有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|12,059 文字
3 【事業等のリスク】当社グループでは緊急事態発生時の対応だけでなく、日々の企業活動において重大な影響を及ぼす様々なリスクに対し、リスク発生時のダメージを最小化するためのリスクマネジメントの実践を経営の最重要課題の一つとして推進しています。 自動車業界は100年に一度の大変革期を迎えており、グローバルに事業を展開する当社グループは、世界情勢の変化に素早く対応し、経営の持続性の確保と経営基盤の強靱化を図りつつ、人的、社会的および経済的損失の最小化にこれまで以上に取り組んでいく必要があります。このような環境のなかで事業活動を行っていくうえで、グループ全体での戦略的なリスクマネジメントの推進が不可欠であり、当社グループをリスクに強い体質にし、企業価値の向上を図ることが重要であると考えています。 当社グループのリスクマネジメント体制当社は、グループのリスク顕在化と拡大を防止するため、取締役会が選任したCRMO(最高リスク管理責任者)が、当社グループのリスクマネジメント・コンプライアンス活動を統括し、活動状況などを取締役会に報告するとともに、重要な案件については取締役会の審議を経て意思決定しています。具体的な推進体制として、各部門に本部長クラスのリスク管理責任者を置き、CRMOを委員長、リスクマネジメント・コンプライアンス室および法務部からなるリスクマネジメントグループを業務執行責任範囲とする執行役員を副委員長とする「リスクマネジメント・コンプライアンス委員会」(以下「リスコン委員会」という)において、重要事項の審議・協議、決定および情報交換・連絡を行い、重要度に応じて取締役会に上程しています。CRMOは、リスクマネジメント・コンプライアンス室や法務部などのコーポレート部門の専門的見地からの支援を受けつつ、各事業に横断的な役割を担う経営企画部や各部門・カンパニーと密接に連携し、グループを通じたリスク管理の強化を推進しています。さらに、監査部が各部門および各子会社の業務遂行について計画的に監査を実施しています。 リスクマネジメントの取り組み2024年度は、平時の取り組みとして、リスコン委員会において、グループ全体の「リスクマネジメント方針」と各部門の「リスクマネジメント行動指針」のもと、各本部の重要リスクの洗い出しを実施、影響度の大きな課題を優先的に対応し、日常業務としてリスクの抑制を図る活動を推進しました。2023年8月2日に公表した「新体制の方針」の実現をより確実に進めていくために、各本部の重要リスクに加え、外部変化や足元の環境を踏まえた経営レベルの議論を通じて策定したリスクマップを活用するなどリスクマネジメントの一層の強化を進めています。これに加えて、最適なリスク管理とその実効性向上のためのリスクマネジメント研修会を実施、リスクリテラシー向上と委員会活動の活性化を図りました。さらに、当社グループの重点リスク低減に向け、それぞれのリスク分野を担当するリスクオーナー主導のもと「サイバーインシデント訓練」の実施、「関連企業の適正取引」の徹底推進、当社の「自然災害におけるBCP体制」の充実などに取り組み、リスコン委員会で定期的なフォローによる実効性の向上を図りました。加えて、海外の重要な子会社との直接的なリスクマネジメント活動を推進しています。具体的には、定期的なリスク評価の実施、リスク軽減策の共有、そして現地の法規制や文化に対応したリスクマネジメントの強化を図っています。また、定期的に「安否確認システム」の訓練などを実施することで、当社に影響を及ぼすおそれのある災害発生時の情報共有に備えています。 主要な事業等のリスク当社グループの経営成績および財務状況、キャッシュ・フローなどに数百億円以上の大きな影響を与え、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事業等のリスクと対応策は以下の通りです。 なお、文中の将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、当社グループに関するすべてのリスクを列挙したものではありません。 米国の関税政策当社グループは、米国を主要市場とした自動車事業を行っており、米国の関税政策により主に米国販売子会社が日本から輸入する完成車や、米国生産拠点の現地生産車について一部の国から輸入する部品などが関税の対象となります。現在、各拠点や日米間で関係部門が密に連携し、情報の収集や対応策の検討を行っています。引き続き、関税政策の影響を最小化すべく、売上台数の増加・売上構成の改善・販売奨励金の抑制・原価低減・費用圧縮などにグループ一丸で取り組むとともに、2026年3月期は複数のSUBARUらしい魅力的な新商品をお客様に提供し収益の確保に努めていきます。しかし、関税政策の長期化やそれにもとづく為替や金融市場の大きな変動ならびに需要が減少した場合は、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 経済・金融環境の変動に関連するリスク (1) 主要市場の経済動向当社グループの主要な市場である国および地域の経済情勢は、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。国内はもとより、当社グループの売上収益の約8割を占める北米における景気の後退や需要の減少、価格競争の激化などが進むことにより、当社グループの提供する商品・サービスの売上収益や収益性に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (2) 為替の変動当社グループにおいて北米売上収益は約8割を占め、売上収益、営業利益、資産等のなかには、米ドルを中心とした現地通貨建ての項目が含まれており、連結財務諸表作成時に円換算しています。通期の業績見通しなどにおいて想定した為替レートに対し、実際の決算換算時の為替レートに乖離が生じた場合、主に円高局面では当社グループの売上収益と財務状況はマイナスに作用し、円安局面ではプラスに作用する可能性があります。当社では為替リスクを最小限にすべく、状況に応じ為替予約などによるヘッジを実施していますが、期末日に極端な為替変動が生じた場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (3) 金融市場の変動当社グループは、事業活動の資金を内部資金および金融機関からの借入や社債の発行によって確保しています。また、十分な手元流動性を確保するために、一定額の現金および現金同等物残高の確保を行っています。しかし、経済・金融危機などの発生により金融市場から適切な条件で資金調達が出来なくなった場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは市場性のある証券や債券などの金融資産を保有しており、金融市場の影響により公正価値や金利などが著しく変動した場合、金融資産の減損および年金資産の減少による従業員給付債務の増加により、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (4) 原材料価格の変動 当社グループは、原材料を多数のお取引先様から適時適切な量で調達していますが、特定の原材料およびお取引先様に依存している場合があります。原材料の調達においては、持続的な競争力を確保するために、お取引先様との共存共栄に根差した生産性改善・品質改善等に取り組んでいます。一方、地政学リスク、需給の逼迫、環境規制などの要因による原材料価格や物流費、エネルギー価格の高騰や人件費の上昇等によるコストの増加に対し、原価改善努力や当社製品価格への転嫁等でその影響を吸収しきれない場合、当社グループの経営成績と財務状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、米国の関税政策により、米国生産拠点の現地生産車について一部の国から輸入する部品の調達コスト増加の影響があるため、原材料や部品調達への影響を注視するとともに、お取引先様と一体となり最適な調達を行うことで引き続き原価改善に取り組んでいきます。 業界および事業活動に関連するリスク (5) 特定の事業および市場への集中当社グループは、主に自動車と航空宇宙の2つの事業により構成され、“お客様第一”を基軸に「存在感と魅力ある企業」を目指し、選択と集中を進め、限られた経営資源を最大限活用することで高収益なビジネスモデルを展開しています。自動車事業の売上収益が9割以上を占め、販売市場は主に北米を中心とした先進国です。主要生産拠点は国内の群馬製作所および米国のスバル オブ インディアナ オートモーティブ インク(SIA)の2拠点となり、主にSUV(多目的スポーツ車)を中心とした生産と販売を行っています。このため、自動車事業に関わる需要や市況、同業他社との価格競争などが予測し得る水準を超えて推移した場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (6) 市場における需要・競争環境の変化当社グループの主力事業である自動車業界は大きな環境変化を迎えており、モビリティサービスの普及に伴う異業種からの参入や環境対応に伴う電動化へのシフト、シェアリングや自動運転普及に伴う移動手段の多様化によって、お客様の価値観や嗜好ニーズはさらに多様化していくことが予想されるなど、当社を取り巻く環境は非連続かつ急速に変化しています。このような状況のなか、当社グループは2023年6月に経営体制を刷新し、同年8月に「新体制の方針」として、2028年までの5年間を大変重要な期間と位置づけて、「モノづくり革新」と「価値づくり」の2つに強い決意をもって取り組んでいくことを発表しました。2024年4月には、これら2つの取り組みを加速させることを主眼に、全社組織の横串機能強化と執行責任の明確化ならびに具現化していく体制(自動車事業 5つのCXO(Chief X Officer、の新設※1など)、2025年4月には、更に2つのCXO※2や組織改編(カスタマーファースト推進本部の新設・営業部門再編)を実施、核心的重点テーマへの取り組みのスピードアップと全体最適化の実現を目指します。このように、常に市場環境や需要動向を捉え、お客様ニーズに基づく商品企画を行い、適切なタイミングと価格で新商品を開発・製造し、市場に導入することに努めています。このような取組みの一方で、当社グループの新型車や新商品が販売計画に満たない場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 ※1:CMzO(最高モノづくり責任者)、CBBO(最高バッテリービジネス責任者)、CDCO(最高デジタルカー責任者)、 CCBO(最高コネクトビジネス責任者)、CCIO(最高コスト改革責任者)※2:CLO(最高物流責任者)、CHRO(最高人財責任者) (7) 商品ならびに販売・サービスに関する責任当社グループは、品質の高さをSUBARUブランドの大事な根幹、付加価値の源泉であると位置づけ、「品質改革」の3つの切り口である「品質最優先の意識の徹底と体制強化」「つくりの品質の改革」「生まれの品質の改革」に取り組み、着実な成果を生んでいます。今後もこれらの改革を加速させるとともに、電動化など新技術対応を含めた開発最上流から、生産、物流、そしてアフターサービスなど、様々な接点でお客様に価値を感じていただける品質を確保します。そのために、厳格な完成検査体制を維持して確かな品質で商品をお届けするとともに、万が一不具合が発生してしまった場合には、お客様へのご迷惑を最小限にするとともに、迅速な解決を最優先とした業務プロセスの改革に取り組みます。さらに、お客様視点に重点を置いた啓発活動を全社で展開することで、従業員全員の品質最優先の意識の徹底を図っていきます。このように品質改革に取り組む一方で、大規模なリコールなどが起こった場合、多額のコストとして品質関連費用などが発生することに加え、ブランドイメージの毀損などにより、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (8) サプライチェーンの分断当社グループは、自動車や航空機などの製造にあたり、多数のお取引先様から部品や材料を調達しています。定期的にお取引先様の品質保証力や供給能力のチェックを行うとともに、必要に応じお取引先様の経営状況のチェックも行い、安定調達に努めています。物流については、2025年4月から、CLO(Chief Logistics Officer:最高物流責任者)ならびに物流本部を新設し、ドライバー不足などサプライチェーンを取り巻く環境変化に、迅速かつ柔軟な対応を進め、今まで以上に安全で効率的な物流の実現に向けた取り組みを行っていきます。また、有事が発生した際は、平時より整備をしている「サプライチェーン情報データベース」に基づき、影響を受ける可能性のあるお取引先様や部品を早期に特定することにより、生産継続に必要な在庫数の確認や代替品の生産検討、さらには生産設備の復旧支援を行うなど、サプライチェーン分断の影響を最小限に留める対応を取っています。しかしながら、大規模な地震や台風などの自然災害、工場火災やサイバー攻撃被害、地域紛争などによりサプライチェーンの分断や需給のひっ迫、物流網の混乱が発生した場合、安定したコスト・納期・品質で調達の維持や商品の出荷が出来ず、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (9) 知的財産の侵害当社グループは、製品やサービスを通じてお客様に「安心と愉しさ」という価値をお届けするために必要な技術・ノウハウなどを知的財産として保護し、SUBARUのブランド価値の維持・向上に努めています。しかしながら、第三者が当社グループの知的財産を不当に使用した類似製品を製造した場合や、知的財産に関わる訴訟などが生じて当社に不利な判断がなされた場合には、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (10) サイバーセキュリティ当社グループは、製品の開発・生産・販売など、事業活動において情報技術やネットワーク、システムを利用しています。また、製品では電子部品を搭載し、ソフトウエア制御しています。これらの資産を守るためにサイバーセキュリティ基本方針を定め、サイバーセキュリティ部門が中心となりセキュリティマネジメントシステムを構築し、これに基づく活動をサイバーセキュリティ会議の運営を通じて行っています。また、セキュリティインシデントの未然防止やサイバーセキュリティ対策の一層の強化に向けて、セキュリティに関する外部専門家の知見も取り入れITガバナンスの強化や技術的な対策を講じています。具体的には従業員の意識向上に向けたセキュリティ教育や監査を定期的に実施するとともに、セキュリティ防御システムの増強も行うことで日々進化するサイバー攻撃からのリスク低減を図っています。これに加え、サイバー攻撃検知の迅速化を図るための監視とセキュリティインシデント発生時のSIRT(Security Incident Response Team)体制も整備しています。データのバックアップについては、当社データセンター内の自社運用ならびにクラウド環境において、複数箇所に分散しバックアップが取れる体制を整えており、局所的な災害などにおいても、事業継続や復旧の早期化に向けた対策を講じています。当社グループの情報技術やネットワーク、システムは、安全対策が施されているものの、サイバー攻撃、不正アクセス、マルウェアによる攻撃、人為的なミスによる個人・企業情報の漏洩、大規模な停電、火災などが発生した場合、重要な業務やサービスの中断、データの破損・喪失、機密情報の漏洩などが発生し、ブランドイメージの毀損や当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (11) コンプライアンス当社グループは、コンプライアンスの徹底を経営の最重要課題の一つと位置付け、法令・社内諸規程などの遵守はもとより、社会規範に則した公明かつ公正な企業活動を遂行することを役職員一人ひとりに浸透させるべく、コンプライアンス体制・組織の構築および運営、ならびに各種研修等の活動を行っています。コンプライアンスリスクの回避または最小化に努めているものの、当社グループおよび委託先などにおいて重大な法令違反や役職員の不正・不適切行為などが発生した場合、お客様の信用・信頼を失うことや社会的評価・評判の低下などによるブランドイメージの毀損が事業基盤に重大な影響を与え、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (12)訴訟など法的手続き当社グループは、事業活動を行うなかで、お客様、お取引先様や第三者との間で様々な訴訟そのほかの法的手続の当事者となる可能性があります。現在係争中の案件や将来の法的手続において当社グループに不利な判断がなされた場合、ブランドイメージの毀損や当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (13)ステークホルダーコミュニケーション当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図り、すべてのステークホルダーから満足と信頼を得るために、コーポレートガバナンスガイドラインを定め、コーポレートガバナンスの強化を経営の最重要課題の一つとして取り組んでいます。また、ディスクロージャーポリシーに基づき、フェアディスクロージャーに努め、法令に基づく開示を行っています。さらに、経営戦略や事業活動など当社グループを深く理解していただくために有効と思われる会社情報を、迅速、公正公平、適正に開示しています。また、当社グループの持続的な成長に向けた発信として、2023年8月に公表した「新体制の方針」の各取り組みの進捗や、電動化・人的資本・知的財産・ガバナンスなどのESG情報、および資本コストや株価を意識した経営について株主・投資家等と建設的な対話を図るとともに、社内関係者へのフィードバックを行うなどステークホルダーコミュニケーションの向上に努めています。しかしながら、株主との建設的な対話やステークホルダーとのコミュニケーションが不十分な場合、インサイダー取引などの不公正取引や虚偽記載などの法令違反行為による巨額の課徴金支払いなどが発生した場合は、株主や投資家をはじめとしたステークホルダーからの信用・信頼を失うことや社会的評価・評判の低下などによるブランドイメージの毀損が事業基盤に重大な影響を与え、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (14) 人権尊重当社グループは人を第一に考え、「人を中心としたモノづくり」を行っています。「一人ひとりの人権と個性を尊重」することを、SUBARUの重要な経営課題と捉え、SUBARUグループの「人権方針」を策定するとともに、同方針をもとに、ビジネス上の人権リスクを特定し、その対応策を策定、実行する「人権デュー・ディリジェンス」を実施しています。そのなかで明確化したSUBARUグループにとって特に重要なリスクについての対応策を着実に進め、継続的にリスク軽減を進めています。また、サプライチェーンを含め、事業に関連するビジネスパートナーやそのほかの関係者にも、本方針に基づく人権尊重の働きかけを行い、人権尊重の取り組みを推進しています。それにもかかわらず、当社グループおよび上記関係者において、労働環境・労働安全衛生上の問題、様々なハラスメント、労働者の権利・機会の侵害、人権上の問題のある調達などを行った場合には、関連法規への抵触に加え、お客様の信用・信頼を失うことや社会的評価・評判の低下によるブランドイメージの毀損、販売の低迷、人財流出、資材・資金の調達難などが事業基盤に重大な影響を与え、経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (15) 人財の確保と育成当社は、従業員一人ひとりがSUBARUグループの持続的な成長と持続可能な社会の実現の両立を担う原動力となるべく、「真の競争力をもった人・組織」の実現を目指すとともに、自身のキャリア形成を考え、チャレンジする風土づくりや多様な人財が活躍できる環境整備を進めています。「モノづくり」と「価値づくり」で世界最先端を目指すべく、電動化対応、先進安全技術、IT分野の強化などの専門領域における人財確保に向けて、積極的な採用を行っています。2020年12月にIT企業の集積地である東京都渋谷区に新たな開発拠点として「SUBARU Lab(スバルラボ)」を開設し、これまでAI開発に必要な人財の採用に取り組んできました。2025年2月には拠点を拡張し、その機能をソフトウエア全般の開発に広げイノベーションの創出につなげていきます。また、独自の価値創造を実現し続けるため、様々な個性や価値観を持つ従業員が個々の能力を十分に発揮できるよう、性別・国籍・文化・ライフスタイルなどの多様性を尊重した登用を行うとともに働きやすい職場環境の整備に努めています。特に安全衛生については、重要な経営課題と位置づけ「安全衛生はすべての業務に優先する」ことを基本理念とし、労働災害防止、疾病予防、労働環境向上に向けた取り組みを全社的に進めています。今後、労働市場のひっ迫、異業種も含めた人財獲得競争の激化、コンプライアンス事案につながるような労務問題により人財の確保ができない場合、安全衛生への対応が不十分な場合、あるいは人財の流出が続いた場合は、当社グループの事業活動や経営に影響を及ぼす可能性があります。同様に、人財の育成が不十分な場合や、従業員の多様性が尊重された誰もが活躍できる職場環境が実現できない場合においても、当社グループの事業活動などに影響を及ぼす可能性があります。 (16) 気候変動当社グループは、気候変動に関連する「政策・規制」、「技術」、「市場」などの移行リスクに関して、各専門部門が広く情報を収集し、将来予測から不確定な気候変動リスクの認識に努めています。また、気候変動の物理的なリスクに関わる浸水などの自然災害に伴う操業リスクに関しては、BCPの一環として、リスクマネジメント・コンプライアンス室が中心となり関連規程類の整備を進め、緊急時のSUBARUグループ全体にわたる情報を一元的に掌握するとともに、その対応を統括管理する体制を整えています。このような取り組みの一方、気候変動に対する取り組みが適切に進まない、あるいは異常気象による調達・生産・物流活動の停滞などが生じた場合、さらに現時点での将来予測が極めて困難な移行リスク・物理リスクの影響および発現度により、研究開発費用などの増加、顧客満足やブランドイメージの低下による販売機会の逸失、異常気象による調達・生産・物流活動の停滞などにより、SUBARUグループの経営成績や財政状態に重要な影響を及ぼす可能性が考えられます。 移 行 リ ス ク規制事業運営全般各国の気候変動に関する目標の見直しにより、ビジネス全般に重大な影響を与える可能性があります。商品各国の燃費規制に合致しない場合、法令違反に基づく追加の費用や損失を被る、あるいは商品の販売機会が制限される可能性があります。生産段階石油などの地政学的な要因によるもののほか、政府のカーボンプライシング制度の対象となり、化石燃料使用に伴うコストが上昇する可能性があります。技術商品電動化は、ライフサイクル全体で収益性を確保しつつ進めることが重要であり、商品の上流・下流を巻き込んだ取り組みが進まない場合、商品のライフサイクル全体でその目的を達成できない可能性があります。生産段階再生可能エネルギー利用が進まなかった場合、スコープ1、2排出量の削減対策が滞る可能性があります。市場商品現時点では電動化に関する予測が難しく、将来、市場との乖離が生じることが予想されます。この乖離は過大な開発投資による損失や顧客満足の低下による販売機会の減退を招き、電動化の進行を遅らせる可能性があります。また、電動化は中長期的に着実に進むものと考えており、ある段階で一気に市場への浸透が進んだ際、適切な技術と商品を備えていない場合、商品の販売機会に重要な影響を与える可能性があります。評判事業運営全般 脱炭素化への取り組みが不十分な場合、ブランド価値の毀損による人財採用や販売での悪影響および資金調達の困難による資本コスト上昇の可能性があります。物理リスク急性事業運営全般気候変動の顕在化に伴う各地での集中豪雨の多発による原材料供給の停滞や工場浸水によ る操業リスクが考えられます。慢性天然資源を使用しているタイヤ、電動化技術に使用する金属資源の調達が困難になる可能性があります。 気候変動に関する認識している主な機会気候変動に対する適切な取り組みにより、新たな市場の開拓や雇用の創出、資本やエネルギーの効率的な活用が期待されます。市場機会商品の環境対応が適切に進み、かつ、世界規模で気候変動の適応・緩和も進んだ場合、SUBARUの主力市場を維持しつつ、安心と愉しさに共感する市場の拡大が期待できる可能性があります。また、気候変動の緩和に貢献することで、SUBARUのブランド価値が上昇し、人財の採用や販売に好影響を与える可能性があります。また、投資家からの資金調達が容易となり、資本コストの低減につながる可能性があります。エネルギー源に関する機会生産段階で消費するエネルギーに関し、費用対効果にも配慮しつつ再生可能エネルギーへ移行することは、化石燃料由来のエネルギーに内在する価格変動リスクから解放され、将来のコスト上昇を未然に防げる可能性があります。 ※リスク・機会に関しては、過去の事実や現在入手可能な情報に基づいたものであり、将来の経済の動向、SUBARUを取り巻く事業環境などの要因により、大きく異なる可能性がある。また、気候変動に適応したSUBARUの商品が貢献できる機会を表したものであり、気候変動の悪化などを期待するものではない。 その他事業活動に影響を与える各国規制やイベント性のリスク (17) 事業活動に影響を与える各国の政治・規制・法的手続き当社グループは、北米を中心に世界各国において事業を展開しています。海外市場での事業活動においては、政治的、経済的要因、法律または規制の変更、課税、関税、その他の税制変更等のリスクが内在しています。当該リスクが顕在化した場合や事業展開をしている国・地域において政治的要因・通商政策の強化、通商紛争などが発生した場合には、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。特に、米国の関税政策により、米国販売子会社が日本から輸入する完成車や、米国生産拠点において一部の国から輸入する部品などが関税の影響を受けています。当社グループでは、今後も動向を注視し、関税政策の影響を最小化すべく様々な対応を行っていきます。また、環境などに関する主な法的規制は、自動車の燃費、排出ガス、省エネルギーの推進、騒音、リサイクル、製造工場からの汚染物質排出レベルに関するもので、これらの規制は、今後、さらに強化される可能性があります。各種規制への対応が不十分な場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (18) 地政学・地経学的災害(国際紛争・テロリスク)当社グループは、世界各国において事業展開をしており、統括部門が日々情報収集やモニタリング活動を行い関連部門で情報を共有しています。しかしながら、当該国や地域においてテロ、戦争、内戦、政治 不安、治安不安などが発生し、当社グループの事業活動が妨げられ、原材料・部品の購入、生産、製品の販売および物流、サービスの提供などの遅延や停止が長期化する場合には、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (19) 自然災害と関連する損害当社グループでは、日ごろから事業継続に備えた規程類の定期的な整備とアップデートおよび訓練などを実施しています。さらに、各事業所単位では、重要業務の選定、緊急連絡体制の整備等BCPの強化を図り、全社コーポレート部門と密接に連携しながら事業継続や早期復旧を的確かつ迅速に行うための対応を進めています。しかしながら、大規模な地震、台風、豪雨、関連する火災・洪水等の自然災害や火災などの事故の発生により、当社グループの事業活動が妨げられ、原材料・部品の購入、生産、製品の販売および物流、サービスの提供などの遅延や停止が長期化する場合や、企業機能停止が長期化する場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (20)感染症等の発生当社グループは経営に重要な影響を及ぼしかつ通常の意思決定ルートでは対処困難な緊急性が求められるリスクについて、有事の際に対応できる体制を整備しているものの、感染症やその他未知見な災害(パンデミック等)の発生により、当社グループの事業活動が妨げられ、生産、商品の販売やサービスの提供などの遅延や停止が長期化する場合や企業機能停止が長期化する場合には、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
FY2024|10,519 文字
3 【事業等のリスク】当社グループでは緊急事態発生時の対応だけでなく、日々の企業活動において重大な影響を及ぼす様々なリスクに対し、リスク発生時のダメージを最小化するためのリスクマネジメントの実践を経営の最重要課題の一つとして推進しています。 自動車業界は100年に一度の大変革期を迎えており、グローバルに事業を展開する当社グループは、世界情勢の変化に素早く対応し、経営の持続性の確保と経営基盤の強靱化を図りつつ、人的、社会的および経済的損失の最小化にこれまで以上に取り組んでいく必要があります。このような環境のなかで事業活動を行っていくうえで、グループ全体での戦略的なリスクマネジメントの推進が不可欠であり、当社グループをリスクに強い体質にし、企業価値の向上を図ることが重要であると考えています。 当社グループのリスクマネジメント体制当社は、グループのリスク顕在化と拡大を防止するため、取締役会が選任したCRMO(最高リスク管理責任者)が、リスクマネジメント・コンプライアンス活動を統括し、活動状況などを取締役会に報告しています。 具体的な推進体制として、各部門に本部長クラスのリスク管理責任者を置き、CRMOを委員長、リスクマネジメント・コンプライアンス室および法務部からなるリスクマネジメントグループを業務執行責任範囲とする執行役員を副委員長とする「リスクマネジメント・コンプライアンス委員会」(以下「リスコン委員会」という)において、重要事項の審議・協議、決定および情報交換・連絡を行っています。 CRMOは、リスクマネジメント・コンプライアンス室や法務部などのコーポレート部門の専門的見地からの支援を受けつつ、各事業に横断的な役割を担う経営企画部や各部門・カンパニーと密接に連携し、企業集団を通じたリスク管理の強化を推進しています。さらに、監査部が各部門および各子会社の業務遂行について計画的に監査を実施しています。 リスクマネジメントの取り組み2023年度については、引き続き平時の取り組みとして、リスコン委員会において、グループ全体の「リスクマネジメント方針」と各部門の「リスクマネジメント行動指針」のもと、各本部の重要リスクの洗い出しを実施、影響度の大きな課題を優先的に対応し、日常業務としてリスクの抑制を図る活動を推進しました。当社は2023年の新経営体制への移行に伴い、同年8月2日に「新経営体制における方針(以下、「新体制の方針」)」の説明を実施し、「2030年に向けた電動化計画のアップデート」と「2030年を見据えたうえでの2028年までの直近5年間に向けた決意」を公表しました。これに伴い、当社を取り巻く環境が非連続かつ従来にないスピード感で推移していくなか、「新体制の方針」の実現をより確実に進めていくために、各本部の重要リスクに加え、外部変化や足元の環境を踏まえた経営レベルの議論を通じて策定した新リスクマップを活用するなどリスクマネジメントの一層の強化を進めています。これに加えて、グループ全体にとって最適なリスク管理とその実効性向上のためのリスクマネジメント研修会を実施、リスクリテラシー向上と委員会活動の活性化を図りました。さらに、「サイバー攻撃」「サプライチェーンの分断」「自然災害時の復旧対応」などの当社グループ重点リスク低減の取り組みを継続し、リスコン委員会での定期的フォローによる実効性の向上を図りました。なお、全社的な緊急連絡体制を「緊急事態対応基本マニュアル」に基づき整備し、定期的に「安否確認システム」の訓練などを実施することで、当社に影響を及ぼすおそれのある災害発生時の情報共有に備えています。 ※「新体制の方針」の内容については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)対処すべき課題」をご覧ください。 主要な事業等のリスク当社グループの経営成績および財務状況、キャッシュ・フローなどに数百億円以上の大きな影響を与え、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事業等のリスクと対応策は以下の通りです。 なお、文中の将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、当社グループに関するすべてのリスクを列挙したものではありません。 経済・金融環境の変動に関連するリスク (1) 主要市場の経済動向当社グループの主要な市場である国および地域の経済情勢は、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。国内はもとより、当社グループの売上収益の約8割を占める北米における景気の後退や需要の減少、価格競争の激化などが進むことにより、当社グループの提供する商品・サービスの売上収益や収益性に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (2) 為替の変動当社グループにおいて北米売上収益は約8割を占め、売上収益、営業利益、資産等のなかには、米ドルを中心とした現地通貨建ての項目が含まれており、連結財務諸表作成時に円換算しています。通期の業績見通しにおいて想定した為替レートに対し、実際の決算換算時の為替レートに乖離が生じた場合、主に円高局面では当社グループの売上収益と財務状況はマイナスに作用し、円安局面ではプラスに作用する可能性があります。当社では為替リスクを最小限にすべく、状況に応じ為替予約などによるヘッジを実施していますが、期末日に極端な為替変動が生じた場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (3) 金融市場の変動当社グループは、事業活動の資金を内部資金および金融機関からの借入や社債の発行によって確保しています。また、十分な手元流動性を確保するために、一定額の現金および現金同等物残高の確保を行っています。しかし、経済・金融危機などの発生により金融市場から適切な条件で資金調達が出来なくなった場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは市場性のある証券や債券などの金融資産を保有しており、金融市場の影響により公正価値や金利などが著しく変動した場合、金融資産の減損および年金資産の減少による従業員給付債務の増加により、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (4) 原材料価格の変動 当社グループは、原材料を多数のお取引先様から適時適切な量で調達していますが、特定の原材料およびお取引先様に依存している場合があります。貴金属については材料の性質や機能を維持しながら原材料の使用量の調整を行うなど変動影響の軽減に取り組んでいますが、大規模な原材料価格の変動や需給状況のひっ迫などが発生した場合は、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 業界および事業活動に関連するリスク (5) 特定の事業および市場への集中当社グループは、主に自動車と航空宇宙の2つの事業により構成され、“お客様第一”を基軸に「存在感と魅力ある企業」を目指し、選択と集中を進め、限られた経営資源を最大限活用することで高収益なビジネスモデルを展開しています。自動車事業の売上収益が9割以上を占め、販売市場は主に北米を中心とした先進国です。主要生産拠点は国内の群馬製作所および米国のスバル オブ インディアナ オートモーティブ インク(SIA)の2拠点となり、主にSUV(多目的スポーツ車)を中心とした生産と販売を行っています。このため、自動車事業に関わる需要や市況、同業他社との価格競争などが予測し得る水準を超えて推移した場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (6) 市場における需要・競争環境の変化当社グループの主力事業である自動車業界は大きな環境変化を迎えており、モビリティサービスの普及に伴う異業種からの参入や環境対応に伴う電動化へのシフト、シェアリングや自動運転普及に伴う移動手段の多様化によって、お客様の価値観や嗜好ニーズはさらに多様化していくことが予想されるなど、当社を取り巻く環境は非連続かつ急速に変化しています。このような状況のなか、「新体制の方針」において発表した2030年の電動車販売比率「バッテリーEVのみで50%」の実現に向けて組織体制の刷新や業務提携などを進めスピードアップと全体最適化を図っています。先行きを見通すことが難しい段階においては、「柔軟性と拡張性」の観点を持ち、HEV※の強化などにより、電動化移行期における商品の柔軟性も確保しながら「モノづくり革新」と「価値づくり」の取り組みを強力に推し進め、常に規制、市場環境や需要動向を注視しながらお客様のニーズに基づく新商品を適切なタイミングと価格で市場に投入することに努めていきます。一方で、電動車への移行期においては普及のタイミングが想定と異なり、新商品が販売計画に満たない場合、同業他社との価格競争などが激化した場合には、当社グループの経営成績や財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。※:Hybrid Electric Vehicle(ハイブリッド自動車) (7) 商品ならびに販売・サービスに関する責任当社グループは、品質の高さをSUBARUブランドの大事な根幹、付加価値の源泉であると位置づけ、「品質改革」の3つの切り口である「品質最優先の意識の徹底と体制強化」「つくりの品質の改革」「生まれの品質の改革」に取り組み、着実な成果を生んでいます。今後もこれらの改革を加速させるとともに、「新体制の方針」を受け、特に電動化など新技術対応を含めた「生まれの品質の改革」を強化すべく取り組みを進め、開発最上流から生産・物流まで一貫して、お客様に価値を感じていただける品質を確保します。また、厳格な完成検査体制を維持して確かな品質で商品をお届けするとともに、万が一不具合が発生してしまった場合は、お客様へのご迷惑を最小限にするとともに、迅速な解決につなげられるよう継続的な業務プロセス改革に取り組みます。さらに、お客様視点に重点を置いた啓発活動を全社で展開することで、従業員全員の品質最優先の意識の徹底を図っていきます。このように品質改革に取り組む一方で、大規模なリコールなどが起こった場合、多額のコストとして品質関連費用などが発生することに加え、ブランドイメージの毀損などにより、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (8) サプライチェーンの分断当社グループは、自動車や航空機などの製造にあたり、多数のお取引先様から部品や材料を調達しています。定期的にお取引先様の品質保証力や供給能力のチェックを行うとともに、必要に応じお取引先様の経営状況のチェックも行い、安定調達に努めています。物流においては、ドライバー不足などの課題を認識し、対処を進めるなど安全で効率的な物流の実現に向けた取り組みを行っています。また、有事が発生した際は、平時より整備をしている一次・二次お取引先様の部品ごとの「サプライチェーン情報データベース」に基づき、影響を受ける可能性のあるお取引先様や部品を早期に特定することにより、生産継続に必要な在庫数の確認や代替品の生産検討、さらには生産設備の復旧支援を行うなど、サプライチェーン分断の影響を最小限に留める対応を取っています。しかしながら、大規模な地震や台風などの自然災害、新型コロナウイルス感染拡大の影響やそのほかの要因によりサプライチェーンの分断や需給のひっ迫、物流網の混乱が発生した場合、安定したコスト・納期・品質で調達の維持や商品の出荷が出来ず、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。2023年度は上半期前半まで半導体供給不足による生産制約の影響は残ったものの、以降は供給が回復しました。一方で半導体需給バランスは完全に正常化したとは言えず、引き続き状況を注視しつつ、生産および調達面での各種取り組みを継続していきます。 (9) 知的財産の侵害当社グループは、製品やサービスを通じてお客様に「安心と愉しさ」という価値をお届けするために必要な技術・ノウハウなどを知的財産として保護し、SUBARUのブランド価値の維持・向上に努めています。しかしながら、第三者が当社グループの知的財産を不当に使用した類似製品を製造した場合や、知的財産に関わる訴訟などが生じて当社に不利な判断がなされた場合には、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (10) サイバーセキュリティ当社グループは、製品の開発・生産・販売など、事業活動において情報技術やネットワーク、システムを利用しています。また、製品では電子部品を搭載し、ソフトウエア制御しています。これらの資産を守るためにサイバーセキュリティ基本方針を定め、サイバーセキュリティ部門が中心となりセキュリティマネジメントシステムを構築し、これに基づく活動をサイバーセキュリティ会議の運営を通じて行っています。具体的には従業員の意識向上に向けたセキュリティ教育や監査を定期的に実施するとともに、セキュリティ防御システムの増強も行うことで日々進化するサイバー攻撃からのリスク低減を図っています。これに加え、サイバー攻撃検知の迅速化を図るための監視とセキュリティインシデント発生時のSIRT(Security Incident Response Team)体制も整備しています。データのバックアップについては、当社データセンター内の自社運用ならびにクラウド環境において、複数箇所に分散しバックアップが取れる体制を整えており、局所的な災害などにおいても、事業継続や復旧の早期化に向けた対策を講じています。当社グループの情報技術やネットワーク、システムは、安全対策が施されているものの、サイバー攻撃、不正アクセス、マルウェアによる攻撃、人為的なミスによる個人・企業情報の漏洩、大規模な停電、火災などが発生した場合、重要な業務やサービスの中断、データの破損・喪失、機密情報の漏洩などが発生し、ブランドイメージの毀損や当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (11) コンプライアンス当社グループは、コンプライアンスの徹底を経営の最重要課題の一つと位置付け、法令・社内諸規程などの遵守はもとより、社会規範に則した公明かつ公正な企業活動を遂行することを役職員一人ひとりに浸透させるべく、コンプライアンス体制・組織の構築および運営、ならびに各種研修等の活動を行っています。コンプライアンスリスクの回避または最小化に努めているものの、当社グループおよび委託先などにおいて重大な法令違反や役職員の不正・不適切行為などが発生した場合、お客様の信用・信頼を失うことや社会的評価・評判の低下などによるブランドイメージの毀損が事業基盤に重大な影響を与え、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (12)訴訟など法的手続き当社グループは、事業活動を行うなかで、ユーザー、お取引先様や第三者との間で様々な訴訟そのほかの法的手続の当事者となる可能性があります。現在係争中の案件や将来の法的手続において当社グループに不利な判断がなされた場合、ブランドイメージの毀損や当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (13)ステークホルダーコミュニケーション当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図り、すべてのステークホルダーから満足と信頼を得るために、コーポレートガバナンスガイドラインを定め、コーポレートガバナンスの強化を経営の最重要課題の一つとして取り組んでいます。また、ディスクロージャーポリシーに基づき、フェアディスクロージャーに努め、法令に基づく開示を行っています。さらに、経営戦略や事業活動などの当社を深く理解していただくために有効と思われる会社情報を、迅速、公正公平、適正に開示しています。また、当社グループの持続的な成長に向けた発信として、2023年8月に公表した「新体制の方針」の各取り組みの進捗や、電動化・人的資本・知的財産・ガバナンスなどのESG情報について株主・投資家等と建設的な対話を図るとともに、社内関係者へのフィードバックを行うなどステークホルダーコミュニケーションの向上に努めています。しかしながら、株主との建設的な対話やステークホルダーとのコミュニケーションが不十分な場合、インサイダー取引などの不公正取引や虚偽記載などの法令違反行為による巨額の課徴金支払いなどが発生した場合は、株主や投資家をはじめとしたステークホルダーからの信用・信頼を失うことや社会的評価・評判の低下などによるブランドイメージの毀損が事業基盤に重大な影響を与え、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (14) 人権尊重当社グループは人を第一に考え、「人を中心としたモノづくり」を行っています。「一人ひとりの人権と個性を尊重」することを、SUBARUの重要な経営課題と捉え、SUBARUグループの「人権方針」を策定するとともに、同方針をもとに、ビジネス上の人権リスクを特定し、その対応策を策定、実行する「人権デュー・ディリジェンス」を実施しています。そのなかで明確化したSUBARUグループにとって特に重要なリスクについての対応策を着実に進め、継続的にリスク軽減を進めています。また、サプライチェーンを含め、事業に関連するビジネスパートナーやそのほかの関係者にも、本方針に基づく人権尊重の働きかけを行い、人権尊重の取り組みを推進しています。それにもかかわらず、当社グループおよび上記関係者において、労働環境・労働安全衛生上の問題、様々なハラスメント、労働者の権利・機会の侵害、人権上の問題のある調達などを行った場合には、関連法規への抵触に加え、お客様の信用・信頼を失うことや社会的評価・評判の低下によるブランドイメージの毀損、販売の低迷、人財流出、資材・資金の調達難などが事業基盤に重大な影響を与え、経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (15) 人財の確保と育成当社は、従業員一人ひとりがSUBARUグループの持続的な成長と持続可能な社会の実現の両立を担う原動力となるべく、自律的に行動し変革をリードする人財の創出を目指すとともに、自身のキャリア形成を考え、チャレンジする風土づくりや多様な人財が活躍できる環境整備を進めています。人財の確保においては、電動化対応、先進安全技術の進化、IT分野の強化といった専門領域での人財確保のため、これまで以上に積極的な採用を行っています。また、独自の価値創造を実現し続けるため、様々な個性や価値観を持つ従業員が個々の能力を十分に発揮できるよう、 性別・国籍・文化・ライフスタイルなどの多様性を尊重した登用を行うとともに働きやすい職場環境の整備に努めています。特に安全衛生については、重要な経営課題と位置づけ「安全衛生はすべての業務に優先する」ことを基本理念とし、労働災害防止、疾病予防、労働環境向上に向けた取り組みを全社的に進めています。今後、労働市場のひっ迫、異業種も含めた人財獲得競争の激化、コンプライアンス事案につながるような労務問題により人財の確保ができない場合、安全衛生への対応が不十分な場合、あるいは人財の流出が続いた場合は、当社グループの事業活動や経営に影響を及ぼす可能性があります。同様に、人財の育成が不十分な場合や、従業員の多様性が尊重された誰もが活躍できる職場環境が実現できない場合においても、当社グループの事業活動などに影響を及ぼす可能性があります。 (16) 気候変動当社は、気候変動に関連する「政策・規制」「技術」「市場」等の移行リスクに関して、各専門部門が広く情報を収集し、将来予測から不確定な気候変動リスクの認識を行っています。また、気候変動の物理的なリスクに関わる操業リスクは、BCPの一環として、リスクマネジメント・コンプライアンス室が中心となり関連規程類の整備を進め、緊急時のSUBARUグループ全体にわたる情報を一元的に掌握するとともに、その対応を統括管理する体制を整えています。これらの気候変動に関連する事項の一部は、取締役会や執行会議などで提案・議論され、特に重要な案件については取締役会の審議を経て意思決定しています。 気候変動に関する認識している主なリスク移 行 リ ス ク規制事業運営全般各国の気候変動に関する目標の見直しにより、ビジネス全般に重大な影響を与える可能性があります。商品各国の燃費規制に合致しない場合、法令違反に基づく追加の費用や損失を被る、あるいは商品の販売機会が制限される可能性があります。生産段階石油などの地政学的な要因によるもののほか、政府のカーボンプライシング制度の対象となり、化石燃料使用に伴うコストが上昇する可能性があります。技術商品電動化は、ライフサイクル全体で収益性を確保しつつ進めることが重要であり、商品の上流・下流を巻き込んだ取り組みが進まない場合、商品のライフサイクル全体でその目的を達成できない可能性があります。生産段階再生可能エネルギー利用が進まなかった場合、スコープ1、2排出量の削減対策が滞る可能性があります。市場商品現時点では電動化に関する予測が難しく、将来、市場との乖離が生じることが予想されます。この乖離は過大な開発投資による損失や顧客満足の低下による販売機会の減退を招き、電動化の進行を遅らせる可能性があります。また、電動化は中長期的に着実に進むものと考えており、ある段階で一気に市場への浸透が進んだ際、適切な技術と商品を備えていない場合、商品の販売機会に重要な影響を与える可能性があります。評判事業運営全般脱炭素化への取り組みが不十分な場合、ブランド価値の毀損による人財採用や販売での悪影響および資金調達の困難による資本コスト上昇の可能性があります。物理リスク急性事業運営全般気候変動の顕在化に伴う各地での集中豪雨の多発による原材料供給の停滞や工場浸水による操業リスクが考えられます。慢性天然資源を使用しているタイヤ、電動化技術に使用する金属資源の調達が困難になる可能性があります。 しかしながら、現時点での将来予測が極めて困難な気候変動リスクの影響および発現によっては、研究開発費用などの増加、顧客満足やブランドイメージの低下などによる販売機会の逸失により、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 その他事業活動に影響を与える各国規制やイベント性のリスク (17) 事業活動に影響を与える各国の政治・規制・法的手続き当社グループは、北米を中心に世界各国において事業を展開しています。海外市場での事業活動においては、政治的、経済的要因、法律または規制の変更、課税、関税、その他の税制変更等のリスクが内在しています。当該リスクが顕在化した場合や事業展開をしている国・地域において政治的要因・通商政策の強化、通商紛争などが発生した場合には、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。また、環境などに関する主な法的規制は、自動車の燃費、排出ガス、省エネルギーの推進、騒音、リサイクル、製造工場からの汚染物質排出レベルに関するもので、これらの規制は、今後、さらに強化される可能性があります。各種規制への対応が不十分な場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (18) 地政学・地経学的災害(国際紛争・テロリスク)当社グループは、世界各国において事業展開をしており、統括部門が日々情報収集やモニタリング活動を行い関連部門で情報を共有しています。しかしながら、当該国や地域においてテロ、戦争、内戦、政治 不安、治安不安などが発生し、当社グループの事業活動が妨げられ、原材料・部品の購入、生産、製品の販売および物流、サービスの提供などの遅延や停止が長期化する場合には、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (19) 自然災害と関連する損害当社グループでは、日ごろから事業継続に備えた規程類の定期的な整備とアップデートおよび訓練などを実施しています。さらに、各事業所単位では、重要業務の選定、緊急連絡体制の整備等BCPの強化を図り、全社コーポレート部門と密接に連携しながら事業継続や早期復旧を的確かつ迅速に行うための対応を進めています。しかしながら、大規模な地震、台風、豪雨、関連する火災・洪水等の自然災害や火災などの事故の発生により、当社グループの事業活動が妨げられ、原材料・部品の購入、生産、製品の販売および物流、サービスの提供などの遅延や停止が長期化する場合や、企業機能停止が長期化する場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (20)感染症等の発生当社グループは経営に重要な影響を及ぼしかつ通常の意思決定ルートでは対処困難な緊急性が求められるリスクについて、有事の際に対応できる体制を整備しているものの、感染症やその他未知見な災害(パンデミック等)の発生により、当社グループの事業活動が妨げられ、生産、商品の販売やサービスの提供などの遅延や停止が長期化する場合や企業機能停止が長期化する場合には、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
FY2023|9,709 文字
3 【事業等のリスク】当社グループでは緊急事態発生時の対応だけでなく、日々の企業活動において重大な影響を及ぼす様々なリスクに対し、リスク発生時のダメージを最小化するためのリスクマネジメントの実践を経営の最重要課題の一つとして推進しています。 自動車業界は100年に一度の大変革期を迎えており、グローバルに事業を展開する当社グループは、世界情勢の変化に素早く対応し、経営の持続性の確保と経営基盤の強靱化を図りつつ、人的、社会的および経済的損失の最小化にこれまで以上に取り組んでいく必要があります。このような環境の中で事業活動を行っていくうえで、グループ全体での戦略的なリスクマネジメントの推進が不可欠であり、当社グループをリスクに強い体質にし、企業価値の向上を図ることが重要であると考えています。 当社グループのリスクマネジメント体制当社は、グループのリスク顕在化と拡大を防止するため、取締役会が選任したCRMO(最高リスク管理責任者)が、リスクマネジメント・コンプライアンス活動を統括し、活動状況等を取締役会に報告しています。 具体的な推進体制として、各部門に本部長クラスのリスク管理責任者を置き、CRMOを委員長、リスクマネジメント・コンプライアンス室および法務部からなるリスクマネジメントグループを業務執行責任範囲とする執行役員を副委員長とする「リスクマネジメント・コンプライアンス委員会」(以下「リスコン委員会」という)において、重要事項の審議・協議、決定および情報交換・連絡を行っています。 CRMOは、リスクマネジメント・コンプライアンス室や法務部等のコーポレート部門の専門的見地からの支援を受けつつ、各事業に横断的な役割を担う経営企画部や各部門・カンパニーと密接に連携し、企業集団を通じたリスク管理の強化を推進しています。さらに、監査部が各部門および各子会社の業務遂行について計画的に監査を実施しています。 リスクマネジメントの取り組み2022年度は引き続き平時の取り組みとして、リスコン委員会において、グループ全体の「リスクマネジメント方針」と各部門の「リスクマネジメント行動指針」のもと、2020年度に作成した「リスクマップ」を強く意識しつつ、影響度の大きな課題を優先的に対応し、日常業務としてリスクの抑制を図る活動を推進しました。さらに、グループ全体にとって最適なリスク管理を行うべく、主にリスク管理責任者とリスク管理担当者を対象としたリスクマネジメント研修会と、委員会活動に関する外部機関による第三者診断を実施し、委員会メンバーのリスクリテラシー向上と委員会活動の活性化を図りました。具体的には、大規模自然災害についての事業継続を意識した研修の開催と各部門の事業継続に備えた取り組みの実施や大規模災害時の「初動ガイドライン」策定による平時からの準備ならびに行動原則の共有・徹底を図りました。さらに、「サイバー攻撃」「サプライチェーンの分断」等の当社グループ重点リスク低減の取り組みと、リスコン委員会での定期的フォローによる実効性向上の推進を図りました。なお、全社的な緊急連絡体制については、「緊急事態対応基本マニュアル」に基づき整備し、定期的に「安否確認システム」の訓練等を実施することで、当社に影響を及ぼすおそれのある災害発生時の情報共有に備えています。 主要な事業等のリスク当社グループの経営成績および財務状況、キャッシュ・フロー等に数百億円以上の大きな影響を与え、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事業等のリスクと対応策は以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、当社グループに関するすべてのリスクを列挙したものではありません。 経済・金融環境の変動に関連するリスク (1) 主要市場の経済動向当社グループの主要な市場である国および地域の経済情勢は当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。国内はもとより、当社グループの売上収益の約7割を占める北米における景気の後退や需要の減少、価格競争の激化等が進むことにより、当社グループの提供する商品・サービスの売上収益や収益性に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (2) 為替の変動当社グループにおいて北米売上収益は約7割を占め、売上収益、営業利益、資産等の中には、米ドルを中心とした現地通貨建ての項目が含まれており、連結財務諸表作成時に円換算しています。通期の業績見通しにおいて想定した為替レートに対し、実際の決算換算時の為替レートに乖離が生じた場合、主に円高局面では当社グループの売上収益と財務状況はマイナスに作用し、円安局面ではプラスに作用する可能性があります。当社では為替リスクを最小限にすべく、状況に応じ為替予約等によるヘッジを実施していますが、期末日に極端な為替変動が生じた場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (3) 金融市場の変動当社グループは、事業活動の資金を内部資金および金融機関からの借入や社債の発行によって確保しています。また、十分な手元流動性を確保するために、一定額の現金及び現金同等物残高の確保を行っています。しかし、経済・金融危機等の発生により金融市場から適切な条件で資金調達が出来なくなった場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは市場性のある証券や債券等の金融資産を保有しており、金融市場の影響により公正価値や金利等が著しく変動した場合、金融資産の減損および年金資産の減少による従業員給付債務の増加により、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (4) 原材料価格の変動 当社グループは、原材料を多数のお取引先様から適時適切な量で調達していますが、特定の原材料およびお取引先様に依存している場合があります。2021年度以降、各種原材料が高騰したことを受けて、貴金属については材料の性質や機能を維持しながら原材料の使用量の調整を行う等、変動影響の軽減に取り組んでいます。今後も引き続き、原材料価格の変動や、需給状況のひっ迫等が発生した場合は、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 業界および事業活動に関連するリスク (5) 特定の事業および市場への集中当社グループは、主に自動車と航空宇宙の2つの事業で構成され、“お客様第一”を基軸に「存在感と魅力ある企業」を目指し、選択と集中を進め、限られた経営資源を最大限活用することで高収益なビジネスモデルを展開しています。自動車事業の売上収益が9割以上を占め、販売市場は主に北米を中心とした先進国です。また、主要拠点である国内の群馬製作所および米国のスバル オブ インディアナ オートモーティブ インク(SIA)においては、SUV(多目的スポーツ車)を中心とした生産をしています。このため、自動車事業に関わる需要や市況、同業他社との価格競争等が予測し得る水準を超えて推移した場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (6) 市場における需要・競争環境の変化当社グループの主力事業である自動車業界は大きな環境変化を迎えており、モビリティサービスの普及に伴う異業種からの参入や環境対応に伴うガソリン車以外の自動車へのシフト、シェアリングや自動運転普及に伴う移動手段の多様化によって、お客様の価値観や嗜好ニーズはさらに多様化していくことが予想されます。このような状況のなか、当社グループは中期経営ビジョン「STEP」を推進し、安心・安全への取り組みやアライアンスの強化、強固なブランドの構築を推進することで新たなモビリティ領域への対応、商品の環境性能向上を強化しています。2022年度は、電動化に向けた国内工場の生産体制再編計画を発表する等、常に市場の需要動向を捉え、お客様ニーズに基づく商品企画を行い、適切なタイミングと価格で新商品を開発・製造し、市場に投入することに努めています。また、デジタルイノベーションの強化に向け最新のデジタル技術やデータの戦略的活用によるビジネスプロセスの改革、新たなビジネスイノベーションの機会創出と推進を行っています。このような取り組みの一方で、当社グループの新型車や新商品が販売計画に満たない場合、デジタルイノベーションに遅れが生じた場合、現行の商品の陳腐化等が想定以上に早く進んだ場合には、販売台数の減少等により当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (7) 商品ならびに販売・サービスに関する責任当社グループは、品質の高さをSUBARUブランドの大事な根幹、付加価値の源泉であると位置づけており、中期経営ビジョン「STEP」において、「品質改革」を重点取り組みの一つとして活動を進めています。この取り組みは着実に進捗しており、現在は新技術への対応を含め、品質改革の取り組み結果を実績で示すフェーズとして3つの切り口で活動を推進しています。1つ目は「品質最優先の意識の徹底と体制強化」です。「品質方針」の見直しや品質マニュアルを刷新することにより、SUBARUの目指す姿を再定義し全社での啓発活動や振り返り活動を行うことで、従業員一人ひとりの品質意識の変革を促しています。2つ目は「つくりの品質の改革」で、生産準備以降の領域において不具合の流出防止を目指すものです。これには市場で発生させてしまった不具合に対して、迅速な解決策を講じることも含まれます。3つ目は「生まれの品質の改革」で、初期の検討段階から開発・設計に至るプロセスを改革し、開発最上流から生産・物流まで一気通貫で品質を確保します。 このような品質改革への取り組みの一方で、大規模なリコール等が起こった場合、多額のコストとして品質関連費用等が発生することに加え、ブランドイメージの毀損等により、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (8) サプライチェーンの分断当社グループは、自動車や航空機等の製造にあたり、多数のお取引先様から部品や材料を調達しています。定期的にお取引先様の品質保証力や供給能力のチェックを行うとともに、必要に応じお取引先様の経営状況のチェックも行い、安定調達に努めています。また、有事が発生した際は、平時より整備をしている一次・二次お取引先様の部品ごとの「サプライチェーン情報データベース」に基づき、影響を受ける可能性のあるお取引先様や部品を早期に特定することにより、生産継続に必要な在庫数の確認や代替品の生産検討、さらには生産設備の復旧支援を行う等、サプライチェーン分断の影響を最小限に留める対応を取っています。しかしながら、大規模な地震や台風等の自然災害、新型コロナウイルス感染拡大の影響やその他の要因により、サプライチェーンの分断や需給のひっ迫が発生した場合、安定したコスト・納期・品質で調達が維持出来ず、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。なお、2022年度は世界的な半導体の供給不足に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響等に伴い、当社においてもお取引先様から調達している部品の一部で供給に支障が出たことから、一部の工場で操業を停止する等の生産調整を行いました。半導体製品の供給状況に合わせて生産する車種を変更する等の対応により、お客様への商品の提供に努めていますが、今後も半導体および一部の部品の供給不足は続くと見込まれ、操業停止や生産調整を通じて、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。 (9) 知的財産の侵害当社グループは、製品やサービスを通じてお客様に「安心と愉しさ」という価値をお届けするために必要な技術・ノウハウ等を知的財産として保護し、SUBARUのブランド価値の維持・向上に努めています。しかしながら、第三者が当社グループの知的財産を不当に使用した類似製品を製造した場合や、知的財産に関わる訴訟等が生じて当社に不利な判断がなされた場合には、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (10) サイバーセキュリティ当社グループは、製品の開発・生産・販売等、事業活動において情報技術やネットワーク、システムを利用しています。これらの資産を守るためにサイバーセキュリティ基本方針を定め、サイバーセキュリティ部門が中心となりセキュリティマネジメントシステムを構築し、これに基づく活動をサイバーセキュリティ会議の運営を通じて行っています。具体的には従業員の意識向上に向けたセキュリティ教育や監査を定期的に実施するとともに、セキュリティ防御システムの増強も行うことで日々進化するサイバー攻撃からのリスク低減を図っています。これに加え、サイバー攻撃検知の迅速化を図るための監視とセキュリティインシデント発生時のSIRT(Security Incident Response Team)体制も整備しています。データのバックアップについては、当社データセンター内の自社運用ならびにクラウド環境において、複数箇所に分散しバックアップが取れる体制を整えており、局所的な災害等においても、事業継続や復旧の早期化に向けた対策を講じています。当社グループの情報技術やネットワーク、システムは、安全対策が施されているものの、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルスによる攻撃、大規模な停電、火災等が発生した場合、重要な業務やサービスの中断、データの破損・喪失、機密情報の漏洩等が発生し、ブランドイメージの毀損や当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (11) コンプライアンス当社グループは、中期経営ビジョン「STEP」において、「組織風土改革」を重点取り組みの一つとして掲げ、活動を加速してきました。特に、コンプライアンスの徹底を経営の最重要課題の一つと位置付け、法令・社内諸規程等の遵守はもとより、社会規範に則した公明かつ公正な企業活動を遂行することを従業員一人ひとりに浸透させるべく、コンプライアンス体制・組織の構築および運営、ならびに各種研修等の活動を行うことにより、コンプライアンスリスクの回避または最小化に努めています。それにも関わらず、当社グループおよび委託先等において重大な法令違反等が発生した場合、お客様の信用・信頼を失うことや社会的評価・評判の低下等によるブランドイメージの毀損等が事業基盤に重大な影響を与え、経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (12)ステークホルダーコミュニケーション当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図り、すべてのステークホルダーから満足と信頼を得るために、コーポレートガバナンスガイドラインを定め、コーポレートガバナンスの強化を経営の最重要課題の一つとして取り組んでいます。また、ディスクロージャーポリシーに基づき、フェアディスクロージャーに努め、法令に基づく開示を行っています。さらに、経営戦略や事業活動等の当社を深く理解していただくために有効と思われる会社情報を、迅速、公正公平、適正に開示しています。また、株主・投資家等と中期経営ビジョン「STEP」の進捗やESG情報について建設的な対話を図るとともに、社内関係者へのフィードバックを行う等ステークホルダーコミュニケーションの向上に努めています。しかし、インサイダー取引等の不公正取引や虚偽記載等の法令違反行為による巨額の課徴金支払い等が発生した場合は、株主や投資家をはじめとしたステークホルダーからの信用・信頼を失うことや社会的評価・評判の低下等によるブランドイメージの毀損等が事業基盤に重大な影響を与え、経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (13) 人権尊重当社グループは人を第一に考え、「人を中心としたモノづくり」を行っています。「一人ひとりの人権と個性を尊重」することを、SUBARUの重要な経営課題と捉え、「SUBARU人権方針」を策定するとともに、同方針をもとに、ビジネス上の人権リスクを特定し、その対応策を策定、実行する「人権デュー・ディリジェンス」を人事、調達領域において実施しました。その中で明確化したSUBARUグループにとって特に重要なリスクについての対応策を着実に進め、継続的にリスク軽減を進めていきます。また、サプライチェーンを含め、事業に関連するビジネスパートナーやその他の関係者にも、本方針に基づく人権尊重の働きかけを行い、人権尊重の取り組みを推進しています。それにも関わらず、当社グループおよび上記関係者において、労働環境・労働安全衛生上の問題、様々なハラスメント、労働者の権利・機会の侵害、人権上の問題のある調達等を行った場合には、お客様の信用・信頼を失うことや社会的評価・評判の低下によるブランドイメージの毀損等が事業基盤に重大な影響を与え、経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (14) 人材の確保と育成当社グループは、持続的な成長に向けて、中期経営ビジョン「STEP」にて掲げたありたい姿「笑顔をつくる会社」への実現に向けて人材育成を極めて重要なテーマと位置付けています。企業としての競争力を高めていくために、「SUBARUへの共感のもと、自律的に行動しチャレンジし続ける人材」を求める人材像とし、会社の風土や従業員の意識・行動の変革を目指して、自律的な能力開発とチャレンジにより個人の成長を促す体制を整備しています。 人材確保においては、電動化対応、先進安全技術の進化、IT分野の強化といった専門領域での人材確保のため、これまで以上に積極的な採用を行っています。また、独自の価値創造を実現し続けるため、様々な個性や価値観を持つ従業員が個々の能力を十分に発揮できるよう、 性別・国籍・文化・ライフスタイル等の多様性を尊重するとともに、分け隔てなく登用し、働きやすい職場環境の整備に努めています。 しかし、労働市場のひっ迫、異業種も含めた人材獲得競争の激化、コンプライアンス事案につながるような労務問題等の発生により人材の確保ができない場合、あるいは人材の流出が続いた場合は、当社グループの事業活動や経営に影響を及ぼす可能性があります。同様に、人材の育成が不十分な場合や、従業員の多様性が尊重された誰もが活躍できる職場環境が実現できない場合においても、当社グループの事業活動等に影響を及ぼす可能性があります。 (15) 気候変動当社は、気候変動に関連する「政策・規制」「技術」「市場」等の移行リスクに関して、各専門部門が広く情報を収集し、将来予測から不確定な気候変動リスクの認識を行っています。また、気候変動の物理的なリスクに関わる操業リスクは、BCPの一環として、リスクマネジメント・コンプライアンス室が中心となり関連規程類の整備を進め、緊急時のSUBARUグループ全体にわたる情報を一元的に掌握するとともに、その対応を統括管理する体制を整えています。これらの気候変動に関連する事項の一部は、取締役会や執行会議などで提案・議論され、特に重要な案件については取締役会の審議を経て意思決定しています。 気候変動に関する認識している主なリスク移 行 リ ス ク規制事業運営全般各国の気候変動に関する目標の見直しにより、ビジネス全般に重大な影響を与える可能性があります。商品各国の燃費規制に合致しない場合、法令違反に基づく追加の費用や損失を被る、あるいは商品の販売機会が制限される可能性があります。生産段階石油等の地政学的な要因によるもののほか、政府のカーボンプライシング制度の対象となり、化石燃料使用に伴うコストが上昇する可能性があります。技術商品電動化は、ライフサイクル全体で収益性を確保しつつ進めることが重要であり、商品の上流・下流を巻き込んだ取り組みが進まない場合、商品のライフサイクル全体でその目的を達成できない可能性があります。生産段階再生可能エネルギー利用が進まなかった場合、スコープ1、2排出量の削減対策が滞る可能性があります。市場商品現時点では電動化に関する予測が難しく、将来、市場との乖離が生じることが予想されます。この乖離は過大な開発投資による損失や顧客満足の低下による販売機会の減退を招き、電動化の進行を遅らせる可能性があります。また、電動化は中長期的に着実に進むものと考えており、ある段階で一気に市場への浸透が進んだ際、適切な技術と商品を備えていない場合、商品の販売機会に重要な影響を与える可能性があります。評判事業運営全般脱炭素化への取り組みが不十分な場合、ブランド価値の毀損による人材採用や販売での悪影響および資金調達の困難による資本コスト上昇の可能性があります。物理リスク急性事業運営全般気候変動の顕在化に伴う各地での集中豪雨の多発による原材料供給の停滞や工場浸水による操業リスクが考えられます。慢性天然資源を使用しているタイヤ、電動化技術に使用する金属資源の調達が困難になる可能性があります。 しかしながら、現時点での将来予測が極めて困難な気候変動リスクの影響および発現によっては、研究開発費用等の増加、顧客満足やブランドイメージの低下等による販売機会の逸失により、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 その他事業活動に影響を与える各国規制やイベント性のリスク (16) 事業活動に影響を与える各国の政治・規制・法的手続き当社グループは北米を中心に世界各国において事業を展開しています。海外市場での事業活動には、以下のようなリスクが内在しており、当該リスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 ・政治的、経済的要因・法律または規制の変更・課税、関税、その他の税制変更 また、環境等に関して当社グループが受ける主な法的規制は、国内外ともに自動車の燃費、排出ガス、省エネルギーの推進、騒音、リサイクル、製造工場からの汚染物質排出レベルおよび自動車等の安全性に関するものです。今後、法的規制が強化されることによりコスト等の増加が、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (17) 災害・戦争・テロ・感染症等の影響 当社グループは特に、経営に重要な影響を及ぼしかつ通常の意思決定ルートでは対処困難な緊急性が求められるクライシスリスク、自然災害・事故・内部人的要因・外部人的要因・社会的要因(国内・海外)・コンプライアンスリスクに分類し、有事の際に最適な対応ができる体制を整備しています。しかしながら、事業継続に影響を及ぼす災害・戦争・テロ・感染症等の発生により、当社グループの事業活動が妨げられ、原材料・部品の購入、生産、製品の販売および物流、サービスの提供等に遅延や停止が生じる可能性があります。このような遅延や停止が長期化する場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 なお、ロシア・ウクライナ情勢に関する当社グループへの影響については、当該地域での現地生産を行っておらず、販売規模も小さいことから現時点では限定的と見込んでいますが、当社製品に使用する調達部品や原材料等の供給について引き続き状況を注視していきます。
FY2022|9,387 文字
2 【事業等のリスク】当社グループでは緊急事態発生時の対応だけでなく、日々の企業活動において重大な影響を及ぼす様々なリスクに対し、リスク発生時のダメージを最小化するためのリスクマネジメントの実践を経営の最重要課題の一つとして推進しています。 自動車業界は100年に一度の大変革期を迎えており、グローバルに事業を展開する当社グループは、世界情勢の変化に素早く対応し、経営の持続性の確保と経営基盤の強靱化を図りつつ、人的、社会的および経済的損失の最小化にこれまで以上に取り組んでいく必要があります。このような環境の中で事業活動を行っていくうえで、グループ全体での戦略的なリスクマネジメントの推進が不可欠であり、当社グループをリスクに強い体質にし、企業価値の向上を図ることが重要であると考えています。 当社グループのリスクマネジメント体制当社は、グループのリスク顕在化と拡大を防止するため、取締役会が選任したCRMO(最高リスク管理責任者)が、リスクマネジメント・コンプライアンス活動を統括し、活動状況等を取締役会に報告しています。 具体的な推進体制として、各部門に本部長クラスのリスク管理責任者を置き、CRMOを委員長、リスクマネジメント・コンプライアンス室および法務部からなるリスクマネジメントグループを業務執行責任範囲とする執行役員を副委員長とする「リスクマネジメント・コンプライアンス委員会」において、重要事項の審議・協議、決定および情報交換・連絡を行っています。 CRMOは、リスクマネジメント・コンプライアンス室や法務部等のコーポレート部門の専門的見地からの支援を受けつつ、各事業に横断的な役割を担う経営企画部や各部門・カンパニーと密接に連携し、企業集団を通じたリスク管理の強化を推進しています。さらに、監査部が各部門および各子会社の業務遂行について計画的に監査を実施しています。 リスクマネジメントの取り組み2021年度は平時の取り組みとして、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会において、グループ全体の「リスクマネジメント方針」と各部門の「リスクマネジメント行動指針」のもと、2020年度に作成した「リスクマップ」を強く意識しつつ、影響度の大きな課題を優先的に対応し、日常業務としてリスクの抑制を図る活動を推進しました。さらに、グループ全体にとって最適なリスク管理を行うべく、主にリスク管理責任者とリスク管理担当者を対象としたリスクマネジメント研修会と、委員会活動に関する外部機関による第三者診断を実施し、委員会メンバーのリスクリテラシー向上と委員会活動の活性化を図りました。 また、新型コロナウイルス感染症への対応として2020年2月に設置した「新型肺炎特別対策本部」において、引続き社内外の関係情報を収集・共有し、緊急時対応の実効性に関する確認を実施しました。なお、対策本部は2022年3月末に終結し、現在はwithコロナの管理体制として、通常の事業活動のなかで必要な対策を図っています。 全社的な緊急連絡体制については、「緊急事態対応基本マニュアル」に基づき整備し、定期的に「安否確認システム」の訓練等を実施することで、当社に影響を及ぼすおそれのある災害発生時の情報共有に備えています。 主要な事業等のリスク当社グループの経営成績および財務状況、キャッシュ・フロー等に数百億円以上の大きな影響を与え、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事業等のリスクと対応策は以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、当社グループに関するすべてのリスクを列挙したものではありません。 経済・金融環境の変動に関連するリスク (1) 主要市場の経済動向当社グループの主要な市場である国および地域の経済情勢は当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。国内はもとより、当社グループの売上収益の約7割を占める北米における景気の後退や需要の減少、価格競争の激化等が進むことにより、当社グループの提供する商品・サービスの売上収益や収益性に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (2) 為替の変動当社グループにおいて北米売上収益は約7割を占め、売上収益、営業利益、資産等の中には、米ドルを中心とした現地通貨建ての項目が含まれており、連結財務諸表作成時に円換算しています。通期の業績見通しにおいて想定した為替レートに対し、実際の決算換算時の為替レートに乖離が生じた場合、主に円高局面では当社グループの売上収益と財務状況はマイナスに作用し、円安局面ではプラスに作用する可能性があります。当社では為替リスクを最小限にすべく、状況に応じ為替予約等によるヘッジを実施していますが、期末日に極端な為替変動が生じた場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (3) 金融市場の変動当社グループは、事業活動の資金を内部資金および金融機関からの借入や社債の発行によって確保しています。また、十分な手元流動性を確保するために、一定額の現金及び現金同等物残高の確保を行っています。しかし、経済・金融危機等の発生により金融市場から適切な条件で資金調達が出来なくなった場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは市場性のある証券や債券等の金融資産を保有しており、金融市場の影響により公正価値や金利等が著しく変動した場合、金融資産の減損および年金資産の減少による従業員給付債務の増加により、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (4) 原材料価格の変動 当社グループは、原材料を多数のお取引先様から適時適切な量で調達していますが、特定の原材料およびお取引先様に依存している場合があります。2021年度は各種原材料が高騰したことを受けて、貴金属については材料の性質や機能を維持しながら原材料の使用量の調整を行う等、変動影響の軽減に取り組んでいます。今後も引き続き、原材料価格の高騰が続くと見込まれ、さらなる需給状況のひっ迫等が発生した場合は、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 業界および事業活動に関連するリスク (5) 特定の事業および市場への集中当社グループは、主に自動車と航空宇宙の2つの事業で構成され、“お客様第一”を基軸に「存在感と魅力ある企業」を目指し、選択と集中を進め、限られた経営資源を最大限活用することで高収益なビジネスモデルを展開しています。自動車事業の売上収益が9割以上を占め、販売市場は主に北米を中心とした先進国です。また、主要拠点である国内の群馬製作所および米国のスバル オブ インディアナ オートモーティブ インク(SIA)においては、SUV(多目的スポーツ車)を中心とした生産をしています。このため、自動車事業に関わる需要や市況、同業他社との価格競争等が予測し得る水準を超えて推移した場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (6) 市場における需要・競争環境の変化当社グループの主力事業である自動車業界は大きな環境変化を迎えており、モビリティサービスの普及に伴う異業種からの参入や環境対応に伴うガソリン車以外の自動車へのシフト、シェアリングや自動運転普及に伴う移動手段の多様化によって、お客様の価値観や嗜好ニーズはさらに多様化していくことが予想されます。このような状況のなか、当社グループは中期経営ビジョン「STEP」を推進し、安心・安全への取り組みやアライアンスの強化、強固なブランドの構築を推進することで新たなモビリティ領域への対応、商品の環境性能向上を強化しています。直近では、電動化に向けた国内工場の生産体制再編計画を発表する等、常に市場の需要動向を捉え、お客様ニーズに基づく商品企画を行い、適切なタイミングと価格で新商品を開発・製造し、市場に投入することに努めています。また、デジタルイノベーションの強化に向け最新のデジタル技術やデータの戦略的活用によるビジネスプロセスの改革、新たなビジネスイノベーションの機会創出と推進を行っています。このような取り組みの一方で、当社グループの新型車や新商品が販売計画に満たない場合、デジタルイノベーションに遅れが生じた場合、現行の商品の陳腐化等が想定以上に早く進んだ場合には、販売台数の減少等により当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (7) 商品ならびに販売・サービスに関する責任当社グループは、品質の高さをSUBARUブランドの大事な根幹、付加価値の源泉であると位置づけており、中期経営ビジョン「STEP」において、「品質改革」を重点取り組みの一つとして活動を進めています。この取り組みは着実に進捗しており、現在は新技術への対応を含め、品質改革の取り組み結果を実績で示すフェーズとして3つの切り口で活動を推進しています。1つ目は「品質最優先の意識の徹底と体制強化」です。「品質方針」の見直しや品質マニュアルを刷新することにより、SUBARUの目指す姿を再定義し全社での啓発活動や振り返り活動を行うことで、従業員一人ひとりの品質意識の変革を促しています。2つ目は「つくりの品質の改革」で、生産準備以降の領域において不具合の流出防止を目指すものです。これには市場で発生させてしまった不具合に対して、迅速な解決策を講じることも含まれます。3つ目は「生まれの品質の改革」で、初期の検討段階から開発・設計に至るプロセスを改革し、開発最上流から生産・物流まで一気通貫で品質を確保します。 このような品質改革への取り組みの一方で、大規模なリコール等が起こった場合、多額のコストとして品質関連費用等が発生することに加え、ブランドイメージの毀損等により、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (8) サプライチェーンの分断当社グループは、自動車や航空機等の製造にあたり、多数のお取引先様から部品や材料を調達しています。定期的にお取引先様の品質保証力や供給能力のチェックを行うとともに、必要に応じお取引先様の経営状況のチェックも行い、安定調達に努めています。また、有事が発生した際は、平時より整備をしている一次・二次お取引先様の部品ごとの「サプライチェーン情報データベース」に基づき、影響を受ける可能性のあるお取引先様や部品を早期に特定することにより、生産継続に必要な在庫数の確認や代替品の生産検討、さらには生産設備の復旧支援を行う等、サプライチェーン分断の影響を最小限に留める対応を取っています。しかしながら、大規模な地震や台風等の自然災害、新型コロナウイルス等の感染症の発生やその他の要因により、サプライチェーンの分断や需給のひっ迫が発生した場合、安定したコスト・納期・品質で調達が維持出来ず、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 なお、2021年度は昨年から続いている世界的な半導体の供給不足に加え、東南アジアでの新型コロナウィルス感染症拡大の影響等に伴い、当社においてもお取引先様から調達している部品の一部で供給に支障が出たことから、一部の工場で2021年1月、4月、9月、12月、2022年1月、2月において数日間、工場の操業を停止する等の生産調整を行いました。半導体製品の供給状況に合わせて生産する車種を変更する等の対応により、お客様への商品の提供に努めていますが、今後も半導体および一部の部品の供給不足は続くと見込まれ、操業停止や生産調整を通じて、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。 (9) 知的財産の侵害当社グループは、製品やサービスを通じてお客様に「安心と愉しさ」という価値をお届けするために必要な技術・ノウハウ等を知的財産として保護し、SUBARUのブランド価値の維持・向上に努めています。しかしながら、第三者が当社グループの知的財産を不当に使用した類似製品を製造した場合や、知的財産に関わる訴訟等が生じて当社に不利な判断がなされた場合には、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (10) 情報ネットワークセキュリティ当社グループは、製品の開発・生産・販売等、事業活動において情報技術やネットワーク、システムを利用しています。これらの資産を守るためにサイバーセキュリティ基本方針を定め、従業員の意識向上に向け、セキュリティ教育を定期的に実施するとともに、IT戦略部門が中心となり、サイバー攻撃検知の迅速化を図るための監視とセキュリティインシデント発生時のSIRT(Security Incident Response Team)体制を整備しています。データのバックアップについては、当社データセンター内の自社運用ならびにクラウド環境において、複数箇所に分散しバックアップが取れる体制を整えており、局所的な災害等においても、事業継続や復旧の早期化に向けた対策を講じています。当社グループの情報技術やネットワーク、システムは、安全対策が施されているものの、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルスによる攻撃、大規模な停電、火災等が発生した場合、重要な業務やサービスの中断、データの破損・喪失、機密情報の漏洩等が発生し、ブランドイメージの毀損や当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (11) コンプライアンス当社グループは、中期経営ビジョン「STEP」において、「組織風土改革」を重点取り組みの一つとして掲げ、活動を加速してきました。特に、コンプライアンスの徹底を経営の最重要課題の一つと位置付け、法令・社内諸規程等の遵守はもとより、社会規範に則した公明かつ公正な企業活動を遂行することを従業員一人ひとりに浸透させるべく、コンプライアンス体制・組織の構築および運営、ならびに各種研修等の活動を行うことにより、コンプライアンスリスクの回避または最小化に努めています。それにも関わらず、当社グループおよび委託先等において重大な法令違反等が発生した場合、お客様の信用・信頼を失うことや社会的評価・評判の低下等によるブランドイメージの毀損等が事業基盤に重大な影響を与え、経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (12)ステークホルダーコミュニケーション当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図り、全てのステークホルダーから満足と信頼を得るために、コーポレートガバナンスガイドラインを定め、コーポレートガバナンスの強化を経営の最重要課題の一つとして取り組んでいます。また、ディスクロージャーポリシーに基づき、フェアディスクロージャーに努め、法令に基づく開示を行っています。さらに、経営戦略や事業活動等の当社を深く理解していただくために有効と思われる会社情報を、迅速、公正公平、適正に開示しています。また、株主・投資家等と中期経営ビジョン「STEP」の進捗やESG情報について建設的な対話を図るとともに、社内関係者へのフィードバックを行う等ステークホルダーコミュニケーションの向上に努めています。しかし、インサイダー取引等の不公正取引や虚偽記載等の法令違反行為による巨額の課徴金支払い等が発生した場合は、株主や投資家をはじめとしたステークホルダーからの信用・信頼を失うことや社会的評価・評判の低下等によるブランドイメージの毀損等が事業基盤に重大な影響を与え、経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (13) 人権尊重当社グループは人を第一に考え、「人を中心としたモノづくり」を行っています。「一人ひとりの人権と個性を尊重」することは、「人・社会・環境の調和」を目指して豊かな社会づくりに貢献したいという、SUBARUの企業理念を実現するための重要な経営課題と捉え、「SUBARU人権方針」を策定するとともに、同方針をもとに、人権デュー・ディリジェンスを実施しています。また、サプライチェーンを含め、事業に関連するビジネスパートナーやその他の関係者にも、本方針に基づく人権尊重の働きかけを行い、リスク低減のための様々な対応策を実施することで、人権尊重の取り組みを推進しています。それにも関わらず、当社グループおよび上記関係者において、労働環境・労働安全衛生上の問題、様々なハラスメント、労働者の権利・機会の侵害、人権上の問題のある調達等を行った場合には、お客様の信用・信頼を失うことや社会的評価・評判の低下によるブランドイメージの毀損等が事業基盤に重大な影響を与え、経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (14) 人材の確保と育成当社グループは、持続的な成長に向けて、中期経営ビジョン「STEP」にて掲げたありたい姿「笑顔をつくる会社」への実現に向けて人材育成を極めて重要なテーマと位置付けています。企業としての競争力強化を高めていくために、「SUBARUへの共感のもと、自律的に行動しチャレンジし続ける人材」を求める人材像とし、会社の風土や従業員の意識・行動の変革を目指して、自律的な能力開発とチャレンジにより個人の成長を促す体制を整備しています。 人材確保においては、電動化対応、先進安全技術の進化、IT分野の強化といった専門領域での人材確保のため、これまで以上に積極的な採用を行っています。 また、独自の価値創造を実現し続けるため、様々な個性や価値観を持つ従業員が個々の能力を十分に発揮できるよう、 性別・国籍・文化・ライフスタイル等の多様性を尊重するとともに、分け隔てなく登用し、働きやすい職場環境の整備に努めています。 しかし、労働市場のひっ迫、異業種も含めた人材獲得競争の激化、コンプライアンス事案につながるような労務問題等の発生により人材の確保ができない場合、あるいは人材の流出が続いた場合は、当社グループの事業活動や経営に影響を及ぼす可能性があります。同様に、人材の育成が不十分な場合や、従業員の多様性が尊重された誰もが活躍できる職場環境が実現できない場合においても、当社グループの事業活動等に影響を及ぼす可能性があります。 (15) 気候変動当社グループは、気候変動への取り組みを最も重要な課題の一つとしており、気候変動に関連する「政策・規制」「技術」「市場」等の移行リスクに関して、将来予測等を行い不確定な気候変動リスクの認識に努めています。 また、2050年カーボンニュートラルを目指し、「長期目標」およびそのマイルストーンとして「中期目標」を策定し、目標達成に向けて取り組んでいます。さらに、2050年に向けたロードマップを加速させるべく、電動車開発の拡大・加速を見据え、BEVへの移行期の柔軟な対応および高効率な生産による事業性向上を狙いとした、国内生産体制の戦略的再編を実施し、2024年3月期より5年間で2,500億円の投資を予定しています。当社グループは、お客様にご満足いただける、お客様を笑顔にできる商品開発や市場環境を踏まえた柔軟性のある生産体制の整備を引き続き進めていきます。カテゴリー時期目標 商品(スコープ3)2050年Well-to-Wheel*1で新車平均(走行時)のCO2排出量を、2010年比で90%以上削減*22030年代前半生産・販売するすべてのSUBARU車に電動技術を搭載2030年まで全世界販売台数の40%以上を、EV(電気自動車)+ ハイブリッド車にする工場・オフィス(スコープ1、2)2050年度カーボンニュートラルを目指す2030年度CO2排出量を、2016年度比30%削減(総量ベース) *1:「油井から車輪」の意味。EV等が使用する電力の発電エネルギー源まで遡って、CO2排出量を算出する考え方を指す。*2: 2050年に世界で販売されるすべてのSUBARU車の燃費(届出値)から算出するCO2排出量を同2010年比で90%以上削減。総量ベース。 当社グループは、持続可能な事業活動を行うため、原材料調達、製造、輸送、使用、廃棄という当社の事業活動のライフサイクル全体で排出されるCO2の削減を通じて脱炭素社会の実現に貢献していきます。しかしながら、これらの取り組みが適切に進まない場合、あるいは現時点での将来予測が極めて困難な気候変動リスクの影響および発現によっては、研究開発費用等の増加、顧客満足やブランドイメージの低下等による販売機会の逸失により、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 その他事業活動に影響を与える各国規制やイベント性のリスク (16) 事業活動に影響を与える各国の政治・規制・法的手続き当社グループは北米を中心に世界各国において事業を展開しています。海外市場での事業活動には、以下のようなリスクが内在しており、当該リスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 ・不利な政治、経済的要因・法律または規制の変更・課税、関税、その他の税制変更 また、環境等に関して当社グループが受ける主な法的規制は、国内外ともに自動車の燃費、排出ガス、省エネルギーの推進、騒音、リサイクル、製造工場からの汚染物質排出レベルおよび自動車等の安全性に関するものです。今後、法的規制が強化されることによるコスト等の増加が、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (17) 災害・戦争・テロ・感染症等の影響 当社グループは特に、経営に重要な影響を及ぼしかつ通常の意思決定ルートでは対処困難な緊急性が求められるクライシスリスク、自然災害・事故・内部人的要因・外部人的要因・社会的要因(国内・海外)・コンプライアンスリスクに分類し、有事の際に最適な対応ができる体制を整備しています。しかしながら、事業継続に影響を及ぼす災害・戦争・テロ・感染症等の発生により、当社グループの事業活動が妨げられ、原材料・部品の購入、生産、製品の販売および物流、サービスの提供等に遅延や停止が生じる可能性があります。このような遅延や停止が長期化する場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 なお、ロシア・ウクライナ情勢に関する当社グループへの影響については、当該地域での現地生産を行っておらず、販売規模も小さいことから現時点では限定的と見込んでいますが、当社製品に使用する調達部品や原材料等の供給について引き続き状況を注視していきます。
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2 【事業等のリスク】当社グループでは緊急事態発生時の対応だけでなく、日々の企業活動において重大な影響を及ぼす様々なリスクに対し、リスク発生時のダメージを最小化するためのリスクマネジメントの実践を経営の最重要課題の一つとして推進しています。自動車業界は100年に一度の大変革期を迎えており、グローバルに事業を展開する当社グループは、世界情勢の変化に素早く対応し、経営の持続性の確保と経営基盤の強靱化を図りながら、人的、社会的及び経済的損失の最小化にこれまで以上に取り組んでいく必要があります。このような環境の中で事業活動を行っていくうえで、グループワイドでの戦略的なリスクマネジメントの推進が不可欠であり、当社グループをリスクに強い体質にし、企業価値の向上を図ることが重要であると考えております。 当社グループのリスクマネジメント体制 当社は、グループのリスク顕在化と拡大を防止するため、取締役会が選任したCRMO(最高リスク管理責任者)が、リスクマネジメント・コンプライアンス活動を統括し、活動状況等を取締役会に報告しています。具体的な推進体制として、各部門に本部長クラスのリスク管理責任者を置き、取締役会で指名された業務執行取締役(CRMO)を委員長、リスクマネジメント・コンプライアンス室及び法務部からなるリスクマネジメントグループを業務執行責任範囲とする執行役員を副委員長とする「リスクマネジメント・コンプライアンス委員会」において、重要事項の審議・協議、決定及び情報交換・連絡を行っています。CRMO(最高リスク管理責任者)は、リスクマネジメント・コンプライアンス室や法務部等の全社共通部門の専門的見地からの支援を受けつつ、各事業に横断的な役割を担う経営企画部や各部門・カンパニーと密接に連携し、企業集団を通じたリスク管理の強化を推進しております。さらに、監査部が各部門及び各子会社の業務遂行について計画的に監査を実施しています。 リスクマネジメントの取り組み2020年度は平時の取り組みとして、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会において、グループ全体の「リスクマネジメント方針」を定めるとともに、当社をめぐる諸条件や企業特性を踏まえ、リスクが顕在化した場合の損失の大きさを加味し、優先的に対処すべき課題を全社視点で整理した「リスクマップ」を作成しました。さらに、影響度の大きな課題について優先的に対応するという視点を持ち、各部門が「リスクマネジメント行動指針」を策定し、当該行動指針に従い日常業務として潰し込みを行うリスク管理活動と組み合わせることで、全社最適なリスク管理を推進しました。また、有事の取り組みとしては、新型コロナウイルスへの対応として、2020年2月に「新型肺炎特別対策本部」を設置し、社内外の関係情報を収集・共有するとともに、緊急時対応の内容と実施主体の特定、実効性に関する確認を行う等適時適切な対応をしました。さらに、新型コロナウイルス感染拡大の長期化に伴い、関係部門が連携した新常態の執務体制への速やかな移行等を推進しました。また、全社的な緊急連絡体制を定期的に点検し、当社に影響を及ぼすおそれのある災害等の発生時には「緊急事態対応基本マニュアル」に基づき「安否確認システム」等を使用した情報共有を行っています。 主要な事業等のリスク 当社グループの経営成績及び財務状況、キャッシュ・フロー等に数百億円以上の大きな影響を与え、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事業等のリスクと対応策は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、当社グループに関するすべてのリスクを列挙したものではありません。 経済・金融環境の変動に関連するリスク (1) 主要市場の経済動向当社グループの主要な市場である国及び地域の経済情勢は当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。国内はもとより当社グループの売上収益の約7割を占める北米における景気後退及び需要減少、価格競争の激化等が進むことにより、当社グループの提供する商品・サービスの売上収益や収益性において悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 為替の変動当社グループにおいて北米売上収益は約7割を占め、売上収益、営業利益、資産等の中には、米ドルを中心とした現地通貨建ての項目が含まれており、連結財務諸表作成時に円換算しております。通期の業績見通しにおいて想定した為替レートに対し、実際の決算換算時の為替レートに乖離が生じた場合、主に円高局面では当社グループの売上収益と財務状況はマイナスに作用し、円安局面ではプラスに作用する可能性があります。当社では為替リスクを最小限にすべく、状況に応じ為替予約等によるヘッジを実施しておりますが、期末日に極端な為替変動が生じた場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (3) 金融市場の変動 当社グループは、事業活動の資金を内部資金及び金融機関からの借入や社債の発行によって確保しております。また、十分な手元流動性を確保するために一定額の現金及び現金同等物残高の確保を行っております。しかしながら、経済・金融危機等の発生により金融市場から適切な条件で資金調達が出来なくなった場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは市場性のある証券や債券等の金融資産を保有しており、金融市場の影響により公正価値や金利等が著しく変動した場合、金融資産の減損及び年金資産の減少による従業員給付債務の増加により、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (4) 原材料価格の変動当社グループは、原材料を多数のお取引先様から適時適切な量で調達しておりますが、特定の原材料及びお取引先様に依存している場合があり、需給状況の逼迫等により安定したコストで調達できない場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 業界及び事業活動に関連するリスク (5) 特定の事業及び市場への集中当社グループは、主に自動車と航空宇宙の2つの事業で構成され、“お客様第一”を基軸に「存在感と魅力ある企業」を目指し、選択と集中を進め、限られた経営資源を最大限活用することで高収益なビジネスモデルを展開しています。自動車事業の売上収益が9割以上を占め、販売市場は主に北米を中心とした先進国となります。主要拠点である国内の群馬製作所及び米国のスバル オブ インディアナ オートモーティブ インク(SIA)においてはSUV(多目的スポーツ車)を中心とした生産をしています。このため、自動車事業に関わる需要や市況、同業他社との価格競争等が予測し得る水準を超えた場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (6) 市場における需要・競争環境の変化当社グループの主力事業である自動車業界は大きな環境変化を迎えています。このような状況の中、当社グループは中期経営ビジョン「STEP」を推進し、安心・安全への取り組みやアライアンスの強化、強固なブランドの構築を推進することで新たなモビリティ領域への対応、商品の環境性能向上を強化しています。常に市場の需要動向、お客様ニーズに基づく商品企画を行い、適切なタイミングと価格で新商品を開発・製造し、市場に投入することに努めています。また、デジタルイノベーションの強化に向け最新のデジタル技術やデータの戦略的活用によるビジネスプロセスの改革、新たなビジネスイノベーションの機会創出と推進を行っています。しかしながら、モビリティサービスの普及に伴う異業種からの参入や環境対応に伴うガソリン車以外の自動車へのシフト、シェアリングや自動運転普及に伴う移動手段の多様化によって、お客様の価値観や嗜好ニーズはさらに多様化していくことが予想されます。今後、当社グループの新型車や新商品が販売計画に満たない場合、デジタルイノベーションに遅れが生じた場合、現行の商品の陳腐化等が想定以上に進んだ場合には、販売台数の減少等により当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (7) 商品ならびに販売・サービスに関する責任当社グループは、中期経営ビジョン「STEP」において、「品質改革」を最重要テーマの一つとして、品質マネジメントの強化を図っております。2019年4月には品質方針を「私たちは何より品質を大切にしてお客様の信頼に応えます」に改定しました。商品の企画から生産・販売・サービスに至るまであらゆるプロセスにおいて質の向上を図り「お客様が安心して長く使い続けることが出来る品質」№1を目指して品質改革を進めています。「生まれの品質」の向上を図るべく、これまで以上に開発の上流の段階から品質を向上させる開発プロセスの改革に取り組んでいます。CQO(最高品質責任者)が中心となり、お客様に当社製品を安心して長くお使いいただけるよう「品質を万全に仕上げる」、そして万が一品質問題が生じた際は「早く、正確に改善する」との方針のもと、抜本策に取り組んでおります。また、品質最優先の徹底に向けて従業員一人ひとりの品質意識をさらに高めるための取り組みを進めています。具体的には、全従業員へ品質意識醸成講座等を通じた啓蒙活動や、全従業員に加えお取引先様も対象とした「品質キャラバン」を開催し、SUBARUの品質の現状やお客様の声を直接伝える取り組みを行っています。さらに、2020年4月よりCQO直属の組織として当社グループ全体の品質保証を統括する品質保証統括室を設置し、グローバルレベルでの品質改革を加速しています。このような品質改革への取り組みの一方で、大規模なリコール等が起こった場合、多額のコストとして品質関連費用等が発生することに加え、ブランドイメージの毀損等により、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (8) サプライチェーンの分断 当社グループは、自動車や航空機等の製造にあたり、多数のお取引先様から部品や材料を調達しています。定期的にお取引先様の品質保証力や供給能力のチェックを行うとともに、必要に応じお取引先様の経営状況のチェックも行い、安定調達に努めています。また、有事が発生した際は、平時より整備をしている一次・二次お取引先様の部品ごとの「サプライチェーン情報データベース」に基づき、影響を受ける可能性のあるお取引先様や部品を早期に特定することにより、生産継続に必要な在庫数の確認や代替品の生産検討、さらには生産設備の復旧支援を行う等、サプライチェーン分断の影響を最小限に留める対応を取っています。しかしながら、大規模な地震や台風等の自然災害、新型コロナウイルス等の感染症の発生やその他の要因により、サプライチェーンの分断や需給の逼迫が発生した場合、安定したコスト・納期・品質で調達が維持出来ず、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。なお、2020年度については世界的な半導体の供給不足に伴い、当社においてもお取引先様から調達している部品の一部で供給に支障が出たことから、一部の工場で2021年1月には2日間、また、4月10日以降に操業を停止するなどの生産調整を行いました。半導体製品の供給状況に合わせて生産する車種を変更する等の対応により、お客様への商品の提供に努めていますが、今後も半導体及び一部の部品の供給不足は続くと見込まれ、操業停止や稼働調整を通じて、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。 (9) 知的財産の侵害当社グループは、「安心と愉しさ」等のSUBARUらしさを際立たせるため、他社製品と差別化できる技術を知的財産として保護するとともに、コーポレートブランド管理規程を定め、SUBARUのブランド価値を維持・向上させることに努めています。しかしながら、第三者が当社グループの知的財産を不当に使用した類似製品を製造した場合、知的財産に係わる紛争が生じて当社に不利な判断がなされる場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (10) 情報ネットワークセキュリティ当社グループは、製品の開発・生産・販売等、事業活動において情報技術やネットワーク、システムを利用しています。これらの資産を守るためにサイバーセキュリティ基本方針を定め、従業員のセキュリティ意識向上に向け、セキュリティ教育を定期的に実施するとともに、IT戦略部門が中心となり、サイバー攻撃検知の迅速化を図るための監視とセキュリティインシデント発生時のSIRT(Security Incident Response Team)体制を整備しています。データのバックアップ体制につきましては、当社データセンター内の自社運用ならびにクラウド環境において、複数個所に分散しバックアップが取れる体制を整えており、局所的な災害等においても、事業継続や復旧の早期化に向けた対策を講じています。当社グループの情報技術やネットワーク、システムは、安全対策が施されているものの、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウィルスによる攻撃や大規模な停電、火災等が発生した場合、重要な業務やサービスの中断、データの破損・喪失、機密情報の漏洩等が発生し、ブランドイメージの毀損や当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (11) コンプライアンス当社グループは、中期経営ビジョン「STEP」において、「組織風土改革」を最重要テーマの一つとして掲げ、「正しい会社をつくる」活動を加速してきました。特に、コンプライアンスの徹底を経営の最重要課題の一つと位置付け、企業活動上求められるあらゆる法令・社内諸規程等の遵守はもとより、社会規範に則した公明かつ公正な企業活動を遂行することを従業員一人ひとりに浸透させ、行動の実践につなげるべく、コンプライアンス体制・組織の構築および運営、ならびに各種研修等の活動を行うことにより、コンプライアンスリスクの回避または最小化に努めています。それにも関わらず、当社グループ及び委託先等において重大な法令違反等が発生した場合、お客様の信用・信頼を失うことや社会的評価・評判の低下等によるブランドイメージの毀損等が事業基盤に重大な影響を与え、経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (12)ステークホルダーコミュニケーション当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図り、全てのステークホルダーから満足と信頼を得るために、コーポレートガバナンスガイドラインを定め、コーポレートガバナンスの強化を経営の最重要課題の一つとして取り組んでいます。また、ディスクロージャーポリシーに基づき、フェアディスクロージャーに努め、法令に基づく開示、さらに経営戦略や事業活動等の当社を深く理解していただくために有効と思われる会社情報を、迅速、公正公平、適正に開示しています。また、株主・投資家等と中期経営ビジョン「STEP」の進捗やESG情報について建設的な対話を図るとともに、社内関係者へのフィードバックを行う等ステークホルダーコミュニケーションの向上に努めています。しかしながら、インサイダー取引等の不公正取引や虚偽記載等の法令違反行為による巨額の課徴金支払い等が発生した場合は株主や投資家をはじめとしたステークホルダーからの信用・信頼を失うことや社会的評価・評判の低下等によるブランドイメージの毀損等が事業基盤に重大な影響を与え、経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (13) 人権尊重当社グループは人を第一に考え、「人を中心としたモノづくり」を行っています。「一人ひとりの人権と個性を尊重」することは、SUBARUの重要な経営課題と捉え、「SUBARU人権方針」を策定するとともに、デュー・ディリジェンスを実施しています。また、サプライチェーンを含め、事業に関連するビジネスパートナーやその他の関係者にも、本方針に基づく人権尊重の働きかけを行い、リスク低減のための対応策を実施することで、人権尊重の取り組みを推進しています。それにも関わらず、当社グループ及び上記関係者において、労働環境・労働安全衛生上の問題、様々なハラスメント、人権上の問題のある調達を行った場合等には、お客様の信用・信頼を失うことや社会的評価・評判の低下等によるブランドイメージの毀損等が事業基盤に重大な影響を与え、経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (14) 人材の確保と育成当社グループは持続的な成長に向けて中期ビジョン「STEP」で掲げたありたい姿「笑顔をつくる会社へ」の実現に向けて人材育成を極めて重要なテーマと位置付けています。企業としての競争力強化を高めていくために、「SUBARUへの共感のもと自律的に行動しチャレンジし続ける人財」を求める人財像とし、会社の風土や社員の意識・行動の変革を目指して自律的な能力開発と自発的なチャレンジにより個人の成長を促す体制を整備しています。また、業界を取り巻く激しい環境変化に迅速に対応できる多様な価値観や専門性を持った人材の確保を行っています。しかしながら、労働市場の逼迫により人材確保が出来ない場合、専門性の高い人材の流出が続いた場合等、長期的に当社グループの事業活動や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (15) 気候変動当社グループは気候変動を最も重要な課題の一つと認識し、21世紀後半の早い段階で脱炭素社会を目指す「パリ協定」の趣旨を支持し、SCOPE1・2及びSCOPE3(商品)に関する中長期目標を掲げ、取り組んでいます。SCOPE1・2に関しては、2050年度にカーボン・ニュートラルを目指し、そのマイルストーンとして2030年度までに2016年度比で30%(総量ベース)のCO2削減に取り組みます。SCOPE3(商品)に関しては、2050年にWell to Wheelで新車平均(走行時)のCO2排出量を2010年比で90%以上削減を目指し、2030年までに全世界販売台数の40%以上を電気自動車(EV)+ハイブリッド車とし、2030年代前半には生産・販売するすべてのSUBARU車への電動技術の搭載に取り組みます。しかしながら、これらの取り組みが適切に進まない場合、異常気象による調達・生産・物流活動の停滞等が生じた場合、現時点での将来予測が極めて困難な移行リスク・物理的リスクの影響及び発現度によっては、研究開発費用等の増加、顧客満足やブランドイメージの低下等による販売機会の逸失、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 その他事業活動に影響を与える各国規制やイベント性のリスク (16) 事業活動に影響を与える各国の政治・規制・法的手続き当社グループは米国を中心に世界各国において事業を展開しています。海外市場での事業活動には、以下のようなリスクが内在しており、当該リスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。・不利な政治、経済的要因・法律または規制の変更による障害・課税、関税、その他の税制変更また、環境等に関して当社グループが受ける主な法的規制は、国内外ともに自動車の燃費、排出ガス、省エネルギーの推進、騒音、リサイクル、製造工場からの汚染物質排出レベル及び自動車等の安全性に関するものです。今後、法的規制が強化されることによるコスト等の増加が、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (17) 災害・戦争・テロ・感染症等の影響当社グループは特に経営に重要な影響を及ぼしかつ通常の意思決定ルートでは対処困難な緊急性が求められるクライシスリスクについては、自然災害、事故、内部人的要因、外部人的要因、社会的要因(国内・海外)、コンプライアンスリスクに分類し、有事の際に最適な対応ができる体制を整備しています。しかしながら、事業継続に影響を及ぼす災害・戦争・テロ・感染症等の発生により、当社グループの事業活動が妨げられ、原材料・部品の購入、生産、製品の販売及び物流、サービスの提供等に遅延や停止が生ずる可能性があります。このような遅延や停止が長期化する場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
FY2020|8,267 文字
2 【事業等のリスク】当社グループはSUBARUを自動車と航空宇宙事業における魅力あるグローバルブランドとして持続的に成長させ、中長期的な企業価値の向上を図っております。また、中期経営ビジョン「STEP」において「安心と愉しさ」の提供を通じて、お客様から共感され信頼していただける存在となることを目指し、ありたい姿である「モノをつくる会社から笑顔をつくる会社へ」の実現に向け、最重要テーマとして「組織風土改革」「品質改革」「SUBARUづくりの刷新」を推進しております。当社グループでは事業活動を取り巻くリスク全般について、以下の体制によりリスクの特性に応じた未然防止策や低減策を講じたリスクマネジメントを行っております。 当社グループのリスクマネジメント体制2019年4月よりグループ全体の内部統制とリスクマネジメントの実効性をより高めていくことを目的として、CEO(最高経営責任者)を補佐し当社グループのリスクマネジメント及びコンプライアンス活動を統括するCRMO(最高リスク管理責任者)を設置しました。CRMO管轄下にあるリスクマネジメント・コンプライアンス室が共通部門をはじめとした各部門・カンパニーと密接に連携することでグループ全体を取り巻くリスク顕在化の把握と拡大防止を図っております。また、取締役会では、リスクマネジメントに関する体制整備や内部監査部門(監査部)の独立性の確保、また子会社に対する内部統制に係る基本的な考え方の明確化等の議論の機会を充実させることにより、リスク把握・管理体制の強化及び定着化を図っております。さらに、平時のリスクマネジメントの取り組みの総括の場として、従前のコンプライアンス委員会を2020年度より「リスクマネジメント・コンプライアンス委員会」に発展させ、リスクマネジメント及びコンプライアンスに関する事項の審議・報告等を行っております。 中期経営ビジョン「STEP」や事業活動を推進する上で、当社グループの経営成績及び財務状況、キャッシュ・フロー等に数百億円以上の大きな影響を与え、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事業等のリスクならびに新型コロナウイルスの感染拡大の影響と対応策は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、当社グループに関するすべてのリスクを列挙したものではありません。 主要な事業等のリスク経済・金融環境の変動に関連するリスク (1) 主要市場の経済動向当社グループの主要な市場である国及び地域の経済情勢は当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。国内はもとより当社グループの売上収益の約7割を占める北米における景気後退及び需要減少、価格競争の激化等が進むことにより、当社グループの提供する商品・サービスの売上収益や収益性において悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 為替の変動当社グループにおいて北米売上収益は約7割を占め、売上収益、営業利益、資産等の中には、米ドルを中心とした現地通貨建ての項目が含まれており、連結財務諸表作成時に円換算しております。通期の業績見通しにおいて想定した為替レートに対し、実際の決算換算時の為替レートに乖離が生じた場合、主に円高局面では当社グループの売上収益と財務状況はマイナスに作用し、円安局面ではプラスに作用する可能性があります。当社では為替リスクを最小限にすべく、状況に応じ為替予約等によるヘッジを実施しておりますが、期末日に極端な為替変動が生じた場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (3) 金融市場の変動 当社は事業活動の資金を内部資金及び金融機関からの借入や社債の発行によって確保しております。また、十分な手元流動性を確保するために一定額の現金及び現金同等物残高の確保を行っております。しかしながら、経済・金融危機等の発生により金融市場から適切な条件で資金調達が出来なくなった場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは市場性のある証券や債券等の金融資産を保有しており、金融市場の影響により公正価値や金利等が著しく変動した場合、金融資産の減損及び年金資産の減少による従業員給付債務の増加により、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (4) 原材料価格の変動当社グループは原材料を多数のお取引先様から適時適切な量で調達しておりますが、特定の原材料及びお取引先様に依存している場合があり、需給状況の逼迫等により安定したコストで調達できない場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 業界及び事業活動に関連するリスク (5) 特定の事業および市場への集中当社グループは主に自動車と航空宇宙の2つの事業で構成され、お客様第一を基軸に「存在感と魅力ある企業」を目指し、選択と集中を進め、限られた経営資源を最大限活用することで高収益なビジネスモデルを展開しております。自動車事業の売上収益が9割以上を占め、販売市場は主に北米を中心とした先進国となります。主要拠点である国内の群馬製作所及び米国のスバル オブ インディアナ オートモーティブ インク(SIA)においてはSUV(多目的スポーツ車)を中心とした生産をしております。このため、自動車事業に関わる需要や市況、同業他社との価格競争等が予測し得る水準を超えた場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (6) 市場における需要・競争環境の変化当社グループの主力事業である自動車業界は大きな環境変化を迎えております。このような状況の中、当社グループは中期経営ビジョン「STEP」を推進し、安心・安全への取り組みやアライアンスの強化、強固なブランドの構築を推進することで新たなモビリティ領域への対応、商品の環境性能向上を強化しております。常に市場の需要動向、お客様ニーズに基づく商品企画を行い、適切なタイミングと価格で新商品を開発・製造し、市場に投入することに努めております。また、デジタルイノベーションの強化に向け最新のデジタル技術やデータの戦略的活用によるビジネスプロセスの改革、新たなビジネスイノベーションの機会創出と推進を行っております。しかしながら、モビリティサービスの普及に伴う異業種からの参入や環境対応に伴うガソリン車以外の自動車へのシフト、シェアリングや自動運転普及に伴う移動手段の多様化によって、お客様の価値観や嗜好ニーズはさらに多様化していくことが予想されます。今後、当社グループの新型車や新商品が販売計画に満たない場合、デジタルイノベーションに遅れが生じた場合、現行の商品の陳腐化等が想定以上に進んだ場合には、販売台数の減少等により当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (7) 商品ならびに販売・サービスに関する責任当社グループは中期経営ビジョン「STEP」において、「品質改革」を最重要テーマの一つとして、品質マネジメントの強化を図っております。2019年4月には品質方針を「私たちは何より品質を大切にしてお客様の信頼に応えます」に改定しました。商品の企画から生産・販売・サービスに至るまであらゆるプロセスにおいて質の向上を図り「お客様が安心して長く使い続けることが出来る品質」№1を目指して品質改革を進めております。「生まれの品質」の向上を図るべく、これまで以上に開発の上流の段階から品質を向上させる開発プロセスの改革に取り組んでいます。CQO(最高品質責任者)が中心となり、お客様に当社製品を安心して長くお使いいただけるよう「品質を万全に仕上げる」、そして万が一品質問題が生じた際は「早く、正確に改善する」との方針のもと、抜本策に取り組んでおります。また、品質最優先の徹底に向けて従業員一人ひとりの品質意識をさらに高めるための取り組みを進めております。具体的には、全従業員へ品質意識醸成講座等を通じた啓蒙活動や、全従業員に加えお取引先様も対象とした「品質キャラバン」を開催し、SUBARUの品質の現状やお客様の声を直接伝える取り組みを行っております。さらに、2020年4月よりCQO直属の組織として当社グループ全体の品質保証を統括する品質保証統括室を設置し、グローバルレベルでの品質改革を加速しております。このような品質改革への取り組みの一方で、大規模なリコール等が起こった場合、多額のコストとして品質関連費用等が発生することに加え、ブランドイメージの毀損等により、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (8) サプライチェーンの分断 当社グループは自動車や航空機等の製造にあたり、多数のお取引先様から部品や材料を調達しております。定期的にお取引先様の品質保証力や供給能力のチェックを行うとともに、必要に応じお取引先様の経営状況のチェックも行い、安定調達に努めております。また、有事が発生した際は、平時より整備をしております一次・二次お取引先様の部品ごとの「サプライチェーン情報データベース」に基づき、影響を受ける可能性のあるお取引先様や部品を早期に特定することにより、生産継続に必要な在庫数の確認や代替品の生産検討、さらには生産設備の復旧支援を行う等、サプライチェーン分断の影響を最小限に留める対応を取っております。しかしながら、大規模な地震や台風等の自然災害、新型コロナウイルス等の感染症の発生やその他の要因により、サプライチェーンの分断や需給の逼迫が発生した場合、安定したコスト・納期・品質で調達が維持出来ず、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (9) 知的財産の侵害当社グループは「安心と愉しさ」等のSUBARUらしさを際立たせるため、他社製品と差別化できる技術を知的財産として保護するとともに、コーポレートブランド管理規程を定め、SUBARUのブランド価値を維持・向上させることに努めております。しかしながら、第三者が当社グループの知的財産を不当に使用した類似製品を製造した場合、知的財産に係わる紛争が生じて当社に不利な判断がなされる場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (10) 情報ネットワークセキュリティ当社グループは製品の開発・生産・販売など、事業活動において情報技術やネットワーク、システムを利用しております。これらの資産を守るためにサイバーセキュリティ基本方針を定め、従業員のセキュリティ意識向上に向け、セキュリティ教育を定期的に実施するとともに、IT戦略部門が中心となり、サイバー攻撃検知の迅速化を図るための監視とセキュリティインシデント発生時のSIRT(Security Incident Response Team)体制を整備しております。データのバックアップ体制につきましては、当社データセンター内の自社運用ならびにクラウド環境において、複数個所に分散しバックアップが取れる体制を整えており、局所的な災害等においても、事業継続や復旧の早期化に向けた対策を講じております。当社グループの情報技術やネットワーク、システムは、安全対策が施されているものの、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウィルスによる攻撃や大規模な停電、火災等が発生した場合、重要な業務やサービスの中断、データの破損・喪失、機密情報の漏洩等が発生し、ブランドイメージの毀損や当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (11) コンプライアンス当社グループは中期経営ビジョン「STEP」において、「組織風土改革」を最重要テーマの一つとして掲げ、「正しい会社をつくる」活動を加速してまいりました。特に、コンプライアンスの徹底を経営の最重要課題の一つと位置付け、企業活動上求められるあらゆる法令・社内諸規程等の遵守はもとより、社会規範に則した公明かつ公正な企業活動を遂行することを従業員一人ひとりに浸透させ、行動の実践につなげるべく、コンプライアンス体制・組織の構築および運営、ならびに各種研修等の活動を行うことにより、コンプライアンスリスクの回避または最小化に努めております。それにも関わらず、当社グループ及び委託先等において重大な法令違反等が発生した場合、お客様の信用・信頼を失うことや社会的評価・評判の低下等によるブランドイメージの毀損等が事業基盤に重大な影響を与え、経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (12) 人材の確保と育成当社グループは持続的な成長に向けて中期ビジョン「STEP」で掲げたありたい姿「モノをつくる会社から笑顔をつくる会社へ」を実現するために、人材育成を極めて重要なテーマと位置付けております。従業員自らが高い意欲を持って成長していくことを支援するため、職能資格制度、人事考課制度、目標管理制度、人事ローテーション、教育体系で構成される「人事制度」を整備しております。また、業界を取り巻く激しい環境変化に迅速に対応できる多様な価値観や専門性を持った人材の確保を行っております。しかしながら、労働市場の逼迫により人材確保が出来ない場合、専門性の高い人材の流出が続いた場合等、長期的に当社グループの事業活動や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 その他事業活動に影響を与える各国規制やイベント性のリスク (13) 事業活動に影響を与える各国の政治・規制・法的手続き当社グループは米国を中心に世界各国において事業を展開しております。海外市場での事業活動には、以下のようなリスクが内在しており、当該リスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。・不利な政治、経済的要因・法律または規制の変更による障害・課税、関税、その他の税制変更 また、環境等に関して当社グループが受ける主な法的規制は、国内外ともに自動車の燃費、排出ガス、省エネルギーの推進、騒音、リサイクル、製造工場からの汚染物質排出レベル及び自動車等の安全性に関するものであります。今後、法的規制が強化されることによるコスト等の増加が、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (14) 気候変動当社グループは気候変動を最も重要な課題の一つと認識し、21世紀後半の早い段階で脱炭素社会を目指す「パリ協定」の趣旨を支持し、SCOPE1・2及びSCOPE3(商品)に関する中長期目標を掲げ、取り組んでいます。SCOPE1・2に関しては、2050年度にカーボン・ニュートラルを目指し、そのマイルストーンとして2030年度までに2016年度比で30%(総量ベース)のCO2削減に取り組みます。SCOPE3(商品)に関しては、2050年にWell to Wheelで新車平均(走行時)のCO2排出量を2010年比で90%以上削減を目指し、2030年までに全世界販売台数の40%以上を電気自動車(EV)+ハイブリッド車とし、2030年代前半には生産・販売するすべてのSUBARU車への電動技術の搭載に取り組みます。しかしながら、これらの取り組みが適切に進まない場合、異常気象による調達・生産・物流活動の停滞等が生じた場合、現時点での将来予測が極めて困難な移行リスク・物理的リスクの影響及び発現度によっては、研究開発費用等の増加、顧客満足やブランドイメージの低下等による販売機会の逸失、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (15) 災害・戦争・テロ・感染症等の影響当社グループは特に経営に重要な影響を及ぼしかつ通常の意思決定ルートでは対処困難な緊急性が求められるクライシスリスクについては、自然災害、事故、内部人的要因、外部人的要因、社会的要因(国内・海外)、コンプライアンスリスクに分類し、有事の際に最適な対応ができる体制を整備しております。しかしながら、事業継続に影響を及ぼす災害・戦争・テロ・感染症等の発生により、当社グループの事業活動が妨げられ、原材料・部品の購入、生産、製品の販売及び物流、サービスの提供等に遅延や停止が生ずる可能性があります。このような遅延や停止が長期化する場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 新型コロナウイルスの感染拡大の影響と対応策当社グループは新型コロナウイルスの感染拡大の初期段階からお客様、お取引先様、従業員の健康と安全を最優先に、以下の取り組みを進め感染拡大の防止や地域医療現場への支援に努めた事業活動を行っております。引き続き中期経営ビジョン「STEP」の推進を加速させるために、固定費構造の改革や投資の選択と集中等に取り組むとともに、在宅勤務の拡大等に合わせた働き方改革や間接業務の生産性向上、経費の全面見直しによる経営の筋肉質化等によって強靭な収益構造と事業基盤を作るべく、あらゆる改革にグループ一丸となって取り組んでおります。しかしながら、同感染症の世界的な再流行等により、新たな外出規制やサプライチェーンへの影響が発生し、想定を上回る経済活動の停滞が続いた場合、当社グループの生産・販売活動が経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性がありますが、有価証券報告書提出日現在において影響額を合理的に見積ることは困難であります。 ① 新型肺炎対策本部の設置2020年2月上旬にCEO(最高経営責任者)をトップとした「新型肺炎対策本部」を立ち上げ、実務面ではCRMO(最高リスク管理責任者)による全体統括のもと国内外グループ各社等から情報収集を行い、状況の変化に応じて、お客様やお取引先様、従業員の健康と安全を最優先に感染拡大の防止と事業活動の継続を図るべく施策を講じております。 ② 従業員への対応本感染症発生の初期段階より従業員とその家族の安全確保を最優先としつつ、事業活動を継続させるために柔軟な対応を進めております。具体的には、2020年1月下旬から2月上旬にかけて段階的に中国全域やその他海外各国、国内への出張を中止いたしました。2月中旬からは社内外イベントの開催や参加の自粛、フレックスタイムを活用した時差出勤の推奨、オフィスにおける昼食の時差対応等を実施し、IT対応の強化を段階的に図りながら4月以降には東京地区を中心に本格的な在宅勤務体制を取りました。6月以降も東京地区では引き続き出勤率を最大5割とした体制で在宅勤務や時差出勤等の柔軟な働き方を推進し、感染リスクを軽減させる取り組みを続けております。 ③ 生産・販売活動への影響生産については、米国の生産拠点であるスバル オブ インディアナ オートモーティブ インク(SIA)は2020年3月23日より、国内の群馬製作所は4月9日より生産活動を一時停止し、いずれも5月11日に再開いたしましたが、サプライチェーン及び販売活動への影響が続いたことから、国内については6月19日まで生産量を調整いたしました。米国についても正常な操業に向けた体制が整い始めております。販売については、米国を中心に多くの販売店において様々な制約を受ける事態が続いておりましたが、徐々に回復の兆しが見え始めております。 ④ 手元流動性の確保本感染症の影響による資金需要に備え、一定額の現金及び現金同等物の確保に加え、2020年4月から5月にかけて運転資金として金融機関からコミットメントライン契約1,515億円及び証書貸付契約により600億円の資金調達を行いました。また、同感染症の影響が長期化した場合に備え、コミットメントライン約2,000億円(既借入分を含む)に加え、社債発行枠の設定800億円、コマーシャル・ペーパー発行枠の設定1,000億円等、合計約3,800億円の資金調達枠を確保し、資金需要に機動的に対応できる体制を整えております。
FY2019|2,689 文字
2 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、また、以下は当社グループに関する全てのリスクを列挙したものではありません。 (1) 経済の動向当社グループの主要な市場である国及び地域の経済情勢の動向は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。国内はもとより当社グループの主要市場である北米における景気後退及び需要減少、又は価格競争の激化が進むことにより、当社グループの提供する商品・サービスの売上高や収益性において悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 為替の変動当社グループにおいて、海外売上高の割合は81.1%を占め、売上高、営業利益、資産等の中には、米ドルを中心とした現地通貨建ての項目が含まれており、連結財務諸表作成時に円換算しております。従って通期の見通しにおいて想定した為替レートに対し、実際の決算換算時の為替レートに乖離が生じた場合、主に円高局面では当社グループの業績と財務状況はマイナスに作用し、円安局面ではプラスに作用する可能性があります。こうした為替リスクを最小限に軽減すべく、当社では状況に応じ為替予約等によるヘッジを実施しております。ただし、期末日の極端な為替変動によりデリバティブ評価損益等に影響を及ぼし、営業外損益が大きく変動する可能性があります。 (3) 特定事業への依存当社グループは、自動車事業の他に航空宇宙事業等の事業で構成されていますが、事業規模として自動車事業が突出しているため、自動車事業に関わる需要や市況、同業他社との価格競争力などが予測し得る水準を超えた場合に、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (4) 市場評価の変動市場の需要動向、お客様ニーズに基づく商品企画により、適切なタイミングと価格で新商品を開発・製造し、市場に投入することが、当社グループの安定した業績向上に関して最も大切なことであります。市場における新型車をはじめとした新商品の評価が当社グループの狙いとした販売計画の想定に満たない場合や、現行の商品の陳腐化が想定以上に進んだ場合には、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (5) 特定の原材料及び部品の購入当社グループでは、原材料及び部品等を多数の取引先から調達しておりますが、特定の原材料及び取引先に依存している場合があり、需給状況の逼迫等により、安定したコスト・納期・品質で調達できない場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (6) 知的財産の保護当社グループでは、他社製品と差別化できる技術、ノウハウ等の知的財産の保護のために最善の努力を尽くしておりますが、第三者が当社グループの知的財産を不当に使用した類似製品を製造した場合や、知的財産に係わる紛争が生じて当社に不利な判断がなされる場合には、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (7) 製品の欠陥当社グループでは、安全を最優先として製品の開発・製造・販売を行っておりますが、全ての製品、サービスに関して欠陥が無く、リコール等が発生する可能性がないとは言えません。大規模なリコール等を実施する事態になれば、多額のコストが発生することに加え、ブランドイメージの毀損等により、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (8) 退職給付債務当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上設定した退職給付債務の割引率及び年金資産の長期期待運用収益率といった前提条件に基づいて算出しております。しかし、実際の結果が前提条件と異なる場合には、将来にわたって当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 環境等に関する法的規制国内外ともに自動車の燃費、排出ガス、省エネルギーの推進、騒音、リサイクル、製造工場からの汚染物質排出レベル及び自動車等の安全性に関しては、様々な法的規制を受けております。今後、そうした法的規制が強化されることによるコストの増加が、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 災害・戦争・テロ・ストライキ等の影響大規模な地震、台風等の自然災害、疾病、戦争、テロ等の発生により、当社グループの事業活動が妨げられ、原材料・部品の購入、生産、製品の販売及び物流、サービスの提供などに遅延や停止が生ずる可能性があります。こうした遅延や停止が発生し長引くようであれば、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 国際的な事業活動当社グループは、米国を中心に世界各国において事業を展開しております。海外市場での事業活動には、以下のようなリスクが内在しており、当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。・不利な政治、経済的要因・法律又は規制の変更による障害・課税、関税、その他の税制変更・人材採用と確保の難しさ (12) 情報セキュリティの影響当社グループは、製品の開発、生産、販売など、事業活動において、情報技術やネットワーク、システムを利用しています。これらの情報技術やネットワーク、システムは、安全対策が施されているものの、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウィルスによる攻撃などによって、重要な業務やサービスの中断や、データの破損・喪失、機密情報の漏洩などが発生する可能性があります。この場合、ブランドイメージの低下や当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13) コンプライアンス、レピュテーション当社グループは、コンプライアンスの徹底を経営の最重要課題のひとつと位置付け、企業活動上求められるあらゆる法令・社内諸規程等の順守はもとより、社会規範に則した公明かつ公正な企業活動を遂行することにより、コンプライアンスリスクの回避または最小化に努めております。それにも関わらず、重大な法令違反等が発生した場合、お客様の信用・信頼を失うことや社会的評価・評判の低下等により当社グループの事業基盤に重大な影響を与え、経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2018|2,700 文字
2 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、また、以下は当社グループに関する全てのリスクを列挙したものではありません。 (1)経済の動向当社グループの主要な市場である国及び地域の経済情勢の動向は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。国内はもとより当社グループの主要市場である北米における景気後退及び需要減少、又は価格競争の激化が進むことにより、当社グループの提供する商品・サービスの売上高や収益性において悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)為替の変動当社グループにおいて、海外売上高の割合は80.4%を占め、売上高、営業利益、資産等の中には、米ドルを中心とした現地通貨建ての項目が含まれており、連結財務諸表作成時に円換算しております。従って通期の見通しにおいて想定した為替レートに対し、実際の決算換算時の為替レートに乖離が生じた場合、主に円高局面では当社グループの業績と財務状況はマイナスに作用し、円安局面ではプラスに作用する可能性があります。こうした為替リスクを最小限に軽減すべく、当社では為替予約等によるヘッジを実施しており、状況に応じ為替予約等のヘッジオペレーションを行っております。ただし、期末日の極端な為替変動によりデリバティブ評価損益等に影響を及ぼし、営業外損益が大きく変動する可能性があります。 (3)特定事業への依存当社グループは、自動車事業の他に航空宇宙事業等の事業で構成されていますが、事業規模として自動車事業が突出しているため、自動車事業に関わる需要や市況、同業他社との価格競争力などが予測し得る水準を超えた場合に、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (4)市場評価の変動市場の需要動向、お客様ニーズに基づく商品企画により、適切なタイミングと価格で新商品を開発・製造し、市場に投入することが、当社グループの安定した業績向上に関して最も大切なことであります。市場における新型車をはじめとした新商品の評価が当社グループの狙いとした販売計画の想定に満たない場合や、現行の商品の陳腐化が想定以上に進んだ場合には、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (5)特定の原材料及び部品の購入当社グループでは、原材料及び部品等を多数の取引先から調達しておりますが、特定の原材料および取引先に依存している場合があり、需給状況の逼迫等により、安定したコスト・納期・品質で調達できない場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (6)知的財産の保護当社グループでは、他社製品と差別化できる技術、ノウハウ等の知的財産の保護のために最善の努力を尽くしておりますが、第三者が当社グループの知的財産を不当に使用した類似製品を製造した場合や、知的財産に係わる紛争が生じて当社に不利な判断がなされる場合には、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (7)製品の欠陥当社グループでは、安全を最優先として製品の開発・製造・販売を行っておりますが、全ての製品、サービスに関して欠陥が無く、リコール等が発生する可能性がないとは言えません。大規模なリコール等を実施する事態になれば、多額のコストが発生することに加え、ブランドイメージの毀損等により、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (8)退職給付債務当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上設定した退職給付債務の割引率及び年金資産の長期期待運用収益率といった前提条件に基づいて算出しております。しかし、実際の結果が前提条件と異なる場合には、将来にわたって当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9)環境等に関する法的規制国内外ともに自動車の燃費、排出ガス、省エネルギーの推進、騒音、リサイクル、製造工場からの汚染物質排出レベル及び自動車等の安全性に関しては、様々な法的規制を受けております。今後、そうした法的規制が強化されることによるコストの増加が、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10)災害・戦争・テロ・ストライキ等の影響大規模な地震、台風等の自然災害、疾病、戦争、テロ等の発生により、当社グループの事業活動が妨げられ、原材料・部品の購入、生産、製品の販売及び物流、サービスの提供などに遅延や停止が生ずる可能性があります。こうした遅延や停止が発生し長引くようであれば、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11)国際的な事業活動当社グループは、米国を中心に世界各国において事業を展開しております。海外市場での事業活動には、以下のようなリスクが内在しており、当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。・不利な政治、経済的要因・法律又は規制の変更による障害・課税、関税、その他の税制変更・人材採用と確保の難しさ (12)情報セキュリティの影響当社グループは、製品の開発、生産、販売など、事業活動において、情報技術やネットワーク、システムを利用しています。これらの情報技術やネットワーク、システムは、安全対策が施されているものの、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウィルスによる攻撃などによって、重要な業務やサービスの中断や、データの破損・喪失、機密情報の漏洩などが発生する可能性があります。この場合、ブランドイメージの低下や当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13)コンプライアンス、レピュテーション当社グループは、コンプライアンスの徹底を経営の最重要課題のひとつと位置付け、企業活動上求められるあらゆる法令・社内諸規程等の順守はもとより、社会規範に則した公明かつ公正な企業活動を遂行することにより、コンプライアンスリスクの回避または最小化に努めております。それにも関わらず、重大な法令違反等が発生した場合、お客様の信用・信頼を失うことや社会的評価・評判の低下等により当社グループの事業基盤に重大な影響を与え、経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2017|2,017 文字
4 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、また、以下は当社グループに関する全てのリスクを列挙したものではありません。 (1)経済の動向当社グループの主要な市場である国及び地域の経済情勢の動向は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。国内はもとより当社グループの主要市場である北米における景気後退及び需要減少、又は価格競争の激化が進むことにより、当社グループの提供する商品・サービスの売上高や収益性において悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)為替の変動当社グループにおいて、海外売上高の割合は80.4%を占め、売上高、営業利益、資産等の中には、米ドルを中心とした現地通貨建ての項目が含まれており、連結財務諸表作成時に円換算しております。従って通期の見通しにおいて想定した為替レートに対し、実際の決算換算時の為替レートに乖離が生じた場合、主に円高局面では当社グループの業績と財務状況はマイナスに作用し、円安局面ではプラスに作用する可能性があります。こうした為替リスクを最小限に軽減すべく、当社では為替予約等によるヘッジを実施しており、状況に応じ為替予約等のヘッジオペレーションを行っております。ただし、期末日の極端な為替変動によりデリバティブ評価損等に影響を及ぼし、営業外損益が大きく変動する可能性があります。 (3)特定事業への依存当社グループは、自動車事業の他に航空宇宙事業等の事業で構成されていますが、事業規模として自動車事業が突出しているため、自動車事業に関わる需要や市況、同業他社との価格競争力などが予測し得る水準を超えた場合に、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (4)市場評価の変動市場の需要動向、お客様ニーズに基づく商品企画により、適切なタイミングと価格で新商品を開発・製造し、市場に投入することが、当社グループの安定した業績向上に関して最も大切なことであります。市場における新型車をはじめとした新商品の評価が当社グループの狙いとした販売計画の想定に満たない場合や、現行の商品の陳腐化が想定以上に進んだ場合には、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (5)特定の原材料及び部品の購入当社グループでは、原材料及び部品等を多数の取引先から調達しておりますが、特定の原材料および取引先に依存している場合があり、需給状況の逼迫等により、安定したコスト・納期・品質で調達できない場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (6)知的財産の保護当社グループでは、他社製品と差別化できる技術、ノウハウ等の知的財産の保護のために最善の努力を尽くしておりますが、第三者が当社グループの知的財産を不当に使用した類似製品を製造した場合や、知的財産に係わる紛争が生じて当社に不利な判断がなされる場合には、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (7)製品の欠陥当社グループでは、安全を最優先として製品の開発・製造・販売を行っておりますが、全ての製品、サービスに関して欠陥が無く、リコール等が発生する可能性がないとは言えません。大規模なリコール等を実施する事態になれば、多額のコストが発生することに加え、ブランドイメージの毀損等により、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (8)退職給付債務当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上設定した退職給付債務の割引率及び年金資産の長期期待運用収益率といった前提条件に基づいて算出しております。しかし、実際の結果が前提条件と異なる場合には、将来にわたって当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9)環境等に関する法的規制国内外ともに排出ガス規制、省エネルギーの推進、騒音、リサイクル、製造工場からの汚染物質排出レベル及び自動車等の安全性に関しては、様々な法的規制を受けております。今後、そうした法的規制が強化されることによるコストの増加が、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10)災害・戦争・テロ・ストライキ等の影響大規模な地震、台風等の自然災害、疾病、戦争、テロ等の発生により、当社グループの事業活動が妨げられ、原材料・部品の購入、生産、製品の販売及び物流、サービスの提供などに遅延や停止が生ずる可能性があります。こうした遅延や停止が発生し長引くようであれば、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
FY2016|2,033 文字
4 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、また、以下は当社グループに関する全てのリスクを列挙したものではありません。 (1)経済の動向当社グループの主要な市場である国及び地域の経済情勢の動向は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。国内はもとより当社グループの主要市場である北米における景気後退及び需要減少、又は価格競争の激化が進むことにより、当社グループの提供する商品・サービスの売上高や収益性において悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)為替の変動当社グループにおいて、海外売上高の割合は81.3%を占め、売上高、営業利益、資産等の中には、米ドルを中心とした現地通貨建ての項目が含まれており、連結財務諸表作成時に円換算しております。従って通期の見通しにおいて想定した為替レートに対し、実際の決算換算時の為替レートに乖離が生じた場合、主に円高局面では当社グループの業績と財務状況はマイナスに作用し、円安局面ではプラスに作用する可能性があります。こうした為替リスクを最小限に軽減すべく、当社では為替予約等によるヘッジを実施しており、状況に応じ為替予約等のヘッジオペレーションを行っております。ただし、期末日の極端な為替変動によりデリバティブ評価損等に影響を及ぼし、営業外損益が大きく変動する可能性があります。 (3)特定事業への依存当社グループは、自動車事業の他に産業機器事業・航空宇宙事業等の事業で構成されていますが、事業規模として自動車事業が突出しているため、自動車事業に関わる需要や市況、同業他社との価格競争力などが予測し得る水準を超えた場合に、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (4)市場評価の変動市場の需要動向、お客様ニーズに基づく商品企画により、適切なタイミングと価格で新商品を開発・製造し、市場に投入することが、当社グループの安定した業績向上に関して最も大切なことであります。市場における新型車をはじめとした新商品の評価が当社グループの狙いとした販売計画の想定に満たない場合や、現行の商品の陳腐化が想定以上に進んだ場合には、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (5)特定の原材料及び部品の購入当社グループでは、原材料及び部品等を多数の取引先から調達しておりますが、特定の原材料および取引先に依存している場合があり、需給状況の逼迫等により、安定したコスト・納期・品質で調達できない場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (6)知的財産の保護当社グループでは、他社製品と差別化できる技術やノウハウ等の保護のために、特許、意匠、商標等の知的財産権のポートフォリオを構築しています。しかし、第三者が当社グループの知的財産を不当に使用した類似製品を製造した場合や知的財産権による保護が限定的である場合、販売減少や法的手続きの発生等、当社グループの事業性に影響を受ける可能性があります。 (7)製品の欠陥当社グループでは、安全を最優先として製品の開発・製造・販売を行っておりますが、全ての製品、サービスに関して欠陥が無く、リコール等が発生する可能性がないとは言えません。大規模なリコール等を実施する事態になれば、多額のコストが発生することに加え、ブランドイメージの毀損等により、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (8)退職給付債務当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上設定した退職給付債務の割引率及び年金資産の長期期待運用収益率といった前提条件に基づいて算出しております。しかし、実際の結果が前提条件と異なる場合には、将来にわたって当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9)環境等に関する法的規制国内外ともに排出ガス規制、省エネルギーの推進、騒音、リサイクル、製造工場からの汚染物質排出レベル及び自動車等の安全性に関しては、様々な法的規制を受けております。今後、そうした法的規制が強化されることによるコストの増加が、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10)災害・戦争・テロ・ストライキ等の影響大規模な地震、台風等の自然災害、疾病、戦争、テロ等の発生により、当社グループの事業活動が妨げられ、原材料・部品の購入、生産、製品の販売及び物流、サービスの提供などに遅延や停止が生ずる可能性があります。こうした遅延や停止が発生し長引くようであれば、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。