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エフ・シー・シー(7296)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

輸送用機器 自動車・輸送機

事業の概要

  • 主力はクラッチ製品
    エフ・シー・シーは、主に二輪車や四輪車に使われる「クラッチ」という部品を製造・販売しています。クラッチはエンジンの動力をタイヤに伝えたり、ギアを変えたりする重要な部品で、同社の収益の大部分を占める基幹事業です。世界中の自動車・二輪車メーカーに製品を供給しています。
  • EV/CASE領域への展開
    近年、電気自動車(EV)やコネクテッドカー(CASE)といった新しい技術が自動車業界で注目されています。同社は、これらの次世代モビリティに対応する製品開発にも力を入れており、将来の成長を見据えた事業の多角化を進めています。
  • 非モビリティ事業
    自動車・二輪車関連以外の分野にも事業を広げています。具体的には、環境・エネルギー分野の製品製造販売やサービス提供を行っており、持続可能な社会への貢献を目指しながら、新たな収益源の確立を図っています。これにより、特定の産業への依存リスクを軽減する狙いもあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 二輪車事業
    主にオートバイ、スクーター、ATV(バギー)などのクラッチ製品を製造・販売しています。EV/CASE領域の製品開発も進めており、インドネシア、タイ、フィリピン、中国、インド、ベトナム、ブラジルなど世界各地に製造販売拠点を持ち、グローバルに展開する主要な事業セグメントです。
  • 四輪車事業
    マニュアル車やオートマチック車向けのクラッチ製品、およびEV/CASE領域の製品の製造販売を行っています。米国、メキシコ、タイ、フィリピン、中国、インド、ベトナム、ブラジルなど、二輪車事業と同様に広範な地域で事業を展開しており、同社のもう一つの基幹事業として収益を支えています。
  • 非モビリティ事業
    環境・エネルギー分野の製品製造販売やサービス提供を行う事業です。モビリティ以外の分野で新たな収益源を確立することを目指しており、事業の多角化とリスク分散の役割を担っています。現在のところ、日本とフィリピンに主要な製造販売およびサービス提供拠点を置いています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,154 文字
3【事業の内容】当社グループは、当社、子会社22社及び関連会社1社で構成され、二輪事業、四輪事業および非モビリティ事業を主たる事業としております。当社グループの事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであり、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一であります。(二輪事業)主にオートバイ、スクーター、ATV(バギー)等のクラッチおよびEV/CASE領域の製品の製造販売を行っております。業態主要な会社名 販売PT. FCC PARTS INDONESIA(インドネシア) 製造販売当社、㈱九州エフ・シー・シー、天龍産業㈱、㈱フリント、FCC(North Carolina),LLC(米国)、FCC(THAILAND)CO.,LTD.(タイ)、FCC(PHILIPPINES)CORP.(フィリピン)、成都永華富士離合器有限公司(中国)、上海中瑞・富士離合器有限公司(中国)、台灣富士離合器股份有限公司(台湾)、FCC CLUTCH INDIA PRIVATE LIMITED(インド)、PT. FCC INDONESIA(インドネシア)、FCC(VIETNAM)CO.,LTD.(ベトナム)、FCC DO BRASIL LTDA.(ブラジル) (四輪事業)主にマニュアル車、オートマチック車等のクラッチおよびEV/CASE領域の製品の製造販売を行っております。業態主要な会社名 製造販売当社、㈱九州エフ・シー・シー、天龍産業㈱、㈱フリント、FCC(INDIANA),LLC(米国)、FCC(North Carolina),LLC(米国)、FCC(Adams),LLC(米国)、FCC AUTOMOTIVE PARTS DE MEXICO,S.A.DE C.V.(メキシコ)、FCC(THAILAND)CO.,LTD.(タイ)、FCC(PHILIPPINES)CORP.(フィリピン)、成都永華富士離合器有限公司(中国)、佛山富士離合器有限公司(中国)、FCC CLUTCH INDIA PRIVATE LIMITED(インド)、PT. FCC INDONESIA(インドネシア)、FCC(VIETNAM)CO.,LTD.(ベトナム)、FCC DO BRASIL LTDA.(ブラジル) (非モビリティ事業)主に環境・エネルギー分野等の製品の製造販売およびサービスの提供を行っております。業態主要な会社名 製造販売およびサービスの提供当社、㈱九州エフ・シー・シー、FCC(PHILIPPINES)CORP.(フィリピン)  [事業系統図]    以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
世界の自動車産業や二輪車産業における競合環境が非常に厳しいため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
クラッチ製品に特化した事業展開と、摩擦材に関する基礎研究から生産技術を含むクラッチの研究開発。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:クラッチ製品に特化した事業展開 / 特定の産業や取引先への依存 / 海外展開に伴うリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

エフ・シー・シーは自動車部品メーカーであり、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPを保有しているという情報は現時点では確認できません。汎用品部品が多く、技術的な差別化が限定的である可能性があります。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

自動車部品業界では、一度サプライヤーとして採用されると、品質、コスト、納期の信頼性から、自動車メーカーがサプライヤーを変更する際には一定のコストとリスクが伴います。エフ・シー・シーの製品が主要部品である場合、このスイッチングコストはやや高まります。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

自動車部品製造業は、基本的にBtoBビジネスであり、プラットフォーム型ビジネスのようなネットワーク効果は発生しません。製品の価値は個々の性能や品質に依存します。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

自動車部品業界は価格競争が激しく、エフ・シー・シーも効率的な生産体制や調達網の構築に努めていると考えられます。しかし、グローバルな競合他社と比較して、構造的なコスト優位性を確立しているかは不明瞭です。為替変動の影響も受けやすい可能性があります。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

エフ・シー・シーはクラッチ関連部品や二輪車用部品において、一定の市場シェアと生産規模を有しています。特にクラッチ分野では、グローバルで見ても上位のプレイヤーであり、規模の経済による効率化の恩恵を受けている可能性があります。

  • クラッチの専門技術
    長年にわたりクラッチ製品の開発・製造に特化してきたことで、高い技術力とノウハウを蓄積しています。これにより、高品質で信頼性の高いクラッチ製品を提供できる点が強みであり、競合他社との差別化要因となっています。
  • グローバルな生産・販売網
    日本だけでなく、米国、アジア(インドネシア、タイ、フィリピン、中国、インド、ベトナム、台湾)、ブラジルなど世界各地に製造・販売拠点を展開しています。これにより、各地域の顧客ニーズに迅速に対応し、効率的な供給体制を構築している点が競争優位につながっています。
  • 主要顧客との関係性
    特にホンダグループとは長年にわたる取引関係があり、当連結会計年度の売上収益の約37%を占めるなど、強固なパートナーシップを築いています。これにより、安定した受注基盤を確保している点は、事業の安定性をもたらす要因の一つと考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「独創的なアイデアと技術でお客様に喜ばれる製品・サービスを供給することで社会へ貢献する」ことを企業理念の基本方針としております。そのために、「安全と環境に配慮した企業活動を行う」「独創性を生かして積極的に活動する」「常に自己研鑽に励み、改革・改善を行う」「スピーディーかつタイムリーに行動する」「人の和を大切にし、明るい職場をつくる」ことを当社グループの役職員の行動指針としております。 (2) 経営環境、経営戦略及び対処すべき課題等今後の経営環境は、各種政策の効果もあり景気は緩やかな回復が継続することが期待されます。一方、米国における関税や物価上昇、不安定な国際情勢、金融資本市場の変動等の影響による景気下振れリスクに留意する必要があり、先行きの不確実性が高まることも想定されます。中長期では、サステナビリティへの意識の高まりやデジタル技術の進展が今後一層加速することが予想され、「電動化」をはじめとするCASE時代において新たな価値を提供できるよう、会社・事業の変革が求められる状況となっております。このような経営環境の中、当社グループは2023年度を初年度とし2025年度が最終年度となる第12次中期経営計画で掲げた「第二の創業 新しいFCCへ」の事業方針のもと、事業構造の転換と経営基盤の強化を進め、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。 ■中期経営計画の進捗基幹クラッチ事業を中心とする経営基盤の強化は計画通り前進しており、売上収益や営業利益等、主要指標は1年前倒しで目標値を達成しております。事業ポートフォリオ転換についても、成長領域へ積極的にリソースの投入を進め、モビリティ(EV/CASE)領域が先行して前進、受注・量産開始フェーズへ移行しております。 ■事業別の状況〇二輪事業基幹クラッチ事業では、主にインドを中心としたグローバルサウスの市場成長へ確実に追従し、売上収益は堅調に推移しました。特にインドにおいては、目標値であるマーケットシェア70%以上を達成しております。今後は更なる拡販活動と、高付加価値技術の投入を加速させ、グローバルマーケットリーダーの地位強化と収益の最大化を図ってまいります。新規事業では、インド、インドネシアにおいて電動基幹部品の主力となる積層モータコアの量産を開始いたしました。今後は量産熟成をはかり、インド、アセアンをはじめとする生産拠点拡大に向け取り組んでいくとともに、他の電動基幹部品においても開発および拡販を推進してまいります。また、パワーユニット領域ではベトナム二輪EVメーカーであるDAT BIKE社と資本業務提携に関する基本合意を締結し、独自e-Axleの受注を獲得いたしました。今後は量産開発と量産準備を進め、ベトナムからアセアン各国への事業拡大を共に進めてまいります。 〇四輪事業基幹クラッチ事業では、当社グループの四輪主要市場である米国において、当初予想されていたよりも、BEVシフトは鈍化が見られる一方、HEVやICEの需要が高まっております。そのような環境の中、HEVの開発リソースの投入を行い、最適生産と拡販を進めキャッシュ創出を推進してまいります。新規事業では、中国で積層モータコアの量産準備を開始いたしました。今後は米国、インド、日本を中心に更なる受注獲得に向けた顧客アプローチを継続してまいります。またアルミダイキャストを中心とした熱マネジメント領域についても推進をしており、米国や中国において受注獲得にいたりました。継続して、ICE・HEV・BEVの動向に応じた対応力を強化してまいります。 〇非モビリティ事業非モビリティ事業においては、2030年新規事業創出に向け、当社のコア技術の深掘と狙うべき領域を定義し、改めて短期から長期でのリソース配分を再設計しております。その中でも、成長市場である半導体業界においては、セラミックセッターの量産を開始し、LiB用導電助剤は量産準備フェーズに移行いたしました。今後はFCCが保有しているコア技術の融合と積極的な協業を推進し、さらなる事業拡大を図ってまいります。 ■財務指標・株主還元2024年度は主に二輪事業を中心とする基幹クラッチ事業の収益力の向上により、財務指標の良化に繋げることができました。中期経営計画進捗状況と上場20周年記念を踏まえ、中間配当を、普通配当38円、記念配当63円を合わせた101円とし、期末配当を、普通配当38円、記念配当63円を合わせた101円へ増配といたしました。併せて自己株式取得を実施いたしました。今後も引き続き基幹クラッチ事業で創出したキャッシュを成長投資に重点的に配分するとともに、株主還元の充実を図ってまいります。 ■サステナビリティへの取組み〇気候変動当社グループは、カーボンニュートラルの実現に向けて、事業活動から直接排出される温室効果ガス(GHG)排出量を、2013年度比で2030年度までに50%削減、2050年にはカーボンニュートラル(実質排出量ゼロ)にすることを目指し、省エネ活動や再生可能エネルギー由来の電力への切り替え等の再エネの積極的な利活用を推進しております。主な取り組みでは、当社の浜北工場や渡ケ島工場、子会社のFCC CLUTCH INDIA PRIVATE LIMITEDや佛山富士離合器有限公司、台灣富士離合器股份有限公司における太陽光発電設備の導入を行いました。また当社の浜松や鈴鹿地域においてはCO2フリー電気の100%導入を行いました。 〇人的資本モビリティと非モビリティ領域で新たな価値を提供し続ける企業へ転換を図るため、必要となる人材要件を定義し、人材ポートフォリオ策定に着手していきます。また、「新しいFCC」を自ら実現していく人材を育成し、イノベーションを生み出す基盤をつくるため、従業員の「エンゲージメント向上」「多様性の推進」「人材育成・能力開発」の3つの柱を施策の中心に推進しております。「エンゲージメント向上」は、従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブ制度の導入を行いました。「多様性の推進」では柔軟な働き方を支える制度強化として、主に育児と介護と仕事を両立できる柔軟な制度の整備やライフイベントとキャリア形成の両立を支援する施策を実行しました。「人材育成・能力開発」は、新しいFCC実現に向けた人材育成の再設計として事業変化に対応できる柔軟な学びの場の提供や女性のキャリア形成と意識改革を促す研修を展開してまいりました。今後も、多様な人材がその能力を最大限に発揮し、安心して働ける環境を整備することで、持続可能な成長とイノベーションの創出を支えてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「独創的なアイデアと技術でお客様に喜ばれる製品・サービスを供給することで社会へ貢献する」ことを企業理念の基本方針としております。そのために、「安全と環境に配慮した企業活動を行う」「独創性を生かして積極的に活動する」「常に自己研鑽に励み、改革・改善を行う」「スピーディーかつタイムリーに行動する」「人の和を大切にし、明るい職場をつくる」ことを当社グループの役職員の行動指針としております。 (2) 経営環境、経営戦略及び対処すべき課題等今後の経営環境は、各種政策の効果もあり景気は緩やかな回復が継続することが期待されます。一方、米国における関税や物価上昇、不安定な国際情勢、金融資本市場の変動等の影響による景気下振れリスクに留意する必要があり、先行きの不確実性が高まることも想定されます。中長期では、サステナビリティへの意識の高まりやデジタル技術の進展が今後一層加速することが予想され、「電動化」をはじめとするCASE時代において新たな価値を提供できるよう、会社・事業の変革が求められる状況となっております。このような経営環境の中、当社グループは2023年度を初年度とし2025年度が最終年度となる第12次中期経営計画で掲げた「第二の創業 新しいFCCへ」の事業方針のもと、事業構造の転換と経営基盤の強化を進め、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。 ■中期経営計画の進捗基幹クラッチ事業を中心とする経営基盤の強化は計画通り前進しており、売上収益や営業利益等、主要指標は1年前倒しで目標値を達成しております。事業ポートフォリオ転換についても、成長領域へ積極的にリソースの投入を進め、モビリティ(EV/CASE)領域が先行して前進、受注・量産開始フェーズへ移行しております。 ■事業別の状況〇二輪事業基幹クラッチ事業では、主にインドを中心としたグローバルサウスの市場成長へ確実に追従し、売上収益は堅調に推移しました。特にインドにおいては、目標値であるマーケットシェア70%以上を達成しております。今後は更なる拡販活動と、高付加価値技術の投入を加速させ、グローバルマーケットリーダーの地位強化と収益の最大化を図ってまいります。新規事業では、インド、インドネシアにおいて電動基幹部品の主力となる積層モータコアの量産を開始いたしました。今後は量産熟成をはかり、インド、アセアンをはじめとする生産拠点拡大に向け取り組んでいくとともに、他の電動基幹部品においても開発および拡販を推進してまいります。また、パワーユニット領域ではベトナム二輪EVメーカーであるDAT BIKE社と資本業務提携に関する基本合意を締結し、独自e-Axleの受注を獲得いたしました。今後は量産開発と量産準備を進め、ベトナムからアセアン各国への事業拡大を共に進めてまいります。 〇四輪事業基幹クラッチ事業では、当社グループの四輪主要市場である米国において、当初予想されていたよりも、BEVシフトは鈍化が見られる一方、HEVやICEの需要が高まっております。そのような環境の中、HEVの開発リソースの投入を行い、最適生産と拡販を進めキャッシュ創出を推進してまいります。新規事業では、中国で積層モータコアの量産準備を開始いたしました。今後は米国、インド、日本を中心に更なる受注獲得に向けた顧客アプローチを継続してまいります。またアルミダイキャストを中心とした熱マネジメント領域についても推進をしており、米国や中国において受注獲得にいたりました。継続して、ICE・HEV・BEVの動向に応じた対応力を強化してまいります。 〇非モビリティ事業非モビリティ事業においては、2030年新規事業創出に向け、当社のコア技術の深掘と狙うべき領域を定義し、改めて短期から長期でのリソース配分を再設計しております。その中でも、成長市場である半導体業界においては、セラミックセッターの量産を開始し、LiB用導電助剤は量産準備フェーズに移行いたしました。今後はFCCが保有しているコア技術の融合と積極的な協業を推進し、さらなる事業拡大を図ってまいります。 ■財務指標・株主還元2024年度は主に二輪事業を中心とする基幹クラッチ事業の収益力の向上により、財務指標の良化に繋げることができました。中期経営計画進捗状況と上場20周年記念を踏まえ、中間配当を、普通配当38円、記念配当63円を合わせた101円とし、期末配当を、普通配当38円、記念配当63円を合わせた101円へ増配といたしました。併せて自己株式取得を実施いたしました。今後も引き続き基幹クラッチ事業で創出したキャッシュを成長投資に重点的に配分するとともに、株主還元の充実を図ってまいります。 ■サステナビリティへの取組み〇気候変動当社グループは、カーボンニュートラルの実現に向けて、事業活動から直接排出される温室効果ガス(GHG)排出量を、2013年度比で2030年度までに50%削減、2050年にはカーボンニュートラル(実質排出量ゼロ)にすることを目指し、省エネ活動や再生可能エネルギー由来の電力への切り替え等の再エネの積極的な利活用を推進しております。主な取り組みでは、当社の浜北工場や渡ケ島工場、子会社のFCC CLUTCH INDIA PRIVATE LIMITEDや佛山富士離合器有限公司、台灣富士離合器股份有限公司における太陽光発電設備の導入を行いました。また当社の浜松や鈴鹿地域においてはCO2フリー電気の100%導入を行いました。 〇人的資本モビリティと非モビリティ領域で新たな価値を提供し続ける企業へ転換を図るため、必要となる人材要件を定義し、人材ポートフォリオ策定に着手していきます。また、「新しいFCC」を自ら実現していく人材を育成し、イノベーションを生み出す基盤をつくるため、従業員の「エンゲージメント向上」「多様性の推進」「人材育成・能力開発」の3つの柱を施策の中心に推進しております。「エンゲージメント向上」は、従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブ制度の導入を行いました。「多様性の推進」では柔軟な働き方を支える制度強化として、主に育児と介護と仕事を両立できる柔軟な制度の整備やライフイベントとキャリア形成の両立を支援する施策を実行しました。「人材育成・能力開発」は、新しいFCC実現に向けた人材育成の再設計として事業変化に対応できる柔軟な学びの場の提供や女性のキャリア形成と意識改革を促す研修を展開してまいりました。今後も、多様な人材がその能力を最大限に発揮し、安心して働ける環境を整備することで、持続可能な成長とイノベーションの創出を支えてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における経済状況を概観しますと、緩やかな回復基調にあるものの、中国経済の停滞や不安定な国際情勢、物価上昇、金融資本市場の変動もあり、先行き不透明な状況で推移しました。日本では、景気は足踏みもみられたものの、緩やかに回復しました。海外では、米国の景気は堅調な拡大を維持しました。アジアでは、中国の景気は政策効果により悪化に歯止めがかかったものの足踏み状態となり、アセアン地域では景気は概ね堅調な成長を維持、インドでは景気拡大が継続しました。自動車業界におきましては、四輪車市場は、日本の新車販売で第4四半期に市場の回復がみられ、通期では前期比微増となりました。海外では、米国は堅調に推移し、3月には関税導入前の駆け込み需要とみられる動きもありました。中国は、電気自動車などの新エネルギー車(NEV)の販売が大幅に伸長した一方でガソリン車(ICE)の販売が減少する傾向が顕著となりました。また、二輪車市場は、インドやインドネシアで需要は堅調に推移しました。このような状況の中、当社グループは、2023年度を初年度とする第12次中期経営計画に基づき、経営基盤の強化に向けた基幹クラッチ事業の収益最大化と、事業ポートフォリオ転換に向けたEV/CASE領域や非モビリティ分野における新事業開発を積極的に推進してまいりました。以上の結果、当連結会計年度の業績は、インドやインドネシアの二輪車用クラッチの販売が増加したことや円安の影響もあり、売上収益は、256,619百万円(前期比6.8%増)となりました。営業利益は、17,329百万円(前期比14.7%増)、税引前当期利益は20,052百万円(前期比4.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は15,859百万円(前期比29.7%増)となりました。 各セグメントの業績は次のとおりであります。(二輪事業)インドやインドネシアの二輪車用クラッチの販売が増加したことや円安の影響もあり、売上収益は120,408百万円(前期比12.6%増)、営業利益は、12,083百万円(前期比26.6%増)となりました。(四輪事業)中国や米国の四輪車用クラッチの販売が減少したものの円安の影響もあり、売上収益は136,115百万円(前期比2.1%増)となりました。営業利益は、製品保証引当金繰入額の計上などにより、8,101百万円(前期比2.2%減)となりました。(非モビリティ事業)売上収益は94百万円(前期比453.5%増)、営業損益は2,855百万円の営業損失(前期は2,732百万円の営業損失)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は68,496百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は27,930百万円となりました。主な増加の要因は、税引前当期利益20,052百万円、減価償却費及び償却費12,170百万円によるものであります。主な減少の要因は、営業債権及びその他の債権の増加額4,678百万円、法人所得税の支払額7,549百万円によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は25,775百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出14,723百万円によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は14,633百万円となりました。これは主に短期借入金の純減額3,100百万円、自己株式の取得による支出3,800百万円、配当金の支払額7,154百万円によるものであります。③ 生産、受注及び販売の実績イ.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)二輪事業(百万円)120,841112.9四輪事業(百万円)136,211101.9非モビリティ事業(百万円)80468.8合計(百万円)257,133106.8(注)金額は販売価格によっております。 ロ.受注実績 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)二輪事業121,164112.59,284108.9四輪事業134,75199.810,90788.9非モビリティ事業94553.5--合計256,010105.520,19297.1(注)金額は販売価格によっております。 ハ.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)二輪事業(百万円)120,408112.6四輪事業(百万円)136,115102.1非モビリティ事業(百万円)94553.5合計(百万円)256,619106.8(注)最近2連結会計年度の主な相手先別販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)Ford Motor Company45,02818.751,65920.1General Motors Company24,63010.323,7479.3本田技研工業㈱10,0864.210,5634.1 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容経営成績の分析(売上収益)当連結会計年度の売上収益は256,619百万円(前期比6.8%増)となりました。インドやインドネシアの二輪車用クラッチの販売が増加したことや円安による為替影響等により増収となりました。(営業利益)当連結会計年度の営業利益は17,329百万円(前期比14.7%増)となりました。営業利益は、製品保証引当金繰入額の計上があったものの、増収効果もあり増益となりました。(税引前当期利益)当連結会計年度の税引前当期利益は20,052百万円(前期比4.6%増)となりました。(親会社の所有者に帰属する当期利益)当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は15,859百万円(前期比29.7%増)となりました。 財政状態の分析(流動資産)当連結会計年度末の流動資産は162,913百万円となり、前連結会計年度末に比べ80百万円増加しました。これは主に、現金及び現金同等物が13,532百万円減少したものの、その他の金融資産が8,999百万円、営業債権及びその他の債権が3,274百万円増加したことによるものであります。(非流動資産)当連結会計年度末の非流動資産は83,294百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,123百万円増加しました。これは主にその他の金融資産が1,844百万円減少したものの、有形固定資産が2,995百万円増加したことによるものであります。(流動負債)当連結会計年度末の流動負債は48,517百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,333百万円増加しました。これは主に借入金が3,100百万円、引当金が1,021百万円減少したものの、営業債務及びその他の債務が7,074百万円増加したことによるものであります。(非流動負債)当連結会計年度末の非流動負債は12,246百万円となり、前連結会計年度末に比べ28百万円増加しました。これは主に繰延税金負債が2,711百万円減少したものの、退職給付に係る負債が1,764百万円、その他の金融負債が730百万円増加したことによるものであります。(資本)当連結会計年度末の資本は185,444百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,157百万円減少しました。これは主に利益剰余金が6,887百万円増加したものの、その他の資本の構成要素が5,369百万円減少、自己株式が2,618百万円増加(資本は減少)したことによるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報キャッシュ・フローの状況の分析当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループは、事業活動のための資金を確保する上で、適切な流動性等を勘案しつつ健全なバランスシートを維持することを財務方針としております。運転資金、設備投資、研究開発投資につきましては、主として営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金および銀行借入により調達しており、現在必要とされる資金水準を十分確保していると判断しております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (5) 重要な会計上の見積り及び判断、3.重要性がある会計方針」に記載しております。

事業リスク

  • クラッチ事業への集中
    同社の事業はクラッチ製品に大きく依存しており、内燃機関を動力としないEVなどの普及が進むと、クラッチ製品の需要が減少する可能性があります。自動車業界の構造変化に対応し、新たな収益源を確立できない場合、業績に深刻な影響が出る恐れがあります。
  • 特定顧客への依存
    売上収益の約37%をホンダグループが占めており、ホンダグループの事業戦略や購買政策の変更が同社の業績に直接的な影響を与える可能性があります。顧客基盤の分散を進め、特定の顧客への依存度を下げることが今後の課題となります。
  • 海外事業のリスク
    日本、米国、アジアを中心にグローバルに事業を展開しているため、各国の政治・経済情勢の変動、為替レートの変動、予期せぬ法規制の変更、国際税務リスク、自然災害などが業績に影響を与える可能性があります。これらのリスクを適切に管理し、対応していく必要があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,882 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1) クラッチ製品に特化した事業展開について当社グループは12次中期経営計画で掲げた「第二の創業 新しいFCCへ」の事業方針のもと、基幹クラッチ事業における収益力の向上や新規事業創出を進めておりますが、現状、当社グループの事業展開は基幹事業のクラッチ製品に特化しております。クラッチ製品は、内燃機関を動力とする自動車や二輪車等の動力伝達機構を構成する重要な機能部品の一つでありますが、今後、内燃機関を動力としない自動車や二輪車等の普及および内燃機関車の規制と気候変動問題による市場の価値観の変化により、クラッチ製品が不要となる可能性があります。自動車業界は現在、大きな構造変化の時代を迎えております。二輪車用クラッチ、四輪車用クラッチともに当面の成長は見込まれますので、基幹事業を確実に進化させて対応してまいります。また、電動化製品やエネルギーソリューション、環境浄化等をテーマとした新事業開発を積極的に進めてまいります。(2) 特定の産業や取引先への依存について当社グループが製造販売しているクラッチ製品の大半は自動車産業や二輪車産業向けであり、当社グループの業績は、今後の自動車産業や二輪車産業の動向により影響を受ける可能性があります。また、当社グループの売上収益に占めるホンダグループに対する売上収益の割合は当連結会計年度において約37%を占めており、当社グループの業績は、今後のホンダグループの事業戦略や購買政策等により影響を受ける可能性があります。当社グループは、ホンダグループ向けの販売に加え、拡販による新規顧客の獲得に注力し、受注につなげてまいりましたが、引き続き積極的な顧客提案を進めてまいります。(3) 海外展開について当社グループは、日本、米国、アジアを中心にグローバルな事業を展開しております。このため、当社グループの業績は、各国の政治や経済の動向、為替相場の動向、予期しない法律または規則の変更、移転価格税制等の国際税務リスク、災害の発生等により影響を受ける可能性があります。当社グループは、カントリーリスクを的確に把握し低減しながら事業を遂行していくため、海外子会社等を通じて現地の情報収集に努めるとともに、グループ間の相互補完体制を活用しながら適切に対処しております。(4) 競合について世界の自動車産業や二輪車産業における競合環境は非常に厳しくなっております。当社グループは、製品開発から製造、品質保証に至るまで競争力の維持、強化に努めておりますが、今後、何らかの理由により競争力の維持、強化が困難となった場合、市場シェアや収益力が低下する可能性があります。当社グループは、品質、コスト、デリバリーをはじめとする製品競争力の向上によりグローバルシェアの更なる拡大に努めております。(5) 製品の欠陥に対する補償当社グループは、製品の品質には万全を期しておりますが、全ての製品に不具合、欠陥等が発生しないという保証はありません。当社グループが納入した製品の欠陥等に起因して完成車メーカーが大規模なリコール等を行うような事態が発生した場合、多額のコストの発生や、当社グループの評価が重大な影響を受けることにより、当社グループの業績と財政状態に深刻な影響が及ぶ可能性があります。当社グループは、事業活動全体を通じて更なる品質向上を目指し、品質保証体制の強化に取り組んでおります。(6) 災害や地震等による影響当社グループは、自然災害および人的災害の大規模災害等により製造ラインが中断するといった潜在的なリスクを最小化するため、各種の対策を講じておりますが、それらによって全ての影響を防止または軽減できる保証はありません。特に、国内においては当社グループの主要施設は静岡県西部地域に集中しているため、将来、想定されている東海地震・東南海地震が発生した場合、生産設備に甚大な影響を受け、生産能力が著しく低下する可能性があります。当社グループは、大規模災害等の非常時に事業継続を図るべく、リスク対応マニュアル等を整備し、サプライチェーンを含めた事業継続計画(BCP)を構築するなどの対応を行っております。

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