7309

シマノ(7309)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

輸送用機器 自動車・輸送機

事業の概要

  • 主力は自転車部品と釣具
    シマノグループは、自転車部品と釣具の製造販売を主要な事業としています。具体的には、自転車の変速機やブレーキなどの駆動・制動部品、リールやロッドといった釣具を世界中で展開しており、これらがグループ全体の収益の大部分を占めるビジネスモデルです。
  • グローバルな製造販売体制
    製造は日本、シンガポール、マレーシア、中国などの連結子会社が担い、販売は欧州や北米の統括子会社を通じて世界中の顧客に製品を届けています。これにより、地域ごとの需要に対応し、効率的なサプライチェーンを構築しています。
  • その他事業の展開
    主力事業の他に、ロウイング(ボート競技)関連用品の製造販売も行っています。これは、自転車部品や釣具で培った技術やノウハウを活かし、スポーツ用品分野での事業の多角化を図るものです。ただし、売上規模は主力事業に比べ小さいです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 自転車部品事業
    シマノグループの主要な収益源であり、売上高は3,549.72億円、営業利益は428.41億円と最も大きな規模を誇ります。変速機やブレーキなどの駆動・制動用部品を中心に、幅広い自転車部品を製造・販売しており、世界中の自転車メーカーやサイクリストに供給しています。
  • 釣具事業
    自転車部品に次ぐ主力事業で、売上高は1,108.32億円、営業利益は88.65億円です。リール、ロッド、フィッシングギアといった釣具を製造・販売しており、国内外のアングラーに高品質な製品を提供しています。この事業もグローバルに展開されています。
  • その他事業
    ロウイング関連用品などの製造販売を行っていますが、売上規模は上記の2事業に比べて小さいです。この事業は、自転車部品や釣具で培った技術を活かし、スポーツ用品分野での事業の多角化を担っています。
2025-12 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
BicycleComponentsReportableSegment 事業 3,550 428 12.1%
FishingTackleReportableSegment 事業 1,108 89 8.0%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,021 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社及び連結子会社49社等で構成され、自転車部品、釣具の製造販売を主な内容としております。当社グループが営んでいる主な事業内容、各関係会社等の当該事業に係る位置づけ及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、次の3事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」にて掲げるセグメント情報の区分と同一であります。 自転車部品自転車部品事業では、変速機等の駆動用部品、ブレーキ等の制動用部品、その他の自転車部品及び関連用品の製造・販売を行っております。当事業では、当社及び連結子会社であるShimano(Singapore)Pte.Ltd.、Shimano Components(Malaysia)Sdn.Bhd.、Shimano (Kunshan) Bicycle Components Co., Ltd.他が製造及び販売を行っております。連結子会社であるShimano Europe B.V.、Shimano North America Holding, Inc.他は一部の得意先への販売を行っております。 釣具釣具事業では、リール、ロッド、フィッシングギアの製造及び販売を行っております。当事業では、当社及び連結子会社であるShimano Components(Malaysia)Sdn.Bhd.、Shimano (Kunshan) Fishing Tackle Co., Ltd. 、シマノ熊本㈱他が製造しております。販売につきましては、当社及び連結子会社であるShimano Europe B.V.、Shimano North America Holding, Inc.他が行っております。 その他その他事業では、ロウイング関連用品等の製造及び販売を行っております。ロウイング関連用品については、当社及び連結子会社であるShimano (Lianyungang) Industrial Co., Ltd.が製造しております。販売につきましては、主に当社が行っております。 当社グループの欧州における販売子会社の統括を、連結子会社であるShimano Europe B.V.が行っており、北米における販売子会社の統括を、連結子会社であるShimano North America Holding, Inc.が行っております。  事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 強い
ハイエンド用途からライフスタイル用途まで幅広い市場をカバーする新製品・新技術を投入し、技術的優位性を強化しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
変速機等の駆動用部品、ブレーキ等の制動用部品、リール、ロッド等の製造技術
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:大規模自然災害による操業停止、需要減退 / 新型ウイルス等の感染症拡大による操業停止、需要減退 / 主要市場における政治経済の不安定化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 13 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

シマノは、自転車コンポーネント市場における強力なブランドロイヤルティと、長年にわたる技術開発で培われた特許・ノウハウを持つ。特にロードバイク用コンポーネント(DURA-ACE、ULTEGRAなど)は、プロ・アマ問わず高い評価を得ており、ブランドが競争優位の源泉となっている。

スイッチングコスト★★★★☆
根拠:強い乗り換えの手間・コスト

自転車コンポーネントは、フレーム、ホイール、ドライブトレインなど多くの部品が相互に連携して機能するため、一度特定のシステム(例:Shimano Di2)を採用すると、他のシステムへの乗り換えには互換性の問題や再調整、場合によっては部品一式の交換が必要となり、ユーザーにとって大きなコストと手間が発生する。このため、乗り換え障壁は高い。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

シマノの製品は、個々の自転車ユーザー間の直接的なネットワーク効果は限定的である。プラットフォーム型ビジネスではないため、ユーザーが増えることで製品自体の価値が指数関数的に高まる構造ではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

大量生産による規模の経済は一定程度存在するが、競合他社(SRAM、Campagnoloなど)も同様に効率的な生産体制を構築しており、圧倒的なコスト優位性があるとは言えない。特にハイエンド製品では、技術力やブランドが価格決定要因となる。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

自転車コンポーネント市場、特にロードバイクおよびMTB用の中~ハイエンド市場において、シマノは圧倒的なシェア(約7割とも言われる)を誇る。この規模は、研究開発投資、生産能力、販売網構築において他社に対する優位性を確立している。

  • 高い技術力とブランド力
    シマノは長年にわたり、自転車部品と釣具の分野で高い技術力を培ってきました。特に変速機やブレーキ、リールなどの精密部品においては、その性能と信頼性が世界中のサイクリストやアングラーから高く評価されており、強力なブランド力を確立しています。
  • グローバルな製造・販売ネットワーク
    世界各地に製造拠点と販売拠点を持ち、地域ごとの市場ニーズに迅速に対応できる体制を構築しています。これにより、特定の地域に依存することなく、安定した供給と販売を可能にし、市場シェアを維持・拡大する上で優位性を持っています。
  • 多様な製品ラインナップ
    自転車部品では駆動系から制動系まで幅広い部品を、釣具ではリール、ロッド、フィッシングギアと多岐にわたる製品を提供しています。これにより、様々なレベルのユーザーのニーズに応え、顧客の囲い込みやクロスセルを促進し、競争力を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針・経営戦略等ア 経営環境当連結会計年度におきましては、世界経済は緩やかな回復基調を辿ったものの、各国の通商政策や国際紛争の長期化などの地政学リスクの高まりから、足許の景気に不透明感が生じ、景気の先行きに対する慎重な見方が継続しました。長期的なトレンドとして自転車への高い関心が続くなか、地域による濃淡はありつつも、全体として緩やかに市場在庫の調整が進展しました。また、釣具への関心が継続するなか、海外市場を中心に販売は底堅く推移し、市場在庫は概ね適正水準まで改善しました。 イ 経営方針当社グループはチームシマノの基本理念の中に「人と自然のふれあいの中で、新しい価値を創造し、健康とよろこびに貢献する。」を使命として掲げております。自転車部品事業、釣具事業ともに、常に新しく、より優れた製品をお届けすることにたゆまぬ努力を続け、皆様の心身の健康に貢献していきたいと考えております。経営の方針としては次の4項目に重点を置いて運営してまいります。・お客様に信頼され、満足していただけるサービスと製品を提供する。・企業価値を高め、開かれた経営を約束する。・達成感と、よろこびを分かち合える、公正でいきいきとした職場づくりに努める。・社会の一員として環境を大切にし、共に繁栄することを目指す。ウ 経営戦略等 当社グループは、上記経営方針を踏まえ、「価値創造企業」を展望し、売上高・営業利益等を客観的な指標とし、次の3点を長期的な経営戦略として事業を展開しております。①コア・コンピタンスの強化とマーケットの絞り込み: 卓越した発想力、デザイン力、技術力を磨き続け、そこから生まれる新しい製品アイディアを、現実の製品に造り上げる製造力の強化と明確なターゲットを定めたマーケティング。②自転車文化・釣り文化の創造とブランド強化: 自転車・釣りを趣味、スポーツといった娯楽目的の行為としてではなく、豊かなライフスタイルを提供する文化としてとらえ、自転車・釣りの社会的価値向上を志す。その結果として、当社のプレゼンスが高まり、ブランド価値向上につながる。③企業価値の向上: こころ躍る製品の継続的な提供を通じて、株主の皆様、顧客、従業員等の全てのステークホルダーにとっての企業価値が高まり続ける「善の循環」を維持する。 これら3点を基本方針とし、今後も、開発型デジタル製造業としての本分を忘れず、こころ躍る製品を提案し続ける価値創造企業としての成長を経営の基本に置き、当社グループの根幹となる競争力を高め、持続可能な事業活動を行ってまいります。 (2)対処すべき課題世界経済は底堅い成長が期待されるものの、各国の政策動向や国際情勢の不安定化に伴う地政学リスクの動向等により景気が左右されることが予想されます。このような経営環境のなか、当社グループは、自転車や釣具に対する需要動向を注視しつつ、日本発の「開発型デジタル製造業」として、お客様の視点にそった高品位で魅力的な「こころ躍る製品」を提供することに加え、企業と社会の共有価値を創造し続ける「価値創造企業」として、一歩一歩、前進していくことが大切であると考えております。その実現に向けて、次の3点の強化を課題として取り組んでまいります。・技術開発力:開発型デジタル製造業として、電動アシスト自転車用ドライブユニットをはじめ、独自の機能を軸とした高性能部品を開発するための体制強化と意識改革などによりデジタルマニュファクチャリングの体制を強化してまいります。・コスト競争力:製造力を強化する目的で行ってきた投資設備を最大限に活用することは当然ながら、環境負荷の低減に配慮した生産工程の改善と内在する無駄の削減を着実に進めることでコスト競争力を強化してまいります。 ・コーポレート・ガバナンス:経営の意思決定機能及び監督機能の強化のため執行役員制度を導入すると共に、取締役会の客観性、透明性の確保に努めております。また、事業がグローバルに広がるなか、当社グループが共有すべき価値観を改めて統一すべく、従業員一人一人が日々の事業活動で遵守すべき方針として「行動規範」を策定し、グループのガバナンスを統括する組織的な体制の強化を進めております。当規範が当社グループに広く浸透し、コンプライアンスがより一層徹底されるよう進めるとともに、当社グループの持続的な企業価値向上に根差した活動などの非財務情報の開示に努めます。なお、本項に含まれる将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針・経営戦略等ア 経営環境当連結会計年度におきましては、世界経済は緩やかな回復基調を辿ったものの、各国の通商政策や国際紛争の長期化などの地政学リスクの高まりから、足許の景気に不透明感が生じ、景気の先行きに対する慎重な見方が継続しました。長期的なトレンドとして自転車への高い関心が続くなか、地域による濃淡はありつつも、全体として緩やかに市場在庫の調整が進展しました。また、釣具への関心が継続するなか、海外市場を中心に販売は底堅く推移し、市場在庫は概ね適正水準まで改善しました。 イ 経営方針当社グループはチームシマノの基本理念の中に「人と自然のふれあいの中で、新しい価値を創造し、健康とよろこびに貢献する。」を使命として掲げております。自転車部品事業、釣具事業ともに、常に新しく、より優れた製品をお届けすることにたゆまぬ努力を続け、皆様の心身の健康に貢献していきたいと考えております。経営の方針としては次の4項目に重点を置いて運営してまいります。・お客様に信頼され、満足していただけるサービスと製品を提供する。・企業価値を高め、開かれた経営を約束する。・達成感と、よろこびを分かち合える、公正でいきいきとした職場づくりに努める。・社会の一員として環境を大切にし、共に繁栄することを目指す。ウ 経営戦略等 当社グループは、上記経営方針を踏まえ、「価値創造企業」を展望し、売上高・営業利益等を客観的な指標とし、次の3点を長期的な経営戦略として事業を展開しております。①コア・コンピタンスの強化とマーケットの絞り込み: 卓越した発想力、デザイン力、技術力を磨き続け、そこから生まれる新しい製品アイディアを、現実の製品に造り上げる製造力の強化と明確なターゲットを定めたマーケティング。②自転車文化・釣り文化の創造とブランド強化: 自転車・釣りを趣味、スポーツといった娯楽目的の行為としてではなく、豊かなライフスタイルを提供する文化としてとらえ、自転車・釣りの社会的価値向上を志す。その結果として、当社のプレゼンスが高まり、ブランド価値向上につながる。③企業価値の向上: こころ躍る製品の継続的な提供を通じて、株主の皆様、顧客、従業員等の全てのステークホルダーにとっての企業価値が高まり続ける「善の循環」を維持する。 これら3点を基本方針とし、今後も、開発型デジタル製造業としての本分を忘れず、こころ躍る製品を提案し続ける価値創造企業としての成長を経営の基本に置き、当社グループの根幹となる競争力を高め、持続可能な事業活動を行ってまいります。 (2)対処すべき課題世界経済は底堅い成長が期待されるものの、各国の政策動向や国際情勢の不安定化に伴う地政学リスクの動向等により景気が左右されることが予想されます。このような経営環境のなか、当社グループは、自転車や釣具に対する需要動向を注視しつつ、日本発の「開発型デジタル製造業」として、お客様の視点にそった高品位で魅力的な「こころ躍る製品」を提供することに加え、企業と社会の共有価値を創造し続ける「価値創造企業」として、一歩一歩、前進していくことが大切であると考えております。その実現に向けて、次の3点の強化を課題として取り組んでまいります。・技術開発力:開発型デジタル製造業として、電動アシスト自転車用ドライブユニットをはじめ、独自の機能を軸とした高性能部品を開発するための体制強化と意識改革などによりデジタルマニュファクチャリングの体制を強化してまいります。・コスト競争力:製造力を強化する目的で行ってきた投資設備を最大限に活用することは当然ながら、環境負荷の低減に配慮した生産工程の改善と内在する無駄の削減を着実に進めることでコスト競争力を強化してまいります。 ・コーポレート・ガバナンス:経営の意思決定機能及び監督機能の強化のため執行役員制度を導入すると共に、取締役会の客観性、透明性の確保に努めております。また、事業がグローバルに広がるなか、当社グループが共有すべき価値観を改めて統一すべく、従業員一人一人が日々の事業活動で遵守すべき方針として「行動規範」を策定し、グループのガバナンスを統括する組織的な体制の強化を進めております。当規範が当社グループに広く浸透し、コンプライアンスがより一層徹底されるよう進めるとともに、当社グループの持続的な企業価値向上に根差した活動などの非財務情報の開示に努めます。なお、本項に含まれる将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におきましては、世界経済は緩やかな回復基調を辿ったものの、各国の通商政策や国際紛争の長期化などの地政学リスクの高まりから、足許の景気に不透明感が生じ、景気の先行きに対する慎重な見方が継続しました。欧州では、安定した雇用・所得環境や物価が個人消費を下支えし、景気は緩やかに回復しました。米国では、関税政策の影響による物価上昇や労働市場の鈍化から消費者マインドが冷え込み、底堅く推移していた景気は足踏み状態となりました。中国では、長引く不動産不況や個人消費の低迷により、景気は弱含みで推移しました。日本では、食料価格の高騰が一服し、所得環境の改善や金融緩和の継続も手伝い、景気は緩やかな回復を維持しました。このような環境の下、自転車、釣具への需要は引き続き弱含みであり、当連結会計年度における売上高は466,243百万円(前年同期比3.4%増)、営業利益は51,677百万円(前年同期比20.6%減)、経常利益は47,029百万円(前年同期比52.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は33,991百万円(前年同期比55.5%減)となりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。  自転車部品長期的なトレンドとして自転車への高い関心が続くなか、地域による濃淡はありつつも、全体として緩やかに市場在庫の調整が進展しました。海外市場においては、欧州市場では、安定した天候から完成車の店頭販売は堅調だったものの、市場在庫はやや高めの水準で推移しました。北米市場では、経済の不確実性から完成車の店頭販売は弱含みで推移した一方で、市場在庫は適正水準を維持しました。アジア・中南米市場においては、個人消費の弱含みにより完成車の店頭販売はやや低調に推移したものの、市場在庫は概ね適正水準を維持しました。一方、中国市場では、スポーツサイクリングへの関心自体は底堅かったものの、ロードバイクの需要が落ち着きを見せ、店頭販売に力強さを欠き、市場在庫は高い水準で推移しました。オセアニア市場では、当初弱含みだった店頭販売は堅調に推移し、市場在庫も適正レベルを維持しました。日本市場においては、完成車価格の高騰の影響により、店頭販売は引き続き低調だったものの、市場在庫は適正水準で推移しました。このような市況の下、刷新したマウンテンバイク向けコンポーネントの最高峰モデル「XTR」をはじめ、「DEORE XT」、「DEORE」の3シリーズや、自己発電で動作する自動変速機能を備えた「Q'AUTO」に対して高い評価をいただきました。この結果、当セグメントの売上高は354,972百万円(前年同期比2.7%増)、営業利益は42,841百万円(前年同期比20.9%減)となりました。   釣具釣具への関心が継続するなか、海外市場を中心に販売は底堅く推移し、市場在庫は概ね適正水準まで改善しました。 日本市場においては、市場在庫の調整は進捗したものの、物価高や猛暑の影響から個人消費が低迷し、販売は弱含みで推移しました。海外市場においては、北米市場では、年間を通じて西海岸および北東部を中心にオフショア釣況が良好で、販売は堅調に推移し、市場在庫は適正レベルを維持しました。 欧州市場では、安定した天候から販売は堅調で、市場在庫は適正水準で推移しました。アジア市場では、中国市場を中心とした高価格帯リールの需要を背景に販売は堅調となり、市場在庫の調整が進展しました。豪州市場では、安定した天候と好調なオフショア釣況に支えられ販売は堅調で、市場在庫は適正な水準で推移しました。このような市況の下、新製品のスピニングリール「STELLA SW」やベイトリール「ANTARES」が高い評価を受けるとともに、最高級モデルのバスロッド「POISON ULTIMA」などの製品に多くのご注文をいただきました。この結果、当セグメントの売上高は110,832百万円(前年同期比5.6%増)、営業利益は8,865百万円(前年同期比18.9%減)となりました。   その他当セグメントの売上高は439百万円(前年同期比2.3%減)、営業損失は29百万円(前年同期は営業損失1百万円)となりました。 財政状態は次のとおりであります。当連結会計年度末における資産合計は938,250百万円(前連結会計年度末比20,703百万円減)となりました。これは、建物及び構築物が16,779百万円、商品及び製品が9,985百万円、ソフトウエアが4,667百万円、投資有価証券が3,456百万円、退職給付に係る資産が2,650百万円それぞれ増加し、現金及び預金が56,721百万円、繰延税金資産が3,763百万円それぞれ減少したこと等によるものです。負債合計は68,748百万円(前連結会計年度末比6,591百万円減)となりました。これは、流動負債の製品保証引当金が2,143百万円、流動負債のその他が783百万円、買掛金が663百万円それぞれ増加し、固定負債の製品保証引当金が9,595百万円、未払法人税等が641百万円それぞれ減少したこと等によるものです。純資産合計は869,501百万円(前連結会計年度末比14,111百万円減)となりました。これは、為替換算調整勘定が27,737百万円、その他有価証券評価差額金が3,005百万円それぞれ増加し、利益剰余金が44,652百万円減少したこと等によるものです。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の92.0%から92.5%となり、1株当たり純資産は9,907円24銭から10,041円66銭となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ57,509百万円減少し、472,800百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは63,780百万円の収入となりました(前連結会計年度は87,032百万円の収入)。主な収入要因は税金等調整前当期純利益56,358百万円、減価償却費27,208百万円、利息及び配当金の受取額19,001百万円、為替差損益18,538百万円等によるものです。主な支出要因は法人税等の支払額20,425百万円、受取利息及び受取配当金17,849百万円、製品保証引当金の増減額7,449百万円、棚卸資産の増減額6,968百万円等によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは40,675百万円の支出となりました(前連結会計年度は35,810百万円の支出)。主な支出要因は有形固定資産の取得による支出35,519百万円、無形固定資産の取得による支出10,247百万円等によるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは80,319百万円の支出となりました(前連結会計年度は49,476百万円の支出)。主な支出要因は自己株式の取得による支出50,006百万円、配当金の支払額28,609百万円等によるものです。 ③ 生産、受注及び販売の状況a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)自転車部品346,3632.3釣具83,6865.9その他276△1.0合計430,3253.0 (注) 金額は販売価格による概算値であります。 b. 受注状況当社グループは、自転車部品及び釣具については大部分を見込生産によっております。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)自転車部品354,9722.7釣具110,8325.6その他439△2.3合計466,2433.4 (注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)PAUL LANGE & CO. OHG--53,99111.6 (注) 前連結会計年度のPAUL LANGE & CO. OHGについては、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、本報告書「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。但し、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。当社グループは、特に以下の事項が、当社グループの連結財務諸表の作成において適用される重要な判断と見積りに影響を及ぼすと考えております。 a. 固定資産の減損当社グループは、事業の区分をもとに概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位として資産のグルーピングを行い、将来キャッシュ・フローを見積もっております。将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損損失の算定に影響を与える可能性があります。 b. 繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討し、回収見込額を計上しております。その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産の取崩し又は追加計上により利益が変動する可能性があります。 c. 製品保証引当金連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち重要なものは、「「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a. 経営成績の分析(売上高)自転車部品事業では、自転車の市場在庫の調整は地域により進展に濃淡があり、欧州市場における店頭販売は安定した天候を背景に堅調であった一方で、中国市場ではロードバイクの需要が落ち着きを見せ店頭販売は低調に推移しました。釣具事業では、市場在庫は概ね適正水準まで改善し、海外市場を中心に販売は底堅く推移しました。以上の結果、当連結会計年度の売上高は466,243百万円(前年同期比3.4%増)となりました。 (売上総利益)自転車部品事業において一部の地域での市場在庫の調整が継続しており、主に海外製品の受注減による生産減少の影響から、当連結会計年度の売上総利益は166,616百万円(前年同期比3.3%減)となりました。売上総利益率は前連結会計年度より2.5ポイント減少し35.7%となりました。 (営業利益)インフレによる人件費増加や将来に向けた投資に係るソフトウェア関連費用の増加、及び新製品に係る広告宣伝費や運送費が増加したことにより、販売費及び一般管理費が114,938百万円(前年同期比7.2%増)となり、当連結会計年度の営業利益は51,677百万円(前年同期比20.6%減)となりました。営業利益率は前連結会計年度より3.3ポイント減少し11.1%となりました。 (経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益)営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、為替差損の増加等により△4,647百万円(前年同期は33,589百万円)となり、当連結会計年度の経常利益は47,029百万円(前年同期比52.3%減)となりました。また、無償点検関連引当金戻入額等の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は33,991百万円(前年同期比55.5%減)となりました。 b. 財政状態の分析資産、負債および純資産の状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 c. 資本の財源及び資金の流動性について当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費及び広告宣伝費、販売促進費等のマーケティング費用です。当社の研究開発費は様々な営業費用の一部として計上されていますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の重要な部分を占めています。当社グループの運転資金および設備投資資金につきましては、一般的に、内部資金によることとしており、その健全な財務状態、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社の成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能と考えています。 d. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当連結会計年度の達成状況は以下のとおりです。当連結会計年度の売上高は計画比6,243百万円増(1.4%増)となりました。自転車部品事業では、一部の地域で販売が好調に推移したことに加え、為替レートが計画と比べて円安で推移したため、計画比で増収となりました。釣具事業では、主に海外市場で販売が好調に推移したことにより、売上高は計画を上回りました。営業利益につきましては、増収による利益増や販売費及び一般管理費の減少により、計画比5,677百万円増(12.3%増)となり、営業利益率は計画比1.1ポイント増の11.1%となりました。 指標計画(百万円)実績(百万円)増減(百万円)計画比(%)売上高460,000466,2436,2431.4営業利益46,00051,6775,67712.3

事業リスク

  • 大規模自然災害による影響
    地震やハリケーンなどの大規模自然災害が発生した場合、工場や販売拠点の損壊、操業停止、原材料や部品の供給停止、製品の汚損などにより、生産活動や出荷が滞る可能性があります。これにより、業績に大きな悪影響を及ぼすリスクがあります。
  • 感染症拡大と政治経済の不安定化
    新型コロナウイルスのような感染症の拡大や、主要市場における政治経済の不安定化(保護主義、経済制裁、紛争など)は、工場の操業停止、サプライチェーンの寸断、消費者マインドの低下、関税リスクの上昇などを引き起こし、生産・販売活動に障害が生じる可能性があります。
  • サイバー攻撃とコンプライアンス違反
    ITシステムへのサイバー攻撃は、業務システムの停止や情報漏洩を引き起こし、競争力低下や信用失墜、賠償金発生のリスクがあります。また、個人情報保護法制や独占禁止法、海外収賄防止法などのコンプライアンス違反は、高額な課徴金や賠償金、レピュテーションの低下につながる可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,749 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。Noリスク区分リスク項目想定される具体的なリスク対策顕在化可能性業績への影響の程度1事業環境地震、ハリケーン、噴火等の大規模自然災害・当該地域の拠点損壊等による工場、販社の操業停止及び出荷の停止・当該地域の取引先からの原材料、部品等の供給の停止・完成品、仕掛品の汚損・消費者マインドの低下等による当該地域の自転車や釣具等当社グループの事業に関わる製品需要の減退・グローバル規模での製造拠点の分散・製品のグローバル展開による特定地域に依存しない体制の構築・緊急時の事業継続のための計画(ディザスターリカバリープランを含む)の策定・緊急時を想定したサプライチェーンの再構築・損失を最小限にするための適切な保険への加入中大2新型ウイルス等の感染症拡大(COVID-19を含む)・当該地域の従業員における感染症蔓延または当該地域の政府が決定するロックダウンによる工場、販社の操業停止及び出荷の停止・当該地域の取引先からの原材料、部品等の供給の停止・消費者マインドの低下等による当該地域の自転車や釣具等当社グループの事業に関わる製品需要の減退・製品のグローバル展開による特定地域に依存しない体制の構築・グローバル規模での製造拠点の分散・緊急時の事業継続のための計画の策定・緊急時を想定したサプライチェーンの再構築・テレワークを可能とするシステムの構築・社内におけるソーシャルディスタンスの確保・政府のガイドライン等に基づいた感染防止対策の徹底中大3主要市場における政治経済の不安定化・保護主義の台頭による関税リスクの上昇・特定の国に対する経済制裁としての税制や貿易ルール等の改変・その他テロや紛争の発生による地域経済の不安定化による当社グループの生産及び販売活動への障害・グローバル規模での製造拠点の分散・製品のグローバル展開による特定地域に依存しない体制の構築中中4人材獲得競争の激化・優秀な人材の不足、流出に伴う企画力、製品開発力等の低下・キャリアパスを見据えた人事制度の制定・ハラスメントの防止等良好な職場環境を維持するための従業員への教育・研修等を通じたチームワークの醸成中中 Noリスク区分リスク項目想定される具体的なリスク対策顕在化可能性業績への影響の程度5管理体制ITシステムの侵害・外部からのサイバー攻撃による当社グループの業務システムの停止、誤作動及びそれに伴う業務活動の停止・外部からのサイバー攻撃による当社グループが保有する技術上、営業上の秘密情報流出による競争力低下や個人情報の漏洩による信用の失墜、またはこれらに対する賠償金の支払いや個人情報保護法制等に基づく制裁・組織的なセキュリティ体制の構築・適切なアンチウイルスソフトの導入、最新バージョンへの更新等セキュリティ対策の徹底・従業員へのサイバーセキュリティに関する教育・インシデント発生に備えた適切な体制の構築(個人情報保護のための体制含める)・損失を最小限にするための適切な保険への加入中大6大規模な産業事故・工場における火災、爆発、有毒ガスの漏洩等の事故による人的、周囲への被害の発生、これらに対する賠償金の支払い・工場の操業停止及び出荷の停止・完成品、仕掛品の汚損・安全管理体制の構築、継続的な見直し・従業員に対する安全に関する教育・設備等の適切な維持管理体制の構築・損失を最小限にするための適切な保険への加入中大7コンプライアンス違反・欧州のGDPRをはじめとする各国の個人情報保護法制違反、各国の独禁法、競争法違反、各国の海外収賄防止法違反、各国の消費者保護法制違反等による高額の課徴金の負担、賠償金の支払い、レピュテーション低下・従業員への個人情報保護、独禁法、海外収賄防止法等に関するEラーニング等による教育・行動規範の制定とそれに沿った教育の実施・各地域の法務部門等による相談対応及びリスク指導・コンプライアンスチェック体制の整備中大8サプライチェーンにおける人権侵害・サプライチェーン上に存在する人権問題に適切に対応できないことによるレピュテーション低下・人権保護を目的とする条項を含むベンダー行動規範遵守の要請及び当該遵守の合意の取得・人権方針の策定・人権デューデリジェンスの推進・グリーバンスメカニズムの構築中大9製品大規模な製造物責任に基づく責任追及・当社グループ製品の欠陥を起因とする人損、物損に対する損害賠償リスクの発生・リコール等による交換、改修コストの発生・製品欠陥問題の広範囲化、長期化による当社グループ製品への信用失墜、ブランド価値の毀損・十分な品質管理体制の構築・欠陥発生時の迅速かつ確実な対応を行うためのグローバルでの体制整備・損失を最小限にするための製造物責任賠償に関する適切な保険への加入 中大10製品の相対的な競争力低下・競合先の技術力、競争力の急速な向上による相対的な当社グループ製品の魅力の低下及びそれに伴う価格競争の激化・技術の陳腐化、新技術導入の失敗・競争力向上のための新技術・新製品の研究開発活動及びそのための積極的な投資・デジタルトランスフォーメーションのための活動及び積極的な投資・有力な企業との適切な協働中大 Noリスク区分リスク項目想定される具体的なリスク対策顕在化可能性業績への影響の程度11財務会計為替の大幅な変動・為替の変動による海外子会社業績や資産の円貨換算への影響・為替変動による原材料価格への影響・日本で生産したものを円建てで販売するなど為替変動を受けない形での取引の実行・海外連結子会社における安定的な通貨での預金保有中中12子会社等への投資等の減損損失・買収した子会社等の業績不振による減損損失の発生・買収価格の適切性に関する十分な検討・買収後のシナジー実現のためのフォロー及びモニタリング中中13環境問題気候変動・低炭素社会の実現に向け炭素税の導入による業績への影響・ステークホルダーの期待を下回る環境問題への取組によるブランド価値の毀損・台風・洪水の激甚化により被災し、その復旧コストの発生やサプライヤーの生産停止による業績への影響・GHG排出量の削減・低炭素モビリティである自転車が温室効果ガスを排出しない旨をより訴求する情報開示・ディザスターリカバリープランの策定・生産立地の分散、購買先企業の分散中大

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