研究開発活動(本文)
FY2025|4,362 文字
6【研究開発活動】当社グループは、当社及び連結子会社の各技術部門を中心に、相互連携を図りながら、担当分野に係る新技術・新製品等の開発活動を進めております。当連結会計年度の研究開発費の総額は、10,036百万円となっており、セグメント別の研究開発活動の状況は次のとおりであります。 (1)シール事業「環境」、「安全」及び「自動運転」対応を重点として、継続的に技術・製品開発を進めております。環境関連では、低摩擦損失による省エネルギー効果に寄与する製品、電気自動車(BEV)・ハイブリッド(HEV)・燃料電池自動車(FCV)向けにクリーンな社会に貢献する製品の開発を進めております。安全や自動運転対応では、自動車制動関連の製品や電子部品との複合等による高付加価値製品の開発に取り組んでおります。 オイルシール製品では、カーボンニュートラル社会の実現と、サステナブルな未来に向け、水素関連シールの開発や、オイルシールの低フリクション技術応用により、e-Mobility、ロボット用減速機をはじめ、建機・農機用シールの長寿命化など、環境負荷低減に向けた取り組みを進めております。 ラバーオンリー製品においては、CV/BEV/HEV/FCVの各種ニーズにお応えし、低燃費、寿命向上、難燃性など、お客様の機能向上に寄与する製品開発を進めております。自動車以外の分野では、各社のCCUS(Carbon Capture, Utilization and Storage)への取り組みが活発化しており、製造設備用のラバーオンリー製品を通じてカーボンニュートラルへの貢献を目指しております。さらに、環境にやさしいエアコン用自然冷媒に対応したOリング材料をラインナップし、環境に配慮した製品開発を推進しております。 樹脂加工品では、自動車用自動変速機の回転軸用シールリングで、更なる省燃費・省電費に貢献するため低トルクと低リークを両立する仕様開発を進めております。また、電動ユニット向けに放熱をサポートする絶縁・高熱伝導樹脂部品に加えて、断熱性に優れるウレタン緩衝材の製品開発を進めております。材料では、環境にやさしいバイオマス材の製品適用を進めており、一般道や高速道路などで使用されるNOKのラバーポール「ポストコーン」にバイオマスタイプを開発し販売を開始しました。バイオマス材については、他の製品用途向けでも開発を進めております。 新商品関連では、BEV/HEV/FCVに代表されるエコカーのニーズに対し、従来のシール製品群に加え、電子機器や電動ユニット向けバルブ製品をはじめとするゴム部品、および放熱をサポートする熱伝導性部品の販売拡大を推進中です。また、水素社会への取り組みとして、水電解装置の電解槽用のガスケット開発も進めております。今後自動運転への発展が期待されている先進運転支援システム(ADAS)に必要とされるドライバーモニタリング技術への適用や、医師不足の解消を担う遠隔医療機器向け等、我々の開発した肌との親和性が高いゴム電極は、心電、筋電位、脳波等の取得を簡便化し、身体の状態を長時間・リアルタイムで把握するデバイスへの適用が期待されています。自動車以外の分野では、「高齢化」「環境・エネルギー」「情報通信」「ライフサイエンス」に関わる社会課題に注目しており、高齢者のQOLを向上するソリューションや、医療・バイオ分野に向けた解析評価用のデバイスなど、より付加価値の高い製品開発を進めております。また、従来の技術を応用したヘアゴム製品を新たにBtoC 市場向け商品として販売しています。 化学合成品関係では、環境負荷の低減に対応した素材の開発や、機能性化学製品の開発とそれらの新規製造法を検討するとともに、生産プロセス面からも省資源・省エネルギーや環境に配慮した商品開発を推進しております。 なお、当事業に係る研究開発費は8,037百万円であります。 (2)電子部品事業成長電子市場である、自動車・小型携帯電子機器・GX・ビューティー&ウェルネスの各分野に向けたフレキシブル配線板(以下FPC)の新商品開発を推進しております。 自動車分野向けには、電動車両の拡大に合わせた商品開発を積極的に推進しています。特に、BEV、PHEV、 HEV向けの駆動用バッテリーに焦点を当て、電圧監視FPCおよびそのモジュール製品の開発を行っています。 これらの製品は、従来、ワイヤーハーネスが採用されてまいりましたが、近年FPC化が進み、欧州やアジアに続き 国内でも本格的な生産が始まっております。また、FPCのみならずFPC周辺部品と統合されたモジュール化の要 求も高まってきており、モジュール化の技術向上を図るとともに、バッテリーの大型化、需要増に対応するための製 品開発と生産設備の改良に取り組んでいます。 新しい取り組みとしましては、曲面追従のヒーターFPCがあります。ヒーターFPCはかねてからありました が、FPCはフィルム状であり、曲面に追従させるとなるとシワが入ってしまいます。そのためスリットを入れて曲 面に沿わせるような工夫が必要でしたが、貼り合わせたい曲面と添わせる形で形状を維持できる加工を施すことで、 曲面に合わせてシワの発生なく組み込みができるようになります。様々な形状に追従できるようになりますと、EV 車での熱源、暖房装置として幅広く採用が見込まれるとともに、意匠としての自由度も増していくと思われます。これらを受けまして、弊社では、電動車両向けの材料ラインナップ強化を行っております。グローバルの材料についてベンチマークを行い、性能の過不足、コストバランスを見直し、更に競争力のあるFPC材料を開発していく計画です。特に上述の電圧監視FPCでは、バッテリーの効率向上のため電動車両の高電圧化の流れから、耐トラッキング性の要求が始まっております。弊社としましては、現在の要求水準よりも1ランク上の耐トラッキング性のある材料開発に先行して取り組み、技術優位性を確保することを狙っています。 小型携帯電子機器分野については、5Gにより高速・大容量通信が開始されたことから高周波FPCを商品化しています。高周波対応のポイントは材料であり、要望に応じFPC材料としてMPI(モディファイドポリイミド)、LCP(液晶ポリマー)をラインナップ化し、5Gのボリュームゾーンである「SUB-6」から「ミリ波帯」の製品を提供しております。さらに50GHz以上の「超高周波帯」においては、上記材料では達成できない低損失や小型電子機器の省エネルギー化要求に対して、フッ素系材料を適用したFPCの提案や、PFASなどの新たな環境規制にも対応できる新規高周波材料の調査・開発を継続的に進めております。また、これら設計が難しい超高周波帯のFPCに対しては、当社で蓄積したノウハウを活用した材料技術・電磁界解析技術により、効率的で競争力ある設計提案も行っており、本年度の取り組みとして、これら要素技術をブラックボックス化しながら、グローバルのどの拠点でも対応できるよう、社内展開を図って参ります。 中国市場で増加している折り畳みスマートフォン(以下フォルダブルフォン)は、大画面のディスプレイを折り畳むことでコンパクトになるため、持ち運びや収納に便利なデバイスです。当社は、このフォルダブルフォンの折り畳み後の薄さを実現するために、他に先駆けてFPCの高屈曲性と薄型化を実現しました。さらに、高周波特性を向上させた材料も開発しており、今後のフォルダブルフォンの高機能化に貢献できると期待しております。今後、更なる薄型化と高周波特性の向上の要求があると考えており、これに向けた開発や顧客との定期的な交流を行って参ります。その為に、顧客と同等の評価が行えるよう、評価設備もさらに充実させていく計画としています。 GX分野においては、工場配管などの廃熱を熱源とした熱電発電向けに、配管に沿って曲がりかつ耐熱性と熱伝導 性を兼ね備えたFPCをかねてからご採用頂いております。特徴は、熱伝導性であり、元々FPCは薄い材料から構 成されておりますので、熱をよく伝えるのですが、当社のFPCは、独自材料により熱源の熱を熱電変換素子により 効率よく伝えられる高熱伝導素材を使用しております。更に、高温熱源に対応すべく、FPCの耐熱性を上げる取り 組みも併せて進めており、完成時には発電効率向上に貢献できるものと考えております。 ビューティー&ウェルネス分野においては、当社が世界に先駆けて量産実現した伸縮FPCによる脳波取得用セン サシートの高付加価値化として、人体への装着性を大幅に改善できる導電性粘着剤を開発し、その量産準備を進めて おります。また同時期に、伸縮FPCの更なる新商品として、美容機器メーカーとともにハイドロゲルを一体化した EMS(電気筋肉刺激)用電極シートも開発、23年7月より量産を開始、25年度も引き続き生産することとなってい ます。これら伸縮FPCについては、美容、医療、ヘルスケアなどの分野に向けて積極的な拡販を行っていくととも に、ウェアラブル市場の活性化に貢献してまいります。 伸縮FPC以外としては、脳動脈瘤治療機器用対電極に当社の生体適合導電性粘着剤が25年度末に採用される見込 みです。ユーザーの特殊な滅菌処理に耐え、毒性残留が無いこと等、生体への適合性と密着力が得られることが採用 理由となっています。 なお、当事業に係る研究開発費は、1,305百万円であります。 (3)その他事業事務機業界は、リモートワークの普及、デジタル化の進展に伴い、印刷需要が緩やかに落ち込む見通しであり、今後の販売も徐々に減少する予測です。事務機の開発トレンドは、これまで同様に高速化・高画質化・高耐久化・省エネ化を目的とした機構変更・原価低減の他、PFAS規制強化に備えた製品開発が継続の見通しです。また、顧客同士の合弁会社・共同出資会社設立に伴い、新規製品開発の減少が懸念されます。そのため、弊社は顧客ニーズに基づいた協業開発に加え、環境負荷低減を意識した品質向上、原価低減、生産設備の省エネ化等を中心に開発・生産体制の構築に努めてまいります。 潤滑剤関係では、環境対応型特殊潤滑剤や、過酷な条件や高信頼性が求められる用途で使える特殊潤滑剤の製品化と、モビリティ・軸受・半導体・次世代エネルギー分野向けを含めた次世代に貢献するための新製品や新技術の研究開発に取り組んでいます。 なお、当事業に係る研究開発費は693百万円であります。
FY2023|3,256 文字
6【研究開発活動】当社グループは、当社及び連結子会社の各技術部門を中心に、相互連携を図りながら、担当分野に係る新技術・新製品等の開発活動を進めております。当連結会計年度の研究開発費の総額は、11,281百万円となっており、セグメント別の研究開発活動の状況は次のとおりであります。 (1)シール事業「環境」、「安全」及び「自動運転」対応を重点として、継続的に技術・製品開発を進めております。環境関連では、低摩擦損失による省エネルギー効果に寄与する製品、電気自動車(EV)・ハイブリッド(HEV)・燃料電池自動車(FCV)に対応するクリーンな製品の開発を進めております。安全や自動運転対応では、自動車制動関連の製品や電子部品との複合等による高付加価値製品の開発に取り組んでおります。オイルシールは、サステナブル社会の実現に向け,環境負荷低減に向けた新商品開発や、低フリクション技術の応用によるネジ付きシールでの長寿命化など、e-Mobility・ロボット用減速機をはじめ、建機・農機用シールへ環境配慮設計の適用を進めております。ラバーオンリー製品においては、バイオマス由来原料を使用したエチレンプロピレンゴムを開発し、Oリングカタログにシリーズ化致しました。また、CV/EV/HEV/FCVの各種ニーズにお応えし、低燃費、寿命向上、難燃性等、お客様の機能向上につながる製品開発を進め、カーボンニュートラルに対する貢献を目指しております。自動車用自動変速機の回転軸用シールリングにおいては、アイドリングストップ車に対応した低リークシールリングCS-Ringを開発し、従来品対比で最大80%の低リーク効果がある製品を市場投入しております。低リークに加えて低トルクの仕様開発も進めており、更なる省燃費・省電費に貢献するシールの開発を進めております。新商品関連では、EV/HEV/FCVに代表されるエコカーのニーズに対し、従来のシール製品群に加え、電子機器や電動ユニット向けにFPC一体シール部品、および放熱をサポートする熱伝導性部品の販売を開始しました。さらに、燃料電池の中核を成すスタック向けに低反力・省スペースのシール部品を開発し、一部顧客向けに量産しております。また、自動運転に代表される先進運転支援システム(ADAS)の中では、ドライバモニタリング技術も必要とされており、我々の開発した生体信号を測定できるゴム電極は心電、筋電位、脳波等のモニタリングが可能であり、運転者の疲労や眠気の検知への利用が期待されています。自動車以外の分野においては、「環境・エネルギー」、「情報通信」及び「ライフサイエンス」市場に注目しており、ゴムや樹脂のモールド技術を用いて耐候性や耐衝撃性を向上させた物品管理用ICタグや、医療・バイオ分野に向けた解析評価用のデバイスなど、より付加価値の高い製品開発を進めております。化学合成品関係では、環境負荷の低減に対応した素材の開発や、機能性化学製品の開発とそれらの新規製造法を検討するとともに、生産プロセス面からも資源・省エネルギーや環境に配慮した商品開発を推進しております。なお、当事業に係る研究開発費は9,240百万円であります。 (2)電子部品事業成長電子市場である、自動車・小型携帯電子機器・GX・ヘルスケアの各分野に向けたフレキシブル配線板(FPC)の新商品開発を推進しております。自動車向けには、拡大する電動車両向けの商品開発を推進しております。BEV、HEVに搭載されます駆動用バッテリー向けに、電圧監視FPCおよびそのモジュール製品の商品化を行い、欧州、アジアに次いで国内でも量産を開始しました。今後、バッテリーの大型化や急激な需要増に対応するため生産設備の改良も行ってまいります。また、BEV向けにエンジン熱源の代わりとして低消費電力の薄型FPC製ヒーターの量産を開始し、自動運転に使われますLiDAR向けには耐油性、低湿度透過、電磁波シールドの機能を付与したガスケット一体FPCの量産を開始しました。どちらも、今後の拡大が期待されており、横展開を進めております。新しい取り組みとしては、電動車両には不可欠なパワーデバイス向けのFPCを開発しております。従来、FPCは信号レベルの伝達のため低電圧、小電流での使用でしたが、パワーデバイスに接続される配線は、高電圧・大電流の要求があり、従来のFPC材料は使用不可能でした。弊社は、高電圧、大電流用のFPC材料の開発を進め、パワーデバイスユニットの開発に寄与してまいります。小型携帯電子機器については、5Gにより高速・大容量通信が開始されたことから高速伝送FPCを商品化しております。これは、5G用チップセットメーカーからサプライヤー認定を受け、アンテナと回路間の接続用アンテナケーブルを商品化しました。また、お客様の要望に応じFPC材料としてMPI(モディファイドポリイミド)、LCP(液晶ポリマー)をラインナップ化し、5Gのボリュームゾーンである「SUB-6」から「ミリ波帯」の製品を提供しております。さらに50GHz以上の「超高周波帯」においては、上記材料では達成できない低損失や小型電子機器の省エネルギー化要求に対して、フッ素系材料を適用したFPCを提案しております。これら設計が難しい超高周波帯のFPCに対しては、弊社で蓄積したノウハウを活用した材料技術・電磁界解析技術により、効率的で競争力ある設計提案を行っていきます。これらの材料は、高速化が進むUSB・カメラ・ディスプレイなどのデジタル信号伝送用途への展開により、アンテナケーブル以外でも適用を広げていくことができる見込みです。GX分野においては、廃温水や廃熱などを熱源とした熱電発電向けに、配管に沿う耐熱性を兼ね備えた熱伝導性の高いFPCを開発しております。本開発品には、独自材料により熱源の熱を熱電変換素子に効率よく伝えられる高熱伝導素材が使用されており、お客様製品の性能向上に寄与しております。ヘルスケア分野については、当社が世界に先駆けて量産実現した伸縮FPCによる脳波取得用センサシートの高付加価値化として、人体への装着性の改善や新規生体導通材料である導電性粘着剤の適用に向けた開発に取り組んでおり、販売規模の拡大を目指しております。また、この伸縮FPCを応用したEMS(電気筋肉刺激)用の電極シートについても昨年度から開発が進展し、本年度中の量産化に向けて準備を進めております。上記伸縮FPCとは別に、要介護者のオムツ内で排尿を検知するセンサデバイスの開発も進めており、これまでに介護現場の実態を踏まえた実証試験や開発へのフィードバックを行ってまいりました。現在、商品の完成度を高めているとともに、ビジネスモデルの構築について検討しております。なお、当事業に係る研究開発費は、1,275百万円であります。 (3)その他事業事務機業界では、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大が徐々に緩和した影響で、一時的に需要は増加しましたが、働き方改革によるリモートワーク、ペーパーレス化が定着し、今後の需要は徐々に減少する見通しです。事務機の開発トレンドは、高速化・高画質化・高耐久化・省エネ化を目的とした機構変更や原価低減の他、近い将来の環境規制強化に対応した製品開発を推進しています。弊社は高機能部品に特化した製品群に焦点を絞り、新製品開発、顧客との協業開発に注力いたします。併せて、品質向上、開発工期の短縮等、より安定した開発・生産体制の構築に努めてまいります。潤滑剤関係では、電動車・軸受・半導体分野向けと、環境対応型特殊潤滑剤(生分解性、バイオ素材、VOCフリー等)の製品化に加えて、次世代エネルギー関連分野向けを含め、持続可能な社会に貢献するための製品・新技術の研究開発に取り組んでいます。なお、当事業に係る研究開発費は766百万円であります。
FY2022|3,190 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、当社技術本部及び連結子会社の各技術部門を中心に、相互連携を図りながら、担当分野に係る新技術・新製品等の開発活動を進めております。当連結会計年度の研究開発費の総額は、10,410百万円となっており、セグメント別の研究開発活動の状況は次のとおりであります。 (1)シール事業「環境」、「安全」及び「自動運転」対応を重点として、継続的に技術・製品開発を進めております。環境関連では、低摩擦損失による省エネルギー効果に寄与する製品、電気自動車(EV)・ハイブリッド(HEV)・燃料電池自動車(FCV)に対応するクリーンな製品の開発を進めております。安全や自動運転対応では、自動車制動関連の製品や電子部品との複合等による高付加価値製品の開発に取り組んでおります。オイルシールにおいては、多様化する省エネニーズへの貢献を加速させるため、低フリクションの技術ブランドLe-μ’s(商標)へのラインナップ拡充を図っていきます。特に、低摩擦化を追求したコーティング技術などの応用により、e-Mobility関連をはじめ、建機・農機用シールなどの製品開発も進めております。Oリングにおいては、低摩擦技術によるLe-μ’sブランドにCNT添加Ovalリングを加えました。また、e-Mobility関連製品、燃料電池関連製品や低燃費に貢献できる各種機能を向上させる製品の開発によりカーボンニュートラルに対する貢献を目指しております。自動車用自動変速機の回転軸用シールリングにおいては、アイドリングストップ車に対応した低リークシールリングCS-Ringを開発し、従来品対比で最大80%の低リーク効果がある製品を市場投入しております。低リークに加えて低トルクの仕様開発も進めており、更なる省燃費・省電費に貢献するシールの開発を進めております。新商品関連では、EV/HEV/FCVに代表されるエコカーのニーズに対し、従来のシール製品群に加え、電子機器や電動ユニット向けにFPC一体シール部品、および放熱をサポートする熱伝導性部品の販売を開始しました。さらに燃料電池の中核を成すスタック向けに低反力・省スペースのシール部品を開発し、一部顧客向けに量産しております。また、自動運転に代表される先進運転支援システム(ADAS)の中では、ドライバモニタリング技術も必要とされており、我々の開発した生体信号を測定できるゴム電極は心電、筋電位、脳波等のモニタリングが可能であり、運転者の疲労や眠気の検知への利用が期待されています。自動車以外の分野においては、「環境・エネルギー」「情報通信」「ライフサイエンス」市場に注目しており、ゴムや樹脂のモールド技術を用いて耐候性や耐衝撃性を向上させた物品管理用ICタグや、医療・バイオ分野に向けた解析評価用のデバイスなど、より付加価値の高い製品開発を進めております。化学合成品関係では、環境負荷の低減に対応した素材の開発や、フッ素系機能性化合物製品の開発とそれらの新規製造法を検討するとともに、生産プロセス面からも資源・省エネルギーや環境に配慮した商品開発を推進しております。なお、当事業に係る研究開発費は8,635百万円であります。 (2)電子部品事業成長電子市場である小型携帯電子機器・自動車・医療・ヘルスケアの各分野に向けたフレキシブル配線板(FPC)の新商品開発を推進しております。小型携帯電子機器については、5Gにより高速・大容量通信が開始されたことから高速伝送FPCを商品化しています。これは、アンテナと回路間の接続用アンテナケーブルに使用され、5G用チップセットメーカーからサプライヤー認定を受け、商品化しています。最近では、機器内の省スペース化・組込み性向上に向けて、アンテナケーブルとUSB等の高速デジタル信号用ケーブルを一体化する検討を推進しており、今後、標準搭載が見込まれるUWB(Ultra Wide Band:超広帯域無線通信)アンテナとケーブルを一体化したFPCの開発も開始しました。商品展開としては、6GHz以下の「SUB-6」にはMPI(モデファイドポリイミド)を用いたFPCを、さらに高い周波数の「ミリ波帯」にはLCP(液晶ポリマー)を用いたFPCを商品化しています。50GHz以上の超高周波帯に向けては、フッ素系材料を適用したFPCの開発を進めています。自動車向けには、拡大する電動車両向けの商品開発を推進しております。BEV、HEVに搭載されます駆動用バッテリー向けには、その電圧を監視するFPCおよびそのモジュール製品の商品化を行い、大型化や、急激な需要増に対応した高生産設備の開発を行っております。また、エンジン熱源の無いBEV用には低消費電力で薄型化できるFPC製ヒーターを開発し、今年量産を開始しました。新しい取り組みとしては、従来からの商品群であるガスケット一体FPCの車載展開を進めており、対象ユニット毎に耐油性、低湿度透過、電磁波シールドなどを付与したゴム材料の開発とその商品化を推進しております。医療用においても、診断装置や処置機器等へFPCの採用が始まっております。CTスキャナ・超音波診断装置等の動画・静止画が4K/8K対応へ高画質化が進んできており、センサを実装するFPCには高精細配線が必要となってきております。そこで、微細パターンを作成するためセミアディティブ工法の技術検討を行い、昨年よりCTスキャナ用に微細FPCの量産を開始しました。積極的な医療行為をする機器の一つである手術支援ロボットは、複数メーカーが開発を進めております。FPCの柔らかさ・高密度配線の特徴を生かし内視鏡側では従来のワイヤーハーネスでは成し得なかった小型化・高屈曲を実現しました。操作側においても、FPCの低反力性により操作性が滑らかになり、力覚の再現にも寄与しています。商品開発においては3D設計や最適材料のご提案も行っています。医療・ヘルスケア分野に向けては、FPCの技術を使った商品開発を進めております。脳波信号を取得するセンサシート向けに伸縮性のある基材と配線を組み合わせた伸縮FPCの量産をしており、新モデルにおいても採用となりました。さらに次機モデルに向け、センサシート電極と生体を接続するための生体導電粘着剤開発を進めています。これらの組合せは、EMS(電気筋肉刺激)電極シートへの展開も可能となり、あたらしいビジネスを模索してまいります。また、FPC技術を応用し、オムツ内で排尿を検知するセンサデバイスの開発を進めています。要介護者のオムツ確認、モレ対応、記録など、介護者の負担軽減が期待でき、介護施設への展開を予定しています。なお、当事業に係る研究開発費は、1,074百万円であります。 (3)その他事業事務機業界では、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響により、働き方改革によるリモートワークの進展、ペーパーレス化の加速等々、需要が減少しました。事務機の開発トレンドは、高機能機種の更なるセキュリティー強化・ネットワーク機能拡充・高速化・高画質化・高耐久化・省エネ化を目指し機構変更やVE/VAを推進しています。弊社は高機能部品に特化した製品群に焦点を絞り、新製品開発、顧客との協業開発に注力いたします。併せて、品質向上、開発工期の短縮等、より安定した開発・生産体制の構築に努めてまいります。潤滑剤関係では、極限環境(低温・高温・高荷重あるいは高真空)下で使用可能な潤滑剤や、自動車・産業機器の環境性能改善に貢献する製品の開発に加えて、カーボンニュートラルや環境負荷に配慮した新製品・新技術の研究開発に取り組んでいます。なお、当事業に係る研究開発費は700百万円であります。
FY2021|2,878 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、当社技術本部及び連結子会社の各技術部門を中心に、相互連携を図りながら、担当分野に係る新技術・新製品等の開発活動を進めております。当連結会計年度の研究開発費の総額は、10,053百万円となっており、セグメント別の研究開発活動の状況は次のとおりであります。 (1)シール事業「環境」、「安全」及び「自動運転」対応を重点として、継続的に技術・製品開発を進めております。環境関連では、低摩擦損失による省エネルギー効果に寄与する製品、電気自動車(EV)・ハイブリッド(HEV)・燃料電池自動車(FCV)に対応するクリーンな製品の開発を進めております。安全や自動運転対応では、自動車制動関連の製品や電子部品との複合等による高付加価値製品の開発に取り組んでおります。オイルシールにおいては、Le-μ’s(商標)ブランドの低摩擦技術群による省エネルギーへの貢献と、耐ダスト性の向上による過酷環境への対応とを両立する製品の市場投入も始めております。また、更なる低摩擦化を目指したコーティングなどの開発を進めており、今後もLe-μ’sブランドのラインナップの拡充を図っていきます。また、自動車ならびに建機・農機などの技術動向への対応として、e-Mobility関連シールや電動化向けシールの開発も進めております。Oリングにおいては、低摩擦技術によるLe-μ’sブランドにCNT添加Ovalリングを加えました。また、e-Mobility関連シール、燃料電池関連シールや低燃費に貢献できる各種機能を向上させるシールの開発によりカーボンニュートラルに対する貢献を目指しております。自動車用自動変速機の回転軸用シールリングにおいては、アイドリングストップ車に対応した低リークシールリングCS-Ringを開発し、従来品対比で最大80%の低リーク効果がある製品を市場投入しております。新商品関連では、EV/HEV/FCVに代表されるエコカーのニーズに対し、従来のシール製品群に加え、電子機器や電動ユニット向けにFPC一体シール部品、および放熱をサポートする熱伝導性部品の販売を開始しました。さらに燃料電池の中核を成すスタック向けに低反力・省スペースのシール部品を開発し、一部顧客向けに量産しております。また、自動運転に代表される先進運転支援システム(ADAS)の中では、ドライバモニタリング技術も必要とされており、我々の開発した生体信号を測定できるゴム電極は心電、筋電位、脳波等のモニタリングが可能であり、運転者の疲労や眠気の検知への利用が期待されています。自動車以外の分野においては、「環境・エネルギー」「情報通信」「ライフサイエンス」市場に注目しており、ゴムや樹脂のモールド技術を用いて耐候性や耐衝撃性を向上させた物品管理用ICタグや、医療・バイオ分野に向けた解析評価用のデバイスなど、より付加価値の高い製品開発を進めております。化学合成品関係では、環境負荷の低減に対応した素材の開発や、フッ素系機能性化合物製品の開発とそれらの新規製造法を検討するとともに、生産プロセス面からも資源・省エネルギーや環境に配慮した商品開発を推進しております。なお、当事業に係る研究開発費は8,324百万円であります。 (2)電子部品事業成長電子市場である小型携帯電子機器・自動車・医療・ヘルスケアの各分野に向けたフレキシブル配線板(FPC)の新商品開発を推進しております。小型携帯電子機器は、5Gにより高速・大容量通信が開始されたことから高速伝送FPCを商品化しています。主にアンテナと回路間の接続(アンテナケーブル)に使用され、送受信する信号を伝送します。6GHz以下の「SUB-6」にはMPI(モデファイドPI)を用いたFPCを、さらに高い周波数の「ミリ波帯」にはLCP(液晶ポリマー)を用いたFPCを商品化しています。また、今後予定されています50GHz以上の超高周波帯に向けては、フッ素系材料を適用したFPCの開発を進めています。5G用チップセットメーカーから5G用FPCのサプライヤー認定を受け、セットメーカー各社から引き合いを受けています。新たな商品展開として、機器内の省スペース化・組込み性向上に向けて、アンテナケーブルとUSB等の高速デジタル信号用ケーブルを一体化する検討を推進しております。車載向けには、拡大する電動化に合わせた商品開発を推進しております。主要部品となるバッテリーの電圧監視用FPCおよびモジュール製品では、電池モジュールの大型化に合わせた製品の開発、インバーター用途では、ユニットの小型化・高効率化・高出力化に対応可能な耐熱・大電流対応のFPC開発を推進しております。また、従来からの商品群であるガスケット一体FPCにおいても、車載への展開を進めており、耐熱・耐油性を付与したゴム材料の開発とその商品化を推進しております。医療用装置においては、CTスキャナ・超音波診断装置等、医療分野で扱う動画・静止画が4K/8K対応へ高画質化が進んでいます。これに伴い、センサを実装するFPCには高精細配線が必要となり、セミアディティブ工法の技術検討を行い商品化いたしました。セミアディティブ工法は、カメラ用FPC、インクジェット用FPCへの展開を進めていきます。医療・ヘルスケア分野に向けては、伸縮性のある基材と配線を組み合わせたストレッチャブルFPCを商品化しています。現在、脳波信号を取得するセンサシートとして量産を継続しています。今後、ニューロマーケティングへの展開も検討していきます。また、ストレッチャブルFPCのEMS(電気筋肉刺激)への適用検討も進んでいます。新たな用途として、自動車用シートに埋め込んだセンサからの信号引出しケーブルとしての評価も進んでいます。今後も新用途への適用検討を進めてまいります。なお、当事業に係る研究開発費は、1,100百万円であります。 (3)ロール事業事務機業界では、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響により、働き方改革によるリモートワークの進展、ペーパーレス化の加速等々、需要が減少しました。事務機の開発トレンドは、高機能機種の更なるセキュリティー強化・ネットワーク機能拡充・高速化・高画質化・高耐久化・省エネ化を目指し機構変更やVE/VAを推進しています。弊社は高機能部品に特化した製品群に焦点を絞り、新製品開発、顧客との協業開発に注力いたします。併せて、品質向上、開発工期の短縮等、より安定した開発・生産体制の構築に努めてまいります。なお、当事業に係る研究開発費は457百万円であります。 (4)その他事業潤滑剤関係では、自動車の電動化への対応に加え、半導体分野向け高機能フッ素グリースの製品開発を進めます。また、環境負荷の小さい溶剤を用いたコーティング剤や、生分解性原料を用いた新製品・新技術の研究開発に取り組んでいます。なお、当事業に係る研究開発費は171百万円であります。
FY2020|2,577 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、当社技術本部及び連結子会社の各技術部門を中心に、相互連携を図りながら、担当分野に係る新技術・新製品等の開発活動を進めております。当連結会計年度の研究開発費の総額は、11,298百万円となっており、セグメント別の研究開発活動の状況は次のとおりであります。 (1) シール事業「環境」、「安全」及び「自動運転」対応を重点として、継続的に技術・製品開発を進めております。環境関連では、低摩擦損失による省エネルギー効果に寄与する製品、電気自動車(EV)・ハイブリッド(HEV)・燃料電池自動車(FCV)に対応するクリーンな製品の開発を進めております。安全や自動運転対応では、自動車制動関連の製品や電子部品との複合等による高付加価値製品の開発に取り組んでおります。オイルシールにおいては、Le-μ’s(商標)ブランドの低摩擦技術群による省エネルギーへの貢献と、耐ダスト性の向上による過酷環境への対応とを両立する製品の市場投入も始めております。また、更なる低摩擦化を目指したコーティングなどの開発を進めており、今後もLe-μ’sブランドのラインナップの拡充を図っていきます。自動車の技術動向への対応として、低粘度油対応シールやE-mobility関連シールの開発も進めております。Oリングにおいては、環境対応エンジンに対する高圧用シール、組立性を向上させるコーティング、燃料電池関連シールを市場投入する一方で、E-mobility関連シールや低燃費に貢献できる各種機能を向上させるシールの開発を進めております。自動車用自動変速機の回転軸用シールリングにおいては、しゅう動面にシール媒体である油を供給する形状を付与することにより、従来品対比で最大、約70~80%の低トルク化が可能な製品を市場投入しております。新商品関連では、EV/HEV/FCVに代表されるエコカーのニーズに対し、従来のシール製品群に加え、電子機器や電動ユニット向けにFPC一体シール部品、および放熱をサポートする熱伝導性部品の販売を開始しました。さらに燃料電池の中核を成すスタック向けに低反力・省スペースのシール部品を開発し、一部顧客向けに量産しております。また、自動運転に代表される先進運転支援システム(ADAS)の中では、ドライバモニタリング技術も必要とされており、我々の開発した生体信号を測定できるゴム電極は心電、筋電位、脳波等のモニタリングが可能であり、運転者の疲労や眠気の検知への利用が期待されています。自動車以外の分野においては、「環境・エネルギー」「情報通信」「ライフサイエンス」市場に注目しており、ゴムや樹脂のモールド技術を用いて耐候性や耐衝撃性を向上させた物品管理用ICタグや、医療・バイオ分野に向けた解析評価用のデバイスなど、より付加価値の高い製品開発を進めております。化学合成品関係では、環境負荷の低減に対応した素材の開発や、フッ素系機能性化合物製品の開発とそれらの新規製造法を検討するとともに、生産プロセス面からも資源・省エネルギーや環境に配慮した商品開発を推進しております。なお、当事業に係る研究開発費は9,044百万円であります。 (2) 電子部品事業スマートフォン/タブレットなどの小型携帯電子機器向けをはじめ、成長電子市場である車載向け(自動運転・EV・電子制御)、医療・ヘルスケア、ロボット等の分野に向けたフレキシブル配線板(FPC)の新商品開発を推進しております。開発概要は高信頼性/高精度/高機能、低伝送損失化、モジュール化を実現するコア技術の確立であります。小型携帯電子機器に向けては、5G通信に対応した高速伝送FPCの商品化を推進しております。5G通信においては、6GHz以下の「SUB-6」にはMPI(モデファイドPI)を用いたFPCを、28GHz帯の「ミリ波帯」にはLPC(液晶ポリマー)を用いたFPC等、周波数に応じた商品を対応しております。また、今後予定されています50GHz以上の超高周波帯に向けては、フッ素系材料を適用したFPCの開発を推進してまいります。車載向けには、急速に進むEV化には不可欠であるバッテリーの電圧監視システムをFPCで実現させました。この電圧監視用FPCモジュールの採用が拡大しております。FPCの特徴である低背化・軽量化・低コスト化を生かした、更なる商品価値の向上を図ってまいります。また、インバーター対応FPCについても開発を推進しております。医療用装置においては、CTスキャナ・超音波診断装置の高画質化(動画・静止画)が進んでおり、同様にモニター画面も4K・8Kと進化し、高精度配線形成の要求が拡大しております。この対応として高精細配線形成に適したセミアディティブ法の技術確立を進めております。医療・ヘルスケア分野に向けては、伸縮性のある基材と配線を組み合わせたストレッチャブルFPCの商品化が進んでおります。また、生体適合性評価であるISO10993をクリアしていることから、脳波測定・筋電測定などに適用範囲が拡大されています。なお、当事業に係る研究開発費は、1,658百万円であります。 (3) ロール事業事務機業界では、中国・ASEAN地区への生産二極化の進展、及び低価格分野向けを中心にローカル部品メーカーの参入などが顕著な動きとなってきています。市場動向は、高機能機種の増加は有るものの、プリンター全体の需要は減少傾向にあります。事務機の開発トレンドは、高機能機種の更なる高速化・高画質化・高耐久化・省エネ化を目指し機構変更やVE/VAを推進しています。弊社は高機能部品に特化した製品群に焦点を絞り、新製品開発、顧客との協業開発に注力いたします。併せて、品質向上、開発工期の短縮と共により安定した生産体制の構築に努めてまいります。なお、当事業に係る研究開発費は406百万円であります。 (4) その他事業潤滑剤関係では、自動車・産業機械分野での二酸化炭素排出量削減に貢献すべく、更なる低摩擦・長寿命を狙った製品開発を進めます。また、バイオマス由来あるいは生分解性の原料を用いた新製品・新技術の研究開発に取り組みます。なお、当事業に係る研究開発費は189百万円であります。
FY2019|2,665 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、当社技術本部及び連結子会社の各技術部門を中心に、相互連携を図りながら、担当分野に係る新技術・新製品等の開発活動を進めております。当連結会計年度の研究開発費の総額は、10,459百万円となっており、セグメント別の研究開発活動の状況は次のとおりであります。 (1)シール事業「環境」、「安全」及び「IT化対応」を重点として、継続的に技術・製品開発を進めております。環境関連では、低摩擦損失による省エネルギー効果に寄与する製品、電気自動車(EV)・ハイブリッド(HEV)・燃料電池自動車(FCV)に対応するクリーンな製品の開発を進めております。安全やIT関連では、自動車制動関連の製品や電子部品との複合等による高付加価値製品の開発に取り組んでおります。オイルシールにおいては、Le-μ’s(商標)ブランドの低摩擦技術群による省エネルギーへの貢献と、耐ダスト性の向上による過酷環境への対応とを両立する製品の市場投入も始めております。また、更なる低摩擦化を目指したコーティングなどの開発を進めており、今後もLe-μ’sブランドのラインナップの拡充を図っていきます。自動車の技術動向への対応として、E-mobility用シールの開発も進めております。Oリングにおいては、環境対応エンジンに対する高圧用シール、組立性を向上させるコーティング、燃料電池関連シールを市場投入する一方で、E-mobility関連シールや低燃費に貢献できる各種機能を向上させるシールの開発を進めております。自動車用自動変速機の回転軸用シールリングにおいては、しゅう動面にシール媒体である油を提供する形状を付与することにより、従来品対比で最大、約70~80%の低トルク化が可能な市場投入をしております。新商品関連では、EV/HEV/FCVに代表されるエコカーのニーズに対し、従来のシール製品群に加え、電子機器や電動ユニット向けにFPC一体シール部品、および放熱をサポートする熱伝導性ゴムを開発しております。さらに燃料電池の中核を成すスタック向けに低反力・省スペースのシール部品を開発し、一部顧客向けに量産を開始しております。また、自動運転に代表される先進運転支援システム(ADAS)が注目を集めております。それには運転者の状態を判断する「ドライバモニタリング」も必要とされており、我々の開発した生体信号を測定できるゴム電極は心電、筋電位、脳波等のモニタリングが可能であり、運転者の疲労や眠気の検知への利用が期待されています。自動車以外の分野においては、新たな分野・市場への参入に向け、ゴムや樹脂のモールド技術を用いて耐候性や耐衝撃性を向上させたICタグ、医療・バイオ分野に向けた機能性ゴム部品など、より付加価値の高い製品開発を進めております。化学合成品関係では、環境負荷の低減に対応した素材の開発や、フッ素系機能性化合物製品の開発とそれらの新規製造法を検討するとともに、生産プロセス面からも資源・省エネルギーや環境に配慮した商品開発を推進しております。なお、当事業に係る研究開発費は7,828百万円であります。 (2) 電子部品事業スマートフォン/タブレットなどの小型携帯電子機器向けをはじめ、今後の成長電子市場である車載向けや、医療・ヘルスケア、ロボット等の分野に向けたフレキシブル配線板(FPC)のプロセス/材料/部品実装開発及びFPCの新商品開発を推進しております。開発概要は、FPCの高信頼性、低伝送損失化、高精細/高機能化、モジュール化を実現するコア技術の確立であります。車載向けには、急速に進展するEV化に伴いFPCの高信頼性接続技術化を図り、バッテリー需要の高まりと安全性に対応した電圧監視用FPCやインバーター対応FPCを開発推進しております。小型携帯電子機器に関しては、5G移動通信システム向けとして、信号の高周波化・高速化、データの大容量化に対応し、ベース樹脂にLCP(液晶ポリマー)フィルムを適用した高速伝送用FPCの開発、および開発品の顧客への試作対応を進めております。また、5Gの特徴である信号伝送の低遅延化によって、小型携帯電子機器の他、遠隔操作を企図したロボット分野へのFPCの応用も対応しております。特にVR/AR技術へのFPCの応用として、触覚グローブの開発を推進しております。グローブに組み込んだFPC端子部から発生する電気刺激により、遠隔操作によるロボットの指先でセンシングした感触が伝わるものです。また、伸縮性のある基材と配線により、肌への密着に関し違和感のない透湿性、装着感を備え、脳波等制度の高いバイタルデータセンシング機能を持つストレッチャブルFPCの開発を推進し、顧客向けの試作及び量産対応を開始しております。今後更なる研究機関、企業との共同研究を継続し高機能化を推進致します。配線の高密度化に対応するために、サブトラクティブ工法による更なる配線の高精細化に取り組むと共に、超微細配線の形成に向けたセミアディティブ工法の開発を推進し、顧客試作に向けたプロセス構築を進めております。また、配線微細化と同時に必要となるビアの小径化に対し、レーザ加工技術において、新技術の適用および量産適用の推進、更なる小径化対応を進めております。なお、当事業に係る研究開発費は、1,855百万円であります。 (3) ロール事業事務機業界では、最近の市場動向として中国・ASEAN地区への生産二極化の進展、また低価格分野向けを中心にローカル部品メーカーの参入などが顕著な動きとなってきています。一方、事務機の機能トレンドである高速化、高画質化を目的として新タイプトナーへの変更等の開発が進められており、使用される部品についても従来仕様以上の機能を要求されております。弊社は引続き顧客要求に合わせた開発推進を行ってまいります。併せて、品質向上、開発工期の短縮と共により安定した生産体制の構築に努めてまいります。なお、当事業に係る研究開発費は601百万円であります。 (4) その他事業潤滑剤関係では、E-mobⅰlity化や物質法規制の厳格化に対応すべく、市場要求や物質法規制を先取りした製品の開発を進めています。また、安全性や環境対応性を配慮しながら、電食防止・腐食防止などの付加価値を向上させることを目的とした新素材・新技術の研究開発に注力しています。なお、当事業に係る研究開発費は172百万円であります。
FY2018|2,687 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、当社技術本部及び連結子会社の各技術部門を中心に、相互連携を図りながら、担当分野に係る新技術・新製品等の開発活動を進めております。当連結会計年度の研究開発費の総額は、94億4千3百万円となっており、セグメント別の研究開発活動の状況は次のとおりであります。 (1)シール事業「環境」、「安全」及び「IT化対応」を重点として、継続的に技術・製品開発を進めております。環境関連では、低摩擦損失による省エネルギー効果に寄与する製品、電気自動車(EV)・ハイブリッド(HEV)・燃料電池自動車(FCV)に対応するクリーンな製品の開発を進めております。安全やIT関連では、自動車制動関連の製品や電子部品との複合等による高付加価値製品の開発に取り組んでおります。オイルシールにおいては、しゅう動抵抗の低減によって省エネルギーに貢献する低摩擦技術、具体的には低摩擦コティング,低摩擦ゴム材料ならびに子会社のNOKクリューバー(株)と共同開発したシール専用の低摩擦グリースの市場投入を積極的に進めています。これら低摩擦技術群はLe-μ’sという商標で登録し、NOKグループの保有する低摩擦技術のさらなる普及を図っております。また、海外の新興国に向けた過酷な道路環境に対応する耐ダスト性が向上した製品も市場投入しております。Oリングにおいては、環境対応エンジンに対する高圧用シール、組立性向上コーティング、燃料電池関連シールを市場投入する一方で、E-mobility用シールの開発を進めております。新商品関連では、EV/HEV/FCV(燃料電池自動車)に代表されるエコカーのニーズに対し、従来のシール製品群に加え、電子機器や電動ユニット向けにFPC一体シール部品、および放熱をサポートする熱伝導性ゴムを開発しております。さらに燃料電池の中核を成すセルスタック向けに低反力・省スペースのシール部品を開発し、一部顧客向けに量産を開始しております。また、自動運転に代表される先進運転支援システム(ADAS)が注目を集めております。それには運転者の状態を判断する「ドライバモニタリング」も必要とされており、我々の開発した生体信号を測定できるゴム電極は心電、筋電位、脳波等のモニタリングが可能であり、運転者の疲労や眠気の検知への利用が期待されています。自動車以外の分野においては、新たな分野・市場への参入に向け、ゴムや樹脂のモールド技術を用いて耐候性や耐衝撃性を向上させたICタグ、医療・バイオ分野に向けた機能性ゴム部品など、より付加価値の高い製品開発を進めております。化学合成品関係では、環境負荷の低減に対応した素材の開発や、フッ素系機能性化合物製品の開発とそれらの新規製造法を検討するとともに、生産プロセス面からも資源・省エネルギーや環境に配慮した商品開発を推進しております。なお、当事業に係る研究開発費は67億3千8百万円であります。 (2) 電子部品事業スマートフォン/タブレットなどの小型携帯電子機器向けをはじめ、今後の成長電子市場である車載向けやロボット、医療・ヘルスケア等の分野に向けたフレキシブル配線板(FPC)のプロセス/材料/部品実装開発及びFPCの新商品開発を推進しております。開発概要は、FPCの高精細/高機能化、低伝送損失化、モジュール化を実現するコア技術の確立であります。小型携帯電子機器に向けては、配線の高密度化に対応するために、サブトラクティブ工法による更なる配線の高精細化に取り組むと共に、超微細配線の形成に向けたセミアディティブ工法の開発を推進し、顧客試作に向けたプロセス構築を進めております。また、配線微細化と同時に必要となるビアの小径化に対し、レーザ加工技術において、新技術の適用および量産適用の推進、更なる小径化対応を進めております。次世代通信規格対応として、信号の高周波化・高速化、データの大容量化に関し、ベース樹脂にLCP(液晶ポリマー)フィルムを適用した高周波対応FPCの開発、および顧客対応を進めております。用途として小型携帯電子機器の他、車載向けに、近い将来登場することが確実な自動運転化に伴う各種センサー等の高速伝送化に対応する技術開発を推進しております。また同様に、自動車の電化に伴う取り組みとして、FPCと車載デバイス間等の高信頼性接続技術の開発を推進し、車体重量軽量化に資するワイヤーハーネスの一部FPC化の検討を進めております。ロボット市場向けには、VR/AR技術へのFPCの応用として、遠隔操作によるロボットの指の触覚が操作者に伝わる、触覚グローブの開発を推進しております。グローブに内包した指の大きさ程のマトリクス状に配置したFPC端子部からの電気刺激により、触覚器官が刺激され、遠隔操作によるロボットの指先が何かに触れた感覚が伝わるものです。また、基材のエラストマーと配線の両方が伸縮性を持ち、肌への密着に関し違和感のない透湿性、装着感を備え、精度の高いバイタルデータセンシングを可能とするストレッチャブルFPCの開発を推進し、顧客向けの試作及び量産対応への準備をしております。今後市場が拡大するウエアラブル電子機器、医療・ヘルスケア用途への適合性があるものとして、更なる開発推進とともに、大学等との共同研究も継続致します。なお当事業に係る研究開発費は、19億9千6百万円であります。 (3) ロール事業事務機業界では、最近の市場動向として中国・ASEAN地区への生産二極化の進展、また低価格分野向けを中心にローカル部品メーカーの参入などが顕著な動きとなってきています。一方、事務機の機能トレンドである高速化、高画質化を目的として新タイプトナーへの変更等の開発が進められており、使用される部品についても従来仕様以上の機能を要求されております。弊社は引続き顧客要求に合わせた開発推進を行ってまいります。併せて、品質向上、開発工期の短縮と共により安定した生産体制の構築に努めてまいります。なお、当事業に係る研究開発費は5億4千8百万円であります。 (4) その他事業潤滑剤関係では、自動車の電動化に対応した新商品や、国内外の物質法規則を先取りした環境対応製品を中心に摩擦摩耗現象や低摩擦化メカニズムの解明といった基盤技術に裏打ちされた開発を推進しております。また、次世代技術や更なる省エネルギー化に対応すべく、新素材、新技術の研究開発に注力しています。なお、当事業に係る研究開発費は1億6千万円であります。
FY2017|2,598 文字
6【研究開発活動】当社グループは、当社技術本部及び連結子会社の各技術部門を中心に、相互連携を図りながら、担当分野に係る新技術・新製品等の開発活動を進めております。当連結会計年度の研究開発費の総額は、82億7千4百万円となっており、セグメント別の研究開発活動の状況は次のとおりであります。(1) シール事業「環境」、「安全」及び「IT化対応」を重点として、継続的に技術・製品開発を進めております。環境関連では、低摩擦損失による省エネルギー効果に寄与する製品、ハイブリッド(HEV)・電気自動車(EV)・燃料電池自動車(FCEV)に対応するクリーンな製品の開発を進めております。安全やIT関連では、自動車制動関連の製品や電子部品との複合等による高付加価値製品の開発に取り組んでおります。オイルシールにおいては、しゅう動抵抗の低減によって省エネルギーに貢献する低摩擦技術、具体的には低摩擦コーティング,低摩擦ゴム材料ならびに子会社のNOKクリューバー(株)と共同開発したシール専用の低摩擦グリースの市場投入を積極的に進めています。これら低摩擦技術群はLe-μ’sという商標で登録し、NOKグループの保有する低摩擦技術のさらなる普及を図っております。また、海外の新興国に向けた過酷な道路環境に対応する耐ダスト性が向上した製品も市場投入しております。Oリングにおいては、環境対応エンジンに対する高圧用シール、組立性向上コーティング、燃料電池用水素ガス対応シールを市場投入する一方で、熱マネジメント用シールの開発を進めております。新商品関連では、EV/HEV/FCV(燃料電池自動車)に代表されるエコカーのニーズに対し、従来のシール製品群に加え、電子機器や電動ユニット向けにFPC一体シール部品、および放熱をサポートする熱伝導性ゴムを開発しております。さらに燃料電池の中核を成すセルスタック向けに低反力・省スペースのシール部品を開発し、一部顧客向けに量産を開始しております。また、自動運転に代表される先進運転支援システム(ADAS)が注目を集めております。それには運転者の状態を判断する「ドライバモニタリング」も必要とされており、我々の開発した生体信号を測定できるゴム電極は心電、筋電位、脳波等のモニタリングが可能であり、運転者の疲労や眠気の検知への利用が期待されています。自動車以外の分野においては、新たな分野・市場への参入に向け、ゴムや樹脂のモールド技術を用いて耐候性や耐衝撃性を向上させたICタグ、医療・バイオ分野に向けた機能性ゴム部品など、より付加価値の高い製品開発を進めております。化学合成品関係では、環境負荷の低減に対応した素材の開発や、フッ素系機能性化合物製品の開発とそれらの新規製造法を検討するとともに、生産プロセス面からも資源・省エネルギーや環境に配慮した商品開発を推進しております。なお、当事業に係る研究開発費は62億9百万円であります。 (2) 電子機器部品事業スマートフォン/タブレットなどの小型携帯電子機器向けをはじめ、今後の成長電子市場である車載向けや医療・ヘルスケアに向けたフレキシブル配線板(FPC)のプロセス/材料/部品実装開発及びFPCの新商品開発を推進しております。開発概要は、FPCの高精細/高機能化やモジュール化を実現するコア技術の確立であります。小型携帯電子機器に向けては、配線の高密度化に対応するために、サブトラクティブ工法による更なる配線の高精細化に取り組むと共に、超微細配線の形成に向けたセミアディティブ工法の開発を推進し、顧客試作に向けたプロセス構築を進めております。また、配線微細化と同時に必要となるビアの小径化に対し、レーザ加工技術において、新技術の適用および量産適用の推進、更なる小径化対応を進めております。信号の高周波化・高速化、データの大容量化への対応に関し、ベース樹脂にLCP(液晶ポリマー)フィルムを適用した高周波対応FPCの開発、および顧客対応を進めております。用途として小型携帯電子機器の他、車載向けに、近い将来登場することが確実な自動運転化に伴う各種センサー等の高速伝送化に対応する技術開発を推進しております。また同様に、自動車の電化に伴う取り組みとして、FPCとケーブル、FPCと機器間の高信頼性接続技術を開発し、各顧客への技術紹介を推進しております。医療・ヘルスケア市場向けには、従来の曲げ・屈曲に加えて関節やジョイント部に適用可能な伸縮性を持つプリーツ型成形FPCの商品化を進めております。現在、ロボット・マイクロメカトロニクス分野への展開を推進しております。また、基材のエラストマーと配線の両方が伸縮性を持ち、肌への密着に関し違和感のない透湿性、装着感を備え、精度の高いバイタルデータセンシングを可能とするストレッチャブルFPCの開発を推進し、顧客向けの試作及び量産対応への準備を開始しました。今後市場が拡大するウエアラブル電子機器、医療・ヘルスケア用途への適合性があるものとして、更なる開発推進とともに、大学等との共同研究も継続致します。なお、当事業に係る研究開発費は17億1百万円であります。 (3) ロール事業事務機業界では、最近の市場動向として中国・ASEAN地区への生産二極化の進展、また低価格分野向けを中心にローカル部品メーカーの参入などが顕著な動きとなってきています。一方、事務機の機能トレンドである高速化、高画質化を目的として新タイプトナーへの変更等の開発が進められており、使用される部品についても従来仕様以上の機能を要求されております。弊社は引続き顧客要求に合わせた開発推進を行ってまいります。併せて、品質向上、開発工期の短縮と共により安定した生産体制の構築に努めてまいります。なお、当事業に係る研究開発費は2億3千3百万円であります。 (4) その他事業潤滑剤関係では、省エネルギーや快適性向上に寄与する、材料調達リスクや法規制を先取りした新商品開発を推進しております。また、自動車業界や一般産業機械業界向けオイル・グリース・コーティングの更なる高機能化を目的として、摩擦摩耗現象や低摩擦化メカニズムの解明、新素材の探求等の研究開発に注力しています。なお、当事業に係る研究開発費は1億2千9百万円であります。
FY2016|2,568 文字
6【研究開発活動】当社グループは、当社技術本部及び連結子会社の各技術部門を中心に、相互連携を図りながら、担当分野に係る新技術・新製品等の開発活動を進めております。当連結会計年度の研究開発費の総額は、76億3千2百万円となっており、セグメント別の研究開発活動の状況は次のとおりであります。(1) シール事業「環境」、「安全」及び「IT化対応」を重点として、継続的に技術・製品開発を進めております。環境関連では、低摩擦損失による省エネルギー効果に寄与する製品、ハイブリッド(HEV)・電気自動車(EV)・燃料電池自動車(FCEV)に対応するクリーンな製品の開発を進めております。安全やIT関連では、自動車制動関連の製品や電子部品との複合等による高付加価値製品の開発に取り組んでおります。オイルシールにおいては、信頼性を維持しつつ摩擦力低減を狙った低摩擦シールで、従来のコーティングタイプに加えて、低摩擦力ゴム材料や子会社であるNOKクリューバー(株)と共同開発した低トルクグリースを組み合わせ、自動車用として市場投入しております。また、海外の新興国に向けた過酷な道路環境に対応する耐ダスト性が向上した製品も市場投入しております。Oリングにおいては、環境対応の新冷媒対応シール材、組立性向上コーティング材を市場投入する一方で、燃料電池用水素ガス対応シール材の開発を進めております。新商品関連では、EV/HEVに代表されるエコカーのニーズに対し、従来のシール製品群に加え、電子機器向けや電動ユニット向けのアイテムとして省スペースや低反力のガスケット、フレキシブル基板(FPC)一体シール部品を開発し、一部量産に至っております。さらに燃料電池自動車については、燃料電池セルスタック向けにシール部品を供給しており、量産化に向けた準備を進めております。自動車以外に関しても、電子機器等向けに、電子部品との複合品や、抗菌や熱伝導等の付加価値のある製品開発に加え、ゴムや樹脂を利用したモールド技術により耐水性や対抗性、および耐衝撃性に優れたICタグの製品開発を行っており、一部量産に至っております。なおICタグについては今後さらに新しい分野での利用が期待されております。化学合成品関係では、環境負荷の低減に対応した素材の開発や、フッ素系機能性化合物製品の開発とそれらの新規製造法を検討するとともに、生産プロセス面からも資源・省エネルギーや環境に配慮した商品開発を推進しております。なお、当事業に係る研究開発費は58億6千1百万円であります。 (2) 電子機器部品事業スマートフォン/タブレットなどの小型携帯電子機器向け、また、今後の成長電子市場である車載向けや医療・ヘルスケアに向けたFPCのプロセス/材料/部品実装開発及びFPCの新商品開発を推進しております。開発概要は、FPCの高精細/高機能化やモジュール化を実現するコア技術の確立であります。小型携帯電子機器に向けては、配線の高密度化の要求が高まっており、超微細配線の形成に向けたセミアディティブプロセスにおいて基礎検討を終了し、顧客試作対応に向けたプロセス構築を進めております。また、ビアの小径化に向けたレーザ加工に関して、新技術の量産適用および、更なる小径化対応を進めております。信号の高周波化・データの大容量化対応に関しては、ベース樹脂にLCP(液晶ポリマー)を適用した高周波対応FPCを商品化し、顧客対応を進めております。また、近年着目されているウエアラブル電子機器に向けた新規技術開発・試作を実施しております。また、ロボットやスマートフォン等のスイッチ用途に新たなUI(ユーザーインターフェース)として、薄く且つ曲面へ装着できる感圧FPCに関して、顧客開発試作・評価に入っております。車載用途に向けて、FPCとケーブル、FPCと機器間の高信頼性接続技術を開発しており、各顧客への技術紹介を推進しております。メディカルヘルス市場向けに、従来の曲げ・屈曲に加えて関節やジョイント部に適用可能な伸縮性を持つプリーツ型成形FPCの商品化を進めております。現在、ロボット・マイクロメカトロニクス分野への展開を推進中であります。また、従来特性には無かった、基材のエラストマーだけでなく、配線自体も伸縮性を持つストレッチャブルFPCを開発し、透湿性、肌への密着性の付与により違和感のない装着感を備えた、精度の高いバイタルデータセンシングを可能とするストレッチャブルFPCの商品化を進めております。今後市場が拡大するウエアラブル電子機器、医療・メディカル用途への適合性があるものとして、各顧客への紹介を始めました。なお、当事業に係る研究開発費は15億7千4百万円であります。 (3) ロール事業事務機業界では、最近の市場動向として中国・ASEAN地区への生産二極化の進展、また低価格分野向けを中心にローカル部品メーカーの参入などが顕著な動きとなってきています。一方、事務機の機能トレンドである高速化、高画質化を目的として低熱容量タイプトナーへの変更等の機種開発が進められており、使用される部品についても従来仕様以上の機能を要求されております。弊社の主要製品であります帯電ロールや現像ロール、クリーニングブレードでは顧客要求機能に合わせて表面改質の技術開発に取り組み、量産展開を進めています。このように、カラー複合機やカラープリンタの高速機等、高い機能、品質を求められる分野に於いて、ローカルメーカーとの差別化をしていくと共に、海外でより安定した生産と、生産性の高い工法採用を進めてまいります。なお、当事業に係る研究開発費は5千9百万円であります。 (4) その他事業潤滑剤関係では、摩擦摩耗現象や低摩擦化メカニズム解析に基づいた高付加価値製品の研究開発を推進しております。自動車業界や一般産業機械業界向けオイル・グリースについては、省エネルギーや快適性向上に寄与する製品開発を推進しております。一方、固体潤滑被膜であるコーティング剤についても更なる高機能化(低摩擦摩耗化)を目的とした新しいコーティング剤ならびに処理工法の開発に注力しております。なお、当事業に係る研究開発費は1億3千7百万円であります。