事業の概要
- 自動車ブレーキ製造販売曙ブレーキ工業は、自動車用ブレーキや産業機械・鉄道車両用ブレーキの製造と販売を主な事業としています。ディスクブレーキ、ドラムブレーキ、ブレーキパッドなど、幅広いブレーキ関連製品を手掛けており、これらが同社の主要な収益源となっています。
- グローバルな生産・販売網日本、北米、欧州、中国、タイ、インドネシアに生産・販売拠点を持ち、世界中の自動車メーカーや産業機械メーカーに製品を供給しています。各地域で製品の製造から販売、研究開発までを一貫して行い、地域ごとのニーズに対応しています。
- 研究開発と物流・サービスブレーキ製品の製造販売だけでなく、関連する研究開発、物流、サービスも展開しています。特に研究開発は、技術革新が求められるブレーキ業界において、競争力を維持し、将来の成長を支える重要な要素となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 日本セグメントの安定収益日本セグメントは売上588.39億円、営業利益26.8億円と、同社グループ内で最も大きな売上と利益を上げています。主にディスクブレーキやドラムブレーキ、関連部品の製造・販売、研究開発を担い、国内の主要生産拠点としてグループ全体の基盤を支えています。
- 北米セグメントの課題北米セグメントは売上490.51億円に対し、営業利益は-31.8億円と赤字を計上しており、収益改善が喫緊の課題となっています。ディスクブレーキやドラムブレーキの製造・販売・研究開発を行っており、市場規模の大きい北米での事業再建がグループ全体の業績に大きく影響します。
- アジア地域の成長貢献タイとインドネシアのセグメントは、それぞれ売上66.13億円、営業利益6.19億円、売上243.07億円、営業利益18.49億円と堅調な収益を上げています。特にインドネシアは、二輪車用ブレーキを含む幅広い製品の製造・販売を手掛け、アジア市場の成長を取り込み、グループの収益に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Japan | 地域 | 588 | 27 | 4.6% |
| NorthAmerica | 地域 | 491 | -32 | -6.5% |
| Europe | 地域 | 122 | 3 | 2.7% |
| China | 地域 | 106 | 6 | 5.9% |
| Thailand | 事業 | 66 | 6 | 9.4% |
| Indonesia | 事業 | 243 | 18 | 7.6% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは、当社、連結子会社18社、非連結子会社1社及び持分法非適用の関連会社2社で構成されております。営んでいる主な事業内容は、自動車用ブレーキ及び産業機械・鉄道車両用ブレーキの製造及び販売であり、さらに事業に関連する研究開発・物流・サービス等を展開しております。なお、次の6区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント区分と同一であります。 (1) 日本……………主要な事業内容は、当社が販売、研究開発を行うほか、曙ブレーキ岩槻製造㈱、曙ブレーキ山形製造㈱、曙ブレーキ福島製造㈱、曙ブレーキ山陽製造㈱の各社でディスクブレーキ、ディスクブレーキパッド、ドラムブレーキ、ドラムブレーキライニング、クラッチフェーシング、ホイールシリンダー、産業機械・鉄道車両用ブレーキ等の製造を行っております。また、㈱アロックスが物流を行っております。(2) 北米……………主要な事業内容は、Akebono Brake Corporationがディスクブレーキ、ディスクブレーキパッド、ドラムブレーキ等の製造、販売及び研究開発を行い、Akebono Brake Mexico S.A. de C.V.がディスクブレーキ、ドラムブレーキ等の製造及び販売を行っております。(3) 欧州……………主要な事業内容は、Akebono Brake Slovakia s.r.o.がディスクブレーキの製造及び販売を行っております。(4) 中国……………主要な事業内容は、曙光制動器(蘇州)有限公司がディスクブレーキパッドの製造、販売及び研究開発を行い、広州曙光制動器有限公司がディスクブレーキ及びドラムブレーキの製造及び販売を行っております。(5) タイ……………主要な事業内容は、Akebono Brake (Thailand) Co., Ltd.がディスクブレーキ、ディスクブレーキパッド等の製造及び販売を行い、A&M Casting (Thailand) Co., Ltd.がブレーキ用鋳鉄部品の製造及び販売を行っております。また、Akebono Cooperation (Thailand) Co., Ltd.はブレーキ部品の販売、管理・販売促進等の支援サービス及び研究開発を行っております。(6) インドネシア…主要な事業内容は、PT. Akebono Brake Astra Indonesiaがディスクブレーキ、ディスクブレーキパッド、ドラムブレーキ、ドラムブレーキライニング、マスターシリンダー等の製造及び販売を行い、Akebono Brake Astra Vietnam Co., Ltd.が二輪車用ディスクブレーキ、マスターシリンダーの製造及び販売を行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 独自技術を活かした電動パーキングブレーキや電動サービスブレーキの開発を進めているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 音・振動解析技術、電動ブレーキ開発、環境対応技術開発、高性能車両向けブレーキ開発。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:技術革新・新製品開発に関するリスク / 生産技術・設備に関するリスク / 品質に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
曙ブレーキ工業は、特定の強力なブランド、特許ポートフォリオ、または規制ライセンスによる明確な無形資産の優位性を示唆する情報は現時点では確認できません。技術開発は行っていますが、それが競合他社に対する持続的な競争優位を確立するレベルにあるかは不明瞭です。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
自動車部品、特にブレーキシステムは、車両の安全性に直結するため、OEM(相手先ブランド製造)メーカーは部品サプライヤーの変更に慎重になる傾向があります。しかし、技術革新やコスト競争力によっては乗り換えのリスクも存在し、スイッチング・コストは限定的と考えられます。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ブレーキシステムは、特定のプラットフォームや車両モデルに依存する部品であり、ユーザー数の増加によって価値が増大するネットワーク効果は期待できません。サプライヤーとOEM間の直接的な取引関係が中心です。
コスト優位★★☆☆☆
長年の自動車部品サプライヤーとしての経験と、一定の生産規模を持つことから、コスト管理能力は一定程度有していると考えられます。しかし、グローバルな競合他社と比較して、構造的なコスト優位性を確立しているかは疑問が残ります。
規模の経済★★★☆☆
曙ブレーキ工業は、日本国内およびグローバル市場で一定のシェアを持つ自動車部品サプライヤーです。特にブレーキシステム分野では、主要サプライヤーの一つとして、生産規模の経済性を活かした事業運営を行っていると考えられます。しかし、業界全体で見ると寡占度はそれほど高くありません。
- グローバルな生産供給体制日本、北米、欧州、中国、タイ、インドネシアに生産拠点を持ち、地域ごとの需要に応じた製品供給が可能です。これにより、特定の地域での災害やトラブル発生時にも、他の拠点で生産を補完できる体制を構築しており、安定供給に強みがあります。
- 幅広い製品ラインナップと技術力自動車用ディスクブレーキ、ドラムブレーキ、ブレーキパッドだけでなく、産業機械や鉄道車両用ブレーキも手掛けています。電動パーキングブレーキや電動サービスブレーキの開発にも注力しており、多様なニーズに対応できる技術力と製品群が競争優位性となっています。
- 品質と安全へのコミットメントブレーキは自動車の安全に直結する重要部品であるため、同社は高度な品質保証体制を構築しています。自工程での品質保証や過去の不具合からの学習を通じて、製品の信頼性を高める努力を継続しており、これが顧客からの信頼獲得に繋がっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものでありますが、予測しえない経済状況の変化等、様々な要因があるため、その結果について、当社が保証するものではありません。 (1) 経営方針当社は、企業理念を、「私達は、『摩擦と振動、その制御と解析』により、ひとつひとつのいのちを守り、育み、支え続けて行きます。」と定めています。この企業理念のもと、モノづくりを通じた新たな価値の創出と、企業価値・株主価値のさらなる向上を目指すとともに、重要保安部品メーカーとして、お客様、株主様、お取引先様、社員、地域社会を含む全てのステークホルダーと、健全で良好な関係を維持・促進し、持続可能な成長、発展を遂げていくことが重要だと考えています。 (2) 対処すべき課題① 今後の持続的な成長に向けた取り組み当社グループは、2019年より、事業再生ADR手続における事業再生計画の下、事業構造改革の各施策に取り組んでまいりました。事業再生計画の中では想定していなかった新型コロナウイルス感染拡大の影響や、半導体不足による受注変動の影響、原材料・エネルギーコストの市況高騰の影響などを受け、事業再生計画の数値計画は未達であったものの、前連結会計年度には市況高騰による影響について販売価格への転嫁を進めたことや生産性向上などの合理化の効果により営業利益は32億円まで回復しました。このような中、当連結会計年度には、6月14日付「リファイナンス資金の借入及び支援後債権の完済、並びに事業再生計画期間終了に関するお知らせ」にて公表したとおり、ドイツ銀行東京支店をアレンジャーとするリファイナンス資金、320億円の借入契約を締結し、これらを返済原資として、事業再生計画に定められていた2024年6月30日を期限としていた既存の借入金を完済いたしました。これにより、同月28日をもって事業再生計画期間は終了いたしました。今後は、事業再生計画の残る最後の施策である北米事業の再構築の完了に向け、米国2工場のうち1工場を閉鎖し、米国1工場体制を確立することにより、北米事業の黒字化を実現するべく取り組みを進めてまいります。このような状況下、当社を取り巻く外部環境は、物価の上昇や地政学的リスクの影響を受けて依然として不安定な状況が続いております。自動車業界では、原材料価格の高騰が課題となる中、電動化や自動運転技術の進展が求められ、さらに環境規制の強化により、持続可能な社会の実現に資する製品開発が急務となっています。加えて、米国の関税政策により国際貿易のコスト増加が予想されるなど、自動車業界は厳しい経営環境に直面しております。当社はこのような外部環境の変化に左右されない自立した強固な企業基盤の構築を目指し、翌連結会計年度(2026年3月期)に重点的に取り組むこととして、以下の2つの方針を掲げました。i) 強い経営体質の実現地域・事業ごとの徹底的な見える化から問題・課題を見極め、対策・施策を検討し実行対策・施策の進捗をフォローし着実な実行に繋げ、自立的な経営、営業利益を稼げる会社へ変化ⅱ) 生き残るために進むべき方向の明示厳しい競争環境、変化の激しい市場で生き残るべく、かつ再成長に向けた明確な方向性を明示中長期経営計画を策定し、経営資源を集中すべき事業を見極め、企業価値を向上今後はこれらの方針に基づき、持続的な成長の実現に向け取り組んでまいります。 ② 上場維持基準への適合当連結会計年度末において、当社の流通株式比率は、東京証券取引所プライム市場の流通株式比率の上場維持基準(35%以上)に適合しておりません。通常、1年以内に上場維持基準に適合することが必要となりますが、当社は、事業再生支援目的でジャパン・インダストリアル・ソリューションズ第弐号投資事業有限責任組合(以下「JISファンド」といいます。)との出資契約を締結し、JISファンドと連携しながらリファイナンス資金320億円の借入契約の締結にあたって当社が策定した事業計画(以下「本事業計画」といいます。)の達成に向けて経営体質の改善を進めている最中であることから、東京証券取引所より2030年3月末までを適合に向けた計画期間とする特例適用が認められており、同計画期間内での流通株式比率の上場維持基準適合に向けて取り組んでおります。上場維持基準適合のために、以下の取り組みを通じて企業価値を向上させてまいります。ⅰ) 企業価値向上の実現に向けた事業運営JISファンドは、当社とより一体となって事業運営を図り、全てのステークホルダーに資する企業価値向上を実現していく意向であり、当社としても、新たな経営体制のもと、JISファンドとの連携及び信頼関係をより一層強化してまいります。ⅱ) 本事業計画の遂行及び中期経営計画の策定とその遂行当社は、JISファンドのモニタリングのもと、本事業計画の達成に向けた施策を進めております。また、策定を進めている中期経営計画の着実な遂行に向け鋭意取り組んでまいります。ⅲ) IR活動の強化経営トップのIR活動への積極的な関与により、投資家と当社経営層の対話を促進してまいります。また、IRサイトによる情報発信をより充実させることにより、企業としての透明性を向上させてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものでありますが、予測しえない経済状況の変化等、様々な要因があるため、その結果について、当社が保証するものではありません。 (1) 経営方針当社は、企業理念を、「私達は、『摩擦と振動、その制御と解析』により、ひとつひとつのいのちを守り、育み、支え続けて行きます。」と定めています。この企業理念のもと、モノづくりを通じた新たな価値の創出と、企業価値・株主価値のさらなる向上を目指すとともに、重要保安部品メーカーとして、お客様、株主様、お取引先様、社員、地域社会を含む全てのステークホルダーと、健全で良好な関係を維持・促進し、持続可能な成長、発展を遂げていくことが重要だと考えています。 (2) 対処すべき課題① 今後の持続的な成長に向けた取り組み当社グループは、2019年より、事業再生ADR手続における事業再生計画の下、事業構造改革の各施策に取り組んでまいりました。事業再生計画の中では想定していなかった新型コロナウイルス感染拡大の影響や、半導体不足による受注変動の影響、原材料・エネルギーコストの市況高騰の影響などを受け、事業再生計画の数値計画は未達であったものの、前連結会計年度には市況高騰による影響について販売価格への転嫁を進めたことや生産性向上などの合理化の効果により営業利益は32億円まで回復しました。このような中、当連結会計年度には、6月14日付「リファイナンス資金の借入及び支援後債権の完済、並びに事業再生計画期間終了に関するお知らせ」にて公表したとおり、ドイツ銀行東京支店をアレンジャーとするリファイナンス資金、320億円の借入契約を締結し、これらを返済原資として、事業再生計画に定められていた2024年6月30日を期限としていた既存の借入金を完済いたしました。これにより、同月28日をもって事業再生計画期間は終了いたしました。今後は、事業再生計画の残る最後の施策である北米事業の再構築の完了に向け、米国2工場のうち1工場を閉鎖し、米国1工場体制を確立することにより、北米事業の黒字化を実現するべく取り組みを進めてまいります。このような状況下、当社を取り巻く外部環境は、物価の上昇や地政学的リスクの影響を受けて依然として不安定な状況が続いております。自動車業界では、原材料価格の高騰が課題となる中、電動化や自動運転技術の進展が求められ、さらに環境規制の強化により、持続可能な社会の実現に資する製品開発が急務となっています。加えて、米国の関税政策により国際貿易のコスト増加が予想されるなど、自動車業界は厳しい経営環境に直面しております。当社はこのような外部環境の変化に左右されない自立した強固な企業基盤の構築を目指し、翌連結会計年度(2026年3月期)に重点的に取り組むこととして、以下の2つの方針を掲げました。i) 強い経営体質の実現地域・事業ごとの徹底的な見える化から問題・課題を見極め、対策・施策を検討し実行対策・施策の進捗をフォローし着実な実行に繋げ、自立的な経営、営業利益を稼げる会社へ変化ⅱ) 生き残るために進むべき方向の明示厳しい競争環境、変化の激しい市場で生き残るべく、かつ再成長に向けた明確な方向性を明示中長期経営計画を策定し、経営資源を集中すべき事業を見極め、企業価値を向上今後はこれらの方針に基づき、持続的な成長の実現に向け取り組んでまいります。 ② 上場維持基準への適合当連結会計年度末において、当社の流通株式比率は、東京証券取引所プライム市場の流通株式比率の上場維持基準(35%以上)に適合しておりません。通常、1年以内に上場維持基準に適合することが必要となりますが、当社は、事業再生支援目的でジャパン・インダストリアル・ソリューションズ第弐号投資事業有限責任組合(以下「JISファンド」といいます。)との出資契約を締結し、JISファンドと連携しながらリファイナンス資金320億円の借入契約の締結にあたって当社が策定した事業計画(以下「本事業計画」といいます。)の達成に向けて経営体質の改善を進めている最中であることから、東京証券取引所より2030年3月末までを適合に向けた計画期間とする特例適用が認められており、同計画期間内での流通株式比率の上場維持基準適合に向けて取り組んでおります。上場維持基準適合のために、以下の取り組みを通じて企業価値を向上させてまいります。ⅰ) 企業価値向上の実現に向けた事業運営JISファンドは、当社とより一体となって事業運営を図り、全てのステークホルダーに資する企業価値向上を実現していく意向であり、当社としても、新たな経営体制のもと、JISファンドとの連携及び信頼関係をより一層強化してまいります。ⅱ) 本事業計画の遂行及び中期経営計画の策定とその遂行当社は、JISファンドのモニタリングのもと、本事業計画の達成に向けた施策を進めております。また、策定を進めている中期経営計画の着実な遂行に向け鋭意取り組んでまいります。ⅲ) IR活動の強化経営トップのIR活動への積極的な関与により、投資家と当社経営層の対話を促進してまいります。また、IRサイトによる情報発信をより充実させることにより、企業としての透明性を向上させてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(業績等の概要)(1) 業績当社グループを取り巻く事業環境は、エネルギー価格の高止まりや各国経済の減速リスク、不安定な為替相場の影響などにより、依然として不透明な状況が続いております。このような状況下、当連結会計年度(注)における当社グループの業績は、円安の影響がありましたが、米国における一部車種の生産終了や日本・欧州における完成車メーカーの生産量減少などにより、売上高は1,617億円と対前期比46億円(△2.8%)の減収となりました。利益面では、賃金上昇による労務費の増加や受注減少の影響があったものの、資材調達・生産性向上などの合理化や販売価格の見直しにより、営業利益は31億円と対前期比0.3億円減(△0.9%)で横ばいとなりました。経常利益は、リファイナンス資金の借入に伴う資金調達費用や為替差損などにより23億円の経常損失(前期は経常利益38億円)となりました。特別損益において投資有価証券売却益を計上しましたが、経常損失の影響が大きく、親会社株主に帰属する当期純利益は2億円と対前期比33億円(△95.1%)の減益となりました。 (単位:億円) 前期当期増減増減率売上高1,6631,617△46△2.8%営業利益3231△0△0.9%経常利益38△23△61-%税金等調整前当期純利益4140△1△2.2%親会社株主に帰属する当期純利益352△33△95.1% 地域セグメントごとの業績は次のとおりです。(単位:億円) 前期当期増減増減率為替換算影響売上高日本676650△26△3.8%- 北米506498△7△1.5%36 欧州140127△12△8.9%5 中国132119△13△9.9%7 タイ737310.7%5 インドネシア249245△4△1.7%8 連結消去△113△9616-%- 連結1,6631,617△46△2.8%60営業利益日本2827△1△3.1%- 北米△32△320-%△2 欧州53△2△32.3%0 中国165575.9%0 タイ76△0△5.1%0 インドネシア2118△2△10.9%1 連結消去32△1△24.9%- 連結3231△0△0.9%△1 ① 日本一部完成車メーカーの生産量減少などにより、売上高は650億円と対前期比26億円(△3.8%)の減収となりました。利益面では、生産性向上などの合理化や前期に引き続き販売価格の見直しを進めたものの、受注減少や原材料価格の市況高騰影響などにより、営業利益は27億円と対前期比1億円(△3.1%)の減益となりました。 ② 北米前期末に立ち上がったメキシコにおける新型車向け製品や円安の影響はあるものの、米国における一部車種の生産終了などにより、売上高は498億円と対前期比7億円(△1.5%)の減収となりました。利益面では、販売価格の見直しや新型車向け製品の受注はありましたが、賃金上昇による労務費の増加や米国における生産終了に伴う受注減少の影響などにより、営業損失は32億円(前期は営業損失32億円)となりました。 ③ 欧州完成車メーカーの生産量減少や一部車種のモデルチェンジに伴う販売終了により、売上高は127億円と対前期比12億円(△8.9%)の減収となりました。利益面では、資材調達・生産性向上などの合理化に取り組んでいるものの、受注減少の影響により、営業利益は3億円と対前期比2億円(△32.3%)の減益となりました。 ④ 中国円安の影響があった一方で、主要な日系完成車メーカーを中心に受注が減少したことにより、売上高は119億円と対前期比13億円(△9.9%)の減収となりました。利益面では、受注減少の影響があったものの、経費削減や資材調達・生産性向上などの合理化に取り組んだことにより、営業利益は6億円と対前期比5億円(+575.9%)の増益となりました。 ⑤ タイ金利上昇やローン審査厳格化を主とした国内需要減退がありましたが、前期の後半に立ち上がった日系完成車メーカー向け製品の受注増加や円安影響などにより、売上高は73億円と対前期比1億円(+0.7%)の増収となりました。利益面では、販売価格の見直しや、資材調達・生産性向上などの合理化に取り組んでいるものの、国内需要減退による受注減少により、営業利益は6億円と対前期比0.3億円(△5.1%)の減益となりました。 ⑥ インドネシア金利上昇やローン審査厳格化により小型車用製品を中心に受注が減少し、売上高は245億円と対前期比4億円(△1.7%)の減収となりました。利益面では、原材料価格やエネルギーコストの市況高騰影響を販売価格へ転嫁したことや資材調達・生産性向上などの合理化はありましたが、受注減少や賃金上昇による労務費の増加により、営業利益は18億円と対前期比2億円(△10.9%)の減益となりました。 (注)当連結会計年度とは(1) 北米・中国・タイ・インドネシア:2024年1月~2024年12月(2) 日本・欧州 :2024年4月~2025年3月 となります。 (2) 財政状態当期末の総資産は、前期末比221億円減少の1,283億円となりました。(単位:億円)(資産の部)前期末当期末前期末比(負債・純資産の部)前期末当期末前期末比流動資産755650△105流動負債814313△500現金及び預金269183△86仕入債務198182△15売上債権299274△25有利子負債49130△461棚卸資産1631729その他125101△24その他2321△3固定負債86410324固定資産750634△116有利子負債2322319有形固定資産4985024その他84895投資有価証券1311△130負債合計900724△176その他12113110純資産605559△45総資産1,5051,283△221負債・純資産1,5051,283△221 (3) キャッシュ・フローの状況当期末の現金及び現金同等物は、前期末比86億円減少の183億円となりました。(単位:億円) 前期当期増減営業活動によるキャッシュ・フロー7614△62投資活動によるキャッシュ・フロー△356095計 (フリー・キャッシュ・フロー)417433財務活動によるキャッシュ・フロー△19△185△166換算差額△72735 (営業活動によるキャッシュ・フロー)主な要因として、投資有価証券売却損益△90億円や2020年3月期に計上したリコール関連損失に係る未払金の支払額23億円などがあった一方で、税金等調整前当期純利益40億円や減価償却費66億円などがあり、資金が増加となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)主な要因として、インドネシアにおける工場移転などの設備投資により有形及び無形固定資産の取得による支出59億円があった一方で、投資有価証券の売却による収入116億円があり、資金が増加となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)主な要因として、長期借入れによる収入310億円があった一方で、長期借入金の返済による支出498億円などがあり、資金が減少となりました。 (生産、受注及び販売の状況)(1) 生産実績当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)日本58,862△2.5北米49,1940.3欧州11,670△14.1中国10,570△10.0タイ6,6033.3インドネシア24,7882.3合計161,687△2.2 (注) 金額は、販売価格によるものであります。 (2) 受注実績当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)日本58,607△2.54,509△4.9北米49,4160.42,17820.1欧州11,978△10.9867△22.2中国10,296△16.8765△30.8タイ6,6430.35336.0インドネシア24,3460.61,9812.0合計161,287△2.810,833△3.4 (3) 販売実績当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)日本58,839△2.9北米49,051△0.4欧州12,225△9.6中国10,637△11.1タイ6,613△0.6インドネシア24,3070.1合計161,672△2.8 (注) セグメント間の取引については相殺消去しております。 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものでありますが、予測しえない経済状況の変化等、様々な要因があるため、その結果について、当社が保証するものではありません。 (1) 当連結会計年度の経営成績の分析当連結会計年度は、売上高は1,617億円と対前期比46億円(△2.8%)の減少となりました。日本及び欧州において完成車メーカーの生産量減少などにより26億円、12億円とそれぞれ減収となったことが主な要因です。売上原価は1,455億円と対前期比51億円(△3.4%)の減少となり、販売費及び一般管理費は131億円と対前期比5億円(+3.7%)の増加となりました。賃金上昇による労務費の増加や受注減少の影響はあったものの、資材調達・生産性向上などの合理化や販売価格の見直しにより、営業利益は31億円と対前期比0.3億円減(△0.9%)で横ばいとなりました。経常利益はリファイナンス資金の借入に伴う資金調達費用17億円や為替差損19億円の計上などにより23億円の経常損失(前期は経常利益38億円)となりました。特別損益については、投資有価証券売却益90億円を計上しましたが、経常損失の影響が大きく、税金等調整前当期純利益は40億円と対前期比1億円(△2.2%)の減益となりました。これらに加えて、投資有価証券売却益に係る法人税等などにより、親会社株主に帰属する当期純利益は2億円と対前期比33億円(△95.1%)の減益となりました。 (2) 財政状態の分析(単位:億円)(資産の部)前期末当期末前期末比(負債・純資産の部)前期末当期末前期末比流動資産755650△105流動負債814313△500現金及び預金269183△86仕入債務198182△15売上債権299274△25有利子負債49130△461棚卸資産1631729その他125101△24その他2321△3固定負債86410324固定資産750634△116有利子負債2322319有形固定資産4985024その他84895投資有価証券1311△130負債合計900724△176その他12113110純資産605559△45総資産1,5051,283△221負債・純資産1,5051,283△221 (資産)当期末の資産は1,283億円と前期末比221億円の減少となりました。流動資産は650億円と前期末比105億円の減少となりました。これは主に、リファイナンスなどにより現金及び預金が86億円減少したことによるものです。固定資産は634億円と前期末比116億円の減少となりました。これは主に、投資有価証券が売却により130億円減少したことによるものです。(負債)当期末の負債は724億円と前期末比176億円の減少となりました。これは主に、リファイナンス資金の借入により、固定負債の有利子負債が319億円増加した一方で、既存の借入金の返済などにより流動負債の有利子負債が461億円減少したことによるものです。有利子負債残高351億円から「現金及び預金」を控除したネット有利子負債残高は168億円であります。(純資産)当期末の純資産は559億円と前期末比45億円の減少となりました。これは主に、円安の影響で為替換算調整勘定が49億円増加した一方で、投資有価証券の売却などによりその他有価証券評価差額金が78億円減少したことや非支配株主への配当金支払いなどにより非支配株主持分が17億円減少したことによるものです。 (3) 資本の財源及び資金の流動性当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を資金調達の基本としております。当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は351億円、現金及び現金同等物の残高は183億円となっております。有利子負債残高から「現金及び預金」を控除したネット有利子負債残高は168億円と前期末と比べ55億円減少しました。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
事業リスク
- 技術革新と新製品開発の遅れ自動車業界の急速な技術変化、特に電動化の進展に対応した新技術や新製品の開発が遅れると、市場ニーズとのミスマッチが生じ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。競合他社に先行されるリスクも存在します。
- 生産拠点集中と災害リスク事業再生計画に基づく生産拠点の再編により、国内工場が専門工場化されています。地震、台風、火災などの自然災害や事故が発生した場合、特定の工場が被災すると、生産補完が困難になり、製品供給の遅延や停止が発生し、業績に重大な影響を与える可能性があります。
- 品質問題とブランド信頼性ブレーキ製品は安全に直結するため、万が一製品の欠陥が発生し、市場に流出した場合、多額の費用発生だけでなく、社会的信用の低下を招き、事業、業績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。過去の不適切行為の再発防止も継続的な課題です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】(1) リスク管理体制当社は、リスク管理活動の推進組織として、内部統制委員会の下部組織としてリスク管理委員会を設置しています。リスク管理委員会は、企業活動に潜在する様々なリスクに対処するため、事業環境の変化に対応して、当社に関連するリスクを洗い出し、影響度や発生頻度に応じてマッピングを行い、定期的に点検しております。事業継続マネジメントやサプライチェーンマネジメントなど、当社全体の重点リスクについて対処方針を決定し、対処策の指示やその実施状況と有効性の監視を行い、活動内容は定期的に内部統制委員会を通じて取締役会に報告しております。体制については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要」に記載しておりますコーポレート・ガバナンス体制図をご参照ください。 (2) 事業等のリスク当社グループの事業において、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると考えるリスクには、主として次のようなものがあり、会社運営にあたり注意を払っております。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの事業、業績及び財政状態に与える影響につきまして、合理的に予見することが困難であるものは記載しておりません。 ① 技術革新・新製品開発に関するリスク当社グループは、真のグローバリゼーションの中での事業拡大を目指し、将来のニーズを予測し、必要な経営資源を技術革新・新製品開発に投入しておりますが、市場、お客様ニーズ及び業界の技術の急激な変化等により、お客様の必要とする新技術・新製品がタイムリーに開発できなかった場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。現在、急速な普及拡大がみられる電動パーキングブレーキについては当社の独自技術を活かした商用車等の高出力発生可能な重車両向け、高性能車両をターゲットとした軽量、コンパクトな電動パーキングブレーキの開発に取り組み、既存の製品ではカバーできない領域の商品化を実現しました。また電動サービスブレーキについては競合他社に先行した市場投入を図るべく開発を進めており、安心安全な社会づくりに寄与すべく、応答性の速さ、コントロール性の良さ、小型・軽量化を重点課題として電動化開発の推進を図っております。一方で、従来ブレーキの改良も進めxEVへのシフトに対応していきます。航続距離に貢献するさらなる軽量化、低引き摺り化を図りつつ、xEVの特徴である回生制動に伴う摩擦ブレーキ使用頻度低下にも対応したブレーキ摩擦面の防錆技術、貼り付き抑制技術開発、また昨今のプレミアムEVで需要が旺盛な意匠性、見栄えを向上した製品の開発も進めてまいります。摩擦材開発については銅フリー摩擦材のシェア拡大に向けた取り組みとともに積極的な持続可能資源の活用のもと、欧州EURO7にて具体的な規制が示されたブレーキ摩耗粉塵排出の抑制、xEVへのシフトで着眼されている回生ブレーキとの協調、さらには原材料や製造プロセスを抜本的に見直し製造過程でのCO2発生量を従来比で50%削減できるブレーキパッド開発を含め、今後の市場の変化に対応した次世代摩擦材の開発を推進しております。これらに加えて、これまで当社が培ってきた技術をベースに、コンピュータシミュレーションを活用した技術開発の強化を図っております。これにより、品質向上と同時に開発リードタイムの短縮も可能となり、お客様へタイムリーに新製品を提案することで、多くのビジネスチャンスを得ることが可能となります。当社はこのような将来の環境対応を軸として、お客様ニーズに沿った開発を進めることで、新技術、新製品で他社に先行されるというリスクを抑制しながら社会貢献を図ってまいります。 ② 生産技術・設備に関するリスク当社グループは、事業再生計画に基づく生産拠点の再編を実施しており、その基盤となっているのは最適生産への取り組みです。余剰設備の有効活用、工場間及び工場内での寄せ止め、生産設備の稼働率向上を進めており、国内は専門工場化しております。その結果として、地震、台風、洪水等の自然災害や大規模な火災・爆発などの事故等により建屋や設備の損壊が発生した場合、生産補完ができないため、顧客への製品供給に遅延や不能が生じることで当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。国内での補完はできなくとも海外工場との補完は以下のように可能となっております。補完関係にある工場が海外にあることによってリードタイムが長くなることについては、事業継続マネジメント(BCM)の危機発生時の対応として必要な措置を実行します。 海外補完体制製品・主要部品国内生産工場海外生産工場ディスクブレーキ岩槻製造(埼玉県)エリザベスタウン(米国)、メキシコ、広州(中国)、チョンブリ(タイ)、インドネシアドラムブレーキ山陽製造(岡山県)インドネシアブレーキパッド山形製造(山形県)グラスゴー(米国)、蘇州(中国)、チョンブリ(タイ)、インドネシアブレーキライニング福島製造(福島県)インドネシア鋳物部品館林鋳造所(群馬県)ラチャブリ(タイ)ピストン岩槻製造チョンブリ(タイ)、インドネシア ③ 品質に関するリスク当社グループでは、安全・安心を支える上で品質は最も重要であると考え、常に、より高度な品質保証体制の構築を目指しております。自工程での品質保証、過去の不具合に学び失敗を繰り返さないなどの活動の浸透を進め、万全の体制をもって製品の生産に努めております。ただし、当社グループの製品は直接安全に関わる製品であり、万が一、製品の欠陥等が発生し、お客様への流出が防止できなかった場合、多大な費用の発生と社会的信用の低下により、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社国内生産子会社が製造する一部製品の定期検査報告における不適切な行為について、再発防止策を今後も着実に実行することにより、信頼の回復に全力で取り組んでおります。 ④ 災害等に関するリスク当社グループは、国内外に多くの拠点を有しており、地震、台風、洪水等の自然災害、感染症などのパンデミック、大規模火災や爆発のような事態が発生した場合、人的資源への影響、建屋や設備の損壊、ライフラインや情報インフラの寸断などにより生産活動が困難となり、顧客への製品供給に遅延や不能が生じることで当社グループの財政状態や業績、ひいては事業の継続に悪影響を及ぼす可能性があります。その対応策として当社グループでは、危機管理マニュアルの整備、従業員の安否確認方法の整備、事業継続マネジメント(BCM)の啓蒙活動とこれらに基づいた防災訓練、さらに、防災、減災の取り組みや早期復旧を目的とした建屋の耐震補強、生産設備の転倒防止などを、安全・BCM推進部署を中心として独立した組織で毎年チェックと評価、改善を行っています。危機が発生した場合は、安全・BCM推進部署が中心となって関係する国内外の拠点を網羅して速やかに対策本部を立ち上げ、必要な措置を実行しております。 ⑤ 原材料等の調達に関するリスク当社グループは多数の外部取引先から原材料・鋼材・部品等を調達しておりますが、市況変化による価格の高騰や品不足、取引先が製造した製品の欠陥、経営状態の悪化、不慮の事故、自然災害等に伴う原材料・鋼材・部品等の供給停滞によって、当社グループの製造コストの上昇、生産遅延・停止が起こり、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、市場における電動化の促進に伴い、より高度で複雑な技術を利用する部品の取引が増えることによるサプライチェーンの複雑化や製造コストの上昇などによって当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。自然災害(地震、豪雨浸水など)や事故(火災、爆発など)による事業継続性への影響を考慮したサプライチェーンにおける適正な在庫量の再検証や、サプライヤーマップの作成など有事発生による供給影響度の確認プロセスの迅速化に取り組んでまいります。 ⑥ コンプライアンスに関するリスク当社グループでは、様々なコンプライアンス活動を通じてコンプライアンス上のリスクの回避を図っておりますが、法令違反を含むコンプライアンス上の問題が発生した場合には、法令による処罰や訴訟の提起、損害賠償請求、ステークホルダーからの信頼低下などにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。その対応策として、当社グループでは、akebonoグローバル行動規範、akebonoグローバル行動基準やコンプライアンス規定等の整備によりコンプライアンス推進体制を構築するとともに、各事業部門・製造拠点が自ら施策を立案し、コンプライアンス委員会において承認されたそれぞれの年間活動計画に沿ってコンプライアンス活動を推進することを中心に、ハラスメントや長時間労働防止のための労務研修、下請法違反防止・インサイダー取引防止を目的とした各種研修を行うなど、社員のコンプライアンス意識向上のための各種施策を実施しております。また、内部通報制度として社外相談窓口と社内相談窓口を設置しており、それぞれの窓口に寄せられた相談については、適宜必要な調査を実施し、適切に対応しております。外部相談窓口への相談については、対応部署のみならず全ての取締役が受領することとしており、その対応と進捗については毎月取締役会に報告しております。 ⑦ 情報セキュリティに関するリスク当社グループでは製品開発や製造、経営等に関わる機密情報や個人情報等の重要情報を保有しており、サイバー攻撃や情報機器の盗難・紛失、社内における誤操作・管理ミス等によりこれら重要情報が漏洩するリスクがあります。これらの情報が漏洩した場合、会社の信用失墜、損害賠償・法的罰則・競争力低下等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、情報セキュリティに関しての最高意思決定機関としてISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)委員会を設置し、その配下に各業務部門・製造拠点責任者及び担当者を配置し、情報システム管理部署と連携し、海外子会社とも連携して、漏洩防止等の情報管理徹底に努めております。平時は、ネットワーク・サーバー等の物理的防御に加え、外部専門家による常時セキュリティ監視をグローバルで行うと同時に、人に対する情報セキュリティレベルの向上を行うために教育・訓練・啓発活動を行っています。また有事の際は、ISMS委員会、各業務部門・製造拠点責任者及び担当者が情報システム管理部署と連携し、初動から封じ込め、対策までを短時間で行えるよう有事フローを作成し備えています。新型コロナウイルス感染症の蔓延防止策として利用拡大されたテレワーク・在宅勤務は働き方のひとつとしても定着しており、これに対応するため、ソフト面ではテレワーク・在宅勤務時のガイドライン等による啓発活動を実施すると同時に、ハード面では外部からの不正アクセスを防止するための暗号化通信の必須化、セキュアなネットワーク環境の提供、会社貸与デバイス以外でのネットワークアクセスの制限等により、リスクの低減を図っております。 ⑧ 環境に関するリスク当社グループでは、持続可能な開発目標(SDGs)の推進に向けて様々な環境対策を進めておりますが、環境問題への対応の遅れや適応が難しい場合、当社グループへの社会的信頼が損なわれる可能性も想定され、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、地球環境保全の見地から環境問題への対応は企業としての重要な社会的責任であると考えており、SDGsの推進に向けて、環境に配慮した製品の開発、生産設備の改善、CO2排出量削減を始めとして様々な環境対策を進めております。また、気候変動を含む環境に関わる課題はサステナビリティ経営推進のための重要なテーマと捉えており、カーボンニュートラルに向けた中長期目標を設定、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく情報を開示し、将来を見据えた取り組みを進めております。環境に関わる課題はサステナビリティ委員会にて取り組み方針・施策を策定し、事業に重要な影響を及ぼすと判断されたテーマについては、経営会議で検討の上、取締役会へ報告し監督を行っております。 ⑨ 為替・金利変動に関するリスク当社グループの事業は、地域ごとに原材料・部品の輸入、製品等の輸出の取引があります。また、当社グループの資産及び負債の一部は外貨建てであり、適宜、為替バランスの監視を行っておりますが、全てのリスクをヘッジすることは難しく、その変動は当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社の海外関係会社財務諸表は現地通貨で作成されておりますが、当社グループの連結財務諸表作成時においてこれらの財務諸表は円換算されるため、現地における通貨金額が変わらない場合においても、換算時の為替レートにより円換算後の連結財務諸表上の金額が悪影響を受けることがあります。また、金利情勢や証券市場の変動が当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 経済状況の変動に関するリスク当社グループにおける営業収入は、当社グループが製品を生産・販売している国又は地域の経済状況の影響を受けます。当社グループの主要市場において、以下の事象が発生した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。・予期しない法律や規制の変更・戦争、内乱、紛争、暴動、テロ、疾病等による社会的又は経済的混乱・深刻な景気後退による自動車需要の減少とそれに伴う完成車メーカーの生産計画変更また、将来の脱炭素社会を目指す各国政府方針や各完成車メーカーにおける社会全体のモビリティ変革への取り組みによる業界の構図の変化等、国内外の競合他社との競争環境の変化により、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 人財に関するリスク当社グループは、人財は経営の基盤と考え様々な人事施策を行っておりますが、若手社員の人財育成・確保ができなかった場合や、特定のスキルを持った社員が流出した場合、適材適所の配置が計画どおり進まなかった場合の社員のモチベーション低下や、急速な事業環境の変化によるストレス増大等からくる休職や退職者が増加した場合、長期的視点から当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループの競争力を維持・向上し続けるためには、高度な専門技術に精通した人財、経営のマネジメント能力に優れた人財を採用し、高齢化が進む中で技術を伝承する人財を計画的に育成することが重要であると考えております。特に近年、グローバルな事業活動を一層進めるなかで、それらの環境で活躍できる人財の育成・確保が急務であり、国内外での積極的な採用活動、研修・教育の充実、コア人財の流出防止などの施策を講じています。 ⑫ 知的財産に関するリスク当社グループが事業を遂行する上で必要な技術を、他者に特許出願等されてしまうと、市場における自社事業の自由度が確保できなくなり、その結果、特定の技術、製品又はサービスを提供できなくなる可能性があります。この対策として、当社グループの発展に寄与できるよう積極的な発明提案の発掘活動を行い特許権等の権利を確保することにより、市場における事業の自由度の確保に努めています。また、当社グループが事業を遂行するなかで、当社グループの事業が他者の知的財産権を侵害したとして、損害賠償請求を受ける可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。この対策として製品開発時に他者の知的財産権とのクリアランスの調査が義務付けられており、他者の知的財産権を侵害しないことを確認しています。 ⑬ 上場維持基準に関するリスク当連結会計年度末において、当社の流通株式比率は、東京証券取引所プライム市場の流通株式比率の上場維持基準(35%以上)に適合しておりません。通常、1年以内に上場維持基準に適合することが必要となりますが、当社は、事業再生支援目的でジャパン・インダストリアル・ソリューションズ第弐号投資事業有限責任組合(以下「JISファンド」といいます。)との出資契約を締結し、JISファンドと連携しながら経営体質の改善を進めている最中であることから、東京証券取引所より2030年3月末までを適合に向けた計画期間とする特例適用が認められており、同計画期間内での流通株式比率の上場維持基準適合に向けて取り組んでおります。上場維持基準適合のためには、2025年3月31日時点で50.32%の当社普通株式を保有するJISファンドの持株比率低下を図ることが必要となります。また、JISファンドが保有する当社のA種種類株式の普通株式を対価とする取得請求権の行使がなされた場合、一時的に流通株式比率が一層低下する可能性があります。このため、当社は、JISファンドと持株比率の低下等について協議をしていくためにも、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 対処すべき課題 ② 上場維持基準への適合」に記載の取り組みを実施してまいります。しかしながら、こうした取り組みをもってしても、2030年3月末までの計画期間内に流通株式比率の上場維持基準に適合しない場合、プライム市場の上場は廃止となります。