7707

プレシジョン・システム・サイエンス(7707)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

精密機器 電機・精密

事業の概要

  • バイオ関連製品の開発・製造販売
    プレシジョン・システム・サイエンス社は、主にバイオ関連業界向けに、研究室の自動化装置や臨床検査装置、それらに使われる試薬や消耗品を開発・製造・販売しています。これらは、病気の診断や研究に使われる重要な製品です。
  • ODM販売が中心
    製品設計から受託し、相手先ブランドで販売するODM(Original Design Manufacturing)が事業の中心です。業界大手のグローバル企業と提携し、世界中で製品を提供しています。これにより、自社で広範な販売網を持たなくても、製品を広く展開できています。
  • 自社販売と子会社による展開
    ODM販売だけでなく、日本国内や欧米の子会社を通じて自社ブランド製品の販売も行っています。これにより、特定のODM先に依存しすぎない事業構造を目指し、多様な顧客ニーズに対応しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 装置事業
    売上19.02835億円、営業利益0.78275億円。核酸自動抽出装置をはじめとするラボ向け自動化装置や、遺伝子を利用した臨床診断分野向けの装置の販売が中心です。同社の主力事業であり、最も大きな売上を上げています。
  • 試薬・消耗品事業
    売上9.64497億円、営業利益-0.05993億円。同社装置で使用される核酸抽出やPCR検査用の試薬、反応容器などの専用プラスチック消耗品の販売です。装置とセットで継続的に購入されるため、安定的な収益源となる可能性がありますが、現状は赤字です。
  • メンテナンス事業
    売上3.53374億円、営業利益0.74333億円。装置のメンテナンスサービスやスペアパーツ(交換部品)の販売が含まれます。主要なODM先は自社でメンテナンスを行うことが多いですが、スペアパーツは同社から購入する契約となっており、安定した利益を生み出しています。
FY2018 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Instruments 事業 19 1 4.1%
ReagentKitsAndConsumable 事業 10 -0 -0.6%
Maintenance 事業 4 1 21.0%
CustomizedProduct 事業 4 1 29.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,266 文字
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び子会社3社で構成されており、主としてバイオ関連業界において、ラボ(研究室)自動化や臨床検査用の各種装置、それらに使用される試薬や反応容器などの消耗品類の開発及び製造販売を行っております。これら製品は、業界大手のグローバル企業との提携によるODM販売(Original Design Manufacturing、製品設計の段階から受託した相手先ブランドによる販売)を中心に、日本国内及び欧米子会社を通じた自社販売も含め、ワールドワイドに事業展開しております。当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。 (1) 製品区分① 装置従来より事業展開している核酸自動抽出装置を中心としたラボ向けの各種自動化装置及び遺伝子を利用した臨床診断分野向けの装置の販売に関する区分です。 ② 試薬・消耗品当社装置の仕様に伴い消費される核酸抽出及びPCR検査等に用いる試薬等、並びに反応容器などの専用プラスチック消耗品の販売に関する区分であります。 ③ メンテナンス関連装置メンテナンスやスペアパーツ(交換部品)販売などの区分であります。主要なODM先は、ODM先が自社でメンテナンス対応しておりますが、スペアパーツは当社から購入する契約となっております。 ④ 受託製造・受託検査製造工場であるエヌピーエス㈱が実施している、当社以外の外部からの受託製造事業の区分及び当社受託検査の区分であります。 (2) 当社グループの事業に係わる位置付け等当社グループの事業に係わる位置付け等は、以下のとおりであります。 名称主要な事業の内容プレシジョン・システム・サイエンス㈱機器及び試薬開発・自社製品販売等Precision System Science Europe GmbH(連結子会社)欧州販売支援、サービス等エヌピーエス㈱(連結子会社)機器製造・電子機器等の製造販売 Precision System Science Europe GmbHは、欧州における各販売代理店の窓口として当社と連携して、新たな販路の開拓、大学・研究機関などへの営業活動、展示会や学会への参加を通じた技術情報交流などの活動をしております。 事業の系統図は、次のとおりであります。 上記の系統図は、主な営業取引の流れ及び出資関係を示したものであります。ユーザー群とは、大学・研究機関・臨床検査センター・製薬会社・化学メーカーなどを指します。 (注)1.ユニバーサル・バイオ・リサーチ㈱については2025年1月に全株式の株式譲渡を行い、当社の子会社に該当しなくなったため除外しております。2.持分法適用共同支配企業であった㈱PF・BioLineは2024年12月11日に解散を決議し、2025年3月31日付で清算結了いたしました。3.連結子会社であるエヌピーエス㈱から試薬製造及び消耗材製造事業を会社分割(吸収分割、効力発生日2025年9月1日)により継承しております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
ODM製品の中長期供給契約により安定的な発注が見込まれるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
核酸自動抽出装置を中心としたラボ向け自動化装置や遺伝子検査装置の開発技術。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:ODM事業への高い依存度 / 自社ブランド製品の代理店販売実績 / 専門的な知識・技能を持つ人材の確保
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

特許取得による技術的優位性はあるものの、特定の製品分野に限定され、広範なブランド力やIPポートフォリオは確認できない。研究開発投資は継続しているが、模倣リスクも存在する。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

同社の自動化装置は、顧客の既存の実験プロセスや研究室のインフラに深く組み込まれる。装置の導入・習熟には時間とコストがかかり、他社製品への切り替えは容易ではない。特に、特定の試薬との連携や、長年の使用実績による信頼性がスイッチング・コストを形成している。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果が働くビジネスモデルではない。製品の価値は個々の顧客の利用体験に依存し、ユーザー数が増加しても製品自体の価値が向上する構造ではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

精密機器製造における一定の品質管理能力は有するが、他社と比較して構造的なコスト優位性を示す明確な証拠はない。規模の経済によるコスト削減効果も限定的と考えられる。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

自動化装置市場において一定のシェアを持つが、グローバルな大手競合と比較すると規模は小さい。特定のニッチ市場では優位性を持つ可能性があるが、業界全体を代表する寡占状態ではない。

  • 核酸自動抽出技術
    核酸(DNAやRNA)を自動で抽出する装置を中心に、ラボ向けの自動化装置や遺伝子診断分野向けの装置を開発・製造しています。この技術は、病気の診断や研究において非常に重要であり、同社の競争力の源泉となっています。
  • グローバル企業との提携
    業界大手のグローバル企業とのODM契約により、製品設計から製造までを一貫して手掛け、相手先ブランドで世界中に製品を供給しています。これにより、自社で大規模な販売網を構築するコストを抑えつつ、広範な市場にアクセスできています。
  • 消耗品とメンテナンスによる継続収益
    装置だけでなく、核酸抽出やPCR検査に使う試薬、反応容器などの専用消耗品も販売しています。また、装置のメンテナンスや交換部品の販売も行っており、一度装置を導入してもらえれば、継続的に収益を得られるビジネスモデルを構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、企業理念として「独自の基盤技術を継続的に創出し、誰にでも使いやすく高精度な検査システムを提供することで、病気の早期発見と予防に貢献し、すべての人々が健康で自分らしく生きられる社会の実現を目指すこと」を掲げています。 この理念のもと、次の二点を重点方針として取り組んでおります。1.顧客の信頼に応える高品質製品の安定供給調達から生産までの計画を精緻に立案・実行し、市場環境の変化に的確に対応しながら、継続的な品質向上と確実な品質保証を徹底する。2.高付加価値製品の迅速な市場投入顧客ニーズを的確に把握し、開発目標や技術的課題に対して経営資源を最適配分し、納期遵守と設計品質を担保し、確実な事業成果へと結びつける。 (2) 目標とする経営指標2023年9月29日に発表した「事業計画及び成長可能性に関する説明資料」において、2027年6月期の数値目標を「連結売上高10,000百万円、連結営業利益1,000百万円」としており、これを「目標とする経営指標」として掲げておりましたが、経営環境の変化の分析結果、第39期連結業績及び事業の抜本的改善策の実施計画等を踏まえ、2024年9月30日に発表した「事業計画及び成長可能性に関する説明資料」の通り、中長期的には、2025年6月期から2027年6月期までの3年間につき、1年度ごとに250百万円から600百万円程度の売上増加を目標とし、2027年6月期末時点では連結営業利益約400百万円を達成することを目標としております。 (3) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題当社の経常損益は、残念ながら、第36期の770百万円をピークに下落し、当連結会計年度においては△139百万円となり、第40期においても無配当とさせていただくこととなりました。当社グループは、事業の運営体制の全体を徹底的に分析して見直し、2027年6月期を目途に次に掲げる4つの課題を解決し、財務基盤の安定化と持続的な企業価値向上に努めてまいります。① 売上増加:独自の自動化プラットフォームおよび関連試薬・消耗品の売上を、2024年6月期を基準にCAGRで当該期間8%以上の成長② 粗利率改善:大館試薬センター稼働率向上とコスト低減を継続し、売上総利益率35%③ 生産性向上:社員一人当たりの付加価値を高め、営業利益率5%以上④ 企業価値向上:黒字化による利益剰余金積立と復配の実行 特に、第41期においては、業績の改善を継続し、ガバナンスの強化及び内部統制の再構築や財務基盤の再構築と成長に向けた、以下の施策を推進します。① ガバナンスの強化及び内部統制の再構築・中期事業計画を下回る業績に関する経営責任明確化・黒字化、復配を条件とした取締役株式報酬制度導入提案・専門知識を有する社外取締役の招聘による監視体制の強化・内部統制の外部専門家へのコンサルティング委託・グループ全体のコンプライアンス教育の実施・管理部門の組織再編及び人材強化② 財務基盤の再構築と成長に向けた施策・その他資本剰余金による繰越欠損金の填補・金融機関とのリレーション強化 これらの施策を着実に実行していくことで、早期に黒字化を定着させ、株主の皆様に還元できるようになると確信しています。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、企業理念として「独自の基盤技術を継続的に創出し、誰にでも使いやすく高精度な検査システムを提供することで、病気の早期発見と予防に貢献し、すべての人々が健康で自分らしく生きられる社会の実現を目指すこと」を掲げています。 この理念のもと、次の二点を重点方針として取り組んでおります。1.顧客の信頼に応える高品質製品の安定供給調達から生産までの計画を精緻に立案・実行し、市場環境の変化に的確に対応しながら、継続的な品質向上と確実な品質保証を徹底する。2.高付加価値製品の迅速な市場投入顧客ニーズを的確に把握し、開発目標や技術的課題に対して経営資源を最適配分し、納期遵守と設計品質を担保し、確実な事業成果へと結びつける。 (2) 目標とする経営指標2023年9月29日に発表した「事業計画及び成長可能性に関する説明資料」において、2027年6月期の数値目標を「連結売上高10,000百万円、連結営業利益1,000百万円」としており、これを「目標とする経営指標」として掲げておりましたが、経営環境の変化の分析結果、第39期連結業績及び事業の抜本的改善策の実施計画等を踏まえ、2024年9月30日に発表した「事業計画及び成長可能性に関する説明資料」の通り、中長期的には、2025年6月期から2027年6月期までの3年間につき、1年度ごとに250百万円から600百万円程度の売上増加を目標とし、2027年6月期末時点では連結営業利益約400百万円を達成することを目標としております。 (3) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題当社の経常損益は、残念ながら、第36期の770百万円をピークに下落し、当連結会計年度においては△139百万円となり、第40期においても無配当とさせていただくこととなりました。当社グループは、事業の運営体制の全体を徹底的に分析して見直し、2027年6月期を目途に次に掲げる4つの課題を解決し、財務基盤の安定化と持続的な企業価値向上に努めてまいります。① 売上増加:独自の自動化プラットフォームおよび関連試薬・消耗品の売上を、2024年6月期を基準にCAGRで当該期間8%以上の成長② 粗利率改善:大館試薬センター稼働率向上とコスト低減を継続し、売上総利益率35%③ 生産性向上:社員一人当たりの付加価値を高め、営業利益率5%以上④ 企業価値向上:黒字化による利益剰余金積立と復配の実行 特に、第41期においては、業績の改善を継続し、ガバナンスの強化及び内部統制の再構築や財務基盤の再構築と成長に向けた、以下の施策を推進します。① ガバナンスの強化及び内部統制の再構築・中期事業計画を下回る業績に関する経営責任明確化・黒字化、復配を条件とした取締役株式報酬制度導入提案・専門知識を有する社外取締役の招聘による監視体制の強化・内部統制の外部専門家へのコンサルティング委託・グループ全体のコンプライアンス教育の実施・管理部門の組織再編及び人材強化② 財務基盤の再構築と成長に向けた施策・その他資本剰余金による繰越欠損金の填補・金融機関とのリレーション強化 これらの施策を着実に実行していくことで、早期に黒字化を定着させ、株主の皆様に還元できるようになると確信しています。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】経営成績等の概要(1) 経営成績に関する分析当連結会計年度における世界経済は、資源価格や為替の変動などにより不透明な状況が続いたものの、ヘルスケア分野では安定した需要が見られました。一方で、原材料や物流、人件費の上昇圧力は依然として継続し、厳しいコスト環境が続いております。このような経営環境の中、当社グループは2024年9月30日公表の中期経営計画に基づき、収益構造強化とコスト抑制に取り組みました。また、事業再編の一環として、連結子会社エヌピーエス株式会社(以下、NPS)は、嘉興凱實生物科技股份有限公司(Quaero Life Science Co.,Ltd、以下、Quaero社)との合弁契約を締結しました。同契約により、2025年9月30日に増資払い込みを受けることでNPSは連結子会社から除外され、持分法適用関連会社となり、今後、合弁化によるコスト負担の軽減とQuaero社向け装置の受託製造を通じた黒字化及び投資利益の回収を見込んでおります。さらに、新規事業面では糖鎖解析に注目し、がんや自己免疫疾患の新たな検査マーカー及び解析システムの開発に取り組んでおります。2025年7月1日には、糖鎖プロファイリングシステム「LuBEA-Ⅷ」の販売を開始し、同システムは当社の強みである自動化技術と特許技術を活用したもので、IgA腎症など腎疾患向け糖鎖バイオマーカーの事業化を進めてまいります。 2024年6月期(前連結会計年度)2025年6月期(当連結会計年度)対前年同期増減率金額百分比金額百分比 百万円%百万円%%売上高3,979100.04,692100.017.9売上総利益95023.91,38129.445.3営業損失(△)△956△24.0△121△2.6-経常損失(△)△1,010△25.4△139△3.0-親会社株主に帰属する当期純損失(△)△1,121△28.2△253△5.4- 当連結会計年度は、売上高は4,692百万円(前年同期比17.9%増)、売上総利益は1,381百万円(前年同期比45.3%増)となりました。臨床診断装置が堅調に推移し、装置の売上増加に伴い、核酸抽出試薬及び関連消耗品、メンテナンス関連製品の売上が伸長しました。費用面では、海外連結子会社及び合弁会社の解散を含む抜本的な事業再編と各費用抑制施策により、販売費及び一般管理費は1,502百万円(前年同期比21.2%減)となりました。結果、営業損失は121百万円(前年同期956百万円)、経常損失は139百万円(前年同期1,010百万円)となりました。なお、連結子会社のソフトウェア不正使用に伴う対応費用として、54百万円の特別損失を計上し、親会社株主に帰属する当期純損失は253百万円(前年同期1,121百万円)となりました。 売上構成は、次のとおりであります。 ① 装置従来より事業展開している核酸自動抽出装置を中心としたラボ向けの各種自動化装置及び遺伝子を利用した臨床診断分野向けの装置の販売に関する区分です。主にELITechGroup向けの装置販売が増加したことで、売上高は2,244百万円(前年同期比20.0%増)となりました。 ② 試薬・消耗品当区分は、当社装置の使用に伴い消費される核酸抽出及びPCR検査等に用いる試薬等、並びに反応容器などの専用プラスチック消耗品の販売に関する区分であります。ELITechGroup向けの受注増加を中心に、核酸抽出試薬及び関連する消耗品の販売は堅調に推移しており、当連結会計年度の売上高は1,545百万円(前年同期比8.1%増)となりました。 ③ メンテナンス関連当区分は、装置メンテナンスやスペアパーツ(交換部品)販売などの区分であります。主要なODM先は、ODM先が自社でメンテナンス対応しておりますが、スペアパーツは当社から購入する契約となっております。ELITechGroup向けの臨床診断装置販売の増加に伴い、メンテナンス関連製品の販売も増加したことにより、当連結会計年度は、売上高716百万円(前年同期比52.7%増)となりました。 ④ 受託製造・受託検査当区分は、子会社の製造工場であるエヌピーエス㈱が実施している、当社以外の外部からの受託製造事業の区分及び当社受託検査の区分であります。堅調であったモーター制御基板等の装置用モジュールの需要減少により当連結会計年度の売上高は185百万円(前年同期比11.7%減)となりました。 (2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末の現金及び預金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ858百万円減少して1,036百万円となりました。<営業活動によるキャッシュ・フロー>税金等調整前当期純損失248百万円を計上し、事業構造改善費用の支払額122百万円や損害賠償金の支払額54百万円などの資金の減少はあったものの、減価償却費238百万円や棚卸資産の減少額192百万円、その他155百万円などの資金の増加により、営業活動によるキャッシュ・フローは95百万円の増加(前年同期は106百万円の減少)となりました。<投資活動によるキャッシュ・フロー>有形固定資産の取得による支出52百万円や定期預金の預入による支出20百万円などの資金の減少はあったものの、定期預金の払戻による収入40百万円や関係会社の清算による収入15百万円などにより、投資活動によるキャッシュ・フローは8百万円の減少(前年同期は国庫補助金による収入のため2,056百万円の増加)となりました。<財務活動によるキャッシュ・フロー>長期借入金の返済による支出502百万円や短期借入金の純増額が減少の300百万円となったこと、自己株式の取得による支出100百万円などにより、財務活動によるキャッシュ・フローは910百万円の減少(前年同期は2,508百万円の減少)となりました。 生産、受注及び販売の実績(1) 生産実績当連結会計年度の生産実績を売上構成ごとに示すと、次のとおりであります。 売上構成当連結会計年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)(千円)前年同期比(%)装置3,015,97346.5試薬・消耗品1,125,98154.1メンテナンス関連492,780149.5受託製造・受託検査134,593△12.9合計4,769,32951.8 (2) 受注実績当連結会計年度の受注実績を売上構成ごとに示すと、次のとおりであります。なお、当社グループ製品は、受注生産を基本としております。 売上構成受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)装置2,170,18220.51,035,041△6.7試薬・消耗品922,077△57.3104,185△85.7メンテナンス関連544,060△25.891,829△65.2受託製造・受託検査155,744173.5-△100.0合計3,792,065△20.21,231,057△42.2 (3) 販売実績当連結会計年度の販売実績を売上構成別に示すと、次のとおりであります。 売上構成当連結会計年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)(千円)前年同期比(%)装置2,244,80420.0試薬・消耗品1,545,8828.1メンテナンス関連716,16852.7受託製造・受託検査185,773△11.7合計4,692,62917.9 (注) 1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。2.売上構成間の取引については、相殺消去しております。3.主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2023年7月1日至 2024年6月30日)当連結会計年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)ELITechGroup S.p.A1,641,70141.22,580,64855.0PHC株式会社434,62110.9530,25411.3 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(経営成績)①売上高当連結会計年度は、売上高は4,692百万円(前年同期比17.9%増)となりました。臨床診断装置が堅調に推移し、装置の売上増加に伴い、核酸抽出試薬及び関連消耗品、メンテナンス関連製品の売上が伸長しました。 ②売上原価・売上総利益売上原価は3,311百万円(前年同期比9.3%増)、売上総利益は1,381百万円(前年同期比45.3%増)となりました。 ③販売費及び一般管理費費用面においては、研究開発費は128百万円(前年同期比40.3%減)でした。海外連結子会社及び合弁会社の解散を含む抜本的な事業再編と各費用抑制施策により、販売費及び一般管理費は、1,502百万円(前年同期比21.2%減)となりました。 ④営業外収益・営業外費用営業外損益では、受取利息等の営業外収益は12百万円(前年同期比13.0%減)を計上した一方、支払利息等の営業外費用は30百万円(前年同期比55.6%減)を計上いたしました。 ⑤営業損益・経常損益上記の結果、営業損失は△121百万円(前年同期の営業損失は△956百万円)、経常損失は△139百万円(前年同期の経常損失は△1,010百万円)となりました。 ⑥親会社株主に帰属する当期純損益連結子会社のソフトウェア不正使用に伴う対応費用として、54百万円の特別損失を計上し、親会社株主に帰属する当期純損失につきましては、△253百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失△1,121百万円)となりました。なお、1株当たり当期純損失金額は△9.21円(前年同期は1株当たり当期純損失金額△40.59円)となりました。 (財政状態)a 資産当連結会計年度末の資産合計は4,937百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,458百万円の減少となりました。主な要因としては、現金及び預金、未収消費税等の減少により流動資産が1,242百万円の減少、工具、器具及び備品、機械装置及び運搬具等の償却等により固定資産が215百万円減少いたしました。 b 負債当連結会計年度末の負債合計は1,176百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,076百万円の減少となりました。主な要因としては、短期借入金等の減少により流動負債が812百万円減少、長期借入金等の減少により固定負債が264百万円減少いたしました。 c 純資産当連結会計年度末の純資産合計は3,760百万円となり、前連結会計年度末に比べて382百万円の減少となりました。主な要因としては、自己株式の取得、利益剰余金の減少であります。 (経営成績等に重要な影響を与える要因について)当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。 (2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「経営成績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しておりますので、ご参照ください。なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりであります。 2021年6月期2022年6月期2023年6月期2024年6月期2025年6月期(当連結会計年度)自己資本比率(%)56.957.153.564.876.2時価ベースの自己資本比率(%)199.0126.197.282.2112.1キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)―4.6――5.9インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)―22.9――4.6 自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い(注) 1.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出しております。2.キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローを利用しております。3.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。4.利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を利用しております。5.2021年6月期、2023年6月期及び2024年6月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。 (資本の財源及び資金の流動性に係る情報)当社グループの運転資金需要のうち主なものは、外注費用及び部品購入のほか、研究開発費を含めた販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、工具器具及び備品購入等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金の調達は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としておりますが、必要に応じて株式及び新株予約権発行による資金調達を行う場合があります。なお、当連結会計年度末における借入金による有利子負債の残高は564百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,036百万円となっています。 (3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、経営者による資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • ODM事業への高い依存度
    売上高の約76%(2025年6月期)を特定のODM販売先に依存しており、その販売先の業績変動が直接、同社の業績に影響を及ぼす可能性があります。ただし、ELITechGroupとの5年間で総額70億円以上の発注が見込まれる中長期供給契約を締結し、安定化を図っています。
  • 自社ブランド事業の販売代理店依存
    自社ブランド製品の売上は全体の約24%弱で、国内外の提携代理店の販売実績に左右されます。代理店の経営状況や販売戦略の変化が、同社の業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。営業力のある代理店との連携強化で安定化を目指しています。
  • 人材確保と流出のリスク
    ヘルスケア分野の企業として、専門知識を持つ優秀な人材の確保が不可欠です。しかし、人材の確保が困難になったり、社外への流出が起こったりした場合、事業戦略の実行や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。人材マネジメントポリシーの実践で対応しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,843 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 市場および事業について①ODM事業について当社グループの売上高構成のうち、ELITechGroup等のODM販売先への依存度が76%程度(2025年6月期)と高くなっております。そのため、当社グループの業績は、ODM販売先の売上状況の影響を受けることが予測されます。このたび、当社とELITechGroupは、ODM製品のより安定した生産と供給を実現するために、2024年7月~2029年6月の5年間を契約期間とするODM製品の中長期的な供給契約に合意し、契約期間中に総額70億円以上の発注がなされる予定です。このことを受け、大館試薬センターをはじめ、協力会社も含む各生産拠点の継続的な安定稼働と運営の効率化を見込んでいます。 ②自社ブランド製品事業について当社グループの自社ブランド製品事業は、国内外において装置、抽出試薬・消耗品、メンテナンス関連製品の販売を行っており、2025年6月期における売上依存度は24%弱となっております。これらの販売は、提携する現地代理店の販売実績に影響を受ける可能性があり、当該代理店の経営状況や販売戦略の変化によっては、当社グループの業績に影響を及ぼすリスクがあります。当社は、営業力を有する代理店との提携強化や、販売見込みの精度向上に努めることで、売上の安定化を図ってまいります。 ③人材確保について当社グループは、ヘルスケア企業であり、競争力の維持のためにも専門的な知識・技能を持った優秀な人材の確保は必須であると考えております。しかしながら、人材確保が出来ない場合、必要不可欠な人材が社外に流出する状況になった場合、当社グループの事業戦略や業績に影響を及ぼす可能性があります。そこで当社グループでは、人材マネジメントポリシーの実践をしてまいります。 (2) 財務・資金調達について①資金調達について当社グループは、製品の上市、販売に向けた開発費用、設備投資、運転資金などの資金需要の増加に対応するため、資金調達を行う必要がありますが、資金が計画通りに調達できない場合には、当社グループの事業戦略や業績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは健全な財務体質を構築、維持に努め、安心できる格付けを取得するとともに、最新の販売、生産計画に基づいた資金計画の見直しを随時行ってまいります。 ②減損について当社グループは、様々な有形固定資産、技術資産等の無形固定資産を有していますが、事業環境の急激な変化に伴う生産設備の遊休化や稼働率の低下等により減損損失が発生し、当社グループの事業戦略や業績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、最新の販売、受注情報に基づいた生産計画の見直しを随時行なってまいります。 (3) 規制・災害・事故について①経営上の重要な契約等について当社グループの事業展開上、重要な契約が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了した場合や、当社グループに不利な改定が行われた場合には、当社グループの事業戦略や業績に影響を及ぼす可能性があります。 ②知的財産権について当社グループは、競合他社を排除するため、当社グループの技術を特許で保護しております。登録している特許が無効化、消滅した場合には、当社グループの事業戦略や業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③製造物責任のリスクについて当社グループが取り扱うすべての製品、パーツ部材等について製造物責任賠償のリスクが内在しております。当社はこれに備えて製造物責任賠償保険に加入しておりますが、臨床試験、検査の過程で製造物の欠陥が発見され、補償額が保険の補償範囲を超える大規模な製造物責任を負う場合には、当社グループの事業戦略や業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④法的規制について当社グループの製品は、販売される国ごとの法規制を受けており、当社グループは当該法規制を順守していく方針であります。しかしながら、これらの規制が強化されたり、新たな規制が導入された場合には、当社グループの事業戦略や業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが開発、販売中のIVD検査装置、IVD試薬は関連法規の規制を受けており、営業活動継続のためには当局の承認又は許可が必要になります。当社グループが開発を進めている個々のプロジェクトについて、かかる許認可が得られなかった場合には、当社グループの事業戦略や業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤情報セキュリティ当社グループが保有する機密情報及び個人情報については、厳正な管理に務めておりますが、これらの情報の流出により問題が発生した場合には、当社グループの社会的信頼の低下等、業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)継続企業の前提に関する重要事象等について当連結会計年度は中期経営計画に定めた事業再生フェーズ中であります。利益確保の基盤は整いつつあるものの、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しております。これにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在しております。このような事象又は状況を解消すべく、当社グループは、事業の抜本的改善策について拠点の移転統廃合等でグループ収益力向上を図り、事業の収益改善策については、従来より強固な協力関係にあり、当社グループの売上の約50%強を構成するELITechGroupとの5年間のODM製品供給契約の締結により、装置、試薬、消耗品、メンテナンス関連製品の収益改善の具体化につながり、大館試薬センター第二工場の稼働率の大幅な向上が図られ、製品供給能力の向上と製造原価率の低減から利益率が改善され、利益確保の基盤が整いつつあります。資金面では、財務制限条項の付された借入金は弁済済となっており、また、メインバンクを中心に既存取引行と緊密な関係を維持しており、今後も継続的な支援が得られるものと考えております。当社メインバンクとは2025年5月に返済期限をむかえた短期借入金について借換えを行いました。これにより、当面の間の運転資金及び投資資金において、資金繰りに重大な懸念はないと判断しております。従いまして、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象及び状況は存在するものの、重要な不確実性は認められないものと判断しております。※当社の製品は製品設計の段階から受託するケースがほとんどであるため、当期より従来の表現であったOEMから「ODM(Original Design Manufacturing)」へと表記を統一いたします。

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