事業の概要
- シール製品の製造販売NOKグループは、自動車や一般産業機械、電子・精密機器など幅広い産業で使われるシール製品(オイルシール、Oリング、防振ゴムなど)を製造・販売しています。これらの製品は、機械の隙間を埋めて液体や気体の漏れを防ぐ重要な役割を担っており、国内外の多様な顧客に提供されています。
- 電子部品の製造販売フレキシブルサーキット(柔軟な回路基板)やプレシジョンコンポーネント(精密部品)といった電子部品の製造・販売も主要な事業です。これらはスマートフォンやPC、自動車の電装品など、現代社会に不可欠な電子機器に組み込まれており、高い技術力が求められる分野です。
- 多岐にわたる需要先国内外の自動車メーカー、建設機械メーカー、電子機器メーカーなど、非常に幅広い産業に製品を供給しています。これにより、特定の産業の景気変動に業績が過度に左右されるリスクを分散し、安定した収益基盤を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- シール事業の収益性シール事業は売上高3,627.42億円、営業利益262.14億円を計上しており、NOKグループの主要な収益源です。オイルシールやOリング、防振ゴムなど、自動車や産業機械に不可欠な製品を提供しており、安定した需要に支えられています。
- 電子部品事業の規模感電子部品事業は売上高3,709.52億円、営業利益89.27億円と、シール事業に匹敵する売上規模を持っています。フレキシブルサーキットや精密部品を中心に、スマートフォンや自動車の電装品など、成長分野での需要を取り込んでいます。
- グローバルな事業展開両事業ともに国内外に生産・販売拠点を持ち、特に海外売上高比率が約7割と高く、グローバルに事業を展開しています。これにより、特定の地域経済の変動リスクを分散しつつ、世界中の顧客ニーズに対応できる体制を構築しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Seal | 事業 | 3,627 | 262 | 7.2% |
| ElectronicComponentsBusiness | 地域 | 3,710 | 89 | 2.4% |
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3【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、111社(当社、子会社95社、関連会社15社)より構成され、シール製品、電子部品等の製造・販売を主な事業としております。事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付け並びにセグメント情報との関連は、次のとおりであります。 (1) 生産拠点国内生産においては、シール製品、その他製品を当社、他29社が、電子部品をメクテック㈱、他1社が担当しております。海外生産においては、シール製品、その他製品をタイNOK Co.,Ltd.、他19社が、電子部品をメクテックマニュファクチャリングCorp.珠海 Ltd.、他14社が担当しております。(2) 販売拠点国内販売においては、当社、メクテック㈱他17社が担当しております。海外販売においては、タイNOK Co.,Ltd.、メクテックCorp.香港 Ltd.他50社が担当しております。需要先は、国内外の自動車、一般産業機械、電子・精密機器等、多岐の産業にわたっております。(3) セグメント情報との関連区分主要製品主要な会社シール事業オイルシールOリング防振ゴム樹脂加工品ガスケット化学合成品メカニカルシール当社タイNOK Co.,Ltd.NOKアジア Co.,Pte.Ltd.無錫NOKフロイデンベルグ Co.,Ltd.佐賀NOK㈱ユニマテック㈱NOKエラストマー㈱NOKフガクエンジニアリング㈱関西NOK販売㈱NOKフロイデンベルググループセールスチャイナ Co.,Ltd.イーグル工業㈱フロイデンベルグNOKジェネラルパートナーシップ電子部品事業フレキシブルサーキットプレシジョンコンポーネント当社メクテック㈱メクテックマニュファクチャリングCorp.台湾 Ltd.メクテックマニュファクチャリングCorp.タイ Ltd.メクテックマニュファクチャリングCorp.珠海 Ltd.メクテックマニュファクチャリングCorp.蘇州メクテックマニュファクチャリングCorp.ベトナム Ltd.メクテックプレシジョンコンポーネントタイ Ltd.メクテックCorp.香港 Ltd.その他事業事務機用ロール製品特殊潤滑剤当社シンジーテック㈱久喜ロール工業㈱シンジーテックベトナム Co.,Ltd.シンジーテック香港 Co.,Ltd.NOKクリューバー㈱㈱エストー(注)上表の事業内容区分は、セグメント情報における事業区分と同一であります。 事業系統図当社グループについて図示すると次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い コモディティ化と新興国メーカーの台頭による競争激化と価格下落の可能性。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 シール製品、電子部品等の製造・販売における新製品の研究開発と技術保護。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:顧客の業績への依存 / フロイデンベルグ社との提携関係の変化 / 需要動向の変化(EV化等)
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
NOKは、オイルシールや工業用ゴム製品の分野で長年の実績と一定のブランド認知を持つ。特に自動車部品としての信頼性は、長年の供給実績に裏打ちされているが、特許や独自技術による強力な参入障壁は限定的。
スイッチングコスト★★★☆☆
自動車メーカーとの長年の取引関係と、認証・品質基準のクリアには時間とコストがかかるため、サプライヤー変更には一定のスイッチング・コストが発生する。特に、基幹部品であるオイルシールは、設計変更を伴うため乗り換えは容易ではない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
NOKの事業には、ユーザー数の増加が製品・サービスの価値を直接高めるネットワーク効果は基本的に見られない。
コスト優位★★☆☆☆
長年の生産ノウハウによる効率化や、一部原材料の調達力はあると考えられるが、グローバルな価格競争に晒されており、圧倒的なコスト優位性を確立しているとは言えない。特に新興国メーカーとの競争は激化している。
規模の経済★★★☆☆
オイルシールや工業用ゴム製品市場において、NOKはグローバルでも上位のシェアを持つ。一定の生産規模による効率化は図られているが、業界全体が成熟しており、さらなる規模の拡大による圧倒的な優位性獲得は限定的。
- 広範な生産・販売ネットワーク国内に加えてタイ、中国、ベトナムなど海外にも多数の生産・販売拠点を展開しており、グローバルな供給体制を確立しています。これにより、世界中の顧客ニーズに迅速に対応し、効率的な生産・物流を実現しています。
- フロイデンベルグ社との強固な提携1960年以来、ドイツのフロイデンベルグ社と資本・技術提携を結んでおり、同社はNOKの筆頭株主でもあります。この長年にわたる提携関係は、技術開発やグローバル市場での競争において、NOKグループの大きな強みとなっています。
- 多様な製品ポートフォリオと技術力シール製品から電子部品、その他特殊製品まで幅広い製品を手掛けており、それぞれの分野で高い技術力とノウハウを蓄積しています。特に、内燃機関向けだけでなく、燃料電池車や電気自動車向けの新製品開発にも注力し、将来の市場変化に対応できる体制を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営の基本方針 NOKグループは、2023年に従来の「経営理念」を現在の社会環境と照らし合わせて再考し、新たにパーパス・バリューを策定しました。社会における存在意義であるパーパスと社員の信条や行動指針となる4つのバリューをグループ全体の共通の価値観として、常に変革を推進しながら、持続可能な企業となることを目指します。当社グループは、積み重ねた基礎研究に基づく製品開発、高品質での大量・安定生産を強みとして、「Essential Core Manufacturing ― 社会に不可欠な中心領域を担うモノづくり」を掲げ、豊かな社会の根幹となる「安全」と「快適」を支えています。ステークホルダーに対して経済的な利益をもたらすだけではなく、誇りを感じてもらえる企業としてグローバルな成長を遂げてまいります。 ■パーパス・バリュー (2)目標とする経営指標 持続的な成長を実現するための収益力の指標として売上高営業利益率を重視し、各セグメントにおいて利益率の向上に取り組んでおります。また、利益成長とあわせて資本効率の向上を目指しており、50%以上の自己資本比率を維持しながらROA、ROE、ROICなど資本効率指標の改善を図ります。 2026年3月期を最終年度とする中期経営計画(2023年4月1日~2026年3月31日)(以下、中期経営計画)においては、最終年度の目標値として、売上高営業利益率6.8%、ROA4.6%、ROE8.0%、ROIC6.5%を掲げております。 (3)経営環境及び対処すべき課題等 今後の当社グループを取り巻く経営環境につきましては、米国の外交政策動向及びそれを受けたサプライチェーンの混乱、欧米での金融政策動向、中東・東欧での地政学リスク等、先行き不透明な状況が続いております。国内では、物価高を受けた賃上げの動きが広がり、人件費の上昇も継続して見込まれております。このような環境の中、各事業の見通しは以下のとおりです。 シール事業では、自動車向けについては、日系自動車メーカーによる自動車生産は減産が見込まれ、中国においては電気自動車の販売シェア拡大、ASEANでは主要市場のタイにおける新車需要の鈍化及び中華系自動車メーカーによる進出本格化等の影響が予想されます。また、一般産業機械向けについても、景気低迷等の影響を受けております。事業全体を通じて依然として厳しい外部環境が続くと見込まれる中、電気自動車等の新領域向けの製品や、非日系自動車メーカーへの拡販による販売拡大、適正価格に向けた価格改定活動等による収益性向上に取り組んでまいります。 電子部品事業では、自動車向けについては、電気自動車市場は長期的な成長トレンドに変わりはないものの、短期的な成長は想定よりも鈍化しております。電気自動車に留まらず、ハイブリッド車・プラグインハイブリッド車等を含む新エネルギー車市場に対しても継続して拡販に取り組んでまいります。スマートフォン向けは、買い替えサイクルの長期化により市場全体の需要は横ばいとなる見込みです。現在の生産能力を有効に活用し、生産性の向上を図ります。ハードディスクドライブ向けについては、データセンター向けの需要増加に対し、動向を注視しながら対応してまいります。領域毎に需要動向は様々であるため、事業全体を通じて、比較的需要変動の少ない自動車向け等の事業領域の拡大等により生産の平準化を図り、需要変動の影響を受けにくい体質作りを推進してまいります。 上記のとおり、各事業において収益拡大の取り組みを推進する一方で、今後ますます社会的な要請が高まることが見込まれる脱炭素をはじめとする環境課題への対応や、持続的な成長基盤構築に向けた人財への投資およびDE&Iへの対応等、事業の持続可能性を確保するための投資も進めてまいります。 また、経営環境が今後もスピードを増して大きく変化していくことが見込まれる中、自らも変革することにより、中長期にわたる持続的な成長と企業価値の向上を実現できる事業基盤の構築を目指します。中期経営計画においては、「変革基盤の構築」を基本方針として重点項目に取り組んでおります。 中期経営計画の概要は以下のとおりです。 ■4つの重点取り組み項目1.新たな成長ドライバーの創出電動自動車(EV)向け製品の機能別開発・拡販、グリーンエネルギー関連の製品開発・拡販、半導体装置向け製品の拡販 2.グローバル成長への事業運営体制の整備監査等委員会設置会社への移行検討、取締役会のダイバーシティ拡充等、データ利活用の拡大・迅速化、ESG項目への着実な取り組み 3.多様な人財を活かす基盤の構築新人事制度導入、人材育成への投資、DE&Iへの取り組み 4.経営資源の最適運用適正価格による受注の徹底、資本政策の実行(自己株式取得、DOE(株主資本配当率)に基づく配当、政策保有株式の売却)
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営の基本方針 NOKグループは、2023年に従来の「経営理念」を現在の社会環境と照らし合わせて再考し、新たにパーパス・バリューを策定しました。社会における存在意義であるパーパスと社員の信条や行動指針となる4つのバリューをグループ全体の共通の価値観として、常に変革を推進しながら、持続可能な企業となることを目指します。当社グループは、積み重ねた基礎研究に基づく製品開発、高品質での大量・安定生産を強みとして、「Essential Core Manufacturing ― 社会に不可欠な中心領域を担うモノづくり」を掲げ、豊かな社会の根幹となる「安全」と「快適」を支えています。ステークホルダーに対して経済的な利益をもたらすだけではなく、誇りを感じてもらえる企業としてグローバルな成長を遂げてまいります。 ■パーパス・バリュー (2)目標とする経営指標 持続的な成長を実現するための収益力の指標として売上高営業利益率を重視し、各セグメントにおいて利益率の向上に取り組んでおります。また、利益成長とあわせて資本効率の向上を目指しており、50%以上の自己資本比率を維持しながらROA、ROE、ROICなど資本効率指標の改善を図ります。 2026年3月期を最終年度とする中期経営計画(2023年4月1日~2026年3月31日)(以下、中期経営計画)においては、最終年度の目標値として、売上高営業利益率6.8%、ROA4.6%、ROE8.0%、ROIC6.5%を掲げております。 (3)経営環境及び対処すべき課題等 今後の当社グループを取り巻く経営環境につきましては、米国の外交政策動向及びそれを受けたサプライチェーンの混乱、欧米での金融政策動向、中東・東欧での地政学リスク等、先行き不透明な状況が続いております。国内では、物価高を受けた賃上げの動きが広がり、人件費の上昇も継続して見込まれております。このような環境の中、各事業の見通しは以下のとおりです。 シール事業では、自動車向けについては、日系自動車メーカーによる自動車生産は減産が見込まれ、中国においては電気自動車の販売シェア拡大、ASEANでは主要市場のタイにおける新車需要の鈍化及び中華系自動車メーカーによる進出本格化等の影響が予想されます。また、一般産業機械向けについても、景気低迷等の影響を受けております。事業全体を通じて依然として厳しい外部環境が続くと見込まれる中、電気自動車等の新領域向けの製品や、非日系自動車メーカーへの拡販による販売拡大、適正価格に向けた価格改定活動等による収益性向上に取り組んでまいります。 電子部品事業では、自動車向けについては、電気自動車市場は長期的な成長トレンドに変わりはないものの、短期的な成長は想定よりも鈍化しております。電気自動車に留まらず、ハイブリッド車・プラグインハイブリッド車等を含む新エネルギー車市場に対しても継続して拡販に取り組んでまいります。スマートフォン向けは、買い替えサイクルの長期化により市場全体の需要は横ばいとなる見込みです。現在の生産能力を有効に活用し、生産性の向上を図ります。ハードディスクドライブ向けについては、データセンター向けの需要増加に対し、動向を注視しながら対応してまいります。領域毎に需要動向は様々であるため、事業全体を通じて、比較的需要変動の少ない自動車向け等の事業領域の拡大等により生産の平準化を図り、需要変動の影響を受けにくい体質作りを推進してまいります。 上記のとおり、各事業において収益拡大の取り組みを推進する一方で、今後ますます社会的な要請が高まることが見込まれる脱炭素をはじめとする環境課題への対応や、持続的な成長基盤構築に向けた人財への投資およびDE&Iへの対応等、事業の持続可能性を確保するための投資も進めてまいります。 また、経営環境が今後もスピードを増して大きく変化していくことが見込まれる中、自らも変革することにより、中長期にわたる持続的な成長と企業価値の向上を実現できる事業基盤の構築を目指します。中期経営計画においては、「変革基盤の構築」を基本方針として重点項目に取り組んでおります。 中期経営計画の概要は以下のとおりです。 ■4つの重点取り組み項目1.新たな成長ドライバーの創出電動自動車(EV)向け製品の機能別開発・拡販、グリーンエネルギー関連の製品開発・拡販、半導体装置向け製品の拡販 2.グローバル成長への事業運営体制の整備監査等委員会設置会社への移行検討、取締役会のダイバーシティ拡充等、データ利活用の拡大・迅速化、ESG項目への着実な取り組み 3.多様な人財を活かす基盤の構築新人事制度導入、人材育成への投資、DE&Iへの取り組み 4.経営資源の最適運用適正価格による受注の徹底、資本政策の実行(自己株式取得、DOE(株主資本配当率)に基づく配当、政策保有株式の売却)
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当社の当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。 a.財政状態当連結会計年度末の資産合計は、898,667百万円となり、前連結会計年度末対比で53,711百万円の減少となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が減少したことと、保有株式の時価下落により投資有価証券が減少したことによるものです。負債合計は、275,245百万円となり、前連結会計年度末対比38,131百万円の減少となりました。これは主に、短期借入金、未払法人税等と買掛金が減少したことによるものです。純資産は、前連結会計年度末対比15,579百万円減の623,421百万円となり、自己資本比率は64.4%となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上はあったものの、配当の支払いや保有株式の時価下落によりその他有価証券評価差額金が減少したことによるものです。 b.経営成績 当連結会計年度における当社グループの経営成績は、売上高は766,859百万円(前年同期比2.2%増)、営業利益は37,264百万円(前年同期比62.6%増)、経常利益は48,057百万円(前年同期比19.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は30,320百万円(前年同期比4.1%減)となりました。 前年同期比で、シール事業の売上高は横ばい、電子部品事業は増収となりました。営業利益段階においては、シール事業、電子部品事業ともに増益となりました。 各事業セグメントの事業概況は次のとおりです。 <シール事業> 売上高は362,742百万円(前年同期比0.0%増)、営業利益は26,214百万円(前年同期比12.4%増)となりました。 自動車向けは、日系自動車の国内での生産台数減や中国での販売不振、タイで継続している自動車ローンの厳格化等の影響を受け、販売は減少しました。一般産業機械向けは、欧米のインフレーションや中国の不動産不況等により、消費や設備投資が影響を受けたものの、建設機械向けの補修用部品の増加や農業機械向けの需要回復等により、販売は増加しました。セグメント全体の売上高は、為替による押し上げ効果があったこともあり、横ばいとなりました。 一方、売価転嫁等の価格改定活動の推進に加え、原材料価格等の変動費の良化により、営業利益は増加しました。 <電子部品事業> 売上高は為替による押し上げ効果があり、370,952百万円(前年同期比3.1%増)となりました。営業利益は、前年同期の1,023百万円の営業損失から大幅に増加し、8,927百万円となりました。 為替影響を除くと減収となりますが、売上に含まれる外部購入部品代が減少しており、それを除く実質的な売上は増加しました。用途別の状況は次の通りです。 -スマートフォン向けは、外部購入部品代の減少により販売が減少しましたが、実質的な販売は増加しました。 -自動車向けは、グローバルの自動車メーカーに対する電動自動車のバッテリー用途向けの販売が増加したものの、他の用途向けが減少しました。 -ハードディスクドライブ向けは、データセンター向けの需要回復等により、販売は増加しました。 売上高の増加ならびに品目構成の変化などにより、営業利益は大幅に増加しました。 <その他事業> 売上高は33,164百万円(前年同期比18.2%増)、営業利益は前年同期の626百万円から大幅に増加し、2,127百万円となりました。②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」)の残高は、前連結会計年度末に比べ106百万円減少し136,149百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。 〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕営業活動の結果、得られた資金は、91,594百万円(前年同期比2.7%の増加)となりました。これは、非資金取引である減価償却費と税金等調整前当期純利益を計上したことが主たる要因です。〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕投資活動の結果、使用した資金は、43,183百万円(前年同期比45.3%の増加)となりました。これは、保有株式の売却があったものの、有形固定資産を取得したことが主たる要因です。 〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕財務活動の結果、使用した資金は、48,162百万円(前年同期比41.5%の増加)となりました。これは、短期借入金の返済と配当金の支払が主たる要因です。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)(百万円)前年同期比(%)シール事業364,353101.0電子部品事業364,032101.2その他事業33,253118.6合計761,639101.7(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。2.上記中には商品仕入高を含んでおりますが、当社グループにおいては仕入販売事業の事業規模には金額的重要性はありません。 b.受注実績当社グループは、主として得意先より生産計画の内示を受け、それに基づく見込み生産を行っているため記載しておりません。 c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)(百万円)前年同期比(%)シール事業362,742100.0電子部品事業370,952103.1その他事業33,164118.2合計766,859102.2(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)Apple Inc.金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)112,92715.0117,43815.3 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 <シール事業>自動車向け販売においては、主要顧客である日系自動車メーカーの生産台数が重要な指標になりますが、当連結会計年度においては日本国内を中心に生産台数が減少しました。また、海外市場においては、中国市場では現地の自動車メーカーを中心とする電気自動車の伸長に伴い、日系自動車メーカーの販売が低調に推移しております。ASEAN市場では、主要市場であるタイにおいて金利上昇に伴って自動車ローンの審査が厳格化したことなどが、自動車の需要に影響を与えております。当社グループでは中国において非日系顧客に向けた拡販を強化しているほか、今後中国系の自動車メーカーによる進出が拡大すると想定されるASEAN市場においても、同様に非日系顧客に対する取り組み強化を通じて、自動車向けの販売拡大を図ってまいります。一般産業機械向けにおいては、中国での不動産不況をはじめとした世界的な景気低迷が長期化していることから、建設機械の生産台数が低調となるなど、売上に影響を与えております。一方で、建設機械向けの補修用部品や農業機械向けなどの需要が増加したこともあり、一般産業機械向け全体の販売は増加しました。このような状況下、当社グループでは労務費など上昇しているコストの販売価格への転嫁をはじめ、適正価格での取引に向けた顧客との価格改定交渉活動を積極的に推進しております。これらの結果、為替による押し上げ効果もあり売上高は前連結会計年度比較で横ばいを維持、営業利益段階では増益となりました。 <電子部品事業>当連結会計年度においては、需要の低迷が続いていたハードディスクドライブ向けにおいて、データセンターへの投資回復を受けて、販売が増加しました。また、電子部品事業の売上のおよそ半分を占めるスマートフォン向けについては、売上に含まれる外部購入部品代が減少した一方で、付加価値を生む実質的な売上は増加しました。一方、今後の成長ドライバーとして期待している自動車向けにおけるバッテリー用途向けの販売は、電気自動車市場の成長が減速したこともあり、前連結会計年度比較で増加はしたものの、バッテリー用途以外の販売減少を補うには至らず、自動車向け全体の売上は減少しました。電子部品セグメント全体としては、為替による押し上げ効果もあり売上高が増加したことに加え、過去数年にわたり収益性向上に向けて実施してきた構造改革や、生産の季節変動が損益に与える影響の低減を目指した取り組みの推進などにより、営業利益段階において、2018年3月期以来の黒字となりました。 当社グループは2023年4月を起点とする3か年の中期経営計画を推進しており、当連結会計年度はその2年目にあたります。中期経営計画の概要は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。本中期経営計画においては、売上高や営業利益に加え、営業利益率を重要な指標の一つとして掲げ、収益性の強化に取り組んでおります。2026年度3月期の連結営業利益率目標6.8%に対し、2025年3月期の実績は4.9%となりました。中期経営計画立案時の前提と比較した外部環境の変化などにより、計画目標に対して売上高、営業利益は厳しい推移をしている中、営業利益率の目標についても達成のハードルが高くなっておりますが、引き続き適正価格での取引に向けた価格改定活動や経費の効率的使用などを推進することにより、利益率の向上を図ってまいります。また、資本収益性も重要な指標と位置付けて持続的な向上を目指しており、ROEについては最終年度8.0%の目標を掲げております。利益拡大の取り組みとあわせ自己株式取得なども実施しておりますが、2025年3月期の実績は5.2%となりました。上述のとおり利益目標に対して厳しい推移となっておりますが、引き続き収益性の向上に取り組んでまいります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フロー 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 b.契約債務 2025年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。 年度別要支払額(百万円)契約債務合計1年以内1年超3年以内3年超5年以内5年超短期借入金44,06744,067---長期借入金17,623-14,1983,425-リース債務2,661686986342646 c.財務政策 財務政策として、良好な財務体質と資本経営を両立しつつ、企業価値向上のために経営資源を配分することを基本方針としており、50%以上の自己資本比率を維持しながらROA、ROE、ROICなど資本効率指標の改善を図ります。現3か年 中期経営計画においては、最終年度である2026年3月期の目標値として、ROA4.6%、ROE8.0%、ROIC6.5%を掲げております。 経営資源の配分については、安定的な経営に必要な手元現預金水準を維持しつつ、設備投資等、企業価値向上に資する経営資源の配分に努めます。 設備投資等は、将来にわたり長期安定的な利益を生み出すため、新商品・新事業創出への対応や、付加価値の内部取り込みといった目的の投資の他、品質向上及び省人化の投資、また計画的な設備の老朽化更新といった投資が主な内容となっております。 各年度の設備投資額はフリーキャッシュ・フロー黒字の範囲内を原則とし、十分な水準の手元流動性を確保するよう努めておりますが、不足する運転資金、設備投資資金については金融機関からの借入により調達しております。 株主還元につきましては、2023年度~2025年度の3か年で総額675億円を下限とした株主還元(自己株式の取得、配当)を実施いたしますが、中長期的な事業成長に基づき、1株当たりの配当額を段階的に向上させることを目指す方針としております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
事業リスク
- 主要顧客の業績依存リスクNOKグループの売上の大部分は、国内外の主要な自動車メーカーや建機メーカー、電子機器メーカーに依存しています。これらの顧客企業の業績悪化や予期せぬ契約変更があった場合、NOKグループの売上や財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
- 他企業との提携解消リスク特にフロイデンベルグ社との長年の提携関係は事業展開において重要ですが、提携先の事情による提携解消や事業戦略の変化が生じた場合、NOKグループの事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。提携関係の安定的な継続が前提となっています。
- 市場動向と競争激化のリスク電気自動車の普及による内燃機関向け製品の需要減少や、新興国メーカーの台頭による価格競争の激化が予想されます。また、原材料価格や為替、金利の変動、株式市場の低迷も、NOKグループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のものがあると考えております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。当社では、グループ全体に関わるリスク管理の基本方針や管理体制について「リスク管理規程」で定め、その規定に基づき、社長を委員長とするリスクマネジメント委員会を設置し、グループのリスク管理を推進しています。当社の考える、会社経営に影響を及ぼす可能性がある事業等のリスクには、企業価値向上のためリスクとのバランスを図りつつリターンの最大化を図っていく「事業戦略リスク」と、企業価値の維持のためにその発生防止もしくは発生確率・損失の極小化を図るべき「損失発生リスク」があると考えています。更に前者の「事業戦略リスク」は、戦略リスク・投資リスク・市場リスクに区分し、後者の「損失発生リスク」は、法的リスク・カントリーリスク・災害リスク・信用リスクに区分してリスクマネジメントを実施しています。「事業戦略リスク」については、リスクマネジメント委員会において、グループにおける事業の推進、新規案件等でのリスクを洗い出し、グループの経営戦略を検討する会議や案件に応じた個別の委員会等にて、最大のリターンが適時・適切に得られるよう具体的な対応策の審議を行なっています。「損失発生リスク」については、リスクマネジメント委員会の分科会として「リスク・クライシスマネジメント分科会」を設置し、定期的にグループの当該リスクの洗い出し、分析、発生頻度(時期)や損失規模(損害額)を想定したリスクレベル評価による定量化を行ない、その重要性・緊急性を考慮し優先順位を付けて課題・対応策の検討を行なっています。 NOKグループ リスクマネジメント体制(当連結会計年度末現在) (1)事業戦略リスク①戦略リスクa.顧客の業績への依存について当社グループでは、シール製品及び電子機器部品の製造・販売が事業の大部分を占めており、これらの分野においては国内外の主要な自動車メーカー、建機メーカー、及び電子機器メーカー等を主な得意先としております。これらの顧客企業への売上は、その顧客企業の業績や予期しない契約の変更等、当社グループにて管理できない要因により影響を受ける可能性があります。このような顧客への売上減少により当社グループの業績及び財務状況は影響を受ける可能性があります。当社グループではバランスの取れた顧客構成を志向し、当該顧客企業への売上減少のリスクが最小限となるよう努めております。b.他企業との提携について当社グループは、事業を展開する上で、他社と様々な提携活動を行っておりますが、提携先固有の事情による提携の解消等、当社グループで管理できない要因により業績及び財務状況に影響が及ぶ可能性があります。とりわけ、当社は1960年よりフロイデンベルグ社(以下同社)との間で、資本及び技術提携を行っており、当社グループの事業展開において、同社(グループ企業含む)は、パートナー企業として重要な位置付けを有しております。現在同社は、投資会社であるフロイデンベルグ・エス・エーを通じて当社発行済株式の25.1%を保有する筆頭株主であり、1960年の提携以降、同社との関係は継続しております。今後においても、同社との提携関係は安定的に継続していくものと当社グループは認識しておりますが、同社との提携関係又は同社の事業戦略等に変化が生じた場合においては、当社グループの事業に対して影響を及ぼす可能性があります。②投資リスクa.需要動向の変化による影響について当社グループの主要製品であるオイルシール等については、主に内燃機関(エンジン)に用いられるものでありますが、近年においては燃料電池自動車、及び電気自動車も市場投入されております。そのため当社グループでは将来の普及に備え、燃料電池自動車や電気自動車に搭載可能な新製品等に関する研究開発も進めております。しかしながら、現時点において将来、燃料電池自動車、及び電気自動車の普及が当社グループの業績及び財務状況に与える影響を見通すことは困難であります。また、自動車、建機、電子機器製品、及び事務機のコモディティ化の流れの中で、新興国等での現地メーカーの台頭もあり、今後より一層の競争激化とそれに起因する価格下落が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。③市場リスクa.為替変動の影響について当社グループの当期連結売上高に占める海外売上高比率は約7割であり、各地域における為替動向が、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。このため為替予約等によるリスクヘッジを行っておりますが、必ずしも為替リスクを完全に回避するものではないため、当社グループの業績及び財務状況は為替変動の影響を受ける可能性があります。b.金利変動の影響について当社グループは、資金需要、調達手段、及び金融情勢を勘案し資金調達をしておりますが、金融情勢の変化により調達金利が変動した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。c.株式市場の動向による影響について国内外の株式市場の動向は、当社が保有する投資有価証券の評価額、及び当社グループの年金資産の運用状況に影響を及ぼします。株式市場が低迷した場合、投資有価証券の評価損が発生する可能性、及び年金資産が目減りし、会社負担が増大する可能性があります。d.原材料の価格変動について当社グループの製品の主要原材料である鋼板・合成ゴム・銅箔・樹脂フィルム・金等の価格は、需給動向等により変動しております。これら原材料価格の変動が即座に製品価格に反映されるとは限らないため、原材料価格の変動により、当社グループの業績及び財務状況は影響を受ける可能性があります。原材料価格変動の状況を鑑み、当社グループでは原材料を安定且つ継続的に供給いただける事業パートナーを国内に限らず広く世界中に求めております。 (2)損失発生リスク 「損失発生リスク」については、会社経営に重大な影響を及ぼす可能性のある危機の種類、及びそれを発生させる原因に基づき下記の通り区分を行なっております。 <会社経営に重大な影響を及ぼす可能性がある危機・リスク区分>危機の種類原因リスク区分操業停止火災・爆発・災害リスク・信用リスク・カントリーリスク自然災害(地震・水害・火山噴火等)病気(新型コロナウイルス、新型インフルエンザ、SARS等)材料供給停止サイバー攻撃不法な業務妨害ライフライン途絶法令違反等の発生司法(犯罪・利益供与等)・法的リスク・信用リスク税務(税法違反等)会社法・金融商品取引法(株主代表訴訟等)環境(汚染等)労働法(労基法違反・セクハラ等)従業員の死亡、重大な障害の発生、又はその恐れがある場合労働災害・災害リスク・カントリーリスク交通事故自然災害(地震・水害・火山噴火等)火災・爆発海外での戦争・暴動・テロ・誘拐等訴訟・法的リスクその他会社経営に重大な影響を及ぼす事項重要な機密情報の紛失・漏洩・信用リスク重大な品質問題・信用リスクその他・各種リスク 各業務統轄部門は、想定される各リスクの評価について、予防対策を行なう前の素のリスクのことを「固有リスク」として、発生頻度を1年あたりの平均発生回数をもとに4段階で評点化し、それに損失規模を1回あたりの損害金額(直接の経済的損失額)をもとに5段階で評点化したものを乗じて算出しています。また、予防対策(ソフト面・ハード面)、保険・その他のヘッジについて有効性の評価(4段階にて評点化)を行ない、「固有リスク」からそれを除したものを対策後の「残余リスク」※1として定量評価を実施しています。この「固有リスク」と「残余リスク」の評点を踏まえ重要性・緊急性を考慮し、抑え込みたいリスク項目に優先順位付けを行ない、重要なリスクについては各部門にてリスク管理項目に掲げて対策を実施しています。また、定期的に各リスク項目の評価を行ない、管理項目および対策内容の見直しを実施し、継続的にリスク管理を行なっております。 (注)※1:残余リスク = 固有リスク(発生頻度×損失規模)- 対策の有効性 各区分における重要なリスクが現実化し損失が発生する可能性、ならびに現在実施している予防対策・リスクヘッジは以下の通りです。①法的リスクa.法的規制等の影響について当社グループは、事業を展開する各国において様々な法規制の適用を受けております。法令に準じた社内規程やマニュアルの整備、各種教育によるコンプライアンス意識の醸成・周知徹底、外部専門家との連携体制の構築を図っておりますが、将来においてこれらの法規制が改正・強化された場合、新たな規制を遵守するために発生する追加コストの負担は当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。b.訴訟その他の法的手続にかかわるリスクについて当社グループが、各国で事業を遂行する上で、グループ内部統制の体制の整備、外部専門家との連携体制の構築、各種保険への加入等によるリスクヘッジを行なっておりますが、訴訟や規制当局による措置その他の法的手続の当事者となる可能性があります。これらの法的手続の結果、当社グループに対して金銭的な賦課や事業遂行に関する制約が課された場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。c.知的財産権侵害の影響について当社グループは、特許権その他の知的財産権の取得により自社の保有技術を保護すると共に、第三者の知的財産権に対する侵害の予防にも注意を払っております。しかし、国情の相違等から当社グループの知的財産権の保護が十分に得られず販売減少や訴訟費用が発生した場合や、当社グループの製品が意図せず他社の知的財産権を侵害したために販売中止や賠償金支払が必要となった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。d.環境規制が及ぼす影響について当社グループは、各拠点における環境関連法令を遵守し、かつ顧客からの環境に関わる要請に対応するために必要な処置を講じておりますが、将来において法令や顧客要請が強化される、環境責任が発生する、事業活動が制約を受ける等の可能性があります。その対応の費用が多額となる場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。②カントリーリスクa.政治経済情勢について当社グループは、日本、北米、欧州、中国、その他アジア諸国等において事業を展開しております。そのため、当社グループが製品を製造・販売している国や地域の政治情勢や経済状況の変動により、当社グループの業績及び財務状況は影響を受ける可能性があります。③災害リスクa.自然災害等について当社グループは、地震・台風・洪水・火山の噴火等の自然災害や火災等の事故の発生により、当社グループの生産活動や物流活動に支障をきたす事態に備えて、生産拠点の分散化や安全対策を行い事業継続のためにリスクの最小化に努めており、また各種保険の加入等によりリスクヘッジを行っております。しかしながら、これらの事態の発生を完全に防止または軽減することができない可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。b.感染症等について当社グループは、感染症等のパンデミックによる生産活動や物流活動に支障をきたす事態に備えて、生産拠点の分散化や安全対策を行い事業継続のためにリスクの最小化に努めております。その中でも、2020年の新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大以降、対応マニュアルの策定、在宅勤務や時差出勤等の実施、リモートワークツール等の活用により業務を継続できる環境を確保する等、各種対策を講じて感染症等の影響の極小化を図っています。今後の状況により感染症等の感染拡大が発生した場合は、当社グループを取巻く経済環境または事業環境が悪化することにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。④信用リスクa.情報流出の影響について当社グループは、事業を遂行する上で、技術情報や個人情報等の機密情報を有しております。これらの情報の外部流出防止のため社内体制・手続を構築しておりますが、予期せぬ事態により情報が外部に流出した場合、社会的信用の低下や賠償金支払等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。b.サイバー攻撃等の影響について当社グループは、悪意のあるサイバー攻撃等による、操業停止、重要データの喪失、情報漏洩に対して、外部機関等を活用した調査・予防措置を実施しておりますが、未知の方法のサイバー攻撃により操業に影響を及ぼす可能性があります。c.製品の品質問題が及ぼす影響について当社グループは、各生産拠点において世界的に認められた品質管理基準に従って製品を製造しておりますが、予測できない原因による製品の品質不具合の発生を皆無にすることは困難であります。万が一大規模なリコールや製造物賠償責任につながるような製品の不具合が発生した場合、多大な対応コストや社会的信用の低下により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、各リスクに対する上記の予防対策にもかかわらず、顕在化された「損失発生リスク」が会社経営に重大な影響を及ぼす緊急事態が発生した場合は、直ちに緊急対策本部を設置しグループ全体で迅速に対応を行うことにより、可能な限り事業継続を図り、顧客等のステークホルダーへの影響を最小化することに努めています。また、当社グループの事業の継続に障害となる事象(災害リスク)が発生した場合に、事業継続を確実にすると共に事業継続活動を継続的、かつ効果的に推進するための「事業継続マネジメントシステム」を構築し、その推進機関である「NOKグループBCM委員会」を設置して、事業継続計画(BCP)の立案、及び事業継続マネジメント(BCM)活動を推進しております。