフォームを進化・変革させることで「ビジネスモデルの変革」を行い、企業理念の実現及び「真のグローバル企業」への進化のための取り組みを進めております。当連結会計年度における主な取り組みは下記の通りです。 中国における「マニーダイヤバー」の自主回収について 当社が製造販売する「マニーダイヤバー(一般的名称:歯科用ダイヤモンドバー)」について、中華人民共和国規制当局に届け出ている製品登録情報の一部に記載不備があることが判明したため、当該製品について自主回収を行うことを決定しました。2025年3月より自主回収を実施し、同年8月までに概ね回収は完了しました。本回収による業績への影響は下表の通りです。なお、本件による製品の品質、有効性及び安全性に問題はなく、患者様の健康被害につながるおそれはないと判断しております。 中国当局の薬事承認プロセスは前倒しで進捗しており、2026年8月期第2四半期(12月~2月)より全製品の販売を再開できる見通しです。 (単位:百万円)業績への影響額(前期比)当連結会計年度見通し当連結会計年度実績回収数量(本数)375万本420万本自主回収による売上減△1,520△1,481 新規出荷減額△1,190△1,100回収による返品額△330△381利益への影響額△1,200△1,192 JIZAIシリーズの販売進捗 歯科根管治療用NiTiロータリーファイル「JIZAI」を2020年より発売し、中期経営計画の重点製品として、事業の立ち上げを進めています。2024年9月には、中間サイズのファイルである「JIZAI Pre 020」をラインナップに追加し、治療シークエンスにおいて、他社にはない使いやすさを提供することが可能となりました。また、2025年6月より欧州及び北米地域向けに滅菌済みの「JIZAI」シリーズの販売を開始しました。 その結果、2025年8月期の売上高は、日本、インド、ベトナム及び欧米地域を中心に販売が拡大し、前期比56%増加となりました。今後2026年9月までに中国への上市を予定しており、さらに製品ラインナップの強化を進めます。 米国MicroSurgical Technology社との戦略的パートナーシップ契約締結 2025年4月、米国の医療機器メーカーであるMicroSurgical Technology社(以下「MST」)と、米国における眼科ナイフ及び眼科用カスタムパックの販売に関する戦略的パートナーシップ契約を締結しました。詳細については、2025年4月18日発表、「米国 MicroSurgical Technology 社との戦略的パートナーシップ契約締結について」をご参照ください。リンク先:https://ssl4.eir-parts.net/doc/7730/tdnet/2595549/00.pdf マレーシア販売子会社のアジア地域統括拠点化 2025年9月1日より、既存のマレーシア販売子会社をアジア地域統括拠点「MANI ASIA SDN. BHD.(以下、MANI ASIA)」とし、業務運営を開始しました。詳細については、2025年8月5日発表、「マレーシア販売子会社のアジア地域統括拠点化のお知らせ」をご参照ください。リンク先:https://ssl4.eir-parts.net/doc/7730/tdnet/2666030/00.pdf 当連結会計年度における経営成績 売上高は29,968百万円となり、前期比5.1%増となりました。眼科ナイフ等のサージカル関連製品の販売が欧州、中国を中心としたアジア、日本、北米で好調に推移したほか、アイレス針関連製品の販売が中国やタイを中心としたアジア及び中南米等のその他の地域(主に中南米に生産拠点を持つ北米顧客向けの出荷)で増加した一方、デンタル関連製品は主に中国におけるダイヤバーの自主回収に伴う影響(前述)及びドイツ子会社MANI MEDICAL GERMANY GmbH(以下MMG)の欧州での販売不調により低調に推移しました。売上総利益は19,317百万円(同7.9%増)と増益を確保しましたが、前期業績に伴う決算賞与の計上に加え、営業・開発・コーポレート機能それぞれの強化と国内人員の増加により、販売費及び一般管理費が11,124百万円(同17.0%増)と増加し、営業利益は8,193百万円(同2.4%減)の減益となりました。為替差益を計上した一方、花岡工場(スマートファクトリー)の減価償却費等(未稼働用地関連費用)の費用増加に伴い、経常利益は8,271百万円(同2.3%減)の減益となりました。MMGの固定資産の減損損失1,190百万円を特別損失として計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は、4,643百万円(同26.1%減)となりました。 セグメント別の業績概況は、次のとおりです。なお、セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。 売上高セグメント利益(営業利益)百万円前期比百万円前期比サージカル関連製品9,27413.8%3,08016.6%アイレス針関連製品11,1839.4%4,0023.4%デンタル関連製品9,509△6.2%1,110△40.9%連結29,9685.1%8,193△2.4% (サージカル関連製品) サージカル関連製品の売上高は9,274百万円(前期比13.8%増)、セグメント利益は3,080百万円(同16.6%増)と好調に推移しました。白内障手術で使用される眼科ナイフの販売が欧州、中国を中心としたアジア、日本、北米で拡大したことにより、増収増益となりました。 (アイレス針関連製品) アイレス針関連製品の売上高は11,183百万円(前期比9.4%増)、セグメント利益は4,002百万円(同3.4%増)となりました。中国やタイを中心としたアジア及び中南米等のその他の地域(主に中南米に生産拠点を持つ北米顧客向けの出荷)でアイレス針の受注が引き続き増加したことにより、増収増益となりました。 (デンタル関連製品) デンタル関連製品の売上高は9,509百万円(前期比6.2%減)、セグメント利益は1,110百万円(同40.9%減)となりました。売上高は、中国におけるダイヤバーの自主回収の影響を大きく受け減収となりました。一方で、リーマ・ファイルなどのその他デンタル製品や、中国以外の地域でのダイヤバー販売はロシアや日本を中心に前期比20.4%増加しました。また、歯科用修復材を中心とするドイツMMG製品の販売は、欧州地域で低調に推移しました。 セグメント利益は、売上減少に加え、販売子会社における販売費及び一般管理費の増加により、大幅な減益となりました。 ※ご参考:為替レート 前連結会計年度(2024年8月期)当連結会計年度(2025年8月期)第1四半期連結累計期間第2四半期連結累計期間第3四半期連結累計期間第4四半期連結累計期間第1四半期連結累計期間第2四半期連結累計期間第3四半期連結累計期間第4四半期連結累計期間米ドル/円149.10147.92149.66150.78149.03151.57149.77148.91ユーロ/円159.30159.38161.40162.94161.99161.25161.51163.62人民元/円20.4720.4520.6820.8420.8821.0020.7120.63インドルピー/円1.791.781.801.811.771.781.761.74 ② 財政状態及びキャッシュ・フローの状況a.財政状態の状況(単位:百万円) 前連結会計年度末(2024年8月31日)当連結会計年度末(2025年8月31日)増減額総資産57,17757,987810 流動資産31,94229,978△1,963 固定資産25,23528,0092,774負債4,8464,425△420純資産52,33053,5611,231 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ810百万円増加し、57,987百万円となりました。これは、固定資産2,774百万円の増加(主に花岡工場建設により建物や機械装置が4,995百万円増加した一方、ドイツMMGの建物や土地等の減損により1,246百万円減少)、流動資産1,963百万円の減少(主に花岡工場関連の設備投資に伴い現金及び預金が3,219百万円減少した一方、未収消費税等を含むその他流動資産が926百万円増加)によるものです。 負債は、前連結会計年度末に比べ420百万円減少し、4,425百万円となりました。これは主に、未払金等の減少によるものです。 純資産は、前連結会計年度末に比べ1,231百万円増加し、53,561百万円となりました。これは主に、配当金3,841百万円の支払いにより利益剰余金が減少した一方、親会社株主に帰属する当期純利益4,643百万円を計上したこと及び円安進行に伴い為替換算調整勘定が424百万円増加したこと等によるものです。 b. キャッシュ・フローの状況(単位:百万円) 前連結会計年度(2024年8月期)当連結会計年度(2025年8月期)前期比営業活動によるキャッシュ・フロー7,8107,017△793投資活動によるキャッシュ・フロー△6,642△7,154△512財務活動によるキャッシュ・フロー△3,703△3,895△192現金及び現金同等物に係る換算差額△245417662現金及び現金同等物の期首残高23,79821,017△2,780現金及び現金同等物の期末残高21,01717,401△3,615 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、7,017百万円(前期比10.2%減)のキャッシュ・イン・フローとなりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の減少に伴う営業キャッシュ・イン・フローの減少、花岡工場建屋の仮払消費税支払や未払金の支払等に伴う営業キャッシュ・アウト・フローの増加等によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、7,154百万円(前期比7.7%増)のキャッシュ・アウト・フローとなりました。これは主に、スマートファクトリーに関連する有形固定資産の取得による支出が増加したこと等によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、3,895百万円(前期比5.2%増)のキャッシュ・アウト・フローとなりました。これは主に、配当金の支払額が増加したこと等によるものです。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年9月1日至 2025年8月31日)前期比(%)サージカル関連製品(百万円)9,230113.4アイレス針関連製品(百万円)11,015104.3デンタル関連製品(百万円)10,614105.6合計(百万円)30,860107.3 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。 b.受注実績 当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年9月1日至 2025年8月31日)前期比(%)サージカル関連製品(百万円)9,274113.8アイレス針関連製品(百万円)11,183109.4デンタル関連製品(百万円)9,50993.8合計(百万円)29,968105.1 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2023年9月1日 至 2024年8月31日)当連結会計年度(自 2024年9月1日 至 2025年8月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)国科恒遠(北京)医療科技有限公司3,93913.82,2667.6 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(単位:百万円) 2024年8月期実績2025年8月期実績前期比(額)前期比(率)売上高28,51329,9681,4545.1%売上原価10,61610,650330.3%売上総利益17,89719,3171,4207.9%販売費及び一般管理費9,50511,1241,61917.0%営業利益8,3928,193△198△2.4%経常利益8,4648,271△192△2.3%税金等調整前当期純利益8,4247,087△1,337△15.9%親会社株主に帰属する当期純利益6,2864,643△1,643△26.1%自己資本当期純利益率(ROE)12.3%8.8%-△3.5ポイント 売上高:29,968百万円(5.1%増) サージカル関連製品は、白内障手術等で使用される眼科ナイフの需要が欧州、中国を中心としたアジア、日本、北米等の地域で拡大したことにより、9,274百万円(同13.8%増)となりました。 アイレス針関連製品は、製品需要の拡大を背景として、中国やタイを中心としたアジア及び中南米等のその他の地域(主に中南米に生産拠点を持つ北米顧客向けの出荷)でアイレス針の受注が引き続き増加したことにより、11,183百万円(同9.4%増)となりました。 デンタル関連製品は、中国における歯科用回転切削機器(ダイヤバー)の自主回収の影響を大きく受け、9,509百万円(同6.2%減)となりました。一方、歯科用根管治療機器(リーマ・ファイル)等のその他デンタル製品や、中国以外の地域でのダイヤバー販売はロシアや日本を中心に増加しました。また、歯科用修復材を中心とするドイツMMG製品の販売は低調に推移しました。 売上原価:10,650百万円(0.3%増) 海外生産子会社における材料費や労務費等の製造原価の上昇や長期停滞品の在庫処分の影響(98百万円の計上)により、売上原価が増加しました。 販売費及び一般管理費:11,124百万円(17.0%増) 前期業績に伴う決算賞与(212百万円)の計上に加え、営業・開発・コーポレート機能それぞれの強化に掛かる経費及び国内人員増加による人件費の増加により、販売費及び一般管理費が増加しました。 営業利益:8,193百万円(2.4%減) 売上高が増収したものの、マーケティング活動の強化及び人件費の増加に伴い販売費及び一般管理費が1,619百万円増加(同17.0%増)したことにより、営業利益は減益となりました。また、営業利益率は27.3%と前期比2.1ポイント悪化しました。 経常利益:8,271百万円(2.3%減) 為替差益(総額)が計上された一方、花岡工場(スマートファクトリー)の減価償却費等(未稼働用地関連費用)の費用増加に伴い、経常利益は減益となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益:4,643百万円(26.1%減) 税金等調整前当期純利益は、MMGの固定資産の減損損失1,190百万円を特別損失として計上したことにより、前期比1,337百万円減少の7,087百万円(同15.9%減)となりました。これにより、親会社株主に帰属する当期純利益は、1,643百万円減少(同26.1%減)と大幅な減益となりました。 自己資本当期純利益率(ROE):8.8%(3.5ポイント減) 自己資本当期純利益率(ROE)は、中国におけるダイヤバーの回収影響やMMGの減損損失などの一時要因により悪化し、8.8%(同3.5ポイント減)となりました。 なお、セグメント別の分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に、当社グループの課題につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりであります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態及びキャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 資本の財源及び資金の流動性の分析a.実績の推移 下表に記載のとおり、堅調な営業収益を背景として、継続的に営業キャッシュ・イン・フローを確保しております。また、営業キャッシュ・フローに加え潤沢な手元資金も活用しながら、設備投資(投資キャッシュ・フロー)や 配当(財務キャッシュ・フロー)へ資金配分を行っており、高水準の自己資本比率の維持を可能とする財務運営を実 現しております。 運転資金及び設備資金については自己資金により賄っておりますが、資金調達の機動性及び安定性の確保を図るた め、取引金融機関と総額800百万円の当座貸越契約を締結しております。 (参考)キャッシュ・フロー指標のトレンド 2021年8月期2022年8月期2023年8月期2024年8月期2025年8月期営業キャッシュ・フロー(百万円)6,3846,5598,0267,8107,017投資キャッシュ・フロー(百万円)△3,438△2,173△4,016△6,642△7,154フリー・キャッシュ・フロー(百万円)2,9454,3854,0101,168△137財務キャッシュ・フロー(百万円)△2,232△2,444△3,251△3,703△3,895自己資本比率(%)91.890.690.691.592.4時価ベースの自己資本比率(%)501.9344.9340.0338.9210.1キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)0.00.00.00.00.0インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)3,583.12,921.32,947.11,143.22,317.0フリー・キャッシュ・フロー:営業キャッシュ・フローと投資キャッシュ・フローの合計自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。 b.中期経営計画2029におけるキャピタルアロケーションの考え方手元現預金および今後4年間で創出する営業キャッシュ・フローを主な財源として、成長投資と株主還元の両面を意識した資金配分を実行します。成長投資については、従来のスマートファクトリーを中心とした生産投資から、M&A投資(投資枠200億円を想定)など企業価値向上に向けた成長投資へその重点をシフトします。株主還元については、安定的増配の方針を継続することに加え、新たに株主資本に対する還元率を表す指標であるDOE(株主資本配当率)を目標として採用します。期間利益だけでなく投下資本に対する還元率も勘案した上で、配当への資金配分を決定します。以上のキャピタルアロケーションの考え方を前提に、当社は2029年8月期にROE16%の実現を目指しています。売上高のグローバルでの拡大や、生産現場における改善活動や販売費及び一般管理費の適正化が売上高純利益率の改善をもたらすほか、前述の成長投資が総資産回転率の上昇に寄与することを見込んでいます。 キャピタルアロケーション財源手元現預金と営業キャッシュ・フロー合計約620億円を創出投資成長投資(注)合計約110億円(別途、M&A投資枠200億円を確保)株主還元安定的増配DOE8%を目安に配分 ROE向上指標2025年8月期(実績)2029年8月期(目標)ROE8.8%16%売上高純利益率15%23%総資産回転率52%62%財務レバレッジ(注)1.091.09(注)借入などレバレッジについては、M&A投資の水準を踏まえて検討します。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり、重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。 経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
事業リスク
- 人財力の低下労働市場の流動化が進む中で、特に重要なポストの人財が流出したり、専門性の高い研究者や技術者の育成が不足したりすると、組織全体のパフォーマンスが低下し、事業運営や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。多様な働き方の提供や教育制度の整備で対応しています。
- グローバル事業環境の変化とカントリーリスク新興国での価格競争激化や経済情勢の変化による需要減少、あるいは特定の国における国産優遇政策は、収益性の低下につながる可能性があります。また、子会社設立国での予期せぬ法規制変更、政情不安、災害などは、製品供給の停滞や取引の継続性不安を引き起こし、財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
- 薬事関連規制と品質リスク国内外の医薬品医療機器等法などの薬事関連法令を遵守できない場合、許認可の取り消しや製品回収、製造・販売中止を求められる可能性があります。また、製造時の不具合による製品回収は、多額の費用発生、売上減少、損害賠償請求、企業信用の低下につながる可能性があります。厳格な品質管理体制と迅速な対応体制でリスク軽減を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】(1)リスクマネジメントの基本的な枠組み 当社グループでは、グループ全体のリスクを適切に管理するため、スリーライン・ディフェンスモデルに基づいて、現業部門(1線部署)、間接管理部門(2線部署)、内部監査部門(3線部署)がそれぞれリスクマネジメント上の役割を分担するとともに、適切な牽制関係を持たせることでグループが抱えるリスクを適切にコントロールすることを目指しています。 当社グループ全体のリスクマネジメントに係る運営方針等を審議するため、統合リスク委員会を設置しています。委員会での議論は、経営会議・取締役会に報告され、適切なリスク評価に基づく経営の意思決定につなげられています。 (2)事業リスクの識別 当社グループでは、下表のとおり、グループが抱えるリスクをカテゴリー分けしています。統合リスク委員会では、全てのリスクを俯瞰して経営への影響が大きいリスクを特定、必要な体制整備を進めています。 分類説明リスクの顕在化例経営に係るリスク経営戦略、ビジネス戦略を誤ることによるリスク戦略分野の市場拡大が不十分過大な設備投資カントリーリスク気候変動リスク子会社経営リスク製品に係るリスク製品の品質が十分でない、あるいは提供できる数量が十分でないことによるリスク欠品・過剰在庫急激な価格変動新製品開発の遅れ品質不十分による回収財務に係るリスク購買や販売による金銭的債権・債務に係るリスク取引先破綻による回収不能為替変動等による資産価値下落人財に係るリスク人財に起因するリスク労務・労災に係るリスク労災、労務問題・感染症人財の質低下・採用困難設備に係るリスク工場建物や製造機械が棄損することによるリスク自然災害等による施設の棄損工場周辺の環境問題情報システムに係るリスクシステムインフラ、情報管理に起因するリスクシステムトラブルサイバー攻撃・情報漏洩法令・法務に係るリスク法令遵守できていないことによるリスク薬機法関連の届出等の不備法令対応の遅れ・不備訴訟・紛争 (3)主要なリスク 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年11月18日)現在において判断したものであります。 項目リスクシナリオ対応策人財力の低下・近時、日本のみならず世界的に労働市場における雇用が流動化しております。当社グループにおいても、とりわけ重要ポストにおいて人財が流出すると、組織力が一時的に低下し、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。・また、専門性の高い研究者や技術者の育成不足により、パフォーマンスが低下し、事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。・従業員の働きやすさと従業員満足度の向上を目指し、多様な働き方を選択できる勤務制度を整えております。・当社グループの成長を実現できる人財の育成を目指し、階層別の研修体系に加え、事業運営の高度化に必要な専門性を高めるための教育制度を整備しております。 グローバル事業環境の変化およびカントリーリスク・新興国での安価な製品の台頭による価格競争や経済情勢による患者の診療離れなどの影響から需要が減少し、収益性が低下する可能性があります。・また、国産優遇の動きが見られる国において、組立生産等の対策が必要となる可能性があります。・当社グループ子会社を設立している各国において、予期しない法律又は規制の変更や、政情不安・戦争・テロ・暴動及び天変地異などの不可抗力等による事故などが発生した場合は、製品供給が一時滞るといった可能性があり、取引の継続性が不安定になることを含め、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。・グローバル市場における持続的な成長を可能にするため、RHQや各地域における販売拠点設置等、海外ネットワークを充実させることで、さらに現地の市場動向を多角的に捕捉しております。これらの事業活動を通して顧客基盤の拡大および事業拡大につなげております。・各国の法律又は規制の変更や政情等を定常的に確認し、有事の際には人命の安全確保を最優先し、適切な対策の実行に努めております。薬事関連規制・国内における「医薬品医療機器等法」等薬事関連法令を遵守できない場合、許認可の取り消しや規制の対象となる製品の回収、または製造並びに販売を中止することを求められる可能性があり、これらにより当社の事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。・海外においても現地の関連法規改正等に適切な対応がとれない場合、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。グローバルに事業を展開するため、製造及び販売先国の関連法規の遵守、規格への適合を図るとともに、品質マネジメントシステムを構築し、継続的に改善を図っております。品質リスク製品の安全性の確保について全力を挙げて取り組んでおりますが、製造時の予期せぬ不具合やその疑いなどにより、大量に製品を回収することになった場合、回収費用等の発生や薬事規制上の対応、売上高の減少等の影響、損害賠償請求を受ける可能性があり、当社グループに対する信用の低下と企業価値が棄損する可能性があります。医療機器QMS省令、体制省令、GVP省令や品質マネジメントシステムのISO規格などに基づき、厳しい品質管理・品質保証体制を整備し、製造段階のみならず販売後も品質のモニタリングを行っています。万一、不具合等が発生した際は、迅速に対応できる体制を整えております。 項目リスクシナリオ対応策新製品開発リスク新製品を開発し、発売に至るまでの過程において、有効性や安全性に関して予測されなかった問題が判明あるいは発生した場合、期待する時期に新製品を発売できない可能性や開発費が増加する可能性があります。積極的な研究開発活動のもと、新製品及び新技術の開発を進めるとともに、開発とマーケティングの連携を強化することで開発テーマの効率化とプロジェクトマネジメントの高度化を図っております。災害等発生のリスク大規模災害等が発生した場合、製品の供給が一時的に滞る可能性があり、取引の継続性が不安定になることを含め、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。災害等が発生した場合、被害を最小限に抑えるため、地震や火災を想定した防災訓練や定期的な設備点検等を実施しております。また、国内拠点およびMHCではBCPを作成し、緊急時に迅速かつ効果的に復旧できるよう体制を整備しております。サイバー攻撃によるリスクサイバー攻撃等の外部からの不正アクセスやコンピューターウイルスの侵入等により事業活動に影響が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。情報セキュリティ委員会、情報セキュリティリスク管理部署を設置しており、情報セキュリティに関する規則・ルールを制定し、情報セキュリティインシデントが発生した場合でも迅速に対応できる体制を整えております。気候変動関連リスク中長期的気候変動や異常気象による社会インフラ、気候変動関連政策変更、気候変動に対する金融市場の嗜好や社会通念の変化、技術革新等による低炭素社会への急速な移行等への対応を失敗することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。・当社製品は微細なものが多く、それらを加工する加工機自体も小さいことから、電力消費及び輸送等において環境負荷は軽微であると想定しております。・サステナビリティに関する対応方針について、サステナビリティ委員会等で全社横断的に審議しており、リスク顕在化の影響の極小化を図っております。為替相場変動リスク外貨建て取引において為替相場変動の影響を受ける可能性があります。為替感応度分析などを通じて業績に与える影響を把握するとともに、リスクヘッジの基本方針及び手続等を制定しており、リスクが顕在化した際に迅速に意思決定できる体制を整えております。