7550

ゼンショーホールディングス(7550)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

小売業 小売

事業の概要

ゼンショーホールディングスは、国内外で多岐にわたるフード事業を展開する企業グループです。主力事業は、牛丼チェーン「すき家」や寿司チェーン「はま寿司」といった直営レストランの運営です。その他にも、「なか卯」や「ロッテリア」などのファストフード、ファミリーレストラン「ココス」、スーパーマーケット、食品製造・加工、物流、介護事業など、食に関わる幅広い分野で収益を上げています。特に、すき家、はま寿司、ファストフードの3セグメントがグループ全体の売上の約75%を占めており、多様なブランド展開で収益を分散させているのが特徴です。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

ゼンショーホールディングスの事業セグメントは多岐にわたります。「グローバルすき家」は牛丼チェーン「すき家」を国内外で展開し、売上と利益の大きな柱です。「グローバルはま寿司」は寿司チェーン「はま寿司」を国内外で展開し、こちらも高い収益性を示しています。「グローバルファストフード」は「なか卯」「ロッテリア」など多様なファストフードを展開し、グループ最大の売上を誇ります。「レストラン」は「ココス」「ジョリーパスタ」などのファミリーレストランを運営しています。「小売」はスーパーマーケットや青果販売を行い、「本社・サポート」は食品製造や物流、店舗設備管理などを担っています。その他、介護事業や畜産水産事業も展開しており、多様な事業で収益を上げています。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
GlobalSukiyaReportableSegment 事業 2,958 245 8.3%
GlobalHamazushiReportableSegment 地域 2,485 214 8.6%
GlobalFastfoodReportableSegment 事業 3,141 292 9.3%
RestaurantReportableSegment 事業 1,561 114 7.3%
RetailReportableSegment 事業 760 -18 -2.4%
HeadofficeAndSupportReportableSegment 事業 49 -74 -151.8%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,957 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社及び関係会社 169社の計170社により構成されており、フード業の経営を幅広く行っております。なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。 (1) グローバルすき家セグメント(グループ売上シェア:26.0%)㈱すき家及び泉盛餐飲(上海)有限公司等の海外子会社は、日本国内と中国、東南アジア及び中南米で牛丼チェーンの「すき家」を直営展開しており、ご家族やグループなど幅広いお客様に、主力の牛丼を中心に安全で美味しい商品を手軽な価格で提供しております。 (2) グローバルはま寿司セグメント(グループ売上シェア:21.9%)㈱はま寿司及び泉盛餐飲(上海)有限公司等の海外子会社は、日本国内と中国等で寿司チェーンの「はま寿司」を直営展開しており、新鮮な海産物を使用した寿司に加え、麺類やデザート、ドリンクなどのサイドメニューも充実させており、お子様から大人まで楽しんでいただいております。 (3) グローバルファストフードセグメント(グループ売上シェア:27.6%)㈱なか卯は、親子丼・京風うどんの「なか卯」を直営及びFCで展開しております。㈱ロッテリアは、ハンバーガーチェーンの「ロッテリア」等を中心に直営及びFCで展開しております。㈱エイ・ダイニングでは、ラーメン専門店の「伝丸」等を関東中心に直営展開しております。㈱かつ庵は、とんかつ専門店の「かつ庵」を関東・中部中心に直営展開しております。㈱久兵衛屋は、武蔵野うどん・天ぷら・しゃぶしゃぶの「久兵衛屋」を関東中心に直営展開しております。㈱瀬戸うどんでは、セルフサービスの讃岐うどん専門店の「瀬戸うどん」等を関東中心に直営展開しております。㈱善祥カフェは、フェアトレードコーヒーのカフェ「モリバコーヒー」等を関東中心に展開しております。TCRS Restaurants Sdn.Bhd.は、チキンライス専門店の「The Chicken Rice Shop」等をマレーシアで直営展開しております。Advanced Fresh Concepts Corp. の「AFC」、「ZENSHI」等やSushi Circle Gastronomie GmbHの「sushicircle」等や及びWonderfield TopCo Limitedの「SNOWFOX」、「Bento」、「Taiko」、「YO!」「SNOWFRUIT」等は、テイクアウト寿司店等を直営及びFCで展開しております。 (4) レストランセグメント(グループ売上シェア:13.7%)㈱ココスジャパンでは、ファミリーレストランの「ココス」等を全国に直営及びFCで展開しております。㈱ビッグボーイジャパンでは、ハンバーグ&ステーキレストランを直営展開しております。関東・関西・東北中心に「ビッグボーイ」等、北海道で「ヴィクトリアステーション」を展開しております。㈱ジョリーパスタでは、パスタ専門店の「ジョリーパスタ」等を関東・関西中心に直営展開しております。㈱TAG-1では、焼肉レストランの「熟成焼肉いちばん」等を関東・関西中心に直営展開しております。㈱オリーブの丘では、本格的なイタリア料理専門の「オリーブの丘」を関東で直営展開しております。㈱華屋与兵衛では、和食レストランの「華屋与兵衛」を関東で直営展開しております。 (5) 小売セグメント(グループ売上シェア:6.7%) ㈱ジョイマートは、スーパーマーケット経営を行っております。 ㈱ユナイテッドベジーズは、青果の販売を主な事業としております。 (6) 本社・サポートセグメント(グループ売上シェア:0.4%) ㈱GFFは、食品の製造・加工を主な事業としております。 ㈱ゼンショー商事は、食材の仕入・販売を主な事業としております。 ㈱グローバルフレッシュサプライは、物流機能/食材の全国配送を主な事業としております。 ㈱テクノ建設は、店舗設備・メンテナンスを主な事業としております。 ㈱グローバルテーブルサプライは、備品・ユニフォーム等の調達/販売を主な事業としております。 (7) その他(グループ売上シェア:3.6%)  その他の事業は、主として外販製造卸売事業、介護事業及び畜産水産事業であります。 ㈱トロナジャパンは、家庭用冷凍食品等の販売を行っております。 ㈱サンビシは、醤油やドレッシングなどの製造・販売を行っております。 ㈱輝は、介護事業を運営しております。 ㈱ゼンショーライスは、玄米・精米の販売を行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
手軽な価格で提供しており、競合店状況を考慮した出店政策を行っているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ブランド
「すき家」「はま寿司」「なか卯」「ロッテリア」など多数のブランドを国内外で展開。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:食品の安全に関わる問題発生 / 自然災害及びパンデミックの発生 / 出店計画の変更や不採算店舗の発生
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 12 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

ゼンショーHDは「すき家」「はま寿司」「ココス」など、多数の強力なブランドポートフォリオを保有。特に「すき家」は長年の歴史と認知度を持ち、一定のブランドロイヤリティを築いている。しかし、競合他社も同様にブランド戦略を展開しており、圧倒的なブランド力による独占的地位とは言い難い。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

外食産業における顧客のスイッチング・コストは一般的に低い。ゼンショーHDの各ブランドは、価格帯やメニューの多様性で顧客を引きつけているが、特定のブランドに固定されるほどの強いスイッチング・コストは発生しにくい。ポイントプログラムや会員特典はあるものの、競合他社も同様の施策を行っている。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ゼンショーHDのビジネスモデルは、直接的なネットワーク効果を生まない。店舗網の拡大やメニューの改善は顧客体験向上に寄与するが、ユーザーが増えることでサービスの価値が指数関数的に高まるような構造ではない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

ゼンショーHDは、スケールメリットを活かした仕入れ・物流網の効率化、セントラルキッチンの活用、標準化されたオペレーションにより、コスト競争力を維持している。特に「すき家」のような高回転率の業態では、規模の経済によるコスト優位性が発揮されやすい。

規模の経済★★★★★
根拠:強い規模が参入障壁になる

ゼンショーHDは、国内外に多数の店舗を展開する世界最大級のフードサービス企業。特に日本国内においては、「すき家」「はま寿司」などの主要ブランドで圧倒的な店舗網と市場シェアを有しており、規模の経済による効率性と市場への影響力は大きい。この規模は新規参入障壁となり得る。

ゼンショーホールディングスの優位性は、多角的なブランド展開と国内外での広範な店舗ネットワークにあります。牛丼の「すき家」、寿司の「はま寿司」、多様なファストフードやファミリーレストランなど、幅広い業態を直営で展開することで、多様な顧客ニーズに対応し、市場シェアを確保しています。また、食材の仕入れから製造、物流、店舗運営までを一貫して行うことで、コスト効率を高め、手頃な価格での商品提供を実現しています。海外展開も積極的に進めており、グローバルな規模とサプライチェーンの構築が、競争上の強みとなっています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、「世界から飢餓と貧困を撲滅する」という創業当初からの企業理念を更に進化させ「人類社会の安定と発展に責任をおう」企業であり続けるために、人種・宗教・民族文化が生み出す様々な対立を乗り越え、お互いに協力し、人類全体が平和的に共生できる「食のインフラ」の構築を通じて、この責任を全うしてまいります。そのためにフード業を幅広く展開し、世界中の人々に安全でおいしい食を手軽な価格で提供するという使命をもって、グローバルに事業を展開しております。安全で質の高い商品とサービスをお客様に提供するため、メニューの開発から食材の調達、製造・加工、物流、販売に至る全過程を自ら企画・設計し、一貫してコントロールするMMD(マス・マーチャンダイジング・システム)の構築に努めております。MMDを実践することで、より幅広い層のお客様に、いつでも、気軽に利用していただける店舗づくりを実現し、業容の一層の拡大と効率化を図り、株主価値の増大に努めてまいります。 (2)経営環境当社グループを取り巻く経営環境は、ウクライナ情勢の長期化や、国内でのコメの価格高騰・輸入牛肉をはじめとする食材価格上昇の影響を受けました。一方で、人流の回復、経済活動の正常化や雇用・所得環境の改善に伴い、個人消費の持ち直しが前期から引き続き見られました。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題(1)及び(4)に記載の、経営方針及び中期経営戦略を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。 (対処すべき事業上及び財務上の課題)①食の安全性の追求当社グループは、お客様に安全な食を提供することを最重要課題とし、Codex基準(食品安全のグローバル基準)をベースにグループ食品安全基準本部が自社基準を設定し、全社員へ食品安全教育や取引先パートナーへの食品安全情報の提供を実施しております。調達、製造、物流及び販売のフードチェーン全体においては、グループ各社が食品安全マネジメントを完結することで、食の安全のトレーサビリティーを保証しております。原料・包材・製品の安全性については、中央分析センター及び微生物検査室によるハザード(健康阻害要因)の分析検査により、保証しております。また、2025年1月以降に発生した異物混入の事案を重く受け止め、特に外食事業の各業態において、店舗状態の改善に向け以下の対策を実施いたします。イ) 深夜における一時閉店を含む清掃作業時間の確保ロ) 害虫・害獣の侵入につながる恐れのあるひび割れ・穴等の定期的な点検・補修及 び老朽化店舗の計画的な改装ハ) 害虫・害獣が侵入・生息しづらく、清掃しやすい店舗設計への見直しニ) 従業員への安全・衛生教育の徹底 ②MMD(マス・マーチャンダイジング・システム)の進化当社グループは、お客様に安全でおいしい商品を安心してお召し上がりいただくために、MMDによる安全性の確保を継続するとともに、業績の向上を目指し、業容の拡大とグループシナジーの追求を行ってまいりました。また、加速する海外出店を考慮し、海外拠点による調達網の強化を行うとともに、食材の安全性の追求と商品クオリティの向上、コスト改善を図ってまいります。※MMD(マス・マーチャンダイジング・システム)「世界中の人々に安全でおいしい食を手軽な価格で提供する」この使命を果たすための仕組みで、原材料の調達から製造・加工、物流、店舗における販売までを一貫して自らの手で企画・設計、運営するシステムです。 ③ブランドの進化当社グループは、日々進化するお客様のニーズや多様なライフスタイルに対応し、常にお客様の期待を超える商品、サービス、顧客体験を提供できるよう、全ての面でブランドの進化に努めてまいります。 ④出店及びM&Aによる成長国内外において業態の収益力を高め、積極的な出店を継続してまいります。また、M&A等の活用により、新規事業領域への進出やMMDの更なる強化を図り、安全でクオリティの高い食材の供給と、食の多様化にも対応してまいります。 ⑤人財の採用及び育成当社グループは、人財は付加価値を生み出す人的資本であるとの考えに基づき、当社グループの理念に共感する優秀な人財を採用し、持続的な成長を支える人財を育成してまいります。また、女性社員の活躍推進を含む多様な働き方の促進や、中途採用の強化、グローバル人財の採用・育成を積極的に進めてまいります。 ⑥労働環境の改善当社グループは、労働環境を改善するために、マネジャー層に対するコンプライアンス教育の強化、ハラスメント防止対策として相談窓口の設置や社内研修の実施、従業員との対話機会の充実等の多様な改善施策を実施してまいりました。引き続きDX推進による作業の効率化、コミュニケーションの強化、人事評価制度・給与制度・福利厚生の見直し等を行い、従業員一人ひとりが能力を高め、やりがいと成長を実感できる職場環境にすることで長期安定雇用を図ってまいります。 ⑦お客様の利便性向上及び迅速な経営判断に資するためのシステム構築当社グループでは、お客様の利便性向上及び生産性向上のためのシステム構築を進めております。また、経営管理システムとして、売上・在庫等の情報を収集する仕組みを構築しております。今後、国内外でグループ各社の販売拠点を拡大していく中で、更なる情報の収集・統合の効率化を進め、経営陣の迅速な判断に資するシステムと体制の構築にも取り組んでまいります。 ⑧DXへの積極的な取り組み現在、第4次産業革命とも呼ばれるデジタル化の急速な進展の中で、人工知能(AI)・IoT・RPA・ロボット・クラウドの活用が加速しております。店舗においては、セルフオーダー/セルフキャッシング/ロボット等の技術革新やITによるデータ活用等により、定型労働に加えて非定型労働においても省人化が進んでおります。当社グループにおきましても、店舗、工場、物流、本部などの各工程において、積極的にDXヘ取り組むことで業務の効率化・自動化を推進してまいります。 ⑨食材の安定供給への取り組み当社グループでは、店舗で使用する食材を国内外から調達しており、気候変動や為替変動による価格上昇や調達困難のリスクに対応するため、仕入先の分散等に取り組んでおります。そのために、グローバルに食材調達のための拠点を展開、産地からの情報収集と直接買い付けを行い、安全で高品質な食材の調達を実現してまいります。また、昨今のいわゆる「トランプ関税」によるリスクに関しては、グローバルな視野で調達リスクの分析を行い、調達網の再編、及び新たな調達チャネルの開拓を進めてまいります。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、中期経営計画を策定し、その経営指標(KPI)として売上高、営業利益、経常利益、当期純利益、売上高営業利益率、売上高経常利益率、売上高当期純利益率、ROEの目標値を定めております。当該KPIを採用している理由としましては、中期経営方針として①既存事業の収益改善②国内外における新規出店による業容の拡大③人財育成及び職場環境の改善を挙げており、経営方針の進捗状況や実現可能性の評価等を行うことが可能になるためであります。なお、中期経営計画及びKPIの目標値については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載しております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、「世界から飢餓と貧困を撲滅する」という創業当初からの企業理念を更に進化させ「人類社会の安定と発展に責任をおう」企業であり続けるために、人種・宗教・民族文化が生み出す様々な対立を乗り越え、お互いに協力し、人類全体が平和的に共生できる「食のインフラ」の構築を通じて、この責任を全うしてまいります。そのためにフード業を幅広く展開し、世界中の人々に安全でおいしい食を手軽な価格で提供するという使命をもって、グローバルに事業を展開しております。安全で質の高い商品とサービスをお客様に提供するため、メニューの開発から食材の調達、製造・加工、物流、販売に至る全過程を自ら企画・設計し、一貫してコントロールするMMD(マス・マーチャンダイジング・システム)の構築に努めております。MMDを実践することで、より幅広い層のお客様に、いつでも、気軽に利用していただける店舗づくりを実現し、業容の一層の拡大と効率化を図り、株主価値の増大に努めてまいります。 (2)経営環境当社グループを取り巻く経営環境は、ウクライナ情勢の長期化や、国内でのコメの価格高騰・輸入牛肉をはじめとする食材価格上昇の影響を受けました。一方で、人流の回復、経済活動の正常化や雇用・所得環境の改善に伴い、個人消費の持ち直しが前期から引き続き見られました。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題(1)及び(4)に記載の、経営方針及び中期経営戦略を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。 (対処すべき事業上及び財務上の課題)①食の安全性の追求当社グループは、お客様に安全な食を提供することを最重要課題とし、Codex基準(食品安全のグローバル基準)をベースにグループ食品安全基準本部が自社基準を設定し、全社員へ食品安全教育や取引先パートナーへの食品安全情報の提供を実施しております。調達、製造、物流及び販売のフードチェーン全体においては、グループ各社が食品安全マネジメントを完結することで、食の安全のトレーサビリティーを保証しております。原料・包材・製品の安全性については、中央分析センター及び微生物検査室によるハザード(健康阻害要因)の分析検査により、保証しております。また、2025年1月以降に発生した異物混入の事案を重く受け止め、特に外食事業の各業態において、店舗状態の改善に向け以下の対策を実施いたします。イ) 深夜における一時閉店を含む清掃作業時間の確保ロ) 害虫・害獣の侵入につながる恐れのあるひび割れ・穴等の定期的な点検・補修及 び老朽化店舗の計画的な改装ハ) 害虫・害獣が侵入・生息しづらく、清掃しやすい店舗設計への見直しニ) 従業員への安全・衛生教育の徹底 ②MMD(マス・マーチャンダイジング・システム)の進化当社グループは、お客様に安全でおいしい商品を安心してお召し上がりいただくために、MMDによる安全性の確保を継続するとともに、業績の向上を目指し、業容の拡大とグループシナジーの追求を行ってまいりました。また、加速する海外出店を考慮し、海外拠点による調達網の強化を行うとともに、食材の安全性の追求と商品クオリティの向上、コスト改善を図ってまいります。※MMD(マス・マーチャンダイジング・システム)「世界中の人々に安全でおいしい食を手軽な価格で提供する」この使命を果たすための仕組みで、原材料の調達から製造・加工、物流、店舗における販売までを一貫して自らの手で企画・設計、運営するシステムです。 ③ブランドの進化当社グループは、日々進化するお客様のニーズや多様なライフスタイルに対応し、常にお客様の期待を超える商品、サービス、顧客体験を提供できるよう、全ての面でブランドの進化に努めてまいります。 ④出店及びM&Aによる成長国内外において業態の収益力を高め、積極的な出店を継続してまいります。また、M&A等の活用により、新規事業領域への進出やMMDの更なる強化を図り、安全でクオリティの高い食材の供給と、食の多様化にも対応してまいります。 ⑤人財の採用及び育成当社グループは、人財は付加価値を生み出す人的資本であるとの考えに基づき、当社グループの理念に共感する優秀な人財を採用し、持続的な成長を支える人財を育成してまいります。また、女性社員の活躍推進を含む多様な働き方の促進や、中途採用の強化、グローバル人財の採用・育成を積極的に進めてまいります。 ⑥労働環境の改善当社グループは、労働環境を改善するために、マネジャー層に対するコンプライアンス教育の強化、ハラスメント防止対策として相談窓口の設置や社内研修の実施、従業員との対話機会の充実等の多様な改善施策を実施してまいりました。引き続きDX推進による作業の効率化、コミュニケーションの強化、人事評価制度・給与制度・福利厚生の見直し等を行い、従業員一人ひとりが能力を高め、やりがいと成長を実感できる職場環境にすることで長期安定雇用を図ってまいります。 ⑦お客様の利便性向上及び迅速な経営判断に資するためのシステム構築当社グループでは、お客様の利便性向上及び生産性向上のためのシステム構築を進めております。また、経営管理システムとして、売上・在庫等の情報を収集する仕組みを構築しております。今後、国内外でグループ各社の販売拠点を拡大していく中で、更なる情報の収集・統合の効率化を進め、経営陣の迅速な判断に資するシステムと体制の構築にも取り組んでまいります。 ⑧DXへの積極的な取り組み現在、第4次産業革命とも呼ばれるデジタル化の急速な進展の中で、人工知能(AI)・IoT・RPA・ロボット・クラウドの活用が加速しております。店舗においては、セルフオーダー/セルフキャッシング/ロボット等の技術革新やITによるデータ活用等により、定型労働に加えて非定型労働においても省人化が進んでおります。当社グループにおきましても、店舗、工場、物流、本部などの各工程において、積極的にDXヘ取り組むことで業務の効率化・自動化を推進してまいります。 ⑨食材の安定供給への取り組み当社グループでは、店舗で使用する食材を国内外から調達しており、気候変動や為替変動による価格上昇や調達困難のリスクに対応するため、仕入先の分散等に取り組んでおります。そのために、グローバルに食材調達のための拠点を展開、産地からの情報収集と直接買い付けを行い、安全で高品質な食材の調達を実現してまいります。また、昨今のいわゆる「トランプ関税」によるリスクに関しては、グローバルな視野で調達リスクの分析を行い、調達網の再編、及び新たな調達チャネルの開拓を進めてまいります。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、中期経営計画を策定し、その経営指標(KPI)として売上高、営業利益、経常利益、当期純利益、売上高営業利益率、売上高経常利益率、売上高当期純利益率、ROEの目標値を定めております。当該KPIを採用している理由としましては、中期経営方針として①既存事業の収益改善②国内外における新規出店による業容の拡大③人財育成及び職場環境の改善を挙げており、経営方針の進捗状況や実現可能性の評価等を行うことが可能になるためであります。なお、中期経営計画及びKPIの目標値については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載しております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日)における連結業績は、売上高1兆1,366億84百万円(前年同期比17.7%増)、営業利益751億28百万円(同39.9%増)、経常利益718億90百万円(同41.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益392億90百万円(同28.0%増)となりました。当社グループを取り巻く経営環境は、ウクライナ情勢の長期化や、国内でのコメの価格高騰・輸入牛肉をはじめとする食材価格上昇の影響を受けました。一方で、人流の回復、経済活動の正常化や雇用・所得環境の改善に伴い、個人消費の持ち直しが前期から引き続き見られました。当社グループにおいても、外食関連事業を中心にご家族やグループでのご利用が増えるなど、需要の高まりが見られました。このような状況の中、各報告セグメントの既存店売上高前年比は、「グローバルすき家」で109.8%、「グローバルはま寿司」で117.1%、「グローバルファストフード」で108.8%、「レストラン」で111.7%、「小売」で98.2%となりました。当連結会計年度末の店舗数につきましては、880店舗出店、570店舗退店した結果、15,419店舗(FC8,559店舗含む)となりました。報告セグメント別の概況につきましては、以下の通りであります。なお、文中に記載している売上高は、外部顧客への売上高としております。 (グローバルすき家)「グローバルすき家」の当連結会計年度の売上高は、2,957億57百万円(前年同期比11.5%増)、営業利益は、245億8百万円(同32.4%増)となりました。「すき家」は、日本国内と中国、東南アジア及び中南米に展開しており、ご家族やグループのお客様にもご利用いただけるよう、主力の牛丼を中心に安全で美味しい商品を手軽な価格で提供しております。国内すき家では、「明太マヨチーズ牛丼」、「月見すきやき牛丼」、「いくら丼」、「おん玉黒ビビンバ牛丼」などを販売しました。また、国内すき家では2025年1月以降、一部店舗において商品への異物混入事案が発生いたしました。これらの事案を真摯に受け止め、同年3月31日から4日間、一部店舗を除く全店の営業を一時休止し、徹底的な清掃等の対策を行いました。なお、当報告セグメントの当連結会計年度末の店舗数につきましては、97店舗出店、108店舗退店した結果、2,621店舗(国内1,969店舗、海外652店舗)となりました。 (グローバルはま寿司)「グローバルはま寿司」の当連結会計年度の売上高は、2,484億95百万円(前年同期比26.1%増)、営業利益は、213億52百万円(同87.0%増)となりました。「はま寿司」は、日本と中国などに展開しており、新鮮な海産物を使用した寿司に加え、麺類やデザート、ドリンクなどのサイドメニューも充実させており、お子様から大人まで楽しんでいただいております。なお、当報告セグメントの当連結会計年度末の店舗数につきましては、70店舗出店、2店舗退店した結果、735店舗(国内639店舗、海外96店舗)となりました。 (グローバルファストフード)「グローバルファストフード」の当連結会計年度の売上高は、3,141億25百万円(前年同期比28.9%増)、営業利益は、291億50百万円(同108.7%増)となりました。「なか卯」は、和食ファストフードチェーンとして、親子丼・京風うどんを中心に、バラエティ豊かな商品をお手頃価格で提供しております。また、「AFC」、「Snowfox」、「Yo!」、「Bento」、「Sushi Circle」は、主として欧米で寿司等のテイクアウト商品を提供しております。そのほかに、ハンバーガーチェーンの「ロッテリア」、とんかつ専門店の「かつ庵」、武蔵野うどんの「久兵衛屋」、ハラル認証を取得したチキンライス専門店の「The Chicken Rice Shop」などが当報告セグメントに含まれております。なお、当報告セグメントの当連結会計年度末の店舗数につきましては、703店舗出店、443店舗退店した結果、10,732店舗(国内960店舗、海外9,772店舗、FC8,482店舗含む)となりました。 (レストラン)「レストラン」の当連結会計年度の売上高は、1,560億85百万円(前年同期比10.9%増)、営業利益は、113億93百万円(同53.6%増)となりました。ファミリーレストランの「ココス」は、季節感を重視したフェアメニューの積極的な導入による商品の強化、専門店にも負けない本格的な味の追求、お客様が満足してお食事をしていただけるようサービス水準を高め、業績の向上に努めております。そのほかに、パスタ専門店の「ジョリーパスタ」、ハンバーグ&ステーキレストランの「ビッグボーイ」、厳選された牛肉を提供する焼肉チェーン店の「熟成焼肉いちばん」、本格イタリアンレストランの「オリーブの丘」、和食レストランの「華屋与兵衛」などが当報告セグメントに含まれております。なお、当報告セグメントの当連結会計年度末の店舗数につきましては、7店舗出店、10店舗退店した結果、1,186店舗(国内1,185店舗、海外1店舗、FC77店舗含む)となりました。 (小売)「小売」の当連結会計年度の売上高は、760億32百万円(前年同期比3.1%減)、営業損失は、17億94百万円(前年同期は営業損失9億24百万円)となりました。北関東中心に展開しているスーパーマーケット「マルヤ」、「ジョイフーズ」などのほか、青果販売等を行っている「ユナイテッドベジーズ」などが当報告セグメントに含まれております。なお、当報告セグメントの当連結会計年度末の店舗数につきましては、1店舗出店、7店舗退店した結果、126店舗となりました。 (本社・サポート)「本社・サポート」の当連結会計年度の売上高は、48億87百万円(前年同期比9.7%増)、営業損失は、74億18百万円(前年同期は営業利益39億48百万円)となりました。食品の製造・加工を担う㈱GFF、物流機能を担う㈱グローバルフレッシュサプライ、備品・ユニフォーム等を調達する㈱グローバルテーブルサプライなどが当報告セグメントに含まれております。 (その他)「その他」の当連結会計年度の売上高は、413億円(前年同期比14.8%増)、営業損失は、20億2百万円(前年同期は営業損失6億5百万円)となりました。家庭用冷凍食品等を企画・開発・販売する㈱トロナジャパン、醤油やドレッシングなどの製造・販売を担う㈱サンビシ、介護事業を運営する㈱輝、玄米・精米を販売する㈱ゼンショーライスなどが含まれております。 当連結会計年度末における資産は8,131億9百万円となり、前連結会計年度末から650億52百万円増加いたしました。これは主に、有形固定資産の増加等によるものであります。当連結会計年度末における負債は5,727億37百万円となり、前連結会計年度末から393億33百万円増加いたしました。これは主に、有利子負債の増加等によるものであります。当連結会計年度末における純資産は2,403億71百万円となり、前連結会計年度末から257億19百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金の増加等によるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況 金額現金及び現金同等物の期首残高821億71百万円営業活動によるキャッシュ・フロー789億53百万円投資活動によるキャッシュ・フロー△664億97百万円財務活動によるキャッシュ・フロー△162億25百万円現金及び現金同等物の期末残高796億95百万円(参考)フリー・キャッシュ・フロー124億55百万円 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、期首残高より24億76百万円減少し、796億95百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、税金等調整前当期純利益及び減価償却費等の増加等により789億53百万円の資金の増加となりました。投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、新規出店と改装に伴う有形固定資産の取得等により664億97百万円の資金の減少となりました。財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、有利子負債の返済及び配当金の支払等により162億25百万円の資金の減少となりました。 (注) フリー・キャッシュ・フローは、以下の計算式を使っております。フリー・キャッシュ・フロー=営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー ③ 生産、受注及び販売の状況a. 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメント別に示すと次のとおりです。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)生産金額(百万円)前年同期比(%)グローバルすき家16,056117.0グローバルファストフード963123.9本社・サポート78,113109.0その他30,281130.4合計125,414114.6 b. 受注状況該当事項はありません。 c. 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと次のとおりです。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)販売金額(百万円)前年同期比(%)グローバルすき家295,757111.5グローバルはま寿司248,495126.1グローバルファストフード314,125128.9レストラン156,085110.9小売76,03296.9本社・サポート4,887109.7その他41,300114.8合計1,136,684117.7 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの経営成績等の状況については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであり、また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。当社グループは、中長期的に資本コストを上回るROE(自己資本利益率)の向上を目指しており、ROEを重要な指標と位置付けております。なお、当連結会計年度のROEは17.3%であり、株主資本コスト7.3%に対して10.0ポイント上回っております。今後の見通しにつきましては、引き続き原材料・エネルギー価格・物流コストの上昇など、厳しい経営環境が続くことが予想されます。また、国内すき家の一部店舗で発生した異物混入事案の再発防止に向けた対策として、創業以来継続してきた24時間営業を取りやめ、集中的に清掃作業を行う時間を確保することとしたほか、老朽化が進んでいる店舗の計画改装などを行っております。さらに、その他の業態においても店舗衛生環境の維持向上に取り組んでおります。当社グループは、食の安全を第一優先とした「食のインフラ」によってお客様に美味しい食を持続的にお届けできるよう、食材調達から製造、物流、店舗販売まで一貫して設計・運営を行うマス・マーチャンダイジング・システム(MMD)をより強化し、世界の安定と発展のために貢献してまいります。 ② 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等2026年3月期を含む3ヵ年を対象とした中期経営計画を下記の通り策定しております。 (億円未満切捨て) 2025年3月期2026年3月期2027年3月期2028年3月期 実績計画対前年計画対前年計画対前年売上高11,36612,235+86813,500+1,26514,810+1,310(伸び率) (+7.6%) (+10.3%) (+9.7%)営業利益751820+681,000+1801,165+165(対売上高・伸び率)(6.6%)(6.7%)(+9.1%)(7.4%)(+22.0%)(7.9%)(+16.5%)経常利益718774+55936+1621,097+161(対売上高・伸び率)(6.3%)(6.3%)(+7.7%)(6.9%)(+20.9%)(7.4%)(+17.2%)親会社株主に帰属する当期純利益392425+32530+105629+99(対売上高・伸び率)(3.5%)(3.5%)(+8.2%)(3.9%)(+24.7%)(4.2%)(+18.7%)   上記のほか、中期目標としてROE10%の安定的達成を計画しております。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループのキャッシュ・フローの状況については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。当面の設備投資及び株主還元等に必要な資金については自己資金で賄う予定ですが、新たな収益の源泉となり企業価値向上に貢献しうるM&A等の投資も継続的に検討していることから、金融機関からの借入等による資金調達も併せて継続的に検討しております。手許資金については、複数の金融機関との連携強化により安定的に資金調達が出来る体制を整えており、十分な水準を確保しております。また、当社及び国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入しており、各社の余剰資金を当社へ集中して一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。なお、当社は㈱日本格付研究所(JCR)からA-格の発行登録予備格付を取得しております。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 a.繰延税金資産の回収可能性繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。回収可能性がない部分については評価性引当額を認識し、繰延税金資産の帳簿価額より減額しております。収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境等の外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(過去における中期経営計画の達成状況、予算など)と整合的に修正し見積っております。日本国内においては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (税効果会計関係)」に記載のとおり、当社及び一部の連結子会社はグループ通算制度を適用しており、法人税にかかわる部分については通算グループ全体として見積りしております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降において、繰延税金資産の回収可能性に変動が生じ、評価性引当額の追加認識又は取り崩しが生じ、当該期間の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。 b.有形固定資産、無形固定資産等の減損当社グループは、店舗資産をはじめとする有形固定資産、無形固定資産等について、店舗など概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位でグルーピングし、管理会計で使用している営業活動から生ずるキャッシュ・フローが継続してマイナスの資産グループについて減損の兆候が認められると判断し、減損損失を認識するかどうかの判定を行い、認識すべきと判定された資産について減損損失を計上しております。減損損失の認識の判定にあたっては、資産グループの割引前将来キャッシュ・フローの総額と、資産グループの帳簿価額を比較しており、割引前将来キャッシュ・フローの見積期間は主要な資産の平均残存耐用年数としております。認識すべきと判定された資産の減損損失は、帳簿価額を回収可能価額まで減じた額としており、回収可能価額は正味売却価額または使用価値を使用しております。正味売却可能価額は、主として路線価または固定資産税評価額に合理的な調整を行って算定した金額としております。使用価値は、資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値とし、現在価値の算定に際して用いられる割引率は、貨幣の時間価値を反映した税引前の利率としておりますが、直営店舗の資産等については、主として将来キャッシュ・フローが見込めないことによりゼロとしております。一方、耐用年数を確定できない商標権については、減損の兆候の有無にかかわらず連結会計年度末までに年に1度、減損テストを実施しております。減損テストは、商標権の帳簿価額と回収可能価額を比較することにより実施し、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その回収可能価額まで帳簿価額を減額し、減損損失を認識することとなります。回収可能価額は使用価値(将来キャッシュ・フローの現在価値)を使用しております。減損損失計上の判断にあたっては、主要な資産の平均残存耐用年数、将来の事業計画における売上高・材料費及び労務費等の営業損益項目を基礎とした将来キャッシュ・フロー、割引率その他の指標(成長率等)について一定の仮定を設定しております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の事業計画や経済条件等の変化によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。当社グループは、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(連結損益計算書関係) ※8減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において直営店舗他の減損損失(3,555百万円)を計上しております。 c. のれんの減損当社グループは、のれんが帰属する事業に関連する複数の資産グループにのれんを加えた、より大きな単位でグルーピングを行っており、その営業損益(のれん償却費考慮後)が継続してマイナスの事業について、のれんに減損の兆候が認められると判断し、減損損失を認識するかどうかの判定を行い、認識すべきと判定されたのれんについて減損損失を計上しております。減損損失の認識の判定にあたっては、のれんが帰属する事業の割引前将来キャッシュ・フローの総額とのれんを含む資産グループの帳簿価額を比較しており、割引前将来キャッシュ・フローの見積期間はのれんの残存耐用年数としております。認識すべきと判定されたのれんの減損損失は、帳簿価額を回収可能価額まで減じた額としており、回収可能価額は使用価値を使用しております。使用価値は、のれんが帰属する事業の将来キャッシュ・フローの現在価値とし、現在価値の算定に際して用いられる割引率は、貨幣の時間価値を反映した税引前の利率としております。減損損失計上の判断にあたっては、のれんの残存耐用年数、将来の事業計画における売上高・材料費及び労務費等の営業損益項目を基礎とした将来キャッシュ・フロー、割引率その他の指標(成長率等)について一定の仮定を設定しております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の事業計画や経済条件等の変化によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。当社グループは、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(連結損益計算書関係) ※8減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度においてのれんの減損損失(939百万円)を計上しております。

事業リスク

ゼンショーホールディングスは、食品の安全問題が発生した場合、企業イメージの失墜や業績悪化のリスクがあります。また、大規模な自然災害やパンデミック、海外展開における政情・経済変動などのカントリーリスクも事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。人財の確保は重要な経営課題であり、労働需給の悪化により十分な人財を確保できない場合、店舗運営に支障をきたす恐れがあります。さらに、原材料の調達不安や価格高騰、金利上昇によるコスト負担増、M&A後の偶発債務発生なども、経営成績や財政状態に影響を与えるリスクとして挙げられます。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,297 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの事業その他に関するリスクについて、当社の経営判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、それらは当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1)食品の安全について当社グループでは、安全でおいしい商品をお客様に提供するため、グループ食品安全基準本部の設置と担当役員の配置を行うとともに、グループ各社に食品安全・品質保証部門を設置することで、食の安全の確保に向けた取り組みを徹底しております。万一、異物混入・集団食中毒などの食の安全に関わる問題が発生した際には、1時間以内にグループ内各社本部に報告がなされ、被害を最小限にとどめられるよう対策を講じる仕組みを構築しておりますが、企業イメージの失墜などによって、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)自然災害及びパンデミックについて当社グループの営業店舗や工場、物流センター所在地を含む地域における大規模な地震、洪水、台風等の自然災害や感染症によるパンデミックの発生に備えて、BCP計画やBCPマニュアルを作成しております。災害等発生時には緊急対策本部の指揮のもと、速やかな対応を検討・実施しておりますが、全てのリスクを回避することは困難であるため、事業活動の縮小など、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3)出店政策・店舗展開について当社グループでは、出店候補地の商圏人口、交通量、競合店状況等から売上予測を行い、賃借料や投資額等の条件を検討した上で出店地の評価・選定を当社の専門部署が行うことで不採算店舗発生のリスク低減を図っております。現時点で出店地候補は著しく減少しておりませんが、出店条件に合致した物件が減少し出店計画に変更が生じる場合や、立地環境の変化などの理由により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4)海外展開におけるカントリーリスクについて当社グループは、中国、米州、東南アジア、欧州等の海外市場での事業拡大を戦略の一つとしており、海外子会社にて直営店の運営、フランチャイズの展開、食料品の製造・加工販売等を行っております。当社の海外子会社の展開国における、戦争、政情、経済、法規制、自然災害等の予測できない変動リスクや、ビジネス慣習等のカントリーリスクに関する情報収集に努め、これらリスク発生時に早期に対策を行う体制を整備しておりますが、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5)人財の確保について当社グループにとって人財の確保は、お客様に満足していただける店舗オペレーションを維持するうえで、重要な経営課題となっております。そのため、従業員にとって働きやすい職場環境づくりに努めております。具体的には、特に以下の取り組みを進めておりますが、今後、労働需給バランスの悪化などによって十分な人財確保ができない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。①より風通しのよい店舗運営を図るため、すき家の全国各地でクルーが主体となって意見交換を行う「ク  ルーミーティング」を、労働組合と協力して開催しています。「クルーミーティング」で発表された意   見をもとに茨城県つくば市に「かがやき保育園」を開所するなど、吸い上げた意見の実現に積極的に取 り組んでいます。この取り組みはすき家以外のグループ各業態にも範囲を広げており、今後も継続して 取り組みを行ってまいります。②女性従業員が働きやすい職場環境を整備するため、妊娠中の勤務や産前・産後休業、育児休業、職場復 帰、復帰後の勤務についてサポートを行う窓口を設置しております。また、短時間勤務が可能な職種、 業務を拡充するなど、育児中の女性従業員がさらに活躍できる職場環境づくりに努めております。 (6)個人情報の保護について当社グループは、お客様、従業員、株主の皆様に関する多くの個人情報を店舗及び本部にて保有しております。当社は当社グループの個人情報の保護管理を統括するため個人情報保護管理委員会を設置し、個人情報の取り扱いに関する個別具体的なルール策定を行い、グループ内ヘの浸透・徹底を図っております。さらに、各社各部門内に個人情報保護部門責任者を選任し、自部門の業務に関わる個人情報の取り扱い責任を明確化することで、自部門における個人情報の取り扱いに関する指導、教育を行っており、各社COO/部門長にも個人情報の重要性を認識してもらうべくセミナーも開催しています。以上のように情報の管理を厳正に行い、個人情報の漏洩防止に務めておりますが、これらの個人情報が外部へ流出した場合には、当社グループのイメージ及び社会的信用の失墜、対応費用の発生などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)情報システムへの依存について当社グループは、店舗運営、食材などの仕入れ、配送などの主要業務を情報システムに依存しております。当社のグループIT本部において、コンピュータウイルスやサイバー攻撃など悪意のある攻撃に対し、適切に防止策を実施してリスク低減を図っております。過去において当該リスクが顕在化したことはありませんが、これらの攻撃などにより情報システムに様々な障害が生じた場合には、効率的な運営の阻害や重要なデータの喪失などが発生する事により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8)原材料の調達及び価格変動について当社グループが使用する食材は多岐に渡るため、当社のグループMD本部を中心に原材料産地の開拓や分散調達などのリスクヘッジを実施しております。地政学的リスクや経済活動の変化による供給制約、関税等各国の輸出入規制、BSEや鳥インフルエンザ・豚コレラのような疫病の発生、大規模な洪水、台風等の自然災害の発生、為替相場の変動などにより、原材料などの調達不安や価格高騰が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)法的規制について当社グループでは、会社法、各種税法などの一般的な法令に加え、食品衛生法や労働関係法令、環境関連法令など店舗の営業にかかわる国内外の各種法的規制や制度の適用を受けております。各種業界団体への加盟などにより、必要な情報を的確に収集することでリスクの低減を図っておりますが、これらの法的規制が強化された場合、それに対応するための新たな費用が発生することにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10)M&Aについて当社グループは、新規出店とともにM&Aを推進することにより、業容を拡大し、持続的な成長を続けております。M&Aの実施に際しては、当社の専門部署及び外部専門家が詳細なデューデリジェンスを行い、対象企業を多角的な視点から調査分析することで、極力リスクを回避するように努めておりますが、M&Aを実施した後に、偶発債務や未認識債務の発生、コンプライアンス上の問題等が判明することや、市場環境や競争環境の変化により、当初期待した利益や効果を上げられない可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11)金利上昇について当社グループでは、店舗や工場などの設備投資や、M&Aなどの資金の一部を金融機関からの借入及び社債発行により調達しております。その大部分は、固定金利による長期の資金調達となっており、急激な金利上昇に対して一定程度の耐性を確保しておりますが、長期的な金利上昇局面におけるコスト負担増が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12)減損会計について当社グループは店舗有形固定資産、企業買収等により取得したのれん及び耐用年数を確定できない無形固定資産を所有しております。こうした資産が、期待どおりのキャッシュ・フローを生み出さない状況になる等、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより減損処理が必要となる場合には、減損損失を計上し、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13)風評について当社グループは、法令違反などの不適切な行為が発生した場合は、速やかに適切な対応を図ってまいりますが、当社グループに対する悪質な風評が、マスコミ報道やインターネット上の書き込みなどにより発生・流布した場合は、それが正確な事実に基づくものであるか否かにかかわらず、当社グループの社会的信用を毀損し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (14)訴訟について当社グループは、事業の遂行に関して、訴訟及び規制当局による様々な法的手続きの対象になる可能性があります。現在までのところ、当社グループの業績に影響を及ぼす訴訟などは提起されておりませんが、業績に大きな影響を及ぼす訴訟や社会的影響の大きな訴訟などが発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (15)コンプライアンスについて当社グループは、透明性のある誠実な企業グループを目指し、コンプライアンス意識の浸透と定着に継続的に取り組んでおります。この取り組みは、「グループリスク管理規程」及び「グループコンプライアンス規程」において、グループの様々なリスクを網羅的かつ適切に認識し、管理すべきリスク及び担当部署を定め、リスク・コンプライアンス管理体制の整備・充実を図っております。また、規程に基づきグループ内の様々なリスクを統括的に管理するため総合リスク管理・コンプライアンス委員会を設置し、管理担当部署のリスク対策実施状況の点検を行うことにより、迅速かつ適切に対応しております。 しかしながら、役職員個人による法令・社内規定違反や社会通念上不適切な行為などコンプライアンス上の問題が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

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